説明

農薬を含む水性ポリマー分散液の製造方法およびその使用

本発明は、水中油型エマルションのラジカル重合によって、<1000nmの平均粒子直径の分散粒子を有する農薬を含む水性ポリマー分散液を製造するための方法であって、その油相が少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー中に少なくとも1種の農薬を含む方法に関する。前記方法は、<500nmの平均粒子径を有するミニエマルションを形成させるために、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で、水中の少なくとも1種のモノマー中に少なくとも1種の農薬の溶液を乳化させるステップおよび/または乳化の間またはその後に少なくとも1種の農薬を加え、続いて、そのミニエマルションをラジカル的に重合させるステップとからなる。本発明は、有害な微生物を駆除し、かつ/または植物の成長を調節し、かつ/または望ましくない植物の成長を駆除し、かつ/または望ましくない昆虫またはダニの攻撃を駆除し、かつ/または植物病原菌を駆除し、かつ/または種子を処理するための、そうして得られた分散液の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油相が少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー中に少なくとも1種の農薬を含んでいる水中油型エマルションのラジカル重合による、<1000nmの平均粒子径の分散粒子を有する農薬含有水性ポリマー分散液の調製方法、ならびに、有害な微生物を駆除し、かつ/または植物の成長を調節し、かつ/または望ましくない植物の成長を駆除し、かつ/または植物における望ましくない昆虫またはダニ(acarid)の発生(infestation)を駆除し、かつ/または植物病原菌を駆除し、かつ/または種子を処理するための上記分散液の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特にUV吸収剤またはエポキシ樹脂などの機能性物質を含む水性ポリマー分散液は特開平7-292009号で知られている。これらはその機能性物質を不飽和モノマー中に溶解させ、その溶液を界面活性剤の存在下で水に乳化させて、5〜500nmの平均粒子径を有するモノマーエマルションを生成させ、ラジカル開始剤の存在下でミニエマルションを重合させることによって調製する。UV吸収剤、エポキシ樹脂、アクリル酸ベースのポリマー、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、フェノールベースの物質および石油樹脂などの機能性物質を含む水性分散液は、保護塗膜のための結合剤および添加剤として用いられる。
【0003】
WO99/40123は、ポリマー粒子が均一に分散した、すなわち分子的に分散した有機着色剤を含む、水性ポリマー分散液の調製のための方法を開示している。そうした水性分散液は、ラジカル生成重合開始剤の存在下、水中油型エマルションの形態で、溶解した有機着色剤を含むエチレン系不飽和モノマーを重合することによるミニエマルション重合によって調製する。そのエマルションの分散相は、本質的に、直径<500nmを有する着色剤含有モノマー液滴を含む。本発明の有利な実施形態では、重合において、架橋効果を有するモノマーを含むモノマー混合物を使用する。そのポリマー分散液は沈澱に対して安定である。分散粒子は100〜400nmの平均粒子径を有する。これらは、通常の乾燥方法で水性分散液から単離することができる。着色剤含有ポリマー分散液は、例えば、高分子量の有機および無機材料の着色、ならびに、印刷インクおよびインクジェット印刷用インクの着色のために用いられる。
【0004】
EP-A-1 092 416号は、着色剤、蛍光漂白剤またはUV吸収剤を含む微細化した水性ポリマー分散液あるいはそれから得られる粉末状ポリマーの使用であって、そのポリマーマトリックスが、化粧品組成物の着色成分として、均一に分散された着色剤、蛍光漂白剤またはUV吸収剤を含む使用を開示している。分散液は好ましくは、WO-A-99/40123で知られている方法により、溶解した着色剤、蛍光漂白剤またはUV吸収剤を含むエチレン系不飽和モノマーのミニエマルション重合によって調製される。
【0005】
着色剤含有ポリマー粒子が1000nm未満の平均粒子径を有する他の着色剤含有ポリマー分散液が、EP-A-1 191 041号に記載されている。有機着色剤に加えて、UV吸収剤および蛍光漂白剤も着色剤として適している。これらは、着色剤を少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー中に溶解させ、この溶液を水に乳化させて通常のマクロエマルションを生成させ、マクロエマルションを均一化させて1000nm未満の平均粒子径を有するミニエマルションを生成させ、そのミニエマルションを、ラジカル生成重合開始剤の存在下で、使用するモノマーに対して0.1〜20重量%の少なくとも1種の非イオン性界面活性化合物と1〜50重量%の少なくとも1種の両親媒性ポリマーを重合させることによって調製する。ポリマー粒子は0.5〜50重量%の均一に分散された(これは、ポリマーマトリックス中に単分子的に溶解しているか、または二分子もしくは多分子凝集体の形態で存在するという意味で理解すべきである)少なくとも1種の有機着色剤、蛍光漂白剤またはUV吸収剤を含む。
【0006】
WO01/10936は、コア/シェル構造を有する粒子であって、そのコアが40℃未満のガラス転移温度Tgを有するポリマーとUV吸収剤を含み、そのシェルが好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルおよび/またはメタクリル酸メチルからのポリマーからなる粒子を開示している。粒子のコアを形成するポリマーは、適切な場合、架橋されていてよい。ポリマー粒子はエマルション重合によって調製される。UV吸収剤を含むポリマー粒子は、紫外線を吸収するポリマー組成物を調製するために用いられる。
【0007】
WO2004/037867は、アルキルジケテンの存在下での疎水性モノエチレン系不飽和モノマーのミニエマルション重合によって得られるアルキルジケテンを含む水性ポリマー分散液を開示している。これらの分散液は、紙用のサイズ剤、ならびに皮革、天然および/または合成繊維および織物用の疎水化剤として用いられる。
【0008】
WO2004/046234は、紫外線の影響に対してポリマーを安定化させるための少なくとも1種のUV吸収剤を含む微細化したポリマー粉末の使用を開示している。ポリマー粉末のポリマー粒子は500nm以下の粒子径を有する。これらは、上記文献のWO99/40123、EP-A 1 092 415号および同第A 1 191 041号に記載の方法によるミニエマルション重合によって調製されることが好ましい。ポリマー粒子は、分子またはナノ結晶の形態でその中に均一に分散されているか、あるいは、ポリマーマトリックスでそれに完全にまたはごく部分的にコーティングされた0.5〜50重量%の少なくとも1種のUV吸収剤を含む。
【0009】
米国特許第6 309 787号は、ミニエマルション重合によって着色剤をカプセル化する方法であって、そのミニエマルションが界面活性剤、共界面活性剤および非イオン性界面活性剤の存在下で調製される方法を開示している。重合後、着色剤コアとポリマーシェルで形成された分散粒子が得られる。
【0010】
DE-A 196 28 143号は水性ポリマー分散液の調製方法を開示している。モノマーの重合は水性のラジカルミニエマルション重合の方式で実施される。そこでは、水性モノマーミニエマルションの少なくとも一部が、連続的に重合している重合領域中に継続的に導入される。
【0011】
先の出願10 2004 012 576.7号は、<500nmの平均粒子径の分散粒子を有する有効物質を含む水性ポリマー分散液であって、そのポリマー粒子が、少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーから形成されたコアとしてのポリマーマトリックスを含み、粒子のポリマーマトリックスを形成するモノマー中に可溶性である有効物質が、少なくとも部分的にそのコアの表面上に位置している分散液を開示している。これらのポリマー分散液は、まず、1種の界面活性剤と少なくとも1種の有効物質の存在下、水中でエチレン系不飽和モノマーを乳化させて<500nmの平均粒子径の乳化された粒子を有するミニエマルションを調製し、次いで、少なくとも1種のラジカル重合開始剤の存在下、重合領域にあるモノマーの最大で50%だけがまず重合し、その有効物質が乳化された粒子の表面へ移行し、生成したポリマー粒子の表面で有効物質が十分にまたは完全に蓄積された後に初めて重合が完了するような形でミニエマルションを重合させることによって調製される。この方法で得られる分散液、および揮発性成分を蒸発させてそれから得られるポリマー粉末は、紫外線、酸素および熱の影響に対してポリマーを安定化させるために、例えば、化粧品および医薬品の処方、表面コーティング、紙、皮革および織物の製造、ならびに動物供給用の配合において用いられる。
【0012】
植物保護においては、水にわずかだけしか溶解しない農薬は、水性懸濁液またはエマルションの形でしばしば配合される。エマルションは通常有機溶媒を含むが、懸濁液は通常溶媒なしで配合される。活性物質はこれらの懸濁液中に、μmの範囲の粒子径を有する粒子の形で存在する。
【0013】
時々、水性ミクロエマルションの形態の水不溶性の殺菌性活性物質の配合することが提案されている(例えば、WO02/082900、WO02/45507およびWO99/65301を参照されたい)。分散相が明らかに1μmを超える液滴サイズを示す通常の濁った乳状のマクロエマルションに対して、活性物質は、明らかに1000nm〜10nmまたはそれ以下の液滴サイズを有する微細化された形態の透明から半透明のミクロエマルションで存在する[この関連では、D.J.Shaw, Introduction to Colloid and Surface Chemistry, Butterworths, London, 1986、273頁を参照されたい]。
【0014】
先のドイツ特許出願10 2004 020 332.6号は、25℃、1013ミリバールで5g/L以下の水への溶解度を有する少なくとも1種の殺菌性有機活性物質と、300nm以下の平均粒子径を有する微細化したポリマーであって、そのポリマー粒子が活性物質を含むポリマーとを含む水性活性物質組成物を開示している。そのポリマーは、それぞれモノマーの総量に対して、25℃で30g/L以下の水への溶解度を有する少なくとも60重量%の少なくとも1種の中性モノエチレン系不飽和モノマーと、最大で40重量%の少なくとも1つの他のエチレン系不飽和モノマーから形成される。そうした活性物質組成物は、少なくとも1種の殺菌性活性物質と、適切な場合、殺昆虫性活性物質を含むエチレン系不飽和モノマーの水中油型エマルションの水性ラジカルエマルション重合によって実現される。しかし、水性分散液の安定性には依然として改善が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、それぞれの用途において、制御された仕方で農薬活性物質を放出するか、あるいは移行に対して安定な形態で提供するかまたは分解からそれらを保護する、農薬活性物質を含む水性ポリマー分散液の調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は、油相が少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー中に少なくとも1種の活性物質を含んでいる水中油型エマルション中でのラジカル重合による、<1000nmの平均粒子径の分散粒子を有する農薬含有水性ポリマー分散液の調製方法であって、少なくとも1種のモノマー中の少なくとも1種の農薬の溶液を少なくとも1種の界面活性剤の存在下で水中に乳化し、<500nmの平均液滴サイズを有するミニエマルションを生成するか、かつ/または、乳化の際かまたはそれに続いて少なくとも1種の農薬を加え、次いでミニエマルションをラジカル条件下で重合させる調製方法を用いる本発明によって実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ここで提供される微細化したポリマーの粒子径は、例えば動的光散乱法で測定できる重量平均粒子径である。その方法は、例えば、H. Wiese in D. Distler, Wassrige Polymerdispersionen [Aqueous polymer dispersions], Wiley-VCH, 1999, chapter 4.2.1、40頁以下、およびその中の引用文献により、またH. Auweter and D. Horn, J. Colloid Interf. Sci., 105 (1985), 399, D. Lilge and D. Horn, Colloid Polym. Sci., 269 (1991), 704または H. Wiese and D. Horn, J. Chem. Phys., 94 (1991), 6429により、当業者によく知られたものである。平均粒子径は好ましくは、10〜250nmの範囲、特に20〜200nmの範囲、特に好ましくは30〜150nmの範囲、非常に好ましくは30〜100nmの範囲である。
【0018】
農薬は文献により当業者に周知である。「農薬(pesticide)」という用語は本明細書では、殺虫剤(insecticide)、殺菌剤、除草剤、成長調節剤および薬害軽減剤からなる群から選択される少なくとも1種の活性物質を意味する(Pesticide Manual, 13th Ed. (2003)を参照されたい)。
【0019】
活性物質として用いられる農薬は、好ましくは、一般に5g/L以下、好ましくは3g/L以下の水への低い溶解度を有する有機農薬である。以下の殺虫剤のリストに可能性のある活性物質を示すが、これらに限定されるものではない。すなわち、
・オルガノ(チオ)ホスフェート、例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホスメチル、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチルパラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシジメトンメチル、パラオキソン、パラチオン、フェントアート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、トリアゾホスまたはトリクロルホン;
・カルバメート、例えば、アラニカルブ、ベンフラカルブ、ベンダイオカルブ、カルバリル、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、インドキサカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクサー、チオジカルブまたはトリアザメート;
・ピレスロイド、例えば、アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シフェノトリン、シペルメトリンおよびα、β、θおよびζ異性体、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパスリン、フェンバレラート、シハロトリン、ラムダシハロトリン、イミプロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、シラフルオフェン、タウフルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリンまたはトランスフルトリン;
・アルスロポダル(arthropodal)成長調節剤、例えば、a)キチン合成阻害剤、例えば、ベンゾイル尿素、例えば、クロルフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾールまたはクロフェンテジン;b)エクジソン拮抗薬、例えば、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジドまたはテブフェノジド;c)幼若ホルモン類似体、例えば、ピリプロキシフェン、メトプレンまたはフェノキシカルブ;d)脂質生合成阻害剤、例えば、スピロジクロフェン;
・ネオニコチノイド、例えば、フロニカミド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、ニチアジン、アセタミプリドまたはチアクロプリド;
・プリアゾール(pryazole)殺虫剤、例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、テブフェンピラド、トルフェンピラドおよびバニリプロール;
・さらに、アバメクチン、アセキノシル、アミトラズ、アザジラクチン、ビフェナゼート、カルタップ、クロルフェナピル、クロルジメフォルム、シロマジン、ジアフェンチウロン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、フェナザキン、ホルメタネート、塩酸ホルメタネート、ヒドラメチルノン、ピペロニルブトキシド、ピリダベン、ピメトロジン、スピノサド、チアメトキサム、チオシクラム、ピリダリル、フロニカミド、フルアクリピリム、ミルベメクチン、スピロメシフェン、フルピラゾホス、NC512、トルフェンピラド、フルベンジアミド、ビストリフルロン、ベンクロチアズ、ピラフルプロール、ピリプロール、アミドフルメト、フルフェネリム、シフルメトフェン、アセキノシル、レピメクチン、プロフルトリン、ジメフルトリン、アミドラゾン、メタフルミゾン、N-エチル-2,2-ジクロロ-1-メチルシクロプロパンカルボキサミド2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)ヒドラゾン、N-エチル-2,2-ジメチルプロピオンアミド2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)ヒドラゾン、以下の式の化合物、
【化1】

【0020】
次式のアミノイソチアゾール、
【化2】

【0021】
(式中、
R=-CH2OCH3またはHであり、
R'=-CF2CF2CF3である)、
次式のアントラニルアミド、
【化3】

【0022】
次式の殺虫剤活性化合物である。
【化4】

【0023】
以下の殺菌剤のリストに可能性のある活性物質を示すが、これらに限定されるものではない。すなわち、
・アシルアラニン、例えば、ベナラキシル、フララキシル、メタラキシル、オフレースまたはオキサジキシル;
・アミン誘導体、例えば、アルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミノクタジン、スピロキサミンまたはトリデモルフ;
・アニリノピリミジン、例えば、ピリメタニル、メパニピリムまたはシプロジニル;
・抗生物質、例えば、シクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシン、ストレプトマイシンまたはバリダマイシンA;
・アゾール、例えば、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シアゾファミド、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、エトリジアゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォル、フベリダゾール、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、ペフラゾエート、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オンまたは3-(3-ブロモ-6-フルオロ-2-メチルインドール-1-イルスルホニル)-[1,2,4]トリアゾール-1-スルホン酸ジメチルアミド;
・ジカルボキシイミド、例えば、イプロジオン、ミクロゾリン、プロサイミドンまたはビンクロゾリン;
・複素環化合物、例えば、アニラジン、ベノミル、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、オキシカルボキシン、シアゾファミド、ダゾメット、ジチアノン、エチリモール、ジメチリモール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモル、フベリダゾール、フルトラニル、フラメトピル、イソプロチオラン、メプロニル、ヌアリモル、オクチリノン、プロベナゾール、プロキナジド、ピリフェノックス、ピロキロン、キノキシフェン、シルチオファム、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネートメチル、チアジニル、トリシクラゾール、トリホリン、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチルイソオキサゾリジン-3-イル]ピリジンまたはブピリメート;
・ニトロフェニル誘導体、例えば、ビナパクリル、ジノカップ、ジノブトンまたはニトロタールイソプロピル;
・フェニルピロール、例えば、フェンピクロニルまたはフルジオキソニル;
・有機リン化合物、例えば、エジフェンホス、イプロベンホス、ピラゾホス、トルクロホスメチル、ホセチル、ホセチルアルミニウムまたは亜リン酸;
・他の殺菌剤、例えば、アシベンゾラル-S-メチル、ベンチアバリカルブ、カルプロパミド、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、ジクロメジン、ジクロシメット、ジエトフェンカルブ、エタボキサム、フェンヘキサミド、酢酸トリフェニルスズ、フェノキサニル、フェリムゾン、フルアジナム、ホセチル、ホセチルアルミニウム、イプロバリカルブ、ヘキサクロロベンゼン、メトラフェノン、ペニシクロン、プロパモカルブ、フタリド、トルクロホスメチル、キントゼン、ゾキサミド、イソプロチオラン、イプロベンホス、フルオピコリド(ピコベンザミド)、マンジプロパミド、N-(2-{4-[3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-イニルオキシ]-3-メトキシフェニル}エチル)-2-メチルスルホニルアミノ-3-メチルブチルアミド、N-(2-{4-[3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-イニルオキシ]-3-メトキシフェニル}エチル)-2-エチルスルホニルアミノ-3-メチルブチルアミド、フラメトピル、チフルザミド、ペンチオピラド、フェンヘキサミド、3,4-ジクロロイソチアゾール-5-カルボン酸(2-シアニフェニル)アミド、フルベンチアバリカルブ、3-(4-クロロフェニル)-3-(2-イソプロポキシカルボニルアミノ-3-メチルブチリルアミノ)プロピオン酸メチルエステル、{2-クロロ-5-[1-(6-メチルピリジン-2-イルメトキシイミノ)エチル]ベンジル}カルバミン酸メチルエステル、{2-クロロ-5-[1-(3-メチルベンジルオキシイミノ)エチル]ベンジル}カルバミン酸メチルエステルまたはフルスルファミド、次式のアミド、
【化5】

【0024】
(式中、
XはCHF2またはCH3であり、
R1およびR2は互いに独立にハロゲン、メチルまたはハロメチルである);
・ストロビルリン、例えば、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン(enestroburin)、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、オリザストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビンまたはトリフロキシストロビン;
・スルフェン酸誘導体、例えば、カプタホル、キャプタン、ジクロフルアニド、ホルペットまたはトリルフルアニド;
・シンナムアミドおよびその類似体、例えば、ジメトモルフ、フルメトバーまたはフルモルフ;
・アミド殺菌剤、例えば、シフルフェナミドまたは(Z)-N-[α-(シクロプロピルメトキシイミノ)-2,3-ジフルオロ-6-(ジフルオロメトキシ)ベンジル]-2-フェニルアセトアミドである。
【0025】
以下の除草剤のリストに可能性のある活性物質を示すが、これらに限定されるものではない。すなわち、
脂質の生合成を阻害する化合物、例えば、クロラジホップ、クロジナホップ、クロホップ(clofop)、シハロホップ、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェンチアプロップ、フルアジホップ、フルアジホップ-P、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、イソキサピリホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ-P、トリホップ、アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、クロプロキシジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム、ブチレート、シクロエート、ダイアレート、ジメピペレート、EPIC、エスプロカルブ、エチオレート、イソポリネート、メチオベンカルブ、モリネート、オルベンカーブ、ペブレート、プロスルホカルブ、スルファレート、チオベンカーブ、チオカルバジル、トリアレート、バーノレート、ベンフレセート、エトフメセートおよびベンスリド;
ALS阻害剤、例えば、アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エタメツルフロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メトスルフロン、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、クロランスラム、ジクロスラム、フロラスラム、フルメツラム、メトスラム、ペノキススラム、ビスピリバック、ピリミノバック、プロポキシカルバゾ、フルカルバゾン、ピリベンゾキシム、ピリフタリおよびピリチオバック;
光合成を阻止する化合物、例えば、アトラトン、アトラジン、アメトリン、アジプロトリン、シアナジン、シアナトリン(cyanatryn)、クロラジン、シプラジン、デスメトリン、ジメタメトリン、ジプロペトリン、エグリナジン、イパジン(ipazine)、メソプラジン(mesoprazine)、メトメトン(methometon)、メトプロトリン、プロシアジン、プログリナジン(proglinazine)、プロメトン、プロメトリン、プロパジン、セブチラジン(sebuthylazine)、セクブメトン、シマジ、シメトン、シメトリン、テルブメトン、テルブチラジン(terbuthylazine)およびテルブトリン;
プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ阻害剤、例えば、アシフルオルフェン、ビフェノックス、クロロメトキシフェン、クロルニトロフェン、エトキシフェン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオロニトロフェン(fluoronitrofen)、フォメサフェン、フリロキシフェン、ハロサフェン(halosafen)、ラクトフェン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルアゾレート、ピラフルフェン、シニドンエチル、フルミクロラック、フルミオキサジン、フロミプロピン、フルチアセット、チジアジミン、オキサジアゾン、オキサジアルギル、アザフェニジン、カルフェントラゾン、スルフェントラゾン、ペントキサゾン、ベンズフェンジゾン、ブタフェナシル、ピラクロニル、プロフルアゾール、フルフェンピル、フルプロパシル、ニピラクロフェンおよびエトニプロミド(etnipromid);
除草剤、例えば、メトフルラゾン、ノルフルラゾン、フルフェニカン、ジフルフェニカン、ピコリナフェン、ビフルブタミド、フルリドン、フルロクロリドン、フルルタモン、メソトリオン、スルコトリオン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ベンゾフェナップ、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、アミトロール、クロマゾン、アクロニフェン、4-(3-トリフルオロメチルフェノキシ)-2-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピリミジンおよび次式
【化6】

【0026】
(式中、置換基R8〜R13は以下の意味を有する:すなわち、
R8、R10は、水素、ハロゲン、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-ハロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-アルキルスルフィニルまたはC1〜C6-アルキルスルホニルを表し、
R9は、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イル、チアゾール-5-イル、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾール-4-イル、イソオキサゾール-5-イル、4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル、4,5-ジヒドロイソオキサゾール-4-イルおよび4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イルからなる群から選択される複素環基を表し、上記基は1つまたは複数の置換基を有することができ、例えばそれは、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-ハロアルコキシまたはC1〜C4-アルキルチオで、モノ-、ジ-、トリ-もしくはテトラ置換されていてよく、
R11は水素、ハロゲンまたはC1〜C6-アルキルを表し、
R12はC1〜C6-アルキルを表し、
R13は水素またはC1〜C6-アルキルを表す)
の4-ヘテロシクリル置換ベンゾイル誘導体(WO-A-96/26202、WO-A-97/41116、WO-A-97/41117およびWO-A-97/41118参照)である。
【0027】
他の適切な除草剤は、EPSPシンターゼ阻害剤、例えば、グリホサート;
グラタミンシンターゼ阻害剤、例えば、グルホシネートおよびビラナホス;
DHPシンターゼ阻害剤、例えば、アスラム;
有糸分裂阻害薬、例えば、ベンフルラリン、ブトラリン、ジニトラミン、エタルフルラリン、フルクロラリン、イソプロパリン、メタルプロパリン(methalpropalin)、ニトラリン、オリザリン、ペンディメタリン、プロジアミン、プロフルラリン、トリフルラリン、アミプロフォスメチル、ブタミホス、ジチオピル、チアゾピル、プロピザミド、テブタム、オーロルタール(ohlorthal)、カルベタミド、クロルブファム、クロルプロファムおよびプロファム;
VLCFA阻害剤、例えば、アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ブテナクロール、デラクロール(delachlor)、ジエタチル、ジメタクロール、ジメテナミド、ジメテナミド-P、メタザクロール、メトラクロール、S-メトラクロール、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール、プリナクロール(prynachlor)、テルブクロール(terbuchlor)、テニルクロール(thenylchlor)、キシラクロール(xylachlor)、アリドクロール、CDEA、エプロナズ、ジフェナミド、ナプロパミド、ナプロアニリド、ペントキサミド、フルフェナセット、メフェナセット、フェントラザミド、アニロホス、ピペロホス、カフェンストロール、インダノファンおよびトリジファン;
セルロースの生合成の阻害剤、例えば、ジクロベニル、クロルチアミド、イソキサベンおよびフルポキサム;
除草剤、例えば、ジノフェネート(dinofenate)、ジノプロップ(dinoprop)、ジノサム(dinosam)、ジノセブ、ジノテルブ、DNOC、エチノフェン(etinofen)およびメジノテルブ;
オーキシン除草剤、例えば、クロメプロップ、2,4-D、2,4,5-T、MCPA、MCPA-チオエチル、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、メコプロップ、メコプロップ-P、2,4-DB、MCPB、クロラムベン、ジカンバ、2,3,6-TBA、トリカンバ、キンクロラック、キンメラック、クロピラリド、フルロキシピル、ピクロラム、トリクロピルおよびベナゾリン;
オーキシン輸送阻害剤、例えば、ナプタラムおよびジフルフェンゾピル;
さらに:ベンゾイルプロップ、フラムプロップ、フラムプロップ-M、ブロモブチド、クロルフルレノール、シンメチリン、メチルダイムロン、エトベンザニド、ホサミン、メタム、ピリブチカルブ、オキサジクロメホン、ダゾメット、トリアジフラムおよび臭化メチル
である。
【0028】
「薬害軽減剤」という用語は以下の意味を有する。いくつかの場合、より良好な除草耐性は、それ自体除草効果を発揮できる有機活性化合物と特定の作用を有する除草剤を一緒に施すことによって得られることが知られている。この場合、これらの化合物は、有用な植物への悪影響を低減するかまたは回避するので、解毒剤または拮抗薬として作用し、「薬害軽減剤」と称される。
【0029】
以下のリストに可能性のある薬害軽減剤を示すが、これらに限定されるものではない。すなわち、
ベノキサコール、クロキントセット、シオメトリニル、ジクロルミド、ジシクロノン(dicyclonon)、ジエトレート(dietholate)、フェンクロラゾール、フェンクロリム、フルラゾール、フルクソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン、メフェンピル、メフェナート(mephenate)、ナフタル酸無水物、2,2,5-トリメチル3-(ジクロロアセチル)-1,3-オキサゾリジン(R-29148)、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン(AD-67;MON4660)およびオキサベトリニル
である。
【0030】
以下の成長調節効果を有する化合物のリストに可能性のある活性物質を示すが、これらに限定されるものではない。すなわち、
1-ナフタレンアセトアミド、1-ナフタレン酢酸、2-ナフトキシ酢酸、3-CPA、4-CPA、アンシミドール、アントラキノン、BAP、ブチホス(butifos)、トリブホス、ブトラリン、クロルフルレノール、クロルメコート、クロフェンセット、シクラニリド、ダミノジッド、ジカンバ、ジケグラックナトリウム、ジメチピン、クロルフェネトール、エタセラシル、エテホン、エチクロゼート、フェノプロップ、2,4,5-TP、フルオリダミド、フルルプリミドール、フルトリアフォル、ジベレリン酸、ジベレリン、グアザチン、イマザリル、インドール酪酸、インドール酢酸、カレタザン、キネチン、ラクチジクロルエチル、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、メピコートクロリド、ナプタラム、パクロブトラゾール、プロヘキサジオンカルシウム、キンメラック、シントフェン(sintofen)、テトシクラシス、チジアズロン、3ヨード安息香酸、トリアペンテノール、トリアゼタン(triazethan)、トリブホス、トリネキサパックエチルおよびウニコナゾール
である。
【0031】
油溶性着色剤の存在下でのエチレン系不飽和モノマーのミニエマルション重合は例えばWO-A-99/40123により周知であり、従来技術の状態において引用されている。WO-A-99/40123の3頁、第30行から38頁、第6行、および69頁、第11行から84頁、第43行に、特にこの重合方法およびモノマーの詳細が引用されている。WO出願のこの部分を参照により本発明の開示内容に組み込む。そこに記載されているミニエマルションの調製のためのエチレン系不飽和モノマー、助剤および工程手段は、微生物による感染症および障害を防止するために、有害な微生物を駆除し、植物の成長を調節し、望ましくない植物の成長を駆除し、植物における望ましくない昆虫またはダニの発生を駆除し、植物病原菌を駆除し、かつ/または種子を処理するのに従来用いられている本発明による活性物質を用いること以外は、本発明による方法において同じ仕方で用いる。
【0032】
ミニエマルションの油相は、用いるモノマーの総量に対して、0.5〜60重量%、好ましくは10〜40重量%、特に10〜30重量%の少なくとも1種の活性物質を含む。
【0033】
適切なエチレン系不飽和モノマーは、例えば、
(a)25℃、1013ミリバールで>0.01g/Lの水への溶解度を有する50〜100重量%の少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーA、
(b)25℃、1013ミリバールで<0.01g/Lの水への溶解度を有する0〜50重量%の少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーB、および
(c) 少なくとも2つの二重結合を有する0〜30重量%の少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーC
である。
【0034】
これらのモノマーまたはモノマーの組合せは上記WO-A-99/40123に詳細に記述されている。(a)〜(c)のグループの個々のモノマーは単に例として挙げられるべきであり、ちなみに、グループ(a)のモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、エチレン系不飽和C3-〜C5-カルボン酸と1〜6個の炭素原子を有する一価アルコールのエステルおよび酢酸アリルが挙げられる。
【0035】
モノマー(a)は水への高い溶解度、すなわち25℃、1013ミリバールで>60g/Lを示すモノマーA'も含む。モノマーA'はポリマーを改変するためにも用いられ、通常ポリマーマトリックスの合成に、0.1から最大で20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の量で用いられる。これらのモノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸およびビニルホスホン酸であり、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピル-メタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドまたは1-ビニルイミダゾールなどのカチオン生成モノマーもあり、またN-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN-ビニルピロリドンもある。塩基性モノマーは塩としての遊離塩基の形態または四級化された形態で重合に用いられる。酸基を示すモノマーは遊離酸の形態、またはアルカリ金属塩基もしくはアンモニウム塩基で部分的にもしくはすべて中和された形態で重合に用いることができる。
【0036】
グループ(b)のモノマーの適切な例は、2-および4-メチルスチレン、p-(tertブチル)スチレン、エチレン系不飽和C3-〜C5-カルボン酸と分子中に12個の炭素原子を有するアルコールのエステル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルおよびオリゴプロペニルアクリレートなどのマクロモノマーである。
【0037】
グループ(c)のモノマーの例は、グリコールジアクリレート、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニル尿素およびメチレンビスアクリルアミドである。
【0038】
したがって、分散ポリマー粒子のポリマーマトリックスを調製するために、例えば、
(a)メタクリル酸メチル、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル、
(b)適切な場合、アクリル酸ラウリル、アクリル酸パルミチルおよび/またはアクリル酸ステアリル、ならびに、
(c)適切な場合、ブタンジオールジアクリレート、アクリル酸アリル、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよび/またはペンタエリスリトールテトラアクリレート
の組合せを用いることができる。
【0039】
本発明の方法において、グループ(a)、(b)および(c)の少なくとも1つのモノマーを用いることが好ましい。ポリマーマトリックスの調製に好ましくは適している他のモノマーの組合せは、
(a)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルおよび/またはアクリル酸、
ならびに、
(c)ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレートおよび/またはアクリル酸アリル
の組合せからなる。
【0040】
本発明の方法によれば、エチレン系不飽和モノマーのミニエマルション重合によって、<1000nmの平均粒子径の分散ポリマー粒子を有する少なくとも1種の活性物質を含む水性ポリマー分散液が得られる。この関連では、第1の少なくとも1種の活性物質を少なくとも1種のモノマー中に溶解させる手順が好ましい。活性物質はほとんどの場合単分子的に溶解されるが、これらはコロイド状分散液の形態で溶解していてもよい。次いで、活性物質を含むモノマー溶液は、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で水に乳化される。界面活性剤に代えるかまたはそれに加えて、水および/またはモノマー中で不溶性であるミクロ粒子またはナノ粒子を、エマルションのための安定化剤として用いることも可能である(ピカリング効果)。この種の安定化剤は、例えばナノスケールの二酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび硫酸マグネシウムである。<500nmの平均液滴サイズの乳化液滴を有するミニエマルションが得られる。
【0041】
乳化は、WO-A-99/40123、26頁、第11行から32頁、第4行に詳細に記載されている方法によって行う。例えば、乳化させるために、様々な型式の高圧ホモジナイザーまたは超音波を用いると、必須成分として好ましくは少なくとも1種のモノマー、および水に溶解された少なくとも1種の活性物質を含むマクロエマルションに作用することができる。EP-A-0 765 896号、EP-A-1 008 380号を参照されたい。ほとんどの場合、混合物は、界面活性剤の存在下で乳化させる。しかし、活性物質をミニエマルションに加えるか、またはそれらをミニエマルションの調製の際に加えることも可能である。しかし上記したように、それらをまず少なくとも1種のモノマーの中に溶解し、溶解した形態または溶解したコロイド状分散液の形態で水中に乳化することが好ましい。
【0042】
ミニエマルションの調製に用いる水相は水からなり、適切な場合、水相中の有機相のエマルション中に形成された微細化モノマー液滴を安定化させる界面活性剤を含む。界面活性剤は、それぞれの場合分散液全体に対して、最大で15重量%、例えば0.05〜15重量%、好ましくは0.05〜5重量%、特に0.1〜2重量%の量を用いる。それは水相でも、有機相でも、またその両方の相のいずれかに見出される。界面活性剤は、乳化させる前に水相へ加えることが好ましい。基本的にはどんな界面活性剤も用いることができる。用いるのに好ましい界面活性剤は、アニオン性化合物および100〜100000の平均モル質量Mwを有する両親媒性コポリマーである。適切な界面活性剤の例はラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、および/または15〜50モルの酸化エチレンおよび/また酸化プロピレンと1モルのC12-〜C22-アルコールとの付加生成物である。
【0043】
さらに、ミニエマルションは、用いるのに適切な場合、両親媒性ポリマーを用いて安定化させることができる。両親媒性ポリマーを用いる場合、それらは、例えば重合で使用するモノマーに対して0.05〜15重量%、好ましくは0.5〜5重量%の量で用いる。両親媒性ポリマーの例は、
(a)疎水性のモノエチレン系不飽和モノマー、および
(b)モノエチレン系不飽和カルボン酸、モノエチレン系不飽和スルホン酸、モノエチレン系不飽和ホスホン酸またはその混合物および/または塩基性モノマーの単位を含むコポリマーである。
【0044】
適切な疎水性のモノエチレン系不飽和モノマーは、
(a)例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、C2-〜C18-オレフィン、モノエチレン系不飽和C3-〜C5-カルボン酸と一価アルコールのエステル、ビニルアルキルエーテル、ビニルエステルまたはその混合物である。イソブテン、ジイソブテン、スチレンおよびアクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチルおよびアクリル酸sec-ブチルなどのアクリル酸エステルの群のモノマーを用いることが好ましい。
【0045】
両親媒性コポリマーは、親水性モノマーとして
(b)好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、3-アクリルアミドプロパンスルホン酸、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、スチレンスルホン酸、ビニルホスホン酸またはその混合物を共重合した形で含む。酸モノマーは、遊離酸の形態または部分的にもしくは全体として中和されている形態で存在することができる。
【0046】
他の適切な親水性モノマーは塩基性モノマーである。それらは、疎水性モノマー(a)だけで重合しても、また上記酸性モノマーとの混合物で重合してもよい。塩基性モノマーと酸性モノマーの混合物を用いる場合、共重合する酸性モノマーと塩基性モノマーのモル比に応じて、アニオンかまたはカチオンに荷電した両性コポリマーが生成する。
【0047】
塩基性モノマーは、例えばジ(C1〜C2)アルキルアミノ(C2〜C4)アルキル(メタ)アクリレートまたはジアリルジメチルアンモニウムクロリドである。塩基性モノマーは、遊離塩基、有機もしくは無機酸との塩、またはハロゲン化アルキルで四級化された形態で存在することができる。塩基性モノマーが結果としてカチオン性となる、塩の生成または四級化は、部分的かまたは全面的に行うことができる。そうした化合物の例は、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレートおよび/またはジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよび/またはジアリルジメチルアンモニウムクロリドである。
【0048】
遊離酸の形態の両親媒性コポリマーが水中に十分溶解しない場合、それらを、水溶性塩の形態、例えば対応するアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩で用いる。これらの塩は、両親媒性コポリマーの遊離酸基を塩基で部分的かまたは完全に中和することによって調製する。その中和には、例えば水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、酸化マグネシウム、アンモニア、またはトリエタノールアミン、エタノールアミン、モルホリン、トリエチルアミンもしくはブチルアミンなどのアミンを用いる。両親媒性コポリマーの酸基は好ましくはアンモニアまたは水酸化カリウム溶液で中和する。他方、塩基性モノマーまたはそうした共重合モノマーを含むコポリマーの水への溶解度は、塩酸または硫酸などの無機酸で部分的かまたは完全に中和するか、あるいは、酢酸またはp-トルエンスルホン酸などの有機酸を加えることによって増大させることができる。両親媒性コポリマーのモル質量は、例えば1000〜100000、好ましくは1500〜10000の範囲である。両親媒性コポリマーの酸価は、ポリマー1g当たり、例えば50〜500、好ましくは150〜350mgのKOHである。
【0049】
特に好ましいものには、
(a)95〜45重量%のイソブテン、ジイソブテン、スチレンまたはその混合物と
(b)5〜55重量%のアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸半エステルまたはその混合物
を共重合したものを含む両親媒性コポリマーが挙げられる。
【0050】
特に好ましいものには、ミニエマルションのための安定化剤として、
(a)45〜80重量%のスチレンと、
(b)55〜20重量%のアクリル酸と、適切な場合、
(c)他のモノマーも含めて
共重合したものを含むコポリマーを用いることが挙げられる。
【0051】
適切な場合、コポリマーは、追加のモノマー(c)として共重合されたマレイン酸半エステルの単位を含む。そうしたコポリマーは、例えば、水の不在下でスチレン、ジイソブテンもしくはイソブテンまたはその混合物と無水マレイン酸のコポリマーを調製し、続いて、コポリマー中の無水物基1モル当たり5〜50モル%の一価アルコールを用いて、そのコポリマーをアルコールと重合反応させて得ることができる。適切なアルコールは、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノールおよびtert-ブタノールである。しかし、コポリマーの無水物基を、グリコールまたはグリセロールなどの多価アルコールと反応させることも可能である。しかし、この関連では、この反応は、多価アルコールの1つのOH基だけが無水物基と反応する場合に限り用いられる。コポリマーの無水物基がアルコールと完全には反応していない場合、アルコールと反応していない無水物基は、水を加えて開環させる。
【0052】
ミニエマルションの安定化剤に適した他の化合物は、例えば、市販のモノエチレン系不飽和酸のポリマー、および、例えばWO-A96/34903に記載のN-ビニルホルムアミドとポリアルキレングリコールのグラフトポリマーである。適切な場合、最大で10%のグラフト化ビニルホルムアミド単位を加水分解することができる。グラフト化ビニルホルムアミド単位の割合はポリアルキレングリコールに対して、好ましくは20〜40重量%である。2000〜10000のモル質量を有するポリエチレングリコールを用いることが好ましい。
【0053】
さらに、両性イオンポリアルキレンポリアミンや両性イオンポリエチレンイミンは、ミニエマルションを安定化させるのに適している。そうした化合物は、例えばEP-B-0 112 592号に記載されている。それらは、例えば、まずポリアルキレンポリアミンまたはポリエチレンイミンを、例えば酸化エチレン、酸化プロピレンおよび/または酸化ブチレンでアルコキシ化し、続いてアルコキシ化生成物を、例えば臭化メチルまたは硫酸ジメチルで四級化し、次いで四級化したアルコキシ化生成物を、クロロスルホン酸または無水硫酸で硫酸化することによって得ることができる。両性イオンポリアルキレンポリアミンのモル質量は、例えば1000〜9000、好ましくは1500〜7500である。両性イオンポリエチレンイミンは1500〜7500ダルトンの範囲のモル質量を有することが好ましい。適切な場合、ミニエマルションを安定化させるために、界面活性剤に加えて他の上記安定化剤を用いる。それらを用いる場合、モノマーに対して0.05〜15重量%、好ましくは0.5〜5重量%の量で用いる。
【0054】
ミニエマルションを安定化させるために、これらのエマルションの調製において、適切な場合、非重合性の疎水性化合物、例えば炭化水素(例えば、脂肪族または芳香族炭化水素(例えば、ヘキサデカン))、10〜24個の炭素原子を有するアルコール、モル質量Mw<100000を有する疎水性ポリマー、テトラアルキルシランおよび/または上記化合物の混合物をさらに用いる。そうした安定化剤の例は、ヘキサデカン、デカヒドロナフタレン、オリーブ油、500〜50000の平均モル質量Mwを有するポリスチレン、500〜5000のモル質量Mwを有するシロキサン、Acronal(登録商標)A150FまたはPnBAなどのポリ(アクリル酸n-ブチル)(イソプロパノール中、25℃で測定して24のK値を有するアクリル酸n-ブチルの高圧高温溶液ポリマー(イソプロパノール中、120℃で))、100〜10000の平均モル質量Mwを有するエチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテンまたは1-ヘキセンのホモポリマー、100〜10000の平均モル質量を有する、上記オレフィンのうちの少なくとも2つのコポリマー、および/または少なくとも100、具体的には400〜10000の平均モル質量Mwを有するポリイソブチレン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコールおよび/またはベヘニルアルコールである。他の可能性のある疎水性の非重合性化合物は、塗膜形成補助剤または可塑剤、例えばBASF製のPlastilit〔登録商標〕3060(C4-C6-ジカルボン酸のジ(n-ブチル)エステルの工業用混合物)など、さらに、樹脂、例えばロジン樹脂(Ullmanns Encycl. Techn. Chem., 4th edition (1976), Vol. 12、525〜538頁参照)および炭化水素樹脂(Encycl. Polym. Sci. Eng., (1987) Vol. 7、758〜782頁参照)、例えば HerculesからのCristalex F85である。例として、Herculesからの高度に水素化したロジン樹脂のグリセロールエステル(軟化点:86℃)であるForal(登録商標)85Eを挙げることができる。任意選択で疎水性の非重合性化合物を用いる。それらは、25℃、1バールで<0.1g/Lの水への溶解度を有する。それらを用いる場合、重合で用いたモノマーに対して1〜10重量%、好ましくは2〜6重量%の量で用いる。
【0055】
K値はDIN53726と同様にして測定した相対粘度数である。それは、同一溶媒中での、ポリマーの0.1重量%溶液の流速に対する、純粋な溶媒の流速からなるものである(Cellulosechemie, Vol. 13 (1932)、58〜64頁および Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, Vol. 23、967〜968頁も参照されたい)。K値はポリマーの平均分子量のための測定値である。この点で、高いK値は高い平均分子量に対応する。
【0056】
安定した水性ポリマー分散液を得るために、適切な場合、さらに、保護コロイドの存在下で重合を実施することが可能である。それらは一般に500を超える、好ましくは1000を超える平均モル質量Mwを有する。保護コロイドの例は、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、酢酸ビニルおよび/またはプロピオン酸ビニルとポリエチレングリコールのグラフトポリマー、その一端または両端をアルキル、カルボキシルまたはアミノ基で封鎖されたポリエチレングリコール、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドおよび/または、特に水溶性でんぷん、でんぷん誘導体などの多糖類およびタンパク質である。そうした物質は、例えば、Rompp, Chemie Lexikon, 9th edition, volume 5、3569頁またはHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, 4th edition, volume 14/2, chapter IV, Umwandlung von Cellulose and Starke [Conversion of Celluloses and Starches] by E. Husemann and R. Werner、862〜915頁、およびUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6th edition, volume 28、533頁以下、under Polysaccharidesに記載されている。
【0057】
例えば、すべての種類のでんぷん、例えばアミロースとアミロペクチンの両方、天然のでんぷん、疎水的または親水的に加工されたでんぷん、アニオン性でんぷん、カチオンで加工されたでんぷん、分解でんぷんが適している。そのでんぷんの分解は、例えば、酸化的、熱的、加水分解的または酵素的に実施することができ、天然でんぷんと加工でんぷんの両方ともでんぷん分解に用いることができる。他の適切な保護コロイドは、デキストリンおよび水中で膨潤性である架橋した水溶性でんぷんである。
【0058】
例えばでんぷんの分解によって水溶性の形態に転換させることができる、天然の水溶性でんぷんの保護コロイドを用いることが好ましく、また、酸化ジャガイモでんぷんなどのアニオン加工したでんぷんも好ましい。分子量を小さくしたアニオン加工でんぷんが特に好ましい。分子量を小さくするのは酵素的に行うことが好ましい。分解でんぷんの平均モル質量Mwは例えば500〜100000、好ましくは1000〜30000である。分解でんぷんは例えば、0.04〜0.5gl/gの固有粘度[η]を有する。そうしたでんぷんは例えばEP-B-0 257 412号およびEP-B-0 276 770号に記載されている。重合において保護コロイドを用いる場合、使用量は、例えば重合で用いるモノマーに対して0.5〜50重量%、具体的には5〜40重量%、通常10〜30重量%である。
【0059】
ポリマーの特性を改変するために、適切な場合、少なくとも1種の重合調節剤の存在下で重合を実施することができる。重合調節剤の例は、ドデシルメルカプタン、チオジグリコール、エチルチオエタノール、ジ(n-ブチル)スルフィド、ジ(n-オクチル)スルフィド、ジフェニルスルフィド、ジイソプロピルジスルフィド、2-メルカプトエタノール、1,3-メルカプトプロパノール、3-メルカプトプロパン-1,2-ジオール、1,4-メルカプトブタノール、チオグリコール酸、3-メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオ酢酸およびチオ尿素などの結合した状態でイオウを含有する有機化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドおよびプロピオンアルデヒドなどのアルデヒド、ギ酸、ギ酸ナトリウムまたはギ酸アンモニウムなどの有機酸、特にイソプロパノールなどのアルコール、次亜リン酸ナトリウムなどのリン化合物である。重合において調節剤を用いる場合、都度使用する量は、重合で用いるモノマーに対して例えば0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%である。重合において重合調節剤と架橋剤は互いに独立に、または一緒に用いることができる。したがって、得られるポリマー分散液のレオロジーを制御することができる。
【0060】
ミニエマルションはラジカル条件下で重合させる。重合は通常、少なくとも1種のラジカル重合開始剤の存在下で実施する。重合を開始させることができる化合物はどれも重合開始剤として適している。この関連では、それらは基本的にはペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アゾ化合物およびレドックス系触媒である。開始剤の例としてはWO-A-99/40123、32頁、第45行から34頁、第9行から得ることができる。重合は、UVもしくは光線性または放射能を有する放射線などの高エネルギー放射線の作用によって開始することもできる。その操作は、適切な場合、少なくとも1種の増感剤の存在下で実施される。ミニエマルション中のモノマーの重合は、マイクロ波放射を用いるか、かつ/または超音波の作用によって電気化学的に行うこともできる。重合温度は例えば0〜120℃であり、重合は、耐圧装置を用いて高圧下、100℃を超える温度で実施する。ミニエマルションは通常0〜95℃の温度範囲で重合させる。ミニエマルションのモノマーの重合は、既知のすべての重合方法によって実施することができる。それらは、例えば一段法でも、また二段法もしくは多段法でも実施することができる。
【0061】
重合は、例えば、まず重合領域に存在するモノマーの最大50%だけが重合するように実施することもできる。重合の間に、活性物質が生成するポリマーと相溶性がない、すなわち活性物質が生成するポリマー、またはモノマーと生成するポリマーの混合物中に不溶性である場合、活性物質が、生成するポリマー粒子のコアの中に集まり、ポリマーのシェルで覆われることが起こる可能性がある。したがって、重合系に、活性物質の分離が起こるのに十分な時間を与える必要がある。次いで、生成しているポリマー粒子のコア中での活性物質の十分なまたは完全な蓄積がなされた後で、初めて重合を完了させる。活性物質と生成するポリマーの分離は、重合の間に抜き出したサンプルを用いてモニターすることができる。しかし、活性物質は、重合条件の関数として、適切な場合、部分的に水相に入るか、ポリマー粒子中でドメインを形成するか、ポリマー粒子の表面に移行することができ、あるいはまた、ポリマー中に集中するか、またはそのどこにも均一に分散することもできる。
【0062】
しかし、ミニエマルションの重合は、例えば、重合させるミニエマルションの5〜30%を導入し、重合を開始させ、重合条件下で連続的にまたは分割して残るミニエマルションを計量供給する(meter)ことによって一段で実施することもできる。しかし、より少量のミニエマルションを重合領域中に導入し、残るミニエマルションを連続的に加え、重合条件下で重合させることも可能である。
【0063】
重合は少なくとも二段で実施することもできる。このためには、少なくとも1種の活性物質を含むミニエマルションをまず、
(a)>0.01g/Lの水への溶解度(25℃、1013ミリバールで)を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーA、
(b)適切な場合、<0.01g/Lの水への溶解度(25℃、1013ミリバールで)を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーBおよび
(c)適切な場合、少なくとも2つの二重結合を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーC、ならびに
少なくとも1種の界面活性剤、適切な場合、少なくとも1種の疎水性化合物、例えばデカヒドロナフタレンまたはポリイソブチレンから調製する。その活性物質は、乳化の操作の際またはそれに続いてミニエマルションに加えることもできる。次いで、ミニエマルションのモノマーを最大50%の転換率まで重合させ、続いて、分子中に少なくとも2つの二重結合を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(c)の水性マクロエマルションを計量供給して重合を完了させる。
【0064】
しかし、通常、出発材料は、まず少なくとも1種の界面活性剤の存在下で水に乳化してミニエマルションにした、少なくとも1種のモノマー中の少なくとも1種の活性物質の溶液である。続いて、ミニエマルションのモノマーを最大35%の転換率まで重合し、次いで、分子中に少なくとも2つの二重結合を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(c)の水性マクロエマルションを重合条件下で、モノマー(c)を計量供給するのと同時にかまたはそれに続いて加えて残るモノマーの重合を完了させる。
【0065】
しかし、重合は、例えば、ミニエマルションの一部を導入し、重合を開始し、重合条件下で、連続的かまたは分割して残るミニエマルションを計量供給することによって一段で実施することもできる。
【0066】
本発明の他の実施形態では、最初に導入したモノマーの最大25%の開始に十分な重合開始剤を、重合温度に加熱された、モノマー(a)と、適切な場合少なくとも1種の活性物質を含む(b)の最初に導入したミニエマルションの混合物に加え、このミニエマルションの残る量と、少なくとも1種のモノマー(c)の水性混合物を加え、残るモノマーを重合させるために、加えた開始剤の重合による消費に応じて追加の重合開始剤を計量供給する。
【0067】
任意選択で用いることができる(c)による架橋剤は、バルクで計量供給する(計量供給は、容器中で最初にすべて一括して実施する(実際の重合を開始する前に)ことができる)か、または供給する過程で計量供給する。少なくとも2つの架橋剤を用いる場合、それらは同時かまたは時間差をもたせて、混合物としてまたは互いに別個に計量供給することができる。架橋剤は、モノマーと一緒にミニエマルション中に導入することもできる。しかし、それらは、水中に乳化し、エマルション供給として一緒に計量供給するか、またはミニエマルションと一緒の供給操作で計量供給することができる。この関連では、少なくとも1種の界面活性剤が、架橋剤エマルションの安定性を確実にすることが有利である。
【0068】
ミニエマルションの油相としては、
(a)メタクリル酸メチル、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸および/またはメタクリル酸、
(b)アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリルおよび/またはアクリル酸パルミチル、
ならびに、
(c)ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、アクリル酸アリル、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼンおよび/またはトリメチロールプロパントリアクリレート
を用いることが好ましい。
【0069】
活性物質を含む水性ポリマー分散液が得られる。これらの水性分散液の固形分濃度は、例えば10〜60重量%、好ましくは20〜45重量%である。水性ポリマー分散液は<1000nm、通常<500nm、例えば5〜450nm、好ましくは10〜300nm、特に50〜250nmの平均粒子径を有する分散粒子を含む。ポリマー粒子は本質的にポリマーマトリックスからなり、活性物質として少なくとも1種の農薬を0.5〜60重量%の量で含む。この量は、ミニエマルションの油相に用いられる量に概ね相当する。その理由は、上記方法は、用いた活性物質の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、特に好ましくは少なくとも95重量%が、得られるポリマー粒子中で共重合している結果となるからである。
【0070】
すでに上述したように、農薬は、例えば、ポリマーマトリックス中に均一に分散するか、またはポリマー粒子中のドメインの形態で存在することができる。しかし、分散粒子はコアとシェルから形成されてもよい。その粒子のコアは、ポリマーマトリックスのシェルで覆われた少なくとも1種の農薬を含む。しかし、農薬は、部分的にまたはほとんど完全にポリマーマトリックスから出ていてもよい。したがって、農薬は水相中の界面活性剤で安定化された約40〜400nmの平均径を有する粒子の形態で存在する。
【0071】
活性物質として少なくとも1種の農薬を含むポリマー粉末は、少なくとも1種の農薬を含む水性ポリマー分散液の揮発性成分を蒸発させることによって、本発明の方法によって調製される水性分散液から調製することができる。本発明により調製される分散液およびそれから得られるポリマー粉末は、制御された方法で活性物質を放出し分解から保護する、すなわち、活性物質が比較的長い期間にわたって持続的に放出され、外部の影響から概ね保護されるという利点を有している。したがって、農薬は、その用途のために特に有利なマトリックス中に存在する。
【0072】
本発明によって調製した水性分散液から、例えば噴霧乾燥により得られる活性物質として少なくとも1種の農薬を含むポリマー粉末は、工業的に興味のあるものである。本発明の他の実施形態によれば、少なくとも1種の農薬を含むミニエマルションを重合させることによって得られる植物防疫用の水性分散液を用いることができる。
【0073】
本発明によって調製した農薬含有水性分散液、および水相を除去してそれから得られる少なくとも1種の農薬を含むポリマー粉末は、好ましくは農薬製剤で用いられる。「農薬製剤」という用語は以下でさらに説明する。したがって、本発明は、有害な微生物を駆除し、かつ/または植物の成長を調節し、かつ/または望ましくない植物の成長を駆除し、かつ/または植物における望ましくない昆虫またはダニの発生を駆除し、かつ/または植物病原菌を駆除し、かつ/または種子を処理するための本発明の方法によって調製された分散液の使用にも関する。
【0074】
有害な微生物を駆除し、かつ/または植物の成長を調節し、かつ/または植物における望ましくない昆虫またはダニの発生を駆除し、かつ/または植物病原菌を駆除し、かつ/または種子を処理するための方法は、本発明の方法によって調製された分散液、または水相を除去してそれから得られるポリマー粉末を含む有効量の農薬製剤を用いて、望ましくない微生物、植物病原菌/昆虫もしくはダニ、その生息環境もしくは植物、微生物、菌類の発生もしくは昆虫の発生から保護すべき有用な植物の土壌または種子を処理することを含む。
【0075】
望ましくない植物の成長を駆除する方法は、本発明の方法によって調製された分散液または水相を除去してそれから得られるポリマー粉末を含む有効量の農薬製剤を用いて、植物、植物がそこで成長する土壌、または種子を処理することを含む。
【0076】
望ましくない植物の成長を駆除する(combat)ということは、望ましくない場所で成長する植物、例えば以下の種類の双子葉植物の駆除(combating)/絶滅(destruction)を意味する。それらの種類は:
シロガラシ属(Sinapis)、レピディウム属(Lepidium)、アカネ科(Galium)、ナデシコ科(Stellaria)、マトリカリア属(Matricaria)、アンテミス属(Anthemis)、コゴメギク属(Galinsoga)、アカザ属(Chenopodium)、イラクサ属(Urtica)、セネシオ属(Senecio)、ヒユ属(Amaranthus)、スベリヒユ属(Portulaca)、オナモミ属(Xanthium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、イポメア属(Ipomoea)、ポリゴナム(Polygonum)、セスバニア属(Sesbania)、ブタクサ属(Ambrosia)、アザミ属(Cirsium)、ヒレアザミ属(Carduus)、ノゲシ属(Sonchus)、ナス属(Solanum)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ(Rotala)、アゼナ属(Lindernia)、ラミウム属(Lamium)、ベロニカ属(Veronica)、イチビ(Abutilon)、エメックス(Emex)、ダチュラ属(Datura)、ビオラ属(Viola)、ガレオプシス属(Galeopsis)、パパウェル属(Papaver)、セントウレア属(Centaurea)、トリフォリウム属(Trifolium)、キンポウゲ属(Ranunculus)、タンポポ属(Taraxacum);
以下の種類の単子葉植物:ヒエ属(Echinochloa)、エノコログサ属(Setaria)、キビ属(Panicum)、メヒシバ属(Digitaria)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ウシノケグサ属(Festuca)、オヒシバ属(Eleusine)、ビロードキビ属(Brachiaria)、ドクムギ属(Lolium)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、カラスムギ属(Avena)、カヤツリグサ属(Cyperus)、ソルガム属(Sorghum)、カモジグサ属(Agropyron)、ギョウギシバ属(Cynodon)、ミズアオイ属(Monochoria)、フィムブリスチスリス(Fimbristyslis)、オモダカ属(Sagittaria)、ハリイ属(Eleocharis)、ホタルイ属(Scirpus)、スズメノヒエ属(Paspalum)、カモノハシ属(Ischaemum)、ナガボノウルシ属(Sphenoclea)、ダクティロクテニウム属(Dactyloctenium)、ヌカボ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、セイヨウヌカボ属(Apera)である。
【0077】
「望ましくない昆虫またはダニ」という用語は、以下の種類のものを指すが、これらに限定されるものではない。すなわち、
鱗翅目(Lepidoptera)、例えば、タマナヤガ(Agrotis ypsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、アラバマアルギカセア(Alabama argillacea)、アンチカルシアゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)、ガンマキンウワバ(Autographa gamma)、ブパルスピニアリウス(Bupalus piniarius)、コカエシアムリナ(Cacoecia murinana)、カプアレチクラナ(Capua reticulana)、ケイマトビアブルマタ(Cheimatobia brumata)、コリストネウラフミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、コリストネウラオシデンタリ(Choristoneura occidentalis)、シルフィスウニパンクタ(Cirphis unipuncta)、コドリンガ(Cydia pomonella)、マツケムシ(Dendrolimus pini)、ジアファニアニチダリス(Diaphania nitidalis)、サウスウエスタンコーンボーラー(Diatraea grandiosella)、エアリアスインスラナ(Earias insulana)、モロコシマダラメイガ(Elasmopalpus lignosellus)、ブドウホソハマキ(Eupoecilia ambiguella)、エベトリアボーリアナ(Evetria bouliana)、フェルチアサブテラネア(Feltia subterranea)、ハチミツガ(Galleria mellonella)、グラホルタフネブラナ(Grapholitha funebrana)、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、オオタバコガ(Heliothis armigera)、ヘリオシスビレセンス(Heliothis virescens)、ヘリオチスゼア(Heliothis zea)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、ヒベルニアデフォリアリア(Hibernia defoliaria)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、ヒポノメウタマリネラス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア リコペルシケラ(Keiferia lycopersicella)、ランブジナフィセラリア(Lambdina fiscellaria)、シロイチモンジヨトウ(Laphygma exigua)、ロイコプテラコフェーラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラシテラ(Leucoptera scitella)、リソコレチスブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ロベシアボトラナ(Lobesia botrana)、ロキソステジスティクティカリス(Loxostege sticticalis)、マイマイガ(Lymantria dispar)、ノンネマイマイ(Lymantria monacha)、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、オビカレハ(Malacosoma neustria)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、オルギアシュードツガータ(Orgyia pseudotsugata)、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)、マツキリガ(Panolis flammea)、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ニセタマナヤガ(Peridroma saucia)、ファレラブセファラ(Phalera bucephala)、ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、オオモンシロチョウ(Pieris brassicae)、プラチペナスカブラ(Plathypena scabra)、コナガ(Plutella xylostella)、シュードプラシアインクルデンス(Pseudoplusia includens)、リアシオニアフルストラナ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラアブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、バクガ(Sitotroga cerealella)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana)、ヨトウガ(Spodoptera frugiperda)、スポドプテラリトラリス(Spodoptera littoralis)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、トーマトポエポチオカンパ(Thaumatopoea pityocampa)、トルトリックスビリダナ(Tortrix viridana)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)およびゼイラフェラカナデンシス(Zeiraphera canadensis);
甲虫(甲虫目(Coleoptera))、例えばアグリフスシヌアツス(Agrilus sinuatus)、アグリオテスリネアタ(Agriotes lineatus)、アグリオテスオブスクラス(Agriotes obscurus)、アンヒマルスソルスティチアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドラスジスパー(Anisandrus dispar)、ワタミハナゾウムシ(Anthonomus grandis)、ナシハナゾウムシ(Anthonomus pomorum)、アトマリアリネアリス(Atomaria linearis)、ブラストファガスピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガウンダータ(Blitophaga undata)、ソラマメゾウムシ(Bruchus rufimanus)、エンドウゾウムシ(Bruchus pisorum)、ブルカスレンティス(Bruchus lentis)、ビクティスカスベツラエ(Byctiscus betulae)、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、セロトマトリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、ソートリンカスアシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、ソートリンカスナピ(Ceuthorrhynchus napi)、カエトクネマティビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデラスベスペルチナス(Conoderus vespertinus)、クリオセリスアスパラギ(Crioceris asparagi)、ディアブロティカロンギコルニス(Diabrotica longicornis)、ディアブロティカ12-パンクタタ(Diabrotica 12-punctata)、ウェスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera)、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、エピトリックスヒルティペニス(Epitrix hirtipennis)、ヨーティノボスラスブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、マツアナアキゾウムシ(Hylobius abietis)、ヒペラブルネイペニス(Hypera brunneipennis)、ヒペラポスティカ(Hypera postica)、ヤツバキクイムシ(Ips typographus)、レマビリネアタ(Lema bilineata)、レマメラノパス(Lema melanopus)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、リモニウスカリフォルニカス(Limonius californicus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、メラノタスコムニス(Melanotus communis)、メリゲテスアエネアス(Meligethes aeneus)、メロロンタヒポカスタニ(Melolontha hippocastani)、ヨーロッパコフキコガネ(Melolontha melolontha)、イネクビホソハムシ(Oulema oryzae)、オルチオリンクススルカツス(Ortiorrhynchus sulcatus)、オチオリンカスオバタス(Otiorrhynchus ovatus)、ファエドンコクレアリア(Phaedon cochleariae)、フィロトレタクリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、フィロファガ属(Phyllophaga sp.)、フィロペルタホルティコラ(Phyllopertha horticola)、フィロトレタネモラム(Phyllotreta nemorum)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、マメコガネ(Popillia japonica)、アカアシチビコフキゾウムシ(Sitona lineatus)、およびシトフィルスグラナリヤ(Sitophilus granaria);
双翅目(Diptera)、例えばネッタイシマカ(Aedes aegypti)、キンイロヤブカ(Aedes vexans)、アナストレファルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレスマクリペニス(Anopheles maculipennis)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、クリソミアベジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミアホミニボラックス(Chrysomya hominivorax)、クリソミアマセラリア(Chrysomya macellaria)、コンタリニアソルギコラ(Contarinia sorghicola)、ヒトクイバエ(Cordylobia anthropophaga)、アカイエカ(Culex pipiens)、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、オリーブミバエ(Dacus oleae)、ダシネウラブラシカエ(Dasineura brassicae)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、ウマバエ(Gasterophilus intestinalis)、ツェツェバエ(Glossina morsitans)、ツノバエ(Haematobia irritans)、ハプロジプロシスエクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒレミアプラツラ(Hylemyia platura)、ヒポデルマリネアタ(Hypoderma lineata)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、ルシリアカプリナ(Lucilia caprina)、ルシリアクプリナ(Lucilia cuprina)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、リコリアペクトラリス(Lycoria pectoralis)、へシアンバエ(Mayetiola destructor)、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)、ヒツジバエ(Oestrus ovis)、オスシネラフリット(Oscinella frit)、ペゴミアヒソシアミ(Pegomya hysocyami)、ホルビアアンチクア(Phorbia antiqua)、ホルビアブラシカエ(Phorbia brassicae)、ホルビアコアルクタタ(Phorbia coarctata)、ヨーロッパオウトウミバエ(Rhagoletis cerasi)、ラゴレティスポモネラ(Rhagoletis pomonella)、タバヌスボビナス(Tabanus bovinus)、ティプラオレラセア(Tipula oleracea)およびガガンボ(Tipula paludosa);
総翅目(Thysanoptera)、例えばフランクリニエラフスカ(Frankliniella fusca)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、フランクリニエラトリティシ(Frankliniella tritici)、シルトリプスシトリ(Scirtothrips citri)、トリプスオリザエ(Thrips oryzae)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)およびネギアザミウマ(Thrips tabaci);
膜翅目(Hymenoptera)、例えばカブラハバチ(Athalia rosae)、アッタセファロテス(Atta cephalotes)、チャイロハキリアリ(Atta sexdens)、ハキリアリ(Atta texana)、ホプロカンパミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパテスツジネア(Hoplocampa testudinea)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、アカカミア(Solenopsis geminata )およびヒアリ(Solenopsis invicta);
異翅目(Heteroptera)、例えばアクロステルナムヒラレ(Acrosternum hilare)、ブリサスロイコプテラス(Blissus leucopterus)、シルトペルティスノタタス(Cyrtopeltis notatus)、アカホシカメムシ(Dysdercus cingulatus)、ディスデルカスインテルメディアス(Dysdercus intermedius)、ユーリガスターインテグリセプス(Eurygaster integriceps)、ユーシスタスインピクティベントリス(Euschistus impictiventris)、レプトグロッサスフィロパス(Leptoglossus phyllopus)、リガスリネオラリス(Lygus lineolaris)、リガスプラテンシス(Lygus pratensis)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、ピエスマクアドラタ(Piesma quadrata)、ソルベアインスラリス(Solubea insularis)およびチアンタペルジトル(Thyanta perditor);
同翅目(Homoptera)、例えばアクリトシフォンオノブリキス(Acyrthosiphon onobrychis)、カラマツカサアブラムシ(Adelges laricis)、アフィデュラナスチュルチ(Aphidula nasturtii)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、イチゴネアブラムシ(Aphis forbesi)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、アフィスグロスラリアエ(Aphis grossulariae)、アフィスシュネイデリ(Aphis schneideri)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、アフィスサンブシ(Aphis sambuci)、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ブラシカウダスカルデュイ(Brachycaudus cardui)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラシカウダスペルシカエ(Brachycaudus persicae)、ブラシカウダスプルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、カピトフォルスホルニ(Capitophorus horni)、セロシファゴシピ(Cerosipha gossypii)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)、クリプトミズスリビス(Cryptomyzus ribis)、レイフシアノルドマニアナ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシアピセア(Dreyfusia piceae)、ギシギシネアブラムシ(Dysaphis radicola)、ジサウラコルタムシュードソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、オオバコアブラムシ(Dysaphis plantaginea)、ジサフィスピリ(Dysaphis pyri)、エンポアスカファバエ(Empoasca fabae)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、チシャミドリアブラムシ(Hyperomyzus lactucae)、マクロシフムアベナエ(Macrosiphum avenae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、マクロシフォンロサエ(Macrosiphon rosae)、ソラマメヒゲナガアブラムシ(Megoura viciae)、メラナフィスピラリウス(Melanaphis pyrarius)、ムギウスイロアブラムシ(Metopolophium dirhodum)、ミゾデスペルシカエ(Myzodes persicae)、ミザスアスカロニカス(Myzus ascalonicus)、ニワウメクロコブアブラムシ(Myzus cerasi)、カワリコブアブラムシ(Myzus varians)、ナソノビアリビスニグリ(Nasonovia ribis-nigri)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、ペムフィガスブルサリアス(Pemphigus bursarius)、クロフツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、ホップイボアブラムシ(Phorodon humuli)、シラマリ(Psylla mali)、シラピリ(Psylla piri)、ロパロミザスアスカロニカス(Rhopalomyzus ascalonicus)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、リンゴクビレアブラムシ(Rhopalosiphum insertum)、サッパフィスマラ(Sappaphis mala)、サッパフィスマリ(Sappaphis mali)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、シゾネウララヌジノサ(Schizoneura lanuginosa)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion avenae)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii)およびブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii);
シロアリ(イソプテラ(lsoptera))、例えばカロテルメスフラビコリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルメスフラビペス(Leucotermes flavipes)、レチクリテルメスルシフンガス(Reticulitermes lucifugus)およびテルメスナタレンシス(Termes natalensis);
直翅目(Orthoptera)、例えばヨーロッパイエコオロギ(Acheta domestica)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia)、グリロタルパグリロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)、メラノプラスビビタタス(Melanoplus bivittatus)、メラノプラスフムル-ルブラム(Melanoplus femur-rubrum)、メラノプラスメキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプラスサングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプラススプレタス(Melanoplus spretus)、アカトビバッタ(Nomadacris septemfasciata)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、アメリカイナゴ(Schistocerca americana)、シストセルカペレグリナ(Schistocerca peregrina)、スタウロノタスマロカナス(Stauronotus maroccanus)およびクラズミウマ(Tachycines asynamorus);
アラクノイデア(Arachnoidea)、例えばコナダニ(Acarina)、例えばヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)およびヒゼンダニ科(Sarcoptidae families)から、例えばアメリカキララマダニ(Amblyomma americanum)、マダニ(Amblyomma variegatum)、アルガスペルシカス(Argas persicus)、ボーフィルスアヌラタス(Boophilus annulatus)、ボーフィルスデコロラタス(Boophilus decoloratus)、オウシマダニ(Boophilus microplus)、デルマセントルシルバラム(Dermacentor silvarum)、ヒアローマトランカタム(Hyalomma truncatum)、マダニ(Ixodes ricinus)、イクソデスルビクンダス(Ixodes rubicundus)、オルニトロラスモウバタ(Ornithodorus moubata)、オトビウスメグニニ(Otobius megnini)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、ヒツジキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes ovis)、コイタマダニ(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファラスエベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)およびフシダニ科(Eriophyidae spp)、例えばリンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、フィロコプトラタオレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)およびエリオフィエスシェルドニ(Eriophyes sheldoni);ホコリダニ科(Tarsonemidae spp.)、例えばシクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)およびチャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus);ヒメハダニ科(Tenuipalpidae spp.)、例えばミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis);ハダニ科(Tetranychidae spp.)、例えばニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、オウトウハダニ(Tetranychus pacificus)、ナミハダニ(Tetranychus telarius)およびテトラニカスウルティカエ(Tetranychus urticae)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ミカンハダニ(Panonychus citri)およびオリゴニカスプラテンシス(Oligonychus pratensis);
線虫、特に植物に寄生する線虫、例えば植物の根瘤線虫、ネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)および他のネコブセンチュウ(Meloidogyne)種;嚢子形成線虫、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)および他のシストセンチュウ(Globodera)種;ムギシストセンチュウ(Heterodera avenae)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、テンサイシストセンチュウ(Heterodera schachtii)、クロバーシストセンチュウ(Heterodera trifolii)および他のシストセンチュウ(Heterodera)種;種子虫こぶ線虫(seed gall nematods)、アングイナ(Anguina)種;茎および葉の線虫、ハガレセンチュウ(Aphelenchoides)種;針線(sting nematode)、ベロノライマスロンギカウダタス(Belonolaimus longicaudatus)および他のベロノライマス(Belonolaimus)種;松材線虫(pine nematode)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)および他のマツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus)種;輪線虫(ring nematode)、クリコネマ(Criconema)種、クリコネメラ(Criconemella)種、ワセンチュウ属(Criconemoides)種、メソクリコネマ(Mesocriconema)種;茎および球根の線虫、イモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、および他のクキセンチュウ(Ditylenchus)種;オールセンチュウ(awl nematode)、ドリコドルス(Dolichodorus)種;ナミラセンセンチュウ(spiral nematodes)、ヘリオコチレンカスムルティシンクタス(Heliocotylenchus multicinctus)および他のヘリコティレンクス(Helicotylenchus)種;葉鞘およびシーソイド線虫、ヘミシクリオフォラ(Hemicycliophora)種およびサヤワセンチュウ(Hemicriconemoides)種;ヒルシマニエラ(Hirshmanniella)種;ランス線虫(lance nematodes)、ホプロアイムス(Hoploaimus)種;偽根こぶ線虫(false rootknot nematode)、ナコブス(Nacobbus)種;針線虫(needle nematode)、ロンギドラスエロンガタス(Longidorus elongatus)および他のナガハリセンチュウ(Longidorus)種;腐線虫(lesion nematode)、ムギネグサレセンチュウ(Pratylenchus neglectus)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、プラチレンカスクルビタタス(Pratylenchus curvitatus)、プラチレンカスゴーデイ(Pratylenchus goodeyi)および他のプラチレンカス(Pratylenchus)種;ネモグリセンチュウ(burrowing nematode)、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)および他のラドホラス(Radopholus)種;ニセフクロセンチュウ(Reniform nematodes)、ロチレンカスロブスタス(Rotylenchus robustus)および他のロチレンカス(Rotylenchus)種;スクテロネマ(Scutellonema)種;切株線虫(stubby root nematode)、トリコドラスプリミティバ(Trichodorus primitivus)および他のトリコドラス(Trichodorus)種、パラトリコドルス(Paratrichodorus)種;スタント線虫(stunt nematode)、チレンコリンカスクライトニ(Tylenchorhynchus claytoni)、チレンコリンカスデュビウス(Tylenchorhynchus dubius)および他のチレンコリンカス(Tylenchorhynchus)種;みかん根線虫(citrus nematode)、チレンチュラス(Tylenchulus)種;オオハリ線虫(dagger nematode)、オオハリセンチュウ(Xiphinema)種;
ならびに、イネの病原体、例えばイネミズゾウムシ(rice water weevil)(リソロプトルスオリザフィルス(Lissorhoptrus oryzaphilus))、ニカメイガ(rice stem borer)(チロスプレサリス(Chilo suppresalis))、イネタテハマキ(rice leaf roller)、イネドロオイムシ(rice leaf beetle)、イネハモグリバエ(rice leaf miner)(アグロミカオリザエ(Agromyca oryzae))、ヨコバイ(leafhoppers)(ツマグロヨコバイ類(Nephotettix spp.);特により小さい茶色のヨコバイ、ツマグロヨコバイ(green rice leafhopper))、ウンカ(planthopper)((ウンカ科Delphacidae);特にセジロウンカ(white backed planthopper)、トビイロウンカ(brown rice planthopper))、カメムシ(stinkbug)である。
【0078】
「植物病原菌」という用語は、これらに限定されないが、以下の種を指す:すなわち、
穀草類のムギ類うどんこ病菌(Blumeria graminis)、うどんこ菌(powdery mildew)、ウリ科植物のエリシフェシコラセアラム(Erysiphe cichoracearum)およびウリ類うどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)、リンゴのリンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha)、ブドウの木のブドウうどんこ病(Uncinula necator)、穀草類のさび病類(Puccinia)種、綿、イネおよび芝のリゾクトニア(Rhizoctonia)種、穀草類のおよびサトウキビの黒穂菌属(Ustilago)種、リンゴのリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、穀草類、イネおよび芝のビポラリス(Bipolaris)種およびドレクスレラ(Drechslera)種、小麦のセプトリアノドルム(Septoria nodorum)、イチゴ、野菜、観賞植物およびブドウの木の灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)。バナナ、落花生および穀草類のミコスファエレラ(Mycosphaerella)種、小麦およびオオムギのコムギ眼紋病菌(Pseudocercosporella herpotrichoides)、イネのいもち病菌(Pyricularia oryza)、ジャガイモおよびトマトのジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)、ウリ科植物およびホップのベと病菌(Pseudoperonospora)種、ブドウの木のぶどう・べと病菌(Plasmopara viticola)、果物および野菜のアルテルナリア(Alternaria)種、また、フザリウム(Fusarium)種およびバーティシリウム(Verticillium)種、イネ、および妥当な場合には、その種子のビポラリス菌属(Bipolaris)、イネ、および妥当な場合にはその種子のドレクスレラ菌属(Drechslera)、また、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)、コルチシウムササキイ(Corticium sasakii)、シン.リゾクトニアソラニ(syn. Rhizoctonia solani)およびイネごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、木材などのペシロミセスバリオチイ(Paecilomyces variotii)である。
【0079】
本発明によって調製した水性分散液のポリマー中にある農薬を用いて、望ましくない植物の成長を制御し、かつ/または植物病原性昆虫および/または植物病原性菌を駆除することが可能である。
【0080】
本発明の方法によって得られる農薬含有水性ポリマー分散液、または水相を除去することにより本発明の方法によって調製された分散液から調製されたポリマー粉末を含む農薬製剤は、すでに上記したように、本発明の追加的な対象である。
【0081】
本発明の方法によって得られる農薬含有水性ポリマー分散液は、直接用いるか、あるいは製剤に適した他の助剤、例えば界面活性剤(湿潤剤、結合剤(sticker)、乳化剤または分散剤など)、消泡剤、増粘剤、担体、不凍剤および殺菌剤を任意選択で含むことができる。
【0082】
本発明の方法によって調製された分散液から得られるポリマー粉末は、直接用いるか、あるいは、製剤に適した他の助剤、例えば(例えば、界面活性剤(湿潤剤、結合剤、乳化剤または分散剤など)、消泡剤、増粘剤、担体、不凍剤および殺菌剤)を任意選択で含むことができ、適切な場合、溶媒を含むことができる。
【0083】
上記薬剤の重要性および対応するその使用は、所望の製剤のタイプおよび活性物質の特性に依存する。
【0084】
担体を用いる場合、特に固形製剤では、担体は通常0.1〜99重量%、好ましくは10〜80重量%の量で製剤中に存在する。製剤中の他の助剤の量は、それを用いる場合、例えば0.1〜40重量%である。
【0085】
溶媒を用いる場合、例えば、水、芳香族溶媒(例えば、Solvesso(登録商標)製品、キシレン)、パラフィン炭化水素(例えば、石油留分)、アルコール(例えば、メタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン)、ピロリドン(NMP、NOP)、酢酸エステル(グリコールジアセテート)、グリコール、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸および脂肪酸エステルが適している。基本的には溶媒混合物も用いることができる。
【0086】
増粘剤(すなわち、製剤に疑塑性流動挙動、すなわち静止状態で高粘度であり、撹拌状態で低粘度である挙動を与える化合物である)の例は、例えば多糖類、例えばキサンタンガム(KelcoからのKelza(登録商標))、Rhodopol(登録商標)23(Rhone-Poulenc)もしくはVeegum(登録商標)(R.T.Vanderbilt)または無機の層状鉱物、例えばAttagel量(登録商標)(Engelhardt)である。
【0087】
消泡剤としては、例えばシリコーンエマルション(例えば、WackerのSilikon(登録商標)SRE、またはRhodiaからのRhodorsil(登録商標))、長鎖アルコール、脂肪酸、フルオル有機化合物およびその混合物が適している。
【0088】
殺菌剤は、例えば水性農薬製剤を安定化させるために用いることができる。適切な殺菌剤は、例えばICIからのProxel(登録商標)またはThor ChemieからのActicide(登録商標)RSおよびRohm & HaasからのKathon(登録商標)MKである。
【0089】
適切な不凍剤は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロールである。
【0090】
担体の例は、土地資源からの天然鉱物(例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク)および土地資源からの合成鉱物(例えば、高度に分散したシリカ、ケイ酸塩)である。
【0091】
界面活性剤の例は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、アルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪酸およびスルホン化脂肪族アルコールグリコールエーテルのアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩;また、スルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドの縮合生成物、ナフタレンもしくはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシ化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールおよび脂肪族アルコール酸化エチレン縮合物、エトキシ化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシ化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノサルファイト廃液およびメチルセルロースである。
【0092】
本発明によるポリマー粉末または分散液をベースにして調製できる製剤の種類の例は、水に可溶性であるかまたは分散性である懸濁製剤、分散性濃縮製剤、ペースト、ペレット、水和剤(wettable powders)、粉剤(dustable powders, DP)または粒剤(GR、FG、GG、MG)である。種子処理のための標準的な製剤の種類は、FS(フロアブル製剤)、DS(乾燥処理用の粉末)、WS(スラリー処理用の水分散性粉末)、SS(水溶性粉末SS)である。これらの製剤の調製およびそれに必要な技術は当業者に周知である(米国特許第3 060 084号、EP-A 707 445号(液体濃縮物のため)、Browning, "Agglomeration", Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48頁、Perry's Chemical Engineer's Handbook, 4th Ed., McGraw-Hill, New York, 1963、8〜57頁以下、WO 91/13546、米国特許第4 172 714号、同第4 144 050号、同第3 920 442号、同第5 180 587号、同第5 232 701号、同第5 208 030号、英国特許第GB 2 095 558号、米国特許第 3 299 566号、Klingman, Weed Control as a Science, John Wiley and Sons Inc., New York, 1961, Hanceら、Weed Control Handbook, 8th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989およびMollet, H., Grubemann, A., Formulation Technology, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim (Federal Republic of Germany), 2001)、D. A. Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998 (ISBN 0-7514-0443-8)を参照されたい。
【0093】
粒剤は、例えば微細に粉砕し95.5%の担体と混ぜる。この関連では、標準的方法は押出法、噴霧乾燥法または流動床法である。それによって直接使用する粒剤が得られる。
【0094】
灯油またはディーゼル軽油などの中沸点から高沸点を有する石油留分、さらにはコールタール油、および植物または動物由来の油類、脂肪族、環状および芳香族の炭化水素、例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロンまたは高度に極性の溶媒、例えばジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンまたは水が、直接噴霧できる液体、エマルション、ペースト状または油状の分散液の調製に適している。
【0095】
散布および散粉用の製剤である粉剤は、活性物質を含む水性ポリマー分散液、または、例えば固体担体を用いた噴霧乾燥によってそれから得られる粉末を、混合するかまたは互いに粉砕することによって調製することができる。
【0096】
顆粒、例えばコーティングした顆粒、含浸させた顆粒および均一な顆粒は、本発明で調製した生成物を、固体担体と結合させることによって調製することができる。固体担体は、例えば、鉱物性土壌、例えば、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、活性白土、石灰石、ライム、チョーク、木の幹(bole)、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、土壌用合成材料、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウムまたは尿素、植物産物、例えば穀物粉、樹皮粉、木粉および堅果殻粉、セルロース粉末および他の固体担体である。必要に応じて、さらなる加工の前に、得られる最終製品を乾燥することができる。
【0097】
本発明は、本発明による農薬製剤によって処理した種子も含む。
【0098】
「種子処理」という用語は、すべての一般的技術を含む(種子粉衣、種子コーティング、種子ダスティング、浸種、種子フィルムコーティング、種子多層コーティング、種子はエンクラスティング、種子ドリッピングおよび種子ペレット化)。
【0099】
「種子」という用語は、すべての種類の種子、例えば穀粒(grains)、種子、果実、塊茎、挿穂(cuttings)および同様の形態のものを含む。この関連では、「種子」という用語は、穀粒および種子を指すことが好ましい。
【0100】
種子として適切なものは、禾穀類種子、穀類作物種子、根菜作物種子、油性種子、野菜種子、香辛料種子または観賞植物種子、例えば硬質小麦、オオムギ、麦、ライムギを含む小麦、トウモロコシ(飼料用トウモロコシおよびスウィートコーン)、大豆、油性植物、十字花植物、綿、ヒマワリ、バナナ、米、セイヨウアブラナ、カブ、甜菜、飼料用ビート、茄子、ジャガイモ、草、芝、飼料用の草、トマト、リーキ、カボチャ、キャベツ、アイスバーグレタス、コショウ、キュウリ、メロン、アブラナ類、豆類、エンドウ豆、ニンニク、タマネギ、ニンジン、塊茎植物、例えば、サトウキビ、たばこ、ブドウ、ペチュニアおよびゼラニウム、パンジー、オジギソウ(touch-me-not)の種子であり、好ましくは小麦、トウモロコシ、大豆および米の種子である。
【0101】
トランスジェニック植物または従来の育種法で得られる植物の種子も種子として用いることができる。
【0102】
したがって、除草剤、殺菌剤または殺虫剤、例えばスルホニル尿素(例えば、EP-A-0 257 993号、米国特許第5 013 659号)、イミダゾリノン(例えば、米国特許第6 222 100号、WO01/82685、WO00/26390、WO97/41218、WO98/02526、WO98/02527、WO04/106529、WO05/20673、WO03/14357、WO03/13225、WO03/14356、WO04/16073)、グルホシネート型の除草剤(例えば、EP-A-0 242 236号、同A-242 246号)もしくはグリホサート型の除草剤(例えば、WO92/00377)、または、シクロヘキサジエノン/アリールオキシフェノキシプロピオン酸の部類の除草剤(例えば、米国特許第5 162 602号、同第5 290 696号、同第5 498 544号、同第5 428 001号、同第6 069 298号、同第6 268 550号、同第6 146 867号、同第6 222 099号、同第6 414 222号)に耐性のある種子;あるいは、バチルスチューリンゲンシス毒素(Bacillus thuringiensis toxin)(Bt毒素)を生成する、したがって有害な微生物に対して耐性のあるトランスジェニック植物、例えば綿の種子(例えば、EP-A-0 142 924号、同第A-0 193 259号)を用いることができる。
【0103】
さらに、従来の植物と比べて改変された特性を示す植物の種子も用いることができる。その例は、加工でんぷん合成(例えば、WO92/11376、WO92/14827、WO91/19806)または脂肪酸組成物(例えば、WO91/13972)である。
【0104】
消費される農薬の量は、種子処理において、種子に対して0.1〜10kg/100kg、好ましくは0.1〜5kg/100kg、特に0.1〜2.5kg/100kgが通常用いられる。
【実施例】
【0105】
実施例での割合の表示は重量パーセントで表す。ミニエマルションの液滴サイズは0.01重量%のエマルションの試料を用いて、Coulter N4 Plus粒度計で測定した。分散ポリマー粒子の平均粒子径は、0.01重量%の水性分散液の試料を用いてCoulter LS 230で測定した。
【0106】
(実施例1)
30gの殺菌剤エポキシコナゾールを、周囲温度で15分間かけて、142.5gのメタクリル酸メチルと7.5gのアクリル酸ステアリルの混合物に溶解させた。
【0107】
次いでこの溶液を、15gの15%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液と663.56gの完全に脱塩した水にチャージし、その中で乳化させた。続いて、超音波を用いて、調製したマクロエマルションを約192nmの液滴サイズにした。このミニエマルションは貯蔵の際、安定であった。
【0108】
188.74g (全量の24%)のミニエマルションを反応器中に導入し、80℃に加熱した。次いで、4.5gの2%過硫酸ナトリウム水溶液を80℃で一度に加えた。続いて597.82g(全量の76%)のミニエマルションと、15gの水、7.5gのペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび0.75gの15%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の撹拌混合液(エマルション)とを、それぞれ60分間かけて、別々の仕込み同時に計量供給した。続いて反応混合物を80℃で30分間さらに撹拌した。この後、モノマーの約10%が重合した。
【0109】
残りのモノマーを重合させるために、70.5gの2%過硫酸ナトリウム水溶液を反応混合物中に計量供給し、60分間かけて80℃に加熱し、次いで混合物を80℃でさらに60分間撹拌して後重合させ、次いで、25℃に冷却し、凝集物を除去するために、まず500μm、次いで125μmの金網(woven-wire)のふるいでろ過した。
【0110】
それによって、136nmの平均粒子径のポリマー粒子を有する水性ポリマー分散液が得られた。水性分散液を乾燥して得た粉末状ポリマー粒子の電子顕微鏡写真で示されるように、その粒子は、そのシェル中に少なくとも部分的に殺菌剤エポキシコナゾールが見出され、コア中にポリマーが見出されるコア/シェル粒子であった。分散液は貯蔵の際、安定であった。
【0111】
(実施例2)
30gの殺菌剤エポキシコナゾールを、190gのアクリル酸n-ブチルと10gのアクリル酸ステアリルの混合物中に、80℃で15分間かけて溶解した。
【0112】
次いでこの溶液を、80℃の温度で、20gの15%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液と844.7gの完全に脱塩した水の溶液にチャージし、その中で乳化させた。次いで、調製したマクロエマルションを、80℃でAPV Gaulin高圧ホモジナイザー(150バール)に3回通過させて約200nmの液滴サイズにした。このミニエマルションは24時間貯蔵の際、安定であった。
【0113】
1098.7g(全量の100%)のミニエマルションを80℃で反応器中に導入した。次いで、6gの2%過硫酸ナトリウム水溶液を80℃で一度に加えた。続いて20gの完全に脱塩した水、10gのペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび1.0gの15%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の撹拌混合液(エマルション)を60分間かけて計量供給した。続いて反応混合物を80℃で30分間さらに撹拌した。この後、モノマーの約10%が重合した。
【0114】
重合を完了させるために、94gの2%過硫酸ナトリウム水溶液を反応混合物中に計量供給し、60分間かけて80℃に加熱し、次いで混合物を80℃でさらに60分間撹拌して後重合させた。6gのtert-ブチルヒドロペルオキシドを加え、さらに仕上げ反応時間(postreaction time)をかけて重合を完了させることができた。次いで反応混合物を25℃に冷却し、凝集物を除去するために、まず500μm、次いで125μmの金網ふるいでろ過した。
【0115】
134nmの平均粒子径のポリマー粒子を有する水性ポリマー分散液が得られた。分散液は貯蔵の際、安定であった。
【0116】
(実施例3)
32.9gの粉末状殺菌剤トリチコナゾールを、80℃で15分間かけて、190gのメタクリル酸メチルと10gのアクリル酸ステアリルの混合物に溶解させた。
【0117】
次いでこの溶液を、80℃の温度で、20gの15%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液と841.8gの完全に脱塩した水の溶液にチャージし、その中で乳化させた。次いで、調製したマクロエマルションを、80℃でAPV Gaulin高圧ホモジナイザー(150バール)に3回通過させて約200nmの液滴サイズにした。このミニエマルションは24時間貯蔵の際、安定であった。
【0118】
1094.7g(全量の100%)のミニエマルションを80℃で反応器中に導入した。次いで、6gの2%過硫酸ナトリウム水溶液を80℃で一度に加えた。続いて、20gの完全に脱塩した水、10gのペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび1.0gの15%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の撹拌混合液(エマルション)を60分間かけて計量供給した。続いて反応混合物を80℃で30分間さらに撹拌した。この後、モノマーの約10%が重合した。
【0119】
重合を完了させるために、94gの2%過硫酸ナトリウム水溶液を反応混合物中に計量供給し、60分間かけて80℃に加熱し、次いで混合物を80℃でさらに60分間撹拌して後重合させた。8gのtert-ブチルヒドロペルオキシドを加え、さらに仕上げ反応時間をかけて重合を完了させることができた。次いで反応混合物を25℃に冷却し、凝集物を除去するために、まず500μm、次いで125μmの金網ふるいでろ過した。
【0120】
131nmの平均粒子径のポリマー粒子を有する水性ポリマー分散液が得られ、そのポリマー粒子は重合で用いた殺菌剤をほとんどすべて含んでいた。分散液は貯蔵の際、安定であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油相が少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー中に少なくとも1種の農薬を含んでいる水中油型エマルションのラジカル重合による、<1000nmの平均粒子径の分散粒子を有する農薬含有水性ポリマー分散液の製造方法であって、少なくとも1種のモノマー中の少なくとも1種の農薬の溶液を、少なくとも1種の界面活性剤の存在下、水中に乳化させて、<500nmの平均液滴径を有するミニエマルションを生成するステップ、および/または乳化の間またはその後に少なくとも1種の農薬を加え、続いてラジカル条件下でミニエマルションを重合させるステップを含む方法。
【請求項2】
エチレン系不飽和モノマーとして、
(a)25℃、1013ミリバールで>0.01g/Lの水への溶解度を有する50〜100重量%の少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーA、
(b)25℃、1013ミリバールで<0.01g/Lの水への溶解度を有する0〜50重量%の少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーB、および
(c)少なくとも2つの二重結合を有する0〜30重量%の少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーC
を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エチレン系不飽和モノマーとして、
(a)メチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸および/またはメタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、
(b)適切な場合、アクリル酸ラウリル、アクリル酸パルミチルおよび/またはアクリル酸ステアリル、ならびに
(c)適切な場合、ブタンジオールジアクリレート、アクリル酸アリル、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよび/またはペンタエリスリトールテトラアクリレート
を用いる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
エチレン系不飽和モノマーとして、
(a)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルおよび/またはアクリル酸、ならびに、
(c)ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレートおよび/またはアクリル酸アリル
を用いる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
乳化操作の間に少なくとも1種の活性物質を加え、次いで前記ミニエマルションのモノマーを最大50%の転換率まで重合させ、続いて、重合条件下で、分子中に少なくとも2つの二重結合を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(c)の水性マクロエマルションを計量供給し、同時かまたはそれに続いて、ミニエマルションの残りのモノマーの重合を完了させる、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1種のモノマー中の少なくとも1種の活性物質の溶液を、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で水に乳化させて、ミニエマルションを生成し、前記ミニエマルションのモノマーを最大35%の転換率まで重合させ、続いて、重合条件下で、分子中に少なくとも2つの二重結合を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(c)の水性マクロエマルションを計量供給し、同時かまたはそれに続いて、前記ミニエマルションの残りのモノマーの重合を完了させる、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記ミニエマルションのモノマーを、最大25%の転換率まで最初に重合させる、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記ミニエマルションの油相が、用いるモノマーの全量に対して0.5〜60重量%の少なくとも1種の殺虫剤を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1種のモノマー中の少なくとも1種の活性物質の溶液を、少なくとも1種の非重合性疎水性化合物の存在下で水に乳化させる、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の方法によって得られる水性分散液。
【請求項11】
請求項1から9のいずれかに記載の方法によって得られる水性分散液、または揮発成分を蒸発させることによって前記水性分散液から調製できるポリマー粉末を含む農薬製剤。
【請求項12】
有害な微生物を駆除し、かつ/または植物の成長を調節し、かつ/または望ましくない植物の成長を駆除し、かつ/または植物における望ましくない昆虫またはダニの発生を駆除し、かつ/または植物病原菌を駆除し、かつ/または種子を処理するための、請求項1から9のいずれかに従って得られる分散液、および揮発成分を蒸発させることによって前記分散液から調製される少なくとも1種の農薬を含むポリマー粉末の使用。
【請求項13】
有害な微生物を駆除し、かつ/または植物の成長を調節し、かつ/または望ましくない植物の成長を駆除し、かつ/または望ましくない昆虫またはダニの発生を駆除し、かつ/または植物病原菌を駆除し、かつ/または種子を処理するための方法であって、有効量の請求項11に記載の農薬製剤を用いて、望ましくない微生物、植物病原菌および/または昆虫もしくはダニ、その生息環境もしくは植物、微生物、菌類の発生または昆虫もしくはダニの発生、あるいは望ましくない植物から保護すべき有用な植物の土壌または種子を処理することを含む方法。
【請求項14】
有効量の請求項11に記載の農薬製剤を用いて植物、土壌またはその種子を処理することを含む望ましくない植物の成長を駆除する方法。
【請求項15】
請求項11に記載の少なくとも1種の農薬製剤で処理された種子。

【公表番号】特表2008−532978(P2008−532978A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500183(P2008−500183)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060516
【国際公開番号】WO2006/094978
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】