説明

通信システム及び通信装置

【課題】通信装置の位置情報に基づいて、常に適正な連絡先を選択することができる通信システムを提供すること。
【解決手段】通信装置1は、発信指示操作の対象となった相手データの種別情報を読み出す手段と、自己の位置情報を取得する手段と、発信指示操作の対象となった相手データの識別情報への発信とするか、それとも情報管理装置5を利用した発信とするか(即ち、通常発信か、データベース発信か)を判別する手段と、「相手データの識別情報への発信と判別された場合には該識別情報に発信する手段と、「情報管理装置5を利用した発信とする」と判別された場合には、情報管理装置5にアクセスして、記憶されている連絡先データの中から、取得した位置情報及び前記読み出された種別情報に基づいて特定された所定の連絡先データ(同じ種別情報で位置情報が最も近い連絡先データ)の識別情報で発信する手段と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムに係り、特に、通信装置の現在位置に適した相手先に発信する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置から発信する場合、その一般的な公知の発信方法としては、データベース等の記憶手段に登録されている電話番号などの、相手の連絡先を示す識別情報を読み出した上で、この識別情報をアドレスとして発信することになる。
しかしながら、記憶手段に登録されている識別情報が必ずしも適した連絡先とは限らない。
そこで、この分野の公知の技術として、例えば、特許文献1には、通信装置の位置情報に基づいて、適切な連絡先を特定し、この連絡先に発信するという技術を開示している。
また、例えば、特許文献2には、特別な設備なしで、携帯電話の位置情報を利用して、位置情報を検索して最寄の店舗へ電話を転送する電話転送システムを開示している。
【0003】
具体的には、携帯電話の通話に必要なアンテナ識別子の情報のみで、位置情報を検索して最寄の店舗へ電話を転送する電話転送システムを提供する。携帯電話にて発信された呼は、携帯電話のエリアを管轄するアンテナ及び、アンテナ間を接続する携帯電話網を経由して、電話転送システムに接続される。
電話転送システムでは、特定の電話番号に発信された呼に対して、呼の発信者の電話番号から、携帯電話を管轄するアンテナのアンテナ識別子を特定し、このアンテナ識別子と呼の発信先電話番号から転送先の店舗を特定し、携帯電話網及び固定電話網を経由して、該特定した店舗に電話を接続するものとしている。
【0004】
さらに、例えば、特許文献3には、特定の通信エリアにいる相手通信端末の中から自分が希望する相手と希望する方法で直接,ピアツーピアで通信することを可能とする技術を開示している。
具体的には、通信端末及び相手通信端末が、キーワード、通信ルールをピアリングサーバへ登録し、通信端末が通信エリアへ移動した場合に、通信端末の位置情報をピアリングサーバへ送信する。
ピアリングサーバは、受信した通信端末の位置情報に基づいて、通信端末と同じ通信エリア内にいる全ての相手通信端末のうち通信端末が登録したキーワード群と最も合致度合いが高いキーワード群を登録した相手通信端末を選択し、上記合致度合いに基づいて通信端末と相手通信端末との通信ルールを選択し、通信端末と相手通信端末に選択した通信ルールでピアツーピア通信を行うよう指示するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−073654号公報
【特許文献2】特開2004−135211号公報
【特許文献3】特開2004−312331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記背景技術で述べた公知の通信装置にあっては、前述のとおり、通信装置から発信する場合の一般的な公知の発信方法としては、データベース等の記憶手段に登録されている電話番号などの相手の連絡先を示す識別情報を読み出した上で、この識別情報をアドレスとして発信している。
しかしながら、記憶手段に登録されている識別情報は、何らかの地域性を有するものであるので、必ずしも実際の現場からの適正な連絡先とは限らない場合が有る。
【0007】
例えば、通信装置が、自宅等の家屋の周辺で日常的に利用しているタクシー会社の電話番号を登録している場合には、旅行先など、自宅等の周辺ではない場所においてタクシーを利用しようとしても、前述の自宅等の家屋の周辺で、日常的に利用しているタクシー会社の電話番号は、前述の自宅等の周辺ではない場所においてタクシー会社を呼び出す際の連絡先としては適正ではないという問題点があった。
【0008】
なお、前述の特許文献1に記載の技術は、本発明のように発信が一般発信であるとの見極めを最初に行わないので、発信する都度、通信装置の位置情報に基づいて、適切な連絡先を特定し、該特定した連絡先に発信するという処理を行わなければならず、よって、処理が煩雑となり、無駄な処理時間が掛かるという問題点が有る。
また、前述の特許文献2に記載の技術は、電話転送システムが、通信相手を検索して自動的に接続してしまうので、通信装置の使用者は、発信先の相手を発信前に確認することができない。
さらに、前述の特許文献3に記載の技術は、通信装置の位置情報と予め登録されたキーワードに基づいて通信相手(店舗)を特定するので、一般的な通信システムではない。
【0009】
本発明は、上記公知技術の問題点に鑑みてなされたものであって、相手データの識別情報をアドレスとした発信か、それとも通信装置の位置情報に基づいた連絡先の識別情報をアドレスとした発信かを、適切かつ容易に判別することを可能にして、常に適正な連絡先を選択することができる通信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る通信システムは、通信装置と、該通信装置からアクセス可能な情報管理装置とを含む通信システムであって、
前記情報管理装置は、
連絡先データとして、連絡先を示す識別情報と、連絡先の所在位置を示す位置情報と、連絡先データの種類を示す種別情報とを、対応付けて記憶するデータベース記憶手段を備え、
前記通信装置は、
少なくとも相手の連絡先を示す識別情報と相手データの種類を示す種別情報とを対応付けて記憶するアドレス帳から、通信する相手データを読み出す手段と、
前記識別情報に発信するための発信指示操作を検出する手段と、
前記発信指示操作の対象となった相手データの種別情報を読み出す手段と、
本通信装置の位置情報を取得する手段と、
前記読み出された相手データの種別情報に基づいて、前記発信指示操作の対象となった相手データの前記識別情報への発信とするか、それとも前記情報管理装置を利用した発信とするかを判別する発信判別手段と、
相手データの識別情報への発信とすると判別された場合に、該識別情報に発信する一般発信手段と、
前記情報管理装置を利用した発信とすると判別された場合に、前記情報管理装置にアクセスして、前記データベース記憶手段に記憶されている連絡先データの中から、前記取得された本装置の位置情報及び前記読み出された相手データの種別情報に基づいて連絡先データを特定して取得する連絡先データ検索手段と、
前記取得された所定の連絡先データの識別情報を発信先として発信するデータベース発信手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る通信装置は、少なくとも相手の連絡先を示す識別情報と相手データの種類を示す種別情報とを対応付けて記憶するアドレス帳から、通信する相手データを読み出す手段と、
前記識別情報に発信するための発信指示操作を検出する手段と、
前記発信指示操作の対象となった相手データの種別情報を読み出す手段と、
本通信装置の位置情報を取得する手段と、
前記読み出された相手データの種別情報に基づいて、前記発信指示操作の対象となった相手データの前記識別情報への発信とするか、それとも外部の情報管理装置を利用した発信とするかを判別する発信判別手段と、
相手データの識別情報への発信とすると判別された場合に、該識別情報に発信する一般発信手段と、
前記情報管理装置を利用した発信とすると判別された場合に、前記情報管理装置にアクセスして、前記情報管理装置のデータベース記憶手段に記憶されている連絡先データの中から、前記取得された本装置の位置情報及び前記読み出された相手データの種別情報に基づいて連絡先データを特定して取得する連絡先データ検索手段と、
前記取得された所定の連絡先データの識別情報を発信先として発信するデータベース発信手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、通信が必要な相手と、適切かつ容易に通信できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態の通信装置1の全体構成を示すブロック図である。
【図3】通信装置1の記憶部19が備えるアドレス帳記憶部193のアドレス帳に記憶されているデータの1構成例を示すデータ構成図である。
【図4】図2に示す情報管理装置5が備えるデータベースに記憶されているデータの1構成例を示すデータ構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る通信システムの発信処理の処理手順を示すフローチャート図である。
【図6】図5に示す発信操作処理サブルーチンの1つの処理手順を示すフローチャート図である。
【図7】図5に示す発信操作処理サブルーチンの他の1つの処理手順を示すフローチャート図である。
【図8】図5に示すデータベースアクセス処理サブルーチンの1つの処理手順を示すフローチャート図である。
【図9】種別IDの1表示例を示す説明図である。
【図10】各データ項目及びアイコンの表示例と、タッチ操作での指定方法を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施形態の通信装置1のアドレス帳記憶部193のアドレス帳に記憶されているデータの他の1構成例を示すデータ構成図である。
【図12】本発明の他の実施形態の通信装置1のデータベースアクセス処理サブルーチンの1つの処理手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る通信システムは、通信装置の現在位置に適した相手先に発信する機能を備えている。例えば、旅行先などでタクシーを呼ぶ場合、家で使っているタクシー会社に発信するのは不適切であることを配慮する。
通信装置の現在位置に適した連絡先をデータベースで検索して発信する技術(以後は便宜的に「データベース発信」と称する)は公知の技術であるので、本発明の通信装置では、アドレス帳に記憶されている一般的な連絡先への発信(以語は便宜的に「一般発信」と称する)か、それとも前記のデータベースで検索した特定の連絡先への発信かを、通信装置が容易に区別するようにしており、ここが特徴的な機能である。
【0015】
以下、本発明の通信システムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成を示す構成図である。
同図は、通信装置1と、該通信装置1からアクセス可能な情報管理装置5(データベースサーバ)とを含む通信システムである。
同図に示す通信システムは、本実施形態に係る通信装置1と、通信装置1との中継が可能な基地局2A,2Bと、前記基地局と接続された交換機3と、GPSを実現するGPS衛星4と、サーバ機能を有する情報管理装置5と、交換機3と情報管理装置5とを通信可能に接続する無線通信網20及びインターネット30と、を備えて構成される。
ここで、通信装置1は、携帯端末装置とは限らず、パーソナルコンピュータ、PDA、タブレット端末、携帯電話、ゲーム機など、前記基地局と通話可能な任意の通信装置であって良い。
また、ここでは基地局として、基地局2A,2Bを備えるシステム例を示したが、本発明では、一般に基地局の設置数は任意である。
【0016】
情報管理装置5は、特定の地域または内外国の施設を登録しており、この施設には、例えば、公共施設や商業施設が含まれる。登録内容については後述する(図4参照)が、登録する相手先データの種類(種別ID等)は、図4に示す病院やタクシー会社とは限らず、警察などの他の相手先データであって良く、一般には、位置情報によって識別情報が変わる任意の相手先データの種類であって良い。
また、この情報管理装置5は、通信装置1に内蔵される構成であっても良い。
さらに、この実施形態では、図1に示すように、情報管理装置5と通信装置1との間は、インターネット30と無線通信網20とを介してアクセス可能としているが、これらを介さない直接的な無線通信など、他の任意のアクセス手段を用いても良い。
【0017】
図2は、本発明の実施形態の通信装置1の全体構成を示すブロック図である。
同図に示す通信装置1は、通信部11と、GPS受信部12と、マイクやスピーカと接続された音声信号処理部13と、表示部14と、表示部14を制御する表示操作部15と、操作部16と、RTC17(リアルタイムクロック)と、報知部18と、記憶部19と、上記構成要素全体を制御する中央制御部100と、を備える。
操作部操作15は、ここでは、表示部14への操作を検出するためのユニット(例えば、タッチパネル、非接触操作部等)を備えるものとしている。但し、本発明では一般に、表示操作部15が備える接触操作部は、タッチパネルとは限らない。また、使用者の指などの接触を検出するものではなく、何らかの物質の近接を検出して、これを操作入力と判定するような一般的な非接触操作ユニットを備えていても良い。
報知部18は、ここでは、サウンドスピーカ181と、LED182と、振動モータ183と、を備える。
【0018】
記憶部19は、プログラム記憶部191と、各種情報一時記憶部192と、アドレス帳記憶部193と、を備える。
なお、この記憶部19は、ここでは本通信装置1に内蔵されている記憶部としたが、メモリカードや、外付けハードディスクなど、任意の外部記憶装置であっても良い。
中央制御部100は、本発明の主要な構成要素として、発信制御部101と、読み出し制御部102と、を備える。
GPS受信部12は、GPS衛星4(図2参照)との交信により、本通信装置1の位置情報を取得するが、本発明では、一般に、本通信装置1の位置情報取得部は、GPS衛星4との交信によるものとは限らず、前記基地局(図2参照)から位置情報を受信して取得する方法など、位置情報を取得するための他の任意の方法であって良い。
【0019】
図3は、通信装置1の記憶部19が備えるアドレス帳記憶部193のアドレス帳に記憶されているデータの1構成例を示すデータ構成図である。
同図に示す構成例では、アドレス帳記憶部193のアドレス帳には、1データ項目である「データID」として、「A001」、「A021」、「A022」、「A023」、…、「A055」、「A056」、「A057」、等のデータが記憶されている。
また、この「データID」の各データに対応する「種別ID」として、「GEN」、「GEN」、「TAX」、「GEN」、「GEN」、「GEN」、「HOS」、等のデータが記憶されている。
但し、上記の「種別ID」の内容は、あくまで1例に過ぎず、警察など、位置情報によって識別情報が変化するような任意のデータの「種別ID」であって良い。
【0020】
また、これらの各データに対応する「名称」として、「相原○○」、「高木○○」、「タクシー会社」、「竹田○○」、「服部○○」、「浜田○○」、「病院」、等のデータが記憶されている。
さらに、これらの各データに対応する「識別情報」のデータが記憶されている。
この「識別情報」のデータは、例えば、図3に示す1例のような電話番号であっても良いが、一般には、この「識別情報」のデータは、電話番号とは限らず、メールアドレスなどの、相手先にアクセスできる情報でありさえすれば、任意の識別情報であっても良い。
【0021】
図4は、図2に示す情報管理装置5が備えるデータベースに記憶されているデータの1構成例を示すデータ構成図である。
情報管理装置5は、連絡先データ(公共施設、商用施設、その他の連絡先)として、連絡先を示す識別情報(電話番号、メールアドレス)と、連絡先の所在位置を示す位置情報と、連絡先データの種類を示す種別情報(種別ID…病院、タクシー会社)とを対応付けて記憶する機能を有する。
上記の機能を実現するために、図4に示す構成例では、情報管理装置5が備えるデータベースには、データ項目として、「データID」、「種別ID」、「名称」、「識別情報」、「位置情報」、「住所情報」、なる項目と、該項目に属する各々のデータ(具体例は省略する)が記憶されている。
【0022】
以下、本実施形態の通信装置1の機能を説明する。
先ず、所定の条件で通常発信とデータベース発信を区別する場合について説明する。
通信装置1は、通信する相手を示すデータとして、アドレス帳記憶部193に記憶されているアドレス帳データ(図3に示すように、相手の連絡先を示す識別情報(電話番号、メールアドレス)と、相手データの種類を示す種別情報(種別ID…一般、病院、タクシー会社)とを対応付けて記憶しているから、通信する相手のデータを読み出す。
また、通信装置1は、読み出された相手データの識別情報に発信するための発信指示操作(タッチ操作、非接触操作)を、表示操作部15を介して検出する手段を備える。
また、通信装置1は、発信指示操作の対象となった相手データの種別情報を読み出す手段として、読み出し部102を備える。
【0023】
また、通信装置1は、本通信装置1の位置情報を取得する手段を備える。
さらに、通信装置1の中央制御部100は、この発信指示操作の対象となった相手データの識別情報への発信とするか、それとも情報管理装置5を利用した発信とするか(即ち、通常発信か、データベース発信か)を判別する手段として発信判別部101を備えると共に、該発信判別部101により、「相手データの識別情報への発信とする」と判別された場合には、中央制御部100は無線通信部11を介して該識別情報に発信する。
【0024】
他方、該発信判別部101により、「情報管理装置5を利用した発信とする」と判別された場合には、無線通信部11を介して情報管理装置5にアクセスして、記憶されている連絡先データの中から、前記取得した位置情報及び前記読み出された種別情報とに基づいて特定された所定の連絡先データ(同じ種別情報で位置情報が最も近い連絡先データ)を取得する。この場合は、この後で、通信装置1の中央制御部100は、無線通信部11を介して前記取得された所定の連絡先データの識別情報で発信する。
このように構成したことにより、相手データの識別情報への発信か、それとも通信装置1の位置情報に基づいた連絡先の識別情報への発信かを、通信装置1が判別して制御するので、交信が必要な相手と、適切かつ容易に通信できる効果が得られる。
【0025】
以下、相手データの識別情報に基づいて発信先を区別する方法について詳述する。
発信先を区別する場合、通信装置1の中央制御部100に備えられた発信判別部101が、相手データの識別情報への発信とするか、それとも情報管理装置5を利用した発信とするかを判別する。
その具体的な方法として、中央制御部100は、読み出し部102を介して読み出された相手データの種別情報を参照し、この相手データの種別情報に基づいて上記の判別を行う。
このように構成したので、相手データの種別情報に基き、相手データの識別情報への発信か、それとも通信装置1の位置情報に基づいた連絡先の識別情報への発信かを、適切かつ容易に決定して発呼制御することができる。
【0026】
前述の発信先を区別する他の1つの方法として、通信装置1の中央制御部100は、発信指示操作の態様(操作方法)を検出する手段として表示操作部15を備えているので、発信判別部101は、表示操作部15で検出された発信指示操作の態様に基づいて、相手データの識別情報への発信とするか、それとも情報管理装置5を利用した発信とするかを判別することができる。
このように構成したことにより、発信指示操作の態様に基づいて、相手データの識別情報への発信か、それとも通信装置1の位置情報に基づいた連絡先の識別情報への発信かを適切かつ容易に制御することができる効果が得られる。
【0027】
他の機能として、通信装置1は、読み出された相手データを表示することができる機能を備える。この機能によれば、情報管理装置5へのアクセスを示す指標(GPSアイコン)を表示することができる。
このように構成したことにより、使用者には、GPSアイコンを視認することにより、通信装置1の位置情報に基づいた連絡先の識別情報への発信を直感的に認識することができる効果が得られる。
【0028】
また、他の機能として、通信装置1は、相手データとGPSアイコンのタッチとで、データベース発信する機能を有する。
この場合、発信判別部101は、検出された発信指示操作の態様が、表示された相手データを指定する操作(相手データのタッチ)と、表示された情報管理装置5へのアクセスを示す指標を指定する操作(より具体的にはGPSアイコンのタッチ)とが、共になされた場合に、情報管理装置5を利用した発信とすると判別する。
このように構成したことにより、使用者には、相手データを指定する操作と、情報管理装置5へのアクセスを示す指標とを指定する操作を行うだけで、容易かつ直感的に通信装置1の位置情報に基づいた連絡先の識別情報への発信を行わせることができる効果が得られる。
【0029】
また、他の機能として、通信装置1は、相手データからGPSアイコンへのスライドでデータベース発信する機能を有する。
この場合、発信判別部101は、検出された発信指示操作の態様が、表示された相手データを指定する操作から、そのまま情報管理装置5へのアクセスを示す指標(より具体的にはGPSアイコン)へのスライド操作がなされた場合に、情報管理装置5を利用した発信であると判別することができる。
このように構成したことにより、使用者には、相手データを指定する操作から、情報管理装置へのアクセスを示す指標へのスライド操作を行うだけで、容易かつ直感的に、通信装置1の位置情報に基づいた連絡先の識別情報への発信を行わせることができる効果が得られる。
【0030】
また、他の機能として、通信装置1は、GPSアイコンから相手データへのスライドでデータベース発信する機能を有する。
この場合、発信判別部101は、検出された発信指示操作の態様が、情報管理装置へのアクセスを示す指標を指定する操作から相手データへのスライド操作の場合に、情報管理装置を利用した発信とすると判別することができる。
このように構成したことにより、使用者には、情報管理装置5へのアクセスを示す指標を指定する操作から、相手データへのスライド操作を行うだけで、容易かつ直感的に、通信装置1の位置情報に基づいた連絡先の識別情報への発信を行わせることができる効果が得られる。
【0031】
また、他の機能として、通信装置1は、相手データの位置情報と現在位置が近ければ通常発信する機能を有する。
この場合、相手データを読み出す中央制御部100の読み出し部102は、記憶する手段に記憶されている通信する相手データとして、識別情報及び種別情報と併せて位置情報を読み出し、発信判別部100は、読み出された位置情報及び取得された位置情報に基づいて、相手データの識別情報への発信とするか情報管理装置を利用した発信とするかを判別することができる。
このように構成したことにより、使用者には、相手データの位置情報と通信装置1の位置情報とに基づいて、相手データの識別情報への発信か、通信装置1の位置情報に基づいた連絡先の識別情報への発信かを、適切かつ容易に認識して操作することができる効果が得られる。
【0032】
また、他の機能として、通信装置1は、データベース発信可能なデータを他のデータと区別して表示する機能を有する。
この場合、通信装置1は、読み出された相手データを区別できるように表示するので、使用者は、相手データの種別情報に基づいて、相手データが情報管理装置5を利用した発信が可能なデータであるか否かを判別することができる。
より具体的には、中央背系魚装置100は、情報管理装置5を利用した発信が可能なデータか否かの、発信制御部101における判別結果に基づいて、表示部14を介して、相手データを識別可能に表示制御する(例えば、色を変える、太字にする、太枠にする、アイコンを付ける)。
このように構成したことにより、使用者には、情報管理装置5を利用した発信が可能なデータか否かを容易に知ることができる効果が得られる。
【0033】
また、他の機能として、通信装置1は、データベース発信に使用したデータを追加記憶する機能を有する。この場合、通信装置1の中央制御装置100は、データベース発信の発信指示操作の対象となった相手データの識別情報として、取得された所定の連絡先データの識別情報を記憶部19のアドレス帳記憶部193に記憶させる。
を更に備える。
このように構成したことにより、データベース発信により取得された所定の連絡先データの識別情報を、相手データの識別情報として、容易に記憶させることができるので、次回以降、この識別情報に対しての発信が容易になる(即ち、情報管理装置へのアクセスが不要になる)効果が有る。
【0034】
さらに、他の機能として、通信装置1は、情報管理装置5のデータベースから、同じ種別情報で位置情報が近い連絡先データを取得する機能を有する。
この場合、所定の連絡先データを取得する方法として、情報管理装置5のデータベースに記憶されている連絡先データの中から、取得された位置情報と近い位置情報であり、かつ取得された種別情報と同じ種別情報である連絡先データを特定された所定の連絡先データとして取得する。
このように構成したことにより、通信装置1と近い位置に有り、かつ発信指示操作の対象となった相手データと同じ種類の連絡先に容易に発信することができる効果が有る。
【0035】
以下では、情報管理装置5と通信装置1との交信内容の詳細を説明する。
情報管理装置5は、通信装置1から送信された位置情報及び種別情報を受信する機能を有するものとする。
情報管理装置5は、上記の受信された位置情報及び種別情報に基づいて、データベースに記憶されている連絡先データの中から、所定の連絡先データ(同じ種別情報で位置情報が最も近い連絡先データ)を特定し、該特定された所定の連絡先データを通信装置1に送信する。
他方、通信装置1は、発信判別部101により、「情報管理装置5を利用した発信とする」と判別された場合に、取得された位置情報及び読み出し部102を介して読み出された種別情報とを情報管理装置5に送信する。
その後、通信装置1は、中央制御装置100は、無線通信部11を介して、情報管理装置5から送信された上記の所定の連絡先データを受信することによって、所定の連絡先データを取得する。
【0036】
図5は、本発明の実施形態に係る通信システムの発信処理の処理手順を示すフローチャート図である。
(ステップS1)
まず、ステップS1では、中央制御装置100は、発信操作処理サブルーチン(後述)を呼び出して実行させ、該サブルーチンからの復帰後にステップS2に進む。
(ステップS2)
次に、ステップS2では、中央制御装置100は、前記処理によって、一般発信と判別されたか否かを検証し、一般発信と判別された場合はステップS3に進み、一般発信と判別されなかった場合(即ちデータベース発信の場合)はステップS7に移る。
(ステップS3)
ステップS3では、中央制御装置100の読み出し部102は、発信処理で使用する情報としてアドレス帳記憶部193にアドレス帳(図3参照)として一時記憶されている識別情報を読み出す。
【0037】
(ステップS4)
ステップS4では、中央制御装置100は、前記読み出された識別情報を使用した発信処理を行う。
(ステップS5)
ステップS5では、中央制御装置100は、無線通信部11を介して前記発信に対する相手の応答を受信するまで待機し、相手の応答が有るとステップS6に進む。
(ステップS6)
ステップS6では、中央制御装置100は、音声信号処理部13を介しての相手との通話を可能にし、使用者によって操作部16を介した通話の完了操作が実行されると処理を終了する。
(ステップS7)
ステップS7では、中央制御装置100は、データベースアクセス処理サブルーチン(後述)を呼び出して実行させ、該サブルーチンからの復帰後にステップS3に移る。
【0038】
図6は、図5に示す発信操作処理サブルーチンの1つの処理手順を示すフローチャート図である。
このサブルーチンは、種別IDを参照することにより、一般発信であるか、それともデータベース発信であるかを区別する処理を行う場合の発信操作処理サブルーチンである。
(ステップS201)
ステップS201では、中央制御装置100は、表示部14にアドレス帳(図3参照)を表示する準備処理を行う。
(ステップS202)
ステップS202では、中央制御装置100は、アドレス帳記憶部193に一時記憶されているアドレス帳を読み出す。
(ステップS203)
ステップS203では、中央制御装置100は、読み出した前記アドレス帳のデータを表示部14に表示させる。
【0039】
(ステップS204)
ステップS204では、中央制御装置100は、読み出した前記アドレス帳に記載の「種別ID」の項目を判別する。
(ステップS205)
ステップS205では、中央制御装置100は、種別IDが、一般のデータと、それ以外のデータとを識別して表示部14に表示させる(この表示例は、図9を参照)。
(ステップS206)
ステップS206では、中央制御装置100は、表示操作部15から、使用者が操作部16を介してタッチ操作等で選択した1つのデータを入力する。
(ステップS207)
ステップS207では、中央制御装置100は、表示操作部15から、使用者が操作部16を介してタッチ操作等で発信ボタンを選択した場合の通知を受ける。
【0040】
(ステップS208)
ステップS208では、中央制御装置100は、ステップS206で入力した前記1つのデータの種別IDを読み取る。
(ステップS209)
ステップS209では、中央制御装置100は、読み取った種別IDを検証し、該種別IDが一般の種別IDの場合はステップS210に進み、また、該種別IDがデータベース発信の種別IDの場合はステップS213に移る。
(ステップS210)
ステップS210では、中央制御装置100は、該種別IDが一般発信の種別IDであると判別する(該判別結果を当該サブルーチンの呼び出し元との受渡しに使用する記憶領域に格納する)。
【0041】
(ステップS211)
ステップS211では、中央制御装置100は、ステップS206で入力した前記1つのデータの種別情報を読み取る。
(ステップS212)
ステップS212では、中央制御装置100は、前記読み取った種別情報を一時記憶して(種別情報を当該サブルーチンの呼び出し元との受渡しに使用する該当記憶領域に格納する)、呼び出し元に復帰する。
(ステップS213)
ステップS213では、中央制御装置100は、該種別IDがデータベース発信の種別IDであると判別する(該判別結果を当該サブルーチンの呼び出し元との受渡しに使用する該当記憶領域に格納する)。
(ステップS214)
ステップS214では、中央制御装置100は、前記読み取った種別IDを一時記憶して(種別IDを当該サブルーチンの呼び出し元との受渡しに使用する該当記憶領域に格納する)、ステップS211に移る。
【0042】
図7は、図5に示す発信操作処理サブルーチンの他の1つの処理手順を示すフローチャート図である。
このサブルーチンは、使用者の、操作部16を介した操作内容により、一般発信であるか、それともデータベース発信であるかを区別する処理を行う場合の発信操作処理サブルーチンである。
このサブルーチンの処理手順は、ステップS201からステップS205までは、図6に示す発信操作処理サブルーチンと同じなので、以下では、ステップS301から始まる処理ステップについて説明する。
【0043】
(ステップS301)
ステップS301では、中央制御装置100は、表示部14に、GPSアイコンを表示させる(この表示例は、図10(a)参照)。
(ステップS302)
ステップS302では、中央制御装置100の発信判別部101は、表示操作部15を介して、1つのデータのタッチ操作を検出する。
(ステップS302)
ステップS302では、中央制御装置100の発信判別部101は、発信ボタンがタッチされたか否かを検証し、発信ボタンがタッチされた場合はステップS305に進み、発信ボタンがタッチされていない場合はステップS304に移る。
【0044】
(ステップS304)
ステップS304では、中央制御装置100の発信判別部101は、前記1つのデータへのタッチ及び前記GPSアイコンへのタッチがなされたか否か(この操作例は、図10(b)参照)を検証し、前記1つのデータへのタッチ及び前記GPSアイコンへのタッチがなされた場合はステップS308に移り、前記1つのデータへのタッチと前記GPSアイコンへのタッチとの、いずれか1つがなされていない場合はステップS303に戻る。
(ステップS305)
ステップS305では、中央制御装置100の発信判別部101は、一般発信であると判別する。
【0045】
(ステップS306)
ステップS306では、中央制御装置100の読み出し部102は、前記タッチされた1つのデータの識別情報を読み出す。
(ステップS307)
ステップS307では、中央制御装置100は、前記読み出された識別情報を一時記憶して(種別情報を当該サブルーチンの呼び出し元との受渡しに使用する該当記憶領域に格納する)、呼び出し元に復帰する。
(ステップS308)
ステップS308では、中央制御装置100の読み出し部102は、前記タッチされた1つのデータの種別IDを読み出す。
【0046】
(ステップS309)
ステップS309では、中央制御装置100の発信判別部101は、前記読み出された種別IDが一般発信の種別IDであるか否かを検証し、前記読み出された種別IDが一般発信の種別IDである場合はステップS310に進み、前記読み出された種別IDが一般発信の種別IDではない場合はステップS311に移る。
(ステップS310)
ステップS310では、中央制御装置100の発信判別部101は、一般発信であると判別し、ステップS306に移る。
(ステップS311)
ステップS311では、中央制御装置100の発信判別部101は、データベース発信であると判別する。
【0047】
(ステップS312)
ステップS312では、中央制御装置100は、前記読み出された識別IDを一時記憶して(種別情報を当該サブルーチンの呼び出し元との受渡しに使用する該当記憶領域に格納する)、ステップS306に移る。
なお、ステップS304の変形処理として、下記のステップA304を行うことも可能である。
(ステップA304)
ステップA304では、中央制御装置100の発信判別部101は、前記1つのデータへのタッチがなされた状態でGPSアイコンへのスライド操作がなされたか否か(この操作例は、図10(c)参照)を検証し、前記1つのデータへのタッチがなされた状態でGPSアイコンへのスライド操作がなされた場合はステップS308に移り、前記1つのデータへのタッチがなされた状態でのGPSアイコンへのスライド操作がなされない場合はステップS303に戻る。
【0048】
図8は、図5に示すデータベースアクセス処理サブルーチンの1つの処理手順を示すフローチャート図である。
(ステップS401)
まず、ステップS401では、中央制御装置100は、GPS受信部12を介して、本通信装置1の位置情報を取得する。
(ステップS402)
次に、ステップS402では、中央制御装置100は、管理装置5のデータベースにアクセスする。
(ステップS403)
次に、テップS403では、中央制御装置100は、管理装置5のデータベースを検索する(この時に必要な通信処理等については本発明の重要な部分ではないので、説明を省略する)。この検索での検索条件は、データベースに格納されているデータの内、まず、発信操作処理サブルーチンによって一時記憶されていた種別IDと同じ種別IDを有するデータで、かつステップS401で取得していた位置情報に最も近い位置情報を有するデータとする。
【0049】
(ステップS404)
次に、テップS404では、中央制御装置100は、前記検索条件を満たすデータを特定する。
(ステップS405)
次に、テップS405では、中央制御装置100は、読み出し部102を介して、前記特定したデータを取得する。
(ステップS406)
次に、テップS406では、中央制御装置100は、前記特定したデータから、「名称」、「識別情報」、「位置情報」、「住所情報」を読み取る。
(ステップS407)
次に、テップS407では、中央制御装置100は、前記データの内、「名称」、「識別情報」、「住所情報」を、発信通知画面として表示部14に表示させる(この表示例は、図10(d)参照)。この住所情報の表示に際しては、地図上の所在地を示しても良い。
【0050】
(ステップS408)
次に、テップS408では、中央制御装置100は、前記特定したデータの識別情報を使用した発信処理を行う。
(ステップS409)
次に、テップS409では、中央制御装置100は、前記発信処理に使用した識別情報を一時記憶して(種別情報を当該サブルーチンの呼び出し元との受渡しに使用する該当記憶領域に格納する)、処理を終了する。
【0051】
図9は、種別IDの1表示例を示す説明図である。
種別IDを表示する際には、一般発信用のデータか、それともデータベース発信用のデータかを目視で区別できるように表示する。
図10は、各データ項目及びアイコンの表示例と、タッチ操作での指定方法を示す説明図である。
【0052】
(他の実施形態)
本実施形態に係る通信システムは、前述の実施形態に係る通信システムと比べて、データベース発信サブルーチンの処理内容だけが異なる。
本実施形態に係る通信システムでは、通信装置1のアドレス帳193に、相手の位置情報等も記憶しておき、データベース発信に際に、この位置情報を使用するものである。
即ち、データベース発信に際しては、通信装置1のアドレス帳193に記載の相手の位置情報で、本通信装置1の位置と、所定範囲内で近いものが有れば、該位置情報に対応する識別情報に発信するものである。
【0053】
図11は、本発明の他の実施形態の通信装置1のアドレス帳記憶部193のアドレス帳に記憶されているデータの他の1構成例を示すデータ構成図である。
同図に示すアドレス帳記憶部193の他のアドレス帳は、図3に示すアドレス帳に比べて、「名称2」と「位置情報」の項目が追加されている。
「名称1」は一般発信用のデータとして記載し、「名称2」はデータベース発信用のデータとして記載するものである。
【0054】
図12は、本発明の他の実施形態の通信装置1のデータベースアクセス処理サブルーチンの1つの処理手順を示すフローチャート図である。
同図に示すフローチャートは、ステップS401〜ステップS409については前述のデータベースアクセス処理サブルーチン(図10参照)と同じであるので、以下では、ステップS401〜ステップS409以外の処理ステップについて説明する。
(ステップS502)
ステップS502では、中央制御装置100は、アドレス帳193に記載の位置情報を順次に読み出す。
【0055】
(ステップS503)
ステップS503では、中央制御装置100は、前記アドレス帳193から順次に読み出した位置情報に、ステップS401(図10参照)で取得した位置情報と、所定の範囲内で近いものが有るか否かを検証し、前記所定の範囲内で近いものが有る場合はステップS504に進む。また、前記所定の範囲内で近いものが無い場合は前述のステップS402以下の一連の処理を実行し、その後、ステップS508の処理に進む。
(ステップS504)
ステップS504では、中央制御装置100は、前記所定の範囲内で近い位置情報を記載するデータ(図11参照)から、「名称2」、「識別情報」、「位置情報」、「住所情報」を読み取る。
【0056】
(ステップS505)
次に、テップS505では、中央制御装置100は、前記データの内、「名称2」、「識別情報」、「住所情報」を、発信通知画面として表示部14に表示させる。
(ステップS506)
次に、テップS506では、中央制御装置100は、前記データの識別情報を使用した発信処理を行う。
(ステップS507)
次に、テップS507では、中央制御装置100は、前記発信処理に使用した識別情報を一時記憶して(種別情報を当該サブルーチンの呼び出し元との受渡しに使用する該当記憶領域に格納する)、処理を終了する。
【0057】
(ステップS508)
次に、テップS508では、中央制御装置100は、ステップS405で取得したデータをを記憶部19のアドレス帳記憶部193のアドレス帳(図11参照)に追加記憶させ、処理を終了する。但し、該データの名称は「名称2」の項目として記載する。また、識別情報は「識別情報」の項目として、さらに、住所情報は「住所情報」の項目として、一般発信用のデータと区別することなく記載するものとする。
【0058】
なお、本発明に係る通信システムの各構成要素の処理の少なくとも一部をコンピュータ制御により実行するものとし、かつ、上記処理を、図5〜7及び図10,12の各フローチャートで示した手順によりコンピュータに実行せしめるプログラムは、半導体メモリを始め、CD−ROMや磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配付してもよい。そして、少なくともマイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータを範疇に含むコンピュータが、上記の記録媒体から上記プログラムを読み出して、実行するものとしてもよい。
【0059】
(付記1)
前記情報管理装置は、前記通信装置から送信された位置情報及び種別情報を受信する手段と、該受信された位置情報及び種別情報に基づいて、前記データベース記憶手段に記憶されている連絡先データの中から、前記受信した種別情報と同じ種別情報を有し、かつ前記受信した位置情報と最も近い位置情報を有する連絡先データを検索して特定する手段と、前記特定された連絡先データを前記通信装置に送信する手段と、をさらに備え、前記通信装置は、前記情報管理装置を利用した発信とすると判別された場合に、前記取得された本通信装置の位置情報及び読み出された種別情報を前記情報管理装置に送信する手段と、前記データベース発信手段に、前記情報管理装置から受信した前記連絡先データの識別情報を発信先として発信させる手段と、前記アドレス帳に、前記発信した通信相手の識別情報及び位置情報を記憶させる手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の通信システム。
【0060】
(付記2)
前記発信指示操作における操作方法を検出する手段を更に備え、前記発信判別手段は、検出された前記発信指示操作における操作方法に基づいて、相手データの識別情報への発信とするか、それとも前記情報管理装置を利用した発信とするかを判別することを特徴とする請求項10記載の通信装置。
【0061】
(付記3)
読み出された相手データを表示する手段と、前記情報管理装置へのアクセスを示す指標を表示する手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項10または請求項11記載の通信装置。
【0062】
(付記4)
前記発信判別手段は、前記検出された発信指示操作における操作方法が、表示された相手データを指定する操作及び表示された前記情報管理装置へのアクセスを示す指標を指定する操作である場合に、前記情報管理装置を利用した発信とすると判別することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の通信装置。
【0063】
(付記5)
前記発信判別手段は、前記検出された発信指示操作における操作方法が、表示された相手データを指定する操作から前記情報管理装置へのアクセスを示す指標へのスライド操作である場合に、前記情報管理装置を利用した発信とすると判別することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の通信装置。
【0064】
(付記6)
前記発信判別手段は、前記検出された発信指示操作における操作方法が、前記情報管理装置へのアクセスを示す指標を指定する操作から相手データへのスライド操作である場合に、前記情報管理装置を利用した発信とすると判別することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の通信装置。
【0065】
(付記7)
前記アドレス帳は、さらに通信相手の位置情報を記憶しており、前記相手データを読み出す手段は、通信相手のデータとして、前記識別情報及び前記種別情報と共に前記位置情報を読み出し、前記発信判別手段は、前記読み出された位置情報及び前記取得された本通信装置の位置情報に基づいて、相手データの識別情報への発信とするか情報管理装置を利用した発信とするかを判別することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の通信装置。
【0066】
(付記8)
前記読み出した相手データを表示する手段をさらに備え、前記表示に際しては、前記情報管理装置を利用した発信が可能なデータか否かを決める前記発信判別手段の判別結果に基づいて、前記読み出した相手データを、前記判別結果を示す識別が可能であるように表示制御することを特徴とする請求項10乃至16のいずれか1項に記載の通信装置。
【0067】
(付記9)
前記連絡先データ検索手段は、前記データベース記憶手段に記憶されている連絡先データの中から、前記読み出された相手データの種別情報と同じ種別情報を有し、かつ前記取得した本装置の位置情報と最も近い位置情報を有する連絡先データを特定して取得することを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1項に記載の通信装置。
【符号の説明】
【0068】
1 通信装置
2A,2B 基地局
3 交換機
4 GPS衛星
5 情報管理装置
11 通信部
12 GPS受信部
13 音声信号処理部
14 表示部
15 表示操作部
16 操作部
17 RTC(リアルタイムクロック)
18 報知部
19 記憶部
20 無線通信網
30 インターネット
100 中央制御部
101 発信制御部
102 読み出し制御部
193 アドレス帳記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と、該通信装置からアクセス可能な情報管理装置とを含む通信システムであって、
前記情報管理装置は、
連絡先データとして、連絡先を示す識別情報と、連絡先の所在位置を示す位置情報と、連絡先データの種類を示す種別情報とを、対応付けて記憶するデータベース記憶手段を備え、
前記通信装置は、
少なくとも相手の連絡先を示す識別情報と相手データの種類を示す種別情報とを対応付けて記憶するアドレス帳から、通信する相手データを読み出す手段と、
前記識別情報に発信するための発信指示操作を検出する手段と、
前記発信指示操作の対象となった相手データの種別情報を読み出す手段と、
本通信装置の位置情報を取得する手段と、
前記読み出された相手データの種別情報に基づいて、前記発信指示操作の対象となった相手データの前記識別情報への発信とするか、それとも前記情報管理装置を利用した発信とするかを判別する発信判別手段と、
相手データの識別情報への発信とすると判別された場合に、該識別情報に発信する一般発信手段と、
前記情報管理装置を利用した発信とすると判別された場合に、前記情報管理装置にアクセスして、前記データベース記憶手段に記憶されている連絡先データの中から、前記取得された本装置の位置情報及び前記読み出された相手データの種別情報に基づいて連絡先データを特定して取得する連絡先データ検索手段と、
前記取得された所定の連絡先データの識別情報を発信先として発信するデータベース発信手段と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信装置は、前記発信指示操作における操作方法を検出する手段を更に備え、
前記発信判別手段は、検出された前記発信指示操作における操作方法に基づいて、相手データの識別情報への発信とするか、それとも前記情報管理装置を利用した発信とするかを判別することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信装置は、読み出された相手データを表示する手段と、前記情報管理装置へのアクセスを示す指標を表示する手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信システム。
【請求項4】
前記発信判別手段は、前記検出された発信指示操作における操作方法が、表示された相手データを指定する操作及び表示された前記情報管理装置へのアクセスを示す指標を指定する操作である場合に、前記情報管理装置を利用した発信とすると判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記発信判別手段は、前記検出された発信指示操作における操作方法が、表示された相手データを指定する操作から前記情報管理装置へのアクセスを示す指標へのスライド操作である場合に、前記情報管理装置を利用した発信とすると判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記発信判別手段は、前記検出された発信指示操作における操作方法が、前記情報管理装置へのアクセスを示す指標を指定する操作から相手データへのスライド操作である場合に、前記情報管理装置を利用した発信とすると判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記通信装置の前記アドレス帳は、さらに通信相手の位置情報を記憶しており、前記相手データを読み出す手段は、通信相手のデータとして、前記識別情報及び前記種別情報と共に前記位置情報を読み出し、
前記発信判別手段は、前記読み出された位置情報及び前記取得された本通信装置の位置情報に基づいて、相手データの識別情報への発信とするか情報管理装置を利用した発信とするかを判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項8】
前記通信装置は、前記読み出した相手データを表示する手段をさらに備え、前記表示に際しては、前記情報管理装置を利用した発信が可能なデータか否かを決める前記発信判別手段の判別結果に基づいて、前記読み出した相手データを、前記判別結果を示す識別が可能であるように表示制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項9】
前記連絡先データ検索手段は、前記データベース記憶手段に記憶されている連絡先データの中から、前記読み出された相手データの種別情報と同じ種別情報を有し、かつ前記取得した本装置の位置情報と最も近い位置情報を有する連絡先データを特定して取得することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項10】
少なくとも相手の連絡先を示す識別情報と相手データの種類を示す種別情報とを対応付けて記憶するアドレス帳から、通信する相手データを読み出す手段と、
前記識別情報に発信するための発信指示操作を検出する手段と、
前記発信指示操作の対象となった相手データの種別情報を読み出す手段と、
本通信装置の位置情報を取得する手段と、
前記読み出された相手データの種別情報に基づいて、前記発信指示操作の対象となった相手データの前記識別情報への発信とするか、それとも外部の情報管理装置を利用した発信とするかを判別する発信判別手段と、
相手データの識別情報への発信とすると判別された場合に、該識別情報に発信する一般発信手段と、
前記情報管理装置を利用した発信とすると判別された場合に、前記情報管理装置にアクセスして、前記情報管理装置のデータベース記憶手段に記憶されている連絡先データの中から、前記取得された本装置の位置情報及び前記読み出された相手データの種別情報に基づいて連絡先データを特定して取得する連絡先データ検索手段と、
前記取得された所定の連絡先データの識別情報を発信先として発信するデータベース発信手段と、
を備えたことを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−62762(P2013−62762A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201580(P2011−201580)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】