説明

通電検査用プローブおよびその製造方法ならびにプローブユニット

【課題】 電子デバイスの端子用電極の高密度化および多ピン化に高い信頼性を有し対応できる通電検査用プローブおよびプローブユニットを提供する。
【解決手段】 通電検査用プローブ10では、平板状基体11の一主面とそれに対向する他主面に亘って適正な弾性特性をもつコンタクトリード12が形設される。このコンタクトリード12は、接触子12a、引き出し配線12bおよび引き出し端子12cが一体構造になったものである。接触子12aは、平板状基体11の第1の主面11aから斜め上方に所定鋭角に突出する。引き出し配線12bは、第1の主面11aとなる平板状基体11上の絶縁層13表面に接着する密着層14を介し配設され、貫通穴15を通り抜け、平板状基体11裏面の第2の主面11bに密着層14を介し配設されて引き出し端子12cにつながる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスやフラットパネルディスプレイ(FPD)等を通電検査するためのプローブおよびその製造方法ならびにプローブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路、表示パネル等の電子デバイスに設けられる端子用電極は益々高密度化され多ピン化される傾向にある。そして、電子デバイスの外周部に配設される上記電極は、その寸法および配列間隔が微小化し、益々狭ピッチ化してきている。さらに、微細製造技術の顕著な半導体デバイスにあっては、端子用電極は、素子の外周部において複数列に並行して配設され、あるいは素子周辺のみならず素子上の全面に配置されるようになってきている。
【0003】
そこで、電子デバイスを通電検査する通電検査装置(以下、プローバともいう)に使用される通電検査用プローブは、被検体である被測定デバイス(以下、Device under Test;DUTという)の上記電極に対応した狭ピッチのプローブピン(以下、接触子ともいう)が微細加工技術を用いて形成される(例えば、特許文献1参照)。このプローブの作製では、例えば微細パターン転写を容易にするフォトリソグラフィ技術が用いられて、板状基体の表面にその端部まで配設される細長導電層のリードが形成される。その後、リードの先端部が板状基体の縁端から突出するように基体端部の所定領域が切除される。そして、そのリードの先端部が基体の縁端から突出した弾性接片すなわち接触子になり、プローブが作製される。
【0004】
さらに、端子用電極が例えば並列状または千鳥足状の複数列に配列される場合に対応するため、例えば2層構造に積層され貼り合わされたコンタクトプローブが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この多層構造コンタクトプローブでは、パターン配線(上記リードに相当する)がフィルム基体の表面に形成され、その先端部がフィルム基体の先端においてコンタクトピン(接触子)となる2つのコンタクトプローブが積層され貼り合わされる。ここで、2つのコンタクトプローブは、互いのフィルム基体の先端が同じ方向になり、それ等のコンタクトピンが上記方向において複数列の電極の離間距離になるように位置決めされ積層される。そして、接着剤により互いに貼り合わされて2層構造コンタクトプローブになる。
【0005】
上述した2種類の検査用プローブは、いずれも基体の一主面に接触子とそのリードが形成されている。そして、これ等のプローブは、プローバにおけるプローブヘッドの先端部にあってその基体が水平面から所定の角度に傾斜され装着されて使用される。このような装着により、プローブの接触子は、通電検査において例えばステージ上に水平に載置されるDUTの端子用電極に対して斜めから所定の傾斜角度で弾性接触するようになる。
【0006】
しかしながら、このような検査用プローブは、上述した端子用電極が素子の外周部において多数列に配設され、あるいは素子上の全面に配置される半導体デバイスに対しては充分に対応できない。また、近年では電子デバイスの通電検査が高速化し、例えば複数DUTを同時に通電検査することが行われるようになってきているが、上記検査用プローブの構造では、それに対応しようとすると上記プローブの組み込まれるプローブヘッドの構造が複雑化する。そして、そのプローブヘッドは高コスト化し、そのプローブの位置調節における作業効率が低下する。
【0007】
一方、基板の一主面に接触子が植設され、その対向する他主面に上記接触子に接続する端子が形成された構造の検査用プローブが提示されている(例えば、特許文献3,4参照)。ここで、上記接触子は、導電体金属材料からなり、基板面から例えばバネ状に延伸するようになっている。そして、上記プローブは、特許文献4に示されているように例えばタイル状に形成され、1つの絶縁性基板の表面に複数に配列され実装して使用されることが開示されている。
【0008】
また、1つの基板の一主面からその対向する他主面側に貫通する電極が挿設され、上記一主面に露出する電極に接触子が接合材料を介して接合される構造の検査用プローブが提示されている(例えば、特許文献5参照)。ここで、接触子は基板面から湾曲状に延伸するようになっている。そして、上記他主面には電極と一体に引き出し配線が配設され、この引き出し配線にフレキシブルプリント配線板が例えば異方性導電フィルム(ACF;Anisotropic Conductive Film)により接続するようになっている。
【0009】
上記特許文献3〜5に提示されているような検査用プローブは、プローバにおけるプローブヘッドの先端部にあってその基板が水平に装着されて使用される。このような装着により、それ等のプローブの接触子は、その基板が水平に配置されたままで、例えばステージ上に水平に載置されるDUTの端子用電極に弾性接触することができる。このために、このような検査用プローブは、DUTの端子用電極が素子の外周部において多数列に配設され、あるいは素子上の全面に配置される場合に対応でき易くなる。また、上述した複数DUTを同時に通電検査することが容易になる。
【0010】
しかしながら、これ等の検査用プローブは、基板の一主面に設けた接触子をその他主面に設ける端子あるいは電極に電気接続させるために、基板の一主面に引き出された端子あるいは基板を貫通し一主面に露出する電極に上記接触子を接合させる構造になる。このため、多数の接触子を接合させる場合に、全ての接触子を同一平面上に位置させる高いコプラナリティを確保することが難しくなる。そして、これ等の接触子はDUTの端子用電極との接触圧にバラツキを生じ易く、特に端子用電極の多ピン化において安定した弾性接触の確保が難しくなる虞がある。さらに、この接触子の接合では、その高密度化あるいは多ピン化とともにその作業時間が増大し作業効率が低下する。
【0011】
また、このような接触子の接合による植設では、接触子の端子用電極との弾性接触の繰り返し耐久性に難点がある。このために、高い信頼性を有する検査用プローブの製造ができない虞がある。
【0012】
これ等のために、従来の技術では、高密度化および多ピン化した信頼性の高い接触子群から成る通電検査用プローブを高歩留まりに製造することが難しく、その低コスト化が容易でない。
【特許文献1】特開平8−15318号公報
【特許文献2】特開2001−165957号公報
【特許文献3】特表平11−504725号公報
【特許文献4】米国特許第7347702号明細書
【特許文献5】特開2006−242811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、電子デバイスにおける端子用電極の高密度化および多ピン化に容易に対応する通電検査用プローブおよびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、複数DUTの同時の通電検査を容易にするプローブユニットを提供することを目的とする。そして、位置精度の高い高信頼性の接触子群から成る通電検査用プローブを高歩留まりに製造できるようにし、その低コスト化を容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、第一の発明にかかる通電検査用プローブは、絶縁体基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブであって、前記基板の一主面から所定鋭角で傾斜して突出する接触子と、前記接触子につながり前記一主面上に配設されて、前記基板を貫く貫通穴を通り前記基板の他主面に配設される引き出し配線と、前記他主面に配置され前記引き出し配線につながる外部端子と、を有し、前記接触子、前記引き出し配線および前記外部端子は、所定の弾性特性をもつ導電体により一体構造に形成されている構成になっている。
【0015】
そして、第二の発明にかかる通電検査用プローブは、シリコン半導体基板の表層が絶縁膜からなる一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブであって、前記一主面から所定鋭角で傾斜して突出する接触子と、前記接触子につながり前記一主面の前記絶縁膜上に配設されて、前記基板を貫き側壁が絶縁膜からなる貫通穴を通り、表層が絶縁膜からなる他主面に配設される引き出し配線と、前記他主面に配置され前記引き出し配線につながる外部端子と、を有し、前記接触子、前記引き出し配線および前記外部端子は、所定の弾性特性をもつ導電体により一体構造に形成されている構成になっている。
【0016】
そして、第三の発明にかかる通電検査用プローブの製造方法は、絶縁体からなる基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ、前記一主面から突出する接触子を前記端子用電極に弾性接触させて前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブの製造方法であって、前記基板の一主面の選択的エッチングにより、底面が平坦で側面が順テーパー状の凹部と前記エッチングがされない凸部とを形成する工程と、前記凹部の底面から前記基板を貫き他主面に達する貫通穴を形成する工程と、前記凹部の底面と側面、前記一主面の凸部、前記他主面および前記貫通穴の側壁に導電性の密着層を被着させる工程と、前記底面の貫通穴と前記側面および前記凸部の一部に亘る領域に開口のパターンを有する第1のメッキ用マスクと、前記他主面の前記貫通穴を含む領域に別の開口のパターンを有する第2のメッキ用マスクとを前記密着層上に形成する工程と、前記第1のメッキ用マスクと前記第2のメッキ用マスクを用いた選択的な電解メッキにより、前記密着層上に重層して、前記開口に弾性を有する金属層を形成する工程と、前記第1のメッキ用マスクおよび前記第2のメッキ用マスクを除去した後に前記開口のパターン状に形成された前記金属層をマスクにして前記密着層をエッチングする工程と、前記凸部を上方からエッチングし前記凹部の側面あるいはその一部を除去して、前記金属層および密着層の一部が前記基板から突出する接触子を形成する工程と、を有する構成になっている。
【0017】
そして、第四の発明にかかる通電検査用プローブの製造方法は、シリコン半導体からなる基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ、前記一主面から突出する接触子を前記端子用電極に弾性接触させて前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブの製造方法であって、前記基板の一主面の選択的エッチングにより、底面が平坦で側面が順テーパー状の凹部と前記エッチングがされない凸部とを形成する工程と、前記凹部の底面から前記基板を貫き他主面に達する貫通穴を形成する工程と、前記凹部の底面と側面、前記凸部の表面、前記他主面および貫通穴の側壁にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜上に導電性の密着層を被着させる工程と、前記底面の貫通穴と前記側面および前記凸部の一部に亘る領域に開口のパターンを有する第1のメッキ用マスクと、前記他主面の前記貫通穴を含む領域に別の開口のパターンを有する第2のメッキ用マスクとを前記密着層上に形成する工程と、前記第1のメッキ用マスクと前記第2のメッキ用マスクを用いた選択的な電解メッキにより、前記密着層上に重層して、前記開口に弾性を有する金属層を形成する工程と、前記第1のメッキ用マスクおよび前記第2のメッキ用マスクを除去した後に前記開口のパターン状に形成された前記金属層をマスクにして前記密着層をエッチングする工程と、前記凸部の表面と前記凹部の側面の前記シリコン酸化膜を選択的にエッチング除去する工程と、前記凸部を切除し、前記金属層および密着層の一部が前記基板から突出する接触子を形成する工程と、を有する構成になっている。
【0018】
そして、第五の発明にかかる通電検査用プローブの製造方法は、シリコン半導体からなる基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ、前記一主面から突出する接触子を前記端子用電極に弾性接触させて前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブの製造方法であって、SOI層/絶縁層/下地シリコン基板からなるSOI基板の前記絶縁層をエッチングストッパーとした前記SOI層の選択的エッチングにより、底面の前記絶縁層が露出し側面が順テーパー状になる凹部と前記エッチングがされないSOI層の凸部とを形成する工程と、前記凹部の底面から前記基板を貫き他主面に達する貫通穴を形成し、前記露出した絶縁層を除去する工程と、前記凹部の底面と側面、前記凸部の表面、前記他主面および貫通穴の側壁にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜上に導電性の密着層を被着させる工程と、前記底面の貫通穴と前記側面および前記凸部の一部に亘る領域に開口のパターンを有する第1のメッキ用マスクと、前記他主面の前記貫通穴を含む領域に別の開口のパターンを有する第2のメッキ用マスクとを前記密着層上に形成する工程と、前記第1のメッキ用マスクと前記第2のメッキ用マスクを用いた選択的な電解メッキにより、前記密着層上に重層して、前記開口に弾性を有する金属層を形成する工程と、前記第1のメッキ用マスクおよび前記第2のメッキ用マスクを除去した後に前記開口のパターン状に形成された前記金属層をマスクにして前記密着層をエッチングする工程と、前記SOI層の凸部を選択的にエッチング除去し、前記金属層および密着層の一部が前記下地シリコン基板から突出する前記接触子を形成する工程と、を有する構成になっている。
【0019】
そして、第六の発明にかかる通電検査用プローブの製造方法は、サファイアからなる基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ、前記一主面から突出する接触子を前記端子用電極に弾性接触させて前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブの製造方法であって、シリコン層/サファイア基板からなるSOS基板の前記サファイア基板をエッチングストッパーとした前記シリコン層の選択的エッチングにより、底面の前記サファイア基板が露出し側面が順テーパー状になる凹部と前記エッチングがされないシリコン層の凸部とを形成する工程と、前記凹部の底面から前記基板を貫き他主面に達する貫通穴を形成する工程と、前記凹部の側面、前記凸部の表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記凹部の底面、前記シリコン酸化膜上、前記貫通穴の側壁に導電性の密着層を被着させる工程と、前記底面の貫通穴と前記側面および前記凸部の一部に亘る領域に開口のパターンを有する第1のメッキ用マスクと、前記他主面の前記貫通穴を含む領域に別の開口のパターンを有する第2のメッキ用マスクとを前記密着層上に形成する工程と、前記第1のメッキ用マスクと前記第2のメッキ用マスクを用いた選択的な電解メッキにより、前記密着層上に重層して、前記開口に弾性を有する金属層を形成する工程と、前記第1のメッキ用マスクおよび前記第2のメッキ用マスクを除去した後に前記開口のパターン状に形成された前記金属層をマスクにして前記密着層をエッチングする工程と、前記シリコン層の凸部を選択的にエッチング除去し、前記金属層および密着層の一部が前記サファイア基板から突出する前記接触子を形成する工程と、を有する構成になっている。
【0020】
そして、第七の発明にかかるプローブユニットは、第一の発明にかかる通電検査用プローブあるいは第二の発明にかかる通電検査用プローブと、該通電検査用プローブの前記外部端子に電気接続した導電路が敷設されたコネクタ部材と、を有する構成になっている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の構成により、電子デバイスにおける端子用電極の高密度化および多ピン化に対応する通電検査用プローブが容易に製造できる。さらに、複数DUTの同時の通電検査を可能にする信頼性の高いプローブユニットが提供できる。そして、位置精度の高い高信頼性の接触子群から成る通電検査用プローブが高歩留まりに量産製造でき、その低コスト化が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態の幾つかについて図面を参照して説明する。なお、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は一部省略される。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。
【0023】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる通電検査用プローブおよびその製造方法について図1ないし図5を参照して説明する。図1は本実施形態にかかる通電検査用プローブの一例を示す一部を抜き出した平面図であり、図2は図1のX−X矢視の断面図である。そして、図3ないし図5は本実施形態にかかる通電検査用プローブの製造方法の一例を示す製造工程別断面図である。
【0024】
図1に示すように、通電検査用プローブ10では、例えばシリコン基板から成る平板状基体11の一主面とそれに対向する他主面に亘って適正な弾性特性を有するコンタクトリード12が所要数に形設されている。図1および図2ではコンタクトリード12が一対となり一定ピッチで配列されている場合が示されている。そして、それぞれのコンタクトリード12は、図2に示すように、接触子12a、引き出し配線12bおよびその外部端子となる引き出し端子12cが一体に形成された一体構造体になっている。
【0025】
ここで、接触子12aは、コンタクトリード12の一端領域が平板状基体11の第1の主面11aから斜め上方に所定鋭角に突出し、その先端部が水平方向に形成されている。ここで、接触子12aは、その長さが数百μm程度であり、その先端部と第1の主面11aの離間距離が例えば10μm〜500μm程度の範囲に設定される。上記離間距離は、通電検査用プローブ10の検査対象となる電子デバイス製品、コンタクトリード12の寸法あるいは材質等により適宜に決められる。
【0026】
そして、引き出し配線12bは、第1の主面11aとなる平板状基体11上の絶縁層13表面に接着する密着層14を介して配設されている。そして、この引き出し配線12bは、平板状基体11の所定の箇所に設けられている貫通穴15を通り抜け、平板状基体11裏面の第2の主面11bに密着層14を介して配設される。ここで、貫通穴15はその側壁が絶縁層13により被覆されており、上記引き出し配線12bは、貫通穴15においてその側壁の絶縁層13に接着する密着層14を介して挿設され通り抜けるようになる。なお、図示しないが、第2の主面11bに配設される引き出し配線12bの配線パターンは第1の主面11aの引き出し配線12bの配線パターンと同じであってもよいし異なるようになっていてもよい。
【0027】
そして、平板状基体11の第2の主面11bに配設される引き出し配線12bにつながるコンタクトリード12の他端領域が引き出し端子12cとなる。この引き出し端子12cは、図示しないがACFにより、コネクタ部材である例えばフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Cable)に接合される。そして、通電検査用プローブ10は、従来技術で説明したようにプローバのプローブヘッドの先端部においてその平板状基体11が水平方向に取り付けられ、コネクタ部材を介して通電検査装置に電気的につながる。なお、上記接合は、非導電性フィルム(NCF;Non Conductive Film)による圧接接続、ハンダあるいは金属バンプによっても行うことができる。このハンダおよび金属バンプによる接合については第2の実施形態で触れる。
【0028】
また、接触子12aの先端部は、耐酸化性の金属材料あるいは酸化しても導電性を有する金属材料からなる被覆層121が形成されていると好適である。
【0029】
次に、本実施形態にかかる通電検査用プローブ10の製造方法ついて図3ないし図5を参照して説明する。
【0030】
図3(a)に示すように、1枚で複数の通電検査用プローブ10が作製されるシリコン基板21の表面と裏面に例えば熱酸化法によりシリコン酸化膜22を形成する。ここで、シリコン基板21は両面研磨が施された単結晶シリコンウエハであり、その主面方位が(100)面、その厚さが例えば500μm〜700μm程度になる。また、シリコン酸化膜22の膜厚は膜厚0.1μm〜1μm程度で適宜に設定される。
【0031】
次に、図3(b)に示すように、公知のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法あるいはダイレクトイメージング法によるフォトレジスト膜の露光・現像処理を通して、シリコン基板21の表面に凹陥部用の開口パターンを有する第1レジストマスク23を形成する。また、シリコン基板21の裏面のシリコン酸化膜22は全面を第2レジストマスク24で被覆する。そして、このシリコン基板21をフッ酸を含む化学薬液に浸漬し、シリコン基板21の表面のシリコン酸化膜22を選択的にエッチングして凹陥部用開口25のパターンを有する酸化膜マスク26を形成する。その後、第1レジストマスク23および第2レジストマスク24を例えば有機系剥離液により除去する。
【0032】
そして、図3(c)に示すように、酸化膜マスク26および裏面のシリコン酸化膜22をエッチングマスクにして、結晶異方性エッチングが可能な化学薬液を用いて凹陥部用開口25で露出するシリコン基板21の湿式異方性エッチングを行う。この異方性エッチングにより、シリコン基板21の一主面の凹部として例えば深さ100μm〜400μm程度の凹陥部27を形成する。この異方性エッチングでは、シリコン基板の(100)面に対するエッチング速度が(111)面に較べて大きく、凹陥部27の側面27aは(111)面となりその底面27bは(100)面となる。そして、側面27aは底面27bに対して略54.7°の一定のテーパー角を有するようになる。このテーパー角が突出する所定鋭角になる。
【0033】
ここで、凹陥部用開口25のパターンをもつ酸化膜マスク26は、その縁辺26aが略<−110>方向に延在するように形成すると好適である。なお、上記シリコン基板21は、その主面方位が(100)と等価な結晶面になってもよい。
【0034】
上記異方性エッチングが可能な化学薬液としては、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、ヒドラジン水溶液、コリン水溶液のような有機アルカリ水溶液が好適に使用できる。このような水溶液であるとシリコン酸化膜からなるマスク材をほとんど侵食しない。なお、シリコン酸化膜に替えて例えばシリコン窒化系の絶縁膜をマスク材とする場合には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ系の金属水酸化物の水溶液を用いても構わない。
【0035】
上記化学薬液として有機アルカリ水溶液を使用する場合には、(100)面に対するエッチング速度を大きくすることが可能な還元性化合物を添加することが好ましい。この還元性化合物としては、例えばヒドラジン類、ヒドロキシルアミン類、リン酸塩類、還元糖類、グリオキシル酸、アスコルビン酸、ブレンツカテキン等、あるいはそれらの誘導体が挙げられる。これ等の還元性化合物は単独あるいは2種類以上組み合わせて使用してよい。
【0036】
また、上記化学薬液には、濡れ性を上げるためにカチオン系、ノニオン系、アニオン系の界面活性剤を添加してもよい。あるいは、上記添加剤の分解を防ぐための分解抑制剤、マスク材へのダメージの防止やシリコン基板21のエッチング速度の均一性制御のための有機溶剤等を添加してもよい。
【0037】
このような化学薬液によるシリコン基板21の表面に形成する凹陥部27の深さは、エッチング時間により制御できる。例えば凹陥部27の深さを200μmに設定すると、その深さのエッチングバラツキは±2μm程度以下になるように制御することができる。
【0038】
次に、図3(d)に示すように、シリコン基板21の表面の酸化膜マスク26およびその裏面のシリコン酸化膜22をフッ酸を含む化学薬液により除去する。そして、図3(e)に示すように、シリコン基板21の表面に形成した第3レジストマスク28をマスクにしたドライエッチングにより、凹陥部27の底面からシリコン基板21の裏面に貫通する貫通穴15を形成する。ここで、貫通穴15の開口径は例えば20μm程度である。このドライエッチングでは、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)のようなHDP(High Density Plasma)のDRIE(Deep Reactive Ion Etching)が好適に使用される。
【0039】
そして、例えばアッシング等で第3レジストマスク28を除去した後にシリコン基板21を洗浄し、全体を熱酸化する。この熱酸化により、図4(a)に示すように、シリコン基板21の表面および裏面、貫通穴15の側壁に例えば膜厚が0.3μm〜1μm程度の例えばシリコン酸化膜からなる絶縁層13を形成する。この絶縁層13は、シリコン酸化膜の他に例えばシリコン窒化膜、アルミナ膜等の絶縁膜であってもよい。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、絶縁層13表面を被覆して密着層14を金属の化学気相成長(CVD)法、スパッタリング法等で成膜する。この密着層14は、例えばチタン(Ti)、クロム(Cr)あるいはTi−Cr合金等であって絶縁層13に対して大きな接着力を有する金属材料を含み、例えば厚さ0.01μm〜0.5μのニッケル(Ni)合金/Tiの積層膜が好ましい。
【0041】
次に、例えばスピン塗布法あるいはスクリーン印刷法により上記密着層14を被覆するメッキ用のフォトレジスト膜を形成する。そして、そのフォトレジスト膜のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法あるいはダイレクトイメージング法による露光・現像処理を行う。
【0042】
このようにして、図4(b)に示すように、シリコン基板21の表裏面にそれぞれ所望の第1メッキ用マスク29および第2メッキ用マスク30を密着層14上に形成する。ここで、これ等のメッキ用マスク29,30は、図1で説明したコンタクトリード12に対応する開口のパターンを有している。すなわち、第1のメッキ用マスクである第1メッキ用マスク29は、貫通穴15と凹陥部27の側面27aおよびシリコン基板21のエッチングがされない凸部の一部に亘る領域に開口のパターンを有する。そして、第2のメッキ用マスクである第2メッキ用マスク30は、シリコン基板21の裏面である他主面の貫通穴15を含む領域に別の開口のパターンを有している。また、図示しないが、上記フォトレジスト膜にはコンタクトリード12のパターン以外に位置合わせ用のパターンが形成される。
【0043】
そして、図4(c)に示すように、これ等のメッキ用マスク29,30の開口内の密着層14上に電解メッキにより一対のコンタクトリード12を形成する。そして、ここで、コンタクトリード12は、所要の弾性特性をもつ金属材料、例えばNi−鉄(Fe)、Ni−マンガン(Mn)、Ni−コバルト(Co)等のNi合金から成る。また、この電解メッキにおいて密着層14は給電層としても機能する。
【0044】
なお、上述した第1メッキ用マスク29および第2メッキ用マスク30を用いた電解メッキにより形成されるコンタクトリード12の厚さは例えば10μm〜150μm程度に形成される。そこで、上記メッキ用マスク29,30の厚さはコンタクトリード12の所要の膜厚に合わせて10μm〜200μmの範囲で自在に設定される。
【0045】
続いて、図4(d)に示すように、公知の有機溶剤による剥離あるいは酸素プラズマによるアッシング等でメッキ用マスク29,30を除去する。そして、図示しないが、接触子12aとなるコンタクトリード12の一端領域に所望の開口パターンを有するレジストマスクを新たに形成し、密着層14を給電層とした金(Au)メッキを施す。
【0046】
そして、図5(a)に示すように、例えば膜厚が0.5μm〜1μm程度の金メッキにより被覆層121が形成される。ここで、被覆層121は、コンタクトリード12の先端部である接触子12aの上面および側面に電気的に接続して形成される。この被覆層121は例えばAu、Au合金等から成る。その後に、図5(b)に示すように、上記レジストマスクを除去し露出している密着層14をエッチング除去する。
【0047】
次に、図5(c)に示すように、コンタクトリード12をシリコン基板12の表裏面から被覆するように、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法あるいはダイレクトイメージング法により第4レジストマスク31および第5レジストマスク32を形成する。そして、例えばフッ酸を含む化学薬液にシリコン基板21を一定の時間浸漬して、シリコン基板21の凸部の表面の絶縁層13をエッチング除去し、凹陥部27の側面27aにある絶縁層13をサイドエッチングして除去する。同時に、シリコン基板21の裏面の絶縁層13をサイドエッチングにより所定の領域まで除去する。
【0048】
その後、上記第4レジストマスク31および第5レジストマスク32を有機系剥離液により除去する。このようにして、図5(d)に示すように、シリコン基板21の表面側から貫通穴15を通りシリコン基板21の裏面側に配設された一体構造のコンタクトリード12が一対に形成される。これ等のコンタクトリード12は、その接触子12a以外ではシリコン基板12の表裏面および貫通穴15の側壁に残存させた絶縁層13を密着層14を介して強固に接着している。
【0049】
以上のような工程後、図5(d)に示すシリコン基板21は、その裏面側からレーザあるいはブレードにより上述した凹陥部27の側面27aと底面27bの交わる領域で垂直にダイシングされ、その上記凸部が切除される。このようにして、図1および図2で説明したような通電検査用プローブ10が切り取られる。そして、1枚のシリコン基板21から複数個の通電検査用プローブ10が個片(チップ)化され作製される。
【0050】
上記シリコン基板21からの通電検査用プローブ10の個片化ではその他に種々の方法が可能である。例えば、図5(b)の工程後に、シリコン基板21の裏面側からレーザあるいはDRIEにより上述した凹陥部27の側面27aと底面27bの交わる領域に切り込み溝を形成する。そして、上述した凹陥部27の側面27aにある絶縁層13のサイドエッチングの工程後に、コンタクトリード12の接触子12aより外側でシリコン基板21をダイシングしチップ状に切り出す。そして、切り出して個片化したものの端部を上方から押圧することにより上記切り込み溝から破断し切除する。このようにして、図1および図2で説明した通電検査用プローブ10が個片化され作製される。
【0051】
上記通電検査用プローブ10の製造では、一体構造体のコンタクトリード12は、適度な弾性特性を有する導電体材料により形成される。そして、その好適な導電体材料としては、Ni系金属材料の他に、例えばロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、銅合金等が挙げられる。
【0052】
また、被覆層121は、耐酸化性の金属材料あるいは酸化しても導電性を有する金属材料からなり、DUTの端子用電極に対する耐磨耗性を有するものが選択される。例えばAu−Co合金のようなAu合金の他に、酸化しても導電性を有するRu、Ir金属およびこれ等の合金が挙げられる。
【0053】
上記通電検査用プローブ10の製造方法において、図3(c)で説明したシリコン基板21の裏面にシリコン酸化膜22を残した状態で、図3(e)で説明したのと同様に第3レジストマスク28をドライエッチングのマスク材として貫通穴15を形成してもよい。
【0054】
また、シリコン基板21の替わりに種々の基板を使用することができる。これについては図6を参照して説明する。図6はシリコン基板21と異なる基板を用いて図3(c)で説明した凹陥部27を形成した状態の断面図である。
【0055】
図6(a)はシリコン基板21の替わりにSOI基板33を使用する場合である。このSOI(Silicon on Insulator)基板としては例えば2枚のシリコンウエハが絶縁膜を介して接合され作製されたものが好適である。そして、図3(a)、(b)で説明したのと同様にして、下地基板34上に張合せ用絶縁層35を介して形成された所要の厚さのSOI層36の表面に酸化膜マスク26を設け、下地基板34の裏面にシリコン酸化膜22を形成する。ここで、SOI層36の主面方位は(100)面あるいはそれに等価な結晶面が好適である。下地基板34の面方位としては(100)面、(111)面、等の種々の結晶面のものが使用できる。
【0056】
そして、図3(c)で説明したのと同様にして、酸化膜マスク26および裏面のシリコン酸化膜22をエッチングマスクにてSOI層36の湿式異方性エッチングを行う。この場合には、張合せ用絶縁層35がSOI層36のエッチングストッパーとして機能する。このために、SOI基板33に形成される凹部である凹陥部27は、その深さが高精度に制御でき、基板(ウエハ)内における深さバラツキがほとんど無くなる。そして、それ以後の通電検査用プローブ10の製造工程は、シリコン基板21を用いた場合と同じである。このSOI基板33を使用する場合には、通電検査用プローブ10の接触子12aの平板状基体11の第1の主面11aからの突出高さが高精度に制御できるようになる。
【0057】
また、SOI基板33を使用する場合には、通電検査用プローブの個片化が上述したシリコン基板21の場合と全く同様にできる。更に種々の個片化が容易にできる。例えば、図5(b)の工程後に、残存する凸部となったSOI層36を選択的にエッチング除去する。この場合も張合せ用絶縁層35がエッチングストッパーとなり下地基板34をエッチングから保護する。このエッチング除去により接触子12aが下地基板34の主面からの突出するようになる。その後に下地基板34をダイシングしチップ状に切り出す。このダイシングでは、シリコン基板21の場合のダイシングで得られるチップより大きな個片化が自在にできる。すなわち、通電検査用プローブ10が複数に形成されるチップの構造、あるいは、所要数の通電検査用プローブ10が1枚のシリコンウエハ状態に形成される構造にすることができる。
【0058】
図6(b)はシリコン基板21の替わりにSOS基板37を使用する場合である。このSOS(Silicon on Sapphire)基板は、サファイア基板38の主面方位を(1−102)面とし、その表面に結晶面が(100)のシリコンエピタキシャル層40をエピ成長させたものである。ここで、シリコンエピタキシャル層39の厚さは数十μm程度である。そして、図3(a)、(b)で説明したのと同様にして、シリコンエピタキシャル層39の表面に酸化膜マスク26を設ける。
【0059】
そして、図3(c)で説明したのと同様にして、酸化膜マスク26をエッチングマスクにてシリコンエピタキシャル層39の湿式異方性エッチングを行う。この場合には、サファイア基板38がシリコンエピタキシャル層39のエッチングストッパーとして機能する。この場合も図6(a)で説明したのと全く同様な効果が生じる。すなわち、シリコンエピタキシャル層39に形成される凹部である凹陥部27は、その深さが高精度に制御でき、基板(ウエハ)内における深さバラツキがほとんど無くなる。シリコンエピタキシャル層の(100)面の場合の凹陥部側面のテーパー角は54.7度になる。そして、通電検査用プローブ10の接触子12aの平板状基体11の第1の主面11aからの突出高さが高精度に制御できるようになる。また、この場合には、上記SOI基板33を用いる場合で説明したのと同様な通電検査用プローブの種々の個片化ができる。
【0060】
図6(c)はシリコン基板21の替わりに絶縁体であるガラス基板41を使用する場合である。好適なガラス基板としては例えば石英ガラス、ソーダライムガラス等が挙げられる。そして、上述したのと同様にフォトリソグラフィ法あるいはダイレクトイメージング法を用いて、ガラス基板41の表面にエッチングマスク42を形成し、フッ酸を含む化学薬液により選択的にウエットエッチングして凹部である凹陥部27を形成する。このウエットエッチングは等方性エッチングでありサイドエッチングが生じて凹陥部27の側面はテーパー状になる。テーパー角は実用的な20度から70度の範囲で任意に設定することができる。
【0061】
そして、それ以後の通電検査用プローブ10の製造工程は、シリコン基板21を用いた場合とほぼ同じである。但し、接触子12aをガラス基板41から突出させるために、図5(b)の工程後に、凹陥部27形成でエッチングがされないで凸部になる領域を選択的にエッチングする必要がある。そして、その後にガラス基板41をダイシングしチップ状に切り出す。このようにして通電検査用プローブが、シリコン21基板の場合と同様に個片化され作製される。あるいは、SOI基板の場合と同じように種々の個片化も可能である。
【0062】
上述した通電検査用プローブの製造方法を通して種々の構造の通電検査用プローブを作製することができる。これについて図7および図8を参照して説明する。図7は通電検査用プローブの別の例を示す斜視図である。そして、図8は通電検査用プローブの更に別の例を示す斜視図である。
【0063】
図7は平面形状が矩形となるチップ状の平板状基体11の四辺に沿って接触子12aを配設させる場合の通電検査用プローブ50を示す。ここで、通電検査用プローブ50は例えばDUTのデバイスチップと同じチップ状に作製されている。このような通電検査用プローブ50は、図1および図2で説明した一対のコンタクトリード12間の離間距離をDUTのデバイスチップの寸法に合わせて大きくすることにより容易に作製できる。
【0064】
通電検査用プローブ50では、図1および図2で説明した一体構造体のコンタクトリード12の接触子12aが平板状基体11の周辺に沿い所要数に形成されている。ここで、これ等の接触子12aはDUTのデバイスチップの周辺に沿って形成される端子用電極に弾性接触するように配置される。なお、接触子12aの先端は平板状基体11の周辺から横方向にはみ出してもよいし、平板状基体11の周辺からはみ出さないようになっていてもよい。
【0065】
図8は平面形状が細長状の平板状基体11の一辺に沿って接触子12aを配設する場合の通電検査用プローブ60を示す。ここで、通電検査用プローブ60は、例えばDUTのデバイスチップあるいはFPDの表示パネルの一辺に沿って形成される端子用電極に弾性接触されるように配置されている。このような通電検査用プローブ60は、図1および図2で説明した一対のコンタクトリード12をその平板状基体11の中間部で切断し分離することにより容易に作製できる。ここで、接触子12aの先端は平板状基体11の周辺から横方向にはみ出してもよいし、平板状基体11の周辺からはみ出さないようになっていてもよい。
【0066】
図示しないが、その他の構造の通電検査用プローブとして、シリコン基板21に替えてSOI基板、SOS基板を用いて通電検査用プローブを作製する場合に説明したようなものが挙げられる。例えば、図1に示した通電検査用プローブ10、図7に示した通電検査用プローブ50が複数に形成されるチップ構造の通電検査用プローブ、あるいは、所要数の通電検査用プローブ10,50が1枚のシリコンウエハ状態に形成された構造の通電検査用プローブである。
【0067】
上述した通電検査用プローブにあっては、シリコン基板21、SOI基板33の主面方位が(100)面あるいはそれと等価な結晶面と異なる場合であってもよい。また、ガラス基板41の替わりにセラミックス基板のような絶縁体基板であってもよい。
【0068】
また、本実施形態の通電検査用プローブでは、コンタクトリード12の引き出し配線12bは貫通穴15を充填して配設されていてもよいし、充填しないで挿通していても構わない。
【0069】
上記第1の実施形態では、通電検査用プローブは平板状基体11の第1の主面とそれに対向する第2の主面にわたり弾性特性を有するコンタクトリード12が所要数に形設される。そして、全てのコンタクトリード12は、その一端領域の第1の主面から斜め上方に所定鋭角で突出する接触子12a、第1の主面から貫通穴を通り第2の主面に配設される引き出し配線12b、および第2の主面で他端領域となる引き出し端子12cの一体構造体になる。このために、被検体である例えば電子デバイスの端子用電極との接触子12aの接触の繰り返し耐久性が大きく向上する。そして、高い信頼性を有する通電検査用プローブが可能になる。
【0070】
そして、通電検査用プローブの製造において、全てのコンタクトリード12が微細加工を容易とするフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術等を通して形成される。このために、全てのコンタクトリード12の接触子12aの突出する長さが高精度に制御できる。そして、多ピン化する接触子群が高いコプラナリティを有するようになる。そして、被検体の端子用電極との接触圧のバラツキが低減し、特に端子用電極の多ピン化において安定した弾性接触の確保が可能になる。また、上述した従来技術に較べて、多ピン化する接触子12aの作製の作業効率が格段に向上する。
【0071】
このようにして、信頼性の高い接触子群から成る通電検査用プローブを高歩留まりに製造することが可能になり、その低コスト化が容易になる。そして、本実施形態により製造される通電検査用プローブは通電検査における被検体の端子用電極の高密度化および多ピン化に容易に対応できるようになる。
【0072】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかるプローブユニットについて図9ないし図11を参照して説明する。第1の実施形態において通電検査用プローブをコネクタ部材を介してプローバに電気接続する一例を説明した。この第2の実施形態では、主に、第1の実施形態で説明した通電検査用プローブをプローバのプローブヘッドあるいはプローブカード等に装着し易くするプローブユニットについて説明される。
【0073】
図9は第1の実施形態で説明した通電検査用プローブ50を複数個に集積するプローブユニットの説明に供する斜視図である。そして、図10は複数個の通電検査用プローブ50をコネクタ部材に実装した一例を示すプローブユニットの断面図である。図11は本実施形態にかかるプローブユニットをプローブカードに装着する一例を示す断面図である。
【0074】
図9および図10に示すように、本実施形態のプローブユニット70は、所要数の通電検査用プローブ50がコネクタ部材であるインターポーザ基板71上に実装された構造になっている。この実装では、各通電検査用プローブ50の引き出し端子12cがインターポーザ基板71表面の対応する接続ランド72に例えばハンダリフロー法により接合される。この場合、例えば接続ランド72にクリームハンダを印刷し、そのリフローによりハンダを溶融させて引き出し端子12cと結合させる。ここで、接合材となるハンダは引き出し端子12c面と接続ランド72面に均一に形成し、全ての接触子12aの高いコプラナリティを確保し実装する。
【0075】
上記インターポーザ基板71は、例えばガラスエポキシ樹脂からなるリジッド基板である。あるいは、例えばポリイミドフィルムからなるフレキシブル基板である。そして、このコネクタ部材には例えば多層構造の配線あるいはその端子からなる導電路が形成されている。通電検査用プローブ50とインターポーザ基板71の間隙にアンダーフィルが充填されていてもよい。
【0076】
上記プローブユニット70は、図11に示すようにプローブヘッド73表面に装着され、このプローブヘッド73が固定部材74により例えばリジッド配線板であるプリント配線板75に取り付けられている。ここで、図示しないがプローブヘッド73内では、例えば多層配線構造のインターポーザ基板71の裏面の端子電極がプリント配線板75の回路配線に適宜に接続するようになっている。
【0077】
そして、上述したようにしてプローブカードに水平方向に装着された多数の通電検査用プローブ50は、DUTの検査において、ステージ76表面に保持されたウエハ基板77上の対応する複数DUTを同時に通電検査できるようになる。例えばフラッシュメモリあるいはDRAMにあっては、ウエハ基板上の全てのデバイスチップに対応する所要数の通電検査用プローブ50がインターポーザ基板71に集積されていて、プローブユニット70のウエハ基板77との1タッチでウエハ上の全デバイスチップを通電検査することが可能になる。
【0078】
図示しないが、その他のプローブユニットとして、第1の実施形態で説明した通電検査用プローブ10、60がコネクタ部材であるインターポーザ基板に実装された構造が挙げられる。更に、通電検査用プローブ10、50が複数に形成されたチップ構造の通電検査用プローブ、あるいは、所要数の通電検査用プローブ10,50が1枚のシリコンウエハ状態に形成された構造の通電検査用プローブをインターポーザ基板のようなコネクタ部材に取り付けた構造のものが挙げられる。また、1個の通電検査用プローブ10,50をコネクタ部材に接合させる構造であっても構わない。
【0079】
このようにして、本実施形態にかかるプローブユニットは、種々の被検体の通電検査に対応できる。例えばDUT上の全面に端子用電極が配置される場合に容易に対応できる。また、表示パネルを含む電子デバイスの通電検査に使用することができる。
【0080】
なお、通電検査用プローブのコネクタ部材のインターポーザ基板への取り付けでは、各通電検査用プローブの引き出し端子12cがインターポーザ基板の端子である接続ランドに例えばハンダバンプにより接合するようにしてもよい。
【0081】
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した複数の通電検査用プローブがインターポーザ基板のようなコネクタ部材に実装された位置精度の高いプローブユニットが作製できる。このために、多ピンの端子用電極がデバイスチップ上の全面に配置されたDUTの通電検査が簡便にしかも安定してできるようになる。また、多数のDUTを同時にしかも安定的に通電検査することが可能になる。このようにして、本実施形態にかかるプローブユニットは通電検査における被検体の端子用電極の高密度化および多ピン化に高い信頼性を有し対応できるようになる。
【0082】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
【0083】
例えば、上記実施形態において通電検査用プローブを用いて行われる通電検査の被検体は、上記被測定デバイスに限定されるものでなく、その他に回路配線基板であってもよい。
【0084】
また、シリコン半導体は単結晶の他に多結晶基板、無定形基板であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる通電検査用プローブの一例を示す平面図である。
【図2】図1のX−X矢視の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる通電検査用プローブの製造方法の一例を示す製造工程別断面図である。
【図4】図3に続く通電検査用プローブの製造工程を示す製造工程別断面図である。
【図5】図4に続く通電検査用プローブの製造工程を示す製造工程別断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態にかかる通電検査用プローブの製造で種々の異なる基板を用いる場合を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態にかかる通電検査用プローブの別の例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態にかかる通電検査用プローブの更に別の例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態にかかる通電検査用プローブを複数個に集積するプローブユニットの説明に供するための斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施形態にかかる複数個の通電検査用プローブをコネクタ部材に実装した一例を示すプローブユニットの断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態にかかるプローブユニットをプローブカードに装着する一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0086】
10,50,60…通電検査用プローブ,11…平板状基体,11a…第1の主面,11b…第2の主面,12…コンタクトリード,12a…接触子,12b…引き出し配線,12c…引き出し端子,13…絶縁層,14…密着層,15…貫通穴,21…シリコン基板,22…シリコン酸化膜,23…第1レジストマスク,24…第2レジストマスク,25…凹陥部用開口,26…酸化膜マスク,26a…縁辺,27…凹陥部,27a…側面,27b…底面,28…第3レジストマスク,29…第1メッキ用マスク,30…第2メッキ用マスク,31…第4レジストマスク,32…第5レジストマスク,33…SOI基板,34…下地基板,35…張合せ用絶縁層,36…SOI層,37…SOS基板,38…サファイア基板,39…シリコンエピタキシャル層,41…ガラス基板,42…エッチングマスク,70…プローブユニット,71…インターポーザ基板,72…接続ランド,73…プローブヘッド,74…保持部材,75…プリント配線板,76…ステージ,77…ウエハ基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブであって、
前記基板の一主面から所定鋭角で傾斜して突出する接触子と、
前記接触子につながり前記一主面上に配設されて、前記基板を貫く貫通穴を通り前記基板の他主面に配設される引き出し配線と、
前記他主面に配置され前記引き出し配線につながる外部端子と、
を有し、前記接触子、前記引き出し配線および前記外部端子は、所定の弾性特性をもつ導電体により一体構造に形成されていることを特徴とする通電検査用プローブ。
【請求項2】
シリコン半導体基板の表層が絶縁膜からなる一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブであって、
前記一主面から所定鋭角で傾斜して突出する接触子と、
前記接触子につながり前記一主面の前記絶縁膜上に配設されて、前記基板を貫き側壁が絶縁膜からなる貫通穴を通り、表層が絶縁膜からなる他主面に配設される引き出し配線と、
前記他主面に配置され前記引き出し配線につながる外部端子と、
を有し、前記接触子、前記引き出し配線および前記外部端子は、所定の弾性特性をもつ導電体により一体構造に形成されていることを特徴とする通電検査用プローブ。
【請求項3】
前記導電体は、ニッケル合金からなり、チタンあるいはクロムを含有する密着層上に重層して前記基板に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の通電検査用プローブ。
【請求項4】
前記一体構造の接触子、前記引き出し配線および前記外部端子は、前記基板に複数配列されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の通電検査用プローブ。
【請求項5】
絶縁体からなる基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ、前記一主面から突出する接触子を前記端子用電極に弾性接触させて前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブの製造方法であって、
前記基板の一主面の選択的エッチングにより、底面が平坦で側面が順テーパー状の凹部と前記エッチングがされない凸部とを形成する工程と、
前記凹部の底面から前記基板を貫き他主面に達する貫通穴を形成する工程と、
前記凹部の底面と側面、前記一主面の凸部、前記他主面および前記貫通穴の側壁に導電性の密着層を被着させる工程と、
前記底面の貫通穴と前記側面および前記凸部の一部に亘る領域に開口のパターンを有する第1のメッキ用マスクと、前記他主面の前記貫通穴を含む領域に別の開口のパターンを有する第2のメッキ用マスクとを前記密着層上に形成する工程と、
前記第1のメッキ用マスクと前記第2のメッキ用マスクを用いた選択的な電解メッキにより、前記密着層上に重層して、前記開口に弾性を有する金属層を形成する工程と、
前記第1のメッキ用マスクおよび前記第2のメッキ用マスクを除去した後に前記開口のパターン状に形成された前記金属層をマスクにして前記密着層をエッチングする工程と、
前記凸部を上方からエッチングし前記凹部の側面あるいはその一部を除去して、前記金属層および密着層の一部が前記基板から突出する接触子を形成する工程と、を有することを特徴とする通電検査用プローブの製造方法。
【請求項6】
シリコン半導体からなる基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ、前記一主面から突出する接触子を前記端子用電極に弾性接触させて前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブの製造方法であって、
前記基板の一主面の選択的エッチングにより、底面が平坦で側面が順テーパー状の凹部と前記エッチングがされない凸部とを形成する工程と、
前記凹部の底面から前記基板を貫き他主面に達する貫通穴を形成する工程と、
前記凹部の底面と側面、前記凸部の表面、前記他主面および貫通穴の側壁にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜上に導電性の密着層を被着させる工程と、
前記底面の貫通穴と前記側面および前記凸部の一部に亘る領域に開口のパターンを有する第1のメッキ用マスクと、前記他主面の前記貫通穴を含む領域に別の開口のパターンを有する第2のメッキ用マスクとを前記密着層上に形成する工程と、
前記第1のメッキ用マスクと前記第2のメッキ用マスクを用いた選択的な電解メッキにより、前記密着層上に重層して、前記開口に弾性を有する金属層を形成する工程と、
前記第1のメッキ用マスクおよび前記第2のメッキ用マスクを除去した後に前記開口のパターン状に形成された前記金属層をマスクにして前記密着層をエッチングする工程と、
前記凸部の表面と前記凹部の側面の前記シリコン酸化膜を選択的にエッチング除去する工程と、
前記凸部を切除し、前記金属層および密着層の一部が前記基板から突出する接触子を形成する工程と、を有することを特徴とする通電検査用プローブの製造方法。
【請求項7】
シリコン半導体からなる基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ、前記一主面から突出する接触子を前記端子用電極に弾性接触させて前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブの製造方法であって、
SOI層/絶縁層/下地シリコン基板からなるSOI基板の前記絶縁層をエッチングストッパーとした前記SOI層の選択的エッチングにより、底面の前記絶縁層が露出し側面が順テーパー状になる凹部と前記エッチングがされないSOI層の凸部とを形成する工程と、
前記凹部の底面から前記基板を貫き他主面に達する貫通穴を形成し、前記露出した絶縁層を除去する工程と、
前記凹部の底面と側面、前記凸部の表面、前記他主面および貫通穴の側壁にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜上に導電性の密着層を被着させる工程と、
前記底面の貫通穴と前記側面および前記凸部の一部に亘る領域に開口のパターンを有する第1のメッキ用マスクと、前記他主面の前記貫通穴を含む領域に別の開口のパターンを有する第2のメッキ用マスクとを前記密着層上に形成する工程と、
前記第1のメッキ用マスクと前記第2のメッキ用マスクを用いた選択的な電解メッキにより、前記密着層上に重層して、前記開口に弾性を有する金属層を形成する工程と、
前記第1のメッキ用マスクおよび前記第2のメッキ用マスクを除去した後に前記開口のパターン状に形成された前記金属層をマスクにして前記密着層をエッチングする工程と、
前記SOI層の凸部を選択的にエッチング除去し、前記金属層および密着層の一部が前記下地シリコン基板から突出する前記接触子を形成する工程と、を有することを特徴とする通電検査用プローブの製造方法。
【請求項8】
サファイアからなる基板の一主面と端子用電極が配列された被検体面とを対向させ、前記一主面から突出する接触子を前記端子用電極に弾性接触させて前記被検体の通電検査をする通電検査用プローブの製造方法であって、
シリコン層/サファイア基板からなるSOS基板の前記サファイア基板をエッチングストッパーとした前記シリコン層の選択的エッチングにより、底面の前記サファイア基板が露出し側面が順テーパー状になる凹部と前記エッチングがされないシリコン層の凸部とを形成する工程と、
前記凹部の底面から前記基板を貫き他主面に達する貫通穴を形成する工程と、
前記凹部の側面、前記凸部の表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記凹部の底面、前記シリコン酸化膜上、前記貫通穴の側壁に導電性の密着層を被着させる工程と、
前記底面の貫通穴と前記側面および前記凸部の一部に亘る領域に開口のパターンを有する第1のメッキ用マスクと、前記他主面の前記貫通穴を含む領域に別の開口のパターンを有する第2のメッキ用マスクとを前記密着層上に形成する工程と、
前記第1のメッキ用マスクと前記第2のメッキ用マスクを用いた選択的な電解メッキにより、前記密着層上に重層して、前記開口に弾性を有する金属層を形成する工程と、
前記第1のメッキ用マスクおよび前記第2のメッキ用マスクを除去した後に前記開口のパターン状に形成された前記金属層をマスクにして前記密着層をエッチングする工程と、
前記シリコン層の凸部を選択的にエッチング除去し、前記金属層および密着層の一部が前記サファイア基板から突出する前記接触子を形成する工程と、を有することを特徴とする通電検査用プローブの製造方法。
【請求項9】
前記シリコン半導体、前記SOI層および前記シリコン層は、その主面方位が(100)あるいはそれと等価な結晶面であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか一項に記載の通電検査用プローブの製造方法。
【請求項10】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の通電検査用プローブと、該通電検査用プローブの前記外部端子に電気接続した導電路が敷設されたコネクタ部材と、を有することを特徴とするプローブユニット。
【請求項11】
前記コネクタ部材に前記通電検査用プローブが複数取り付けられていることを特徴とする請求項10に記載のプローブユニット。
【請求項12】
前記コネクタ部材はインターポーザ基板であることを特徴とする請求項11に記載のプローブユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−145146(P2010−145146A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320489(P2008−320489)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】