説明

送信漏れ信号の相殺信号探索方法

【課題】無線送受信機において送信漏れ信号に対応する相殺信号を迅速且つ正確に検索できる方法を提供する。
【解決手段】(a)送信漏れ信号を大きさ及び位相に対するベクトル位相面に設定する(b)前記ベクトル位相面を複数の領域に区分し各領域別に複数のサンプル地点を決定する(c)前記領域別に順次複数のサンプル地点から選択されたいずれか一つのサンプル地点から他のサンプル地点へのベクトルをそれぞれ検出する(d)検出されたベクトルに対する合成ベクトルの勾配を計算する(e)前記合成ベクトルが現在領域内に収斂するか確認する(f)前記現在領域が内部に収斂する下降勾配を有する場合、前記(b)乃至前記(e)を少なくとも一回反復する(g)前記(f)で検出された勾配のうち最大下降勾配を用いて、前記送信漏れ信号に対応する相殺信号を決定する各段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信漏れ信号の相殺信号探索方法に係り、特に、無線送受信機システムなどで用いられる送信漏れ信号の相殺信号を探索する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、無線(Radio Frequency;RF)送受信機では、RF送信及びRF受信が同時に起きるので、送信信号と受信信号とを隔離するための隔離装置が要求される。例えば、通常、無線認識技術(RFID)において、リーダーは、送信信号と受信信号とを隔離するためにサーキュレータや方向性結合器を隔離装置として用いる。
【0003】
無線送受信機では、アンテナを介して送信信号の送出及び受信信号の受信がなされるが、この時、送信信号の一部が漏れて受信信号に混入することがあり、このような送信漏れ信号を打ち消す必要がある。
【0004】
従来の無線送受信機は、このような送信漏れ信号を打ち消し合うために、送信漏れ信号と同一の大きさ及び逆の位相を有する相殺信号を検出し、抽出した相殺信号を受信信号に結合させることで、受信信号に含まれた送信漏れ信号を打ち消し合っている。このためには、送信漏れ信号と同一の大きさ及び逆の位相を有する相殺信号を探すことが重要である。
【0005】
ところが、従来は送信漏れ信号の大きさと位相を精密に検出及び追跡することが困難だったため、主に、I/Qベクトル位相面の全体領域を順次にスキャンする方式で最適の相殺ベクトルを探索した。
【0006】
しかしながら、 I/Qベクトル位相面の全体領域をスキャンして相殺ベクトルを探索する場合、分解能(resolution)によって探索時間が多くかかるという問題点があった。にもかかわらず、相殺ベクトルを正確に探索して相殺度を向上させるには分解能を高めなければならず、これは探索時間を幾何級数的に増加させる要因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、無線送受信機において送信漏れ信号に対応する相殺信号を迅速且つ正確に探索できる、送信漏れ信号の相殺信号探索方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の好適な一実施例は、(a)送信信号の漏れ信号を、大きさ及び位相に対するベクトル位相面に設定する段階と、(b)前記ベクトル位相面を複数の領域に区分し、区分された各領域別に複数のサンプル地点を決定する段階と、(c)前記領域別に順次に、複数のサンプル地点から選択されたいずれか一つのサンプル地点から他のサンプル地点へのベクトルをそれぞれ検出する段階と、(d)検出されたベクトルに対する合成ベクトルの勾配を計算する段階と、(e)前記合成ベクトルが現在領域内に収斂するか確認する段階と、(f)前記現在領域が内部に収斂する下降勾配を有する場合、前記(b)段階乃至前記(e)段階を少なくとも一回反復する段階と、(g)前記(f)段階で検出された勾配のうちの最大下降勾配を用いて、前記送信漏れ信号に対応する相殺信号を決定する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無線送受信機において受信信号に混入した送信信号の漏れ信号を正確に打ち消し合うことによって受信感度を向上させることができる。
【0010】
また、本発明によれば、無線送受信機で送信漏れ信号に対応する相殺信号を迅速に探索することによって、受信信号に含まれた送信漏れ信号を迅速に打ち消し合うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下では、添付の図面を参照しつつ、本発明を限定しない一実施例を挙げて本発明についてより詳細に説明する。図面中、同一の要素には同一の参照符号を付する。
【図1】本発明の適用される無線送受信機の概略構成図である。
【図2A】本発明による送信漏れ信号の相殺信号探索方法を説明するためのI/Qベクトル位相面である。
【図2B】本発明による送信漏れ信号の相殺信号探索方法を説明するためのI/Qベクトル位相面である。
【図2C】本発明による送信漏れ信号の相殺信号探索方法を説明するためのI/Qベクトル位相面である。
【図2D】本発明による送信漏れ信号の相殺信号探索方法を説明するためのI/Qベクトル位相面である。
【図3】本発明の一実施例による合成ベクトルの勾配を説明するためのベクトル位相面の一例である。
【図4】本発明の一実施例による相殺信号の周辺によるベクトル位相面の一例を示す図である。
【図5】本発明による相殺信号の探索のためのI/Qベクトル位相面のシミュレーション図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるもので、以下、本発明の特定実施例を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、これらの実施例は、本発明を限定するためのものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる変更、均等物及び代替物はいずれも本発明に含まれるものと理解すべきである。
【0013】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために用いることができるが、これらの構成要素がこの用語により限定されることはない。これらの用語は、ある構成要素を他の構成要素と区別するために用いられるわけである。
【0014】
ある構成要素が他の構成要素に“連結”または“接続”されていると記載されている場合には、他の構成要素に直接連結または直接接続されている場合を意味することもでき、両構成要素の間に別の構成要素を介在して連結または接続されている場合を意味することもできる。一方、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結”または“直接接続”されているとした場合には、両構成要素の間に別の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。
【0015】
本出願で使った用語は、単に特定の実施例を説明するためのもので、本発明を限定するためのものではない。単数の表現は、文脈上明示しない限り、複数の表現を含む。本出願で、“含む”または“有する”などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを表すためのもので、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除するものとして理解してはならない。
【0016】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の適用される無線送受信機の概略構成図である。図1を参照すると、同図の無線送受信機において、制御部110で発生した送信信号(S1)は、送信アンプ120で増幅された後、サーキュレータ130を通ってアンテナ140から送出される。また、アンテナ140から受信した受信信号(S2)は、サーキュレータ130を通って受信アンプ150で増幅された後、制御部110に入力される。
【0018】
同図のように、送信信号(S1)がサーキュレータ130を通ってアンテナ140から送出される時に、送信端と受信端間の隔離度の制限によって送信信号(S1)の一部が受信端に漏れ、この送信漏れ信号の混入した受信信号(S3)が伝送される。
【0019】
このような受信信号(S3)に混入した送信漏れ信号を打ち消し合うために、送信信号(S1)の一部を分岐して漏れ信号相殺部160に伝達する。漏れ信号相殺部160は、制御部110の制御によって、送信信号(S1)を用いて送信漏れ信号と同一の大きさ及び逆の位相を有する相殺信号を探索して混合器170に伝送する。
【0020】
混合器170は、送信漏れ信号に対応する相殺信号を受信信号(S3)と混合して送信漏れ信号を打ち消すことで、純粋な受信信号(S4)のみを受信アンプ150に伝達する。
【0021】
そこで、本発明は、漏れ信号相殺部160で送信漏れ信号と同一の大きさ及び逆の位相を有する相殺信号を迅速で正確に探索する方法を提供する。
【0022】
このためには、送信漏れ信号に対して最大の相殺効果を有する相殺信号の大きさ及び位相を探索することが重要である。以下では、本発明による送信漏れ信号の相殺信号探索方法を詳細に説明する。
【0023】
図2A乃至図2Dは、本発明による送信漏れ信号の相殺信号探索方法を説明するためのI/Qベクトル位相面である。図2A乃至図2Dを参照すると、本発明による送信漏れ信号の相殺信号探索方法は、上述のように、無線信号の送信及び受信が同時になされる無線送受信機の漏れ信号相殺部160が、送信漏れ信号と同一の大きさ及び逆の位相を有する相殺信号を探す方法を提示する。
【0024】
まず、漏れ信号相殺部160は、送信信号から一部が分岐して入力される信号を用いて送信漏れ信号を探索するために、図2Aに示すように、送信漏れ信号210をI/Qベクトル位相面に設定する。この送信漏れ信号210は、大きさ及び位相が分からないため、I/Qベクトル位相面上のある地点に位置するものとして設定する。
【0025】
続いて、ベクトル位相面を複数の領域に区分して、区分されたそれぞれの領域別に複数のサンプル地点A〜Eを決定する。図2Aには、説明の便宜上、四分面に区分した一例を示しているが、これは一例に過ぎず、他の実施例では別の方法で複数の領域に区分することもできる。
【0026】
また、同図では、第1四分面に優先的に複数のサンプル地点A〜Eを表示しているが、第2乃至第4四分面にもこのようなサンプル地点を決定することができる。ここで、各サンプル地点の値は、その地点を相殺ベクトルとする時の相殺度を意味し、中心点のサンプル地点と周辺のサンプル地点との相手位置は既に知っているから、相殺度が最大になる方向への勾配を求めることができる。
【0027】
続いて、図2Bに示すように、それぞれ区分された領域別に順次に、それぞれ複数のサンプル地点から選択されたいずれか一つのサンプル地点から他のサンプル地点までの相殺度ベクトルをそれぞれ検出する。同図では、一例として、まず第1四分面から、複数のサンプル地点A〜Eのうちの中央にあるサンプル地点Eから他のサンプル地点A〜Dへのベクトルを検出する。
【0028】
これら検出されたベクトルの合成ベクトルを求め、この合成ベクトルの勾配を計算する。ここで、勾配は、I/Qベクトル位相面の面勾配である。これは、合成ベクトルが該当の領域で最大の相殺度を有する方向への合成ベクトルを求めるためであり、また、中心点のサンプル地点と残る周辺のサンプル地点がなす平面との高さ関係から、ベクトル位相面が内部に収斂するか、或いは、外部に発散するかを判断することができる。例えば、中心点が、周辺点がなす平面よりも下方にあると、該当のサンプル地点の周辺領域は内部に収斂し、ベクトル位相面は下方にくぼむ凹状となる。これは、最適の相殺ベクトルが該当の領域の内部にあるということを意味する。
【0029】
一方、中心点が、周辺点がなす平面よりも上方にあると、該当のサンプル地点の周辺領域は外部に発散して、ベクトル位相面が上方に盛り上がった凸状になる。これは、最適の相殺ベクトルが別の領域、特に合成ベクトルが指す方向の外部領域にあることを意味する。このようにベクトル位相面が収斂するか或いは発散するかは、相殺信号探索においての基礎資料となる。
【0030】
この時、中心点のサンプル地点と残る周辺のサンプル地点との平面上の上下関係を把握する方法には、下記の数学式1に示すように、周辺点の相殺度値の平均、すなわち、A〜Dの平均値を求めて中心点Eと大きさを比較し、EがA〜Dの平均値よりも大きいと凸状面となり、逆に、EがA〜Dの平均値よりも小さいと凹状面となる。
【0031】
【数1】

【0032】
上記の数学式1の他にも、様々な方法で中心点と周辺点がなす平面との関係を計算することができる。
【0033】
図2Bにおける上記過程を、次の領域でも反復する。すなわち、図2Cに示すように、第2四分面のサンプル地点A〜Eに対しても、いずれか一つのサンプル地点Eから他のサンプル地点A〜Dへのベクトルをそれぞれ検出し、これらベクトルの合成ベクトルを求めた後、この合成ベクトルの勾配を計算する。
【0034】
この時、現在領域(第2四分面)で計算された勾配と以前領域(第1四分面)で計算された勾配とを比較し、現在領域(第2四分面)における勾配が、以前領域(第1四分面)における勾配に比べて、現在領域(第2四分面)内に収斂する下降勾配であるか判断する。ここで、下降勾配は、該当の領域における面勾配がより大きくなり、最適の相殺ベクトルにより近づいたことを意味する。
【0035】
したがって、もし、現在領域(第2四分面)での中心点が周辺点の平面よりも下方にあると、相殺信号が現在領域(第2四分面)に存在するということを意味し、最大の下降勾配は、該当の領域で最下端の地点に収斂するということを意味し、この最下端の地点が、送信漏れ信号に対応する、すなわち、送信漏れ信号と同一の大きさ及び逆の位相を有する最適の相殺信号に対応する地点となる。
【0036】
したがって、このような最下端の地点を探すために、現在領域(第2四分面)での中心点が周辺点の平面よりも下方にあると、図2Dに示すように、現在領域(第2四分面)を再び複数のサブ領域に区分し、それぞれのサブ領域別に複数のサンプル地点a〜eを決定する。
【0037】
これにより、第3四分面及び第4四分面は相殺信号探索領域から除外でき、よって、相殺信号探索にかかる時間を顕著に縮減することができる。
【0038】
図2Dに示すように、第2四分面を区分して形成された各サブ領域に対しても、順次に複数のサンプル地点a〜eに対するベクトルをそれぞれ検出し、各ベクトルに対する合成ベクトルの勾配が下降勾配であるサブ領域を決定する。
【0039】
続いて、決定されたサブ領域を再び多数のより小さいサブ領域に区分し、合成ベクトルが0である最下端の地点、すなわち、最適の相殺ベクトルに到達するまで上記のような過程を反復する。このような反復過程は全体的に一回以上実行することが好ましく、その反復回数は、最適の相殺信号を探索するまで使用者が任意に設定することができる。
【0040】
このような反復過程を行って最終的に最大の下降勾配を検出し、これに対応する最下端の地点を決定する。この最下端の地点を用いて、送信漏れ信号に対応する相殺信号の大きさ及び位相を決定する。
【0041】
図3は、本発明の一実施例による合成ベクトルの勾配を説明するためのベクトル位相面の一例を示す図である。図3を参照すると、本発明によるベクトル位相面を原点Oを基準に4個のサンプル地点a〜dがあると想定する場合、原点Oから他の4個のサンプル地点a〜dへのベクトルをそれぞれ検出し、これら検出されたベクトルの合成ベクトル310を求める。続いて、合成ベクトル310のベクトル位相面における勾配を計算する。この勾配は、I/Qベクトル位相面において、下記の数学式2のようにベクトル形態で表示されることができる。
【0042】
【数2】

【0043】
図面には、勾配ベクトル(G)が平面上に示されているが、勾配ベクトル(G)は、相殺信号に近づくほどI/Qベクトル位相面において曲面上に表示されることができる。これを、図4を参照して説明する。
【0044】
図4は、本発明の一実施例による相殺信号の周辺によるベクトル位相面の一例を示す図である。図4を参照すると、本発明の一実施例による相殺信号は、I/Qベクトル位相面での合成ベクトル310が凹状面(中心点が周辺点の平面よりも小さい領域)であり、且つ0である地点、すなわち、最下端の地点により決定される。同図では、I/Qベクトル位相面において特定領域で内部に収斂する一例を示している。
【0045】
最下端の地点Lに近い領域では、合成ベクトル310の勾配が下降勾配を示す。このような下降勾配が大きい方向に領域を縮小していきながら最下端の地点Lを探索して行く。このような最下端の地点Lに対するベクトルの大きさ及び位相を相殺信号の大きさ及び位相に決定する。
【0046】
図5は、本発明による相殺信号探索のためのI/Qベクトル位相面のシミュレーション図である。特に、図5では、I/Qベクトル位相面において特定領域で面勾配が増加しながら該当の領域が内部に収斂するシミュレーション結果を示している。
【0047】
本発明の探索方法は、最下端に収斂する地点に対する大きさ及び位相を検出する。この大きさ及び位相は、送信漏れ信号と同一の大きさ及び逆の位相を有する信号となり、この信号を送信漏れ信号に対応する相殺信号として決定することができる。
【0048】
以上では具体的な実施例に挙げて本発明を詳細に説明したが、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には、上記の実施例から、本発明の範ちゅうを逸脱しない限度内で様々な変形が可能であるということが理解できる。
【0049】
したがって、本発明の権利範囲は、具体的な実施例に限定して定められてはならず、添付した特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等な範囲によって定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
最近、RFID、NFCのような無線通信技術が、様々な産業分野に広く用いられている。かかる無線通信技術では信号の送信及び受信が同時に起きるので、送信信号の一部が漏れて受信信号に混入する現象が発生する。そこで、送信端と受信端の隔離度を高める技術への関心が高まっている。
【0051】
そこで、本発明は、無線送受信機において送信信号から漏れて受信信号に含まれた送信漏れ信号を打ち消し合うための相殺信号を迅速で正確に探索することによって、無線通信において受信感度を向上させることができる。
【0052】
このように、本発明は、最適の相殺信号探索を具現できるから、無線通信技術及び無線送受信装置などに極めて有用に適用されることができる。
【符号の説明】
【0053】
110 制御部
120 送信アンプ
130 サーキュレータ
140 アンテナ
150 受信アンプ
160 漏れ信号相殺部
170 混合器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)送信信号の漏れ信号を、大きさ及び位相に対するベクトル位相面に設定する段階と、
(b)前記ベクトル位相面を複数の領域に区分し、区分された各領域別に複数のサンプル地点を決定する段階と、
(c)前記領域別に順次に、複数のサンプル地点から選択されたいずれか一つのサンプル地点から他のサンプル地点へのベクトルをそれぞれ検出する段階と、
(d)検出されたベクトルに対する合成ベクトルの勾配を計算する段階と、
(e)前記合成ベクトルが現在領域内に収斂するか確認する段階と、
(f)前記現在領域が内部に収斂する下降勾配を有する場合、前記(b)〜(e)の段階を少なくとも1回反復する段階と、
(g)前記(f)段階で検出された勾配のうち、最大の下降勾配を用いて、前記送信漏れ信号に対応する相殺信号を決定する段階と、
を含む、送信漏れ信号の相殺信号探索方法。
【請求項2】
前記ベクトル位相面は、四分面の領域に区分する、請求項1に記載の送信漏れ信号の相殺信号探索方法。
【請求項3】
前記複数のサンプル地点は、中央に一つのサンプル地点(中央サンプル地点)が位置し、他のサンプル地点は、前記中央サンプル地点を取り囲みながら相互対称的に位置する、請求項1に記載の送信漏れ信号の相殺信号探索方法。
【請求項4】
前記他のサンプル地点は、正方形の頂点に位置し、前記中央サンプル地点は、前記正方形の中点に位置する、請求項3に記載の送信漏れ信号の相殺信号探索方法。
【請求項5】
前記(e)段階は、前記複数のサンプル地点のうちの前記中央サンプル地点が、前記他のサンプル地点の平面よりも下方にあるか検査して、前記合成ベクトルが収斂しているか否かを確認する、請求項1に記載の送信漏れ信号の相殺信号探索方法。
【請求項6】
前記勾配は、前記ベクトル平面の面勾配である、請求項1に記載の送信漏れ信号の相殺信号探索方法。
【請求項7】
前記(g)段階は、前記最大の下降勾配に対応する最下端の地点を決定し、前記最下端の地点を、送信漏れ信号に対応する相殺信号と決定する、請求項1に記載の送信漏れ信号の相殺信号探索方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−172227(P2011−172227A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32107(P2011−32107)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(593121379)エルエス産電株式会社 (221)
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO., LTD
【Fターム(参考)】