説明

農走行作業機の伝動装置

【課題】 走行停止状態のときは、この走行停止状態のときにおいて作業装置が連動されることが必要であるときのみ、PTO軸を駆動し、走行停止状態において作業装置の連動駆動を要しないときは、PTO軸を駆動しない形態とする。
【解決手段】 土壌面を滑走均平するフロート1を有し、マット苗を収容して左、右方向へ往復移動しながら苗分離口2へ苗を繰出す苗タンク4と、この苗分離口2に作用して分離保持する苗を前記フロート1で均平される土壌面に植付ける苗植爪5と等からなる苗植装置6を、車体7のヒッチ8部に装着してPTO軸9で連動し、この苗植装置6に代えて別種の作業装置を装着可能に構成し、この作業装置の種別を判別する作業判別センサを設け、この作業判別センサによる検出によって車体7の走行停止状態における前記PTO軸9を駆動し、又は停止状態に牽制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、苗植装置の他に除草装置の如き各種の作業装置を着け替えて作業する農走行作業機の伝動装置に関するもので、走行停止時において、PTO軸による作業装置を伝動停止状態に維持し、又は、伝動駆動状態に維持して、安全性を高め、又は、作業装置部のメンタナンスを行い易くするものである。
【背景技術】
【0002】
複数種の作業装置をヒッチ部に着け替えて作業する作業機に、この装着する作業装置の種別を判別する作業判別センサを設け、この作業判別センサの検出によって、検出した作業装置の最高走行速度を制限する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11ー89312号公報(第1頁、図1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トラクタのように多目的作業装置を着替えて作業する場合は、PTO軸によって連動して作業することが多いが、走行停止状態でPTOP軸が駆動されると、作業者にとっては危険を伴うことが多い。そこで、この発明は、走行停止状態のときは、この走行停止状態のときにおいて作業装置が連動されることが必要であるときのみ、PTO軸を駆動し、走行停止状態において作業装置の連動駆動を要しないときは、PTO軸を駆動しない形態とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、土壌面を滑走均平するフロート1を有し、マット苗を収容して左、右方向へ往復移動しながら苗分離口2へ苗を繰出す苗タンク4と、この苗分離口2に作用して分離保持する苗を前記フロート1で均平される土壌面に植付ける苗植爪5と等からなる苗植装置6を、車体7のヒッチ8部に装着してPTO軸9で連動し、この苗植装置6に代えて別種の作業装置10を装着可能に構成し、この作業装置10の種別を判別する作業判別センサ11を設け、この作業判別センサ11による検出によって車体7の走行停止状態における前記PTO軸9を駆動し、又は停止状態に牽制することを特徴とする農走行作業機の伝動装置の構成とする。
【0006】
車体7のヒッチ8部に苗植装置6を装着すると車体7の走行停止状態におけるPTO軸9を駆動する状態におき、又、この苗植装置6以外の作業装置10を装着したときは、この作業装置10の種別に応じた作業判別センサ11による検出によって、車体7の走行停止状態における前記PTO軸9を前記苗植装置6と同様に駆動したり、又は、停止状態に牽制することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、車体7の走行系伝動を入り切りする走行クラッチ12と、作業系伝動を入り切りする作業クラッチ13を配置し、前記作業判別センサ11の検出によって、これら走行クラッチ12と作業クラッチ13を切り位置に連動する。
【0008】
この作業判別センサ11が、作業装置10の装着種別を検出することによって、走行クラッチ12を切り位置にしたとき、作業クラッチ13を入り位置に維持したり、又は切り位置に連動する。前記苗植装置6を装着した場合は、作業クラッチ13を入り位置に維持するが、走行停止時における作業装置10を連動する必要のない場合は、この作業クラッチ13をも切り位置に連動する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明は、苗植装置6を装着しているときは、走行停止の状態でPTO軸9を駆動することにより、苗タンク4を左、右移動させることができ、苗植作業開始時に苗補給のために、苗タンク4の左、右最端位置に移動させる操作や、メンテナンス作業を容易に行うことができる。又、この苗植装置6以外の走行停止時に駆動を要しない形態の作業装置10を装着しているときは、走行停止状態での前記作業判別センサ11による検出によって、PTO軸9が駆動しないため、メンテナンス作業等で作業者が駆動するPTO軸9に触れるような危険を回避することができ、安全性を高めることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、走行系伝動の走行クラッチ12と、作業系伝動の作業クラッチ13を、作業判別センサ11の検出によって作動制御するため、構成、及びPTO軸9駆動牽制を簡単、的確に行わせることができ、より安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車体に苗植装置を装着した側面図。
【図2】車体に播種装置を装着した側面図。
【図3】車体に除草装置を装着した側面図。
【図4】車体のヒッチ部の側面図。
【図5】作業判別センサの制御ブロック図。
【図6】車体走行伝動系統を示すブロック図。
【図7】整地ロータ部の正面図
【図8】ヒッチ部の側面図。
【図9】その作用状態を示す側面図。
【図10】播種装置部の側面図。
【図11】その平面図。
【図12】その作用を示すブロック図。
【図13】播種装置一部の側面図。
【図14】播種繰出ロータの背面図(イ)と、平面図(ロ)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面に基づいて、車体7は、ステヤリングポスト14上のスヤアリングハンドル15によって操向する前輪16と、リヤハウジング17のリヤアクスル18に軸装の後輪19を有して、運転席20下のシートカバー21内に搭載のエンジン22の駆動によって、油圧無断変速装置(HST)23、及びミッションケース24内等の伝動機構を介して伝動して走行駆動する乗用前後四輪駆動走行形態の構成としている。この車体7の後部には、平行リンク形態のリフトリンク25を、リフトシリンダ26の油圧力による伸縮によって上下回動可能に設け、このリフトシリンダ26の後端にヒッチ8を構成して、苗植装置6や、播種装置27、除草装置28等の作業装置10を着脱可能の形態としている。又、車体7の後部には、施肥装置29を装着して、苗植装置6によって植付けられる苗植土壌面に肥料を施用することができる。又、車体7の後部には、PTO軸9をリフトリンク25の後端側へ向けて設け、前記ミッションケース24内の伝動機構から連動軸30、及び作業クラッチ13等を介して伝動駆動することができる。又、このミッションケース24内の伝動機構には、PTOクラッチ53を設けるもよく、このときはPTOクラッチ53を介してPTO軸9を伝動し、作業クラッチ13を伝動する。
【0013】
前記リフトリンク25後端のヒッチリンク31には、ローリング軸32周りにローリング回動自在の左右一対のヒッチプレート33を設けて、このヒッチプレート33の上端に形成のトップフック34と、後側下部に形成のロアフック35とによって、苗植装置6や、作業装置10の作業ヒッチ38に形成の上下のヒッチピン36、37を係合して取付けることができる。又、このヒッチプレート33の左、右両側部には、横方向の軸39周りに回動する回動リンク40を設け、この回動リンク40の上、下端部にトップリンク41と、ロアリンク42を枢支し、これらトップリンク41とロアリンク42の前端部に、整地ロータ43を有するロータフレーム44取付杆45の上部と下部を枢着して、側面視四辺形状のリンク機構形態として、整地ロータ43を、ヒッチプレート33に対して軸39周りに回動自在で、かつ、これらトップリンク41、及びロアリンク42の上下回動によって昇降自在にして取付けられる。このトップリンク41は、レバー46の回動操作によって上下回動されるロッド47を連結している。前記ヒッチピン37の係合を受けるヒッチプレート33のロアフック35部には、このヒッチピン37の係合によって係合作動するロックフック(図面省略)を有し、このロアフック35に係合されたヒッチピン37に係合することによって、このヒッチピン37の外れを防止するように構成している。
【0014】
前記ヒッチプレート33には、電気的スイッチからなる作業判別センサ11を設け、このヒッチプレート33に取付ける作業ヒッチ38の判別体Aによって、押圧することによりスイッチONして、作業伝動系の作業クラッチ13を切り位置にするように作動構成する。従って、この作業ヒッチ38に判別体Aが設けられていないときは、作業クラッチ13は入り位置にあって、PTOクラッチ53の操作によって伝動回転される状態がある。前記苗植装置6の形態では、作業ヒッチ38に判別体Aを設けない構成として、作業クラッチ13は入り位置とし、PTOクラッチ53が入り位置のときは、走行クラッチ12が切り位置にあっても、この苗植装置6を伝動することができる状態に設定できる。前記走行クラッチ12の切り位置等によって走行停止状態にあることを検出する走行停止センサ54を設ける。
【0015】
前記作業判別センサ11は、車体7側のコントローラ55に連結するセンサ回路に、ヒッチ8に着脱される作業ヒッチ38と共に、センサコネクタを抜き差し可能に設け、作業ヒッチ38側のセンサコネクタには、作業装置の種別に応じた電気抵抗値を設定しておき、このセンサコネクタを連結することにより、この電気抵抗値をコントローラ55に入力して、装着した作業装置の種別を判定することができる形態とするもよい。
【0016】
前記苗植装置6は、苗植フレーム48の下部に、センタ・フロート1や、この左右両側のサイド・フロート1を配置して、土壌面を滑走しながら均平する。苗植フレーム48の上側には、前上り傾斜の多条植形態の苗タンク4を支持し、一苗タンク4幅分域にわたって左、右方向へ往復移動するように構成する。この各苗タンク4の底部には繰出ベルト3を有し、苗タンク4が左端、又は右端へ至ったとき一間歇的駆動して、苗タンク4内のマット苗を一横列分だけ苗分離口2側へ繰出す。各苗タンク4の後端部には、この苗タンク4の左、右移動を案内する案内枠を有し、この案内枠に各苗植爪5の作用する苗分離口2を形成している。苗植フレーム48の後端部においてダブルクランク機構形態に構成されて連動駆動される苗植爪5は、側面視楕円形状の苗植軌跡線Dを描いて昇降し、苗分離口2を下降するとき、この苗分離口2から一株植付分の苗を分離保持して土壌面に植付ける。この苗植爪5は、前記整地ロータ43によって掻き均されて、フロート1によって均平された土壌面に、一定深さに植付けられる。又、各フロート1の均平部には、作溝器49を設け、この作溝器49で形成される溝部に前記施肥装置29によって繰出される肥料を施肥ホース等によって案内して供給する。この苗植フレーム48の前部には入力軸を有し、前記PTO軸9を連結して、苗植装置6の苗タンク4の左、右往復移動や、繰出ベルト3の繰出、及び苗植爪5の苗植付作動等を伝動することができる。又、前記整地ロータ43の連動は、後輪19のリヤハウジング17内の連動機構部から連動軸50を介して行われる。
【0017】
ここにおいて、土壌面を滑走均平するフロート1を有し、マット苗を収容して左、右方向へ往復移動しながら苗分離口2側へ苗を繰出す苗タンク4と、この苗分離口2に作用して分離保持する苗を前記フロート1で均平される土壌面に植付ける苗植爪5と等からなる苗植装置6を、車体7のヒッチ8部に装着してPTO軸9で連動し、この苗植装置6に代えて別種の作業装置10を装着可能に構成し、この作業装置10の種別を判別する作業判別センサ11を設け、この作業判別センサ11による検出によって車体7の走行停止状態における前記PTO軸9を駆動し、又は停止状態に牽制する形態とする。
【0018】
そして、前記苗植装置6の作業ヒッチ38には判別隊Aが設けられていないため、作業判別センサ11は検出できず、車体の走行停止状態にあっても、作業クラッチ13は切り位置に作動されないで、クラッチ入り位置を維持し、このPTO軸9を回転することによって、苗タンク4が左右方向へ移動し、苗植爪5が昇降し、苗繰出ベルト3を間歇的に駆動することができるもので、苗の繰出タイミングや、苗の分離植付のタイミング等をあわせたり、調整することができる。
【0019】
車体7のヒッチ8部に苗植装置6を装着すると、前記のように車体7の走行停止状態におけるPTO軸9を駆動する状態におき、又、この苗植装置6以外の作業装置10を装着したときは、この作業装置10の種別に応じた作業判別センサ11による検出によって、車体7の走行停止状態における前記PTO軸9を前記苗植装置6と同様に駆動する状態にしたり、又は、作業装置10の伝動を停止状態に維持するように牽制する。
【0020】
前記車体7、及び苗植装置6を伝動する伝動機構は、ステヤリングポスト14部の主変速レバー51や、副変速レバー52等によって操作される。主変速レバー51は、前記油圧無断変速装置23を操作して、車体7の前進、後進走行の切替、及び増減速を行わせる。この主変速レバー51には昇降スイッチを設けて、前記リフトシリンダ26による苗植装置6を昇降させることができる。又、副変速レバー52は、走行系の連動ギヤを路上走行速の高速位置に切替えたり、苗植作業走行速の低速位置に切替えることができる。又、この副変速レバー52を低速位置に切替えることによて、PTOクラッチ53を入り位置に操作して、PTO軸9、及び苗植装置6を駆動する状態にする。
【0021】
前記走行クラッチ12や、作業クラッチ13等を電磁的作動による電磁弁や、この電磁弁を有する油圧回路等を介して作動制御するコントローラ55に、前記走行クラッチ12の切り位置等による走行停止状態を検出する走行停止センサ54や、前記作業判別センサ11を設ける。
【0022】
苗植装置6の他に、播種装置27(図2)や、除草装置28(図3)等を、前記ヒッチ8に取付けて作業する播種機、乃至除草機の形態を示す。この播種装置27は、播種フレーム60にフロート1を設け、上側に播種ホッパー61、この播種ホッパー61の種子を繰出す繰出装置62、この繰出種子を流下案内する施用ホース63等から構成される。64はブロワーで、播種ホッパー61から繰出される種子を施用ホース63に案内させて土壌面へ吹き出すものである。フロート1には作溝器49を形成し、この作溝器49で形成される播種溝へ播種する。又、この作溝器49の後側には覆土板65を設けて、作溝部わきの土壌をを埋戻すように構成している。これら繰出装置62や、ブロワー64等をPTO軸9で連動して、播種作用を行わせるものである。
【0023】
又、図3においては、除草装置28を示し、前記ヒッチ8に装着する除草フレーム70には、除草爪71を有して回転する除草ロータ72をロータ軸73で軸装し、ロータカバー74で被覆している。この除草ロータ72の前側には、揺動ツース75を設けて、この揺動ツース75の揺動によって草茎の姿勢を除草し易い状態にする。前記PTO軸9によりこれら除草ロータ72を回転駆動し、揺動ツース75を揺動駆動しながら除草作業を行わせるものである。
【0024】
ここにおいて車体7の走行系伝動を入り切りする走行クラッチ12と、作業系伝動を入り切りする作業クラッチ13を配置し、前記作業判別センサ11の検出によって、これら走行クラッチ12と作業クラッチ13を切り位置に連動する。
【0025】
この作業判別センサ11が、作業装置10の装着種別を検出することによって、走行クラッチ12を切り位置にしたとき、作業クラッチ13を入り位置に維持したり、又は切り位置に連動する。前記苗植装置6を装着した場合は、作業クラッチ13を入り位置に維持するが、走行停止時における作業装置10を連動する必要のない場合は、この作業クラッチ13をも切り位置に連動する。
【0026】
前記播種装置27、及び除草装置28等の作業装置10の作業ヒッチ38は、作業判別センサ11に対応する判別体Aを有していて、これら作業装置10を装着すると、この判別体Aによって作業判別センサ11がONされる。又、このとき走行停止センサ54が車体7の走行停止している状態を検出していることによって、作業クラッチ13を切り位置にして、例えPTO軸4を駆動しても作業装置10を伝動駆動しないものである。
【0027】
次に、主として図7に基づいて、前記苗植装置6の前側に設ける整地ロータ43を、下降状態位置にしたままの姿勢で、この苗植装置6をヒッチ8部に取付けるときは、この取付の邪魔になる。このため、苗植装置6をヒッチ8部に取付けるときは、エンジン22のスタートによって、この整地ロータ43をモータ66の駆動によって自動的に上昇して収納姿勢とするものである。整地ロータ43のロータフレーム44は、レバー46の操作で、ロッド47や取付45等を介して昇降することができるが、これらロッド47、乃至取付杆45を連動する回動アーム67をモータ66によって回動駆動することによって、上昇して収納姿勢とすることができる。このときの収納位置をロックレバー68で係合維持することができる。
【0028】
次に、主として図8、図9に基づいて、前記ヒッチ8に、ヒッチプレート33に対する作業ヒッチ38の取付状態を固定するロックレバー69を設けたもので、上側のヒッチピン36のガタ止めを行い、苗植装置6と整地ロータ43との相互揺動による干渉を防止するものである。ロックレバー69は、ヒッチプレート33の中間部に前後回動自在に枢着70し、このロックレバー69のフック71を、作業ヒッチ38のロックピン72に係合する(図9)ことによってヒッチプレート33に対する作業ヒッチ38の取付姿勢を固定することができる。更に、このロックレバー69の外れを防止するために、作業ヒッチ38部のピン穴73に係止ピン74を差込んで、ロックレバー69の上方回動を不能状態に係止することにより、作業ヒッチ38の取付固定を確実に維持することができる。
【0029】
次に、主として図10〜図12に基づいて、前記播種装置27において、鉄コーティング種子用の切替ボタン75を設け、この鉄コーティング種子を播種するときは、作溝器49を圃場土壌面から浮上した位置に上昇させるものである。鉄コーティング種子を播種するときは、土壌面に作溝したり、この作溝を覆土する等の作業が不要であるため、覆土板や、作溝等の取外し操作が不要となり省力化できる。作溝器49は、フロート1に対して昇降可能に設けられて、切替ボタン75を押し操作することによって、昇降することができる。この作溝器49には、位置センサ76を有して、土壌面との高さ間隔を検出しており、操作高さ位置を維持することができる。
【0030】
又、前記繰出装置62の繰出ロール部等に色の識別センサ(画像解析装置)を設け、鉄コーティング種子を播種するときは、作溝器49が土壌面から離間した高さ位置に上昇するように構成することができる。例えば、色識別センサが、鉄コーティング種子を検出するときは茶色を検出して、作溝器49を上昇する。又、カルパーコーティング種子を検出するときは白色を検出して作溝器49を上昇させない。
【0031】
又、前記色識別センサに代えて、種子の比重を検出する重量センサを設けて、比重の大きい鉄コーティング種子を判別して、前記同様に作溝器49の移動制御を行わせる構成とすることもできる。
【0032】
又、点播形態の播種装置として、予め複数個の種子をコーティング剤でまとめて適宜大の粒径点播粒を形成し、この点播粒を繰出播種することにより高速点播を行うことができる。
【0033】
又、種子をコーティングしないで播種するが、この播種直前に作溝部に泡剤を注入形成しておき、この泡剤に種子を播種することによって、種子のコーティング加工と同様の効果を持たせる。泡剤としては例えば酸素供給剤を用いるとよい。
【0034】
次に、主として図13に基づいて、播種装置27の施用ホース63による施用口部に、泥よけプレート75を設けて、播種を一旦この泥よけプレート75上面に受けてからフロート1で均平された土壌面へ落下させるもので、この泥よけプレート75上面には前記ブロワー64からの噴風を流して、この泥よけプレート75面上の播種作用を泥土等の付着をなくして正確で円滑な播種作用と行わせる。
【0035】
次に、主として図14に基づいて、点播形態の播種装置において、種子の繰出を行う繰出穴76を形成した繰出ロータ77を、機体の進行方向に層ロータ軸78の周りに回転駆動させて、この繰出ロータ77の前側から各繰出穴76へ供給した種子を、後側へ繰出して落下させるもので、点播種子の落下位置を左右横方向へ揃えることができる。繰出ロータ77の前側に種子供給筒79を形成し、後側に排出筒80を設ける。
【符号の説明】
【0036】
1 フロート
2 苗分離口
3 繰出ベルト
4 苗タンク
5 苗植爪
6 苗植装置
7 車体
8 ヒッチ
9 PTO軸
10 作業装置
11 作業判別センサ
12 走行クラッチ
13 作業クラッチ
A 判別体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌面を滑走均平するフロート(1)を有し、マット苗を収容して左、右方向へ往復移動しながら苗分離口(2)へ苗を繰出す苗タンク(4)と、この苗分離口(2)に作用して分離保持する苗を前記フロート(1)で均平される土壌面に植付ける苗植爪(5)と等からなる苗植装置(6)を、車体(7)のヒッチ(8)部に装着してPTO軸(9)で連動し、この苗植装置(6)に代えて別種の作業装置(10)を装着可能に構成し、この作業装置(10)の種別を判別する作業判別センサ(11)を設け、この作業判別センサ(11)による検出によって車体(7)の走行停止状態における前記PTO軸(9)を駆動し、又は停止状態に牽制することを特徴とする農走行作業機の伝動装置。
【請求項2】
車体(7)の走行系伝動を入り切りする走行クラッチ(12)と、作業系伝動を入り切りする作業クラッチ(13)を配置し、前記作業判別センサ(11)の検出によって、これら走行クラッチ(12)と作業クラッチ(13)を切り位置に連動することを特徴とする請求項1に記載の農走行作業機の伝動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−55766(P2011−55766A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209496(P2009−209496)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】