説明

通信システム及び方法

プロセッサと、ユーザがパケットベースの通信ネットワークを介して1つ又は複数の他のユーザとの通話を確立できるように構成された通信クライアントと、リモート制御ユニットとを備えたメディアデバイスにおいて、リモート制御ユニットは、プロセッサにデータを送信するように構成された無線通信手段と、無線通信手段を制御するように構成された制御手段と、ユーザからの入力コマンドを受信し制御手段に入力コマンドを提供するように構成されたユーザ入力手段と、ユーザからのオーディオ信号を受信するように設けられたマイクロホンを備える。制御手段がユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、制御手段は、無線通信手段を非起動状態から起動させ、プロセッサとの接続を確立し、ネットワーク経由での呼における送信のために、無線通信手段を用いてマイクロホンからのオーディオ信号を送信するように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パケットベースの通信システムは、パソコンなどの装置のユーザがインターネットなどのコンピュータネットワークを介して通信することを可能にする。パケットベースの通信システムは、ボイスオーバーインターネットプロトコル(「VoIP」)通信システムを含む。それらのシステムは、固定回線や携帯電話ネットワークよりもしばしば大幅に低コストであるようにユーザに対して利益をもたらす。これは特に長距離通信の場合であってもあてはまる。VoIPシステムを使用するには、ユーザが彼らの装置上にクライアントソフトウェアをインストールして実行する必要がある。クライアントソフトウェアは、VoIPの接続だけでなく、登録や認証などの他の機能を提供している。音声通信に加えて、クライアントはまた、ビデオ通話、インスタントメッセージング(「IM」)、SMSメッセージ、ボイスメールなど、別の機能を提供することもできる。
【0003】
パケットベースの通信システムの1つのタイプは、独自のプロトコル上に構築されたピアツーピア(「P2P」)のトポロジーを使用する。ピアツーピアシステムへのアクセスを可能にするには、ユーザが自分のコンピュータ上でP2Pソフトウェアのプロバイダによって提供されるP2Pクライアントソフトウェアを実行する必要があり、P2Pシステムに登録する必要がある。ユーザがP2Pシステムに登録したとき、クライアントソフトウェアがサーバからデジタル証明書ともに提供される。いったんクライアントソフトウェアが上記証明書ともに提供されると、次いで通信を設定(セットアップ)することができ、P2Pシステムのユーザ間でサーバのさらなる使用をすることなく通信を行うことが可能となる。特に、P2Pシステムへのアクセスを可能にする1つ又は複数のデジタル証明書(又はユーザ識別証明書、「UIC」)の交換に基づいてP2Pシステムを介してユーザ自身らの通信のルーティングを確立することができる。ユーザ間のデジタル証明書の交換はユーザ識別の証拠を提供し、それらがP2Pシステムにおいて適切に許可されかつ認証されたことの証拠を提供する。従って、デジタル証明書の提示は、ユーザのIDの信頼性を提供する。それ故、通信がサーバを用いてルーティングされないがエンドユーザからエンドユーザに直接にルーティングされることがピアツーピア通信の特徴である。そのようなP2Pシステムのさらなる詳細は特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2005/009019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パケットベースの通信システムに関する問題は、ユーザのパケットベースの通信システムのアクセスが制限されていることである。特に、そのようなシステムは最も一般的にパーソナルコンピュータを用いてアクセスされる。これは、ユーザのパーソナルコンピュータ上の上記パケットベースの通信システムのクライアントソフトウェアをダウンロードしてインストールすることに対してユーザが十分に技術的に有能である必要があるという欠点を有し、パケットベースの通信システムの使用を始める上での障壁を提供することになる。上記通信クライアントがあるパーソナルコンピュータ上でインストールされ実行されている場合でも、パケットベースの通信システムの使用は、ユーザが通信を行うことに慣れているか、もしくは快適な場所においてほとんどいないので、制限されるかもしれない。例えば、パーソナルコンピュータは、多くのユーザのための呼発生のために最も自然であるか、もしくは身近な環境である研究室においてしばしば設けられている。
【0006】
パケットベースの通信システムはまたある携帯端末装置を介してアクセス可能であるときに、これらは一般に、例えばビデオ通話のようなフルレンジの特徴を提供することが可能である処理リソース又は表示画面を有していない。
【0007】
従って、パケットベースの通信システムのアクセス性に関する上記の問題点を解決するための技術の必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、通信クライアントアプリケーションを格納するメモリと、上記メモリと接続されかつ上記通信クライアントアプリケーションを実行するように動作可能であるプロセッサと、リモート制御ユニットとを備えたメディアデバイスが提供され、上記クライアントアプリケーションは実行されるときに、ユーザがパケットベースの通信ネットワークを介して1つ又は複数の他のユーザとの通話を確立できるようにプログラムされる。上記リモート制御ユニットは、上記プロセッサにデータを送信するように設けられた無線通信手段と、上記無線通信手段と接続され、上記無線通信手段を制御するように構成された制御手段と、上記制御手段に接続され、上記ユーザからの入力コマンドを受信しかつ上記入力コマンドを上記制御手段に提供するように設けられたユーザ入力手段と、上記制御手段に接続され、ユーザからオーディオ信号を受信するように設けられたマイクロホンとを備える。上記制御手段が上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、上記制御手段は、上記無線通信手段を非起動状態から起動させ、上記プロセッサとの無線接続を確立し、上記パケットベースの通信ネットワークを介して呼を送信するために、上記マイクロホンからのオーディオ信号を含むデータを上記プロセッサに対して送信するように設けられる。
【0009】
マイクロホンを上記リモート制御ユニットに統合することにより、ユーザは、上記メディアデバイスにもうすでに存在しておりかつユーザに身近なハードウェアを用いて上記パケットベースの通信システムネットワークを介する呼において容易に通話することができる。上記ユーザは、呼を受信するために別のハードウェアを購入してインストールすることを必要としない。上記ユーザは上記メディアデバイス上の内蔵マイクロホンの近くにすわる必要もない。これに代えて、上記リモート制御ユニットは上記ユーザの近くに存在するので、マイクロホンは、ユーザが呼発生するために座っている場所に非常に近いところにある。上記リモート制御ユニットにおける無線通信手段の起動は呼確立時の起動であるためのみに制御されるので、上記リモート制御における電力消費は最小化される。
【0010】
上記リモート制御ユニットはさらに、上記制御手段に接続され、データを上記プロセッサに送信するように設けられた別の無線通信手段を備えてもよい。好ましくは、上記別の無線通信手段は赤外線送信機である。上記制御手段は、ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、上記別の無線通信手段を用いて、上記プロセッサへの呼確立メッセージを送信するように設けてもよい。
【0011】
1つの実施形態において、上記プロセッサは、上記呼確立メッセージを受信することに応答して、上記パケットベースの通信ネットワークを介して上記呼を接続するように設けられる。もう1つの実施形態において、上記プロセッサは、上記リモート制御ユニットとの無線接続の確立に応答して、上記パケットベースの通信ネットワークを介して、上記呼を接続するように設けられる。
【0012】
上記通信クライアントアプリケーションは、上記パケットベースの通信ネットワークを介する伝送のためのインターネットプロトコルパケット上の音声として、上記プロセッサで受信されたオーディオ信号を符号化するように設けてもよい。
【0013】
好ましくは、上記無線通信手段は無線送信機を備える。好ましくは、上記無線送信機は、Bluetooth(登録商標)送信機である。
【0014】
1つの実施形態において、上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドは、着呼を受諾するためのコマンドである。上記マイクロホンは上記リモート制御ユニットから引き込み格納可能であり、上記リモート制御ユニットは上記ユーザが上記マイクロホンを引き出したことに応答して、上記着呼を受諾するように設けられる。もう1つの実施形態において、上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドは、発呼するためのコマンドである。
【0015】
好ましくは、上記制御手段はさらに、上記制御手段が上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、上記マイクロホンを起動するように設けられる。
【0016】
上記通信クライアントアプリケーションは、他のユーザからの着信通信イベントのユーザに通知を発生するために設けられる。好ましくは、上記通信クライアントアプリケーションは、テレビジョン受像機の画面上への出力のためにユーザインターフェースを発生するように設けられる。好ましくは、上記ユーザインターフェースは、上記ユーザに関連付けられているパケットベースの通信ネットワークの1つ又は複数の他のユーザのリストを備える。
【0017】
好ましくは、上記リモート制御ユニットはさらにスピーカ及び無線受信機を備え、上記プロセッサは、上記リモート制御ユニットの上記無線受信機に対する呼において上記パケットベースの通信ネットワークから受信された音声信号を送信するように設けられ、上記リモート制御ユニットは上記スピーカからの音声信号を再生するように設けられる。
【0018】
上記通信クライアントアプリケーションはさらに、1つ又は複数の他のユーザとインスタントメッセージングセッションを確立するように設けてもよく、上記リモート制御ユニットは、上記インスタントメッセージングセッションにおいてパケットベースの通信ネットワークを介する伝送のために、上記無線通信手段を用いて上記入力手段で受信された英数字のデータを上記プロセッサに送信するように設けられる。
【0019】
好ましくは、上記クライアントアプリケーションは、上記ユーザに対して、上記パケットベースの通信ネットワークにおけるピアツーピア接続を介して呼を確立するようにプログラムされる。
【0020】
1つの実施形態において、上記メディアデバイスは、テレビジョン受像機と、上記テレビジョン受像機に接続されるように設けられたセットトップボックスとのいずれか1つを備える。上記メディアデバイスはさらに、テレビジョン放送信号を受信するように動作可能なテレビジョン受信機を備えてもよい。上記プロセッサは、呼の確立に応答して上記テレビジョン受信機で受信されたテレビジョン放送信号のオーディオ成分のボリュームを低減するように設けられてもよい。
【0021】
もう1つの実施形態において、上記メディアデバイスは、テレビジョン受像機に接続するように設けられたビデオディスクプレーヤと、テレビジョン受像機に接続するように設けられたパーソナルビデオレコーダとのいずれか1つを備える。
【0022】
本発明のもう1つの態様によれば、通信クライアントを実行するプロセッサと、マイクロホンを備えたリモート制御ユニットとを有するメディアデバイスにおいて、パケットベースの通信ネットワークを介して呼を確立する方法が提供される。上記方法は、上記リモート制御の制御手段において上記リモート制御ユニットのユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することと、上記コマンドを受信することに応答して、上記制御手段が無線通信手段を非起動状態から起動することと、上記無線通信手段が上記プロセッサとの無線接続を確立することと、上記パケットベースの通信ネットワークを介する呼の伝送のために、上記リモート制御ユニットの上記マイクロホンからのオーディオ信号を含むデータを上記無線通信手段を用いて上記プロセッサに送信することとを含む。
【0023】
上記方法は、上記制御手段が、上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、呼確立メッセージを別の無線通信手段を用いて上記プロセッサに送信するステップをさらに含んでもよい。
【0024】
1つの実施形態において、上記方法は、上記プロセッサが、上記呼確立メッセージを受信することに応答して、上記パケットベースの通信ネットワークを介して上記呼を接続するステップを含んでもよい。もう1つの実施形態では、上記方法は、上記プロセッサが、上記リモート制御ユニットとの無線接続の確立に応答して、上記パケットベースの通信ネットワークを介して上記呼を接続するステップをさらに含む。
【0025】
上記方法は、上記通信クライアントアプリケーションが、上記パケットベースの通信ネットワークを介する伝送のために、インターネットプロトコルパケット上の音声として、上記プロセッサで受信されたオーディオ信号を符号化するステップをさらに含んでもよい。
【0026】
1つの実施形態において、上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドは、着呼を受諾するためのコマンドである。上記マイクロホンはリモート制御ユニットから引き込み格納可能であり、上記ユーザが上記マイクロホンを引き出したことに応答して、上記着呼を受諾するステップをさらに含んでもよい。もう1つの実施形態では、上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドは、発呼するためのコマンドである。
【0027】
上記方法は、上記制御手段が上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、上記マイクロホンを起動するステップをさらに含んでもよい。
【0028】
上記方法は、上記通信クライアントアプリケーションが、他のユーザからの着信通信イベントのユーザに通知を発生するステップをさらに含んでもよい。
【0029】
上記方法は、上記通信クライアントアプリケーションが、テレビジョン受像機の画面上への出力のためのユーザインターフェースを発生するステップをさらに含んでもよい。好ましくは、上記ユーザインターフェースは、ユーザに関連付けられているパケットベースの通信ネットワークの1つ又は複数の他のユーザのリストを備える。
【0030】
上記リモート制御ユニットはさらにスピーカ及び無線受信機を備え、上記方法は、上記プロセッサが、上記リモート制御ユニットの上記無線受信機に対する呼において上記パケットベースの通信ネットワークから受信された音声信号を送信するステップと、上記リモート制御ユニットが、上記スピーカからの音声信号を再生するステップとをさらに含んでもよい。
【0031】
上記方法は、上記通信クライアントアプリケーションが、1つ又は複数の他のユーザとインスタントメッセージングセッションを確立するステップと、上記リモート制御ユニットが、上記インスタントメッセージングセッションにおいてパケットベースの通信ネットワークを介する伝送のために、上記無線通信手段を用いて上記入力手段で受信された英数字のデータを上記プロセッサに送信するステップとをさらに含んでもよい。
【0032】
本発明のもう1つの態様によれば、プログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム製品が提供され、上記プログラムコード手段がコンピュータによって実行されるとき、上記方法に従って上記ステップを実行する。
【0033】
本発明のより良い理解のために、また、本発明を効果的に示すために、一例として以下の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】内蔵された通信クライアントを有するテレビジョン受像機(TV)の機能ブロックを示すブロック図である。
【図2】図1のTVで使用するためのリモート制御ユニットの機能ブロックを示すブロック図である。
【図3】リモート制御ユニットの物理的なレイアウトを示す。
【図4】例示のパケットベースの通信システムを示す。
【図5】ユーザが着呼の通知がされたときに実行されるプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
パケットベースの通信システムに関する上記の問題を解決するために、テレビジョン受像機(「TV」)からそのようなシステムに対するアクセスをユーザが可能とするための技術が開発されている。このことは、上記通信クライアントをTV自身に内蔵することにより、もしくは、上記TVに接続された別のセットトップボックス(「STB」)を介して達成できる。代替の実施形態では、内蔵された通信クライアントは、ゲーム機又はビデオ再生装置(例えば、ビデオディスクプレーヤ、又はパーソナルビデオレコーダなど)などの、TVに接続されるもう1つの装置に備えることができる。
【0036】
TVは、上記パケットベースの通信システムに内蔵装置で(ビルトインで)アクセスすることを必要とするすべての内蔵するハードウェア及びソフトウェアともに提供することができるので有利である。とって代わって、これは、公知のインターフェース(例えば、HDMI、SCART、又はコンポーネントインターフェースなど)を使用して、既存のTVに容易に接続されるSTB(又は他のTVが接続された装置)に内蔵することができる。これは、ユーザがユーザのパーソナルコンピュータにダウンロードしてインストールすることの必要性を除去しており、技術を有しないユーザがユーザの家庭でのパケットベースの通信システムにアクセスすることができるというより簡単な方法を提供する。さらに、上記TVは典型的には家の居間に設けられており、このことは、地上のPSTN電話回線のための伝統的な場所であるために、友人や親戚と通信を行うために多くのユーザに対して最も慣れた家の場所から上記パケットベースの通信システムをアクセスすることを可能にしている。
【0037】
TVへのパケットベースの通信クライアントの内蔵は、ビデオ通話のために利用することができる大型画面が存在しているという利点を有する。さらに、重要な処理能力がTVで提供することができ、大規模な電源の電気的駆動の民生電子機器の電源の要件として、例えばモバイルデバイスに比較して厳格ではないからである。これは、例えば高品質の音声とビデオの符号化などの、すべての範囲の機能が内蔵された通信クライアントに含まれることを可能にしている。
【0038】
しかしながら、公知のTVは、双方向通信のいずれかの形式に対応するために設計されていない。従って、ユーザに対して直感的である、呼及びメッセージの発生及び受信のためのTVとユーザとのインターアクションを可能にするためのシステムを必要とする。
【0039】
これを達成するために、TVのリモート制御は、呼を発生して受信することが機能的にできるように改善されるとともに、上記TVを用いてメッセージを送信したり受信したりすることができるように改善される。
【0040】
しかしながら、ユーザが呼を発生しメッセージを受信することができるようにリモート制御の機能を改善することに関する問題は、上記リモート制御における消費電力が大きく増大するという点にある。このことは、上記リモート制御がバッテリ駆動のデバイスであるために問題が発生し、それ故、ユーザは頻繁に電池を交換する必要がある。とって代わって、もしリモート制御が充電式電池を使用している場合、ユーザはより頻繁に充電する必要がある。従って、リモート制御において注意深い電力管理を行う必要性がある。このことは、特に、リモート制御はTVを制御するために使用されるとともに、通信機能をも提供するという事実の観点から場合である。ユーザによる通信機能の使用により、もし電池がリモート制御で消耗するならば、このことはユーザはTVを制御すること(例えば、チャンネルを変えるとか)ができなくなる。このことは、ユーザの一部に大きな不満をもたらす。
【0041】
TV100に内蔵されたハードウェア及びソフトウェアの機能ブロックを図示する図1をいま参照する。TV100は上記ユーザに対して画像を表示するための画面102を備え、当該画面102は、ビデオ信号を画面102に正しく表示されるために必要な形式に変換するように設けられたビデオドライバのハードウェア104によって駆動される。ビデオドライバのハードウェア104には、2個のフレームバッファ106及び108からのデジタルビデオデータが供給される。フレームバッファ106及び108は、ユーザに表示すべきビデオデータをバッファする格納デバイスである。フレームバッファ2(「FB2」)は、放送波TVの表示のために公知である標準的なTVビデオ信号を受信する。フレームバッファ1(「FB1」)106は、以下に説明されるように、ビデオパケットベースの通信クライアントに関連するビデオデータを格納する。オーディオ増幅器110はTVオーディオ信号を受信して増幅し、少なくとも1つのスピーカ112を介して出力する。
【0042】
TVオーディオとビデオ入力自身は、衛星中継局、無線地上中継局やケーブルなどの任意の適当な手段を介して放送されるテレビジョン信号から発生され、TV100のテレビジョン受信ユニット(図示せず。)により受信される。放送は、マルチキャスト(すなわち、ポイントツーマルチポイント)とは異なることを含め、ポイントツーポイント通信と異なっていることに注意すべきである。放送では、信号は無差別に送信され、すなわち、ユーザが当該信号を受信するように選択するか否かにかかわらず送信される(ただ認証されたユーザのみが放送にアクセスすることができるように復号化キー又はそのようなものを必要とするであろう)。一方、ポイントツーポイントでは、信号はユーザ又は信号を受信したユーザにより要求される必要がある。そうでなければ、もう1つの方法としては、放送を受信するために、信号を放送者に対して送る必要なしにユーザが簡単に「同調」する。一方、ポイントツーポイント通信を確立するために、信号はユーザと放送者との間で交換する必要がある。
【0043】
TV受信機ユニットは、例えば、アンテナ、衛星放送受信アンテナ又はケーブル入力と、サンプリング回路と、フィルタと、ローノイズアンプと、ミキサと、及び/又はアナログ/デジタル変換器とを備える。
【0044】
受信機ユニットで受信された後、信号は、図1のフレームバッファ及び増幅器に入力される前に信号処理装置(図示せず。)によって処理される。信号処理は、例えばデジタルフィルタと、デマルチプレクサと、デコーダと、復号化ブロックと、及び/又はエラーチェックブロックとを備え、これらは、1つ又は複数のオンチップ周辺回路(図示せず。)の形式でオンチップハードウェアで実装することができ、1つ又は複数の入出力周辺回路を介してアクセスされる1つ又は複数のオフチップユニットの形式でオフチップハードウェアで実装することができ、又は、メモリに格納されたソフトウェアの形式でかつTV100(図示せず。)の中央処理装置(CPU)のテレビの上で実行されるように実装され、もしくは、これらの任意の組み合わせの形式で実装することができる。
【0045】
TV100に内蔵されたパケットベースの通信クライアントは4つの主要な構成要素に基づいて構成される。好ましくは、これらの4つの構成要素は、プロセッサ上で実行され、メモリに格納されたソフトウェアである。当該4つの構成要素は、クライアントエンジン114と、音声エンジン116と、ビデオエンジン117と、TVユーザインターフェース11とからなる。
【0046】
クライアントエンジン114は、パケットベースの通信システムへの接続を設定することを担当している。これは、TV100からインターネット120への接続を介して実行される。TV100は、モデムなどのネットワークインターフェース122を介してインターネット120に接続され、TV100とネットワークインターフェース122との間の接続はケーブル(有線)接続又は無線接続を介してもよい。クライアントエンジン114は、呼の設定(セットアップ)、認証、暗号化、及び接続の管理だけでなく、ファイアウォール越え、現在状態の更新、連絡先リストの管理などの、上記パケットベースの通信システムに関係する他の機能を実行する。
【0047】
音声エンジンは、インターネット120を介する伝送のためにVoIPパケットとしてTV100に入力されるビデオ信号の符号化と、TV100のユーザに対するオーディオ情報の呈示のために、インターフェース120から受信されたVoIPパケットの復号化とを担当している。
【0048】
映像エンジンは117は、ビデオ通話においてインターネット120を介して伝送するためにビデオパケットとして上記TVに入力されるビデオ信号(例えば、ウェブカム又はその他のビデオカメラから)の符号化と、TV100のユーザに対するビデオ画像として呈示するためにビデオ通話呼においてインターネット120から受信されたビデオパケットの復号化とを担当している。
【0049】
TVユーザインターフェース(「UI」)118は、TV画面102上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースの形式でTV100のユーザに対する視覚的な情報を提示することを担当している。
【0050】
クライアントエンジン114は、UIがユーザに対して何を表示するかを制御するために、TV UI118に接続される。クライアントエンジンは114はまた、インターネットを介して音声及びビデオパケットの効率的な送受信を行うために、音声エンジン116及びビデオエンジン117と密接に統合される。
【0051】
音声エンジン116は、ユーザからの音声信号がTV UI118を介して音声エンジン116に伝送され、並びにその逆方向で伝送されるように、TV UI118に接続される。ビデオエンジン117は、TV画面102に表示されるビデオデータを提供するためのFB2 108に接続される。
【0052】
TV UI118は、グラフィカルユーザインターフェースのデータがバッファされ最終的にユーザに対して画面102上に表示されるように、FB1 106に接続される。TV UI118はまた増幅器110に接続されて、TVスピーカ112から(例えば音声信号又は通知などの)音声を生成することができる。TV UI118はまた、赤外線(「IR」)受信機124とBluetooth(登録商標)トランシーバ126に接続され、これらは後述するリモート制御ユニットとの通信に使用される。
【0053】
もし内蔵される通信クライアントがTVに接続するためのSTB(又は他のTV接続デバイス)の形式で提供されている場合は、図1のシステムは以下のことのみ異なる。すなわち、画面102、増幅器110及びスピーカ112のブロックはTV自身に設けられる一方、残りのブロックはTVに接続されるセットトップボックスにおいて設けられる。
【0054】
図1のTV100と通信するように設けられたリモート制御ユニット200の機能ブロックを示す図2をいま参照する。リモート制御ユニット200は、リモート制御ユニット200の動作を制御するために設けられた中央演算処理装置(「CPU」)202を備える。特に、CPU202は、TV100とリモート制御ユニット200との間のデータの送受信を制御する。
【0055】
リモート制御ユニット200は、2つの異なる方法TV100と通信するように設けられる。まず、リモート制御は、IR信号をTV100のIR受信機124に送信するIR送信機204を備える。これは、テレビジョンで使用される従来のリモート制御ユニットと同様の方法で実行される。これは、リモート制御などのバッテリ駆動デバイスのための重要である電力効率の利点がある。しかしながら、このことはまた、見通し内信号経路及び低データレートを必要とするという欠点を有する。従って、IR送信機204は、TV100にコマンドを送信するために使用される。これらのコマンドは、以下に説明する、内蔵される通信クライアントに関連するコマンドと同様に、例えばチャンネルの変更、スタンバイへの切り換え、ボリュームの調整などの従来のTVコマンドを含む。
【0056】
TV100と通信するための第2の方法は、Bluetooth(登録商標)接続によるものである。リモート制御ユニット200は、TV100にあるBluetooth(登録商標)トランシーバ126と通信することができるBluetooth(登録商標)トランシーバ206を備える。Bluetooth(登録商標)は、低消費電力の短距離無線規格であるため、見通し内信号経路を必要としない。高いデータレートはまた、IRと比較して、Bluetooth(登録商標)接続にもご利用可能である。Bluetooth(登録商標)トランシーバ206は、データ接続がそれらの間で容易に形成可能であるように、TV100に設けられたBluetooth(登録商標)トランシーバ126とペアになっている。データ接続は、リモート制御ユニット200からTV100へのデータ伝送を可能にでき、必要に応じて、リモート制御ユニット200においてTV100からのデータの受信を行うことができる。
【0057】
IR送信機204とのBluetooth(登録商標)トランシーバ206とは、CPU202に接続され、CPU202はこれらのユニットの起動を制御し、これらに対して送信すべきデータを提供する(並びに、必要に応じて、Bluetooth(登録商標)トランシーバ206によって受信されたデータを読み取る)。
【0058】
またCPU202にはマイクロホン回路208が接続される。マイクロホン回路208は、リモート制御ユニット200のユーザからの音声などのオーディオ情報を受信し、オーディオ情報を処理のためにCPU202に提供するように設けられる。オーディオ情報はTV100に送信され、詳細後述するようにVoIPパケットとしてインターネットを介して送信される音声である。マイクロホン回路208は、マイクロホンと、増幅器と、CPU202に入力することができるオーディオ信号のデジタル表現を発生するためのアナログ/デジタル変換器とを備える。
【0059】
必要に応じて、CPU202にはスピーカ回路210が接続される。スピーカ回路210は、CPU202からのオーディオデータを受信し、リモート制御のユーザが聞くことができるように可聴音を発生するように設けられる。スピーカ回路210は、デジタル/アナログ変換器と、増幅器と、スピーカとを備える。スピーカ回路210は、後述するように、リモート制御ユニット200のユーザが、インターネット経由で相手方からの音声通話を聞くことができるように用いられる。
【0060】
リモート制御ユニット200の物理的なレイアウトを示す図3をいま参照する。リモート制御ユニット200は、TVのための従来のリモート制御に似ている。しかしながら、リモート制御ユニット200は、統合された内蔵マイクロホン302を備え、必要に応じて、統合された内蔵スピーカ304を含む。このことは、ユーザがTV100に内蔵のマイクロホンの近くに座る必要がないことを意味する。代わりに、リモート制御ユニットは、ユーザの近くにいる可能性が高く、電話会議システムの外部マイクロホンと同様に動作し、その結果、コーヒーテーブルのように近くのオブジェクト上に設けられているとき、それはユーザが通話中に座っている場所にはるかに近いとされ、マイクロホンはユーザからの音声をピックアップすることができる。さらに、このことはまた、もしこのことがユーザにより好まれるならば、リモート制御ユニット200は従来の電話機と同様の方法でユーザの頭に保持することができる。上述のように、IR送信機204及びBluetooth(登録商標)トランシーバ206は当該ユニットに統合される。
【0061】
リモート制御ユニット200はさらに、従来のテレビ制御目的のために、また、内蔵されたパケットベースの通信クライアントの情報を入力するためにキーパッド306を備える。キーパッド306はまた、アルファベットの文字を入力するために使用することができる番号のキーを備える。スタンバイボタン308は、TV100をスタンバイモードにするために用いられる。専用のファンクションキー310は、パケットベースの通信クライアントの動作を制御するために用いられ、方向パッド312はテレビのユーザインターフェースをナビゲートするために用いられる。
【0062】
パケットベースの通信システムともに、TV100及び改善されたリモート制御ユニット200の動作を説明するために、例示のシステム400の一部においてTV100の使用を示す図をいま参照する。
【0063】
図4に図示された例示的な実施形態はP2P通信システムを用いて説明しているが、例えば非P2P、VoIP、又はIMシステムなどの他のタイプの通信システムを用いることができる。図4に図示されたシステム300は、TV404を動作させる通信システムの第1のユーザ402を図示しており、TV404はネットワーク406に接続される。通信システム400は、インターネットなどのネットワークを利用していることに注意する。TV404は、モデムなどのネットワークインターフェース408を介してネットワーク406に接続され、ユーザ端末104とネットワークインターフェース108との間の接続はケーブル(有線)接続又は無線接続を介してもよい。図4に図示されたTV404はスタンドアロンユニットであるが、別々のTV及びSTB(又は他のTV接続された装置)を使用することもできることを理解する必要がある。
【0064】
TV404は内蔵された通信クライアント410を実行している。代替の実施形態においては、上記内蔵された通信クライアントはセットトップボックスで実行可能であることに注意する。上記内蔵された通信クライアント410はTV404のローカルプロセッサ上で実行されるソフトウェアを備える。
【0065】
TV404は、ユーザ402からの情報を受信し、ユーザ402への情報を出力するように設けられる。リモート制御ユニット412は、TV404の制御のためにユーザ402によって操作される入力装置として動作する。リモート制御ユニット412は、ユーザがビデオ通話において通話し、(必要に応じて)聞くことができるように、マイクロホンと、(必要に応じて)スピーカとを備える。リモート制御ユニット412は、前述のようにTV404と無線通信する。
【0066】
TV404はまた、テレビジョン放送信号を受信し、これらを画像(テレビジョン番組)としてユーザにTV画面上に表示する。テレビジョン放送信号は、地上波、衛星放送やケーブル放送で配信することができ、アナログ信号やデジタルデータの形式で配信可能である。ユーザ402はリモート制御ユニット412を使用して(例えば表示するチャンネルなど)テレビジョン信号の表示を制御することができる。
【0067】
内蔵された通信クライアント410はネットワーク406を用いて、パケットベースの通信システムを介してなされる通話を確立しかつ管理するように設けられる。内蔵された通信クライアント410はまた、ユーザインターフェースの形式で、TV404の画面上でユーザ402に対して情報を提供するように設けられる。ユーザインターフェースは、ユーザ402に関連付けられている連絡先(コンタクト)のリスト(住所録)を備える。連絡先リストの各連絡先には、それに関連付けられている連絡先によって選択された現在状態を有し、これらの連絡先のそれぞれに連絡先の詳細及び連絡先で定義された現在の情報を表示するために、クライアント410のユーザ402の認可を受ける。
【0068】
パケットベースの通信システムのユーザのための連絡先リストはコンタクトサーバ(図4に示されず。)に格納される。クライアント410がまず通信システムにログインしたとき、コンタクトサーバと接続され、連絡先リストがクライアント410にダウンロードされる。このことは、ユーザが任意の端末からの通信システムにログインすることを可能にし、同じ連絡先リストにアクセスすることができる。コンタクトサーバはまたムードメッセージ(連絡先リスト内のすべてのユーザと共有されている、ユーザ定義の短いテキストベースの状態)と、ユーザ(アバターとして知られている)を表すために選択した画像を格納するために使用される。この情報はクライアント410にダウンロードすることができ、この情報は、異なる端末からログオンするユーザのための一貫性のあることを可能にする。クライアント410はまた周期的に、連絡先リストの連絡先に関する情報への変更を取得するためにコンタクトサーバと通信を行い、もしくは、新しい連絡先が追加された格納された連絡先リストを更新するためにコンタクトサーバと通信を行う。
【0069】
また、ネットワーク406には第2のユーザ414が接続されている。図4に図示された例示の例では、ユーザ404は、パーソナルコンピュータの形式でユーザ端末416を操作している。代替の実施形態においては、ユーザ端末の他のタイプも、パケットベースの通信システムに接続されることに注意する。パーソナルコンピュータ(「パソコン」)(例えば、Windows(登録商標)版、MacOSは、LinuxのPCを含む)に加えて、パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、携帯電話、又はゲーム機器も接続することができる。本発明の好ましい実施形態において、ユーザ端末416は、画面と、例えばキーボード、マウス、ジョイスティック及び/又はタッチ画面などの入力デバイスなどの表示を含む。ユーザ装置416は、モデムなどのネットワークインターフェース418を介してネットワーク406に接続される。
【0070】
代替の実施形態においては、ユーザ端末416は、図4に示されていない追加の中間のネットワークを介して通信ネットワーク406に接続できることに注意する。例えばもしユーザ端末416が携帯端末装置であれば、それは(例えばGSM又はUMTSネットワークなどの)携帯電話ネットワークを介して通信ネットワーク406に接続することができる。
【0071】
ユーザ端末416は、ソフトウェアのプロバイダによって提供される通信クライアント420を実行している。通信クライアント420は、内蔵された通信クライアント410と同様の構成要素を含むユーザ端末416においてローカルプロセッサ上で実行されるソフトウェアプログラムである。通信クライアント420は、ユーザ端末416がパケットベースの通信システムに接続されることを可能にしている。ユーザ端末416はまたハンドセット422に接続され、当該ハンドセット422は、ユーザが音声通話において聞いて話すことを可能にするためにスピーカ及びマイクロホンを備える。マイクロホン及びスピーカは、必ずしも伝統的な電話の受話器の形式にする必要はないが、ユーザ端末416に独立に接続され、もしくはユーザ端末416自身に統合された個別の拡声用スピーカ及びマイクロホンのように、統合されたマイクロホンとのヘッドホン又はイヤホンの形式で構成してもよい。
【0072】
第1のユーザ402が第2のユーザ414に示されたクライアント420の連絡先リストに記載されていると仮定すると、第2のユーザ414は、当該連絡先を選択してマウスなどのポインティングデバイスを使用してボタンをクリックすることによって、上記通信システムを介して第1のユーザ402に発呼することができる。呼の設定(セットアップ)は独自のプロトコルを使用して実行することができ、発呼ユーザと被呼ユーザとの間のネットワーク406を介した経路はサーバを使用することなしにピアツーピアシステムによって決定される。
【0073】
(ユーザが通信システムの正規の加入者であることを証明するために−特許文献1において詳述されている)デジタル証明書の提示を介して認証することに続いて、この呼を確立することができる。
【0074】
再び、図1と図2を参照すると、着呼はクライアントエンジン114で受信されるとき、TV UI118には着信が通知される。このことは、TV UI118を着呼状態に遷移させ、その結果、リモートからのキーを押すことでこの状態を適切に解釈される。TV UI118はグラフィックデータをFB1 106に出力することにより、TV画面102上に着呼の通知が表示され、その結果、ユーザ402は着呼を知ることになる。この通知は所定の間だけ実行してもよく、その後、当該通知が徐々に消滅するように表示し(もしTVがこのことをサポートしているならば)、着呼状態は無効になる。通知方法は、TVがスタンバイモードになっているかどうか、又はアクティブになっているに応じて変更することができることをさらに注意する。もしTV100がアクティブになっている場合、通知は画面102に表示される。TVはスタンバイモードになっている場合は、クライアントエンジン114は、(増幅器110及びスピーカ112を介して)音声を生成し、LED(図1において図示せず。)を点滅して、もしくは、TV画面102を起動することにより、当該ユーザに対して着呼を通知するようにTV UI118を制御する。
【0075】
ユーザに着呼が通知されたときに行われるプロセスのフローチャートを示す図5をいま参照する。ボックス501はリモート制御ユニット200で実行されるステップを示しており、ボックス503はTV100で実行されるステップを示していることに注意する。
【0076】
ユーザ402はリモート制御ユニット412のキーを押すか、可動マイクロホンユニットをスライドさせて押し出すかなどの物理的な動きを行うことにより、着呼に対する応答を選択することができる。ステップS502で、リモート制御ユニットは、ユーザが着呼を受諾するように選択されていることを検出する。ユーザによる着呼応答に応答して、
リモート制御部200は、ステップS504においてIR送信機204を用いてTV100にコマンドを送信する。このコマンドは、ユーザが(ボタンを押すか、又はアクションを実行することによって)呼を受諾したことを選択したことを示す。
【0077】
これと並行して、リモート制御部200は、ステップS506においてBluetooth(登録商標)トランシーバ206を起動する。バッテリの消費電力を節約するために必要とされるまでは、Bluetooth(登録商標)トランシーバ206は起動されない。このことは、Bluetooth(登録商標)トランシーバ206がIR送信機204よりも多くの電力を消費し、(チャンネル変更などの)TVの機能を制御するために必要とされないからであり、通信機能が必要とされるまでは起動されない。
【0078】
ステップS508において、Bluetooth(登録商標)トランシーバ206は、TV100のBluetooth(登録商標)トランシーバ126との接続を確立する。ステップS510において、マイクロホン回路208は起動され、その結果、マイクロホンへのオーディオ入力はCPU202に入力される。これは、通信機能に必要されるまでは、マイクロホン回路は起動されないままになるように、リモート制御ユニットでの電力をさらに節約する。
【0079】
ステップS512において、TV UI118がIR受信機124でIRの送信機204を介して送信されたコマンドを受信したときに、TV UI118が着呼状態であるので、このことは、呼受諾コマンドとして解釈される。代替の実施形態においては、ステップS504でリモート制御ユニット200から送信されたIRコマンドを省略することができ、その代わりに、TV100とリモート200との間でのBluetooth(登録商標)接続を呼受諾コマンドとして解釈することもできることに注意する。
【0080】
TV UI118は「応答呼」コマンドをクライアントエンジン114に出力する。「応答呼」コマンドに応答して、クライアントエンジン114は、呼び出し中のユーザ414の通信クライアント420と呼接続を確立する。
【0081】
ユーザ402が(図3に図示された)マイクロホン302を用いて通話をすると、オーディオ信号はマイクロホン回路208によりデジタルデータに変換され、CPU202に入力される。CPU202はBluetooth(登録商標)トランシーバ206を制御して、オーディオ信号をTV100のBluetooth(登録商標)トランシーバ126に送信する。オーディオ信号の送信はオーディオ情報を送信するための標準的なBluetooth(登録商標)プロトコルを利用することができる。
【0082】
Bluetooth(登録商標)トランシーバ126でオーディオ情報を受信すると、TV UI118は当該オーディオ情報を音声エンジン116に伝送する。音声エンジン116は、オーディオ情報をVoIPパケットとして符号化してこれらをクライアントエンジン114に伝送する。クライアントエンジン114はVoIPパケットをネットワークインターフェース408を介してネットワーク406に送信し、ネットワークインターフェース408では、それらが第2のユーザ414のユーザ端末416上で実行する通信クライアント420にルーティングされる。クライアント420はVoIPパケットを復号化してハンドセット422を用いてユーザ414により聞くことができるオーディオ信号を生成する。
【0083】
逆に、第2のユーザ414がハンドセット422を用いて通話したとき、ユーザ端末416上で実行されるクライアント420は、オーディオ信号をVoIPパケットに符号化してネットワーク406を介してTV404に送信する。VoIPパケットはクライアントエンジン114で受信され、音声エンジン116に伝送される。音声エンジン116はVoIPパケットを復号化してオーディオ情報を発生する。音声情報はTV UI118に伝送される。
【0084】
一実施形態では、音声情報は、TV UI118から増幅器110に伝送され、その結果、第2のユーザ414からの音声はTVスピーカ112から聞くことができる。もしTV100が現在TVプログラムを視聴するために用いられているときは、TVプログラムからの音声は遮断される。とって代わって、呼からのオーディオは、ボリュームを低減可能なTVプログラムのオーディオと混合することもできる。とって代わって、ユーザはマルチプレクサスピーカの設定を有しているならば、呼からのオーディオは少なくとも1人の話者から再生することができ、TVプログラムの音声を他の話者から再生することができる。
【0085】
代替実施形態では、もしリモート制御ユニット200がオプションのスピーカ回路210を備えるならば、図2を参照して説明するように、TV UI118からのオーディオ情報はBluetooth(登録商標)トランシーバ126に伝送することができ、リモート制御ユニット200に送信される。リモート制御ユニット200では、当該オーディオ情報はBluetooth(登録商標)トランシーバ206によって受信され、CPU202により解釈され、スピーカ回路210によって可聴信号に変換される。ユーザは、リモート制御ユニット200におけるスピーカ(図3の304)から第2のユーザ414の音声を聞くことができる。これと同時に、TV UI118は増幅器110を制御して、同時に見ることができるTVプログラムのオーディオ信号のボリュームを無効化し(ミュート状態にし)又は低減することができる。リモート制御ユニット200に位置するスピーカを有することは、ユーザに対して、ユーザが慣れている伝統的な電話ハンドセットと同様にリモート制御ユニット200を動作させることができために有利である。また、このことは、コードレス電話と同様の方法で、(Bluetooth(登録商標)トランシーバのエリアの境界内で)通信を行いながらその周りで移動することを可能にする。しかしながら、リモート制御ユニット200のスピーカ回路210の存在は、リモートでより大きな消費電力を発生させることになる。
【0086】
リモート制御ユニット200はまた、別の者に発呼して通話を開始するために使用することができる。例えば、第1のユーザ402が第2のユーザ414に対して発呼するためにリモート制御ユニット200を使用することができる。TV UI118は、ユーザにより入力することができる「呼設定(呼のセットアップ)」状態を有する。当該呼設定状態は、例えば、リモート上の専用のボタンを用いることにより、もしくは、方向性パッド(図3の312)を用いてオンスクリーンのオプションに操作することにより、ユーザが上記リモートを用いて呼機能のオプションを選択することによって、入力することができる。とって代わって、上記呼入力状態は、移動可能なマイクロホンを摺動で引き出すなどにより、上記リモート上の物理的な動きを実行することにより入力することができる。これに応答して、入力すべき呼入力状態を発生させることができるコマンドがTV100に送信される。典型的には、呼入力状態はUIを、連絡先リスト及び連絡先名/電話番号入力フィールドを備えたユーザに対して表示する。
【0087】
第1のユーザ402は連絡先リストから第2のユーザ414を選択することができ、リモート制御ユニットを用いて発呼することができる。図5を参照して着呼について上述したように、リモート制御はステップS502において(発呼するためのこのときに)ユーザ受諾を検出し、リモート制御ユニットはステップS504においてTV100にIRコマンドを送信し、ステップS506でBluetooth(登録商標)トランシーバ206を起動し、ステップS508でBluetooth(登録商標)接続を確立し、S510においてマイクロホン回路208を起動する。TV UI118は、ステップS512でメッセージをクライアントエンジン114に送り、第2のユーザ414に対して発呼する。このことは、第2のユーザ414から第1のユーザ402に対する発呼と同様な方法で実行される。そして、当該呼は上述と同様の方法で処理することができる。
【0088】
上述したようにユーザ(例えば402及び414)間の呼のためのVoIPパケットはネットワーク406のみを介して伝送され、公衆交換電話ネットワーク(「PSTN])は関与していない。また、P2Pシステムの好ましい実施形態では、通信システムのユーザ間での実際の音声呼は、使用される中央サーバなしに発生することができる。このことは、ネットワークが容易に拡大し高い音声品質を維持し、呼び出しの呼をユーザに対して無料で発生させることができるという優位点を有する。
【0089】
しかし、さらに、呼をPSTNネットワーク424にルーティングすることにより、固定回線又は携帯電話(例えば426)へのパケットベースの通信システムを用いて内蔵された通信クライアント410から発生することができる。同様に、固定回線又は携帯電話426からの呼をPSTN424を介してパケットベースの通信システムに発生することができる。
【0090】
ビデオ通話を発生することに加えて、クライアント410のユーザ420はまた、いくつかの他の方法で連絡先リストに記載されたユーザと通信することができる。例えば、(またチャットメッセージとして知られる)インスタントメッセージはある連絡先に送信することができる。ビデオ通話については、リモート制御ユニット200はインスタントメッセージ送信のために用いることができる。テキストデータは、英文字を入力するために用いられる数字キー306を用いて入力することができる。テキストデータは、IR送信機204を用いてTV100に送信され、このことは、電力消費の点でBluetooth(登録商標)よりも効率的であるからである。
【0091】
TV UI118は「チャット入力状態」を有し、この状態では、(IR受信機124で受信された)リモート制御ユニットからのキー入力(押下)は英数字文字として解釈され、クライアントエンジン114に伝送される。チャット入力状態は、ユーザが着信チャットメッセージに応答したとき、もしくは、ユーザ402がUIにおいて表示された「チャット」オプションを選択したときに、入力することができる。チャットメッセージデータは符号化されてクライアントエンジン114からネットワーク406を介して、例えば第2のユーザ414の通信クライアント420に送信される。当該メッセージはユーザ端末416で第2のユーザ414に対して表示される。第2のユーザ414は彼自身のチャットメッセージを入力することにより応答することができ、これはクライアント420により送信され、クライアントエンジン114で受信される。クライアントエンジンは当該メッセージをTV UI118に伝送し、当該メッセージを画面102上でユーザ402に対して表示する。
【0092】
従って、上記のシステムは、TV上で呼及びIMメッセージを発生したり受信する機能を提供する。マイクロホンをリモート制御ユニットに統合することにより、ユーザは、TVにもうすでに存在しているハードウェアを用いて呼において容易に通話することができる。従って、ユーザは呼を受信するための別のハードウェアを購入してインストールする必要がない。リモート制御ユニットは無線リンクを用いてTVと通信して音声信号を送信することができるので、ユーザは通話しながらまわりで自由に移動することができる。さらに、ユーザは、TV上の内蔵マイクロホンの近くで座る必要はない。その代わりに、リモート制御ユニットはユーザの近くに存在し、電話会議システム上の外部マイクロホンのように動作するように構成でき、その結果、コーヒーテーブルのような近くの物体上に置かれるときに、マイクロホンはユーザが発呼するために座っている場所に対してより近い位置に存在する。リモート制御における無線及びマイクロホンシステムの起動は必要なときにだけ起動するように制御されるので、リモート制御における電力消費は最小化される。視聴中のTVプログラムから生成されるオーディオ信号はまた制御され、ユーザが、TVプログラムからのオーディオと競合しないように通話することができる。
【0093】
本発明は特に、好ましい実施形態を参照して図示し説明しているが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなしに、それらの形態及び詳細の様々な変更が可能であることが当業者に理解されるであろう。特に、実施形態は、内蔵した通信クライアントを有するTVを参照して説明しているが、例えば、セットトップボックス、ゲーム機、又はビデオ再生装置(例えば、ビデオディスクプレーヤ又はパーソナルビデオレコーダ)など、TVに接続するための他のタイプのメディア装置に内蔵することもできる。さらに、本発明は、P2P通信システムのコンテキストについて説明しているが、他の非P2Pのパケットベースの通信システムとの組み合わせを本発明は用いることができることも理解できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信クライアントアプリケーションを格納するメモリと、
上記メモリと接続されかつ上記通信クライアントアプリケーションを実行するように動作可能であるプロセッサと、
リモート制御ユニットとを備えたメディアデバイスであって、
上記クライアントアプリケーションは実行されるときに、ユーザがパケットベースの通信ネットワークを介して1つ又は複数の他のユーザとの通話を確立できるようにプログラムされ、
上記リモート制御ユニットは、
上記プロセッサにデータを送信するように設けられた無線通信手段と、
上記無線通信手段と接続され、上記無線通信手段を制御するように構成された制御手段と、
上記制御手段に接続され、上記ユーザからの入力コマンドを受信しかつ上記入力コマンドを上記制御手段に提供するように設けられたユーザ入力手段と、
上記制御手段に接続され、ユーザからオーディオ信号を受信するように設けられたマイクロホンとを備え、
上記制御手段が上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、上記制御手段は、上記無線通信手段を非起動状態から起動させ、上記プロセッサとの無線接続を確立し、上記パケットベースの通信ネットワークを介して呼を送信するために、上記マイクロホンからのオーディオ信号を含むデータを上記プロセッサに対して送信するメディアデバイス。
【請求項2】
上記リモート制御ユニットはさらに、上記制御手段に接続され、データを上記プロセッサに送信するように設けられた別の無線通信手段を備えた請求項1記載のメディアデバイス。
【請求項3】
上記別の無線通信手段は赤外線送信機である請求項2に記載のメディアデバイス。
【請求項4】
上記制御手段は、ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、上記別の無線通信手段を用いて、上記プロセッサへの呼確立メッセージを送信するように設けられた請求項2又は3記載のメディアデバイス。
【請求項5】
上記プロセッサは、上記呼確立メッセージを受信することに応答して、上記パケットベースの通信ネットワークを介して上記呼を接続するように設けられた請求項4記載のメディアデバイス。
【請求項6】
上記プロセッサは、上記リモート制御ユニットとの無線接続の確立に応答して、上記パケットベースの通信ネットワークを介して、上記呼を接続するように設けられた請求項1記載のメディアデバイス。
【請求項7】
上記通信クライアントアプリケーションは、上記パケットベースの通信ネットワークを介する伝送のためのインターネットプロトコルパケット上の音声として、上記プロセッサで受信されたオーディオ信号を符号化するように設けられた請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項8】
上記無線通信手段は無線送信機を備えた請求項1乃至7のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項9】
上記無線送信機は、Bluetooth(登録商標)送信機である請求項8記載のメディアデバイス。
【請求項10】
上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドは、着呼を受諾するためのコマンドである請求項1乃至9のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項11】
上記マイクロホンは上記リモート制御ユニットから引き込み格納可能であり、上記リモート制御ユニットは上記ユーザが上記マイクロホンを引き出したことに応答して、上記着呼を受諾するように設けられた請求項10記載のメディアデバイス。
【請求項12】
上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドは、発呼するためのコマンドである請求項1乃至11のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項13】
上記制御手段はさらに、上記制御手段が上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、上記マイクロホンを起動するように設けられた請求項1乃至12のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項14】
上記通信クライアントアプリケーションは、他のユーザからの着信通信イベントのユーザに通知を発生するために設けられた請求項1乃至13のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項15】
上記通信クライアントアプリケーションは、テレビジョン受像機の画面上への出力のためにユーザインターフェースを発生するように設けられた請求項1乃至14のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項16】
上記ユーザインターフェースは、上記ユーザに関連付けられているパケットベースの通信ネットワークの1つ又は複数の他のユーザのリストを備えた請求項15記載のメディアデバイス。
【請求項17】
上記リモート制御ユニットはさらにスピーカ及び無線受信機を備え、上記プロセッサは、上記リモート制御ユニットの上記無線受信機に対する呼において上記パケットベースの通信ネットワークから受信された音声信号を送信するように設けられ、上記リモート制御ユニットは上記スピーカからの音声信号を再生するように設けられた請求項1乃至16のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項18】
上記通信クライアントアプリケーションはさらに、1つ又は複数の他のユーザとインスタントメッセージングセッションを確立するように設けられ、上記リモート制御ユニットは、上記インスタントメッセージングセッションにおいてパケットベースの通信ネットワークを介する伝送のために、上記無線通信手段を用いて上記入力手段で受信された英数字のデータを上記プロセッサに送信するように設けられた請求項1乃至17のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項19】
上記クライアントアプリケーションは、上記ユーザに対して、上記パケットベースの通信ネットワークにおけるピアツーピア接続を介して呼を確立するようにプログラムされる請求項1乃至18のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項20】
上記メディアデバイスは、テレビジョン受像機と、上記テレビジョン受像機に接続されるように設けられたセットトップボックスとのいずれか1つを備えた請求項1乃至19のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項21】
上記メディアデバイスはさらに、テレビジョン放送信号を受信するように動作可能なテレビジョン受信機を備えた請求項20記載のメディアデバイス。
【請求項22】
上記プロセッサは、呼の確立に応答して上記テレビジョン受信機で受信されたテレビジョン放送信号のオーディオ成分のボリュームを低減するように設けられた請求項21記載のメディアデバイス。
【請求項23】
上記メディアデバイスは、テレビジョン受像機に接続するように設けられたビデオディスクプレーヤと、テレビジョン受像機に接続するように設けられたパーソナルビデオレコーダとのいずれか1つを備えた請求項1乃至19のうちのいずれか1つに記載のメディアデバイス。
【請求項24】
通信クライアントを実行するプロセッサと、マイクロホンを備えたリモート制御ユニットとを有するメディアデバイスにおいて、パケットベースの通信ネットワークを介して呼を確立する方法であって、上記方法は、
上記リモート制御の制御手段において上記リモート制御ユニットのユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することと、
上記コマンドを受信することに応答して、上記制御手段が無線通信手段を非起動状態から起動することと、
上記無線通信手段が上記プロセッサとの無線接続を確立することと、
上記パケットベースの通信ネットワークを介する呼の伝送のために、上記リモート制御ユニットの上記マイクロホンからのオーディオ信号を含むデータを上記無線通信手段を用いて上記プロセッサに送信することとを含む方法。
【請求項25】
上記制御手段が、上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、呼確立メッセージを別の無線通信手段を用いて上記プロセッサに送信するステップをさらに含む請求項24記載の方法。
【請求項26】
上記プロセッサが、上記呼確立メッセージを受信することに応答して、上記パケットベースの通信ネットワークを介して上記呼を接続するステップをさらに含む請求項25記載の方法。
【請求項27】
上記プロセッサが、上記リモート制御ユニットとの無線接続の確立に応答して、上記パケットベースの通信ネットワークを介して上記呼を接続するステップをさらに含む請求項24記載の方法。
【請求項28】
上記通信クライアントアプリケーションが、上記パケットベースの通信ネットワークを介する伝送のために、インターネットプロトコルパケット上の音声として、上記プロセッサで受信されたオーディオ信号を符号化するステップをさらに含む請求項24乃至27のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項29】
上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドは、着呼を受諾するためのコマンドである請求項24乃至28のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
上記マイクロホンはリモート制御ユニットから引き込み格納可能であり、上記ユーザが上記マイクロホンを引き出したことに応答して、上記着呼を受諾するステップをさらに含む請求項29記載の方法。
【請求項31】
上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドは、発呼するためのコマンドである請求項24乃至30のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
上記制御手段が上記ユーザ入力手段からの呼を確立するためのコマンドを受信することに応答して、上記マイクロホンを起動するステップをさらに含む請求項24乃至31のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
上記通信クライアントアプリケーションが、他のユーザからの着信通信イベントのユーザに通知を発生するステップをさらに含む請求項24乃至32のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
上記通信クライアントアプリケーションが、テレビジョン受像機の画面上への出力のためのユーザインターフェースを発生するステップをさらに含む請求項24乃至32のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
上記ユーザインターフェースは、ユーザに関連付けられているパケットベースの通信ネットワークの1つ又は複数の他のユーザのリストを備えた請求項34記載の方法。
【請求項36】
上記リモート制御ユニットはさらにスピーカ及び無線受信機を備え、上記方法は、
上記プロセッサが、上記リモート制御ユニットの上記無線受信機に対する呼において上記パケットベースの通信ネットワークから受信された音声信号を送信するステップと、
上記リモート制御ユニットが、上記スピーカからの音声信号を再生するステップとをさらに含む請求項24乃至35のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項37】
上記方法は、
上記通信クライアントアプリケーションが、1つ又は複数の他のユーザとインスタントメッセージングセッションを確立するステップと、
上記リモート制御ユニットが、上記インスタントメッセージングセッションにおいてパケットベースの通信ネットワークを介する伝送のために、上記無線通信手段を用いて上記入力手段で受信された英数字のデータを上記プロセッサに送信するステップとをさらに含む請求項24乃至36のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項38】
上記クライアントアプリケーションは、上記ユーザに対して、上記パケットベースの通信ネットワークにおけるピアツーピア接続を介して呼を確立するようにプログラムされる請求項24乃至37のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項39】
上記メディアデバイスは、テレビジョン受像機と、上記テレビジョン受像機に接続されるように設けられたセットトップボックスとのいずれか1つを備えた請求項24乃至38のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項40】
テレビジョン受信機において、テレビジョン放送信号を受信するステップをさらに含む請求項39記載の方法。
【請求項41】
上記プロセッサが、呼の確立に応答して上記テレビジョン受信機で受信されたテレビジョン放送信号のオーディオ成分のボリュームを低減するステップをさらに含む請求項40記載の方法。
【請求項42】
上記メディアデバイスは、テレビジョン受像機に接続するように設けられたビデオディスクプレーヤと、テレビジョン受像機に接続するように設けられたパーソナルビデオレコーダとのいずれか1つを備えた請求項24乃至38のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項43】
プログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム製品であって、
上記プログラムコード手段がコンピュータによって実行されるとき、請求項24乃至42のうちのいずれか1つに記載の方法に従って上記ステップを実行するコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−502533(P2012−502533A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525550(P2011−525550)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061410
【国際公開番号】WO2010/026189
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
2.GSM
【出願人】(506016691)スカイプ・リミテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】SKYPE LIMITED
【Fターム(参考)】