説明

遊技場用システム

【課題】遊技者が獲得した獲得媒体である持玉の一部を特定可能な持玉券を分割発行する場合に、盗難防止機能の盲点を付いた盗難に対して適切に対応できるようにする。
【解決手段】遊技者が各台計数機3に設けられる制限釦を操作することで、発行された複数の持玉券を要注意状態とし、遊技者が当該要注意状態とした持玉券に対する解除を操作することで、要注意状態を解除するように構成した。不正者が不正に発行処理した持玉券に迅速に使用制限を掛けることができる一方、正常な発行処理を行った遊技者を必要以上に不快させる虞もない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が獲得した遊技媒体数である獲得媒体数の一部を特定可能な記録媒体を分割発行することが可能な遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、遊技機での遊技により獲得した出玉を島端の計数機まで運搬することが煩わしい等の理由により、遊技機毎に計数機(各台計数機)を設け、その各台計数機により計数した出玉を特定可能な記録媒体を発行するシステムを導入している。このようなシステムを導入する場合、例えば特許文献1に開示されているように記録媒体の盗難防止機能を設けることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−279248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、特許文献1では、盗難防止操作に応じて直前に発行した記録媒体に使用制限を掛けることで盗難防止することが提案されているが、このような盗難防止機能を前提とした場合、不正者が以下のように行動することが想定される。即ち、出玉の一部を特定可能な記録媒体を発行する所謂分割発行処理を行い、その後に残りの発行処理を行う。このような発行処理を行えば、直前の発行処理で発行された記録媒体のみが使用制限対象となり、分割発行された記録媒体には使用制限が掛からない。又、遊技者の出玉について不正者が発行処理し、その後に他の遊技者が一旦記録媒体を受付け、更に発行処理した場合には、不正者が不正に発行処理した記録媒体には使用制限が掛からない。しかしながら、発行処理した全ての記録媒体に対し、このような不正者の行動を想定して不用意に使用制限を掛けてしまうと、例えば上記したように一旦記録媒体を受付けた遊技者の記録媒体に使用制限を掛けてしまう等、無用に遊技者を不快にさせかねない。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、盗難防止機能の盲点を付いた盗難に対して適切に対応することできる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、遊技機に対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体数である獲得媒体数を特定可能な記録媒体である獲得記録媒体を受付ける受付処理を行う受付手段と、遊技機に対応して設けられ、当該遊技機で遊技する遊技者の前記獲得媒体数を特定可能な獲得情報を記憶する獲得情報記憶手段と、遊技機に対応して設けられ、遊技者による払戻操作に応じて前記獲得媒体を対価として遊技者に遊技媒体を払戻す払戻処理を行う払戻手段と、遊技機、及び前記受付手段に対応して設けられ、遊技者による発行操作に応じて前記獲得情報により特定される獲得媒体数を特定可能な記録媒体を前記獲得記録媒体として発行する発行処理を行う発行手段と、前記獲得情報記憶手段が記憶する獲得情報を、前記受付処理、前記払戻処理、及び前記発行処理に応じて更新する更新処理を行う更新手段と、遊技者、又は遊技場従業員による制限操作の受付、及び前記発行処理後の遊技情報により判定される遊技継続中である旨の判定のうち少なくとも一方により成立する制限条件が成立した場合に、前記発行処理により発行された複数の獲得記録媒体を要注意媒体として要注意状態にする要注意処理手段と、遊技者、又は遊技場従業員による前記要注意媒体に対する選択操作を受付可能であり、その選択操作に応じて前記要注意状態を解除する選択手段と、前記受付処理を実行可能であり、その受付けた前記獲得記録媒体により特定される獲得媒体を精算する精算処理を行う精算手段と、前記要注意媒体の受付に対応する前記払戻処理、前記発行処理、及び前記精算処理のうち少なくとも1つの処理を抑制する抑制手段と、を備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記選択手段は、前記選択操作として、前記要注意状態を解除する解除操作と、抑制状態へと変更する変更操作とを受付可能であり、当該変更操作があった場合に、その要注意媒体を抑制媒体として要注意状態から抑制状態へと変更可能であり、前記抑制手段は、前記抑制媒体の受付に対応する前記払戻処理、前記発行処理、及び前記精算処理を抑制する一方、前記要注意媒体の受付に対応する前記払戻処理を抑制せず、前記要注意媒体の受付に対応する前記精算処理を抑制するところに特徴を有する。
【0008】
請求項3に記載した発明は、前記抑制手段は、前記精算処理を抑制する場合に、受付けた獲得記録媒体が、前記要注意媒体であるのか、前記抑制媒体であるのかを特定可能な表示を行い、その表示に応じた解除操作によって、前記要注意状態、又は抑制状態を解除するところに特徴を有する。
【0009】
請求項4に記載した発明は、前記発行処理に応じて作成される少なくとも発行された獲得記録媒体を特定可能な発行履歴であり、当該獲得記録媒体に関わる発行情報を記憶する発行履歴記憶手段と、前記要注意媒体の候補となる複数の獲得記録媒体を抽出するための条件であって、前記発行情報により特定される発行時刻に対する時間範囲、前記発行情報により特定される発行対象となった獲得媒体数に対応する媒体数範囲、前記発行情報により特定される前記獲得記録媒体を受付けた前記受付手段を示すID、前記発行情報により特定される前記獲得記録媒体を受付けた前記受付手段に対応する遊技機で遊技する遊技者のIDのうち少なくとも1つを示す抽出条件、及び前記発行処理を起点とした経過情報に対する経過情報範囲のうち少なくとも一方を設定する要注意範囲設定手段と、前記制限条件が成立した場合に、前記発行情報が前記抽出条件に属する発行履歴に対応した複数の獲得記録媒体を抽出する抽出処理、及び前記制限条件が成立した時点の最新の前記発行履歴に対応する発行処理である最新発行処理と、前記最新発行処理の直前の発行処理であり、その経過情報が前記経過情報範囲に属する状態で前記最新発行処理が実行された発行処理とにより各々発行された獲得記録媒体を抽出する抽出処理のうち少なくとも一方の抽出処理を実行することで、前記要注意媒体の候補となる複数の獲得記録媒体を抽出する要注意候補抽出手段と、を備え、前記要注意処理手段は、前記制限条件が成立した場合に、抽出された前記要注意媒体の候補となる複数の獲得記録媒体を前記要注意媒体として要注意状態にするところに特徴を有する。
【0010】
請求項5に記載した発明は、前記発行処理に応じて作成される少なくとも発行された獲得記録媒体を特定可能な発行履歴であり、当該獲得記録媒体に関わる発行情報を記憶する発行履歴記憶手段と、前記要注意状態を解除する候補となる要注意媒体を抽出するための条件であって、前記発行情報により特定される発行時刻に対する時間範囲、前記発行情報により特定される発行対象となった獲得媒体数に対する媒体数範囲、前記発行情報により特定される前記獲得記録媒体を受付けた前記受付手段を示すID、前記発行情報により特定される前記獲得記録媒体を受付けた前記受付手段に対応する遊技機で遊技する遊技者のIDを示す解除抽出条件を設定する解除条件設定手段と、前記選択操作が行われる場合に、前記発行情報が前記解除抽出条件に属する発行履歴に対応した獲得記録媒体を抽出する解除抽出処理を実行することで、前記要注意状態を解除する候補となる獲得記録媒体を抽出する解除抽出手段と、を備え、前記選択手段は、前記選択操作を受付ける場合に、前記解除候補として抽出されているか否かを特定可能に前記要注意媒体の発行情報を表示するところに特徴を有する。
【0011】
請求項6に記載した発明は、前記選択手段は、前記要注意媒体の受付処理、及び当該受付処理に対応する前記払戻処理のうち少なくとも一方が実行された場合に、当該要注意媒体の発行処理を行った発行手段に対応する遊技機で遊技する遊技者に対して、前記選択操作を促す表示を行うことで前記選択操作を受付けるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載した発明によれば、遊技者、又は遊技場従業員による制限操作の受付、及び発行処理後の遊技情報により判定される遊技継続中である旨の判定のうち少なくとも一方により成立する制限条件が成立すると、発行された複数の獲得記録媒体を要注意媒体として要注意状態にし、遊技者、又は遊技場従業員による要注意媒体に対する選択操作に応じて要注意状態を解除するように構成したので、不正者が不正に発行処理した獲得記録媒体に迅速に使用制限を掛けることができる一方、正常な発行処理を行った遊技者を必要以上に不快にさせる虞もなく、盗難防止機能の盲点を付いた盗難に対して適切に対応することできる。
【0013】
請求項2に記載した発明によれば、要注意状態であるのか、抑制状態であるのかに応じて抑制処理を差別化するので、使用制限を掛ける場合に必要以上に遊技者を不快にさせる虞がない。即ち、共通の抑制処理として精算処理を抑制するので、全ての獲得媒体が精算されるという最悪の自体を避けることができる一方、払戻処理を要注意状態では抑制しないので、遊技中の遊技者に必要以上に影響が出なく、遊技中、即ち、疑いのある遊技者を遊技により拘束した状態で、獲得記録媒体が不正に発行されたか否かを判断すれば良くなり、仮に不正な発行処理により発行された場合であっても、その判断に要する時間的な制約を極力排除することができる。
【0014】
請求項3に記載した発明によれば、精算処理時に抑制レベルを把握することができ、その都度、従業員が切替えて対応することをサポートすることができる。この場合、要注意状態であれば「確認しますので少しお待ち下さい」等の対応として、遊技者を不快にさせないことに重点をおいて対応する一方、抑制状態であれば事務室に案内する等、不正者を取り逃がさないことに重点をおいての対応が想定される。
【0015】
請求項4に記載した発明によれば、予め制限条件を設定することで、獲得記録媒体をある程度絞って要注意状態にすることができる。
請求項5に記載した発明によれば、解除候補が表示されるので、遊技者が記憶する疑いの無い発行処理(例えば家族への発行処理等)により発行された獲得記録媒体の要注意状態を適切に解除することができる。
【0016】
請求項6に記載した発明によれば、要注意媒体が使用される場合に、発行元の遊技者に対して確認操作を促すので、要注意媒体の受付に応じた遊技者の遊技に並行して、発行元の遊技者による要注意状態を解除すれば良いのか否かを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
【図2】各台計数機を示す図
【図3】端末記憶領域を示す図
【図4】発行履歴を示す図
【図5】要注意持玉券リストを示す図
【図6】持玉券リストを示す図
【図7】各台計数機が行う各台計数機処理を示すフローチャート
【図8】図7相当図
【図9】管理装置が行う管理装置処理を示すフローチャート
【図10】要注意リスト画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場にはパチンコ遊技機(以下、遊技機と称する)1に対応して貸出機2及び各台計数機(台毎端末)3(本発明でいう受付手段、獲得情報記憶手段、払戻手段、発行手段、更新手段、要注意処理手段、選択手段、抑制手段、発行履歴記憶手段、要注意範囲設定手段、解除条件設定手段、解除抽出手段)が設置されており、2台の遊技機1、2台の貸出機2及び2台の各台計数機3は中継装置4に接続されている。中継装置4はLAN5を介して例えば管理室に設置されている管理装置6及びPOS7(本発明でいう精算手段)に接続されている。管理装置6は、遊技機1側(遊技機1、貸出機2及び各台計数機3等)から出力された遊技信号を中継装置4を介して受信する。尚、図1では省略しているが、数100台の遊技機1が管理装置6の管理対象となる。又、遊技機1、貸出機2、各台計数機3及び中継装置4は遊技機端末8を構成する。
【0019】
遊技機1は、所謂デジパチとしての周知の構成を有し、払出された遊技玉を受ける上部受皿9、上部受皿9から溢れた玉又は釦操作により上部受皿9から導かれた玉を受ける下部受皿10、上部受皿9の玉を盤面に発射するためのハンドル11等を備えて構成されている。又、遊技機1の盤面には、普図(普通図柄)入賞口12、第1始動口13、第2始動口14、第1始動口13又は第2始動口14への入賞に応じて表示図柄が変動する液晶表示部15、液晶表示部15に表示された図柄が大当たり図柄である場合に発生する大当たり時に開放する大入賞口16等が設けられている。
【0020】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口13又は第2始動口14への入賞に応じて大当たり抽選を行い、抽選結果に基づいて所謂特別図柄(特図)による図柄変動を液晶表示部15にて実行し、その結果に応じて大当たりを発生させる。尚、所謂保留玉の上限は各4個ずつであり、保留中に始動入賞した場合は上限まで保留し、図柄変動終了後に順次保留した図柄変動を実行する。
【0021】
(2)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/300であり、大当たりのうち大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)であり、平均継続数は1÷(1−(2/3))=3回である。
【0022】
(3)大当たりが発生すると対応するラウンド(R)に応じた分(15R分)だけ大入賞口16を開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0023】
(4)確変中は大当たり確率が1/30に向上すると共に、第2始動口14への入賞率が向上する時短状態(時短)になる。尚、確変は次回の大当たりまで継続するので、大当たり後に通常遊技状態(通常)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続する。又、確変及び時短等の遊技者にとって通常よりも大当たりを発生させ易い状態を甘中とする。
【0024】
貸出機2は、遊技者が貨幣を投入するための貨幣投入口17、遊技データ等の各種情報を表示する表示機能及び遊技者からの入力を受付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部18、遊技者が会員カードを挿入するためのカード挿入口19、遊技者がカード挿入口19に挿入されている会員カードを排出させるために操作する返却釦(排出釦)20、遊技者が再プレイ玉の払出しを受けるために操作する再プレイ釦21等を備えて構成されている。
【0025】
貸出機2は、所謂カード式であり、受付けた貨幣に対応するカードを内部的に発行し、遊技機1に設けられる図示しない貸出釦の押下に応じて、発行したカードに対応する貨幣(有価価値)を対価として玉を貸出すべく貸出信号を遊技機1に送信して遊技機1から玉を払出させることで貸出処理を実行する。尚、再プレイ玉も同様に遊技機1から払出される。尚、受付けた貨幣を対価としてノズルから玉が直接払出される構成でも良い。貸出機2は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM及びROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部等を備えており、各種信号や各種情報を中継装置4を介して送受信する。
【0026】
遊技機1側からは次に示す遊技信号が出力される。
「アウト信号」:使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト、使用媒体数)を特定可能な信号である。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
【0027】
「セーフ信号」:遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、払出媒体数)を特定可能な信号である。遊技機1での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0028】
「スタート信号」:遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号である。第1始動口13又は第2始動口14への入賞により変動(作動)する液晶表示部15(役物)における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、第1始動口13又は第2始動口14への入賞に応じて出力される始動入賞信号を図柄変動と見做してスタート信号としても良い。
【0029】
「大当たり信号」:遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号である。大当たり中にレベル出力される状態信号であるので、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
【0030】
「特別状態信号」:遊技機1から出力される特別状態を特定可能な信号である。大当たり確率が向上する確変中等の大当たりを通常状態よりも発生させ易い状態である特別状態中にレベル出力される状態信号(確変信号)であるので、特別状態信号受信中を特別状態中として特定する。尚、確変中だけでなく、第1始動口13又は第2始動口14への入賞率が向上する時短中にもレベル出力される。又、大当たり信号や特別状態信号等の状態信号を受信していない期間を通常状態として特定する。
【0031】
「売上信号」:貸出機2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号である。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、「売上玉数×貸出単価(例えば4円)」を売上額として特定する。
【0032】
各台計数機3は、図2に示すように、機器状態等を多色の点灯や点滅により表示する状態表示LED22、テンキー23、遊技者が貯玉するために操作する貯玉釦24、機器の操作説明、持玉数、持玉を払戻す際の残り払出数、機器の異常点検情報等を表示する液晶表示部25、遊技者が遊技により獲得した持玉(獲得媒体に相当する)を特定可能な記録媒体である持玉券(IC持玉券とも称する)(獲得記録媒体に相当する)を発券(発行)するために操作する発行釦26、発行された持玉券に対して遊技者が使用制限するために操作する制限釦27、持玉を払戻すための玉払出ノズル28、遊技者が持玉を払戻すために操作する払戻釦29、リモコン受光部30、遊技者が持玉券を挿入するための持玉券挿入口31、受皿部32等を備えて構成されている。
【0033】
各台計数機3は、遊技機1の上部受皿9又は下部受皿10の玉が下部受皿10の開放に伴って落下されて受皿部32に受けられることで、獲得玉を装置本体の下部に配置されている計数部(図示せず)にて計数する。このように計数された獲得玉は持玉として特定され、遊技者が払戻操作を行う(払戻釦29を押下する)ことで、玉払出ノズル28から遊技機1の上部受皿9に払出される一方、遊技者が発行操作を行う(発行釦26を押下する)ことで、持玉数を特定可能な持玉券が発行される。尚、テンキー23に設けられている「C(キャンセル)」釦は、テンキー21に対する操作により入力した数値をクリアするための釦であり、「確(確定)」釦は、入力した数値を確定するための釦であり、数値入力後に発行釦26が押下された場合には、持玉数を上限として入力された数値に相当する持玉数を特定可能な持玉券が発行(分割発行)される。
【0034】
各台計数機3は、CPUからなる制御部、CF、RAM、ROMからなる記憶部、I/Fからなる送受信部を備えており、各種信号や各種情報を中継装置4を介して送受信する。又、各台計数機3は、以下の機能を有する。
(1)持玉と計数玉とを記憶し、受皿部32にて受けた玉を検知すると、計数玉を加算し、3秒の計数タイマを作動させ、その計数タイマの作動中に玉計数があると計数玉の加算及び計数タイマを再始動する計数処理を行う。
(2)持玉数が正(>0)の状態で、払戻釦29が押下された場合には、持玉をその範囲内で払戻1単位(125玉)分、払戻す払戻処理を行い、払戻玉数を特定可能な払戻信号を中継装置4に送信する。
【0035】
(3)持玉券挿入口31の奥にて複数の持玉券を受付順にストックしており、持玉数が正の状態で、発行釦26が押下された場合には、ストックしている持玉券のうち受付順が最新である持玉券を発行する発行処理を行う。
(4)持玉券を受付けると、持玉券情報により特定される持玉により自身が記憶する持玉を更新(加算)し、持玉券情報により特定される持玉を特定可能な受付信号を中継装置4に送信する。
【0036】
各台計数機3は、持玉の一部を指定して発行対象とする分割発行が可能であり、図3に示す端末記憶領域を備えていると共に、図4に示す発行履歴を記憶する記憶領域を備えている。図3に示す端末記憶領域における各項目の意味は次の通りである。
【0037】
「持玉券ID」:現在受付けている、又は発行対象となっている持玉券IDである。
「受付持玉」:受付処理にて受付けた持玉券の持玉の玉数である。
「計数玉」:計数処理にて計数した玉数である。
「払戻玉」:払戻処理にて払戻した玉数である。
「分割玉」:分割発行処理にて分割発行した玉数である。
「持玉」:払戻処理、発行処理が可能な遊技者の獲得玉数である。受付持玉+計数玉−払戻玉−分割玉である。
【0038】
又、図4に示す発行履歴における各項目(発行情報に相当)の意味は次の通りである。尚、発行処理を行う毎にレコードを作成する。
「発行時刻」:発行処理を行った時刻である。
【0039】
「持玉券ID」:発行対象となった持玉券IDである。
「発行玉」:発行処理により発行対象となった持玉である。
「受付ID」:発行した持玉券を受付けた端末IDである。尚、数値のみが示されているのは各台計数機3を示し、その対応する遊技機の番号(所謂台番)を示している。又、「−」は未受付状態であることを示す。
「対応付」:発行タイマ作動中に発行することで対応付けられた履歴のNOである。
「制限レベル」:対応する持玉券の使用制限レベルであり、「要注意」、「禁止」、「解除」、「−」がある。
【0040】
中継装置4は、CPUからなる制御部、CF、RAM及びROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部等を備えており、各種信号や各種情報を送受信する(中継する)。
POS7は、CPUからなる制御部、HDD、RAM及びROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部、モニタ及びプリンタ等からなる出力部、キーボード等からなる操作部等を備え、複数の(遊技場全体等の)遊技機1に対応して設けられる持玉を精算する端末装置である。即ち、持玉券を受付可能であり、受付けた持玉券に対応する持玉数を特定し、その持玉と景品との交換に関わる交換処理(例えば交換可能な景品数の表示や交換した景品数の管理等、精算処理に相当)を行う。
【0041】
管理装置6は、CPUからなる制御部、HDD、RAM及びROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部、モニタ及びプリンタ等からなる出力部、キーボード及びマウス等からなる操作部等を備え、遊技機1側から出力された遊技信号を受信することで遊技データを当該遊技機1に対して個別に付与されている遊技機ID(台番)毎に集計して特定する機能を有している。
【0042】
管理装置6は、図5に示す要注意持玉券リスト及び図6に示す持玉券リストを記憶する記憶領域を備えており、各台計数機3やPOS7から送信される後述する受付情報等に応じて、その記憶領域を更新する。図5に示す要注意持玉券リストにおける発行時刻、持玉券ID、発行玉、受付ID、及び制限レベルの項目は図4に示した発行履歴の項目に対応している。発行IDは、持玉券を発行した端末IDである。又、図6に示す持玉券リストにおける各項目の意味は次の通りである。
【0043】
「状態」:受付処理、及び発行処理のうち最新の処理が受付処理であれば受付中であり、発行処理であれば発行中である。
「時刻」:最新の発行処理又は受付処理の時刻である。
「対応玉」:最新の処理に対応する受付玉又は発行玉である。
「端末ID」:最新の処理を行った端末IDである。
【0044】
次に、上記した構成の作用について、図7乃至図10を参照して説明する。図7及び図8は各台計数機3が本発明に関連して行う各台計数機処理を示しており、図9は管理装置6が本発明に関連して行う管理装置処理を示している。以下、これらの処理を順次説明する。
【0045】
(1)各台計数機処理
各台計数機3は、メイン処理から各台計数機処理に移行し、各台計数機処理を開始すると、発行釦26が押下されたか否かを判定する(A1)。各台計数機3は、発行釦26が押下されたと判定すると(A1:YES)、禁止フラグを「0」に設定しているか否かを判定し(A2)、禁止フラグを「0」に設定していると判定すると(A2:YES)、遊技者がテンキー23にて持玉を指定したか否か(分割発行するか否か)を判定する(A3)。ここで、各台計数機3は、遊技者がテンキー23にて持玉を指定しなかった(分割発行しない)と判定すると(A3:NO)、遊技者が遊技により獲得した獲得玉の全てを特定可能な持玉券を発行する通常発行処理を行い(A4)、仮注意状態であることを示すべく注意フラグを「1」に設定し(A5)、図4に示した発行履歴にレコードを作成する(A6)。一方、各台計数機3は、遊技者がテンキー23にて持玉を指定した(分割発行する)と判定すると(A3:YES)、遊技者が遊技により獲得した獲得玉の一部を特定可能な持玉券を発行する分割発行処理を行い(A4)、図4に示した発行履歴にレコードを作成する(A6)。
【0046】
次いで、各台計数機3は発行タイマを作動中であるか否かを判定し(A8)、発行タイマを作動中であると判定すると(A8:YES)、前履歴(直前の履歴)と対応付け(A9)、発行タイマを作動開始する(A10)。即ち、各台計数機3は、発行処理が連続して行われたとして双方の持玉券を対応付ける(抽出処理に相当)。尚、発行タイマは60秒間(経過情報範囲に相当)作動した場合に作動停止する。
【0047】
又、各台計数機3は、制限釦27が押下(制限操作に相当)されたか否かを判定し(A11)、制限釦27が押下されたと判定すると(A11:YES)、図4に示した発行履歴のうち最新履歴のレコードの制限レベルに「要注意」を設定し(A12)、即ち、直前の発行処理(最新発行処理に相当)にて発行した持玉券を要注意状態とし、最新履歴のレコードに対応履歴があるか否か(他の履歴が対応付けられているか否か)を判定する(A13)。ここで、各台計数機3は、最新履歴のレコードに対応履歴がある(他の履歴が対応付けられている)と判定すると(A13:YES)、対応履歴のレコードの制限レベルにも「要注意」を設定し(A14)、即ち、その対応する発行処理にて発行した持玉券をも要注意状態とし、その履歴を特定可能な要注意情報を管理装置6に送信する(A15)。
【0048】
又、各台計数機3は、貸出機2と通信可能であり、貸出機2の液晶表示部18に表示されるリスト表示釦が押下されたと判定すると(A16:YES)、又は管理装置6から後述する要注意通知を受信した(要注意媒体の受付処理が実行された場合に相当)と判定すると(A17:YES)、図10(選択操作を促す表示に相当)に示す要注意リスト画面33を貸出機2の液晶表示部18に表示する(A18)。要注意リスト画面33が表示されている状態では、遊技者は操作釦としての禁止釦33aの押下(変更操作に相当)又は解除釦33bの押下(解除操作に相当)を選択押下することで、各持玉券を禁止状態(抑制状態に相当)とするか注意状態を解除するかを設定可能である。
【0049】
各台計数機3は、要注意リスト画面33にて選択操作が行われたか否かを判定し(A19)、選択操作が行われたと判定すると(A19:YES)、図4に示した発行履歴の制限レベルを更新し(A20)、その更新結果を特定可能な解除禁止情報を管理装置6に送信し(A21)、各台計数機処理を終了してメイン処理にリターンする。尚、図10に示した要注意リスト画面33では、遊技者が何れかの操作釦を操作すると、操作した釦が変色し、操作されたことを特定可能であり、全ての持玉券に対する操作を受付けた状態で、遊技者が完了釦33cを押下すると、要注意リスト画面33の表示を終了する。図10では、レコードNO「1」及び「2」の持玉券に対しては禁止状態とする一方、レコードNO「3」の持玉券に対しては注意状態を解除した場合を例示しており(操作による変色をハッチングにて示す)、遊技者がこのような操作を行うことで、図4に示すように発行履歴が更新される。
【0050】
又、各台計数機3は、獲得玉を計数部にて計数したか否かを判定し(A22)、獲得玉を計数部にて計数したと判定すると(A22:YES)、計数処理を行う(A23)。又、各台計数機3は、払戻釦29が押下されたか否かを判定し(A24)、払戻釦29が押下されたと判定すると(A24:YES)、後述する禁止フラグを「0」に設定しているか否かを判定し(A25)、禁止フラグを「0」に設定していると判定すると(A25:YES)、持玉を払戻す払戻処理を行う(A26)。
【0051】
又、各台計数機3は、注意フラグを「1」に設定しているか否かを判定し(A27)、注意フラグを「1」に設定している、即ち、仮注意状態であると判定すると(A27:YES)、遊技機1からアウト信号等の稼動信号を受信したか否かを判定し(A28)、遊技機1から稼動信号を受信したと判定(遊技継続中である旨の判定に相当)すると(A28:YES)、注意フラグを「0」に設定し(A29)、上記したステップA12以降の処理を行う。これは、遊技者が遊技終了時には上部受皿9等に残った出玉を全て計数するので、通常発行処理後は次の遊技者が持玉を得るため、持玉券の受付又は貸出処理を行うが、不正者は一刻も早く発行処理を行いたいので出玉を残したまま発行処理を行う、即ち、出玉を残したまま発行処理を行うため、出玉を盗まれた遊技者が、そのことに気付かずに残った上部受皿9の出玉により遊技した場合を想定している。
【0052】
一方、各台計数機3は、遊技機1から稼動信号を受信していないと判定すると(A28:NO)、貸出機2から売上信号を受信しているか否かを判定し(A30)、貸出機2から売上信号を受信していると判定すると(A30:YES)、注意フラグを「0」に設定する(A31)。
【0053】
又、各台計数機3は、持玉券を持玉券挿入口31にて受付けたか否かを判定し(A32)、持玉券を受付けたと判定すると(A32:YES)、注意フラグを「0」に設定し(A33)、持玉券を受付ける受付処理を行い(A34)、受付情報を管理装置6に送信し(A35)、各台計数機処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0054】
又、各台計数機3は、管理装置6から後述する禁止通知を受信したか否かを判定し(A36)、管理装置6から禁止通知を受信したと判定すると(A36:YES)、禁止フラグを「1」に設定し(A37)、各台計数機処理を終了してメイン処理にリターンする。各台計数機3は、上述した通り禁止フラグを「1」に設定した状態では、その後の発行処理及び払戻処理を禁止する。この禁止フラグは、従業員が携帯する従業員リモコンからの解除信号を受信することで「0」に設定される。即ち、従業員の確認操作に応じて抑制状態が解除される。
【0055】
(2)管理装置処理
管理装置6は、メイン処理から管理装置処理に移行し、管理装置処理を開始すると、各台計数機3から要注意情報を受信したか否かを判定し(B1)、各台計数機3から要注意情報を受信したと判定すると(B1:YES)、図5に示した要注意持玉券リストにレコード作成する(B2)。次いで、管理装置6は、図6に示した持玉券リストを参照して要注意持玉券(制限レベルを「要注意」に設定している持玉券)を受付中であるか否かを判定し(B3)、要注意持玉券を受付中であると判定すると(B3:YES)、要注意通知を発行元の(制限処理を行った)各台計数機3に送信する(B4)。
【0056】
又、管理装置6は、各台計数機3から解除禁止情報を受信したか否かを判定し(B5)、各台計数機3から解除禁止情報を受信したと判定すると(B5:YES)、図5に示した要注意持玉券リストの制限レベルを更新し(B6)、制限レベルを「禁止」に設定した(禁止持玉券とした)レコードがあると判定すると(B7:YES)、更に図6に示した持玉券リストを参照して禁止持玉券を受付中であるか否かを判定し(B8)、禁止持玉券を受付中であると判定すると(B8:YES)、禁止通知を当該禁止持玉券を受付中の各台計数機3(禁止持玉券受付端末)に送信する(B9)。
【0057】
又、管理装置6は、各台計数機3又はPOS7から上述した通りに持玉券を受付けた場合に送信され、受付持玉券IDと受付端末IDとを特定可能な受付情報を受信したか否かを判定し(B10)、受付情報を受信したと判定すると(B10:YES)、図5に示した要注意持玉券リストに受付情報に対応するレコードがあるか否かを判定する(B11)。次いで、管理装置6は、要注意持玉券リストに対応レコードがあると判定すると(B11:YES)、対応レコードを「要注意」に設定しているか否かを判定し(B12)、対応レコードを「要注意」に設定していると判定すると(B12:YES)、要注意通知を発行元の各台計数機3に送信し(B13)、管理装置処理を終了してメイン処理にリターンする。一方、管理装置6は、対応レコードを「要注意」に設定していないと判定すると(B12:NO)、対応レコードを「禁止」に設定しているか否かを判定し(B14)、対応レコードを「禁止」に設定していると判定すると(B14:YES)、禁止通知を当該受付情報の送信元の各台計数機3又はPOS7(受付情報送信元)に送信し(B15)、管理装置処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0058】
尚、上記したフローチャートでは示していないが、要注意通知や禁止通知をPOS7に送信した場合には、POS7にて確認表示を行い、遊技場の従業員に確認行為を促すことで交換処理を抑制する。この場合、要注意又は禁止の何れであるのかを特定可能に表示し、更に確認後に押下(解除操作に相当)することで抑制状態を解除する解除釦を併せて表示することが望ましい。勿論、抑制処理として交換処理を禁止しても良い。又、受付情報を受信した場合に、各台計数機3における図4に示した発行履歴の受付IDを更新すべく、その旨を特定可能な受付通知を発行元の各台計数機3に送信することになるが、要注意通知を送信した場合は兼用すべく、その送信を省略しても良い。
【0059】
以上に説明したように本実施形態によれば、例えば遊技者が各台計数機3に設けられる制限釦を操作することで、発行された複数の持玉券を要注意状態とし、遊技者が当該要注意状態とした持玉券に対する解除を操作することで、要注意状態を解除するように構成したので、不正者が不正に発行処理した持玉券に迅速に使用制限を掛けることができる一方、正常な発行処理を行った遊技者を必要以上に不快させる虞もなく、盗難防止機能の盲点を付いた盗難に対して適切に対応することできる。
【0060】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
制限操作に応じて最新履歴を含む複数の履歴に対応する持玉券を要注意状態としたが、制限操作に先駆け、予め複数の履歴を含み得る条件範囲を指定した上で、その条件に属する履歴に対応する持玉券を抽出して(抽出処理に相当)要注意状態とする等、最新履歴を含まない場合があっても良い。この場合、条件範囲を発行時間帯(時間範囲に相当)、発行玉数(媒体数範囲に相当)、受付台番(受付手段を示すIDに相当)、又は受付台番の遊技機を遊技する遊技者ID等に対して指定すれば良い。
【0061】
遊技者IDを条件範囲とする場合、会員IDを会員カード等により貸出機(ID受付手段)にて受付け、その会員IDを受付けた状態で持玉券を受付けたか否かにより特定すれば良い。この場合、別途、管理装置にて周知の会員データベースを管理し、会員データベース上で、家族等の遊技者を予めグループ登録しておき、グループ登録中の会員IDを条件範囲の指定時に表示することが望ましい。
【0062】
制限操作に応じて、その各台計数機にて発行された全ての持玉券を要注意状態としても良い。この場合も含め、禁止又は解除する際に全ての要注意状態の持玉券の発行履歴を表示せずに、上記した条件範囲を指定して解除又は禁止する発行履歴を抽出(解除抽出処理に相当)表示しても良い。更に、全ての発行履歴又は要注意状態の全ての発行履歴を表示し、抽出された発行履歴にマーク等をつけて表示(解除候補として抽出されているか否かを特定可能に要注意媒体の発行情報を表示に相当)しても良い。
【0063】
制限操作に応じて持玉券を要注意状態とした後、そのまま選択操作を受付けるべく図10に示した要注意リスト画面を表示しても良い。又、制限操作や選択操作は遊技場従業員が行っても良い。この場合、従業員リモコンによる信号送信により制限操作等を受付ければ良い。
【0064】
受付処理に応じて選択操作を受付ける場合に、要注意状態の全てのリストを表示せずに受付処理が行われた持玉券のリストのみを表示しても良い。尚、要注意通知の送信を受付処理時に行うのではなく、払戻処理時等に行っても良い。
【0065】
使用を禁止する代わりに対象となる持玉数等を制限する等の抑制処理を採用しても良い。又、要注意状態時には交換処理のみを対象として抑制処理を行ったが、その代わり又は加えて発行処理や、払戻処理を抑制しても良い。尚、例示した数値や項目は、必要に応じてどのような数値や項目を採用しても良い。
持玉券IDの代わりに、発行処理に応じて持玉券に対応付けて発行されるようなIDを採用しても良い。
【0066】
各台計数機にて持玉数が「0(回収設定値)」となった場合には持玉券が回収されることになるが、この場合、図6の状態を更新すべく回収した旨を示す回収情報を送信しても良い。この場合、要注意通知や禁止通知を送信する際に回収済みであれば、その旨を特定可能に送信したり、回収後に稼動が継続しているか否かにより禁止通知を送信するか否かを選択的に実行したりしても良い。
【0067】
各台計数機を例示したが、所謂島端計数機にて計数した持玉を記録した持玉券の受付処理、払戻処理、発行処理を実行可能であれば、所謂各台再プレイ機等の各台に計数機能を備えないシステムに採用することも可能である。
記録媒体としてはカード以外にICコイン等を採用しても良い。又、遊技者IDとして、会員カードのID以外に、携帯電話機の電話番号等や遊技者の指紋等の生体認証情報を採用しても良い。
【0068】
持玉券に持玉数や受付ID等を記録する構成を例示したが、管理装置等で持玉等を持玉券のIDに対応付けて管理し、持玉券IDに基づき管理装置へと問い合わせるような構成としても良い。
記憶対象となる持玉等の遊技情報は直接的に特定可能に記憶しても良いし、受付持玉+計数玉−払戻玉−分割玉の演算式等を介して間接的に特定可能に記憶しても良い。勿論、各設定値における範囲についても実施形態では上限のみを設定したが下限を設定しても良い。
【0069】
経過情報の例示として発行タイマが作動中であるか否か、即ち、発行処理後の経過時間を例示したが、他にアウト信号等の稼動信号を受信したか否か又は稼動信号により特定される遊技情報により経過情報を定めても良い。
各台計数機が行う情報処理の一部を中継装置や管理装置等にて行う構成としても良い。同様に、管理装置が行う情報処理の一部を中継装置や各台計数機にて行う構成としても良い。
【0070】
対象となる遊技機はパチンコ遊技機の他にパチスロ遊技機等も想定することができ、この場合、遊技媒体はメダルとなる。
【符号の説明】
【0071】
図面中、1は遊技機、3は各台計数機(受付手段、獲得情報記憶手段、払戻手段、発行手段、更新手段、要注意処理手段、選択手段、抑制手段、発行履歴記憶手段、要注意範囲設定手段、解除条件設定手段、解除抽出手段)、7はPOS(精算手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体数である獲得媒体数を特定可能な記録媒体である獲得記録媒体を受付ける受付処理を行う受付手段と、
遊技機に対応して設けられ、当該遊技機で遊技する遊技者の前記獲得媒体数を特定可能な獲得情報を記憶する獲得情報記憶手段と、
遊技機に対応して設けられ、遊技者による払戻操作に応じて前記獲得媒体を対価として遊技者に遊技媒体を払戻す払戻処理を行う払戻手段と、
遊技機、及び前記受付手段に対応して設けられ、遊技者による発行操作に応じて前記獲得情報により特定される獲得媒体数を特定可能な記録媒体を前記獲得記録媒体として発行する発行処理を行う発行手段と、
前記獲得情報記憶手段が記憶する獲得情報を、前記受付処理、前記払戻処理、及び前記発行処理に応じて更新する更新処理を行う更新手段と、
遊技者、又は遊技場従業員による制限操作の受付、及び前記発行処理後の遊技情報により判定される遊技継続中である旨の判定のうち少なくとも一方により成立する制限条件が成立した場合に、前記発行処理により発行された複数の獲得記録媒体を要注意媒体として要注意状態にする要注意処理手段と、
遊技者、又は遊技場従業員による前記要注意媒体に対する選択操作を受付可能であり、その選択操作に応じて前記要注意状態を解除する選択手段と、
前記受付処理を実行可能であり、その受付けた前記獲得記録媒体により特定される獲得媒体を精算する精算処理を行う精算手段と、
前記要注意媒体の受付に対応する前記払戻処理、前記発行処理、及び前記精算処理のうち少なくとも1つの処理を抑制する抑制手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記選択手段は、前記選択操作として、前記要注意状態を解除する解除操作と、抑制状態へと変更する変更操作とを受付可能であり、当該変更操作があった場合に、その要注意媒体を抑制媒体として要注意状態から抑制状態へと変更可能であり、
前記抑制手段は、前記抑制媒体の受付に対応する前記払戻処理、前記発行処理、及び前記精算処理を抑制する一方、前記要注意媒体の受付に対応する前記払戻処理を抑制せず、前記要注意媒体の受付に対応する前記精算処理を抑制することを特徴とする請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記抑制手段は、前記精算処理を抑制する場合に、受付けた獲得記録媒体が、前記要注意媒体であるのか、前記抑制媒体であるのかを特定可能な表示を行い、その表示に応じた解除操作によって、前記要注意状態、又は抑制状態を解除することを特徴とする請求項2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記発行処理に応じて作成される少なくとも発行された獲得記録媒体を特定可能な発行履歴であり、当該獲得記録媒体に関わる発行情報を記憶する発行履歴記憶手段と、
前記要注意媒体の候補となる複数の獲得記録媒体を抽出するための条件であって、前記発行情報により特定される発行時刻に対する時間範囲、前記発行情報により特定される発行対象となった獲得媒体数に対応する媒体数範囲、前記発行情報により特定される前記獲得記録媒体を受付けた前記受付手段を示すID、前記発行情報により特定される前記獲得記録媒体を受付けた前記受付手段に対応する遊技機で遊技する遊技者のIDのうち少なくとも1つを示す抽出条件、及び前記発行処理を起点とした経過情報に対する経過情報範囲のうち少なくとも一方を設定する要注意範囲設定手段と、
前記制限条件が成立した場合に、前記発行情報が前記抽出条件に属する発行履歴に対応した複数の獲得記録媒体を抽出する抽出処理、及び前記制限条件が成立した時点の最新の前記発行履歴に対応する発行処理である最新発行処理と、前記最新発行処理の直前の発行処理であり、その経過情報が前記経過情報範囲に属する状態で前記最新発行処理が実行された発行処理とにより各々発行された獲得記録媒体を抽出する抽出処理のうち少なくとも一方の抽出処理を実行することで、前記要注意媒体の候補となる複数の獲得記録媒体を抽出する要注意候補抽出手段と、を備え、
前記要注意処理手段は、前記制限条件が成立した場合に、抽出された前記要注意媒体の候補となる複数の獲得記録媒体を前記要注意媒体として要注意状態にすることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載した遊技場用システム。
【請求項5】
前記発行処理に応じて作成される少なくとも発行された獲得記録媒体を特定可能な発行履歴であり、当該獲得記録媒体に関わる発行情報を記憶する発行履歴記憶手段と、
前記要注意状態を解除する候補となる要注意媒体を抽出するための条件であって、前記発行情報により特定される発行時刻に対する時間範囲、前記発行情報により特定される発行対象となった獲得媒体数に対する媒体数範囲、前記発行情報により特定される前記獲得記録媒体を受付けた前記受付手段を示すID、前記発行情報により特定される前記獲得記録媒体を受付けた前記受付手段に対応する遊技機で遊技する遊技者のIDを示す解除抽出条件を設定する解除条件設定手段と、
前記選択操作が行われる場合に、前記発行情報が前記解除抽出条件に属する発行履歴に対応した獲得記録媒体を抽出する解除抽出処理を実行することで、前記要注意状態を解除する候補となる獲得記録媒体を抽出する解除抽出手段と、を備え、
前記選択手段は、前記選択操作を受付ける場合に、前記解除候補として抽出されているか否かを特定可能に前記要注意媒体の発行情報を表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した遊技場用システム。
【請求項6】
前記選択手段は、前記要注意媒体の受付処理、及び当該受付処理に対応する前記払戻処理のうち少なくとも一方が実行された場合に、当該要注意媒体の発行処理を行った発行手段に対応する遊技機で遊技する遊技者に対して、前記選択操作を促す表示を行うことで前記選択操作を受付けることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載した遊技場用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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