説明

透明液状化粧料

【課題】香り立ちや香りの持続性に優れ、外観特性や低温下での保存安定性にも優れた透明液状化粧料を提供することにある。
【解決手段】(A)2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、(B)UV−Bを吸収する紫外線吸収剤及び(C)30〜60質量%のエタノールを含有することを特徴とする透明液状化粧料であって、更に(D)アルデヒド系香料、(E)ラクトン系香料、(F)天然系香料、(G)ケトン系香料から選ばれる1種又は2種以上の香料と組み合わせるとより好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香り立ちや香りの持続性に優れた透明液状化粧料に関するものである。更には、外観特性にも優れ、低温下でも保存安定性に優れた透明液状化粧料である。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料としての商品価値として、香り立ちや香りの持続性は、重要な要素の1つである。また、更に商品価値を高めるために、化粧料そのものを着色し、透明又は半透明の容器に充填し、外観に鮮やかな色調を付与している。しかしながら、経時変化や光の照射により、香り立ちや香りの持続性が損なわれたり、変色や退色などの現象を引き起こしたりという欠点がある。
【0003】
そこで、香り立ちや香りの持続性などの劣化や変色・退色を防ぐために、遮光容器を使用する方法があるが、内容物の残量が分かりにくく、また、中身の色調が確認できないため、十分な外観特性が得られない。そのため、透明又は半透明容器を使用するために、容器にUVカット加工を施したものが用いられてきた。UVカット加工した容器とは、例えば、ガラス容器等をフッ化水素酸等の酸性溶液に浸漬して容器表面に腐食加工を施すことで、容器の表面で光の乱反射を引き起こし、光の透過度を落とした容器や、紫外線吸収剤を容器表面に塗装したり、容器自身に練り込んで成型加工したりした容器のことである。
【0004】
これらUVカット加工した容器は、特許文献1にあるように、アルデヒド系香料と組み合わせることで、香り立ちや香りの持続性、色素の退色を防ぐことが示されているが、香り立ちや香りの持続性について、満足できる特性が十分に得られておらず、また、容器をUVカット加工することで、容器自身がくすんでしまい、期待するほどの鮮やかな色調が得られず、更に、容器自身の経時変化や光の照射によって劣化し、よりくすんでしまうため、化粧料に応用した場合、外観特性上、その商品価値として好ましくない。
【0005】
また、特許文献2及び3にあるように、化粧料そのものに紫外線吸収剤を配合することで、UVカット加工容器を使用しなくても変色や劣化を防ぐことが示されている。しかし、これらの方法では、経時変化や光照射による保存安定性には優れていても、化粧料としての重要な要素の1つである香り立ちや香りの持続性が向上するという認識は全くされていない。
【0006】
さらに、紫外線吸収剤の種類によっては、−10℃等の低温下で析出し、保存安定性に劣ることがある。
【特許文献1】特開2007−16161号公報
【特許文献2】特開平9−235216号公報
【特許文献3】特開2006−169144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術は、いずれも化粧料や水性組成物として一定の改善がなされているが、化粧料として重要な要素である香り立ちや香りの持続性が十分に発揮しておらず、また、外観特性についても満足できる特性が十分に得られていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定の紫外線吸収剤を含有することで、香り立ちや香りの持続性に優れる透明液状化粧料を提供できることを見出した。さらに
、外観特性にも優れ、低温下でも保存安定性に優れた透明液状化粧料を提供できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明の請求項1は、(A)2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、(B)UV−Bを吸収する紫外線吸収剤及び(C)30〜60質量%のエタノールを含有することを特徴とする透明液状化粧料。
【0010】
また、本発明の請求項2は、香料として、(D)アルデヒド系香料、(E)ラクトン系香料、(F)天然系香料、(G)ケトン系香料から選ばれる1種又は2種以上の香料を含有することを特徴とする請求項1記載の透明液状化粧料である。本発明の請求項3は、(H)タール色素を含有することを特徴とする請求項1、2記載の透明液状化粧料である。本発明の請求項4は、上記成分(A)〜(H)すべてを含有することを特徴とする請求項1〜3記載の透明液状化粧料である。本発明の請求項5は、UVカット加工を施していない透明又は半透明の容器に充填した請求項1〜4記載の透明液状化粧料である。本発明の請求項6は、界面活性剤を含有しないことを特徴とする請求項1〜5記載の透明液状化粧料である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、香り立ちや香りの持続性に優れた透明液状化粧料を提供することができ、更には、外観特性にも優れ、低温下でも保存安定性に優れた透明液状化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いられる(A)2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステルは、350〜360nmに最大吸収波長を有する紫外線吸収剤である。この成分は市販品として入手可能であり、ユビナールAplus(BASF社製)等が相当する。
【0013】
上記成分の含有量は、香り立ちや香りの持続性に優れ、低温下でも優れた安定性を有するという面から、全組成に対して0.001〜0.5質量%の範囲であることが好ましく、特に0.01〜0.1質量%含有することが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる(B)UV−Bを吸収する紫外線吸収剤は、パラジメチル安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(エスカロール507(ISP社製))、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチル、サリチル酸2−エチルヘキシル(エスカロール587(ISP社製))、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル(ノムコートX(日清オイリオ社製))、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン(ユビナールM40(BASF社製))、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸(ユビナールMS40(BASF社製))、ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2´−エチルヘキシル−1´−オキシ)−1,3,5−トリアジン(ユビナールT150(BASF社製))等が挙げられ、中でも臭いがなく、エタノールに可溶なパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルが好ましい。
【0015】
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルは、310nmに最大吸収波長を有する紫外線吸収剤である。この成分は市販品として入手可能であり、パラソルMCX及びパラソルMCX XR(ジボダン社製)、ユビナールMC80(BASF社製)、エスカロール557(ISP社製)等が相当する。
【0016】
上記成分の含有量は、香り立ちや香りの持続性に優れ、低温下でも優れた安定性を有するという面から、全組成に対して0.001〜0.5質量%の範囲であることが好ましく、特に0.01〜0.1質量%含有することが好ましい。
【0017】
本発明に用いられる(C)エタノールの含有量は、全組成に対して30質量%未満であると低温下での良好な保存安定性がえられないため、30質量%以上が好ましく、60質量%を超えると良好な香り立ちや香りの持続性がえられないため、60質量%以下が好ましい。
【0018】
本発明に用いられる香料は、(D)アルデヒド系香料、(E)ラクトン系香料、(F)天然系香料、(G)ケトン系香料が挙げられる。
【0019】
本発明に用いられる(D)アルデヒド系香料として以下が例示できる。
シトロネラール、シトラール、3,7−ジメチル−1−オクタナール、ヒドロキシシトロネラール、メトキシシトロネラール、ペリラアルデヒド、ミルテナール、カリオフィレンアルデヒド、n−ヘキサール、2−メチルブタナール、イソバレルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ヘプタナール、n−オクタナール、n−ノナナール、2−メチルオクタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、1−デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、2−メチルデカナール、2−メチルウンデカナール、トリデカナール、テトラデカナール、2−ペンテナール、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、trans−2−ヘプテナール、4−ヘプテナール、trans−2−オクテナール、trans−2−ノネナール、cis−6−ノネナール、メロナール(2,6−ジメチル−5−ヘプテナール)、trans−4−デセナール、cis−4−デセナール、trans−2−デセナール、グリナール(2,5,6−トリメチル−4−ヘプテナール)、10−ウンデセナール、trans−2−ウンデセナール、trans−2−ドデセナール、マンダリンアルデヒド(3−ドデセナール)、trans−2−トリデセナール、アドキサール(2,6,10−トリメチル−9−ウンデセン−1−アール)、2,4−ヘキサジエナール、2,4−ヘプタジエナール、2,4−オクタジエナール、2,4−ノナジエナール、2,6−ノナジエナール、2,4−デカジエナール、2,4−ウンデカジエナール、2,4−ドデカジエナール、ゲラルデヒド(5,9−ジメチル−4,8−デカジエナール)、トリメナール(3,7,9−トリメチル−2,6−デカジエン−1−アール)、オンシダール(2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエナール)、ベルガマール(α−メチレンシトロネラール)、カンフォレンアルデヒド、シクロシトラール、イソシクロシトラール、サフラナール(2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキサジエン−1−カルボキシアルデヒド)、ミュゲアルデヒド(6,10−ジメチル−3−オキサ−9−ウンデセナール)、ゲラニルオキシアセトアルデヒド、トリプラール(ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド)、クリサンタール(3−プロピルビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2−カルボキシアルデヒド)、センテナール(メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド)、デュピカール(4−トリシクロデシリデンブタナール)、4−(4−メチル−3−シクロヘキセニリデン−1)ペンタナール、マイラックアルデヒド(4(3)−(4−メチル−3−ペンテン−1−イル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、セトナール(トリメチルシクロヘキセンメチルブタナール)、イノナール(2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1(2)−シクロヘキセニル)−ブテナール)、テレストラール(4−シクロオクテン−1−カルボキシアルデヒド)、ベンズアルデヒド、p−トリルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、トリフェルナール(3−フェニルブタナール)、クミンアルデヒド、p−メチルフェニルアセトアルデヒド、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、ヒドラトロパアルデヒド、p−メチルヒドラトロパアルデヒド、p−イソプロピルヒドラトロパアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、β−メチルヒドロシンナミックアルデヒド
、ジャスモランジ(2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−プロパナール)、ブルジェオナール(p−tert−ブチルヒドロシンナミックアルデヒド)、シクラメンアルデヒド(2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド)、フロラロゾン(p−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナミックアルデヒド)、スザラール(p−イソブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド)、シンナミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド、o−メトキシベンズアルデヒド、o−メトキシシンナミックアルデヒド、カントキサール(2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロパナール)、バニリン、エチルバニリン、メチルバニリン(3,4−ジメトキシベンズアルデヒド)。
【0020】
更に、ヘリオトロピン、ヘリオナール(α−メチル−3,4−メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド)、フェノキシアセトアルデヒド、p−メチルフェノキシアセトアルデヒド、フルフラール、5−メチルフルフラール、5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール、フリルアクロレイン、リラール(4(3)−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、ベルンアルデヒド(1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド)、ホモマイラックアルデヒド(1−メチル−4(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド)、ジュニパール(4(5)−ホルミル−7,7,9−トリメチルビシクロ[4.3.0]−ノネン)、ヴェルトラール(オクタヒドロ−4,7−メタノインデンカルボキシアルデヒド)、リリアール(p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド)、メフラナール(3−メチル−5−フェニルバレラルデヒド)、エグランタール(4−メチル−2−フェニル−2−ペンテナール)、コカール(5−メチル−2−フェニル−2−ヘキセナール)、α−メチルシンナミックアルデヒド、α−ブチルシンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ホルミルエチルテトラメチルテトラリン(6−エチル−7−フォルミル−1,1,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)等もが挙げられ、中でも良好な香り立ちや香りの持続性という面から、トリプラール、クミンアルデヒド及びヘリオナールが好ましい。
【0021】
(E)ラクトン系香料としては、以下が例示できる。
ペンタリド(シクロペンタデカノリド)、ハバノリド(オキサシクロヘキサデセン−2−オン)、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、エチレンドデカンジオエート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アンゲリカラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、ウイスキーラクトン(3−メチル−4−オクタノリド)、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、γ−ジャスモラクトン、ジャスミンラクトン、シスジャスモンラクトン、ラクトジャスモン(4−メチル−4−デカノリド)、ジャスモラクトン(テトラヒドロ−6−(3−ペンテニル)−2H−ピラン−2−オン)、メンタラクトン(3,6−ジメチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−2(4H)−ベンゾフラノン)、n−ブチルフタリド、プロピリデンフタリド、ブチリデンフタリド、δ−ヘキサラクトン、δ−オクタラクトン、トリバロン(4,6,6(4,4,6)−トリメチルテトラヒドロピラン−2−オン)、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−2−デセノラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−トリデカラクトン、δ−テトラデカラクトン、ラクトスカトン(デカヒドロ−4,α−ヒドロキシ−2,8,8−トリメチルナフタリン−2−カルボキシアシッド−δ−ラクトン)、クマリン、ジヒドロクマリン、シクロヘキシルラクトン、6−メチルクマリン、ε−デカラクトン、ε−ドデカラクトン等。が挙げられ、中でも良好な香り立ちや香りの持続性という面から、γ−ウンデカラクトン及びジャスミンラクトン、クマリンが好ましい。
【0022】
(F)天然系香料としては、以下が例示できる。
アサフェチダレジノイド、アジョワンオイル、スターアニスオイル、アビエスオイル、アミリスオイル、アンブレットシードオイル、アンバーグリスチンキ、イランイランオイル、イランイランアブソリュート、イリスレジノイド、イリスアブソリュート、イリスオイル、ウィンターグリーンオイル、エレミオレオレジン、エレミレジノイドアブソリュート、エレミチンキ、オークモスコンクリート、オークモスアブソリュート、オークモスレジン、オークモスレジノイド、オコティアオイル、オスマンサスアブソリュート、オスマンサスコンクリート、オポパナックスレジノイド、オポパナックスアブソリュート、オポパナックスオイル、オリバナムレジノイド、オリバナムアブソリュート、オリバナムオイル、オールスパイスオイル、オレガノオイル、オレガノオレオレジン、オレンジオイル、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジフラワーコンクリート、カナンガオイル、ガージュンバルサム、ガージュンバルサムオイル、カスカリラバークオイル、カストリウムアブソリュート、カッシーアブソリュート、カッシーフラワーオイル、カッシアオイル、ガーデニアアブソリュート、カーネションアブソリュート、カブリューバオイル、カモミルオイル、カルダモンオイル、ガルバナムオイル、ガルバナムレジン、ガルバナムレジノイド、キャラウェーシードオイル、キャロットシードオイル、グァヤックウッドオイル、グァヤックレジン、グァヤックコンクリート、クスノキオイル、クベバオイル、クミンオイル、クミンアブソリュート、クミンオレオレジン、クラリセージオイル、グレープフルーツオイル、クローブオイル、コスタスオイル、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コパイババルサムレジン、コリアンダーオイル、サッサフラスオイル、サンダルウッドオイル、ジュネアブソリュート、シソオイル、シトロネラオイル、ジャスミンアブソリュート、ジャスミンコンクリート、ジュニパーベリーオイル、シベットアブソリュート、シベットチンキ、ジョンキルアブソリュート、アガーウッドオイル、ジンジャーオイル、シナモンオイル、シナモンバークオイル、シナモンリーフオイル、スギオイル、スチラックスオイル、スチラックスレジノイド、スペアミントオイル、セイボリーオイル、セージオイル、セダーオイル、セダーリーフオイル、ゼラニウムオイル、セロリーシードオイル、タイムオイル、タゲットオイル、タラゴンオイル、チュベローズアブソリュート、ディルオイル、ティーツリーオイル、トリーモスアブソリュート、トルーバルサム、ナツメッグオイル、ナルシサスアブソリュート、ネロリオイル、バイオレットリーフアブソリュート、パインオイル、バジルオイル、パセリリーフオイル、パセリシードオイル、パセリハーブオイル、パチョリオイル、ハッカオイル、バニラアブソリュート、ハネーサックルアブソリュート、パルマローザオイル、バレリアンオイル、ビターオレンジオイル、ヒソップオイル、ヒバオイル、ヒヤシンスアブソリュート、フェンネルオイル、フィグアブソリュート、プチグレンオイル、ブチュオイル、ベチバーオイル、ペニーロイヤルオイル、ペッパーオイル、ペパーミントオイル、ベルガモットオイル、ペルーバルサム、ベンゾインチンキ、ベンゾインレジノイド、ボアドローズオイル、ホウショウオイル、ホップオイル、ホップコンクリート、ホップアブソリュート、マージョラムオイル、マンダリンオイル、オレンジオイル、ミモザコンクリート、ミモザアブソリュート、ミモザオイル、ミルレジノイド、ミルアブソリュート、ミルオイル、ムスクアブソリュート、ムスクチンキ、ユーカリオイル、ユズオイル、ヨモギオイル、ライムオイル、ラブダナムオイル、ラブダナムレジノイド、ラベンダーオイル、ラベンダーアブソリュート、ラバンジンオイル、ラバンジンアブソリュート、リナロエオイル、レモンオイル、レモングラスオイル、ローズオイル、ローズアブソリュート、ローズコンクリート、ローズマリーオイル、ロベージオイル、ローレルオイル、ローレルリーフオイル、ワームウッドオイル、麝香、霊猫香、竜ぜん香、海狸香、ムスク・チバタ等。が挙げられ、中でも良好な香り立ちや香りの持続性という面から、イランイランオイル、イランイランアブソリュート、オークモスアブソリュート及びレモンオイルが好ましい。
【0023】
(G)ケトン系香料としては、以下が例示できる。
アセチルカリオフィレン、カルボン、プレゴン、ピペリテノン、ピペリトン、メントン
、ショウ脳、オキソセドラン、イソロンギフォラノン、ヌートカトン、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、2−ウンデカノン、2−トリデカノン、メチルイソプロピルケトン、エチルイソアミルケトン、メシチルオキサイド、ブチリデンアセトン、メチルヘプタジエノン、メチルヘプテノン、ジメチルオクテノン、コアボン(4−メチレン−3,5,6,6−テトラメチル−2−ヘプタノン)、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、アセトイン、ブチロイン(5−ヒドロキシ−4−オクタノン)、メチルラベンダーケトン(3−ヒドロキシメチル−2−ノナン)、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、2,3−ヘキサジオン、3,4−ヘキサジオン、2,3−ヘプタジオン、アセチルイソバレリル、アミルシクロペンタノン、アミルシクロペンテノン、2−シクロペンチルシクロペンタノン、ヘキシルシクロペンタノン、フルウラモン(2−n−ヘプチルシクロペンタノン)、cis−ジャスモン、ジヒドロジャスモン、イソジャスモン、トリメチルペンチルシクロペンタノン、セダモン(2−ブチリデン−3,5,5(3,3,5)−トリメチルシクロペンタノン)、サンデックス(3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−ペンテン−2−オン)、シクロテン、コロノール(3,5−ジメチル−1,2−シクロペンタジオン)、メチルコリロン(3,4−ジメチル1,2−シクロペンタジオン)、ベルドン(2−tert−ブチルシクロヘキサノン)、p−tert−ブチルシクロヘキサノン、ヘルバック(3,3−ジメチルシクロヘキシルメチルケトン)、フレスコメンテ(2−sec−ブチルシクロヘキサノン)、アルテモン(1−アセチル−3,3−ジメチル−1−シクロヘキセン)、セルリーケトン(3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセノン)、クリプトン(4−イソプロピル−2−シクロヘキサノン)、オリボン(p−tert−ペンチルシクロヘキサノン)、メチルシクロシトロン(2,3,5−トリメチル−4−シクロヘキセニル−1−メチルケトン)、ネロン(1−(p−メンテン−6−イル)−1−プロパン)、ベチバール(4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノン)、ハバノール(2−(1−シクロヘキセン−1−イル)−シクロヘキサノン)、マルトール、エチルマルトール、オキサイドケトン(cis−2−アセトニル−4−メチル−テトラヒドロピラン)、エモキシフロン(5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2[5H]−フラノン)、ホモフロール(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3[2H]−フラノン and5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3[2H]−フラノン)、ソトロン(3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2[5H]−フラノン)、フラネオール(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3[2H]−フラノン)、アセチルジメチルフラン、フルフラールアセトン、2−アセチル−5−メチルフラン、2−アセチルフラン、メチルテトラヒドロフラノン、ジベンジルケトン、ベンゾフェノン、メチルナフチルケトン、4−ダマスコール(5−フェニル−5−メチル−3−ヘキサノン)。
【0024】
更に、ベチコン(4−メチル−4−フェニル−2−ペンタノン)、α−メチルアニサルアセトン、ヘリオトロピルアセトン、アニシリデンアセトン、アニシルアセトン、p−メトキシフェニルアセトン、ラズベリーケトン(4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン)、ラバンドゾン(3−メチル−4−フェニル−3−ブテン−2−オン)、ベンジリデンアセトン、p−メトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、プロピオフェノン、アセトフェノン、ダマセノン、ダマスコン、イソダマスコン、α−ダイナスコン(1−(5,5−ジメチルシクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン)、イリトン(4−(2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン and 4−3,5,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン)、ヨノン、プソイドヨノン、メチルヨノン、メチルイリトン(3−メチル−4−(2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン)、シクロウッド(2,4−ジ−tert−ブチルシクロヘキサノン)、イロン、アリルヨノン、2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1,4−ジオン、カメクDH(2−アセチル−3,3−ジメチルノルボルナン)、フロレックス(6−エチリデンオ
クタヒドロ−5,8−メタノ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン)、プリカトン(4−メチルトリシクロ[6.2.1.02.7]ウンデカン−5−オン)、オキソセドラン、ベルトフィックス(9−アセチル−2,6,6,8−テトラメチルトリシクロ[5.3.11.7 .01.5]−8−ウンデセン)、ベルベノン(4,6,6−トリメチル−(1R)−ビシクロヘプト−3−エン−2−オン)、フェンコン、カロン(7−メチル−3,5−ジヒドロ−2H−ベンゾジオキセピン−3−オン)、トリモフィックスO(2,6,10−トリメチル−1−アセチル−2,5,9−シクロドデカトリエン)、ビタライド(アセチルジメチルテトラヒドロベンツインダン)、エピトン(7(8)−アセチル−5−イソプロピル−2−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン)、アトリノン(4(5)−アセチル−7,7,9(7,7,9)−トリメチルビシクロ[4.3.0]−1−ノネン)、カシュメラン(6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン)、ムスコン(3−メチルシクロペンタデカノン−1)、シベトン(シクロヘプタデカ−9−エン−1−オン)、エキザルトン(シクロペンタデカノン)、ムスクTM−II(シクロヘキサデセノン)、ファントリド(5−アセチル−1,1,2,3,3,6−ヘキサメチルインダン)、セレストリド(4−アセチル−6−tert−ブチル−1,1−ジメチルインダン)、トラセオライド(5−アセチル−3−イソプロピル−1,1,2,6−テトラメチルインダン)、トナリド(6−アセチル−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン)、ビタライド(アセチルジメチルテトラヒドロベンズインダン)、イソ・イー・スーパー(7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン)、ジヒドロカルボン、ジオスフェノール、ジンゲロン等も挙げられ、中でも良好な香り立ちや香りの持続性という面から、cis−ジャスモン、マルトール及びヨノンが好ましい。
【0025】
本発明は、上記香料以外の香料も含有させることができる。例えば、炭化水素系香料、アルコール系香料、エーテル系香料、エステル系香料、含窒素系香料等を挙げること
ができる。
【0026】
炭化水素系香料は、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、ミルセン、リモネン、ターピネオール、ターピノレン、オシメン、γ−ターピネン、α−フェランドレン、p−サイメン、β−カリオフィレン、β−ファルネセン、1,3,5−ウンデカトリエン、ジフェニルメタン 等が挙げられる。
【0027】
アルコール系香料は、トランス−2−ヘキセノール、シス−3−ヘキセノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、2,6−ジメチル−2−ヘプタノール、9−デセノール、4−メチル−3−デセン−5−オール、10−ウンデセノール、トランス−2−シス−6−ノナジエノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ミルセノール、ラバンジュロール、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、ヒドロキシシトロネロール、ジヒドロミルセノール、アロオシメノール、ターピネオール、ターピネン−4−オール、l−メントール、ボルネオール、イソプレゴール、ノポール、ファルネソール、ネロリドール、ビサボロール、セドロール、パチュリアルコール、ベチベロール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロヘキサンメタノール1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)−エタノール、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−プロパノール、p−t−ブチルシクロヘキサノール、o−t−ブチルシクロヘキサノール、アンブリノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、スチラリルアルコール、アニスアルコール、シンナミックアルコール、フェニルプロピルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、フェニルエチルメチルエチルカルビノール、3−メチル−5−フェニルペンタノール、チモール、カルバクロール、オルシノールモノメチルエーテル、オイゲノール、イソオイゲノール、サンタロール、イソボルニルシクロヘキサノール、サンダロア、バグダノール、サンダルマイソルコ
ア、ブラマノール、エバノール、ポリサントール、2−エトキシ−4−メトキシメチルフェノール 等が挙げられる。
【0028】
エーテル系香料は、ネロールオキサイド、ミロキサイド、1,8−シネオール、ローズオキサイド、リメトール、メントフラン、リナロールオキサイド、ブチルジメチルジヒドロピラン、アセトキシアミルテトラヒドロピラン、セドリルメチルエーテル、メトキシシクロドデカン、1−メチル−1−メトキシシクロドデカン、エトキシメチルシクロドデシルエーテル、トリシクロデセニルメチルエーテル、ルボフィックス、セドロキサイド、アンブロキサン、グリサルバ、ボワジリス、アニソール、ジメチルハイドロキノン、パラクレジルメチルエーテル、アセトアニソール、アネトール、ジヒドロアネトール、エストラゴール、ジフェニルオキサイド、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、フェニルエチルイソアミルエーテル、β−ナフチルメチルエーテル、β−ナフチルエチルエーテル、β−ナフチルイソブチルエーテル、2,4−ジメチル−4−フェニルテトラヒドロフラン、ガラクソライド、2,2,5,5−テトラメチル−4−イソプロピル−1,3−ジオキサン等が挙げられる。
【0029】
エステル系香料は、ギ酸エチル、ギ酸シス−3−ヘキセニル、ギ酸リナリル、ギ酸シトロネリル、ギ酸ゲラニル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、シクロペンチリデン酢酸メチル、酢酸ヘキシル、酢酸シス−3−ヘキセニル、酢酸トランス−2−ヘキセニル、酢酸イソノニル、酢酸シトロネリル、酢酸ラバンジュリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸ミルセニル、酢酸ターピニル、酢酸メンチル、酢酸メンタニル、酢酸ノピル、酢酸n−ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸o−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸トリシクロデセニル、酢酸2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタニル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸スチラリル、酢酸シンナミル、酢酸アニシル、酢酸パラクレジル、酢酸ヘリオトロピル、アセチルオイゲノール、アセチルイソオイゲノール、酢酸グアイル、酢酸セドリル、酢酸ベチベリル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸シトロネリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸ターピニル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸シンナミル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸トリシクロデセニル、酪酸エチル、2−メチル酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、酪酸リナリル、酪酸ゲラニル、酪酸シトロネリル、酪酸ベンジル、イソ酪酸シス−3−ヘキセニル、イソ酪酸シトロネリル、イソ酪酸ゲラニル、イソ酪酸リナリル、イソ酪酸ベンジル、イソ酪酸フェニルエチル、イソ酪酸トリシクロデセニル、イソ吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸シトロネリル、イソ吉草酸ゲラニル、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シンナミル、イソ吉草酸フェニルエチル、カプロン酸エチル、カプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、カプリン酸エチル、チグリン酸シトロネリル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸ゲラニル、安息香酸リナリル、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニルエチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸ベンジル、フェニル酢酸フェニルエチル、フェニル酢酸p−クレジル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シンナミル、桂皮酸フェニルエチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸アミル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、フルテート、2−ペンチルオキシグリコール酸アリル、3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチル、エチル2−ペンタノエ−ト、4−アセトキシ−3−アミルテトラヒドロピラン、シクロヘキシルサリシレート、2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボキシレート、2-メチルペンチル 2−メチルペンチレート等が挙げられる。
【0030】
含窒素系香料は、6−sec−ブチルキノリン、5−メチル−3−ヘプタノンオキシム、シトロネリルニトリル等が挙げられる。
【0031】
(D)アルデヒド系香料、(E)ラクトン系香料、(F)天然系香料、(G)ケトン系香料の含有量は、香り立ちや香りの持続性に優れ、低温下でも優れた安定性を有するという面から、全組成に対して0.00001〜0.5質量%の範囲であることが好ましく、特に0.00001〜0.4質量%含有することが好ましい。さらにその他の香料を含有することもできる。
【0032】
また、本発明の透明液状化粧料は、B型粘度計ローター1号を用いて測定した結果、25℃において100mPa・s以下であることが、良好な塗布性を得られるという面から好ましい。
【0033】
本発明に用いられる(H)タール色素は、法定色素ハンドブック 改訂版(日本化粧品工業会編、2004年9月21日発行)に記載されているものから選ぶことができる。
【0034】
例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色213号、赤色227号、赤色203号の(1)、赤色203号の(2)、赤色231号、赤色232号、だいだい色205号、だいだい色207号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、だいだい色402号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号などが挙げられる。
【0035】
優れた外観特性を有するという面から、2種以上の(H)タール色素を含有することが好ましく、全組成に対して0.00005〜0.005質量%含有することが好ましい。
【0036】
本発明に用いられる容器は、UVカット加工を施していない透明又は半透明の容器や透明なガラスびん、透明なPET等の合成樹脂ボトルでも優れた外観特性を有するという面から、任意の素材のものを使用することができ、特に限定されるものでない。
【0037】
本発明の透明液状化粧料は、界面活性剤を含有させると、界面活性能により可溶化するので香り立ちや香りの持続性がよくない。また、ふったり、使用する際に内容物が泡立ってしまい、外観特性上、その商品価値として好ましくない。
【0038】
界面活性剤とは、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0039】
本発明の透明液状化粧料は、上記必須成分に加え、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で通常使用されている任意の成分を含有させることが出来る。これらの成分として、高級アルコール、高級脂肪酸、炭化水素、ロウ類、エステル油、植物油、紫外線吸収剤、防腐剤、保湿剤、多価アルコール、アニオン性高分子、カチオン性高分子、両性高分子、非イオン性高分子、ポリマー類、アミノ酸誘導体、糖誘導体、動植物誘導体、動植物抽出物、増粘剤、ビタミン、紫外線吸収剤、着色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、細胞賦活剤等が挙げられる。
【0040】
本発明の透明液状化粧料の用途としては、整髪料、発毛剤、養毛剤、ヘアトニック、スキンローション等が挙げられる。
【実施例】
【0041】
次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、これに限定されるものではない。配合量は特に断りがない限り質量百分率(%)である。
【0042】
<透明液状化粧料の調製>
「表1」、「表2」、「表3」及び「表4」に示す透明液状化粧料を調製し、香り立ちや香りの持続性、耐光性及び低温下での保存安定性について評価を行った。
【0043】
<香り立ちや香りの持続性についての評価法>
香り立ちとは、塗布した直後に感じる香りの強さであり、香りの持続性とは、塗布後ある一定時間経過した時に空間に漂う香りの強さが十分であるかどうかを意味する。
(1)化粧料を塗布して30秒後、香りの強さ(香り立ち)について、以下の基準で評価した。
◎:香り立ちがとても良い
○:香り立ちが良い
△:香り立ちがやや悪い
×:香り立ちが悪い
(2)30分後、塗布部の香りの強さ(香りの持続性)について、以下の基準で評価した。
◎:香りの持続性がとても良い
○:香りの持続性が良い
△:香りの持続性がやや悪い
×:香りの持続性が悪い
【0044】
<耐光性についての評価法>
(3)各試料をそれぞれ無色透明のガラス容器及びPET容器に充填し、1ヶ月間日光にあてた。一方、対照として、同様に充填したものを1ヶ月間冷暗所で保存(5℃)した。
1ヶ月後、対照品と比較して色味のちがいを目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:初期と変化が見られない
○:初期とやや色味が異なる
△:初期と色味が異なる
×:初期とは全く違う色味になった
【0045】
<低温下での保存安定性についての評価法>
(4)各試料をそれぞれ無色透明のガラス容器及びPET容器に充填し、1ヶ月間冷暗所で保存(−20℃、−10℃)した。
一方、対照として、同様に充填したものを1ヶ月間冷暗所で保存(5℃)した。
1ヶ月後、対照品と比較して結晶の析出等を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:初期と変化が見られない
○:初期とやや異なる
△:試料が白濁する
×:結晶の析出等が確認される
【0046】
実施例1〜11、比較例1〜8(整髪料)
【表1】

【0047】
表1の結果より、本発明の構成要件、(A)2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、(B)UV−Bを吸収する紫外線吸収剤及び(C)30〜60質量%のエタノールを含有する実施例においては、香り立ちや香りの持続性に優れ、低温下でも保存安定性に優れた透明液状化粧料が得られることがわかった。一方、上記の構成要件を欠く比較例では、いずれかの項目において劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
【0048】
実施例12〜27、比較例9〜11(整髪料)
【表2】

【0049】
表2の結果より、香料として、(D)アルデヒド系香料、(E)ラクトン系香料、(F)天然系香料、(G)ケトン系香料から選ばれる1種又は2種以上の香料を含有する実施例では、より香り立ちや香りの持続性に優れ、低温下でも保存安定性に優れた透明液状化粧料が得られることがわかった。一方、本発明の構成要件を欠く比較例では、いずれかの項目において劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
【0050】
実施例18〜24、比較例12〜17(整髪料)
【表3】

【0051】
表3の結果より、(A)2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、(B)UV−Bを吸収する紫外線吸収剤、(C)30〜60質量%のエタノール、(D)アルデヒド系香料、(E)ラクトン系香料、(F)天然系香料、(G)ケトン系香料の全てを含有し、更に(H)タール色素を2種以上含有する実施例では、香り立ちや香りの持続性に優れ、低温下でも保存安定性に優れ、更には、外観特性にも優れた透明液状化粧料を得られることがわかった。更に界面活性剤を含有しないことで、更に香り立ちや香りの持続性に優れ、低温下でも保存安定性に優れ、更には、外観特性にも優れた透明液状化粧料を得られることがわかった。一方、本発明の構成要件を欠く比較例では、いずれかの項目において劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
【0052】
「購買意欲」について10名のパネラーより、意識調査を行い、以下の3種類の容器を用いてアンケートを行った。尚、内容物には、実施例23の透明液状化粧料を用いた。
(1)中身が見えない容器(遮光容器)
(2)少しくすんでいる容器(UVカット加工を施した容器)
(3)透明な容器(UVカット加工を施していない容器)
(評価)各個人がそれぞれの項目に対し、以下の評価を行い、その合計点数で判定した。買いたい:2点
買いたくない:0点
どちらともいえない:1点
合計点数
15点以上:◎
11点以上:○
5点〜10点:△
5点未満:×
【0053】
【表4】

【0054】
表4の結果より、透明な容器(UVカット加工を施していない容器)に入った化粧料は、消費者の購買意欲を高める上で有効な手段であることがわかった。
【0055】
以下、本発明の透明液状化粧料のその他の処方例を実施例として挙げる。尚、これらの実施例の透明液状化粧料についても、香り立ちや香りの持続性、外観特性、低温下での保存安定性に優れた特性を有しており良好であった。
【0056】
実施例24(発毛剤) (質量%)
2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル] 0.02
安息香酸ヘキシルエステル(A)
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(B) 0.03
エタノール(C) 55.0
香料 1.0
内訳
クミンアルデヒド(D) 0.025
クマリン(E) 0.025
イランイランオイル(F) 0.025
マルトール(G) 0.025
その他の香料組成物 0.9
緑色201号(H) 0.0001黄色4号(H) 0.004
赤色227号(H) 0.0001D−パントテニルアルコール 0.2
イソプロピルメチルフェノール 0.1
精製水 残 余
【0057】
実施例25(整髪料) (質量%)
2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル] 0.02
安息香酸ヘキシルエステル(A)
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(B) 0.03
エタノール(C) 55.0
香料 0.1
内訳
ヘリオナール(D) 0.025
シクロペンタデカノリド(E) 0.025
イランイランアブソリュート(F)0.025
メントン(G) 0.025
その他の香料組成物 0.9
緑色205号(H) 0.0001黄色203号(H) 0.004
赤色231号(H) 0.0001(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/ 0.2
メタクリル酸アルキル)コポリマー
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
精製水 残 余
【0058】
実施例26(ヘアトニック) (質量%)
2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル] 0.02
安息香酸ヘキシルエステル(A)
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(B) 0.03
エタノール(C) 55.0
香料 1.0
内訳
スザラール(D) 0.025
ラクトジャスモン(E) 0.025
オレンジオイル(F) 0.025
その他の香料組成物 0.925
緑色3号(H) 0.08
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.3
塩化ベンザルコニウム 0.05
トウガラシチンキ 1.0
D−パントテニルアルコール 0.2
L−メントール 0.2
ローズマリーエキス(商品名:まんねんろう抽出液、香栄興業社製) 0.1
精製水 残 余
【0059】
実施例27(整髪料) (質量%)
2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル] 0.02
安息香酸ヘキシルエステル(A)
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(B) 0.03
エタノール(C) 30.0
香料 1.0
内訳
シトラール(D) 0.025
アンゲリカラクトン(E) 0.025
イリスオイル(F) 0.025
その他の香料組成物 0.925
緑色401号(H) 0.08
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.3
塩化ベンザルコニウム 0.05
ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(17) 0.5
ブチルエーテル
グリセリン 3.0
D−パントテニルアルコール 0.2
L−メントール 0.2
ローズマリーエキス(商品名:まんねんろう抽出液、香栄興業社製) 0.1
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
精製水 残 余
【0060】
実施例28(ヘアトニック さっぱりタイプ) (質量%)
2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル] 0.02
安息香酸ヘキシルエステル(A)
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(B) 0.03
エタノール(C) 60.0
香料 1.0
内訳
ウイスキーラクトン(E) 0.025
ガージュンバルサム(F) 0.025
オキソセドラン(G) 0.025
その他の香料組成物 0.925
緑色3号(H) 0.08
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.3
塩化ベンザルコニウム 0.05
トウガラシチンキ 1.0
D−パントテニルアルコール 0.2
L−メントール 0.2
L−スレオニン 0.1
L−セリン 0.1
ビワ葉エキス(商品名:ビワ葉エキスCA、丸善製薬社製) 0.1
センブリエキス(商品名:センブリ抽出液、丸善製薬社製) 0.1
エイジツエキス(商品名:エイジツ抽出液、丸善製薬社製) 0.1
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
精製水 残 余
【0061】
実施例29(ヘアトニック しっとりタイプ) (質量%)
2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル] 0.02
安息香酸ヘキシルエステル(A)
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(B) 0.03
エタノール(C) 30.0
香料 1.0
内訳
ジュニパール(D) 0.025
リナロエオイル(F) 0.025
3−ヘキサノン(G) 0.025
その他の香料組成物 0.925
緑色402号(H) 0.08
トウガラシチンキ 1.0
D−パントテニルアルコール 0.2
L−メントール 0.2
塩化ベンザルコニウム 0.05
ショウガ根エキス(商品名:ショウキョウチンキ、香栄興業社製) 0.1
オタネニンジンエキス(商品名:ニンジン抽出液、香栄興業社製) 0.1
マコンブエキス(商品名:海藻エキスK、香栄興業社製) 0.1
ローマカミツレ花エキス 0.1
(商品名:ローマカミツレ抽出液BG−50、香栄興業社製)
冬虫夏草エキス(商品名:冬虫夏草抽出液、丸善製薬社製) 0.1
セイヨウハッカエキス(商品名:ペパーミント抽出液BG、丸善製薬社製)0.1
ユーカリエキス(商品名:ユーカリ抽出液、丸善製薬社製) 0.1
デヒドロジクレオソール 0.01
精製水 残 余
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、香り立ちや香りの持続性に優れた透明液状化粧料を提供することができ、更には、外観特性にも優れ、低温下でも保存安定性に優れているため、従来になく香り立ちや香りの持続性、外観特性に優れた透明液状化粧料の供給が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸へキシルエステル、(B)UV−Bを吸収する紫外線吸収剤及び(C)30〜60質量%のエタノールを含有することを特徴とする透明液状化粧料。
【請求項2】
香料として、(D)アルデヒド系香料、(E)ラクトン系香料、(F)天然系香料、(G)ケトン系香料から選ばれる1種又は2種以上の香料を含有する請求項1記載の透明液状化粧料。
【請求項3】
更に(H)タール色素を含有する請求項1または請求項2のいずれかに記載の透明液状化粧料。
【請求項4】
上記成分(A)〜(H)すべてを含有する請求項1〜3いずれかに記載の透明液状化粧料。
【請求項5】
更にUVカット加工を施していない透明又は半透明の容器に充填した請求項1〜4いずれかに記載の透明液状化粧料。
【請求項6】
更に界面活性剤を含有しない請求項1〜5いずれかに記載の透明液状化粧料。

【公開番号】特開2009−91260(P2009−91260A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260531(P2007−260531)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】