説明

近距離無線転送のためのシステム

【課題】ユーザーが希望する距離のエリア内に居る複数人が保有する移動体通信端末に向けて、所望のデータを送信することを可能にする。
【解決手段】送信元通信装置は、「ある本体データを受信した移動体通信端末が前記本体データを更に近距離に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送すべきかどうかを決めるための転送条件データ」を生成し、前記本体データ及び前記転送条件データを、少なくともいずれか一方をいずれか他方と関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信し、送信先又は転送先となる移動体通信端末は、「前記送信元通信装置から無線送信された前記本体データ及び前記転送条件データ」を前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信したとき、前記本体データを、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯電話などの携帯型の移動体通信端末相互の間で、据え置き型の移動体通信端末相互の間で、又は、携帯型移動体通信端末と据え置き型移動体通信端末との間で、ブルートゥースなどの近距離無線通信を行う場合の新たな送信方法、システム、プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特願平11−187098号(出会い・連絡支援システム)や特願平11−65748号(特開2000−259955 富士通)などでは、近くに居るユーザーがそれぞれ携帯する携帯端末同士が交信して、ユーザー属性やニーズが互いに一致するかどうかを判定しながら互いのコミュニケーションを支援するアイデアか提案されている。また、従来より、ブルートゥースなどの近距離(10mなど)の無線通信規格を利用した、戸外又は屋内の複数の移動体通信端末の無線接続が提案されている。例えば、個人ユーザーが、電車内で、携帯電話と携帯通信端末(又は小型のノートパソコン)を予めブルートゥースで無線接続しておき、携帯電話はカバンの中に入れたまま携帯通信端末(又は小型のノートパソコン)を手で操作しながら、携帯電話網を介してインターネット接続や電子メールの送受信を行うことなどが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のブルートゥースなどの近距離無線通信規格の利用の提案は、主として、個人ユーザーや法人ユーザーが家庭内やオフィス内のLAN(構内通信網)接続を無線で行うことや、個人ユーザーが戸外で複数の機器を無線で繋いだ状態で使うことなど、主として一人のユーザーが保有する移動体通信端末を相互に繋ぐことを主眼としていた。本発明は、複数人がそれぞれ保有する移動体通信端末の間で、ブルートゥースなどの近距離無線通信技術を使用して、相互にデータをやり取りすることができる新しい送信方法、システム、プログラムを提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】(用語説明など)本発明において、本体データ転送のための手段・ステップ・機能は、「ユーザーの操作によらず自動的に」又は「ユーザーの選択・操作により」、本体データを転送するものである。すなわち、例えば、現在の電子メール(現在の電子メールは、ユーザーの操作により、受信した電子メールを他人に転送できる)のように、ユーザーの操作により、本体データを転送することも、本発明の範囲内である。また、本発明(システム、方法、プログラム)においては、転送条件として、次のようなものが考えられる。■次々に転送されるべき回数、■次々に転送が行われるべき時間帯、■転送時に(携帯端末が)存在すべき位置又はエリア■上記■と■の組み合わせ(転送条件となった時間帯であるとき、転送条件となった回数だけ、転送させる)■上記■と■の組み合わせ(転送条件となった位置又はエリアに存在しているとき、転送条件となった回数だけ、転送させる)■上記■と■の組み合わせ(転送条件となった時間帯であるとき、且つ、転送条件となった位置又はエリアに存在しているとき、転送させる)■上記■と■と■の組み合わせ(転送条件となった位置又はエリアに存在しているとき、且つ、転送条件となった時間帯であるとき、転送条件となった回数だけ、転送させる)本発明において、「送信元通信装置」は、携帯型・車載型などの移動型通信端末か固定型通信端末(店舗などに設置されたキオスク端末、据え置き型パソコン、通信機能を備えたデジタルテレビなど)かを問わない。本発明において、「移動体通信端末」は、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノート型パソコン、携帯型デジタルテレビ、車載型カーナビゲーション端末、車載型コンピュータ端末、車載型通信端末などである。本発明において、「時間帯」とは、一日の中である時刻とある時刻との間に挟まれた一定の時間、をいう。本発明において、送信先又は転送先となる移動体通信端末は、「現在時刻のデータ」を、自らが備える時計(ハードウェアとしての時計だけでなく、ソフトウェアとCPUにより作動する時計機能を含む)により取得してもよいし、外部から無線送信される時刻データ(例えば、電波により搬送される標準時データ)を受信することにより取得してもよい。本発明において、送信先又は転送先となる移動体通信端末は、「自らが実際に存在している位置のデータ」を、自らが備える現在位置特定手段、例えば、GPS(グローバルポジショニングシステム)受信機やPHS(簡易型携帯電話機)の基地局からの電波を利用した位置特定部により、取得してもよい。また、送信先又は転送先となる移動体通信端末は、「自らが実際に存在している位置のデータ」を、「外部から無線送信される位置関連データ」を受信することにより、取得してもよい。この「外部から無線送信される位置関連データ」は、例えば、ある施設(例えば、ビル、テーマパークなど)内のアンテナから無線送信されるその施設内に居ることを示すデータ(施設識別データ)、ある所定のエリア(例えば、ある一つのPHS基地局がカバーするエリア)の中に設置されたアンテナ(例えば、前記PHS基地局のアンテナ)から無線送信されるそのエリア内であることを示すデータ(エリア識別データ、すなわち、それぞれの場所に固有の番号である「位置ID」)、などである。
【0005】(本発明の内容)本発明の内容は、次のとおりである。
1.送信元通信装置に備えられ、メッセージや画像などから成る本体データを、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための本体データ送信手段と、前記送信元通信装置に備えられ、「前記本体データを受信した移動体通信端末が前記本体データを、更に、近距離に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送すべきかどうかを決めるための転送条件データ」を、前記本体データの無線送信と同時に又はこれと前後して、前記本体データと関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための転送条件データ送信手段と、前記本体データ及び前記転送条件データの送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記本体データを、前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信するための本体データ受信手段と、前記本体データ及び前記転送条件データの送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記転送条件データを、前記本体データの受信と同時に又はこれと前後して、前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信するための転送条件データ受信手段と、前記移動体通信端末に備えられ、前記転送条件データ受信手段により受信された転送条件データの転送条件が満たされているかどうかを判定するための転送条件判定手段と、前記移動体通信端末に備えられ、前記転送条件判定手段により前記転送条件が満たされていると判定されたとき、前記本体データ受信手段により受信された本体データを、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作により、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送するための本体データ無線転送手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。
2.上記1において、さらに、前記移動体通信端末に備えられ、前記転送条件判定手段により前記転送条件が満たされていると判定されたとき、前記転送条件データ受信手段により受信された転送条件データを、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作により、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送するための転送条件データ無線転送手段、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。
3.上記1又は2において、前記転送条件送信手段は、「前記本体データを受信した移動体通信端末から他の移動体通信端末への転送が、次々に、何回繰り返されるべきかという、次々に転送されるべき回数」を転送条件データとして送信するものであり、前記転送条件判定手段は、「前記本体データが前記送信元通信装置から送信されて前記移動体通信端末に受信されるまでの間に、他の移動体通信端末を経由した回数、すなわち、他の移動体通信端末によって次々に転送された回数」が、前記転送条件である「次々に転送されるべき回数」よりも少ないかどうかを判定するものである、ことを特徴とする近距離無線転送システム。
4.上記1又は2において、前記転送条件送信手段は、「前記本体データの、これを受信した移動体通信端末から更に他の移動体通信端末へ次々に転送が行われるべき時間帯」を転送条件データとして送信するものであり、前記転送条件判定手段は、「現在の時刻」が、前記転送条件である「次々に転送が行われるべき時間帯」の範囲内にあるかどうかを判定するものである、ことを特徴とする近距離無線転送システム。
5.上記1又は2において、前記転送条件送信手段は、「前記本体データを受信した移動体通信端末自身が転送時に存在すべき位置又はエリア」を転送条件データとして送信するものであり、前記転送条件判定手段は、「前記本体データを受信した移動体通信端末自身が実際に存在している位置」が、前記転送条件である「転送時に存在すべき位置又はエリア」の範囲内にあるかどうかを判定するものである、ことを特徴とする近距離無線転送システム。
6.上記3において、前記転送条件送信手段は、ユーザーが前記本体データが次々に転送されて最終的に到達されることを希望するエリアの範囲を「本体データが次々に伝達・伝播されるときの到達点までの距離である伝播希望距離」という形で指定したとき、その指定された次々に伝達・伝播希望距離データから、前記本体データが複数の移動体通信端末により次々に転送されるべき回数を自動的に算出して、前記転送条件データとして送信するものである、ことを特徴とする近距離無線転送システム。
7.上記5において、前記転送条件判定手段は、「前記本体データを受信した移動体通信端末自身が実際に存在している位置」のデータ、すなわち、自らの位置データを、前記移動体通信端末自身に備えられた「GPS受信機などの現在位置特定手段」により、取得するものである、ことを特徴とする近距離無線転送システム。
8.上記5において、前記転送条件判定手段は、「前記本体データを受信した移動体通信端末自身が実際に存在している位置」のデータ、すなわち、自らの位置データを、例えば「ある施設又はその中の特定エリアの中に設置された一つ又は複数のアンテナから前記施設内又はその中の特定エリア内に向けて無線送信される、前記施設内又はその中の特定エリア内に居ることを示すための前記施設又はその中の特定エリアの識別データ」などのような「前記移動体通信端末の外部から無線送信されて来る位置関連データ」を受信することにより、取得するものである、ことを特徴とする近距離無線転送システム。
9.送信元通信装置に備えられ、「これから無線送信すべき本体データを受信した移動体通信端末がその受信した本体データを他の移動体通信端末に向けて次々に転送することを何回繰り返すべきかという、次々に転送されるべき回数」を含む本体関連データ(付加データ)を発生するための本体関連データ(付加データ)発生手段と、前記送信元通信装置に備えられ、前記本体データ及び前記本体関連データ(付加データ)を、前記本体関連データ(付加データ)を前記本体データに関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための無線送信手段と、送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記送信元通信装置から無線送信された前記本体データ及び前記本体関連データ(付加データ)を受信したとき、前記本体関連データ(付加データ)の中の「転送されるべき回数」を「マイナス1」するための転送回数引き算手段と、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記引き算手段により「マイナス1された後の回数」が「1以上」である場合、前記本体関連データ(付加データ)の中の「転送されるべき回数」を「前記のマイナス1された回数」に書き換えるための転送回数書き換え手段と、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記引き算手段により「マイナス1された後の回数」が「1以上」である場合、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作により、前記転送回数書き換え手段により書き換えられた本体関連データ(付加データ)及び前記本体データを、前記本体関連データ(付加データ)を前記本体データに関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する通信端末に向けて無線転送するための無線転送手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。
10.上記1から9までのいずれかにおいて、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末は、他の移動体通信端末から無線転送されて来た本体データが、既に自己が他の通信端末から受信した本体データと同一のものであるかどうかを検出するための検出手段と、他の移動体通信端末から無線転送されて来た本体データが既に自己が他の通信端末から受信した本体データと同一のものであると検出された場合は、前記の他の移動体通信端末から無線転送されて来た本体データを他の移動体通信端末には転送しないようにするための転送制御手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。
11.上記1から9までのいずれかにおいて、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末は、他の移動体通信端末から無線転送される予定の本体データが、既に自己が他の通信端末から受信した本体データと同一のものであるかどうかを検出するための検出手段と、他の移動体通信端末から無線転送される予定の本体データが既に自己が他の通信端末から受信した本体データと同一のものであると検出された場合は、前記無線転送される予定の本体データを受信しないようにするための受信制御手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。
12. 送信元通信装置において、メッセージなどから成る本体データを、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための本体データ送信ステップと、前記送信元通信装置において、「前記本体データを受信した移動体通信端末が前記本体データを、更に、近距離に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送すべきかどうかを決めるための転送条件データ」を、前記本体データの無線送信と同時に又はこれと前後して、前記本体データと関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための転送条件データ送信ステップと、前記本体データ及び前記転送条件データの送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記本体データを、前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信するための本体データ受信ステップと、前記本体データ及び前記転送条件データの送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記転送条件データを、前記本体データの受信と同時に又はこれと前後して、前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信するための転送条件データ受信ステップと、前記移動体通信端末において、前記の受信された転送条件データの転送条件が満たされているかどうかを判定するための転送条件判定ステップと、前記移動体通信端末において、前記転送条件判定ステップにより前記転送条件が満たされていると判定されたとき、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作により、少なくとも前記本体データ受信手段により受信された本体データを、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送するための無線転送ステップと、を備えたことを特徴とする近距離無線転送方法。
13.上記12において、前記転送条件送信ステップは、「前記本体データを受信した移動体通信端末から他の移動体通信端末へに転送が次々に何回繰り返されるべきかという、次々に転送されるべき回数」を転送条件データとして送信するものであり、前記転送条件判定ステップは、「前記本体データが前記送信元通信装置から送信されて前記移動体通信端末に受信されるまでの間に、他の移動体通信端末を経由した回数、すなわち、他の移動体通信端末によって次々に転送された回数」が、前記転送条件である「次々に転送されるべき回数」よりも少ないかどうかを判定するものである、ことを特徴とする近距離無線転送方法。
14.上記12において、前記転送条件送信ステップは、「前記本体データがこれを受信した移動体通信端末から更に他の移動体通信端末に次々に転送されるべき時間帯」を転送条件データとして送信するものであり、前記転送条件判定ステップは、「現在の時刻」が、前記転送条件である「次々に転送されるべき時間帯」の範囲内にあるかどうかを判定するものである、ことを特徴とする近距離無線転送方法。
15.上記12において、前記転送条件送信ステップは、「前記本体データを受信した移動体通信端末自身が存在すべき所定の位置又はエリア」を転送条件データとして送信するものであり、前記転送条件判定ステップは、「前記本体データを受信した移動体通信端末自身が存在している位置」が、前記転送条件である「存在すべき所定の位置又はエリア」の範囲内にあるかどうかを判定するものである、ことを特徴とする近距離無線転送方法。
16. 送信元通信装置において、無線送信すべき本体データに、「前記本体データを受信した移動体通信端末がその受信した本体データを他の移動体通信端末に転送することを何回繰り返すべきかという、次々に転送されるべき回数」を含む本体関連データ(付加データ)を発生するための転送回数発生ステップと、前記送信元通信装置において、前記本体データ及び本体関連データ(付加データ)を、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための無線送信ステップと、送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記送信元通信装置から無線送信された前記本体データ及び本体関連データ(付加データ)を受信したとき、前記本体関連データ(付加データ)の中の「次々に転送されるべき回数」を「マイナス1」するための引き算ステップと、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記引き算ステップで「マイナス1された回数」が「1以上」である場合、前記本体関連データ(付加データ)の中の「次々に転送されるべき回数」を「前記のマイナス1された後の回数」に書き換えるための転送回数書き換えステップと、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記引き算ステップで「マイナス1された回数」が「1以上」である場合、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作により、前記転送回数書き換えステップにより書き換えられた本体関連データ(付加データ)及び前記本体データを、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する通信端末に向けて無線転送するための無線転送ステップと、を備えたことを特徴とする近距離無線転送方法。
17. 送信元通信装置において、メッセージなどから成る本体データを、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための本体データ送信機能と、前記送信元通信装置において、「前記本体データを受信した移動体通信端末が前記本体データを、更に、近距離に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送すべきかどうかを決めるための転送条件データ」を、前記本体データの無線送信と同時に又はこれと前後して、前記本体データと関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための転送条件送信機能と、前記本体データ及び前記転送条件データの送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記本体データを、前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信するための本体データ受信機能と、前記本体データ及び前記転送条件データの送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記転送条件データを、前記本体データの受信と同時に又はこれと前後して、前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信するための転送条件データ受信機能と、前記移動体通信端末において、前記の受信された転送条件データの転送条件が満たされているかどうかを判定するための転送条件判定機能と、前記移動体通信端末において、前記転送条件判定ステップにより前記転送条件が満たされていると判定されたとき、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作により、少なくとも前記の受信された本体データを、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送するための無線転送機能と、を実現するための近距離無線転送用プログラム。
18 上記17において、前記転送条件送信機能は、「前記本体データを受信した移動体通信端末から他の移動体通信端末へに転送が何回繰り返されるべきかという、次々に転送されるべき回数」を転送条件データとして送信するものであり、前記転送条件判定機能は、「前記本体データが前記送信元通信装置から送信されて前記移動体通信端末に受信されるまでの間に、他の移動体通信端末を経由した回数、すなわち、他の移動体通信端末によって次々に転送された回数」が、前記転送条件である「次々に転送されるべき回数」よりも少ないかどうかを判定するものである、ことを特徴とする近距離無線転送用プログラム。
19.上記17において、前記転送条件送信機能は、「前記本体データがこれを受信した移動体通信端末から更に他の移動体通信端末に次々に転送されるべき時間帯」を転送条件データとして送信するものであり、前記転送条件判定機能は、「現在の時刻」が、前記転送条件である「次々に転送されるべき時間帯」の範囲内にあるかどうかを判定するものである、ことを特徴とする近距離無線転送用プログラム。
20.上記17において、前記転送条件送信機能は、「前記本体データを受信した移動体通信端末自身が存在すべき所定の位置」を転送条件データとして送信するものであり、前記転送条件判定機能は、「前記本体データを受信した移動体通信端末自身が存在している位置」が、前記転送条件である「存在すべき所定の位置」の範囲内にあるかどうかを判定するものである、ことを特徴とする近距離無線転送用プログラム。
21. 送信元通信装置において、無線送信すべき本体データに、「前記本体データを受信した移動体通信端末がその受信した本体データを他の移動体通信端末に転送することを何回繰り返すべきかという、次々に転送されるべき回数」を含む本体関連データ(付加データ)を発生するための転送回数発生機能と、前記送信元通信装置において、前記本体データ及び本体関連データ(付加データ)を、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための無線送信機能と、送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記送信元通信装置から無線送信された前記本体データ及び本体関連データ(付加データ)を受信したとき、前記本体関連データ(付加データ)の中の「次々に転送されるべき回数」を「マイナス1」するための引き算機能と、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記引き算機能により「マイナス1された後の回数」が「1以上」である場合、前記本体関連データ(付加データ)の中の「次々に転送されるべき回数」を「前記のマイナス1された回数」に書き換えるための転送回数書き換え機能と、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末において、前記引き算機能により「マイナス1された後の回数」が「1以上」である場合、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作により、前記転送回数書き換え機能により書き換えられた本体関連データ(付加データ)及び前記本体データを、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する通信端末に向けて無線転送するための無線送信機能と、を実現するための近距離無線転送用プログラム。
【0006】なお、本発明においては、本明細書の特許請求の範囲の中に記載されているシステム(装置)のアイデアは、全て、「方法又はプログラム(記録媒体に記録されたプログラムと、記録媒体に記録されていない状態にあるプログラムとを含む)のアイデア」としても捉えることができる。すなわち、本発明においては、本明細書の特許請求の範囲の中において「システム(装置)」の形で記載された発明の内容は、全て、「方法又はプログラム(記録媒体に記録されたプログラムと、記録媒体に記録されていない状態にあるプログラムとを含む)」の形でも記載することができ、「方法又はプログラム(記録媒体に記録されたプログラムと、記録媒体に記録されていない状態にあるプログラムとを含む)」の形でも実現することができる。すなわち、本発明においては、本明細書の特許請求の範囲の中において、末尾に「システム(装置)」という文字が記載された発明は、その全てが、末尾に「方法又はプログラム(記録媒体に記録されたプログラムと、記録媒体に記録されていない状態にあるプログラムとを含む)」という文字で把握・記載される発明とすることができる。すなわち、本明細書の特許請求の範囲の内容は、その全てが「方法又はプログラム(記録媒体に記録されたプログラムと、記録媒体に記録されていない状態にあるプログラムとを含む)の発明」としても構成することができ、そのように「方法又はプログラム(記録媒体に記録されたプログラムと、記録媒体に記録されていない状態にあるプログラムとを含む)の発明」として構成される発明も、本発明の範囲内である。なお、本発明によるプログラムは、例えば、コンピュータのハードディスクなどの記録媒体に記録されてCPUにより実行されるものであり、また、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)によりインターネットなどのネットワーク経由でユーザー側の通信端末に送信(譲渡・貸与)されるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】実施形態1.図1は本発明の実施形態1を説明するためのブロック図である。図1において、Aはユーザーaが携帯する送信元通信装置(例えば、携帯電話)、B1,B2,B3・・・はこの送信元通信装置Aの近傍、例えば10m以内の位置に存在する他のユーザーb1,b2,b3・・・がそれぞれ携帯する移動体通信端末(例えば、携帯電話)、C1,C2,C3・・・は前記移動体通信端末B3の近傍、例えば10m以内の位置に存在する他のユーザーc1,c2,c3・・・がそれぞれ携帯する移動体通信端末(例えば、携帯電話)である。
【0008】前記送信元通信装置Aの内部構造を説明する。図1において、1は他の移動体通信端末からブルートゥースなどの近距離無線無線送信手段により無線送信された文字・画像・音声などのデータを受信するための近距離無線受信部である。また、2はユーザーaが本体データ(例えば、「今から30分後に、近くの○○グラウンドで野球の試合をするのですが、メンバーが2人足りないので、誰か試合への参加をご希望される方は、至急、私の電話番号又はメールアドレスにご連絡下さい。」というメッセージ)を生成するための本体データ生成部で、キーボードやペン入力可能なタッチパネル(又は、マイク及びマイクからの音声を文字データに変換するための音声認識装置)などで構成される。
【0009】また、3は前記本体データに関連付けて送信する本体関連データ(付加データ)を生成するための本体関連データ(付加データ)生成部で、キーボードやタッチパネル(又は、マイク及びマイクからの音声を文字データに変換するための音声認識装置)などで構成される。前記本体関連データ(付加データ)は、例えば、本体データのヘッダー部分やフッター部分などに付加することにより、「本体データへの関連付け」が行われる。前記本体関連データ(付加データ)生成部3で生成される本体関連データ(付加データ)は、例えば、「(他のユーザーが携帯する移動体通信端末の制御部に対して)受信した本体データを、次の転送回数に達するまで、他の移動体通信端末にブルートゥースで無線転送せよ」という命令、及び、「この転送命令を有効とする転送プロセスの範囲、すなわち、この本体データが複数の移動体通信端末を介して次々に転送される場合におけるその転送されるべき回数(例えば、計4回)」という転送条件、を含むものである。また、前記本体関連データ(付加データ)生成部3で生成される本体関連データ(付加データ)は、例えば、「複数の携帯移動体通信端末により次々に転送される転送回数が合計4回に達するまで、受信した本体データを他の近距離の携帯移動体通信端末に向けて、ブルートゥースにより無線転送せよ。」という転送条件データを含む命令データ、を含むものである。
【0010】本実施形態1の例では、前記本体関連データ(付加データ)の中の「転送されるべき回数」は、「4回」となっている。これは、送信元通信装置Aのユーザーaが、転送されるべきエリアの希望距離(本体データが最終的に次々に伝達・伝播される希望到達距離)として例えば「約50m以内の範囲内のエリア」とキーボードなどで入力したとき、前記本体関連データ(付加データ)生成部3が、ブルートゥースの到達距離は約10mなので「ブルートゥースの転送が計4回繰り返されれば、ユーザーaが希望する約50mの範囲内のエリアをカバーできる」と計算して、「4回」という数値を算出したものである。すなわち、本実施形態1では、ユーザーが「本体データが届けられることを希望するエリアの半径距離」を入力するだけで、前記本体関連データ(付加データ)生成部3により、「転送されるべき回数」が自動的に計算・生成されて、これが本体データに関連付けられる(例えば、本体データのヘッダー部に付加される)ようになっている。
【0011】また、図1において、4は、前記本体データ生成部2からの本体データと前記本体関連データ(付加データ)生成部3からの本体関連データ(付加データ)(転送されるべき回数のデータ)とに基づいてブルートゥースにより無線送信すべき送信データ(例えば、前記本体データのヘッダー部又はフッター部に前記本体関連データ(付加データ)が付加されて成るデータ)を生成して、これを送信データ記憶部5(フラッシュメモリなどの半導体メモリや小型ハードディスク・光磁気ディスク装置などで構成される)に記録させるための制御部である。さらに、この制御部5は、近距離無線送信部6を制御して、前記の記憶させた送信データを、無線送信部6から、ブルートゥース技術により周囲(半径約10m以内のエリア)に存在する複数の移動体通信端末B1,B2,B3・・・に無線送信させる。
【0012】なお、本実施形態1において、前記本体データ及び本体関連データ(付加データ)に基づいて前記制御部4により作成される送信データは、例えば、従来の電子メールと同じような形式となっている。すなわち、前記本体データは、従来の電子メールのメッセージ本分に相当し、前記本体関連データ(付加データ)は、従来の電子メールのヘッダー部分に入力される発信元アドレス・送信日時・メッセージ作成者・件名などのデータに相当する。
【0013】次に、前記の送信元通信装置Aからブルートゥースで無線送信されたデータ(本体データ及び本体関連データ(付加データ))を受信した移動体通信端末B3の動作を説明する。前記送信元通信装置Aからのデータは、移動体通信端末B3の無線受信部11で受信される。この受信されたデータは、無線受信部11から制御部14に送られる。制御部14は、前記無線受信部11からの受信データの中のヘッダー部又はフッター部内のデータを読み取り、その中に、前述のような本体関連データ(付加データ)(転送されるべき回数である「4回」などの転送条件、又は、この転送条件に従って本体データを転送せよとの命令)が付加されていれば、その本体関連データ(付加データ)の中の転送条件又は転送命令にしたがって、本体データを他の移動体通信端末に向けてブルートゥースで無線転送するための準備をする。この準備として、まず、制御部14は、前記本体関連データ(付加データ)の中に含まれている「転送されるべき回数」の「4回」というデータを”マイナス1(−1)”して「3回」と書き換える。そして、制御部14は、このように「転送される回数」が「3回」と書き換えられた本体関連データ(付加データ)を、前記本体データと関連付けて(例えば、本体データのヘッダー部やフッター部に付加して)、これらを送信データとして、送信データ記憶部15に記憶させる。そして、制御部14は、前記送信データ記憶部に記憶された送信データを、無線送信部16から、ブルートゥースにより約10m半径のエリア内の移動体通信端末(例えば携帯電話)C1,C2,C3・・・に向けて無線送信する。
【0014】以後、前記の移動体通信端末C1,C2,C3・・・において、上記移動体通信端末B3におけると同様の動作が「転送されるべき回数(前述と同様に、各移動体通信端末C1,C2,C3の制御部により”マイナス1”されて書き換えられた後の回数)」がゼロになるまで、繰り返される。すなわち、前記の移動体通信端末C1,C2,C3・・・において、それぞれに内蔵された制御部(図1の符号14参照)は、本体関連データ(付加データ)の中の「転送されるべき回数」をマイナス1し、その結果、前記「転送されるべき回数」がゼロにならなければブルートゥースによる転送を行い、ゼロになったときはブルートゥースによる転送を中止する。
【0015】なお、本実施形態1のブルートゥース搭載機器では、お互いに通信できる所定距離まで近づくと自動的に起動して通信(交信)を始めるという「アドホック接続」(短距離無線による、携帯端末同士の直接のアドホック・ネットワーク)の技術(公知技術である)を特徴の一つとしている。したがって、本実施形態1では、前記の送信元通信装置Aから他の移動体通信端末B1,B2,B3へ、さらに、移動体通信端末B3から他の移動体通信端末C1,C2,3へのデータ転送は、このアドホック接続により、自動的に行われる。
【0016】次に、図2は、本実施形態1の動作を説明するための図である。本実施形態1においては、「転送回数が計4回になるまで本体データの転送を繰り返せ。」という内容を含む本体関連データ(付加データ)が関連付けられた本体データが送信元通信装置(例えば携帯電話)Aから無線送信されると、その本体データは、受信した各移動体通信端末により本体関連データ(付加データ)中の「転送されるべき回数」が”マイナス1”される結果、計4回目の転送先となる移動体通信端末F1に受信されるまで(すなわち、前記「転送されるべき回数」がゼロになるまで)、転送が、次々に、繰り返される。
【0017】すなわち、図2の例では、送信元通信装置Aから移動体通信端末B3へ(最初の無線による発信(送信))、移動体通信端末B3から移動体通信端末C1へ(第1回目の無線転送)、移動体通信端末C1から移動体通信端末D1へ(第2回目の無線転送)、移動体通信端末D1から移動体通信端末E1へ(第3回目の無線転送)、移動体通信端末E1から移動体通信端末F1へ(第4回目の無線転送)というように、計4回の転送が、次々と、繰り替えされる。
【0018】そして、前記本体データを移動体通信端末F1が受信したとき、前記本体データに関連付けられた本体関連データ(付加データ)の中の「転送されるべき回数」は移動体通信端末F1の制御部により”マイナス1”されて”ゼロ”となるため、前記本体データの転送は、この移動体通信端末F1に受信されたところまででストップされる。結局、送信元通信装置Aから発信(送信)され本体データは、送信元通信装置Aから約50mだけ離れた位置に存在する移動体通信端末F1まで、すなわち、送信元通信装置Aを中心として半径約50mのエリア内の移動体通信端末F1まで、次々と転送・次々に伝達・伝播されるようになっている。
【0019】なお、本実施形態1では、近距離無線転送のためにブルートゥースという通信規格を使用しており、このブルートゥースの利用のためには、電話サービス会社(例えばNTTドコモなどの移動体通信網の運営企業)のサービス料金は不要である。したがって、ユーザーaは、送信元通信装置Aから、本実施形態1のシステムを使用して、無料で、自分のメッセージなどの本体データを、希望するエリア(例えば、半径50m以内のエリア)内に存在する全てのブルートゥースに対応する移動体通信端末(図1,図2のB1,B2,B3,C1,C2,C3,D1,E1,F1など)に、次々に伝達・伝播させることが可能になる。
【0020】実施形態2.次に、本発明の実施形態2を説明する。本実施形態2では、複数の移動体通信端末からブルートゥースで無線転送されるデータが、一つの移動体通信端末に重複して受信されることがない(又は、少ない)ように、工夫を加えている。
【0021】この工夫について述べる前に、ブルートゥースの一般的技術について説明する。図3は、日経BP社から発行された「日経NETWORK 2001.4号」の第214ページから引用した図で、ブルートゥースの通信規格を説明するものである。この図3に示すように、ブルートゥースの通信では、2種類のアドレスが使用される。一つは、「ブルートゥース・アドレス」で、世界中で一意に決まる49ビット・アドレスである。これは、機器に固定的に割り当てられており、機器や所属ネットワークの識別に使用する。もう一つは、通信時にマスター(送信側)がスレーブ(受信側)に一時的に割り当てる3ビット長のアドレスである。ブルートゥース機器は、マスターとスレーブのいずれかとなって通信する仕様になっている。スレーブは最大7台で、通信を終えたスレーブは、この3ビット長の一時的アドレスをマスターに返す。その返されたアドレスは、マスターが別の端末に割り当てる。以下に、上記の「日経NETWORK 2001.4号」の第214ページにあるブルートゥースの説明を引用しておく。「ブルートゥースでは、マスターとなった機器が主導して通信を開始する。まず、近くにあるブルートゥース機器のリストを作る。そして、リストの中から実際に通信する機器を選び、その機器に一時的なアドレス(3ビット長)を配布する。このアドレスを使って通信を開始する。詳しくは次の■のとおりである(図3参照)。
■機器のリストアップ・・・マスターが通信可能なブルートゥース機器のリストを作成するため、周辺にある機器に問い合わせる。それを受けた機器は返答する。
■通信開始の呼び掛け・・・マスターは作成したリストから実際に通信したい相手を選択し、それらの機器に呼び掛ける。それを受けた機器は、確認応答を返す。
■アドレスやクロックの配布・・・マスターは、フレームを識別すするためのマスターのブルートゥース・アドレス、同期をとるためののクロック(ブルートゥース・クロック)、相手を特定するための3ビットのアドレス(アクティブ・メンバー・アドレス)を配布する。それらの配布を受けた機器は、確認応答を返す。
【0022】本実施形態2では、複数の移動体通信端末からブルートゥースで無線転送されるデータが、一つの移動体通信端末に重複して受信されることがない(又は、少ない)ように、次のような■のような工夫を加えている。この■の工夫を述べる前に、前提として、本実施形態2では、最初にデータを送信する図1の送信元通信装置Aは、本体関連データ(付加データ)の中に、転送すべき回数などの転送条件だけでなく、自己の識別データ(送信元アドレスなど)や送信時刻をも書き込んで、本体データと共にブルートゥースで無線送信する。これは、ちょうど、電子メールを送信するときのメーラー(メール・クライアント・ソフト)が、発信するメールのヘッダー部の中に自らの送信元アドレスや送信時刻や件名などを書き込むのと同様の処理である。また、本実施形態2では、他の移動体通信端末B3などからデータを転送された移動体通信端末C1,C2,C3・・・は、そのデータを他の移動体通信端末に送信する前に、転送元(すなわち、移動体通信端末C1,C2,C3・・・)の識別データ(転送元アドレスなど)と転送時刻とを、本体関連データ(付加データ)の中に加入してから(さらに、前述のように、本体関連データ(付加データ)の中の「転送されるべき回数」をマイナス1した数値に書き換えてから)、他の移動体通信端末D1に転送する。これは、ちょうど、電子メールが複数のサーバーを経由して転送されるとき、その経由するサーバー(転送元)がメールのヘッダー部の中に自らの転送元アドレスや転送時刻などを書き込むのと同様の処理である。
【0023】■本実施形態2では、例えば、図1の移動体通信端末B3の制御部14は、無線受信部11が受信したデータの中のヘッダー部分の本体関連データ(付加データ)を読みとって、その中に自己の識別データ(転送元アドレスなど)が既に存在しているかどうかを検出し、もし存在していれば、その本体関連データ(付加データ)に対応する本体データは「既に自己が転送元となって自己が受信して他の移動体通信端末に転送したもの」と同一であるから、その本体データについては、転送を中止する(その本体データ及び本体関連データ(付加データ)は、廃棄するのが望ましい)。また■本実施形態2では、例えば、図1の移動体通信端末B3の制御部14は、無線受信部11が受信したデータの中の本体関連データ(付加データ)(ヘッダー部などに存在する)を読みとって、その本体関連データ(付加データ)の中に、既に自己が他の移動体通信端末に転送した本体関連データ(付加データ)(この以前に自己が受信して他の移動体通信端末に転送したことがある本体データの本体関連データ(付加データ)は、移動体通信端末B3が記録・保存しているものとする)の中の「最初に送信した送信元通信装置Aの識別データ(アドレス)と時刻データ(又は、件名)」と同じものが、存在しているかどうかを検出する。そして、もし存在していれば、その本体関連データ(付加データ)に対応する本体データは「既に自己が転送元となって自己から他の移動体通信端末に転送したもの」と同一であるから、その本体データについては、転送は中止する(その本体データ及び本体関連データ(付加データ)は、廃棄するのが望ましい)。
■本実施形態2では、送信元通信装置Aは、ある本体データPを送信するとき、「本体データID(メッセージID)、自己(送信元通信装置)のアドレス、送信時間」などのデータを含む本体関連データ(付加データ)を、本体データPと関連付けて、周囲の移動体通信端末B1,B2,B3などに送信するものとする。そして、前記移動体通信端末B1,B2,B3・・・などは、前記本体データPを、前記送信元通信端末Aから又は他の移動体通信端末を経由して受信したとき、前記の受信した本体関連データ(付加データ)の内容を記録・保存しておくものとする。以上の前提で、前記の本体データPを既に受信したことがある(そして、場合により、その本体データPを他の移動体通信端末に転送したことがある)前記移動体通信端末B1,B2,B3が、他の移動体通信端末から「ある本体データP」を受信したときは、その本体データの本体関連データ(「本体データID(メッセージID)、送信元通信装置のアドレス、送信時間」などのデータを含む)も一緒に受信する。そして、この受信した本体関連データの中の「本体データID(メッセージID)、送信元通信装置のアドレス、送信時間」などのデータと、既に自己が受信して他の移動体通信端末に転送した本体データの本体関連データ(自己が記録・保存している)とを比較して、その本体データPが、以前に自己が受信して他の移動体通信端末に転送したことがある本体データPと同一のものであるときは、本体データPを他の移動体通信端末に転送しないようにする(その本体データPは廃棄するのが望ましい)。
【0024】実施形態3.本発明の実施形態3では、本実施形態2と同様の目的、すなわち、複数の移動体通信端末からブルートゥースで無線送信される本体データが、一つの移動体通信端末に重複して受信されることがない(又は、少ない)ようにするという目的のために、次のような■のような工夫を加えている。なお、ここでも、実施形態2で述べた前提は同様に適用される。また、本実施形態3では、前記の実施形態1,2と異なって、転送回数などの転送条件、送信元アドレスや送信時刻、及び、転送元アドレスや転送時刻などを含む本体関連データ(付加データ)は、本体データに先だって、本体データとは別個に、ブルートゥースにより無線送信・無線転送されるものとする。すなわち、本実施形態3では、まず、前記本体関連データ(付加データ)が本体データの識別データと関連付けられて、ブルートゥースにより他の移動体通信端末に転送され、その後、転送先となる移動体通信端末の許可(本体データを受信してもよいという許可)を受信してから、本体データをブルートゥースにより無線転送するものとする。
【0025】■本実施形態3では、例えば、図1の移動体通信端末B3の制御部14は、無線受信部11が受信した本体関連データ(付加データ)(前述のように、本実施形態3では、本体関連データ(付加データ)は、「他の移動体通信端末から無線転送される予定の本体データ」に先だって、本体データとは別個に無線送信されるものとする)をまず読みとって(この段階では、前記無線受信部11は、本体関連データのみを受信しするが、本体データはまだ受信していない)、その中に「転送元アドレス」として「自己の識別データ(アドレス)」が存在するかどうかを検出し、もし存在していれば、その本体関連データ(付加データ)に対応する本体データは「既に自己が転送元となって自己から他の移動体通信端末に転送したもの」と同一であるから、「前記の無線転送される予定であった本体データ」は受信しないようにする。また■本実施形態2では、例えば、図1の移動体通信端末B3の制御部14は、無線受信部11が受信した本体関連データ(付加データ)(前述のように、本実施形態3では、本体関連データ(付加データ)は、「他の移動体通信端末から無線転送される予定の本体データ」に先だって、本体データとは別個に無線送信されるものとする)を読みとって(この段階では、前記無線受信部11は、本体関連データ(付加データ)のみを受信しているが、本体データはまだ受信していない)、その本体関連データ(付加データ)の中に、「既に自己が他の移動体通信端末に転送したことがある本体関連データ(付加データ)」(この本体関連データ(付加データ)は、移動体通信端末B3において保存しているものとする)の中にある「最初に送信した送信元通信装置Aの識別データ(アドレス)と時刻データ(又は、件名)」と同じものが、存在しているかどうかを検出する。そして、もし存在していれば、その本体関連データ(付加データ)に対応する本体データは「既に自己が転送元となって自己から他の移動体通信端末に転送したもの」と同一であるから、「前記の無線転送される予定であった本体データ」は受信しないようにする。
■本実施形態2では、送信元通信装置Aは、ある本体データPを送信するとき、「本体データID(メッセージID)、自己(送信元通信装置)のアドレス、送信時間」などのデータを含む本体関連データ(付加データ)を、本体データPと関連付けて、周囲の移動体通信端末B1,B2,B3などに送信するものとする。そして、前記移動体通信端末B1,B2,B3・・・などは、前記本体データPを、前記送信元通信端末Aから又は他の移動体通信端末を経由して受信したとき、前記の受信した本体関連データ(付加データ)の内容を記録・保存しておくものとする。以上の前提で、前記の本体データPを既に受信してそれを他の移動体通信端末に転送したことがある前記移動体通信端末B1,B2,B3が、他の移動体通信端末から「ある本体データPを送信してもよいか」という問合せを受けたときは、その本体データPの転送を受ける前に、まず、その本体データの本体関連データ(「本体データID(メッセージID)、送信元通信装置のアドレス、送信時間」などのデータを含む)を自己(転送予定先の移動体通信端末)に送信してもらう。そして、この受信した本体関連データの中の「本体データID(メッセージID)、送信元通信装置のアドレス、送信時間」などのデータと、既に自己が受信して他の移動体通信端末に転送したことがある本体データPの本体関連データ(自己が記録・保存している)とを比較して、その本体データPが、以前に自己が受信して他の移動体通信端末に転送したことがある本体データPと同一のものであるときは、前記他の移動体通信端末からの本体データPの転送を受信しないようにする。
【0026】実施形態4.本発明の実施形態4は、実施形態1と同様に、送信元通信装置A(図1参照)が、「本体データを受信した移動体通信端末が他の移動体通信端末に転送するという動作がブルートゥースのネットワークの中で、次々に、何回行われるべきか、という転送されるべき回数」を転送条件として含む本体関連データ(付加データ)を、本体データのヘッダー部に付加して、近傍の移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1R>1参照)に転送する。
【0027】本実施形態4と本実施形態1とが異なるのは、前記本体データ及び本体関連データ(付加データ)を受信した移動体通信端末(図1,図2のB1,B2,B3,C1,D1,E1,F1など)の制御部14(図1R>1参照)の動作である。実施形態4では、前記制御部14は、実施形態1のように受信した本体関連データ(付加データ)の中の「転送されるべき回数」を”マイナス1”することも、書き換えることも、しない。実施形態4では、前記制御部14は、受信した本体関連データ(付加データ)の中の「送信元アドレス、送信時刻、転送元アドレス、転送時刻」などのデータを読み取る(本実施形態4では、本体データを転送する各移動体通信端末B1,B2,B3,C1,D1,E1,F1・・・は、転送するときに、自己のアドレス(「転送元アドレス」となる)と転送時刻とを、「消印情報」として、本体関連データ(付加データ)の中に書き込むものとする)。そして、前記制御部14は、この読み取ったデータに基づいて、「自己が受信するまでに、何回、他の移動体通信端末を経由して来たか、すなわち、何回、他の移動体通信端末からの転送が行われたか」を判定・推定する。そして、前記制御部14は、この判定・推定の結果、「自己が受信するまでに他の移動体通信端末を経由した回数(他の移動体通信端末から転送された回数)」が、前記送信元通信装置Aが付加した「転送されるべき回数」に達していなければ、更に転送を行い、達していれば、転送を中止する。
【0028】なお、上記の実施形態4のように、本体データ及び本体関連データ(付加データ)を受信した移動体通信端末の制御部が、本体関連データ(付加データ)の中から「送信元アドレス、送信時刻、転送元アドレス、転送時刻」などのデータを読み取って、「送信元通信装置から発信された本体データが自己に受信されるまでの間に、他の移動体通信端末を何回経由されてきたか、すなわち、他の移動体通信端末により何回転送されてきたか」を判定・推定するというアイデアは、従来の電子メールのヘッダー情報の「Receivedフィールド」を参考にしている。すなわち、従来の電子メールシステムでは、メール・クライアント(メーラー)からメールを受信した「送信側メールサーバー」や、この送信側メールサーバーからメールを受信してさらに転送した「受信側メールサーバー」は、必ず、メールのヘッダー部分に、「Receivedフィールド」を追加するようにしている。この「Receivedフィールド」には、「いつ誰からメールを受け取ったかという消印情報」が書き込まれている。すなわち、「受信(又は転送)日時、メールのID番号、送信元のドメイン名(又はIPアドレス)、自身のドメイン名」などの情報が書き込まれている。これは、メール・クライアントからメールを送信された送信側メールサーバーだけでなく、メールが相手先に届くまでにその途中で経由する全てのメールサーバーが、必ずメール本体のヘッダー部分の最初に「Receivedフィールド」を挿入することになっている。このため、複数のメールサーバーを経由して宛先まで届いたときには、経由したメールサーバーにより「Receivedフィールド」が順番に書き加えられている。ユーザーは、この受信メールのヘッダーを上から順番に読めば、受信メールがどんなメールサーバーを経由して届けられたかが分かるようになっている。
【0029】実施形態5.本発明の実施形態5では、送信元通信装置A(図1参照)は、「本体データを受信した移動体通信端末が他の移動体通信端末にブルートゥースで無線転送すべき時間帯(例えば、送信元通信装置Aが送信した送信時刻である2001年5月1日の11時5分37秒」から60秒以内)」という転送条件を含む本体関連データ(付加データ)(又は、「本体データを受信した移動体通信端末は、もし所定の時間帯(例えば、送信元通信装置Aが送信した送信時刻である2001年5月1日の11時5分37秒から60秒以内)であれば、本体データ(及び本体関連データ(付加データ))を他の移動体通信端末にブルートゥースで無線転送せよ。」という転送命令を含む本体関連データ(付加データ))を、前記本体データのヘッダー部に付加して、前記本体データと共に、近傍の移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)に転送する。
【0030】本実施形態5では、前記本体データ及び前記本体関連データ(付加データ)を受信した移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)の制御部14(図1参照)は、前記本体関連データ(付加データ)の中の「無線転送すべき時間帯」を読み取って、「現在の時刻」が前記「無線転送すべき時間帯」に該当するかどうかを判定し、もし該当していればブルートゥースによる無線転送を行い、もし該当していなければブルートゥースによる無線転送を行わないようにする。なお、本実施形態5において、前記移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)が、「現在の時刻」データを取得する方法としては、■自己に内蔵された時計(ハードウェアの時計だけでなく、CPUとソフトウェアにより実現される時計機能をも含む)により取得する方法と、外部の現在時刻データ送信部(例えば、日本標準時のデータを送信するセンターのコンピュータ)から無線送信される現在時刻データを受信することにより取得する方法、などがありうる。
【0031】実施形態6.本発明の実施形態6では、送信元通信装置A(図1参照)は、「本体データを受信した移動体通信端末が他の移動体通信端末にブルートゥースで無線転送するときに存在すべき場所又はエリア(所定の位置座標データで指定される)」という転送条件を含む本体関連データ(付加データ)(又は、「本体データを受信した移動体通信端末は、もし自己が所定の場所又はエリア(所定の位置座標データで指定される)内に存在していれば、本体データ(及び本体関連データ(付加データ))を他の移動体通信端末にブルートゥースで無線転送せよ。」という転送命令を含む本体関連データ(付加データ))を、前記本体データのヘッダー部に付加して、前記本体データと共に近傍の移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)に転送する。
【0032】本実施形態6では、前記本体データ及び前記本体関連データ(付加データ)を受信した移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)の制御部14(図1参照)は、前記本体関連データ(付加データ)の中の「存在すべき場所又はエリア(所定の位置座標データで指定される)」を読み取る。また、前記制御部14は、前記移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)に備えられているGPS受信機から現在位置座標データを取得する。そして、前記制御部14は、前記転送条件としての「存在すべき場所又はエリア(所定の位置座標データで指定される)」と前記GPS受信機からの現在位置座標データとを比較して、「現在、自己が存在している場所又はエリア」が前記本体関連データ(付加データ)の中の「存在すべき場所又はエリア」の範囲内であるかどうかを判定する。そして、もし範囲内であればブルートゥースによる無線転送を行い、もし範囲内でなければブルートゥースによる無線転送を行わないようにする。
【0033】実施形態7.本発明の実施形態7では、例えば、複数の店舗が集積されたショッピングセンターや複数の遊戯施設や展示施設が集積されたテーマパーク内での利用を想定している。そして、これらのショッピングセンターやテーマパークは、複数のエリアに分けられており、各エリアには、それぞれ、各エリア固有の番号(エリアID(位置ID=場所ID)=位置ID)を近傍に向けて微弱電波で送信するためのアンテナが複数ヶ所、備えられているものとする。そして、このアンテナから発せられるエリアID(位置ID=場所ID)は、前記ショッピングセンターやテーマパーク内に居るユーザーがそれぞれが携帯する移動体通信端末B1,B2,B3,C1,D1,E1,F1・・・(図1,図2参照)によって、定期的に(例えば、10秒毎に)、受信されているものとする。また、本実施形態7では、図1の送信元通信装置Aは、ショッピングセンターやテーマパークのスタッフが携帯する携帯情報端末(PDA)とする。前記スタッフは、前記PDAである送信元通信装置Aから、例えば10mの近距離無線通信手段であるブルートゥースにより、「広告情報や割引クーポンなどの本体データを受信した移動体通信端末が他の移動体通信端末にブルートゥースで無線転送するときに存在すべきエリアID(位置ID=場所ID)」という転送条件を含む本体関連データ(付加データ)(又は、「前記本体データを受信した移動体通信端末は、もし自己が本体関連データ(付加データ)中のエリアID(位置ID=場所ID)のエリア内に存在していれば、本体データ(及び本体関連データ(付加データ))を他の移動体通信端末にブルートゥースで無線転送せよ。」という転送命令を含む本体関連データ(付加データ))を、前記本体データのヘッダー部に付加して、前記本体データと共に、近傍の移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)に転送する。
【0034】本実施形態7では、前記本体データ及び前記本体関連データ(付加データ)を受信した移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)の制御部14(図1参照)は、前記本体関連データ(付加データ)のエリアID(位置ID=場所ID)を読み取る。また、前記制御部14は、前記の各エリアのアンテナから発せられるエリアID(位置ID=場所ID)を定期的に取得する(図1の無線受信部11がエリアID(位置ID=場所ID)を定期的に受信して、それを制御部14に送信する)。そして、前記制御部14は、前記転送条件としての「エリアID(位置ID=場所ID)」と前記の定期的に受信しているエリアID(位置ID=場所ID)とを比較して、両者が一致しているかどうか(自分は現在、転送条件であるエリアID(位置ID=場所ID)に該当するエリア内に居るかどうか)を判定する。そして、もし一致していればブルートゥースによる無線転送を行い、もし一致していなければブルートゥースによる無線転送を行わないようにする。以上により、本実施形態7では、ショッピングセンターやテーマパークのスタッフは、自分が担当するエリア(又は自分が担当する店舗又は遊戯・展示施設)の独自の広告情報を自らが携帯する携帯情報端末から、ブルートゥースにより無線送信することにより、そのエリア内に存在するほぼ全てのユーザーが携帯する通信端末に、前記広告情報を次々と次々に伝達・伝播させて行くことができる。
【0035】実施形態8.本発明の実施形態8では、実施形態7の各エリア内に設置された複数のアンテナからそれぞれ送信されるエリアID(位置ID=場所ID)の代わりに、例えば半径1〜2km以下という比較的狭いエリアをカバーするPHS(パーソナルハンディホンシステム。簡易型携帯電話)の基地局から定期的に(例えば5秒毎に)送信されているPHS基地局エリアID(位置ID=場所ID)を利用する。すなわち、従来のPHS基地局エリア内では、定期的に、その基地局のアンテナからその基地局エリアID(位置ID=場所ID)が送信されている。この基地局エリアID(位置ID=場所ID)は、PHSだけでなく、携帯電話やPDAなどの他の移動体通信端末でも、周波数を合わせることなどにより、受信することは可能である。本実施形態8では、図1の送信元通信装置Aは、あるPHS基地局エリア内に存在する店舗のスタッフ(ユーザー)や通行人(ユーザー)が携帯する携帯情報端末(PDA)である、とする。前記ユーザーは、前記PDAである送信元通信装置Aから、例えば10mの近距離無線通信手段であるブルートゥースにより、「広告情報やお知らせ情報などの本体データを受信した移動体通信端末が他の移動体通信端末にブルートゥースで無線転送するときに存在すべきPHS基地局エリアID(位置ID=場所ID)」という転送条件を含む本体関連データ(付加データ)(又は、「前記本体データを受信した移動体通信端末は、もし自己が本体関連データ(付加データ)中のPHS基地局エリアID(位置ID=場所ID)のエリア内に存在していれば、本体データ(及び本体関連データ(付加データ))を他の移動体通信端末にブルートゥースで無線転送せよ。」という転送命令を含む本体関連データ(付加データ))を、前記本体データのヘッダー部に付加して、前記本体データと共に、近傍の移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)に転送する。
【0036】本実施形態8では、前記本体データ及び前記本体関連データ(付加データ)を受信した移動体通信端末B1,B2,B3・・・(図1参照)の制御部14(図1参照)は、前記本体関連データ(付加データ)の中から転送条件としてのPHS基地局エリアID(位置ID=場所ID)を読み取る。また、前記制御部14は、前記の各PHS基地局のアンテナから発せられる基地局エリアID(位置ID=場所ID)を定期的に取得する(図1の無線受信部11がエリアID(位置ID=場所ID)を定期的に受信して、それを制御部14に送信する)。そして、前記制御部14は、前記転送条件としての「基地局エリアID(位置ID=場所ID)」と前記の受信した基地局エリアID(位置ID=場所ID)とを比較して、両者が一致しているかどうか(自分は現在、転送条件であるPHS基地局エリアID(位置ID=場所ID)に該当するエリアに居るかどうか)を判定する。そして、もし一致していればブルートゥースによる無線転送を行い、もし一致していなければブルートゥースによる無線転送を行わないようにする。以上により、本実施形態8では、既存のPHS基地局のアンテナから定期的にPHS基地局エリアID(位置ID=場所ID)が発信されているという環境があれば、ユーザーは、自らが携帯する携帯情報端末から本体データをブルートゥースにより無線送信することにより、そのPHS基地局エリア内に存在する他の移動体通信端末(PHS基地局から送信される基地局エリアID(位置ID=場所ID)を受信することができる移動体通信端末)に、前記本体データを次々と次々に伝達・伝播させて行くことができる。
【0037】拡張(1)なお、前記の実施形態(実施形態3などを除く)では、「転送条件又はこの転送条件を含む転送命令を含んでいる本体関連データ(付加データ)」を本体データに「関連付ける」方法として、転送条件又は転送命令を含む本体関連データ(付加データ)を本体データのヘッダー部やフッター部に記述するようにしている。しかし、本発明では、転送条件又は転送命令を含む本体関連データ(付加データ)を本体データに「関連付ける」方法として、上記以外の様々な方法を採ることができる。例えば、電子メールと類似の構成を採る場合でも、電子メールのメッセージ本文の記述領域に対応する領域に、本体データと本体関連データ(付加データ)とを一緒に記述し、インターネット記述言語であるXML(拡張可能なマークアップ言語)のタグを使用して、本体データ(メッセージ本分)と本体関連データ(付加データ)(転送条件や転送命令文など)とを互いに区別すると同時に互いに関連付けるようにしてもよい。また、本発明では、従来の電子メールとは類似しない構成により本体データ及び本体関連データ(付加データ)から成る送信データを作成するようにしてもよい。
(2)また、前記の各実施形態では、転送条件(又は転送条件を含む転送命令)を含んでいる本体関連データ(付加データ)は、送信元送信装置から本体データを無線送信するときに、ユーザーがキーボード操作などにより生成し、前記本体データと関連付けて無線送信するようにしている。しかし、本発明ではこれに限られるものではなく、例えば、ユーザーは、予め、送信元送信装置に転送条件(又は転送条件を含む転送命令)を入力・設定してメモリに記憶させておき、本体データを送信するときに前記メモリから前記転送条件又は転送命令を呼び出して(前記メモリから前記転送条件又は転送命令を出力・発生させて)、本体データと関連付けて無線送信するようにしてもよい。
(3)本発明において、前記の転送条件判定手段と本体データ無線転送手段と転送条件データ無線転送手段とは、例えば、NTTドコモの携帯電話の機能の一つである「iアプリ」(携帯電話にJAVA(登録商標)プログラムを外部から取り込んで、携帯電話上で動作させる機能)により実現させることができる。すなわち、本発明の転送条件判定手段と本体データ無線転送手段と転送条件データ無線転送手段を実現するためのプログラムをJAVAプログラムで作成して、それを携帯電話に搭載(インストール)して、携帯電話上で作動させることができる。
【0038】本発明の用途本発明の用途は様々なものが考えられる。例えば、ある店舗(建物内の固定した店舗だけでなく、屋台などの移動型の店舗も含む)が、自社の商品チラシ情報やサービスメニュー情報などの広告情報(データ及びメッセージ)を、近距離エリア内の携帯端末(携帯電話や携帯情報端末(PDA)など)や車載端末に向けて、ブルートゥース(ブルートゥースのアドホック接続)を使用して無線送信し、その情報を受信した携帯端末が、さらに、その情報を、近距離エリア内の他の携帯端末や車載端末に転送し、このような転送を、転送条件が妥当する限りにおいて、次々と繰り返すことにより、例えば半径500m以内のエリアに存在する全てのユーザー端末に情報を次々に伝達・伝播することができる。また、電車の駅や街頭やコンビニエンスストアの店頭などに固定・設置された多機能端末(キオスク端末)から、近傍に存在する携帯端末や車載端末に向けて、ブルートゥース(ブルートゥースのアドホック接続)を使用して、商品情報や地域情報や店舗の割引クーポン(画像データやテキストデータから成る割引クーポン券)を自動配信し、この自動配信を受けた携帯端末が、さらに、その近傍の携帯端末に向けて、ブルートゥース(ブルートゥースのアドホック接続)を使用して、同じ情報を転送し、このような転送を次々と繰り返すことにより、例えば半径500m以内のエリアに存在する全てのユーザー端末に情報を次々に伝達・伝播することができる。また、ユーザーの移動体通信端末(ユーザーが携帯する携帯端末、又は、自動車などの乗り物に搭載されたカーナビゲーション機器などの車載端末)から、例えば半径500m以内のエリアに存在する他のユーザーの移動体通信端末に向けて、例えば、「本日の午後1時から○○でマージャン(野球の試合)をやるのだけど、メンバーが足りないので、誰か参加希望者がいれば、私まで連絡して下さい。」や「本日の午後2時から○○公園で野外コンサートをしますので、見に来て下さい。」などのメッセージを送信し、このエリア内に居る他のユーザーの移動体通信端末に次々と次々に転送して行くことにより、このメッセージを次々と次々に伝達・伝播していくことが可能になる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ユーザーが希望する距離のエリア、例えば、半径50m以内、半径100m以内、半径500m以内というようなユーザーが希望する距離のエリア内に居る複数人が保有する移動体通信端末に向けて、所望のデータを、次々に、無線転送することが可能になる。この場合、本発明の近距離無線通信のためのシステム、方法、プログラムの利用のためには、携帯電話サービス会社などが運営する携帯電話網などの有料サービスを使用する必要がない。したがって、本発明によれば、「携帯電話サービス会社などへの料金支払いの必要が全く無い、所定エリア内(例えば、一つのオフィスビル内、一つの大学構内、一つの団地内、一つの町内自治会エリア内など)でのデータやメッセージの無料の次々に伝達・伝播を可能にする、無料の口コミ・ネットワーク」を実現でき、無線資源の有効利用が可能になる。また、本発明によれば、店舗の広告やイベントや求人・求職情報などの所定の公開情報を、無料ネットワークで、所定のエリア内(例えば、一つのオフィスビル内、一つの大学構内、一つの団地内、一つの町内自治会エリア内など)に存在する複数の移動体通信端末に次々に転送する形で伝播することができるという「無料の公開掲示板」の機能を果たすことができる(なお、本発明は、公開情報ではないプライバシー情報の送信には適していない)。なお、「都市の街角無線LAN基盤(バックボーン)による無料の口コミ・ネットワーク」が将来的に実現すれば、本発明による「移動体通信端末同士の直接のアドホック・ネットワークによる無料の口コミ・ネットワーク」や「無料の公開掲示板ネットワーク」の競合技術となりうるであろう。
【0040】なお、「携帯電話などの携帯機器とインスタントメッセージング(IM)」に関する新しい技術が、最近、紹介されている。例えば、次の記事は、本発明者が2001年5月1日の時点でインターネット上で発見したものである。「移動体通信端末Bメーカー大手のスウェーデンのEricsson、米MotorolaおよびフィンランドのNokiaの3社は26日、携帯機器向けのインスタントメッセージング(IM)やプレゼンスサービスの共通仕様を策定するための団体「Wireless Village」を設立したと発表した。同団体が策定する仕様は、携帯機器間だけでなく、インターネットベースのサービスとの間で、メッセージやプレゼンス情報を交換するために使われる。プレゼンス情報とは、ユーザーが「オンラインか、オフラインか、ビジーか」といった状態や、「家か職場か」といった位置情報、「ユーザーの気分はいいか悪いか」といった情報を表すものだ。これらのプロトコルは携帯機器や無線ネットワーク向けに最適化される。同仕様の普及促進を図るため、同団体は業界他社への参加を呼びかけている。Wireless Villageはアーキテクチャ仕様やプロトコル仕様、テスト仕様、ツールなどを提供するほか、WAPやSMSやSIPなどをベースにプロトコルなどの仕様の策定を進める。これらの仕様は2001年末までに公開される予定だ。
(2001/4/27)[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]INTERNET WatchホームページINTERNET Watchグループinternet-watch-info@impress.co.jp」
しかしながら、上記の記事は、いずれも、本願発明の内容を開示するものではない。
【0041】また、「ブルートゥースとP2P(ピア・ツー・ピア)」に関する新しい技術が、最近、紹介されている。例えば、次のような記事がインターネット上で存在している。以下の(2)(3)は、本出願人が、2001年5月1日の時点で発見したインターネット上の記事(本発明との関連性の薄い部分は省略している)である。
(2)モバイルでP2P――携帯端末用のファイル共有ソフト(http://www.zdnet.co.jp/news/0101/22/e_p2p.html)
Napsterに代表されるピア・ツー・ピア(P2P)型のファイル交換ソフトは,家庭用のPCではごく一般的な存在となりつつある。だが今,同種のソフトが,一部の携帯デバイス用にも登場しつつある。カリフォルニア州アーバインのソフトメーカー,Endeavors Technologiesは1月19日,カスタム開発のファイル交換ソフトをWeb対応の携帯端末上で使用するテストに成功したと発表した。同社COO(最高業務責任者)のBrian Morrow氏によると,1月22日の週に,このソフトのデモを行う予定だという。Endeavorsのソフトはもともと,同社とは別の会社が医療専門家向けに売り込む目的で開発したもので,ワイヤレスネットワークを介して重要な医療情報の交換が行えるという。このソフトにはNapsterとの類似点が多々ある。例えば,コンピュータユーザーはどのファイルを他者と共有し,どのファイルを共有不可にするかを決めることができる。またMorrow氏によると,インターネット対応の各種モバイルデバイス間で直接,情報のやり取りができるという。このソフトの実験はまだ,最もパワフルなハンドヘルドデバイスの1つであるCompaqのPocket PC「iPaq」でしか行われていない。だがMorrow氏によると,このソフトはWindows (登録商標)CE搭載のデバイスなら,どんなものででも動作が可能だという。(Ben Charny, ZDNet/USA)
(3)モバイルデバイス用P2Pソフト「BlueTalk」登場へ(http://www.zdnet.co.jp/news/0103/07/e_bluetalk.html)
スウェーデンのソフトメーカーがP2P対応のモバイル機器用ファイル交換ソフトを開発。P2PはワイヤレスWebの世界へと広がりつつあるが,Napsterのように普及するかどうかについては意見が分かれているスウェーデンのソフトメーカーPocit Labsによると,同社は通信規格にBluetoothを採用した,モバイルデバイス用のNapsterライクなファイル交換ソフトを開発した。ファイル交換ソフトがモバイルデバイス向けに開発されたのはこれが初めて。「BlueTalk」と呼ばれるこのソフトは,6月にモンテカルロで開催されるBluetooth Congress 2001でお披露目されると見られている。Pocit LabsのCEO(最高経営責任者),Christer Rindebratt氏は,まだ販売契約は交わしていないが,2002年までにBlueTalkの販売を開始するとしている。同氏によると,BlueTalkにより,ワイヤレスデバイスを使って,最大54人のユーザーが一度にファイル交換,ゲーム対戦,その他のさまざまな用途を楽しむことが可能になるという。ハンドヘルドデバイス用のP2Pネットワーキング技術に取り組んでいる企業は,Pocit Labsが2社目となる。1月にはカリフォルニア州アーバインのソフトメーカー,Endeavors Technologyが,Compaq Computerのハンドヘルドデバイス「iPaq」でP2Pアプリケーションのテストに成功したと発表している(1月22日の記事参照)。P2Pは自分が持っているデータを誰とでも共有できる接続方式。一番有名なP2PアプリケーションはNapsterだが,同ソフトを使って音楽ファイルを交換しているユーザーは6400万人に上るとされている。NapsterのサービスがPCユーザーに爆発的に普及したことを受けて,起業家たちはNapsterの基盤となるP2P技術をワイヤレスWebへと広げようとしている。ハンドヘルドデバイス用P2Pが,従来のファイル交換サービスのような爆発的な普及を見せるかどうかについて,アナリストたちの意見はさまざまに分かれている。Napsterユーザーは推定6400万人,GnutellaやFreenetなど類似のサービスも数十万の利用者を抱えていると言われる。Jupiter Researchのアナリスト,Joe Laszlo氏は,ハンドヘルドデバイスよりも家庭用PC(高速回線はもちろんのこと,ダイヤルアップ接続でも)の方が記憶容量,ダウンロード速度,画面表示の美しさにおいて優れている,と語る。また,同氏はBlueTalkで実現できる用途の一部が,すでにBluetoothで実現されていることを指摘。空港の待合室でBlueTalkを使ってネットワークに接続するなどの用途を例として挙げている。Bluetoothは,30フィート以内の距離で電子デバイス間の情報共有を可能にする無線技術。1998年に開発され,IntelやEricssonなどの支援を受けている。各種デバイスへの普及が期待され,アナリストは2000年末までに対応製品が市場に出るものと予測していた。だが,Bluetoothはようやく最近,ノートPCのアドオンや一部の高性能携帯電話に搭載され始めたところ。チップメーカーは2000年秋にBluetoothに必要な部品の製造を本格的に開始している。(Ben Charny, ZDNet/USA)しかしながら、上記(2)及び(3)の記事内容からは、本発明の内容を容易に想到することはできないと考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すブロック図。
【図2】実施形態1の動作を説明する図。
【図3】本発明の実施形態2の動作を説明する図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 送信元通信装置に備えられ、メッセージや画像などから成る本体データを、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための本体データ送信手段と、前記送信元通信装置に備えられ、「前記本体データを受信した移動体通信端末が前記本体データを、更に、近距離に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送すべきかどうかを決めるための転送条件データ」であって、「前記本体データを受信した移動体通信端末から他の移動体通信端末への転送が次々に何回繰り返されるべきかという『次々に転送されるべき回数』を内容とする転送条件データ」を、前記本体データの無線送信と同時に又はこれと前後して、前記本体データと関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための転送条件データ送信手段と、前記本体データ及び前記転送条件データの送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記本体データを、前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信するための本体データ受信手段と、前記本体データ及び前記転送条件データの送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記転送条件データを、前記本体データの受信と同時に又はこれと前後して、前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信するための転送条件データ受信手段と、前記移動体通信端末に備えられ、前記転送条件データ受信手段により受信された転送条件データにより示される転送条件が満たされているかどうかを判定するための転送条件判定手段であって、「前記本体データが前記送信元通信装置から送信されて前記移動体通信端末に受信されるまでの間に他の移動体通信端末を経由した回数が、すなわち、前記の間に他の移動体通信端末によって次々に転送された回数が、前記の『次々に転送されるべき回数』よりも少ないこと、という転送条件を満たすかどうか」を判定するための転送条件判定手段と、前記移動体通信端末に備えられ、前記転送条件判定手段により前記転送条件が満たされていると判定されたとき、前記本体データ受信手段により受信された本体データを、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作を介して、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送するための本体データ無線転送手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。
【請求項2】 請求項1において、さらに、前記移動体通信端末に備えられ、前記転送条件判定手段により前記転送条件が満たされていると判定されたとき、前記転送条件データ受信手段により受信された転送条件データを、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作を介して、前記本体データの無線転送と同時に又はこれと前後して、前記本体データと関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送するための転送条件データ無線転送手段、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。
【請求項3】 送信元通信装置に備えられ、「これから無線送信すべき本体データを受信した移動体通信端末が、その受信した本体データを他の移動体通信端末に向けて次々に転送することを何回繰り返すべきか、という『次々に転送されるべき回数』を含む本体関連データ」を発生するための本体関連データ発生手段と、前記送信元通信装置に備えられ、前記本体データ及び前記本体関連データを、前記本体関連データを前記本体データに関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する移動体通信端末に向けて無線送信するための無線送信手段と、送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記送信元通信装置から無線送信された前記本体データ及び前記本体関連データを、前記送信元通信装置から直接に又は他の移動体通信端末を経由して受信したとき、前記本体関連データの中の前記「次々に転送されるべき回数」を「マイナス1」するための転送回数引き算手段と、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記引き算手段により「マイナス1された後の回数」が「1以上」である場合、前記本体関連データの中の前記「次々に転送されるべき回数」を「前記のマイナス1された後の回数」に書き換えるための転送回数書き換え手段と、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末に備えられ、前記引き算手段により「マイナス1された後の回数」が「1以上」である場合、ユーザーの操作を介することなく自動的に又はユーザーの選択・操作を介して、前記転送回数書き換え手段により書き換えられた本体関連データ及び前記本体データを、前記本体関連データを前記本体データに関連付けながら、数m〜数十mの近距離の範囲内に存在する他の移動体通信端末に向けて無線転送するための無線転送手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。
【請求項4】 請求項1から3までのいずれかにおいて、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末は、他の移動体通信端末から無線転送されて来た本体データが、既に自己が前記の送信元通信装置又は他の移動体通信端末から受信した本体データと同一のものであるかどうかを検出するための検出手段と、他の移動体通信端末から無線転送されて来た本体データが、既に自己が前記の送信元通信装置又は他の移動体通信端末から受信した本体データと同一のものであると検出された場合は、前記の他の移動体通信端末から無線転送されて来た本体データを他の移動体通信端末には転送しないようにするための転送制御手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。
【請求項5】 請求項1から3までのいずれかにおいて、前記の送信先又は転送先となる移動体通信端末は、他の移動体通信端末から無線転送される予定の本体データが、既に自己が前記の送信元通信装置又は他の移動体通信端末から受信した本体データと同一のものであるかどうかを検出するための検出手段と、他の移動体通信端末から無線転送される予定の本体データが、既に自己が前記の送信元通信装置又は他の移動体通信端末から受信した本体データと同一のものであると検出された場合は、前記無線転送される予定の本体データを受信しないようにするための受信制御手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線転送システム。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2003−51771(P2003−51771A)
【公開日】平成15年2月21日(2003.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−230814(P2001−230814)
【出願日】平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願人】(595100934)
【Fターム(参考)】