説明

遊技機

【課題】上下に分割され個別に施錠される前扉を有する遊技機において、前扉を開ける際に、上下扉を別個に解錠及び開放可能にするとともに同時に解錠及び開放可能とし、用途に応じた開放操作を行うことができ、開扉作業の迅速化を図る。
【解決手段】下扉40に設けられた錠体90に鍵体を挿入して回転させることにより、下扉移動体71が下方移動して下扉40のみが解錠され、上扉50に設けられた錠体100に鍵体を挿入して回転させることにより、上扉移動体51が下方移動するとともに、上扉移動体51に設けられた押し下げ部52が下扉移動体71に設けられた当接部72を押し下げて下扉40の下扉移動体71を下方移動させ、上扉30及び下扉40が解錠される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リールユニットなどの遊技装置を収納した筐体を、上扉と下扉とで開閉自在に形成した遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、前扉を上下に二分割し、それぞれの扉が個々にロックされる遊技機が考案されている。このような遊技機では、上扉は下扉が開放されないと解錠できないように形成し、前扉を開く場合にはまず下扉を解錠して開放し、次に上扉を解錠するようになっている。これは、下扉は開閉を頻繁に行う必要がある一方、上扉は内部に制御基板などの重要部品を人目に晒さないようにする関係上、なるべく開閉しない方が好ましいことに鑑みたものである。
一方、上記したタイプの遊技機においては、上扉を開放するためにはまず下扉の解錠・開放し、上扉のロック解除する手順を踏まなければならず手間が掛かり、扉開放作業の迅速性に欠けるという不都合があったので、特許文献1に示すように、単一の解錠装置で上下扉を同時に解錠可能とした遊技機が考案されている。
【特許文献1】特開2007−130355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した特許文献1に記載の遊技機では、上下いずれの扉を開放させるかによって鍵の回転角度を変えなければならず、操作が煩わしいという問題点があった。
そこで、各請求項に記載の各発明は、かかる不都合を解消すべくなされたものであり、上下に分割され個別に施錠される前扉を有する遊技機において、前扉を開ける際に、上下扉を別個に解錠及び開放可能にするとともに同時に解錠及び開放可能とし、用途に応じた開放操作を行うことができ、開扉作業の迅速化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、正面側に開口(開口部11)を有する筐体(1)と、筐体(1)の開口上部(13)に収納固定される制御装置(基板ユニット24)と、軸支部を介して前記筐体(1)の開口上部(13)を開閉自在に取り付けられた上扉(30)と、軸支部を介して前記筐体(1)の開口下部(14)を開閉自在に取り付けられた下扉(40)と、前記上扉(30)を閉めた状態で筐体(1)に固定するための上扉施錠装置(50)と、前記下扉(40)を閉めた状態で筐体(1)に固定するための下扉施錠装置(70)とを少なくとも有し、前記上扉施錠装置(50)及び下扉施錠装置(70)は、扉側に設けられた係止部が閉扉作動によって筐体側に設けられた被係止部に係止することにより施錠状態になるとともに、上下方向に移動可能でありかつ常時施錠位置となるよう上方向に付勢された移動体を下方に移動させることにより前記係止部が前記被係止部から外れて解錠状態となるように形成された遊技機に係る。
【0005】
本発明に係る遊技機は、例えばスロットマシンなどの遊技機であって、上記構成の他に、複数の図柄を変動表示又は停止表示可能な図柄表示手段(回転リール23)や、投入口から投入される遊技媒体の検知を行う検知装置(メダルセレクター45)や、遊技媒体を貯留及び払い出し可能な払い出し装置(ホッパーユニット5)を備えていてもよい。
ここで、前記「軸支部」とは、前扉(3)を筐体(1)に対して回動自在に支持するヒンジ部であり、筐体側の軸支部は、必ずしも筐体(1)に設けられていなくともよい。例えば、筐体(1)に収納される交換ユニット(2)の支持体(21)に軸支部としての支持体ヒンジ(25)を設けてもよい。
【0006】
またここで、「係止部」は、例えば前扉(3)の背面側から突出する鈎状のフック(上扉フック60、下扉フック80)とすることができ、「被係止部」は、筐体(1)や筐体(1)に収納固定される支持体(21)に設けられた板状の突片(筐体突片17、支持体突片27)とすることができる。また前記「移動体」は、例えば前記「係止部」を固定又は回動可能に軸止した板部材とすることができ、バネ等により、上方向に引っ張られている。従って、下方に移動している移動体に加えられている引き下げ力又は押し下げ力を緩めると、元の位置に自動復帰するようになっている。「係止部」は、「移動体」に取り付け又は一体形成されていてもよいし、「移動体」とは別に扉枠などに取り付けられていてもよい。
【0007】
そして、「扉側に設けられた係止部が閉扉作動によって筐体側に設けられた被係止部に係止することにより施錠状態になる」ための具体的構成としては、例えば「被係止体」と係合可能な凹部を設けた「係止部」を移動体又は扉の枠体等に回動自在又は上下動可能に取り付け、さらに施錠位置を保つようバネ等で付勢しておき、扉を閉めると「係止体」が「被係止体」に当接して回動又は下方移動し、凹部と「被係止体」とが係合するように形成したものとすることができる。また、「移動体を下方に移動させることにより前記係止部が前記被係止部から外れて解錠状態となる」とは、「移動体」と一体形成されている「係止部」が、「移動体」と同時に下方移動して被係止部との係合が外れる場合と、「移動体」とは別に取り付けられている「係止部」が、下方移動する「移動体」に押されて又は引き下げられて回動又は下方移動して被係止部との係合が外れる場合の双方を含む。
【0008】
さらに、本発明においては、前記下扉施錠装置(70)は、前記移動体として、下扉(40)に設けられた錠体に鍵体を挿入して回転させることにより下方移動する下扉移動体(可動板71)を備え、この下扉移動体(71)の上端部には、下扉(40)の解錠時において前記下扉(40)の上面よりも突出しない当接部(当接片72)を有している。一方、前記上扉施錠装置(50)は、前記移動体として、上扉(30)に設けられた錠体に鍵体を挿入して回転させることにより下方移動する上扉移動体(可動板51)を備え、この上扉移動体(51)の下端部には、上扉(30)の解錠時において前記当接部(72)と当接する押し下げ部(押し下げ片52)を有している。
【0009】
そして、前記下扉(40)に設けられた錠体に鍵体を挿入して回転させることにより、下扉(40)のみが解錠され、前記上扉(30)に設けられた錠体に鍵体を挿入して回転させることにより、前記押し下げ部(52)が前記当接部(71)を押し下げて前記下扉(40)の下扉移動体(71)を下方移動させ、上扉(30)及び下扉(30)が解錠されることを特徴とする。
ここで、「錠体」とは、扉などを施錠するための装置であり、例えばシリンダー錠(90,100)などとすることができる。また「鍵体」とは、錠体(90,100)とは分離された解錠部材である。本発明においては、上扉(30)及び下扉(40)のそれぞれに錠体が設けられており、錠体と移動体(上扉移動体(51)及び下扉移動体(71))とが連動するように形成されている。
【0010】
前記当接部(72)は、下扉移動体(71)の上端部に設けられた水平板状の張り出し片とすることができるが、必ずしも下扉移動体(71)の上端部に形成されていなくともよい。また前記押し下げ部(52)は、上扉移動体(51)の下端部に設けられた水平板状の張り出し片とすることができるが、必ずしも上扉移動体(51)の下端部に形成されていなくともよい。
前記押し下げ部(52)は、解錠時において前記当接部(72)と当接可能であればよく、施錠時すなわち前扉3の閉塞時には、当接部(72)と当接していなくてもよい。また、当接部(72)は、下扉(40)の解錠時に下扉(40)の上面と同じ高さかそれよりも低い位置となるよう形成されていればよく、下扉(40)の施錠時にすなわち下扉(40)の閉塞時には、下扉(40)の上面よりも上側にあってもよい。
【0011】
(作用)
本発明によれば、下扉(40)の解錠操作により下扉(40)のみが解錠され、上扉(30)の解錠操作に伴い下扉(40)も同時に解錠可能であるため、上扉(30)及び下扉(40)を別々に施錠する(すなわち下扉(40)を開放した状態でも上扉(30)はロック状態にする)ことができるとともに、上下扉を開放する場合には、一度の解錠操作で足りる。
なお、上扉(30)を解錠すると下扉(40)も必ず解錠されるが、開放状態の下扉(40)が邪魔な場合には、下扉(40)だけを閉めれば、その閉扉作動によって下扉(40)のみが施錠され、筐体(1)の開口下部(14)を塞ぐことができる。逆に、上下扉の開放後、上扉(30)だけを閉めれば、その閉扉作動によって上扉(30)のみが施錠され、筐体(1)の開口上部(13)を塞ぐことができる。
【0012】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記押し下げ部(52)及び前記当接部(72)の少なくともいずれかに、少なくとも前記上扉(30)の解錠操作時に前記押し下げ部(52)又は前記当接部(72)の一部と係合して、前記前記上扉(30)の開放に伴う前記上扉移動体(51)の開方向への移動と同時に前記下扉移動体(71)の開方向への移動を可能とする一体開放手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、「一体開放手段」により、解錠した上扉(30)及び下扉(40)を一体として同時に開くことができるように形成したものである。本発明における「一体開放手段」は、上扉移動体(51)に設けてあってもよいし、下扉移動体(71)に設けてあってもよいし、双方に設けてもよい。
「一体開放手段」としては、例えば押し下げ部(52)の背面側に設けられ当接部(72)の背面側に当接可能な垂下片(引っ掛け片52A)や、押し下げ部(52)又は当接部(72)のいずれか一方に設けられた突起(52B)と他方に設けられた係合孔(72B)とすることができる。
本発明における「一体開放手段」は、上扉(30)の解錠操作をしたときに係合すればよく、上扉(30)の施錠時には係合していなくてもよい。また、「押し下げ部(52)又は当接部(72)の一部」とは、押し下げ部(52)又は当接部(72)のいずれかに「一体開放手段」が設けられている場合には、「一体開放手段」が設けられていない方の本体部のことであり、「一体開放手段」が双方に設けられている場合には相手方の「一体開放手段」のことである。
【0014】
(作用)
本発明における「一体開放手段」は、上扉(30)が施錠状態のときには、上扉移動体(51)や下扉移動体(71)と干渉しないようになっている。従って、例えば上扉(30)がすでに閉じている場合に、下扉移動体(71)を下方移動させてない(鍵を回してない)下扉(40)の閉作動を「一体開放手段」が阻害することはない。
そして、上扉(30)が解錠操作され開放可能な状態になった場合には、「一体開放手段」が係合し、上扉移動体(51)と下扉移動体(71)とが前後方向の動きに対して一体化する。この状態で上扉(30)を開くことにより、下扉(40)も同時に開く方向に回動する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、以下のような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、上下に分割され個別に施錠される前扉を有する遊技機において、前扉を開ける際に、上下扉を別個に解錠及び開放可能にするとともに同時に解錠及び開放可能とし、用途に応じた開放操作を行うことができ、開扉作業の迅速化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(図面の説明)
図1乃至図9は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1はスロットマシンSの分解斜視図、図2は前扉3を外したスロットマシンSの斜視図、図3及び図4は下扉施錠装置70を示す斜視図、図5は上扉施錠装置50を示す斜視図、図6乃至図8は施錠装置6の部分側面断面図であって前扉3の開放手順を示す断面図である。なお、図9は、押し下げ片52及び当接片72の変形例を示す部分断面図である。
【0017】
(スロットマシンS)
本実施の形態におけるスロットマシンSは、図1に示すように、大きく分けて、正面側に開口部11を有する筐体1、筐体1内部に設けられる交換ユニット2、筐体1の開口部11を開閉可能に塞ぐ前扉3とから構成されており、さらにこの前扉3は、筐体1の開口上部13を開閉可能に塞ぐ上扉30、筐体1の開口下部14を開閉可能に塞ぐ上扉30とから構成されている。
(筐体1)
筐体1は、底板15及び側板16,16'及び天板及び裏板からなる正面側に開口する箱であり、高さ方向略中央部には、二つの側板16,16'の間に水平方向に中板12が設けられている。この中板12の下面には、電源ユニット4が固定されているとともに、底板15にはホッパーユニット5が載置されている。ここで、ホッパーユニット5はメダルを貯留するとともに、入賞時等にメダルを払い出すためのものである。また、前記電源ユニット4は、スロットマシンSの主電源の入切を行うスイッチや、スロットマシンSの設定変更の際に使用するスイッチなどを有する操作部4Aを有している。
【0018】
そして、正面左側の側板16'には、下扉40を係合させ、回転自在に支持するための筐体ヒンジ19が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられて設けられている。また、正面右側の側板16の筐体ヒンジ19の対向側には、下扉40を閉めた際、下扉40をロックするための被係止部としての筐体突片17が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられているとともに、下扉40を下方から支持し開閉作動をスムーズに行わせるためのガイドレール18が設けられている。さらに、側板16,16'の内面には、交換ユニット2の支持21を固定するための固定装置であるキャッチクリップ10が二つ設けられている。
(交換ユニット2)
交換ユニット2は、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体21と、この支持体21に固定されたリールユニット20、基板ユニット24及び設定変更装置120とから形成されている。
【0019】
支持体21は、方形状の金属枠からなり、リールユニット20及び基板ユニット24を支持するとともに、これらを一体的に取り扱い可能とするためのものである。支持体21としては、他の構成部品を支持固定可能であってもよい。支持体21の正面左側の縦枠には、上扉30を回転自在に係合するための支持体ヒンジ25が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられている。また、この支持体ヒンジ25の対向側の縦枠には、上扉30を閉めた際、上扉30をロックするための被係止部としての支持体突片27が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられているとともに、上扉30を下方から支持し開閉作動をスムーズに行わせるためのガイドレール28が設けられている。さらに、支持体21の左右の正面側縦枠には、支持体21を筐体1の開口上部13内部に収納した状態で、筐体1に設けられたキャッチクリップ10と係合可能な固定フック26が二つ設けられている。
【0020】
リールユニット20は、周囲に複数の図柄を表示した複数の回転リール23と、特に図示しないが、回転リール23を回転させるための駆動モータを有している。また、基板ユニット24は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えた基板を基板ケースに収納したものであり、遊技及びスロットマシンの作動を制御するための制御装置として機能する。設定変更装置120は、スロットマシンSの遊技設定を変更する際に使用するものである。具体的には、電源ユニット4の操作部4Aに設けられているスイッチでスロットマシンSを設定変更モードに切り替え、設定変更装置120に設けられている設定変更スイッチを操作して設定の変更や確定を行うものである。
【0021】
なお、スロットマシンSの設定を変更すると出玉率が変わるようになっており、設定変更は遊技場において適宜行われる。ただ、出玉率は店の売り上げに影響するので、みだりに第三者によって変更されることのないよう、設定変更のための操作部を筐体1の開口上部13と開口下部14に分離して配置してある。
交換ユニット2は、筐体1の中板12の上に載置した状態で開口上部13内部に収納され、キャッチクリップ10と固定フック26との係合により筐体1に固定される。
(上扉30)
上扉30は、交換ユニット2の支持体21に回転自在かつロック可能に形成されている板状の扉であり、図1に示すように、略中央部に回転リール23の図柄を正面側から見ることができる図柄表示窓31を有し、図柄表示窓31の周囲には、飾り部33が形成されている。飾り部33は、ランプなどの電飾としてもよい。そして、図柄表示窓31の下方には、7セグメント表示器や液晶表示装置を用いて、遊技に関する数字その他を表示するための表示部32が設けられている。
【0022】
上扉30の下部右端には、鍵穴34が設けられており、所定の鍵を差し込むことにより、上扉30のロックが解除されるようになっているが、この詳細については後述する。
さらに、図2に示すように、上扉30の裏面上部には、音声を出力するためのスピーカ35が設けられているとともに、一方の側面内部には、前記支持体ヒンジ25に係合可能な上扉係合部36が上下方向に間隔をおいて二つ設けられている。さらに、上扉係合部36の対向側の側面内部には、後述する施錠装置6としての上扉施錠装置50が設けられている。
そして、上扉30は、交換ユニット2を筐体1に収納固定した状態でロックすることにより、筐体1の開口上部13を密閉する。
【0023】
(下扉40)
下扉40は、筐体1の開口下部14を塞ぐための、上扉30よりも幅厚の扉であり、筐体1の側板16'に回転自在かつロック可能に形成されているものである。下扉40の上部は、スロットマシンを作動させるための操作部41となっており、下扉40の上面は、閉扉時においては、上扉30よりも前側に突出するようになっている。
ここで、前記操作部41としては、図1に示すように、遊技メダルを投入するためのメダル投入口42、貯留メダル数を減じてメダル投入に代えるためのベットスイッチ41A、貯留した投入メダルを払い出すための精算スイッチ41B、回転リール20の回転を開始させるためのスタートスイッチ41C、回転リール20の回転を停止させるためのストップスイッチ41Dが設けられている。また、下扉40の下部には払い出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43が形成されている。
【0024】
下扉40の上部右端には、鍵穴44が設けられており、所定の鍵を差し込むことにより、下扉40のロックが解除されるようになっているが、この詳細については後述する。
さらに、図2に示すように、下扉40の裏面側には、前記メダル投入口42から投入されたメダルをホッパーユニット5に誘導しながらメダルの正偽を判断するためのメダルセレクター45が設けられている。また、下扉40の一方の側面内部には、筐体ヒンジ19と係合可能な下扉係合部46が上下方向に間隔をおいて二つ設けられており、下扉係合部46の対向側の側面板の内部には、後述する施錠装置6としての下扉施錠装置70が設けられている。
(施錠装置6)
施錠装置6は、前扉3が筐体1の開口部11を塞いだ状態で施錠し、施錠された前扉3を解錠するための機構である。本実施の形態においては、前扉3は、下扉40のみを開放することができるとともに、上扉30と下扉40とを一体で開放することもできるようになっている。具体的には、下扉40に設けられている鍵穴44に所定の鍵を挿入して所定の角度回転させることにより下扉40が解錠され、下扉40のみを開放することができる。また、上扉30に設けられている鍵穴34に所定の鍵を挿入して所定の角度回転させることにより上扉30及び下扉40が同時に解錠され、上扉30及び下扉40を一体で開放することができるように形成されている。
【0025】
そして、施錠装置6は、図1に示すように、上扉30に設けられる上扉施錠装置50と、下扉40に設けられる下扉施錠装置70とから構成されている。以下、これらについて詳述するが、説明の都合上、下扉施錠装置70について先に述べる。
(下扉施錠装置70)
下扉施錠装置60は、開放状態の下扉40を筐体1の開口下部14を塞ぐ位置まで回動させることにより自動的に施錠され、鍵穴44に所定の鍵を差し込んで回すことにより解錠できるようになっている。そして、図2及び図3に示すように、下扉40の側面板の内側に設けられた固定部材75と、この固定部材75に固定ピン76を介して回動可能に軸止され下扉40の背面側に突出する鉤状の下扉フック80と、固定部材75に上下方向に移動可能に取り付けられた可動板71とを有しており、下扉フック80が筐体突片17と係合することにより下扉40が施錠されるようになっている。そして、下扉施錠装置70には、鍵の回転により可動板71を下方に移動させ下扉フック80と筐体突片17との係合を解除させるためのシリンダー錠90が設けられている。
【0026】
固定部材75は、図3及び図4に示すように、可動板71、下扉フック80、シリンダー錠90を下扉40に支持固定するための、断面略コ字型のアングル材である。固定部材75の上端部には、シリンダー錠90が固定され、上下の端部側には下扉フック80を回動可能に軸止するとともに可動板71を支持しその上下動をガイド可能な軸支部76が設けてある。また、固定部材75の長さ方向の中ほどにはガイドローラ77が取り付けられている。このガイドローラ77は、下扉40を閉じたときに、筐体1に設けられたガイドレール18の上面に乗る位置に設けられており、下扉40の開閉作動をスムーズに行わせるとともに、下扉40の反ヒンジ側を支持するためのものである。
【0027】
シリンダー錠90は、外筒の内部に鍵穴44から挿入される鍵によって回転する内筒(図示せず)を有する錠前であり、内筒の鍵穴44と反対側の端部には、押し下げ突起92を有する回転板91が取り付けられている。そして、鍵を回転させることにより回転板91が回転するようになっている。
下扉フック80は、請求項1に記載の係止部であって、図4及び図6(A)に示すように、係止凹部82及び傾斜部83を有し、固定部材75の固定ピン76に軸止されている。また下扉フック80は、傾斜部83の反対側の端部に設けられたバネ掛け部81と、固定ピン76の下方に形成されたバネ固定部75Bとの間に介在させたバネ85により、傾斜部83が上側に回動する方向に付勢されている。そして、下扉フック80は、下扉40を閉じることにより、傾斜部83が筐体突片18に当接して下側に回動し、さらに下扉40を閉方向に移動させると、傾斜部83が筐体突片18の下側をくぐり抜け、バネ85の復元力で元の位置に復帰して自動的に係止凹部82が筐体突片18に係止されるようになっている。
【0028】
可動板71は、請求項1に記載の下扉移動体であって、図4に示すように、固定ピン76が貫通する長孔71Cが形成されており、長さ方向の略中央部に設けられたバネ掛け部71Aと、固定部材75の長さ方向の略中央部に形成されたバネ固定部75Aとの間に介在させたバネ74により、常時上方に付勢されている。すなわち可動板71は、図3に示すように、常態において、固定ピン76が長孔71Cの下端に位置するところで停止している。また、可動板71には、常態停止位置において前記シリンダー錠90の回転板91の押し下げ突起92と噛み合う開口部71Bが形成されているとともに、下扉フック80の上端部に当接する押圧片73が二個設けられている。そして、シリンダー錠90の回転板91が回転することにより、開口部71Bに噛み合う押し下げ突起92が可動板71を押し下げ、それに伴い可動板71の押圧片73が下扉フック80を押圧するようになっている。なお、押圧片73に押圧された下扉フック80は傾斜部83側が下側に回動し、係止凹部82と筐体突片18との係合が外れ、下扉40が解錠状態になる。
【0029】
さらに、可動板71の上端部には、図4及び図6(A)に示すように、常態においてその上端部が下扉40の上面とほぼ同じ高さ(同一の高さあるいは若干下側となる高さ)に位置する水平板状の当接片72が形成されている。
なお、上記構成により、下扉40は単独で解錠可能かつ開閉自在になっている。
(上扉施錠装置50)
上扉施錠装置50の構造は、下扉施錠装置70と基本的には同様である。すなわち、上扉施錠装置50は、図2及び図5に示すように、上扉30の側面板の内側に設けられた固定部材55と、この固定部材55に固定ピン56を介して回動可能に軸止され上扉30の背面側に突出する鉤状の上扉フック60と、固定部材55に上下方向に移動可能に取り付けられた可動板51とを有しており、上扉フック60が支持体突片27と係合することにより上扉30が施錠されるようになっている。そして、上扉施錠装置50には、鍵の回転により可動板51を下方に移動させ上扉フック60と支持体突片27との係合を解除させるためのシリンダー錠100が設けられている。
【0030】
固定部材55は、図5に示すように、可動板51、上扉フック60、シリンダー錠100を上扉30に支持固定するための、断面略コ字型のアングル材である。固定部材55の下部には、シリンダー錠100が固定され、上下の端部側には上扉フック60を回動可能に軸止するとともに可動板51を支持しその上下動をガイド可能な軸支部56が設けてある。また、固定部材55の下端部にはガイドローラ57が取り付けられている。このガイドローラ57は、上扉30を閉じたときに、交換ユニット2の支持体21に設けられたガイドレール28の上面に乗る位置に設けられており、上扉30の開閉作動をスムーズに行わせるとともに、上扉30の反ヒンジ側を支持するためのものである。
【0031】
シリンダー錠100の構成は、下扉40のシリンダー錠90と同様であり、押し下げ突起102を有する回転板101を有している。なお、シリンダー錠100は、シリンダー錠90に用いられる鍵と同じ鍵によって解錠操作可能としてもよい。
上扉フック60の構成も、下扉フック80と同様である。すなわち、図5及び図6(A)に示すように、係止凹部62及び傾斜部63を有し、固定部材55の固定ピン56に軸止されている。また上扉フック60は、傾斜部63の反対側の端部に設けられたバネ掛け部61と、固定ピン56の下方に形成されたバネ固定部55Bとの間に介在させたバネ65により、傾斜部63が上側に回動する方向に付勢されている。
【0032】
可動板51は、図5に示すように、固定ピン56が貫通する長孔が形成されており、長さ方向の略中央部に設けられたバネ掛け部51Aと、固定部材55の長さ方向の略中央部に形成されたバネ固定部55Aとの間に介在させたバネ54により、常時上方に付勢されている。また、可動板51には、常態停止位置において前記シリンダー錠100の押し下げ突起102と噛み合う開口部51Bが形成されているとともに、上扉フック60の上端部に当接する押圧片53が二個設けられている。そして、シリンダー錠100の回転板101が回転することにより、開口部51Bに噛み合う押し下げ突起102が可動板51を押し下げ、それに伴い可動板51の押圧片53が上扉フック60を押圧するようになっている。
【0033】
さらに、可動板51の下端部には、図5及び図6(A)に示すように、常態においてその下端部が前記下扉40の上面とほぼ同じ高さ(同一の高さあるいは若干上側となる高さ)に位置するとともに、前記下扉施錠装置70の当接片72と面接触する水平板状の押し下げ片52が形成されている。そして、可動板51の下方移動に伴いこの押し下げ片52が当接片72を押し下げることにより、下扉施錠装置70の可動板71が下方に移動するようになっている。
また、前記押し下げ片52の背面側には、図6(A)に示すように、当接片72の背面側と当接可能な引っ掛け片52Aが垂下形成されている。この引っ掛け片52Aは、請求項に記載の一体開放手段であって、上下の可動板51,71が同時に下方移動した状態(図8(A)参照)で上扉30を手前側に引く(開放する)ことにより、下扉40が一緒に開放されるようにするためのものである。そして、上扉施錠装置50のロックを解除する場合には、下扉施錠装置70も同時にロック解除される。つまり上扉30は、下扉40の解錠が解錠開放の条件となっており、下扉40が開放されていれば上扉30を単独で開閉することはできるが、下扉40が閉じている場合には単独で開くことはできないようになっている。
【0034】
(前扉3の解錠及び開閉)
以上のような構成を有する施錠装置6による前扉3の解錠と前扉3の開閉について、図6乃至図8に基づき説明する。ここで、図6、図7及び図8における(B)は、同図の(A)におけるシリンダー錠90(又は100)の回転板91(101)を背面視したものを表した図である。
まず、前扉3の施錠時においては、図6(A)に示すように、上扉フック60が支持体突片27と、下扉フック80が筐体突片17と、それぞれ係合しており、当接片72の上面は押し下げ片52の下面と当接している。また、押し下げ片52の引っ掛け片52Aは、当接片72の背面側に位置している。なおこのとき、シリンダー錠90の回転板91は図6(B)に示す位置にある。特に図示しないが、シリンダー錠100の回転板101も同様の位置にある。
【0035】
次に、下扉40の鍵穴44に鍵を挿入して、解錠方向(回転板91が図3に示す黒矢印の方向に回転する鍵の回転方向)に回転させる。鍵の回転に伴い、回転板91が回転し(図7(B)参照)、可動板71の開口部71Bと噛み合う押し下げ突起92が下方に移動し、可動板71が下降移動する。そして、図7(A)に示すように、可動板71の下降に伴い、押圧片73が下扉フック80を押し下げ、係止凹部82と筐体突片17の係合が外れて下扉40が解錠される。このとき、当接片72は押し下げ片52から離れて下側に位置している。
さらに、図7(A)に示す状態において、鍵を保持したまま下扉40を開く方向(手前側)に回動させることにより、下扉40のみを開放することができる。すなわち、引っ掛け片52Aは当接片72よりも奥側(筐体内側)に位置しているので、当接片72と押し下げ片52とが干渉することなく、下扉40を開くことができるものである。また、下扉40を解放後に鍵の保持力を緩めると、可動板71はバネ74(図3参照)によって引き上げられ元の位置に戻り、下扉フック80はバネ85によって回動し元の位置に戻る。
【0036】
一方、前扉3の施錠時において、上扉30の鍵穴34に鍵を挿入して、解錠方向に回転させた場合には、回転板101が回転し(図8(B)参照)、可動板51の開口部51Bと噛み合う押し下げ突起102が下方に移動し、可動板51が下降移動する。そして、図8(A)に示すように、可動板51の下降に伴い、押圧片53が上扉フック60を押し下げ、係止凹部62と支持体突片27の係合が外れて上扉30が解錠される。このとき、押し下げ片52が当接片72を押し下げることにより、移動板71が下方移動し、これに伴い下扉フック80が押し下げられて回動する。すなわち、上扉30が解錠されると同時に下扉40も解錠される。
そして、図8(A)に示す状態において、鍵を保持したまま上扉30を開く方向(手前側)に回動させることにより、上扉30と下扉40を一体で開放することができる。これは、引っ掛け片52Aが当接片72の背面に引っかかった状態となるため、上扉施錠装置50の可動板51と下扉施錠装置70の可動板71が連結され、上扉30と下扉40とが一体化するからである。
【0037】
なお、上扉30と下扉40の施錠は、前述したように、上扉30及び下扉40を全閉することにより自動的に行われる。この場合、上扉30を先に閉めることはもとより、上扉30と下扉40を同時に(当接片72と押し下げ片52を鍵操作で係合させたまま一体化して)閉めることも可能である。
このように、本実施の形態によれば、下扉40の鍵穴44を鍵操作することにより、下扉40のみを解錠及び開放することができるとともに、上扉30の鍵穴34を鍵操作することによって、上扉30を解錠すると同時に下扉40も解錠し上下扉を同時に開放することも可能である。従って、例えばホッパーユニット5にメダルを補給する場合やメダルセレクター45のメダル詰まりを直す場合には、鍵穴44に鍵を挿入して解錠し下扉40のみを開放し、リールユニット20のメンテナンスや基板ユニットの点検、あるいは設定変更を行う場合には、鍵穴34に鍵を挿入して解錠し上下扉を一度に開放することができる。従って、重要部品の設置されている開口上部13の内部をみだりに人目に晒すことがないと同時に、開口上部13の開放が必要な場合、及び開口上部13及び開口下部14の双方を開放する必要が有る場合には、上扉30を開けるために下扉40を解錠及び開放する手順を踏む必要が無く、作業を迅速に行うことができる。
【0038】
すなわち、単純に上扉30と下扉40にそれぞれ鍵を設けて別々に開閉可能とした場合には、上下扉を同時に開放する際に二つの鍵を解錠しなければならないのに対し、本実施の形態ではその手間を省くことができる。
なお、本実施の形態によれば、上扉30のみを解錠して開放することができないが、スロットマシンSは、開口上部13に制御装置(基板ユニット24)を配置し、開口下部14にホッパーユニット5やメダルセレクター45が配置されているので、下扉40のみを開放して上扉30は開放したくない(すべきでない)場合があるのに対し、上扉30のみを開放して下扉40開放すると好ましくないという状況は考えにくい。さらに、本実施の形態では、設定変更をする場合に操作が必要となる電源ユニット4が筐体1の開口下部14に、設定変更装置120が開口上部13にそれぞれ配置されているので、設定変更の際には上下扉を同時に開放する必要がある。上記した内部装置のメンテナンスに鑑みても、上扉30を単独で開放する必要性に対して、下扉40のみを開放すること及び上扉30及び下扉40を同時に開放する必要性の方がはるかに高く、本実施の形態のように形成することは最も利便性が高いのである。
【0039】
ここで、上下扉を解錠開放後、下扉40が作業などの支障になる場合には、下扉40のみを閉塞することが考えられる。しかし、上記した実施の形態では、上扉30の施錠時において引っ掛け片52Aが当接片72の上面よりも下方に突出しているので、上扉30の解錠開放によって下扉40を開放した場合には、鍵操作により下扉40の可動板71を下方移動させて当接片72が引っ掛け片52Aよりも下側になるよう(図7(A)参照)保持していなければならず、鍵の差し替えなど操作が面倒である。
そこで、特に図示しないが、上下扉の施錠時(図6参照)においては引っ掛け片52Aが当接片72の上面よりも上側に位置し、上扉30の鍵操作に伴い可動板51が下降移動すると引っ掛け片52Aが当接片72の上面よりも下側となるように形成してもよいものである。すなわち、押し下げ片51は上扉30の解錠操作で当接片72に当接可能であればよく、上扉30が完全に解錠されたとき(図8参照)に、引っ掛け片52Aが当接片72の上面よりも下方に突出する位置となればよい。
【0040】
(押し下げ片52及び当接片72の変形例)
ここで、上記実施の形態においては、上下扉を一体で開放する際、当接片72を押し下げ片52の背面側に設けた一体開放手段としての引っ掛け片52Aに係止させて、上扉施錠装置50の可動板51と下扉施錠装置70の可動板71が一体的に移動可能となるように形成されていたが、可動板51と可動板71を扉開作動時に一体的にするための一体開放手段の構成としては、上記のものに限られない。
例えば、図9に示すように、押し下げ片52の下面に突起52Bを設けるとともに、当接片72には突起52Bが嵌入可能な係止孔72Bを設け、押し下げ片52と当接片72が当接している状態においては、図9(A)に示すように、係止孔72Bに突起52Bが嵌っており、可動板71が下降移動したとき(下扉40を解錠したとき)には係止孔72Bから突起52Bが抜け出るように形成することができる。突起52Bは円柱形でも角柱形でもよく、係止孔72Bは丸孔でも楕円でもスリットでもよい。
【0041】
このように形成した場合には、押し下げ片52と当接片72が接触状態のときには、上扉30及び下扉40は前後方向の移動を規制されるので、上扉30を解錠操作して上下扉を一体で開放する際、下扉40が先に開いてしまうことがなく、前扉3の開放作業がやりやすくなる。
なお、特に図示しないが、押し下げ片52に係止孔を設け、当接片72の上面に突起を設けても構わない。いずれにせよ、突起の高さは、シリンダー錠90を回転させたことにより可動板71が解錠位置まで下降したときに、係止孔との係合が解除されるように形成されていればよい。
また、上扉施錠装置50の押し下げ片52、下扉施錠装置70の当接片72は、下扉40の閉操作時に互いに干渉することなく、下扉40と上扉30の同時開放時には、上扉施錠装置50の可動板51と下扉施錠装置70の可動板71を、少なくとも手前側の移動に対して一体化させることができるようになっていれば、種々の態様に形成することができる。
【0042】
ところで、上記実施の形態及び変形例では、下扉施錠装置70の当接片72の上面が下扉40の上端よりも上側にならないように形成してあったが、当接片72は、下扉40の解錠時(解放時)に上扉30の下端部と干渉しなければ、下扉40の施錠時においてその上面が下扉40の上端よりも上側となっていてもかまわない。
また、上記実施の形態及び変形例では、上扉施錠装置50の押し下げ片52は、図6及び図9(A)に示すように、常態(施錠時)においてその下端部が上扉30の下端とほぼ同じ高さ(下扉40の上端と同じがやや上側)となるよう形成してあったが、上扉30の施錠時において押し下げ片52が上扉30の下端よりも下側(下扉40の上端よりも下側)となるように形成してもよい。このように形成した場合には、下扉40を解放すると押し下げ片52が上扉30の下端部から露出するので、上扉30を鍵により解錠することなく、押し下げ片52を手動で直接引き下げることにより、上扉30の解錠開放が可能になる。押し下げ片52が上扉30の下端より上側にあっても、手を差し入れて押し下げ片52を引き下げることは可能であるが、操作が面倒なので、上扉30をこのように開放したい場合には、上記したように形成するのが好ましい。
【0043】
なお本発明は、上扉30が筐体1に軸止されている遊技機においても使用することができ、スロットマシン以外の遊技機に使用することができるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンSの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、前扉3を外したスロットマシンSの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、下扉施錠装置70の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、下扉施錠装置70の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、上扉施錠装置50の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態であって、施錠装置6の部分側面断面図である。
【図7】本発明の実施の形態であって、施錠装置6における下扉解錠状態の部分側面断面図である。
【図8】本発明の実施の形態であって、施錠装置6における上下扉解錠状態の部分側面断面図である。
【図9】本発明の実施の形態であって、押し下げ片52及び当接片72の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
S スロットマシン 1 筐体
2 交換ユニット 3 前扉
4 電源ユニット 4A 操作部
5 ホッパーユニット 6 施錠装置
10 キャッチクリップ 11 開口部
12 中板 13 開口上部
14 開口下部 15 底板
16 側板 17 筐体突片(被係止部)
18 ガイドレール 19 筐体ヒンジ
20 リールユニット 21 支持体
23 回転リール 24 基板ユニット
25 支持体ヒンジ 26 固定フック
27 支持体突片(被係止部) 28 ガイドレール
30 上扉 31 図柄表示窓
32 表示部 33 飾り部
34 鍵穴 35 スピーカ
36 上扉係合部
40 下扉 41 操作部
41A ベットスイッチ 41B 精算スイッチ
41C スタートスイッチ 41D ストップスイッチ
42 メダル投入口 43 メダル受け皿
44 鍵穴 45 メダルセレクター
46 下扉係合部
50 上扉施錠装置 51 可動板(上扉移動体)
51A バネ掛け部 52 押し下げ片
52A 引っ掛け片(一体開放手段) 52B 突起(一体開放手段)
53 押圧片 54 バネ
55 固定部材 55A バネ固定部
55B バネ固定部 56 固定ピン
57 ガイドローラ
60 上扉フック(係止部) 61 バネ掛け部
62 係止凹部 63 傾斜部
65 バネ
70 上扉施錠装置 71 可動板(下扉移動体)
71A バネ掛け部 71B 開口部
71C 長孔 72 当接片
72B 係止孔(一体開放手段)
73 押圧片 74 バネ
75 固定部材 75A バネ固定部
75B バネ固定部 76 固定ピン
77 ガイドローラ
80 上扉フック(係止部) 81 バネ掛け部
82 係止凹部 83 傾斜部
85 バネ
90 シリンダー錠 91 回転板
92 押し下げ突起
100 シリンダー錠 101 回転板
102 押し下げ突起
120 設定変更装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面側に開口を有する筐体と、
筐体の開口上部に収納固定される制御装置と、
軸支部を介して前記筐体の開口上部を開閉自在に取り付けられた上扉と、
軸支部を介して前記筐体の開口下部を開閉自在に取り付けられた下扉と、
前記上扉を閉めた状態で筐体に固定するための上扉施錠装置と、
前記下扉を閉めた状態で筐体に固定するための下扉施錠装置とを少なくとも有し、
前記上扉施錠装置及び下扉施錠装置は、扉側に設けられた係止部が閉扉作動によって筐体側に設けられた被係止部に係止することにより施錠状態になるとともに、上下方向に移動可能でありかつ常時施錠位置となるよう上方向に付勢された移動体を下方に移動させることにより前記係止部が前記被係止部から外れて解錠状態となるように形成された遊技機において、
前記下扉施錠装置は、前記移動体として、下扉に設けられた錠体に鍵体を挿入して回転させることにより下方移動する下扉移動体を備え、この下扉移動体の上端部には、下扉の解錠時において前記下扉の上面よりも突出しない当接部を有し、
前記上扉施錠装置は、前記移動体として、上扉に設けられた錠体に鍵体を挿入して回転させることにより下方移動する上扉移動体を備え、この上扉移動体の下端部には、上扉の解錠時において前記当接部と当接する押し下げ部を有し、
前記下扉に設けられた錠体に鍵体を挿入して回転させることにより、下扉のみが解錠され、
前記上扉に設けられた錠体に鍵体を挿入して回転させることにより、前記押し下げ部が前記当接部を押し下げて前記下扉の下扉移動体を下方移動させ、上扉及び下扉が解錠されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記押し下げ部及び前記当接部の少なくともいずれかに、少なくとも前記上扉の解錠操作時に前記押し下げ部又は前記当接部の一部と係合して、前記上扉の開放に伴う前記上扉移動体の開方向への移動と同時に前記下扉移動体の開方向への移動を可能とする一体開放手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−148386(P2009−148386A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328128(P2007−328128)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】