説明

逆止弁及び該逆止弁を備える鞍型燃料タンク

【課題】流出口から流出する燃料の流出方向を、逆止弁の通路形成部材の中心軸の方向と異なる方向で、かつ弁プレートを通路形成部材に取り付けるための通路形成部材の被取付部と反対の方向に定めることが可能であると共に、生産効率に優れた簡易な構造からなる逆止弁を提供する。
【解決手段】通路形成部材14の中心軸方向に対して斜めに開いた板状の閉止部15aと、2枚の案内壁17とによって、燃料の流出が案内され、流出口14bから流出する燃料の流出方向を、通路形成部材14の中心軸の方向と異なる方向で、かつ通路形成部材14の取付部14eと反対の方向に定める。逆止弁10を、鞍型燃料タンクTの鞍部Tcの外壁に配置すると共に、逆止弁10から流出する燃料の流出方向をメインタンク部Ta側に向ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の燃料タンクに燃料を導入するための給油管などに接続される逆止弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の燃料タンクには、給油のストップ時に、上昇した燃料タンク内圧により燃料タンク内の燃料が押し戻されて外部に流出するのを防止するための逆止弁が取り付けられている。この逆止弁は、通路及びこの通路から燃料を流出する流出口を備えた通路形成部材と、通路形成部材に取り付けられ流出口を開閉する弁体とを備えている。
【0003】
従来の逆止弁として、特許文献1に記載の逆止弁がある。この逆止弁においては、燃料の流出方向が一定方向に定められていないため、流出口から流出する燃料は四方に飛散する。ところで、燃料タンクに給油する際には、逆止弁の流出口から流出する燃料の流出方向を一定方向に定めて、燃料タンク底面に向かって円滑に燃料を流出することが好ましい場合がある。この理由は以下のとおりである。
【0004】
燃料の流出方向が一定方向に定められずに四方に飛散したり、水平方向に勢いよく飛散すると、燃料の流出口が燃料遮断弁や満タン検知バルブに近接している場合には、燃料が燃料遮断弁や満タン検知バルブに勢いよくあたることによって、これらの部品の誤作動を招く可能性がある。
【0005】
このような課題を解決する従来の逆止弁として、以下に示す逆止弁がある。
【0006】
図5に特許文献2に記載の逆止弁を説明する断面図を示す。この逆止弁20は、燃料タンクTの外壁に接続されており、通路形成部材21と、弁体である板状のシャッター22とを備えている。通路形成部材21は、通路部21aと、通路部21aから燃料を流出する流出口である開口部21bとを備えている。シャッター22は、通路形成部材21の開口部21b側の外周部にヒンジ23によって支持されている。シャッター22は、ヒンジ23に備わるコイルバネによって、常時、シャッター22が開口部21bを閉じる方向に付勢されている。
【0007】
開口部21bは、通路形成部材21の中心軸に対して垂直ではなく、斜めに形成されており、ヒンジ23が配置されている位置が最も燃料タンクT内に突出している。通路部21aの内周面の一部は、ヒンジ23付近において、球状面21cとして形成されている。
【0008】
この逆止弁20においては、斜めに形成された開口部21bと、球状面21cとが燃料の流出方向を定める。例えば、図5に示すように開口部21bが略水平に設定されることによって、燃料の流れが下向きに変向するように案内される。
【0009】
図6に特許文献3に記載の逆止弁を説明する断面図を示す。この逆止弁30は、燃料タンクTの外壁に接続されており、通路形成部材31と、通路形成部材31の内部に配置された傘状の弁体32とを備えている。通路形成部材31は、通路部31aと、通路部31aから燃料を流出する流出口である開口部31bとを備えている。弁体32は、弁体32の軸に嵌挿されたスプリング33によって、常時、弁体32が開口部31bを閉じる方向に付勢されている。
【0010】
通路形成部材31の開口部31b側の外周壁の一部は、燃料タンクT内に向かって延設されており、開口部31bの外周の周方向の略半分を覆う半筒部34として形成されている。
【0011】
この逆止弁30においては、弁体32が開弁すると燃料は開口部31bから四方に飛散するものの、半筒部34によって、開口部31bの外周の周方向の略半分の方向への飛散は防止され、燃料の流出が半筒部34で覆われていない方向に定まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−245824号公報
【特許文献2】特開2001−71763号公報
【特許文献3】特開2008−62878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
近年、鉄製の燃料タンクに代わって、軽量で錆びない特性を有する樹脂製の燃料タンクが燃料タンクの主流となっている。また、逆止弁も樹脂製のものが主流となっている。
【0014】
図5に示した従来の逆止弁20においては、通路部21aの内周面の一部に球状面21cが形成されているために、樹脂材料を射出成形することにより通路形成部材21を得る場合には、成形作業に手間がかかるスライド金型が必要であり、生産効率が良好ではなかった。
【0015】
また、球状面21cによって燃料の流出方向が定まるものの、開口部21bから流出した燃料の一部は、開弁したシャッター22にあたって四方に飛散するため、燃料の流出方向が充分に定まってはいなかった。
【0016】
図6に示した従来の逆止弁30においては、傘状の弁体32により開口部31bを開閉する構造であり、構造が複雑であることから、生産効率が良好ではなかった。
【0017】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、流出口から流出する燃料の流出方向を、逆止弁の通路形成部材の中心軸の方向と異なる方向で、かつ弁プレートを通路形成部材に取り付けるための通路形成部材の取付部と反対の方向に定めることが可能であると共に、生産効率に優れた簡易な構造からなる逆止弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
【0019】
本発明の逆止弁は、燃料タンクの接続口に一端側が挿入されて該接続口に接続される逆止弁であって、通路、該通路の一端に設けられた流出口、及び該流出口側の外周部に設けられた取付部を有する、直管状の通路形成部材と、前記取付部に取り付けられた被取付部、及び閉弁方向に作用する付勢力を常時受けつつ前記流出口から流出する燃料から受ける流体圧力に応じて該被取付部を中心として回動することにより該流出口を開閉する板状の閉止部を有する、弁プレートと、を備え、前記通路形成部材が、該通路形成部材の流出口側の端部から該通路形成部材の中心軸と平行に突出して延設され、かつ前記取付部を含む軸断面を挟んだ両側に互いに対向して配設された、2枚の案内壁を有し、開弁時の前記閉止部と2枚の前記案内壁とによって前記流出口から流出する燃料を案内して、該燃料の流出方向を、前記中心軸の方向と異なる方向で、かつ前記取付部と反対の方向に定めることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、通路形成部材の中心軸方向に対して斜めに開いた板状の閉止部と、2枚の案内壁とによって、燃料の流出が案内され、流出口から流出する燃料の流出方向を、逆止弁の通路形成部材の中心軸の方向と異なる方向で、かつ弁プレートを通路形成部材に取り付けるための通路形成部材の取付部と反対の方向に定めることができる。
【0021】
このように流出口から流出する燃料の飛散を抑えて、燃料の流出方向を通路形成部材の中心軸の方向と異なる一定方向に定めることによって、燃料タンク内の各種部品に燃料が勢いよくあたることを防止し、燃料タンク底面に向かって円滑に燃料を流出することが可能となる。これにより、燃料タンク内に配置された燃料遮断弁や満タン検知バルブ等の誤作動を防止することが可能となる。
【0022】
また、通路形成部材が単純な直管状よりなるため、樹脂材料を射出成形することにより通路形成部材を得る場合には、成形作業に手間がかかるスライド金型が不要であり、生産効率が良好である。
【0023】
また、弁プレートの形状も単純な板状よりなるため、前述の従来技術で示した傘状の弁体のような複雑な構造とは異なり、生産効率が良好である。
【0024】
本発明の好適な態様として、前記案内壁が、最大開度まで開弁した前記閉止部の閉止面を含む平面よりも突出する位置まで延設されているとよい。
【0025】
2枚の案内壁は、通路形成部材の軸方向と直交する方向のうちの2方向への燃料の流出を規制するためのものである。開弁時において、案内壁が、弁プレートの閉止部の閉止面を含む平面よりも突出していない場合には、案内壁の先端と閉止部との間に、案内壁の外壁側からみて隙間が形成される。この隙間から案内壁の外壁側に向かって燃料が流出するため、燃料の流出方向を一定方向に定める効果が小さくなる。
【0026】
案内壁が、閉止部の閉止面を含む平面よりも突出する位置まで燃料タンク内に向かって延設されていれば、通路形成部材の軸方向と直交する方向のうちの2方向への燃料の流出を規制する効果が高くなる。
【0027】
本発明の好適な態様として、前記通路形成部材の前記流出口を含む平面が前記通路形成部材の中心軸と直交する平面と傾斜するように、該流出口が該中心軸に対して斜めに形成され、前記取付部が、前記通路形成部材の前記流出口側の外周部のうち最大突出部位に在るとよい。
【0028】
このような構成によれば、通路形成部材の流出口は、通路形成部材の中心軸に対して垂直ではなく、斜めに形成されており、流出口から流出する燃料の流出方向に大きく開口した構造である。これにより、流出口から流出する燃料の流出方向を、通路形成部材の中心軸の方向に対して大きく曲げることが可能となる。
【0029】
本発明の好適な態様として、さらに、前記流出口の周方向の位置を位置決めする位置決め手段を備えるとよい。
【0030】
前述のとおり、閉止部及び2枚の案内壁は、流出口から流出する燃料の流出方向を通路形成部材の中心軸の方向に対して曲げるように作用するが、流出口の周方向への燃料の流出方向を自由に定めることはできない。前述した本発明の逆止弁に、上記の流出口の周方向の位置を位置決めする位置決め手段を備えることによって、燃料タンクの接続口の所定の位置に正確に逆止弁を接続することが可能となり、流出口から流出する燃料の流出方向を定める自由度が大きくなる。
【0031】
本発明の好適な態様として、さらに、前記閉止部の最大開度を規制する規制手段を備えるとよい。
【0032】
閉止部は、流出口から流出する燃料から受ける流体圧力に応じて被取付部を中心として回動することにより流出口を開閉する。すなわち、流体圧力が小さいときには閉止部の開度も小さく、流体圧力が大きくなるにしたがって閉止部の開度も大きくなる。規制手段によって閉止部の最大開度が規制されていれば、流体圧力の増加にともなって閉止部の開度が最大開度まで達した後に、さらに流体圧力が増加したとしても、閉止部の開度は最大開度に固定されたままとなる。したがって、閉止部の開度が、流体圧力の増減の影響を受けにくくなり、これにより、燃料の流出方向を一定方向に定めやすくなる。
【0033】
本発明の好適な態様として、前記弁プレートが、前記被取付部と前記閉止部とが一体成形された板ばねよりなり、前記付勢力が、前記被取付部と前記閉止部とのなす角度の変動によって発生する弾性力であるとよい。
【0034】
このような構成によれば、弁プレートの被取付部と閉止部とが、弾性を有する薄板から一体に形成されているため、前述の従来技術で示したシャッター(弁体)のヒンジに備わるコイルバネのように弁体とは別体の付勢力を付与する手段を必要としない。このように弁プレートの構造が単純であることと、部品数が少ないことによって、部品成形や組立ての手間は省力化され、生産効率が良好となる。
【0035】
また、本発明の逆止弁は、メインタンク部、サブタンク部、並びに該メインタンク部及び該サブタンク部を接続する鞍部を有する鞍型燃料タンクにおいて、鞍部に設けられた接続口に接続されると共に、前記逆止弁から流出する燃料の流出方向をメインタンク部側に向けることが好ましい。
【0036】
メインタンク部とサブタンク部を備える鞍型燃料タンクにおいては、メインタンク部に優先的に燃料を入れることが好ましい。この理由は以下のとおりである。
【0037】
メインタンク部に燃料がほとんど入っていない状態で、サブタンク部のみに給油すると、エンジン始動により、燃料移送ポンプが稼働して、サブタンク部側からメインタンク部側に燃料が移送される。しかし、エンジン始動直後にはメインタンク部内に燃料が少ない状態であるため、車両走行持にメインタンク部内の燃料の液面が変化(傾斜)すれば、メインタンク部からエンジンに燃料を送る燃料ポンプにエアをかむ可能性がある。燃料ポンプにエアをかめば、エンストに繋がる可能性がある。
【0038】
このような理由から、鞍型燃料タンクの逆止弁は、メインタンク部の外壁に配置され、直接メインタンク部に給油するのが一般的である。ところが、自動車のデザイン上、逆止弁をメインタンク部とサブタンク部との間の鞍部の外壁に配置する必要性が生じる場合がある。
【0039】
このような場合において、流出口から流出する燃料の流出方向が一定方向に定められていない従来の逆止弁(特許文献1)を使用する際には、通路形成部材をメインタンク部側に向けて曲げるか、流出口の先にメインタンク部側に向かう延長チューブを接続するか、流出口がメインタンク部側を向くように鞍部の外壁に対して斜めに逆止弁を挿入して接続するなどの対処方法が想定される。ところが、これらの対処方法は、成形性や組付け性に劣るため、良好な生産効率を確保することができない。
【0040】
本発明の逆止弁においては、流出口から流出する燃料の飛散を抑えて、流出方向を通路形成部材の中心軸の方向と異なる一定方向に定める構成であるため、燃料の流出方向をメインタンク部側に向けることにより、メインタンク部に優先的に燃料を入れることが可能となる。また、本発明の逆止弁の通路形成部材は単純な直管状よりなるため、鞍部の外壁への組付け性に優れ、良好な生産効率を確保することができる。
【0041】
さらに、本発明の逆止弁においては、燃料の流出方向を定めることが可能であるため、逆止弁の燃料の流出口に近接して各種部品を配置することが可能である。したがって、燃料タンクの外壁の最上部付近に位置している鞍部の上壁に満タン検知バルブを配置した場合であっても、満タン検知バルブの誤作動を招く可能性が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態における逆止弁を説明する説明図であって、(a)は逆止弁の側面図、(b)は逆止弁の下面図、(c)は(a)におけるA−A線で切断した断面図、(d)は(a)におけるB−B線で切断した断面図を示している。
【図2】本発明の第1実施形態における逆止弁の動作を説明する斜視図であって、(a)は逆止弁が閉弁している状況、(b)は給油によって逆止弁が開弁している状況を示している。
【図3】本発明の第2実施形態を説明する断面模式図であって、第1実施形態の逆止弁が使用されている鞍型燃料タンクを示している。
【図4】本発明の第3実施形態を説明する断面模式図であって、第1実施形態の逆止弁が使用されている燃料遮断弁及び満タン検知バルブを有する燃料タンクを示している。
【図5】従来の逆止弁を説明する断面図であって、板状の弁体を有し、かつ燃料流出方向を定める機能を有する逆止弁を示している。
【図6】従来の逆止弁を説明する断面図であって、傘状の弁体を有し、かつ燃料流出方向を定める機能を有する逆止弁を示している。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の逆止弁及びその適用方法を具体化した実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1に本実施形態の逆止弁を説明する説明図、図2に本実施形態の逆止弁の動作を説明する斜視図を示す。
【0044】
図1(a)は逆止弁の側面図、図1(b)は逆止弁の下面図、図1(c)は図1(a)におけるA−A線で切断した断面図、図1(d)は図1(a)におけるB−B線で切断した断面図を示している。また、図2(a)は逆止弁が閉弁している状況、図2(b)は給油によって逆止弁が開弁している状況を示している。
(1)給油装置の概略構成
逆止弁10は、燃料タンクTの外壁に設けられた接続口Tdに接続されている。逆止弁10は、インレットパイプ(図示せず)やインレットホースH等と共に、燃料給油口(図示せず)と燃料タンクTとを接続する部品の一つである。この燃料給油口から燃料タンクに至る給油ラインは給油装置と呼ばれている。
【0045】
給油装置は、燃料キャップ(図示せず)により開閉される燃料給油口を有するフィラーネック(図示せず)と、フィラーネックの一端に接続され金属製または樹脂製のインレットパイプと、インレットパイプに接続されゴム製のインレットホースHと、インレットホースHの一端に接続され、かつ燃料タンクTに接続された逆止弁10とを備えている。
【0046】
給油ガン(図示せず)から燃料を燃料給油口に注入すると、燃料は、インレットパイプ、インレットホースH、逆止弁10の燃料タンク用管接続体11、及び逆止弁10の通路形成部材14を流れて、さらに逆止弁10の弁プレート15を開いて燃料タンクT内に供給される。一方、給油ストップ時には、逆止弁10は、閉弁状態にあるから、上昇した燃料タンク内圧により燃料タンクT内の燃料が押し戻されて外部へ流出するのを防止する。
(2)逆止弁10の構成
逆止弁10は、燃料タンクTの外壁に設けられた接続口Tdに接続される燃料タンク用管接続体11と、燃料タンクTの接続口Tdに挿入されると共に、燃料タンク用管接続体11に接続される通路形成部材14と、この通路形成部材14の一端の燃料を流出する流出口14b側に取り付けられ、かつ流出口14bを開閉する弁プレート15とを備えている。
【0047】
燃料タンク用管接続体11は樹脂製であり、通路形成部12と、接続用溶着部13とを備え、これらを2色成形により一体に形成している。
【0048】
通路形成部12は、インレットホースHに接続される通路を形成する通路部12aを備えている。通路部12aの一端は、通路部12aの外周端から拡張されることでインレットホースHを抜止するための抜止拡張部12bになっている。通路部12aの他端には、フランジ12cが形成されている。フランジ12cの一方の面は、接続用溶着部13の内壁に溶着される面になっており、その他面は、通路形成部材14の一端を溶着するための溶着部12dになっている。通路形成部12は、例えば、ナイロン−12などのポリアミド(PA)から形成されている。
【0049】
接続用溶着部13は、外筒部13aと、外筒部13aの一端外周から拡張されたフランジ13bと、フランジ13bの一端面に環状に突設された溶着端13cとを備えている。
【0050】
また、流出口14bの周方向の位置を位置決めする位置決め手段として、フランジ13bの外周の1箇所に突起13dを備えている。この突起13dを、燃料タンクTの接続口Td付近の外壁に設けられた位置決め基準部(図示せず)に係合することによって、流出口14bの周方向の位置を位置決めした後に、燃料タンクTの外壁と接続用溶着部13とを溶着する。なお、これらの位置決め手段及び位置決め基準部は、係合する構造に限らず、凹凸のない目印をマーキングして、目視により位置決めを行ってもよい。
【0051】
接続用溶着部13は燃料タンクTに熱溶着可能である変性ポリエチレンから形成されている。変性ポリエチレンは、ポリエチレン(PE)に極性官能基、例えばマレイン酸変性された官能基を付加した樹脂材料であり、PAと射出成形時の熱により反応接着する材料である。よって、接続用溶着部13は、2色成形により通路形成部12と反応接着により溶着一体化している。
【0052】
通路形成部材14は、通路形成部12と同じPAから形成された直管状(筒形状)であり、その内部に通路形成部12の通路部12aに連通する通路14aを有し、その通路部12a側が流入口14cになっている。通路形成部材14の流入口14c側の端部には、フランジ14dが設けられている。このフランジ14dは、通路形成部12の溶着部12dに溶着により一体的に接続されている。通路形成部材14の流出口14b側の外周部には、弁プレート15を取り付けるための取付部14eが設けられている。
【0053】
取付部14eは、通路形成部材14の流出口14b側の外周部からほぼ平行に立設された側壁部を備えている。各々の側壁部は、立壁と、この立壁の上端から互いに向き合うように延設された押さえ部とを備え、立壁と押さえ部とにより断面L字形に形成されている。また、押さえ部にまたがってブリッジ部が形成されている。側壁部の間は、弁プレート15の被取付部15bを収納するための取付溝となっている。取付溝は、弁プレート15側が被取付部15bを挿入するための挿入口となっている。
【0054】
流出口14bは、通路形成部材14の流出口14bを含む平面が通路形成部材14の中心軸と直交する平面と傾斜するように、通路形成部材14の中心軸に対して斜めに形成されている。また、通路形成部材14の取付部14eが、通路形成部材14の流出口14b側の外周部のうち最大突出部位となっている。すなわち、流出口14bは、流出口14bから流出する燃料の流出方向に大きく開口した構造である。
【0055】
通路形成部材14の流出口14b側の端部には、通路形成部材14との射出成形により一体成形された2枚の案内壁17が備わっている。2枚の案内壁17は、通路形成部材14の流出口14b側の端部から通路形成部材14の中心軸と平行に突出して燃料タンクT内に向かって延設され、かつ通路形成部材14の取付部14eを含む軸断面を挟んだ両側に互いに対向して配置されている。
【0056】
図1(d)及び図2に示すとおり、2枚の案内壁17は、取付部14eと、流出口14bの取付部14eと対向する側を避けて配置されると共に、弁プレート15の開閉動作を妨げないように配置されている。また、2枚の案内壁17は、燃料タンクTの外壁に設けられた接続口Tdに挿入可能なように、流出口14bの形状にあわせた円弧状の断面形状となっている。
【0057】
また、弁プレート15の閉止部15aが最大開度まで開弁した状態において、案内壁17は、閉止部15aの閉止面を含む平面よりも突出する位置まで延設されている。また、2枚の案内壁17は、通路形成部材14の取付部14eを含む軸断面に対して軸対象に配置されており、各案内壁17は、それぞれ、通路形成部材14の流出口14b側の外周部の全周の1/4程度を覆っている。
【0058】
弁プレート15は、金属製の薄板をプレス切断することにより、閉止部15a及び被取付部15bを一体的に板ばねとして形成したものである。閉止部15aは、図1(d)及び図2に示すとおり、通路形成部材14の流出口14bの外形とほぼ同一の形状であり、通路形成部材14の流出口14bを開閉するものである。
【0059】
被取付部15bは、通路形成部材14の取付部14eに取り付けられ係止されることにより、閉止部15aを開閉可能に支持する部位であり、閉止部15aに対して折曲形成されている。被取付部15bは、通路形成部材14の取付部14eの取付溝に収納可能な矩形からなり、被取付部15bを取付部14eの挿入口から挿入することにより、被取付部15bが取付部14eにガタツキなく固定される。
【0060】
弁プレート15が一体的に板ばねとして形成されていることによって、閉止部15aは、常時、閉止部15aが流出口14bを閉じる方向に付勢されている。燃料給油時の燃料の圧力が弁プレート15の板ばねとしての付勢力を上回ると、被取付部15bを中心として閉止部15aが回動することによって、閉止部15aが開弁して燃料タンクT内に燃料が供給される。
【0061】
通路形成部材14の取付部14eには、金属製の薄板を折曲形成した規制板16が係止されている。規制板16は、閉弁時には閉止部15aと接触せず、開弁時には閉止部15aと面同士が接触するように折曲形成されている。この規制板16によって、開弁時に閉止部15aの閉止面方向と通路形成部材14の中心軸とのなす角度が規制される。
【0062】
図1(c)に示す角度αは、閉止部15aが最大に開弁した状態における、閉止部15aの閉止面方向と通路形成部材14の中心軸とのなす角度示している。この角度αは、燃料の流出方向の条件設定に応じて適宜設計により決定される。例えば、燃料の流出方向を、通路形成部材14の中心軸の方向に対して大きく曲げたい場合には、角度αを小さな値に設定するとよい。なお、図1(c)においては、角度α=120度程度となっているが、角度α=90〜150度を目安として適宜設定することができる。
(3)逆止弁10の動作
次に、逆止弁10の動作について説明する。図1(c)及び図2に示すように、給油時に、通路形成部材14の流入口14cから入った燃料は、通路14aを通って流出口14bに達し、弁プレート15の閉止部15aを押す。これにより、閉止部15aは、図1(c)の太い破線で示す位置まで被取付部15bを支点として回動して開弁する。閉止部15aが開弁することによって、閉止部15aと規制板16とが接触し、閉止部15aの開度が規制される。
【0063】
通路形成部材14の中心軸方向に対して斜めに開いた板状の閉止部15aと、2枚の案内壁17とによって、燃料の流出が案内され、流出口14bから流出する燃料の流出方向を、通路形成部材14の中心軸の方向と異なる方向で、かつ通路形成部材14の取付部14eと反対の方向に定めることができる。
【0064】
燃料の流出方向は、通路形成部材14の取付部14eと対向する側が主方向となるが、図2(b)に示すように、案内壁17と取付部14eとの間の隙間から主方向とは逆の方向にも燃料が漏れ出す可能性がある。ただし、仮に燃料が漏れ出したとしても、主方向とは逆の方向への燃料の漏れ出し量は少ないため、燃料の流出方向を一定方向に定める効果に大きく影響を及ぼすことはない。
(4)逆止弁10の効果
本実施形態の逆止弁10の効果は次のとおりである。流出口14bから流出する燃料の飛散を抑えて、燃料の流出方向を通路形成部材14の中心軸の方向と異なる一定方向に定めることによって、燃料タンクT内の各種部品に燃料が勢いよくあたることを防止し、燃料タンクTの底面に向かって円滑に燃料を流出することが可能となる。これにより、燃料タンクT内に配置された燃料遮断弁や満タン検知バルブ等の誤作動を防止することが可能となる。
【0065】
また、通路形成部材14が単純な直管状よりなるため、樹脂材料を射出成形することにより通路形成部材14を得る場合には、成形作業に手間がかかるスライド金型が不要であり、生産効率が良好である。
【0066】
また、弁プレート15の形状も単純な板状よりなるため、前述の従来技術で示した傘状の弁体32のような複雑な構造とは異なり、生産効率が良好である。
【0067】
また、開弁時において、案内壁17が、閉止部の閉止面を含む平面よりも突出する位置まで燃料タンクT内に向かって延設されているため、通路形成部材14の軸方向と直交する方向のうちの2方向への燃料の流出を規制する効果が高い。
【0068】
また、通路形成部材14の流出口14bは、通路形成部材14の中心軸に対して垂直ではなく、斜めに形成されており、流出口14bから流出する燃料の流出方向に大きく開口した構造である。これにより、流出口14bから流出する燃料の流出方向を、通路形成部材14の中心軸の方向に対して大きく曲げることが可能となる。
【0069】
また、流出口14bの周方向の位置を位置決めする位置決め手段として、接続用溶着部13のフランジ13bの外周の1箇所に突起13dを備えているため、燃料タンクTの接続口Tdの所定の位置に正確に逆止弁10を接続することが可能であり、また、流出口14bから流出する燃料の流出方向を定める自由度が大きい。
【0070】
また、規制板16によって、開弁時に閉止部15aの閉止面方向と通路形成部材14の中心軸とのなす角度が規制されているため、閉止部15aの開度が、流出口14bから流出する燃料の流体圧力の増減の影響を受けにくくなり、これにより、燃料の流出方向を一定方向に定めやすくなる。
【0071】
また、弁プレート15の被取付部15bと閉止部15aとが、弾性を有する薄板から一体に形成されているため、前述の従来技術で示したシャッター22(弁体)のヒンジ23に備わるコイルバネのように弁体とは別体の付勢力を付与する手段を必要としない。このように弁プレート15の構造が単純であることと、部品数が少ないことによって、部品成形や組立ての手間は省力化され、生産効率が良好となる。
<第2実施形態>
本実施形態は、第1実施形態で示した逆止弁10を、鞍型燃料タンクのメインタンク部とサブタンク部との間の鞍部の外壁に配置すると共に、逆止弁10から流出する燃料の流出方向をメインタンク部側に向けることを特徴とする実施形態である。図3に本実施形態を説明する断面模式図を示す。
【0072】
鞍型燃料タンクTは、メインタンク部Taと、サブタンク部Tbと、これらを接続する鞍部Tcとからなり、メインタンク部Ta、サブタンク部Tb、及び鞍部Tcの外壁は射出成形により一体成形されている。
【0073】
鞍部Tcの下壁は燃料タンクTの内側に向かって上方に凹んでおり、鞍部Tcの下方に形成される凹部は、後輪駆動車や四輪駆動車に装備されているプロペラシャフト(図示せず)や、エンジンからの排気管(図示せず)を配置するための空間として活用される。また、鞍部Tcの上壁は燃料タンクTの外側に向かって上方に膨らんでおり、燃料タンクTの外壁の最上部付近に位置している。鞍部Tcの上壁には満タン検知バルブBFが配置されている。
【0074】
メインタンク部Ta内の底面付近には、燃料をエンジンEに移送するための燃料ポンプPFが配置されている。また、燃料ポンプPFとエンジンEとを連結する配管にはジェットポンプPJが配置されている。ジェットポンプPJには、サブタンク部Tb内の底面付近に繋がる配管が接続されている。
【0075】
エンジンEの駆動にともない燃料ポンプPFが稼働すると、メインタンク部Ta内の燃料がエンジンEに移送される。これと同時に、燃料ポンプPFによってエンジンEに移送される燃料の流速を利用してジェットポンプPJが稼働し、ベンチュリー効果によってサブタンク部Tbからも燃料が吸い上げられて、燃料がエンジンEに移送される。
【0076】
鞍型燃料タンクTは、耐燃料透過性に優れたエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)から形成されたバリア層と、ポリエチレン(PE)で形成された外層とを含む複数の樹脂層から形成されている。鞍型燃料タンクTの鞍部Tcの側壁には、逆止弁10の接続口Tdである開口部が形成されており、この接続口Tdに燃料タンクTの外側から水平方向に逆止弁10が挿入されると共に、この接続口Tdを囲むように燃料タンク用管接続体11が溶着されている。
【0077】
図3において、逆止弁10の弁プレート15は、紙面の表側に向かって開弁する。また、2枚の案内壁17は、紙面の表側に向かって延設している。
【0078】
図3に示すとおり、燃料の流出方向がメインタンク部Ta側で、かつやや斜め下方を向くように、逆止弁10を鞍部Tcの外壁に取り付けることによって、メインタンク部Taに優先的に燃料を給油することが可能となる。
【0079】
このようにメインタンク部Taに優先的に燃料を入れることの利点は次のとおりである。メインタンク部Taに燃料がほとんど入っていない状態で、サブタンク部Tbのみに給油すると、エンジンEの始動により、ジェットポンプPJが稼働して、サブタンク部Tb側からメインタンク部Ta側に燃料が移送される。しかし、エンジンEの始動直後にはメインタンク部Ta内に燃料が少ない状態であるため、車両走行持にメインタンク部Ta内の燃料の液面が変化(傾斜)すれば、メインタンク部TaからエンジンEに燃料を送る燃料ポンプPFにエアをかむ可能性がある。燃料ポンプPFにエアをかめば、エンストに繋がる可能性がある。
【0080】
このような理由から、鞍型燃料タンクTの逆止弁は、メインタンク部Taの外壁に配置され、直接メインタンク部Taに給油するのが一般的である。ところが、本実施形態のように、自動車のデザイン上、逆止弁をメインタンク部Taとサブタンク部Tbとの間の鞍部Tcの外壁に配置する必要性が生じる場合がある。
【0081】
このような場合において、流出口から流出する燃料の流出方向が一定方向に定められていない従来の逆止弁(特許文献1)を使用する際には、通路形成部材をメインタンク部Ta側に向けて曲げるか、流出口の先にメインタンク部Ta側に向かう延長チューブを接続するか、流出口がメインタンク部Ta側を向くように鞍部Tcの外壁に対して斜めに逆止弁を挿入して接続するなどの対処方法が想定される。ところが、これら対処方法は、成形性や組付け性に劣るため、良好な生産効率を確保することができない。
【0082】
本実施形態の逆止弁10においては、流出口14bから流出する燃料の飛散を抑えて、流出方向を通路形成部材14の中心軸の方向と異なる一定方向に定める構成であるため、燃料の流出方向をメインタンク部Ta側に向けることにより、メインタンク部Taに優先的に燃料を入れることが可能となる。
【0083】
この際、図3に示すとおり、逆止弁10から流出する燃料の流出方向がやや斜め下方を向くように配置すれば、燃料の水平方向への流出が抑制され、燃料は鞍部Tcの下壁に落下し、鞍部Tcの下壁に沿って流れ、メインタンク部Taの底面に向かって円滑に燃料を流出することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態の逆止弁10の通路形成部材14は単純な直管状よりなるため、鞍部Tcの外壁への組付け性に優れ、良好な生産効率を確保することができる。
【0085】
さらに、本実施形態の逆止弁10においては、燃料の流出方向を定めることが可能であるため、逆止弁10の燃料の流出口14bに近接して各種部品を配置することが可能である。したがって、燃料タンクTの外壁の最上部付近に位置している鞍部Tcの上壁に満タン検知バルブを配置した場合であっても、満タン検知バルブの誤作動を招く可能性が小さい。
<第3実施形態>
本実施形態は、逆止弁10に近接して燃料遮断弁及び満タン検知バルブが配置されている燃料タンクに対して、第1実施形態で示した逆止弁10を適用した実施形態である。図4に本実施形態を説明する断面模式図を示す。
【0086】
燃料タンクT内の底面付近には、燃料をエンジンEに移送するための燃料ポンプPFが配置されている。また、燃料タンクT内の上壁には、燃料タンクT内で発生した蒸発燃料をキャニスターCに送る配管に接続されている燃料遮断弁BC及び満タン検知バルブBFが配置されている。
【0087】
燃料タンクTの側壁には、逆止弁10の接続口Tdである開口部が形成されており、この接続口Tdに燃料タンクTの外側から水平方向に逆止弁10が挿入されると共に、この接続口Tdを囲むように燃料タンク用管接続体11が溶着されている。
【0088】
図4に示すとおり、逆止弁10の流出口14bと、燃料遮断弁BC及び満タン検知バルブBFとが近接しているため、このような場合において、仮に、流出口から流出する燃料の流出方向が一定方向に定められていない従来の逆止弁(特許文献1)を使用する際には、燃料が水平方向に勢いよく流出して、燃料が燃料遮断弁BCや満タン検知バルブBFにあたり、燃料遮断弁BCや満タン検知バルブBFの誤作動を招く可能性がある。
【0089】
本実施形態の逆止弁10においては、流出口14bから流出する燃料の飛散を抑えて、流出方向を通路形成部材14の中心軸の方向と異なる一定方向に定める構成であるため、燃料の流出方向を燃料タンクTの底面側に向けることにより、燃料が燃料遮断弁BCや満タン検知バルブBFに勢いよくあたることを防止して、燃料タンクTの底面に向かって円滑に燃料を流出することが可能となる。
【0090】
なお、本発明は上述した第1〜3の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能であることは言うまでもない。
【0091】
例えば、第1実施形態において、2枚の案内壁17は、通路形成部材14の取付部14eを含む軸断面に対して軸対象に配置されているが、非軸対象に配置してもよい。また、各案内壁17は、それぞれ、通路形成部材14の流出口14b側の外周部の全周の1/4程度を覆っているが、各案内壁17が流出口14b側の外周部を覆う幅は、流出口14b側の外周部の全周の1/4程度に限らず、この幅を目安として、逆止弁10の用途に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 … 逆止弁 11 … 燃料タンク用管接続体
12 … 通路形成部 13 … 接続用溶着部
13d … 突起 14 … 通路形成部材
14a … 通路 14b … 流出口
14c … 流入口 14d … フランジ
14e … 取付部 15 … 弁プレート
15a … 閉止部 15b … 被取付部
16 … 規制板 17 … 案内壁
T … 燃料タンク Ta … メインタンク部
Tb … サブタンク部 Tc … 鞍部
Td … 接続口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクの接続口に一端側が挿入されて該接続口に接続される逆止弁であって、
通路、該通路の一端に設けられた流出口、及び該流出口側の外周部に設けられた取付部を有する、直管状の通路形成部材と、
前記取付部に取り付けられた被取付部、及び閉弁方向に作用する付勢力を常時受けつつ前記流出口から流出する燃料から受ける流体圧力に応じて該被取付部を中心として回動することにより該流出口を開閉する板状の閉止部を有する、弁プレートと、を備え、
前記通路形成部材が、該通路形成部材の流出口側の端部から該通路形成部材の中心軸と平行に突出して延設され、かつ前記取付部を含む軸断面を挟んだ両側に互いに対向して配設された、2枚の案内壁を有し、
開弁時の前記閉止部と2枚の前記案内壁とによって前記流出口から流出する燃料を案内して、該燃料の流出方向を、前記中心軸の方向と異なる方向で、かつ前記取付部と反対の方向に定めることを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
前記案内壁が、最大開度まで開弁した前記閉止部の閉止面を含む平面よりも突出する位置まで延設されている請求項1に記載の逆止弁。
【請求項3】
前記通路形成部材の前記流出口を含む平面が前記通路形成部材の中心軸と直交する平面と傾斜するように、該流出口が該中心軸に対して斜めに形成され、
前記取付部が、前記通路形成部材の前記流出口側の外周部のうち最大突出部位に在る請求項1又は2に記載の逆止弁。
【請求項4】
さらに、前記流出口の周方向の位置を位置決めする位置決め手段を備える請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の逆止弁。
【請求項5】
さらに、前記閉止部の最大開度を規制する規制手段を備える請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の逆止弁。
【請求項6】
前記弁プレートが、前記被取付部と前記閉止部とが一体成形された板ばねよりなり、
前記付勢力が、前記被取付部と前記閉止部とのなす角度の変動によって発生する弾性力である請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の逆止弁。
【請求項7】
メインタンク部部、サブタンク部、並びに該メインタンク部部及び該サブタンク部を接続し接続口が設けられた鞍部を有するタンク本体と、
前記接続口に接続された請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載の逆止弁と、を備え、
前記逆止弁から流出する燃料の流出方向をメインタンク部部側に向けることを特徴とする鞍型燃料タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−173499(P2010−173499A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19005(P2009−19005)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】