説明

遊技機用スイッチ装置及び遊技機

【課題】一連の操作で異なる操作信号を順次出力可能であり、かつ操作方向に応じて出力信号を選択可能な遊技機用スイッチ装置を提供する。
【解決手段】スタートレバーユニット1にスタートセンサ60とMAXベットセンサ70を設け、操作部12は、遮光板81の移動がMAXベットセンサ70及びスタートセンサ60によって順次検知される下方向、遮光板81の移動がMAXベットセンサ70のみによって検知される前方向、及び遮光板81の移動がスタートセンサ60のみによって検知される上方向に移動可能に形成されており、操作部12の操作方向によって、検知センサから出力される検知信号の種類を選択可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、操作レバーの先端に設けた操作部を所定の方向に操作することによってスイッチングを行う遊技機用スイッチ装置、およびこの遊技機用スイッチ装置を備える遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機、例えばスロットマシンにおいては、遊技を進行させるために、種々の操作が要求される。具体的には、メダル投入口に遊技メダルを投入し、スタートスイッチを操作して回転リールを開始させる。それから、複数の回転リールを1つずつ停止させるために、ストップスイッチを操作する。
このうち、メダルの投入動作に関しては、遊技メダルをまとめて投入してクレジットとし、ベットスイッチの操作によってメダル投入に代えることで、遊技毎にメダルを投入する手間を省くようにされている。それでも、上記したような手順は、スピーディーに遊技を行いたい遊技者にとっては煩雑であり、できるだけ簡略化したいところである。
【0003】
この点に関し、スタートスイッチとベットスイッチの機能を併せ持つレバースイッチが考案されている(特許文献1、2参照)。これらの発明は、レバーの奥に複数のセンサの検知部を設け、レバーの傾動角度によって、スタート信号、ベット信号がそれぞれ出力されるようにしたものである。
なお、複数の検知部を検知片が順次検知する技術としては、例えば引用文献3に示すようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−101925号公報
【特許文献2】特開2009−225891号公報
【特許文献3】特開2005−230166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、1つのスイッチに複数の機能を持たせる場合、センサの数が増える分、設置スペースをとられることになる。また、単独機能でのスイッチングをも可能とするためには、センサをある程度離して配置する必要があり、レバーの傾動角度も大きくしなければならない。一方、遊技機の内部スペースには限りがあるため、スイッチの外形を大型化するのは好ましくない。
そこで、本願発明は、上記した問題点を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは次の点にある。
すなわち、本願発明は、一連の操作で異なる操作信号を順次出力可能であり、かつ操作方向に応じて出力信号を選択可能な遊技機用スイッチ装置を提供することを第一の目的とする。また、第一の目的に加え、コンパクトに形成された遊技機用スイッチ装置を提供することを第二の目的とする。さらに、上記した遊技機用スイッチ装置を好適に機能させ得る遊技機を提供することを第三の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願発明は、以下のような特徴点を有している。なお、図面番号及び符号は発明の実施の形態で用いられている番号及び符号であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
まず、請求項1記載の発明は、レバー軸11と、レバー軸11の一方の端部に設けられ遊技機の正面から露出する操作部12と、前記操作部12よりも遊技機の奥側に設けられ前記レバー軸11を移動自在に支持する支持部(揺動軸部材23)と、前記支持部よりも遊技機の奥側に設けられる検知片(遮光板81)と、前記検知片の移動を検知して検知信号を出力する検知センサ(スタートセンサ60、MAXベットセンサ70)と、前記レバー軸11を原点位置に保持する原点復帰機構30と、を少なくとも有する遊技機用スイッチ装置(スタートレバーユニット1)に係る。
【0007】
ここで、前記「支持部」は、レバー軸11を揺動自在、又は軸方向にスライド自在、又は揺動及びスライド自在に支持することができるものである。すなわち、例えばレバー軸11が水平状態に設けられている場合、上下方向、左右方向に傾動可能であっても良いし、前後又は上下にスライド可能であっても良い。またここで、前記「検知片」とは、レバー軸11と一体的に移動して、又はレバー軸11と協働して、検知センサによりレバー軸11の移動を検知させるものである。検知片は、レバー軸11の、操作部12が設けられる一方の端部と対向する他方の端部に設けられており、板状、棒状などその形状は問わない。また、検知片は、レバー軸11の端部に一体的に形成されたものであっても良いし、レバー軸11の端部に別部材として取付けるものでも良い。
【0008】
前記検知センサ(60,70)は、好ましくは遮光センサであり、反射センサ、磁気センサ、接触センサ、近接センサであっても良い。
前記原点位置とは、操作部12にいずれの方向からも力が働いていない状態でレバー軸11が存在している位置のことである。
前記原点復帰機構30は、操作部の操作によって位置移動したレバー軸11を原点位置(初期状態)に戻すための機構であって、例えばコイルバネ31や板バネやゴム部材等の付勢力を利用したものとすることができる。あるいは、レバー軸11の自重により原点位置に戻す機構であっても良い。
【0009】
さらに、本発明に係る遊技機用スイッチ装置には、前記検知センサとして、第一の検知信号を出力する第一センサと、前記第一の検知信号とは異なる第二の検知信号を出力する第二センサとを設けてある。そして、前記操作部12は、前記検知片の移動が前記第一センサ及び前記第二センサによって順次検知され前記第一の検知信号及び第二の検知信号が順次出力される第一操作方向、前記検知片の移動が前記第二センサのみによって検知され前記第二の検知信号のみが出力される第二操作方向、及び前記検知片の移動が前記第一センサのみによって検知され前記第一の検知信号のみが出力される第三操作方向に移動可能に形成されており、前記操作部12の操作方向によって、前記検知センサから出力される検知信号の種類を選択可能としたことを特徴とする。すなわち、本発明における検知片は、操作部が第一操作方向又は第二操作方向又は第三操作方向に操作されることにより、上記したような検知信号の出力を可能とするような配置及び形状となっている。
【0010】
ここで、第一及び第二の検知信号は、遊技機の作動に関する信号であって、遊技機の制御装置(制御手段)に出力されることにより遊技進行や演出などの制御を行わせることができる信号である。また、前記操作部の操作に伴う前記検知片の移動方向は、少なくとも三方向であって、それ以上の方向に移動可能であっても良い。例えば操作部を四方向へ操作可能に構成しておき、そのうちの三方向を第一、第二及び第三操作方向とし、残る一方向に操作しても遊技処理が行われないようにすることも可能である。
また、本発明においては、第一操作方向による操作で、先に検知信号が出力される検知センサは、第一センサであっても第二センサであっても良い。
【0011】
本発明によれば、例えば第一操作方向へ操作部10を操作した場合と第三操作方向へ操作部10を操作した場合には、第一の検知信号が出力されるように、同じ検知信号(第一の検知信号又は第二の検知信号)を、異なる二つの操作態様(異なる操作方向への操作部の移動)により出力させることとなる。すなわち、遊技者が操作部を操作する際には、第一及び第二の検知信号が順次出力される操作態様と、第一の検知信号が単独で出力される操作態様と、第二の検知信号が単独で出力される操作態様と、の三つの操作態様の中から選択可能となる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の特徴点に加え、以下のような特徴点を有する。すなわち、前記操作部12は、前記レバー軸11が前記支持部を支点としていずれかの複数方向に傾動する操作方向、及び、前記レバー軸11が前記支持部に支持された状態で前記レバー軸11の軸方向に移動する操作方向のうち、異なる三つの方向に操作可能に形成されていることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記異なる三つの方向とは、第一操作方向、第二操作方向、第三操作方向に対応するものである。
本発明には、操作部12が異なる三方向に傾動する場合と、操作部12が異なる二方向に傾動しかつ前後方向のいずれかに移動する場合と、操作部12がいずれかの方向に傾動しかつ前後方向に移動する場合が含まれる。具体的には、第一操作方向を「(例えば上方又は下方に)傾動する操作方向」、第二操作方向を「(例えば下方又は上方に)傾動する操作方向」、第三操作方向を「(例えば右方又は左方に)傾動する操作方向」と設定しても良い。または、第一操作方向を「(例えば下方又は上方に)傾動する操作方向」、第二操作方向を「(例えば上方又は下方に)傾動する操作方向」、第三操作方向を「軸方向(例えば前方又は後方)に移動する操作方向」と設定しても良い。あるいは、第一操作方向を「(例えば下方又は上方に)傾動する操作方向」、第二操作方向を「軸方向(例えば前方又は後方)に移動する操作方向」、第三操作方向を「軸方向(例えば後方又は前方)に移動する操作方向」と設定しても良い。
【0013】
換言すると、本発明においては、前記レバー軸11が前記支持部に支持された状態で軸方向に移動不能である場合には、前記操作部10は、前記レバー軸11が前記支持部を支点としていずれかの方向に傾動する複数の操作方向のうち、異なる三つの方向に操作可能に形成されるものであり、前記レバー軸11が前記支持部に支持された状態で軸方向にも移動可能に形成されている場合には、前記操作部10は、前記レバー軸11が前記支持部を支点としていずれかの方向に傾動する操作方向及び前記レバー軸11が前記支持部に支持された状態で前記レバー軸11の軸方向に移動する操作方向のうち、異なる三つの方向に操作可能に形成されるものである。
【0014】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。すなわち、前記第一センサ及び第二センサの各検知部は、レバー軸11の軸中心線の延長線上又はその近傍に互いに近接して配置されており、前記検知片は、前記第一センサの検知部により検知される第一被検知部(MAXベット被検知部85)と、前記第二センサの検知部により検知される第二被検知部(スタート被検知部84)とを備え、前記第一被検知部及び第二被検知部は、前記レバー軸11が原点位置にある状態で、前記第一センサ及び第二センサの各検知部の近傍に位置していることを特徴とする。
【0015】
ここで、検知部とは、検知センサの構成のうち前記検知片を検出する機能を備えた部分であって、光学センサの受発光部、磁気センサの磁気抵抗素子、接触センサ(リミットスイッチ)の接点などが含まれる。検知部が「レバー軸11の軸中心線の延長線上又はその近傍に互いに近接して配置」されているとは、例えば、図21(A)に示すように、レバー軸11の軸中心線の延長線上に前後方向に配置されていることや、図11(A)又は図20(A)に示すようにレバー軸11の軸中心線を挟んで上下に配置されていることである。
またここで、第一被検知部及び第二被検知部が、「各検知部の近傍に位置している」とは、各被検知部が各検知部の検知領域内に位置していることを含み、検知領域内に位置していないが検知領域から僅か外側に位置していることも含む。
【0016】
また、第一被検知部及び第二被検知部が「レバー軸11が原点位置にある状態で、第一センサ及び第二センサの各検知部の近傍に位置」しているとは、各被検知部が小さくまとまって配置されていること、ひいては検知片そのものが小型であることを意味するものである。
また、本発明における「第一被検知部」及び「第二被検知部」は、検知部により検知される所定領域を有する検知片の一部分であり、初期状態(レバー軸11が原点位置にある状態)において、検知部の検知範囲内に位置していても良いし、検知範囲外に位置していても良い。本発明には、図20(B)に示すような、初期状態において一方の被検知部は検知部の検知範囲内に位置しているとともに、他方の被検知部は検知部の検知範囲外に位置しているようなものも含む。
【0017】
本発明によれば、二つの検知センサの検知部の配置(密集)と検知片の形状(小型)により、検知部の設置スペース、特に径方向の寸法を極力小さくでき、レバー軸11が揺動したときにも、周囲の各部に干渉し難くなり、操作スイッチ全体の形状をコンパクトにすることができる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、前記第一センサ及び第二センサは、前記第一操作方向に対応する検知片の移動方向とは異なる方向に所定の間隔をあけて、各検知部が位置するように配置されていることを特徴とする。
【0018】
ここで、本発明においては、レバー軸11を第一操作方向へ移動させる場合、検知片の移動が第一センサ及び第二センサによって順次検知されるものである。このような検知を可能とするためには、必然的に、検知片11の移動軌跡上に、第一センサの検知部及び第二センサの検知部が位置することになる。よって、レバー軸11を第一操作方向へ移動させる場合には、検知片の第一被検知部が第一センサの検知部を通過すると共に、検知片の第二被検知部が第二センサの検知部を通過することになる。
一方、請求項3に係る発明のように、第一センサ及び第二センサの各検知部が、レバー軸11の軸中心線の延長線上又はその近傍に互いに近接して配置されている場合には、第一センサの検知部と第二センサの検知部との距離(検知片の移動軌跡に対する互いの距離)があまりに近い場合、例えば第一検知部が第二センサの検知部を通過し易くなったり、例えば第一被検知部だけでなく第二被検知部も第一センサの検知部を通過し易くなるなど、第一被検知部と第二被検知部の形状を工夫しないと、正常に順次検知させることが困難になる。
【0019】
そこで、第一センサの検知部と第二センサの検知部とを、検知片の移動方向(例えばレバー軸11の揺動方向)とは異なる方向(例えばレバー軸11の軸中心線方向)に所定の間隔だけおいて配置し、近傍とは言っても互いにある程度距離をおくことで、第一被検知部の移動軌跡と第二被検知部の移動軌跡とが離間することになるため、一方の被検知部が他方の検知部で検知され難くなり、第一被検知部と第二被検知部の形状、すなわち検知片の設計が容易になる。
すなわち、本発明によれば、第一センサの検知部と第二センサの検知部とを、検知片の移動方向とは異なる方向に所定の間隔だけおいて配置することで、検知の確実性を期すことができ、請求項3に係る発明のようにコンパクトな構成とした場合であっても、検知の確実性を確保することができる。
【0020】
本発明には、第一操作方向に対応する検知片の移動方向がレバー軸11の傾動に伴う上下方向である場合に、第一センサ及び第二センサが前後方向に所定距離だけ離れて配置されているもの(図11参照)や、第一操作方向に対応する検知片の移動方向がレバー軸11の軸方向への移動に伴う前後方向である場合に、第一センサ及び第二センサが上下方向に所定距離だけ離れて配置されているものが含まれる。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、上記した請求項3又は4記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。すなわち、前記検知片は、前記第一センサの検知部により検知される第一被検知部と、前記第二センサの検知部により検知される第二被検知部とを備え、前記第一被検知部及び第二被検知部は、前記レバー軸11が原点位置にある状態で、前記第一センサ及び第二センサの各検知部の検知範囲外に位置し、前記操作部12が前記各操作方向に操作された場合には、各操作方向に応じて、前記各センサの検知部の検知範囲内に移動するように形成され、前記検知片は、前記操作部12が第一操作方向に操作された場合には、第一センサの検知部、第二センサの検知部、の順で前記各被検知部が検知され、第二操作方向に操作された場合には第二センサの検知部のみが前記第二被検知部を検知し、第三操作方向に操作された場合には第一センサの検知部のみが前記第一被検知部を検知することを可能とする形状に形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明及び次項の発明は、請求項3記載の発明における検知片の形状を限定したものである。本発明及び次項の発明における検知センサは、遮光センサや反射センサを含む。
本発明には、例えば、図20(A)に示すような、各被検知部(84,85)が、レバー軸11の軸中心線を挟んで上下に位置している二つの検知部(61,71)の検知範囲外にあるものが含まれる。
(請求項6)
請求項6記載の発明は、上記した請求項3又は4記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。すなわち、前記検知片は、前記第一センサの検知部により検知される第一被検知部と、前記第二センサの検知部により検知される第二被検知部とを備え、前記第一被検知部及び第二被検知部は、前記レバー軸11が原点位置にある状態で、前記第一センサ及び第二センサの各検知部の検知範囲内に位置し、前記操作部が前記各操作方向に操作された場合には、各操作方向に応じて、前記各センサの検知部の検知範囲外の位置に移動するように形成されている。そして、前記検知片は、前記操作部が第一操作方向に操作された場合には、第一センサの検知部、第二センサの検知部、の順で前記各被検知部が検知され、第二操作方向に操作された場合には第二センサの検知部のみが前記第二被検知部を検知し、第三操作方向に操作された場合には第一センサの検知部のみが前記第一被検知部を検知することを可能とする形状に形成されていることを特徴とする。
【0022】
ここで、検知片の被検知部が「第一センサ及び第二センサの各検知部の検知範囲内に位置」するとは、例えば、図11(A)に示すような、各被検知部(84,85)が、レバー軸11の軸中心線を挟んで上下に位置しかつ前後方向にずれて配置されている二つの検知部(61,71)の検知範囲内にあるもののほか、図21(A)に示すような、各被検知部(84,85)が、レバー軸11の軸中心線の延長線上に前後方向に配置されている二つの検知部(61,71)の検知範囲内にあるものが含まれる。
また、第一被検知部及び第二被検知部が、「各操作方向に応じて、前記各センサの検知部の検知範囲外の位置に移動する」とは、具体的には、操作部10を第一操作方向に操作(例えば下方向に傾動操作)した場合には、各被検知部は第一操作方向に対応する移動方向(上記例の場合は上方向)へ移動し、操作部10を第二操作方向に操作(例えば上方向に傾動操作)した場合には、各被検知部は第二操作方向に対応する移動方向(上記例の場合は下方向)へ移動し、操作部10を第三操作方向へ操作(例えば前方向へ引出し操作)した場合には、各被検知部は第三操作方向に対応する移動方向(上記例の場合は前方向)へ移動する、ということが含まれる。つまり、各被検知部が第一、第二、第三の各操作方向に応じた移動方向へ移動した場合でも、操作方向によって検知範囲外へ移動する被検知部は異なるものである。すなわち、操作方向によっては、検知範囲内に留まる被検知部があるということである。
【0023】
(請求項7)
請求項7記載の発明は、上記した請求項6記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。すなわち、前記レバー軸11は軸方向が水平となるよう配置されるものであり、前記操作部12は、前記第一操作方向として上方向又は下方向、前記第二操作方向として下方向又は上方向、前記第三操作方向として軸方向前方に移動可能に形成されている。なお、「軸方向が水平」は、レバー軸11の中心軸が厳密に水平状態となっていなくても良い。例えば、遊技機の筐体(前扉)の前面に対して直交する方向にレバー軸11を設置する場合、筐体の前面が上向きに傾斜している場合には、レバー軸11は操作部10側がやや上側に傾斜した略水平状態で配置されることとなる。
【0024】
さらに、本発明では、前記第一センサと前記第二センサの検知部は、対向配置される受光部及び発光部から構成されているとともに、前記レバー軸の軸中心線の延長線の上下にそれぞれ位置し、かつ第一センサの検知部は前記第二センサの検知部より後方にずれて配置されている。第一センサと第二センサの検知部は、いずれが上側に位置していても良い。
また、前記検知片は、前記レバー軸が原点位置にある状態で、前記各センサの受光部及び発光部の間に位置しているとともに、前記第二センサの検知部から前記検知片の第二被検知部の下端までの距離よりも前記第一センサの検知部から前記検知片の第一被検知部の下端までの距離が短く、前記第二センサの検知部から前記第二被検知部の上端までの距離よりも前記第一センサの検知部から前記第一被検知部の上端までの距離が長く、前記第二センサの検知部から前記第二被検知部の後端までの距離よりも前記第一センサの検知部から前記第一被検知部の後端部までの距離が短くなるような形状に形成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明においては、前記レバー軸11が原点位置にある状態で、前記各センサの各検知部は、前記各被検知部を検出しており、前記第一センサは検知部が第一被検知部を検出しなくなったとき第一の検知信号を出力し、前記第二センサは検知部が第二被検知部を検出しなくなったとき第二の検知信号を出力するように形成されている。ここでいう検出とは、受光部に発光部の光線が届かないことである。すなわち、「各被検知部を検出している」とは受光部に発光部の光線が届かないことであり、逆に、「各検知部を検出しなくなる」とは受光部に発光部の光線が届くようになることである。また、「検知信号を出力」には、これまで出力されていなかった検知信号が所定のレベルで出力されることだけではなく、これまで一定のレベルで出力されていた検知信号が異なる出力レベルへ変化することも含まれる。
【0026】
ここで、上記した「距離」とは、詳しくは、操作部12を各操作方向へ操作したときに、被検知部が移動する軌跡に沿った「距離」を意味する。つまり、第一センサの検知部から第一被検知部の下端までの「距離」と、第二センサの検知部から第二被検知部の下端までの「距離」とは、操作部12を第一操作方向へ操作したときに検知片が移動する円弧形状の軌跡に沿った「距離」である。同様に、第一センサの検知部から第一被検知部の後端までの「距離」と、第二センサの検知部から第二被検知部の後端までの「距離」とは、操作部12を第二操作方向へ操作したときに検知片が移動する直線形状の軌跡に沿った「距離」である。
【0027】
本発明では、第一操作方向へ操作した場合、各センサの検知部と検知片の各被検知部との距離が、「長いか」「短いか」、によって、各センサで検知されるタイミングが異なり、検知される順序が生まれるものである。
本発明の検知部及び検知片の具体例としては、図11に示すような、レバー軸11の軸中心線を挟んで上下に位置しかつ前後方向にずれて配置された二つの検知部(61,71)、及び初期状態において各被検知部(84,85)が各検知部の検知範囲内にある略鉤型の検知片や、図18に示すような、前後の位置を図11に示すものと逆にした二つの検知部(61,71)、及び図11の検知片を上下反転させた形状の検知片が含まれる。
【0028】
(請求項8)
請求項8記載の発明は、上記した請求項7記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。すなわち、前記レバー軸11の少なくとも支持部より後方を収納する後方ケース(レバー軸ケース40)と、前記レバー軸11の少なくとも支持部より前方を収納しその前面が遊技機の正面に露出する前方ケース(レバー軸ホルダ20)とを備え、前記後方ケースの後方には、発光源が設けられるとともに、前記各センサの検知部と前記検知片が配置され、前記後方ケースの上部には、前記発光源の照射光を遊技機表面に配置された発光部(発光表示部91)に誘導する導光部材90が収納されている。そして、前記発光源として、二個のLED57,58を備え、前記発光部は、前記前方ケースの前面に単一の部材として設けられ、前記導光部材90は、前記二個のLED57,58と前記単一の発光部との間に配置されるとともに、背面側から前記二個のLED57,58の照射光を受入可能であり正面側から前記発光部に照射光を射出可能な構造を有していることを特徴とする。
【0029】
本発明における導光部材90の形状としては、光を受ける後方が二又に分かれたY字型や、前方よりも後方が幅広に形成された羽子板型とすることができる。
本発明によれば、発光源及び導光部材及び発光部によって、操作部がどの方向に操作されたかの操作情報や、各センサの検知が有効となっているか否かの情報(換言すれば各センサの検知情報)を遊技者に報知することができる。また、発光部を単一にしたため操作情報を確認するのに遊技者が視線を逸らさずにすむ。特に、発光部を前方ケースの前面に配置してあるので、遊技者は操作をしながらでもセンサの検知情報や操作情報を見やすい。
【0030】
なお、前記後方ケースの上下面及び前記導光部材に、前記操作部が第一又は第二操作方向に操作された場合に前記検知片が通過可能な開口部を形成しても良い。このように形成することにより、後方ケースをさらに小型化できるとともに、検知片の設置の自由度や可動範囲を広げることができる。
(請求項9)
請求項9記載の発明は、レバー軸11と、レバー軸11の一方の端部に設けられ遊技機の表面から露出する操作部12と、前記レバー軸11の操作部12と対向側の端部に設けられる検知片と、前記操作部12と前記検知片の間に位置し前記レバー軸11を移動自在に支持する支持部と、前記操作部12の操作に基づく前記検知片の移動を検知して検知信号を出力する検知センサと、前記レバー軸11を原点位置に保持する原点復帰機構30と、を少なくとも有する遊技機用スイッチ装置を備え、遊技機用スイッチ装置の検知センサからの検知信号に基づいて所定の遊技処理を実行可能な制御手段(メイン制御基板7A)を備える遊技機に係る。そして、前記検知センサとして、第一の検知信号を出力する第一センサと、前記第一の検知信号とは異なる第二の検知信号を出力する第二センサとを備え、前記操作部は、前記検知片の移動が前記第一センサ、前記第二センサの順に検知され前記第一の検知信号の次に前記第二の検知信号が出力される第一操作方向、前記検知片の移動が前記第二センサのみによって検知され前記第二の検知信号のみが出力される第二操作方向、及び前記検知片の移動が前記第一センサのみによって検知され前記第一の検知信号のみが出力される第三操作方向に移動可能に形成されており、前記操作部12の操作方向によって、前記検知センサから出力される検知信号の種類を選択可能に形成され、前記制御手段は、前記第一センサからの検知信号に基づいて第一の遊技処理を開始し、前記第二センサからの検知信号に基づいて第二の遊技処理を開始するように形成されていることを特徴とする。
【0031】
本発明は、請求項1記載の遊技機用スイッチ装置を備えた遊技機である。ただし、本発明においては、操作部12が第一操作方向に操作された場合には、第一センサが先に検知され、第二センサが後に検知されるようになっている。本発明の遊技機に用いられる遊技機用スイッチ装置は、上記した請求項2乃至8のいずれかに記載した遊技機用スイッチ装置の構成を備えていても良い。
ここで「遊技処理」とは、遊技の実行に関する制御的処理であって、遊技機に設けられた所定の装置を作動させて遊技を開始又は終了させることの他に、所定の装置の作動を可能とするための処理も含まれる。
【0032】
また、「検知信号に基づいて」遊技処理を行うことには、各センサから直接検知信号を入力する場合と、各センサから出力された検知信号を所定の制御回路(中継基板など)を介して間接的に入力する場合の双方が含まれる。
なお、前記制御手段には、主として遊技制御を司るメイン制御基板(7A)の他に、主として演出制御を司るサブ制御基板(7B)が含まれる。あるいは、メイン制御基板(7A)とサブ制御基板(7B)の両制御基板をあわせて制御手段としてもよい。
本発明における遊技機用スイッチ装置は、例えば、遊技開始時に操作される「スタートレバー装置」とすることができ、遊技情報や演出情報を表示させるための「メニュー選択用レバー装置」とすることもできる。
【0033】
(請求項10)
請求項10記載の発明は、前記した請求項9記載の発明の特徴点に加え、前記制御手段は、前記第一の遊技処理及び第二の遊技処理を、各遊技処理に対応する前記検知センサからの検知信号のみに基づいて開始するものであり、一の検知センサからの検知信号を入力した場合には、他の検知センサからの検知信号の如何にかかわらず、前記遊技処理を開始することを特徴とする。
本発明は、操作スイッチの操作態様に関わらず、検知センサの検知信号と遊技処理とが一対一で対応していることを明確にしたものである。
【0034】
なお、「検知信号を入力」には、各センサから直接検知信号を入力する場合の他、各センサから出力された検知信号を所定の制御回路を介して入力する場合も含まれる。
(請求項11)
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、請求項11記載の発明は、遊技媒体投入口から所定の規定数の遊技媒体を投入することにより遊技が開始可能となり、前記規定数を超えて投入した遊技媒体をクレジットとして遊技機内部に貯留可能な遊技機に係る。遊技媒体には、メダル、遊技球などが含まれる。規定数とは、1回の遊技を行うために必要とされる投入遊技媒体数のことである。
【0035】
本発明においては、前記制御手段は、前記第一の検知信号を入力したときには、前記第一の遊技処理として、前記クレジットを規定数以内の投入遊技媒体に代えるベット処理を開始し、前記第二の検知信号を入力したときには、前記第二の遊技処理として、遊技を開始させるためのスタート処理を開始する。そして、前記操作部が前記第一操作方向に操作された場合には、前記ベット処理の次に前記スタート処理が開始され、前記操作部が前記第二操作方向に操作された場合には、前記スタート処理が開始され、前記操作部が第三操作方向に操作された場合には、前記ベット処理が開始されることを特徴とする。
本発明に係る遊技機は、スロットマシンやそれに類する遊技機とすることができる。ベット処理とは、クレジットから遊技に必要な遊技媒体が投入された扱いをするための処理である。スタート処理とは、例えば回転リール5Aを回転開始させるための処理である。なお、本発明におけるベット処理には、規定数の最大数の遊技媒体(例えば3)をベットするMAXベット処理と、規定数の範囲内の所定の数の遊技媒体(例えば2や1)をベットするベット処理の双方が含まれる。
【0036】
本発明によれば、今までは別の操作部に対して行っていたベット操作とスタート操作を単一の操作部に対する一連の動作によって完了させることができ、遊技者の遊技操作の負担が軽減されると共に、遊技操作時間が短縮され、効率よく遊技を行うことができる。
また、本発明においては、第一操作方向へ操作した場合に最初に検知する検知部と、第二方向へ操作した場合に検知する検知部とが共通しており、第一操作方向へ操作した場合に次に検知する検知部と、第三方向へ操作した場合に検知する検知部とが共通している。つまり、単独操作も連続操作も共通のセンサで検知を行っているので、新たなセンサを追加する必要が無く、製造コストを抑えつつ新たな操作方法を実現することができる。さらに、単独操作でも連続操作でも同じセンサの検知に基づきその後の処理(ベット処理、スタート処理)が行われるので、第一乃至第三の操作方向がいずれの方向であっても、各センサからの信号に基づいて同じ処理を実現することができる。
【0037】
(請求項12)
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明の特徴点に加え、前記制御手段は、前記第一の検知信号を入力したときには、前記第一の遊技処理として、前記クレジットを最大規定数の投入遊技媒体に代えるためのMAXベット処理を開始することを特徴とする。
本発明は、ベット数を、最大ベット(例えば3)とするか最大ベット未満(例えば1、2)とするか選択可能な遊技機において意義がある。この場合には、他の操作手段(例えばシングルベットボタン4B)を操作するように形成するのが好ましい。
ここで、「クレジットを最大規定数の投入遊技媒体に代える」とは、最大規定枚数が「3枚」の場合に、常に「3枚」だけベットするという意味だけではなく、正確には、最大規定枚数を上限としてクレジットからベットするという意味である。従って、クレジットが「2」や「1」であれば、MAXベット処理では、「2枚」や「1枚」をベットすることになる。
【0038】
本発明によれば、第一操作方向への操作によって最大ベットでの遊技をスピーディーに行うことができる。また、最大ベット未満で遊技を開始させる場合には、ベット数に応じた所定のベット操作を行った後に、第二操作方向への操作によって、スタート信号のみを出力させるようにすることもできる。
なお、本発明のMAXベット処理は、遊技機用スイッチ装置の操作部12の操作に基づいてのみ行われるものに限られない。例えば、遊技機用スイッチ装置とは別に、所定のセンサ検知機構を備えたMAXベットボタンを設け、このMAXベットボタンが操作された場合にはそのセンサ検知機構からの出力信号(検知信号)によっても、MAXベット処理が行われるようにしても良い。
【0039】
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。すなわち、前記第一及び第二センサの各検知信号を入力して、遊技機の制御手段に前記各検知信号に基づく信号(スタート信号、ベット信号)を個別に出力するセンサ回路基板56を備え、前記センサ回路基板56は、前記各センサの検知信号に基づく信号が同時に出力されないための信号変換回路を備えていることを特徴とする。
ここで、「信号変換回路」とは、検知信号をワンショット化したり、検知信号に基づく信号の出力を遅延させるための回路とすることができる。また、入力された第一の検知信号をワンショット化して出力する回路と、入力された第二の検知信号を所定時間だけ遅延させて出力させる回路とを組合わせた構成とすることもできる。
【0040】
またここで、「同時に出力されない」とは、第一の検知信号に基づくセンサ回路基板56からの出力信号と、第二の検知信号に基づくセンサ回路基板56からの出力信号の双方の出力信号が、全く同時出力されないこと(出力タイミングが全く異なること)に限定されるものではない。例えば、信号変換回路から出力される第一の検知信号に基づく検知信号が、前記制御手段にて「第一センサがON」と判断される状態になっている期間を第一の期間とし、前記信号変換回路から出力される前記第二の検知信号に基づく出力信号が、前記制御手段にて「第二センサがON」と判断される状態になっている期間を第二の期間とした場合に、第一の期間と第二の期間が重ならないようにすることも含まれる。また、第一の検知信号と第二の検知信号とが近い間隔で発生する状況の場合だけでなく、第一の検知信号又は第二の検知信号の一方しか発生しない場合に、いずれか一方の検知信号のみに基づいて信号を出力する場合も、「同時に出力されない」に含まれるものである。
【0041】
「検知信号に基づく信号」とは、操作に基づきスイッチがON状態になったことを制御手段に知らせる信号のことである。具体的には、第一の検知信号が信号変換回路へ入力されたときに、第一の検知信号に対応して信号変換回路から出力される信号であり、第二の検知信号が信号変換回路へ入力されたときに、第二の検知信号に対応して信号変換回路から出力される信号である。換言すると、操作部12に対する操作に基づいて、第一センサ又は第二センサがON状態になったか否かを制御手段が判断するために出力される信号である。
本発明は、特に、センサとして光学センサを用いる場合、第一操作方向への操作時に二つのセンサの検知部による被検知部の検出が、第一、第二センサの順で行われたことを、遊技機の制御手段に明確に伝達するためのものである。すなわち、検知信号として、各センサの検知部における受光、遮光の検知状態の変化(ON→OFF又はその逆)を遊技機の制御手段に直接出力するのではなく、第二センサの検知状態の変化が制御装置に出力される前に、第一センサの検知状態を元に戻しておくものである。
【0042】
具体的には、第一センサの検知部が被検知部を検知した場合には検知信号をワンショット化して制御手段に出力し、第二センサの検知部が被検知部を検知した場合にはワンショット信号の幅を超える所定時間だけ遅延させて制御手段に出力するように形成することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明は、以上のように構成されているので、一連の操作で異なる操作信号を順次出力可能であり、かつ操作方向を変えることにより出力信号の種類を選択可能な遊技機用操作スイッチを提供することができる。また、コンパクトに形成された遊技機用スイッチ装置を提供することができる。そして、上記した遊技機用スイッチ装置を好適に機能させ得る遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第一の実施の形態であって、スロットマシンを示す外観正面図である。
【図2】スタートレバーユニットの断面図である。
【図3】スタートレバーユニットの分解斜視図である。
【図4】操作レバーとレバー軸ホルダの分解斜視図である。
【図5】スタートレバーユニットの操作パネルへの取付状態を示す断面図である。
【図6】原点復帰機構及び遮光部材の拡大断面図である。
【図7】遮光部材の斜視図である。
【図8】遮光部材とセンサの位置関係を示す図である。
【図9】センサユニットの斜視図である。
【図10】センサユニットの分解斜視図である。
【図11】操作部を下方向に操作した場合の操作レバーの作動図である。
【図12】操作部を上方向に操作した場合の操作レバーの作動図である。
【図13】操作部を前方向に操作した場合の操作レバーの作動図である。
【図14】センサの信号出力パターンを示すタイムチャートである。
【図15】センサの信号出力パターンを示すタイムチャートである。
【図16】センサの信号出力パターンを示すタイムチャートである。
【図17】遮光部材とセンサの位置関係に関する変形例を示す図である。
【図18】遮光部材とセンサの位置関係に関する変形例を示す図である。
【図19】遮光部材の形状とセンサの位置関係に関する変形例を示す図である。
【図20】遮光部材の形状とセンサの位置関係に関する変形例を示す図である。
【図21】遮光部材の形状とセンサの位置関係に関する変形例を示す図である。
【図22】スロットマシンの制御装置の入力及び出力の概略を示すブロック図である。
【図23】本発明の第二の実施の形態であって、スロットマシンの制御装置の入力及び出力の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、第一の実施の形態及び第二の実施の形態に分けて説明する。
(第一の実施の形態)
第一の実施の形態は、本発明に係る遊技機用スイッチ装置をスロットマシンSに設けられるスタートレバーユニット1に適用したものであって、特に、操作レバーを下方向(第一操作方向)へ移動させた場合、MAXベットスイッチとスタートスイッチが順次ONになることにより、単に回転リールを回転開始させるスタート操作となる(スタート機能を有する)だけでなく、回転リールが回転開始される前に最大賭け枚数でベットされた状態となるMAXベット操作をも含むことになる(MAXベット機能をも有する)ように構成したものである。
【0046】
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図1に示すように、箱形の筐体2の正面側に板状の前扉3を開閉自在に取り付け、筐体2の内部には、3個の回転リール5Aを有するリールユニット5、メダルを貯留するとともに払い出すためのホッパーユニット6、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置7を収納固定した構成となっている。
前記前扉3は、図1に示すように、回転リール5Aを正面側から視認可能な図柄表示窓8を有する正面パネル3Aと、スロットマシンSの機種に応じたキャラクター等を表示した下パネル3Cと、正面パネル3A及び下パネル3Cの間に位置する操作パネル3Bがそれぞれ設けられている。下パネル3Cの下方であって前扉3の下部には、ホッパーユニット6から払い出されたメダルを貯留可能な下皿3Dが形成されている。
【0047】
ここで、前記操作パネル3Bには、スロットマシンSの操作に関わる操作スイッチ等から構成される操作スイッチ部4が設けられている。前記操作スイッチ部4としては、メダルを投入するためのメダル投入口4A、クレジットとして貯留されているメダルを投入メダルに代えるためのベットボタン4B、回転リール5Aの回転を開始させるためのレバー状のスタートスイッチ4C、回転リール5Aの回転を個々に停止させるための3個のボタンスイッチからなるストップスイッチ4D、クレジットされているメダルを払い戻すためのキャンセルスイッチ4Eが設けられている。なお、本実施の形態においては、ベットボタン4Bは、クレジットとして貯留されているメダルを1枚分投入メダルに代えるためのシングルベットスイッチ4BSとして機能するようになっている。そして、クレジットとして貯留されているメダルを3枚分投入メダルに代えるためのMAXベットスイッチ4BMとスタートスイッチ4Cが単一のスタートレバーユニット1に配置されている。すなわち、スタートレバーユニット1には、スタートセンサ60とMAXベットセンサ70(図2参照)が設けられており、スタートレバーがスタートスイッチ4CとしてもMAXベットスイッチ4BMとしても機能するように形成されているが、この詳細については後述する。
【0048】
さらに、前扉3には、遊技に伴う種々の演出を行わせるための演出装置9が設けられている。演出装置9としては、正面パネル3Aの上方に配置されたランプ9A及び画像表示部9B、下皿3Dの奥壁に設けられたスピーカ9Cを有している。画像表示部9Bは、液晶表示装置などを用いて文字図形動画等を表示するものである。
また、前扉3の裏側には、特に図示しないが、前記メダル投入口4Aから投入されたメダルを検出するためのメダルセレクターが内蔵されている。メダルセレクターは、メダル投入口4Aから投入されたメダルを検知するメダルセンサ(図22参照)と、このメダルセンサを通過するメダルをホッパーユニット6へ向けて案内するメダル案内通路と、このメダル案内通路を流下するメダルを下皿3Dへ向けて排出するメダル排出機構とを備え、メダル投入口4Aの下方であって操作スイッチ部4の背面側に固定されている。
【0049】
前記制御装置7は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板と、この制御基板を収納するための基板ケースとから構成されている。前記制御基板としては、図22に示すように、メイン制御基板7Aと、サブ制御基板7Bとが設けられている。
前記メイン制御基板7Aには、CPU、ROM、RAM等、種々の電子部品が備えられており、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御手段として機能する。メイン制御基板7Aは、役抽選を行うとともに、リールユニット5及びホッパーユニット6の作動を制御する。
メイン制御基板7Aの入力側には、図22に示すように、メダルセンサ、シングルベットスイッチ4BS、ストップスイッチ4D、キャンセルスイッチ4Eの各パーツが接続されているとともに、センサ回路基板56を介してスタートスイッチ4C、MAXベットスイッチ4BMが接続されている。メイン制御基板7Aの出力側には、リールユニット5、ホッパーユニット6、スタート用LED57、シングルベット用LED、MAXベット用LED58、の各パーツが接続されている。ここで、スタート用LED57、シングルベット用LED、MAXベット用LED58は、それぞれ、スタートスイッチ4C、シングルベットスイッチ4BS、MAXベットスイッチ4BMの各スイッチによる検知が有効になったこと、すなわち各スイッチの操作が可能であることを報知するためのものである。シングルベット用LEDは、図示しないが、例えば赤色LEDであって、ベットボタン4B(図1参照)の内部に設けられ、LEDの発光によりボタンが点灯するようになっている。センサ回路基板56、スタート用LED57及びMAXベット用LED58については後述する
前記サブ制御基板7Bにも、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM等の電子部品が搭載されており、メイン制御基板7Aと同様に、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御手段として機能する。サブ制御基板7Bは、メイン制御基板7Aから信号を入力し、演出装置9の作動を制御する。サブ制御基板7Bの出力側には、図1に示すランプ9A、画像表示部9B、スピーカ9Cの各パーツが接続されている。
【0050】
(スタートレバーユニット1)
次に、スタートレバーユニット1の構成を詳述する。
本実施の形態のスタートレバーユニット1は、操作レバー10を原点位置から1方向へ傾ける一連の傾動操作によって、スロット遊技の開始に関連する2つの処理(MAXベット処理・スタート処理)を所定の順序で実行可能に構成したものであって、これにより、遊技者の遊技操作の負担を軽減すると共に、遊技操作がスムーズに行えるようにしたものである。
スタートレバーユニット1は、大別すると、遊技者からの操作によって上下方向に傾動可能であるとともに軸方向前後にスライド可能な操作レバー10と、操作レバー10を傾動又はスライド可能に保持するレバー軸ホルダ20と、操作レバー10を原点位置に保持するための原点復帰機構30と、操作レバー10の操作を検知するためのセンサユニット50及び遮光部材80と、センサユニット50を内部に収納するとともに操作レバー10の後部をカバーするレバー軸ケース40と、より構成される。
【0051】
(操作レバー10)
操作レバー10は、図2及び図3に示すように、金属製のレバー軸11と、レバー軸11の端部に固定される操作部12と、レバー軸11に装着されるスリーブ13とを備えている。
前記レバー軸11は、図4に示すように、前方(スタートレバーユニット1をスロットマシンSに取り付けたときに手前側となる方向。以下同じ)の端部に形成されたネジ部11Aと、後方(スタートレバーユニット1をスロットマシンSに取り付けたときに奥側となる方向。以下同じ)の端部に設けられた円柱形状の挿入軸11Eと、挿入軸11Eより前方にあって後述する揺動軸部材23のレバー軸孔23Bに挿通可能な小径軸部11Dと、小径軸部11Dより前方にあってレバー軸孔23Bより直径が大きな大径軸部11Cと、大径軸部11Cとネジ部11Aとの間にあってバネ座金14(図3参照)を受けるための鍔部11Bと、を有している。また、前記挿入軸11Eの前方側(根元側)には、遮光部材80を取り付けるための回周溝11G(図6参照)が形成されているとともに、前記小径軸部11Dの後端部には、後述する原点復帰機構30の抜止リング34(図3参照)が装着されるリング溝11Fが形成されている。さらに、大径軸部11Cの外周には円筒形状のスリーブ13が装着されている。
【0052】
前記操作部12は、遊技者によって所定の遊技操作(押下操作・押上操作・引出操作)が直接的に行われる略球体状の部材である。この操作部12は、その後部が球形状ではなく垂直な端面となるよう形成され、特に図示しないが、この後端面に、ネジ孔が前方へ向かって形成されていると共に、バネ座金14を受けるための円形の凹部が形成されている。
(レバー軸ホルダ20)
レバー軸ホルダ20は、図3、図4に示すように、操作レバー10を挿通させるための中空部が形成された筒体の前方ケースであって、図5に示すように、スロットマシンSの操作パネル3Bに形成された取付孔300に挿通可能な円筒形状のホルダ本体21と、ホルダ本体21の前方にあって取付孔300より径大なフランジ部22とから成り、ホルダ本体21の外周面(上部・下部)には、ナット状のレバーユニット取付部材100と螺合する雄ネジ部21Aが形成されている。また、ホルダ本体21の後端部には、レバー軸ケース40を固定するための横方向に突出する爪部を有する係止片24が設けられている(図4参照)。なお、図面上には表れていないが、係止片24は、左右の側面に1つずつ設けられている。そして、レバー軸ホルダ20は、図5に示すように、フランジ部22とレバーユニット取付部100とで挟持された形で、操作パネル3Bの前面側(取付孔300)に固定され、フランジ部22及びレバー軸11の前端部と操作部12が操作パネル3Bの外部に露出した状態となる。
【0053】
ここで、レバー軸ホルダ20は、その中空部内に、前記レバー軸11を傾動可能かつ前後方向にスライド可能に支持する揺動軸部材23を備えている。揺動軸部材23は、レバー軸11を前後方向へ移動自在に収容するレバー軸孔23Bが形成された金属製の部材である。この揺動軸部材23には、レバー軸孔23Bの軸方向に対して直交する方向に両側に突出する円柱形状の揺動軸23Aが形成されている。なお、揺動軸部材23は、揺動軸が水平方向となる状態でホルダ本体21の中空部内に収容される。一方、ホルダ本体21の中空部内周面には、揺動軸23Aを上下方向に回動可能(水平方向へは移動不可)に収容する金属製の軸受部(図示省略)が中央付近に設けられている。このようにホルダ本体21の中央部付近で回動可能に取り付けられた揺動軸部材23のレバー軸孔23Bにレバー軸11を挿通させることにより、操作レバー10はレバー軸ホルダ20に対して上方向又は下方向に傾動可能に保持されると同時に、操作レバー10がレバー軸ホルダ20に対して前後方向に移動可能となる。
【0054】
また、レバー軸ホルダ20の中空部内周面の天井部分および底面部分には、図2に示すように、操作レバー10の傾動角度を規制するための規制部として、上側突部25および下側突部26が形成されている。上側突部25には、正面側から背面側に向かって下り傾斜するテーパ面25Aが、下側突部26には、正面側から背面側に向かって上り傾斜するテーパ面26Aが、それぞれ形成されており、操作レバー10が傾動操作されたときに、操作レバー10のスリーブ13を各テーパ面25A,26Aで受け止めるようになっている。そして、上側突部25および下側突部26の後方側端面は、後述する原点復帰機構30の付勢力を受け止める仕切壁28となっている。この仕切壁28には、レバー軸11の小径軸部11Dが挿通可能で、レバー軸11が傾動する上下方向に伸びた略長方形状の規制孔27が形成されている。この規制孔27にレバー軸11を挿通した状態で操作レバー10が取り付けられているため、操作レバー10は、規制孔27の孔形状に沿って移動可能となり、左右水平方向へ移動(傾動)することなく、上下方向又は前後方向へ移動可能となっている。
【0055】
なお、操作レバー10の最大傾動角度は、上側突部25のテーパ面25Aと下側突部26のテーパ面26Aが成す角度によって決定される。この角度は、操作レバー10が上下方向へ傾動操作された場合に、センサユニット50に内蔵されたスタートセンサ60及びMAXベットセンサ70によって遮光部材80が検知可能となるような角度に設定されている。スタートセンサ60及びMAXベットセンサ70のセンシングの詳細に関しては後述する。
また、図4に示すように、レバー軸ホルダ20のフランジ部22の上部近傍には、正面視略W形状の切欠部22Aが形成されていると共に、ホルダ本体21の上部には、軸方向に沿ってホルダ本体21の肉厚部を貫通する貫通孔21Bが形成されている。貫通孔21Bの正面側の入口部分は、切欠部22Aに向けて臨むように形成されている。そして、図2及び図3に示すように、前記切欠部22Aには正面視略扇型の発光表示部91が取り付けられると共に、前記貫通孔21B内には平面視長方形状の導光板90が取り付けられる。ここで、導光板90及び発光表示部91は、後述するセンサユニット50に設けられたLED57,58の発光を外部に誘導するためのものである。
【0056】
前記導光板90は、図3に示すように、一方の端部側が幅広に形成された平面視羽子板形の板部材であり、その幅広部には、操作レバー10が下方向へ操作されて操作レバー10に取り付けられた遮光部材80が上方へ移動する際に、当該導光板90と遮光部材80とが干渉しないよう、開口部90Aが形成されている。この導光板90は、その幅狭な先端部がホルダ本体21の貫通孔21Bに収まるものの、導光板90全体が貫通孔21Bに収まることはなく、その一部(少なくとも開口部近傍の幅広な部分)が貫通孔21Bからはみ出て、レバー軸ケース40によって覆われることとなる(図2参照)。
一方、発光表示部91は、図3に示すように、透光性を有する樹脂製の扇型本体の裏面に2個の係合突起91Aが形成され、これら係合突起91Aが、ホルダ本体21の貫通孔21Bの両側に形成された係合凹部21C(図4参照)に圧入されることで、レバー軸ホルダ20に取り付けられる。このとき、発光表示部91は、導光板90の前方側端面の前方に位置するため、LED57,58が発光した場合、各LED57,58からの光を背面側から受けて発光することになる。ここで、発光表示部91は、互いに異なる発光色で発光する2種のLED57,58に対応すべく、透明な樹脂素材で形成されており、これにより、各LED57,58の発光色と同じ色で発光表示部91が発光し、発光表示部91の発光色によって、MAXベットセンサ70又はスタートセンサ60の検知が有効となったこと、換言すればMAXベットスイッチ4BMを操作するMAXベット操作又はスタートスイッチ4Cを操作するスタート操作が可能になったことを外部から確認することができるようになっている。
【0057】
(原点復帰機構30)
原点復帰機構30は、図2及び図3に示すように、コイルバネ31と、筒部材32と、抜止リング34と、平座金33とを備えている。
筒部材32は、レバー軸11の小径軸部11Dへ挿通した状態で、レバー軸ホルダ20の仕切壁28の背面側に位置し、前端部には、仕切壁28に当接するフランジ部32Aが形成されている。抜止リング34は、小径軸部11Dの後端部に形成されたリング溝11Fに装着されるEリングであり、平座金33は、抜止リング34の前方に位置している。コイルバネ31は、レバー軸11に挿通した筒部材32の筒部に巻装される圧縮コイルバネであって、筒部材32のフランジ部32Aと、平座金33及び抜止リング34との間に位置している。すなわち、コイルバネ31の前端部が筒部材32のフランジ部32Aに当接し、コイルバネ31の後端部が平座金33に当接している。そして、フランジ部32Aの前面側が仕切壁28に当接し、平座金33及び抜止リング34がレバー軸11に装着されていることから、操作レバー10は、レバー軸ホルダ20に対して、コイルバネ31が伸張する軸方向に沿って後方へ付勢され、平座金33及び抜止リング34によって、コイルバネ31からの後方への付勢力を受け止めている。
【0058】
このように、原点復帰機構30によって、操作レバー10は、常態においては、大径軸部11Cおよびスリーブ13の後端面が揺動軸部材23の前端面に当接することで、後方へ付勢されつつ原点位置に留まることとなる。そして、操作部12を前方向に引くことにより操作レバー10が前方に引出操作された場合には、コイルバネ31の軸方向の復元力により原点位置に戻り、操作部12を押下又は押し上げることにより操作レバー10が下方又は上方に傾動操作された場合には、コイルバネ31の軸直交方向の復元力により原点位置に戻るようになっている。
なお、本実施形態のスタートレバーユニット1では、操作レバー10を手前方向へ引出操作すると、遮光板81がMAXベットセンサ70の検知部71の検知位置から離脱するようになっている(図13参照)。一方、操作レバー10の最大引出量は、筒部材32のフランジ部32Aと抜止リング34との距離、圧縮状態のコイルバネ31の長さ、平座金33の厚み、などによって決定される。よって、これら各部材の距離寸法やサイズは、遮光板81がMAXベットセンサ70の検知位置から離脱する距離まで引出し可能に構成されている。
【0059】
(レバー軸ケース40)
レバー軸ケース40は、操作レバー10の後端部分(遮光部材80など)やセンサユニット50を収容する円筒体の後方ケースであって、図2及び3に示すように、ケース本体40Aと、ケースキャップ41から構成される。ケース本体40Aの前端部には、レバー軸ホルダ20の後方内周面に挿入される分割片状の挿入部40Bが設けられ、ケース本体40Aの前方両側面には、レバー軸ホルダ20の係止片24と係合可能なホルダ係止孔44が、後方両側面にはケースキャップ41の係止突起45が係止するキャップ係止孔46が、それぞれ設けられている。ホルダ係止孔44及びキャップ係止孔46は、係止片24及び係止突起45に対応して、左右側面に1つずつ設けられている。また、ケース本体40Aの上面部および下面部には、遮光板81との干渉をさけるための上部貫通孔42および下部貫通孔43が形成されている。さらに、ケース本体40Aの内部上方には、特に図示しないが、導光板90を挿通可能とする空間部が形成されていると共に、この空間部の下側には、遮光板81の回転を規制するための一対の回動規制板が上下方向に形成されている。
【0060】
ここで、回動規制板は、特に図示しないが、ケース本体40Aの空間部内の中心部分において、遮光板81の左右に立設された板部材であり、レバー軸11の傾動に伴い、一対の回動規制板の間で垂直状態の遮光板81が上下方向に移動するようになっている。一方、レバー軸11は、操作部12を押下したときの衝撃を吸収するために、軸を中心として円周方向に回転可能となるようレバー軸ホルダ20内に設置されている。遮光部材80はレバー軸11に回転可能に取り付けられているものの、レバー軸11の回転に伴って回転する方向に力を受けると、一緒に回転してしまうおそれがある。このように遮光板81が回転してしまうと、被検知部が検知部に対して斜めになってしまい、適正なセンシングができなくなる。そこで、回動規制板を設けて、遮光板81がレバー軸11の回転につられて回転しようとしても回動規制板がその回転を阻止し、遮光板81が垂直状態を維持することができるようにしたものである。
【0061】
前記ケースキャップ41は、センサユニット50のコネクタ配線状態を外部から視認可能な様に透明な樹脂素材で形成されている。そして、両側部に設けられた係止突起45をケース本体40Aのキャップ係止孔46に係止させることにより、ケース本体40Aに収納されたセンサユニット50の後方からケース本体40Aの後方開口を塞ぐようにして取り付けられる。
(センサユニット50)
センサユニット50は、図10に示すように、発光部を有する発光素子71Aと受光部を有する受光素子71Bを一対の検知部71として備える光学式のMAXベットセンサ70と、発光部を有する発光素子61Aと受光部を有する受光素子61Bを一対の検知部61として備える光学式のスタートセンサ60と、両センサが設けられたセンサ回路基板56と、前記MAXベットセンサ70、スタートセンサ60及びセンサ回路基板56を内部に収納するユニットケース51とを備えている。
【0062】
ユニットケース51は、前記センサ回路基板56の各センサを正面側から覆う前カバー52と、前カバー52の背面開口を塞ぐ後カバー53とから成る。
前カバー52には、図9に示すように、MAXベットセンサ70の受光素子71Bおよびスタートセンサ60の発光素子61A(図10参照)を覆う第一膨出部54と、MAXベットセンサ70の発光素子71Aおよびスタートセンサ60の受光素子61Bを覆う第二膨出部55とが形成されている。そして、第一膨出部54には、MAXベットセンサ70の受光素子71B及びスタートセンサ60の発光素子61Aの発光部に対応する場所のそれぞれに、各受発光部から出力される検知光を通過させるためのスリット(スタート検知スリット54A、ベット検知スリット54B)が形成され、同様に、第二膨出部55にも、図示しないが、各センサの受発光部に対応する場所に、スリットが形成されている。これにより、第一膨出部54(のスリット)と第二膨出部55(のスリット)との間を通過する物体が、MAXベットセンサ70およびスタートセンサ60で検知されることになる。
【0063】
後カバー53には、センサ回路基板56の裏面側に設けられるコネクタが臨む配線用貫通孔53Aが形成されており、この後カバー53を、センサ回路基板56を収納した前カバー52の背面側開口部に嵌合させることで全体をユニット化している。
前記センサ回路基板56には、MAXベットセンサ70およびスタートセンサ60からの出力信号に対して特定の信号処理を行うセンサ信号処理回路(図示せず)が形成されていると共に、このセンサ信号処理回路から複数の出力信号が出力される複数の接続端子を有するコネクタが裏面側に設けられている。よって、このセンサユニット50において、MAXベットセンサ70から直接出力される信号は、センサ信号処理回路を経て、コネクタのMAXベット信号出力端子から外部(メイン制御基板7A)へ、MAXベット信号として出力され、同様に、スタートセンサ60から直接出力される信号は、センサ信号処理回路を経て、コネクタのスタート信号出力端子から外部(メイン制御基板7A)へ、スタート信号として出力される。
【0064】
また、センサ回路基板56に設けられるMAXベットセンサ70の検知部71は、発光部のセンサ回路基板56の下端部からの高さ寸法が、受光部の高さ寸法と同じとなるように、発光素子71A及び受光素子71Bがセンサ回路基板56に設けられ、同様に、スタートセンサ60の検知部61は、発光部のセンサ回路基板56の下端部からの高さ寸法が、受光部の高さ寸法と同じとなるように、発光素子61A及び受光素子61Bがセンサ回路基板56に設けられている。そして、発光素子61Aの発光部からの検知光が受光素子61Bの受光部に入力され、発光素子71Aの発光部からの検知光が受光素子71Bの受光部に入力されるようになっている。
一方、図10に示すように、MAXベットセンサ70の検知部71のセンサ回路基板56からの突出長さは、スタートセンサ60の検知部61のセンサ回路基板56からの突出長さより短くなっており、MAXベットセンサ70の検知範囲と、スタートセンサ60の検知範囲とでは、センサ回路基板56の基板正面からの距離が異なっている。このように距離が異なっているため、MAXベットセンサ70の検知部71とスタートセンサ60の検知部61とは、スタートレバーユニット1に取り付けられた場合、原点位置にあるときのレバー軸11の軸方向に沿って前後にずれた位置となるように配置させることができるものとなる。そして、センサユニット50がスタートレバーユニット1に組みつけられる場合には、スタートセンサ60がMAXベットセンサ70よりも上方に位置するように、センサ回路基板56が取り付けられる。よって、スタートセンサ60の検知部61は、レバー軸ケース40の内部においてMAXベットセンサ70の検知部71よりも前方かつ上方に位置することになり、当然に、スタートセンサ60の検知範囲とMAXベットセンサ70の検知範囲も、検知部と同様に、スタートセンサ60の検知範囲は、レバー軸ケース40の内部においてMAXベットセンサ70の検知範囲よりも前方かつ上方となる位置関係となっている。
【0065】
また、図11に示すように、スタートセンサ60の検知部61とMAXベットセンサ70の検知部71は、原点位置にあるレバー軸11の軸中心線から同等の距離をおいて上下に分かれて位置しており、検知部61と検知部71の上下方向の距離は、図2に示すように、ほぼレバー軸11の小径軸部11Dの直径寸法と同等であり、前後方向の距離はそれよりもやや短い寸法となっている。すなわち、検知部61と検知部71は、レバー軸11の軸中心線の延長線上の近傍に互いに近接して配置される。
また、センサ回路基板56には、図10に示すように、MAXベット操作が有効となっている状態を報知するためのMAXベット用LED58(例えば赤色LED)と、スタート操作が有効となっている状態を報知するためのスタート用LED57(例えば青色LED)とが設けられている。スタート用LED57及びMAXベット用LED58の発光消光は、メイン制御基板7Aからの出力信号に基づき制御される。そして、センサ回路基板56に設けられたスタート用LED57及びMAXベット用LED58は、それぞれの位置に対応するよう前カバー52に形成された開口部52A,52Bからそれぞれ露出している。しかも、スタート用LED57及びMAXベット用LED58と、各開口部52A,52Bとは、センサユニット50がスタートレバーユニット1に組みつけられたときに、導光板90の後端面と対向するように設けられている。従って、スタート用LED57及びMAXベット用LED58からの照射光が、導光板90を通じて発光表示部91へ導かれることになる。
【0066】
なお、前述したように、本実施の形態では、発光表示部91及び導光板90を透明な透光性素材で形成しているが、これに限らず、例えば赤色や青色などで着色した透光性素材を使用することも可能である。この場合、スタート用LED57とMAXベット用LED58とで、例えば、一方は点灯で他方は点滅させたり、互いの点灯時間を異ならせたりするなど発光パターンを異ならせておくと、どちらのLEDが発光したかを明瞭にすることができる。
また、本実施の形態では、後カバー53の配線用貫通孔53Aから一方のコネクタ露出をさせ、センサユニット50のコネクタに対して外部からのコネクタを接続する構成としているが、これに限らず、後カバー53にハーネス配線用貫通孔又は切欠部を形成して、センサ回路基板56のコネクタからハーネスのみをセンサユニット50から出し、センサユニット50から出ているハーネスのコネクタに対して外部からのコネクタを接続する構成としても良い。また、センサ回路基板56に設けられるコネクタは、センサ回路基板56の裏面側ではなく、センサ回路基板56の表面側(センサと同じ面)に設けても良い。
【0067】
(遮光部材80)
遮光部材80は、操作レバー10のレバー軸11の後端部に取り付けられ、操作レバー10の操作をセンサユニット1で検知するためのものである。この遮光部材80は、図6、図7に示すように、レバー軸11の挿入軸11Eが挿入される筒部82と、この筒部82の内周面に形成され筒内側に突出する略半球状の突起83と、センサユニット50の検知範囲を通過する検知片としての特定形状の遮光板81と、が一体的に形成されて成るものである。そして、この遮光部材80は、筒部82の内部にレバー軸11の挿入軸11Eが挿入された状態で、突起83が挿入軸11Eの回周溝11Gに嵌合し、レバー軸11に取り付けられる。
【0068】
なお、遮光部材80を挿入軸11Eに回動可能に取付ける構造としては、上記した突起83を回周溝11Gに嵌合させる構造以外にも、係止爪を有する弾性係止片を回周溝11Gに係止させて回動可能に係止するものや、Eリングを用いて回動可能に取付けるものであっても良い。
ここで、前記遮光板81は、図7に示すように、操作レバー10の操作(傾動又は引出)に応じて、MAXベットセンサ70にて検知される被検知部であるMAXベット被検知部85と、スタートセンサ60にて検知される被検知部であるスタート被検知部84とを有する特定形状を成している。具体的には、遮光板81は、図6及び図7に示すように、側面視略正方形の板部材であって、正方形の底辺の略中央部に矩形の切り欠き部が形成されていると共に、矩形の切り欠き部から連続して下方に延設された垂下片を有している。そして、遮光板81の切り欠き部よりも上方がスタート被検知部84、前記した垂下片とその上方がMAXベット被検知部85となっている。
【0069】
すなわち、MAXベット被検知部85は、スタート被検知部84よりも下方に位置しており、図2、図8(A)及び図11(A)に示すように、操作レバー10が操作されていない状態で原点位置にあるときには、MAXベット被検知部85は、MAXベットセンサ70における発光素子71Aと受光素子71Bとの間、詳しくは、センサユニット50の第一膨出部54のベット検知スリット54Bと第二膨出部55のベット検知スリット(図示せず)との間に位置して、MAXベットセンサ70の検知部71を遮るように形成されている。一方、スタート被検知部84は、スタートセンサ60における発光素子61Aと受光素子61Bとの間、詳しくは、第一膨出部54のスタート検知スリット54Aと第二膨出部55のスタート検知スリット(図示せず)との間に位置して、スタートセンサ60の検知部61を遮るように形成されている。そして、MAXベット被検知部85及びスタート被検知部84は、操作レバー10の操作方向(即ち、遮光板の移動方向)に応じて、MAXベットセンサ70及びスタートセンサ60の検知部71,61を遮る範囲が異なるよう形成されている。
【0070】
さらに詳述すると、遮光板81は、図8(B)に示すように、操作レバー10が原点位置にある状態で、スタートセンサ60の検知部61からスタート被検知部84の下端までの距離xよりもMAXベットセンサ70の検知部71からMAXベット被検知部85の下端までの距離x’が短く、スタートセンサ60の検知部61からスタート被検知部84の上端までの距離yよりもMAXベットセンサ70の検知部71からMAXベット被検知部85の上端までの距離y’が長く、スタートセンサ60の検知部61からスタート被検知部84の後端部までの距離zよりもMAXベットセンサ70の検知部71からMAXベット被検知部85の後端までの距離z’が短くなるような形状に形成されている。このように形成することにより、操作部を下方向に傾動操作した場合に、各センサの検知部と遮光板81の各被検知部との距離の違いによって、各センサで検知されるタイミングが異なり、検知される順序を生じさせているものである。なお、上記距離x,x’及びy,y’は、正確には、操作レバー10の傾動に伴い遮光片81が移動する円弧形状の軌跡に沿った距離である。また、上記距離z,z’は、操作レバー10の前後へのスライド移動に伴い遮光片81が移動する直線形状の軌跡に沿った距離である。
【0071】
そして、操作レバー10が原点位置から下方向へ操作される(遮光板81が上方向へ移動する)場合には、MAXベット被検知部85は、図11(B)に示すように、操作レバー10が所定の角度αだけ傾動するとMAXベットセンサ70の検知部71から離脱(操作レバー10の傾動角度がα度となるまでは検知部71を遮断)し、スタート被検知部84は、図11(C)に示すように、操作レバー10が前記αよりも大きい角度β(最大傾動角度)だけ傾動するとスタートセンサ60の検知部61から離脱(操作レバー10の傾動角度がβ度となるまでは検知部61を遮断)するように形成されている。
ここで、本実施の形態では、操作レバー10がα度だけ傾動された状態と、β度だけ傾動された状態との間には、僅かではあるが、一定の角度の幅が生じるようになっている。つまり、操作レバー10が、β度だけ傾いた位置には達していないがα度を越えた角度だけ傾いた位置にあるときには、MAXベット操作はされているが、スタート操作は行われていない状態となる。この様な状態があることによって、ベット操作をトリガーとする演出を実行できる可能性が生まれてくる。
【0072】
また、操作レバー10が原点位置から上方向へ操作される(即ち、遮光板81が下方向へ移動する)場合には、図12(B)に示すように、MAXベット被検知部85は、操作レバー10が最大傾動角度まで傾動してもMAXベットセンサ70の検知部71を遮断している状態であり、スタート被検知部84は、操作レバー10が所定の角度γだけ傾動するとMAXベットセンサ70の検知部71から離脱(操作レバー10の傾動角度がγ度となるまでは検知部71を遮断)するように形成されている。
さらに、操作レバー10が前方向へ引出される(遮光板81が前方向へ移動する)場合には、図13(B)に示すように、MAXベット被検知部85は、操作レバー10が所定距離sだけスライドするとMAXベットセンサ70の検知部71から離脱し、スタート被検知部84は、操作レバー10が所定距離sだけスライドしてもスタートセンサ60の検知部61を遮断している状態であるように形成されている。
【0073】
(操作レバー10の操作方向とセンサからの出力信号)
ここで、本実施形態のスタートレバーユニット1では、MAXベット被検知部85がMAXベットセンサ70の検知部71を遮断した状態では、MAXベットセンサ70から直接出力される検知信号(以下MAXベット検知信号という)は「Hi」レベルであって、MAXベット被検知部85がMAXベットセンサ70の検知部71から離脱すると、MAXベット検知信号は「Hi」レベルから「Low」レベルへ変化する。同様に、スタート被検知部84がスタートセンサ60の検知部61を遮断した状態からスタートセンサ60の検知部61を離脱した状態となると、スタートセンサ60から直接出力される検知信号(以下スタート検知信号という)も、「Hi」レベルから「Low」レベルへ変化する。但し、これら各センサからの検知信号は、外部(メイン制御基板7A)へ直接出力されるのではなく、センサ回路基板56に形成されたセンサ信号処理回路によって処理された信号が外部へ出力されることとなる。具体的には、センサ回路基板56からは、MAXベット検知信号に基づくMAXベット信号と、スタート検知信号に基づくスタート信号が出力される。
【0074】
次に、操作レバー10の操作方向に伴うスタートセンサ60及びMAXベットセンサ70の信号出力について説明する。前述したように、本実施形態のスタートレバーユニット1は、操作部12を操作することにより、操作レバー10の前方部を下方向(第一操作方向)、上方向(第二操作方向)及び前方向(第三操作方向)に移動させることができる。
まず、図11(A)、図12(A)、図13(A)に示すように、操作レバー10が原点位置にある場合、MAXベット被検知部85及びスタート被検知部84は、それぞれ、MAXベットセンサ70及びスタートセンサ60の検知部71,61を遮断した状態となっており、MAXベットセンサ70及びスタートセンサ60からの出力信号は「Hi」レベルとなっている。
【0075】
操作レバー10が第一操作方向である下方向へ傾動操作される(遮光板81が上方向へ移動する)場合、図11(B)に示すように、操作レバー10の傾斜角度が所定角度αに達すると、MAXベット被検知部85がMAXベットセンサ70の検知部71を離脱(上方向へ離脱)し、MAXベットセンサ70からの出力信号は「Low」レベルに変化する。但し、この時点で、スタート被検知部84はスタートセンサ60の検知部61を遮断したままである。そして、図11(C)に示すように、操作レバー10の傾斜角度が所定角度β(最大傾動角度)に達すると、スタート被検知部84がスタートセンサ60の検知部61を離脱し、スタートセンサ60からの出力信号も「Low」レベルに変化する。つまり、第一操作方向では、先にMAXベットセンサ70、次にスタートセンサ60の順に出力信号が変化する。また、操作レバー10が下方傾斜状態から原点位置に戻るときには、操作レバー10が下方向へ傾動操作された場合とは逆に、先にスタートセンサ60、次にMAXベットセンサ70の順に出力信号が「Low」レベルから「Hi」レベルへ変化し、原点位置に戻ったときには、ともに「Hi」レベルとなる(図16参照)。
【0076】
なお、操作レバー10の傾斜角度が最大傾動角度に達する前に、スタート被検知部84がスタートセンサ60の検知部61を離脱してスタートセンサ60がそれを検知するようにしても良い。
操作レバー10が第二操作方向である上方向へ傾動操作される(遮光板81が下方向へ移動する)場合、図12(B)に示すように、操作レバー10の傾斜角度が所定角度γに達すると、スタート被検知部84がスタートセンサ60の検知部61を離脱(下方向へ離脱)し、スタートセンサ60からの出力信号が「Low」レベルに変化する。そして、操作レバー10が上方傾斜状態から原点位置に戻るときには、操作レバー10が上方向へ傾動操作された場合とは逆に、スタート被検知部84がスタートセンサ60の検知部61へ進入して遮断することになり、スタートセンサ60からの出力信号が「Hi」レベルに変化する。一方、MAXベット被検知部85は、操作レバー10の傾斜角度に関わらず、MAXベットセンサ70の検知部71を遮断した状態を保持しており、MAXベットセンサ70からの出力信号は「Hi」レベルを維持している。つまり、第二操作方向では、スタートセンサ60の出力信号のみが変化する。
【0077】
操作レバー10が第三操作方向である前方向へ引出操作される(遮光板81が前方向へ移動する)場合、図13(B)に示すように、操作レバー10の移動距離が所定寸法sに達すると、MAXベット被検知部85がMAXベットセンサ70の検知部71を離脱(前方向へ離脱)し、MAXベットセンサ70からの出力信号が「Low」レベルに変化する。そして、操作レバー10が引出状態から原点位置に戻るときには、操作レバー10が前方向へ引出操作される場合とは逆に、MAXベット被検知部85がMAXベットセンサ70の検知部71へ進入して遮断することになり、MAXベットセンサ70からの出力信号が「Hi」レベルに変化する。一方、スタート被検知部84は、操作レバー10の移動距離に関わらずスタートセンサ60の検知部61を遮断した状態を保持しており、スタートセンサ60からの出力信号は「Hi」レベルを維持している。つまり、第三操作方向では、MAXベットセンサ70の出力信号のみが変化する。
【0078】
(センサ回路基板56のセンサ信号処理回路)
本実施形態のスタートレバーユニット1では、既述の通り、MAXベットセンサ70およびスタートセンサ60からの出力信号が、所定のセンサ信号処理回路を経て、センサ回路基板56に設けられたコネクタの各端子(MAXベット信号出力端子・スタート信号出力端子)から出力されるように構成されている。そして、センサ回路基板56に形成されるセンサ信号処理回路には、図示しないが、MAXベットセンサ70からの出力信号に対するMAXベット信号回路部と、スタートセンサ60からの出力信号に対するスタート信号回路部と、が形成されている。
【0079】
ここで、MAXベット信号回路部は、MAXベットセンサ70からの出力信号が「Hi」レベルから「Low」レベルへ変化したときに、「Low」レベルの出力信号が、所定の幅Ta(例えば2〜5ms)のワンショット信号に変化するよう形成されている(図16参照)。そして、この様に変化した出力信号がMAXベット信号として出力端子MAXベットから出力される。MAXベット信号を入力したメイン制御基板7Aは、MAXベットスイッチ4BMがONになったと判断する。一方、スタート信号回路部は、スタートセンサ60からの出力信号が「Hi」レベルから「Low」レベルへ変化したときに、その信号の変化が、ワンショット信号の幅を超える所定時間Tb(例えば6〜15ms)だけ遅延して変化するよう形成されている(図16参照)。そして、この様に変化した出力信号がスタート信号として出力端子スタートから出力される。スタート信号を入力したメイン制御基板7Aは、スタートスイッチ4CがONになったと判断する。
【0080】
この様に、レバー軸10が第一操作方向である下方向に操作された場合に先に検知されるMAXベットセンサ70からの出力信号をワンショット出力とすると共に、続いて検知されるスタートセンサ60からの出力信号を遅延させているため、本実施形態のセンサ回路基板56では、MAXベット信号とスタート信号とが同時に「Low」レベルの状態になる(つまり、両信号が同時に「ON」と判定される)ことはない。すなわち、MAXベット信号回路部及びスタート信号回路部は、検知信号に基づきセンサ回路基板56から出力される信号が同時に出力されないための信号変換回路として機能するものである。
なお、MAXベット信号回路部およびスタート信号回路部には、メイン制御基板7AにおいてMAXベットスイッチ4BMおよびスタートスイッチ4Cの操作が有効になったと判断された場合に発光するように、MAXベットLED58およびスタートLED57がそれぞれ接続されている。
【0081】
(MAXベット信号とスタート信号の出力パターン)
本実施形態のスロットマシンSでは、スタートレバーユニット1(詳しくは信号出力端子)からMAXベット信号とスタート信号とがメイン制御基板7Aへ出力されるよう構成されており、これらMAXベット信号およびスタート信号は、操作レバー10の操作方向に応じて、次の様に出力(又は入力)される。
操作レバー10が第一操作方向である下方向へ傾動操作される場合、MAXベットセンサ70からの出力信号は、図16に示すように、「Hi」レベルから「Low」レベルへ変化した後、再び操作レバー10が原点位置に戻るまで「Low」レベルを維持することになる。しかし、MAXベット信号出力端子から出力されるMAXベット信号は、MAXベット信号回路部によってワンショット出力とされ、直ちに、「Low」レベルから「Hi」レベルへ変化する。この様な、MAXベット信号の変化(立下り)を受信(検知)したメイン制御基板7Aは、図14(A)、図15(A)に示すように、MAXベット信号=「ON」と判断して、所定のMAXベット処理を実行可能とする。しかし、MAXベット信号がワンショットで出力されるため、直ちに、MAXベット信号は「Hi」レベルに戻る。一方、スタートセンサ60からの出力も、「Hi」レベルから「Low」レベルへ変化した後、再び操作レバー10が上方向へ傾動されるまで「Low」レベルを維持することになる。しかし、スタート信号出力端子から出力されるスタート信号は、スタート信号回路部によって所定時間Tb(図16参照)だけ遅延され、MAXベット信号が「Hi」レベルへ変化した後に、「Low」レベルへ変化する。この様なスタート信号の変化(立下り)を受信(検知)したメイン制御基板7Aは、スタート信号=「ON」と判断して(図14(A)、図15(A)参照)、所定のスタート処理を実行可能とする。
【0082】
操作レバー10が第二操作方向である上方向へ傾動操作される場合、MAXベットセンサ70からの出力信号は、「Hi」レベルのままであるので、MAXベット信号も「Hi」レベルを維持して変化することがなく、メイン制御基板7Aでも、MAXベット信号=「ON」と判断されることはない。一方、スタートセンサ60からの出力信号は、「Hi」レベルから「Low」レベルへ変化するため、この変化したタイミングから所定時間Tbだけ遅延したタイミングで、スタート信号が「Low」レベルへ変化すると共に、メイン制御基板7Aが、スタート信号=「ON」と判断する(図14(B)、図15(B)参照)。
操作レバー10が第三操作方向である前方向へ引出操作される場合、MAXベットセンサ70からの出力信号が「Hi」レベルから「Low」レベルへ変化するため、この変化したタイミングでMAXベット信号も「Low」レベルへ変化すると共に、メイン制御基板7Aが、MAXベット信号=「ON」と判断する。しかし、MAXベット信号がワンショットで出力されるため、直ちに、MAXベット信号は「Hi」レベルに戻る。一方、スタートセンサ60からの出力信号は、「Hi」レベルのままであるので、MAXベット信号も「Hi」レベルを維持して変化することがなく、メイン制御基板7Aでも、スタート信号=「ON」と判断されることはない(図14(C)、図15(C)参照)。
【0083】
このようにして、本実施形態のスタートレバーユニット1では、操作レバー10を原点位置から下方向へ傾動させる一連の行為が「MAXベット及びスタート操作」となり、操作レバー10を原点位置から上方向へ傾動させる行為が「スタート単独操作」となり、操作レバー10を前方向へ引出す行為が「MAXベット単独操作」となる。
(スロットマシンSの作動の概略)
上記構成を有するスロットマシンSは、1回の遊技において所定の規定数(最大3)の枚数のメダルを掛ける(ベットする)ことができるとともに、メダル投入口4Aから投入された規定数以上のメダルを最大50枚までクレジットとして貯留可能に形成されている。そして、規定数までのメダルが投入された場合には、特に図示しないベット表示部に掛け枚数を示す表示がされ、規定数を超えてメダルが投入された場合には、特に図示しない所定のクレジット表示部に投入された枚数分の数値が表示されるようになっている。
【0084】
そして、クレジットが1以上ある場合において、ベットボタン4Bが押圧操作されてシングルベットスイッチ4BSがONになる(メイン制御基板7Aがシングルベット信号「ON」と判断する)と、1枚のメダルがベットされたものとみなされ(1ベット処理が行われ)、ベット表示部に1ベット表示が行われるとともに、クレジット表示部の表示が「1」減算される。ベットボタン4Bの操作の度に、1ベット処理が行われ、最大3までのベット表示及びクレジット表示部の減算表示が行われる。一方、クレジットが3以上ある場合において、スタートレバーユニット1の操作レバー10が下方向又は前方向に操作されてMAXベットスイッチ4BMがONになる(メイン制御基板7AがMAXベット信号「ON」と判断する)と、3枚のメダルがベットされたものとみなされ(MAXベット処理が行われ)、ベット表示部に3ベット表示が行われるとともに、クレジット表示部の表示が「3」減算される。なお、クレジットが3未満(1又は2)である場合には、MAXベットスイッチ4BMがONとなった場合でも、1枚又は2枚のメダルがベットされたものとみなされる。
【0085】
また、ベット可能な最大数は、遊技状態によって変更される。例えば、通常遊技中においては1〜3の範囲でベット可能であるが、ボーナスゲームなど特別な遊技状態になった場合には、最大ベット数が例えば「1」に設定される。このような場合には、MAXベット信号が「ON」と判断された場合には、MAXベット処理として、遊技メダルが1枚投入された扱いをし、クレジット表示部の表示も「1」だけ減算される。
そして、操作レバー10の下方向又は上方向への操作によりスタートスイッチ4CがONになる(メイン制御基板7Aがスタート信号=「ON」と判断する)と、役抽選が行われると共に、回転リール5Aが回転開始する(スタート処理が行われる)。なお、スタートスイッチ4Cは、ベットがされていることを条件に有効(スタート信号に基づく抽選処理及び回転リール5Aの回転処理が開始可能)となる。本実施の形態のスタートレバーユニット1では、操作レバー10を下方向に操作すると、MAXベットスイッチ4BM、スタートスイッチ4Cの順に「ON」になるため、一連の押下操作によってスタートスイッチ4Cの操作に基づく処理が開始されるが、ベットスイッチ4Bを操作しないで(シングルベットスイッチ4BSを「ON」にしないで)操作レバー10を上方向に操作した場合には、ベットがされていない状態であるため、スタートスイッチ4Cの操作に基づく処理は開始されない。
【0086】
ここで、役抽選は、複数の図柄の組み合わせから成る「役」について、当選か否かの判定を行うものである。具体的には、スタート信号の入力を契機に乱数をピックアップし、当該乱数値と、複数の役の当選領域及びハズレ領域を有する役抽選テーブルとを照合して、いずれかの役が当選となったか、あるいはいずれの役も当選しなかったかを決定する。いずれかの役が当選した場合には、当選フラグが成立する。前記役としては、3個の回転リール5Aが全て停止したとき図柄表示窓8から視認可能な当選役を構成する図柄が当選役に応じた配列で表示されること(以下入賞という)により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次遊技をベット無しで行うことができるリプレイ役、入賞によりボーナスゲームなどの有利遊技に移行する特別役が設けられている。特別役が当選した場合には、当選フラグが次遊技以降に持ち越される。
【0087】
回転リール5Aの回転中に、対応するストップスイッチ4Dを操作することにより、回転リール5Aが回転停止する。この際、役抽選の結果がハズレの場合には停止図柄がいかなる入賞の態様にも揃わないように、所定の役が当選している場合(当選フラグが成立している場合)には当該当選役を構成する図柄が一定条件下で入賞の態様に停止するように、停止制御が行われる。そして、3個の回転リール5Aが全て停止したとき、各回転リール5Aの当選役を構成する図柄が入賞の態様で停止した場合には、ホッパー装置6から役に応じた枚数の入賞メダルが払い出されたり、次遊技のためのベットが行われたものとして扱われたり、ボーナスゲームなどの有利遊技に移行するように形成されている。
【0088】
なお、本実施の形態では、前回の遊技にてリプレイ役に入賞した場合、それに続く遊技では、操作レバー10を「下方向」又は「上方向」へ傾動操作することで、再遊技が開始される。ただし操作レバー10を「下方向」へ傾動操作させた場合には、MAXベット信号は無効とされる。
また、本実施の形態では、MAXベットスイッチ4BMとシングルベットスイッチ4BSを併設してあったが、スロットマシンSが3枚掛け専用機であれば、シングルベットスイッチ4BSを設けなくても良いのは言うまでもない。
ここで、操作レバー10を上方向へ傾動操作してスタートスイッチ4CのみをONすることには、上記したシングルベットスイッチ4BSを用いて遊技を行う場合やリプレイ入賞時に意義があるが、MAXベットセンサ70が正常に検知しているか否かを確認するために、MAXベットスイッチ4BMのみをONにしたい場合もある。本実施形態では、操作レバー10を「下方向」へ傾動させると、MAXベットセンサ70に続いてスタートセンサ60が遮光板81の移動を検知する。このとき、MAXベットセンサ70とスタートセンサ60との距離が接近しているため、MAXベットセンサ70のみを「ON」にするには、操作レバー10をわずかだけ下方向へ傾動させる必要があり、その操作は困難なものとなる。この点、本実施の形態によれば、MAXベットセンサ70が正常に検知しているか否かを確認したい場合、操作レバー10を「前方向」に引出すことでMAXベットセンサ70のみを反応させることが可能となるため、MAXベットセンサ70の異常を容易に調べることができる。
【0089】
以上のように、本実施の形態では、遮光板81を特定の形状に形成し、遮光板81の形状に応じて2つの検知部を配置する(言い換えると、2つの検知部を特定の配置とし、この検知部の配置に応じた被検知部を有する形状に遮光板81を形成する)ことにより、一連のレバー操作で2つの操作(ベット操作、スタート操作)を、順次、実行できるようになっている。従って、遊技を行うために必要なスイッチ操作の回数を省略でき、スピーディーな遊技を実行可能とすることができる。
また、本実施の形態においては、操作レバー10が中立状態(原点位置)で遮光板81がセンサ内に位置しており、操作レバー10が操作されるとセンサ内から遮光板81を離脱させるため、センサでONされるまでの距離が短くなっている(小さな傾動角度でONとなり得る)とともに、レバー軸ケース40には、遮光板81が通過可能な上下貫通孔を設けてある。このため、ユニット全体をコンパクトにすることができ、既存のスタートレバーユニットに置き換えることが可能である。
【0090】
ここで、操作部に対する一連の操作によりベット操作とスタート操作を順次行えるように形成する場合、例えば、スタートレバーユニット内に、ベットセンサとスタートセンサを1つずつ設け、スタートセンサをレバー軸が原点位置にあるときの軸線上に配置するとともに、ベットセンサをスタートセンサの上方に配置すれば、操作部を下方向に操作すると検知部が上方に移動してベットセンサにより検知され、その後レバー軸を原点位置に戻すと検知部が下方に移動してスタートセンサにより検知されるように形成することができる。このような構成とした場合、スタートセンサは、検知片が原点位置から移動したタイミングでスタート操作を検知するのではなく、検知片が原点位置から移動して再び原点位置に戻ったタイミングでスタート操作を検知するように形成する必要がある。すなわち、このような構成では、スタートセンサのON、OFF状態の変化だけではスタート操作を検知することができず、ベット信号、スタート信号を順次出力させるためには、ベットセンサの状態変化を参照する必要がある。スタートセンサがON状態になったといっても、それだけでは、操作部を下方向に操作したからなのか、上方向に操作したからなのか、信号処理部では見分けがつかないからである。
【0091】
その点、本実施の形態では、操作部を第一操作方向(下方向)に移動させる場合、スタートセンサ60による遮光板81の検知に先立って、MAXベットセンサ70による遮光板81の検知が行われるため、MAXベットセンサ70による検知に応じた処理(MAXベット処理)を開始した状態で、スタートセンサ60による検知に応じた処理(スタート処理)が開始される。一方、操作部を第二操作方向(上方向)に移動させるとMAXベットセンサ70による遮光板81の検知が行われず、MAXベット処理が開始されることなく、スタート処理が単独で開始される。つまり、操作部を下方向に操作して「MAXベット及びスタート操作」を行った場合でも、操作部を上方向に操作して「スタート単独操作」を行った場合でも、スタートセンサ60によって遮光板81が検知されたタイミングでスタート処理を開始することができる。スタート信号を入力するメイン制御基板7Aからすると、スタートセンサ60(正確にはセンサ回路基板56)からの出力信号が変化した時点で、操作方向の如何に関わらず、所定のスタート処理を開始することができるものである。従って、遊技開始に伴うスタート処理を適切なタイミングで単純に実行することができる。
【0092】
さらに、本実施の形態では、第一操作方向を下方向(押し下げ方向)、第二操作方向を上方向(押し上げ方向)、第三操作方向を前方向(引き出し方向)に設定してあると共に、第三操作方向でMAXベット信号のみが出力されるように形成してある。つまり、第一操作方向と第二操作方向は、操作部12を上下動させてレバー軸11を傾動させるという点においては共通する操作態様であるが、第三操作方向のみ、操作部12を手前に引き出してレバー軸11をスライドさせるという、異なる範疇に属する操作態様である。そして、前述したように、MAXベットセンサ70のみをONにする操作というのは、通常の遊技ではあまり一般的に行われるものではない。このような、希に行われる単独操作に対して、他の頻繁に行われる操作(MAXベット及びスタート操作、スタート単独操作)と操作のし方が全く異なる操作態様を設定することにより、操作方向を間違えてMAXベット単独操作をしてしまうということが起こりにくくなる。
【0093】
なお、以上のことから、第一乃至第三操作方向は、対応する出力信号(信号により開始される遊技処理)の内容に応じて、類似した操作態様とするか全く異なる操作態様とするかを決定するのが好ましい。
(変形例1)
上記した第一の実施形態では、MAXベットセンサ70とスタートセンサ60に一対の発光部と受光部とを対向位置に設ける通過型のフォトインタラプタを採用しているが、これ以外にも、一対の発光部と受光部とが同じ方向に向いた反射型のフォトインタラプタを採用することもできる。
【0094】
また、上記した実施形態の検出方法では、センサ回路基板56からの各信号がHiからLowへ変化するタイミング、すなわち「立ち下がり」を検出するよう回路を構成しているが、これ以外にも、センサ回路基板56からの各信号がLowからHiへ変化するタイミング、すなわち「立ち上がり」を検出するよう回路を構成しても良い。
さらに、上記した実施形態のセンサ回路基板56では、MAXベット信号とスタート信号とが同時に「Low」(アクティブ)となって「ON」と判定されないように、各信号をワンショット化又は遅延させているが、これに限らず、MAXベット信号のワンショット化のみ行うように形成しても良い。あるいは、センサ回路基板56を単なる中継基板として、ワンショットや遅延に関連する回路を設けずに、MAXベット信号とスタート信号とが同時に「ON」と判定され得るよう構成しても良い。さらには、センサ回路基板56自体を介することなく、センサとメイン制御基板7Aとを直接配線して、MAXベット信号とスタート信号とが同時に「ON」と判定され得るよう構成しても良い。
【0095】
(変形例2)
第一の実施形態のスタートレバーユニット1では、操作レバー10の傾動範囲が上方向と下方向とで略同じ程度となるように構成されているが、これに限らず、例えば操作レバー10の上下に位置するストッパ(テーパ面25A,26A)の傾斜角度や形状を異ならせて、操作レバー10の傾動範囲が上方向と下方向とで異なるように構成しても良い。
また、上記した実施形態では、操作レバー10を前方向へ引出す操作が可能な構成としているが、これに限らず、例えば操作レバー10を前方向と奥方向との両方へ付勢して原点位置から前方向又は奥方向へ移動可能に構成し、操作レバー10を前方向へ引出す、又は、操作レバー10を奥方向へ押し込むことで、所定の遊技動作が行われるようにしても良い。
【0096】
さらに、上記した実施形態では、操作レバー10の傾動方向が「上方向」又は「下方向」となるように構成しているが、これに限らず、例えば操作レバー10の回動軸が垂直方向になるよう配設して、操作レバー10を「左方向」又は「右方向」へ傾動させて操作するように構成しても良い。また、上記した実施形態では、操作レバー10を操作パネル3Bの垂直面に対して立設しているが、これに限らず、操作レバー10を操作パネル3Bの水平面(例えば図1においてベットボタン4Bやメダル投入口4Aが設けられている略水平な平面部分)に対して立設して、操作レバー10を水平面へ倒して操作するようにしても良い。つまり、操作レバー10の傾動方向については、特に限定はなく、遊技者が操作し易い方向が望ましい。
【0097】
(変形例3)
第一の実施形態のスタートレバーユニット1では、MAXベットボタンを省略して、操作レバー10を前方向へ引出すよう操作すると「MAXベット単独操作」となるよう構成しているが、これに限らず、例えばシングルベットボタンを省略すると共にMAXベットセンサの代わりにシングルベットセンサを採用して、操作レバー10を前方向へ引出すよう操作すると「シングルベット単独操作」となるよう構成しても良い。勿論、この構成では、操作レバー10を下方向へ傾動操作すると、シングルベット信号、スタート信号が順次出力される「シングルベット及びスタート操作」となる。但し、MAXベットボタンを省略して「MAXベット」機能自体を省略したり(シングルベットの3回操作で対応)、別途「MAXベットボタン」を設けて「MAXベット」に対応する動作が行われるよう構成しておいても良い。あるいは、MAXベットセンサをMAXベットボタンとスタートレバーユニット1の双方に設け、操作レバー10を下方向へ傾動操作すると、MAXベット信号、スタート信号が順次出力される「MAXベット及びスタート操作」となり、MAXベットボタンの押下又は操作レバー10の前方向への引出し操作で「MAXベット単独操作」となるようにしても良い。この場合、シングルベットスイッチは別途設けても良いし省略しても良い。あるいは、シングルベットセンサをシングルベットボタンとスタートレバーユニット1の双方に設け、操作レバー10を下方向へ傾動操作すると、シングルベット信号、スタート信号が順次出力される「シングルベット及びスタート操作」となり、シングルベットボタンの押下又は操作レバー10の前方向への引出し操作で「シングルベット単独操作」となるようにしても良い。この場合、MAXベットスイッチは別途設けても良いし省略しても良い。
【0098】
(変形例4)
第一の実施形態のスタートレバーユニット1では、操作レバー10を「上方向への傾動操作」又は「前方向への引出操作」を行うと、いずれの場合であっても、操作レバー10が遮光板81の移動を検知するよう構成されていた。つまり、移動可能な操作方向のいずれの操作方向へ操作レバーを操作しても、何らかの動作(処理)が行われるようになっていた。しかし、本発明は、このようなものに限られない。例えば図17に示すように、遮光板81の形状を変化させて、MAXベットセンサ70の検知部71からMAXベット被検知部85の後端部までの距離を、第一の実施の形態のものより長くする。具体的には、MAXベットセンサ70の検知部71からMAXベット被検知部85の後端部までの距離が、操作レバー10の最大引き出し可能距離Sよりも大きくなるように形成する。そして、操作レバー10に対して「前方向へ引出操作」を行った場合でも、いずれのセンサも遮光板81の移動を検知しないよう構成するとともに、「上方向への傾動操作」「下方向への傾動操作」を行った場合には、第一の実施の形態と同様に、各センサで検知するように構成することも可能である。つまり、操作レバー10が移動可能な全ての操作方向に対して何らかの遊技動作を付与する(即ち、遊技処理を実行する)以外にも、操作レバー10が移動可能な複数の操作方向のうちの一部の操作方向に対して遊技動作を付与する(即ち、遊技処理を実行する)ようにしても良いものである。
【0099】
(変形例5)
第一の実施形態のスタートレバーユニット1では、操作レバー10を「下方向」へ傾動操作すると「MAXベット」および「スタート」が行われると共に、操作レバー10を「上方向」へ傾動操作すると「スタート単独」動作が行われるように構成しているが、これに限らず、例えば図18に示すように、操作レバー10を「上方向」へ傾動操作すると「MAXベット」と「スタート」とが行われると共に、操作レバー10を「下方向」へ傾動操作すると「スタート単独」動作が行われるように構成することもできる。すなわち、スタートセンサ60をMAXベットセンサ70の下方に配置し、遮光板81の形状を、上記した実施形態のものとは上下反転した形状としたものである。なお、この場合であっても、操作レバー10を「前方向」へ引出操作すると「MAXベット単独」動作が行われる。
【0100】
(変形例6)
第一の実施形態のスタートレバーユニット1では、図11(A)に示すように、操作レバー10の原点位置における中心軸上にセンサユニット50を配置し、中心軸を挟んでMAXベットセンサ70とスタートセンサ60を配置しているが、これに限らず、例えば図19に示すように、操作レバー10の原点位置における中心軸から外れた位置にセンサユニット50を配置し、MAXベットセンサ70とスタートセンサ60の双方が操作レバー10の原点位置における中心軸から離れた位置に配置されるようにしても良い。つまり、上記した実施形態のスタートレバーユニット1では、当該ユニットの設置スペースに制限がある場合、操作レバー10の原点位置における中心線を挟んで配置することで、できるだけコンパクトな構成としているが、同図のように、操作レバー10の中心線の近傍であって、操作レバー10の原点位置における中心線から外れた位置に、MAXベットセンサ70及びスタートセンサ60を配置しても良い。もちろん、当該ユニットの設置スペースの制限がなければ、ユニットサイズが大きくなる構成を採用したり、ユニット化することなく各部材を別々に操作パネルに取り付けても良い。
【0101】
(変形例7)
第一の実施形態のスタートレバーユニット1では、図11(A)に示すように、操作レバー10が原点位置にあるとき、MAXベットセンサ70及びスタートセンサ60の検知部71,61に遮光板81の被検知部84,85が位置するよう構成しているが、これに限らず、例えば図20(A)に示すように、操作レバー10が原点位置にあるとき、遮光板81がMAXベットセンサ70及びスタートセンサ60の検知部71,61を遮らない(換言すれば被検知部を開口部又は切り欠き部とする)ように構成しても良い。すなわち、操作レバー10が原点位置にあるときに、遮光板81(検知片の第一被検知部および第二被検知部)が第一センサ及び第二センサの検知部の検知範囲外に位置するように構成することもできる。あるいは図20(B)に示すように、MAXベットセンサ70又はスタートセンサ60のいずれか一方の検知部のみを遮光板81が遮る(換言すれば、被検知部のいずれか一方を遮光部とし、他方は開口部又は切り欠き部とする)よう構成しても良い。すなわち、操作レバー10が原点位置にあるときに、遮光板81の一部の被検知部(検知片の第一被検知部又は第二被検知部のいずれか一方)が第一センサ又は第二センサの検知部の検知範囲外に位置するように構成することもできる。
【0102】
また、上記した実施形態では、MAXベットセンサ70とスタートセンサ60の検知部71,61が前後方向にずれているが、これに限らず、遮光板81の形状や検知方法を工夫することで、図20(A)に示すように、MAXベットセンサ70とスタートセンサ60の検知部71,61を垂直方向に並べるように構成することも可能である。
(変形例8)
第一の実施形態のスタートレバーユニット1では、図11(A)に示すように、センサユニット50をスタートレバーユニット1に組付けた場合、MAXベットセンサ70の検知部71よりもスタートセンサ60の検知部61が上方に位置し、操作レバー10の軸心を挟んでMAXベットセンサ70の検知部71とスタートセンサ60の検知部61とが上下に位置している。この様に、MAXベットセンサ70とスタートセンサ60の検知部71,61が操作レバー10の軸心に対して上下方向に位置がずれるよう配設する以外にも、図21(A)に示すように、MAXベットセンサ70とスタートセンサ60の検知部71,61を上下方向に同じ高さで(特に、操作レバー10の軸心上に前後に並べて)設けることもでき、より一層スタートレバーユニット1をコンパクトに形成することが可能となる。この場合、MAXベットセンサ70とスタートセンサ60の検知部71,61は、図21(B)に示すように、スタートセンサ60の検知部61の受発光素子61A,61BがMAXベットセンサ70の検知部71の受発光素子71A,71Bの脚部の内側に位置するように配置させれば良い。なお、このように形成する場合には、MAXベットセンサ70の検知部71やスタートセンサ60の検知部61のセンサ回路基板56に対する取付位置の変更に伴って、これらセンサを覆うユニットケース51の前カバー52(第一膨出部54・第二膨出部55の形状やスリットの位置)も併せて変更しておく必要がある。
【0103】
(第二の実施の形態)
第二の実施の形態は、遊技機用スイッチ装置としてのスタートレバーユニット1が、演出選択スイッチとしても機能するようにしたスロットマシンSである。
ここで、第二の実施の形態に係るスロットマシンSの基本的構成及びスイッチユニット1の機構的構成は、第一の実施の形態(変形例も含む)において述べたものと同様であるので記載を省略し、本実施形態の特徴点のみ説明する。
第二の実施の形態におけるスロットマシンSは、特に図示しないが、前扉3の操作スイッチ部4に、シングルベットボタン及びMAXベットボタンからなるベットボタンが設けられている。各ベットボタンには、シングルベットスイッチ4BS及びMAXベットスイッチ4BMが設けられている(図23)。
【0104】
また、第二の実施の形態におけるスロットマシンSのスタートレバーユニット1においては、図23に示すように、スタートスイッチ4Cと、演出の有無を遊技者に選択可能とするための演出選択スイッチ4Fが配置される。そして、スタートスイッチ4Cはメイン制御基板7Aの入力側、演出選択スイッチ4Fはサブ制御基板7Bの入力側に、それぞれセンサ回路基板56を介して接続されている。すなわち、スタートレバーユニット1には、第一の実施の形態における「MAXベットセンサ」の代わりに、サブ制御基板7Bへ所定の演出開始信号を出力可能に接続される「演出用センサ」を設けておく。「演出用センサ」は、検知部が遮光板81の移動を検知することにより、サブ制御装置7Bに「演出開始信号」を出力する(ONとなる)。なお、「演出開始信号」の出力態様に関しては、第一の実施の形態の「MAXベット信号」と同様である。
【0105】
ここで、サブ制御基板7Bは、メイン制御基板7Aからの当選フラグ成立情報に基づき、所定の報知演出(当選予告、当選告知を含む)を実行可能に形成されている。具体的には、サブ制御基板7Bは、特に図示しないが、演出装置9に表示させるための複数の演出データ(画像表示・効果音変化・ランプ点灯に関するパターンデータ)を記憶しており、前記演出開始信号によって、当選報知演出の実行の有無を決定するとともに、演出抽選の結果や当選フラグの種類に応じて演出データを選択し、選択した演出データに基づく表示を演出装置9に行わせることができるようになっている。
例えば、スタートレバーユニット1の構成が図2に示すものである場合、スタートセンサ60が演出用センサの上側に位置し、操作レバー10が「下方向」へ傾動操作されると、演出開始信号が変化した後にスタート信号が変化することになり、操作レバー10が「上方向」へ傾動操作されると、演出開始信号が変化することなくスタート信号のみが変化する。一方、演出開始信号の変化を受信したサブ制御基板7Bでは、当選フラグに応じた演出を実行させる。この様な構成にすることにより、予告演出(告知演出)を伴った遊技を楽しみたい場合には、「下方向」へ遊技開始操作を行い、予告演出(告知演出)のない遊技を楽しみたい場合には、「上方向」へ遊技開始操作を行い、遊技者が自身の好みに応じて選択することができる。
【0106】
なお、上記の場合、操作レバー10を「前方向」へ操作した場合には、遊技が開始されることなく、予告演出のみが実行されるが、前方向又は奥方向へ操作しても予告演出が行われないようにすることも可能である。また、図2において「演出用センサ」とスタートセンサ60の位置を入れ替えて、操作レバー10が「下方向」へ傾動操作されるとスタート信号が変化した後に演出開始信号が変化するようにしても良い。
さらに、演出選択スイッチ4Fは、演出の有無の選択だけでなく、実行演出の種類を選択可能に形成しても良い。例えば、操作レバー10が「下方向」へ傾動操作されて、演出選択スイッチ4F、スタートスイッチ4CがONとなり、回転リール5Aが回転開始するとともに、サブ制御基板7Bにおいて演出抽選により決定された所定の映像、音声によって、遊技に付随する演出が実行されるものとする。この場合、回転リール5Aの回転中に操作レバー10を「前方向」へ操作することにより「演出用センサ」から出力される演出信号が変化し、実行中の演出を他のパターン(例えば画像表示部9Bの画面に登場するキャラクターやBGMの種類、出力音声の音量、音質、音色等が異なる演出)に変化させるように形成することができる。このように形成した場合には、スタート後に開始された演出のパターンが気に入らない場合には、遊技者の好みで、演出態様を変えることができるものとなる。また、演出選択用のスイッチを別途設ける必要がない。
【0107】
以上、遊技機用スイッチ装置としてスタートレバーユニットを例に、本発明の実施の形態を説明したが、遊技機用スイッチ装置はスタートレバーユニットに限られず、演出画像情報(例えばキャラクタ画像や背景画像)、演出用音声情報(例えばBGMや操作音)など、各種演出情報を選択操作するための演出情報選択用レバーユニットや、例えば機種説明や遊技方法の説明、図柄配列、出玉履歴やサブゲームの結果履歴など、各種遊技情報を選択操作するための遊技情報選択用レバーユニットであっても良い。また、遊技機としてスロットマシンを例に、本発明の実施の形態を説明したが、本願発明は、スロットマシン以外の遊技機に応用することも可能である。
【0108】
(実施形態に記載された用語と請求項記載の用語との対応関係)
スタートレバーユニット1が請求項1又は請求項9に記載の遊技機用スイッチ装置に対応し、揺動軸部材23が請求項1又は請求項9に記載の支持部に対応し、遮光板81が請求項1又は請求項9に記載の検知片に対応し、コイルバネ31と筒部材32と抜止リング34と平座金33を備える原点復帰機構30が請求項1又は請求項9に記載の原点復帰機構に対応する。
また、MAXベットセンサ70と演出用センサが請求項1又は請求項9に記載の第一センサに対応し、スタートセンサ60が請求項1又は請求項9に記載の第二センサに対応し、MAXベットセンサ70とスタートセンサ60と演出用センサが請求項1又は請求項9に記載の検知センサに対応し、MAXベット信号と演出開始信号が請求項1又は請求項9に記載の第一の検知信号に対応し、スタート信号が請求項1又は請求項9に記載の第二の検知信号に対応し、下方向が請求項1又は請求項9に記載の第一操作方向に対応し、上方向が請求項1又は請求項9に記載の第二操作方向に対応し、前方向が請求項1又は請求項9に記載の第三操作方向に対応する。
【0109】
また、MAXベット被検知部85が請求項3に記載の第一被検知部に対応し、スタート被検知部84が請求項3に記載の第二被検知部に対応する。レバー軸ホルダ20は、請求項8に記載の前方ケースに対応し、レバー軸ケース40は、請求項8に記載の後方ケースに対応し、発光表示部91は請求項8に記載の発光部に対応する。また、センサ信号処理回路は請求項13の信号変換回路に対応する。
そして、スロットマシンSが請求項9に記載の遊技機に対応し、ベット処理と予告(告知)演出処理が請求項9に記載の第一の遊技処理に対応し、スタート処理が請求項9に記載の第二の遊技処理に対応し、メイン制御基板7Aとサブ制御基板7Bが請求項9に記載の制御手段に対応する。
【符号の説明】
【0110】
S スロットマシン 1 スタートレバーユニット
3 前扉 3B 操作パネル
4B ベットボタン 4BS シングルベットスイッチ
4BM MAXベットスイッチ 4C スタートスイッチ
4D ストップスイッチ 4F 演出選択スイッチ
5 リールユニット 5A 回転リール
6 ホッパーユニット 7 制御装置
7A メイン制御基板 7B サブ制御基板
8 図柄表示窓 9 演出装置
10 操作レバー 11 レバー軸
12 操作部 13 スリーブ
20 レバー軸ホルダ 21 ホルダ本体
22 フランジ部 23 揺動軸部材
30 原点復帰機構 31 コイルバネ
40 レバー軸ケース 41 ケースキャップ
42 上部貫通孔 43 下部貫通孔
50 センサユニット 51 ユニットケース
56 センサ回路基板 57 スタートLED
58 MAXベットLED
60 スタートセンサ 61 検知部
61A 発光素子 61B 受光素子
70 MAXベットセンサ 71 検知部
71A 発光素子 72B 受光素子
80 遮光部材 81 遮光板
84 スタート被検知部 85 MAXベット被検知部
90 導光板 91 発光表示部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバー軸と、
レバー軸の一方の端部に設けられ遊技機の表面から露出する操作部と、
前記操作部よりも遊技機の奥側に設けられ前記レバー軸を移動自在に支持する支持部と、
前記支持部よりも遊技機の奥側に設けられる検知片と、
前記検知片の移動を検知して検知信号を出力する検知センサと、
前記レバー軸を原点位置に保持する原点復帰機構と、を少なくとも有する遊技機用スイッチ装置において、
前記検知センサとして、第一の検知信号を出力する第一センサと、前記第一の検知信号とは異なる第二の検知信号を出力する第二センサとを設け、
前記操作部は、前記検知片の移動が前記第一センサ及び前記第二センサによって順次検知され前記第一の検知信号及び第二の検知信号が順次出力される第一操作方向、前記検知片の移動が前記第二センサのみによって検知され前記第二の検知信号のみが出力される第二操作方向、及び前記検知片の移動が前記第一センサのみによって検知され前記第一の検知信号のみが出力される第三操作方向に移動可能に形成されており、前記操作部の操作方向によって、前記検知センサから出力される検知信号の種類を選択可能としたことを特徴とする遊技機用スイッチ装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記レバー軸が前記支持部を支点としていずれかの複数方向に傾動する操作方向、及び、前記レバー軸が前記支持部に支持された状態で前記レバー軸の軸方向に移動する操作方向のうち、異なる三つの方向に操作可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機用スイッチ装置。
【請求項3】
前記第一センサ及び第二センサの各検知部は、レバー軸の軸中心線の延長線上又はその近傍に互いに近接して配置されており、
前記検知片は、前記第一センサの検知部により検知される第一被検知部と、前記第二センサの検知部により検知される第二被検知部とを備え、
前記第一被検知部及び第二被検知部は、前記レバー軸が原点位置にある状態で、前記第一センサ及び第二センサの各検知部の近傍に位置していることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機用スイッチ装置。
【請求項4】
前記第一センサ及び第二センサは、前記第一操作方向に対応する検知片の移動方向とは異なる方向に所定の間隔をあけて、各検知部が位置するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記検知片は、前記第一センサの検知部により検知される第一被検知部と、前記第二センサの検知部により検知される第二被検知部とを備え、
前記第一被検知部及び第二被検知部は、前記レバー軸が原点位置にある状態で、前記第一センサ及び第二センサの各検知部の検知範囲外に位置し、前記操作部が前記各操作方向に操作された場合には、各操作方向に応じて、前記各センサの検知部の検知範囲内に移動するように形成され、
前記検知片は、前記操作部が第一操作方向に操作された場合には、第一センサの検知部、第二センサの検知部、の順で前記各被検知部が検知され、第二操作方向に操作された場合には第二センサの検知部のみが前記第二被検知部を検知し、第三操作方向に操作された場合には第一センサの検知部のみが前記第一被検知部を検知することを可能とする形状に形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の遊技機用スイッチ装置。
【請求項6】
前記検知片は、前記第一センサの検知部により検知される第一被検知部と、前記第二センサの検知部により検知される第二被検知部とを備え、
前記第一被検知部及び第二被検知部は、前記レバー軸が原点位置にある状態で、前記第一センサ及び第二センサの各検知部の検知範囲内に位置し、前記操作部が前記各操作方向に操作された場合には、各操作方向に応じて、前記各センサの検知部の検知範囲外の位置に移動するように形成され、
前記検知片は、前記操作部が第一操作方向に操作された場合には、第一センサの検知部、第二センサの検知部、の順で前記各被検知部が検知され、第二操作方向に操作された場合には第二センサの検知部のみが前記第二被検知部を検知し、第三操作方向に操作された場合には第一センサの検知部のみが前記第一被検知部を検知することを可能とする形状に形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の遊技機用スイッチ装置。
【請求項7】
前記レバー軸は軸方向が水平となるよう配置されるものであり、
前記操作部は、前記第一操作方向として上方向又は下方向、前記第二操作方向として下方向又は上方向、前記第三操作方向として軸方向前方に移動可能に形成されており、
前記第一センサと前記第二センサの検知部は、対向配置される受光部及び発光部から構成されているとともに、前記レバー軸の軸中心線の延長線の上下にそれぞれ位置し、かつ第一センサの検知部は前記第二センサの検知部より後方にずれて配置され、
前記検知片は、前記レバー軸が原点位置にある状態で、前記各センサの受光部及び発光部の間に位置しているとともに、前記第二センサの検知部から前記検知片の第二被検知部の下端までの距離よりも前記第一センサの検知部から前記検知片の第一被検知部の下端までの距離が短く、前記第二センサの検知部から前記第二被検知部の上端までの距離よりも前記第一センサの検知部から前記第一被検知部の上端までの距離が長く、前記第二センサの検知部から前記第二被検知部の後端までの距離よりも前記第一センサの検知部から前記第一被検知部の後端部までの距離が短くなるような形状に形成されていることを特徴とする請求項6記載の遊技機用スイッチ装置。
【請求項8】
前記レバー軸の少なくとも支持部より後方を収納する後方ケースと、前記レバー軸の少なくとも支持部より前方を収納しその前面が遊技機の正面に露出する前方ケースとを備え、
前記後方ケースの後方には、発光源が設けられるとともに、前記各センサの検知部と前記検知片が配置され、前記後方ケースの上部には、前記発光源の照射光を遊技機表面に配置された発光部に誘導する導光部材が収納され、
前記発光源として、二個のLEDを備え、
前記発光部は、前記前方ケースの前面に単一の部材として設けられ、
前記導光部材は、前記二個のLEDと前記単一の発光部との間に配置されるとともに、背面側から前記二個のLEDの照射光を受入可能であり正面側から前記発光部に照射光を射出可能な構造を有していることを特徴とする請求項7記載の遊技機用スイッチ装置。
【請求項9】
レバー軸と、レバー軸の一方の端部に設けられ遊技機の表面から露出する操作部と、前記レバー軸の操作部と対向側の端部に設けられる検知片と、前記操作部と前記検知片の間に位置し前記レバー軸を移動自在に支持する支持部と、前記操作部の操作に基づく前記検知片の移動を検知して検知信号を出力する検知センサと、前記レバー軸を原点位置に保持する原点復帰機構と、を少なくとも有する遊技機用スイッチ装置を備え、
遊技機用スイッチ装置の検知センサからの検知信号に基づいて所定の遊技処理を実行可能な制御手段を備える遊技機において、
前記検知センサとして、第一の検知信号を出力する第一センサと、前記第一の検知信号とは異なる第二の検知信号を出力する第二センサとを備え、前記操作部は、前記検知片の移動が前記第一センサ、前記第二センサの順に検知され前記第一の検知信号の次に前記第二の検知信号が出力される第一操作方向、前記検知片の移動が前記第二センサのみによって検知され前記第二の検知信号のみが出力される第二操作方向、及び前記検知片の移動が前記第一センサのみによって検知され前記第一の検知信号のみが出力される第三操作方向に移動可能に形成されており、前記操作部の操作方向によって、前記検知センサから出力される検知信号の種類を選択可能に形成され、
前記制御手段は、前記第一センサからの検知信号に基づいて第一の遊技処理を開始し、前記第二センサからの検知信号に基づいて第二の遊技処理を開始するように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第一の遊技処理及び第二の遊技処理を、各遊技処理に対応する前記検知センサからの検知信号のみに基づいて開始するものであり、
一の検知センサからの検知信号を入力した場合には、他の検知センサからの検知信号の如何にかかわらず、前記遊技処理を開始することを特徴とする請求項9記載の遊技機。
【請求項11】
遊技媒体投入口から所定の規定数の遊技媒体を投入することにより遊技が開始可能となり、前記規定数を超えて投入した遊技媒体をクレジットとして遊技機内部に貯留可能な遊技機であって、
前記制御手段は、前記第一の検知信号を入力したときには、前記第一の遊技処理として、前記クレジットを規定数以内の投入遊技媒体に代えるベット処理を開始し、前記第二の検知信号を入力したときには、前記第二の遊技処理として、遊技を開始させるためのスタート処理を開始し、
前記操作部が前記第一操作方向に操作された場合には、前記ベット処理の次に前記スタート処理が開始され、
前記操作部が前記第二操作方向に操作された場合には、前記スタート処理が開始され、
前記操作部が第三操作方向に操作された場合には、前記ベット処理が開始されることを特徴とする請求項9又は10記載の遊技機。
【請求項12】
前記制御手段は、前記第一の検知信号を入力したときには、前記第一の遊技処理として、前記クレジットを最大規定数の投入遊技媒体に代えるためのMAXベット処理を開始することを特徴とする請求項11記載の遊技機。
【請求項13】
前記第一及び第二の各検知信号を入力して、遊技機の制御手段に前記各検知信号に基づく信号を個別に出力するセンサ回路基板を備え、
前記センサ回路基板は、前記各センサの検知信号に基づく信号が同時に出力されないための信号変換回路を備えていることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−70851(P2012−70851A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216976(P2010−216976)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(390026620)山佐株式会社 (108)
【Fターム(参考)】