説明

透明プラスチックのパネルの重要な視界領域での熱の増強

透明なプラスチックの光沢パネルの重要な視界領域で生成される熱の量を増大させるプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリである。そのアセンブリは、透明なプラスチックのパネル及び約ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を有する導電性のインクを印刷することによって形成された導電性のヒータ・グリッドを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年12月10日に出願の米国仮特許出願第60/635106号の利益を主張するものであり、その全体の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ガラスのパネル又はウインドウ用に設計されたヒータ・グリッドは、プラスチックのパネル又はウインドウ用に設計されたヒータ・グリッドと比較して、そこに使用するのに適した導電性物質タイプの間に多くの違いがある。特に、ガラスのパネル又はウインドウに関する製造プロセスにより、ヒータ・グリッド形成するのに使用される導電性の金属ペーストが高温(>300℃)で焼結できるようになる。金属ペーストを高温に曝すことにより、ペースト内の金属粒子が軟化し、共に融解できるようになり、それによって比較的高いレベルの導電性又は低い電気的な面抵抗率(S.R.≦2.5ミリオーム/スクエア@25.4μm[1ミル])を示す焼結されたグリッド線になる。さらに、この焼結プロセスは、酸化物の表面の機能性を形成することができ、それによって、ガラスのパネル又はウインドウの表面に焼結された金属グリッド線を適切に付着させることができる。
【0003】
それと比較して、ほとんどのポリマー・システムによって示されるガラス転移温度(Tg)は、300℃の処理温度のはるかに下である。したがって、プラスチックのパネル又はウインドウは、ガラスのパネル又はウインドウの製造プロセスに見られる比較的高い温度に曝すことができない。プラスチックのパネル又はウインドウに関しては、導電性の金属ペーストは、通常、プラスチックのパネルによって示されるTgより約10℃以上だけ低い温度に曝すことができる。例えば、ポリカーボネートは、140℃程度のTgを有する。この場合、金属ペーストに関する硬化温度は、約130℃を超えるべきではない。この低温においては、金属粒子は軟化又は共に融解しない。さらに、プラスチックのパネル又はウインドウを接着するために、ポリマー層が導電性のペーストに存在しなければならない。このポリマー材料は本質的に、間隔が密接した金属粒子の間の誘電体としてふるまう。したがって、硬化された金属ペーストによって示される導電性は、焼結されたペーストによって示される導電性よりも低くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高温の基材(例えばガラス)上に印刷された焼結された金属ペーストと比較して、プラスチック基材上で硬化された導電性のペーストによって示されるより低い導電性、並びにガラスと比較してプラスチックによって示されるより低い伝熱性のため、ヒータ・グリッドの機能性は、長いグリッド線が必要である場合にひどく損なわれる。業界において、大型車両のバックライト、リア・ウインドウ用の許容できる霜取り器を提供するために、重要な視界領域で生成され、放散された熱の量を増大させ、最適化することが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、プラスチックのウインドウ・アセンブリの重要な視界領域内に生成された熱の量の増大をもたらす。本発明の1つの実施例は、透明なプラスチックのパネル、少なくとも1つの保護層、及び「高度に導電性の」インクを印刷することによって形成される導電性のヒータ・グリッドを備えるプラスチックのウインドウ・アセンブリを述べ、その場合、印刷された「高度に導電性の」インクは、約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を示すように硬化される。別の態様では、本発明は、約30オーム未満の抵抗を示す第1のグリッド線、及び約1オーム未満のヒータ・グリッド全体に対する総合的な抵抗を有するヒータ・グリッドを備える。別の態様では、本発明は「可変幅」の手法、「収束線」の手法、又は「交差線」の手法のいずれかを使用することによって第1のグリッド線を通って流れる電流の量の増大を述べている。
【0006】
本発明は、プラスチックのウインドウ・アセンブリの表面を霜取り及び曇止めする方法も述べる。この方法によれば、印刷された導電性のヒータ・グリッドに電圧を加えることにより、電流が導電性のヒータ・グリッドの第1のグリッド線を通って流れ、第1のグリッド線を流れる電流の流れにより、ヒータ・グリッドの第1のグリッド線を抵抗加熱させ、第1のグリッド線の抵抗加熱により、透明なプラスチック光沢パネル(glazing panel)の表面が霜取り及び曇止めされ、第1のグリッド線を通る電流の流れが約0.4アンペアより大きくなり、第1のグリッド線に関する抵抗に対する電流密度の比率が約1アンペア/オーム−mmより大きくなり、透明なプラスチックのパネルの表面が霜取りされ、曇止めされた後、又は定義された時間間隔の後にヒータ・グリッドから電圧を遮断する。
【実施例】
【0007】
本発明は、「Passenger Car Backlight Defogging System」という名称のSAE J953(1999)テスト・プロトコル(ペンシルベニア州Warrendaleの米国自動車技術者協会)の形の許容された自動車霜取り基準に適合するようにパネルを霜取りすることができるように、透明なプラスチック光沢パネルに適用されたヒータ・グリッドに関する。このテストに適合するために、ヒータ・グリッドは、プラスチックのウインドウ・アセンブリの一部分のとき、ウインドウ又はパネルの重要な視界領域で生成された熱の量を増大させ最適化するための1つ又は複数の構造を利用する。これらの第1のものは、第1のグリッド線によって示される面抵抗率、及びヒータ・グリッド設計によって示される総合的な電気抵抗に対する特定の要件に適合し又は超える導電性の金属ペースト又はインクを使用することを伴う。別のものは、第1のグリッド線と共に収束し、第1のグリッド線と交差する重要でない視界領域の追加の第2のグリッド線の使用を取り入れている。別の構造では、重要な視界領域での第1のグリッド線の加熱の特性を向上させるために可変のグリッド線幅が利用される。
【0008】
自動車産業によって採用されているようなSAE J953(1999)基準試験は、ウインドウ上に霜又は氷を形成することから、時間の関数として明瞭にされた視覚領域の百分率を測定することに及ぶ10の段階を含む。総合的な手順が表1に全体的に述べられている。30分未満に視界領域の少なくとも75%を霜取りできるヒータ・グリッドを備えるウインドウは、この基準によれば、自動車の用途での使用に対して許容できる。しかし、多くの自動車製造業者は、ヒータ・グリッドが20分などのより狭く規定された時間枠でウインドウを霜取りすることができることを好み、10分未満が特に好まれる。
【0009】
【表1】

【0010】
参照によって本明細書に組み込まれる米国特許公報第20050252908A1号に記載されるようなプラスチックのパネル(ポリカーボネート4mm厚)用に設計されたヒータ・グリッドは、霜取りされる氷がパネルの反対側の外側表面に存在しながら、ヒータ・グリッドがパネルの内側表面に配置される場合に、SAE J953(1999)基準に適合することができる。このヒータ・グリッドを使用して、約55℃の第1のグリッド線温度が30分以内にプラスチックのパネルを霜取りすることが可能である。約60℃で20分の内に霜取りが行われ、約70℃で10分の内に霜取りが行われる。それぞれがプロット10及び12として示される、プラスチックのパネルの内側表面(ヒータ・グリッドがその上に担持される表面)のグリッド線温度、及びパネルの外側表面(霜が付いた表面)の温度のプロットが図1に示される。便宜のために、グリッド線温度の測定値(熱特性)が周囲環境の温度(22.5℃)で取られる。プラスチックのパネルの外側表面によって示される温度も22.5℃の周囲環境の温度で測定される。図1で理解できるように、氷又は霜と接触していた表面である外側のプラスチック面の平衡温度は、プラスチックのパネルの内側表面上のグリッド線の温度よりも約15〜20℃低かった。
【0011】
10、20、又は30分以内にプラスチックのパネルを霜取りするために、パネルの外側表面温度は、それぞれ約50℃、45℃、及び40℃に達しなければならない。これから、温度比が、22.5℃の周囲環境の温度に対して(SAE J953プロトコルによって定められるような)プラスチックのパネルの外側表面を霜取りするために必要な内側表面温度として規定できる。したがって、10、20、又は30分以内にプラスチックのパネルを霜取りするために、第1のグリッド線及び外側表面は、それぞれ約2.2、2.0、及び1.8の温度比を示さなければならない。発明者らは、グリッド線温度(パネルの内側表面)と外側表面温度(パネルの外側表面)との間の温度差に対する原因が、プラスチックのパネルによって示される熱伝導率又は熱拡散率が比較的少ないことにあると考えている。
【0012】
テスト・プロトコルを使用して、例えば霜又は氷と接触する、40〜70℃の間のウインドウの外側の表面温度を設定するように、自動車への用途に関するプラスチックのウインドウを霜取りするための好ましい設計領域14を図1に示すことができる。プラスチックのパネルのヒータ・グリッドの第1のグリッド線及びバスバーに対して許容できる最大温度が70℃であるので、安全上の配慮により、ウインドウの外側表面に関するヒータ・グリッドの位置は、ヒータ・グリッドによって示された霜取り及び曇取り能力を最適化するために設計上の考慮を行う重要な点である。
【0013】
図2で理解できるように、ヒータ・グリッド16は、プラスチックのウインドウ・アセンブリ20の外側表面18の付近(概略図A)、プラスチックのウインドウ・アセンブリ20の内側表面22(概略図B及びC)に配置され、又はプラスチックのパネル内に封入できる(概略図D)。ヒータ・グリッド16に関するそれぞれの可能な位置は、総合的な性能及び費用に関連して異なる利点をもたらす。ヒータ・グリッド16をプラスチックのウインドウ・アセンブリ20の外側表面18の付近(概略図A)に配置することは、プラスチックのパネル24を霜取りするために必要な時間を最小限に抑えるために好ましいものである。ヒータ・グリッド16をプラスチックのウインドウ・アセンブリの内側表面22上(概略図C)に配置することは、システム全体に対して適用が容易であり、製造コストがより低くなることにより好ましいものである。
【0014】
透明なプラスチックのパネル24は、任意の熱可塑性ポリマー樹脂又はその混合物又は組合せから構成できる。熱可塑性樹脂には、それらには限定されないが、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリスルホン樹脂、並びにそのコポリマー及び混合物を含むことができる。透明パネル24は、鋳造、熱成形、又は押出し成形などの当業者に知られた任意の技術を使用することによってウインドウに形成できる。透明のパネル24は、不透明のインクを印刷し、又は不透明の樹脂を使用する境界部を鋳造することによって付着される、ブラックアウト境界部26及びロゴなどの不透明性の領域をさらに備えることができる。
【0015】
ヒータ・グリッド16は、導電性のインク又はペースト、及びそれらには限定されないがスクリーン印刷、インク・ジェット、又は自動ディスペンシング(automatic dispensing)を含む、当業者に知られた任意の方法を使用して、プラスチックのパネル24の内側表面28又は外側表面30上に、或いは保護層32の表面上に直接的に一体的に印刷できる。自動ディスペンシングには、ドリップ・アンド・ドラッグ(drip & drag)、ストリーミング(streaming)、及びシンプル・フロー・ディスペンシング(simple flow dispensing)などの接着剤塗布の分野の技術者に知られた技術が含まれる。
【0016】
プラスチックのパネル24は、パネル24の外側及び/又は内側の両方にある単一の保護層32、又は追加のオプションの保護層34の使用を介して、紫外線、酸化、及び磨耗に曝されるなどの自然発生的な事象から保護できる。少なくとも1つの保護層32を備える透明なプラスチックのパネル24が透明なプラスチック光沢パネルとして本明細書に定義される。
【0017】
保護層32、34は、プラスチック・フィルム、有機コーティング、無機コーティング、又はその混合物から構成できる。プラスチック・フィルムは、透明パネルと同じ又は異なる構成のものであることができる。フィルム及びコーティングは、磨耗耐性を向上させるために、紫外線吸収剤(UVA)分子と、分散剤、界面活性剤、及び透明な充填剤(例えば、ケイ酸、酸化アルミニウム等)などの流動性を制御する添加剤と、光学的、化学的、又は物理的特性を調整するためのその他の添加剤とを含むことができる。
【0018】
有機コーティングの例には、それらには限定されないが、ウレタン、エポキシ、及びアクリレート、並びにその混合物又は配合物が含まれる。無機コーティングのいくつかの例には、シリコーン、酸化アルミニウム、フッ化バリウム、窒化ホウ素、酸化ハフニウム、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化炭化ケイ素、炭化ケイ素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウム、又はガラス、及びその混合物又は配合物が含まれる。
【0019】
コーティングは、当業者に知られた任意の適切な技術によって塗布できる。これらの技術には、真空アシスト堆積法(vacuum−assisted deposition processes)で使用されるような反応種(reactive species)からの堆積、及び基材にゾル−ゲル法コーティングを塗布するのに使用されるような大気中での被覆法が含まれる。真空アシスト堆積法の例には、それらには限定されないが、プラズマ促進化学蒸着、イオン・アシスト・プラズマ堆積(ion assisted plasma deposition)、マグネトロン・スパッタリング、電子ビーム蒸着、及びイオン・ビーム・スパッタリングが含まれる。大気中での被覆法の例には、それらには限定されないが、カーテン・コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、浸漬コーティング、及びフロー・コーティングが含まれる。
【0020】
上記に示したように、ヒータ・グリッドは、グリッド・パターンをプラスチックのパネルの上、保護層32の上、又は2つの保護層の間に塗布することによってウインドウ・アセンブリ20の内側表面22又は外側表面18の付近に配置できる。1つの構造では、ヒータ・グリッド16は、プラスチックのパネルの内側表面28の上、及び任意のすべての保護層32、34の下に印刷することができ(概略図B)、別の構造は、最も内側(車両の内側)の保護層34の表面の上に印刷されたヒータ・グリッド16を備える(概略図C)。例えば、印刷された霜取り器16を備えるExatec(登録商標)900自動車用ウインドウ光沢システムを備えるポリカーボネート・パネル24は、概略図Cの実施例に対応する。この特定の場合には、透明なポリカーボネート・パネル24は、複数層のコーティング・システム(Exatec(登録商標)SHP−9X、Exatec(登録商標)SHX、及び「ガラス様」コーティング(SiO)の堆積された層)によって保護され、次いでそれは車両の内側に面する保護層34の露出面上のヒータ・グリッド16を使用して印刷される。さらに別の構造として、ヒータ・グリッド16が1つ又は複数の保護コーティング32、34の1つ又は複数の層の上部に配置でき、それに続いて1つ又は複数の保護コーティングの1つ又は複数の追加の層を使用して上塗りされる。例えば、ヒータ・グリッド16は、シリコーン保護コーティング(例えばAS4000、GE Silicones社)の上部に配置され、それに続いて「ガラス様」フィルムを使用して上塗りすることができる。
【0021】
概略図Aの構造では、ヒータ・グリッド16がアセンブリ20の外側表面18の付近に配置され、さらに別の実施例では(概略図D)、ヒータ・グリッド16をプラスチックのパネル24自体の内側に配置する。これらの2つの実施例は、ヒータ・グリッド16を透明なプラスチックの薄いフィルム又はパネルに最初に塗布することを伴うことができる。透明なフィルム又はパネルは、続いてウインドウの形に熱成形され、その後鋳型の中に入れられ、プラスチックのパネル又はウインドウ20を形成するために、射出成形を介してプラスチック溶融を受けることができる。薄いフィルム及び透明のパネル24、又は2つの透明のパネル24は、積層し、又は互いに接着剤で接着することもできる。ヒータ・グリッド16がその上に配置される薄いプラスチックのパネル24又はフィルムは、装飾インク又はブラックアウト・ボーダー26、並びにその他の追加の機能性を含むこともできる。
【0022】
ヒータ・グリッド16の第1のグリッド線が許容可能な霜取り及び曇取りの性能(図1を参照)を得るために必要な温度に達するために、高導電性のペースト又はインクが必要であることが認められた。従来の導電性のペースト又はインクは、プラスチックの自動車用ウインドウに関する霜取り器として機能するためのその能力が非常に限定されている。第1に、従来の導電性のインク及びペーストによって示される比較的低い導電性によって、ヒータ・グリッド16が適切に機能するためのグリッド線の長さは約750mm(〜30”)に限定される。不都合なことに、ほとんどの車両のリア・ウインドウは、750mmより幅が広く、750mmを超えるグリッド線を備えるヒータ・グリッド16を必要とする。従来の導電性のインク又はペーストの例が、それに関連する製造業者と共に表2に示される。表2に記載されるように、従来の導電性のインク又はペーストによって示される面抵抗率は、スクエア@25.4μm(1ミル)当り10.0ミリオーム以上である。
【0023】
【表2】

【0024】
様々な材料の性能を分析する、ガラスのウインドウ用に作製された、印刷され焼結された霜取り器のグリッド線によって実証されるものと同様の許容可能な性能レベル。他方で、前述のように、従来の銀ペースト又はインクによって示されるような許容不可能な性能が見られる。0.6mmの幅、約8〜10μmの高さ、及び約1000mm(〜35”)の長さを有する様々なタイプのグリッド線の性能の比較が図3に示される。ガラスのウインドウ上の焼結されたグリッド線(プロット36)は、約40℃の温度を達成するために約0.85アンペアの電流の流れを必要とする。それと比較して、ポリカーボネートの表面上に印刷された従来のインク(プロット38)を備える同様の寸法のグリッド線は、約40℃に達するのに約0.28アンペアしか必要としない。これが生じる第1の理由は、ポリカーボネートに印刷されたインクによって示される高い面抵抗率(ガラス上の面抵抗率(2.5ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満)に対して10ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)より大きい)によると考えられている。抵抗加熱では、発生する熱の量は、グリッドを通って流れる電流の量及びグリッド線の抵抗に大きく依存する。より抵抗値の高いグリッド線は、必要な温度を発生させるために必要な電流の量がより少ないが、同時にオームの法則に示されるように、電流を確立するためにより多くの量の電圧も必要とする。
【0025】
発明者らは、ある種のタイプの導電性のインク又はペーストが、プラスチックのパネルに使用された場合、ガラスのパネル上に焼結されたインクに関して観測される性能により近似した性能に導くことができることを見出した。発明者等は、約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満、及び好ましくは約6ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を示す「高導電性」の印刷されたインクが、750mm(〜30”)を超えるグリッド線を備えるプラスチックのパネル上で正常に機能する霜取り器を作成するのに使用できることを発見した。図3のプロット線40に示されるように、グリッド線(0.6mmの幅を有し、「高導電性」インクを使用して作製された)が40℃の最小温度を達成するために必要なのは約0.6アンペアよりわずかに大きい電流である。それぞれ約0.8アンペア及び1アンペアより大きいものがグリッド線を通って流れる場合、50℃及び60℃のより好ましい温度が達成できる。
【0026】
典型的な自動車の12ボルト(13.1ボルトの期待される出力)のバッテリーを約0.225mm以上の幅を有する「高導電性」インクのグリッド線に接続すると、図4に示されるようにグリッド線を通る電流の流れが約0.4アンペアより大きい場合に40℃の最小温度が達成できる。約0.3mmよりも大きい幅である、わずかに大きな幅の「高導電性」のインクのグリッド線を通って流れる電流が、約0.6アンペアより上に上昇された場合に、50℃のより好ましい温度を達成できる。約0.5mmよりも大きい幅を有する、「高導電性」のインクのグリッド線を通って流れる電流が、約0.85アンペアより上である場合に、60℃のさらにより好ましい温度を達成できる。約0.6mmよりも大きい幅を有する、「高導電性」のグリッド線を通って流れる電流が、約1アンペアより上である場合に、70℃の最大温度を達成できる。したがって、図4の矢印42によって設計されたそのような「高導電性」インクに関する好ましい設計基準は、0.4アンペアより大きく且つ少なくとも0.225mmの幅である。
【0027】
「高導電性」のインクは、キャリア媒体(carrier medium)に分散された導電性の粒子(例えば、薄片(flakes)又は粉末)で構成できる。「高導電性」のインクは、それらには限定されないが、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、又はそれらの混合物及びコポリマーを含むポリマー・バインダーをさらに含むことができる。いくつかの例を挙げると、分散剤、チキソトロープ、殺生物剤、酸化防止剤、金属塩、金属化合物及び金属分解生成物などのその他の様々な添加剤が、「高導電性」のインク内に存在する可能性がある。金属塩及び金属化合物のいくつかの例には、三級脂肪酸銀塩、金属炭酸塩、及び金属酢酸塩化合物が含まれる。有機金属の分解生成物のいくつかの例には、カルボン酸金属せっけん、ネオデカン酸銀及び金アミン2−エチルヘキサン酸が含まれる。「高導電性」のインクのさらなる例、並びに金属塩、金属化合物、及び金属分解生成物のさらなる記載は、欧州特許第01493780号、米国特許公報第2004/0248998号、並びに米国特許第5,882,722号、米国特許第6,036,889号、米国特許第6,379,745号、及び米国特許第6,824,603号に確認され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0028】
本発明に適用可能な「高度に」導電性のペースト又はインク内に存在する導電性の粒子は、それらには限定されないが、銀、酸化銀、銅、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、スズ、又はそれらの混合物又は合金、並びに金属ジカルコゲナイドなどの任意の金属化合物を含む金属から構成できる。これらの導電性の粒子、薄片、又は粉末は、ポリアニリン、非晶質炭素、及びカーボン・グラファイトなどの当業者に知られたいくつかの導電性の有機材料を含むこともできる。任意の粒子、薄片、又は粉末の粒子寸法は多様である可能性があるが、約40μm未満の直径が好ましく、1μm未満の直径が特に好ましい。粒子充填を最適化することによって、導電性を高め、面抵抗率を低くするために、複数の粒子のタイプ及び寸法を混合したものが利用できる。「高導電性」のペースト又はインク内のキャリア媒体として作用する任意の溶剤は、有機樹脂、添加剤、又は導電性の粒子に対して溶解性又は分散安定性をもたらす任意の有機ビヒクル(organic vehicle)の混合物であることができる。
【0029】
発明者らは、本発明に適用可能な「高度に導電性の」インクに関して、図5の点線及び矢印43によって示されるように、グリッド線の抵抗値に対する電流密度(アンペア/mmの単位で与えられるグリッド線の断面領域を通過する電流)の比率がオーム−mm当り約1アンペアより大きくなることが好ましく、オーム−mm当り約2アンペアより大きくなることが好ましいことを発見した。さらに、各グリッド線は、約30オーム未満の電気抵抗(R)を示すべきである。電流密度及び抵抗は、当業者のだれによっても容易に測定できる材料及び回路設計の両方の知られた電気特性である。従来の導電性のインク(プロット44)、及び本発明で利用されるような「高度に導電性の」インク(プロット46)から構成された、40℃と70℃の間の様々な温度を示すグリッド線の抵抗に対する電流密度のプロットが図5に示される。
【0030】
所与の温度ごとに、グリット線の抵抗に対する電流密度のプロットは、従来の線形回帰分析ツールを使用して直線としてモデル化できる曲線をもたらす。曲線を当てはめられた線の傾きは、抵抗率に対する電流密度の比率を与える。図5に示されるように、10ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)よりも大きい面抵抗率を有する従来の導電性のインクは、1アンペア/オーム−mm未満の、抵抗に対する電流密度(曲線当てはめ分析の傾き)の比率を示し、約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を有する本発明に適合可能な「高度に導電性の」インクは、1アンペア/オームmmより大きい、抵抗に対する電流密度の比率を示し、約2アンペア/オーム−mmより大きいことが好ましく、約3アンペア/オーム−mmより大きいことが特に好ましい。
【0031】
発明者らは、グリッド線の体積の関数としてプロットされた場合の測定されたグリッド線の抵抗のデータが、図6に示されるようなべき乗則関数を使用してモデル化できることも発見した。プロット48によって理解できるように、10ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)より大きい面抵抗率を有する従来の銀インクから構成されるグリッド線に関して、比例定数(y)は、約510であり、べき乗則関数に関連する指数は約−1.28である。「高度に導電性の」インクから構成されるグリッド線は、500未満、約300未満、及びさらには約200未満であることが好ましい比例定数を有するかなり異なるべき乗則の関係を示す。図6で理解できるように、この比例定数は約145である。同様に、8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率の「高い導電率」のインクに関するべき乗則関数に関連する指数は、約−1.0程度である。測定されたデータへのべき乗則モデルの適合性は、図6の部分図に実証されている。べき乗則関数は、両対数グラフにプロットされた場合に、線の傾きが関数の指数又は累乗を表し、図示されるようにy切片が比例定数になっている直線を生み出す。
【0032】
発明者らは、第1のグリッド線又は第1のグリッド線のセグメントを通って流れる電流の量が、「可変幅」の手法、「収束線」の手法、又は両方の手法の組合せのいずれかを使用することによって増大できることを発見した。図7は、(i)可変幅の手法、(ii)収束線の手法、及び(iii)収束線又は幅74の変化がまったくない従来のグリッド線72の構造を示すグリッド線の比較を示す。
【0033】
「可変幅」の手法は、プラスチックのウインドウ・アセンブリの重要な視界領域54に入るときに第1のグリッド線52の幅51を縮小させることを含む。重要な視界領域54は、車両の設計に基づいた車両の製造業者によって決定される。しかし、この重要な視界領域54は、通常、バックミラーを使用する場合に運転者によって見ることが可能なバックライトの領域を示す。言い換えれば、第1のグリッド線52の幅51は、重要な視界領域54の各バスバー又は端部線セグメント56と線セグメント58との間で少なくとも1回縮小する。
【0034】
「収束線」の手法は、好ましくは重要な視界領域54の外、又は重要でない視界領域内で、第2のグリッド線60が一定の幅61の第1のグリッド線62と交差できるようにする。この手法では、(第2のグリッド線60の)収束線セグメント66の幅63と結び付けられた場合の(第1のグリッド線62の)端部線セグメント64の幅61が、第1のグリッド線62の中心線セグメント58の幅61よりも大きい。重要な視界領域での第1のグリッド線52、62、又は第1のグリッド線のセグメント58を通って流れる電流が増加することが、その領域のグリッド線の抵抗加熱の関連する増加をもたらし、したがって、プラスチックのウインドウ・システムを霜取り又は曇取りするのに必要な時間の量を短縮させる。
【0035】
「可変幅」の手法は、第1のグリッド線52の長さ全体にわたって複数回使用できる。言い換えれば、第1のグリッド線52の幅57は、重要な視界領域54での第1のグリッド線52のセグメント58を通る電流の流れを最適化するために複数回縮小できる。第1のグリッド線内の電流は、グリッド線の幅の各段階的変化が各第1のグリッド線52の向かい合う、左右の端部に対して対称的に行われる場合に最適化される。同様に、「収束線」の手法での第2の線60の使用は、第1のグリッド線62の左右の両方の端部に第2のグリッド線60を使用することによって対称的に行われるべきである。これらの両方の手法は、第1のグリッド線を通って流れる電流の増加を約10%より大きくもたらすものとして示されてきた。
【0036】
電流の量を最適化するために「可変幅」又は「収束線」の手法を使用する利点を示す1つの例が表3に示され、それは図7に示されるグリッド線を利用する。この例に関しては、58、64、66、及び56として識別される各グリッド線のセグメントは、それぞれ標識され、約9.0μmの厚さ又は高さで約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を示す高い導電性のインクを使用して印刷された。各グリッド線のセグメントの長さと幅が表3に表される。次いで、各線のセグメントの抵抗が、図7に示される各グリッド線に関する総合的な抵抗の手法と共に決定された。グリッド線の構造に対する「従来の」手法(iii)の総合的な抵抗は、16.80オームのところで最高であることが認められ、「収束線」の手法(ii)及び「可変幅」の手法(i)を使用するグリッド線は、それぞれ12.06オーム及び14.10オームのより小さな総合的な抵抗を示した。13.1ボルトを加えるとき、第1のグリッド線のそれぞれを通って流れる電流は、手法i、ii、iiiに関して、それぞれオームの法則を使用して0.93、1.09、及び0.78アンペア程度であると決定された。したがって、「可変幅」の手法、及び「収束線」の手法の両方は、約10%以上、重要な視界領域での第1のグリッド線を通って流れる電流を増加させることができる。
【0037】
【表3】

【0038】
別の構造として、「可変幅」の手法は、印刷されたグリッド線52の幅の複数の変化を含むことができ、それによって、時間に対する霜取りの性能においての違いを示す複数の区域を確立する。例えば、印刷されたグリッド線52の幅が各端部から2回縮小された場合、これらの区画のうちの3つのみが霜取り能力において異なる全部で5つの区域が形成される。グリッド線の幅のそれぞれの縮小は、急激に行われ(幅に段差を付ける)、又は数ミリメートルの長さにわたって次第に行われ(幅を先細にする)てもよい。グリッド線の幅の連続的な縮小は同様に、同じ効果を示すことができる。この特定の実施例では、重要な視界領域の中心付近の各グリッド線の部分、線セグメント58は、最も狭い幅を有するべきであり、各グリッド線の中心から各グリッド線の両端部に移動するにつれ、各グリッド線の幅が次第に広くなる(線セグメント56)。
【0039】
「収束線」の手法(ii)は、或いは、別の第1のグリッド線62と共に収束する前に少なくとも1つの第1のグリッド線62と交差する第2の線60、並びに同じ第1のグリッド線62と共に収束する複数の第2の線60を備えることができる。第2のグリッド線60は、第1のグリッド線62と同じ、又はそれとは異なる幅のものであることができる。さらに、第2のグリッド線60は、第2のグリッド線60の長さ全体にわたる幅の変化を示すこともできる。したがって、第2のグリッド線60は、第2のグリッド線60の長さ全体にわたる可変幅の手法の使用を取り入れることもできる。
【0040】
発明者らは、第1のグリッド線74又は第1のグリッド線74のセグメントを通って流れる電流の量を図8に示されるような「交差線」の手法を使用することによって増大できることも発見した。「交差線」の手法は、重要な視界領域内又は重要でない視界領域内で、第2のグリッド線76が1つ又は複数の第1のグリッド線74と交差できるようにする。「交差線」の手法と「収束線」の手法との間の違いは、第2の線76が第1のグリッド線74と共に収束せず、「交差線」の手法の第2の線76が第1のバスバー78から開始し、同じバスバー78又は第2のバスバー80と交差する点で終端する。2つ以上のバスバー78、80が霜取り設計に存在する場合、第1及び第2のバスバー78、80は、それぞれすべての負及び正のバスバーを代表する。第2の線76は、第1の線74と垂直に(図示されるように)又はその他のなんらかの角度で第1の線74と交差することができる。「交差線」の手法は、「可変幅」又は「収束線」の手法又はその両方と結び付け、使用できる。
【0041】
以下の特定の実施例は、本発明を例示するために与えられ、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【0042】
「実施例1」
面抵抗率を測定するための方法
本発明に適用可能な高度に導電性のインクを使用して、プラスチック基材の上にグリッド線が印刷された。この例では、高度に導電性のインクは、Exatec(登録商標)100/101(表2)として認識される銀を充填された導電性のインクである。次いで、印刷されたインクは約1時間の間、約129℃で熱硬化された。グリッド線の長さはマイクロキャリパーを使用して測定され、グリッド線の幅及びグリッド線の高さはプロフィロメータを使用して測定された。同様に、グリッド線の総合的な電気抵抗は、オーム・メータを使用して測定された。この実施例でのグリッド線に関して得られた測定値が、「高度に導電性の」インクによって示された面抵抗率の値を得るために必要な計算と共に表4に示される。
【0043】
第1に、グリッド線内に存在する正方形の数が、測定されたグリッド線の長さを測定されたグリッド線の幅で割ることによって計算される。この実施例でのグリッド線は、181.8の正方形を表すことが認められた。次いで、面抵抗率が、グリッド線の測定された抵抗に25.4マイクロメートル(1ミル)の基準高さに調整された測定されたグリッド線の高さを掛け、続いて、計算された正方形の数によって割ることによって計算される。4.8ミリオーム/スクエアの面抵抗率が、この例に使用されるインクに関して得られた。したがって、この実施例は、従来の導電性の又は「高度に導電性の」インクによって示される面抵抗率を決定するのに利用される方法を実証する。
【0044】
【表4】

【0045】
「実施例2」
導電性のインクの比較
本発明に適用可能な高度に導電性のインクの3つの例と共に表2に示されるような13の従来の導電性のインクが様々な製造業者から入手された。次いで、グリッド線が、異なる導電性のインクのそれぞれを使用してポリカーボネート基材の上に印刷された。次いで、印刷されたインクのそれぞれは、製造者の推奨する手順によって硬化された。高度に導電性のインクは、約129℃で約1時間の間、硬化された。次いで、硬化されたインクのそれぞれによって示された面抵抗率の値は、実施例1に述べられた方法に従って決定された。従来の導電性の銀インクのそれぞれによって示された面抵抗率、及び高度に導電性のインクの面抵抗率が表2に示される。この例は、従来の導電性のインクが、10ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)以上の面抵抗率の値を示し、本発明に適用可能な高度に導電性のインクは、約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の、好ましくは約6ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率の値を示すことを実証する。
【0046】
「実施例3」
「可変幅」の手法
ヒータ・グリッドが、参照によって本明細書に組み込まれる2004年5月17日に出願された米国特許出願第10/847250号に記載された基本的なヒータ・グリッド設計を使用して、自動車(セブリング・コンバーチブル・クライスラー社)に適合するプラスチックのウインドウ・システム用に設計された。このヒータ・グリッド設計81が、グリッド線の太い組82及び細い組84の両方を備え、それらの幅が0.4mmより大きいことを前提に、その両方が本発明の「第1の」グリッド線として見なされることができる。図9に示されるように、ヒータ・グリッド81の9本の太いグリッド線82が、幅において約0.9から1.5mmの範囲にあり、24本の細いグリッド線84が、幅において約0.25から0.30mmの範囲にある。したがって、この特定の実施例では、太いグリッド線82のみが本発明の中で定義されるような第1のグリッド線であると見なされる。霜取り器81は、約8ミリオーム/スクエア@25.4mm(1ミル)未満の面抵抗率を示す、高度に導電性のインク(Exatec(登録商標)100/101)を使用して印刷された。「可変幅」の手法を使用することによって電流の流れがこの霜取り器に関して最適化され、幅においての変化が全体的に二重線86で生じる。
【0047】
霜取り設計81のすべてのグリッド線82、84の幅は、各グリッド線の両端部から対称的に1回縮小され、それによって、2つの異なる加熱区域A及びBを形成し、区域Bが霜取り器の各側部で複製されていた。幅の縮小は、グリッド線82、84の間で様々になっていたが、図9内の表に示されるように、太いグリッド線82及び細いグリッド線84に関して、それぞれ、約0.40mm及び0.05mm程度であった。区域Aは、重要な視界領域として見なされる区域を表す。太い/第1のグリッド線は、長さが710mmから約778mmの範囲にあり、各グリッド線の約600mmが区域A内にあった。各グリッド線の印刷された高さは、太い第1のグリッド線82に関して9マイクロメートル程度であり、細いグリッド線84に関して約11マイクロメートルであると測定された。
【0048】
霜取り器81は、4mm厚のポリカーボネート基材の表面上に印刷された後に、1時間の間129℃で熱硬化され、それに続いてExatec(登録商標)900 Glazing System(ミシガン州WixomのExatec LLC)によって被覆された。ヒータ・グリッドの霜取り特性は、SAE J953プロトコルに従って試験され、約8分間の内に、視界領域全体の約75%を霜取りすることが認められた。
【0049】
「可変幅」の手法を介して電流を増大させることによって13.1ボルトを加えたときの太いグリッド線82に確立される電流の流れが表5に示される。比較の目的のために、区画B内の線幅の変化がない同じ霜取り器設計に関する電流も表5に表され、従来の霜取り器の手法として認識される。従来の手法では、区画Aに確立されたグリッド線幅が、区画B全体を通じて一定に保たれた。
【0050】
【表5】

【0051】
9本の太いグリッド線82のそれぞれを通って流れる電流は、表5に示されるように「可変幅」の手法を使用した場合、平均約1.19アンペアである。それと比較して、従来の手法を使用する(線幅に変化がない)同じ太い線は、同様の条件の下で平均で1.07アンペアの電流を示した。したがって、この実施例の「可変幅」の手法は、太いグリッド線82のそれぞれを通って流れる電流の量において約10%(〜0.12アンペア)の増加を実証する。同様に、従来の手法(平均=0.28アンペア)と比較して「可変幅」の手法(平均=0.30アンペア)を使用することにより細いグリッド線84で約10%の電流の増加が観察される。しかし、細いグリッド線84(0.40mm未満の幅を有する)での0.02アンペアのわずかな増加は、太いグリッド線82に関して観察されるような抵抗加熱の実質的な増加をもたらすほど十分大きくなかった。
【0052】
この実施例は、本発明によるヒータ・グリッドが、表5に示されるように約1オーム未満の、好ましくは約0.8オーム未満の総合的なパターンの抵抗を示すことができることをさらに実証する。さらに、ヒータ・グリッドの電力出力は約200ワットより大きく、それによって約600ワット/mより大きい視界領域がもたらされる。
【0053】
「実施例4」
「収束線」の手法
本発明によるヒータ・グリッド88が、2004年5月17日に出願された米国特許出願第10/847250号に全体的に記載されたヒータ・グリッドの構成を使用して、自動車(コルベット・ゼネラル・モータ社)に適合するプラスチックのウインドウ・システム用に設計された。このヒータ・グリッド88は、グリッド線の太い組90及び細い組92の両方を備え、グリッド線の幅が0.4mmより大きいことを前提に、その両方を本発明に関する「第1の」グリッド線として見なすことができる。図10の表に示されるように、11本の太いグリッド線90が幅において約0.70から1.50mmの範囲にあり、30本の細いグリッド線92が幅において約0.23から0.30mmの範囲にある。したがって、この特定の実施例では、太いグリッド線90のみが本発明の中で定義されるような第1のグリッド線として見なされる。ヒータ・グリッド88は、電流の流れを増大させるために、約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を示す、「高度に導電性の」インクを使用して印刷された。図10に示されるような重要な視界領域(区域A)での電流の流れを増大させるために、上記に論じたような「可変幅」の手法及び「収束線」の手法の両方を使用することによって、この霜取り器に対して電流の流れがさらに最適化された。
【0054】
「収束線」の手法が、最大長の太いグリッド線90(線#8〜11、図10)に対して使用された。「可変幅」の手法が、太いグリッド線90、及び細いグリッド線92のすべてに対して使用された。霜取り設計でのすべてのグリッド線の幅は、各グリッド線の各端部から対称的に全体的に二重線94のところで1回縮小され、それによって、2つの異なる加熱区域A及びBを形成し、区域Bが霜取り器の各側部で複製されている。幅の縮小は、グリッド線の間で異なったが、図10に示されるように、それぞれ太いグリッド線90に関して約0.45mm、細いグリッド線92に関して0.07mm程度であった。グリッド線90、92は、長さが689mmから約1391mmの範囲にあり、各グリッド線の約520mmが区域A内にあった。各グリッド線の印刷された高さは、太いグリッド線90に関して9マイクロメートル程度であり、細いグリッド線92に関して約11マイクロメートルであると測定された。
【0055】
ヒータ・グリッド88は、4mm厚のポリカーボネート基材96の表面上に印刷された後に、1時間の間129℃で熱硬化され、それに続いてExatec(登録商標)900 Glazing System(ミシガン州WixomのExatec LLC)によって被覆された。ヒータ・グリッド88の霜取り特性は、SAE J953プロトコルに従って試験され、約10分間の内に視界領域全体の約75%を霜取りすることが認められた。
【0056】
3つの異なる手法(a)「収束線及び可変幅の手法」、(b)「可変幅の手法」のみ、及び(c)「従来の手法」(グリッド線の幅の変化なし)を使用する、第1のグリッド線90及び細いグリッド線92の両方に関する重要な視界領域(区域A)内に確立された電流の流れの比較が表6に示される。
【0057】
「可変幅の手法」は、「従来の手法」を凌ぎ、太いグリッド線90及び細いグリッド線92のすべてを通って流れる電流を約10%だけ増大させることが示される。太いグリッド線90内の電流は、「可変幅の手法」を使用するとき、約0.2アンペアだけ上昇することが観察される。しかし、細いグリッド線92(0.40mm未満の幅を有する)での0.02アンペアのわずかな増加は、太いグリッド線90に関して観察されるような抵抗加熱の実質的な増加をもたらすほど十分大きくなかった。
【0058】
太いグリッド線90(#8〜11)に関連して「収束線及び可変幅の手法」を使用すると、さらに、これらのグリッド線90のそれぞれを通る電流をさらに約30%だけ増大させた。収束線98を組み込まないグリッド線92(#1〜7)のいずれにも、さらなる増大はまったく観察されなかった。収束グリッド線98のそれぞれは、共に収束するように意図された、区域B内の太いグリッド線90と同じ幅を使用して印刷された。
【0059】
【表6】

【0060】
この実施例は、約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を示す「高度に導電性」のインクを有する、本発明によるヒータ・グリッド88は、表6に示されるように約1オーム未満の、好ましくは約0.8オーム未満の総合的なパターンの抵抗を示すことができることをさらに実証する。さらに、ヒータ・グリッド88の電力出力は、約200ワットより大きく、それは約400ワット/mより大きい視界領域をもたらす。
【0061】
「実施例5」
「交差線」の手法
図示されないヒータ・グリッドが、自動車に適合し、約0.50mmの幅、約6.0μmの高さ、及び約1,100mmの長さを示す17本の第1のグリッド線を含んだプラスチックのウインドウ・システムに対して構築された。霜取り器は、電流の流れを増大させるために本発明に適合可能であり、約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を示す、「高度に導電性」のインクを使用して印刷された。電流の流れは、重要な視界領域での電流の流れを増大させるために「交差線」の手法を使用することによって、この霜取り器に関してさらに最適化された。この点において、図8Aに示されるようなものと同様の、第2の線がそこから始まる同じバスバーと交差する前に、約90°の角度ですべての第1のグリッド線と交差する2本の第2の線が印刷された。第2の線は、幅が約0.6mmで、高さが約30マイクロメートルであった。
【0062】
霜取り器のプロトタイプは、4mm厚のポリカーボネート基材の表面上に印刷された後に、1時間の間129℃で熱硬化された。「交差線の手法」を用いた、及びその手法を用いない、両方のヒータ・グリッドの熱特性の測定がIRカメラを使用することによって行われた。従来のヒータ・グリッド(第2の線のない)に13.1ボルトを加えると、ヒータ・グリッド全体を通って流れる電流は、5.2アンペアであることが認められ、それによって、第1のグリッド線の温度が周囲温度(22.5℃)から約33℃にわずかに上昇したに過ぎなかった。しかし、「交差線」の手法を利用するヒータ・グリッドは、ヒータ・グリッドを通って流れる総合的な電流を約10アンペアに上昇させることが認められ、2本の第2の線の間の、ウインドウの中央の第1のグリッド線のセグメントの温度が65〜70℃の間の温度を示した。
【0063】
この実施例は、第1のグリッド線のセグメント内の電流を増大させ、それによってより優れた抵抗加熱(より高い熱出力即ち温度)をもたらすための「交差線」の手法の能力を実証する。
【0064】
当業者は、上記の説明から、別紙の特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲から逸脱せずに、修正及び変更を本発明の好ましい実施例に行うことができることを理解するであろう。当業者は、好ましい実施例に説明されたすべての測定値が、多種多様な異なる試験方法によって得ることができる標準的な測定値であることをさらに理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】SAE J953(1999)米国自動車工業規格を使用して4mm厚のポリカーボネート・ウインドウの視界領域の75%を霜取りするのに必要な時間に対する表面温度のグラフである。
【図2】本発明を実施するプラスチックのウインドウ・アセンブリに関して可能な様々な構造を示す断面概略図である。
【図3】グリッド線が、プラスチック基材上の従来の導電性のインク、プラスチック基材上の「高度に」導電性のインク、又はガラス基材上に焼結されたフリット型インクのいずれかである、グリッド線を通って流れる電流の関数として0.6mmの幅のグリッド線の温度出力を比較するグラフである。
【図4】グリッド線が「高度に」導電性のインクのものである、グリッド線を通って流れることができる電流の関数としての様々な幅のグリッド線の温度出力を比較するグラフである。
【図5】40℃、50℃、60℃、及び70℃の温度出力での「高度な」導電性のインク及び従来の導電性のインクのグリット線に関する、グリッド線抵抗に対する電力密度のプロットである。
【図6】べき乗則関数を使用してモデル化された「高度な」導電性のインク及び従来の導電性のインクのグリット線に関する、グリッド線の体積に対するグリッド線の抵抗のプロットである。
【図7】(iii)「従来の」手法と比較して(i)「可変幅」手法又は(ii)「収束線」手法を使用することによりグリッド線によって設けられた霜取り区域を示す、グリッド線の概略図である。
【図8A】重要な視界領域内の電流を増大させるための「交差線」手法を用いたヒータ・グリッドの概略図である。
【図8B】重要な視界領域内の電流を増大させるための「交差線」手法を用いたヒータ・グリッドの概略図である。
【図9】「可変幅」手法を使用して重要な視界領域内の電流を増大させるヒータ・グリッドの概略図である。
【図10】「可変幅」手法及び「収束線」手法を使用して重要な視界領域内の電流を増大させるヒータ・グリッドの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリであって、
透明なプラスチックのパネルと、
前記透明なパネルによって支持され、導電性のインクによって形成され、複数の第1のグリッド線を有する導電性のヒータ・グリッドであって、各前記グリッド線の両端部が、第1及び第2のバスバーに連結され、前記導電性のインクが約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を示し、前記第1のグリッド線の抵抗が、約30オーム未満であり、前記ヒータ・グリッドの総合的な抵抗が約1オーム未満である導電性のヒータ・グリッドと、
閉じた電気回路を確立するようになされた前記第1及び第2のバスバーへの少なくとも1つの電気接続とを備える、プラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項2】
前記導電性のインクの前記面抵抗率が、約6ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満である、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項3】
前記ヒータ・グリッドの総合的な抵抗が、約0.8ミリオーム未満である、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のグリッド線のそれぞれが約25オーム未満の抵抗を有する、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項5】
前記透明なプラスチックのパネルがプラスチック樹脂から形成され、前記プラスチック樹脂が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、又はポリスルホン樹脂、コポリマー樹脂、或いはその混合物である、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項6】
プラスチック・フィルムの保護層、有機コーティング、又は無機コーティングをさらに備える、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項7】
前記プラスチック・フィルムが前記透明なプラスチックのパネルと同じ組成のものである、請求項6に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項8】
前記有機コーティングがウレタン、エポキシド、アクリレート、又はその配合物である、請求項6に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項9】
前記無機コーティングが、シリコーン、酸化アルミニウム、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化炭化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウム、又はガラスを含む群から選択された1つ又は複数のものから構成される、請求項6に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項10】
前記保護層が、複数層のコーティング・システムである、請求項6に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項11】
前記複数層のコーティング・システムが、アクリル・コーティング、シリコーン・コーティング、及びSiOコーティングを含む、請求項10に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項12】
前記導電性のインクが、キャリア媒体に分散された導電性の粒子を含む、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項13】
前記導電性の粒子が、銀、酸化銀、銅、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、スズ、及びその合金のうちの少なくとも1つである、請求項12に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項14】
前記導電性の粒子が、約40μm未満の寸法を有する、請求項12に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項15】
前記導電性のインクがポリマー・バインダーを含む、請求項12に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項16】
前記ポリマー・バインダーが、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、又はそのコポリマー若しくは配合物を含む、請求項15に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項17】
前記ポリマー・バインダーが前記キャリア媒体内で溶解可能である、請求項15に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項18】
前記導電性のインクが、金属塩、金属化合物、金属分解生成物、又はその混合物である添加剤をさらに含む、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項19】
前記金属塩が三級脂肪酸銀塩である、請求項18に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項20】
前記金属化合物が、金属炭酸塩、金属酢酸塩化合物、又はその混合物である、請求項18に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項21】
前記有機金属の分解生成物が、カルボン酸金属せっけん、ネオデカン酸銀、金アミン2−エチルヘキサン酸金属塩、又はその混合物である、請求項18に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項22】
前記導電性のヒータ・グリッドが、前記透明なプラスチックのパネルの表面上に直接的に接着される、請求項に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項23】
前記導電性のヒータ・グリッドが、保護層の表面上に直接的に接着される、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項24】
前記導電性のヒータ・グリッドが、第1及び第2のバスバーのうちの1つに連結された一方の端部と、前記第1のグリッド線のうちの1つに連結された他方の端部を有する少なくとも1つの第2のグリッド線をさらに備える、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項25】
前記第2のグリッド線が、前記第1のグリッド線のうちの少なくとも1つと交差する、請求項24に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項26】
第1のグリッド線の幅が、前記第1のグリッド線の端部及び前記第1のグリッド線の中間点で少なくとも1回縮小する、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項27】
前記導電性のヒータ・グリッドが、一方の端部が前記第1のバスバーに連結され、他方の端部が前記第1及び第2バスバーのうちの1つに連結された少なくとも1つの第2のグリッド線をさらに備える、請求項1に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリ。
【請求項28】
前記第2のグリッド線が、前記第1のグリッド線のうちの少なくとも1つと交差する、請求項27に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項29】
プラスチックのウインドウ及び霜取り器のアセンブリの表面を霜取り又は曇取りする方法であって、
硬化された導電性のインクの印刷された導電性のヒータ・グリッドに電圧を加えるステップであって、それによって電流が前記導電性のヒータ・グリッドの第1のグリッド線を通って流れるようにするステップと、
約0.4アンペアより大きい、前記第1のグリッド線のセグメントを通る電流の流れを介して前記第1のグリッド線の抵抗加熱を生じさせるステップであって、前記第1のグリッド線に関する抵抗に対する電流密度の比率が約1アンペア/オームmmより大きくなっているステップと、
透明なプラスチックの光沢パネルの表面が、前記第1のグリッド線の前記抵抗加熱を介して霜取り及び曇取りされるようにするステップと、
前記透明な光沢パネルの表面が霜取りされ曇取りされた後に、前記ヒータ・グリッドからの電圧を遮断するステップとを含む方法。
【請求項30】
約0.7アンペアよりも大きいところで前記第1のグリッド線のセグメントを通る前記電流の流れがもたらされる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
約0.85アンペアよりも大きいところで第1のグリッド線のセグメントを通る前記電流の流れがもたらされる、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
約1.0アンペアよりも大きいところで第1のグリッド線のセグメントを通る前記電流の流れがもたらされる、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
導電性のインクによって印刷されたヒータ・グリッドが、約8ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を示すように硬化される、請求項29に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項34】
前記導電性のインクが、約6ミリオーム/スクエア@25.4μm(1ミル)未満の面抵抗率を示すように硬化される、請求項33に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項35】
前記第1のグリッド線のセグメントに関する抵抗に対する電流密度の比率が約2アンペア/オーム−mmよりも大きくなるように電流が供給される、請求項29に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項36】
前記第1のグリッド線のセグメントに関する抵抗に対する電流密度の比率が約3アンペア/オーム−mmよりも大きくなるように電流が供給される、請求項29に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項37】
前記導電性のヒータ・グリッドの第1のグリッド線が約0.4mmよりも大きな幅を有する、請求項29に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項38】
第1のグリッド線が、1.8以上の温度比を示すように形成される、請求項29に記載のプラスチックのウインドウ及び霜取り器アセンブリ。
【請求項39】
第1のグリッド線が、2.0以上の温度比を示すように形成される、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
第1のグリッド線が、2.2以上の温度比を示すように形成される、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記導電性のインクが金属粒子を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記金属性粒子が、銀、酸化銀、銅、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、スズ、又はその混合物及び合金から選択された1つのものを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記導電性のインクが、金属塩、金属化合物、金属分解生成物、或いはその混合物又は配合物から選択される添加物をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記導電性のヒータ・グリッドが、グリッド線の一方の端部がバスバーに連結され、他方の端部が第1のグリッド線に連結された少なくとも1つの第2のグリッド線を有して形成される、請求項29に記載の方法。
【請求項45】
前記第2のグリッド線が少なくとも1つの第1のグリッド線と交差する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
第1のグリッド線の幅が、前記第1のグリッド線の中央と前記第1のグリッド線の各端部との間で少なくとも1回縮小される、請求項29に記載の方法。
【請求項47】
前記導電性のヒータ・グリッドが、グリッド線の一方の端部が第1のバスバーに連結され、他方の端部が第1及び第2のバスバーから選択されたバスバーに連結された少なくとも1つの第2のグリッド線を有して形成される、請求項29に記載の方法。
【請求項48】
前記第2のグリッド線が少なくとも1つの第1のグリッド線と交差する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記透明なプラスチックの光沢パネルが、透明なプラスチックのパネル及び少なくとも1つの保護層を備えて形成される、請求項29に記載の方法。
【請求項50】
前記保護層が、プラスチック・フィルム、有機コーティング、無機コーティングから選択された1つのものを備える、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記透明なプラスチックのパネルが、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、又はポリスルホン樹脂から選択されたプラスチック樹脂を備える、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記導電性のヒータ・グリッドが、前記透明なプラスチックのパネルの表面上に直接的に印刷される、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記導電性のヒータ・グリッドが、保護層の表面上に直接的に印刷される、請求項49に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−523566(P2008−523566A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545596(P2007−545596)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/044290
【国際公開番号】WO2006/063064
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(505365404)エクスアテック、エル.エル.シー. (51)
【Fターム(参考)】