説明

造型機

マッチプレート造型機の油圧ユニット15は、高圧油を供給する油圧ポンプ20と、スクイズ工程を実行するための第1及び第2の油圧シリンダ系7及び10へ流体連通され、油圧ポンプ20からの高圧油をそれら油圧シリンダ系に供給する配管系21、25、及び26と、配管系に設けられたアキュムレータ22と、油圧ポンプ20からの高圧油の流れを、第1と第2の油圧シリンダ系7及び10に対してそれぞれ切換る第1及び第2の電磁方向切換弁23及び24と、第1と第2の油圧シリンダ系7及び10の高圧油の圧力を計測し、その計測値に対応する出力信号を発生する第1と第2の油圧センサ27及び28と、そのセンサからの出力信号を受け取り、その出力信号と、アキュムレータ22の高圧油に対する保持圧力以下の範囲内にある設定された設定値とに基づいて、第1と第2の電磁方向切換弁23及び24の切換えを制御する制御器29とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は造型機に関し、更に詳しくは、マッチプレート造型機における油圧ユニットの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマッチプレート造型機の一例がWO2005/058528 A1号公報に開示されている。この造型機は、上及び下スクイズ部材を作動させるための一対の油圧シリンダ系と、これら油圧シリンダ系を作動させる油圧ユニットとを含んでいる。その油圧ユニットは、油圧ポンプからの高圧油を一対の油圧シリンダ系に供給する配管系を有しており、その配管系には一般にアキュムレータが設けられている。これは、高圧油を供給する油圧ポンプを駆動するモータの動力を節約したり、油圧回路を安定にしたり、サイクル時間を短縮させたり、高圧油を緩衝させるためである。
【0003】
しかしながら、このような従来のマッチプレート造型機では、一対の油圧シリンダ系の伸長作動により上及び下スクイズ部材を駆動して鋳物砂をスクイズする際には、一対の油圧シリンダ系に供給する高圧油の圧力の最小値を、アキュムレータの高圧油の保持圧力以下にすることができないという不都合がある。
【0004】
従って本発明の目的は、一対のスクイズ部材を駆動する一対の油圧シリンダ系に供給する高圧油の圧力の値を、アキュムレータの高圧油の保持圧力以下にすることが可能なマッチプレート造型機を提供することである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一つの態様によれば、マッチプレート造型機が与えられる。このマッチプレート造型機は、上鋳枠、下鋳枠、及びこれら上鋳枠と下鋳枠との間の交換可能なマッチプレートとを含んでなり、マッチプレートはそれぞれパターンが形成された上面及び下面を有する鋳枠アセンブリと、;鋳枠アセンブリに対して、上鋳枠側からマッチプレート上面に対向するように挿入されて、上鋳枠及び前記マッチプレート上面と共に、鋳物砂が充填されるべき上造型空間を規定するように適合された上スクイズ部材と、;鋳枠アセンブリに対して、下鋳枠側からマッチプレート下面に対向するように挿入されて、少なくとも下鋳枠及びマッチプレート下面と共に鋳物砂が充填されるべき下造型空間を規定するように適合された下スクイズ部材と、;上スクイズ部材を、上造型空間内の鋳物砂をスクイズするように、マッチプレート上面へ向けて駆動させる第1の油圧シリンダ系と、;下スクイズ部材を、下造型空間内の鋳物砂をスクイズするように、前記マッチプレート下面へ向けて駆動させる第2の油圧シリンダ系と、;第1と第2の油圧シリンダ系を伸長作動させる油圧ユニットとを備える。その油圧ユニットは、高圧油の供給源と、;第1と第2の油圧シリンダ系へ流体連通され、供給源からの高圧油を第1と第2の油圧シリンダ系に供給する配管系と、;配管系に設けられたアキュムレータと、;供給源から供給される高圧油の流れを、第1と第2の油圧シリンダ系に対してそれぞれ切換るように、配管系に設けられた第1と第2の電磁方向切換弁と、;第1と第2の油圧シリンダ系にそれぞれ対応して配管系に設けられ、第1と第2の油圧シリンダ系の伸長作動中に前記配管系内の高圧油の圧力を計測し、その計測値に対応する出力信号を発生する第1と第2のセンサと、;第1と第2のセンサから出力信号を受け取り、その出力信号と、前記アキュムレータの高圧油に対する保持圧力以下の範囲内にある設定値とに基づいて、第1と第2の電磁方向切換弁の切換えを制御する制御器とを含む。
【0006】
本発明の一つの態様によれば、第1及び第2のセンサのうちの少なくとも一方のセンサの計測値が、設定値へ上昇したときには、制御器は、少なくとも、その一方のセンサに対応する一方の電磁方向切換弁を制御して、この一方の電磁方向切換弁に対応する一方の油圧シリンダ系への高圧油の供給を中断する造型機。
【0007】
この場合、制御器は、他方の電磁方向切換弁も制御して、第1及び第2の油圧シリンダ系の両方への高圧油の供給を共に中断してもよい。
【0008】
第1のセンサ及び第2のセンサの計測値が共に設定値に上昇したときには、制御器は、第1及び第2の電磁方向切換弁の両方を制御して、第1及び第2の油圧シリンダ系の両方への高圧油の供給を共に中断してもよい。代替的に、両方のセンサの計測値が共に設定値へ上昇し、且つ一方のセンサの計測値が他方のセンサのそれよりも大きいときは、制御器は、その一方のセンサに対応する一方の電磁方向切換弁を制御して、これに対応する一方の油圧シリンダ系への高圧油の供給を中断してもよい。
【0009】
本発明の一つの態様によれば、高圧油の供給の中断後、センサの計測値が再び設定値よりも低くなったときは、制御器は、中断していた油圧シリンダ系への高圧油の供給を再開するように電磁方向切換弁の切換えを制御する。
【0010】
好ましくは、第1と第2の電磁方向切換弁は、3位置4方口オープン型切換弁である。
【0011】
第1と第2の油圧シリンダ系の各々は、1本又は複数本の油圧シリンダを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の上述及び他の特徴と目的は添付図面を参照する以下の説明から一層明らかになる。
【図1】図1は本発明の実施例に係る造型機の造型ユニットを概略的に示す図である。
【図2】図2は本発明の実施例に係る造型機の油圧ユニットの概略的なブロック図であって、図1の造型ユニット及びその関連部品を併せて示す図である。
【図3】図3は本発明の実施例に係る造型機を一部破断して示す正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1乃至図3は本発明に係るマッチプレート造型機の一実施例を示す。マッチプレート造型機は、図1に示すように、造型ユニット6を備え、この造型ユニット6は、上及び下鋳枠2及び3と、それらの間に挟持された交換可能なマッチプレート1とを含む鋳枠アセンブリを有する。マッチプレート1の上面及び下面にはパターン1aが形成されている。
【0014】
造型ユニットは更に、鋳枠アセンブリの上鋳枠2におけるマッチプレート1の反対側に位置する開口(図示せず)に挿入されて、マッチプレート1の上面及び上鋳枠2と共に上造型空間を規定可能な上スクイズ部材4と、上鋳枠2の前後両外側面に装着されて上スクイズ部材4をマッチプレート1側から離す2本のシリンダ5とを含む。
【0015】
図2及び図3に示すように、造型機は更に駆動系11も備えている。この駆動系11は、上スクイズ部材4をマッチプレート1の上面へ向けて駆動させる第1の油圧シリンダ系、即ち本実施例においては一対の左向きの上油圧シリンダ7と、マッチプレート1の下面及び下鋳枠3と共に下造型空間を規定可能な盛枠8及び下スクイズ部材9と、この下スクイズ部材9をマッチプレート1の下面へ向けて駆動させる第2の油圧シリンダ系、即ち本実施例においては単独の右向きの下油圧シリンダ10とを含む。これら第1及び第2の油圧シリンダ系7及び10の各々は、1本又は複数本の油圧シリンダから構成することができ、その本数は本発明を限定するものではない。
【0016】
尚、下造型空間を規定する際には、下スクイズ部材9は、鋳枠アセンブリの下鋳枠3におけるマッチプレート1の反対側に位置する開口(図示せず)に挿入される。
【0017】
造型機は更に、一対の上油圧シリンダ(第1油圧シリンダ系)7及び1本の下油圧シリンダ(第2油圧シリンダ系)10を作動させる油圧ユニット15も備えている。
【0018】
図示の実施例における造型機は更に、第3のシリンダ12の伸縮作動により垂直面内で上下回動する回動フレーム13と、この回動フレーム13の上下回動により上述の造型ユニット6を駆動系11に対して搬入及び搬出させる搬送機構14とを備えている。また、規定された上及び下造型空間に鋳物砂を充填するために、一例を図示する鋳物砂充填装置34を設けてある。これら第3シリンダ12を含む回動フレーム13、搬送機構14、鋳物砂充填装置34の構成は本発明を限定するものではないことに留意されたい。
【0019】
また本発明に係る造型機は、造型後に上及び下鋳枠からそれらに包含されている上及び下鋳型を抜き出すための鋳型抜出し機構(図示せず)を設けることにより、無枠鋳型の造型に適合させてもよいが、本発明はそれに限定されるものではなく、枠付鋳型の造型に適合させてもよい。
【0020】
マッチプレート1は、公知の搬出入機構(図示せず)により上鋳枠2と下鋳枠3の間に対して搬出入することができる。
【0021】
図3を参照して、造型ユニット6及び回動フレーム13について再度説明する。回動フレーム13の左側部には、造型ユニット6における鋳枠アセンブリの下鋳枠3が装着してあり、その右側には、上鋳枠2がガイドロッド(図示せず))を介して側方向移動自在にして装着してある。回動フレーム13の下部には左横向きの第4のシリンダ16のピストンロッドの先端が装着してある。第4のシリンダ16には連結部材17を介して上鋳枠2を固着して、この上鋳枠2が第4シリンダ16の伸縮作動により下鋳枠3に対して進退動するようにしてある。
【0022】
再度図1を参照すると、造型機においては、駆動系11及びその関連部材を支持するために、平面断面が概略的にC字状を成す支持フレーム体18が配置されている。この支持フレーム体18の右側フレームには、上述の一対の上油圧シリンダ(第1油圧シリンダ系)7が装着してある。支持フレーム体18の左側フレームの中央部には、上述の単独の下油圧シリンダ(第2油圧シリンダ系)10が装着してあり、そのピストンロッドの先端には下スクイズ部材9が固着してある。支持フレーム体18の内側には、下造型空間を規定する際に盛枠8が下鋳枠3に当接するように、垂直姿勢の盛枠8が支持部材19を介して装着してある。
【0023】
更に図1を参照すると、油圧ユニット15は、油圧ポンプ(供給源)20からの高圧油を第1及び第2油圧シリンダ系7及び10へ供給して伸長作動させるように、これらシリンダ系の供給口に流体連通された配管系25、26及び21を含んでいる。配管系の第3の油圧配管21にはアキュムレータ22が配設してある。更に第3の油圧配管21には、油圧ポンプ20からの高圧油の流れを第1及び第2油圧シリンダ系7及び10に対してそれぞれ切換るための第1の(上部)電磁方向切換弁23及び第2の(下部)電磁方向切換弁24が並列接続してある。これら電磁方向切換弁23及び24は、好ましくは3位置4方口オープン型切換弁である。また、第1及び第2の電磁方向切換弁23及び24と、第1及び第2のシリンダ系7及び10の供給口とをそれぞれ接続する配管系の第1(上部)油圧配管25及び第2(下部)油圧配管26には、それぞれ第1(上部)圧力センサ27及び第2(下部)圧力センサ28が設けてある。第1及び第2の圧力センサ27及び28は、スクイズ工程における第1油圧シリンダ系(上油圧シリンダ)7及び第2シリンダ系(下油圧シリンダ)10の伸長作動中に、それらに対応する第1及び第2の油圧配管25及び26内の高圧油の圧力をそれぞれ計測し、その計測値に対応する出力信号を出力する。この出力信号は、第1油圧シリンダ系7及び第2油圧シリンダ系10の高圧油の圧力に対応している。この第1と第2の圧力センサ27及び28の出力信号は制御器29に与えられる。この制御器29には、第1及び第2の電磁方向切換弁23及び24の電磁石が電気的に接続してある。また制御器29には、アキュムレータ22の高圧油の保持圧力以下の範囲内にある設定値が設定されている。制御器29は、第1及び第2の圧力センサ27及び28からの出力信号と、この設定された設定値とに基づいて、第1と第2の電磁方向切換弁23及び24のマグネットに指令を発し、それら切換弁の切換を制御する。
【0024】
例えば、第1及び第2の圧力センサ27及び28のうちの少なくとも一方の圧力センサ(例えば第1の圧力センサ27)の計測値が、設定値まで上昇したとする。制御器29は、第1の圧力センサ27に対応する第1の電磁方向切換弁23を制御して、それに対応する第1の油圧シリンダ系7への高圧油の供給を中断する。(但し、高圧油の供給を中断しても、油圧シリンダ系内の高圧油の残留圧力により伸長動作は続行される。その中断した油圧シリンダ系への高圧油の供給の再開については後述する。)
同様に、第2の圧力センサ28の計測値が設定値まで上昇したならば、制御器29は、第2の電磁方向切換弁24を制御して、それに対応する第2の油圧シリンダ系10への高圧油の供給を中断する。
【0025】
或いは、一方の圧力センサの計測値が設定値まで上昇したときに、第1及び第2の電磁方向切換弁23及び24を共に制御して、第1及び第2の油圧シリンダ系統7及び10への高圧油の供給を共に中断してもよい。
【0026】
アキュムレータ22の高圧油の保持圧力以下の範囲内にある設定値は、そのアキュムレータ22の特性に応じて当業者には適宜に設定できるであろう。また、その設定値によっては、二つの圧力センサ27及び28の計測値が共に設定値まで上昇したとしても、一方のみの油圧シリンダ系7又は10への高圧油の供給を中断する制御も可能であろう。即ち、二つの圧力センサ27及び28の計測値が共に設定値に達し、且つその一方のセンサの計測値が他方のセンサのそれよりも大であるときは、制御器29は、その一方のセンサに対応する一方の電磁方向切換弁を制御して、これに対応する一方の油圧シリンダ系への高圧油の供給を中断するようにしてもよい。
【0027】
これらの制御により、上及び下スクイズ部材4及び9を駆動して上及び下造型空間内の鋳物砂をスクイズする際には、第1及び第2シリンダ系7及び10へ供給する高圧油の圧力の最小値を、アキュムレータ22の高圧油の保持圧力以下にすることが可能となる。
【0028】
油圧ユニット15には、図2に示すように、圧抜き回路(バルブ)30及び31、及びパイロット付き逆止弁32等の公知の油圧部品を設けてもよい。尚、図2における符号33はガイドロッドである。
【0029】
造型機の操作について説明する。先ず造型機の駆動系11の第1油圧シリンダ系7を収縮作動させた状態で、搬送機構14の第3シリンダ12を伸長作動して回動フレーム13を時計方向へ回動させ、造型ユニット6を駆動系11内に搬入する。この回動中に、油圧ユニット15の第2(下部)電磁方向切換弁24の切換え等により、第2油圧シリンダ系10を所要長さ伸長作動させる。且つ2本のシリンダ5を収縮作動させ、造型ユニット6の鋳枠アセンブリにおけるマッチプレート1に対向する上鋳枠2と、下鋳枠3(及びそれに当接する盛枠8)とに、上及び下スクイズ部材4及び9をそれぞれ挿入する。こうして上及び下造型空間を規定した後、第2の電磁方向切換弁24を切換えて、第2油圧シリンダ系10への高圧油供給を停止させる。尚、上述の2本のシリンダ5への高圧油供給も電磁方向切換弁(図示せず)の切換えにより停止される。続いて、これら上及び下造型空間へ鋳物砂吹き込み装置34により鋳物砂を吹込み充填する。
【0030】
次いで、第1及び第2電磁方向切換弁23及び24の切換えにより第1及び第2油圧シリンダ系7及び10を伸長作動させて、上及び下スクイズ部材4及び9をマッチプレート1へ向けて駆動して、上及び下造型空間内の鋳物砂をそれぞれスクイズする。そして、この鋳物砂のスクイズ工程において、上述のように第1及び第2圧力センサ27及び28が第1及び第2油圧配管25及び26内の高圧油を介して、第1及び第2油圧シリンダ系7及び10の高圧油の圧力を計測する。この計測値と上述の設定値とに応じて、制御器29が上述のように第1及び第2電磁方向切換弁23及び24を切換える。
【0031】
いま、第1及び第2圧力センサ27及び28の計測値が共に設定値に上昇し、第1及び第2電磁方向切換弁23及び24が共に切換えられて、高圧油の供給が中断されたとする。
【0032】
しかしながら、第1及び第2油圧シリンダ系7及び10の各々は、その内部の高圧油の残留圧力によって伸長作動を続けるので、スクイズ部材4及び9を依然として駆動させる。この伸長作動に伴って、第1及び第2の圧力センサ27及び28による計測値が、設定値よりも再び低くなった場合には、制御器29は、第1及び2の電磁方向切換弁23及び24を再び切換えて、第1及び第2の油圧シリンダ系7及び10に高圧油の供給が再開される。かくして第1及び第2の油圧シリンダ系7及び10は伸長作動を続行する。
【0033】
高圧油の供給を中断していたのが一方のシリンダ系のみである場合にも、同様にして高圧油の供給を再開できる。
【0034】
従って、スクイズ工程中に一方又は両方の油圧シリンダ系7及び10への高圧油の油圧の供給が中断したとしても、それが再開されて上及び下造型空間内の鋳物砂がスクイズされ、やがて上及び下鋳型が造型される。
【0035】
以上に説明及び図示した本発明の実施例に係る造型機は、単に本発明を例示することを意図したものであって、本発明の限定を意図したものではないことに留意されたい。当業者には、本発明は添付の請求の範囲に規定された発明の要旨と目的を逸脱することなく、幾多の変更及び変形が可能であることは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上鋳枠、下鋳枠、及びこれら上鋳枠と下鋳枠との間の交換可能なマッチプレートとを含んでなり、前記マッチプレートはそれぞれパターンが形成された上面及び下面を有する鋳枠アセンブリと、
前記鋳枠アセンブリに対して、前記上鋳枠側から前記マッチプレート上面に対向するように挿入されて、前記上鋳枠及び前記マッチプレート上面と共に、鋳物砂が充填されるべき上造型空間を規定するように適合された上スクイズ部材と、
前記鋳枠アセンブリに対して、前記下鋳枠側から前記マッチプレート下面に対向するように挿入されて、少なくとも前記下鋳枠及び前記マッチプレート下面と共に鋳物砂が充填されるべき下造型空間を規定するように適合された下スクイズ部材と、
前記上スクイズ部材を、前記上造型空間内の鋳物砂をスクイズするように、前記マッチプレート上面へ向けて駆動させる第1の油圧シリンダ系と、
前記下スクイズ部材を、前記下造型空間内の鋳物砂をスクイズするように、前記マッチプレート下面へ向けて駆動させる第2の油圧シリンダ系と、
第1と第2の油圧シリンダ系を伸長作動させる油圧ユニットとを備えるマッチプレート造型機であって、
前記油圧ユニットは、
高圧油の供給源と、
第1と第2の前記シリンダ系へ流体連通され、前記供給源からの高圧油を第1と第2の油圧シリンダ系に供給する配管系と、
前記配管系に設けられたアキュムレータと、
前記供給源から供給される高圧油の流れを、第1と第2の油圧シリンダ系に対してそれぞれ切換るように、前記配管系に設けられた第1と第2の電磁方向切換弁と、
第1と第2のシリンダ系にそれぞれ対応して前記配管系に設けられ、第1と第2の油圧シリンダ系の伸長作動中に前記配管系内の高圧油の圧力を計測し、その計測値に対応する出力信号を発生する第1と第2のセンサと、
第1と第2のセンサから前記出力信号を受け取り、その出力信号と、前記アキュムレータの高圧油に対する保持圧力以下の範囲内にある設定値とに基づいて、第1と第2の電磁方向切換弁の切換えを制御する制御器とを含む造型機。
【請求項2】
請求項1の造型機において、第1及び第2のセンサのうちの少なくとも一方のセンサの計測値が、前記設定値へ上昇したときには、前記制御器は、少なくとも、その一方のセンサに対応する一方の電磁方向切換弁を制御して、この一方の電磁方向切換弁に対応する一方の油圧シリンダ系への高圧油の供給を中断する造型機。
【請求項3】
請求項2の造型機において、前記制御器は、他方の電磁方向切換弁も制御して、第1及び第2の油圧シリンダ系の両方への高圧油の供給を共に中断する造型機。
【請求項4】
請求項1の造型機において、第1のセンサの前記計測値及び第2のセンサの前記計測値が共に前記設定値に上昇したときには、前記制御器は、第1及び第2の電磁方向切換弁の両方を制御して、第1及び第2の油圧シリンダ系の両方への高圧油の供給を共に中断する造型機。
【請求項5】
請求項1の造型機において、第1のセンサの前記計測値及び第2のセンサの前記計測値が共に前記設定値に上昇し、且つその一方のセンサの前記計測値が他方のセンサの前記計測値よりも大であるときは、前記制御器は、その一方のセンサに対応する一方の前記電磁方向切換弁を制御して、これに対応する一方の前記油圧シリンダ系への高圧油の供給を中断する造型機。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れか一項に記載の造型機において、前記センサの計測値が再び前記設定値よりも低くなったときは、前記制御器は、中断していた前記油圧シリンダ系への高圧油の供給を再開するように前記電磁方向切換弁の切換えを制御する造型機。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の造型機において、第1と第2の電磁方向切換弁は、3位置4方口オープン型切換弁である造型機。
【請求項8】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の造型機において、第1と第2の油圧シリンダ系の各々が、1本又は複数本のシリンダを含む造型機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−511514(P2010−511514A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522046(P2009−522046)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際出願番号】PCT/JP2007/064616
【国際公開番号】WO2008/068924
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
【Fターム(参考)】