説明

遊技機

【課題】羽根物と呼ばれるパチンコ遊技機でも、デジパチの確変状態のような特別遊技状態の発生確率の高い状態を設定できるようにする。
【解決手段】変動入賞装置13が第1及び第2始動入賞口14,15,16に遊技球が入賞することに基づき一時的に開放した際に、この遊技球が変動入賞装置13内部の特定領域を通過すると特別遊技状態が発生する。前記第1始動入賞口14,15への遊技球の入賞を契機として、変動入賞装置13が一時的に開放状態となる際の開放時間を複数の開放時間の中から抽選により決定する。遊技者に有利となる長い開放時間の当選確率に高確率と低確率とを設定する。発射された遊技球に基づく所定条件が成立した場合に、発射された遊技球に基づく終了条件が満たされるまで、前記当選確率を高確率とし、特別遊技状態が発生し易い状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機、プログラム及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、開閉部材(羽根)の開閉により遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉塞状態との間で変動するとともに、入賞した遊技球が流下可能な内部に特定領域と一般領域とを備え、入賞した遊技球が特定領域および一般領域のいずれかを必ず通過するように構成された変動入賞装置と、遊技球が入賞することに基づいて前記変動入賞装置を閉塞状態から一時的に開放状態する契機を付与する始動入賞口とを備えた所謂羽根物と呼ばれるパチンコ遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなパチンコ遊技機では、始動入賞口に遊技球が入賞することにより、変動入賞装置が一時的に開放状態となった際に変動入賞装置へ入賞した遊技球が特定領域を通過すると当たりとなって、例えば、変動入賞装置の開閉部材を複数回開閉する1ラウンドの遊技を所定のラウンド数まで行う特別遊技状態を発生するようになっている。
【0004】
また、一般的に始動入賞口は、遊技球が打ち込まれる遊技領域の下部に左右に3つ並んで形成されている。そして、3つの始動入賞口において、左右の第1始動入賞口に遊技球が入賞することにより変動入賞装置が開放する際の開放時間よりも、中央の第2始動入賞口に遊技機が入賞することにより変動入賞装置が開放する際の開放時間の方が長く(例えば、第1始動入賞口の場合の倍となる時間)設定されている。
なお、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動入賞装置が開放される際の開放時間を長くする場合には、連続的に開放状態として開放時間を長くしてもよいし、開放回数を増やすことにより開放時間を長くしてもよい。
【0005】
一方、パチンコ遊技機としては、デジパチと呼ばれるものが知られており、デジパチでは、遊技球が入賞し易い開放状態と遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変動する特別変動入賞装置(アタッカー)と、変動表示ゲームを表示する可変表示装置を備え、変動表示ゲームが当たりとなった場合に、特別変動入賞装置を比較的長い時間連続的に開放状態とする1ラウンドの遊技を所定のラウンド数まで行う特別遊技状態を発生するようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開平2001−340577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の羽根物では、特別遊技状態となる確率は、基本的に始動入賞口への入賞率と、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて開閉状態となった際の変動入賞装置の入賞率と、変動入賞装置に遊技球が入賞した際の特定領域への遊技球の通過率で決定される。
したがって、遊技中における特別遊技状態の発生率は、ほぼ一定の状態となっている。
【0008】
それに対して、デジパチでは、変動表示ゲームで当たりとなる確率を低い状態とした低確率状態と、低確率状態より当たりとなる確率を高くした高確率状態(所謂確変状態)とがあり、特別遊技状態となる確率が遊技状態によって異なるようになっており、高確率状態では、特別遊技状態が連続的に発生しやすくなっている。
【0009】
そして、一般的に、遊技者が勝った場合に獲得する遊技球数は、羽根物よりもデジパチの方が多いものとなっていた。
したがって、普段デジパチを遊技する遊技者が羽根物を遊技した場合に、連続的に特別遊技状態が発生する可能性が低いことを不満に思っており、羽根物での遊技を敬遠する場合が多いという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、遊技者に有利な特別遊技状態の発生率が始動入賞口への入賞率と、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて開閉状態となった際の変動入賞装置の入賞率と、変動入賞装置に遊技球が入賞した際の特定領域への遊技球の通過率で決定される場合でも、特別遊技状態の発生率が高い場合と低い場合とを設定できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、遊技盤上に設けられ、発射された遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変動可能で、入賞した遊技球が流下可能な内部に特定領域と一般領域とを備え、前記遊技球が特定領域と一般領域とのいずれか一方を通過するように構成された変動入賞装置と、
遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置を閉塞状態から一時的に開放状態とする契機を付与する始動入賞口と、
前記始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備えた遊技機において、
前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機として、当該始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置が一時的に開放状態となる際の開放時間および開放回数の少なくとも一方を含む開放条件を、予め設定された複数の異なる開放条件から抽選により1つ選択して決定する開放条件決定手段と、
発射された遊技球に基づく所定条件が成立した場合に、発射された遊技球に基づく終了条件が満たされるまで、前記開放条件決定手段によって複数の開放条件のうちの他の開放条件に対して少なくとも開放時間が長いかもしくは開放回数が多いことにより遊技者に有利となる開放条件が抽選により選択される確率を、前記終了条件が満たされてから前記所定条件が成立するまでの低確率より高い高確率とする抽選確率制御手段と、
前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて、前記変動入賞装置を前記開放条件決定手段により決定された開放条件に基づいて開放状態とする変動入賞装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて変動入賞装置が開放状態となる開放時間および開放回数の少なくとも一方を含む開放条件を抽選で選択して決定するとともに、遊技者に有利な開放条件(他の開放条件より開放時間が長いか、開放回数が多いか、その両方)が選択される確率を高めた高確率状態を発生させることができ、高確率状態においては、遊技者に有利な特別遊技状態が発生する可能性が高くなり、特別遊技状態が連続的に発生する確率も高くなる。
【0013】
これにより、特別遊技状態が連続的に発生する可能性が少ないことを不満に思う遊技者の不満を解消し、始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機(所謂羽根物)を遊技する遊技者を増やすことができる。
【0014】
なお、変動入賞装置の複数の開放条件を設定する際には、始動入賞口への1回の遊技球の入賞に対応する変動入賞装置の開放を1回として1回の開放における開放時間を変えるものとしてもよいし、始動入賞口への1回の遊技球の入賞に対応する変動入賞装置の開放時間を所定の同じ開放時間に統一し開放回数を変えてもよいし、開放時間と開放回数との両方を変えてもよい。
【0015】
また、遊技者に有利な開放条件が選択される確率を高くすることにより、変動入賞装置の入賞率が高くなるが、基本的には遊技者に不利な開放条件では変動入賞装置に遊技球が1個も入賞しない可能性が高く、それよりも開放条件を良くする(開放時間を長くするか開放回数を増やすか、それら両方を行う)ことにより、変動入賞装置への遊技球の入賞率が高まるとともに、複数個の遊技球が連続的に入賞する可能性も高まり、これによって、入賞した遊技球が特定領域を通過して特別遊技状態が発生する確率も高まることになる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遊技機において、
前記始動入賞口が複数設けられ、
前記開放条件決定手段は、前記複数の始動入賞口のうちの一部となる第1始動入賞口に遊技球が入賞した場合にだけ開放条件の抽選を行って複数の開放条件から1つの開放条件を選択して決定し、前記複数の始動入賞口のうちの第1始動入賞口を除く第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合に第2始動入賞口に対応して予め1つだけ設定された開放条件を選択して決定し、
前記抽選確率制御手段は、前記第1始動入賞口に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過することにより発生した特別遊技状態が終了することを前記所定条件とし、
前記第2始動入賞口に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過することにより特別遊技状態が発生することを前記終了条件とすることを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、背景技術で述べたような複数の始動入賞口を設けるものとした場合に、例えば、元々遊技球が入賞した場合の変動入賞装置の開放時間が長い(開放回数が多い)第2始動口への遊技球の入賞においては、開放条件の抽選を行わず、元々の変動入賞装置の開放時間が短い(開放回数が少ない)第1始動口において抽選を行い、当選した場合に開放時間を長くしたり、開放回数を多くしたりすることで、開放条件の違いを明確にすることができる。
【0018】
また、遊技者に有利な開放条件が抽選される確率を高確率とする期間が特別遊技状態が終了してから次の特別遊技状態が発生するまでとなるので、遊技者は次の特別遊技状態が発生するまで高確率状態で安心して遊技を続行することができる。
また、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて特別遊技状態が発生することが繰り返されている間は、次の特別遊技状態が発生してもその終了後再び高確率状態となるので、特別遊技状態を3回以上に渡って連続的に発生させる可能性も高くなり、出玉が少ないと思われている羽根物に対する遊技者の不満を十分に解消することができる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の遊技機において、
記変動入賞装置の内部を流下する遊技球の一部を検知する高確率発生用通過センサを設け、
前記抽選確率制御手段は、前記始動入賞口に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が上記高確率発生用通過センサに検出されるとともに特定領域を通過することにより発生した特別遊技状態が終了することを前記所定条件とし、
前記始動入賞口に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が上記高確率発生用通過センサに検出されることなく特定領域を通過することにより特別遊技状態が発生することを前記終了条件とすることを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、変動入賞装置において遊技球が特定領域を通過する際に、前記高確率発生用通過センサに遊技球が検知されるか否かで遊技者に有利な開放条件が抽選される確率が高確率になるか低確率なるかが決定されるので遊技者は、変動入賞装置内の遊技球の流下態様に興趣を持つことになる。
【0021】
基本的に、変動入賞装置内の遊技球の流下態様によって、特別遊技状態が発生するか否かが決定されるので、従来から羽根物としてのパチンコ遊技機においては、遊技球を一般領域と特定領域とのいずかに振分ける振分け部材などを工夫することにより、遊技者の興趣を高めるようにしてきたが、本発明では、変動入賞装置内の遊技球の流下態様により特別遊技状態の発生だけではなく、上述の高確率状態の発生も決定されるので、さらに遊技者の興趣を高めることができる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記抽選確率制御手段は、前記始動入賞口に所定期間内に複数の遊技球が連続的に入賞することを前記所定条件とすることを特徴とする。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、従来、始動入賞口に遊技球が入賞してから変動入賞装置が開放した後に閉塞するまでの間、もしくは、変動入賞装置が開放している間に入賞した遊技球が特定領域もしくは一般領域を通過して排出されるまでの間に、次の遊技球が連続的に始動入賞口に入賞した場合には、その遊技球が無効とされ、その遊技球の入賞に基づいて変動入賞装置が開放しないようになっていることを遊技者が不満に思っていたが、その不満を解消することができる。
【0024】
すなわち、連続的に始動入賞口に遊技球が入賞することにより、二番目以降に入賞した遊技球の入賞による変動入賞装置の開放が無効とされても、指導入賞口に遊技球が入賞することにより、遊技者に有利な開放条件が抽選される確率が高確率状態となることで遊技者が満足することになる。
なお、ここでの所定期間とは、例えば、始動入賞口に連続的に遊技球が入賞した場合に、最初の遊技球が入賞してから次の遊技球が入賞しても変動入賞装置が開放しない期間である。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記抽選確率制御手段は、前記所定条件が成立してからの前記始動入賞口への遊技球の入賞の回数が予め設定された所定数に達することを前記終了条件とすることを特徴とする。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、特別遊技状態が発生する前に高確率状態が終了する可能性があり、遊技者に緊張感やスリルを与えることができる。
なお、この場合に、入賞の回数が所定数に達する前に特別遊技状態が発生した場合に、そこで高確率状態を終了してもよいし、特別遊技状態が終了した後に残った回数だけ高確率状態を続行するものとしてもよい。
【0027】
請求項6記載の発明は、遊技盤上に設けられ、発射された遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変動可能で、入賞した遊技球が流下可能な内部に特定領域と一般領域とを備え、前記遊技球が特定領域と一般領域とのいずれか一方を通過するように構成された変動入賞装置と、
遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置を閉塞状態から一時的に開放状態とする契機を付与する始動入賞口と、
前記始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備えた遊技機における遊技球の移動を表示画面上に模擬的に再現するとともに遊技球の入賞口への入賞を判定し、遊技球の発射と入賞とに対応して遊技者の獲得遊技球数を算出して遊技をシミュレーションするプログラムであって、
前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機として、当該始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置が一時的に開放状態となる際の開放時間および開放回数の少なくとも一方を含む開放条件を、予め設定された複数の異なる開放条件から抽選により1つ選択して決定する開放条件決定手段と、
発射された遊技球に基づく所定条件が成立した場合に、発射された遊技球に基づく終了条件が満たされるまで、前記開放条件決定手段によって複数の開放条件のうちの他の開放条件に対して少なくとも開放時間が長いかもしくは開放回数が多いことにより遊技者に有利となる開放条件が抽選により選択される確率を、前記終了条件が満たされてから前記所定条件が成立するまでの低確率より高い高確率とする抽選確率制御手段と、
前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて、前記変動入賞装置を前記開放条件決定手段により決定された開放条件に基づいて開放状態とする変動入賞装置制御手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、遊技機のビデオゲーム等のシミュレーションにおいて、請求項1記載の発明と同様の効果を奏することができる。なお、ここでのコンピュータには、CPUやRAM、ROM等のメモリを備え、プログラムに基づいてゲームを実行する所謂ビデオゲーム機、携帯型ゲーム機、アーケードゲーム機等のゲーム機も含まれる。
また、請求項6記載のプログラムに、請求項2〜5の何れかに記載の構成を模擬的に再現する機能を付加しても良い。
【0029】
請求項7記載の発明は、
請求項6記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0030】
請求項7記載の発明においては、請求項6記載の発明と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の遊技機、遊技機、プログラム及び記録媒体よれば、遊技者に有利な特別遊技状態の発生率が始動入賞口への入賞率と、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて開閉状態となった際の変動入賞装置の入賞率と、変動入賞装置に遊技球が入賞した際の特定領域への遊技球の通過率で決定される場合でも、特別遊技状態の発生率が高い場合と低い場合とを設定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して、遊技機設置営業店等の場所に設置され、遊技媒体(例えば、遊技球やメダル等)の供給に基づいて遊技者に遊技を行わせる遊技機(例えば、弾球遊技機としてのパチンコ遊技機)の構成及び動作について説明する。
【0033】
パチンコ遊技機1は、周知の所謂羽根物としての基本構成を有するもので、図1に示すように、矩形枠状で島設備に取り付けられる機枠2と、機枠2に扉状に開閉自在に取り付けられ、遊技盤3が収容される収容部4を備えた前面枠5と、前面枠5の前側に扉状に開閉自在に取り付けられたガラス枠6とを備えている。
【0034】
ガラス枠6には、遊技盤3の後述の遊技領域7を視認可能とするように開閉自在に透明板8(二重ガラス)が嵌め込まれている。また、前面枠5のガラス枠6より下側には前面ボード9が備えられ、前面ボード9には、遊技球を貯留するとともに発射装置に供給する受皿10と、回転式操作ハンドル11が備えられている。
【0035】
そして、遊技盤3の前面のガイドレール12等で囲まれた部分に遊技領域7が形成されている。
遊技盤3の盤面の遊技領域7内には、その中央部の僅かに上側に変動入賞装置13が備えられ、この変動入賞装置13の下方には、後述のように変動入賞装置13を一時的に開放状態とする左右二つの第1始動入賞口14,15と、これら左右の第1始動入賞口14,15の間に配置された第2始動入賞口16とが備えられている。
【0036】
また、第1始動入賞口14,15よりそれぞれ外側で、第1始動入賞口14,15と変動入賞装置13との間となる高さ位置には、左右に一般入賞口17,17が備えられている。また、変動入賞装置13の下方の遊技領域7の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域7外部となる遊技盤3裏面に排出させるアウト口18が設けられている。
また、遊技盤3の前面には、図示しないが、遊技球の流下方向を規制するととも流下方向を転換する遊技釘や風車等の流下規制転換部材が複数設けられている。
【0037】
前記変動入賞装置13は、その内部に入賞空間を形成するために入賞空間の周囲の遊技領域7と、入賞空間とを隔離するように形成された周囲壁部材21と、この周囲壁部材21の上端部に形成された変動入賞部22(電動役物)と、入賞空間内に形成された図示しない特定領域(V入賞領域)と、一般領域となる一般流出口23と、後述のように変動入賞部22から入賞空間に入賞(流入)した遊技球を一般領域と特定領域とのいずれかに振分ける振分部材としての回転体24とを有する。
【0038】
前記変動入賞部22は、図2に示すように、左右二つの羽根部材31,31を備え、これら羽根部材31,31の間には、入賞空間に連通する入賞口が備えられている。そして、左右の羽根部材31は、ほぼ直立して前記入賞口に遊技球が入賞できないように閉じた閉塞状態と、左右にそれぞれ斜めに開いて遊技球を前記入賞口に入賞可能とするとともに、左右に斜めに開くことで遊技球を入賞口側に誘導する開放状態との間で変動可能となっている。なお、図2において、仮想線で図示された変動入賞部22の閉塞状態において、羽根部材31,31には1個の遊技球が流下可能な程度の間隔があいているが、例えば、変動入賞部22の直上に前記遊技釘を配置するなどして、閉塞状態では遊技球が変動入賞部22に入賞しないようになっている。
【0039】
したがって、変動入賞部22を備えた変動入賞装置13は、遊技盤3上に設けられ、発射された遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変動可能となっている。
【0040】
また、変動入賞部22の入賞部には、入賞球カウントセンサ41が設けられ、変動入賞部22の入賞口から入賞空間に入賞(流入)する遊技球を検知して検知信号を後述の主制御装置71に出力するようになっている。
また、変動入賞部22の羽根部材31には、図3のブロック図に示すように、羽根部材31,31を閉じた状態と開いた状態との間で駆動する駆動源としてのソレノイド51が接続され、ソレノイド51は主制御装置71から出力される制御信号に基づいて羽根部材31,31を駆動する。
【0041】
ここで、変動入賞装置13の変動入賞部22の下側の周囲壁部材21内の構造を説明する前に、前記第1及び第2始動入賞口14,15,16等について説明する。
左右2つの第1始動入賞口14,15には、それぞれ、入賞する遊技球を検知する第1始動入賞球検知センサ42、43が備えられており、これら第1始動入賞球検知センサ42,43は後述の主制御装置71に接続されている。
【0042】
そして、第1始動入賞球検知センサ42,43が第1始動入賞口14,15への遊技球の入賞を検知して検知信号を主制御装置71に出力すると、主制御装置71は、入賞に対する遊技球(賞球)を払出す処理を行うとともに、上述のソレノイド51に制御信号を出力して一時的に変動入賞装置13(変動入賞部22)を通常は1回だけ開放状態とするように制御する。
【0043】
また、左右方向の中央の第2始動入賞口16には、入賞する遊技球を検知する第2始動入賞球検知センサ44が備えられており、第2始動入賞球検知センサ44は後述の主制御装置71に接続されている。
そして、第2始動入賞球検知センサ44が第2始動入賞口16への遊技球の入賞を検知して検知信号を主制御装置71に出力すると、主制御装置71は、入賞に対して遊技球(賞球)を払出すための処理(賞球信号の出力)を行うとともに、上述のソレノイド51に制御信号を出力して一時的に変動入賞装置13(変動入賞部22)を2回だけ開放状態とするように制御する。
【0044】
以上のことから、第1及び第2始動入賞口14,15,16は、遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置を閉塞状態から一時的に開放状態とする契機を付与するものである。また、この遊技機に、始動入賞口が複数設けられていることになる。
【0045】
また、前記一般入賞口17,17には、それぞれ一般入賞球検知センサ45が設けられ、この一般入賞球検知センサ45は、主制御装置71に接続され、一般入賞口17,17に遊技球が入賞して一般入賞球検知センサ45が遊技球を検知して検知信号を主制御装置71に出力すると主制御装置71が入賞に対して遊技球(賞球)を払出すための処理を行う。
【0046】
次に、前記変動入賞装置13の変動入賞部22より下側の構成を説明する。変動入賞部22の下側には、前記周囲壁部材21が変動入賞部22の左右幅より広い幅に渡り、かつ、上下に十分な間隔をあけて入賞空間を形成するように枠状に形成されており、変動入賞部22の入賞口以外から変動入賞装置13内部の入賞空間に遊技球が流入できないようになっている。
【0047】
また、前記変動入賞部22の入賞口から変動入賞装置13内に流入した遊技球は、図示しない流路内に流入するとともに、上述の入賞球カウントセンサ41を通過して周囲壁部材21のほぼ中央部の前記流路の導出口から振分部材としての回転体24上に導出されるようになっている。
【0048】
前記回転体24は、その上面が遊技盤の奥から前に向かって下り傾斜するように斜めとなっている。また、回転体24には、その外周部分に周方向に互いにほぼ等しい間隔をあけて3つの凹部25,26,27が形成されている。各凹部25,26,27は、回転体24の外周面側が後述のように遊技球を凹部25,26,27から流出可能に開放された状態とされるとともに、回転体24の上面側が遊技球を流入可能に開放されている。また、凹部25,26,27の回転体24の下面側も開放された状態となっており、後述のように凹部25だけは、遊技球を特定領域となる特定流出口に凹部の下面側から遊技球を導出可能となっている。
【0049】
また、各凹部25,26,27は、回転体24の周方向に沿った幅と半径方向に沿った長さとがそれぞれ遊技球の直径より僅かに長いものとされることにより、遊技球が流入可能でかつ後述のように回転中に遊技球を保持可能となっている。
また、3つの凹部25,26,27のうちの2つの凹部26,27は、その形状が略同様に形成されるが、残りの1つの凹部25は、他の凹部26,27より回転体24の半径方向に沿った長さが長くなっており、他の凹部26,27の1.4倍程度となっている。すなわち、二つの凹部26,27は、回転体24の半径方向に沿った長さが遊技球の直径の1.2倍程度なのに対して、1つの凹部は、1.7倍程度となっている。
【0050】
回転体24の周囲には、回転体24と中心を同じくし、かつ、回転体24との間に僅かに間隔をあけて回転体24の外側を囲むように、円状の内周壁28が形成されている。また、内周壁28も回転体24と同様に傾斜している。そして、この内周壁28には、最も下側となる部分に遊技球1個がぎりぎり通過可能な幅の切欠部281が形成されている。そして、内周壁28の外側で、前記切欠部281に臨む位置に前記一般領域となる一般流出口23が形成されている。
【0051】
また、内周壁28の外側には、回転体24と中心を同じくし、かつ、内周壁28との間に遊技球の直径より大きな間隔をあけて内周壁28を囲むように、外周壁29が形成されている。外周壁29も内周壁28と同様に回転体24と略同じ傾斜角で傾斜している。また、前記一般流出口23は、内周壁28と外周壁29との間に形成されているとともに、内周壁28と外周壁29との間は、後述の底板32により塞がれて遊技球が回転体24の外周面に沿った方向に移動可能な遊技球の流下通路となっている。
【0052】
また、回転体24、内周壁28および外周壁29の下側には、入賞空間の底部となる底板32が配置されており、外周壁29および内周壁28は、底板32上に立設されている。また、回転体24は、底板32を貫通する回転軸(図示略)が接続され、底板32上で底板32の上面に沿った状態で回転可能となっている。
【0053】
また、底板32の下側には、前記回転軸を介して回転体24を回転駆動する後述の回転モータ52が設けられており、回転体24は、基本的に右回転するようになっている。
そして、以上のような構成から、変動入賞部22が開放状態となっている間に、変動入賞部22の入賞口から変動入賞装置13内の入賞空間に流入した遊技球は、回転体24上に導出されることで、回転体24上を流下することになるが、この際に、3つの凹部25,26,27に流入するか、回転体24上から、内周壁28と外周壁29との間に流出するようになっている。
【0054】
なお、変動入賞空間内の構造上、遊技球は外周壁29より外側に出られないようになっており、変動入賞部22を介して変動入賞空間内に流入して回転体24上に導出された遊技球は、外周壁29の内側で最終的に一般領域としての一般流出口23もしくは特定領域としての後述の特定流出口を通過して、遊技盤3の裏面側に導出されるようになっている。
【0055】
そして、上述のように回転体24の凹部25,26,27のいずれにも流入しなかった遊技球は、内周壁28と外周壁29との間に流出するとともに、底板32の傾斜によって、内周壁28と外周壁29との間で最も低い位置に形成された一般流出口23に向かって流下し、一般流出口23から排出される。
【0056】
そして、回転体24の凹部25,26,27に流入した遊技球は、凹部25,26,27の外周面側の開放部分が上述の切欠部281とが重なっていれば、切欠部281を介して凹部25,26,27から流出し、一般流出口23に流入することになる。
また、凹部25,26,27の外周面側の開放部分が上述の切欠部281と重なっていなければ、凹部25,26,27内の遊技球は、内周壁28により凹部25,26,27
の外への流出が阻止された状態となり、凹部25,26,27内に保持された状態で回転体24とともに回転する。
【0057】
ここで、前記底板32には、図2の符号30で示される位置の回転体24の下側となる位置に前述の特定領域となる特定流出口が形成されている。そして、特定流出口の中心位置は、回転体24の外周から半径方向に沿った距離が凹部25より短くかつ凹部26,27より長くなっている。したがって、各凹部25,26,27が特定流出口に対応する回転角度となった際に、凹部25の回転体24の中心側の端部と特定流出口のほぼ全体とが重なることが可能で、凹部26,27の回転体24の中心側の端部と特定流出口とは僅かにしか重ならないようになっている。したがって、特定流出口の位置で底板32が開放された状態となっていても、凹部26,27内に保持された遊技球は、特定流出口に流出できないようになっている。
【0058】
したがって、回転体24の凹部26,27に流入した遊技球は、凹部26,27に保持された状態で回転体24と回転することで、内周壁28の切欠部281の位置に達して切欠部281を介して一般流出口に流出する。
また、凹部25の回転体24の中心側端部と、特定流出口とは、凹部25が所定の角度となった際に重なるようになっており、凹部25が重なった状態では、凹部25に保持された遊技球が底板32の開口である特定流出口から流出可能となっている。
【0059】
また、特定流出口の位置は、回転体24の回転方向に対して切欠部281より僅かに手前側となっている。したがって、凹部25に流入して保持された遊技球は、内周壁28の切欠部281に達する前に特定流出口に達して、特定領域としての特定流出口に流入することになる。また、特定流出口には、特定流出口に流入する遊技球、すなわち、特定領域を通過する遊技球を検知する後述のV入賞球検知センサ46が設けられ、V入賞球検知センサ46は、主制御装置71に接続されている。
【0060】
以上のことから変動入賞装置13は、入賞した遊技球が流下可能な内部に特定領域と一般領域とを備え、前記遊技球が特定領域と一般領域とのいずれか一方を通過するように構成されている。なお、上述の遊技球を特定領域(特定流出口)に導く回転体24の凹部25を、遊技球を特定領域に導くことがない他の凹部26,27と区別するために特定凹部25と称する場合がある。
【0061】
次に、この例のパチンコ遊技機1の制御系を図3に示されるブロック図を参照して説明する。
パチンコ遊技機1の制御系は、大きく分けて主制御部61と、副制御部62と、これら主制御部61および副制御部62に電力を供給する電源供給装置63とから構成されている。
主制御部61には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置71が備えられ、主制御装置71には、プログラムを実行するCPU81、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM82や、プログラムに基づいて発生したデータやROM82から読み出した各種データ等を記憶するRAM83や周波数発生回路部84等が備えられている。
【0062】
主制御装置71(CPU81)には、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサからの信号が入力可能となっており、前述の入賞球カウントセンサ41、第1始動入賞球検知センサ42,43、第2始動入賞球検知センサ44、一般入賞球検知センサ45、V入賞球検知センサ46が接続されるとともに、遊技球の入賞に対応して賞球を払出す遊技球払出装置94から払い出された賞球を検知する遊技球払出検知センサ48、パチンコ遊技機1におけるエラーを検知するエラー検知センサ49等が接続されている。なお、図3において点線のブロックで示す高確率発生用通過センサ47は、後述の変形例で用いられるものであり、この例では用いられない。
【0063】
また、主制御装置71は、パチンコ遊技機1の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置71には、遊技店において設置された各遊技機のデータを集計管理するための集中管理装置64が主制御装置71からデータを入力可能に接続されている。また、主制御装置71には、サブ制御装置としての払出制御装置74、ランプ制御装置72、音声制御装置73が接続され、これらサブ制御装置に対してコマンド(制御指令)を出力可能に接続されている。
なお、ここで、払出制御装置74は実質的に賞球を払出すためのパチンコ遊技機1における遊技の主要な制御を行うことから主制御部61に含まれるものとし、遊技の演出に係わるランプ制御装置72、音声制御装置73は副制御部62に含まれるものとなっている。
【0064】
また、主制御装置71には、7セグのLED表示装置であるラウンド回数表示装置53が接続され、主制御装置71が表示制御を行う。なお、ラウンド回数表示装置53は、図1,2等に図示していないが、変動入賞装置13の変動入賞空間となる部分の上部に設けられている。また、ラウンド回数表示装置53を後述の特別遊技状態におけるラウンド回数を表示するものであるが、後述のように、特別遊技状態に、1ラウンドだけのものと、5ラウンドのものと15ラウンドのものとを設定し、主制御装置71で抽選により何れかを選択する場合には、抽選結果を報知するのに使用してもよい。
【0065】
また、払出制御装置74には、払出制御装置74により制御されて賞球および貸球を払出す遊技球払出装置94が接続されるとともに、プリペードカード97のデータを読み込で遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット96が球貸信号制御装置95を介して接続されている。そして、払出制御装置74は、主制御装置71からコマンドに基づいて賞球を払出すとともに、CRユニット96から球貸信号制御装置95を介して入力される球貸信号に基づいて貸球を払出す制御を行う。
【0066】
また、主制御装置71には、変動入賞装置13の変動入賞部22の羽根部材31,31を開閉駆動する前記ソレノイド51と、変動入賞装置13の振分部材としての回転体24を回転駆動する回転モータ52とが接続されている。
【0067】
また、主制御部61には、主制御装置71と直接接続されていないが、遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示略)の発射駆動装置85を制御する発射制御装置75が設けられ、発射制御装置75には、遊技球の発射を操作するための回転式操作ハンドル11および発射停止釦87が接続されている。
【0068】
そして、主制御部61の主制御装置71は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するもので、入賞球カウントセンサ41、第1始動入賞球検知センサ42,43、第2始動入賞球検知センサ44、一般入賞球検知センサ45から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置74にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行わせる。
【0069】
また、主制御装置71は、通常の遊技を行う通常遊技状態(後述の低確率状態および高確率状態を含み特別遊技状態を含まない)において、第1及び第2始動入賞口14,15,16に遊技球が入賞することにより変動入賞装置13が一時的に開放状態となった際に、遊技球が変動入賞装置13に入賞し、かつ、変動入賞装置13内部の入賞空間に設けられた特定領域としての特定流出口に遊技球が流入し、これをV入賞球検知センサ46が検知し、V入賞球検知センサ46から検知信号(V入賞信号)が入力した場合に、以下の特別遊技状態を発生させる。
【0070】
特別遊技状態においては、主制御装置71が変動入賞装置13の変動入賞部22の羽根部材31,31を開閉駆動するソレノイド51を制御して、変動入賞装置13の羽根部材31,31が1秒開放しては閉塞する動作を最大18回繰り返す1ラウンドとなる遊技を最大15ラウンド行う。
【0071】
特別遊技状態は、上述のV入賞信号の入力を契機として開始される。そして、変動入賞装置13の開閉を繰り返す1ラウンドのラウンド終了条件は、変動入賞装置13のラウンド開始からの開閉数が18回になったこと、変動入賞装置13への遊技球の入賞個数(入賞球カウントセンサからの検知信号(入賞信号)のラウンド開始からの入力回数)が9(10)となったこと、特定領域としての特定流出口に遊技球が流入したこと(V入賞球検知センサ46からV入賞信号が入力したこと)である。
【0072】
このいずれかのラウンド終了条件が満たされた段階で1ラウンドが終了し、終了したラウンドが最終ラウンド(15ラウンド)でない場合で、かつ、ラウンド中に変動入賞装置13に入賞した遊技球が特定領域を通過してV入賞球検知センサ46からV入賞信号が入力した場合に、次のラウンドが開始される。すなわち、ラウンド中に変動入賞装置13に入賞した遊技球が特定領域を通過することがラウンドの継続条件となる。
【0073】
継続条件が満たされない場合に、最終ラウンドとなっていなくても特別遊技状態が終了することになり、前記ラウンドの継続条件が成立しないことが特別遊技状態の終了条件の一つとなる。なお、特別遊技状態の終了条件は、設定された所定回数の実施か、上述のラウンドの継続条件不成立である。
【0074】
なお、上述のような設定だと、特別遊技状態が発生して1ラウンドが開始された場合に、直ぐに特定領域を遊技球が通過してしまうと、ラウンド終了条件としての9個の遊技球が入賞する前にそのラウンドが終了して次のラウンドが開始されてしまい、特別遊技状態中の獲得遊技球数が極端に少なくなる可能性がある。
【0075】
また、ラウンド中に特定領域を遊技球が通過しなければ、通常、変動入賞装置13が18回開閉するまでに、遊技球を9個入賞させる可能性は高く、遊技球が所定数入賞してラウンド終了条件成立となるが、遊技球が特定領域を通過しなければ、ラウンド継続条件不成立となって特別遊技状態が終了し、特別遊技状態中の獲得遊技球数が極端に少なくなる可能性がある。
【0076】
そこで、この例では、ラウンド開始から例えば変動入賞装置13への遊技球の入賞数、すなわち、入賞球カウントセンサ41からの検知信号の入力回数が5となるまで、特定凹部25が前記切欠部281より回転方向の先側で特定流出口より回転方向手前側となる位置で、回転体24を停止させた状態とし、特定領域としての特定流出口に遊技球が流入するのを防止し、かつ、回転体24を停止した状態とすることで、凹部25,26,27に遊技球が保持され易い状態とする。
【0077】
そして、入賞球カウントセンサ41からの検知信号の入力回数が5となった際に、回転体24を回転させることで、ラウンド開始直後にV入賞球検知センサ46からのV入賞信号の入力で遊技球が余り入賞してない状態ラウンドが終了するのを防止し、かつ、ラウンド開始から特定凹部25に遊技球を流入可能とする。そして、回転体24を停止して特定凹部25に遊技球が入賞し易い状態とすることで、回転体24が回転開始する前に高い確率で特定凹部25に遊技球を保持させることで、ラウンド継続条件を成立しやすくる。
【0078】
以上のような主制御装置71は、第1および際2始動入賞口14,15,16に遊技球が入賞したことに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置13に入賞した遊技球が前記特定領域を通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段として機能する。
【0079】
また、主制御装置71は、第1始動入賞球検知センサ42、43から第1始動入賞口14,15に遊技球が入賞したことを示す検知信号(第1始動入賞信号)が入力した場合に、変動入賞装置13の変動入賞部22を一時的に開放状態するが、この際の一時的に開放状態とする際の開放条件の一つである開放時間(開いてから閉じるまでの時間)を複数の開放時間(例えば、1秒と2秒)から抽選によって決定するようになっている。
【0080】
なお、抽選は、例えば、所定範囲内の数値を極めて短期間毎の1ずつカウントアップする更新処理(所定範囲の数値の上限に達した場合は下限まで戻す)を行うとともに、第1始動入賞球検知センサ42、43から第1始動入賞信号が入力したタイミングで更新されている前記数値を(擬似)乱数として取得し、予め、上述の所定範囲の各数値と前記複数の開放時間とを関連付けた判定テーブル(乱数テーブル)と比較し、判定テーブルにおいて、所得された乱数と同じ数値に関連付けられた開放時間を当選とするようになっている。
【0081】
また、主制御装置71は、開放時間が短い1秒の当選確率と開放時間が1秒より長い2秒の当選確率を異なるように判定テーブルを設定している。これは、判定テーブルにおいて1秒となる開放時間に関連付けられた数値の数と、2秒となる開放時間に関連付けられた数値の数を異なるものとすることにより設定される。
【0082】
さらに、この例では、後述の所定条件の成立から後述の終了条件の成立までを高確率状態とし、終了条件の成立から所定条件の成立までを低確率状態とし、高確率状態と低確率状態とで異なる判定テーブルを用いるようになっている。
例えば、低確率状態では、短い1秒の開放時間の当選確率が長い2秒の開放時間より高い確率で当選するようになっており、高確率状態では、逆に短い1秒の開放時間の当選確率が長い2秒の開放時間より低い確率で当選するようになっている。
したがって、長い2秒の開放時間を見た場合には、低確率状態での当選確率より高確率状態での当選確率が高くなっている。
【0083】
具体的には、例えば、低確率状態における長い2秒の開放時間の当選確率が3/10とされ、短い1秒の開放時間の当選確率が7/10とされている。一方、高確率状態では、長い2秒の開放時間の当選確率が7/10とされ、短い1秒の開放時間の当選確率が3/10とされている。
【0084】
なお、開放時間を1秒から2秒とする際に、例えば、第1始動入賞口14,15への遊技球の1回の始動入賞に対して、1秒の開放時間の開放を2回行うことで2秒としてもよい。すなわち、上述の抽選において開放条件としての開放時間に代えて複数の開放回数から1つの開放回数を選択するものとしもよい。
さらに、1回の第1始動入賞に対して、抽選で選択される開放条件を開放時間1秒で1回開放と、開放時間2秒で2回開放としてもよく、開放条件として開放時間および開放回数が両方とも異なるものを複数設定し、これら複数の開放条件から開放時間を抽選により決定してもよい。なお、この際に、抽選で選択される全部の開放条件で、開放時間と開放回数が両方とも異なる必要はなく、開放時間は同じで開放回数が異なる開放条件や、開放回数が同じで開放時間が異なる開放条件が含まれていてもよい。
【0085】
以上のことから、主制御装置71は、始動入賞口(第1始動入賞口14,15)への遊技球の入賞を契機として、当該始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置13が一時的に開放状態となる際の開放時間および開放回数の少なくとも一方を含む開放条件を、予め設定された複数の異なる開放条件から抽選により1つ選択して決定する開放条件決定手段として機能する。
【0086】
また、発射された遊技球に基づく所定条件が成立した場合に、発射された遊技球に基づく終了条件が満たされるまで、前記開放条件決定手段(主制御装置71)によって複数の開放条件のうちの他の開放条件に対して少なくとも開放時間が長いかもしくは開放回数が多いことにより遊技者に有利となる開放条件が抽選により選択される確率を、前記終了条件が満たされてから前記所定条件が成立するまでの低確率より高い高確率とする抽選確率制御手段として機能する。
【0087】
そして、主制御装置71は、上述のように抽選により開放時間および開放回数からなる開放条件で、変動入賞装置13を開閉駆動するソレノイド51を制御して、前述の第1始動入賞口14,15の遊技球の始動入賞に基づいて変動入賞装置13を一時的に開放する制御を行う。なお、上述の抽選処理は、極めて短時間に行われるので、第1始動入賞から開放条件の抽選による設定後の実際の変動入賞装置13の開放までの時間が従来の羽根物のパチンコ遊技機1より遊技者が確実に認知できるほど長くなることはない。
【0088】
また、主制御装置71は、第2始動入賞口16に遊技球が入賞することにより、第2始動入賞球検知センサ44から検知信号(第2始動入賞信号)が入力した場合には、第2始動入賞口16に対応して予め決められていた開放条件を設定し、この開放条件により変動入賞装置13を制御して一時的に開放させる。なお、この際の開放条件は、例えば、開放時間2秒で開放1回もしくは開放時間1秒で開放2回である。
【0089】
また、主制御装置は、前記複数の始動入賞口14,15,16のうちの一部となる第1始動入賞口14,15に遊技球が入賞した場合にだけ開放条件の抽選を行って複数の開放条件から1つの開放条件を選択して決定し、前記複数の始動入賞口14,15,16のうちの第1始動入賞口14,15を除く第2始動入賞口16に遊技球が入賞した場合に第2始動入賞口16に対応して予め1つだけ設定された開放条件を選択して決定する。
【0090】
この例においては、前記高確率状態を開始する際の所定条件は、例えば、前記第1始動入賞口14,15に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった変動入賞装置13に入賞した遊技球が特定領域を通過することにより発生した特別遊技状態が終了することしている。なお、特別遊技状態においては、第1および第2始動入賞口14,15に遊技球が入賞してもそれに基づいて変動入賞装置13を一時的に開放することはなく、前述の特別遊技状態が発生する際を所定条件の成立としても実質的には特別遊技状態終了後に高確率状態における開放条件の抽選が可能となる。
【0091】
また、この例で、主制御装置71は、第1および第2始動入賞口14,15,16に遊技球が入賞して第1および第2始動入賞球検知センサ42,43,44から始動入賞信号が入力することに対応して、ソレノイド51に変動入賞部22を開放する制御信号を出力した後に所定の開放条件での開放が終了し変動入賞部22を閉塞するための制御信号(複数回開放する場合には最後の開放後の閉塞のための制御信号)を出力する前に、再び、第1および第2始動入賞球検知センサ42,43,44から遊技球の始動入賞に基づく始動入賞信号が入力しても変動入賞装置13を一時的に開放する制御を行わないようになっている。
【0092】
そして、主制御装置71は、第1および第2始動入賞球検知センサ42,43,44から始動入賞信号が入力した後に、未だ、所定のもしくは抽選で選択された開放条件での開放が終了し変動入賞部22を閉塞するための制御信号(複数回開放する場合には最後の開放後の閉塞のための制御信号)を出力する前に、再び、第1および第2始動入賞球検知センサ42,43,44から遊技球の始動入賞に基づく始動入賞信号が入力した場合に高確率状態を発生させる所定条件が成立したものとする。
【0093】
すなわち、第1および第2に始動入賞口14,15,16に連続的に遊技球が入賞した場合に、最初の遊技球が入賞してから次の遊技球が入賞しても変動入賞装置13が一時的に開放しない期間に、1および第2に始動入賞口14,15,16に遊技球が入賞した場合に、前記所定条件の成立として高確率状態を発生させる。
したがって、主制御装置は、前記始動入賞口に所定期間内に複数の遊技球が連続的に入賞することを前記所定条件とすることになる。
【0094】
この例においては、前記高確率状態を終了する際の終了条件は、第2始動入賞口に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過することにより特別遊技状態が発生することである。なお、この場合も、特別遊技状態が発生してしまうと、特別遊技状態中は、抽選が行われないので、実際に高確率状態が終了して低確率常態での抽選が行われるのは特別遊技状態後であり、高確率状態の終了時期を上述の特別遊技状態終了後としてもよいが、実質的に特別遊技状態発生時には高確率状態が終了している。
【0095】
また、この例で主制御装置71は、所定条件が成立してからの前記始動入賞口(第1始動入賞口14,15および第2始動入賞口16)への遊技球の入賞の回数が予め設定された所定数(例えば、100回)に達することを前記終了条件とする。なお、例えば、第1始動入賞口14,15だけのへの入賞回数が所定数に達することを終了条件にしてもよいし、第2始動入賞口16だけの入賞回数が所定数に達することを終了条件にしてもよい。
いずれにしろ、主制御装置は、高確率状態となってからの第1および第2始動入賞球検知センサ42,43,44(もしくはどちらか一方)から入力する始動入賞信号をカウントし、このカウント値が所定数となったら、上述の開放条件の判定用の判定テーブルを高確率用から低確率用の切り替える処理を行う。なお、始動入賞信号をカウントする代わりに、変動入賞部22を開閉駆動するソレノイド51への開放制御信号もしくは閉塞制御信号をカウントすることにより、このカウント値すなわち変動入賞装置13の開放回数が所定数に達することを前記終了条件としてもよい。
【0096】
副制御部62のランプ制御装置72は、遊技盤3の盤面に設けられた盤面関係の電飾(LED)91と、パチンコ遊技機1の遊技盤3を支持する前面枠に設けられ、遊技盤3の前面を覆うガラス枠等の枠扉関係の電飾92とが接続され、LEDやランプ等による演出を制御する。
【0097】
音声制御装置73には、サウンドプロセッサ、アンプ、スピーカ等からなる音声発生装置93が接続されており、音声制御装置73は、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
【0098】
次に、主制御装置71で行われる抽選確率移行処理、開放条件抽選開閉処理を説明する。なお、これらの処理は、割込み処理として極めて短時間毎に繰り返し行われる処理である。
抽選確率移行処理は、第1始動入賞口14,15に遊技球が入賞することに基づいて変動入賞装置13を一時的に開放する際の開放条件を決定する際に、遊技者に有利な相対的に長い開放時間や相対的に多い開放回数の開放条件が当選となる抽選確率を高確率状態とするか低確率状態とするかを決定する処理である。なお、ここでは、遊技者に有利な開放条件の当選確率として、低確率と高確率があり、高確率が低確率の2倍以上の確率となっている。なお、以下の説明では、開放条件として開放時間だけを抽選で決定する場合を説明する。
【0099】
図4、5のフローチャートに示すように、抽選確率移行処理では、変動入賞装置13を最大で18回開閉するラウンドを最大で15回行う特別遊技状態か否かが判定され(ステップSa1)、特別遊技状態の場合には処理を終了する。
特別遊技状態でない場合には、始動入賞信号の入力に基づく変動入賞装置13の一時的な開放の際の開放条件の判定テーブルを上述の高確率の判定テーブルとした場合にセットされる高確率フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSa2)。
【0100】
高確率フラグがセットされていない場合には、後述の開放条件抽選開閉処理で第1始動入賞口14,15に遊技球が入賞することにより第1始動入賞球検知センサ42,43から第1始動入賞信号が入力したことに基づいて主制御装置71が変動入賞装置13を開放させている間セットされる第1始動フラグがリセットされるタイミングか否かを判定する(ステップSa3)。
そして、第1始動フラグがリセットされるタイミングの場合には、変動入賞装置13が一時的に開放してから閉塞した後に、開放中に変動入賞装置13に入賞した遊技球が、上述の一般領域か特定領域を通過するのに十分と思われる遅延時間(例えば、5秒)がセットされた第1遅延タイマを作動させ(ステップSa4)、後述のステップSa9に移行する。
【0101】
次に、ステップSa3で、第1始動フラグがリセットされるタイミングでない場合には、上述の第1遅延タイマが作動中か否かを判定する(ステップSa5)。
第1遅延タイマが作動中の場合には、後述の開放条件抽選開閉処理で第1もしくは第2始動フラグがセットされるかもしくは第1遅延タイマがタイムアップするか否かを判定する(ステップSa6)。これらは、第1遅延タイマのリセット条件でありリセット条件が成立したか否かを判定している。
そして、第1もしくは第2始動フラグがセットされた場合および第1遅延タイマがタイムアップした場合には、第1遅延タイマをリセットする(ステップSa7)。すなわち、第1遅延タイマを非作動中とする。
【0102】
第1遅延タイマが作動中でない場合には、第1始動フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSa8)。なお、第1遅延タイマは、上述のように第1始動フラグがセットされた場合に第1遅延タイマが非作動とされるので、第1遅延タイマが作動中は第1始動フラグがセットされていないが第1遅延タイマがリセットされる際に第1始動フラグがセットされる場合がある。
【0103】
そして、第1始動フラグがセットされている場合、第1遅延タイマが作動中の場合、第1始動フラグがリセットされて第1遅延タイマが作動開始の場合に、変動入賞装置13の開放により遊技球が入賞し、この遊技球が特定領域としての特定流出口に流入することによりV入賞球検知センサ46からV入賞信号が入力したか否かが判定され(ステップSa9)、V入賞信号が入力した場合には、第1始動入賞口14,15の遊技球の入賞に基づいて変動入賞装置13が一時的に開放した際に遊技球が入賞し、かつ、この遊技球が特定領域を通過することにより高確率状態を開始する所定条件が成立したものとして上述の開放条件の抽選用の判定テーブルを高確率用に変換する(ステップSa10)。すなわち、低確率状態を終了して高確率状態に移行する。なお、上述のようにV入賞球検知センサ46から検知信号が入力した場合には、特別遊技状態が開始されることで、始動入賞が無効とされ、上述の高確率状態が実際に有効となるのは特別遊技状態後となる。また、この例では、高確率状態において、開放時間1秒が3/10の当選確率で、開放時間2秒が7/10の当選確率とされた判定テーブルを使用する。次に、高確率フラグをセットして(ステップSa11)処理を終了する。
【0104】
次に、第1遅延タイマが作動中でなく第1始動フラグもセットされていない場合には、後述の開放条件抽選開閉処理において、所定期間内に第1および第2始動入賞口14,15,16に連続的に遊技球が入賞し、所定期間内に入賞した2番目以降の遊技球が無効とされ、無効とされた遊技球の始動入賞に対して変動入賞装置13が開放しない場合にセットされる高確開始フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSa12)。
【0105】
そして、高確開始フラグがセットされていない場合には処理を終了し、高確開始フラグがセットされている場合には、高確開始フラグをリセットした(ステップSa13)後、高確率状態を開始とする所定条件の成立としてステップSa10に移行し、高確率状態とする。なお、この場合には特別遊技状態が発生しないので、そのまま高確率状態での通常遊技が行われることになる。
【0106】
一方、ステップSa2で、高確率フラグがセットされている場合には、第1および第2始動入賞球検知センサ42,43,44から始動入賞信号が入力したか否かを判定し(ステップSa14)、始動入賞信号が入力した場合には、始動入賞カウンタを1カウントアップする(ステップSa15)。
次に、始動入賞カウンタの値が、所定回数として例えば100回に達したか否かを判定し(ステップSa16)、所定回数に達した場合には、高確率状態の終了条件成立として、ステップSa24に移行する。
【0107】
また、第1および第2始動入賞球検知センサ42,43,44から始動入賞信号が入力していない場合と、始動入賞カウンタの値が所定数に達していない場合には、後述の開放条件抽選開閉処理で第2始動入賞口16に遊技球が入賞することにより第2始動入賞球検知センサ44から第1始動入賞信号が入力したことに基づいて主制御装置71が変動入賞装置13を開放させている間セットされる第2始動フラグがリセットされるタイミングか否かを判定する(ステップSa17)。
【0108】
そして、第2始動フラグがリセットされるタイミングの場合には、変動入賞装置13が一時的に開放してから閉塞した後に、開放中に変動入賞装置13に入賞した遊技球が、上述の一般領域か特定領域を通過するのに十分と思われる遅延時間(例えば、5秒)がセットされた第2遅延タイマを作動させ(ステップSa18)、後述のステップSa23に移行する。
【0109】
次に、ステップSa17で、第2始動フラグがリセットされるタイミングでない場合には、上述の第2遅延タイマが作動中か否かを判定する(ステップSa19)。
第2遅延タイマが作動中の場合には、後述の開放条件抽選開閉処理で第1もしくは第2始動フラグがセットされるかもしくは第2遅延タイマがタイムアップするか否かを判定する(ステップSa20)。これらは、第2遅延タイマのリセット条件でありリセット条件が成立したか否かを判定している。
そして、第1もしくは2始動フラグがセットされた場合および第2遅延タイマがタイムアップした場合には、第2遅延タイマをリセットする(ステップSa21)。すなわち、第2遅延タイマを非作動中とする。
【0110】
第2遅延タイマが作動中でない場合には、第2始動フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSa22)。なお、第2遅延タイマは、上述のように第2始動フラグがセットされた場合に非作動とされるので、第2遅延タイマが作動中は第2始動フラグがセットされていないが、第2遅延タイマがリセットされた場合には第2始動フラグがセットされる場合がある。そして、第2遅延タイマが作動中でなく、かつ、第2始動フラグがセットされていない場合は処理を終了する。
【0111】
そして、第2始動フラグがセットされている場合、第2遅延タイマが作動中の場合、第2始動フラグがリセットされて第2遅延タイマが作動開始の場合に、変動入賞装置13の開放により遊技球が入賞し、この遊技球が特定領域としての特定流出口に流入することによりV入賞球検知センサ46からV入賞信号が入力したか否かが判定され(ステップSa23)、V入賞信号が入力した場合には、第2始動入賞口16の遊技球の入賞に基づいて変動入賞装置13が一時的に開放した際に遊技球が入賞し、かつ、この遊技球が特定領域を通過することにより高確率状態を終了する終了条件が成立したものとして上述の開放条件の抽選用の判定テーブルを低確率用に変換する(ステップSa24)。
【0112】
すなわち、高確率状態を終了して低確率状態に移行する。なお、上述のようにV入賞球検知センサ46から検知信号が入力した場合には、特別遊技状態が開始されることで、始動入賞が無効とされ、上述の低確率状態が実際に有効となるのは特別遊技状態後となる。
また、始動入賞信号の入力の回数が所定回数となって高確率状態を終了する場合は、特別遊技状態が発生しないので、直ぐに高確率状態から低確率状態に移行する。また、この例では、低確率状態において、開放時間1秒が7/10の当選確率で、開放時間2秒が3/10の当選確率とされた判定テーブルを使用する。次に、始動入賞カウンタをリセットし、かつ、高確率フラグをリセットして(ステップSa25)処理を終了する。
【0113】
以上の処理で、所定条件の成立として、第1始動入賞口14,15に遊技球が入賞することにより変動入賞装置13が一時的に開放した際に変動入賞装置13に入賞した遊技球が特定領域を通過して特別遊技状態が発生した場合と、第1および第2始動入賞口14,15,16に所定期間内に複数の遊技球が連続的に入賞した場合に上述の開放条件の抽選において遊技者に有利な開放条件の当選確率を低確率状態より高確率とする高確率状態が発生する。
【0114】
また、終了条件の成立として、第2始動入賞口16に遊技球が入賞することにより変動入賞装置13が一時的に開放した際に変動入賞装置13に入賞した遊技球が特定領域を通過して特別遊技状態が発生した場合と、高確率状態となってから第1および第2始動入賞口14,15,16に所定個数の遊技球が入賞した場合に、高確率状態を終了し、上述の開放条件の抽選において遊技者に有利な開放条件の当選確率を高確率状態より低確率とする低確率状態に移行する。
【0115】
なお、第1および第2始動入賞口14,15,16に所定期間内に複数の遊技球が連続的に入賞した場合を所定条件としないものとしてもよいし、高確率状態となってから第1および第2始動入賞口14,15,16に所定個数の遊技球が入賞した場合を終了条件としなくともよい。また、前記抽選確率移行処理では高確率状態の場合に、高確率状態を開始する所定条件が成立するか否かの判定を行わず、低確率状態の場合に、高確率状態を終了する終了条件が成立するか否かの判定を行わないものとしたが、高確率状態および低確率状態に拘わらず、上述の判定を行うものとしてもよい。
【0116】
開放条件抽選開閉処理は、第1および第2始動入賞口14,15,16に遊技球が入賞することにより第1および第2始動入賞球検知センサから始動入賞信号が主制御装置71に入力した場合に、上述の抽選確率移行処理により決定された抽選用の判定テーブルを用い、抽選により遊技者に不利な開放条件か遊技者に有利な開放条件かを決定し、かつ、決定された開放条件で変動入賞装置13を一時的に開放して閉塞する処理である。
【0117】
開放条件抽選開閉処理では、図6、7のフローチャートに示すように、まず、特別遊技状態か否かを判定する(ステップSb1)。そして、特別遊技状態の場合には、始動入賞信号を無効とし、始動入賞信号の入力に基づいて変動入賞装置13を開閉することはないので開放条件抽選開閉処理を終了する。
特別遊技状態でない場合には、第1始動入賞球検知センサ42,43から第1始動入賞信号が入力したか否かを判定する(ステップSb2)。そして、第1始動入賞信号があった場合には、第1始動入賞信号もしくは第2始動入賞信号の入力に基づいて変動入賞装置13の開放中であることを示す第1始動フラグもしくは第2始動フラグがセットさているか否かを判定する(ステップSb3)。
【0118】
そして、第1始動フラグもしくは第2始動フラグがセットされている場合には、前回の第1始動入賞信号もしくは第2始動入賞信号の入力に基づいて現在変動入賞装置13が開放中であることから、第1始動入賞の入力を無効とし、かつ、前述の抽選確率移行処理において、高確率状態に移行する所定条件として、所定期間内に連続して複数の始動入賞信号(第1始動入賞信号および第2始動入賞信号)の入力があったことを示す高確開始フラグをセットして(ステップSb4)、ステップSb18に移行する。
【0119】
第1始動フラグおよび第2始動フラグが両方ともセットされていない場合には、上述の開放条件抽選用の乱数を取得し、上述の抽選確率移行処理で決定された低確率の判定テーブルもしくは高確率の判定テーブルを用い、抽選を行い遊技者に不利な開放時間1秒の開放条件を選択するか、遊技者に有利な開放時間2秒の開放条件を選択する(ステップSb5)。次いで、第1始動フラグをセットする(ステップSb6)。
第1始動入賞口14,15に遊技球が入賞したことに基づいて変動入賞装置13を一時的に開放する際の開放条件として、抽選により決定された開放時間(1秒もしくは2秒)を開放タイマにセットする(ステップSb7)。また、開放条件としての開放回数を開放カウンタにセットするがここでは第1始動入賞信号に基づく変動入賞装置13の開放条件の開放回数を1回に固定として1をセットする(ステップSb8)。なお、開放条件の抽選に際し、開放回数を遊技者に不利な開放1回と、遊技者に有利な開放2回とを抽選するようにし、遊技者に有利な開放2回が選択された場合に、ここで開放回数を2回として開放カウンタに2をセットしてもよい。
【0120】
そして、変動入賞装置13を駆動するソレノイド51に変動入賞装置13を開放状態する開放制御信号を出力する(ステップSb9)。
また、開放制御信号を出力したことに対応して、上述の開放タイマを作動させる(ステップSb10)とともに、開放カウンタを1カウントダウンし(ステップSb11)、この処理を終了する。
【0121】
ステップSb2において、第1始動入賞信号が入力していない場合には、第2始動入賞口16に遊技球が入賞することにより、第2始動入賞球検知センサ44から主制御装置71に第2始動入賞信号が入力したか否か判定する(ステップSb12)。
そして、第2始動入賞信号が入力している場合には、第1始動フラグもしくは第2始動フラグがセットさているか否かを判定する(ステップSb13)。第1始動フラグもしくは第2始動フラグがセットさている場合には、ステップSb4に移行し高確開始フラグをセットして処理を終了する。
【0122】
第1始動フラグおよび第2始動フラグが両方ともセットされていない場合には、第2始動フラグをセットする(ステップSb14)。なお、第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて変動入賞装置13の上述の開放条件を抽選するものとした場合には、ここで開放条件を抽選し、抽選により決定された開放条件に基づいて以下の開放タイマおよび開放カウンタのセットを行ってもよい。
ここでは、第2始動入賞口16に遊技球が入賞したことに基づいて変動入賞装置13を一時的に開放する際の予め設定された開放条件としての開放時間(1秒)を開放タイマにセットする(ステップSb15)。また、予め設定された開放条件としての開放回数(2)を開放カウンタにセットする(ステップSb16)。
そして、ステップSb9に移行して変動入賞装置13を開放状態する開放制御信号を出力し、ステップSb10、ステップSb11で上述の開放タイマを作動させるとともに、開放カウンタを1カウントダウンして処理を終了する。
【0123】
次に、ステップSb12で第2始動入賞信号の入力ではないと判定された場合に、第1始動フラグもしくは第2始動フラグがセットさているか否かを判定し(ステップSb17)、第1始動フラグおよび第2始動フラグが両方ともセットされていない場合に処理を終了する。
第1始動フラグもしくは第2始動フラグがセットさている場合には、開放タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップSb18)。
【0124】
そして、開放タイマがタイムアップした場合には、開放状態の変動入賞装置13を閉塞状態とする閉塞制御信号をソレノイド51に出力し(ステップSb19)、開放タイマをリセットする(ステップSb20)する。
次に、開放カウンタが0か否かを判定し(ステップSb21)、開放カウンタが0の場合には、第1始動フラグおよび第2始動フラグをリセットし(ステップSb22)、処理を終了する(第1始動フラグおよび第2始動フラグの一方だけがセットされおり、セットされたフラグだけリセットしてもよい)。
【0125】
また、開放カウンタが0でない場合には、再度変動入賞装置13を開放状態とするがここでは、上述の閉塞制御信号を出力して変動入賞装置13の閉塞動作中なので、始動入賞信号の1回の入力に基づいて変動入賞装置を複数回開放させる際のインターバルとなる時間がセットされたインターバルタイマを作動させ(ステップSb23)、処理を終了する。
【0126】
また、ステップSb18で開放タイマのタイムアップではないと判定された場合に、前記インターバルタイマがタイムアップか否かを判定し(ステップSb24)、インターバルタイマがタイムアップでない場合(インターバルタイマが作動してない場合を含む)、処理を終了する。
インターバルタイマがタイムアップの場合には、ステップSb9に移行して変動入賞装置13を開放状態する開放制御信号を出力し、ステップSb8、ステップSb10で上述の開放タイマ(ここでは、第2始動入賞口16に遊技球が入賞した場合の開放時間1秒)を作動させるとともに、開放カウンタを1カウントダウンして処理を終了する。
【0127】
以上の開放条件抽選開閉処理により、第1始動入賞口14,15に遊技球が入賞した場合に、抽選確率移行処理によった確率状態(低確率状態もしくは高確率状態)で行われる抽選で開放条件が決定され、決定された開放条件で変動入賞装置13が一時的に開放することになる。
【0128】
なお、開放条件として開放時間に代えて開放回数を抽選するものとしても良いし、開放時間と開放回数の両方を抽選するものとしてもよい。また、開放条件は、遊技者に不利な開放条件と、遊技者に有利な開放条件の2段階に限られるものではなく、3段階以上としてもよい。また、開放条件を3段階以上とした場合に、開放条件のうちの最も遊技者に不利となる開放条件を除く開放条件を遊技者に有利な開放条件とし、これら遊技者に有利な複数の開放条件のうちの少なくとも1つの開放条件の当選確率が低確率状態より高確率状態で高くなる設定となっていればよい。なお、この際に遊技者に最も有利な開放条件の当選確率が低確率状態より高確率状態で低くならないようにすることが好ましい。
【0129】
次に、前記実施の形態の変形例を説明する。
図8に示す変動入賞装置13は、図2に示す変動入賞装置13における回転体24の凹部26を凹部33とし、凹部33に図3のブロック図で破線のブロックで示す高確率発生用通過センサ47を設けたものである。図2に示す凹部26は、回転体の半径方向沿った長さが短く、保持した遊技球を凹部26の回転体24の中心側端部より僅かに回転体24の中心側にある特定流出口に保持した遊技球を流出させられないものであった。それに対して凹部33は、特定凹部25と同様の形状を有し、保持した遊技球を特定流出口に流出可能となっている。
【0130】
したがって、この例では、特定領域に保持した遊技球を通過させることが可能な特定凹部25,33が2つあることになる。そして、2つの特定凹部25,33のうちの一方の特定凹部33にだけ高確率発生用通過センサ47が設けらており、特定凹部33を通過する遊技球、すなわち、特定凹部33に流入した後に、特定流出口に流出する遊技球を検知するようになっている。
【0131】
そして、この例においては、特定凹部33に保持された遊技球が特定領域としての特定流出口を通過して特別遊技状態が発生した場合に高確率状態となり、特定凹部25に保持された遊技球が特定領域としての特定流出口を通過して特別遊技状態が発生した場合に低確率状態となる。すなわち、特別遊技状態が発生する際に、上記例のように第1始動入賞口に入賞したことに基づくのか、第2始動入賞口に入賞したことに基づくのかに拘わりなく、特定領域を通過する遊技球が高確率発生用通過センサ47を通過したか否かによって決定される。
【0132】
すなわち、抽選確率制御手段としての主制御装置71は、第1および第2始動入賞口14,15,16に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置13に入賞した遊技球が上記高確率発生用通過センサ47に検出されるとともに特定領域を通過することにより発生した特別遊技状態が終了することを前記所定条件とし、第1および第2始動入賞口14,15,16に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置13に入賞した遊技球が上記高確率発生用通過センサ47に検出されることなく特定領域を通過することにより特別遊技状態が発生することを前記終了条件とする。
【0133】
変形例における抽選確率移行処理を説明する。なお、開放条件抽選開閉処理は前記実施の形態と同様に行われる。
図9のフローチャートに示すように、特別遊技状態か否かが判定され(ステップSc1)、特別遊技状態の場合には処理を終了する。
特別遊技状態でない場合には、特定領域(特定入賞口)を遊技球が通過した場合にセットされる特定通過フラグがセットされているか否かを判定し(ステップSc2)、セットされている場合には処理を終了する。すなわち、既に1個の遊技球が特定領域を通過した状態で、2個目以降の遊技球が特定領域を通過した場合にこれを無視する。
【0134】
特定通過フラグがセットされていない場合には、高確率発生用通過センサ47からの入力信号がオフからオンに変わったか否かを判定し(ステップSc3)、オフからオンに変わった場合には高確通過フラグをセットする(ステップSc4)。
次に、特定領域を遊技球が通過することにより、V入賞球検知センサ46から特定通過信号がオフからオンに変わったか否かを判定し(ステップSc5)、オフからオンに変わっていない場合は処理を終了する。
【0135】
V入賞球検知センサ46から特定通過信号がオフからオンに変わった場合には、特定通過フラグをセットする(ステップSc6)。
次に、高確通過フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSc7)。そして、高確通過フラグがセットされている場合に、高確通過フラグをリセットし(ステップSc8)、高確率発生用通過センサ47からの入力信号がオフか否かを判定する(ステップSc9)。
これにより、特定凹部33に遊技球が保持され高確率発生用通過センサ47からの入力信号がオンとなり、かつ、特定凹部33に保持された遊技球が特定流出口に流出することで、高確率発生用通過センサ47からの入力信号がオンからオフに変わるとともに、V入賞球検知センサ46から入力信号がオフからオンに変わることを判定することができる。
【0136】
そして、高確通過フラグがセットされ、かつ、高確率発生用通過センサ47からの入力信号がオフの場合に、開放条件抽選用の判定テーブルを高確率用判定テーブルとして(ステップSc10)、処理を終了する。
一方、V入賞球検知センサ46から入力信号がオフからオンに変わった場合で高確通過フラグがセットされていない場合と、V入賞球検知センサ46から入力信号がオフからオンに変わった場合で高確通過フラグがセットされているが高確率発生用通過センサ47からの入力信号がオンの場合は、開放条件抽選用の判定テーブルを低確率用判定テーブルとして(ステップSc11)処理を終了する。なお、特定通過フラグは、特別遊技状態の開始時にリセットする。
【0137】
以上の処理により、特定領域を遊技球が通過することで特別遊技状態が発生する場合に、前記遊技球が高確率発生用通過センサ47に検知されたものか否かで、特別遊技状態の発生に基づいて、高確率状態とするか低確率状態とするかを決定することができる。
なお、変形例の抽選確率移行処理においては、所定条件に始動入賞口に所定期間内に複数の遊技球が連続的に入賞することを含めず、終了条件に所定条件が成立してからの前記始動入賞口への遊技球の入賞の回数が予め設定された所定数に達することを含めなかったがこれらを含めるものとしてもよい。
【0138】
また、周知のデジパチとしてのパチンコ遊技機における遊技球の移動を表示画面上に模擬的に再現するとともに遊技球の入賞口への入賞を判定し、遊技球の発射と入賞とに対応して遊技者の獲得遊技球数を算出して遊技をシミュレーションするプログラムにおいて、上述の本発明に係わるパチンコ遊技機における制御系の処理を付加してコンピュータで実行可能としたプログラムも本発明に含まれるものである。また、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明に含まれる。
【0139】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施の形態に係る遊技機を示すガラス枠を開放した状態の斜視図である。
【図2】前記遊技機の変動入賞装置を示す斜視図である。
【図3】前記遊技機の電気系統を説明するためのブロック図である。
【図4】前記遊技機の主制御装置で行われる当選確率移行処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】前記主制御装置で行われる当選確率移行処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】前記主制御装置で行われる開放条件抽選開閉処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】前記主制御装置で行われる開放条件抽選開閉処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】前記遊技機の変形例の変動入賞装置を示す斜視図である。
【図9】前記変形例の主制御装置で行われる当選確率移行処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0141】
3 遊技盤
13 変動入賞装置
14 第1始動入賞口(始動入賞口)
15 第1始動入賞口(始動入賞口)
16 第2始動入賞口(始動入賞口)
23 一般流出口(一般領域)
47 高確率発生用通過センサ
71 主制御装置(特別遊技状態発生手段、開放条件決定手段、抽選確率制御手段、変動入賞装置制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤上に設けられ、発射された遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変動可能で、入賞した遊技球が流下可能な内部に特定領域と一般領域とを備え、前記遊技球が特定領域と一般領域とのいずれか一方を通過するように構成された変動入賞装置と、
遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置を閉塞状態から一時的に開放状態とする契機を付与する始動入賞口と、
前記始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備えた遊技機において、
前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機として、当該始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置が一時的に開放状態となる際の開放時間および開放回数の少なくとも一方を含む開放条件を、予め設定された複数の異なる開放条件から抽選により1つ選択して決定する開放条件決定手段と、
発射された遊技球に基づく所定条件が成立した場合に、発射された遊技球に基づく終了条件が満たされるまで、前記開放条件決定手段によって複数の開放条件のうちの他の開放条件に対して少なくとも開放時間が長いかもしくは開放回数が多いことにより遊技者に有利となる開放条件が抽選により選択される確率を、前記終了条件が満たされてから前記所定条件が成立するまでの低確率より高い高確率とする抽選確率制御手段と、
前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて、前記変動入賞装置を前記開放条件決定手段により決定された開放条件に基づいて開放状態とする変動入賞装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記始動入賞口が複数設けられ、
前記開放条件決定手段は、前記複数の始動入賞口のうちの一部となる第1始動入賞口に遊技球が入賞した場合にだけ開放条件の抽選を行って複数の開放条件から1つの開放条件を選択して決定し、前記複数の始動入賞口のうちの第1始動入賞口を除く第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合に第2始動入賞口に対応して予め1つだけ設定された開放条件を選択して決定し、
前記抽選確率制御手段は、前記第1始動入賞口に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過することにより発生した特別遊技状態が終了することを前記所定条件とし、
前記第2始動入賞口に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過することにより特別遊技状態が発生することを前記終了条件とすることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記変動入賞装置の内部を流下する遊技球の一部を検知する高確率発生用通過センサを設け、
前記抽選確率制御手段は、前記始動入賞口に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が上記高確率発生用通過センサに検出されるとともに特定領域を通過することにより発生した特別遊技状態が終了することを前記所定条件とし、
前記始動入賞口に遊技球が入賞することに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が上記高確率発生用通過センサに検出されることなく特定領域を通過することにより特別遊技状態が発生することを前記終了条件とすることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項4】
前記抽選確率制御手段は、前記始動入賞口に所定期間内に複数の遊技球が連続的に入賞することを前記所定条件とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の遊技機。
【請求項5】
前記抽選確率制御手段は、前記所定条件が成立してからの前記始動入賞口への遊技球の入賞の回数が予め設定された所定数に達することを前記終了条件とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の遊技機。
【請求項6】
遊技盤上に設けられ、発射された遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変動可能で、入賞した遊技球が流下可能な内部に特定領域と一般領域とを備え、前記遊技球が特定領域と一般領域とのいずれか一方を通過するように構成された変動入賞装置と、
遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置を閉塞状態から一時的に開放状態とする契機を付与する始動入賞口と、
前記始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて一時的に開放状態となった前記変動入賞装置に入賞した遊技球が前記特定領域を通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備えた遊技機における遊技球の移動を表示画面上に模擬的に再現するとともに遊技球の入賞口への入賞を判定し、遊技球の発射と入賞とに対応して遊技者の獲得遊技球数を算出して遊技をシミュレーションするプログラムであって、
前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機として、当該始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置が一時的に開放状態となる際の開放時間および開放回数の少なくとも一方を含む開放条件を、予め設定された複数の異なる開放条件から抽選により1つ選択して決定する開放条件決定手段と、
発射された遊技球に基づく所定条件が成立した場合に、発射された遊技球に基づく終了条件が満たされるまで、前記開放条件決定手段によって複数の開放条件のうちの他の開放条件に対して少なくとも開放時間が長いかもしくは開放回数が多いことにより遊技者に有利となる開放条件が抽選により選択される確率を、前記終了条件が満たされてから前記所定条件が成立するまでの低確率より高い高確率とする抽選確率制御手段と、
前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて、前記変動入賞装置を前記開放条件決定手段により決定された開放条件に基づいて開放状態とする変動入賞装置制御手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−282690(P2007−282690A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−110525(P2006−110525)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】