説明

通信端末装置及びコンテンツデータ受信方法

【課題】欠損部分のダウンロード中のユーザの感覚的な待ち時間を低減するとともに、ユーザがいらいらした状態になることを軽減すること。
【解決手段】放送波受信部102は、放送網及びアンテナ101を介してコンテンツデータを受信する。解析部103は、コンテンツデータの欠損部分を検出し、欠損部分のデータサイズを集計する。通信部108は、集計したデータサイズに基づいて、放送網と異なる通信網及びアンテナ107を介して欠損部分のデータをダウンロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばISDB−Tmm(Integrated Services Digital Broadcasting Terrestrial Mobile Multi-Media Broadcasting)方式によりコンテンツデータを受信する通信端末装置及びコンテンツデータ受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地上波デジタル放送サービスでは、移動受信機向けサービスとして、ワンセグと呼ばれる放送サービスが実施されている。例えば、地上波デジタル放送の周波数帯域を構成する13セグメントのうち、12セグメントを用いて固定受信機向けサービスが送信され、残りの1セグメントを用いてワンセグが放送される。このワンセグは、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式を用いた地上波デジタル放送サービスである(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、近年、ISDB−Tを発展させたISDB−Tmm方式を用いた、ワンセグに代わる次世代モバイル用のマルチメディア放送が提唱されている。
【0004】
ISDB−Tmmを用いたマルチメディア放送では、ワンセグと同様のリアルタイム放送サービスに加えて、蓄積型放送サービスを受けることが可能である。ISDB−Tmmを用いたマルチメディアサービスは、リアルタイムに入手中のコンテンツと蓄積装置に蓄積されているコンテンツとをシームレスに視聴者に提供するサービスである。例えば、データ量の大きいコンテンツデータを事前に受信装置に蓄積させておき、後日、リアルタイム視聴が可能なコンテンツデータが送信される際に、メタデータを利用してコンテンツ同士を連動させる。これにより、蓄積済みのコンテンツとリアルタイム視聴が可能なコンテンツとをシームレスに視聴者に提供することができる。
【0005】
また、ISDB−Tmmを用いたマルチメディア放送では、リアルタイム放送サービスにより取得したコンテンツデータに複数の欠損が生じた場合に、リアルタイム放送サービスの代わりに蓄積型放送サービスを用いて、複数の欠損部分のデータをダウンロードすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−177350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の装置においては、最初にデータサイズの大きい欠損部分のデータからダウンロードを開始すると、最初のデータサイズの大きい欠損部分のダウンロードを完了するまでの待ち時間が長くなるという問題がある。この結果、ユーザは、残りの全ての欠損部分のダウンロードを完了するまでに長時間待たされる感覚に陥り、精神的にいらいらした状態になるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、欠損部分のダウンロード中のユーザの感覚的な待ち時間を低減することができるとともに、ユーザがいらいらした状態になることを軽減することができる通信端末装置及びコンテンツデータ受信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の通信端末装置は、放送網を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、受信した前記コンテンツデータの複数の欠損部分を検出し、前記欠損部分のデータサイズを集計する解析手段と、集計した前記欠損部分のデータサイズに基づいて、前記放送網と異なる通信網を介して前記欠損部分のデータをダウンロードする通信手段と、を具備する構成を採る。
【0010】
本発明のコンテンツデータ受信方法は、放送網及び前記放送網とは異なる通信網を介してコンテンツデータを受信する通信端末装置におけるコンテンツデータ受信方法であって、前記放送網を介して前記コンテンツデータを受信するステップと、受信した前記コンテンツデータの複数の欠損部分を検出し、前記欠損部分のデータサイズを集計するステップと、集計した前記欠損部分のデータサイズに基づいて、前記通信網を介して前記欠損部分のデータをダウンロードするステップと、を具備するようにした。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、欠損部分のダウンロード中のユーザの感覚的な待ち時間を低減することができるとともに、ユーザがいらいらした状態になることを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態に係るマルチメディア放送システムの構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態に係る表示部の表示の一例を示す図
【図4】本発明の実施の形態に係る表示部の表示の他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信端末装置100の構成を示すブロック図である。
【0015】
通信端末装置100は、アンテナ101と、放送波受信部102と、解析部103と、デコード・AV同期部104と、表示部105と、アンテナ107と、通信部108と、CPU109とから主に構成される。以下に、各構成について、詳細に説明する。
【0016】
アンテナ101は、放送網を介してコンテンツデータを受信し、受信したコンテンツデータを放送波受信部102へ出力する。
【0017】
放送波受信部102は、アンテナ101から入力した受信信号に対して復調処理を施してコンテンツデータを取得し、復調処理により取得したコンテンツデータを解析部103へ出力する。
【0018】
解析部103は、放送波受信部102から入力したコンテンツデータに付加されている制御情報を解析して、複数の欠損部分を検出する。また、解析部103は、検出した欠損部分のデータサイズを集計する。また、解析部103は、通信部108から入力した、コンテンツを復号するためのデータから復号鍵を取得し、取得した復号鍵の有効期間または有効期限を検出する。また、解析部103は、放送波受信部102から入力したコンテンツデータに付加されている制御情報を解析して、コンテンツの有効期間またはコンテンツの有効期限と、コンテンツデータのダウンロードの速度とを検出する。また、解析部103は、欠損部分を検出した場合には、通信部108に対して、検出した欠損部分のデータのダウンロードを要求する。この際、解析部103は、例えば、データサイズの小さい欠損部分のデータから順にダウンロードする要求を行う。また、解析部103は、例えば、有効期間の小さいコンテンツの欠損部分のデータから順にダウンロードする要求、または有効期限の近いコンテンツの欠損部分のデータから順にダウンロードする要求を行う。また、解析部103は、例えば、コンテンツデータのダウンロードの速度の早い順にダウンロードする要求を行う。また、解析部103は、例えば、有効期間が短い復号鍵で復号するコンテンツの欠損部分のデータから順にダウンロードする要求、または有効期限が近い復号鍵で復号するコンテンツの欠損部分のデータから順にダウンロードする要求を行う。また、解析部103は、検出した欠損部分の有無、欠損部分のデータサイズ、コンテンツの有効期間または有効期限、復号鍵の有効期間または有効期限、及びコンテンツデータのダウンロードの速度を、コンテンツデータの情報として表示部105へ出力する。また、解析部103は、通信部108から入力した欠損部分のデータ、放送波受信部102から入力したコンテンツデータ、及び復号鍵をデコード・AV同期部104へ出力する。また、解析部103は、検出したコンテンツの有効期間または有効期限と、復号鍵の有効期間または有効期限を報知部106へ出力する。復号鍵とは、例えば暗号鍵であり、コンテンツデータを所定のユーザのみが復号できるようにする鍵である。
【0019】
ここで、コンテンツの有効期間とは、例えば、コンテンツのダウンロード元のアドレスに対するアクセス可能な期間、または既に通信端末装置100がダウンロードしたコンテンツの視聴可能な期間である。また、コンテンツの有効期限とは、例えば、コンテンツのダウンロード元のアドレスに対するアクセス可能な期限、または既に通信端末装置100がダウンロードしたコンテンツの視聴可能な期限である。また、コンテンツのダウンロード元のアドレスとは、例えば、URL(Uniform Resource Locator)またはURI(Uniform Resource Identifier)により特定されるコンテンツの格納場所である。また、コンテンツの有効期間は、例えば、コンテンツを視聴することができる残り期間(例えば、日数または時間)である。この有効期間を設定することにより、有効期間のなくなったコンテンツを視聴できないようにすることが可能である。また、コンテンツの有効期限は、例えば、コンテンツを視聴することができる期限(例えば、日または時刻)である。この有効期限を設定することにより、有効期限を過ぎたコンテンツを視聴できないようにすることが可能である。また、復号鍵の有効期間は、例えば、コンテンツを復号することができる残り期間(例えば、日数または時間)である。この有効期間を設定することにより、有効期間のなくなったコンテンツを復号できないようにすることが可能である。また、復号鍵の有効期限は、例えば、コンテンツを復号することができる期限(例えば、日または時刻)である。この有効期限を設定することにより、有効期限を過ぎたコンテンツを復号できないようにすることが可能である。
【0020】
デコード・AV同期部104は、解析部103から入力した欠損部分のデータ及びコンテンツデータを、解析部103から入力した復号鍵を用いて復号する。そして、デコード・AV同期部104は、復号したコンテンツデータを表示部105へ出力する。
【0021】
表示部105は、デコード・AV同期部104から入力したコンテンツデータの情報を表示する。その際、表示部105は、例えば解析部103から入力したデータサイズの小さい欠損部分を有するコンテンツデータの情報から優先的に表示する。また、表示部105は、例えば、解析部103から入力した有効期間の短いコンテンツのコンテンツデータの情報、または解析部103から入力した有効期限の近いコンテンツのコンテンツデータの情報から優先的に表示する。また、表示部105は、例えば、解析部103から入力したダウンロード速度の速いコンテンツデータの情報から優先的に表示する。また、表示部105は、例えば、解析部103から入力した有効期間の短い復号鍵で復号するコンテンツのコンテンツデータの情報、または解析部103から入力した有効期限の近い復号鍵で復号するコンテンツのコンテンツデータの情報から優先的に表示する。また、表示部105は、デコード・AV同期部104から入力したコンテンツを再生して表示する。なお、コンテンツデータの情報の表示方法については後述する。
【0022】
報知部106は、解析部103から入力したコンテンツの有効期間または復号鍵の有効期間としきい値とを所定の周期で比較する。また、報知部106は、解析部103からコンテンツの有効期限または復号鍵の有効期限を取得した場合には、現時点から有効期限までの有効期間を所定の周期で求め、求めた有効期間としきい値とを比較する。そして、報知部106は、コンテンツの有効期間または復号鍵の有効期間がしきい値以下になった場合に外部に報知する。報知部106は、例えば、振動、音または光によって外部に報知する。
【0023】
アンテナ107は、通信部108から入力した欠損部分のデータのダウンロードを要求する信号を送信する。また、アンテナ107は、欠損部分のデータを受信して通信部108へ出力する。アンテナ107は、携帯電話網、またはインターネット等の放送網とは異なる通信網を介して送受信を行う。
【0024】
通信部108は、欠損部分のデータのダウンロードの要求を解析部103から受けた場合に、要求された欠損部分のデータのダウンロードを要求する信号を生成する。また、通信部108は、生成したダウンロードを要求する信号をアンテナ107へ出力する。また、通信部108は、アンテナ107を介して欠損部分のデータをダウンロードする。また、通信部108は、ダウンロードした欠損部分のデータに対して、周波数変換等の無線処理を施すとともに、無線処理した欠損部分のデータを復調して解析部103へ出力する。また、通信部108は、アンテナ107から入力した、コンテンツを復号するためのデータを復調して解析部103へ出力する。
【0025】
CPU109は、放送波受信部102と、解析部103と、デコード・AV同期部104と、表示部105と、通信部108とを制御する。
【0026】
以上で、通信端末装置100の構成の説明を終える。
【0027】
次に、通信端末装置100において、マルチメディア放送システムを用いてコンテンツを受信する方法について、図2を用いて説明する。図2は、マルチメディア放送システム200を用いてコンテンツを受信する方法を示す図である。
【0028】
最初に、通信端末装置100は、リアルタイム放送サービスを提供する放送事業者201より、放送網を介してコンテンツデータを受信する(ステップST201)。この際、例えば、放送事業者201は、コンテンツデータ「A」、「B」、「C」、「D」の順番に、一定期間繰り返しコンテンツデータを送信する。この際、コンテンツデータは、データ・カルーセル方式により送信される。
【0029】
また、通信端末装置100は、解析部103において、受信したコンテンツデータに複数の欠損部分があるか否かを検出し、検出した欠損部分のデータサイズを集計する。また、通信端末装置100は、解析部103において、コンテンツデータに付加されている制御情報を解析することにより、コンテンツの有効期間または有効期限を検出する。また、通信端末装置100は、解析部103において、コンテンツデータに付加されている制御情報を解析することにより、コンテンツデータのダウンロードの速度を検出する。また、通信端末装置100は、解析部103において、復号鍵の有効期間または復号鍵の有効期限を検出する。
【0030】
また、通信端末装置100は、表示部105において、受信したコンテンツデータの情報を表示する。コンテンツデータの情報とは、上記の欠損部分の有無、コンテンツの有効期間若しくはコンテンツの有効期限、復号鍵の有効期間若しくは復号鍵の有効期限、コンテンツデータの欠損部分のデータサイズ、またはコンテンツデータのダンロードの速度である。なお、表示部105におけるコンテンツデータの情報の表示方法については後述する。
【0031】
次に、通信端末装置100は、解析の結果、欠損部分がある場合には、欠損部分のデータのダウンロードの要求を、蓄積型放送サービスを提供する携帯電話事業者202に対して行う(ステップST202)。例えば、通信端末装置100は、受信したコンテンツデータにおいて、コンテンツデータ「C」が欠損していた場合には、コンテンツデータ「C」のダウンロードの要求を携帯電話事業者202に行う。
【0032】
次に、通信端末装置100は、欠損部分であるコンテンツデータ「C」を放送網とは異なる通信網を介してダウンロードする(ステップST203)。ダウンロードする際に用いられる通信網は、例えば携帯電話網である。また、通信端末装置100は、欠損部分のデータのダウンロードの際に、表示部105において、コンテンツデータの情報の表示を継続する。これにより、通信端末装置100の表示部105の表示を視認することにより、欠損部分のデータのダウンロードがどの程度進んでいるかを確認することができる。また、複数のコンテンツデータを同時に受信している場合、各コンテンツデータのダウンロードの速度を計測し、ダウンロードの速度が速いコンテンツデータの情報を優先的に表示する。これにより、ダウンロードしている状況を表示部105においてモニタリングしているユーザがいらいらする状態を軽減することが可能となる。ここで、優先的に表示するとは、例えば、表示部105の上部に表示することを意味する。
【0033】
また、通信端末装置100は、携帯電話事業者203と所定の通信網を介してユーザ認証を行う(ステップST204)。また、通信端末装置100は、通信部108において、コンテンツデータを復号するためのデータを、携帯電話事業者203から所定の通信網を介して取得し、解析部103において復号鍵を取得する(ステップST205)。ここで、ユーザ認証を行う通信網及び復号鍵を取得する際に用いられる通信網は、例えば携帯電話網である。なお、ユーザ認証及び復号鍵は、通信端末装置100が取得したコンテンツデータに対する課金処理の際にも用いられる。
【0034】
次に、通信端末装置100は、放送網を介して受信したコンテンツデータとダウンロードした欠損部分のデータとを、デコード・AV同期部104において復号鍵を用いて復号する。例えば、通信端末装置100は、放送網を介して受信したコンテンツデータ「A」、「B」、「D」と、ダウンロードした欠損部分のコンテンツデータ「C」とを復号する。
【0035】
次に、通信端末装置100は、表示部105において、コンテンツを表示する。
【0036】
図3は、表示部105におけるコンテンツデータの情報の表示の一例を示す図である。
【0037】
図3より、表示部105は、コンテンツデータの情報として、欠損部分の有無を表示する。また、表示部105は、コンテンツデータの情報として、コンテンツデータの欠損部分のデータのデータサイズを表示する。
【0038】
即ち、表示部105は、白抜き部分310、311により欠損部分の有無を表示し、白抜き部分310、311の横方向の長さにより欠損部分のデータのデータサイズを表示する。この際、欠損部分のデータサイズが大きいほど、白抜き部分の横方向の長さは長くなる。図3の場合、コンテンツデータ#301の欠損部分310のデータサイズの方が、コンテンツデータ#302の欠損部分311のデータサイズよりも小さいことを示す。
【0039】
また、表示部105は、欠損部分のデータのダウンロードにより欠損部分が少なくなるに従って、白抜き部分310、311の面積が小さくなるように表示を更新する。
【0040】
また、表示部105は、欠損部分のデータのデータサイズが小さいコンテンツデータの情報から優先的に表示する。図3において、優先的に表示するとは、例えば、複数のコンテンツデータの情報を同一画面上に表示する場合において、欠損部分のデータのデータサイズが小さいものから順に、上から下に表示することを意味する。即ち、画面の上に表示されるコンテンツデータの情報ほど優先度が高いことを意味する。
【0041】
なお、欠損部分のデータのデータサイズは、白抜きで表示する場合に限らず、白抜きで表示することに加えて、各コンテンツデータの情報に対応付けて数値により表示するようにしても良い。
【0042】
図4は、表示部105におけるコンテンツデータの情報の表示の他の例を示す図である。
【0043】
図4より、表示部105は、コンテンツデータの情報として、コンテンツの有効期間または有効期限を表示する。即ち、表示部105は、白抜き部分410、411の横方向の長さにより有効期間または有効期限を表示する。この際、有効期間が長いほど、または有効期限が遠いほど、白抜き部分の横方向の長さは長くなる。図4の場合、コンテンツデータ#401のコンテンツの有効期間410の方が、コンテンツデータ#402のコンテンツの有効期間411よりも短いことを示す。また、図4の場合、コンテンツデータ#401のコンテンツの有効期限の方が、コンテンツデータ#402のコンテンツの有効期限よりも近いことを示す。
【0044】
また、表示部105は、有効期間が短いコンテンツのコンテンツデータの情報、または有効期限が近いコンテンツのコンテンツデータの情報から優先的に表示する。図4において、優先的に表示するとは、例えば、複数のコンテンツデータの情報を同一画面上に表示する場合において、有効期間の短いコンテンツのコンテンツデータの情報、または有効期限の近いコンテンツのコンテンツデータの情報から順に、上から下に表示することを意味する。即ち、画面の上に表示されるコンテンツデータの情報ほど優先度が高いことを意味する。
【0045】
なお、有効期間または有効期限の表示は、図4のように白抜きで表示する場合に限らず、白抜きで表示することに加えて、各コンテンツデータの情報に対応付けて数値により表示するようにしても良い。また、復号鍵の有効期間若しくは有効期限、またはコンテンツデータのダウンロードの速度をコンテンツデータの情報として表示する場合も、図3または図4のように表示することができる。
【0046】
上記の説明において、通信端末装置100は、放送事業者から放送網を介して受信したコンテンツデータを解析することによりコンテンツの有効期間または有効期限を検出したが、携帯電話事業者から携帯電話網またはインターネットを介して受信したデータを解析することによりコンテンツの有効期間または有効期限を検出しても良い。即ち、ISDB−Tmm等のマルチメディア放送サービスにおいて、放送事業者と携帯電話事業者とは、同じコンテンツのコンテンツデータを送信することが可能である。従って、携帯電話事業者は、放送事業者と同様に、送信するコンテンツデータに有効期間または有効期限の情報を付加することが可能である。また、この場合、通信端末装置100は、携帯電話事業者から受信したデータの解析により取得した有効期間または有効期限を用いて、放送事業者から受信したコンテンツデータの解析により取得した有効期間または有効期限を更新することが可能である。
【0047】
このように、本実施の形態によれば、リアルタイム放送サービスにより取得したコンテンツデータに欠損が生じた場合において、欠損部分のダウンロード中のユーザの感覚的な待ち時間を低減することができるとともに、ユーザがいらいらした状態になることを軽減することができる。また、本実施の形態によれば、データサイズの小さい欠損部分から順にダウンロードするので、所定時間内にダウンロードを完了することができるコンテンツの数を多くすることができる。即ち、データサイズの大きい欠損部分のデータのダウンロードを先に行った結果、データサイズの大きい欠損部分のダウンロードに時間を要し、その他の欠損部分のデータのダウンロード開始までの待ち時間が長くなることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、有効期間の短いコンテンツのコンテンツデータの欠損部分、または有効期限の近いコンテンツのコンテンツデータの欠損部分から順にダウンロードする。この結果、視聴可能期間の短いコンテンツの欠損部分のデータから順にダウンロードすることができ、コンテンツを視聴する時間的な余裕を確実に確保することができる。また、本実施の形態によれば、有効期間の短い復号鍵で復号するコンテンツのコンテンツデータの欠損部分、または有効期限の近い復号鍵で復号するコンテンツのコンテンツデータの欠損部分から順にダウンロードするので、復号可能期間の短いコンテンツの欠損部分のデータから順にダウンロードすることができ、コンテンツを復号する時間的な余裕を確実に確保することができる。また、本実施の形態によれば、コンテンツの有効期間若しくは復号鍵の有効期間が短くなった場合、またはコンテンツの有効期限若しくは復号鍵の有効期限が近づいた場合に報知するので、ユーザの知らない間にコンテンツを視聴できなくなる状態を防ぐことができる。
【0048】
なお、本実施の形態において、欠損部分のデータのデータサイズ等に応じて欠損部分のダウンロードの順番を決めたが、本発明はこれに限らず、データサイズ等以外に応じて欠損部分のダウンロードの順番を決めても良い。例えば、通信端末装置に蓄積したコンテンツデータの蓄積量、視聴回数の多いジャンルのコンテンツデータ、またはダウンロードする際のビットレートが高いものから優先的にダウンロードするようにしても良い。また、本実施の形態において、振動、音または光により有効期間が少ないこと、または有効期限が近いことを報知したが、本発明はこれに限らず、表示部においてハイライト表示等により報知しても良い。この場合、解析部103は、コンテンツデータの情報を表示部105に出力することにより、上記の報知が可能である。また、本実施の形態において、解析部103により、欠損部分のデータのデータサイズ、コンテンツの有効期間若しくは有効期限、復号鍵の有効期間若しくは有効期限、及びコンテンツデータのダウンロードの速度を取得したが、本発明はこれに限らず、必要に応じて、解析部103により、欠損部分のデータのデータサイズ、コンテンツの有効期間若しくは有効期限、復号鍵の有効期間若しくは有効期限、またはコンテンツデータのダウンロードの速度のうち、いずれか1つ若しくはいずれか複数を取得するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、例えばISDB−Tmm方式によりコンテンツデータを受信する通信端末装置及びコンテンツデータ受信方法に好適である。
【符号の説明】
【0050】
100 通信端末装置
101、107 アンテナ
102 放送波受信部
103 解析部
104 デコード・AV同期部
105 表示部
106 報知部
108 通信部
109 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送網を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
受信した前記コンテンツデータの複数の欠損部分を検出し、前記欠損部分のデータサイズを集計する解析手段と、
集計した前記欠損部分のデータサイズに基づいて、前記放送網と異なる通信網を介して前記欠損部分のデータをダウンロードする通信手段と、
を具備する通信端末装置。
【請求項2】
前記通信手段は、前記解析手段により集計した前記データサイズの小さい前記欠損部分のデータから順にダウンロードする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータの情報を同一画面上に表示する際に、前記解析手段により集計した前記データサイズの小さい前記欠損部分を含む前記コンテンツデータの情報から優先的に表示する表示手段をさらに具備する請求項1記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータの情報を同一画面上に表示する表示手段をさらに具備し、
前記解析手段は、前記データサイズの集計に加えて、前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータを解析してコンテンツの有効期間を検出し、
前記表示手段は、前記有効期間の短いコンテンツの前記コンテンツデータの情報から優先的に表示する請求項1記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータの情報を同一画面上に表示する表示手段をさらに具備し、
前記解析手段は、前記データサイズの集計に加えて、前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータを解析してコンテンツの有効期限を検出し、
前記表示手段は、前記有効期限の近いコンテンツの前記コンテンツデータの情報から優先的に表示する請求項1記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータの情報を同一画面上に表示する表示手段をさらに具備し、
前記解析手段は、前記データサイズの集計に加えて、前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータを解析してコンテンツデータのダウンロードの速度を検出し、
前記表示手段は、前記ダウンロードの速度の早い前記コンテンツデータの情報から優先的に表示する請求項1記載の通信端末装置。
【請求項7】
前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータの情報を同一画面上に表示する表示手段をさらに具備し、
前記解析手段は、前記データサイズの集計に加えて、コンテンツを復号する復号鍵を取得するとともに前記復号鍵の有効期間を検出し、
前記表示手段は、前記復号鍵の有効期間の短いコンテンツのコンテンツデータの情報から優先的に表示する請求項1記載の通信端末装置。
【請求項8】
前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータの情報を同一画面上に表示する表示手段をさらに具備し、
前記解析手段は、前記データサイズの集計に加えて、コンテンツを復号する復号鍵を取得するとともに前記復号鍵の有効期限を検出し、
前記表示手段は、前記復号鍵の有効期限の近いコンテンツのコンテンツデータの情報から優先的に表示する請求項1記載の通信端末装置。
【請求項9】
外部に報知する報知手段をさらに具備し、
前記解析手段は、前記データサイズの集計に加えて、前記受信手段により受信した複数の前記コンテンツデータを解析してコンテンツの有効期間を検出し、
前記報知手段は、前記有効期間がしきい値以下になった場合に報知する請求項1記載の通信端末装置。
【請求項10】
放送網及び前記放送網とは異なる通信網を介してコンテンツデータを受信する通信端末装置におけるコンテンツデータ受信方法であって、
前記放送網を介して前記コンテンツデータを受信するステップと、
受信した前記コンテンツデータの複数の欠損部分を検出し、前記欠損部分のデータサイズを集計するステップと、
集計した前記欠損部分のデータサイズに基づいて、前記通信網を介して前記欠損部分のデータをダウンロードするステップと、
を具備するコンテンツデータ受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−97421(P2011−97421A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250426(P2009−250426)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】