遊技場用システム
【課題】持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を向上させ、遊技機の稼動率向上を実現すること。
【解決手段】パチンコ遊技機1での獲得パチンコ玉を計数機ユニット16で計数すると、その計数結果は台間貸出機2内の制御装置に持玉数として記憶される。その持玉を他の遊技者に譲渡する場合には、情報表示部11を通じた操作により希望する譲渡数を入力する。すると、制御装置が、パチンコ玉の貸出単価及び景品交換単価に基づいて適正な譲渡価額を特定すると共に、その譲渡価額及び希望譲渡数を対比可能な状態で情報表示部11に表示するようになるから、譲渡元遊技者は、その表示に基づいて譲渡するか否かを決定し、譲渡することを選択する操作が行われた場合には、希望譲渡数に応じた数の持玉数を再遊技に利用可能な獲得数情報として記憶した持玉カードを発行する。
【解決手段】パチンコ遊技機1での獲得パチンコ玉を計数機ユニット16で計数すると、その計数結果は台間貸出機2内の制御装置に持玉数として記憶される。その持玉を他の遊技者に譲渡する場合には、情報表示部11を通じた操作により希望する譲渡数を入力する。すると、制御装置が、パチンコ玉の貸出単価及び景品交換単価に基づいて適正な譲渡価額を特定すると共に、その譲渡価額及び希望譲渡数を対比可能な状態で情報表示部11に表示するようになるから、譲渡元遊技者は、その表示に基づいて譲渡するか否かを決定し、譲渡することを選択する操作が行われた場合には、希望譲渡数に応じた数の持玉数を再遊技に利用可能な獲得数情報として記憶した持玉カードを発行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が獲得した遊技媒体を複数の遊技者同士で自由に共有できるようにした遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機やスロットマシンを設置した遊技場では、遊技者が獲得した遊技媒体である例えばパチンコ玉(持玉)を他の遊技者に譲渡することを認めていないのが一般的であったが、近年では、遊技場での遊技に対する興趣の増大及びこれに伴う集客力の向上を図るために、遊技者同士で持玉を自由に共有(貸し借り)できるようにし、以って複数の知り合い同士で遊技を楽しめるという持玉共有サービスを提供する遊技場が多くなってきている。このような持玉共有サービスを行うために、今日では、例えば、遊技機において遊技媒体を払い出さずに遊技媒体データ(クレジット)に変換する構成とした上で、譲渡元の遊技機で獲得した遊技媒体数データの一部を、譲渡先の遊技機に管理装置を介して送信することで、譲渡先の遊技機において当該譲渡された遊技媒体数データを使用しての遊技を可能にしたシステムが考えられている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−141524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
持玉共有サービスを行う意義は以下の通りである。即ち、遊技場では、所謂出玉が多い場合ほど集客力が上がるという傾向があるため出玉率を高めに設定しており、このような状態に対応するために、一般的に、遊技媒体を景品と交換するときの単価(景品交換単価)の方が、その貸出単価よりも低くなるように設定される。これにより、遊技者が獲得した持玉は、景品交換に供すると価値が下がるものであり、例えば、持玉を一旦景品交換して換金した後に、遊技媒体貸出機から新たに遊技媒体を借り受けて遊技を行うよりも、そのまま遊技を継続した方が遊技者にとって有利になる。このため、持玉がない遊技者は、遊技媒体貸出機から遊技媒体を借り受けるよりも、他の遊技者の持玉を貸出単価より低い単価で譲り受けた方が有利になり、また、持玉の譲渡元の遊技者も、その持玉を景品交換単価より高い単価で譲渡できるのであれば有利になる。このような遊技者同士間での持玉譲渡を許容した場合、一見したところ遊技場にとって不利益になるようでも、遊技者側の支持が得られて、集客力の向上ひいては遊技機の稼動率の向上を期待できるようになる。これにより、持玉共有サービスは、総合的に見た場合、遊技場の営業にとってプラスに働くと考えられている。
【0004】
ところで、持玉を共有可能とした場合、その共有は、通常において、夫婦や親子或いは友人などのように互いに面識がある遊技者間で行われることになるため、持玉の譲渡時に対価を支払うことが想定されておらず、対価を支払うとしても、その精算は、例えば遊技終了後において景品交換が済んだ後に、遊技結果を踏まえた状態で実施されるものと考えられる。
【0005】
一方、最近では、持玉を有した遊技者に対して、他の遊技者が持玉の譲渡を直接的に申し込むケース、つまり互いに面識がない遊技者間で持玉の譲渡を行うケースも多々見受けられる。このようなケースでは、持玉の譲渡時点で対価の支払いを行う必要が出てくるが、実際には、遊技媒体の景品交換単価が、遊技場毎に相違すると共に遊技機の機種によっても相違するという事情があるため、持玉の譲渡価額が適正であるか否かを、持玉の譲渡元及び譲渡先の双方とも判断し辛いものであり、このため、持玉の譲渡に関して遊技者側の利便性向上に繋がる何らかの支援が必要と考えられる。これに対して、特許文献1に見られるような従来のシステムでは、持玉の譲渡価額が適正であるか否かを遊技者側で容易に判断できないため、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を十分に高めることが困難になるものであり、結果的に、集客力の向上に伴う遊技機の稼動率向上という観点からは、所期の目的を十分に達成できないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を向上させることできて、遊技機の稼動率向上を実現可能となる遊技場用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の遊技場用システムによれば、遊技者が、その獲得遊技媒体を他の遊技者に譲渡することを希望する場合には、受付手段を通じて任意の数の遊技媒体に対応した希望譲渡数を希望譲渡数情報として受け付けてもらう。このような受付が行われると、譲渡数特定手段が、上記希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定するようになる。交換情報記憶手段には、遊技場における遊技媒体の貸出単価及び景品交換単価のうち、少なくとも一方を特定可能な交換情報が記憶されており、譲渡価額特定手段は、上述のように譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数と上記交換情報記憶手段に記憶されている交換情報とに基づいた演算により、当該譲渡遊技媒体数に相当した数の遊技媒体を遊技場側から貸出を受ける場合の貸出価額よりも低く、且つ当該譲渡遊技媒体数に相当した数の遊技媒体を景品と交換する場合の景品交換価額よりも高い価額となる譲渡価額を特定するようになる。
【0008】
報知手段は、このように特定された譲渡価額と前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数とを互いに対比可能な遊技者支援情報、つまり、遊技媒体の譲渡元の遊技者が希望する譲渡対象遊技媒体の数と、当該遊技媒体の適正な譲渡価額とを把握可能な遊技者支援情報として遊技者向けに報知する。従って、遊技媒体の譲渡元の遊技者は、このように報知される遊技者支援情報に基づいて、遊技媒体の適正な譲渡価額を容易に知ることができるようになる。これにより、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を向上させることでき、以って遊技機の稼動率向上を実現可能となる。
【0009】
請求項2記載の遊技場用システムによれば、遊技者が、その獲得遊技媒体を他の遊技者に譲渡することを希望する場合には、受付手段を通じて任意の数の遊技媒体に対応した希望譲渡数を希望譲渡数情報として受け付けてもらう。このような受付が行われると、譲渡数特定手段が、上記希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定するようになる。交換情報記憶手段には、遊技場における遊技媒体の貸出単価及び景品交換単価のうち、少なくとも一方を特定可能な交換情報が記憶されており、基準価額特定手段は、上述のように譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数と上記交換情報記憶手段に記憶されている交換情報とに基づいた演算により、当該譲渡遊技媒体数に対応した貸出価額及び景品交換価額のうちの少なくとも一方を特定するようになる。また、譲渡価額特定手段は、前記譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段に記憶されている交換情報とに基づいた演算により特定される推奨譲渡価額、及び遊技者の操作入力により基づいて特定される提示譲渡価額の少なくとも一方を譲渡価額として特定するようになる。さらに、譲渡利益特定手段は、譲渡価額特定手段により特定された譲渡価額と前記基準価額特定手段により特定された景品交換価額との差額に対応した譲渡元利益、及び、基準価額特定手段により特定された貸出価額と譲渡価額特定手段により特定された譲渡価額の差額に対応した譲渡先利益のうちの少なくとも一方である譲渡利益を特定するようになる。
【0010】
報知手段は、このように特定された譲渡価額と譲渡利益とを互いに対比可能な遊技者支援情報、つまり、遊技媒体の譲渡元の遊技者が希望する数の譲渡対象遊技媒体の譲渡価額と、その譲渡が行われた場合における譲渡元遊技者側の利益及び譲渡先遊技者側の利益のうち少なくとも一方を示す譲渡利益とを把握可能な遊技者支援情報として遊技者向けに報知する。従って、遊技媒体の譲渡元の遊技者は、このように報知される遊技者支援情報に基づいて、遊技媒体の譲渡価額並びにそれぞれの利益を容易に知ることができるようになる。これにより、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を向上させることでき、以って遊技機の稼動率向上を実現可能となる。
【0011】
請求項3記載の手段によれば、上述した請求項2記載の遊技場用システムにおいて、遊技媒体数を当該遊技媒体の持ち主と対応付けた状態の獲得数として記憶可能な獲得数記憶手段が設けられており、遊技者は、自身が獲得した遊技媒体を計数手段により計数させたときに、その計数結果を、前記獲得数記憶手段に対して、当該計数対象となった遊技媒体を獲得した遊技者を持ち主とした状態の前記獲得数として記憶させることができる。また、遊技者は、上述のように記憶された獲得数の少なくとも一部を特定可能な獲得数情報を記憶した記憶媒体を発行手段から発行させることができるものであり、このように記憶媒体が発行されたときには、獲得数更新手段が、その記憶媒体に記憶された獲得数情報により示される獲得数を前記獲得数記憶手段に記憶されている獲得数から減算するようになる。従って、遊技媒体の譲渡時には、上記記憶媒体を受け渡すだけで済んで、その譲渡を容易且つ正確に行い得るようになり、遊技者を支援するシステムとしての付加価値が高まることになる。そして、遊技場用システムは、記憶媒体に記憶された獲得数情報により特定される獲得数に対応した数の遊技媒体の少なくとも一部を遊技に使用できるように払い出す再遊技手段を備えているから、遊技者は、自身の獲得遊技媒体を再遊技可能な状態で遊技場側に一時的に預けた状態にできる。
【0012】
この場合、前記発行手段は、前記獲得数情報として前記譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数(遊技者の希望譲渡数を示す)を記憶した第1記憶媒体を発行すると共に、当該第1記憶媒体の発行後において前記獲得数記憶手段に記憶されている獲得数が残存する場合に、その残存獲得数を特定可能な情報を記憶した第2記憶媒体を発行可能な構成となっている。つまり、遊技者の希望譲渡数に対応した獲得数情報のみを記憶した第1記憶媒体を発行できるようになるから、遊技媒体の譲渡を一段と正確に行い得るようになる。また、譲渡元遊技者は、再遊技手段を利用することにより、第2記憶媒体に記憶された獲得数に対応した数の遊技媒体(譲渡せずに残った遊技媒体)を、遊技場内の遊技機での再遊技に使用できるようになり、その利便性を高めることができる。
【0013】
請求項4記載の遊技場用システムによれば、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数、及び前記譲渡価額特定手段が特定した譲渡価額を含む送信文を作成する送信文作成手段が設けられており、作成された送信文は、遊技媒体の譲渡先となり得るメール送信対象者のEメールアドレスに対して送信手段により送信できるようになっている。これにより、遊技場に来店していない人に向けて遊技場への来店を促すシステムを提供可能になる。この場合、上記送信文の送信先となる人は、遊技媒体の譲渡元遊技者がEメールアドレスを把握した状態の親しい関係にあると考えられるので、遊技場から来店勧誘のためのEメールを送信する場合よりも高い勧誘効果が得られるものであり、以って集客力の向上を期待できるようになる。
【0014】
請求項5記載の遊技場用システムによれば、前記送信手段による前記送信文の送信先である譲渡先遊技者からの返信メールを受信する受信手段が設けられる。そして、前記送信文作成手段は、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数を識別可能な情報である譲渡数識別情報が含まれる第2送信文を作成するようになっており、当該第2送信文は、前記受信手段による返信メールの受信を条件として前記譲渡先遊技者のEメールアドレスへ前記送信手段により送信される。また、前記獲得数更新手段は、前記送信手段が前記第2送信文を送信した場合に、当該送信文に含まれる譲渡数識別情報により示される譲渡遊技媒体数に応じた獲得数を前記獲得数記憶手段に記憶された獲得数から減算するようになる。
【0015】
この場合、第2送信文に含まれる譲渡数識別情報は、識別情報受付手段で受け付け可能であり、識別情報処理手段は、このような受け付けが行われた場合に、当該譲渡数識別情報により示される譲渡遊技媒体数を特定可能な情報を記憶した記憶媒体を発行する処理、或いは、当該譲渡遊技媒体数のうち、少なくとも一部を遊技に使用できるように払い出す処理を行うようになる。この結果、譲渡先遊技者は、Eメールの受信及び返信操作を行うだけで、譲渡された遊技媒体を使用した遊技が可能になるものであり、これにより遊技者にとっての利便性を大幅に高め得るようになる。
【0016】
請求項6記載の遊技場用システムによれば、遊技者が遊技場側に預けた獲得数である貯媒体数を遊技者毎に管理すると共に、遊技媒体の譲渡元遊技者のEメールアドレス、及び前記送信手段による前記第2送信文の送信に応じて前記獲得数更新手段により減算される獲得数に相当した仮譲渡数を管理できる顧客管理手段が設けられる。この場合、前記送信文作成手段は、前記識別情報処理手段による処理が予め設定された期限内に実施されなかった場合に、遊技媒体の譲渡が成立しなかった旨を示す譲渡不成立送信文を作成するようになり、その譲渡不成立送信文は、遊技媒体の譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方のEメールアドレスへ前記送信手段により送信される。
【0017】
このような送信が行われた場合、前記顧客管理手段は、前記仮譲渡数を前記譲渡元遊技者に係る貯媒体数へ移行させる処理を実行するようになる。この結果、Eメールを受信した譲渡先遊技者が遊技場に来店しなかった場合、或いは来店した譲渡先遊技者が譲渡された遊技媒体を使用した再遊技を行わなかった場合であっても、遊技者間で損失が発生することがなくなり、しかも、遊技媒体の譲渡が不成立であった旨を、譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方に送信されたEメールの内容により証明できるので、遊技者間でトラブルが発生する事態を極力防止できるようになる。
【0018】
請求項7記載の遊技場用システムによれば、遊技信号受信手段が前記遊技機側から送信される遊技機の稼動状況を特定可能な遊技信号を受信した場合、譲渡抑制手段が、当該遊技信号に基づいて遊技機の稼動の有無を判定すると共に、稼動中と判定した遊技機の台数を稼動数として特定し、その稼動数が予め設定されたしきい値を超えた場合に、前記報知手段による報知動作、前記発行手段による前記第1記憶媒体の発行動作、及び前記送信手段によるEメール送信動作のうちの少なくとも1つを禁止する処理、或いは、譲渡元遊技者の譲渡益が零とならない範囲の手数料を、前記獲得数更新手段により前記獲得数記憶手段が記憶する獲得数を減算して徴収することを条件として許容する処理を行うようになる。この結果、遊技場に設置された遊技機の稼動数が相対的に多い場合に、遊技場側の損失が無闇に増大する事態を未然に防止できるようになる。また、譲渡先遊技者が、譲渡された遊技媒体を使用して再遊技を行う場合に、遊技対象の候補となる遊技機がなくなる事態を未然に防止できる。さらに、遊技媒体の譲渡時に手数料を徴収する構成とした場合において、その手数料の額が、譲渡元遊技者の譲渡利益が零とならない程度に抑制可能になるため、遊技場側の損失を極力低減しながら遊技者間での遊技媒体の譲渡を奨励できるようになり、システム自体の付加価値を向上させ得る。
【0019】
請求項8記載の手段によれば、譲渡価額の特定のために種々の演算方法を採用できるものであり、実際にシステムを構築する上で便利になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。尚、本実施例では、遊技場でのパチンコ玉(遊技媒体に相当)の貸出単価を4円、パチンコ玉を景品と交換する際の景品交換単価を2円に設定した遊技場用システムを前提としている。
図1には遊技場用システムの概略的構成が示されている。この図1において、遊技場内に多数台ずつ設置されたパチンコ遊技機1及び台間貸出機2は、互いに隣接して配置されており、図示しないが、パチンコ遊技機1の上方には周知構成の呼出ランプユニットが設けられている。
【0021】
パチンコ遊技機1は、所謂デジパチとして周知構成のものであり、パチンコ玉を使用しての遊技中において、盤面1aに設けられたスタート入賞口1bへの入賞に応じて行われる抽選機能により大当たりに当選したときに、その大当たりの内容に応じて、入賞確率を大幅に高めた大当たり状態を呈する。尚、大当たり状態となったときには、盤面1aに設置された大入賞口1cが所定期間だけ動作するものであり、これに応じて入賞率が極端に高められる構成となっている。また、盤面1aには、抽選結果の表示を含む種々の演出表示を行うため表示ユニット1dが設けられている。
【0022】
パチンコ遊技機1においては、賞球としてのパチンコ玉を上皿3へ放出するようになっており、この上皿3が満杯となったときにはオーバーフローしたパチンコ玉が下皿4内へ流入する。尚、上皿3内のパチンコ玉は、レバー3aのスライド操作によっても下皿4内へ落下させ得るようになっている。一方、下皿4にもレバー4aが設けられており、このレバー4aがスライド操作されたときには、下皿4の底部に形成された落下口(図示せず)が開放されて内部のパチンコ玉が可動玉受皿5aを備えた案内管5内に流入する構成となっている。
【0023】
パチンコ遊技機1には、これに付随してアウト玉回収装置及びセーフ玉補給装置(何れも図示せず)が設置されており、アウト玉回収装置からは、アウト玉数(打込玉数)を示すアウト信号が遊技信号として出力され、セーフ玉補給装置からは、セーフ玉数(払出玉数)を示すセーフ信号が遊技信号として出力される構成となっている。また、パチンコ遊技機1は、大当たり抽選を行ったことを示すスタート信号、大当たり状態にあることを示す大当たり信号などの遊技信号も出力するように構成されている。
【0024】
パチンコ遊技機1、台間貸出機2、図示しない呼出ランプユニットと信号の授受を行うように接続された中継装置6は、コンピュータにより構成された管理装置7(顧客管理手段、遊技信号受信手段に相当)に店内LAN8を介して接続されており、これにより管理装置7は、遊技場内の全てのパチンコ遊技機1、台間貸出機2、呼出ランプユニットとの間で各種信号及びデータの送受信を行い得るようになっている。尚、図示しないが、店内LAN8には、カード発行装置9が接続されると共に、周知構成の遊技場用端末装置(遊技者向けの種々のデータを表示するための集中情報公開端末(例えばデータロボ(登録商標))、遊技者の獲得パチンコ玉を計数するためのパチンコ玉計数機、景品交換に使用するためのPOS端末など)も接続される。
【0025】
特に、カード発行装置9は、その前面側に、2次元コード(譲渡数識別情報に相当:本実施例ではQRコード(登録商標))が近接された状態で当該2次元コードを読み取る機能を備えた読取部9a(識別情報受付手段に相当)と、持玉カード(記憶媒体に相当)を発行するための図示しないカードユニット(発行手段に相当)のためのカード排出口9bとが設けられている。尚、この持玉カードは、例えば磁気カード或いはICカードのようなデータ書き換え可能な記憶媒体により構成されたものであり、後述の説明によって明らかとなるように、持玉数を特定可能な獲得数情報に相当する情報が記憶される構成となっている。
【0026】
図示しないが、上記カード発行装置9内には、その動作制御用の処理回路ユニット(識別情報処理手段に相当)が設けられており、この処理回路ユニットは、前記読取部9aにより読み取った2次元コードの解読及び検証を行う機能、その解読結果に基づいて前記図示しないカードユニットによる持玉カードの発行処理を制御する機能などを備えた構成となっている。
【0027】
台間貸出機2は、硬貨投入口10への硬貨の投入に応じてパチンコ玉を放出する基本機能を備えたものであるが、CPU(譲渡数特定手段、基準価額特定手段、譲渡価額特定手段、譲渡利益特定手段、獲得数更新手段、送信文作成手段に相当)、RAM、ROM及びハードディスクドライブなどを含んで構成された記憶部(交換情報記憶手段、獲得数記憶手段に相当)、入出力インタフェース(送信手段、受信手段に相当)を含んで構成された制御装置(図示せず)を内蔵しており、この制御装置により本発明の要旨に関係した後述のような種々の制御を実行するようになっている。
【0028】
台間貸出機2の前面側には、前記硬貨投入口10の他に、表示領域の全面にタッチスイッチパネル(図示せず)が形成された情報表示部11(受付手段、報知手段、譲渡先受付手段に相当)、玉貸ボタン12、パチンコ玉放出用のノズル13、図示しないカード返却スイッチを備えたカード挿入スロット14、カード発行スロット15、前記案内管5の基部が連結された計数機ユニット16(計数手段に相当)が設けられている。
【0029】
この場合、ノズル13は、台間貸出機2内に設けられた玉放出機構(図示せず)と共に本発明でいう再遊技手段を構成するものであり、先端がパチンコ遊技機1の上皿3に上方から臨む通常位置(玉放出機構から放出されたパチンコ玉を上皿3内に導く位置)と、前方に回動された退避位置との間で往復回動可能に設けられており、常時においては図示しないばね手段によって通常位置へ付勢されている。
【0030】
また、計数機ユニット16は、案内管5を通じて流入するパチンコ玉を計数する玉計数機(図示せず)を内蔵しており、その計数結果、つまり遊技者がパチンコ遊技機1での遊技により獲得したパチンコ玉である持玉の数が、前記制御装置の記憶部に対して持玉数(遊技媒体の持ち主と対応付けた状態の獲得数に相当)として記憶される構成となっている。尚、案内管5は、先端側の可動玉受皿5aがパチンコ遊技機1の下皿4に形成された図示しない落下口に下方から臨む通常位置(下皿4から落下するパチンコ玉を可動玉受皿5aにより受け止める位置)と、前方に回動された退避位置との間で往復回動可能に設けられており、常時において通常位置に固定されている。
【0031】
この場合、台間貸出機2内の制御装置は、記憶部に持玉数が記憶されている状態では、玉貸ボタン12が操作される毎に所定個数(例えば、持玉数が125個以上ある場合には125個、持玉数が125個未満の場合には当該持玉数)のパチンコ玉を前記玉放出機構からノズル13を通じて放出させると共に、上記持玉数を当該放出パチンコ玉に応じた数だけ減算するという持玉払出制御を行う構成となっている。
【0032】
前記図示しないカードユニットは、台間貸出機2内における前記カード発行スロット15と対応した位置に設けられており、前記持玉カードを所定枚数だけ保管可能なカードストッカ(図示せず)を備えた構成となっている。そして、制御装置は、常時において、情報表示部11上にメインメニュー画面(図示せず)を表示すると共に、このメニュー画面上に前記図示しないタッチスイッチパネルを利用した遊技終了スイッチを形成しており、記憶部に持玉数が残存している状態で当該遊技終了スイッチがタッチ操作されたときには、その持玉数(つまり、残存獲得数)を上記獲得数情報として記憶すると共に、当該持玉カードをカード発行スロット15から排出(発行)し、記憶部中の持玉数を初期化する構成となっている。
【0033】
また、制御装置は、その記憶部に持玉数が記憶されている状態で情報表示部11を通じた後述のような持玉譲渡のためのカード発行操作が行われたときに、その操作に応じて指定された譲渡対象の持玉数を上記持玉カードに獲得数情報として記憶すると共に、当該持玉カードをカード発行スロット15から排出(発行)し、記憶部中の持玉数を持玉カードに記憶した分だけ減少させる構成となっている。
【0034】
台間貸出機2内には、カード挿入スロット14を通じて挿入された持玉カード及び会員カードにアクセス可能なリーダライタ(図示せず)が設けられている。尚、この会員カードは、遊技場の遊技会員となった人に発行されるもので、例えば磁気カード或いはICカードのようなデータ書き換え可能な記憶媒体により構成され、当該遊技会員に固有の会員IDなどが予め記憶されている。
【0035】
そして、制御装置は、カード挿入スロット14に持玉カードが挿入されたときに、その持玉カードに記憶されている獲得数情報に応じた持玉数を記憶部に記憶すると共に、持玉カードを初期化した後に前記カードストッカに回収する。このように持玉数が記憶部に記憶された状態では、玉貸ボタン12の操作に応じた前述の払出制御を実行させること可能になるから、結果的に持玉カードを利用した再遊技が可能になるものである。尚、前記POS端末は、持玉カードに記憶されている獲得数情報を読み取り可能に構成されており、その読み取り結果に基づいた景品交換を実施可能な構成とされている。
【0036】
また、制御装置は、カード挿入スロット14に会員カードが挿入されたときに、その会員カードに記憶されている会員IDを前記リーダライタにより読み取ることによりカード受付を行うと共に、当該会員IDを管理装置7へ送信することにより、管理装置7側で行われる遊技会員の個人認証や当該遊技会員に係る遊技データ提供サービス、周知の貯玉口座管理サービス、及び本発明に関係した持玉共有サービスのためのデータ管理に供するようになっている。
【0037】
上記制御装置は、カード挿入スロット14に適正な会員カードが挿入され、尚且つその会員カードに対応した貯玉口座に貯玉数(遊技者が遊技場側に預けた獲得数である貯媒体数に相当)の残高がある状態では、玉貸ボタン12が操作される毎に所定個数(例えば、貯玉数が125個以上ある場合には125個、貯玉数が125個未満の場合には当該貯玉数)のパチンコ玉を前記玉放出機構からノズル13を通じて放出させると共に、貯玉口座中の貯玉残高を当該放出パチンコ玉に応じた数だけ減算するという貯玉払出制御を行う構成となっている。尚、このような貯玉払出制御は、管理装置7側の貯玉口座に直接的にアクセスすることにより行うことも可能であるが、貯玉口座の貯玉数を持玉数として記憶部に一旦移管し、その持玉数に基づいて行う構成であっても良い。このような構成とした場合、遊技機での遊技終了時に持玉数が残ったときに、その持玉数を獲得数情報として記憶した持玉カードの発行を受ける状態、或いは持玉数を貯玉口座に戻す状態(但し、カード挿入スロット14に適正な会員カードが挿入されていることが前提となる)の何れかを遊技者側で選択できる構成とすることが望ましい。
【0038】
さて、以下においては、制御装置による制御内容のうち、本発明の要旨に直接関係した持玉共有サービスの具体例について、これに関連した構成などと共に説明する。
管理装置7は、遊技場内の全部のパチンコ遊技機1についての遊技データ(アウト玉数、セーフ玉数、差玉数、稼動率、出玉率、ベース、スタート数など)、並びに遊技場内の全部の台間貸出機2についての貸出高データ(売上金額、割数など)を集計して格納するデータベース機能や、前記貯玉口座管理サービスを含む貯玉システムなどを実現するための機能を備えたものであるが、この管理装置7には、図2に示すような遊技会員データベースが構築されており、このデータベースを持玉共有サービス及び貯玉システムに利用する構成となっている。
【0039】
図2において、遊技会員データベースは、会員IDと対応付けた状態で、遊技会員の氏名、貯玉口座の貯玉数、端末ID(会員カードを受け付けた台間貸出機2毎に固有の番号)、遊技会員のEメールアドレス(本実施例では、携帯電話機のEメールアドレスであり、以下の説明で出現するEメールアドレスも同じである)、予め登録された友人・知人などのグループメンバーの氏名及びそのEメールアドレス(図2では「グループメンバー1」、「グループメンバー2」などとして分類)、持玉の譲渡先の氏名(または譲渡先のメールアドレス)及び譲渡持玉数に対応した仮譲渡数を示す情報(図2では「仮譲渡分1」、「仮譲渡分2」などとして分類)を記憶したレコード群により構成される。
【0040】
遊技者が自身の持玉の譲渡を希望する場合には、以下のようなカード発行操作を行う。尚、この操作に伴う各部の動作は、前記制御装置により制御されることは勿論である。
即ち、台間貸出機2の情報表示部11には、その表示画像及び前記図示しないタッチスイッチパネルを利用して種々のスイッチ機能が実現されるものであり、当該情報表示部11に図示しないメインメニュー画面が表示された状態で、当該画面中に用意された「譲渡スイッチ」がタッチ操作されたときには、図3に示すような譲渡数入力画面が表示される構成となっている。
【0041】
この譲渡数入力画面には、そのタイトルa1、現在の持玉数を報知すると共に希望する譲渡数の入力を促すメッセージa2、譲渡数の入力に使用されるテンキースイッチa3及び「玉」の文字が施された確定スイッチa4、入力された譲渡数を表示するための表示欄a5(この時点では空欄)、譲渡数に対応した貸出金額(当該譲渡数に対応した数のパチンコ玉を台間貸出機2から放出させるときに必要な金額に相当)を表示するための表示欄a6(この時点では空欄)、譲渡数に対応した景品交換金額(当該譲渡数に対応した数のパチンコ玉を景品と交換する際の価額に相当)を表示するための表示欄a7(この時点では空欄)、持玉譲渡に係る情報を表示するための情報提示欄a8、キャンセルスイッチa9が表示される。尚、上記テンキースイッチa3、確定スイッチa4及びキャンセルスイッチa9に対応した各領域には、タッチパネルスイッチによるスイッチ機能が付与される。また、情報提示欄a8の具体的内容は、後述の図4に基づいて説明するが、この譲渡数入力画面の表示状態では空欄のままである。
【0042】
上記譲渡数入力画面において、譲渡元遊技者により、テンキースイッチa3及び確定スイッチa4による希望譲渡数(譲渡遊技媒体数に相当)の入力操作が行われると、その希望譲渡数が希望譲渡数情報として受け付けられる。また、制御装置が、受け付けられた希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定するようになり、これに応じて情報表示部11の表示画面を図4に示すような提示額入力画面に切り換える。尚、入力可能な希望譲渡数の最大値は、制御装置の記憶部に記憶されている持玉数に対応した値となるように制御される。また、上述のような希望譲渡数の入力操作が行われる前にキャンセルスイッチa9がタッチ操作されたときには、図示しないメインメニュー画面へ戻る。
【0043】
ここで、台間貸出機2内の制御装置を構成する記憶部には、遊技場におけるパチンコ玉の貸出単価及び景品交換単価の双方を特定可能な交換情報が記憶されている。尚、上記貸出単価及び景品交換単価は、管理装置7側で設定されるものであり、その設定情報が、台間貸出機2、カード発行装置9及び図示しないPOS端末などの遊技場用端末装置に送信され、それらにおいて上記交換情報として記憶されるものである。
【0044】
そして、制御装置は、希望譲渡数の入力操作が上述のように行われたときには、その希望譲渡数と上記交換情報とに基づいた演算により、当該希望譲渡数に対応した例えば3段階の提示額(請求項1記載の発明でいう適正な譲渡価額、請求項2記載の発明でいう推奨譲渡価額に相当)を譲渡価額として特定すると共に、希望譲渡数に相当した数のパチンコ玉を台間貸出機2から受ける場合の貸出金額(請求項2記載の発明でいう貸出価額に相当)、及び希望譲渡数に相当した数のパチンコ玉を景品と交換する場合の景品交換金額(請求項2記載の発明でいう景品交換価額に相当)を特定する構成となっている。
【0045】
ここで、上記適正譲渡価額の特定方法について説明する。
即ち、図12には、例えば2000個のパチンコ玉を譲渡する場合の提示額の例が、複数種類の貸出単価及び景品交換単価の組み合わせ、並びに、該当単価でのパチンコ玉の貸出金額及び景品交換金額に対応させた状態で示されている。尚、この図12において、「元差益」は譲渡元利益に相当し、「先差益」は譲渡先利益に相当する。また、本実施例では、貸出単価を4円、景品交換単価を2円に設定してから、図12の最上段の提示額のみを利用すれば済むが、実際には、遊技場毎或いはパチンコ遊技機の機種毎に貸出単価及び景品交換単価が種々設定されるものであるため、図12ではそれらの単価に係る複数種類の組み合わせについて提示額の例を示している。
【0046】
図12において、本実施例では、3段階の「提示額1」、「提示額2」、「提示額3」、並びにこれらに対応した譲渡利益である譲渡元利益(提示額と景品交換金額(譲渡数×景品交換単価=2000個×2円)との差額)及び譲渡先利益(貸出金額(譲渡数×貸出単価=2000個×4円)と提示額との差額)を、以下の条件で特定するようにしている。即ち、「提示額1」は、譲渡元利益(図12では元差益)及び譲渡先利益(図12では先差益)が等しくなる価額(提示額1=(貸出金額+景品交換金額)÷2)として算出し、「提示額2」は、譲渡元利益が「提示額」の1.5倍、「提示額3」は、譲渡元利益が「提示額1」の0.5倍になる価額として算出している。尚、図12の例では、譲渡元利益に10円未満の端数が出る場合には、10円単位で切り上げることにより遊技者側に有利になるように設定している。
【0047】
この場合、提示額の算出は、譲渡パチンコ玉数、貸出金額、或いは景品交換金額に所定の係数を乗算することにより行ったり、貸出金額、或いは景品交換金額に所定値を加減算することにより行ったりするなど、種々の方法が考えられる。また、提示額を特定する場合に、貸出金額よりも低く、且つ景品交換金額よりも高いことを条件の一つとしても良い。
【0048】
さらに、提示額は、貸出金額のみ、或いは景品交換金額のみに基づいて特定しても良い。この場合、台間貸出機2内の制御装置を構成する記憶部に対して、パチンコ玉の貸出単価及び景品交換単価の双方を特定できる交換情報を記憶する必要はなく、それら貸出単価及び景品交換単価のうちの一方を特定できる交換情報を記憶する構成としても良いものである。
【0049】
また、貸出単価に対する景品交換単価の割合などのような、貸出金額と景品交換金額との割合を示す交換率を前記交換情報として記憶する構成としても良い。このような構成によれば、貸出単価に交換率を乗じれば景品交換単価を特定できるようになり、また、貸出単価は、直接的に特定できなくても例えば所定金額(1000円)に対応する貸玉数(250個)を特定できれば特定可能である。また、景品交換単価を直接的に特定しなくとも、貸出金額に交換率を乗じれば景品交換金額を間接的に特定できる。即ち、交換情報は、貸出単価、或いは景品交換単価を特定できる情報であるが、遊技場用システムとしては必ずしも貸出単価や景品交換単価を特定する必要はないものである。尚、上記のように、貸出金額や景品交換金額は譲渡数に単価を乗じた値になるが、交換情報に基づいて適当な演算方法を採用すれば良い。また、提示額(譲渡価額)については、上述したどのような演算方法を用いても、結果として、貸出金額、景品交換金額、或いは貸出金額と景品交換金額の和の何れかに所定の比率を乗じた値、或いは所定数を加算した値となるため、本願の請求項8記載は、このように提示額を特定する内容を包含したものとした。
【0050】
図4の提示額入力画面には、そのタイトルb1、入力提示額の決定を促すメッセージb2、提示額の入力に使用されるテンキースイッチb3及び「円」の文字が施された確定スイッチb4、前記譲渡数入力画面で入力された希望譲渡数を表示した表示欄b5、希望譲渡数に基づいて前述のように算出した貸出金額及び景品交換金額をそれぞれ表示した表示欄b6及びb7、持玉譲渡に係る情報を表示した情報提示欄b8、この情報提示欄b8に表示された3段階の提示額の中から1つを選択するための選択スイッチb9群、希望譲渡数を記憶した持玉カードの発行の有無を確認するためのメッセージb10、「YES」の文字が施された持玉カード発行用の認証スイッチb11、キャンセルスイッチb12、希望譲渡数を再入力するときに使用する譲渡数再入力スイッチb13、「メール」の文字が施されたEメール発信用のメール送信画面選択スイッチb14が表示される。但し、メール送信画面選択スイッチb14は、カード挿入スロット14に挿入された会員カードの受付が済んでいる状態時のみ表示される。尚、上記テンキースイッチb3、確定スイッチb4、選択スイッチb9、認証スイッチb11、キャンセルスイッチb12、譲渡数再入力スイッチb13及びメール送信画面選択スイッチb14に対応した各領域には、タッチパネルスイッチによるスイッチ機能が付与される。
【0051】
ここで、上記情報提示欄b8には、前記3段階の提示額が「提示1」、「提示2」、「提示3」の各欄に表示されると共に、各提示額で希望譲渡数に応じた持玉を譲渡した場合の譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益がそれぞれ「貴方の利益」及び「相手の利益」として表示される。また、情報提示欄b8には、譲渡元遊技者が譲渡価額(請求項2記載の発明でいう提示譲渡価額に相当)を直接的に入力するための「入力提示」欄が設けられているが、この「入力提示」欄は、提示額入力画面の初期表示状態では空欄である。
要するに、提示額入力画面には、希望譲渡数、これに対応した適正な譲渡価額(提示額)、譲渡元利益及び譲渡先利益を互いに対比可能な情報を含む遊技者支援情報が、持玉の譲渡元遊技者向けに表示されるものである。
【0052】
譲渡元遊技者は、選択スイッチb9の何れかをタッチ操作することにより、情報提示欄b8の「提示1」、「提示2」、「提示3」欄に表示された3段階の提示額(譲渡価額)の中から任意のものを選ぶことができるものであり、このような選択操作が行われたときには、選択された提示額、譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益が、情報提示欄b8の「入力提示」欄に表示される。また、譲渡元遊技者が、上記3段階の提示額と異なる譲渡価額を提示する場合には、その提示譲渡価額をテンキースイッチb3により入力した後に確定スイッチb4をタッチ操作する。すると、入力された提示譲渡価額で並びにこれに対応する譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益が、「入力提示」欄に表示されるようになる。
【0053】
情報提示欄b8の「入力提示」欄に提示額などが表示された状態で、認証スイッチb11がタッチ操作されると、制御装置は、当該「入力提示」欄に表示されている提示額に対応した数の持玉数を記憶した持玉カードをカード発行スロット15から発行すると共に、その制御装置の記憶部に記憶されている持玉数から、上記持玉カードに記憶した持玉数相当分だけ減算する。このようなカード発行操作に応じて発行された持玉カードは、遊技場内の他の遊技者に直接的に持玉を譲渡する際に利用できるものであり、この場合には、パチンコ玉自体を持ち運ぶ必要がなくなるから、双方の遊技者にとって便利になる。
【0054】
尚、認証スイッチb11の操作に応じた持玉カードの発行前に譲渡数再入力スイッチb13が操作されたときには、既入力されている希望譲渡数がリセットされると共に、図3の譲渡数入力画面を表示した状態に戻る。また、認証スイッチb11の操作に応じた持玉カードの発行前にキャンセルスイッチb12がタッチ操作されたときには、図示しないメインメニュー画面へ戻る。
【0055】
一方、情報提示欄b8の「入力提示」欄に提示額などが表示された状態で、メール送信画面選択スイッチb14がタッチ操作されたときには、情報表示部11に図5に示すようなメール送信画面が表示される。このメール送信画面には、そのタイトルc1、前記譲渡数入力画面で入力された希望譲渡数を表示した表示欄c2、前記提示額入力画面で選択された提示額(情報提示欄b8の「入力提示」欄に表示された提示額)を表示した表示欄c3、持玉譲渡に係る情報を提示額入力画面と同様に表示した情報提示欄c4、メール送信先(メール送信対象者に相当)の選択を促すメッセージc5、送信可能人数を表示するための人数表示欄c6、前述したグループメンバー(図2参照:「グループメンバー1」、「グループメンバー2」、「グループメンバー3」がそれぞれ友人A、B、Cに相当)をEメールの送信先として選択するための選択スイッチc7群、送信先メールアドレスを直接入力するモードを選択するための直接入力スイッチc8、選択或いは入力されたメール送信先の人数を送信対象者として表示すると共に、メールを受信した人全員が持玉の譲渡を受託したときに必要となる持玉数の合計を譲渡玉合計として表示するための情報表示欄c9、譲渡メール(持玉の譲渡を案内するためのメールであり、請求項4記載の発明でいう送信文に相当)の送信の有無を確認するためのメッセージc10、「YES」の文字が施された送信スイッチc11、「戻る」の文字が施されたやり直しスイッチc12が表示される。尚、上記選択スイッチc7、直接入力スイッチc8、送信スイッチc11、やり直しスイッチc12、譲渡数再入力スイッチb13及びメール送信画面選択スイッチb14に対応した各領域には、タッチパネルスイッチによるスイッチ機能が付与される。
【0056】
この場合、人数表示欄c6に表示される送信可能人数は、譲渡元遊技者の持玉数と希望譲渡数とに基づいて決まること(つまり、送信可能人数×希望譲渡数≦持玉数であることが条件)になるが、最大人数は例えば4人(グループメンバー3人と送信先メールアドレスを直接入力した1人)に設定されている。また、選択スイッチc7は、その操作により譲渡メールの送信先が選択されたときに、当該送信先が選択済みである旨を表示するために反転表示状態(図5に網掛けにより例示)とされる。
【0057】
図示しないが、情報表示部11には、直接入力スイッチc8がタッチ操作されたときに、英数文字を入力可能なキーボードを表示したメールアドレス入力画面が表示されるものであり、この画面でメールアドレスの入力が完了したときには、図5のメール送信画面を表示した状態に戻ると共に、当該直接入力スイッチc8を反転表示状態(図5に網掛けにより例示)とするものである。
【0058】
そして、情報表示欄c9には、選択スイッチc7により選択されたメール送信先及び上記メールアドレス入力画面を通じて入力されたメール送信先の合計人数(図5の例では2人)が送信対象者数として表示されると共に、これらの送信対処者にパチンコ玉を譲渡する場合に必要となる持玉数の合計(図5の例では4000個)が表示されるものである。
【0059】
このようなメール送信対象者の選択或いは入力状態から、送信スイッチc11がタッチ操作されたときには、制御装置は、予め設定された雛形の文章データ、図2に示した遊技会員データベースを参照して得られるメール送信対象者及び譲渡元遊技者(会員カードが受け付け済みの遊技会員)に係るデータ、希望譲渡数及び既決定の入力提示額を示すデータなどに基づいて譲渡メールを作成し、この譲渡メールを当該メール送信対象者に向けて送信する処理を行う。具体的には、この譲渡メールは、例えば図6に示すように、現在遊技中の遊技場名や希望譲渡数及びその譲渡価額などを含んだ内容とされる。但し、図6は「友人A」宛ての例で、「aaa」は譲渡元遊技者の名前、「P」は遊技場の固有名称である。
【0060】
要するに、持玉の譲渡元遊技者に係る希望譲渡数、これに対応した適正譲渡価額、及び持玉の譲渡先利益を互いに対比可能な情報を含む遊技者支援情報が、譲渡メールを通じて譲渡先遊技者向けに表示されるものである。
【0061】
また、送信スイッチc11が操作されることなく、やり直しスイッチc12がタッチ操作されたときには、図4の提示額入力画面を表示した状態に戻る。
上述のように送信された譲渡メールの受信者からの返信メールを受信した場合には、情報表示部11に図7に示すようなメール受信画面が表示される。このメール受信画面には、そのタイトルd1、返信されたメールの内容d2、送信メール中の希望譲渡数及び提示額をそれぞれ表示した表示欄d3及びd4、譲渡確定メール(持玉の譲渡を確定させるためのメールであり、請求項5記載の発明でいう第2送信文に相当)を送信するか否かを確認するためのメッセージd5、「YES」の文字が施された譲渡確定メール送信スイッチd6、「譲渡を断る」の文字が施された譲渡拒否メール送信スイッチd7、「返信しない」の文字が施された無返信スイッチd8が表示される。尚、上記譲渡確定メール送信スイッチd6、譲渡拒否メール送信スイッチd7及び無返信スイッチd8に対応した各領域には、タッチパネルスイッチによるスイッチ機能が付与される。
【0062】
このメール受信画面の表示状態で譲渡確定メール送信スイッチd6がタッチ操作されたときには、制御装置は、例えば図8のような内容の譲渡確定メールを作成し、これを返信メールの送信元へ再返信する。具体的には、この譲渡確定メールには、希望譲渡数及び固有の暗号コードなどを識別可能な情報である2次元コード(QRコード:登録商標)が画像データとして付加されると共に、その2次元コードの利用案内や希望譲渡数及び譲渡金額を知らせるためのメール本文が含まれることになる。
【0063】
また、制御装置は、このように譲渡確定メールを送信した場合には、記憶部に記憶されている持玉数から、当該メールに含まれる2次元コードにより示される希望譲渡数に応じた数だけ減算すると共に、メール送信元及びメール送信先を特定可能な情報及び希望譲渡数を含むメール送信済み信号を管理装置7へ送信する。このようなメール送信済み信号を受信した管理装置7では、遊技会員データベース(図2参照)中における該当遊技会員(メール送信元である譲渡元遊技者)に係るレコードにアクセスし、そのレコードの仮譲渡数を示す情報中に、当該信号に含まれるメール送信先(持玉の譲渡先)及び譲渡持玉数を更新記憶する処理を実行する構成となっている。
【0064】
このような譲渡確定メールの受信者(譲渡先遊技者)は、遊技場に来店したときに、自身の携帯電話機に対し譲渡確定メール中の2次元コードを表示させた状態とし、その2次元コードをカード発行装置9の読取部9aに読み取らせるというカード発行操作を行う。すると、カード発行装置9内の図示しない処理回路ユニットが、読取部9aにより読み取った2次元コードの解読及び検証を行うと共に、その2次元コードにより示される希望譲渡数を持玉数として記憶した持玉カードの発行処理を行うようになる。これにより、当該譲渡先遊技者は、発行された持玉カードを台間貸出機2のカード挿入スロット14へ挿入することにより、持玉カードに記憶されている獲得数情報により示される持玉数の範囲内でパチンコ玉の貸出を受けることが可能になる。尚、このようにして持玉が譲渡された譲渡先遊技者は、その対価(譲渡確定メール中に記されている譲渡金額)を適宜機会に譲渡元遊技者に支払うことになる。また、持玉の譲渡が成立し、持玉カードを発行した場合には、遊技会員データベース(図2参照)の「仮譲渡分」欄の該当データ(仮譲渡数)が初期化される。
【0065】
一方、図7のメール受信画面の表示状態で、譲渡拒否メール送信スイッチd7がタッチ操作されたときには、制御装置は、持玉の譲渡を断る内容の送信文を作成し、これを返信メールの送信元へ再返信する。
【0066】
また、前記譲渡確定メールの受信者である譲渡先遊技者が遊技場に来店する前に、譲渡元遊技者が台間貸出機2から会員カードを排出させた場合や、図示しない退店スイッチ(このスイッチは、例えば情報表示部11を利用して設定される)を操作した場合など、所定の退店条件が成立した場合には、制御装置は、例えば図9のような内容の退店メールを作成し、これを返信メールの送信元である譲渡先遊技者へ再返信する。具体的には、この退店メールには、譲渡元遊技者が退店する旨のメッセージ並びに譲渡確定メール中の2次元コードの有効期間を案内するメッセージなどが含まれることになる。
【0067】
そして、譲渡確定メールの発信者である譲渡元遊技者が遊技場を退店した後に、譲渡先遊技者が来店し、譲渡確定メール中の2次元コードに基づいた持玉カードの発行処理が行われた場合(携帯電話機に表示させた譲渡確定メール中の2次元コードをカード発行装置9の読取部9aに読み取らせた場合)には、制御装置は、例えば図10のような内容の来店メールを作成し、これを遊技場(管理装置7)側から譲渡元遊技者のEメールアドレス(携帯電話機)へ送信する。具体的には、この来店メールには、来店した譲渡先遊技者に対して持玉カードを発行した旨のメッセージ並びに譲渡金額を知らせる内容のメッセージなどが含まれることになる。
【0068】
尚、譲渡元遊技者が遊技場内で遊技している状態(但し、自身の会員カードを台間貸出機2のカード挿入スロット14へ挿入している状態)時に、譲渡先遊技者が来店して持玉カードの発行処理が前述のように行われた場合には、制御装置は、当該譲渡元遊技者が遊技中のパチンコ遊技機1に対応した台間貸出機2に対し上記来店メールを送信する処理を行うものであり、その来店メールは、譲渡元遊技者が遊技中のパチンコ遊技機1に対応した台間貸出機2の情報表示部11において表示される。この場合、譲渡先遊技者が来店し、その持玉カードを台間貸出機2で使用したときには、対応する遊技機の台番号を特定可能なメールを再送信しても良い。
【0069】
さらに、譲渡確定メールの受信者である譲渡先遊技者が、遊技場の閉店までに来店しなかった場合(来店したとしてもカード発行装置9で持玉カードの発行を受けなかった状態も含む概念である)には、制御装置は、例えば図11のような内容の貯玉メール(請求項5記載の発明でいう譲渡不成立送信文に相当)を作成し、この貯玉メールを遊技場(管理装置7)側から譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方のEメールアドレスへ送信する。この貯玉メールには、例えば、譲渡先遊技者が来店しなかったので譲渡が不成立になった旨を知らせるメッセージ、並びに譲渡予定だった持玉数を貯玉口座へ貯玉した旨を知らせる内容のメッセージなどが含まれる。
【0070】
尚、制御装置は、貯玉メールの送信と同時に、譲渡が不成立となった譲渡先遊技者を特定可能な情報を含む譲渡不成立信号を管理装置7へ送信する。このような譲渡不成立信号を受信した管理装置7では、遊技会員データベース(図2参照)中の仮譲渡数を示す情報のうち、当該譲渡不成立信号により示される譲渡先遊技者に該当した仮譲渡数を示す情報を初期化すると共に、その仮譲渡数を前記譲渡元遊技者に係る貯玉数へ移行させる処理を実行する構成となっている。
【0071】
ここで、前述した持玉譲渡のためのカード発行操作に応じて排出される持玉カード(持玉譲渡に係る提示額に対応した持玉数が獲得数情報として記憶されたもの)が請求項3記載の発明でいう第1記憶媒体に相当し、また、前述のように遊技終了スイッチのタッチ操作に応じて発行される持玉カード(遊技終了時において記憶部に残存していた持玉数を獲得数情報として記憶したもの)が請求項3記載の発明でいう第2記憶媒体に相当することになる。尚、遊技終了スイッチのタッチ操作時において、カード挿入スロット14に適正な会員カードが挿入された状態にあるときに、持玉カードを発行せずに、記憶部中の残存持玉数を当該会員カードに係る貯玉口座へ預け入れる構成とした場合には、会員カードが上記第2記憶媒体に相当することになる。
【0072】
要するに、上記した本実施例の構成によれば、以下に述べるような作用・効果を奏するものである。
即ち、遊技者が、パチンコ遊技機1での遊技により獲得したパチンコ玉を他の遊技者に譲渡することを希望する場合には、台間貸出機2の情報表示部11に表示される譲渡数入力画面(図3参照)を通じて任意の数のパチンコ玉に対応した希望譲渡数を入力する。すると、その希望譲渡数と予め設定された交換情報(貸出単価及び景品交換単価の双方を特定可能な情報)とに基づいた演算により、当該希望譲渡数に対応した3段階の適正な範囲(譲渡元遊技者にとって損にならない範囲)の提示額が譲渡価額として算出され、それらの提示額、希望譲渡数に相当した数のパチンコ玉を台間貸出機2から受ける場合の貸出金額、及び希望譲渡数に相当した数のパチンコ玉を景品と交換する場合の景品交換金額を対比可能な状態で含む遊技者支援情報が、情報表示部11に提示額入力画面(図4参照)に表示されるようになる。従って、パチンコ玉の譲渡元遊技者は、このように報知される遊技者支援情報に基づいて、パチンコ玉の適正な譲渡価額を容易に知ることができるようになる。特に、景品交換単価を短期間で変更する営業方針を持った遊技場、貸出単価及び景品交換単価が複数種類設定されている遊技場、或いは遊技者が始めて来店した遊技場などのように、交換率(貸出金額と景品交換金額との割合を示す)を明確に把握できない状況下にある場合でも、遊技者側で上記適正な譲渡価額を正確に把握できるようになる。これにより、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を向上させることでき、以ってパチンコ遊技機1の稼動率向上を実現可能となる。
【0073】
この場合、上記提示額入力画面に表示される遊技者支援情報には、希望譲渡数に応じた数のパチンコ玉を前記3段階の提示額でそれぞれ譲渡した場合における譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益を示す情報も含まれるようになる。従って、パチンコ玉の譲渡元の遊技者は、このように報知される遊技者支援情報に基づいて、希望する数のパチンコ玉の譲渡価額、並びに自身の利益及び譲渡先の遊技者の利益を容易に知ることができるようになる。これにより、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を一段と向上させることでき、以って遊技機の稼動率向上を実現可能となる。
【0074】
各台間貸出機2には、対応するパチンコ遊技機1の遊技者が獲得したパチンコ玉を計数するための計数機ユニット16、その計数結果を持玉数として記憶する記憶部、及び再遊技手段(図示しない玉放出機構及びノズル13)が設けられている。また、台間貸出機2には、記憶部に記憶された持玉数に基づいて所定個数ずつのパチンコ玉を前記再遊技手段により放出するという玉払出制御機能、並びに、記憶部に記憶された持玉数の範囲内の希望譲渡数を再遊技可能な獲得数情報として記憶した持玉カードを発行するカード発行操作を受け付ける機能が付与されている。
【0075】
このため、パチンコ玉の譲渡時には、上記持玉カードを受け渡すだけで済んで、その譲渡を容易且つ正確に行い得るようになり、遊技者を支援するシステムとしての付加価値が高まることになる。また、希望譲渡数に対応した獲得数情報を記憶した持玉譲渡用の持玉カードと、この持玉カードの発行後において前記記憶部内に残存した持玉数に対応した獲得数情報を記憶した第2の持玉カードとが発行される構成となっているから、パチンコ玉の譲渡をより正確に行い得るようになる。また、譲渡元遊技者は、再遊技手段を利用することにより、第2の持玉カードに記憶された獲得数情報により示される数のパチンコ玉(譲渡せずに残ったパチンコ玉)を、遊技場内のパチンコ遊技機1での再遊技に使用できるようになり、その利便性を高めることができる。
【0076】
情報表示部11には、Eメールの送信先を選択するための操作画面を前記遊技者支援情報などと共に表示したメール送信画面(図5参照)が表示されるようになっており、この画面上でメール送信操作を行うことにより、知人などに向けて、現在遊技中の遊技場名や希望譲渡数及びその譲渡価額などを含んだ内容の譲渡メールを送信できるようになっている。これにより、遊技場に来店していない人に向けて遊技場への来店を促すシステムを提供可能になる。この場合、上記譲渡メールの送信先となる人は、パチンコ玉の譲渡元遊技者がEメールアドレスを把握した状態の親しい関係にあると考えられるので、遊技場から来店勧誘のためのEメールを送信する場合よりも高い勧誘効果が得られるものであり、以って集客力の向上を期待できるようになる。
【0077】
また、情報表示部11には、上記譲渡メールの送信先である譲渡先遊技者から受信した返信メールの内容を遊技者支援情報(譲渡数、提示額)などと共に表示したメール受信画面(図7参照)が表示されるようになっており、この画面上でメール送信操作を行うことにより、上記譲渡先遊技者に向けてパチンコ玉の譲渡を確定させるための譲渡確定メールを送信できるようになっている。この譲渡確定メールには、希望譲渡数を識別可能な情報である2次元コードが画像データとして付加されており、当該メールの受信者(譲渡先遊技者)は、遊技場に来店したときに、自身の携帯電話機に対し譲渡確定メール中の2次元コードを表示させた状態とした上で、その2次元コードをカード発行装置9の読取部9aに読み取らせるというカード発行操作を行うことにより、希望譲渡数を持玉数として記憶した持玉カードの発行を受けることができる。
【0078】
尚、譲渡確定メールを送信した場合には、記憶部に記憶されている持玉数が、当該メールに含まれる2次元コードにより示される希望譲渡数に応じた数だけ減算されることになる。そして、当該譲渡先遊技者は、発行された持玉カードを台間貸出機2のカード挿入スロット14へ挿入することにより、持玉カードに記憶されている獲得数情報により示される持玉数の範囲内でパチンコ玉の貸出を受けることが可能になる。つまり、譲渡先遊技者は、Eメールの受信及び返信操作などを行うだけで、譲渡されたパチンコ玉を使用した遊技が可能になるものであり、これにより遊技者にとっての利便性を大幅に高め得るようになる。
【0079】
本実施例では、所謂貯玉システムを採用しており、管理装置7は、パチンコ玉の譲渡元遊技者のEメールアドレスを管理すると共に、前記譲渡確定メールの送信に応じて前記記憶部から減算された持玉数(希望譲渡数)を仮譲渡数として管理するようになっている。この場合、前記カード発行装置9によるカード発行処理が予め設定された期限内(遊技場の閉店まで)に実施されなかった場合に、パチンコ玉の譲渡が成立しなかった旨を示す貯玉メール(図11参照)が、譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方のEメールアドレスへ送信される。このような送信が行われた場合、前記管理装置7は、前記仮譲渡数を譲渡元遊技者に係る貯玉口座へ移行させる処理を実行するようになる。
【0080】
この結果、Eメールを受信した譲渡先遊技者が遊技場に来店しなかった場合、或いは来店した譲渡先遊技者が譲渡されたパチンコ玉を使用した再遊技を行わなかった場合であっても、遊技者間で損失が発生することがなくなり、しかも、パチンコ玉の譲渡が不成立であった旨を、譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方に送信されたEメールの内容により証明できるので、遊技者間でトラブルが発生する事態を極力防止できるようになる。
また、上記実施例中に説明したように、提示額(譲渡価額)の特定のために種々の演算方法を採用できるから、実際にシステムを構築する上で便利になる。
【0081】
(その他の実施の形態)
本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えば以下に述べるような変形或いは拡大が可能である。
【0082】
会員カードを利用した貯玉システムを採用したが、本発明は、特に会員カードを利用するシステムが前提となるものではない。
パチンコ遊技機1毎にパチンコ玉を計数するための計数機ユニット16を設けた所謂台毎計数システムを前提としたが、これに限られるものではない。例えば、複数台のパチンコ遊技機1が並べられた島の端に設置された計数機にてパチンコ玉数を計数したときに、当該計数機での操作入力により受け付けた譲渡玉数について、譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益や譲渡額などの持玉共有情報を印字したレシートを記憶媒体として発行する構成としても良い。この場合、「パチンコ玉の計数値≠譲渡玉数」の関係にあった場合には、譲渡玉数分の持玉共有情報を印字したレシートと、残りの計数値に対応したパチンコ玉数分の情報を印字したレシートとを区別して発行する構成とすることが望ましい。勿論、台毎計数システムを採用した本実施例においても、上述のような持玉共有情報を印字したレシートを発行する構成としても良い。
【0083】
遊技場が持玉の譲渡を認める目的は、遊技機の稼動率を向上させることにあるので、本実施例の場合、管理装置7において、パチンコ遊技機1側から受信した遊技信号(例えばアウト信号)に基づいてパチンコ遊技機1の稼動の有無を判定すると共に、稼動中と判定したパチンコ遊技機1の台数を稼動数として特定し、その稼動数が予め設定されたしきい値を超えた場合に、情報表示部11による報知動作(譲渡数入力画面(図3参照)や提示額入力画面(図4参照)の表示動作)、譲渡対象の持玉数を記憶した持玉カードの発行動作、及び譲渡メールの送信動作の少なくとも1つを禁止する処理を行う構成としても良い。
【0084】
また、譲渡対象の持玉数を記憶した持玉カードの発行を、譲渡元遊技者の譲渡益が零とならない範囲の手数料を徴収することを条件として許容する構成、具体的には、例えば、台間貸出機2側の記憶部に記憶されている持玉数から手数料を減算(例えば、譲渡元及び譲渡先遊技者の合計利益が4000円である場合に、2000円分を減算)して徴収することを条件として許容する構成としても良い。このような構成とした場合、その手数料の額が、譲渡元遊技者の譲渡利益が零とならない程度に抑制可能になるため、遊技場側の損失を極力低減しながら遊技者間でのパチンコ玉の譲渡を奨励できるようになり、システム自体の付加価値の向上を期待できる。尚、この場合には、管理装置7が、請求項7記載の発明でいう遊技信号受信手段及び譲渡抑制手段としての機能を果たすことになる。このような構成によれば、遊技場に設置されたパチンコ遊技機1の稼動数が相対的に多い場合に、遊技場側の損失が無闇に増大する事態を未然に防止できるようになる。また、譲渡先遊技者が、譲渡されたパチンコ玉を使用して再遊技を行う場合に、遊技対象の候補となるパチンコ遊技機1がなくなる事態を未然に防止できる。
【0085】
上記実施例では、パチンコ玉の貸出単価及び景品交換単価をそれぞれ4円及び2円の単一レートに設定した遊技場用システムを前提としたが、同一の遊技場内で複数段階の貸出単価及び景品交換単価を設定したシステムにも適用できる。尚、この場合には、単価が異なるパチンコ玉毎に再遊技可能なパチンコ遊技機の範囲が限定されることになるの、持玉カードや譲渡メール及び譲渡確定メールなどに遊技可能なパチンコ遊技機を指定する情報を付加することにより、遊技者側の便宜を図る構成としても良い。
【0086】
上記実施例では、持玉数を特定可能な獲得数情報を持玉カードに直接的に記憶する構成としたが、持玉カードには固有のカードIDのみを記憶し、獲得数情報の記憶及びこれに基づいたパチンコ玉の払出に係る処理及び管理を、管理装置7側で当該カードIDと対応付けた状態で行う構成としても良い。
【0087】
獲得数情報(持玉数)を記憶する記憶媒体として持玉カードを利用する構成としたが、携帯電話機のような携帯端末を記憶媒体として利用しても良い。また、指紋、掌紋や虹彩などの遊技者の生体情報を管理装置7側に事前に登録しておき、その生体情報を利用した生体認証に基づいて実施例同様の持玉共有サービスを行う構成としても良い。
【0088】
店内LAN8に接続された図示しない呼出ランプユニットや中継装置6などの端末装置に、CPUなどを含んで構成された制御回路を内蔵し、管理装置7での処理を、これら呼出ランプユニット、中継装置や台間貸出機2にて行う構成としても良い。また、管理装置7側で行う処理の一部(外部へのメール送信処理など)を台間貸出機2内の図示しない制御装置で行う構成としても良い。勿論、台間貸出機2における処理の一部(送信文作成手段に関わる構成など)を、管理装置7や、中継装置6などに行わせても良い。
【0089】
パチンコ遊技機1毎に再遊技手段(台間貸出機2内の図示しない玉放出機構及びノズル13)を設ける構成としたが、島端などに設けられる所謂島端再プレイ機などを再遊技手段としても良い。また、持玉の譲渡を行う際に持玉カードを介在させるシステム構成としたが、持玉数を示すデータを台間貸出機2間で移動(送受信)することにより持玉の譲渡を行うようにしても良い。
【0090】
台間貸出機2に対して、カード発行装置9に備えられている2次元コード用の読取部9aと同様の読取部を識別情報受付手段として設け、この読取部により譲渡確定メール(図8参照)中の2次元コードを読み取ったときに、その解読及び検証を行った上で、当該2次元コードにより示される希望譲渡数を台間貸出機2内の記憶部に持玉数として記憶(加算)すると共に、上記2次元コードの無効化処理(再使用を不許可とする処理)を行う構成としても良い。
【0091】
持玉数や貯玉数の基づいた再遊技の際に、暗証番号の入力などのような個人認証が必要となるシステム構成としても良い。また、パチンコ遊技機に限らず、遊技媒体としてコインを使用するスロットマシンを備えた遊技場用システムにも適用できることは勿論であり、この場合には、持玉カードに対して獲得遊技媒体数を記憶する際に、その遊技媒体の種類(パチンコ玉またはコイン)を特定できる情報も記憶することになる。また、情報表示部11に表示する譲渡数入力画面や提示額入力画面などの情報提示画面、並びに譲渡メールや譲渡確定メールなどにも譲渡対象の遊技媒体を特定できる情報を含ませることになる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施例を示す遊技場用システムの全体構成図
【図2】遊技会員データベースのフォーマット例を示す図
【図3】譲渡数入力画面の表示例を示す図
【図4】提示額入力画面の表示例を示す図
【図5】メール送信画面の表示例を示す図
【図6】譲渡メールの内容例を示す図
【図7】メール受信画面の表示例を示す図
【図8】譲渡確定メールの内容例を示す図
【図9】退店メールの内容例を示す図
【図10】来店メールの内容例を示す図
【図11】貯玉メールの内容例を示す図
【図12】パチンコ玉を譲渡する場合の提示額の例を示す図
【符号の説明】
【0093】
1はパチンコ遊技機、2は台間貸出機、7は管理装置(顧客管理手段、遊技信号受信手段)、9はカード発行装置、9aは読取部(識別情報受付手段)、11は情報表示部(受付手段、報知手段、譲渡先受付手段)、13はノズル(再遊技手段)、14はカード挿入スロット、15はカード発行スロット、16は計数機ユニット(計数手段)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が獲得した遊技媒体を複数の遊技者同士で自由に共有できるようにした遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機やスロットマシンを設置した遊技場では、遊技者が獲得した遊技媒体である例えばパチンコ玉(持玉)を他の遊技者に譲渡することを認めていないのが一般的であったが、近年では、遊技場での遊技に対する興趣の増大及びこれに伴う集客力の向上を図るために、遊技者同士で持玉を自由に共有(貸し借り)できるようにし、以って複数の知り合い同士で遊技を楽しめるという持玉共有サービスを提供する遊技場が多くなってきている。このような持玉共有サービスを行うために、今日では、例えば、遊技機において遊技媒体を払い出さずに遊技媒体データ(クレジット)に変換する構成とした上で、譲渡元の遊技機で獲得した遊技媒体数データの一部を、譲渡先の遊技機に管理装置を介して送信することで、譲渡先の遊技機において当該譲渡された遊技媒体数データを使用しての遊技を可能にしたシステムが考えられている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−141524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
持玉共有サービスを行う意義は以下の通りである。即ち、遊技場では、所謂出玉が多い場合ほど集客力が上がるという傾向があるため出玉率を高めに設定しており、このような状態に対応するために、一般的に、遊技媒体を景品と交換するときの単価(景品交換単価)の方が、その貸出単価よりも低くなるように設定される。これにより、遊技者が獲得した持玉は、景品交換に供すると価値が下がるものであり、例えば、持玉を一旦景品交換して換金した後に、遊技媒体貸出機から新たに遊技媒体を借り受けて遊技を行うよりも、そのまま遊技を継続した方が遊技者にとって有利になる。このため、持玉がない遊技者は、遊技媒体貸出機から遊技媒体を借り受けるよりも、他の遊技者の持玉を貸出単価より低い単価で譲り受けた方が有利になり、また、持玉の譲渡元の遊技者も、その持玉を景品交換単価より高い単価で譲渡できるのであれば有利になる。このような遊技者同士間での持玉譲渡を許容した場合、一見したところ遊技場にとって不利益になるようでも、遊技者側の支持が得られて、集客力の向上ひいては遊技機の稼動率の向上を期待できるようになる。これにより、持玉共有サービスは、総合的に見た場合、遊技場の営業にとってプラスに働くと考えられている。
【0004】
ところで、持玉を共有可能とした場合、その共有は、通常において、夫婦や親子或いは友人などのように互いに面識がある遊技者間で行われることになるため、持玉の譲渡時に対価を支払うことが想定されておらず、対価を支払うとしても、その精算は、例えば遊技終了後において景品交換が済んだ後に、遊技結果を踏まえた状態で実施されるものと考えられる。
【0005】
一方、最近では、持玉を有した遊技者に対して、他の遊技者が持玉の譲渡を直接的に申し込むケース、つまり互いに面識がない遊技者間で持玉の譲渡を行うケースも多々見受けられる。このようなケースでは、持玉の譲渡時点で対価の支払いを行う必要が出てくるが、実際には、遊技媒体の景品交換単価が、遊技場毎に相違すると共に遊技機の機種によっても相違するという事情があるため、持玉の譲渡価額が適正であるか否かを、持玉の譲渡元及び譲渡先の双方とも判断し辛いものであり、このため、持玉の譲渡に関して遊技者側の利便性向上に繋がる何らかの支援が必要と考えられる。これに対して、特許文献1に見られるような従来のシステムでは、持玉の譲渡価額が適正であるか否かを遊技者側で容易に判断できないため、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を十分に高めることが困難になるものであり、結果的に、集客力の向上に伴う遊技機の稼動率向上という観点からは、所期の目的を十分に達成できないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を向上させることできて、遊技機の稼動率向上を実現可能となる遊技場用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の遊技場用システムによれば、遊技者が、その獲得遊技媒体を他の遊技者に譲渡することを希望する場合には、受付手段を通じて任意の数の遊技媒体に対応した希望譲渡数を希望譲渡数情報として受け付けてもらう。このような受付が行われると、譲渡数特定手段が、上記希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定するようになる。交換情報記憶手段には、遊技場における遊技媒体の貸出単価及び景品交換単価のうち、少なくとも一方を特定可能な交換情報が記憶されており、譲渡価額特定手段は、上述のように譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数と上記交換情報記憶手段に記憶されている交換情報とに基づいた演算により、当該譲渡遊技媒体数に相当した数の遊技媒体を遊技場側から貸出を受ける場合の貸出価額よりも低く、且つ当該譲渡遊技媒体数に相当した数の遊技媒体を景品と交換する場合の景品交換価額よりも高い価額となる譲渡価額を特定するようになる。
【0008】
報知手段は、このように特定された譲渡価額と前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数とを互いに対比可能な遊技者支援情報、つまり、遊技媒体の譲渡元の遊技者が希望する譲渡対象遊技媒体の数と、当該遊技媒体の適正な譲渡価額とを把握可能な遊技者支援情報として遊技者向けに報知する。従って、遊技媒体の譲渡元の遊技者は、このように報知される遊技者支援情報に基づいて、遊技媒体の適正な譲渡価額を容易に知ることができるようになる。これにより、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を向上させることでき、以って遊技機の稼動率向上を実現可能となる。
【0009】
請求項2記載の遊技場用システムによれば、遊技者が、その獲得遊技媒体を他の遊技者に譲渡することを希望する場合には、受付手段を通じて任意の数の遊技媒体に対応した希望譲渡数を希望譲渡数情報として受け付けてもらう。このような受付が行われると、譲渡数特定手段が、上記希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定するようになる。交換情報記憶手段には、遊技場における遊技媒体の貸出単価及び景品交換単価のうち、少なくとも一方を特定可能な交換情報が記憶されており、基準価額特定手段は、上述のように譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数と上記交換情報記憶手段に記憶されている交換情報とに基づいた演算により、当該譲渡遊技媒体数に対応した貸出価額及び景品交換価額のうちの少なくとも一方を特定するようになる。また、譲渡価額特定手段は、前記譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段に記憶されている交換情報とに基づいた演算により特定される推奨譲渡価額、及び遊技者の操作入力により基づいて特定される提示譲渡価額の少なくとも一方を譲渡価額として特定するようになる。さらに、譲渡利益特定手段は、譲渡価額特定手段により特定された譲渡価額と前記基準価額特定手段により特定された景品交換価額との差額に対応した譲渡元利益、及び、基準価額特定手段により特定された貸出価額と譲渡価額特定手段により特定された譲渡価額の差額に対応した譲渡先利益のうちの少なくとも一方である譲渡利益を特定するようになる。
【0010】
報知手段は、このように特定された譲渡価額と譲渡利益とを互いに対比可能な遊技者支援情報、つまり、遊技媒体の譲渡元の遊技者が希望する数の譲渡対象遊技媒体の譲渡価額と、その譲渡が行われた場合における譲渡元遊技者側の利益及び譲渡先遊技者側の利益のうち少なくとも一方を示す譲渡利益とを把握可能な遊技者支援情報として遊技者向けに報知する。従って、遊技媒体の譲渡元の遊技者は、このように報知される遊技者支援情報に基づいて、遊技媒体の譲渡価額並びにそれぞれの利益を容易に知ることができるようになる。これにより、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を向上させることでき、以って遊技機の稼動率向上を実現可能となる。
【0011】
請求項3記載の手段によれば、上述した請求項2記載の遊技場用システムにおいて、遊技媒体数を当該遊技媒体の持ち主と対応付けた状態の獲得数として記憶可能な獲得数記憶手段が設けられており、遊技者は、自身が獲得した遊技媒体を計数手段により計数させたときに、その計数結果を、前記獲得数記憶手段に対して、当該計数対象となった遊技媒体を獲得した遊技者を持ち主とした状態の前記獲得数として記憶させることができる。また、遊技者は、上述のように記憶された獲得数の少なくとも一部を特定可能な獲得数情報を記憶した記憶媒体を発行手段から発行させることができるものであり、このように記憶媒体が発行されたときには、獲得数更新手段が、その記憶媒体に記憶された獲得数情報により示される獲得数を前記獲得数記憶手段に記憶されている獲得数から減算するようになる。従って、遊技媒体の譲渡時には、上記記憶媒体を受け渡すだけで済んで、その譲渡を容易且つ正確に行い得るようになり、遊技者を支援するシステムとしての付加価値が高まることになる。そして、遊技場用システムは、記憶媒体に記憶された獲得数情報により特定される獲得数に対応した数の遊技媒体の少なくとも一部を遊技に使用できるように払い出す再遊技手段を備えているから、遊技者は、自身の獲得遊技媒体を再遊技可能な状態で遊技場側に一時的に預けた状態にできる。
【0012】
この場合、前記発行手段は、前記獲得数情報として前記譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数(遊技者の希望譲渡数を示す)を記憶した第1記憶媒体を発行すると共に、当該第1記憶媒体の発行後において前記獲得数記憶手段に記憶されている獲得数が残存する場合に、その残存獲得数を特定可能な情報を記憶した第2記憶媒体を発行可能な構成となっている。つまり、遊技者の希望譲渡数に対応した獲得数情報のみを記憶した第1記憶媒体を発行できるようになるから、遊技媒体の譲渡を一段と正確に行い得るようになる。また、譲渡元遊技者は、再遊技手段を利用することにより、第2記憶媒体に記憶された獲得数に対応した数の遊技媒体(譲渡せずに残った遊技媒体)を、遊技場内の遊技機での再遊技に使用できるようになり、その利便性を高めることができる。
【0013】
請求項4記載の遊技場用システムによれば、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数、及び前記譲渡価額特定手段が特定した譲渡価額を含む送信文を作成する送信文作成手段が設けられており、作成された送信文は、遊技媒体の譲渡先となり得るメール送信対象者のEメールアドレスに対して送信手段により送信できるようになっている。これにより、遊技場に来店していない人に向けて遊技場への来店を促すシステムを提供可能になる。この場合、上記送信文の送信先となる人は、遊技媒体の譲渡元遊技者がEメールアドレスを把握した状態の親しい関係にあると考えられるので、遊技場から来店勧誘のためのEメールを送信する場合よりも高い勧誘効果が得られるものであり、以って集客力の向上を期待できるようになる。
【0014】
請求項5記載の遊技場用システムによれば、前記送信手段による前記送信文の送信先である譲渡先遊技者からの返信メールを受信する受信手段が設けられる。そして、前記送信文作成手段は、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数を識別可能な情報である譲渡数識別情報が含まれる第2送信文を作成するようになっており、当該第2送信文は、前記受信手段による返信メールの受信を条件として前記譲渡先遊技者のEメールアドレスへ前記送信手段により送信される。また、前記獲得数更新手段は、前記送信手段が前記第2送信文を送信した場合に、当該送信文に含まれる譲渡数識別情報により示される譲渡遊技媒体数に応じた獲得数を前記獲得数記憶手段に記憶された獲得数から減算するようになる。
【0015】
この場合、第2送信文に含まれる譲渡数識別情報は、識別情報受付手段で受け付け可能であり、識別情報処理手段は、このような受け付けが行われた場合に、当該譲渡数識別情報により示される譲渡遊技媒体数を特定可能な情報を記憶した記憶媒体を発行する処理、或いは、当該譲渡遊技媒体数のうち、少なくとも一部を遊技に使用できるように払い出す処理を行うようになる。この結果、譲渡先遊技者は、Eメールの受信及び返信操作を行うだけで、譲渡された遊技媒体を使用した遊技が可能になるものであり、これにより遊技者にとっての利便性を大幅に高め得るようになる。
【0016】
請求項6記載の遊技場用システムによれば、遊技者が遊技場側に預けた獲得数である貯媒体数を遊技者毎に管理すると共に、遊技媒体の譲渡元遊技者のEメールアドレス、及び前記送信手段による前記第2送信文の送信に応じて前記獲得数更新手段により減算される獲得数に相当した仮譲渡数を管理できる顧客管理手段が設けられる。この場合、前記送信文作成手段は、前記識別情報処理手段による処理が予め設定された期限内に実施されなかった場合に、遊技媒体の譲渡が成立しなかった旨を示す譲渡不成立送信文を作成するようになり、その譲渡不成立送信文は、遊技媒体の譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方のEメールアドレスへ前記送信手段により送信される。
【0017】
このような送信が行われた場合、前記顧客管理手段は、前記仮譲渡数を前記譲渡元遊技者に係る貯媒体数へ移行させる処理を実行するようになる。この結果、Eメールを受信した譲渡先遊技者が遊技場に来店しなかった場合、或いは来店した譲渡先遊技者が譲渡された遊技媒体を使用した再遊技を行わなかった場合であっても、遊技者間で損失が発生することがなくなり、しかも、遊技媒体の譲渡が不成立であった旨を、譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方に送信されたEメールの内容により証明できるので、遊技者間でトラブルが発生する事態を極力防止できるようになる。
【0018】
請求項7記載の遊技場用システムによれば、遊技信号受信手段が前記遊技機側から送信される遊技機の稼動状況を特定可能な遊技信号を受信した場合、譲渡抑制手段が、当該遊技信号に基づいて遊技機の稼動の有無を判定すると共に、稼動中と判定した遊技機の台数を稼動数として特定し、その稼動数が予め設定されたしきい値を超えた場合に、前記報知手段による報知動作、前記発行手段による前記第1記憶媒体の発行動作、及び前記送信手段によるEメール送信動作のうちの少なくとも1つを禁止する処理、或いは、譲渡元遊技者の譲渡益が零とならない範囲の手数料を、前記獲得数更新手段により前記獲得数記憶手段が記憶する獲得数を減算して徴収することを条件として許容する処理を行うようになる。この結果、遊技場に設置された遊技機の稼動数が相対的に多い場合に、遊技場側の損失が無闇に増大する事態を未然に防止できるようになる。また、譲渡先遊技者が、譲渡された遊技媒体を使用して再遊技を行う場合に、遊技対象の候補となる遊技機がなくなる事態を未然に防止できる。さらに、遊技媒体の譲渡時に手数料を徴収する構成とした場合において、その手数料の額が、譲渡元遊技者の譲渡利益が零とならない程度に抑制可能になるため、遊技場側の損失を極力低減しながら遊技者間での遊技媒体の譲渡を奨励できるようになり、システム自体の付加価値を向上させ得る。
【0019】
請求項8記載の手段によれば、譲渡価額の特定のために種々の演算方法を採用できるものであり、実際にシステムを構築する上で便利になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。尚、本実施例では、遊技場でのパチンコ玉(遊技媒体に相当)の貸出単価を4円、パチンコ玉を景品と交換する際の景品交換単価を2円に設定した遊技場用システムを前提としている。
図1には遊技場用システムの概略的構成が示されている。この図1において、遊技場内に多数台ずつ設置されたパチンコ遊技機1及び台間貸出機2は、互いに隣接して配置されており、図示しないが、パチンコ遊技機1の上方には周知構成の呼出ランプユニットが設けられている。
【0021】
パチンコ遊技機1は、所謂デジパチとして周知構成のものであり、パチンコ玉を使用しての遊技中において、盤面1aに設けられたスタート入賞口1bへの入賞に応じて行われる抽選機能により大当たりに当選したときに、その大当たりの内容に応じて、入賞確率を大幅に高めた大当たり状態を呈する。尚、大当たり状態となったときには、盤面1aに設置された大入賞口1cが所定期間だけ動作するものであり、これに応じて入賞率が極端に高められる構成となっている。また、盤面1aには、抽選結果の表示を含む種々の演出表示を行うため表示ユニット1dが設けられている。
【0022】
パチンコ遊技機1においては、賞球としてのパチンコ玉を上皿3へ放出するようになっており、この上皿3が満杯となったときにはオーバーフローしたパチンコ玉が下皿4内へ流入する。尚、上皿3内のパチンコ玉は、レバー3aのスライド操作によっても下皿4内へ落下させ得るようになっている。一方、下皿4にもレバー4aが設けられており、このレバー4aがスライド操作されたときには、下皿4の底部に形成された落下口(図示せず)が開放されて内部のパチンコ玉が可動玉受皿5aを備えた案内管5内に流入する構成となっている。
【0023】
パチンコ遊技機1には、これに付随してアウト玉回収装置及びセーフ玉補給装置(何れも図示せず)が設置されており、アウト玉回収装置からは、アウト玉数(打込玉数)を示すアウト信号が遊技信号として出力され、セーフ玉補給装置からは、セーフ玉数(払出玉数)を示すセーフ信号が遊技信号として出力される構成となっている。また、パチンコ遊技機1は、大当たり抽選を行ったことを示すスタート信号、大当たり状態にあることを示す大当たり信号などの遊技信号も出力するように構成されている。
【0024】
パチンコ遊技機1、台間貸出機2、図示しない呼出ランプユニットと信号の授受を行うように接続された中継装置6は、コンピュータにより構成された管理装置7(顧客管理手段、遊技信号受信手段に相当)に店内LAN8を介して接続されており、これにより管理装置7は、遊技場内の全てのパチンコ遊技機1、台間貸出機2、呼出ランプユニットとの間で各種信号及びデータの送受信を行い得るようになっている。尚、図示しないが、店内LAN8には、カード発行装置9が接続されると共に、周知構成の遊技場用端末装置(遊技者向けの種々のデータを表示するための集中情報公開端末(例えばデータロボ(登録商標))、遊技者の獲得パチンコ玉を計数するためのパチンコ玉計数機、景品交換に使用するためのPOS端末など)も接続される。
【0025】
特に、カード発行装置9は、その前面側に、2次元コード(譲渡数識別情報に相当:本実施例ではQRコード(登録商標))が近接された状態で当該2次元コードを読み取る機能を備えた読取部9a(識別情報受付手段に相当)と、持玉カード(記憶媒体に相当)を発行するための図示しないカードユニット(発行手段に相当)のためのカード排出口9bとが設けられている。尚、この持玉カードは、例えば磁気カード或いはICカードのようなデータ書き換え可能な記憶媒体により構成されたものであり、後述の説明によって明らかとなるように、持玉数を特定可能な獲得数情報に相当する情報が記憶される構成となっている。
【0026】
図示しないが、上記カード発行装置9内には、その動作制御用の処理回路ユニット(識別情報処理手段に相当)が設けられており、この処理回路ユニットは、前記読取部9aにより読み取った2次元コードの解読及び検証を行う機能、その解読結果に基づいて前記図示しないカードユニットによる持玉カードの発行処理を制御する機能などを備えた構成となっている。
【0027】
台間貸出機2は、硬貨投入口10への硬貨の投入に応じてパチンコ玉を放出する基本機能を備えたものであるが、CPU(譲渡数特定手段、基準価額特定手段、譲渡価額特定手段、譲渡利益特定手段、獲得数更新手段、送信文作成手段に相当)、RAM、ROM及びハードディスクドライブなどを含んで構成された記憶部(交換情報記憶手段、獲得数記憶手段に相当)、入出力インタフェース(送信手段、受信手段に相当)を含んで構成された制御装置(図示せず)を内蔵しており、この制御装置により本発明の要旨に関係した後述のような種々の制御を実行するようになっている。
【0028】
台間貸出機2の前面側には、前記硬貨投入口10の他に、表示領域の全面にタッチスイッチパネル(図示せず)が形成された情報表示部11(受付手段、報知手段、譲渡先受付手段に相当)、玉貸ボタン12、パチンコ玉放出用のノズル13、図示しないカード返却スイッチを備えたカード挿入スロット14、カード発行スロット15、前記案内管5の基部が連結された計数機ユニット16(計数手段に相当)が設けられている。
【0029】
この場合、ノズル13は、台間貸出機2内に設けられた玉放出機構(図示せず)と共に本発明でいう再遊技手段を構成するものであり、先端がパチンコ遊技機1の上皿3に上方から臨む通常位置(玉放出機構から放出されたパチンコ玉を上皿3内に導く位置)と、前方に回動された退避位置との間で往復回動可能に設けられており、常時においては図示しないばね手段によって通常位置へ付勢されている。
【0030】
また、計数機ユニット16は、案内管5を通じて流入するパチンコ玉を計数する玉計数機(図示せず)を内蔵しており、その計数結果、つまり遊技者がパチンコ遊技機1での遊技により獲得したパチンコ玉である持玉の数が、前記制御装置の記憶部に対して持玉数(遊技媒体の持ち主と対応付けた状態の獲得数に相当)として記憶される構成となっている。尚、案内管5は、先端側の可動玉受皿5aがパチンコ遊技機1の下皿4に形成された図示しない落下口に下方から臨む通常位置(下皿4から落下するパチンコ玉を可動玉受皿5aにより受け止める位置)と、前方に回動された退避位置との間で往復回動可能に設けられており、常時において通常位置に固定されている。
【0031】
この場合、台間貸出機2内の制御装置は、記憶部に持玉数が記憶されている状態では、玉貸ボタン12が操作される毎に所定個数(例えば、持玉数が125個以上ある場合には125個、持玉数が125個未満の場合には当該持玉数)のパチンコ玉を前記玉放出機構からノズル13を通じて放出させると共に、上記持玉数を当該放出パチンコ玉に応じた数だけ減算するという持玉払出制御を行う構成となっている。
【0032】
前記図示しないカードユニットは、台間貸出機2内における前記カード発行スロット15と対応した位置に設けられており、前記持玉カードを所定枚数だけ保管可能なカードストッカ(図示せず)を備えた構成となっている。そして、制御装置は、常時において、情報表示部11上にメインメニュー画面(図示せず)を表示すると共に、このメニュー画面上に前記図示しないタッチスイッチパネルを利用した遊技終了スイッチを形成しており、記憶部に持玉数が残存している状態で当該遊技終了スイッチがタッチ操作されたときには、その持玉数(つまり、残存獲得数)を上記獲得数情報として記憶すると共に、当該持玉カードをカード発行スロット15から排出(発行)し、記憶部中の持玉数を初期化する構成となっている。
【0033】
また、制御装置は、その記憶部に持玉数が記憶されている状態で情報表示部11を通じた後述のような持玉譲渡のためのカード発行操作が行われたときに、その操作に応じて指定された譲渡対象の持玉数を上記持玉カードに獲得数情報として記憶すると共に、当該持玉カードをカード発行スロット15から排出(発行)し、記憶部中の持玉数を持玉カードに記憶した分だけ減少させる構成となっている。
【0034】
台間貸出機2内には、カード挿入スロット14を通じて挿入された持玉カード及び会員カードにアクセス可能なリーダライタ(図示せず)が設けられている。尚、この会員カードは、遊技場の遊技会員となった人に発行されるもので、例えば磁気カード或いはICカードのようなデータ書き換え可能な記憶媒体により構成され、当該遊技会員に固有の会員IDなどが予め記憶されている。
【0035】
そして、制御装置は、カード挿入スロット14に持玉カードが挿入されたときに、その持玉カードに記憶されている獲得数情報に応じた持玉数を記憶部に記憶すると共に、持玉カードを初期化した後に前記カードストッカに回収する。このように持玉数が記憶部に記憶された状態では、玉貸ボタン12の操作に応じた前述の払出制御を実行させること可能になるから、結果的に持玉カードを利用した再遊技が可能になるものである。尚、前記POS端末は、持玉カードに記憶されている獲得数情報を読み取り可能に構成されており、その読み取り結果に基づいた景品交換を実施可能な構成とされている。
【0036】
また、制御装置は、カード挿入スロット14に会員カードが挿入されたときに、その会員カードに記憶されている会員IDを前記リーダライタにより読み取ることによりカード受付を行うと共に、当該会員IDを管理装置7へ送信することにより、管理装置7側で行われる遊技会員の個人認証や当該遊技会員に係る遊技データ提供サービス、周知の貯玉口座管理サービス、及び本発明に関係した持玉共有サービスのためのデータ管理に供するようになっている。
【0037】
上記制御装置は、カード挿入スロット14に適正な会員カードが挿入され、尚且つその会員カードに対応した貯玉口座に貯玉数(遊技者が遊技場側に預けた獲得数である貯媒体数に相当)の残高がある状態では、玉貸ボタン12が操作される毎に所定個数(例えば、貯玉数が125個以上ある場合には125個、貯玉数が125個未満の場合には当該貯玉数)のパチンコ玉を前記玉放出機構からノズル13を通じて放出させると共に、貯玉口座中の貯玉残高を当該放出パチンコ玉に応じた数だけ減算するという貯玉払出制御を行う構成となっている。尚、このような貯玉払出制御は、管理装置7側の貯玉口座に直接的にアクセスすることにより行うことも可能であるが、貯玉口座の貯玉数を持玉数として記憶部に一旦移管し、その持玉数に基づいて行う構成であっても良い。このような構成とした場合、遊技機での遊技終了時に持玉数が残ったときに、その持玉数を獲得数情報として記憶した持玉カードの発行を受ける状態、或いは持玉数を貯玉口座に戻す状態(但し、カード挿入スロット14に適正な会員カードが挿入されていることが前提となる)の何れかを遊技者側で選択できる構成とすることが望ましい。
【0038】
さて、以下においては、制御装置による制御内容のうち、本発明の要旨に直接関係した持玉共有サービスの具体例について、これに関連した構成などと共に説明する。
管理装置7は、遊技場内の全部のパチンコ遊技機1についての遊技データ(アウト玉数、セーフ玉数、差玉数、稼動率、出玉率、ベース、スタート数など)、並びに遊技場内の全部の台間貸出機2についての貸出高データ(売上金額、割数など)を集計して格納するデータベース機能や、前記貯玉口座管理サービスを含む貯玉システムなどを実現するための機能を備えたものであるが、この管理装置7には、図2に示すような遊技会員データベースが構築されており、このデータベースを持玉共有サービス及び貯玉システムに利用する構成となっている。
【0039】
図2において、遊技会員データベースは、会員IDと対応付けた状態で、遊技会員の氏名、貯玉口座の貯玉数、端末ID(会員カードを受け付けた台間貸出機2毎に固有の番号)、遊技会員のEメールアドレス(本実施例では、携帯電話機のEメールアドレスであり、以下の説明で出現するEメールアドレスも同じである)、予め登録された友人・知人などのグループメンバーの氏名及びそのEメールアドレス(図2では「グループメンバー1」、「グループメンバー2」などとして分類)、持玉の譲渡先の氏名(または譲渡先のメールアドレス)及び譲渡持玉数に対応した仮譲渡数を示す情報(図2では「仮譲渡分1」、「仮譲渡分2」などとして分類)を記憶したレコード群により構成される。
【0040】
遊技者が自身の持玉の譲渡を希望する場合には、以下のようなカード発行操作を行う。尚、この操作に伴う各部の動作は、前記制御装置により制御されることは勿論である。
即ち、台間貸出機2の情報表示部11には、その表示画像及び前記図示しないタッチスイッチパネルを利用して種々のスイッチ機能が実現されるものであり、当該情報表示部11に図示しないメインメニュー画面が表示された状態で、当該画面中に用意された「譲渡スイッチ」がタッチ操作されたときには、図3に示すような譲渡数入力画面が表示される構成となっている。
【0041】
この譲渡数入力画面には、そのタイトルa1、現在の持玉数を報知すると共に希望する譲渡数の入力を促すメッセージa2、譲渡数の入力に使用されるテンキースイッチa3及び「玉」の文字が施された確定スイッチa4、入力された譲渡数を表示するための表示欄a5(この時点では空欄)、譲渡数に対応した貸出金額(当該譲渡数に対応した数のパチンコ玉を台間貸出機2から放出させるときに必要な金額に相当)を表示するための表示欄a6(この時点では空欄)、譲渡数に対応した景品交換金額(当該譲渡数に対応した数のパチンコ玉を景品と交換する際の価額に相当)を表示するための表示欄a7(この時点では空欄)、持玉譲渡に係る情報を表示するための情報提示欄a8、キャンセルスイッチa9が表示される。尚、上記テンキースイッチa3、確定スイッチa4及びキャンセルスイッチa9に対応した各領域には、タッチパネルスイッチによるスイッチ機能が付与される。また、情報提示欄a8の具体的内容は、後述の図4に基づいて説明するが、この譲渡数入力画面の表示状態では空欄のままである。
【0042】
上記譲渡数入力画面において、譲渡元遊技者により、テンキースイッチa3及び確定スイッチa4による希望譲渡数(譲渡遊技媒体数に相当)の入力操作が行われると、その希望譲渡数が希望譲渡数情報として受け付けられる。また、制御装置が、受け付けられた希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定するようになり、これに応じて情報表示部11の表示画面を図4に示すような提示額入力画面に切り換える。尚、入力可能な希望譲渡数の最大値は、制御装置の記憶部に記憶されている持玉数に対応した値となるように制御される。また、上述のような希望譲渡数の入力操作が行われる前にキャンセルスイッチa9がタッチ操作されたときには、図示しないメインメニュー画面へ戻る。
【0043】
ここで、台間貸出機2内の制御装置を構成する記憶部には、遊技場におけるパチンコ玉の貸出単価及び景品交換単価の双方を特定可能な交換情報が記憶されている。尚、上記貸出単価及び景品交換単価は、管理装置7側で設定されるものであり、その設定情報が、台間貸出機2、カード発行装置9及び図示しないPOS端末などの遊技場用端末装置に送信され、それらにおいて上記交換情報として記憶されるものである。
【0044】
そして、制御装置は、希望譲渡数の入力操作が上述のように行われたときには、その希望譲渡数と上記交換情報とに基づいた演算により、当該希望譲渡数に対応した例えば3段階の提示額(請求項1記載の発明でいう適正な譲渡価額、請求項2記載の発明でいう推奨譲渡価額に相当)を譲渡価額として特定すると共に、希望譲渡数に相当した数のパチンコ玉を台間貸出機2から受ける場合の貸出金額(請求項2記載の発明でいう貸出価額に相当)、及び希望譲渡数に相当した数のパチンコ玉を景品と交換する場合の景品交換金額(請求項2記載の発明でいう景品交換価額に相当)を特定する構成となっている。
【0045】
ここで、上記適正譲渡価額の特定方法について説明する。
即ち、図12には、例えば2000個のパチンコ玉を譲渡する場合の提示額の例が、複数種類の貸出単価及び景品交換単価の組み合わせ、並びに、該当単価でのパチンコ玉の貸出金額及び景品交換金額に対応させた状態で示されている。尚、この図12において、「元差益」は譲渡元利益に相当し、「先差益」は譲渡先利益に相当する。また、本実施例では、貸出単価を4円、景品交換単価を2円に設定してから、図12の最上段の提示額のみを利用すれば済むが、実際には、遊技場毎或いはパチンコ遊技機の機種毎に貸出単価及び景品交換単価が種々設定されるものであるため、図12ではそれらの単価に係る複数種類の組み合わせについて提示額の例を示している。
【0046】
図12において、本実施例では、3段階の「提示額1」、「提示額2」、「提示額3」、並びにこれらに対応した譲渡利益である譲渡元利益(提示額と景品交換金額(譲渡数×景品交換単価=2000個×2円)との差額)及び譲渡先利益(貸出金額(譲渡数×貸出単価=2000個×4円)と提示額との差額)を、以下の条件で特定するようにしている。即ち、「提示額1」は、譲渡元利益(図12では元差益)及び譲渡先利益(図12では先差益)が等しくなる価額(提示額1=(貸出金額+景品交換金額)÷2)として算出し、「提示額2」は、譲渡元利益が「提示額」の1.5倍、「提示額3」は、譲渡元利益が「提示額1」の0.5倍になる価額として算出している。尚、図12の例では、譲渡元利益に10円未満の端数が出る場合には、10円単位で切り上げることにより遊技者側に有利になるように設定している。
【0047】
この場合、提示額の算出は、譲渡パチンコ玉数、貸出金額、或いは景品交換金額に所定の係数を乗算することにより行ったり、貸出金額、或いは景品交換金額に所定値を加減算することにより行ったりするなど、種々の方法が考えられる。また、提示額を特定する場合に、貸出金額よりも低く、且つ景品交換金額よりも高いことを条件の一つとしても良い。
【0048】
さらに、提示額は、貸出金額のみ、或いは景品交換金額のみに基づいて特定しても良い。この場合、台間貸出機2内の制御装置を構成する記憶部に対して、パチンコ玉の貸出単価及び景品交換単価の双方を特定できる交換情報を記憶する必要はなく、それら貸出単価及び景品交換単価のうちの一方を特定できる交換情報を記憶する構成としても良いものである。
【0049】
また、貸出単価に対する景品交換単価の割合などのような、貸出金額と景品交換金額との割合を示す交換率を前記交換情報として記憶する構成としても良い。このような構成によれば、貸出単価に交換率を乗じれば景品交換単価を特定できるようになり、また、貸出単価は、直接的に特定できなくても例えば所定金額(1000円)に対応する貸玉数(250個)を特定できれば特定可能である。また、景品交換単価を直接的に特定しなくとも、貸出金額に交換率を乗じれば景品交換金額を間接的に特定できる。即ち、交換情報は、貸出単価、或いは景品交換単価を特定できる情報であるが、遊技場用システムとしては必ずしも貸出単価や景品交換単価を特定する必要はないものである。尚、上記のように、貸出金額や景品交換金額は譲渡数に単価を乗じた値になるが、交換情報に基づいて適当な演算方法を採用すれば良い。また、提示額(譲渡価額)については、上述したどのような演算方法を用いても、結果として、貸出金額、景品交換金額、或いは貸出金額と景品交換金額の和の何れかに所定の比率を乗じた値、或いは所定数を加算した値となるため、本願の請求項8記載は、このように提示額を特定する内容を包含したものとした。
【0050】
図4の提示額入力画面には、そのタイトルb1、入力提示額の決定を促すメッセージb2、提示額の入力に使用されるテンキースイッチb3及び「円」の文字が施された確定スイッチb4、前記譲渡数入力画面で入力された希望譲渡数を表示した表示欄b5、希望譲渡数に基づいて前述のように算出した貸出金額及び景品交換金額をそれぞれ表示した表示欄b6及びb7、持玉譲渡に係る情報を表示した情報提示欄b8、この情報提示欄b8に表示された3段階の提示額の中から1つを選択するための選択スイッチb9群、希望譲渡数を記憶した持玉カードの発行の有無を確認するためのメッセージb10、「YES」の文字が施された持玉カード発行用の認証スイッチb11、キャンセルスイッチb12、希望譲渡数を再入力するときに使用する譲渡数再入力スイッチb13、「メール」の文字が施されたEメール発信用のメール送信画面選択スイッチb14が表示される。但し、メール送信画面選択スイッチb14は、カード挿入スロット14に挿入された会員カードの受付が済んでいる状態時のみ表示される。尚、上記テンキースイッチb3、確定スイッチb4、選択スイッチb9、認証スイッチb11、キャンセルスイッチb12、譲渡数再入力スイッチb13及びメール送信画面選択スイッチb14に対応した各領域には、タッチパネルスイッチによるスイッチ機能が付与される。
【0051】
ここで、上記情報提示欄b8には、前記3段階の提示額が「提示1」、「提示2」、「提示3」の各欄に表示されると共に、各提示額で希望譲渡数に応じた持玉を譲渡した場合の譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益がそれぞれ「貴方の利益」及び「相手の利益」として表示される。また、情報提示欄b8には、譲渡元遊技者が譲渡価額(請求項2記載の発明でいう提示譲渡価額に相当)を直接的に入力するための「入力提示」欄が設けられているが、この「入力提示」欄は、提示額入力画面の初期表示状態では空欄である。
要するに、提示額入力画面には、希望譲渡数、これに対応した適正な譲渡価額(提示額)、譲渡元利益及び譲渡先利益を互いに対比可能な情報を含む遊技者支援情報が、持玉の譲渡元遊技者向けに表示されるものである。
【0052】
譲渡元遊技者は、選択スイッチb9の何れかをタッチ操作することにより、情報提示欄b8の「提示1」、「提示2」、「提示3」欄に表示された3段階の提示額(譲渡価額)の中から任意のものを選ぶことができるものであり、このような選択操作が行われたときには、選択された提示額、譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益が、情報提示欄b8の「入力提示」欄に表示される。また、譲渡元遊技者が、上記3段階の提示額と異なる譲渡価額を提示する場合には、その提示譲渡価額をテンキースイッチb3により入力した後に確定スイッチb4をタッチ操作する。すると、入力された提示譲渡価額で並びにこれに対応する譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益が、「入力提示」欄に表示されるようになる。
【0053】
情報提示欄b8の「入力提示」欄に提示額などが表示された状態で、認証スイッチb11がタッチ操作されると、制御装置は、当該「入力提示」欄に表示されている提示額に対応した数の持玉数を記憶した持玉カードをカード発行スロット15から発行すると共に、その制御装置の記憶部に記憶されている持玉数から、上記持玉カードに記憶した持玉数相当分だけ減算する。このようなカード発行操作に応じて発行された持玉カードは、遊技場内の他の遊技者に直接的に持玉を譲渡する際に利用できるものであり、この場合には、パチンコ玉自体を持ち運ぶ必要がなくなるから、双方の遊技者にとって便利になる。
【0054】
尚、認証スイッチb11の操作に応じた持玉カードの発行前に譲渡数再入力スイッチb13が操作されたときには、既入力されている希望譲渡数がリセットされると共に、図3の譲渡数入力画面を表示した状態に戻る。また、認証スイッチb11の操作に応じた持玉カードの発行前にキャンセルスイッチb12がタッチ操作されたときには、図示しないメインメニュー画面へ戻る。
【0055】
一方、情報提示欄b8の「入力提示」欄に提示額などが表示された状態で、メール送信画面選択スイッチb14がタッチ操作されたときには、情報表示部11に図5に示すようなメール送信画面が表示される。このメール送信画面には、そのタイトルc1、前記譲渡数入力画面で入力された希望譲渡数を表示した表示欄c2、前記提示額入力画面で選択された提示額(情報提示欄b8の「入力提示」欄に表示された提示額)を表示した表示欄c3、持玉譲渡に係る情報を提示額入力画面と同様に表示した情報提示欄c4、メール送信先(メール送信対象者に相当)の選択を促すメッセージc5、送信可能人数を表示するための人数表示欄c6、前述したグループメンバー(図2参照:「グループメンバー1」、「グループメンバー2」、「グループメンバー3」がそれぞれ友人A、B、Cに相当)をEメールの送信先として選択するための選択スイッチc7群、送信先メールアドレスを直接入力するモードを選択するための直接入力スイッチc8、選択或いは入力されたメール送信先の人数を送信対象者として表示すると共に、メールを受信した人全員が持玉の譲渡を受託したときに必要となる持玉数の合計を譲渡玉合計として表示するための情報表示欄c9、譲渡メール(持玉の譲渡を案内するためのメールであり、請求項4記載の発明でいう送信文に相当)の送信の有無を確認するためのメッセージc10、「YES」の文字が施された送信スイッチc11、「戻る」の文字が施されたやり直しスイッチc12が表示される。尚、上記選択スイッチc7、直接入力スイッチc8、送信スイッチc11、やり直しスイッチc12、譲渡数再入力スイッチb13及びメール送信画面選択スイッチb14に対応した各領域には、タッチパネルスイッチによるスイッチ機能が付与される。
【0056】
この場合、人数表示欄c6に表示される送信可能人数は、譲渡元遊技者の持玉数と希望譲渡数とに基づいて決まること(つまり、送信可能人数×希望譲渡数≦持玉数であることが条件)になるが、最大人数は例えば4人(グループメンバー3人と送信先メールアドレスを直接入力した1人)に設定されている。また、選択スイッチc7は、その操作により譲渡メールの送信先が選択されたときに、当該送信先が選択済みである旨を表示するために反転表示状態(図5に網掛けにより例示)とされる。
【0057】
図示しないが、情報表示部11には、直接入力スイッチc8がタッチ操作されたときに、英数文字を入力可能なキーボードを表示したメールアドレス入力画面が表示されるものであり、この画面でメールアドレスの入力が完了したときには、図5のメール送信画面を表示した状態に戻ると共に、当該直接入力スイッチc8を反転表示状態(図5に網掛けにより例示)とするものである。
【0058】
そして、情報表示欄c9には、選択スイッチc7により選択されたメール送信先及び上記メールアドレス入力画面を通じて入力されたメール送信先の合計人数(図5の例では2人)が送信対象者数として表示されると共に、これらの送信対処者にパチンコ玉を譲渡する場合に必要となる持玉数の合計(図5の例では4000個)が表示されるものである。
【0059】
このようなメール送信対象者の選択或いは入力状態から、送信スイッチc11がタッチ操作されたときには、制御装置は、予め設定された雛形の文章データ、図2に示した遊技会員データベースを参照して得られるメール送信対象者及び譲渡元遊技者(会員カードが受け付け済みの遊技会員)に係るデータ、希望譲渡数及び既決定の入力提示額を示すデータなどに基づいて譲渡メールを作成し、この譲渡メールを当該メール送信対象者に向けて送信する処理を行う。具体的には、この譲渡メールは、例えば図6に示すように、現在遊技中の遊技場名や希望譲渡数及びその譲渡価額などを含んだ内容とされる。但し、図6は「友人A」宛ての例で、「aaa」は譲渡元遊技者の名前、「P」は遊技場の固有名称である。
【0060】
要するに、持玉の譲渡元遊技者に係る希望譲渡数、これに対応した適正譲渡価額、及び持玉の譲渡先利益を互いに対比可能な情報を含む遊技者支援情報が、譲渡メールを通じて譲渡先遊技者向けに表示されるものである。
【0061】
また、送信スイッチc11が操作されることなく、やり直しスイッチc12がタッチ操作されたときには、図4の提示額入力画面を表示した状態に戻る。
上述のように送信された譲渡メールの受信者からの返信メールを受信した場合には、情報表示部11に図7に示すようなメール受信画面が表示される。このメール受信画面には、そのタイトルd1、返信されたメールの内容d2、送信メール中の希望譲渡数及び提示額をそれぞれ表示した表示欄d3及びd4、譲渡確定メール(持玉の譲渡を確定させるためのメールであり、請求項5記載の発明でいう第2送信文に相当)を送信するか否かを確認するためのメッセージd5、「YES」の文字が施された譲渡確定メール送信スイッチd6、「譲渡を断る」の文字が施された譲渡拒否メール送信スイッチd7、「返信しない」の文字が施された無返信スイッチd8が表示される。尚、上記譲渡確定メール送信スイッチd6、譲渡拒否メール送信スイッチd7及び無返信スイッチd8に対応した各領域には、タッチパネルスイッチによるスイッチ機能が付与される。
【0062】
このメール受信画面の表示状態で譲渡確定メール送信スイッチd6がタッチ操作されたときには、制御装置は、例えば図8のような内容の譲渡確定メールを作成し、これを返信メールの送信元へ再返信する。具体的には、この譲渡確定メールには、希望譲渡数及び固有の暗号コードなどを識別可能な情報である2次元コード(QRコード:登録商標)が画像データとして付加されると共に、その2次元コードの利用案内や希望譲渡数及び譲渡金額を知らせるためのメール本文が含まれることになる。
【0063】
また、制御装置は、このように譲渡確定メールを送信した場合には、記憶部に記憶されている持玉数から、当該メールに含まれる2次元コードにより示される希望譲渡数に応じた数だけ減算すると共に、メール送信元及びメール送信先を特定可能な情報及び希望譲渡数を含むメール送信済み信号を管理装置7へ送信する。このようなメール送信済み信号を受信した管理装置7では、遊技会員データベース(図2参照)中における該当遊技会員(メール送信元である譲渡元遊技者)に係るレコードにアクセスし、そのレコードの仮譲渡数を示す情報中に、当該信号に含まれるメール送信先(持玉の譲渡先)及び譲渡持玉数を更新記憶する処理を実行する構成となっている。
【0064】
このような譲渡確定メールの受信者(譲渡先遊技者)は、遊技場に来店したときに、自身の携帯電話機に対し譲渡確定メール中の2次元コードを表示させた状態とし、その2次元コードをカード発行装置9の読取部9aに読み取らせるというカード発行操作を行う。すると、カード発行装置9内の図示しない処理回路ユニットが、読取部9aにより読み取った2次元コードの解読及び検証を行うと共に、その2次元コードにより示される希望譲渡数を持玉数として記憶した持玉カードの発行処理を行うようになる。これにより、当該譲渡先遊技者は、発行された持玉カードを台間貸出機2のカード挿入スロット14へ挿入することにより、持玉カードに記憶されている獲得数情報により示される持玉数の範囲内でパチンコ玉の貸出を受けることが可能になる。尚、このようにして持玉が譲渡された譲渡先遊技者は、その対価(譲渡確定メール中に記されている譲渡金額)を適宜機会に譲渡元遊技者に支払うことになる。また、持玉の譲渡が成立し、持玉カードを発行した場合には、遊技会員データベース(図2参照)の「仮譲渡分」欄の該当データ(仮譲渡数)が初期化される。
【0065】
一方、図7のメール受信画面の表示状態で、譲渡拒否メール送信スイッチd7がタッチ操作されたときには、制御装置は、持玉の譲渡を断る内容の送信文を作成し、これを返信メールの送信元へ再返信する。
【0066】
また、前記譲渡確定メールの受信者である譲渡先遊技者が遊技場に来店する前に、譲渡元遊技者が台間貸出機2から会員カードを排出させた場合や、図示しない退店スイッチ(このスイッチは、例えば情報表示部11を利用して設定される)を操作した場合など、所定の退店条件が成立した場合には、制御装置は、例えば図9のような内容の退店メールを作成し、これを返信メールの送信元である譲渡先遊技者へ再返信する。具体的には、この退店メールには、譲渡元遊技者が退店する旨のメッセージ並びに譲渡確定メール中の2次元コードの有効期間を案内するメッセージなどが含まれることになる。
【0067】
そして、譲渡確定メールの発信者である譲渡元遊技者が遊技場を退店した後に、譲渡先遊技者が来店し、譲渡確定メール中の2次元コードに基づいた持玉カードの発行処理が行われた場合(携帯電話機に表示させた譲渡確定メール中の2次元コードをカード発行装置9の読取部9aに読み取らせた場合)には、制御装置は、例えば図10のような内容の来店メールを作成し、これを遊技場(管理装置7)側から譲渡元遊技者のEメールアドレス(携帯電話機)へ送信する。具体的には、この来店メールには、来店した譲渡先遊技者に対して持玉カードを発行した旨のメッセージ並びに譲渡金額を知らせる内容のメッセージなどが含まれることになる。
【0068】
尚、譲渡元遊技者が遊技場内で遊技している状態(但し、自身の会員カードを台間貸出機2のカード挿入スロット14へ挿入している状態)時に、譲渡先遊技者が来店して持玉カードの発行処理が前述のように行われた場合には、制御装置は、当該譲渡元遊技者が遊技中のパチンコ遊技機1に対応した台間貸出機2に対し上記来店メールを送信する処理を行うものであり、その来店メールは、譲渡元遊技者が遊技中のパチンコ遊技機1に対応した台間貸出機2の情報表示部11において表示される。この場合、譲渡先遊技者が来店し、その持玉カードを台間貸出機2で使用したときには、対応する遊技機の台番号を特定可能なメールを再送信しても良い。
【0069】
さらに、譲渡確定メールの受信者である譲渡先遊技者が、遊技場の閉店までに来店しなかった場合(来店したとしてもカード発行装置9で持玉カードの発行を受けなかった状態も含む概念である)には、制御装置は、例えば図11のような内容の貯玉メール(請求項5記載の発明でいう譲渡不成立送信文に相当)を作成し、この貯玉メールを遊技場(管理装置7)側から譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方のEメールアドレスへ送信する。この貯玉メールには、例えば、譲渡先遊技者が来店しなかったので譲渡が不成立になった旨を知らせるメッセージ、並びに譲渡予定だった持玉数を貯玉口座へ貯玉した旨を知らせる内容のメッセージなどが含まれる。
【0070】
尚、制御装置は、貯玉メールの送信と同時に、譲渡が不成立となった譲渡先遊技者を特定可能な情報を含む譲渡不成立信号を管理装置7へ送信する。このような譲渡不成立信号を受信した管理装置7では、遊技会員データベース(図2参照)中の仮譲渡数を示す情報のうち、当該譲渡不成立信号により示される譲渡先遊技者に該当した仮譲渡数を示す情報を初期化すると共に、その仮譲渡数を前記譲渡元遊技者に係る貯玉数へ移行させる処理を実行する構成となっている。
【0071】
ここで、前述した持玉譲渡のためのカード発行操作に応じて排出される持玉カード(持玉譲渡に係る提示額に対応した持玉数が獲得数情報として記憶されたもの)が請求項3記載の発明でいう第1記憶媒体に相当し、また、前述のように遊技終了スイッチのタッチ操作に応じて発行される持玉カード(遊技終了時において記憶部に残存していた持玉数を獲得数情報として記憶したもの)が請求項3記載の発明でいう第2記憶媒体に相当することになる。尚、遊技終了スイッチのタッチ操作時において、カード挿入スロット14に適正な会員カードが挿入された状態にあるときに、持玉カードを発行せずに、記憶部中の残存持玉数を当該会員カードに係る貯玉口座へ預け入れる構成とした場合には、会員カードが上記第2記憶媒体に相当することになる。
【0072】
要するに、上記した本実施例の構成によれば、以下に述べるような作用・効果を奏するものである。
即ち、遊技者が、パチンコ遊技機1での遊技により獲得したパチンコ玉を他の遊技者に譲渡することを希望する場合には、台間貸出機2の情報表示部11に表示される譲渡数入力画面(図3参照)を通じて任意の数のパチンコ玉に対応した希望譲渡数を入力する。すると、その希望譲渡数と予め設定された交換情報(貸出単価及び景品交換単価の双方を特定可能な情報)とに基づいた演算により、当該希望譲渡数に対応した3段階の適正な範囲(譲渡元遊技者にとって損にならない範囲)の提示額が譲渡価額として算出され、それらの提示額、希望譲渡数に相当した数のパチンコ玉を台間貸出機2から受ける場合の貸出金額、及び希望譲渡数に相当した数のパチンコ玉を景品と交換する場合の景品交換金額を対比可能な状態で含む遊技者支援情報が、情報表示部11に提示額入力画面(図4参照)に表示されるようになる。従って、パチンコ玉の譲渡元遊技者は、このように報知される遊技者支援情報に基づいて、パチンコ玉の適正な譲渡価額を容易に知ることができるようになる。特に、景品交換単価を短期間で変更する営業方針を持った遊技場、貸出単価及び景品交換単価が複数種類設定されている遊技場、或いは遊技者が始めて来店した遊技場などのように、交換率(貸出金額と景品交換金額との割合を示す)を明確に把握できない状況下にある場合でも、遊技者側で上記適正な譲渡価額を正確に把握できるようになる。これにより、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を向上させることでき、以ってパチンコ遊技機1の稼動率向上を実現可能となる。
【0073】
この場合、上記提示額入力画面に表示される遊技者支援情報には、希望譲渡数に応じた数のパチンコ玉を前記3段階の提示額でそれぞれ譲渡した場合における譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益を示す情報も含まれるようになる。従って、パチンコ玉の譲渡元の遊技者は、このように報知される遊技者支援情報に基づいて、希望する数のパチンコ玉の譲渡価額、並びに自身の利益及び譲渡先の遊技者の利益を容易に知ることができるようになる。これにより、持玉共有サービスを展開する際に遊技者側の利便性を一段と向上させることでき、以って遊技機の稼動率向上を実現可能となる。
【0074】
各台間貸出機2には、対応するパチンコ遊技機1の遊技者が獲得したパチンコ玉を計数するための計数機ユニット16、その計数結果を持玉数として記憶する記憶部、及び再遊技手段(図示しない玉放出機構及びノズル13)が設けられている。また、台間貸出機2には、記憶部に記憶された持玉数に基づいて所定個数ずつのパチンコ玉を前記再遊技手段により放出するという玉払出制御機能、並びに、記憶部に記憶された持玉数の範囲内の希望譲渡数を再遊技可能な獲得数情報として記憶した持玉カードを発行するカード発行操作を受け付ける機能が付与されている。
【0075】
このため、パチンコ玉の譲渡時には、上記持玉カードを受け渡すだけで済んで、その譲渡を容易且つ正確に行い得るようになり、遊技者を支援するシステムとしての付加価値が高まることになる。また、希望譲渡数に対応した獲得数情報を記憶した持玉譲渡用の持玉カードと、この持玉カードの発行後において前記記憶部内に残存した持玉数に対応した獲得数情報を記憶した第2の持玉カードとが発行される構成となっているから、パチンコ玉の譲渡をより正確に行い得るようになる。また、譲渡元遊技者は、再遊技手段を利用することにより、第2の持玉カードに記憶された獲得数情報により示される数のパチンコ玉(譲渡せずに残ったパチンコ玉)を、遊技場内のパチンコ遊技機1での再遊技に使用できるようになり、その利便性を高めることができる。
【0076】
情報表示部11には、Eメールの送信先を選択するための操作画面を前記遊技者支援情報などと共に表示したメール送信画面(図5参照)が表示されるようになっており、この画面上でメール送信操作を行うことにより、知人などに向けて、現在遊技中の遊技場名や希望譲渡数及びその譲渡価額などを含んだ内容の譲渡メールを送信できるようになっている。これにより、遊技場に来店していない人に向けて遊技場への来店を促すシステムを提供可能になる。この場合、上記譲渡メールの送信先となる人は、パチンコ玉の譲渡元遊技者がEメールアドレスを把握した状態の親しい関係にあると考えられるので、遊技場から来店勧誘のためのEメールを送信する場合よりも高い勧誘効果が得られるものであり、以って集客力の向上を期待できるようになる。
【0077】
また、情報表示部11には、上記譲渡メールの送信先である譲渡先遊技者から受信した返信メールの内容を遊技者支援情報(譲渡数、提示額)などと共に表示したメール受信画面(図7参照)が表示されるようになっており、この画面上でメール送信操作を行うことにより、上記譲渡先遊技者に向けてパチンコ玉の譲渡を確定させるための譲渡確定メールを送信できるようになっている。この譲渡確定メールには、希望譲渡数を識別可能な情報である2次元コードが画像データとして付加されており、当該メールの受信者(譲渡先遊技者)は、遊技場に来店したときに、自身の携帯電話機に対し譲渡確定メール中の2次元コードを表示させた状態とした上で、その2次元コードをカード発行装置9の読取部9aに読み取らせるというカード発行操作を行うことにより、希望譲渡数を持玉数として記憶した持玉カードの発行を受けることができる。
【0078】
尚、譲渡確定メールを送信した場合には、記憶部に記憶されている持玉数が、当該メールに含まれる2次元コードにより示される希望譲渡数に応じた数だけ減算されることになる。そして、当該譲渡先遊技者は、発行された持玉カードを台間貸出機2のカード挿入スロット14へ挿入することにより、持玉カードに記憶されている獲得数情報により示される持玉数の範囲内でパチンコ玉の貸出を受けることが可能になる。つまり、譲渡先遊技者は、Eメールの受信及び返信操作などを行うだけで、譲渡されたパチンコ玉を使用した遊技が可能になるものであり、これにより遊技者にとっての利便性を大幅に高め得るようになる。
【0079】
本実施例では、所謂貯玉システムを採用しており、管理装置7は、パチンコ玉の譲渡元遊技者のEメールアドレスを管理すると共に、前記譲渡確定メールの送信に応じて前記記憶部から減算された持玉数(希望譲渡数)を仮譲渡数として管理するようになっている。この場合、前記カード発行装置9によるカード発行処理が予め設定された期限内(遊技場の閉店まで)に実施されなかった場合に、パチンコ玉の譲渡が成立しなかった旨を示す貯玉メール(図11参照)が、譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方のEメールアドレスへ送信される。このような送信が行われた場合、前記管理装置7は、前記仮譲渡数を譲渡元遊技者に係る貯玉口座へ移行させる処理を実行するようになる。
【0080】
この結果、Eメールを受信した譲渡先遊技者が遊技場に来店しなかった場合、或いは来店した譲渡先遊技者が譲渡されたパチンコ玉を使用した再遊技を行わなかった場合であっても、遊技者間で損失が発生することがなくなり、しかも、パチンコ玉の譲渡が不成立であった旨を、譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方に送信されたEメールの内容により証明できるので、遊技者間でトラブルが発生する事態を極力防止できるようになる。
また、上記実施例中に説明したように、提示額(譲渡価額)の特定のために種々の演算方法を採用できるから、実際にシステムを構築する上で便利になる。
【0081】
(その他の実施の形態)
本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えば以下に述べるような変形或いは拡大が可能である。
【0082】
会員カードを利用した貯玉システムを採用したが、本発明は、特に会員カードを利用するシステムが前提となるものではない。
パチンコ遊技機1毎にパチンコ玉を計数するための計数機ユニット16を設けた所謂台毎計数システムを前提としたが、これに限られるものではない。例えば、複数台のパチンコ遊技機1が並べられた島の端に設置された計数機にてパチンコ玉数を計数したときに、当該計数機での操作入力により受け付けた譲渡玉数について、譲渡元遊技者の利益及び譲渡先遊技者の利益や譲渡額などの持玉共有情報を印字したレシートを記憶媒体として発行する構成としても良い。この場合、「パチンコ玉の計数値≠譲渡玉数」の関係にあった場合には、譲渡玉数分の持玉共有情報を印字したレシートと、残りの計数値に対応したパチンコ玉数分の情報を印字したレシートとを区別して発行する構成とすることが望ましい。勿論、台毎計数システムを採用した本実施例においても、上述のような持玉共有情報を印字したレシートを発行する構成としても良い。
【0083】
遊技場が持玉の譲渡を認める目的は、遊技機の稼動率を向上させることにあるので、本実施例の場合、管理装置7において、パチンコ遊技機1側から受信した遊技信号(例えばアウト信号)に基づいてパチンコ遊技機1の稼動の有無を判定すると共に、稼動中と判定したパチンコ遊技機1の台数を稼動数として特定し、その稼動数が予め設定されたしきい値を超えた場合に、情報表示部11による報知動作(譲渡数入力画面(図3参照)や提示額入力画面(図4参照)の表示動作)、譲渡対象の持玉数を記憶した持玉カードの発行動作、及び譲渡メールの送信動作の少なくとも1つを禁止する処理を行う構成としても良い。
【0084】
また、譲渡対象の持玉数を記憶した持玉カードの発行を、譲渡元遊技者の譲渡益が零とならない範囲の手数料を徴収することを条件として許容する構成、具体的には、例えば、台間貸出機2側の記憶部に記憶されている持玉数から手数料を減算(例えば、譲渡元及び譲渡先遊技者の合計利益が4000円である場合に、2000円分を減算)して徴収することを条件として許容する構成としても良い。このような構成とした場合、その手数料の額が、譲渡元遊技者の譲渡利益が零とならない程度に抑制可能になるため、遊技場側の損失を極力低減しながら遊技者間でのパチンコ玉の譲渡を奨励できるようになり、システム自体の付加価値の向上を期待できる。尚、この場合には、管理装置7が、請求項7記載の発明でいう遊技信号受信手段及び譲渡抑制手段としての機能を果たすことになる。このような構成によれば、遊技場に設置されたパチンコ遊技機1の稼動数が相対的に多い場合に、遊技場側の損失が無闇に増大する事態を未然に防止できるようになる。また、譲渡先遊技者が、譲渡されたパチンコ玉を使用して再遊技を行う場合に、遊技対象の候補となるパチンコ遊技機1がなくなる事態を未然に防止できる。
【0085】
上記実施例では、パチンコ玉の貸出単価及び景品交換単価をそれぞれ4円及び2円の単一レートに設定した遊技場用システムを前提としたが、同一の遊技場内で複数段階の貸出単価及び景品交換単価を設定したシステムにも適用できる。尚、この場合には、単価が異なるパチンコ玉毎に再遊技可能なパチンコ遊技機の範囲が限定されることになるの、持玉カードや譲渡メール及び譲渡確定メールなどに遊技可能なパチンコ遊技機を指定する情報を付加することにより、遊技者側の便宜を図る構成としても良い。
【0086】
上記実施例では、持玉数を特定可能な獲得数情報を持玉カードに直接的に記憶する構成としたが、持玉カードには固有のカードIDのみを記憶し、獲得数情報の記憶及びこれに基づいたパチンコ玉の払出に係る処理及び管理を、管理装置7側で当該カードIDと対応付けた状態で行う構成としても良い。
【0087】
獲得数情報(持玉数)を記憶する記憶媒体として持玉カードを利用する構成としたが、携帯電話機のような携帯端末を記憶媒体として利用しても良い。また、指紋、掌紋や虹彩などの遊技者の生体情報を管理装置7側に事前に登録しておき、その生体情報を利用した生体認証に基づいて実施例同様の持玉共有サービスを行う構成としても良い。
【0088】
店内LAN8に接続された図示しない呼出ランプユニットや中継装置6などの端末装置に、CPUなどを含んで構成された制御回路を内蔵し、管理装置7での処理を、これら呼出ランプユニット、中継装置や台間貸出機2にて行う構成としても良い。また、管理装置7側で行う処理の一部(外部へのメール送信処理など)を台間貸出機2内の図示しない制御装置で行う構成としても良い。勿論、台間貸出機2における処理の一部(送信文作成手段に関わる構成など)を、管理装置7や、中継装置6などに行わせても良い。
【0089】
パチンコ遊技機1毎に再遊技手段(台間貸出機2内の図示しない玉放出機構及びノズル13)を設ける構成としたが、島端などに設けられる所謂島端再プレイ機などを再遊技手段としても良い。また、持玉の譲渡を行う際に持玉カードを介在させるシステム構成としたが、持玉数を示すデータを台間貸出機2間で移動(送受信)することにより持玉の譲渡を行うようにしても良い。
【0090】
台間貸出機2に対して、カード発行装置9に備えられている2次元コード用の読取部9aと同様の読取部を識別情報受付手段として設け、この読取部により譲渡確定メール(図8参照)中の2次元コードを読み取ったときに、その解読及び検証を行った上で、当該2次元コードにより示される希望譲渡数を台間貸出機2内の記憶部に持玉数として記憶(加算)すると共に、上記2次元コードの無効化処理(再使用を不許可とする処理)を行う構成としても良い。
【0091】
持玉数や貯玉数の基づいた再遊技の際に、暗証番号の入力などのような個人認証が必要となるシステム構成としても良い。また、パチンコ遊技機に限らず、遊技媒体としてコインを使用するスロットマシンを備えた遊技場用システムにも適用できることは勿論であり、この場合には、持玉カードに対して獲得遊技媒体数を記憶する際に、その遊技媒体の種類(パチンコ玉またはコイン)を特定できる情報も記憶することになる。また、情報表示部11に表示する譲渡数入力画面や提示額入力画面などの情報提示画面、並びに譲渡メールや譲渡確定メールなどにも譲渡対象の遊技媒体を特定できる情報を含ませることになる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施例を示す遊技場用システムの全体構成図
【図2】遊技会員データベースのフォーマット例を示す図
【図3】譲渡数入力画面の表示例を示す図
【図4】提示額入力画面の表示例を示す図
【図5】メール送信画面の表示例を示す図
【図6】譲渡メールの内容例を示す図
【図7】メール受信画面の表示例を示す図
【図8】譲渡確定メールの内容例を示す図
【図9】退店メールの内容例を示す図
【図10】来店メールの内容例を示す図
【図11】貯玉メールの内容例を示す図
【図12】パチンコ玉を譲渡する場合の提示額の例を示す図
【符号の説明】
【0093】
1はパチンコ遊技機、2は台間貸出機、7は管理装置(顧客管理手段、遊技信号受信手段)、9はカード発行装置、9aは読取部(識別情報受付手段)、11は情報表示部(受付手段、報知手段、譲渡先受付手段)、13はノズル(再遊技手段)、14はカード挿入スロット、15はカード発行スロット、16は計数機ユニット(計数手段)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場側から貸し出された遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機が複数台設置された遊技場用システムにおいて、
遊技者が獲得した遊技媒体のうち、当該遊技者が決定した任意の数の遊技媒体に対応した希望譲渡数を示す希望譲渡数情報を受け付ける受付手段と、
この受付手段が受け付けた希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定する譲渡数特定手段と、
遊技場における遊技媒体の貸出単価及び景品交換単価のうち、少なくとも一方を特定可能な交換情報を記憶する交換情報記憶手段と、
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により、当該譲渡遊技媒体数に相当した数の遊技媒体を遊技場側から貸出を受ける場合の貸出価額よりも低く、当該譲渡遊技媒体数に相当した数の遊技媒体を景品と交換する場合の景品交換価額よりも高い価額となる譲渡価額を特定する譲渡価額特定手段と、
この譲渡価額特定手段が特定した譲渡価額と前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数とを対比可能な状態の遊技者支援情報として遊技者向けに報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
遊技場側から貸し出された遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機が複数台設置された遊技場用システムにおいて、
遊技者が獲得した遊技媒体のうち、当該遊技者が決定した任意の数の遊技媒体に対応した希望譲渡数を示す希望譲渡数情報を受け付ける受付手段と、
この受付手段が受け付けた希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定する譲渡数特定手段と、
遊技場における遊技媒体の貸出単価及び景品交換単価のうち、少なくとも一方を特定可能な交換情報を記憶する交換情報記憶手段と、
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により、譲渡遊技媒体数に対応する貸出価額及び景品交換価額のうちの少なくとも一方を特定する基準価額特定手段と、
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により特定される推奨譲渡価額、及び遊技者の操作入力により基づいて特定される提示譲渡価額の少なくとも一方を譲渡価額として特定する譲渡価額特定手段と、
この譲渡価額特定手段により特定される譲渡価額と前記基準価額特定手段により特定される景品交換価額との差額に対応した譲渡元利益、及び、前記基準価額特定手段により特定される貸出価額と前記譲渡価額特定手段により特定される譲渡価額の差額に対応した譲渡先利益のうちの少なくとも一方である譲渡利益を特定する譲渡利益特定手段と、
前記譲渡価額特定手段が特定した譲渡価額と、前記譲渡利益特定手段が特定した譲渡利益とを対比可能な状態の遊技者支援情報として遊技者向けに報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項3】
遊技媒体数を当該遊技媒体の持ち主と対応付けた状態の獲得数として記憶可能な獲得数記憶手段と、
この獲得数記憶手段に記憶された獲得数の少なくとも一部を特定可能な獲得数情報を記憶した記憶媒体を発行する発行手段と、
遊技者が獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、
この計数手段が遊技媒体の計数を行った場合に、その計数結果を、前記獲得数記憶手段により記憶され、当該計数対象となった遊技媒体を獲得した遊技者を持ち主とした状態の獲得数に加算する一方、前記発行手段が前記記憶媒体を発行した場合に、その記憶媒体に記憶された獲得数情報により示される獲得数を前記獲得数記憶手段に記憶されている獲得数から減算する獲得数更新手段と、
前記記憶媒体に記憶された獲得数情報により特定される獲得数に対応した数の遊技媒体の少なくとも一部を遊技に使用できるように払い出す再遊技手段と、
を備え、
前記発行手段は、前記獲得数情報として前記譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数を記憶した第1記憶媒体を発行すると共に、当該第1記憶媒体の発行後において前記獲得数記憶手段に記憶されている獲得数が残存する場合に、その残存獲得数を特定可能な情報を記憶した第2記憶媒体を発行可能に構成とされていることを特徴とする請求項1または2記載の遊技場用システム。
【請求項4】
遊技媒体の譲渡先となり得るメール送信対象者のEメールアドレスを特定可能な入力操作を受け付ける譲渡先受付手段と、
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数、及び前記譲渡価額特定手段が特定した譲渡価額を含む送信文を作成する送信文作成手段と、
この送信文作成手段が作成した送信文を前記譲渡先受付手段が受け付けた入力操作により特定される前記メール送信対象者のEメールアドレスへ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記送信手段による前記送信文の送信先である譲渡先遊技者からの返信メールを受信する受信手段を備えた上で、
前記送信文作成手段を、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数を識別可能な情報である譲渡数識別情報が含まれる第2送信文を作成する構成とし、
前記送信手段を、前記受信手段による返信メールの受信を条件として前記送信文作成手段が作成した第2送信文を前記譲渡先遊技者のEメールアドレスへ送信する構成とし、
前記獲得数更新手段を、前記送信手段が前記第2送信文を送信した場合に、当該送信文に含まれる譲渡数識別情報により示される譲渡遊技媒体数に応じた獲得数を前記獲得数記憶手段に記憶された獲得数から減算する構成とし、
前記第2送信文に含まれる譲渡数識別情報を受け付ける識別情報受付手段と、
この識別情報受付手段が受け付けた譲渡数識別情報により示される譲渡遊技媒体数を特定可能な情報を記憶した記憶媒体を発行する処理、或いは、当該譲渡遊技媒体数のうち、少なくとも一部を遊技に使用できるように払い出す処理を行う識別情報処理手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4記載の遊技場用システム。
【請求項6】
遊技者が遊技場側に預けた獲得数である貯媒体数を遊技者毎に管理すると共に、遊技媒体の譲渡元遊技者のEメールアドレス、及び前記送信手段による前記第2送信文の送信に応じて前記獲得数更新手段により減算される獲得数に相当した仮譲渡数を管理できる顧客管理手段を備え、
前記識別情報処理手段による処理が予め設定された期限内に実施されなかった場合に、
前記送信文作成手段は、遊技媒体の譲渡が成立しなかった旨を示す譲渡不成立送信文を作成し、
前記送信手段は、遊技媒体の譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方のEメールアドレスへ前記譲渡不成立送信文を送信し、
前記顧客管理手段は、前記譲渡不成立送信文の送信に応じて前記前記仮譲渡数を前記譲渡元遊技者に係る貯媒体数へ移行させる処理を実行することを特徴とする請求項5記載の遊技場用システム。
【請求項7】
前記遊技機側から送信される遊技機の稼動状況を特定可能な遊技信号を受信する遊技信号受信手段と、
この遊技信号受信手段が受信した遊技信号に基づいて遊技機の稼動の有無を判定すると共に、稼動中と判定した遊技機の台数を稼動数として特定し、その稼動数が予め設定されたしきい値を超えた場合に、前記報知手段による報知動作、前記発行手段による前記第1記憶媒体の発行動作、及び前記送信手段によるEメール送信動作のうちの少なくとも1つを、禁止する処理、或いは、譲渡元遊技者の譲渡益が零とならない範囲の手数料を前記獲得数更新手段により前記獲得数記憶手段が記憶する獲得数を減算して徴収することを条件として許容する処理を行う譲渡抑制手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の遊技場用システム。
【請求項8】
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数に前記貸出単価を乗じた貸出価額及び前記譲渡遊技媒体数に前記景品交換単価を乗じた景品交換価額のうちの少なくとも一方を、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により特定する基準価額特定手段を備え、
前記譲渡価額特定手段は、前記基準価額特定手段により特定される貸出価額、景品交換額、或いは貸出価額と景品交換価額との和のうちの何れかに、所定の比率を乗じた値、或いは所定数を加減算した値を前記譲渡価額として特定するように、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により前記譲渡価額を特定することを特徴とする請求項1記載の遊技場用システム。
【請求項1】
遊技場側から貸し出された遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機が複数台設置された遊技場用システムにおいて、
遊技者が獲得した遊技媒体のうち、当該遊技者が決定した任意の数の遊技媒体に対応した希望譲渡数を示す希望譲渡数情報を受け付ける受付手段と、
この受付手段が受け付けた希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定する譲渡数特定手段と、
遊技場における遊技媒体の貸出単価及び景品交換単価のうち、少なくとも一方を特定可能な交換情報を記憶する交換情報記憶手段と、
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により、当該譲渡遊技媒体数に相当した数の遊技媒体を遊技場側から貸出を受ける場合の貸出価額よりも低く、当該譲渡遊技媒体数に相当した数の遊技媒体を景品と交換する場合の景品交換価額よりも高い価額となる譲渡価額を特定する譲渡価額特定手段と、
この譲渡価額特定手段が特定した譲渡価額と前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数とを対比可能な状態の遊技者支援情報として遊技者向けに報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
遊技場側から貸し出された遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機が複数台設置された遊技場用システムにおいて、
遊技者が獲得した遊技媒体のうち、当該遊技者が決定した任意の数の遊技媒体に対応した希望譲渡数を示す希望譲渡数情報を受け付ける受付手段と、
この受付手段が受け付けた希望譲渡数情報により示される希望譲渡数を譲渡遊技媒体数として特定する譲渡数特定手段と、
遊技場における遊技媒体の貸出単価及び景品交換単価のうち、少なくとも一方を特定可能な交換情報を記憶する交換情報記憶手段と、
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により、譲渡遊技媒体数に対応する貸出価額及び景品交換価額のうちの少なくとも一方を特定する基準価額特定手段と、
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により特定される推奨譲渡価額、及び遊技者の操作入力により基づいて特定される提示譲渡価額の少なくとも一方を譲渡価額として特定する譲渡価額特定手段と、
この譲渡価額特定手段により特定される譲渡価額と前記基準価額特定手段により特定される景品交換価額との差額に対応した譲渡元利益、及び、前記基準価額特定手段により特定される貸出価額と前記譲渡価額特定手段により特定される譲渡価額の差額に対応した譲渡先利益のうちの少なくとも一方である譲渡利益を特定する譲渡利益特定手段と、
前記譲渡価額特定手段が特定した譲渡価額と、前記譲渡利益特定手段が特定した譲渡利益とを対比可能な状態の遊技者支援情報として遊技者向けに報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項3】
遊技媒体数を当該遊技媒体の持ち主と対応付けた状態の獲得数として記憶可能な獲得数記憶手段と、
この獲得数記憶手段に記憶された獲得数の少なくとも一部を特定可能な獲得数情報を記憶した記憶媒体を発行する発行手段と、
遊技者が獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、
この計数手段が遊技媒体の計数を行った場合に、その計数結果を、前記獲得数記憶手段により記憶され、当該計数対象となった遊技媒体を獲得した遊技者を持ち主とした状態の獲得数に加算する一方、前記発行手段が前記記憶媒体を発行した場合に、その記憶媒体に記憶された獲得数情報により示される獲得数を前記獲得数記憶手段に記憶されている獲得数から減算する獲得数更新手段と、
前記記憶媒体に記憶された獲得数情報により特定される獲得数に対応した数の遊技媒体の少なくとも一部を遊技に使用できるように払い出す再遊技手段と、
を備え、
前記発行手段は、前記獲得数情報として前記譲渡数特定手段により特定された譲渡遊技媒体数を記憶した第1記憶媒体を発行すると共に、当該第1記憶媒体の発行後において前記獲得数記憶手段に記憶されている獲得数が残存する場合に、その残存獲得数を特定可能な情報を記憶した第2記憶媒体を発行可能に構成とされていることを特徴とする請求項1または2記載の遊技場用システム。
【請求項4】
遊技媒体の譲渡先となり得るメール送信対象者のEメールアドレスを特定可能な入力操作を受け付ける譲渡先受付手段と、
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数、及び前記譲渡価額特定手段が特定した譲渡価額を含む送信文を作成する送信文作成手段と、
この送信文作成手段が作成した送信文を前記譲渡先受付手段が受け付けた入力操作により特定される前記メール送信対象者のEメールアドレスへ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記送信手段による前記送信文の送信先である譲渡先遊技者からの返信メールを受信する受信手段を備えた上で、
前記送信文作成手段を、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数を識別可能な情報である譲渡数識別情報が含まれる第2送信文を作成する構成とし、
前記送信手段を、前記受信手段による返信メールの受信を条件として前記送信文作成手段が作成した第2送信文を前記譲渡先遊技者のEメールアドレスへ送信する構成とし、
前記獲得数更新手段を、前記送信手段が前記第2送信文を送信した場合に、当該送信文に含まれる譲渡数識別情報により示される譲渡遊技媒体数に応じた獲得数を前記獲得数記憶手段に記憶された獲得数から減算する構成とし、
前記第2送信文に含まれる譲渡数識別情報を受け付ける識別情報受付手段と、
この識別情報受付手段が受け付けた譲渡数識別情報により示される譲渡遊技媒体数を特定可能な情報を記憶した記憶媒体を発行する処理、或いは、当該譲渡遊技媒体数のうち、少なくとも一部を遊技に使用できるように払い出す処理を行う識別情報処理手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4記載の遊技場用システム。
【請求項6】
遊技者が遊技場側に預けた獲得数である貯媒体数を遊技者毎に管理すると共に、遊技媒体の譲渡元遊技者のEメールアドレス、及び前記送信手段による前記第2送信文の送信に応じて前記獲得数更新手段により減算される獲得数に相当した仮譲渡数を管理できる顧客管理手段を備え、
前記識別情報処理手段による処理が予め設定された期限内に実施されなかった場合に、
前記送信文作成手段は、遊技媒体の譲渡が成立しなかった旨を示す譲渡不成立送信文を作成し、
前記送信手段は、遊技媒体の譲渡元遊技者及び譲渡先遊技者の双方のEメールアドレスへ前記譲渡不成立送信文を送信し、
前記顧客管理手段は、前記譲渡不成立送信文の送信に応じて前記前記仮譲渡数を前記譲渡元遊技者に係る貯媒体数へ移行させる処理を実行することを特徴とする請求項5記載の遊技場用システム。
【請求項7】
前記遊技機側から送信される遊技機の稼動状況を特定可能な遊技信号を受信する遊技信号受信手段と、
この遊技信号受信手段が受信した遊技信号に基づいて遊技機の稼動の有無を判定すると共に、稼動中と判定した遊技機の台数を稼動数として特定し、その稼動数が予め設定されたしきい値を超えた場合に、前記報知手段による報知動作、前記発行手段による前記第1記憶媒体の発行動作、及び前記送信手段によるEメール送信動作のうちの少なくとも1つを、禁止する処理、或いは、譲渡元遊技者の譲渡益が零とならない範囲の手数料を前記獲得数更新手段により前記獲得数記憶手段が記憶する獲得数を減算して徴収することを条件として許容する処理を行う譲渡抑制手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の遊技場用システム。
【請求項8】
前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数に前記貸出単価を乗じた貸出価額及び前記譲渡遊技媒体数に前記景品交換単価を乗じた景品交換価額のうちの少なくとも一方を、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により特定する基準価額特定手段を備え、
前記譲渡価額特定手段は、前記基準価額特定手段により特定される貸出価額、景品交換額、或いは貸出価額と景品交換価額との和のうちの何れかに、所定の比率を乗じた値、或いは所定数を加減算した値を前記譲渡価額として特定するように、前記譲渡数特定手段が特定した譲渡遊技媒体数と前記交換情報記憶手段が記憶する交換情報とに基づいた演算により前記譲渡価額を特定することを特徴とする請求項1記載の遊技場用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−172047(P2009−172047A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11619(P2008−11619)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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