説明

送風装置、車両用空調装置

【課題】低コストで、かつ高い信頼性で、騒音を低減することのできる送風装置、車両用空調装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ディフューザ部51において、ファン21aの回転軸寄りの側面51aに、入口流路部52の開口部52cに近接する位置に、ディフューザ部51の内部に向けて突出する凸部60Aを形成し、ファン21aから送り出される気流が凸部60Aに衝突することで、送風口22aの中心に対応した位置近傍の気流は局所的に圧力上昇し、相対的に低圧である上下面51c、51d側に離れた側に気流の流れが偏向する。その結果、ディフューザ部51内において、気流をディフューザ部51の流路拡大方向に拡散させ、ディフューザ部51内における気流分布の均一化を図り、騒音増大や風量変動増大を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロアから送風される空気を、ディフューザ部を経てエバポレータ等に導いて流通させる送風装置、車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気流路を形成するユニットハウジング内に、空気流れ方向に沿ってエバポレータとヒータコアとが順次配設され、エバポレータで冷却された空気がヒータを通過する量とバイパスする量との割合をエアミックスダンパにより調節して、複数の吹き出し口から車内に吹き出す空気温度を制御する空調ユニット(HVAC(Heating, Ventilating and Air-Conditioning)ユニット)に対して、車両の左右方向にオフセット配置されたブロアから車外空気または車内空気を吸い込んで空調ユニットに送風する構成の車両用空調装置が実用化されている。
このような車両用空調装置では、ブロアから送風される空気は、ユニットハウジングに形成されているディフューザ部を経てエバポレータ入口流路に導かれ、エバポレータ入口流路において方向転換されてエバポレータに向けて流通する。
【0003】
このような車両用空調装置においては、ブロアから空気が流れ込んでくるユニットハウジングにおける騒音低減が課題となっており、これまでも様々な提案・工夫がなされている。例えば、流路断面積をブロアからエバポレータ入口流路に向けて漸次拡大するディフューザ部も、流路断面積を急激に拡大させると流路内壁面において気流の剥離による渦が生じて騒音発生に繋がるため、これを回避することを目的としたものである。
【0004】
車両用空調装置においては、暖房・冷房運転という運転モードのみならず、風の吹き出し口も、足元、フロントウインドウ(いわゆるDEFモード)、乗員向けと複数が存在し、これらの組み合わせにより、流路内に圧力損失状況が様々に変動する。このうち、暖房運転を行い、足元やフロントウインドウに風を吹き出す場合、流路の圧力損失が特に大きくなり、それによってブロアの負荷も大きく、ブロアからの風の流動状態が不安定になりやすい。このような状態では、より大きな騒音、風量変動が生じやすい。
そこで、運転状況に応じ、ディフューザ部の流路断面積を可変とする提案もなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−218446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ディフューザ部の流路断面積を可変とするには、ディフューザ部の内壁の一部を可動壁としなければならず、構造が複雑になってコスト上昇に繋がるうえ、信頼性、応答性の面でも改善の余地がある。
【0007】
また昨今、各機器類の小型化が望まれている。車両用空調装置においても小型化のために、ディフューザ部の長さを十分に確保できず、流路断面積が急激に拡大する形状となってしまうこともあり、そのような場合には剥離渦が生じやすく、騒音対策を有効に講じるのが困難となっている。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、低コストで、かつ高い信頼性で、騒音を低減することのできる送風装置、車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明は、車外空気または車内空気を吸い込んで下流側に送風するブロアを備えた送風ユニットと、送風ユニットから送風された空気を熱交換器により温調して車室内に吹き出す空調ユニットと、を備えた車両用空調装置であって、送風ユニットから送風される空気を空調ユニットに送り込む過程で、流路断面積を、送風ユニットの吹出口に応じたサイズから熱交換器に応じたサイズに拡大するディフューザ部を備える。そして、ディフューザ部において、ブロアから送り出される気流の遠心方向内周側の壁面に、少なくとも吹出口に対応した位置に、ディフューザ部の内側に向けて突出する凸部が形成されていることを特徴とする。
ファンから送り出される気流は、ファンの正面である吹出口の中心に対応した位置近傍において圧力が高く、吹出口の中心に対応した位置からディフューザ部の流路断面積拡大方向に離れるほど低圧となっている。したがって、ディフューザ部において、ブロアから送り出される気流の遠心方向内周側の壁面に形成された凸部に気流が衝突すると、吹出口の中心に対応した位置近傍の気流が局所的に圧力上昇し、相対的に低圧であるディフューザ部の流路断面積拡大方向に離れた側に気流の流れを偏向させることができる。
【0009】
ここで、凸部は、吹出口の中心に対応した位置を含む範囲に形成するのが好ましい。凸部は、流路断面積拡大方向の長さが、気流の流れ方向下流側に行くにしたがい、漸次拡大されているものとすることができる。
また、凸部は、流路断面積拡大方向に同一断面形状を連続させたものとすることができる。
凸部は、吹出口の中心に対応した位置近傍において、ディフューザ部の内側に向けての突出量を、他の部分より大きく形成しても良い。その場合、凸部は、中心部の突出高さが最も大きくなるように形成しても良いし、中心部を含む特定領域の突出高さを一定の大きさとすることもできる。
【0010】
さらに、ブロアが、ブロアのファンの回転軸一端側から空気を吸い込むものであるときに、凸部を、ファンの回転軸他端側にオフセットして設けることもできる。
【0011】
また、本発明は、請求項1から6のいずれかに記載の送風装置と、送風装置の送風ユニットから送風された空気を熱交換器により温調して車室内に吹き出す空調ユニットと、を備えることを特徴とする車両用空調装置とすることもできる。
凸部は、気流の流れ方向上流側から下流側に向けて滑らかな山型とされ、空調ユニットのディフューザ部側の内壁面に滑らかに連続して形成するのが好ましい。これにより、凸部を乗り越えた気流は、コアンダ効果によって滑らかに変更され、空調ユニットのエバポレータ等の熱交換器に流入する際の圧力損失や、気流の乱れによる騒音を低減できる。
【0012】
本発明は、空気を吸い込んで下流側に送風するブロアを備えた送風ユニットと、送風ユニットから送風される空気の流路の断面積を、送風ユニットの吹出口に応じたサイズから拡大するディフューザ部と、ディフューザ部において、ブロアから送り出される気流の遠心方向内周側の壁面に、ディフューザ部の内側に向けて突出して形成された凸部と、を備え、気流が凸部に衝突することで、吹出口の中心に対応した位置近傍の気流が局所的に圧力上昇し、相対的に低圧であるディフューザ部の流路断面積拡大方向に離れた側に気流の流れを偏向させることを特徴とする送風装置とすることもできる。このような送風装置は、その用途を自動車用空調装置に限定するものではなく、他のいかなる目的の送風装置であっても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ディフューザ部において、ブロアから送り出される気流の遠心方向内周側の壁面に、ディフューザ部の内側に向けて突出する凸部を形成することで、気流が凸部に衝突すると吹出口の中心に対応した位置近傍の気流が局所的に圧力上昇し、相対的に低圧であるディフューザ部の流路断面積拡大方向に離れた側に気流の流れを偏向させることができる。これにより、ディフューザ部内における気流分布の均一化を図り、内壁面から気流が剥離するのを抑えることができ、騒音増大や風量変動増大を抑制することができる。また、このような凸部は、可動部のない固定構造であるため、信頼性に優れ、かつ安価に形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における車両用空調装置10の構成を説明するための図である。
図1に示すように、車両用空調装置10は、車外空気または車内空気を吸い込んで下流側に送風する送風ユニット20と、エバポレータ(熱交換器)30およびヒータコア(熱交換器)40を収容して、送風ユニット20から送風された空気を温調して車室内に吹き出す空調ユニット50と、を備える。
【0015】
送風ユニット20は、ファン21aが内蔵されたブロア21を備える。ブロア21の外殻を形成するブロアケース22は、ファン21aの旋回によってファン21aから接線方向に風を送り出す送風口(吹出口)22aを備える。
【0016】
空調ユニット50のユニットハウジング50Hは、両端が開口しており、一端が送風口22aに連結され、他端にエバポレータ30およびヒータコア40が収容されている。ユニットハウジング50Hは、送風口22aに連結されたディフューザ部51と、ディフューザ部51を経た風をエバポレータ30およびヒータコア40に導く入口流路部52とを備える。
ここで、エバポレータ30およびヒータコア40は、それぞれ矩形パネル状をなしており、送風口22aからの送風方向にほぼ平行な面に沿って、かつ送風口22aの中心から側方にオフセットして配置されている。
【0017】
ディフューザ部51は、送風口22a側から入口流路部52側に向けて、その断面積が漸次拡大するよう形成されている。ディフューザ部51の断面積の拡大方向は、エバポレータ30およびヒータコア40の高さ方向に一致している。このため、ディフューザ部51は、ファン21aの回転軸に平行な面内に位置する側面(気流の遠心方向内周側の壁面)51aと側面51bとが互いに平行で、上下面51c、51dが、送風口22a側から入口流路部52側に向けてその間隔が拡大している。
【0018】
入口流路部52は、送風口22aから送り出された風を、エバポレータ30およびヒータコア40に当てるため、その流れの方向を変える機能を有する。
このため、入口流路部52は、エバポレータ30およびヒータコア40の上辺、下辺に沿った上下の壁面52a、52bと、エバポレータ30およびヒータコア40が固定される矩形の開口部52cと、開口部52c(エバポレータ30およびヒータコア40)に対向し、ディフューザ部51から連続して形成された壁面52dと、を有する。
開口部52cは、エバポレータ30およびヒータコア40の高さおよび幅寸法に応じた、長さ、高さを有している。
【0019】
さて、ここで、ディフューザ部51において、ファン21aの回転によってブロア21から送り出された気流は、遠心力が作用する。ディフューザ部51のファン21aの回転軸寄りの側面51aは、遠心力内周側の側面51aとなり、反対側の側面51bは、遠心力外周側の側面51bとなる。
【0020】
そして、本実施の形態において、ディフューザ部51において、ファン21aの回転軸寄りの側面51aには、入口流路部52の開口部52cに近接する位置に、ディフューザ部51の内部に向けて突出する凸部60Aが形成されている。この凸部60Aは、送風口22aの中心に対応した位置、すなわち送風口22aの正面を含む範囲に設けられている。
【0021】
凸部60Aは、側面51aにおいて、ファン21aの軸方向に同一断面形状を連続させたもので、その突出量が、送風口22a側から漸次増大し、突出量が最大となる位置を過ぎると、開口部52cの端部に向けて突出量が漸次縮小する、気流の流れ方向上流側から下流側に向けて滑らかな山型の表面を形成している。
凸部60Aは、入口流路部52の開口部52cにおいてディフューザ部51の内壁面に、滑らかに連続して形成するのが好ましい。これにより、凸部60Aを乗り越えた気流は、コアンダ効果によって滑らかに変更され、空調ユニット50のエバポレータ30およびヒータコア40に流入する際の圧力損失や、気流の乱れによる騒音を低減できる。
【0022】
この凸部60Aは、ディフューザ部51内において側面51aに沿った側の気流の向きを変える。特に、ファン21aの軸に平行な方向において、ファン21aから送り出される気流は、ファン21aの正面であるファン21aの軸方向において、送風口22aの中心(ファン21aの軸の長さ方向の中心)に対応した位置近傍において圧力が高く、ファン21aの送風口22aの中心に対応した位置から上下面51c、51d側に離れるほど低圧となっている。このような気流が凸部60Aに衝突することで、送風口22aの中心に対応した位置近傍の気流は局所的に圧力上昇し、相対的に低圧である送風口22aの中心に対応した位置から上下面51c、51d側に離れた側に気流の流れが偏向する(図1(c)中、矢印参照)。
【0023】
その結果、ディフューザ部51内において、凸部60Aによって、気流をディフューザ部51の流路拡大方向に拡散させることができ、ディフューザ部51内における気流分布の均一化を図り、騒音増大や風量変動増大を抑制することができる。また、このような凸部60Aは、可動部のない固定構造であるため、信頼性に優れる。
特に、このような凸部60Aは、ディフューザ部51を金型により形成するに際しても、形状が複雑ではないので、その形成を容易かつ低コストで行える。
【0024】
図2は、ディフューザ部51の側面51aに形成した他の凸部60Bを示すものである。
この図2に示すように、凸部60Bは、ディフューザ部51の気流の遠心方向内周側であるファン21aの回転軸寄りの側面51aにおいて、入口流路部52の開口部52cに近接する位置に、ディフューザ部51の内部に向けて突出して形成されている。
この凸部60Bは、側面51aにおいて、送風口22aの中心に対応した位置を含む範囲の突出高さが一定とされている。また、凸部60Bは、ディフューザ部51の流路拡大方向における幅寸法が、気流の流れ方向下流側に行くに従って拡大する台形状とされている。このような凸部60Bは、ファン21aの回転軸と、ほぼ同じ高さ位置に設けられて送風口22aの正面に位置しており、その断面形状は、例えば図1に示した凸部60Aと同様の形状とすることができる。
【0025】
このような凸部60Bにおいても、ディフューザ部51内において側面51aに沿った側の気流の向きを変える。特に、ファン21aの軸に平行な方向においては、気流が送風口22aの中心に対応した位置近傍のみに設けられた凸部60Bに衝突することで、送風口22aの中心に対応した位置近傍の気流のみが局所的に圧力上昇し、相対的に低圧である送風口22aの中心に対応した位置から上下面51c、51d側に離れた側に気流の流れが偏向する(図2(c)中、矢印参照)。
【0026】
その結果、ディフューザ部51内において、凸部60Bによって、気流をディフューザ部51の流路拡大方向に拡散して、図1の凸部60A以上にディフューザ部51内における気流分布の均一化を図ることができ、騒音増大、風量変動増大を抑制することができる。
【0027】
図3は、ディフューザ部51の側面51aに形成した他の凸部60Cを示すものである。
この図3に示すように、凸部60Cは、図2に示した凸部60Bと同様、ディフューザ部51の気流の遠心方向内周側であるファン21aの回転軸寄りの側面51aにおいて、入口流路部52の開口部52cに近接する位置に、ディフューザ部51の内部に向けて突出して形成されている。
凸部60Cは、送風口22aとほぼ同じ高さ位置に設けられて送風口22aの正面に位置している。
この凸部60Cは、側面51aにおいて、送風口22aの中心に対応した位置において突出高さが最も大きい頂部63とされ、頂部63から上下面51c、51d側に離れるほど、その突出高さが小さくなる。
【0028】
このような凸部60Cにおいても、ディフューザ部51内において側面51aに沿った側の気流の向きを変える。ファン21aの軸に平行な方向においては、気流が送風口22aの中心に対応した位置近傍に設けられた凸部60Cに衝突することで、送風口22aの中心に対応した位置近傍の気流のみが局所的に圧力上昇し、相対的に低圧である上下面51c、51d側に離れた側に気流の流れが偏向する。
【0029】
その結果、凸部60Cは送風口22aの中心に対応した位置が最も突出高さが大きいので、ディフューザ部51内において、気流をディフューザ部51の流路拡大方向に拡散して、図2の凸部60B以上にディフューザ部51内における気流分布の均一化を図ることができ、騒音増大、風量変動増大を抑制することができる。
【0030】
図4は、ディフューザ部51の側面51aに形成した他の凸部60Dを示すものである。
この図4に示すように、ブロア21は、ファン21aを駆動するモータ21bが、ファン21aの回転軸一端側に設けられ、ブロアケース22内に空気を取り込むための吸込口22bが、ファン21aの回転軸他端側に設けられている。
このようなブロア21に対し、ディフューザ部51に設けられた凸部60Dは、図2に示した凸部60Bと同様、ディフューザ部51の気流の遠心方向内周側であるファン21aの回転軸寄りの側面51aにおいて、入口流路部52の開口部52cに近接する位置に、ディフューザ部51の内部に向けて突出して形成されている。
この凸部60Dは、ファン21aの軸方向において、送風口22aの中心に対応した位置に対し、ファン21aの回転軸一端側にオフセットして形成されている。詳しくは、凸部60Dは、ファン21aの軸方向において、ファン21aの軸の長さ中心に対し、ファン21aの回転軸に沿って吸込口22bとは反対側の、モータ21b側にオフセットして形成されている。
【0031】
このような凸部60Dにおいても、ディフューザ部51内において側面51aに沿った側の気流の向きを変えることができる。ファン21aの軸に平行な方向においては、ディフューザ部51内において側面51aに沿った側の気流は、凸部60Dに衝突する。
吸込口22bがファン21aの回転軸一端側に形成されている場合、吸込口22bから吸い込まれ、ファン21aを経た気流は、遠心力により、吸込口22bとは反対側ほど、圧力が高くなる分布となる。この場合、凸部60Dが、送風口22aの中心に対応した位置に対し、ファン21aの回転軸に沿って吸込口22bとは反対側の、モータ21b側にオフセットして形成されているので、凸部60Dに衝突することで、圧力の高い部分の気流が局所的に圧力上昇し、相対的に低圧である上下面51c、51d側に離れた側に気流の流れが偏向する(図4中、矢印参照)。
【0032】
その結果、ディフューザ部51内において、気流をディフューザ部51の流路拡大方向に拡散して、気流分布の均一化を図ることができ、騒音増大、風量変動増大を抑制することができる。
【0033】
なお、上記実施の形態では、車両用空調装置10のディフューザ部51の構成を中心に説明したが、車両用空調装置10の他の部分については、その構成を何ら限定するものではない。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態における車両用空調装置の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はファンの回転軸に直交した面での断面図、(c)はファンの回転軸に平行な面での断面図である。
【図2】本実施の形態における車両用空調装置の他の例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はファンの回転軸に直交した面での断面図、(c)はファンの回転軸に平行な面での断面図である。
【図3】本実施の形態における車両用空調装置のさらに他の例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はファンの回転軸に平行な面での断面図である。
【図4】本実施の形態における車両用空調装置のさらに他の例を示す図であり、ファンの回転軸に平行な面での断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10…車両用空調装置、20…送風ユニット、21…ブロア、21a…ファン、21b…モータ、22…ブロアケース、22a…送風口(吹出口)、22b…吸込口、30…エバポレータ、40…ヒータコア、50…空調ユニット、51…ディフューザ部、51a…側面(気流の遠心方向内周側の壁面)、51b…側面、51c、51d…上下面、60A、60B、60C、60D…凸部、63…頂部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸い込んで下流側に送風するブロアを備えた送風ユニットと、
前記送風ユニットから送風される空気の流路の断面積を、前記送風ユニットの吹出口に応じたサイズから拡大するディフューザ部と、を備えた送風装置であって、
前記ディフューザ部において、前記ブロアから送り出される気流の遠心方向内周側の壁面に、少なくとも前記吹出口に対応した位置に、前記ディフューザ部の内側に向けて突出する凸部が形成されていることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記吹出口の中心に対応した位置を含む範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記凸部は、前記流路断面積拡大方向の長さが、前記気流の流れ方向下流側に行くにしたがい、漸次拡大されていることを特徴とする請求項1または2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記凸部は、流路断面積拡大方向に同一断面形状を連続させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の送風装置。
【請求項5】
前記凸部は、前記吹出口の中心に対応した位置近傍において、前記ディフューザ部の内側に向けての突出量が、他の部分より大きく形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の送風装置。
【請求項6】
前記ブロアが、前記ブロアのファンの回転軸一端側から空気を吸い込むものであるときに、
前記凸部は、前記ファンの回転軸他端側にオフセットして設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の送風装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の送風装置と、
前記送風装置の前記送風ユニットから送風された空気を熱交換器により温調して車室内に吹き出す空調ユニットと、
を備えることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項8】
前記凸部は、前記気流の流れ方向上流側から下流側に向けて滑らかな山型とされ、前記空調ユニットの前記ディフューザ部側の内壁面に滑らかに連続して形成されていることを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
【請求項9】
空気を吸い込んで下流側に送風するブロアを備えた送風ユニットと、
前記送風ユニットから送風される空気の流路の断面積を、前記送風ユニットの吹出口に応じたサイズから拡大するディフューザ部と、
前記ディフューザ部において、前記ブロアから送り出される気流の遠心方向内周側の壁面に、ディフューザ部の内側に向けて突出して形成された凸部と、を備え、
前記気流が前記凸部に衝突することで、前記吹出口の中心に対応した位置近傍の気流が局所的に圧力上昇し、相対的に低圧である前記ディフューザ部の流路断面積拡大方向に離れた側に気流の流れを偏向させることを特徴とする送風装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−71213(P2010−71213A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240458(P2008−240458)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】