説明

通信装置およびプログラム

【課題】 省電力状態でも動作を停止しない制御手段が使用する記憶領域の大きさを抑えながら、省電力状態では動作を停止する制御手段の省電力状態維持期間を長くできるようにする。
【解決手段】 画像形成装置10では、メインシステムM(メインコントローラ)が、データの定期送信の実行が必要となった場合、省電力状態でもその定期送信を継続する必要があるか否かを判断し、継続する必要があれば、上記必要となった定期送信を制御するための制御情報をサブシステムS(サブコントローラ)に送信してRAM123に記憶させ、サブシステムSは、少なくとも省電力状態においては、RAM123に記憶した制御情報に基づきデータの定期送信を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信機能を有する画像形成装置(例えば複写機,ファクシミリ装置,プリンタ,複合機,又は印刷機)等の通信装置、その通信装置を制御するコンピュータ(CPU)に必要な機能(この発明に係わる機能)を実現させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、上記のような画像形成装置は、画像形成(以下「印刷」ともいう)の待機等のため、長時間電源オンで利用されることが多い。そのため、総消費電力量を削減するために、使用者が利用していない時間帯は消費電力を低減する省電力状態(「省電力モード」又は「省エネモード」ともいう)として動作することが求められる。
そして、省電力状態として動作するための構成として、例えば特許文献1に見られるように、メインコントローラの他に、消費電力の少ないサブコントローラを備え、省電力状態の動作時にはメインコントローラの動作を停止させ、サブコントローラでネットワーク通信を行うことにより、消費電力を節約可能にする技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、通信機能を備える画像形成装置が実行すべき動作には、ある通信相手(サーバ等)に対し、その通信相手にデータを送信できるまで、短い間隔(2分間隔等)で通信のリトライを繰り返すといった、自動定期送信(以下単に「定期送信」又は「自動送信」ともいう)の動作がある。
そして、従来の画像形成装置においては、サブコントローラだけではこの定期送信ができず、定期送信に係る送信動作を行う度に、メインコントローラを通常電力状態(「通常電力モード」,「通常モード」,又は「通常状態」ともいう)に復帰させる必要があっため、定期送信の実行が必要な状態では頻繁に通常電力状態に復帰してしまい、十分に消費電力を低減できないという問題があった。
【0004】
このような問題が発生するのは、従来の画像形成装置においては、サブコントローラに定期送信を実行させようとする場合、定期送信の際に送信すべきデータだけでなく、通信相手からの多岐に亘る応答を解釈するためのデータなど、サイズの大きいデータをサブコントローラに記憶させる必要があり、通常サブコントローラに設けるメモリでは、このようなデータを記憶しきれなかったためである。
【0005】
サブコントローラに記憶容量の大きいメモリを設け、定期送信の実行に必要なデータをサブコントローラが全て記憶できるようにすれば、メインコントローラを通常電力状態に復帰させなくてもサブコントローラに定期送信に係る送信動作を実行させることも考えられたが、データを記憶するメモリの容量が大きくなればなるほど電力消費量が大きくなるため、サブコントローラが使用するメモリの容量をむやみに増やすことができないという制約もある。
【0006】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、通信機能を有する画像形成装置等の通信装置において、省電力状態でも動作を停止しない制御手段が使用する記憶領域の大きさを抑えながら、省電力状態では動作を停止する制御手段の省電力状態維持期間を長くできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の目的を達成するため、以下に示す通信装置、およびその通信装置を制御するコンピュータに実行させる印刷制御プログラムをそれぞれ提供する。
【0008】
この発明による通信装置は、省電力状態では動作を停止する第1の制御手段と、省電力状態でも動作を停止しない第2の制御手段とを有する通信装置であって、上記第1の制御手段に、データの定期送信の実行が必要となった場合に、省電力状態においてもその定期送信を継続する必要があるか否かを判断する判断手段と、上記判断手段が継続する必要があると判断した場合に、上記必要となった定期送信を制御するための制御情報を上記第2の制御手段に送信して記憶させる設定手段とを備え、上記第2の制御手段に、上記第1の制御手段の設定手段から送信された制御情報を記憶する記憶手段と、少なくとも上記省電力状態においては、その記憶手段に記憶されている制御情報に基づきデータの定期送信を実行する定期送信手段とを備えたものである。
【0009】
また、上記第2の制御手段に、上記記憶手段に記憶している制御情報に基づく定期送信の継続が不要になった場合に、その制御情報を上記記憶手段から消去する消去手段を設けるとよい。
さらに、上記制御情報に、上記定期送信を実行するタイミングを規定するタイミング情報を含み、上記第2の制御手段に、上記第1の制御手段の設定手段から送信された制御情報に含まれるタイミング情報に基づいて、その制御情報に基づく定期送信の実行タイミングを管理するタイミング管理手段と、上記記憶手段に上記制御情報を記憶させる際に十分な空き容量がなかった場合に、その記憶させる制御情報及び上記記憶手段に既に記憶している制御情報の中で、次に実行すべき定期送信に係る制御情報以外の少なくとも1つの制御情報を、所定の外部装置に送信して記憶させると共に上記記憶手段から消去する第1の制御情報管理手段とを設けてもよい。
【0010】
この場合、上記第2の制御手段に、上記定期送信手段が定期送信を実行し、次に実行すべき定期送信が上記外部装置に送信して記憶させた制御情報に係る定期送信である場合、上記外部装置からその制御情報を受信して上記記憶手段に記憶させる第2の制御情報管理手段を設けるとよい。
【0011】
さらにまた、上記制御情報に、上記定期送信により送信先装置へ送信すべき送信データを含み、上記第2の制御手段に、上記記憶手段に上記制御情報を記憶させる際に十分な空き容量がなかった場合に、上記制御情報のうち上記送信データを上記記憶手段に記憶させずに所定の外部装置に送信して記憶させる送信データ管理手段を設け、上記定期送信手段が、上記制御情報のうち上記送信データを上記外部装置に記憶させた制御情報に基づき定期送信を実行する場合に、上記外部装置から上記送信データを受信しながら、並行してその送信データをその定期送信に係る送信先装置へ送信するようにしてもよい。
【0012】
また、上記第2の制御手段に、上記省電力状態における上記定期送信手段による定期送信に応じて得られた応答データを、上記記憶手段に記憶している制御情報に基づき処理できるか否かを判断する第2の判断手段と、上記第2の判断手段が処理できると判断した場合に上記応答データを上記記憶手段に記憶している制御情報に基づき処理する一方、処理できないと判断した場合に上記第1の制御手段を上記省電力状態から通常状態に復帰させると共に上記応答データを上記第1の制御手段に送信する応答データ処理手段とを設けることが望ましい。
【0013】
この場合、上記第2の制御手段の上記応答データ処理手段が、上記第2の判断手段が上記応答データを処理できないと判断した場合であっても、その処理の緊急度が高くない場合には、その応答データを記憶しておき、上記第1の制御手段が上記通常状態に復帰した場合に、その記憶しておいた応答データを上記第1の制御手段に送信するようにするとよい。
【0014】
この発明によるプログラムは、通信装置を制御する第1,第2のコンピュータのうち省電力状態では動作を停止する第1のコンピュータを、データの定期送信の実行が必要となった場合に、省電力状態においてもその定期送信を継続する必要があるか否か判断する判断手段と、上記判断手段が継続する必要があると判断した場合に、上記必要となった定期送信を制御するための制御情報を上記第2のコンピュータに送信して記憶させる設定手段として機能させるためのプログラムと、上記通信装置を制御する第1,第2のコンピュータのうち省電力状態でも動作する第2のコンピュータを、上記設定手段から送信された制御情報を記憶する記憶手段と、少なくとも上記省電力状態においては、その記憶手段に記憶されている制御情報に基づきデータの定期送信を実行する定期送信手段として機能させるためのプログラムとを備えたものである。
【0015】
また、上記第2のコンピュータを、上記記憶手段に記憶している制御情報に基づく定期送信の継続が不要になった場合に、その制御情報を上記記憶手段から消去する消去手段として機能させるためのプログラムを更に備えてもよい。
さらに、上記制御情報に、上記定期送信を実行するタイミングを規定するタイミング情報を含み、上記第2のコンピュータを、上記設定手段から送信された制御情報に含まれるタイミング情報に基づいて、その制御情報に基づく定期送信の実行タイミングを管理するタイミング管理手段と、上記記憶手段に上記制御情報を記憶させる際に十分な空き容量がなかった場合に、その記憶させる制御情報及び上記記憶手段に既に記憶している制御情報の中で、次に実行すべき定期送信に係る制御情報以外の少なくとも1つの制御情報を、所定の外部装置に送信して記憶させると共に上記記憶手段から消去する第1の制御情報管理手段として機能させるためのプログラムを更に備えてもよい。
【0016】
この場合、上記第2のコンピュータを、上記定期送信手段が定期送信を実行し、次に実行すべき定期送信が上記外部装置に送信して記憶させた制御情報に係る定期送信である場合、上記外部装置からその制御情報を受信して上記記憶手段に記憶させる第2の制御情報管理手段として機能させるためのプログラムを更に備えるとよい。
【0017】
さらにまた、上記制御情報に、上記定期送信により送信先装置へ送信すべき送信データを含み、上記第2のコンピュータを、上記記憶手段に上記制御情報を記憶させる際に十分な空き容量がなかった場合に、上記制御情報のうち上記送信データを上記記憶手段に記憶させずに所定の外部装置に送信して記憶させる送信データ管理手段として機能させるためのプログラムを更に含み、上記定期送信手段が、上記制御情報のうち上記送信データを上記外部装置に記憶させた制御情報に基づき定期送信を実行する場合に、上記外部装置から上記送信データを受信しながら、並行してその送信データをその定期送信に係る送信先装置へ送信するようにしてもよい。
【0018】
また、上記第2のコンピュータを、上記省電力状態における上記定期送信手段による定期送信に応じて得られた応答データを、上記記憶手段に記憶している制御情報に基づき処理できるか否かを判断する第2の判断手段と、上記第2の判断手段が処理できると判断した場合に上記応答データを上記記憶手段に記憶している制御情報に基づき処理する一方、処理できないと判断した場合に上記第1のコンピュータを上記省電力状態から通常状態に復帰させると共に上記応答データを上記第1のコンピュータに送信する応答データ処理手段として機能させるためのプログラムを更に備えることが望ましい。
【0019】
この場合、上記応答データ処理手段が、上記第2の判断手段が上記応答データを処理できないと判断した場合であっても、その処理の緊急度が高くない場合には、その応答データを記憶しておき、上記第1のコンピュータが上記通常状態に復帰した場合に、その記憶しておいた応答データを上記第1のコンピュータに送信するようにするとよい。
【発明の効果】
【0020】
以上のようなこの発明の通信装置によれば、通信機能を有する画像形成装置等の通信装置において、省電力状態でも動作を停止しない制御手段が使用する記憶領域の大きさを抑えながら、省電力状態では動作を停止する制御手段の省電力状態維持期間を長くできるようにすることができる。
また、この発明のプログラムによれば、通信装置を制御する第1のコンピュータに第1の制御手段としての機能を、通信装置を制御する第2のコンピュータに第2の制御手段としての機能をそれぞれ実現させることにより、同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明による通信装置の一実施形態である画像形成装置を含む画像形成装置管理システムのネットワーク構成例を示す概念図である。
【図2】図1の画像形成装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のメインシステムMのRAM113およびサブシステムSのRAM123にそれぞれロードされるソフトウェアの構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の自動送信制御情報202の内容をより詳細に示す説明図である。
【図5】図3の自動送信スケジュール管理モジュール213が使用する送信スケジュール管理テーブルの説明図である。
【0022】
【図6】第1実施例における、図3に示した各プログラムモジュールの通常電力状態での動作シーケンス例を示す図である。
【図7】同じく省電力状態での定期送信実行に関する動作シーケンス例を示す図である。
【図8】第2実施例における、図3に示した各プログラムモジュールの通常電力状態での動作シーケンス例を示す図である。
【図9】同じく省電力状態での定期送信実行に関する動作シーケンス例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔画像形成装置管理システムのネットワーク構成〕
まず、この発明による通信装置の一実施形態である画像形成装置を含む画像形成装置管理システムの概要について説明する。
図1は、その画像形成装置管理システムのネットワーク構成例を示す概念図である。
【0024】
この画像形成装置管理システムは、複数の画像形成装置10(10a,10b,10c)と、それらの送信データを一時的に記憶するサーバ20と、複数の画像形成装置10を管理する管理装置30とを備えている。それらの機器の接続は、LAN(Local Area Network)やインタネット等のネットワーク1を介して行うが、複数の画像形成装置10とサーバ20との接続は、USB規格に準拠した接続や、RS−485規格等に準拠したシリアル接続、SCSI(Small Computer System Interface)規格等に準拠したパラレル接続等によって行ってもよい。
【0025】
サーバ20は、所定の外部装置であり、ネットワーク1上の各画像形成装置10からの各要求により、その各画像形成装置10からそれぞれ送信される各データを受信して一時的に記憶したり、その各データを送信元の各画像形成装置10へ返信したりする。なお、サーバ20の代わりに、PC(パーソナルコンピュータ)等の他の外部装置を用いてもよい。
管理装置30は、各画像形成装置10からそれぞれ定期送信されるデータ(送信データ)を収集し、その送信データを保管して解析することにより、その送信データの送信元の各画像形成装置10を管理する。
【0026】
〔画像形成装置のハードウェア構成〕
次に、画像形成装置10のハードウェア構成について説明する。
図2は、その画像形成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
この画像形成装置10は、図2に示すように、コントローラボード11及びエンジン13を備えている。そのコントローラボード11及びエンジン13は、エンジンインタフェース14を介して通信可能に接続されている。
【0027】
コントローラボード11には、メインCPU111及びサブCPU121が配置されている。メインCPU111は、メインシステムMのCPU(中央処理装置)である。サブCPU121は、サブシステムSのCPUである。メインCPU111とサブCPU121とはバスを介して通信可能に接続されている。
メインシステムMは、通常電力状態において画像形成装置10を制御するハードウェア群であり、省電力状態では動作を停止するメインコントローラ(第1の制御手段)に相当する。
【0028】
サブシステムSは、省電力状態においても画像形成装置10を制御するハードウェア群であり、省電力状態でも動作を停止しないサブコントローラ(第2の制御手段)に相当する。省電力状態とは、例えば、無操作状態の継続等により、消費電力を低減するためにサブシステムSのみに電力が供給される状態、又はメインシステムM及びエンジン13への電力供給が削減される状態をいう。省電力状態は、一般的に、「省電力モード」,「省エネモード」,又は「最小電力状態」等とも呼ばれる。通常電力状態は、省電力状態以外の状態である。つまり、通常電力状態は、メインシステムM,サブシステムS,及びエンジン13に対する電力供給が制限されない状態であり、一般的に、「通常電力モード」,「通常モード」,又「通常状態」等とも呼ばれる。
【0029】
メインシステムMにおいて、メインCPU111は,ROM112,RAM113,ASIC(Application Specific Integrated Circuit)114,PHYチップ115,及びPHYチップ116とバスを介して通信可能に接続されている。このメインCPU111は、ROM112又はHDD(Hard Disk Drive)117に記録(記憶)され、RAM113にロードされたプログラムを含むソフトウェアに基づいて画像形成装置10全体の機能を制御する。それによって、この発明に関わる機能を含む各機能を果す。
【0030】
ASIC114は、主として画像処理を実行する。このASIC114は、HDD117及びエンジンインタフェース14とバスを介して通信可能に接続されている。
PHYチップ115は、メインCPU111からの論理信号を所定の電気信号に変換し、その電気信号をエンジンインタフェース14に入力する。
PHYチップ116は、メインCPU111からの論理信号を所定の電気信号に変換し、ハブ118に入力する。
ハブ118は、USBインタフェース119及びエンジンインタフェース14とバスを介して通信可能に接続されている。
USBインタフェース119は、USB接続のためのハードウエアインタフェースである。
【0031】
サブシステムSにおいて、サブCPU121は、ROM122,RAM123,PHYチップ124,及びUSBインタフェース125とバスを介して通信可能に接続されている。このサブCPU121は、ROM122に記録され、RAM123にロードされたプログラムを含むソフトウェアに基づいて、省電力状態における画像形成装置10の動作(主として「通信処理」)を制御する。それによって、この発明に関わる機能を含む各機能を果す。なお、メインシステムMのHDD117からRAM123に必要なソフトウェアをロードすることもできる。
【0032】
PHYチップ124は、サブCPU121からの論理信号を所定の電気信号に変換し、その電気信号をネットワークインタフェース126に入力する。
ネットワークインタフェース126は、図1のネットワーク1上のサーバ20と通信可能に接続するためのハードウェア(通信手段)であり、ネットワーク通信における物理層の機能を実現する。
【0033】
エンジン13は、操作パネル131,スキャナ132,プリンタ133,及びFCU(ファクシミリコントロールユニット)134を備えている。
操作パネル131は、各種情報を表示する液晶パネル等の表示部(表示手段)や、各種情報を入力するハードウェアキー等の入力部(入力手段)を備える。
【0034】
スキャナ132は、原稿の画像面をスキャンして画像データを読み取り、その画像データをエンジンインタフェース14を介してASIC114に入力する。
プリンタ133は、エンジンインタフェース14を介してASIC114より入力される画像データを印刷用紙等の印刷媒体に可視画像として印刷(プリント)する。
FCU134は、公衆回線を介してFAX(ファクシミリ)装置、あるいはFAX機能を有するPCや複合機等の画像形成装置と送受信を行う。
【0035】
〔画像形成装置のソフトウェア構成〕
次に、図2のメインシステムMのRAM113およびサブシステムSのRAM123にそれぞれロードされる、定期送信の制御に関わるソフトウェア(各プログラムモジュール等)の構成について説明する。なお、各プログラムモジュールによる処理は、実際にはCPUが各プログラムモジュールに基づいて動作することによって実行するが、説明の都合上、各プログラムモジュールが処理を実行するものとして説明する。以後も、各プログラムモジュールが何らかの処理を行うものとして説明を行う場合には、同様とする。
【0036】
図3は、上記ソフトウェアの構成例を示すブロック図である。
メインシステムMのRAM113には、通信制御モジュール201,状態管理モジュール203,サブシステム設定モジュール204,およびサブシステムインタフェースモジュール(以下単に「インタフェース」ともいう)205がロードされている。これらのプログラムモジュール等は、例えば電源投入時にメインCPU111によりASIC114を介してROM112又はHDD117から読み出され、RAM113にロードされる。RAM113にロードされた各プログラムモジュールは、それぞれに実装された処理手順をメインCPU111に実行させることにより、それぞれの機能を実現する。
【0037】
通信制御モジュール201は、ネットワーク通信の制御機能をアプリケーションプログラム(以下単に「アプリケーション」という)200に提供するプログラムである。この通信制御モジュール201は、アプリケーション層のプロトコル毎に存在する。例えば、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol),SMTP(Simple Mail Transfer Protocol),SNMP(Simple Network Management Protocol),Bonjourプロトコル、WSD(Web Services on Devices)プロトコル等の各通信プロトコル毎に、その各通信プロトコルに応じた処理を実行するための通信制御モジュール201が存在する。なお、画像形成装置10には、通信制御モジュール201を任意にインストール(追加)又はアンインストール(削除)可能である。
【0038】
自動送信制御情報202は、省電力状態において、通信制御モジュール201に代わってサブシステムSに定期送信を実行させようとする場合に通信制御モジュール201が生成する、定期送信の制御に用いる制御情報である。そして、図4に示すように、定期送信の送信ID(識別情報),送信間隔,送信データ,受信データ,受信タイムアウト,送信終了条件の情報を含む。また、この自動送信制御情報202は、比較的サイズが大きく、通信制御モジュール201毎に固有の値を有する。
【0039】
自動送信制御情報202のうち、送信IDは、定期送信を個々に識別するためのIDである。
送信間隔は、定期送信に係る送信の間隔を規定するデータであり、定期送信を実行するタイミングを規定するタイミング情報である。
送信データは、通信相手の装置に送信すべきデータである、HTTP(hypertext transfer protocol)リクエストやFTP(File Transfer Protocol)リクエスト等である。送信先である通信相手のアドレスも、この送信データに含まれる。また、HTTPリクエストやFTPリクエストは、画像データ等を含み、サイズが非常に大きい場合もある。
【0040】
受信データは、送信データの送信に応じて通信相手の装置が返してくるレスポンスを、サブシステムS側で処理できるかどうかを判別するためのデータと、サブシステムS側で処理すべきレスポンスを処理するためのデータである。この受信データに基づき、レスポンスを、サブシステムS側で処理するものと、メインシステムMに処理させるものとに分別することにより、サブシステムSに記憶させる、レスポンス処理のためのデータの量を低減することができる。
受信タイムアウトは、レスポンス受信の最大待ち時間を規定するデータである。
送信終了条件は、定期送信を終了する条件を、リトライ回数や経過時間等により規定するデータである。
【0041】
次に、状態管理モジュール203は、省電力状態への移行の判断や、省電力状態への移行処理の制御等を行うプログラムである。
サブシステム設定モジュール204は、上述した自動送信制御情報202を、サブシステムインタフェースモジュール205を介してサブシステムSに設定するプログラムである。
サブシステムインタフェースモジュール205は、メインシステムMがサブシステムSと通信するためのインタフェースを提供するプログラムである。
【0042】
なお、図3において、各プログラムモジュール間を接続する線の両端に記載されている数字等は、当該線によって接続されるプログラムモジュール間の多重度を示す。メインシステムMにおいては、通信制御モジュール201が0〜複数存在することが示されている。また、一つの通信制御モジュール201が、0〜複数の自動送信制御情報202を有することが示されている。また、一つの通信制御モジュール201は、同じ通信プロトコルによって通信を行う複数のアプリケーション200から利用されうる。
【0043】
一方、サブシステムSのRAM123には、メインシステムインタフェースモジュール(以下単に「インタフェース」ともいう)211,自動送信制御モジュール212,自動送信スケジュール管理モジュール213,自動送信モジュール214,自動送信制御情報記憶モジュール215,および自動送信制御情報送受信モジュール216がロードされている。これらのプログラムモジュールは、例えば電源投入時にサブCPU121によってROM122から読み出され、RAM123にロードされる。RAM123にロードされた各プログラムモジュールは、それぞれに実装された処理手順をサブCPU121に実行させることにより、それぞれの機能を実現する。
【0044】
これらのうち、メインシステムインタフェースモジュール211は、サブシステムSがメインシステムMと通信するためのインタフェースを提供するプログラムである。
自動送信制御モジュール212は、メインシステムMから渡された自動送信制御情報202に基づいて定期送信を制御し、自動送信制御情報202に含まれる受信データに基づき、受信した応答をサブシステムS側で処理するかメインシステムMで処理させるか等を判定するプログラムである。
【0045】
自動送信スケジュール管理モジュール213は、図5に示すような送信スケジュール管理テーブル220をもとに、送信IDに紐づけ(対応付け)て、各定期送信の自動送信をいつ行うかを管理するプログラムである。
なお、送信スケジュール管理テーブル220には、現在実行中の定期送信毎に送信スケジュールが登録される。従って、送信スケジュール管理テーブル220には0から複数の送信スケジュールが登録されることになる。そして、各送信スケジュールは、送信ID、送信間隔、及び次回送信時間の情報を含む。このうち送信ID及び送信間隔は、実行する定期送信に係る自動送信制御情報に基づいて登録し、次回送信時間については、送信を実行する毎に、現在時刻と送信間隔に基づき算出して登録する。
【0046】
自動送信モジュール214は、 自動送信制御情報202に含まれる送信データを、その送信データに設定された通信相手の装置に送信し、応答を受信するプログラムである。
自動送信制御情報記憶モジュール215は、自動送信制御情報202をサブシステムSの記憶領域に読み書きするプログラムである。
自動送信制御情報送受信モジュール216は、サブシステムSで記憶できない自動送信制御情報202を外部端末にアップロードし、必要になったタイミングで外部端末から自動送信制御情報202をダウンロードするプログラムである。
【0047】
以下、画像形成装置10におけるこの発明に関わる動作の各実施例について説明する。
〔第1実施例〕
まず、第1実施例について説明する。
図6は、第1実施例における、図3に示した各プログラムモジュールの通常電力状態での動作シーケンス例を示す図である。
【0048】
画像形成装置10においては、通信制御モジュール201のいずれかが、アプリケーション200からの要求等により、定期送信の実行が必要になったことを検出し、かつその定期送信を省電力状態においても継続する必要があると判断すると、以下の(A1)〜(A6)の手順で、その定期送信の実行に必要な情報を、サブシステムSに設定する。
なお、図6には、省電力状態においても継続する必要がある定期送信の例として、生存確認パケットの定期送信と、データ送信エラー発生時の定期的な再送を挙げた。
また、通信制御モジュール201は、省電力状態においても定期送信を継続するか否かの判断において、判断手段として機能する。
【0049】
(A1)まず、通信制御モジュール201は、定期送信として実行すべき動作の内容を示す、図4に示した自動送信制御情報202を生成して、記憶手段であるRAM113に記憶する。そして、ステップS1において定期送信登録コマンドと共にその自動送信制御情報202をサブシステム設定モジュール204に渡し、サブシステムSにその自動送信制御情報202を登録することを要求する。ここでは、実行すべき動作は一定時間毎の生存確認パケットの送信であるとし、この場合、自動送信制御情報202に含まれている送信データは、「生存確認のパケット」及びその送信先アドレスに相当するものである。
【0050】
(A2)ステップS2,S3においては、サブシステム設定モジュール204が、通信制御モジュール201からの自動送信制御情報202を受け取って定期送信の登録を行う。このとき、メインシステムMおよびサブシステムSの各インタフェース205,211を介して、自動定期送信追加コマンドと共に、通信制御モジュール201から受け取った自動送信制御情報202をサブシステムSへ渡し、その自動送信制御情報202を、サブシステムSが実行すべき定期送信の内容を規定するデータとして記憶・設定するよう要求する。その機能が、この発明に関わる設定手段としての機能に該当する。
【0051】
(A3)ステップS4においては、自動送信制御情報202を受け取ったサブシステムSのインタフェース211が、自動定期送信追加コマンドと共に、その自動送信制御情報202を自動送信制御モジュール212へ渡し、その自動送信制御情報202に基づく定期送信の実行を要求する。
【0052】
(A4)ステップS5においては、自動送信制御モジュール212が、ステップS4の要求を受け、受け取った自動送信制御情報202に含まれる送信IDと送信間隔を自動送信スケジュール管理モジュール213へ渡し、新たに実行すべき定期送信に関する、図5に示した送信スケジュールの追加を要求する。なお、自動送信制御モジュール212は、自動送信制御情報202を1つ分貯められる一時バッファを持つ。
【0053】
(A5)ステップS6,S7においては、自動送信スケジュール管理モジュール213が、ステップS5の要求を受け、現在時刻と自動送信制御モジュール212から渡された送信間隔とに基づいて、追加する定期送信の次回送信時間を計算し、新たな送信スケジュールを追加作成する(つまり定期送信の実行タイミングの管理を開始する)。その機能が、この発明に関わるタイミング管理手段としての機能に該当する。なお、この自動送信スケジュール管理モジュール213は、各送信スケジュールを作成する際に、「各定期送信の送信ID」と「各定期送信の次回送信時間」とをそれぞれ対応付けて記憶・管理しておき、次回送信時間になった定期送信があると、その定期送信に係る通信を開始するように自動送信制御モジュール212へ依頼する。ここで、現在の時刻は、計時手段としての図示しない時計回路から取得することができる。
【0054】
(A6)ステップS8においては、自動送信制御モジュール212が、自動送信スケジュール管理モジュール213によって送信スケジュールが作成された後、追加する定期送信に係る自動送信制御情報202を、サブシステムSが使用する記憶手段である図2のRAM123へ書き込むように自動送信制御情報記憶モジュール215へ要求する(実際には自動送信制御情報202を含む書き込みコマンドを渡す)ことにより、その自動送信制御情報記憶モジュール215にRAM123への自動送信制御情報202の書き込みを行わせる。
【0055】
以上の処理により、画像形成装置10は、定期送信として実行すべき動作の内容(ここでは一定時間毎の生存確認パケットの送信)や、その結果の取扱いに必要な情報を、サブシステムSに設定することができる。
また、以上の処理は、通信制御モジュール201が、定期送信の実行が必要になったことを検出し、かつその定期送信を省電力状態においても継続する必要があると判断する毎に行う。そして、複数ある通信制御モジュール201のいずれが定期送信の実行が必要になったことを検出した場合でも、定期送信登録要求は、その検出した通信制御モジュール201がサブシステム設定モジュール204に渡し、以後の処理は共通である。
【0056】
例えば、図6に示すように、生存確認パケットの場合とは異なる通信制御モジュール201が、エラーに係るデータの定期再送をする必要があると判断した場合、その通信制御モジュール201が、その定期再送に係る自動送信制御情報202を生成し、定期送信登録コマンドと共にサブシステム設定モジュール204に渡す(S11)が、それ以後の処理は、上述の(A2)〜(A6)で説明したものと共通である。なおこの場合、自動送信制御情報202に含まれている送信データは、「送信エラーが発生した再送すべきデータ」及びその送信先アドレスに相当するものである。
【0057】
一方、画像形成装置10は、通常電力状態時に、操作パネル131からの省電力状態への移行指示があったとき、あるいはメインCPU111の仕事量が所定量以下になったときなど、所定のタイミングになったときに、以下の(A7)の処理により、省電力状態へ移行する
【0058】
(A7)状態管理モジュール203は、省電力状態への移行を要求するイベントを検出した場合、省電力状態への移行が可能か否か(電力変更可否)を各通信制御モジュール201に対して問い合わせる(S21)。そして、全ての各通信制御モジュール201からの回答がOKであれば(S22)、省電力状態移行通知をサブシステム設定モジュール204およびサブシステムインタフェースモジュール205を介してサブシステムSのメインシステムインタフェースモジュール211へ渡した後(S23〜S25)、メインシステムMを省電力状態へ移行させる。
【0059】
なお、各通信制御モジュール201は、ステップS21での問い合わせに対し、例えば、メインシステムMで必要な処理(例えばプリントに必要な処理)を実行している場合には、省電力状態への移行否を示す応答データ「NG」を、必要な処理を実行していない場合には省電力状態への移行可を示す応答データ「OK」を返すようにすればよい。
【0060】
次に、省電力状態での定期送信実行に関する動作について説明する。
図7は、第1実施例における、図3に示した各プログラムモジュールの省電力状態での定期送信実行に関する動作シーケンス例を示す図である。
省電力状態での定期送信の実行は、上述のようにサブシステムSのモジュールが担当するが、このための処理は、以下の(A8)〜(A12)に示すものである。
【0061】
(A8)まず、自動送信スケジュール管理モジュール213は、図6のステップS7で生成した送信スケジュールに基づき、送信動作を実行すべきタイミングを監視しており、いずれかの定期送信について送信動作を実行すべきタイミングになると、その定期送信の送信IDを含む送信開始要求を自動送信制御モジュール212へ渡し、送信動作を実行するように要求する(S31)。また、その自動送信開始の依頼後、その自動送信(定期送信)の次回送信時間を計算し、対応する送信スケジュールを更新する(S32,S33)。
【0062】
(A9)一方、自動送信制御モジュール212は、送信開始要求を受けると、自動送信スケジュール管理モジュール213から渡された送信IDを含む参照要求を自動送信制御情報記憶モジュール215へ渡し(S34)、自動送信制御情報記憶モジュール215から対応する定期送信の自動送信制御情報202を取得する(S35)。
そして、その自動送信制御情報202に含まれている送信データと受信タイムアウトの情報を含む送信要求を自動送信モジュール214に渡して、その送信データの自動送信を実行させる(S36)。自動送信モジュール214は、この要求に応じて、送信データにより指定された通信相手に、送信データに含まれる、送信すべきデータを送信し、応答を受信する(S37)。これらのステップS36及びS37の機能が、この発明に関わる定期送信手段としての機能に該当する。
そして、自動送信モジュール214は、受信した応答のデータを自動送信制御モジュール212に返す(S38)。受信タイムアウト期間内に応答を受信しなかった場合には受信NGを示すデータを返せばよい。
【0063】
(A10)自動送信制御モジュール212は、この応答を受け取ると、先に取得した対応する自動送信制御情報202に含まれている受信データを照合し、応答データをメインシステムMで処理する必要があるか否か(サブシステムSで処理できるか)を判断する(S39)。その機能が、この発明に関わる第2の判断手段としての機能に該当する。
【0064】
(A11)自動送信制御モジュール212が、送信データに対する応答データをメインシステムMで処理する必要がない(サブシステムSで処理できる)と判断した場合には、省電力状態が継続可能であることがわかる。そこで、自動送信制御モジュール212は、先に取得した自動送信制御情報202に含まれている送信終了条件をもとに、定期送信を終了するか否かを判定する(S40)。
そして、定期送信を終了する場合(定期送信の継続が不要になった場合)に、ステップS31で受け取った送信IDに係る自動送信制御情報及び送信スケジュールを削除するように、自動送信制御情報記憶モジュール215及び自動送信スケジュール管理モジュール213にそれぞれ要求し(S41,S42)、これらの削除を行わせる。
その機能は、この発明に関わる消去手段としての機能に該当する。
【0065】
(A12)一方、送信データに対する応答データをメインシステムMで処理する必要がある(サブシステムSで処理できない)と判断した場合には、メインシステムMを起動する必要があることがわかる。そこで、自動送信制御モジュール212は、メインシステムインタフェースモジュール211,メインシステムMのサブシステムインタフェースモジュール205,およびサブシステム設定モジュール204を介して状態管理モジュール203へ省電力状態解除要求を送信し、省電力状態から通常状態へ復帰するように省電力状態の解除を要求する(S43〜S46)。
そして、図示は省略したが、この要求に応じて状態管理モジュール203は画像形成装置10を省電力状態から通常状態へ復帰させる。その後、自動送信制御モジュール212は各インタフェースモジュールを介して、ステップS38で受け取った応答データをメインシステムMに渡し、メインシステムMはその応答データに応じて必要な処理を実行する。
以上の(A11)及び(A12)に示した処理機能が、この発明に関わる応答データ処理手段としての機能に該当する。
【0066】
なお、送信データに対する応答データをメインシステムMで処理する必要がある(サブシステムSで処理できない)と判断した場合であっても、その処理の緊急度が高くない場合には、その応答データをRAM123(サブシステムSが使用する記憶領域)に記憶しておき、ユーザの操作を検出する等、何らかの理由でメインシステムMが通常状態に復帰した後で、その記憶しておいた応答データをメインシステムMへ送信することもできる。また、ステップS43〜S46の省電力状態解除要求に応じて通常状態への復帰を行う場合、画像形成装置10全体ではなく、メインシステムMのみを通常状態に復帰させることもできる。このようにすれば、電力消費を一層抑制することができる。
【0067】
以上の処理により、画像形成装置10は、省電力状態でも、サブシステムSにより定期送信に係る動作を実行することができる。
【0068】
以上説明してきた第1実施例によれば、次の(a1)〜(a5)に示す作用効果を得られる。
(a1)メインシステムM(メインコントローラ)が、データの定期送信の実行が必要となった場合に、省電力状態においてもその定期送信を継続する必要があるか否かを判断し、継続する必要がある場合に、上記必要となった定期送信を制御するための制御情報をサブシステムS(サブコントローラ)に送信して記憶させ、そのサブシステムSが、メインシステムMから送信された制御情報を記憶し、少なくとも上記省電力状態においては、その記憶している制御情報に基づきデータの定期送信を実行することにより、省電力状態でも動作を停止しないサブシステムSが使用する記憶領域の大きさを抑えながら、省電力状態では動作を停止するメインコントローラの省電力状態維持期間を長くすることができる。
【0069】
(a2)サブシステムSが、自己が使用する記憶領域に記憶している制御情報に基づく定期送信の継続が不要になった場合に、その制御情報を上記記憶領域から消去することにより、その記憶領域を有効に使用することができる。
(a3)サブシステムSが、メインシステムMから送信された制御情報に含まれる送信間隔(定期送信を実行するタイミングを規定するタイミング情報)に基づいて、その制御情報に基づく定期送信の実行タイミングを管理することにより、省電力状態でも定期送信を確実に実行することができる。
【0070】
(a4)サブシステムSが、省電力状態における定期送信に応じて得られた応答データを、上記記憶領域に記憶している制御情報に基づき処理できるか否かを判断し、処理できると判断した場合に上記応答データを上記記憶領域に記憶している制御情報に基づき処理する一方、処理できないと判断した場合にメインシステムMを省電力状態から通常状態に復帰させると共に上記応答データをメインシステムMへ送信するようにすれば、定期送信したデータに対応する応答データの処理をなるべく省電力状態で行うため、メインコントローラの省電力状態維持期間を確実に長くできる。
【0071】
(a5)サブシステムSが、上記応答データを処理できないと判断した場合であっても、その処理の緊急度が高くない場合には、その応答データを記憶しておき、メインシステムMが通常状態に復帰した場合に、その記憶しておいた応答データをメインシステムMへ送信するようにすれば、すぐにメインシステムMを通常状態に復帰させずに済むので、その分だけ省電力状態維持期間を長くできる。
【0072】
なお、図6及び図7の説明において、通常動作時の定期送信の実行については特に言及しなかった。この点につき、少なくともサブシステムSに自動送信制御情報を記憶させない定期送信については、メインシステムMに設けた、自動送信制御モジュール212〜自動送信制御情報記憶モジュール215と対応する機能を有するモジュールが実行する。
サブシステムSに自動送信制御情報を記憶させる定期送信についても、通常動作時においては、同様にメインシステムMに設けたモジュールが担当することも可能である。
【0073】
しかし、このようにしても、省電力状態でサブシステムSに定期送信を実行させるためには、サブシステム側に自動送信制御情報を記憶させ、自動送信制御モジュール212〜自動送信制御情報記憶モジュール215に図7に示した処理を実行させることが必要であることに変わりはない。このため、通常動作時にメインシステムMが定期送信に係る処理を担当したとしても、省電力状態で必要なメモリの記憶容量が低減できるわけではない。
従って、サブシステムSに自動送信制御情報を記憶させる定期送信については、通常動作時においても、サブシステムSが担当するようにした方が、制御の切り替えの単純化等の点で好ましいと言える。
【0074】
〔第2実施例〕
次に、第2実施例について説明する。
図8は、第2実施例における、図3に示した各プログラムモジュールの通常電力状態での動作シーケンス例を示す、図6と対応する図である。また、メインシステムM側の動作は図6と共通するため図示を省略している。
【0075】
この第2実施例でも、通信制御モジュール201は、定期送信の実行が必要になったことを検出し、かつその定期送信を省電力状態においても継続する必要があると判断すると、その定期送信の実行に必要な情報を、サブシステムSに設定する。その手順は、以下の(B1)〜(B7)に示すものである。
【0076】
(B1)第1実施例の(A1)と同様の処理を行う。
(B2)第1実施例の(A2)と同様の処理を行う。
(B3)第1実施例の(A3)と同様の処理を行う。図8にはこの部分以降を示した。
(B4)第1実施例の(A4)と同様の処理を行う。
(B5)第1実施例の(A5)と同様の処理を行う。
【0077】
(B6)自動送信制御モジュール212は、自動送信スケジュール管理モジュール213に送信スケジュールを作成させた後、サブシステムSが使用する記憶領域であるRAM123の記憶容量に、今回の追加に係る自動送信制御情報202を記憶させる際に十分な空き容量(残量)があるか否かを自動送信制御情報記憶モジュール215へ問い合わせ(S51)、その自動送信制御情報記憶モジュール215からの回答を取得する。
【0078】
(B7)自動送信制御モジュール212は、自動送信制御情報記憶モジュール215からの回答より、RAM123の記憶容量に自動送信制御情報202を記憶させる際に十分な空き容量があると判断した場合には、ステップS52において、今回の追加に係る自動送信制御情報202をRAM123へ書き込むように自動送信制御情報記憶モジュール215へ要求し、RAM123への自動送信制御情報202の書き込みを行わせる。
【0079】
一方、自動送信制御情報記憶モジュール215からの回答よりRAM123の記憶容量に自動送信制御情報202を記憶させる際に十分な空き容量がないと判断した場合には、ステップS53,S54において、自動送信制御モジュール212が、「次回送信時間が最も早い定期送信」を自動送信スケジュール管理モジュール213へ問い合わせ、その自動送信制御情報記憶モジュール215からの対応する定期送信の送信IDを取得する。
【0080】
そして、その取得した送信IDと今回の追加に係る定期送信の送信IDとを照合し、「追加する定期送信」が「次回送信時間が最も早い定期送信」でないと判断した場合には、自動送信制御モジュール212は、ステップS55において、今回の追加に係る自動送信制御情報202を、自動送信制御情報送受信モジュール216に渡して外部端末に相当する図1のサーバ20(予め定めた所定の外部装置)へのアップロード(送信)を要求する。自動送信制御情報送受信モジュール216は、この要求に応じて、渡された自動送信制御情報202をサーバ20に送信し、サーバ20が使用する記憶領域(RAM又はHDD等の記憶手段)に記憶させる。
【0081】
一方、「追加する定期送信」が「次回送信時間が最も早い定期送信」であると判断した場合には、ステップS56において、自動送信制御モジュール212が、今回の追加に係る定期送信の自動送信制御情報202を上書き追加するように自動送信制御情報記憶モジュール215へ要求する。
【0082】
その要求を受けた自動送信制御情報記憶モジュール215は、ステップS58において、上書きを要求された自動送信制御情報202を保存できるだけの空き容量をRAM123に確保するため、既にRAM123に書き込んでいる自動送信制御情報のいくつかを削除する。ただしこのとき、その削除する自動送信制御情報をサーバ20にアップロードさせるべく、削除を行う前にステップS57において自動送信制御モジュール212へ渡す。そして、ステップS59において、確保した記憶領域に、ステップS56で渡された自動送信制御情報202を書き込む。
【0083】
なお、削除する自動送信制御情報は、次回送信までの時間が一番短いものでなければ何でも良いが、次回送信までの時間が一番長いものを選択するのが好ましい。また、十分な空き容量を確保できるまで、いくつでも自動送信制御情報を削除する。従って、容量の大きい自動送信制御情報を優先的に削除すれば、サーバ20にアップロードする自動送信制御情報の数を減らせるので、動作を単純化できる。
【0084】
一方、自動送信制御モジュール212は、ステップS57で削除する自動送信制御情報を渡されると、ステップS60で、その自動送信制御情報を自動送信制御情報送受信モジュール216に渡して外部端末に相当する図1のサーバ20(所定の外部装置)へのアップロード(送信)を要求し、サーバ20が使用する記憶領域に記憶させる。この処理は、ステップS55と同様なものである。
以上の(B7)の処理に係る機能が、この発明に関わる第1の制御情報管理手段としての機能に該当する。
以上の図8に示した処理により、画像形成装置10は、定期送信として実行すべき動作の内容(ここでは一定時間毎の生存確認パケットの送信)や、その結果の取扱いに必要な情報を、サブシステムSに設定することができる。またこのとき、サブシステムSのメモリに、その設定しようとする情報を記憶するだけの容量がない場合、すぐに使用しない情報は外部装置に送信して記憶させることができる。
【0085】
次に、省電力状態での定期送信実行に関する動作について説明する。なお、省電力状態への移行に係る処理は第1実施例の場合と同様であるので、その説明は省略する。
図9は、第2実施例における、図3に示した各プログラムモジュールの省電力状態での定期送信実行に関する動作シーケンス例を示す、図7と対応する図である。図7と同じステップ番号を用いた箇所は、第1実施例と処理が共通する部分である。また、メインシステムM側の動作は図7と共通するため図示を省略している。
省電力状態での定期送信の実行は、第2実施例においてもサブシステムSのモジュールが担当するが、このための処理は、以下の(B8)〜(B13)に示すものである。
【0086】
(B8)第1実施例の(A8)と同様の処理を行う。
(B9)第1実施例の(A9)と同様の処理を行う。
(B10)第1実施例の(A10)と同様の処理を行う。
(B11)第1実施例の(A11)と同様の処理を行う。
【0087】
(B12)(B11)の処理の後、ステップS40での判定結果に関わらず、自動送信制御モジュール212は、ステップS61及びS62で、「次回送信時間が最も早い定期送信」を自動送信スケジュール管理モジュール213へ問い合わせ、その定期送信の送信IDを取得する。そして、ステップS63で、その送信IDを持つ自動送信制御情報202がRAM123に書き込まれているか否かを自動送信制御情報記憶モジュール215へ問い合わせ、その回答を取得する。
【0088】
そして、自動送信制御情報記憶モジュール215からの回答より、ステップS62で取得した送信IDを持つ自動送信制御情報202がRAM123に書き込まれていないと判断した場合には、次に実行すべき定期送信に係る自動送信制御情報がサーバ20内に記憶されていることがわかる。
そこで、自動送信制御モジュール212は、ステップS64において、ステップS62で取得した送信IDを持つ自動送信制御情報202のダウンロードを、自動送信制御情報送受信モジュール216に要求する。自動送信制御情報送受信モジュール216は、この要求に応じて、サーバ20にアクセスし、サーバ20から要求された自動送信制御情報をダウンロードして、ステップS65で自動送信制御モジュール212に渡す。
【0089】
自動送信制御モジュール212は、ステップS66において、ステップS65で渡された自動送信制御情報202を上書き追加するように自動送信制御情報記憶モジュール215へ要求する。この要求は図8のステップS56で行うものと同様なものである。
そして、自動送信制御情報記憶モジュール215がこの要求に応じて渡された自動送信制御情報202をRAM123に記憶させ、その際に空き容量が不足していれば、空き容量を確保するためにいくつかの自動送信制御情報を削除し、それ(ら)をサーバ20にアップロードさせることも、図8のステップS57〜S60の場合と同様である(S67〜S70)。
以上の(B12)の処理に係る機能が、この発明に関わる第2の制御情報管理手段としての機能に該当する。
【0090】
(B13)送信データに対する応答データをメインシステムMで処理する必要がある場合の処理は、(A12)と同様である。ただし図示は省略した。
以上の処理により、画像形成装置10は、省電力状態でも、サブシステムSにより定期送信に係る動作を実行することができる。
【0091】
以上説明してきた第2実施例によれば、第1実施例の(a1)〜(a3)に示した作用効果に加え、次の(b1)〜(b2)に示す作用効果も得られる。
(b1)サブシステムSが、自己が使用する記憶領域に自動送信制御情報を記憶させる際に十分な空き容量がなかった場合に、その記憶させる自動送信制御情報び自己が使用する記憶領域に既に記憶している自動送信制御情報の中で、次に実行すべき定期送信に係る自動送信制御情報以外の少なくとも1つの自動送信制御情報を、サーバ20(所定の外部装置)へ送信して記憶させると共に自己が使用する記憶領域から消去することにより、サブシステムSが使用する記憶領域の空き容量が少ない場合でも、省電力状態で次の定期送信を確実に行うことができる。
【0092】
(b2)サブシステムSが、定期送信を実行し、次に実行すべき定期送信がサーバ20に送信して記憶させた自動送信制御情報に係る定期送信である場合、サーバ20からその自動送信制御情報を受信して自己が使用する記憶領域に記憶させることにより、次に実行すべき定期送信を制御するための自動送信制御情報がサーバ20に記憶されている場合でも、その自動送信制御情報に基づく次の定期送信を確実に行うことができる。
【0093】
なお、自動送信制御情報のサイズが大きく、他に自動送信制御情報がなくてもRAM123に記憶させることができない場合や、多数の自動送信制御情報をサーバ20にアップロードしなければならない場合には、自動送信制御情報のうち送信データの部分は(一時的なバッファは別として)、RAMに記憶させずにサーバ20に送信するようにしてもよい。自動送信制御情報のサイズが極端に大きい場合、多数の画像を送信する場合等、送信データのサイズが大きいことが考えられるためである。
【0094】
また、このようなサイズの大きい自動送信制御情報については、次回の送信実行に用いる場合であっても、送信データはサーバ20からダウンロードせず、送信を実行する際に、サーバ20から送信データを受信しながら、並行してその送信データを定期送信に係る通信相手に送信するようにしてもよい。
このようにすれば、自動送信制御情報に含まれる送信データの容量が大きく、その自動送信制御情報の全てをサブシステムSが使用する記憶領域に記憶することができない場合でも、上記自動送信制御情報に基づく定期送信を省電力状態で行うことができる。
【0095】
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明において、装置の具体的な構成や、処理の具体的な手順、データの形式等が、上述した実施形態の内容に限られないことはもちろんである。
例えば、上述した実施形態では、自動送信制御情報に基づいて実行する動作が定期送信である例について述べたが、これは必ずしも一定周期で繰り返し行う動作には限らない。
1回だけの動作を予め予約しておき、省電力状態であったとしてもその予約に従った動作を実行したい場合や、複数回の動作を予め予約しておき、省電力状態であったとしてもその予約に従った動作を実行したい場合等にも、適用可能である。
この場合、図4に示した自動送信制御情報における送信間隔や送信終了条件に代えて、予約した動作を実行するタイミングを規定した情報を登録しておき、自動送信スケジュール管理モジュール213が、その情報に基づき、次に動作を実行する時刻を算出して管理するようにすればよい。
【0096】
また、以上の実施形態では、この発明を通信機能を有する画像形成装置を含む画像形成装置管理システムに適用した例について説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、ネットワーク家電,自動販売機,医療機器,電源装置,空調システム,ガス・水道・電気等の計量システム,AV機器,遊戯機器等の組み込み機器や、ネットワークに接続可能なコンピュータなど、各種通信装置を含む情報処理システムにも適用可能である。
この場合において、定期送信を行う装置が画像形成装置であることも必須ではない。
【0097】
また、この発明のプログラムは、通信装置を制御する第1,第2のコンピュータをそれぞれ上述したようなメインシステムM及びサブシステムSとして機能させるためのプログラムである。このようなプログラムは、予めコンピュータがアクセス可能なROMやHDD等に記憶させておくほか、CD−ROMあるいはフレキシブルディスク等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供し、そのメモリからこのプログラムをRAMに読み出させてCPUに実行させたり、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムをHDD等の記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させたりしても、同様の効果を得ることができる。
また、以上述べてきた構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、通信機能を有する画像形成装置等の通信装置において、省電力状態でも動作を停止しない制御手段が使用する記憶領域の大きさを抑えながら、省電力状態では動作を停止する制御手段の省電力状態維持期間を長くできるようにすることができる。
従って、この発明を適用することにより、電力消費の少ない通信装置を構成することができる。
【符号の説明】
【0099】
1:ネットワーク 10:画像形成装置 11:コントローラボード
13:エンジン 14:エンジンインタフェース 20:サーバ 30:管理装置
111:メインCPU 112,122:ROM 113,123:RAM
114:ASIC 115,116,124:PHYチップ 117:HDD
118:ハブ 119,125:USBインタフェース 121:サブCPU
126:ネットワークインタフェース 131:操作パネル 132:スキャナ
133:プリンタ 134:FCU 200:アプリケーション
201:通信制御モジュール 202:自動送信制御情報
203:状態管理モジュール 204:サブシステム設定モジュール
205:サブシステムインタフェースモジュール
211:メインシステムインタフェースモジュール 212:自動送信制御モジュール
213:自動送信スケジュール管理モジュール 214:自動送信モジュール
215:自動送信制御情報記憶モジュール
216:自動送信制御情報送受信モジュール
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開2006−221381号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
省電力状態では動作を停止する第1の制御手段と、省電力状態でも動作を停止しない第2の制御手段とを有する通信装置であって、
前記第1の制御手段に、
データの定期送信の実行が必要となった場合に、省電力状態においてもその定期送信を継続する必要があるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が継続する必要があると判断した場合に、前記必要となった定期送信を制御するための制御情報を前記第2の制御手段に送信して記憶させる設定手段とを備え、
前記第2の制御手段に、
前記第1の制御手段の設定手段から送信された制御情報を記憶する記憶手段と、
少なくとも前記省電力状態においては、該記憶手段に記憶されている制御情報に基づきデータの定期送信を実行する定期送信手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置であって、
前記第2の制御手段に、
前記記憶手段に記憶している制御情報に基づく定期送信の継続が不要になった場合に、該制御情報を前記記憶手段から消去する消去手段を設けたことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信装置であって、
前記制御情報は、前記定期送信を実行するタイミングを規定するタイミング情報を含み、
前記第2の制御手段に、
前記第1の制御手段の設定手段から送信された制御情報に含まれるタイミング情報に基づいて、該制御情報に基づく定期送信の実行タイミングを管理するタイミング管理手段と、
前記記憶手段に前記制御情報を記憶させる際に十分な空き容量がなかった場合に、該記憶させる制御情報及び前記記憶手段に既に記憶している制御情報の中で、次に実行すべき定期送信に係る制御情報以外の少なくとも1つの制御情報を、所定の外部装置に送信して記憶させると共に前記記憶手段から消去する第1の制御情報管理手段とを設けたことを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の通信装置であって、
前記第2の制御手段に、
前記定期送信手段が定期送信を実行し、次に実行すべき定期送信が前記外部装置に送信して記憶させた制御情報に係る定期送信である場合、前記外部装置から該制御情報を受信して前記記憶手段に記憶させる第2の制御情報管理手段を設けたことを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置であって、
前記制御情報は、前記定期送信により送信先装置へ送信すべき送信データを含み、
前記第2の制御手段に、
前記記憶手段に前記制御情報を記憶させる際に十分な空き容量がなかった場合に、前記制御情報のうち前記送信データを前記記憶手段に記憶させずに所定の外部装置に送信して記憶させる送信データ管理手段を設け、
前記定期送信手段が、前記制御情報のうち前記送信データを前記外部装置に記憶させた制御情報に基づき定期送信を実行する場合に、前記外部装置から前記送信データを受信しながら、並行して該送信データを該定期送信に係る送信先装置へ送信するようにしたことを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信装置であって、
前記第2の制御手段に、
前記省電力状態における前記定期送信手段による定期送信に応じて得られた応答データを、前記記憶手段に記憶している制御情報に基づき処理できるか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第2の判断手段が処理できると判断した場合に前記応答データを前記記憶手段に記憶している制御情報に基づき処理する一方、処理できないと判断した場合に前記第1の制御手段を前記省電力状態から通常状態に復帰させると共に前記応答データを前記第1の制御手段に送信する応答データ処理手段とを設けたことを特徴とする通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の通信装置であって、
前記第2の制御手段の前記応答データ処理手段が、
前記第2の判断手段が前記応答データを処理できないと判断した場合であっても、該処理の緊急度が高くない場合には、該応答データを記憶しておき、前記第1の制御手段が前記通常状態に復帰した場合に、該記憶しておいた応答データを前記第1の制御手段に送信するようにしたことを特徴とする通信装置。
【請求項8】
通信装置を制御する第1,第2のコンピュータのうち省電力状態では動作を停止する第1のコンピュータを、
データの定期送信の実行が必要となった場合に、省電力状態においてもその定期送信を継続する必要があるか否か判断する判断手段と、
前記判断手段が継続する必要があると判断した場合に、前記必要となった定期送信を制御するための制御情報を前記第2のコンピュータに送信して記憶させる設定手段として機能させるためのプログラムと、
前記通信装置を制御する第1,第2のコンピュータのうち省電力状態でも動作する第2のコンピュータを、
前記設定手段から送信された制御情報を記憶する記憶手段と、
少なくとも前記省電力状態においては、該記憶手段に記憶されている制御情報に基づきデータの定期送信を実行する定期送信手段として機能させるためのプログラムとを備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記第2のコンピュータを、
前記記憶手段に記憶している制御情報に基づく定期送信の継続が不要になった場合に、該制御情報を前記記憶手段から消去する消去手段として機能させるためのプログラムをさらに備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のプログラムであって、
前記制御情報は、前記定期送信を実行するタイミングを規定するタイミング情報を含み、
前記第2のコンピュータを、
前記設定手段から送信された制御情報に含まれるタイミング情報に基づいて、該制御情報に基づく定期送信の実行タイミングを管理するタイミング管理手段と、
前記記憶手段に前記制御情報を記憶させる際に十分な空き容量がなかった場合に、該記憶させる制御情報及び前記記憶手段に既に記憶している制御情報の中で、次に実行すべき定期送信に係る制御情報以外の少なくとも1つの制御情報を、所定の外部装置に送信して記憶させると共に前記記憶手段から消去する第1の制御情報管理手段として機能させるためのプログラムをさらに備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムであって、
前記第2のコンピュータを、
前記定期送信手段が定期送信を実行し、次に実行すべき定期送信が前記外部装置に送信して記憶させた制御情報に係る定期送信である場合、前記外部装置から該制御情報を受信して前記記憶手段に記憶させる第2の制御情報管理手段として機能させるためのプログラムをさらに備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記制御情報は、前記定期送信により送信先装置へ送信すべき送信データを含み、
前記第2のコンピュータを、
前記記憶手段に前記制御情報を記憶させる際に十分な空き容量がなかった場合に、前記制御情報のうち前記送信データを前記記憶手段に記憶させずに所定の外部装置に送信して記憶させる送信データ管理手段として機能させるためのプログラムをさらに含み、
前記定期送信手段が、前記制御情報のうち前記送信データを前記外部装置に記憶させた制御情報に基づき定期送信を実行する場合に、前記外部装置から前記送信データを受信しながら、並行して該送信データを該定期送信に係る送信先装置へ送信するようにしたことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第2のコンピュータを、
前記省電力状態における前記定期送信手段による定期送信に応じて得られた応答データを、前記記憶手段に記憶している制御情報に基づき処理できるか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第2の判断手段が処理できると判断した場合に前記応答データを前記記憶手段に記憶している制御情報に基づき処理する一方、処理できないと判断した場合に前記第1のコンピュータを前記省電力状態から通常状態に復帰させると共に前記応答データを前記第1のコンピュータに送信する応答データ処理手段として機能させるためのプログラムをさらに備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムであって、
前記応答データ処理手段が、前記第2の判断手段が前記応答データを処理できないと判断した場合であっても、該処理の緊急度が高くない場合には、該応答データを記憶しておき、前記第1のコンピュータが前記通常状態に復帰した場合に、該記憶しておいた応答データを前記第1のコンピュータに送信するようにしたことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−65031(P2012−65031A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205759(P2010−205759)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】