遊技場用管理システム
【課題】優良台の情報リークを受けた不正者が不正を紛らわすために他の遊技機を繰り返し遊技した場合であっても適切に不正者を検出出来る遊技場用管理システムを提供する。
【解決手段】情報表示装置において表示が切替えられた切替回数を遊技期間毎に特定し、遊技価値の付与率が他の遊技機よりも遊技者にとって有利に調整された遊技機である優良台であるか否かを特定可能な優良台情報を当該遊技機に対応付けて管理し、優良台である遊技機に対応した情報表示装置において遊技期間中における切替回数が基準切替回数に達していない場合に異常を検出し、その異常検出結果を出力する。
【解決手段】情報表示装置において表示が切替えられた切替回数を遊技期間毎に特定し、遊技価値の付与率が他の遊技機よりも遊技者にとって有利に調整された遊技機である優良台であるか否かを特定可能な優良台情報を当該遊技機に対応付けて管理し、優良台である遊技機に対応した情報表示装置において遊技期間中における切替回数が基準切替回数に達していない場合に異常を検出し、その異常検出結果を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技価値の付与率を調整可能な遊技機が設置されている遊技場を管理する遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン等の出玉率(遊技価値の付与率)に対応した遊技機設定値を設定する遊技機が設置される遊技場を管理する場合、出玉率の高い遊技機設定値である高設定値が設定されている遊技機のような所謂優良台に関する情報が遊技場の従業員から情報リークされていないかを注意する必要があり、例えば特許文献1では、カメラにて撮像することで遊技者を特定し、遊技者単位で高設定値の遊技回数割合(高設定値が設定されている遊技機の遊技頻度)を管理することが提案されている。
しかしながら、上記のように単純に高設定値の遊技回数割合を管理するだけでは、例えば情報リークを受けた不正者が検出を免れるために、一旦、出玉率の低い遊技機設定値である低設定値が設定された他の遊技機(優良台でない遊技機)を少しだけ遊技するような行動を繰り返し取られた場合に対応できなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−006590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、優良台の情報リークを受けた不正者が不正を紛らわすために他の遊技機を繰り返し遊技した場合であっても適切に不正者を検出出来る遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した発明は、遊技価値の付与率を調整可能な遊技機に対応して設けられ、当該対応する遊技機から出力される当該遊技機における遊技情報を特定可能な遊技信号を入力することにより特定される遊技情報を表示可能とし、当該遊技情報の表示を遊技者の切替操作に応じて切替えて表示可能な遊技情報表示手段と、前記遊技情報表示手段による表示が切替えられたことを特定する表示切替特定手段と、遊技価値の付与率が他の遊技機よりも遊技者にとって有利に調整された遊技機である優良台であるか否かを特定可能な情報を入力することにより優良台であるか否かを特定可能な優良台情報を管理する遊技情報管理手段と、遊技者の識別情報、又は遊技機側から出力される遊技信号を取り込むことにより、遊技者による遊技開始、及び遊技終了の少なくとも一方を特定すると共に、当該遊技開始から予め設定される遡り期間分遡った期間である遊技開始期間、及び遊技開始から遊技終了までの遊技者が遊技している期間である遊技期間の少なくとも一方を特定する期間特定手段と、前記優良台情報により優良台である旨が特定される遊技機に対応した前記期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は遊技期間において、前記表示切替特定手段により特定される前記遊技情報表示手段における表示の切替回数が、当該切替回数に対して予め設定される基準値である基準切替回数に達していない場合に異常を検出する異常検知手段と、前記異常検知手段による異常検出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、遊技機に対応して設けられ、当該遊技機における遊技者の識別情報を取得し、遊技者を特定する遊技者特定手段と、前記異常検出手段による異常検出により注意遊技者を特定する注意遊技者特定手段と、を備え、前記遊技情報管理手段は、前記遊技者特定手段により同一遊技者が同一遊技機にて継続して特定されている期間により区分けして、当該期間に対応する前記期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は前記遊技期間において、前記表示切替特定手段により特定された前記遊技情報表示手段における前記表示の切替回数が前記基準切替回数に達しているか否かを特定可能な情報と、前記優良台情報とを遊技者別に管理し、前記異常検出手段は、前記遊技情報管理手段により管理される情報によって特定される前記切替回数が前記基準切替回数に達しているかを特定することで、同一遊技者が同一遊技機にて継続して特定されている期間単位で異常を検出し、前記注意遊技者特定手段は、前記優良台情報により優良台である旨が特定される遊技機に対応した期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は遊技期間の内、前記異常検出手段により異常が検出された期間の割合を示す異常率と、当該異常率に対して予め設定される基準値である基準異常率とを比較することにより前記注意遊技者を特定し、前記出力手段は、前記注意遊技者として特定された遊技者を報知出力することで、前記異常検出結果を出力することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、演算手段をさらに備え、前記遊技機は遊技価値の付与率に対応した複数の遊技機設定値の中から選択的に任意の遊技機設定値を設定することにより遊技価値の付与率を調整可能であり、前記優良台は、遊技機に設定された前記遊技機設定値が予め設定される基準設定値を超える遊技機であり、前記遊技情報管理手段は、遊技機に設定された遊技機設定値を特定可能な情報を前記優良台情報として管理する一方、前記期間特定手段により特定された遊技期間を示す遊技情報である遊技期間情報を、当該遊技期間において遊技された遊技機に設定された前記遊技機設定値を特定可能な前記優良台情報に対応付け、遊技者別に前記継続して特定されている期間により区分けして管理し、
前記演算手段は、前記優良台情報により特定される前記遊技機設定値について、当該優良台情報に対応付けて管理される遊技期間情報により特定される遊技期間により重み付けした加重平均値を遊技者別に演算し、前記出力手段は、前記演算手段により演算された前記遊技機設定値の加重平均値を特定可能に出力することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、前記表示切替特定手段により表示が切替えられたことが特定されてから予め設定される設定期間が経過するまでの期間を切替操作期間として特定し、前記遊技期間に対する前記切替操作期間の割合を示す操作率を特定する操作率特定手段をさらに備え、前記出力手段は、前記操作率特定手段により特定される操作率を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、遊技情報表示手段における表示の切替回数が、当該切替回数に対して予め設定される基準値である基準切替回数に達していない場合に異常を検出する。遊技場の従業員等から情報リークを受け、優良台を把握した上で遊技するような不正者は情報リークにより優良台を把握しているので遊技情報を参照する必要が無く遊技情報表示手段としての情報表示装置に対する操作をほとんど行わない一方、通常の遊技者(不正者でない遊技者)は優良台を把握していないので優良台であるか否か、或いは遊技を続けても良いのかを判断するために頻繁に遊技情報を参照すると考えられる。
そこで、切替回数に基づいて異常を検出することにより、不正者が優良台での遊技頻度を紛らわすために優良台でない他の遊技機を遊技したとしても、それに関わらず情報リークが発生していることや情報リークを受けている不正者の目星をつかることが可能となり、適切に不正者を検出出来る。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、遊技者を特定すると共に、異常が検出された期間の割合を示す異常率と当該異常率に対して予め設定される基準値である基準異常率とを比較することにより注意遊技者を特定するので、情報リークを受けている遊技者(不正者)を特定可能となる。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、遊技期間により重み付けした加重平均値を遊技者別に演算して出力する。不正者が高設定値の遊技頻度を紛らわすために高設定値が設定されていない遊技機を遊技する場合、その遊技により損失が大きくなること避けるためにその遊技機における遊技期間は短くなる一方、高設定値が設定されている遊技機における遊技期間は長くなる。このため、単純に遊技機設定値の平均値を算出するのではなく、遊技期間による加重平均値を演算することにより、そのような不正者であるか否かをより適切に特定可能となる。
【0012】
請求項4に記載した発明によれば、遊技期間に対する切替操作期間の割合を示す操作率を特定する。遊技情報表示手段の多くは釦操作により遊技情報を切替えるので、遊技者が希望する遊技情報を表示する場合に複数回の釦操作を要する場合がある。このような場合、1回の遊技情報の切替に対して複数回の切替操作が対応付けられる虞がある。また、遊技期間において遊技者が満遍なく操作していることが不正者であるか否かを特定する際に重要となるが、単純に切替回数だけを参照すると、特定の期間に集中して切替操作を行っているのか、満遍なく何回も操作を行っているのかを見定めることが難しくなる虞がある。そこで、操作率を特定することにより、そのような虞を解消することが出来、不正者であるか否の判定をより適切に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態による管理装置を適用した遊技場用管理システムの構成を概略的に示す図
【図2】遊技機のリール配列を示す図
【図3】遊技機の役設定を示す図
【図4】遊技機の有効ラインを示す図
【図5】遊技機の内部当選テーブルを示す図
【図6】遊技情報表示装置の外観を示す図
【図7】管理装置が設定する異常収支検出設定を示す図
【図8】管理装置が管理する遊技機の台番と遊技機設定値とを対応付けた遊技機設定を示す図
【図9】管理装置が実行する異常判定処理を示す図
【図10】管理装置が記憶する遊技機別の遊技機情報記憶領域を示す図
【図11】本発明の第2実施形態による管理装置が実行する異常判定処理を示す図
【図12】管理装置が記憶する遊技者別の遊技者情報記憶領域を示す図その1
【図13】管理装置が記憶する遊技者別の遊技者情報記憶領域を示す図その2
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の複数の実施形態による遊技場用管理システムについて図面を参照しながら説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による遊技場用管理システムについて、図1から図12を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用管理システム1の全体構成を概略的に示している。遊技場用管理システム1が設けられている遊技場内には、複数台の遊技機2が設置されている。本実施形態の場合、遊技機2は所謂スロットマシンである。各遊技機2には、貸出機3及び情報表示装置4(遊技情報表示手段に相当する)がそれぞれ付設されている。これら遊技機2、貸出機3及び情報表示装置4は中継装置5に接続されており、中継装置5及びLAN6を介して管理装置7に通信可能に接続している。この管理装置7は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、出力手段に相当するモニタ8や図示しないプリンタ等が接続されている。このような遊技場内には、例えば数百台の遊技機2が設置されており、管理装置7の管理対象となっている。
【0015】
遊技機2は、表示窓2a、スタートレバー2b、ストップボタン2c、表示ランプ部2d、メダル投入口2e及びBETボタン2f等が設けられている。遊技者は、表示窓2aを通じて内部に設けられたリールの図柄を視認可能となっている。各図柄は、図2に示すように、左リール、中リール及び右リールの円周面に描かれてり、各リールが停止した状態では、表示窓2aの上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、遊技機2には、各リールそれぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。遊技機2は、遊技者によってメダル投入口2eからメダル(遊技価値に相当する)を投入、或いは、BETボタン2fを操作することでクレジットメダル(遊技価値に相当する)を所定枚数(通常状態では3枚、ボーナス状態では1枚)投入した状態(BETした状態)でスタートレバー2bが操作されると(ゲームが開始されると)、内部抽選を実行すると共にリールの変動を開始させ、ストップボタン2cを操作することによって所謂引込制御(予め規定された引込範囲例えば4図柄までにある図柄を有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によってリールの変動を停止する。
【0016】
図3は、遊技機2に設定されている内部当選役の役構成を示している。遊技機2には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス)役とRB(レギュラーボーナス)役、所謂小役としての5枚役、7枚役、2枚役、及びリプレイ役が設けられている。この遊技機2には、図4に示すように、合計5本(表示窓2aの上段、中段及び下段に対応した横方向に1本ずつの3本、及び斜め方向の2本)の有効ライン1〜5が設けられている。ゲームが開始され遊技者によるストップボタン2cの操作によってこれらの有効ライン1〜5のうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したときに入賞となる。そして、入賞となった場合には、入賞した役に応じて例えばBB状態やRB状態の発生、或いは、対応する枚数のメダルの払出(遊技価値の付与)が行われる。これにより、1ゲームが終了する。尚、小役が内部当選した場合にはその当選状態は内部当選したゲームでのみ有効である一方、ボーナス役が内部した場合にはその当選状態はボーナス役が入賞するまで持ち越される。また、ボーナス役の入賞に伴って発生したBB状態或いはRB状態は、予め設定される終了条件の成立(例えば、払出したメダル数が300枚を超えたときなど)により終了する。
【0017】
この遊技機2は、ゲーム開始時の内部抽選において、0〜65535の間で発生する乱数のうち1つを抽出し、抽出した乱数と図示しない抽選テーブルとを照合することにより、内部当選であるか否かを判定している。図5は、遊技機2に設定されている内部当選テーブル、即ち、内部抽選における各役に割り振られている当選乱数の数を示している。この内部当選テーブルは、後述する遊技機2の遊技状態に応じて設けられている。例えば、通常状態では、BB役及びRB役には256個、5枚役には4096、15枚役(5枚役が3本の有効ライン上に入賞した状態)には0個、7枚役には8192個、2枚役には656個、リプレイ役には8978個の当選乱数が割り振られており、いずれの役にも該当しないハズレには43102個の乱数が割り振られている。一方、BB状態及びRB状態では、15枚役に65535個の当選乱数が割り振られており、ハズレには1個の乱数が割り振られている。
【0018】
また、遊技機2は、図示しない設定値操作部を備えており、この設定値操作部から内部当選確率等を規定するための複数例えば1〜6の6段階の遊技機設定値が設定される。6段階の遊技機設定値の内、選択的に任意の1つを設定することにより、出玉率(遊技価値の付与率に相当する)が理論値として設定される。遊技機2は、遊技機設定値の値が大きいほど例えばボーナス役の内部当選確率が高くなる等、遊技者にとって有利となるように設定されている。遊技機2では、当選乱数の割り振りを変更することにより入賞率(各役が内部当選する確率)を調整し、その入賞率を遊技機設定値に対応付け、その遊技機設定値を各遊技機2に設定することにより出玉率を調整可能となっている。つまり、遊技機2には、図5に示した内部当選テーブルが遊技機設定値毎に複数設けられている。このため、例えば2枚役等の特定の役が、当選乱数が遊技機設定値別に異なる値となっており、その入賞頻度をカウント等すれば遊技機設定値の推測が可能となる。
【0019】
貸出機3は、図1に示すように、動作状態を示す動作ランプ3a、貨幣投入口3b、メダル払出口3c、及び、カメラ3d(遊技者特定手段に相当する)を備えている。動作ランプ3aは、不具合が生じた場合等に点灯し、従業員に不具合の発生等を報知する。この貸出機3は、遊技者が貨幣投入口3bに有価価値(例えば貨幣)を投入すると、メダル払出口3cから投入された有価価値に応じた数のメダルを遊技機2に貸し出す。カメラ3dは、対応する遊技機2を遊技している遊技者の顔を撮像する。つまり、本実施形態の場合、カメラ3dは、各遊技機2に対応して設けられており、対応する遊技機2を遊技している遊技者を随時撮像する。このカメラ3dにより撮像された遊技者の顔画像(識別情報に相当する)は、中継装置5を介して管理装置7に送信され、後述するように管理装置7において遊技者の特定に利用される。尚、このカメラ3dは、後述する第2実施形態においては遊技者の検出にも用いられる。
【0020】
これら遊技機2及び貸出機3等の遊技機2側の機器からは、以下に示すような遊技信号が出力される。
アウト信号:稼動信号に相当し、遊技機2から出力する。ゲームの開始操作に応じてBET状態のメダル数(3枚又は1枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(使用媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも対応分を出力する。
セーフ信号:稼動信号に相当し、遊技機2から出力する。メダルが1枚払出される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(払出媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分を出力する。
【0021】
BB信号/RB信号:稼動信号に相当し、遊技機2から出力する。対応するボーナス状態(BB状態又はRB状態)時にレベル出力されるので、信号受信期間をボーナス状態として特定する。
売上信号:貸出機3から出力する。投入された有価価値を対価としてメダルの貸出が行われると、貸出メダルが5枚(100円相当)毎に1パルス出力されるので、売上信号数×100が売上金額、売上信号数×5を売上メダルとする等して売上情報を特定する。
【0022】
情報表示装置4は、図示しないCPU、ROM、RAM、信号を送受信する入出力部などを備えたマイクロコンピュータで構成されており、例えばROM等に記憶されている制御プログラムに従って作動する。この情報表示装置4は、図1に示すように、液晶表示器等の表示器で構成されたデータ表示部41を備えている。このデータ表示部41には、遊技機2及び貸出機3から出力される遊技信号に基づいて、また、及び管理装置7から送信される情報に基づいて、各種の遊技情報が表示される。具体的には、データ表示部41には、図6に示すように、BB回数表示部41a、BB内訳表示部41b、差数グラフ表示部41c、RB回数表示部41d、ボーナス確率表示部41e、ゲーム数表示部42f、出玉数表示に42g及びテロップ表示部41h等の表示領域が設けられている。
【0023】
BB回数表示部41a及びRB回数表示部41dは、それぞれBB状態及びRB状態の発生回数を表示する。BB内訳表示部41bは、BB状態における詳細な内訳を表示する。差数グラフ表示部41cは、一日単位での差数の増減をグラフ表示する。ボーナス確率表示部41eは、ボーナス役の入賞確率を表示する。ゲーム数表示部41fは、前回のボーナス状態の終了後に実行されたゲーム数やその当日における累計のゲーム数等を表示する。出玉数表示部41gは、遊技者が獲得した出玉数を表示する。テロップ表示部41hは、例えば遊技場からの広告などを表示する。情報表示装置4は、遊技者による操作、遊技信号の出力、或いは遊技者が検出されていない状態で一定時間が経過すると、待機状態(待機表示)となる。
【0024】
また、情報表示装置4には、各種のスイッチ類42が設けられている。スイッチ類42は、遊技情報の表示項目を切替えるためのデータ切替釦42a、及び遊技場の従業員を呼び出す呼出釦42bを有している。この内、データ切替釦42aを操作することにより、遊技者は、例えば、所謂ボーナス履歴、小役の入賞回数表示、過去の遊技情報等を待機状態から切替えることが出来る。このとき、情報表示装置4は、遊技者によってデータ切替釦42aが押下されて遊技情報の切替操作が入力された場合、切替操作が入力されたことを特定可能な操作信号を管理装置7に出力する。このように、データ切替釦42aを操作して過去の遊技情報を参照することにより、遊技機設定値が高いか低いかを判定して自身が遊技する遊技機2を決定したり遊技中の遊技機2の調子が良いか悪いかを判断したりすることができるため、通常は、遊技者によって遊技前或いは遊技中にデータ切替釦42aの操作がある程度行われるものと想定される。
【0025】
中継装置5は、図示しない制御部や信号を送受信する入出力部などを備えており、遊技機2側の機器から出力される遊技信号を受信するとともに、受信した遊技信号をLAN6を介して管理装置7へ送信することにより、遊技機2側の機器と管理装置7との間の通信を中継する。
【0026】
管理装置7(遊技者特定手段、表示切替特定手段、遊技情報管理手段、期間特定手段、異常検出手段、注意遊技者特定手段、演算手段、操作率特定手段に相当する)は、図示しないCPU、ROM、RAM、信号を送受信するための入出力部、及び、HDD等の記憶手段を備えたコンピュータで構成されており、ROMやHDD等に記憶されている制御プログラムに従って作動する。この管理装置7は、周知のように、遊技機2側の機器から送信される遊技信号に基づいて遊技情報を集計する。管理装置7は、例えば遊技機2の遊技状態(通常状態かボーナス状態か)の特定、差数(=セーフ−アウトで算出)、出玉率(=セーフ÷アウトで算出)、ゲーム回数、売上情報等の遊技情報の集計及び管理を行っている。これらの遊技情報は、遊技機2別の遊技情報、或いはそれらを集計した遊技場全体としての遊技情報等、複数の態様にて集計及び管理されている。この遊技情報は、上記した各項目を全て含む必要はなく、また、他の情報を含んでもよい。
【0027】
この管理装置7は、貸出機3に設けられているカメラ3dで撮像した遊技者毎の顔画像に基づいて遊技者を特定する(人物認証を行う)。具体的には、管理装置7は、中継装置5を介して遊技者を識別するための識別情報である遊技者の顔画像を取得すると、周知の画像処理を施して例えば顔画像から特徴点を抽出すること等により遊技者を特定する。より厳密に言えば、管理装置7は、ある遊技者と他の遊技者とを区別可能となる各種のデータの収集を行っている。そして、管理装置7は、特定した遊技者と、当該遊技者が遊技中の遊技機2及び当該遊技機2における遊技情報とを対応付けて管理する。また、管理装置7は、遊技者を特定した顔画像を記憶部等に記憶することにより、カメラ3dにより随時撮像され送信されてくる顔画像に基づいて同一遊技者であるか否かの特定、並びに、遊技信号に基づいて同一遊技者が継続して遊技を行っているかの特定も行っている。
【0028】
また、管理装置7は、本発明に関連して、図7に示す異常収支検出設定を遊技場全体に対して設定可能であると共に、図8に示す遊技機設定を遊技機2毎に操作入力により設定及び管理している。
図7に示す異常収支検出設定には、以下の項目が設定されている。
単位期間:後述する第2実施形態において不正検知(注意遊技者の特定)を行うための単位期間。図7では「1日」と営業日基準で設定しているが、時間的な期間だけでなく、遊技する遊技機2を変更する所謂台移動やメダルを計数或いは景品交換する等の事象を基準として開始と終了を特定し、その開始から終了までを単位期間として定めても良い。
【0029】
参照設定期間:後述する第2実施形態において不正検知を行うために参照する期間であり、単位期間単位で設定する。尚、遊技場の営業日基準ではなく、遊技者毎の遊技単位期間を基準として遊技者の最新遊技単位期間である遡り基準からこの設定値分遡り、その遡った期間を参照設定期間とする。
基準設定値:遊技機設定値に対する基準値で、この設定値以上の遊技機設定値を高設定値(優良台)として特定する。
基準アウト:アウトに対する単位期間を遊技者の来店として特定するための設定値。単位期間におけるアウトがこの設定値を超えた場合に、その単位期間を遊技単位期間として特定する。
操作設定期間:情報表示装置4の操作回数として複数の操作回数を1つの操作回数として、即ち、所定時間内に複数の操作が行われた場合それらを1回の操作として判定するための設定値で、操作に応じて作動する操作タイマの作動期間。尚、操作タイマはその非作動中に操作があった場合に作動するので、最初の操作からこの設定値以内の期間(即ち、操作タイマの作動期間中)になされた操作は、何回操作されても1回の操作として判定する。
【0030】
基準操作数:基準切替回数に相当する。情報表示装置4の操作回数に対する基準値で、高設定値が設定された遊技機2を遊技した遊技者がこの設定値に達しない操作回数しか情報表示装置4を操作していない場合に異常を検出する。
基準異常率:後述する第2実施形態において参照期間等の対象期間における異常検知された割合である異常率(後述する図11、12等参照)に対する基準値で、参照期間が参照設定期間に達した状態で異常率がこの設定値を超えた遊技者を注意遊技者として特定する。
また、図8に示す遊技機設定には遊技機2の台番とその台番の遊技機2に設定されている遊技機設定値とが記憶されている。この遊技機設定値(設定値)が「優良台であるか否かを特定可能な情報」、及び「遊技機に設定された遊技機設定値を特定可能な情報」に相当する。このように、管理装置7は、遊技機2と当該遊技機2に設定されている遊技機設定値とを対応付けて管理している。
【0031】
次に、上記した遊技場用管理システム1の作用について説明する。
遊技場用管理システム1の管理装置7は、上記したような遊技情報の集計処理を実行していると共に、図9に示す異常判定処理を実行することにより図10に示す遊技機情報を遊技機2別に集計及び記憶している。この図10には、例えば高設定値が設定されている遊技機2(台番=2)について、以下の情報が記憶されている。
NO、時刻:「NO」は、レコードの通し番号で、時刻が古い順から1、2、3・・・のように記憶され、NO1が営業開始時、或いは営業開始時に最も近いNOとなる。「時刻」は、対応するレコードを更新した(異常判定を行った)時刻。
【0032】
操作、異常:「操作」は、情報表示装置4の表示を切替えた操作回数。尚、本実施形態では情報表示装置4からの操作信号により特定するが、操作タイマ作動中の操作は1回として計数する。「異常」は、情報表示装置4の操作が異常である旨を示し、高設定値が設定された遊技機2に対応して設けられている情報表示装置4において「操作」が基準操作数(5回)に満たない場合即ち異常があると判定した場合には「○」、それ以外の場合には「×」が記憶される。この「異常」は、後述する図9及び図11のフローチャート中には「操作回数異常」として示している。この「操作」、「異常」の少なくとも一方が、「遊技情報表示手段における表示の切替回数が基準切替回数に達しているか否かを特定可能な情報」に相当する。
【0033】
稼動時間:アウト信号の受信により作動する稼動タイマの作動時間の合計。尚、稼動タイマの作動時間は60秒を設定しており、作動中にアウト信号を受信した場合はリスタートする。
操作率:遊技者が遊技している期間の内、情報表示装置4の切替操作を行っている期間の割合で、「操作」×「操作設定期間」÷「稼動時間」にて演算される。
平均欄、合計:「平均」は各レコードの平均値で、「合計」は、「操作」や「稼動時間」の合計を演算対象とした演算値。
【0034】
管理装置7は、図9に示す異常判定処理を実行することにより、図10に示す遊技機情報を遊技機2別に記憶する。具体的には、管理装置7は、異常判定処理において、各遊技機2に対して高設定値が設定されているかを判定し(A1)、高設定値が設定されていなければ(A1:NO)、判定対象ではないとしてリターンする。これに対して、例えば台番=2の遊技機2のように高設定値が設定されていれば(A1:YES)、新規レコードを作成した後(A2)、操作タイマ及び操作回数を初期化する(A3)。尚、このステップA3では、操作タイマを初期化しているものの、その作動は開始されていない。
【0035】
続いて、管理装置7は、操作信号が入力されたか(A4)、及び遊技信号が入力されたか(A8)を繰り返し判定する。そして、操作信号が入力された場合には(A4:YES)、その営業日において最初の操作時には操作タイマが作動していないことから(A5:NO)、操作タイマの作動を開始した後(A6)、図10の対応するレコードにおける操作回数を加算する(A7)。その後、ステップA8において遊技信号の入力が無ければ(A8:NO)、再びステップA4に移行する。この状態でさらに操作信号が入力されると(A4:YES)、操作タイマが作動中であるので(A5:YES)、そのままステップA8に移行する。つまり、操作タイマが作動中における操作は、操作回数に加算されない。尚、2回目以降の操作信号が操作タイマが作動中でない状態で入力された場合には(A4:YES、A5:NO)、操作タイマの作動を開始した後(A6)、操作回数を加算する(A7)。
【0036】
一方、管理装置7は、遊技信号が入力されると(A8:YES)、遊技情報を更新し(A9)、アウトが基準アウトより大きいかを判定し(A10)、基準アウト以下の場合には(A10:NO)、ステップA4に移行して操作信号の入力及び遊技信号の入力を待機する。
そして、管理装置7は、遊技者による遊技の継続に伴って遊技信号が入力される毎に(A8:YES)、遊技情報の更新(A9)及びアウトの判定(A10)を繰り返す。そして、遊技がさらに継続されてアウトが基準アウトよりも大きくなった場合には(A8:YES、A9、A10:YES)、操作回数が基準操作数に達しているかを判定し(A11)、操作回数が基準操作数に達していない場合には(A11:YES)、操作回数が少ないことから異常であるとして、操作回数異常(図10の対応するレコードの「異常」)に「○」を記憶して(A12)、リターンする。つまり、管理装置7は、高設定値が設定された遊技機2においてアウトが基準アウトよりも大きくなったにも関わらず遊技情報の切替操作が殆ど行われてない場合、異常を検出する。これは、遊技場の従業員等から情報リークを受けた不正者は情報リークにより高設定値が設定されている遊技機2を把握しているので遊技情報を参照する必要が無く情報表示装置4に対する操作をほとんど行わないと考えられるためである。
【0037】
一方、通常の遊技者(不正者でない遊技者)は、高設定値が設定されている遊技機2を把握していないので、高設定値であるか否か或いは遊技を続けても良いのかを判断するために頻繁に遊技情報を参照すると考えられる。そのため、管理装置7は、操作回数が基準操作数を超えている場合には(A11:NO)、図10の対応するレコードの「異常」に「×」を記憶し(A13)、リターンする。
【0038】
このように、遊技場用管理システム1では、操作信号の入力及び遊技信号の入力を待機しつつ、情報表示装置4に対する表示切替の操作回数が当該切替回数に対して予め設定される基準値である基準切替回数に達していない場合に異常を検出し、図10に示すように記憶している。この図10からは、操作回数が過度に少ない遊技者(情報リークを受けた不正者である可能性のある)が営業開始(NO1のレコードが記憶されたとき)からNO4のレコードの更新途中まで遊技し、その後、操作回数が基準操作数を超える通常の遊技者が遊技したことを推測出来る。
【0039】
以上説明した遊技場用管理システム1によれば、次のような効果を奏する。
情報表示装置4に対する表示の切替回数が基準操作数に達していない場合に異常を検出するので、不正者が高設定値が設定されている遊技機2である優良台における遊技頻度を紛らわすために高設定値が設定されていない(優良台でない)他の遊技機2を多少遊技したとしても、それに関わらず情報リークが発生している可能性があることや、情報リークを受けている不正者の目星をつかることが出来、適切に不正者を検出出来る。
【0040】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態による遊技場用管理システムについて、図11から図13を参照しながら説明する。第2実施形態では、注意遊技者を特定する点において第1実施形態と異なっている。尚、遊技場用管理システム1の構成は第1実施形態と共通するので、詳細な説明は省略する。
図11は、第2実施形態における管理装置7が実行する異常判定処理を示しており、図12及び図13は、遊技情報の集計処理及びこの異常判定処理により集計及び記憶される遊技者別の遊技者情報を示している。この図12及び図13に示す遊技者情報には、以下の項目が記憶されている。尚、第1実施形態と共通する項目についての説明は省略する。
【0041】
NO、来店日:「NO」は、遊技者が遊技した最新の遊技機2における情報をNO1とし、その前に遊技した遊技機2における情報をNO2とする遊技機2単位で集計した遊技情報の通し番号。「来店日」は、当該遊技者が遊技場に来店した日付。尚、単位期間(営業日)毎の区切りを二重線にて示している。
設定、高設:「設定」は、遊技者を特定した遊技機2に対して図8のように記憶されている(遊技機2に設定されている)遊技機設定値。「高設」は、「設定」が図7の基準設定値以上であれば「○」、未満なら「×」が記憶される。この「設定」、「高設」の少なくとも一方が、「優良台情報」に相当する。
【0042】
アウト:遊技者が遊技していることを特定している期間(遊技期間)に特定したアウト。ここで、アウトは、スロットマシンでは1ゲームが最短4.1秒で実行され、最速で44程度のアウトが消費されることを考慮し、遊技場では2000のアウトが約1時間(約33のアウトが1分)の遊技に対応し、例えば10000のアウトであれば5時間の遊技期間を示す情報として管理していることから、遊技期間を示す情報となり、「遊技期間情報」に相当する。他に「セーフ」や「売上情報」等も記憶している。
対象:不正判定(注意遊技者の特定)の対象とするか否かを示し、「高設」が「○」であり、且つ「アウト」が基準アウト以上である場合に「○」となる。
参照:参照期間における情報。即ち、最新の遊技を起点として参照設定期間に対応する単位期間分だけ遡った期間の情報で、「合計」は参照期間中の合計で、「平均」は1日当たりの平均。
【0043】
累計:記憶される全てのレコードを対象とした「合計」と「平均」。尚、上記した「参照」についても同様であるが、「高設」「対象」「操作」「異常」は「○」の合計で、「設定」の合計は各レコードの平均値で、平均はアウトによる加重平均値。即ち、各レコードの「設定」×「アウト」の合計値÷「アウト」の合計値で演算される。
異常率:「高設」を遊技した場合に「操作」の回数が少なかった割合で、「異常」÷「対象」で演算される。
管理装置7は、これらの情報を、異常判定処理を実行することにより集計、記憶及び更新している。以下、第1実施形態と共通するステップについては詳細な説明を省略して説明する。
【0044】
管理装置7は、異常判定処理において、遊技者を検出したかを判定しており(B1)、遊技者を検出していない場合には(B1:NO)、検出するまで待機する。そして、カメラ3dにより遊技者が撮像されると、遊技者を検出したとして(B1:YES)、その遊技者を特定すると共に該当する遊技者の遊技履歴の有無を判定し(B2)、該当する遊技者の遊技履歴が無い場合には(B2:無し)、遊技履歴を作成して(B3)、ステップB4に移行する。一方、該当する遊技者の遊技履歴が有る場合には(B2:有り)、直接ステップB4に移行する。このステップB4では、図12又は図13に示すような遊技者別の遊技者情報に新規のレコードが作成される。
【0045】
続いて、管理装置7は、操作タイマ及び操作回数を初期化した後(B5)、遊技信号が入力されたか(B6)、操作信号が入力されたか(B8)、異なる遊技者を検出したか(B12)を繰り返し判定する。遊技者により遊技が行われて遊技信号が入力されると(B6:YES)、該当する遊技者の遊技情報を更新する(B7)。このとき、図12及び図13のアウトが更新される。また、操作信号が入力された場合には(B8:YES)、第1実施形態と同様に、操作タイマが作動中でなければ(B9:NO)、操作タイマを作動した後(B9)、図12及び図13の操作回数を加算する(B10)。尚、操作タイマが作動中の場合には(B9:YES)、それらの操作を一回の操作と判定するため、操作回数の加算は行われない。そして、異なる遊技者を検出していない場合には(B12:NO)、ステップB6に移行する。つまり、管理装置7は、同一遊技者が同一遊技機にて継続して遊技を行っているかを特定し、その期間における遊技情報及び情報表示装置4に対する操作回数を集計及び管理している。
【0046】
管理装置7は、この状態で対応する遊技機2にて先に特定した遊技者とは異なる遊技者を検出すると(B12:YES)、当該遊技機2に高設定値が設定されているかを判定し(B13)、高設定値が設定されていれば(B13:YES)、さらにアウトが基準アウトを超えたかを判定し(B14)、アウトが基準アウトを超えていれば(B14:YES)、さらに操作回数が基準操作数に達しているかを判定する(B15)。このように、遊技機2を遊技していた遊技者が所謂台移動を行い、更に新たな遊技者が遊技することで、異なる遊技者を検知すると、それまで遊技をしていた遊技者の遊技情報を確認する。
【0047】
そして、管理装置7は、操作回数が基準操作数に達していない場合には(B15:YES)、図12或いは図13に示す「異常」に「○」を記憶する(B16)。つまり、管理装置7は、高設定値が設定されている遊技機2にて遊技していた遊技者が、アウトが基準アウトを超えているにも関わらず情報表示装置4に対する操作が少ない場合、異常と判定する。尚、高設定値が設定されていない場合(B13:NO)、アウトが基準アウトを超えていない場合(B14:NO)、及び、操作回数が基準操作数に達している場合には(B15:NO)、図12或いは図13に示す「異常」に「×」を記憶して異常がないと判定する。
【0048】
このように管理装置7は図12或いは図13に示す遊技者情報を集計及び管理している。
さて、不正者は情報リークを受けて「高設」であることを把握しているので、遊技情報を参照する必要が無く情報表示装置4に対する操作をほとんど行わない一方、通常の遊技者は「高設」であることを把握していないので「高設」であるか否か、即ち遊技を続けても良いのかを判断するため頻繁に遊技情報を参照すると考えられる。つまり、不正者と通常の遊技者とは、情報表示装置4の操作頻度に違いがあると考えられる。そのため、「異常」や「操作率」を集計して操作が行われていないことを特定すれば、不正者を特定することが可能となる。
例えば、図12の場合、不正検出の対象となる遊技機2での遊技(NO1、NO6のレコード)において「操作」が基準操作数を超えていることから、遊技者ID=00001の遊技者は、小役の入賞率等をカウントすることで「高設」を見破り、「高設」であると判断した場合には遊技結果が不調になっても遊技を継続するような所謂上級者であることが推測される。
【0049】
一方、図13の場合、遊技機設定値の平均は「3」と同一であるが、不正検出の対象となる遊技機2での遊技(NO1、NO6、NO8のレコード)において「操作」が基準操作数に達しておらず、「異常率」も基準異常率以上となっており、また、加重平均の「設定」も高くなっている。図12及び図13におけるこの差違は、上記したように通常の遊技者は「高設」を見破る必要があるために遊技情報を注意深く分析するものの、不正者は「高設」を把握しているため遊技情報を分析する必要が無いことからその操作頻度に違いが生じるという点に由来する。そのため、この図13に示す遊技者ID=00002の遊技者の場合、情報リークにより「高設」を予め把握しているものの、その情報リークを紛らわすためにわざと「高設」以外の遊技機を遊技している不正者であると推測できる。
【0050】
そこで、管理装置7は、当該遊技者を注意遊技者として特定すると共に、例えば「異常率」を識別表示することにより当該遊技者が注意遊技者である旨を報知出力する。このとき、遊技者別に演算した平均設定値を、注意遊技者として特定された遊技者を報知出力する場合に特定可能にモニタ8に表示出力、或いはプリンタに印字出力する。この場合、注意遊技者の報知出力は、次営業日に行われる。これは、注意遊技者を特定すると自ずとその遊技機2に高設定値が設定されていることが明らかになるため、注意遊技者と特定した時点で管理装置7にて注意遊技者である旨を報知出力すると従業員にその遊技機2に高設定値が設定されていることで新たな情報リークが行われる虞があり、また、遊技機2側の機器にて注意遊技者である旨を報知出力すると他の遊技者にその遊技機2に高設定値が設定されていることが把握されてしまう虞があるためである。
【0051】
このように、管理装置7は、高設定値が設定されている遊技機2を遊技した遊技者の遊技情報に基づいて、異常率と基準異常率とを比較することにより注意遊技者であるか否かを特定し、注意遊技者であると特定した場合には当該遊技者を報知出力している。これにより、情報リークを受けている遊技者(不正者)を特定することができる。
【0052】
また、不正者が高設定値の遊技頻度を紛らわすために高設定値が設定されていない遊技機2を遊技する場合、その遊技により損失が大きくなることを避けるためにその遊技機2における遊技期間は短くなる一方、高設定値が設定されている遊技機2における遊技期間は長くなる。このため、単純に遊技機設定値の平均値を算出するのではなく、遊技期間による加重平均値を演算することにより、そのような不正者であるか否かをより適切に特定することができる。
高設定値が設定されている遊技機2を特定出来ない次営業日に注意遊技者の報知出力を行っているので、高設定値が設定されている遊技機2、及び高設定値が設定されていること自体が第三者に把握されてしまう2次的な情報リークが発生する虞を低減することが出来る。
【0053】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にて例示したものに限定されることなく、次のように変形又は拡張することが出来る。
第2実施形態では異常率に基づいて異常検出及び注意遊技者を特定したが、遊技期間に対する切替操作期間の割合を示す操作率を特定し、操作率に基づいて異常検出及び注意遊技者を特定しても良い。この場合、単純に切替回数だけを参照するのではなく、特定の期間に集中して切替操作を行っているのか、満遍なく何回も操作を行っているのかを見定めることが可能となり、不正者であるか否の判定をより適切に行うことが出来る。
【0054】
各実施形態では遊技者が遊技している期間を対象として切替回数を管理したが、遊技機2の選択時に情報リークを受けた不正者は遊技情報を閲覧することなく遊技機2を選択する一方、通常の遊技者は遊技情報を閲覧することで高設定値が設定された遊技機2を推測して遊技機2を選択する傾向があるため、切替操作に応じた操作タイマの作動を非稼動中等にも行い、遊技者を検出する等して遊技開始を特定した場合に、操作タイマが作動中かを特定することで、遊技開始期間における切替操作を管理し、遊技開始期間において切替操作が行われない場合に基準切替回数(例えば1回)に達していないとして異常を検出しても良い。
稼動時間を稼動タイマにより特定したが、アウトを単位時間に対応したメダル数(例えば、1分間の遊技に対して40枚)にて除算して稼動時間を特定したり、遊技者を検出している期間を稼動時間とする等、遊技者の遊技期間を示す遊技情報であれば、どのような情報を採用しても良い。
【0055】
第1実施形態における稼動時間や操作率を第2実施形態における注意遊技者の特定に適用したり、第2実施形態の異常率を第1実施形態に適用する等、各実施形態の一部の他の実施形態に任意に組み合わせても良い。また、参照情報のように期間を区切って不正検出の対象を限定したが、累計情報のように期間を区切らずに不正検出を行っても良い。
遊技機設定値等の設定値を操作入力にて設定することを例示したが、例えば遊技機2からの信号入力により設定したり、デフォルト設定しておく等、その設定方法はどのような方法を採用しても良い。また、図12及び図13にて「設定」、「高設」又は「操作」、「異常」を各々管理対象としたが、各々一方のみを管理対象としても良い。
【0056】
第2実施形態にてアウトが基準アウト以上である単位期間を遊技期間として不正検出の対象を限定したが、基準アウトを設定しない構成や基準アウトに達しない場合等、遊技者を検出した全ての単位期間を対象としても良い。また、基準アウトの代わりに収支やセーフ等を採用しても良い。
遊技者の特定としてカメラ3dの撮像による人物認証を例示したが、例えば指紋認証等の生体認証や会員カードや遊技者の所有する携帯電話等により遊技者を特定しても良いし、複数の特定方法を採用して認証精度を上げても良い。この場合、例えば会員カードではカードの挿入期間を、指紋認証等では指紋を検知してから非稼動判定されるまでの期間を遊技期間として特定すれば良い。
【0057】
注意遊技者の報知を次営業日以降に行う場合、異常率等の特定を閉店時に行えば自然と次営業日以降に報知されることになるが、例えば営業中に随時異常率等の特定を行っておき、島端に設けられる計数機や、カウンタに設けられるPOSのようなメダルを清算する端末にて遊技者を撮像等して識別可能とし、その端末や他の遊技機にて識別した遊技者が注意遊技者であれば、その旨を報知しても良い。尚、2次的な情報リーク等を考慮しなければ、営業中にそのまま報知しても良い。また、管理装置7による報知だけを先に行い、貸出機等の遊技機側の端末による報知を次営業日以降に行うようにしても勿論良い。
第1実施形態では各遊技機2にカメラ3dを設ける前提としなかったため異常の検出に応じて異常検出結果を出力したが、各台カメラ等を設けて遊技者を特定可能とすれば上述した2次的な情報リークを考慮して異常の検出に応じた異常出力結果の出力をしなくとも良い。更に、情報リークが行われているか否かを判定するだけでも一定の効果が得られるので、その目的のために本案を採用するのであれば、この場合も検出に応じて報知しなくとも良い。
【0058】
操作タイマを設けて複数の操作を1つにまとめたが操作毎に操作回数を計数しても良い。また、情報表示装置4からどのような情報を表示したかを示す情報を入力出来れば、その情報を入力し、遊技情報に対応付けることで、より適切に不正者である旨を判定可能となる。
操作回数が基準操作数に達しているか等の判定タイミングとして、基準アウトの特定、或いは異なる遊技者の検出を例示したが、例えば遊技者が遊技を終了した場合や、予め設定される出玉(セーフ−アウト)を獲得した場合等、予め設定される基準値にアウト以外の遊技情報が達した場合に判定する等、判定タイミングはどのような方法を採用しても良い。
【0059】
対象となる遊技機2としては、例示したスロットマシン以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等、どのような遊技機を対象としても良い。パチンコ遊技機を対象とした場合、遊技機設定値を設定可能であればスロットマシン同様に優良台を特定すれば良いが、遊技機設定値を設定可能でなくとも、例えば所謂始動口の上方に植設された釘の間隔を調整することにより遊技価値の付与率を調整可能であり、その間隔の測定値や、その間隔を他の遊技機と比較して広くしたことを示す情報により優良台を特定出来るため、これらの情報を優良台情報としても良い。また、遊技機内にて遊技媒体を循環させ、ポイントを付与することで収支が変動するような所謂封入式或いはクレジット式の遊技機を対象としても勿論良く、この場合も考慮し、玉やメダル等の遊技媒体とポイントとを包含する遊技価値という表現を採用した。
【0060】
例示した全ての遊技情報について遊技信号から直接的、或いは間接的に特定する等どのように特定しても良い。また、各実施形態における数値や項目等は全て例示であり、どのような数値や項目等を採用しても良く、例示した各構成をどのように組み合わせたり、採用しなかったりしても良い。また、図7の異常収支検出設定を遊技機2の機種又は島別等、グループ単位で設定しても良い。更に、管理装置7が行う情報処理の一部を中継装置5等にて行う構成としても良いし、情報表示装置4のみで本発明の遊技場用管理システムを構成しても良い。
【符号の説明】
【0061】
図面中、1は遊技場用管理システム、2は遊技機、3dはカメラ(遊技者特定手段)、4は情報表示装置(遊技情報表示手段)、6は管理装置(遊技者特定手段、表示切替特定手段、遊技情報管理手段、期間特定手段、異常検出手段、注意遊技者特定手段、演算手段、操作率特定手段)、8はモニタ(出力手段)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技価値の付与率を調整可能な遊技機が設置されている遊技場を管理する遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン等の出玉率(遊技価値の付与率)に対応した遊技機設定値を設定する遊技機が設置される遊技場を管理する場合、出玉率の高い遊技機設定値である高設定値が設定されている遊技機のような所謂優良台に関する情報が遊技場の従業員から情報リークされていないかを注意する必要があり、例えば特許文献1では、カメラにて撮像することで遊技者を特定し、遊技者単位で高設定値の遊技回数割合(高設定値が設定されている遊技機の遊技頻度)を管理することが提案されている。
しかしながら、上記のように単純に高設定値の遊技回数割合を管理するだけでは、例えば情報リークを受けた不正者が検出を免れるために、一旦、出玉率の低い遊技機設定値である低設定値が設定された他の遊技機(優良台でない遊技機)を少しだけ遊技するような行動を繰り返し取られた場合に対応できなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−006590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、優良台の情報リークを受けた不正者が不正を紛らわすために他の遊技機を繰り返し遊技した場合であっても適切に不正者を検出出来る遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した発明は、遊技価値の付与率を調整可能な遊技機に対応して設けられ、当該対応する遊技機から出力される当該遊技機における遊技情報を特定可能な遊技信号を入力することにより特定される遊技情報を表示可能とし、当該遊技情報の表示を遊技者の切替操作に応じて切替えて表示可能な遊技情報表示手段と、前記遊技情報表示手段による表示が切替えられたことを特定する表示切替特定手段と、遊技価値の付与率が他の遊技機よりも遊技者にとって有利に調整された遊技機である優良台であるか否かを特定可能な情報を入力することにより優良台であるか否かを特定可能な優良台情報を管理する遊技情報管理手段と、遊技者の識別情報、又は遊技機側から出力される遊技信号を取り込むことにより、遊技者による遊技開始、及び遊技終了の少なくとも一方を特定すると共に、当該遊技開始から予め設定される遡り期間分遡った期間である遊技開始期間、及び遊技開始から遊技終了までの遊技者が遊技している期間である遊技期間の少なくとも一方を特定する期間特定手段と、前記優良台情報により優良台である旨が特定される遊技機に対応した前記期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は遊技期間において、前記表示切替特定手段により特定される前記遊技情報表示手段における表示の切替回数が、当該切替回数に対して予め設定される基準値である基準切替回数に達していない場合に異常を検出する異常検知手段と、前記異常検知手段による異常検出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、遊技機に対応して設けられ、当該遊技機における遊技者の識別情報を取得し、遊技者を特定する遊技者特定手段と、前記異常検出手段による異常検出により注意遊技者を特定する注意遊技者特定手段と、を備え、前記遊技情報管理手段は、前記遊技者特定手段により同一遊技者が同一遊技機にて継続して特定されている期間により区分けして、当該期間に対応する前記期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は前記遊技期間において、前記表示切替特定手段により特定された前記遊技情報表示手段における前記表示の切替回数が前記基準切替回数に達しているか否かを特定可能な情報と、前記優良台情報とを遊技者別に管理し、前記異常検出手段は、前記遊技情報管理手段により管理される情報によって特定される前記切替回数が前記基準切替回数に達しているかを特定することで、同一遊技者が同一遊技機にて継続して特定されている期間単位で異常を検出し、前記注意遊技者特定手段は、前記優良台情報により優良台である旨が特定される遊技機に対応した期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は遊技期間の内、前記異常検出手段により異常が検出された期間の割合を示す異常率と、当該異常率に対して予め設定される基準値である基準異常率とを比較することにより前記注意遊技者を特定し、前記出力手段は、前記注意遊技者として特定された遊技者を報知出力することで、前記異常検出結果を出力することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、演算手段をさらに備え、前記遊技機は遊技価値の付与率に対応した複数の遊技機設定値の中から選択的に任意の遊技機設定値を設定することにより遊技価値の付与率を調整可能であり、前記優良台は、遊技機に設定された前記遊技機設定値が予め設定される基準設定値を超える遊技機であり、前記遊技情報管理手段は、遊技機に設定された遊技機設定値を特定可能な情報を前記優良台情報として管理する一方、前記期間特定手段により特定された遊技期間を示す遊技情報である遊技期間情報を、当該遊技期間において遊技された遊技機に設定された前記遊技機設定値を特定可能な前記優良台情報に対応付け、遊技者別に前記継続して特定されている期間により区分けして管理し、
前記演算手段は、前記優良台情報により特定される前記遊技機設定値について、当該優良台情報に対応付けて管理される遊技期間情報により特定される遊技期間により重み付けした加重平均値を遊技者別に演算し、前記出力手段は、前記演算手段により演算された前記遊技機設定値の加重平均値を特定可能に出力することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、前記表示切替特定手段により表示が切替えられたことが特定されてから予め設定される設定期間が経過するまでの期間を切替操作期間として特定し、前記遊技期間に対する前記切替操作期間の割合を示す操作率を特定する操作率特定手段をさらに備え、前記出力手段は、前記操作率特定手段により特定される操作率を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、遊技情報表示手段における表示の切替回数が、当該切替回数に対して予め設定される基準値である基準切替回数に達していない場合に異常を検出する。遊技場の従業員等から情報リークを受け、優良台を把握した上で遊技するような不正者は情報リークにより優良台を把握しているので遊技情報を参照する必要が無く遊技情報表示手段としての情報表示装置に対する操作をほとんど行わない一方、通常の遊技者(不正者でない遊技者)は優良台を把握していないので優良台であるか否か、或いは遊技を続けても良いのかを判断するために頻繁に遊技情報を参照すると考えられる。
そこで、切替回数に基づいて異常を検出することにより、不正者が優良台での遊技頻度を紛らわすために優良台でない他の遊技機を遊技したとしても、それに関わらず情報リークが発生していることや情報リークを受けている不正者の目星をつかることが可能となり、適切に不正者を検出出来る。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、遊技者を特定すると共に、異常が検出された期間の割合を示す異常率と当該異常率に対して予め設定される基準値である基準異常率とを比較することにより注意遊技者を特定するので、情報リークを受けている遊技者(不正者)を特定可能となる。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、遊技期間により重み付けした加重平均値を遊技者別に演算して出力する。不正者が高設定値の遊技頻度を紛らわすために高設定値が設定されていない遊技機を遊技する場合、その遊技により損失が大きくなること避けるためにその遊技機における遊技期間は短くなる一方、高設定値が設定されている遊技機における遊技期間は長くなる。このため、単純に遊技機設定値の平均値を算出するのではなく、遊技期間による加重平均値を演算することにより、そのような不正者であるか否かをより適切に特定可能となる。
【0012】
請求項4に記載した発明によれば、遊技期間に対する切替操作期間の割合を示す操作率を特定する。遊技情報表示手段の多くは釦操作により遊技情報を切替えるので、遊技者が希望する遊技情報を表示する場合に複数回の釦操作を要する場合がある。このような場合、1回の遊技情報の切替に対して複数回の切替操作が対応付けられる虞がある。また、遊技期間において遊技者が満遍なく操作していることが不正者であるか否かを特定する際に重要となるが、単純に切替回数だけを参照すると、特定の期間に集中して切替操作を行っているのか、満遍なく何回も操作を行っているのかを見定めることが難しくなる虞がある。そこで、操作率を特定することにより、そのような虞を解消することが出来、不正者であるか否の判定をより適切に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態による管理装置を適用した遊技場用管理システムの構成を概略的に示す図
【図2】遊技機のリール配列を示す図
【図3】遊技機の役設定を示す図
【図4】遊技機の有効ラインを示す図
【図5】遊技機の内部当選テーブルを示す図
【図6】遊技情報表示装置の外観を示す図
【図7】管理装置が設定する異常収支検出設定を示す図
【図8】管理装置が管理する遊技機の台番と遊技機設定値とを対応付けた遊技機設定を示す図
【図9】管理装置が実行する異常判定処理を示す図
【図10】管理装置が記憶する遊技機別の遊技機情報記憶領域を示す図
【図11】本発明の第2実施形態による管理装置が実行する異常判定処理を示す図
【図12】管理装置が記憶する遊技者別の遊技者情報記憶領域を示す図その1
【図13】管理装置が記憶する遊技者別の遊技者情報記憶領域を示す図その2
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の複数の実施形態による遊技場用管理システムについて図面を参照しながら説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による遊技場用管理システムについて、図1から図12を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用管理システム1の全体構成を概略的に示している。遊技場用管理システム1が設けられている遊技場内には、複数台の遊技機2が設置されている。本実施形態の場合、遊技機2は所謂スロットマシンである。各遊技機2には、貸出機3及び情報表示装置4(遊技情報表示手段に相当する)がそれぞれ付設されている。これら遊技機2、貸出機3及び情報表示装置4は中継装置5に接続されており、中継装置5及びLAN6を介して管理装置7に通信可能に接続している。この管理装置7は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、出力手段に相当するモニタ8や図示しないプリンタ等が接続されている。このような遊技場内には、例えば数百台の遊技機2が設置されており、管理装置7の管理対象となっている。
【0015】
遊技機2は、表示窓2a、スタートレバー2b、ストップボタン2c、表示ランプ部2d、メダル投入口2e及びBETボタン2f等が設けられている。遊技者は、表示窓2aを通じて内部に設けられたリールの図柄を視認可能となっている。各図柄は、図2に示すように、左リール、中リール及び右リールの円周面に描かれてり、各リールが停止した状態では、表示窓2aの上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、遊技機2には、各リールそれぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。遊技機2は、遊技者によってメダル投入口2eからメダル(遊技価値に相当する)を投入、或いは、BETボタン2fを操作することでクレジットメダル(遊技価値に相当する)を所定枚数(通常状態では3枚、ボーナス状態では1枚)投入した状態(BETした状態)でスタートレバー2bが操作されると(ゲームが開始されると)、内部抽選を実行すると共にリールの変動を開始させ、ストップボタン2cを操作することによって所謂引込制御(予め規定された引込範囲例えば4図柄までにある図柄を有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によってリールの変動を停止する。
【0016】
図3は、遊技機2に設定されている内部当選役の役構成を示している。遊技機2には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス)役とRB(レギュラーボーナス)役、所謂小役としての5枚役、7枚役、2枚役、及びリプレイ役が設けられている。この遊技機2には、図4に示すように、合計5本(表示窓2aの上段、中段及び下段に対応した横方向に1本ずつの3本、及び斜め方向の2本)の有効ライン1〜5が設けられている。ゲームが開始され遊技者によるストップボタン2cの操作によってこれらの有効ライン1〜5のうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したときに入賞となる。そして、入賞となった場合には、入賞した役に応じて例えばBB状態やRB状態の発生、或いは、対応する枚数のメダルの払出(遊技価値の付与)が行われる。これにより、1ゲームが終了する。尚、小役が内部当選した場合にはその当選状態は内部当選したゲームでのみ有効である一方、ボーナス役が内部した場合にはその当選状態はボーナス役が入賞するまで持ち越される。また、ボーナス役の入賞に伴って発生したBB状態或いはRB状態は、予め設定される終了条件の成立(例えば、払出したメダル数が300枚を超えたときなど)により終了する。
【0017】
この遊技機2は、ゲーム開始時の内部抽選において、0〜65535の間で発生する乱数のうち1つを抽出し、抽出した乱数と図示しない抽選テーブルとを照合することにより、内部当選であるか否かを判定している。図5は、遊技機2に設定されている内部当選テーブル、即ち、内部抽選における各役に割り振られている当選乱数の数を示している。この内部当選テーブルは、後述する遊技機2の遊技状態に応じて設けられている。例えば、通常状態では、BB役及びRB役には256個、5枚役には4096、15枚役(5枚役が3本の有効ライン上に入賞した状態)には0個、7枚役には8192個、2枚役には656個、リプレイ役には8978個の当選乱数が割り振られており、いずれの役にも該当しないハズレには43102個の乱数が割り振られている。一方、BB状態及びRB状態では、15枚役に65535個の当選乱数が割り振られており、ハズレには1個の乱数が割り振られている。
【0018】
また、遊技機2は、図示しない設定値操作部を備えており、この設定値操作部から内部当選確率等を規定するための複数例えば1〜6の6段階の遊技機設定値が設定される。6段階の遊技機設定値の内、選択的に任意の1つを設定することにより、出玉率(遊技価値の付与率に相当する)が理論値として設定される。遊技機2は、遊技機設定値の値が大きいほど例えばボーナス役の内部当選確率が高くなる等、遊技者にとって有利となるように設定されている。遊技機2では、当選乱数の割り振りを変更することにより入賞率(各役が内部当選する確率)を調整し、その入賞率を遊技機設定値に対応付け、その遊技機設定値を各遊技機2に設定することにより出玉率を調整可能となっている。つまり、遊技機2には、図5に示した内部当選テーブルが遊技機設定値毎に複数設けられている。このため、例えば2枚役等の特定の役が、当選乱数が遊技機設定値別に異なる値となっており、その入賞頻度をカウント等すれば遊技機設定値の推測が可能となる。
【0019】
貸出機3は、図1に示すように、動作状態を示す動作ランプ3a、貨幣投入口3b、メダル払出口3c、及び、カメラ3d(遊技者特定手段に相当する)を備えている。動作ランプ3aは、不具合が生じた場合等に点灯し、従業員に不具合の発生等を報知する。この貸出機3は、遊技者が貨幣投入口3bに有価価値(例えば貨幣)を投入すると、メダル払出口3cから投入された有価価値に応じた数のメダルを遊技機2に貸し出す。カメラ3dは、対応する遊技機2を遊技している遊技者の顔を撮像する。つまり、本実施形態の場合、カメラ3dは、各遊技機2に対応して設けられており、対応する遊技機2を遊技している遊技者を随時撮像する。このカメラ3dにより撮像された遊技者の顔画像(識別情報に相当する)は、中継装置5を介して管理装置7に送信され、後述するように管理装置7において遊技者の特定に利用される。尚、このカメラ3dは、後述する第2実施形態においては遊技者の検出にも用いられる。
【0020】
これら遊技機2及び貸出機3等の遊技機2側の機器からは、以下に示すような遊技信号が出力される。
アウト信号:稼動信号に相当し、遊技機2から出力する。ゲームの開始操作に応じてBET状態のメダル数(3枚又は1枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(使用媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも対応分を出力する。
セーフ信号:稼動信号に相当し、遊技機2から出力する。メダルが1枚払出される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(払出媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分を出力する。
【0021】
BB信号/RB信号:稼動信号に相当し、遊技機2から出力する。対応するボーナス状態(BB状態又はRB状態)時にレベル出力されるので、信号受信期間をボーナス状態として特定する。
売上信号:貸出機3から出力する。投入された有価価値を対価としてメダルの貸出が行われると、貸出メダルが5枚(100円相当)毎に1パルス出力されるので、売上信号数×100が売上金額、売上信号数×5を売上メダルとする等して売上情報を特定する。
【0022】
情報表示装置4は、図示しないCPU、ROM、RAM、信号を送受信する入出力部などを備えたマイクロコンピュータで構成されており、例えばROM等に記憶されている制御プログラムに従って作動する。この情報表示装置4は、図1に示すように、液晶表示器等の表示器で構成されたデータ表示部41を備えている。このデータ表示部41には、遊技機2及び貸出機3から出力される遊技信号に基づいて、また、及び管理装置7から送信される情報に基づいて、各種の遊技情報が表示される。具体的には、データ表示部41には、図6に示すように、BB回数表示部41a、BB内訳表示部41b、差数グラフ表示部41c、RB回数表示部41d、ボーナス確率表示部41e、ゲーム数表示部42f、出玉数表示に42g及びテロップ表示部41h等の表示領域が設けられている。
【0023】
BB回数表示部41a及びRB回数表示部41dは、それぞれBB状態及びRB状態の発生回数を表示する。BB内訳表示部41bは、BB状態における詳細な内訳を表示する。差数グラフ表示部41cは、一日単位での差数の増減をグラフ表示する。ボーナス確率表示部41eは、ボーナス役の入賞確率を表示する。ゲーム数表示部41fは、前回のボーナス状態の終了後に実行されたゲーム数やその当日における累計のゲーム数等を表示する。出玉数表示部41gは、遊技者が獲得した出玉数を表示する。テロップ表示部41hは、例えば遊技場からの広告などを表示する。情報表示装置4は、遊技者による操作、遊技信号の出力、或いは遊技者が検出されていない状態で一定時間が経過すると、待機状態(待機表示)となる。
【0024】
また、情報表示装置4には、各種のスイッチ類42が設けられている。スイッチ類42は、遊技情報の表示項目を切替えるためのデータ切替釦42a、及び遊技場の従業員を呼び出す呼出釦42bを有している。この内、データ切替釦42aを操作することにより、遊技者は、例えば、所謂ボーナス履歴、小役の入賞回数表示、過去の遊技情報等を待機状態から切替えることが出来る。このとき、情報表示装置4は、遊技者によってデータ切替釦42aが押下されて遊技情報の切替操作が入力された場合、切替操作が入力されたことを特定可能な操作信号を管理装置7に出力する。このように、データ切替釦42aを操作して過去の遊技情報を参照することにより、遊技機設定値が高いか低いかを判定して自身が遊技する遊技機2を決定したり遊技中の遊技機2の調子が良いか悪いかを判断したりすることができるため、通常は、遊技者によって遊技前或いは遊技中にデータ切替釦42aの操作がある程度行われるものと想定される。
【0025】
中継装置5は、図示しない制御部や信号を送受信する入出力部などを備えており、遊技機2側の機器から出力される遊技信号を受信するとともに、受信した遊技信号をLAN6を介して管理装置7へ送信することにより、遊技機2側の機器と管理装置7との間の通信を中継する。
【0026】
管理装置7(遊技者特定手段、表示切替特定手段、遊技情報管理手段、期間特定手段、異常検出手段、注意遊技者特定手段、演算手段、操作率特定手段に相当する)は、図示しないCPU、ROM、RAM、信号を送受信するための入出力部、及び、HDD等の記憶手段を備えたコンピュータで構成されており、ROMやHDD等に記憶されている制御プログラムに従って作動する。この管理装置7は、周知のように、遊技機2側の機器から送信される遊技信号に基づいて遊技情報を集計する。管理装置7は、例えば遊技機2の遊技状態(通常状態かボーナス状態か)の特定、差数(=セーフ−アウトで算出)、出玉率(=セーフ÷アウトで算出)、ゲーム回数、売上情報等の遊技情報の集計及び管理を行っている。これらの遊技情報は、遊技機2別の遊技情報、或いはそれらを集計した遊技場全体としての遊技情報等、複数の態様にて集計及び管理されている。この遊技情報は、上記した各項目を全て含む必要はなく、また、他の情報を含んでもよい。
【0027】
この管理装置7は、貸出機3に設けられているカメラ3dで撮像した遊技者毎の顔画像に基づいて遊技者を特定する(人物認証を行う)。具体的には、管理装置7は、中継装置5を介して遊技者を識別するための識別情報である遊技者の顔画像を取得すると、周知の画像処理を施して例えば顔画像から特徴点を抽出すること等により遊技者を特定する。より厳密に言えば、管理装置7は、ある遊技者と他の遊技者とを区別可能となる各種のデータの収集を行っている。そして、管理装置7は、特定した遊技者と、当該遊技者が遊技中の遊技機2及び当該遊技機2における遊技情報とを対応付けて管理する。また、管理装置7は、遊技者を特定した顔画像を記憶部等に記憶することにより、カメラ3dにより随時撮像され送信されてくる顔画像に基づいて同一遊技者であるか否かの特定、並びに、遊技信号に基づいて同一遊技者が継続して遊技を行っているかの特定も行っている。
【0028】
また、管理装置7は、本発明に関連して、図7に示す異常収支検出設定を遊技場全体に対して設定可能であると共に、図8に示す遊技機設定を遊技機2毎に操作入力により設定及び管理している。
図7に示す異常収支検出設定には、以下の項目が設定されている。
単位期間:後述する第2実施形態において不正検知(注意遊技者の特定)を行うための単位期間。図7では「1日」と営業日基準で設定しているが、時間的な期間だけでなく、遊技する遊技機2を変更する所謂台移動やメダルを計数或いは景品交換する等の事象を基準として開始と終了を特定し、その開始から終了までを単位期間として定めても良い。
【0029】
参照設定期間:後述する第2実施形態において不正検知を行うために参照する期間であり、単位期間単位で設定する。尚、遊技場の営業日基準ではなく、遊技者毎の遊技単位期間を基準として遊技者の最新遊技単位期間である遡り基準からこの設定値分遡り、その遡った期間を参照設定期間とする。
基準設定値:遊技機設定値に対する基準値で、この設定値以上の遊技機設定値を高設定値(優良台)として特定する。
基準アウト:アウトに対する単位期間を遊技者の来店として特定するための設定値。単位期間におけるアウトがこの設定値を超えた場合に、その単位期間を遊技単位期間として特定する。
操作設定期間:情報表示装置4の操作回数として複数の操作回数を1つの操作回数として、即ち、所定時間内に複数の操作が行われた場合それらを1回の操作として判定するための設定値で、操作に応じて作動する操作タイマの作動期間。尚、操作タイマはその非作動中に操作があった場合に作動するので、最初の操作からこの設定値以内の期間(即ち、操作タイマの作動期間中)になされた操作は、何回操作されても1回の操作として判定する。
【0030】
基準操作数:基準切替回数に相当する。情報表示装置4の操作回数に対する基準値で、高設定値が設定された遊技機2を遊技した遊技者がこの設定値に達しない操作回数しか情報表示装置4を操作していない場合に異常を検出する。
基準異常率:後述する第2実施形態において参照期間等の対象期間における異常検知された割合である異常率(後述する図11、12等参照)に対する基準値で、参照期間が参照設定期間に達した状態で異常率がこの設定値を超えた遊技者を注意遊技者として特定する。
また、図8に示す遊技機設定には遊技機2の台番とその台番の遊技機2に設定されている遊技機設定値とが記憶されている。この遊技機設定値(設定値)が「優良台であるか否かを特定可能な情報」、及び「遊技機に設定された遊技機設定値を特定可能な情報」に相当する。このように、管理装置7は、遊技機2と当該遊技機2に設定されている遊技機設定値とを対応付けて管理している。
【0031】
次に、上記した遊技場用管理システム1の作用について説明する。
遊技場用管理システム1の管理装置7は、上記したような遊技情報の集計処理を実行していると共に、図9に示す異常判定処理を実行することにより図10に示す遊技機情報を遊技機2別に集計及び記憶している。この図10には、例えば高設定値が設定されている遊技機2(台番=2)について、以下の情報が記憶されている。
NO、時刻:「NO」は、レコードの通し番号で、時刻が古い順から1、2、3・・・のように記憶され、NO1が営業開始時、或いは営業開始時に最も近いNOとなる。「時刻」は、対応するレコードを更新した(異常判定を行った)時刻。
【0032】
操作、異常:「操作」は、情報表示装置4の表示を切替えた操作回数。尚、本実施形態では情報表示装置4からの操作信号により特定するが、操作タイマ作動中の操作は1回として計数する。「異常」は、情報表示装置4の操作が異常である旨を示し、高設定値が設定された遊技機2に対応して設けられている情報表示装置4において「操作」が基準操作数(5回)に満たない場合即ち異常があると判定した場合には「○」、それ以外の場合には「×」が記憶される。この「異常」は、後述する図9及び図11のフローチャート中には「操作回数異常」として示している。この「操作」、「異常」の少なくとも一方が、「遊技情報表示手段における表示の切替回数が基準切替回数に達しているか否かを特定可能な情報」に相当する。
【0033】
稼動時間:アウト信号の受信により作動する稼動タイマの作動時間の合計。尚、稼動タイマの作動時間は60秒を設定しており、作動中にアウト信号を受信した場合はリスタートする。
操作率:遊技者が遊技している期間の内、情報表示装置4の切替操作を行っている期間の割合で、「操作」×「操作設定期間」÷「稼動時間」にて演算される。
平均欄、合計:「平均」は各レコードの平均値で、「合計」は、「操作」や「稼動時間」の合計を演算対象とした演算値。
【0034】
管理装置7は、図9に示す異常判定処理を実行することにより、図10に示す遊技機情報を遊技機2別に記憶する。具体的には、管理装置7は、異常判定処理において、各遊技機2に対して高設定値が設定されているかを判定し(A1)、高設定値が設定されていなければ(A1:NO)、判定対象ではないとしてリターンする。これに対して、例えば台番=2の遊技機2のように高設定値が設定されていれば(A1:YES)、新規レコードを作成した後(A2)、操作タイマ及び操作回数を初期化する(A3)。尚、このステップA3では、操作タイマを初期化しているものの、その作動は開始されていない。
【0035】
続いて、管理装置7は、操作信号が入力されたか(A4)、及び遊技信号が入力されたか(A8)を繰り返し判定する。そして、操作信号が入力された場合には(A4:YES)、その営業日において最初の操作時には操作タイマが作動していないことから(A5:NO)、操作タイマの作動を開始した後(A6)、図10の対応するレコードにおける操作回数を加算する(A7)。その後、ステップA8において遊技信号の入力が無ければ(A8:NO)、再びステップA4に移行する。この状態でさらに操作信号が入力されると(A4:YES)、操作タイマが作動中であるので(A5:YES)、そのままステップA8に移行する。つまり、操作タイマが作動中における操作は、操作回数に加算されない。尚、2回目以降の操作信号が操作タイマが作動中でない状態で入力された場合には(A4:YES、A5:NO)、操作タイマの作動を開始した後(A6)、操作回数を加算する(A7)。
【0036】
一方、管理装置7は、遊技信号が入力されると(A8:YES)、遊技情報を更新し(A9)、アウトが基準アウトより大きいかを判定し(A10)、基準アウト以下の場合には(A10:NO)、ステップA4に移行して操作信号の入力及び遊技信号の入力を待機する。
そして、管理装置7は、遊技者による遊技の継続に伴って遊技信号が入力される毎に(A8:YES)、遊技情報の更新(A9)及びアウトの判定(A10)を繰り返す。そして、遊技がさらに継続されてアウトが基準アウトよりも大きくなった場合には(A8:YES、A9、A10:YES)、操作回数が基準操作数に達しているかを判定し(A11)、操作回数が基準操作数に達していない場合には(A11:YES)、操作回数が少ないことから異常であるとして、操作回数異常(図10の対応するレコードの「異常」)に「○」を記憶して(A12)、リターンする。つまり、管理装置7は、高設定値が設定された遊技機2においてアウトが基準アウトよりも大きくなったにも関わらず遊技情報の切替操作が殆ど行われてない場合、異常を検出する。これは、遊技場の従業員等から情報リークを受けた不正者は情報リークにより高設定値が設定されている遊技機2を把握しているので遊技情報を参照する必要が無く情報表示装置4に対する操作をほとんど行わないと考えられるためである。
【0037】
一方、通常の遊技者(不正者でない遊技者)は、高設定値が設定されている遊技機2を把握していないので、高設定値であるか否か或いは遊技を続けても良いのかを判断するために頻繁に遊技情報を参照すると考えられる。そのため、管理装置7は、操作回数が基準操作数を超えている場合には(A11:NO)、図10の対応するレコードの「異常」に「×」を記憶し(A13)、リターンする。
【0038】
このように、遊技場用管理システム1では、操作信号の入力及び遊技信号の入力を待機しつつ、情報表示装置4に対する表示切替の操作回数が当該切替回数に対して予め設定される基準値である基準切替回数に達していない場合に異常を検出し、図10に示すように記憶している。この図10からは、操作回数が過度に少ない遊技者(情報リークを受けた不正者である可能性のある)が営業開始(NO1のレコードが記憶されたとき)からNO4のレコードの更新途中まで遊技し、その後、操作回数が基準操作数を超える通常の遊技者が遊技したことを推測出来る。
【0039】
以上説明した遊技場用管理システム1によれば、次のような効果を奏する。
情報表示装置4に対する表示の切替回数が基準操作数に達していない場合に異常を検出するので、不正者が高設定値が設定されている遊技機2である優良台における遊技頻度を紛らわすために高設定値が設定されていない(優良台でない)他の遊技機2を多少遊技したとしても、それに関わらず情報リークが発生している可能性があることや、情報リークを受けている不正者の目星をつかることが出来、適切に不正者を検出出来る。
【0040】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態による遊技場用管理システムについて、図11から図13を参照しながら説明する。第2実施形態では、注意遊技者を特定する点において第1実施形態と異なっている。尚、遊技場用管理システム1の構成は第1実施形態と共通するので、詳細な説明は省略する。
図11は、第2実施形態における管理装置7が実行する異常判定処理を示しており、図12及び図13は、遊技情報の集計処理及びこの異常判定処理により集計及び記憶される遊技者別の遊技者情報を示している。この図12及び図13に示す遊技者情報には、以下の項目が記憶されている。尚、第1実施形態と共通する項目についての説明は省略する。
【0041】
NO、来店日:「NO」は、遊技者が遊技した最新の遊技機2における情報をNO1とし、その前に遊技した遊技機2における情報をNO2とする遊技機2単位で集計した遊技情報の通し番号。「来店日」は、当該遊技者が遊技場に来店した日付。尚、単位期間(営業日)毎の区切りを二重線にて示している。
設定、高設:「設定」は、遊技者を特定した遊技機2に対して図8のように記憶されている(遊技機2に設定されている)遊技機設定値。「高設」は、「設定」が図7の基準設定値以上であれば「○」、未満なら「×」が記憶される。この「設定」、「高設」の少なくとも一方が、「優良台情報」に相当する。
【0042】
アウト:遊技者が遊技していることを特定している期間(遊技期間)に特定したアウト。ここで、アウトは、スロットマシンでは1ゲームが最短4.1秒で実行され、最速で44程度のアウトが消費されることを考慮し、遊技場では2000のアウトが約1時間(約33のアウトが1分)の遊技に対応し、例えば10000のアウトであれば5時間の遊技期間を示す情報として管理していることから、遊技期間を示す情報となり、「遊技期間情報」に相当する。他に「セーフ」や「売上情報」等も記憶している。
対象:不正判定(注意遊技者の特定)の対象とするか否かを示し、「高設」が「○」であり、且つ「アウト」が基準アウト以上である場合に「○」となる。
参照:参照期間における情報。即ち、最新の遊技を起点として参照設定期間に対応する単位期間分だけ遡った期間の情報で、「合計」は参照期間中の合計で、「平均」は1日当たりの平均。
【0043】
累計:記憶される全てのレコードを対象とした「合計」と「平均」。尚、上記した「参照」についても同様であるが、「高設」「対象」「操作」「異常」は「○」の合計で、「設定」の合計は各レコードの平均値で、平均はアウトによる加重平均値。即ち、各レコードの「設定」×「アウト」の合計値÷「アウト」の合計値で演算される。
異常率:「高設」を遊技した場合に「操作」の回数が少なかった割合で、「異常」÷「対象」で演算される。
管理装置7は、これらの情報を、異常判定処理を実行することにより集計、記憶及び更新している。以下、第1実施形態と共通するステップについては詳細な説明を省略して説明する。
【0044】
管理装置7は、異常判定処理において、遊技者を検出したかを判定しており(B1)、遊技者を検出していない場合には(B1:NO)、検出するまで待機する。そして、カメラ3dにより遊技者が撮像されると、遊技者を検出したとして(B1:YES)、その遊技者を特定すると共に該当する遊技者の遊技履歴の有無を判定し(B2)、該当する遊技者の遊技履歴が無い場合には(B2:無し)、遊技履歴を作成して(B3)、ステップB4に移行する。一方、該当する遊技者の遊技履歴が有る場合には(B2:有り)、直接ステップB4に移行する。このステップB4では、図12又は図13に示すような遊技者別の遊技者情報に新規のレコードが作成される。
【0045】
続いて、管理装置7は、操作タイマ及び操作回数を初期化した後(B5)、遊技信号が入力されたか(B6)、操作信号が入力されたか(B8)、異なる遊技者を検出したか(B12)を繰り返し判定する。遊技者により遊技が行われて遊技信号が入力されると(B6:YES)、該当する遊技者の遊技情報を更新する(B7)。このとき、図12及び図13のアウトが更新される。また、操作信号が入力された場合には(B8:YES)、第1実施形態と同様に、操作タイマが作動中でなければ(B9:NO)、操作タイマを作動した後(B9)、図12及び図13の操作回数を加算する(B10)。尚、操作タイマが作動中の場合には(B9:YES)、それらの操作を一回の操作と判定するため、操作回数の加算は行われない。そして、異なる遊技者を検出していない場合には(B12:NO)、ステップB6に移行する。つまり、管理装置7は、同一遊技者が同一遊技機にて継続して遊技を行っているかを特定し、その期間における遊技情報及び情報表示装置4に対する操作回数を集計及び管理している。
【0046】
管理装置7は、この状態で対応する遊技機2にて先に特定した遊技者とは異なる遊技者を検出すると(B12:YES)、当該遊技機2に高設定値が設定されているかを判定し(B13)、高設定値が設定されていれば(B13:YES)、さらにアウトが基準アウトを超えたかを判定し(B14)、アウトが基準アウトを超えていれば(B14:YES)、さらに操作回数が基準操作数に達しているかを判定する(B15)。このように、遊技機2を遊技していた遊技者が所謂台移動を行い、更に新たな遊技者が遊技することで、異なる遊技者を検知すると、それまで遊技をしていた遊技者の遊技情報を確認する。
【0047】
そして、管理装置7は、操作回数が基準操作数に達していない場合には(B15:YES)、図12或いは図13に示す「異常」に「○」を記憶する(B16)。つまり、管理装置7は、高設定値が設定されている遊技機2にて遊技していた遊技者が、アウトが基準アウトを超えているにも関わらず情報表示装置4に対する操作が少ない場合、異常と判定する。尚、高設定値が設定されていない場合(B13:NO)、アウトが基準アウトを超えていない場合(B14:NO)、及び、操作回数が基準操作数に達している場合には(B15:NO)、図12或いは図13に示す「異常」に「×」を記憶して異常がないと判定する。
【0048】
このように管理装置7は図12或いは図13に示す遊技者情報を集計及び管理している。
さて、不正者は情報リークを受けて「高設」であることを把握しているので、遊技情報を参照する必要が無く情報表示装置4に対する操作をほとんど行わない一方、通常の遊技者は「高設」であることを把握していないので「高設」であるか否か、即ち遊技を続けても良いのかを判断するため頻繁に遊技情報を参照すると考えられる。つまり、不正者と通常の遊技者とは、情報表示装置4の操作頻度に違いがあると考えられる。そのため、「異常」や「操作率」を集計して操作が行われていないことを特定すれば、不正者を特定することが可能となる。
例えば、図12の場合、不正検出の対象となる遊技機2での遊技(NO1、NO6のレコード)において「操作」が基準操作数を超えていることから、遊技者ID=00001の遊技者は、小役の入賞率等をカウントすることで「高設」を見破り、「高設」であると判断した場合には遊技結果が不調になっても遊技を継続するような所謂上級者であることが推測される。
【0049】
一方、図13の場合、遊技機設定値の平均は「3」と同一であるが、不正検出の対象となる遊技機2での遊技(NO1、NO6、NO8のレコード)において「操作」が基準操作数に達しておらず、「異常率」も基準異常率以上となっており、また、加重平均の「設定」も高くなっている。図12及び図13におけるこの差違は、上記したように通常の遊技者は「高設」を見破る必要があるために遊技情報を注意深く分析するものの、不正者は「高設」を把握しているため遊技情報を分析する必要が無いことからその操作頻度に違いが生じるという点に由来する。そのため、この図13に示す遊技者ID=00002の遊技者の場合、情報リークにより「高設」を予め把握しているものの、その情報リークを紛らわすためにわざと「高設」以外の遊技機を遊技している不正者であると推測できる。
【0050】
そこで、管理装置7は、当該遊技者を注意遊技者として特定すると共に、例えば「異常率」を識別表示することにより当該遊技者が注意遊技者である旨を報知出力する。このとき、遊技者別に演算した平均設定値を、注意遊技者として特定された遊技者を報知出力する場合に特定可能にモニタ8に表示出力、或いはプリンタに印字出力する。この場合、注意遊技者の報知出力は、次営業日に行われる。これは、注意遊技者を特定すると自ずとその遊技機2に高設定値が設定されていることが明らかになるため、注意遊技者と特定した時点で管理装置7にて注意遊技者である旨を報知出力すると従業員にその遊技機2に高設定値が設定されていることで新たな情報リークが行われる虞があり、また、遊技機2側の機器にて注意遊技者である旨を報知出力すると他の遊技者にその遊技機2に高設定値が設定されていることが把握されてしまう虞があるためである。
【0051】
このように、管理装置7は、高設定値が設定されている遊技機2を遊技した遊技者の遊技情報に基づいて、異常率と基準異常率とを比較することにより注意遊技者であるか否かを特定し、注意遊技者であると特定した場合には当該遊技者を報知出力している。これにより、情報リークを受けている遊技者(不正者)を特定することができる。
【0052】
また、不正者が高設定値の遊技頻度を紛らわすために高設定値が設定されていない遊技機2を遊技する場合、その遊技により損失が大きくなることを避けるためにその遊技機2における遊技期間は短くなる一方、高設定値が設定されている遊技機2における遊技期間は長くなる。このため、単純に遊技機設定値の平均値を算出するのではなく、遊技期間による加重平均値を演算することにより、そのような不正者であるか否かをより適切に特定することができる。
高設定値が設定されている遊技機2を特定出来ない次営業日に注意遊技者の報知出力を行っているので、高設定値が設定されている遊技機2、及び高設定値が設定されていること自体が第三者に把握されてしまう2次的な情報リークが発生する虞を低減することが出来る。
【0053】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にて例示したものに限定されることなく、次のように変形又は拡張することが出来る。
第2実施形態では異常率に基づいて異常検出及び注意遊技者を特定したが、遊技期間に対する切替操作期間の割合を示す操作率を特定し、操作率に基づいて異常検出及び注意遊技者を特定しても良い。この場合、単純に切替回数だけを参照するのではなく、特定の期間に集中して切替操作を行っているのか、満遍なく何回も操作を行っているのかを見定めることが可能となり、不正者であるか否の判定をより適切に行うことが出来る。
【0054】
各実施形態では遊技者が遊技している期間を対象として切替回数を管理したが、遊技機2の選択時に情報リークを受けた不正者は遊技情報を閲覧することなく遊技機2を選択する一方、通常の遊技者は遊技情報を閲覧することで高設定値が設定された遊技機2を推測して遊技機2を選択する傾向があるため、切替操作に応じた操作タイマの作動を非稼動中等にも行い、遊技者を検出する等して遊技開始を特定した場合に、操作タイマが作動中かを特定することで、遊技開始期間における切替操作を管理し、遊技開始期間において切替操作が行われない場合に基準切替回数(例えば1回)に達していないとして異常を検出しても良い。
稼動時間を稼動タイマにより特定したが、アウトを単位時間に対応したメダル数(例えば、1分間の遊技に対して40枚)にて除算して稼動時間を特定したり、遊技者を検出している期間を稼動時間とする等、遊技者の遊技期間を示す遊技情報であれば、どのような情報を採用しても良い。
【0055】
第1実施形態における稼動時間や操作率を第2実施形態における注意遊技者の特定に適用したり、第2実施形態の異常率を第1実施形態に適用する等、各実施形態の一部の他の実施形態に任意に組み合わせても良い。また、参照情報のように期間を区切って不正検出の対象を限定したが、累計情報のように期間を区切らずに不正検出を行っても良い。
遊技機設定値等の設定値を操作入力にて設定することを例示したが、例えば遊技機2からの信号入力により設定したり、デフォルト設定しておく等、その設定方法はどのような方法を採用しても良い。また、図12及び図13にて「設定」、「高設」又は「操作」、「異常」を各々管理対象としたが、各々一方のみを管理対象としても良い。
【0056】
第2実施形態にてアウトが基準アウト以上である単位期間を遊技期間として不正検出の対象を限定したが、基準アウトを設定しない構成や基準アウトに達しない場合等、遊技者を検出した全ての単位期間を対象としても良い。また、基準アウトの代わりに収支やセーフ等を採用しても良い。
遊技者の特定としてカメラ3dの撮像による人物認証を例示したが、例えば指紋認証等の生体認証や会員カードや遊技者の所有する携帯電話等により遊技者を特定しても良いし、複数の特定方法を採用して認証精度を上げても良い。この場合、例えば会員カードではカードの挿入期間を、指紋認証等では指紋を検知してから非稼動判定されるまでの期間を遊技期間として特定すれば良い。
【0057】
注意遊技者の報知を次営業日以降に行う場合、異常率等の特定を閉店時に行えば自然と次営業日以降に報知されることになるが、例えば営業中に随時異常率等の特定を行っておき、島端に設けられる計数機や、カウンタに設けられるPOSのようなメダルを清算する端末にて遊技者を撮像等して識別可能とし、その端末や他の遊技機にて識別した遊技者が注意遊技者であれば、その旨を報知しても良い。尚、2次的な情報リーク等を考慮しなければ、営業中にそのまま報知しても良い。また、管理装置7による報知だけを先に行い、貸出機等の遊技機側の端末による報知を次営業日以降に行うようにしても勿論良い。
第1実施形態では各遊技機2にカメラ3dを設ける前提としなかったため異常の検出に応じて異常検出結果を出力したが、各台カメラ等を設けて遊技者を特定可能とすれば上述した2次的な情報リークを考慮して異常の検出に応じた異常出力結果の出力をしなくとも良い。更に、情報リークが行われているか否かを判定するだけでも一定の効果が得られるので、その目的のために本案を採用するのであれば、この場合も検出に応じて報知しなくとも良い。
【0058】
操作タイマを設けて複数の操作を1つにまとめたが操作毎に操作回数を計数しても良い。また、情報表示装置4からどのような情報を表示したかを示す情報を入力出来れば、その情報を入力し、遊技情報に対応付けることで、より適切に不正者である旨を判定可能となる。
操作回数が基準操作数に達しているか等の判定タイミングとして、基準アウトの特定、或いは異なる遊技者の検出を例示したが、例えば遊技者が遊技を終了した場合や、予め設定される出玉(セーフ−アウト)を獲得した場合等、予め設定される基準値にアウト以外の遊技情報が達した場合に判定する等、判定タイミングはどのような方法を採用しても良い。
【0059】
対象となる遊技機2としては、例示したスロットマシン以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等、どのような遊技機を対象としても良い。パチンコ遊技機を対象とした場合、遊技機設定値を設定可能であればスロットマシン同様に優良台を特定すれば良いが、遊技機設定値を設定可能でなくとも、例えば所謂始動口の上方に植設された釘の間隔を調整することにより遊技価値の付与率を調整可能であり、その間隔の測定値や、その間隔を他の遊技機と比較して広くしたことを示す情報により優良台を特定出来るため、これらの情報を優良台情報としても良い。また、遊技機内にて遊技媒体を循環させ、ポイントを付与することで収支が変動するような所謂封入式或いはクレジット式の遊技機を対象としても勿論良く、この場合も考慮し、玉やメダル等の遊技媒体とポイントとを包含する遊技価値という表現を採用した。
【0060】
例示した全ての遊技情報について遊技信号から直接的、或いは間接的に特定する等どのように特定しても良い。また、各実施形態における数値や項目等は全て例示であり、どのような数値や項目等を採用しても良く、例示した各構成をどのように組み合わせたり、採用しなかったりしても良い。また、図7の異常収支検出設定を遊技機2の機種又は島別等、グループ単位で設定しても良い。更に、管理装置7が行う情報処理の一部を中継装置5等にて行う構成としても良いし、情報表示装置4のみで本発明の遊技場用管理システムを構成しても良い。
【符号の説明】
【0061】
図面中、1は遊技場用管理システム、2は遊技機、3dはカメラ(遊技者特定手段)、4は情報表示装置(遊技情報表示手段)、6は管理装置(遊技者特定手段、表示切替特定手段、遊技情報管理手段、期間特定手段、異常検出手段、注意遊技者特定手段、演算手段、操作率特定手段)、8はモニタ(出力手段)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値の付与率を調整可能な遊技機に対応して設けられ、当該対応する遊技機から出力される当該遊技機における遊技情報を特定可能な遊技信号を入力することにより特定される遊技情報を表示可能とし、当該遊技情報の表示を遊技者の切替操作に応じて切替えて表示可能な遊技情報表示手段と、
前記遊技情報表示手段による表示が切替えられたことを特定する表示切替特定手段と、
遊技価値の付与率が他の遊技機よりも遊技者にとって有利に調整された遊技機である優良台であるか否かを特定可能な情報を入力することにより優良台であるか否かを特定可能な優良台情報を管理する遊技情報管理手段と、
遊技者の識別情報、又は遊技機側から出力される遊技信号を取り込むことにより、遊技者による遊技開始、及び遊技終了の少なくとも一方を特定すると共に、当該遊技開始から予め設定される遡り期間分遡った期間である遊技開始期間、及び遊技開始から遊技終了までの遊技者が遊技している期間である遊技期間の少なくとも一方を特定する期間特定手段と、
前記優良台情報により優良台である旨が特定される遊技機に対応した前記期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は遊技期間において、前記表示切替特定手段により特定される前記遊技情報表示手段における表示の切替回数が、当該切替回数に対して予め設定される基準値である基準切替回数に達していない場合に異常を検出する異常検知手段と、
前記異常検知手段による異常検出結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項2】
遊技機に対応して設けられ、当該遊技機における遊技者の識別情報を取得し、遊技者を特定する遊技者特定手段と、
前記異常検出手段による異常検出により注意遊技者を特定する注意遊技者特定手段と、を備え、
前記遊技情報管理手段は、前記遊技者特定手段により同一遊技者が同一遊技機にて継続して特定されている期間により区分けして、当該期間に対応する前記期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は前記遊技期間において、前記表示切替特定手段により特定された前記遊技情報表示手段における前記表示の切替回数が前記基準切替回数に達しているか否かを特定可能な情報と、前記優良台情報とを遊技者別に管理し、
前記異常検出手段は、前記遊技情報管理手段により管理される情報によって特定される前記切替回数が前記基準切替回数に達しているかを特定することで、同一遊技者が同一遊技機にて継続して特定されている期間単位で異常を検出し、
前記注意遊技者特定手段は、前記優良台情報により優良台である旨が特定される遊技機に対応した期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は遊技期間の内、前記異常検出手段により異常が検出された期間の割合を示す異常率と、当該異常率に対して予め設定される基準値である基準異常率とを比較することにより前記注意遊技者を特定し、
前記出力手段は、前記注意遊技者として特定された遊技者を報知出力することで、前記異常検出結果を出力することを特徴とする請求項1記載の遊技場用管理システム。
【請求項3】
演算手段をさらに備え、
前記遊技機は遊技価値の付与率に対応した複数の遊技機設定値の中から選択的に任意の遊技機設定値を設定することにより遊技価値の付与率を調整可能であり、
前記優良台は、遊技機に設定された前記遊技機設定値が予め設定される基準設定値を超える遊技機であり、
前記遊技情報管理手段は、遊技機に設定された遊技機設定値を特定可能な情報を前記優良台情報として管理する一方、前記期間特定手段により特定された遊技期間を示す遊技情報である遊技期間情報を、当該遊技期間において遊技された遊技機に設定された前記遊技機設定値を特定可能な前記優良台情報に対応付け、遊技者別に前記継続して特定されている期間により区分けして管理し、
前記演算手段は、前記優良台情報により特定される前記遊技機設定値について、当該優良台情報に対応付けて管理される遊技期間情報により特定される遊技期間により重み付けした加重平均値を遊技者別に演算し、
前記出力手段は、前記演算手段により演算された前記遊技機設定値の加重平均値を特定可能に出力することを特徴とする請求項1または2記載の遊技場用管理システム。
【請求項4】
前記表示切替特定手段により表示が切替えられたことが特定されてから予め設定される設定期間が経過するまでの期間を切替操作期間として特定し、前記遊技期間に対する前記切替操作期間の割合を示す操作率を特定する操作率特定手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記操作率特定手段により特定される操作率を出力することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技場用管理システム。
【請求項1】
遊技価値の付与率を調整可能な遊技機に対応して設けられ、当該対応する遊技機から出力される当該遊技機における遊技情報を特定可能な遊技信号を入力することにより特定される遊技情報を表示可能とし、当該遊技情報の表示を遊技者の切替操作に応じて切替えて表示可能な遊技情報表示手段と、
前記遊技情報表示手段による表示が切替えられたことを特定する表示切替特定手段と、
遊技価値の付与率が他の遊技機よりも遊技者にとって有利に調整された遊技機である優良台であるか否かを特定可能な情報を入力することにより優良台であるか否かを特定可能な優良台情報を管理する遊技情報管理手段と、
遊技者の識別情報、又は遊技機側から出力される遊技信号を取り込むことにより、遊技者による遊技開始、及び遊技終了の少なくとも一方を特定すると共に、当該遊技開始から予め設定される遡り期間分遡った期間である遊技開始期間、及び遊技開始から遊技終了までの遊技者が遊技している期間である遊技期間の少なくとも一方を特定する期間特定手段と、
前記優良台情報により優良台である旨が特定される遊技機に対応した前記期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は遊技期間において、前記表示切替特定手段により特定される前記遊技情報表示手段における表示の切替回数が、当該切替回数に対して予め設定される基準値である基準切替回数に達していない場合に異常を検出する異常検知手段と、
前記異常検知手段による異常検出結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項2】
遊技機に対応して設けられ、当該遊技機における遊技者の識別情報を取得し、遊技者を特定する遊技者特定手段と、
前記異常検出手段による異常検出により注意遊技者を特定する注意遊技者特定手段と、を備え、
前記遊技情報管理手段は、前記遊技者特定手段により同一遊技者が同一遊技機にて継続して特定されている期間により区分けして、当該期間に対応する前記期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は前記遊技期間において、前記表示切替特定手段により特定された前記遊技情報表示手段における前記表示の切替回数が前記基準切替回数に達しているか否かを特定可能な情報と、前記優良台情報とを遊技者別に管理し、
前記異常検出手段は、前記遊技情報管理手段により管理される情報によって特定される前記切替回数が前記基準切替回数に達しているかを特定することで、同一遊技者が同一遊技機にて継続して特定されている期間単位で異常を検出し、
前記注意遊技者特定手段は、前記優良台情報により優良台である旨が特定される遊技機に対応した期間特定手段により特定される遊技開始期間、又は遊技期間の内、前記異常検出手段により異常が検出された期間の割合を示す異常率と、当該異常率に対して予め設定される基準値である基準異常率とを比較することにより前記注意遊技者を特定し、
前記出力手段は、前記注意遊技者として特定された遊技者を報知出力することで、前記異常検出結果を出力することを特徴とする請求項1記載の遊技場用管理システム。
【請求項3】
演算手段をさらに備え、
前記遊技機は遊技価値の付与率に対応した複数の遊技機設定値の中から選択的に任意の遊技機設定値を設定することにより遊技価値の付与率を調整可能であり、
前記優良台は、遊技機に設定された前記遊技機設定値が予め設定される基準設定値を超える遊技機であり、
前記遊技情報管理手段は、遊技機に設定された遊技機設定値を特定可能な情報を前記優良台情報として管理する一方、前記期間特定手段により特定された遊技期間を示す遊技情報である遊技期間情報を、当該遊技期間において遊技された遊技機に設定された前記遊技機設定値を特定可能な前記優良台情報に対応付け、遊技者別に前記継続して特定されている期間により区分けして管理し、
前記演算手段は、前記優良台情報により特定される前記遊技機設定値について、当該優良台情報に対応付けて管理される遊技期間情報により特定される遊技期間により重み付けした加重平均値を遊技者別に演算し、
前記出力手段は、前記演算手段により演算された前記遊技機設定値の加重平均値を特定可能に出力することを特徴とする請求項1または2記載の遊技場用管理システム。
【請求項4】
前記表示切替特定手段により表示が切替えられたことが特定されてから予め設定される設定期間が経過するまでの期間を切替操作期間として特定し、前記遊技期間に対する前記切替操作期間の割合を示す操作率を特定する操作率特定手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記操作率特定手段により特定される操作率を出力することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技場用管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−81653(P2013−81653A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223998(P2011−223998)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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