説明

通信装置、通信システム、制御方法及びプログラム

【課題】付加情報を画像データに付加して他の通信装置に送信する際のセキュリティを向上させる。
【解決手段】通信装置は、他の通信装置に対して画像データを送信する第1の通信装置として機能する。ここで、通信装置は、画像データを記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された画像データに、第2の通信装置により提供された付加情報を付加する付加手段と、記憶手段により記憶された画像データを所定のネットワークを介して第3の通信装置に送信する際に、所定のネットワークに第2の通信装置が接続しているか否かに応じて、付加手段により付加情報を付加された画像データ、又は付加手段により付加情報が付加されていない画像データを送信する送信手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置(例えば、デジタルカメラ、携帯電話、PDA等)で撮像された画像の多くは、JEIDAで規格化されているExif(Exchangeable image file format)形式で保存される。Exif形式で保存された画像には、画像以外の情報が付加情報として付加される。付加情報は、撮像時に撮像装置により自動的に付加される。
【0003】
また、通信装置(例えば、携帯電話)からExifに付加するための情報を撮像装置に転送し、当該撮像装置において、当該転送された情報をExifに付加する方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−60423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、撮像された画像のExifに対して、個人情報(例えば、メールアドレスや氏名等)を付加して送信する場合がある。この場合、なりすましや不正取得などにより、他者に画像を盗み取られる可能性がある。
【0006】
このように画像が他者に盗みとられた場合、画像に付加されている個人情報等の秘匿性を有する情報が流出してしまう。また、ユーザが意図せず、個人情報等の秘匿性を有する情報を付加した画像を他者に転送してしまった場合には、ユーザは当該情報の漏洩を知らないまま、当該他者に情報が渡ってしまう。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、付加情報を画像データに付加して他の通信装置に送信する際のセキュリティを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、他の通信装置に対して画像データを送信する第1の通信装置として機能する通信装置であって、画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶された画像データに、第2の通信装置により提供された付加情報を付加する付加手段と、前記記憶手段により記憶された画像データを所定のネットワークを介して第3の通信装置に送信する際に、前記所定のネットワークに前記第2の通信装置が接続しているか否かに応じて、前記付加手段により前記付加情報を付加された画像データ、又は前記付加手段により前記付加情報が付加されていない画像データを送信する送信手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、付加情報を画像データに付加して他の通信装置に送信する際のセキュリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる通信システムの構成の一例を示す図。
【図2】図1に示すデジタルカメラ10のハードウェア構成の一例を示す図。
【図3】図2に示す制御部46に実現される機能的な構成の一例を示す図。
【図4】図1に示す携帯電話20(携帯電話21及び22)のハードウェア構成の一例を示す図。
【図5】携帯電話21の制御部59に実現される機能的な構成の一例を示す図。
【図6】携帯電話22の制御部59に実現される機能的な構成の一例を示す図。
【図7】図1に示す通信システムの処理の流れ一例を示すシーケンスチャート。
【図8】デジタルカメラ10の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図9】携帯電話21の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図10】携帯電話21の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図11】携帯電話22の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図12】デジタルカメラ10の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図13】携帯電話21処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図14】携帯電話22の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施の形態に係わる通信システムの構成の一例を示す図である。
【0013】
通信システムには、所定の通信網(本実施形態においては、無線LAN(Local Area Network))30を介して、デジタルカメラ10と、携帯電話20(21、22)とが通信可能に接続されている。これら各端末は、携帯電話21により構築された無線LAN(無線ネットワークと呼ぶ場合もある)におけるアドホック通信を用いて相互に通信を行なう。なお、詳細については後述するが、各端末には、コンピュータが内蔵されている。
【0014】
ここで、デジタルカメラ10は、第1の通信装置として機能し、各種画像を撮像する。デジタルカメラ10では、撮像した画像をExif形式で保存し、撮像情報等を付加情報として当該画像に付加する。なお、本実施形態においては、第1の通信装置の一例としてデジタルカメラを例に挙げて説明するが、これに限られない。具体的には、画像を格納し、当該画像に上述した付加情報を付加可能な装置であれば何でも良く、例えば、携帯電話や携帯音楽プレーヤ、PDA(Personal Digital Assistance)、PC等であっても良い。
【0015】
携帯電話20は、通信装置として機能し、無線LAN30を利用して通信を行なう。本実施形態においては、通信装置の一例として携帯電話を例に挙げて説明するが、これに限られない。具体的には、通信機能を有する装置であれば何でも良く、例えば、PC(Personal Computer)や携帯音楽プレーヤ、PDA等であっても良い。
【0016】
ここで、本実施形態においては、携帯電話21に保持される個人情報をデジタルカメラ10に転送し、デジタルカメラ10が、撮像画像のExifに対して当該個人情報を付加し、携帯電話22へ転送する場合について説明する。
【0017】
すなわち、本実施形態においては、携帯電話21は、携帯電話21を所持するユーザの個人情報を他の端末に提供する提供元として機能する(第2の通信装置)。また、携帯電話22は、携帯電話21を所持するユーザの個人情報が付加された画像をデジタルカメラ10から受信する個人情報の送信先として機能する(第3の通信装置)。
【0018】
なお、本実施形態においては、秘匿性を有する情報(秘匿情報)の一例として、個人情報(携帯電話番号や氏名、メールアドレス等)を例に挙げて説明するが、これに限られない。
【0019】
以上が本実施形態に係わる通信システムの構成の一例についての説明であるが、この構成は適宜変更できる。例えば、図1においては、携帯電話21、携帯電話22、デジタルカメラ10が1台ずつ設けられる場合を示しているが、これら各端末は、それぞれ複数台ずつ設けられていても勿論構わない。
【0020】
次に、図2を用いて、図1に示すデジタルカメラ10のハードウェア構成の一例について説明する。
【0021】
デジタルカメラ10は、無線LANアンテナ41aと、無線LANアンテナ制御部41と、無線LAN通信処理部42と、出力部43と、撮像部44と、レンズ45と、制御部46と、記憶部47と、電源部48と、入力部49とを具備して構成される。
【0022】
無線LANアンテナ制御部41は、無線LANアンテナ41aを制御する。無線LAN通信処理部42は、無線LANアンテナ41a及び無線LANアンテナ制御部41を介して無線LAN30通信網を利用した通信を行なう。撮像部44は、レンズ45を介して撮像を行なう。電源部48は、各構成部に電力を供給する。
【0023】
制御部46は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等で実現され、各構成部の動作を統括制御する。記憶部47は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、外部記憶装置(例えば、メモリカード)等で実現され、各種情報(例えば、プログラム)を記憶する。記録部47には、例えば、デジタルカメラ10により撮像された1又は複数の画像が格納される。
【0024】
出力部43は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やLED(Light Emitting Diode)等で実現され、各種情報をユーザに出力(表示)する。入力部49は、例えば、タッチパネルやボタン等で実現され、ユーザからの指示を装置内に入力する。
【0025】
ここで、図3を用いて、図2に示す制御部46に実現される機能的な構成の一例について説明する。制御部46内における各構成は、例えば、CPUがROM等に記憶されたプログラムを読み出し実行することで実現される。なお、制御部46内における構成の一部又は全てが専用のハードウェア構成で実現されても勿論構わない。
【0026】
制御部46には、機能的な構成として、無線LAN通信制御部71と、登録部72と、送信部76と、個人情報付加部79と、端末確認部80とが実現される。
【0027】
無線LAN通信制御部71は、無線LAN30を介した通信を制御する。より具体的には、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LAN通信の各種制御を行なうドライバや無線LAN通信に関するプロトコルとしての機能を果たす。
【0028】
登録部72は、各種情報を記憶部47等に登録する。登録部72は、提供元登録部73と、個人情報登録部74と、宛先情報登録部75とを具備して構成される。提供元登録部73は、個人情報の提供元端末(携帯電話21)の識別情報を登録する。なお、識別情報は、提供元端末を識別できる情報であれば何でも良い。
【0029】
個人情報登録部74は、提供された個人情報を登録する。本実施形態においては、MACアドレスを登録する場合について説明する。宛先情報登録部75は、個人情報の宛先端末(携帯電話22)の宛先情報を登録する。
【0030】
送信部76は、画像の送信先端末に向けて送信する画像に個人情報を付加するか否かを判定する判定部77と、個人情報の提供元端末(携帯電話21)により指定された宛先(送信先)に撮像された画像を送信する画像送信部78とを具備して構成される。なお、画像送信部78においては、判定部77の判定結果によっては、個人情報を付加せずに画像を送信する場合もある。
【0031】
個人情報付加部79は、撮像された画像に対して個人情報を付加する。個人情報を画像に付加するか否かは、判定部77の判定結果に基づいて決められる。端末確認部80は、接続先の端末が正当な端末であるか否かを確認する。すなわち、接続先の端末が、なりすまし等でないか否かを確認する。本実施形態においては、認証処理を行により正当な端末であるか否かを確認する。
【0032】
次に、図4を用いて、図1に示す携帯電話20(携帯電話21及び22)のハードウェア構成の一例について説明する。
【0033】
携帯電話20は、公衆無線アンテナ51aと、公衆無線アンテナ制御部51と、公衆無線通信処理部52と、出力部53と、入力部54と、通話部55と、マイク56と、制御部59と、記憶部60と、電源部61とを具備して構成される。また、携帯電話20には、無線LANアンテナ57a、無線LANアンテナ制御部57、無線LAN通信処理部58、近距離無線アンテナ62a、近距離無線アンテナ制御部62、近距離無線通信処理部63も設けられる。
【0034】
公衆無線アンテナ制御部51は、公衆無線アンテナ51aを制御する。公衆無線通信処理部52は、公衆無線アンテナ51a及び公衆無線アンテナ制御部51を介して公衆通信網(例えば、携帯電話網)を利用した通信を行なう。公衆無線通信処理部52による通信は、例えば、IMT(International Mobile Telecommunication)規格やLTE(Long Term Evolution)規格などに準拠して行なわれる。
【0035】
無線LANアンテナ制御部57は、無線LANアンテナ57aを制御する。無線LAN通信処理部58は、無線LANアンテナ57a及び無線LANアンテナ制御部57を介して無線LAN30通信網を利用した通信を行なう。
【0036】
近距離無線アンテナ制御部62は、近距離無線アンテナ62aを制御する。近距離無線通信処理部63は、近距離無線アンテナ62a及び近距離無線アンテナ制御部62を介して近距離通信網を利用した通信を行なう。近距離通信網としては、例えば、(例えば、NFC(Near Field Communication)、IrDA(Infrared Data Association))等が挙げられる。
【0037】
電源部61は、各構成部に電力を供給する。通話部55は、マイク56を介してユーザからの音声(音声信号)を装置内に入力し、当該音声信号を処理する。制御部59は、例えば、CPU等で実現され、各構成部の動作を統括制御する。記憶部60は、RAMやROM等で実現され、各種情報(例えば、プログラム)を記憶する。
【0038】
出力部53は、例えば、LCDやLED等で実現され、各種情報をユーザに出力(表示)する。なお、出力部53は、スピーカなどの音出力が可能であっても良い。入力部54は、例えば、タッチパネルやボタン等で実現され、ユーザからの指示を装置内に入力する。
【0039】
次に、図5及び図6を用いて、図4に示す制御部59に実現される機能的な構成の一例について説明する。制御部59内における各構成は、例えば、CPUがROM等に記憶されたプログラムを読み出し実行することで実現される。なお、制御部59内における構成の一部又は全てが専用のハードウェア構成で実現されても勿論構わない。
【0040】
ここではまず、図5を用いて、携帯電話21における制御部59に実現される機能的な構成の一例について説明する。
【0041】
携帯電話21の制御部59には、機能的な構成として、無線LAN通信制御部81と、公衆無線通信制御部82と、近距離無線通信制御部83と、情報処理部84と、接続端末判定部89と、状態通知部90と、端末確認部91とが実現される。
【0042】
無線LAN通信制御部81は、無線LAN30を介した通信を制御する。より具体的には、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LAN通信の各種制御を行なうドライバや無線LAN通信に関するプロトコルとしての機能を果たす。
【0043】
公衆無線通信制御部82は、公衆通信網を介した通信を制御する。より具体的には、公衆無線通信の各種制御を行なうドライバや公衆無線通信に関するプロトコルとしての機能を果たす。
【0044】
近距離無線通信制御部83は、近距離通信網を介した通信を制御する。より具体的には、近距離無線通信の各種制御を行なうドライバや近距離無線通信に関するプロトコルとしての機能を果たす。
【0045】
情報処理部84は、個人情報に関する各種処理を行なう。情報処理部84は、提供先登録部85と、個人情報提供部86と、宛先情報登録部87と、宛先情報提供部88とを具備して構成される。提供先登録部85は、個人情報の提供先端末(デジタルカメラ10)の識別情報を登録する。なお、上記同様に、識別情報は、提供先端末を識別できる情報であれば何でも良い。本実施形態においては、MACアドレスを登録する場合について説明する。
【0046】
個人情報提供部86は、個人情報の提供先端末に個人情報を提供する。宛先情報登録部87は、個人情報の宛先端末(携帯電話22)の宛先情報を登録する。宛先情報提供部88は、個人情報の提供先端末(デジタルカメラ10)に個人情報の宛先(送信先)を提供する。
【0047】
接続端末判定部89は、自端末(携帯電話21)により構築した無線ネットワーク30に接続中の端末を判定する。状態通知部90は、デジタルカメラ10からの携帯電話21の状態を確認する通知(状態確認要求)に応答して自端末(携帯電話21)の状態を通知する。端末確認部91は、接続先の端末が正当な端末であるか否かを確認する。すなわち、接続先の端末が、なりすまし等でないか否かを確認する。本実施形態においては、認証処理を行により正当な端末であるか否かを確認する。
【0048】
続いて、図6を用いて、携帯電話22における制御部59に実現される機能的な構成の一例について説明する。
【0049】
携帯電話22の制御部59には、機能的な構成として、無線LAN通信制御部81と、公衆無線通信制御部82と、近距離無線通信制御部83と、情報処理部84と、画像受信部93と、付加情報判定部94とが実現される。なお、図5に示す構成と同様の機能を果たす構成については同一の符号を付し、その説明については省略する場合もある。
【0050】
画像受信部93は、デジタルカメラ10から個人情報が付加された画像を受信する。画像受信部93においては、個人情報が付加されていない画像の受信も行なう。
【0051】
付加情報判定部94は、デジタルカメラ10から受信した画像に個人情報が付加されているか否かを判定する。また、情報処理部84には、デジタルカメラ10から個人情報が付加された画像が送られてきた場合に、当該個人情報を記憶部60等に登録する個人情報登録部92が設けられる。
【0052】
ここで、図7を用いて、図1に示す通信システムにおける処理の流れ一例について説明する。
【0053】
まず、携帯電話21は、例えば、ユーザの指示等に基づいて、個人情報提供登録モードに移行する(S101)。このモードでは、個人情報の提供先端末(この場合、デジタルカメラ10)の登録が行なわれる。
【0054】
この登録処理が開始されると、携帯電話21は、まず、無線ネットワーク30を構築する(S102)。無線ネットワーク30の構築後、携帯電話21は、他の端末との接続待ちとなる。ここで、デジタルカメラ10も、例えば、ユーザの指示等に基づいて、個人情報提供登録モードに移行する(S103)。このモードでは、個人情報の提供元端末(携帯電話21)の登録が行なわれる。
【0055】
この登録処理が開始されると、デジタルカメラ10はまず、周囲の無線ネットワークを検索し、検索された無線ネットワークへ接続処理を実施する。ここでは、デジタルカメラ10は、S102の処理で携帯電話21により構築された無線ネットワーク30へ接続処理を実施するものとする(S104)。
【0056】
ここで、携帯電話21は、デジタルカメラ10の接続を検出すると、個人情報の提供先として正当な端末であるか否かの判定を行なう。なお、デジタルカメラ10においても、携帯電話21と同様に、個人情報の提供元として正当な端末であるか否かの判定が行なわれる。ここで、デジタルカメラ10及び携帯電話21の双方において、正当な端末であると判定されたものとする。
【0057】
携帯電話21及びデジタルカメラ10は、個人情報の登録処理を実施する(S105)。個人情報の登録処理では、まず、それぞれの端末間で、個人情報の提供元端末及び個人情報の提供先端末として相手先の端末の登録処理を行なう。ここでは、例えば、お互いを識別する識別情報としてMACアドレスを登録する。その場合、無線LANインタフェース(無線LAN通信処理部42及び58)のMACアドレスを用いれば良い。
【0058】
登録処理が完了すると、携帯電話21は、個人情報をデジタルカメラ10に送信する。この場合、携帯電話21は、個人情報として、例えば、当該携帯電話21を所持するユーザの電話番号、氏名、メールアドレスといった情報を送信する(S106)。
【0059】
個人情報を受信したデジタルカメラ10は、当該個人情報を、例えば、記憶部47等に格納する。その際、例えば、受信した個人情報と個人情報提供元端末の識別情報とを対応付けて保存する。
【0060】
個人情報の保存が済むと、デジタルカメラ10は、無線ネットワーク30からの切断処理を実施した後(S107)、個人情報提供登録モードを終了する(S108)。携帯電話21においても、個人情報の送信後、無線ネットワーク30の構築を終了し、個人情報提供登録モードを終了する(S109)。以上の処理により、デジタルカメラ10と携帯電話21との間では、端末の識別情報や個人情報の登録が行なわれる。
【0061】
続いて、個人情報を付加した画像の提供元端末(携帯電話21)及び宛先端末(携帯電話22)において、互いを識別する情報を宛先情報として登録する際の処理の流れについて説明する。
【0062】
この処理では、まず、携帯電話21は、個人情報を付加した画像の送信先(宛先)端末(携帯電話22)の登録処理を行なう。携帯電話21は、例えば、ユーザの指示等に基づいて、宛先情報登録モードに移行す(S110)。また、携帯電話22も、ユーザの指示等に基づいて、宛先情報登録モードに移行する(S111)。
【0063】
宛先情報の登録処理が開始されると、携帯電話21は、近距離無線通信を起動させ、携帯電話22からの接続を待ち受ける。また、携帯電話22においても、近距離無線通信が起動され、携帯電話21からの接続を待ち受ける。このとき、ユーザは、携帯電話21及び携帯電話22のそれぞれの近距離無線アンテナ62aを近づける。これにより、両端末は、互いに近距離無線で接続される。接続処理が開始すると、携帯電話21及び22はそれぞれ、宛先情報の登録処理を行なう(S112)。
【0064】
宛先情報の登録処理では、携帯電話22は、例えば、自端末(携帯電話22)の識別情報として、無線LANインタフェース(無線LAN通信処理部58)のMACアドレスを携帯電話21に送信する。また、携帯電話21は、自端末(携帯電話21)の識別情報として無線LANインタフェース(無線LAN通信処理部58)のMACアドレスを携帯電話22に送信する。なお、宛先情報の登録処理時には、携帯電話21により構築される無線ネットワーク30の通信パラメータも携帯電話22へ送信される。
【0065】
宛先情報の登録処理が済むと、携帯電話21は、携帯電話22の識別情報を宛先情報として保存し、宛先情報登録モードを終了する(S113)。携帯電話22も、携帯電話21の識別情報を宛先情報として保存するとともに、無線ネットワーク30の通信パラメータを保存し、宛先情報登録モードを終了する(S114)。
【0066】
続いて、デジタルカメラ10から個人情報を付加した画像を携帯電話22へ送信する際の処理の流れについて説明する。
【0067】
この処理では、まず、携帯電話21は、例えば、ユーザの指示等に基づいて、個人情報提供モードに移行する(S115)。個人情報提供モードに移行すると、携帯電話21は、無線ネットワーク30を構築する(S116)。その後、端末の接続を待ち受ける。
【0068】
ここで、デジタルカメラ10は、ユーザの指示等に基づいて、画像送信モードに移行する(S117)。画像送信モードへの移行後、デジタルカメラ10は、無線ネットワーク30への接続処理を行なう(S118)。
【0069】
また、携帯電話22は、ユーザ指示等に基づいて、画像受信モードへ移行する(S119)。画像受信モードへの移行後、携帯電話22においても、無線ネットワーク30への接続処理を行なう(S120)。接続処理の後、携帯電話22は、画像データの受信待ちとなる。
【0070】
ここで、デジタルカメラ10は、個人情報の提供元端末が個人情報提供モードであるか否かを確認するため、携帯電話21に向けて状態確認要求を送信する(S121)。携帯電話21は、当該要求の応答として、状態確認応答をデジタルカメラ10に向けて送信する(S122)。この応答には、個人情報提供モードに移行中であるか否かを示す情報(この場合、個人情報提供モードに移行中)が含まれる。これにより、デジタルカメラ10は、携帯電話21が個人情報提供モードに移行中であることを認識する。
【0071】
また更に、携帯電話21は、宛先情報をデジタルカメラ10に向けて送信する。すなわち、個人情報の提供先(携帯電話22)を示す情報を送信する(S123)。本実施形態においては、宛先情報として携帯電話22の識別情報(MACアドレス等)を送信する。
【0072】
ここで、デジタルカメラ10は、個人情報を画像に付加し、携帯電話22に向けて送信する。なお、デジタルカメラ10においては、携帯電話21が個人情報提供モードに移行中でなければ、例えば、個人情報が付加されない画像を携帯電話22に向けて送信する。
【0073】
個人情報が付加された画像を受信した携帯電話22は、当該個人情報の登録処理を行なう(S125)。登録処理では、例えば、携帯電話21を所持するユーザの電話番号、氏名、メールアドレスの登録等が行なわれる。
【0074】
次に、図8〜図14を用いて、図1に示す各端末における処理の流れを示すフローチャートについて説明する。
【0075】
まず、図8を用いて、個人情報提供登録モード時におけるデジタルカメラ10の処理の流れの一例について説明する。すなわち、デジタルカメラ10において、携帯電話21の識別情報や個人情報を登録する際の処理の流れについて説明する。
【0076】
デジタルカメラ10は、個人情報の提供元端末(携帯電話21)の登録を行なう。この登録にあたり、ユーザは、入力部49を介してデジタルカメラ10に対して個人情報提供登録モードへの移行を指示する(S201でYES)。この指示は、例えば、メニューから「個人情報の提供元端末の登録」といった項目がユーザにより選択されることで行なわれる。
【0077】
デジタルカメラ10は、個人情報提供登録モードへ移行するとともに(S202)、無線LAN通信制御部71において、無線ネットワーク30の通信パラメータが設定済みであるか否かの判定を行なう。この判定は、例えば、デジタルカメラ10の記憶部47内に無線ネットワークの通信パラメータが設定済みであるか否かに基づいて行なわれる。
【0078】
通信パラメータが設定済みでなければ(203でNO)、デジタルカメラ10は、無線LAN通信制御部71において、無線ネットワーク30の設定処理を実施する(S204)。この設定処理は、通信パラメータの入力をユーザに促した後、ユーザによる入力に基づいて行なわれても良いし、また、通信パラメータの簡単設定技術等を用いて行なわれても良い。なお、専用(個人情報提供登録モード用)の無線ネットワークの通信パラメータを工場出荷時に予め設定しておくようにしても良い。その場合、S203及びS204の処理は省略される。
【0079】
通信パラメータが設定済み(S203でYES)、又はS204の処理で通信パラメータが設定されると、デジタルカメラ10は、無線LAN通信制御部71において、無線ネットワーク30の検索を行なう(S205)。例えば、ネットワーク識別子(SSID:Service Set IDentifier)を用いて無線ネットワーク30の検索を行なう。
【0080】
検索の結果、無線ネットワーク30が見つかれば(S206でYES)、デジタルカメラ10は、無線LAN通信制御部71において、当該無線ネットワーク30への接続処理を実施する(S207)。なお、ここでは、接続処理がなされた無線ネットワーク30が、個人情報の提供元端末(携帯電話21)により構築されたネットワークであるものとする。
【0081】
この接続処理に際して、デジタルカメラ10は、端末確認部80において、正当な端末であるか否かを確認するため、当該無線ネットワーク構築元の端末(携帯電話21)との間で認証処理を行なう。認証処理は、例えば、PINコードやパスワードを用いて行なわれる。また、一定時間内に接続した端末を正当な端末として判定することで認証処理を行なっても良い。なお、この処理では、端末の正当性を確認できるのであれば、どのような手法を用いても良い。
【0082】
無線ネットワーク30への接続処理が完了すると、デジタルカメラ10は、個人情報登録部74において、個人情報の登録処理を行なう。具体的には、個人情報の提供元端末(携帯電話21)の識別情報(例えば、MACアドレス)を受信し、当該識別情報を記憶部47に登録する(S208)。
【0083】
ここで、デジタルカメラ10は、個人情報の提供元端末(携帯電話21)から個人情報の受信待ちとなる。個人情報を受信すると(S209でYES)、デジタルカメラ10は、個人情報登録部74において、当該受信した個人情報と個人情報提供元端末の識別情報とを対応付けて記憶部47に保存する(S210)。
【0084】
個人情報を保存した後、デジタルカメラ10は、無線LAN通信制御部71において、無線ネットワーク30からの切断処理を実施した後(S211)、個人情報提供登録モードを終了する(S212)。
【0085】
次に、図9を用いて、個人情報提供登録モード時における携帯電話21の処理の流れの一例について説明する。すなわち、携帯電話21において、デジタルカメラ10の識別情報を登録する際の処理の流れについて説明する。
【0086】
携帯電話21は、個人情報の提供先端末(デジタルカメラ10)の登録を行なう。この登録にあたり、ユーザは、入力部54を介して携帯電話21に対して個人情報提供登録モードへの移行を指示する(S301でYES)。この指示は、例えば、メニューから「個人情報の提供先端末の登録」といった項目がユーザにより選択されることで行なわれる。
【0087】
携帯電話21は、個人情報提供登録モードへ移行するとともに(S302)、無線LAN通信制御部81において、無線ネットワーク30を構築する(S303)。この無線ネットワークは、専用(個人情報提供登録モード用)の無線ネットワークとして構築されても良い。具体的には、個人情報提供登録モード用のネットワーク識別子(SSID)を用いてネットワークを構築するようにしても良い。当該無線ネットワーク内においては、個人情報提供登録モード用の暗号鍵・暗号方式を用いて通信が行なわれる。
【0088】
無線ネットワーク30の構築後、携帯電話21は、他の端末との接続待ちとなる(S304)。ここで、デジタルカメラ10から接続要求があると(S304でYES)、携帯電話21は、端末確認部91において、正当な端末であるか否かを確認するため、デジタルカメラ10との間で認証処理を行なう(S305)。上述した通り、認証処理は、例えば、PINコードやパスワード等を用いて行なわれる。
【0089】
認証の結果、正当な端末でないと判定した場合(S306でNO)、携帯電話21は、無線LAN通信制御部81において、無線ネットワーク30の構築を終了するとともに(S309)、個人情報提供登録モードを終了する(S310)。一方、正当な端末であると判定した場合(S306でYES)、携帯電話21は、提供先登録部85において、個人情報の提供先端末(デジタルカメラ10)の識別情報(例えば、MACアドレス)を受信し、当該識別情報を記憶部60に登録する。
【0090】
登録処理が完了すると、携帯電話21は、個人情報提供部86において、個人情報をデジタルカメラ10に送信する(S308)。個人情報の送信後、携帯電話21は、無線LAN通信制御部81において、無線ネットワーク30の構築を終了するとともに(S309)、個人情報提供登録モードを終了する(S310)。
【0091】
次に、図10を用いて、宛先情報登録モード時における携帯電話21の処理の流れの一例について説明する。すなわち、携帯電話21において、個人情報を付加した画像の宛先端末(送信先端末)を登録する際の処理の流れについて説明する。
【0092】
携帯電話21は、画像の宛先端末(携帯電話22)の登録を行なう。この登録にあたり、ユーザは、入力部54を介して携帯電話21に対して宛先情報登録モードへの移行を指示する(S401でYES)。この指示は、例えば、メニューから「個人情報付加画像の宛先登録」といった項目がユーザにより選択されることで行なわれる。
【0093】
携帯電話21は、宛先情報登録モードへ移行するとともに(S402)、近距離無線通信制御部83において、近距離無線通信(近距離無線アンテナ62a等)を起動する(S403)。そして、他の端末(この場合、携帯電話22)からの接続待ちとなる(S404でNO)。ここで、ユーザは、携帯電話21及び携帯電話22における近距離無線アンテナ62aを近づける。これにより、両端末は、近距離無線網に接続する。
【0094】
このようにして他の端末(携帯電話22)の接続を検出すると(S404でYES)、携帯電話21は、宛先情報登録部87において、宛先情報の登録処理を行なう(S405)。具体的には、携帯電話22の識別情報として無線LANインタフェース(無線LAN通信処理部58)のMACアドレスを受信する。また、自端末(携帯電話21)の識別情報として無線LANインタフェース(無線LAN通信処理部58)のMACアドレスを携帯電話22に送信する。すなわち、互いに識別情報の交換を行なう。
【0095】
その後、携帯電話21は、宛先情報登録部87において、当該受信した携帯電話22の識別情報を記憶部60に保存する(S406)。その後、携帯電話21は、近距離無線通信制御部83において、近距離無線通信を終了するとともに(S407)、宛先情報登録モードを終了する(S408)。
【0096】
次に、図11を用いて、宛先情報登録モード時における携帯電話22の処理の流れの一例について説明する。すなわち、携帯電話22において、個人情報を付加した画像の送信元端末(携帯電話21)を登録する際の処理の流れについて説明する。
【0097】
携帯電話22は、画像の送信元端末(携帯電話21)の登録を行なう。この登録にあたり、ユーザは、入力部54を介して携帯電話22に対して宛先情報登録モードへの移行を指示する(S501でYES)。この指示は、例えば、メニューから「個人情報付加画像の受信登録」といった項目がユーザにより選択されることで行なわれる。
【0098】
その後、携帯電話22は、図10を用いて説明した携帯電話21と同様に、宛先情報登録モードへ移行し、宛先情報の登録処理等を行なう(S502〜S505)。なお、この宛先情報の登録処理に際して、携帯電話22は、宛先情報の他、携帯電話21により構築される無線ネットワーク30の通信パラメータを受信し、これを記憶部60に保存する(S506、S507)。その後、携帯電話22は、近距離無線通信を終了するとともに、宛先情報登録モードを終了する(S508、S509)。
【0099】
なお、図10及び図11においては、宛先情報の登録処理時に近距離無線通信を用いる場合について説明したが、必ずしも近距離無線通信を用いる必要はない。すなわち、互いの端末を確実に識別できるのであれば、どのような通信を用いても良い。
【0100】
次に、図12を用いて、画像送信モード時におけるデジタルカメラ10の処理の流れの一例について説明する。すなわち、デジタルカメラ10において、個人情報を付加した画像を携帯電話22に送信する際の処理の流れについて説明する。
【0101】
デジタルカメラ10は、無線ネットワーク30を介して携帯電話22へ個人情報を付加した画像の送信を行なう。この処理にあたり、ユーザは、入力部54を介して携帯電話22に対して画像送信モードへの移行を指示する(S601でYES)。この指示は、例えば、メニューから「画像を送信」といった項目がユーザにより選択されることで行なわれる。
【0102】
デジタルカメラ10は、画像送信モードへ移行するとともに(S602)、無線LAN通信制御部71において、無線ネットワーク30の検索を行なう(S603)。より具体的には、携帯電話21により構築された無線ネットワーク30を検索する。ここで、無線ネットワーク30を発見すると(S604でYES)、デジタルカメラ10は、無線LAN通信制御部71において、当該無線ネットワーク30への接続処理を行なう(S605)。
【0103】
接続処理が済むと、デジタルカメラ10は、判定部77において、当該無線ネットワーク内に個人情報の提供元端末(携帯電話21)が存在するか否かの判定を行なう。この判定は、図8のS208に示す処理で取得した識別情報を用いて行なわれる。個人情報の提供元端末(携帯電話21)が存在しなければ(S606でNO)、デジタルカメラ10は、画像送信部78において、画像を送信した後(S612)、画像送信モードを終了する(S613)。一方、存在すれば(S606でYES)、デジタルカメラ10は、送信部76において、個人情報の提供元端末の状態を確認するため、当該端末に向けて状態確認要求を送信する(S607)。上述した通り、状態確認要求は、個人情報の提供元端末が個人情報提供モードであるか否かを確認するために送信される。
【0104】
状態確認応答を受信すると(S608でYES)、デジタルカメラ10は、判定部77において、当該状態確認応答のメッセージを解析する。そして、個人情報の提供元端末(携帯電話21)が個人情報提供モードに移行中であるか否かの判定を行なう。すなわち、デジタルカメラ10は、携帯電話21が個人情報の送信を許可するモード状態にあるか否かの判定を行なう。
【0105】
判定の結果、個人情報提供モードでなければ(S609でNO)、デジタルカメラ10は、画像送信部78において、画像を送信した後(S612)、画像送信モードを終了する(S613)。一方、個人情報提供モードであれば(S609でYES)、デジタルカメラ10は、宛先情報の受信待ちを行なう。なお、本実施形態においては、宛先情報として携帯電話22の識別情報(MACアドレス等)を受信する。
【0106】
宛先情報を受信すると(S610でYES)、デジタルカメラ10は、個人情報付加部79において、画像に個人情報を付加した後(S611)、画像送信部78において、当該宛先情報により示される宛先となる端末に向けて画像を送信する(S612)。その後、デジタルカメラ10は、画像送信モードを終了する(S613)。
【0107】
なお、上述したデジタルカメラ10における処理はあくまで一例であり、適宜変更できる。例えば、S610の処理において、宛先情報を受信した後、判定部77において、宛先となる端末が、S605の処理で接続した無線ネットワーク内に存在するか否かを判定するようにしても良い。この場合、該当の端末が存在しなければ、画像送信処理を終了するか、又は個人情報を付加せずに画像を送信するようにすれば良い。
【0108】
また、S609における個人情報の提供元端末が個人情報提供モードであるか否かの判定は、必ずしも行なう必要はない。すなわち、S606の処理において、個人情報の提供元端末が存在すると判定した場合、S607〜S609の処理を行なわず、S610の処理に進んでも良い。
【0109】
次に、図13を用いて、個人情報提供モード時における携帯電話21の処理の流れの一例について説明する。すなわち、携帯電話21において、個人情報を付加した画像をデジタルカメラ10から携帯電話22に送信させる際の処理の流れについて説明する。
【0110】
携帯電話21は、無線ネットワーク30を介してデジタルカメラ10から携帯電話22へ個人情報を付加した画像を送信させる処理を行なう。この処理にあたり、ユーザは、入力部54を介して携帯電話21に対して個人情報提供モードへの移行を指示する(S701でYES)。この指示は、例えば、メニューから「個人情報の提供を許可」といった項目がユーザにより選択されることで行なわれる。なお、携帯電話21は、ユーザ操作なしに、宛先情報の登録処理の完了後、個人情報提供モードに自動的に遷移しても良い。
【0111】
携帯電話21は、個人情報提供モードへ移行するとともに(S702)、無線LAN通信制御部81において、無線ネットワーク30を構築する(S703)。無線ネットワーク30の構築後、携帯電話21は、端末の接続を待ち受ける(S704でNO)。
【0112】
端末の接続を検出すると(S704でYES)、携帯電話21は、接続端末判定部89において、当該端末が個人情報提供先端末(携帯電話22)、又は宛先端末(デジタルカメラ10)として既に登録されているか否かを判定する。
【0113】
いずれの端末としても登録済みでなければ(S705でNO)、携帯電話21は、無線LAN通信制御部81において、当該接続してきた端末に対して強制的に切断処理を実施した後(S706)、再度、S704の処理に戻る。一方、いずれかの端末として登録済みであれば(S705でYES)、携帯電話21は、接続端末判定部89において、当該接続してきた端末が個人情報の提供先端末であるか否かの判定を行なう。すなわち、デジタルカメラ10であるか否かの判定を行なう。この判定は、図9のS307の処理で取得した識別情報を用いて行なわれる。
【0114】
判定の結果、個人情報の提供先端末でなければ(S707でNO)、携帯電話21は、S711の処理に進む。一方、個人情報の提供先端末であれば(S707でYES)、携帯電話21は、当該端末から状態確認要求が送られてくるまで待機する(S708でNO)。状態確認要求が送られてくると(S708でYES)、携帯電話21は、状態通知部90において、それに応答して状態確認応答を送信する(S709)。このとき、携帯電話21は、個人情報提供モードに移行中であるか否かを示す情報を状態確認応答に含めて送信する。
【0115】
状態確認応答の送信後、携帯電話21は、宛先情報提供部88において、宛先情報を送信する。本実施形態においては、宛先情報として携帯電話22の識別情報(MACアドレス等)を送信する。
【0116】
その後、携帯電話21は、無線LAN通信制御部81において、S703の処理で構築した無線ネットワーク30に接続中の端末があるか否かを判定する。接続中の端末がなければ(S711でNO)、無線ネットワーク30の構築を終了する(S712)。なお、無線ネットワークの終了は、このタイミングに限られず、タイマー等を用いて、タイマーの計時が規定の時間を越えた場合に、無線ネットワーク30を終了するようにしても良い。無線ネットワーク30の構築の終了後、携帯電話21は、個人情報提供モードを終了する(S713)。
【0117】
なお、上述した携帯電話21における処理はあくまで一例であり、適宜変更できる。例えば、携帯電話21において、提供する宛先情報を選択できるようにしても良い。この場合、宛先端末が複数台あれば、ユーザは、携帯電話21を操作して、個人情報を付加した画像の宛先を選択する。これにより、選択された宛先情報のみが宛先情報としてデジタルカメラ10に送信される。
【0118】
次に、図14を用いて、画像受信モード時における携帯電話22の処理の流れの一例について説明する。すなわち、携帯電話22において、個人情報が付加された画像をデジタルカメラ10から受信する際の処理の流れについて説明する。
【0119】
携帯電話22は、無線ネットワーク30を介してデジタルカメラ10から個人情報を付加した画像の受信を行なう。この処理にあたり、ユーザは、入力部54を介して携帯電話22に対して画像受信モードへの移行を指示する(S801でYES)。この指示は、例えば、メニューから「画像の受信」といった項目がユーザにより選択されることで行なわれる。
【0120】
携帯電話22は、画像受信モードへ移行するとともに(S802)、無線LAN通信制御部81において、無線ネットワーク30の検索を行なう(S803)。より具体的には、携帯電話21により構築された無線ネットワーク30を検索する。無線ネットワーク30を発見すると(S804でYES)、携帯電話22は、無線LAN通信制御部81において、当該無線ネットワーク30への接続処理を行なう(S805)。
【0121】
接続処理が済むと、携帯電話22は、画像の受信待ちとなる(S806でNO)。ここで、携帯電話22は、画像受信部93において、画像を受信すると(S806でYES)、付加情報判定部94において、当該画像に個人情報が付加されているか否かを判定する。
【0122】
判定の結果、個人情報が付加されていなければ(S807でNO)、携帯電話22は、画像受信モードを終了する(S809)。一方、個人情報が付加されていれば(S807でYES)、携帯電話22は、個人情報登録部92において、個人情報の登録処理を行なう。具体的には、個人情報の提供元端末(携帯電話21)を所持するユーザの電話番号、氏名、メールアドレス等の登録を行なう(S808)。その後、携帯電話22は、画像受信モードを終了する(S809)。
【0123】
なお、上述した携帯電話22における処理はあくまで一例であり、適宜変更できる。例えば、携帯電話22において、無線ネットワーク接続時に当該無線ネットワーク内に画像の送信元端末(携帯電話21)が存在するか否かを判定するようにしても良い。その場合、宛先情報の登録時(図11のS505参照)に取得した携帯電話21の識別情報(MACアドレス等)を用いて、携帯電話21を識別すれば良い。携帯電話21が存在すれば、デジタルカメラ10を介して携帯電話21から受信する画像に個人情報が付加されていると判定できることになる。
【0124】
以上説明したように本実施形態によれば、携帯電話21を所持するユーザの個人情報が付加された画像をデジタルカメラ10から送信する際に、宛先が保証された安全な通信網(所定のネットワーク)を介して送信できる。そのため、個人情報を画像に付加して他の端末に送信する際のセキュリティを向上させられる。
【0125】
以上が本発明の代表的な実施形態の例であるが、本発明は、上記及び図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0126】
例えば、上述した説明では、個人情報提供登録モード時に携帯電話21からデジタルカメラ10へ個人情報を送信する場合について説明したが、これに限られない。個人情報は、例えば、個人情報提供モード時に送信されても良い。その場合、個人情報は、宛先情報と同時に送信されても良いし、また、個人情報提供先端末として登録済みのデジタルカメラ10が無線ネットワーク30に接続した時点で送信されても良い。
【0127】
また、携帯電話21は、個人情報を付加した画像を送信する専用(個人情報送信用)の無線ネットワークを構築するようにしても良い。その場合、当該専用の無線ネットワークの通信パラメータをデジタルカメラ10と携帯電話21との間で行なわれる個人情報の登録処理時に携帯電話21からデジタルカメラ10に提供する。また、携帯電話21と携帯電話22との間の宛先情報の登録処理時に、携帯電話21から携帯電話22へ当該専用の無線ネットワークの通信パラメータを提供する。このように専用の無線ネットワークを構築するようにした場合、情報漏洩の危険性を更に低減できる。また更に、専用の無線ネットワークを構築するようにした場合、携帯電話21が個人情報提供モードであるか否かの確認を行なう必要がなくなる(図12に示すS607〜S609)。
【0128】
また、上述した説明では、各端末が無線ネットワーク30へアドホック形式で接続される場合について説明したが、これに限られない。例えば、携帯電話21、携帯電話22、又は他の基地局が無線LANのインフラストラクチャ形式の無線ネットワークを構築していても良い。すなわち、各端末が無線ネットワークを介して通信を行なえるのであれば、その接続形式等は特に問わない。
【0129】
また、上述した説明では、個人情報が付加された画像を携帯電話22に送信する場合について説明したが、これに限られない。宛先としての正当性が確認できる端末であれば良く、例えば、インターネット先のWEBサーバ等が宛先であっても良い。その場合、携帯電話21は、公衆通信網を介してインターネットに接続し、WEBサーバの正当性を確認する。正当性の確認は、例えば、ユーザIDやパスワードによる認証や、URL情報、IPアドレス情報等を用いて行なえば良い。このような場合にも、個人情報が漏洩してしまう危険性を低減できる。
【0130】
また、上述した説明では、デジタルカメラ10に保持された1又は複数の画像をどのように選択して個人情報を付加するかについての説明は省略したが、画像の選択方法は問わない。例えば、複数枚ある場合には、デジタルカメラ10のユーザに選択させるようにしても良い。また、デジタルカメラ10において、最新の画像を自動的に選択するようにしても良い。また更に、携帯電話21において、デジタルカメラ10に格納された画像を表示し、ユーザに選択させるようにしても良い。この場合、携帯電話21から画像を指定した情報が無線ネットワーク30を介してデジタルカメラ10に通知される。その他、無線ネットワーク30への接続中に撮像された画像を選択するようにしても良い。なお、画像は、同時に複数枚送信されても構わない。
【0131】
また、上述した説明では、個人情報が付加された画像を1台の携帯電話22に向けて送信する場合について説明したが、これに限られない。例えば、宛先となる端末が複数台ある場合には、当該複数の宛先端末に向けて個人情報が付加又は個人情報を未付加の画像を同時に送信するようにしても良い。
【0132】
また、上述した説明では、個人情報に含まれる複数の種類の情報(例えば、電話番号、氏名、メールアドレス)のうち、いずれの情報(例えば、電話番号のみを選択等)を画像に付加するかの説明については省略したが、この情報の選択方法は特に問わない。例えば、携帯電話21やデジタルカメラ10のユーザが選択しても良いし、自動的にいずれかの端末で指定するようにしても良い。
【0133】
また、上述した説明では、IEEE802.11準拠の無線LAN(無線ネットワーク)を利用して個人情報の送信等を行なう場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、ワイヤレスUSB、MBOA、Bluetooth(登録商標)、UWB、ZigBee等の他の無線媒体を用いても良い。また更に、有線LAN等の有線を利用した通信媒体を用いても良い。なお、MBOA(Multi Band OFDM Alliance)やUWB(Ultra Wide Band)には、ワイヤレスUSB、ワイヤレス1394、WINETなどが含まれる。
【0134】
(その他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信装置に対して画像データを送信する第1の通信装置として機能する通信装置であって、
画像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された画像データに、第2の通信装置により提供された付加情報を付加する付加手段と、
前記記憶手段により記憶された画像データを所定のネットワークを介して第3の通信装置に送信する際に、前記所定のネットワークに前記第2の通信装置が接続しているか否かに応じて、前記付加手段により前記付加情報を付加された画像データ、又は前記付加手段により前記付加情報が付加されていない画像データを送信する送信手段と
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記送信手段は、
前記所定のネットワークを介して前記第2の通信装置から送られてきた宛先情報に指定される前記第3の通信装置に前記画像データを送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信手段は、
前記所定のネットワークに前記第2の通信装置が接続されている場合、前記付加手段により前記付加情報を付加された画像データを前記第3の通信装置に送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送信手段は、
前記所定のネットワークに前記第2の通信装置が接続されていない場合、前記付加手段により前記付加情報を付加されていない画像データを前記第3の通信装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記付加情報は、複数の種類の情報を含み、
前記付加情報を付加した画像を送信する場合、当該付加情報に含まれる前記複数の種類の情報のうち、前記第2の通信装置から指定された種類の情報を付加した画像データを送信する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記送信手段は、
前記所定のネットワークに前記第2の通信装置が接続されており、かつ、前記付加情報の送信を許可するモードである場合、前記付加手段により前記付加情報を付加された画像データを前記第3の通信装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記送信手段は、
前記第2の通信装置により予め通知された通信パラメータを用いて前記所定のネットワークに接続できた場合、前記付加手段により前記付加情報を付加された画像データを前記第3の通信装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置と、前記第2の通信装置、前記第3の通信装置とを有する通信システム。
【請求項9】
画像データを記憶する記憶手段を有し、他の通信装置に対して画像データを送信する第1の通信装置として機能する通信装置の制御方法であって、
前記記憶手段により記憶された画像データに、第2の通信装置により提供された付加情報を付加する付加工程と、
前記記憶手段により記憶された画像データを所定のネットワークを介して第3の通信装置に送信する際に、前記所定のネットワークに前記第2の通信装置が接続しているか否かに応じて、前記付加工程において前記付加情報を付加された画像データ、又は前記付加工程において前記付加情報が付加されていない画像データを送信する送信工程と
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置として動作させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−165075(P2012−165075A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22074(P2011−22074)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】