説明

送受信システム,送信側装置,受信側装置,送信制御プログラム

【課題】送信側からの送信情報を受信側の受信能力に合ったものとすることができ、受信側の受信能力不足を回避できる送受信システムを提供する。
【解決手段】この送受信システムによれば、携帯電話機3000は、加熱調理器1000の受信能力を示す受信能力情報を要求するGet Max Information信号を加熱調理器1000へ送信する。一方、加熱調理器1000は携帯電話機3000からGet Max Information信号を受信した場合に、受信能力を示す受信能力情報を表す受信能力信号としてOK信号を制御装置200の制御により赤外線送受信部210から携帯電話機3000へ送信させる。携帯電話機3000は加熱調理器1000からOK信号(受信能力信号)を受信した場合に、上記OK信号による受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表すPut信号(送信信号)を加熱調理器1000へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、携帯端末と家庭電気製品とで構成される送受信システム,送信側装置,受信側装置,送信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やパーソナルコンピュータ等の比較的情報処理能力の大きな送信側装置から赤外線通信等でもって比較的情報処理能力や表示能力の小さい受信側装置(加熱調理器等の家庭電気製品)に画像データ等の比較的情報量の大きなデータを送信する場合、データサイズが受信側装置の受信可能メモリサイズを超えてしまうことがある。この場合、受信側装置では受信エラーとなるので、送信側装置でデータサイズを小さくした画像情報等を受信側装置へ再送する必要がある。あるいは、上記受信側装置の方で、表示可能サイズを超える画像データが送られてきた場合に表示エリアに納まるように縮小処理をするための画像処理機能が必要になる。また、受信側装置が、たとえ十分に大きなメモリを有し、画像の縮小処理機能を持っていたとしても、画像処理能力の制限によって特定のサイズを超える画像を表示できないことがあるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−312430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、この発明の課題は、送信側からの送信情報を受信側の受信能力に合ったものとすることができ、受信側の受信能力不足や表示能力不足を回避でき、送信側の送信情報を受信側で支障なく受信でき、また表示できる送受信システム,送信側装置,受信側装置,送信制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、この発明の送受信システムは、受信側装置に上記受信側装置の受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号を送信すると共に上記受信側装置から上記受信能力情報を表す受信能力信号を受信した場合に、上記受信能力信号の受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号を上記受信側装置へ送信する送信側装置と、
上記送信側装置から上記受信能力情報要求信号を受信した場合に、受信能力を示す受信能力情報を表す受信能力信号を上記送信側装置に返信する受信側装置と
を備えることを特徴としている。
【0006】
この明細書で、受信側装置の受信能力とは、単なる受信できるか否かを意味するのではなく、受信しても支障がない情報量および情報の形態を意味するものであり、換言すると、受信側装置の情報処理能力や表示能力等によって規定されるものである。
【0007】
この発明の送受信システムによれば、上記送信側装置は、受信側装置の受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号を上記受信側装置へ送信する。一方、上記受信側装置は、上記送信側装置から上記受信能力情報要求信号を受信した場合に、受信能力を示す受信能力情報を表す受信能力信号を上記送信側装置に返信する。そして、上記送信側装置は、上記受信側装置から上記受信能力信号を受信した場合に、上記受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号を上記受信側装置へ送信する。これにより、上記送信側装置は、上記受信側装置の受信能力に合った送信信号を上記受信側装置へ送信することができ、上記受信側装置は、自身の受信能力や表示能力に合った送信信号を送信側装置から受信できる。よって、この発明によれば、受信側装置の受信能力不足や表示能力不足を回避でき、受信能力を増強することなく送信側装置の送信信号を受信側装置で支障なく受信でき、また、表示することが可能になる。
【0008】
また、この発明の送信側装置は、送受信部と、
上記送受信部による送受信動作を制御する通信制御部と
を備え、
上記通信制御部は、
上記送受信部から受信側装置へ上記受信側装置の受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号を送信させる第1の制御と、
上記送受信部が上記受信側装置から上記受信能力情報を表す受信能力信号を受信した場合に、上記受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号を上記送受信部から上記受信側装置へ送信させる第2の制御と
を行なうことを特徴としている。
【0009】
この発明の送信側装置によれば、上記送受信部が上記受信側装置から上記受信能力信号を受信すると、上記通信制御部による第2の制御でもって、上記送受信部から上記受信側装置へ上記受信側装置の受信能力や表示能力に合った送信信号を送信できるので、上記受信側装置の受信能力不足や表示能力不足を回避でき、上記受信側装置により送信信号を支障なく受信でき、また表示することが可能になる。
【0010】
また、この発明の受信側装置は、送受信部と、
上記送受信部による送受信動作を制御する通信制御部と
を備え、
上記通信制御部は、
上記送受信部が、受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号を送信側装置から受信した場合に、受信能力を示す受信能力情報を表す受信能力信号を上記送受信部から上記送信側装置に送信させることを特徴としている。
【0011】
この発明の受信側装置によれば、送受信部から受信能力を表す受信能力信号を上記送信側装置に送信することによって、自身の受信能力に合った送信信号を送信側装置から受信できるので、受信能力不足や表示能力不足を回避でき、上記送信信号を支障なく受信でき、また表示することができる。
【0012】
また、一実施形態の送信側装置は、情報端末である。
【0013】
この実施形態によれば、携帯電話等の情報端末で送信側装置を実現できる。
【0014】
また、一実施形態の受信側装置は、家庭電気製品である。
【0015】
この実施形態によれば、加熱調理器,炊飯器,冷蔵庫等の家庭電気製品で上記受信側装置を実現できる。
【0016】
また、この発明の送信制御プログラムは、受信側装置へ上記受信側装置の受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号を送信部から送信させる機能と、
上記受信側装置から上記受信能力情報を表す受信能力信号を受信部で受信した場合に、上記受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号を上記送信部から上記受信側装置へ送信させる機能と
をコンピュータに実現させる。
【0017】
この発明の送信制御プログラムによれば、上記受信側装置の受信能力に合った送信信号を上記送信部から上記受信側装置へ送信させることができるので、上記受信側装置の受信能力不足や表示能力不足を回避でき、送信信号を上記受信側装置により支障なく受信でき、また表示できる。
【発明の効果】
【0018】
この発明の送受信システムによれば、送信側装置は、受信側装置の受信能力に合った送信信号を上記受信側装置へ送信することができ、上記受信側装置は、自身の受信能力に合った送信信号を送信側装置から受信できる。よって、受信側装置の受信能力不足や表示能力不足を回避でき、受信能力を増強することなく送信側装置の送信信号を受信側装置で支障なく受信でき、また表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の送受信システムの一実施形態が備える受信側装置としての加熱調理器の正面斜視図である。
【図2A】この実施形態が備える送信側装置としての携帯電話の正面図である。
【図2B】上記携帯電話の背面図である。
【図3】上記携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図4】上記加熱調理器の縦断面の模式図である。
【図5】上記加熱調理器の操作パネルの概略正面図である。
【図6】図5のF4−F4線矢視の模式断面図である。
【図7】上記加熱調理器の制御ブロック図である。
【図8】上記加熱調理器のカラー液晶表示部にトップ操作画面が表示された操作パネルの正面図である。
【図9】上記実施形態のデータ送信シーケンスを示す図である。
【図10】上記実施形態の通信プロトコル(OBEX)におけるリクエストフォーマットの一例を示す図である。
【図11】上記実施形態の通信プロトコルにおける主なリクエストコードの種類を示す図である。
【図12】上記実施形態における追加のリクエストコードを示す図である。
【図13】上記リクエストコードに対応するリクエストパケットの一例を示す図である。
【図14】上記実施形態の通信プロトコルにおけるレスポンスフォーマットの一例を示す図である。
【図15】上記通信プロトコルにおける主なレスポンスコードの種類を示す図である。
【図16】図12のリクエストコードに対するレスポンスを示す図である。
【図17】図16のレスポンスのオプションヘッダの一例を示す図である。
【図18】図16のレスポンスのレスポンスパケットの一例を示す図である。
【図19】上記実施形態の受信側装置に替えて比較例の受信側装置を備えた送受信システムにおけるデータ送信シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0021】
図1は、この発明の送受信システムの一実施形態が備える受信側装置としての加熱調理器1000の正面斜視図である。また、図2Aは、この実施形態が備える送信側装置としての携帯電話機3000の正面図、図2Bは、携帯電話機3000の背面図である。また、図3は、上記携帯電話機3000の構成を示すブロック図である。
【0022】
(送信側装置としての携帯電話機3000の構成)
先ず、上記携帯電話機3000の構成を説明する。この携帯電話機3000は、図2Aに示すように、モニター側筐体301および操作側筐体302を備え、このモニター側筐体301と操作側筐体302とがヒンジ部303で連結され、折り畳み可能になっている。上記モニター側筐体301には、表示部305とスピーカ部306が設けられている。また、上記操作側筐体302には、通話ボタンや撮影ボタンなどを含む複数の操作ボタン307からなる操作部308とマイク部311とが設けられている。また、図2Bに示すように、上記モニター側筐体301の背面には、カメラ部312と赤外線通信ポート313が設けられている。
【0023】
図3に示すように、上記携帯電話機3000の制御回路360には、上記操作部308,マイク部311,表示部305,赤外線信号送受信部315,スピーカ部306,カメラ部312および通信部330と記憶部350が接続されている。上記制御回路360は、図示しないマイクロコンピュータ,ROM,RAM等で構成されており、上記した各部の動作を制御する。上記制御回路360は、赤外線通信制御部360aを有し、この赤外線通信制御部360aで赤外線信号送受信部315の動作を制御する。
【0024】
上記操作部308の操作ボタン307が操作されると、これに対応する操作信号が制御回路360で検出される。マイク部311は、入力された音声を信号に変換して制御回路360に出力する。表示部305は、例えば液晶ディスプレイから構成され、携帯電話機3000が開かれている状態において、制御回路360から与えられる表示信号を表示する。
【0025】
赤外線信号送受信部315は、制御回路360から入力された信号を予め定められた赤外線通信プロトコルに基づいて赤外線信号として赤外線通信ポート313から外部に送信する。また、この赤外線信号送受信部315は、予め定められた赤外線通信プロトコルに基づいて上記赤外線通信ポート313から赤外線信号を受信して制御回路360へ入力する。また、スピーカ部311は、制御回路360から入力された信号を音声に変換して外部に出力する。カメラ部312は、例えばCCDカメラから構成され、撮影した画像データを制御回路360に出力する。また、通信部330は、所定の通信プロトコルに基づいて、インターネットとの接続や、携帯電話回線との通信処理を行う。記憶部350は、例えば不揮発性メモリから構成され、後述する各種の情報を記憶する。
【0026】
(受信側装置としての加熱調理器1000の構成)
次に、上記受信側装置としての加熱調理器1000の構成を説明する。この加熱調理器1000は、図1に示すように、直方体形状のケーシング1の正面に、下端側の辺を略中心に回動する扉2が取り付けられている。この扉2の上部にハンドル3を取り付けると共に、扉2の略中央に耐熱ガラス4を取り付けている。また、扉2の右側に操作パネル5および赤外線通信ポート211を設けている。この操作パネル5は、表示部の一例としてのカラー液晶表示部6とボタン群7を有している。また、ケーシング1の上側かつ右側後方に排気ダクト8を設けている。さらに、ケーシング1の扉2の下方に、露受容器9を着脱自在に取り付けている。
【0027】
図4は上記加熱調理器の縦断面の模式図を示している。図4に示すように、水タンク11から供給された水を蒸気発生装置12で加熱して飽和水蒸気を生成する。蒸気発生装置12で生成された飽和水蒸気は、蒸気供給通路(図示せず)を介して、加熱庫13の右側面に取り付けられた循環ユニット14の蒸気吸込口15の加熱庫13側に供給される。
【0028】
上記蒸気供給通路に接続された蒸気供給管34を、加熱庫13の右側面と平行になるように、循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍に取り付けている。また、循環ユニット14内には、蒸気吸込口15に対向するように循環ファン18を配置している。循環ファン18は、ファンモータ19によって回転駆動される。
【0029】
上記加熱庫13の上面および左側面を覆うように、L字状に屈曲した蒸気ダクト100を取り付けている。この蒸気ダクト100は、加熱庫13の上面側に固定された第1ダクト部110と、第1ダクト部110の左側方から下側に屈曲する屈曲部120と、加熱庫13の左側面側に固定され、屈曲部120を介して第1ダクト部110に連なる第2ダクト部130とを有している。
【0030】
この蒸気ダクト100の第1ダクト部110に、過熱蒸気生成ヒータ20を収納している。蒸気ダクト100の第1ダクト部110と、過熱蒸気生成ヒータ20で過熱蒸気生成装置21を構成している。なお、過熱蒸気生成装置は、蒸気ダクトとは別に設けてもよい。
【0031】
そして、蒸気ダクト100の第1ダクト部110の右側は、循環ユニット14の上部に設けられた蒸気供給口22に連通している。加熱庫13の天面には、複数の第1蒸気吹出口24が設けられており、蒸気ダクト100の第1ダクト部110は、第1蒸気吹出口24を介して加熱庫13内に連通している。一方、蒸気ダクト100の第2ダクト部130は、加熱庫13の左側面に設けられた複数の第2蒸気吹出口25を介して加熱庫13内に連通している。
【0032】
上記加熱庫13と蒸気ダクト100との隙間は、耐熱樹脂などによりシールされている。また、加熱庫13と蒸気ダクト100は、加熱庫13の前面開口を除いて断熱材により覆われている。
【0033】
上記循環ユニット14と過熱蒸気生成装置21と加熱庫13とそれらを接続する接続部材とによって、蒸気の循環経路が形成されている。そして、この循環経路における循環ユニット14の加熱庫13との境界部に、蒸気発生装置12で生成された飽和水蒸気が供給される。
【0034】
また、加熱庫13の下部にはマグネトロン80(図7に示す)が配置されている。このマグネトロンで発生したマイクロ波は、導波管(図示せず)によって加熱庫13の下部中央に導かれ、モータ37によって駆動される回転アンテナ38によって攪拌されながら加熱庫13内の上方に向かって放射されて被加熱物27を加熱する。
【0035】
また、ケーシング1内の下側には、冷却ファン部(図示せず)と、電装部品17と、マグネトロン80(図7に示す)を配置している。電装部品17は、加熱調理器の各部を駆動する駆動回路やこの駆動回路を制御する制御回路等を有している。
【0036】
図5は、図1に示す操作パネル5および赤外線通信ポート211を拡大した概略図である。図6は、図5のF4−F4線から見た模式断面図である。また、図8は、トップ操作画面がカラー液晶表示部6に表示された操作パネルの正面図を示しており、図5と同一の構成部は同一参照番号を付している。
【0037】
上記ボタン群7は、戻るキー71、取り消しキー72、手動加熱キー73およびあたためスタートキー74で構成されている。戻るキー71は、カラー液晶パネル61の画面表示を直前の画面表示に戻すときに押す。また、取り消しキー72は、途中で加熱をやめるときや、操作を取り消すときに押す。そして、手動加熱キー73は、高周波出力および加熱出力を手動で設定するときに押す。また、あたためスタートキー74は、加熱を開始するときに押す。上記赤外線通信ポート211は、赤外線送受信部210(図7に示す)に接続されている。
【0038】
上記カラー液晶表示部6は、カラー液晶パネル61上にタッチパネル62を重ねて構成されている。なお、この発明の表示部は、液晶パネルに限らず、有機ELなどの他の表示デバイスを用いてもよく、カラー表示に限らず、白黒表示でもよい。
【0039】
このカラー液晶パネル61は、文字、数字、写真等をカラー表示できるものであり、加熱の種類、料理名、加熱時間、温度、料理の写真等を表示する。また、タッチパネル62は、ユーザーが指でタッチすると、表面電荷を変化させる透明素材からなる静電容量方式のタッチパネルである。これにより、ユーザーはタッチパネル62をタッチして、カラー液晶パネル61に表示される画像を選択できるようになっている。また、ユーザーがタッチパネル62をタッチして、カラー液晶パネル61に表示される選択可能な画像を選択すると、その画像の色が変わるようになっている。つまり、カラー液晶パネル61に表示される画像は、選択状態の色が非選択状態の色と異なるようになっている。なお、タッチパネル62は、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式または電磁誘導方式のタッチパネルに換えてもよく、また、指によるタッチパネルの操作だけでなく、タッチペンなどのペン状物体を用いて操作してもよい。
【0040】
図7は、上記加熱調理器の制御ブロック図を示している。この加熱調理器は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置200を電装品部17(図4に示す)内に備えている。制御装置200は、過熱蒸気生成ヒータ20,循環ファン用モータ19,冷却ファン用モータ16,給気ダンパ用モータ44,排気ダンパ用モータ60,操作パネル5,庫内温度センサ29,解凍センサ50,給水ポンプ70,蒸気発生装置12およびマグネトロン80が接続されている。操作パネル5からの信号および庫内温度センサ29,解凍センサ50からの検出信号に基づいて、制御装置200は、過熱蒸気生成ヒータ20,循環ファン用モータ19,冷却ファン用モータ16,給気ダンパ用モータ44,排気ダンパ用モータ60,操作パネル5,給水ポンプ70,蒸気発生装置12およびマグネトロン80などを制御する。
【0041】
上記制御装置200は、カラー液晶表示部6の一画面に複数のメニューを表す複数の画像を同時に表示する等の制御を行なう表示制御部200aと、赤外線通信制御部200bを有し、この赤外線通信制御部200bで赤外線送受信部210の動作を制御する。
【0042】
上記構成の加熱調理器において、過熱蒸気によって加熱調理を行う場合には、図4に示す過熱蒸気生成ヒータ20をオンすると共に、循環ファン18を回転駆動する。そうして、蒸気発生装置12から循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍上流側に供給された飽和水蒸気は、循環ファン18の回転によって負圧になっている循環ユニット14内に蒸気吸込口15を介して吸い込まれて、蒸気供給口22から過熱蒸気生成装置21内に吹き出される。そして、過熱蒸気生成装置21の過熱蒸気生成ヒータ20によって加熱されて過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の加熱庫13の天面に設けられた複数の第1蒸気吹出口24から、加熱庫13内に下方に向かって吹き出す。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気ダクト100を介して加熱庫13の第2蒸気吹出口25から加熱庫13内に吹き出す。
【0043】
そして、加熱庫13内に供給された過熱蒸気は、トレイ30上の網40に搭載された被加熱物27を加熱した後、加熱庫13の右壁面に循環ユニット14の蒸気吸込口15に対向して形成された吸込口28から循環ユニット14内に吸い込まれる。そうして、再び循環経路を通って加熱庫13内に戻るという循環を繰り返す。
【0044】
これに対して、非過熱蒸気によって被加熱物27を蒸すかまたは暖める運転を行う場合には、過熱蒸気生成ヒータ20をオフすると共に、循環ファン18を停止する。そうすると、循環ファン18が停止しているため、循環経路内に循環気流が発生することがなく、蒸気発生装置12から循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍上流側に供給された飽和水蒸気は、循環ユニット14内に強制的に吸い込まれない。これにより、蒸気圧によって自然に加熱庫13内に流れ込む飽和水蒸気により、被加熱物27を蒸すかまたは暖める。
【0045】
ここで、加熱庫13内の左壁面および右壁面には、図4に示すように、トレイ30の両端部を係止する係止部39a,39b,39cが上下方向に3段に設けられている。そして、蒸気供給管34は、上段の係止部39aよりもやや上側に位置するように配置されている。「蒸し暖めモード」において、被加熱物27を搭載した2つのトレイ30を上段と中段とに配置する場合には、蒸気導入室36内に架設された蒸気供給管34の総てのノズル(図4の34の円形部の左側開口)を加熱庫13方向に斜め下向きにしておく。こうすることにより、被加熱物27を搭載したトレイ30が上段および中段の何れの位置にあっても、蒸気供給管34の斜め下向きのノズルから引き出された飽和水蒸気を被加熱物27に当てることができる。したがって、蒸気供給管34のノズルからの吹き出し方向を操作することなく、上中2段の被加熱物27に蒸し斑や暖め斑が生ずることがないようにできる。
【0046】
(携帯電話機3000と加熱調理器1000との間の赤外線通信動作)
次に、上記送信側装置としての携帯電話機3000と上記受信側装置としての加熱調理器1000との間の赤外線通信動作を説明する。この実施形態では、IrDA(Infrared Data Association)規格の一つであるOBEX(OBject EXchange)を基本とし、これを改良したデータ転送プロトコルを採用している。
【0047】
先ず、図2Aに示す携帯電話機3000の操作部308の操作ボタン307のうちの予め定められた赤外線通信ボタンが操作されると、制御回路360の赤外線通信制御部360aは赤外線信号送受信部315を制御して、図9のデータ送信シーケンスに示されるように、赤外線通信ポート313から接続要求信号としてのConnect信号を送信させる。このConnect信号は、リクエストパケットであり、図11に示すリクエストコード「Connect」に対応する16進数「0x80」と、それに続くパケット長を表す2バイトの16進数とを含む。
【0048】
次に、上記加熱調理器1000の赤外線送受信部210が上記赤外線通信ポート211を介して、上記Connect信号を受信すると、上記制御装置200の赤外線通信制御部200bは、上記赤外線送受信部210を制御して、上記赤外線通信ポート211から接続許可信号としてのOK信号を送信させる。このOK信号は、図15に示すレスポンスコード「OK」に対応する16進数「0xA0」を含んでいる。
【0049】
次に、上記携帯電話機3000の赤外線信号送受信部315が、上記OK信号を受信すると、上記制御回路360の赤外線通信制御部360aは、赤外線信号送受信部315を制御して(第1の制御)、赤外線通信ポート313から受信能力情報要求信号としてのGet Max Information信号を送信させる。このGet Max Information信号は、受信側装置としての加熱調理器1000の受信能力を示す受信能力情報を要求する信号であり、一例として受信側で受信可能な最大のデータサイズを示す情報を要求する信号である。なお、この明細書で、受信側装置の受信能力とは、単なる受信できるか否かを意味するのではなく、受信しても支障がない情報量および情報の形態を意味するものであり、換言すると、受信側装置の情報処理能力や表示能力等によって規定されるものである。
【0050】
このGet Max Information信号は、図10に示すように、リクエストコード,パケット長,およびヘッダまたはデータで構成されるリクエストフォーマットに従い、図12,図13に示すように、「0x90」(16進数)で表わされるリクエストコードと一例として「0x0003」(16進数)で表わされるパケット長情報とを含んでいる。なお、上記「0x90」,「0x0003」のうちの「0x」は、16進数であることを表す表記である。
【0051】
次に、上記加熱調理器1000の赤外線送受信部210が上記赤外線通信ポート211を介して、上記Get Max Information信号を受信すると、上記制御装置200の赤外線通信制御部200aは、赤外線送受信部210を制御して赤外線通信ポート211から、受信能力を示す受信能力情報を表す受信能力信号としてのOK信号を送信する。このOK信号は、レスポンスパケットであり、図14に示すように、レスポンスコード,パケット長,レスポンスヘッダで構成されるレスポンスフォーマットに従い、図16に一例を示すように、「0xA0」で表されるレスポンスコード(OK)と、一例として「0x00XX」で表されるパケット長情報と、オプションヘッダ情報とを含んでいる。また、このオプションヘッダ情報は、図17に一例を示すように、ヘッダ名「Max Available Length」を表すコード「0xE1」とこのコード「0xE1」の直後の4バイト(32ビット)で最大可能バイト数が入る。また、上記オプションヘッダ情報は、ヘッダ名「Max Available width」を表すコード「0xE2」とこのコード「0xE2」の直後の4バイト(32ビット)で最大可能横サイズが入る。また、上記オプションヘッダ情報は、ヘッダ名「Max Available height」を表すコード「0xE3」とこのコード「0xE3」の直後の4バイト(32ビット)で最大可能縦サイズが入る。したがって、上記オプションヘッダ情報では、上記ヘッダのコードと直後の4バイトのデータの組み合わせが連続で複数組連なる。
【0052】
上記レスポンスパケットのより具体的な一例として、図18では、レスポンスコードとデータとの4つの組みを含むレスポンスパケットを示している。すなわち、このレスポンスパケットは、「0xA0」で表されるレスポンスコード(OK)とその直後のパケット長が18バイトであることを表すデータ「0x0012」との組みと、「受信可能最大バイト数」を表すコードとしての「0xE1」とその直後の受信可能最大バイト数が524288バイトであることを表すデータ「0x00080000」との組みと、「最大可能横サイズ」を表すコードとしての「0xE2」とその直後の最大可能横サイズが2048バイトであることを表すデータ「0x00000800」との組みと、「最大可能縦サイズ」を表すコードとしての「0xE3」とその直後の最大可能縦サイズが1024バイトであることを表すデータ「0x00000400」との組みとを含んでいる。
【0053】
次に、上記携帯電話機3000の赤外線送受信部315が、上記赤外線通信ポート313を介して、上記受信能力情報としての上記OK信号を受信すると、上記赤外線送受信部315は、赤外線通信制御部360aに制御されて(第2の制御)、上記受信能力情報としてのOK信号が表す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号としてのPut信号を上記受信側装置としての加熱調理器1000へ送信する。このPut信号は、リクエストパケットであり、図10に示すリクエストフォーマットに従い、図11に示すリクエストコード「Put」に対応する「0x02」と、それに続くパケット長を表す2バイトの16進数と、それに続くデータを表す(N−2)バイト(Nは3以上の自然数)の16進数とを含む。
【0054】
図9に示すように、上記携帯電話機3000からのPut信号は、複数回に分けて、上記加熱調理器1000へ送信される。すなわち、1回目のPut信号は、リクエストコード「0x02」と、それぞれ16進数で表わされたファイル名、全体のパケット長、最初のデータが順に配列されている。この1回目のPut信号を、上記加熱調理器1000の赤外線送受信部210が受信すると、この加熱調理器1000の赤外線送受信部210は、制御装置200の赤外線通信制御部200bの制御により、Continue信号を返信する。このContinue信号は、送信の継続を要求するレスポンスパケットであり、図15に示すレスポンスコード「Continue」に対応する16進数「0x90」を含む。
【0055】
次に、上記携帯電話機3000が赤外線送受信部315で上記Continue信号を受信すると、赤外線通信制御部360aの制御により、赤外線送受信部315は、2回目のPut信号を送信する。この2回目のPut信号は、リクエストコード「0x02」と、上記最初のデータに続くデータである2回目のデータ(16進数)が順に配列されている。この2回目のPut信号を、上記加熱調理器1000の赤外線送受信部210が受信すると、この加熱調理器1000の赤外線送受信部210は、制御装置200の赤外線通信制御部200aの制御により、送信を継続する要求する信号であるContinue信号を返信する。
【0056】
同様にして、上記携帯電話機3000から上記加熱調理器1000へのPut信号の送信と加熱調理器1000から携帯電話機3000へのContinue信号の返信とが繰り返されてから、最終回のPut信号が携帯電話機3000から送信される。すると、この最終回のPut信号を受信した加熱調理器1000では、制御装置200の赤外線通信制御部200bの制御でもって赤外線送受信部210は、Success信号を返信する。上記最終回のPut信号は、図11に示すように、最終回のパケットであることを表すリクエストコード「0x82」と、前回のPut信号による前回のデータに続く最終回のデータ(16進数)とが順に配列されている。また、上記Success信号は、受信が正常に完了したことを表すレスポンスパケットであり、図15に一例を示すように、レスポンスコード「0xA0」を含んでいる。上記最初から最終回までのPut信号による送信情報は、上記記憶部211に記憶される。上記送信情報は、一例として、携帯電話機3000のカメラ部312で撮影した画像情報を、画像処理部317により受信側の加熱調理器1000の受信能力に応じたものとした画像情報である。そして、加熱調理器1000の記憶部211に記憶された上記画像情報は、表示制御部200aの制御により操作パネル5のカラー液晶表示部6に表示することが可能になっている。
【0057】
次に、上記加熱調理器1000から上記Success信号を受信した上記携帯電話機3000は、赤外線通信制御部360aの制御により赤外線信号送受信部315から通信接続の解除を要求するDisconnect信号を送信する。このDisconnect信号は、リクエストパケットであり、図11に示すリクエストコード「0x81」を含んでいる。上記携帯電話機3000からの上記Disconnect信号を上記加熱調理器1000の赤外線送受信部210で受信すると、制御装置200の赤外線通信制御部200bは赤外線送受信部210から接続の解除を了解したことを表すSuccess信号を送信させる。
【0058】
なお、上記送信側装置としての携帯電話機3000では、各リクエストパケットを構成するリクエストコード等は記憶部350に記憶されている。また、上記受信側装置としての加熱調理器1000では、各レスポンスパケットを構成するレスポンスコード等は記憶部211に記憶されている。また、図11に示されるリクエストコード「Get」は、クライアント側からサーバ側にオブジェクトの送信を要求するコマンドを表し、16進数「0x03」または「0x83」が対応する。また、図11に示されるリクエストコード「Abort」は、オブジェクトの送受信を中断するコマンドを表し、16進数「0xFF」が対応する。また、図15に示されるレスポンスコード「Bad Request」は、リクエストの構文が誤っていることを表し、16進数「0xC0」が対応する。図15に示されるレスポンスコード「Not Found」は、リクエストされたリソースが見つからないことを表し、16進数「0xC4」が対応する。また、図15に示されるレスポンスコード「Request Timeout」は、待ち時間以内にリクエストが完了しなかったことを表し、16進数「0xC8」が対応する。
【0059】
上述したように、この実施形態の送受信システムによれば、上記送信側装置としての携帯電話機3000は、受信側装置としての加熱調理器1000の受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号としてのGet Max Information信号を上記受信側装置としての加熱調理器1000へ送信する。一方、上記受信側装置としての加熱調理器1000は、上記送信側装置としての携帯電話機3000から上記受信能力情報要求信号であるGet Max Information信号を受信した場合に、受信能力を示す受信能力情報を表す受信能力信号としてOK信号を制御装置200の制御により赤外線送受信部210から携帯電話機3000へ送信させる。
【0060】
そして、上記送信側装置としての携帯電話機3000は、上記受信側装置としての加熱調理器1000から上記受信能力信号としてのOK信号を受信した場合に、上記OK信号による受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号(1回目から最終回までのPut信号)を加熱調理器1000へ送信する。これにより、上記携帯電話機3000は、上記加熱調理器1000側の受信能力に合った送信信号を上記加熱調理器1000へ送信することができ、上記加熱調理器1000は、自身の受信能力に合った送信情報を携帯電話機3000から受信できる。よって、この実施形態によれば、受信側装置である加熱調理器1000の受信能力不足を回避でき、受信能力(メモリ容量,情報処理能力等)を増強することなく、かつ、送信側装置である携帯電話機3000の送信信号を受信側装置である加熱調理器1000で受信エラーを生じることなく、短い通信時間で支障なく受信可能になる。
【0061】
したがって、上記加熱調理器1000と携帯電話機3000による送受信システムによれば、例えば、上記携帯電話機3000は、例えば、料理された食品をカメラ部312で撮影した画像情報を記憶部350に記憶すると共に上記画像情報を画像処理部317によって受信側の加熱調理器1000の上記受信能力情報による受信能力に応じた画像情報(例えば、サムネイル画像等)にして、この画像情報を表す画像信号を加熱調理器1000に送信できる。これにより、上記加熱調理器1000は、上記携帯電話機3000からの画像信号を赤外線送受信部210で受信して表示制御部200aの制御でもって、操作パネル5のカラー液晶表示部6に上記画像信号による画像を表示できる。上記画像信号による画像情報は、例えば、使用者が加熱調理器1000で調理した料理の画像あるいは料理の過程を順に撮影した複数の画像とすることができる。また、上記携帯電話機3000から加熱調理器1000へ送信する送信信号による送信情報は、画像情報に限らないのは勿論で、上記加熱調理器1000で調理する際の料理メニューに応じたポイントを解説する音声情報や料理の過程を示す画像に対応して解説する音声情報を含んでもよい。この場合、上記加熱調理器1000に上記音声情報を出力するスピーカ等の音声出力部を設ける。これらの画像情報や音声情報は、記憶部211に記憶される。
【0062】
尚、上記実施形態において、加熱調理器1000が、上記受信能力情報要求信号としてのGet Max Information信号を送信する携帯電話機3000のデータ転送プロトコルに対応していない場合、図19に示すように、加熱調理器1000の赤外線送受信部210が、上記Get Max Information信号を受信すると、上記赤外線通信制御部200bの制御により赤外線送受信部210は要求に対応できないことを表すService Unavailable信号もしくは他のエラー信号を送信する。すると、このService Unavailable信号もしくは他のエラー信号を受信した上記携帯電話機3000では、画像情報等の送信情報を含む送信信号を受信側の加熱調理器1000の受信能力に適合させる処理を行なうことなく、赤外線信号送受信部315から加熱調理器1000へ送信する。よって、受信側装置である加熱調理器1000が、送信側装置である携帯電話機3000のデータ転送プロトコルに対応していない場合、送信情報を受信側の受信能力に適合させる処理が行なわれないものの、送信情報を受信側へ送信することは可能である。なお、上記Service Unavailable信号は、図15に示されるレスポンスコードであり、「0xD3」が対応している。
【0063】
また、上記実施形態では、送信側装置としての携帯電話機3000は、赤外線信号送受信部315から加熱調理器1000へ送信する受信能力情報要求信号を、受信側で受信可能な最大のデータサイズを示す情報を要求する信号(Get Max Information信号)としたが、上記受信能力情報要求信号はこれに限定されるものではない。すなわち、上記受信能力情報要求信号は、例えば、画像の大きさ,画像の縦サイズと横サイズ、画像形式(GIF(グラフィクス・インターチェンジ・フォーマット),JPEG(ジョイント・フォトグラフ・エクスパート・グループ)等の圧縮フォーマット)、画像の色(単色,カラー),階調等のうちのいずれか1つに関する受信能力情報またはこれらの組み合わせに関する受信能力情報を要求する信号であってもよい。
【0064】
また、上記実施形態は、上述の説明では、上記携帯電話機3000が上記加熱調理器1000から受信能力を表す受信能力信号としてのOK信号を送信すると、制御回路360で画像処理部317を制御して撮影した画像情報を、上記受信能力に適合した画像情報に加工して、この画像情報を表す送信信号を赤外線信号送受信部315から送信させる構成とした。これに対して、予め互いに異なる情報量や画像形式,画像サイズを有する複数の画像情報を画像処理部317で作成して記憶部350に記憶させておき、上記受信能力に最も適した画像情報を通信制御部360aで選定して上記画像情報を表す送信信号を赤外線信号送受信部315から送信させる構成としてもよい。また、例えば、受信側の加熱調理器1000の記憶部211の画像データ記憶容量等の画像処理能力が送信側の携帯電話機3000の画像処理能力よりも低く、携帯電話機3000の画像情報が主画像情報の他に補助的な縮小画像(サムネイル画像)情報を持っている場合は、この縮小画像情報による画像信号を携帯電話機3000から加熱調理器1000へ送信してもよい。また、送信側の携帯電話機から受信側の加熱調理器へ送信する送信信号による送信情報は画像情報に限らないのは勿論で、前述した通り、音声情報や文字情報であってもよい。
【0065】
また、上記実施形態において、送信制御プログラムによって、上記送信側装置としての携帯電話機3000の制御回路360の赤外線通信制御部360aが上記受信側装置としての加熱調理器1000へ上記加熱調理器1000の受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号(Get Max Information信号)を赤外線信号送受信部315から送信させる機能と、上記受信側装置としての加熱調理器1000から上記受信能力情報を表す受信能力信号(OK信号)を赤外線送受信部315で受信した場合に、上記受信能力信号(OK信号)による受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号(Put信号)を上記赤外線送受信部315から上記受信側装置(加熱調理器1000)へ送信させる機能とを、制御回路360が備えるコンピュータに実現させるようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、上記送信側装置としての携帯電話機3000と上記受信側装置としての加熱調理器1000との間で赤外線通信する場合を説明したが、送信側装置と受信側装置との間の通信は赤外線通信に限定されるものでなく、電波無線通信でもよく、ケーブルを介した有線通信でもよい。また、上記実施形態では、送信側装置を携帯電話機3000とし、受信側装置を加熱調理器1000としたが、上記送信側装置を情報端末(携帯情報端末(PDA),スマートフォン,モバイルPC(パーソナルコンピュータ)等)とし、上記受信側装置を他の家庭電気製品(電子レンジ,炊飯器,冷蔵庫,掃除機,テレビジョン受像機,空気調和機,電気カミソリ,照明器具等)としてもよい。上記受信側装置を電子レンジや炊飯器とした場合には、上記受信側装置を加熱調理器とした場合と同様に調理例や調理過程の画像情報や音声情報を送信側装置から受信して出力,表示可能とすることができる。また、上記受信側装置を冷蔵庫とした場合は、例えば、冷蔵庫に入れた食品の画像,食品の種類等や入庫の日付等の情報を送信側装置(例えば携帯電話機)から送信し、上記送信側装置から受信した上記情報をメモリに記憶させて随時、冷蔵庫側で出力,表示可能にしてもよい。また、上記受信側装置を掃除機,空気調和機,電気カミソリ,照明器具等とした場合、例えば、送信側装置からメンテナンス情報(保守点検した日付,交換部品の種類等)を送信させ、このメンテナンス情報を掃除機,空気調和機,電気カミソリ,照明器具等の受信側装置で受信してメモリに記憶させて随時、出力,表示可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…ケーシング
2…扉
3…ハンドル
4…耐熱ガラス
5…操作パネル
6…カラー液晶表示部
7…ボタン群
8…排気ダクト
9…露受容器
11…水タンク
12…蒸気発生装置
13…加熱庫
14…循環ユニット
15…蒸気吸込口
17…電装部品
18…循環ファン
19…ファンモータ
20…過熱蒸気生成ヒータ
21…過熱蒸気生成装置
22…蒸気供給口
24…第1蒸気吹出口
25…第2蒸気吹出口
27…被加熱物
28…吸込口
30…トレイ
34…蒸気供給管
36…蒸気導入室
37…モータ
38…回転アンテナ
39a,39b,39c…係止部
40…網
61…カラー液晶パネル
62…タッチパネル
71…戻るキー
75…入力表示部
80…マグネトロン
100…蒸気ダクト
110…第1ダクト部
120…屈曲部
130…第2ダクト部
200…制御装置
200a…表示制御部
200b…赤外線通信制御部
210…赤外線送受信部
211…赤外線通信ポート
301…モニター側筐体
302…操作側筐体
303…ヒンジ部
305…表示部
306…スピーカ部
307…操作ボタン
308…操作部
311…マイク部
312…カメラ部
313…赤外線通信ポート
315…赤外線信号送受信部
317…画像処理部
330…通信部
350…記憶部
360…制御回路
360a…赤外線通信制御部
1000…加熱調理器
3000…携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信側装置に上記受信側装置の受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号を送信すると共に上記受信側装置から上記受信能力情報を表す受信能力信号を受信した場合に、上記受信能力信号の受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号を上記受信側装置へ送信する送信側装置と、
上記送信側装置から上記受信能力情報要求信号を受信した場合に、受信能力を示す受信能力情報を表す受信能力信号を上記送信側装置に返信する受信側装置と
を備えることを特徴とする送受信システム。
【請求項2】
送受信部と、
上記送受信部による送受信動作を制御する通信制御部と
を備え、
上記通信制御部は、
上記送受信部から受信側装置へ上記受信側装置の受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号を送信させる第1の制御と、
上記送受信部が上記受信側装置から上記受信能力情報を表す受信能力信号を受信した場合に、上記受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号を上記送受信部から上記受信側装置へ送信させる第2の制御と
を行なうことを特徴とする送信側装置。
【請求項3】
送受信部と、
上記送受信部による送受信動作を制御する通信制御部と
を備え、
上記通信制御部は、
上記送受信部が、受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号を送信側装置から受信した場合に、受信能力を示す受信能力情報を表す受信能力信号を上記送受信部から上記送信側装置に送信させることを特徴とする受信側装置。
【請求項4】
請求項2に記載の送信側装置において、
情報端末であることを特徴とする送信側装置。
【請求項5】
請求項3に記載の受信側装置において、
家庭電気製品であることを特徴とする受信側装置。
【請求項6】
受信側装置へ上記受信側装置の受信能力を示す受信能力情報を要求する受信能力情報要求信号を送信部から送信させる機能と、
上記受信側装置から上記受信能力情報を表す受信能力信号を受信部で受信した場合に、上記受信能力情報が示す受信能力に応じた送信情報を表す送信信号を上記送信部から上記受信側装置へ送信させる機能と
をコンピュータに実現させるための送信制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−244231(P2012−244231A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109485(P2011−109485)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】