説明

遊技機

【課題】鍵を回動操作して扉部材を開放させる作業時に不正に鍵が使用されることを防止できる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機本体部3と、この裏面側の遊技主要ブロック5と、遊技機本体部3および遊技主要ブロック5を施錠する施錠装置120とを備え、施錠装置120は、鍵が時計方向に回動操作されることで遊技機本体部3を解錠し、鍵が反時計方向に回動操作されることで遊技主要ブロック5を解錠するものであり、鍵が時計方向に回動されて回動位置に達するとその回動位置で戻すことも抜くことも不可に鍵を固定する固定機構128と、遊技機本体部3の裏面側に設けられた、固定機構128による鍵の回動・抜け固定を解除する固定解除機構とを備えているので、不正行為者が鍵を反時計方向に回動させたり抜いたりする行為も防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技球を使用するパチンコ機、メダルまたは遊技球使用の回胴遊技機などの各種の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、当該パチンコ機の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠と、この外枠の正面視での左端側を開閉軸として当該外枠に対して開閉可能に支持される内枠と、この内枠の略中央に形成された開口に遊技領域が位置するように当該内枠に取り付けられる遊技盤と、内枠の正面視での左端側を開閉軸として当該内枠に対して開閉可能に支持され、遊技領域を視認するための視認窓を有する前面扉とを備えている。
【0003】
この前面扉には施錠装置が設けられており、この施錠装置を鍵(キー)により操作することで前面扉および内枠の解錠・施錠を行っている。例えば、パチンコ機内部にトラブル等が発生した場合には、遊技場関係者(ホール員)が鍵を施錠装置の鍵穴に挿入してその鍵を時計方向に操作することで内枠が解錠され、内枠を開放してパチンコ機内部を点検することになる。なおこのとき、前面扉は施錠状態(内枠に対して閉じられた状態)のままであるため、前面扉が一体となった状態で内枠が開放されている。一方、遊技盤の遊技領域で球詰まり等が発生した場合には、施錠装置の鍵穴に挿入した鍵を前記とは反対方向(反時計方向)に操作することで前面扉のみが解錠され、前面扉を開放して遊技領域での球詰まりを解消することになる。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−102882号公報(第21−22頁,第20−24図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、パチンコ機内部にトラブル等が発生した場合には、遊技場関係者(ホール員)は、鍵を施錠装置の鍵穴に挿入してその鍵を時計方向に操作して内枠を解錠し、内枠を開放した状態でパチンコ機の内部を点検することになるが、遊技場関係者は開放された内枠の裏面側と外枠との間に位置して作業を行うため内枠の前面側(特に前面扉)が見えない状態で作業することがあり、このとき遊技場関係者に気付かれないように不正行為者が鍵を抜いて何らかの不正行為が行われるおそれがあるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、鍵穴に挿入された鍵を回動操作することで扉部材を開放させる作業時に、不正に鍵が使用されることを防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
本体枠と、当該本体枠に対して開閉可能に支持される第1扉部材と、を備えた遊技機において、
前記第1扉部材に設けられて当該第1扉部材に対して開閉可能に支持される第2扉部材と、
前記第1扉部材および前記第2扉部材を閉状態に施錠する施錠装置と、
を備え、
前記施錠装置は、鍵が挿入される鍵穴を前記第1扉部材の前面側に備え、前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されることで前記第1扉部材を解錠するとともに、前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向とは異なる第2の方向に回動操作されることで前記第2扉部材を解錠するものであり、
前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されて所定の回動位置に達するとその回動位置で第2の方向には回動不能で、かつ、抜けないように当該鍵を固定する固定手段と、
前記第1扉部材の裏面側に設けられた、前記固定手段による鍵の回動・抜け固定を解除する固定解除手段と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、遊技機は、本体枠と、当該本体枠に対して開閉可能に支持される第1扉部材とを備えている。第2扉部材は、第1扉部材に設けられて当該第1扉部材に対して開閉可能に支持される。施錠装置は、第1扉部材および第2扉部材を閉状態に施錠する。さらに、この施錠装置は、鍵が挿入される鍵穴を第1扉部材の前面側に備えており、鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されることで第1扉部材を解錠するとともに、鍵穴に挿入された鍵が第1の方向とは異なる第2の方向に回動操作されることで第2扉部材を解錠するものである。固定手段は、鍵が第1の方向に回動操作されて所定の回動位置に達するとその回動位置で第2の方向には回動不能で、かつ、抜けないように当該鍵を固定する。固定解除手段は、第1扉部材の裏面側に設けられており、固定手段による鍵の回動・抜け固定を解除する。
【0009】
したがって、遊技機内部のトラブル等の処理や遊技機内部の点検(確認)等の場合には、遊技場関係者(ホール員)は、鍵を施錠装置の鍵穴に挿入してその鍵を第1の方向に操作して第1扉部材を解錠し、第1扉部材を開放した状態でパチンコ機の内部を点検することになるが、この第1扉部材の解錠状態では、固定手段により鍵が第1の方向の回動位置で固定されており、鍵を第2の方向に回動できないようになっており、さらに、抜けないようにもなっているので、仮に不正行為者が鍵を第2の方向に回動操作しようとしてもその回動操作ができず、不正に第2扉部材が解錠されることを防止できるし、不正行為者が鍵を抜くことができないので、不正行為者が鍵を抜いて何らかの不正行為が行われることを防止できる。
【0010】
また、遊技場関係者は第1扉部材の解錠状態において固定解除手段を操作することで、鍵の回動・抜け固定を解除でき、遊技場関係者はその鍵を抜いて保持した状態で、前述の点検(確認)等の作業を行うことができ、鍵を抜き取っているので鍵が不正使用されることがない。また、不正行為者にとってみれば、第1扉部材の裏面側に固定解除手段が設けられているので、第1扉部材と本体枠との間に存する遊技場関係者に知られずに固定解除手段を不正行為者が操作することは困難であり、不正に固定解除手段を操作して鍵を抜くことも低減できる。
【0011】
その結果、鍵穴に挿入された鍵を回動操作することで第1扉部材(扉部材)を開放させる作業時に、不正に鍵が使用されることを防止できる遊技機を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る遊技機によれば、遊技機内部のトラブル等の処理や遊技機内部の点検(確認)等の場合には、遊技場関係者(ホール員)は、鍵を施錠装置の鍵穴に挿入してその鍵を第1の方向に操作して第1扉部材を解錠し、第1扉部材を開放した状態でパチンコ機の内部を点検することになるが、この第1扉部材の解錠状態では、固定手段により鍵が第1の方向の回動位置で固定されており、鍵を第2の方向に回動できないようになっており、さらに、抜けないようにもなっているので、仮に不正行為者が鍵を第2の方向に回動操作しようとしてもその回動操作ができず、不正に第2扉部材が解錠されることを防止できるし、不正行為者が鍵を抜くことができないので、不正行為者が鍵を抜いて何らかの不正行為が行われることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態における遊技機の全体を示す斜視図である。
【図2】遊技機の正面図である。
【図3】遊技機の内部開放状態を示す斜視図である。
【図4】遊技機の内部開放状態を示す斜視図である。
【図5】遊技機の背面図である。
【図6】(a)は遊技機本体部を背面側から見た図、(b),(c)はドアブロックに対する遊技盤ブロックと払出ブロックの開放動作状況を示す図である。
【図7】ドアブロックを前方から見た分解斜視図である。
【図8】ドアブロック4を後方から見た分解斜視図である。
【図9】ドアブロックを構成する前扉体と背面枠とを分離してそれらを前方から見た斜視図である。
【図10】ドアブロックを構成する前扉体と背面枠とを分離してそれらを後方から見た斜視図である。
【図11】受皿ブロックの斜視図である。
【図12】遊技盤ブロックの後方斜視図である。
【図13】遊技盤ブロックの分解斜視図である。
【図14】前面枠体およびベース板とリール装置との斜視図である。
【図15】払出ブロックの斜視図である。
【図16】払出ブロックの背面図である。
【図17】(a)は施錠装置の構成を示す斜視図、(b)は施錠装置の裏面カバーを外した斜視図である。
【図18】(a)〜(d)は順に施錠装置を後方右側、前方左側、前方右側、後方左側から見た状態を示す斜視図である。
【図19】(a)は操作キー未挿入状態での施錠装置を後方左側から見た図、(b)は操作キーを時計回りに回動させた状態での施錠装置を後方左側から見た図、(c)は操作キーを反時計回りに回動させた状態での施錠装置を後方左側から見た図である。
【図20】(a)は施錠装置の固定機構がアンロック状態である場合における要部側面図、(b)は要部斜視図であり、(c)は施錠装置の固定機構がロック状態である場合における要部側面図、(d)は要部斜視図である。
【図21】(a)はキーシリンダ錠の縦断面図であり、(b)はキーシリンダ錠をその鍵穴から見た状態で鍵穴が右斜め姿勢となっているときの当該右斜め断面図である。
【図22】(a)〜(c)は、操作キーの回動固定状態のままでドアブロックを閉じる場合での自動復帰機構の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(0) 本体枠と、この本体枠の前面側に設けられて当該本体枠に対して開閉可能に支持される第1扉部材と、を備えた遊技機において、
前記第1扉部材の裏面側に設けられて当該第1扉部材に対して開閉可能に支持される第2扉部材と、
前記第1扉部材および前記第2扉部材を閉状態に施錠する施錠装置と、
を備え、
前記施錠装置は、鍵が挿入される鍵穴を前記第1扉部材の前面側に備え、前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されることで前記第1扉部材を解錠するとともに、前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向とは異なる第2の方向に回動操作されることで前記第2扉部材を解錠するものであり、
前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されて所定の回動位置に達するとその回動位置で第2の方向には回動不能で、かつ、抜けないように当該鍵を固定する固定手段と、
前記第1扉部材の裏面側に設けられた、前記固定手段による鍵の回動・抜け固定を解除する固定解除手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(0)に記載の発明によれば、遊技機は、本体枠と、この本体枠の前面側に設けられて当該本体枠に対して開閉可能に支持される第1扉部材とを備えている。第2扉部材は、第1扉部材の裏面側に設けられて当該第1扉部材に対して開閉可能に支持される。施錠装置は、第1扉部材および第2扉部材を閉状態に施錠する。さらに、この施錠装置は、鍵が挿入される鍵穴を第1扉部材の前面側に備えており、鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されることで第1扉部材を解錠するとともに、鍵穴に挿入された鍵が第1の方向とは異なる第2の方向に回動操作されることで第2扉部材を解錠するものである。固定手段は、鍵が第1の方向に回動操作されて所定の回動位置に達するとその回動位置で第2の方向には回動不能で、かつ、抜けないように当該鍵を固定する。固定解除手段は、第1扉部材の裏面側に設けられており、固定手段による鍵の回動・抜け固定を解除する。
したがって、遊技機内部のトラブル等の処理や遊技機内部の点検(確認)等の場合には、遊技場関係者(ホール員)は、鍵を施錠装置の鍵穴に挿入してその鍵を第1の方向に操作して第1扉部材を解錠し、第1扉部材を開放した状態でパチンコ機の内部を点検することになるが、この第1扉部材の解錠状態では、固定手段により鍵が第1の方向の回動位置で固定されており、鍵を第2の方向に回動できないようになっており、さらに、抜けないようにもなっているので、仮に不正行為者が鍵を第2の方向に回動操作しようとしてもその回動操作ができず、不正に第2扉部材が解錠されることを防止できるし、不正行為者が鍵を抜くことができないので、不正行為者が鍵を抜いて何らかの不正行為が行われることを防止できる。
また、遊技場関係者は第1扉部材の解錠状態において固定解除手段を操作することで、鍵の回動・抜け固定を解除でき、遊技場関係者はその鍵を抜いて保持した状態で、前述の点検(確認)等の作業を行うことができ、鍵を抜き取っているので鍵が不正使用されることがない。また、不正行為者にとってみれば、第1扉部材の裏面側に固定解除手段が設けられているので、第1扉部材と本体枠との間に存する遊技場関係者に知られずに固定解除手段を不正行為者が操作することは困難であり、不正に固定解除手段を操作して鍵を抜くことも低減できる。
その結果、鍵穴に挿入された鍵を回動操作することで第1扉部材(扉部材)を開放させる作業時に、不正に鍵が使用されることを防止できる遊技機を提供することができる。
【0015】
(00) 本体枠と、この本体枠に対して前面側に開閉可能に支持される第1扉部材と、を備えた遊技機において、
前記第1扉部材の前面側に設けられて当該第1扉部材に対して開閉可能に支持される第2扉部材と、
前記第1扉部材および前記第2扉部材を閉状態に施錠する施錠装置と、
を備え、
前記施錠装置は、鍵が挿入される鍵穴を前記第1扉部材の前面側に備え、前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されることで前記第1扉部材を解錠するとともに、前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向とは異なる第2の方向に回動操作されることで前記第2扉部材を解錠するものであり、
前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されて所定の回動位置に達するとその回動位置で第2の方向には回動不能で、かつ、抜けないように当該鍵を固定する固定手段と、
前記第1扉部材の裏面側に設けられた、前記固定手段による鍵の回動・抜け固定を解除する固定解除手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(00)に記載の発明によれば、遊技機は、本体枠(例えば外枠)と、この本体枠に対して前面側に開閉可能に支持される第1扉部材(例えば内枠)とを備えている。第2扉部材(例えば前面扉枠あるいはガラス枠)は、第1扉部材の前面側に設けられて当該第1扉部材に対して開閉可能に支持される。施錠装置は、第1扉部材および第2扉部材を閉状態に施錠する。さらに、この施錠装置は、鍵が挿入される鍵穴を第1扉部材の前面側に備えており、鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されることで第1扉部材を解錠するとともに、鍵穴に挿入された鍵が第1の方向とは異なる第2の方向に回動操作されることで第2扉部材を解錠するものである。固定手段は、鍵が第1の方向に回動操作されて所定の回動位置に達するとその回動位置で第2の方向には回動不能で、かつ、抜けないように当該鍵を固定する。固定解除手段は、第1扉部材の裏面側に設けられており、固定手段による鍵の回動・抜け固定を解除する。
【0017】
したがって、遊技機内部のトラブル等の処理や遊技機内部の点検(確認)等の場合には、遊技場関係者(ホール員)は、鍵を施錠装置の鍵穴に挿入してその鍵を第1の方向に操作して第1扉部材を解錠し、第1扉部材を開放した状態でパチンコ機の内部を点検することになるが、この第1扉部材の解錠状態では、固定手段により鍵が第1の方向の回動位置で固定されており、鍵を第2の方向に回動できないようになっており、さらに、抜けないようにもなっているので、仮に不正行為者が鍵を第2の方向に回動操作しようとしてもその回動操作ができず、不正に第2扉部材が解錠されることを防止できるし、不正行為者が鍵を抜くことができないので、不正行為者が鍵を抜いて何らかの不正行為が行われることを防止できる。
【0018】
また、遊技場関係者は第1扉部材の解錠状態において固定解除手段を操作することで、鍵の回動・抜け固定を解除でき、遊技場関係者はその鍵を抜いて保持した状態で、前述の点検(確認)等の作業を行うことができ、鍵を抜き取っているので鍵が不正使用されることがない。また、不正行為者にとってみれば、第1扉部材の裏面側に固定解除手段が設けられているので、第1扉部材と本体枠との間に存する遊技場関係者に知られずに固定解除手段を不正行為者が操作することは困難であり、不正に固定解除手段を操作して鍵を抜くことも低減できる。
【0019】
その結果、鍵穴に挿入された鍵を回動操作することで第1扉部材(扉部材)を開放させる作業時に、不正に鍵が使用されることを防止できる遊技機を提供することができる。
【0020】
(1) 前記(0)または(00)に記載の遊技機において、
前記第1扉部材は、前記本体枠に係止する鉤部材を備え、
前記施錠装置は、前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されることで、前記鉤部材を前記本体枠への係止が解除された開位置に変位し、前記第1扉部材を解錠するものであり、
前記固定手段は、前記鍵を回動位置に固定した状態において前記鉤部材を開位置に固定している
ことを特徴とする遊技機。
【0021】
前記(1)に記載の発明によれば、第1扉部材の鉤部材は、本体枠に係止する。施錠装置は、鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されることで、鉤部材を本体枠への係止が解除された開位置に変位し、第1扉部材を解錠する。固定手段は、鍵を回動位置に固定した状態において鉤部材を開位置に固定している。したがって、遊技関係者は、開位置で固定された鉤部材を見ることで、鍵が固定状態であることを認識できる。また、第1扉部材を閉状態にする際に、固定解除手段を操作することを気付かせることもできる。
【0022】
(2) 前記(1)に記載の遊技機において、
前記固定解除手段は、前記固定手段による前記鍵の回動固定を解除すると、前記鍵を前記鍵穴に対して挿抜可能な中立位置に自動的に戻す自動復帰手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0023】
前記(2)に記載の発明によれば、固定解除手段の自動復帰手段は、固定手段による鍵の回動固定を解除すると、鍵を鍵穴に対して挿抜可能な中立位置に自動的に戻す。したがって、遊技関係者は、中立位置に戻された鍵を見ることで、鍵の回動固定が解除されていることを認識できる。
【0024】
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記固定解除手段は、前記固定手段による前記鍵の回動固定状態のままで前記第1扉部材を前記本体枠に閉じる際に、前記第1扉部材の所定箇所が前記本体枠の対応する箇所に接触して押されることで前記自動復帰手段が動作して、前記固定手段による前記鍵の回動固定が自動的に解除されるとともに、前記自動復帰手段による前記鍵の中立位置への自動復帰に連動して前記鉤部材が閉位置に変位して前記施錠装置による前記第1扉部材の施錠がされるようになっている
ことを特徴とする遊技機。
【0025】
前記(3)に記載の発明によれば、固定手段による鍵の回動固定状態のままで第1扉部材を本体枠に閉じる際に、第1扉部材の所定箇所が本体枠の対応する箇所に接触して押されることで自動復帰手段が動作して、固定手段による鍵の回動固定が自動的に解除されるとともに、自動復帰手段による鍵の中立位置への自動復帰に連動して鉤部材が閉位置に変位して施錠装置による第1扉部材の施錠がされるので、鍵を第1の方向に回動操作して第1扉部材を解錠しただけであれば、遊技場関係者は、自動復帰手段を操作せずとも、そのまま第1扉部材を閉めることで、鍵の回動固定の解除および第1扉部材の施錠を行うことができ、利便性に優れている。
【0026】
(4) 前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第2扉部材は、前記第1扉部材が解錠されて開放された状態において、前記鍵穴に挿入された前記鍵が第2の方向に回動操作されることで解錠されて開放可能となるものであり、
前記第2扉部材は、遊技者の利益に関する制御を担う制御手段と、前記制御手段を少なくとも覆うカバー部材とを備え、
前記カバー部材は、前記第2扉部材が解錠されて開放された状態で前記制御手段の覆いを解除可能となっている
ことを特徴とする遊技機。
【0027】
前記(4)に記載の発明によれば、第2扉部材は、第1扉部材が解錠されて開放された状態において、鍵穴に挿入された鍵が第2の方向に回動操作されることで解錠されて開放可能となる。さらに、この第2扉部材は、遊技者の利益に関する制御を担う制御手段と、この制御手段を少なくとも覆うカバー部材とを備えている。また、カバー部材は、第2扉部材が解錠されて開放された状態で制御手段の覆いを解除可能となっている。したがって、第1扉部材の前面側の鍵穴に鍵を挿入してこの鍵を第1の方向に回動して、まず、第1扉部材を解錠し、この第1扉部材を開放し、そして、鍵穴に挿入された鍵を今度は反対の第2の方向に回動操作して第2扉部材を解錠し、この第2扉部材を開放し、さらにカバー部材による制御手段の覆いを解除しなければ、制御手段にアクセスできないので、これらの操作に手間がかかり、制御手段に対する不正行為を抑止することができる。
【0028】
(5) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0029】
前記(5)に記載の遊技機によれば、鍵穴に挿入された鍵を回動操作することで第1扉部材(扉部材)を開放させる作業時に、不正に鍵が使用されることを防止できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0030】
(6) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0031】
前記(6)に記載の遊技機によれば、鍵穴に挿入された鍵を回動操作することで第1扉部材(扉部材)を開放させる作業時に、不正に鍵が使用されることを防止できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0032】
(7) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0033】
前記(7)に記載の遊技機によれば、鍵穴に挿入された鍵を回動操作することで第1扉部材(扉部材)を開放させる作業時に、不正に鍵が使用されることを防止できる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0034】
(8) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機は、遊技者による始動操作に基づいて、複数の図柄を外周面に付した回転体の回転を開始させることで図柄の可変表示を開始し、前記回転体の回転停止時の図柄表示態様が所定の表示態様である場合に遊技球の払い出しが行われることを特徴とする遊技球使用の回胴遊技機。
【0035】
前記(8)に記載の遊技機によれば、鍵穴に挿入された鍵を回動操作することで第1扉部材(扉部材)を開放させる作業時に、不正に鍵が使用されることを防止できる、遊技球使用の回胴遊技機を提供できる。
【0036】
以下に、本発明の遊技機(例えば、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う、遊技球使用回胴遊技機)の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0037】
実施例の遊技機を、図面に基づいて詳細に説明する。実施例の遊技機1は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)の取込を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている遊技球使用の回胴遊技機である。本遊技機1には、遊技ホール等においてパチンコ機と共通の遊技球供給システムから遊技球の供給がなされるようになっており、パチンコ機が設置される既存の島設備(パチンコ島)に本遊技機を設置することが可能となっている。つまり、上記のパチンコ機用の島設備を特段に変更することなく、当該島設備に設置されていたパチンコ機に替えて、本遊技機1(遊技球使用の回胴遊技機)を設置することができる。
【0038】
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3は及び図4は遊技機1の内部開放状態を示す斜視図、図5は遊技機1の背面図である。なお以下の説明においては、特に注記しない限りは、遊技機1の正面から見た状態を基準として左右上下などの方向を記載することとする。
【0039】
遊技機1は、図1,3に示すように、本体枠としての外枠2と、この外枠2に対して前方に片開き可能に取り付けられた遊技機本体部3とを有する。
【0040】
外枠2は、図1〜3に示すように、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなしている。本遊技機1を遊技ホールに設置する際には、外枠2が島設備に取り付け固定される。なお、外枠2を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。図3等では隠れて図示されていないが、外枠2を構成する四辺の板材のうち右辺の板材には、その内側上下2箇所に、後述するドアブロック4に設けた施錠装置120(鉤金具123等を備える)を係止するための鉤受け部2a(図3参照)が設けられている。
【0041】
遊技機本体部3は、図4に示すように、扉体ユニットであるドアブロック4と、このドアブロック4の背面側に設けられた遊技主要ブロック5とに大別される。以下に、ドアブロック4と遊技主要ブロック5とをその順に説明する。
【0042】
図4に示すように、ドアブロック4には上下2箇所にヒンジ金具8が設けられており、このヒンジ金具8と外枠2側の上下2箇所の支持金具9とにより、ドアブロック4(遊技機本体部3)が外枠2に対して開閉可能に支持されている。この場合、遊技機1を正面から見て左側に開閉軸線が設けられる構成となっており、遊技機本体部3は正面から見て右側を開閉先端部として開放される。外枠2に対して遊技機本体部3が閉じた状態では、ドアブロック4の外周縁部の背面が外枠2の前面に当接するようになっている。
【0043】
また、図4に示すように、ドアブロック4は、その背面側下部に、球受皿ユニットである受皿ブロック10が着脱可能に取り付けられている。
【0044】
続いて、遊技主要ブロック5について説明する。この遊技主要ブロック5は、図4に示すように、絵柄表示ユニットである遊技盤ブロック6と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック7とから構成されている。
【0045】
具体的には、遊技盤ブロック6は、図4に示すように、ドアブロック4の背面側において受皿ブロック10の上方で片開き自在に取り付けられ、更に遊技盤ブロック6の背面側を覆うようにして払出ブロック7が取り付けられている。この遊技盤ブロック6と払出ブロック7とは、ドアブロック4の一端側(背面視で右端側)を開閉軸としてそれぞれ片開き自在に支持されている。つまり、遊技主要ブロック5(遊技盤ブロック6と払出ブロック7とからなる)は、外枠2に対してドアブロック4と一体で片開き自在となるとともに、ドアブロック4に対して遊技盤ブロック6と払出ブロック7とが各々個別に片開き自在となる構造を有する。
【0046】
また、図3,図5に示すように、払出ブロック7は、その背面側下部に、払出制御装置157と電源装置156とが当該背面視で左から順に横並びに取り付けられている。
【0047】
詳しくは、電源装置156は、電源基板(図示省略)と、この電源基板を収容する基板ボックス156aとを備えている。この基板ボックス156aは、例えば合成樹脂材料にて成形されており、特に内部(電源基板)を視認可能とすべく透明ボックスとされている。
【0048】
また、払出制御装置157は、払出制御基板(図示省略)と、この払出制御基板を収容する基板ボックス157aとを備えている。この基板ボックス157aは、例えば合成樹脂材料にて成形されており、特に内部(払出制御基板)を視認可能とすべく透明ボックスとされている。
【0049】
ここで、遊技機本体部3を構成する上記の各部材について相対的な位置関係と動作状態を簡単に説明する。図6は遊技機本体部3を模式的に示す図面であり、図6(a)は遊技機本体部3を背面側から見た図、図6(b),(c)はドアブロック4に対する遊技盤ブロック6と払出ブロック7の開放動作状況を示す図である。
【0050】
図6(a)に示すように、ドアブロック4に対して遊技盤ブロック6や払出ブロック7を開放動作させるための軸線AX1は図の右側(正面から見ると左側)に設けられている。この軸線AX1は、遊技盤ブロック6を支持するための軸線と払出ブロック7を支持するための軸線とを兼ねるものとなっている。この場合、図示のM1,M2は遊技盤ブロック6を支持するための支持手段であり、M3,M4は払出ブロック7を支持するための支持手段である。つまり、遊技盤ブロック6用の支持手段M1,M2は同軸で上下一対に設けられている。また、払出ブロック7用の支持手段M3,M4は、支持手段M1,M2を挟むようにして同軸で上下一対に設けられており、更に支持手段M1,M2に対しても同軸となっている。
【0051】
上記構成により、図6(b),(c)の各動作が可能となっている。図6(b)では、ドアブロック4に対して遊技盤ブロック6と払出ブロック7とを一体的に開放動作させている。また、図6(c)では、図6(b)の状態から遊技盤ブロック6に対して払出ブロック7を開放動作させている。つまり、ドアブロック4に対して遊技盤ブロック6を閉じた状態では、払出ブロック7を遊技盤ブロック6に閉じた状態で止めているレバーにアクセスできないことから、ドアブロック4に対して遊技盤ブロック6を開いた状態にしなければ、払出ブロック7を開放動作できないようになっている。
【0052】
(ドアブロック4の説明)
次に、ドアブロック4を、図7〜図11を用いて詳細に説明する。ここで、図7,図8は、ドアブロック4を前方及び後方から見たそれぞれの分解斜視図である。また、図9,図10は、ドアブロック4を構成する前扉体11と背面枠12とを分離してそれらを前方から及び後方から見た斜視図である。図11は受皿ブロック10の斜視図である。
【0053】
ドアブロック4において、前扉体11は、外枠2とほぼ同等の大きさ(縦寸法及び横寸法)を有し、その背面側に重なるようにして背面枠12が取り付けられている。背面枠12は、例えばアルミダイキャストにて成形されており、前扉体11を補強する役目を有する他、遊技主要ブロック5(遊技盤ブロック6と払出ブロック7とからなる)を支持する役目を有するものである。
【0054】
(前扉体11の説明)
前扉体11は、図1に示すように、後述するリール図柄や液晶図柄等を視認可能とする図柄視認部(視認窓21)と、遊技に際し遊技者により手動操作される操作部30と、上皿部151で余剰となった遊技球などを貯留するための下皿71とを備える。
【0055】
すなわち、図9等に示すように、前扉体11の上半部には、図柄視認部として略台形状をなす視認窓21が形成されている。この視認窓21には、平坦な透明板よりなる透明パネル22がはめ込まれており、この透明パネル22を介してその内方が視認可能となっている。透明パネル22は、後述する液晶表示装置(図13に示す液晶表示装置504)の前面と、後述するリール装置(図13に示すリール装置503)の前面とを覆うものであり、この透明パネル22を介して液晶表示装置504(図13参照)の表示画像やリール装置503(図13参照)の図柄が視認される。
【0056】
こうした比較的大型に構成される視認窓21(透明パネル22)によれば、大型の液晶表示装置を用いた画像の表示演出によって遊技者に多大なインパクトを与えることが可能になることに加え、本遊技機1の主表示装置たるリール装置503(図13参照)の図柄の視認性が良好なものとなっている。
【0057】
前扉体11の周縁部には、視認窓21を略囲むようにして、中央ランプ部24と左右一対の側方ランプ部25とが設けられるとともに、前扉体11の右上隅部及び左上隅部にスピーカ部26が設けられている。遊技に際しては、これらランプ部24,25やスピーカ部26により、その都度の遊技状況に応じたランプ演出や音声演出等が行われる。すなわち、ランプ部24,25による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ部26による音声パターンを適宜変質したりすることで、役の成立等が遊技者に告知される。また、このランプ部24,25やスピーカ部26を用いて、エラー告知等を行うことも可能である。
【0058】
ちなみに、視認窓21は、前扉体11の左右幅に対して左右の側方ランプ部25を除く範囲で設けられており、故に視認窓21は左右に幅広いものとなっている。また言い加えると、視認窓21は、後述するリール装置503(図13参照)や液晶表示装置504(図13参照)の横幅よりも幅広となっている。
【0059】
視認窓21の下方には、遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作部30が設けられている。この操作部30は、全体として横長状をなしかつ僅かに弧状をなす前面板部31を有し、その前面板部31には、スタートレバー33が設けられるとともに、3連ボタンからなるストップスイッチ35,36,37が設けられている。また、前面板部31の上端部に位置するように、向かって左寄りの位置(概ねスタートレバー33と左側のストップスイッチ35との間)にベットスイッチ取付板部32が形成されており、その取付板部32にボタン状のベットスイッチ38が取り付けられている。
【0060】
ベットスイッチ38は、遊技者によるベット(賭け数)の設定を行わせるものであり、その押し操作により上皿151に貯留された遊技球が所定個数分取り込まれる。本実施の形態では、ベットスイッチ38として、いわゆるMAXベットスイッチを設けており)、有効な1回の押し操作により3ベット相当(15個分)の遊技球が取り込まれる。ベットスイッチ38は、投資価値としての遊技球の投入を指令する投入指令手段を構成する。なお、MAXベットスイッチとしてのベットスイッチ38の他に、本遊技機1では、視認窓21(透明パネル22)と操作部30との間に、左右方向に延びる長板状のサブパネル部50が設けられており、このサブパネル部50に1ベットスイッチ55を備えている。1ベットスイッチ55は、1回の押し操作により1ベット相当(5個分)の遊技球を取り込ませるためのベットスイッチである。また、2ベットスイッチを設ける構成としても良い。ちなみに、2ベットスイッチは、1回の押し操作により2ベット相当(10個分)の遊技球を取り込ませるためのベットスイッチである。なお、これらの1ベットスイッチ55や2ベットスイッチを備えない構成としてもよい。
【0061】
スタートレバー33は、後述するリール装置503(図13参照)の各リール(回転体)を回転開始させるための操作部材であり、各リールを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。
【0062】
ストップスイッチ35〜37は、停止対象となるリール(左、中、右の三列のリール)に対応するよう設けられており、回転中の各リールを個別に停止させるために操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ35〜37は、各リールが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、各リールの回転が停止すると消灯されるようになっている。
【0063】
操作部30の後方には、図7,図9に示すように、前面板部31とほぼ同じ長さを有し上方に開口した横長状の開口部41が形成されている。この開口部41は、前扉体11に受皿ブロック10を装着した場合に上皿151を配するための開口領域であり,開口部41の左右方向の幅寸法は上皿151の左右方向の幅寸法に概ね合致し、開口部41の前後方向の幅寸法は上皿151の前後方向の幅寸法よりも若干短いものとなっている。
【0064】
操作部30の前面板部31には、図7,図9に示すように、正面から見て右下部に切欠部42が形成されている。この切欠部42は、排出操作伝達装置(図示省略)の操作レバー188を設置するための設置スペースとなっている。
【0065】
また、図1,図11に示すように、受皿ブロック10の右側上面部分には、貸球操作部52が設けられている。貸球操作部52は、例えば本遊技機1の側方(例えば左方)に配置された縦長のカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、球貸し操作、カード等の返却操作及び有効度数の確認を行うものであり、球貸しボタン56と返却ボタン57と度数表示部58とが一体的に並設されている。この場合、球貸しボタン56は、カード(記録媒体)等に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン57は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部58はカード等の残額情報を表示するものである。
【0066】
さらに、サブパネル部50は、図2に示すように、例えば2個の演出切換ボタン59a,59bとを備えている。例えば、遊技者が演出切換ボタン59aを選択すると、第1種類の演出表示などが行われ、演出切換ボタン59bを選択すると、第2種類の演出表示などが行われるようになっている。
【0067】
前扉体11において、情報表示部51や貸球繰作部52の左右の側方部には、奥側に後退するようにして弧状の凹み部61が設けられており、その凹み部61には、外枠2に対する遊技機本体部3の施錠及び解錠を行うための施錠装置120の後述する背面枠12に設けたキーシリンダ錠125の前面側を露出して収納されるためのキーシリンダ設置穴62(図9参照)が設置されている。
【0068】
図1等で確認できるとおり左右の凹み部61は、上皿151の両側で直ぐ上方に位置する。そのため、仮に遊技ホールにおいて球貸しユニットから延びる球貸しノズル(いわゆる象の鼻)を介して上皿151に遊技球が貸し出されるような場合にも、その球貸しノズルと前扉体11との干渉を回避することができる。故に、遊技ホールでの設置状況を考えても有益な構成となっている。
【0069】
更に、図1に示すように、前扉体11において、操作部30の下方には、凹部61に連続するようにして膨出部70が形成されており、その膨出部70に囲まれるようにして下皿71と灰皿72が形成されている。図9に示すように、膨出部70に囲まれた奥壁部73には、下皿排出口74とスピーカ穴75とが形成されている。上皿151やその上流通路に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置(後述する図16の払出装置608)から遊技球が払い出される場合、或いは、上皿151内に貯留されている遊技球に対して球抜き操作が行われる場合には、下皿排出口74を介して下皿71に遊技球が排出される。
【0070】
図9に示すように、下皿71の底部には開口が形成されており、その開口には開閉板76が設けられている。また、膨出部70の略中央部には下皿用の球抜き操作片77が設けられている。球抜き操作片77は、下皿71に貯留している遊技球を下皿71の下方に置かれた球収容箱(いわゆるドル箱)に排出するための操作片であり、図示する通常位置から左方に操作されることで開閉板76が開位置にスライド移動し、下皿71内の遊技球の排出が行われる。その他、膨出部70において下皿71の左右両側方には下皿ランプ部78が設けられている。
【0071】
図10に示すように、前扉体11の背面側の構成として、視認窓21の左右両側には側方ランプ部25を収容するランプ収容部91が設けられている。
【0072】
ここで透明パネル22の取り付け手順を説明する。視認窓21の下縁部にはパネル厚み分の幅でパネル受溝93が形成されている。透明パネル22は、前扉体11の後方から、その下端部がパネル受溝93に嵌め込まれるとともに、その上端部が前扉体11の背面部に当接される。そしてその状態で、透明パネル22の前扉体11への取り付けが完了する。
【0073】
(背面枠12の説明)
図9や図10に示すように、背面枠12は、前扉体11と略相似形をなす矩形状をなしており、概ね等しい細幅の左枠部101、右枠部102及び上枠部103と、それらよりも広幅の下枠部104とを有する。これら各枠部101〜104に囲まれる部位が中央開口部105となっており、背面枠12の背面側には、下枠部104の上縁部の一部を除く範囲で中央開口部105を囲むようにして一定高さのリブ106が形成されている。また、背面枠12において、外周縁部には前方に直角に折れ曲がった返し部107(図9,図10参照)が形成されている。前扉体11に対して背面枠12を組み付けた際には、返し部107は前扉体11の外縁部の内側に重なり、それによって前扉体11と背面枠12との間に空間が形成される。そしてこの空間を利用してランプ装置等が配設されるようになっている。
【0074】
前述したように本遊技機1は、正面から見て左側に開閉軸線が設けられる構成となっており、上枠部103と下枠部104には前述のヒンジ金具8が上下2箇所に取り付けられている。
【0075】
また、左枠部101には、リブ106の先端部から後方に延びるようにして上下一対の軸金具110,111が所定間隔を隔てて取り付けられている。この軸金具110,111は、遊技盤ブロック6や払出ブロック7を回動可能に支持するための金具部材である。軸金具110,111は共に略コ字状をなしており、軸金具110には上下に軸受け部110a,110bが形成され、軸金具111には上下に軸受け部111a,111bが形成されている。これら軸金具110,111の各軸受け部110a,110b,111a,111bには軸孔が形成されており、軸金具110,111は全ての軸孔が何れも同一の軸線上に配置されるようリブ106に固定されている。
【0076】
かかる場合、軸金具110の下側の軸受け部110bと軸金具111の上側の軸受け部111aとが遊技盤ブロック6を支持するための遊技盤ブロック支持手段(図6(a)の支持手段M1,M2)に相当し、軸金具110の上側の軸受け部110aと軸金具111の下側の軸受け部111bと払出ブロック7を支持するための払出ブロック支持手段(図6(a)の支持手段M3,M4)に相当する。
【0077】
また、右枠部102には、図9,図10に示すように、ドアブロック4を開放不能な施錠状態で保持するための施錠装置120が設けられている。なお、この施錠装置120については後ほど詳細に説明する。
【0078】
下枠部104には、図9,図10に示すように、前扉体11に設けた下皿排出口74に連通する連通口131が設けられるとともに、スピーカ穴75から前方に露出するスピーカ132が設けられている。
【0079】
背面枠12の背面側には、遊技主要ブロック5の固定手段、つまり、操作キーを反時計周りに回動操作にかかわらず遊技主要ブロック5のドアブロック4への固定を維持するための後述するロック部材627(図3参照)が係止する鉤金具137が設けられている。
【0080】
背面枠12は、前扉体11に対してネジ等の締結具を用いて取り付け固定される。
【0081】
(受皿ブロック10の説明)
次に、受皿ブロック10について説明する。受皿ブロック10は、図11に示すように、順次に取打込まれる遊技球を一時的に貯留する機能を有する上皿151と、払出装置(後述する図16の払出装置608)などから供給される遊技球を上皿151や下皿71などに流通させる機能を有する球通路形成体152と、遊技球の取込機能を有する取込ユニット153(図7参照)とを備えるものである。
【0082】
(受皿ブロック10としての動作説明)
上記の如く構成される受皿ブロック10において、上皿151に多数の遊技球が貯留されている状態では、遊技球は上皿151の最下流部での三列に分岐した案内通路(図示省略)で各一列に整列され、その整列状態での遊技球が取込ユニット153の三個の取込装置(図示省略)で並列的に取り込まれる。この取り込まれた遊技球は、所定通路で流れて外部(遊技ホールの島設備)に排出される。また、遊技球排出時(球抜き時)には、遊技球が、三個の取込装置(図示省略)の排出通路に流れて最終的に下皿71に排出される。
【0083】
一方、後述する図16の払出装置608等から遊技球分配部材(図示省略)に遊技球が供給されると、この遊技球分配部材(図示省略)に設けられた各通路(図示省略)による振り分けによって、遊技球が上皿151、下皿排出通路(図示省略)、外部排出通路(図示省略)のいずれかに分配される。
【0084】
(遊技盤ブロック6の説明)
次に、遊技盤ブロック6について図12〜図15を用いて説明する。図12は遊技盤ブロック6の後方斜視図である。図13は遊技盤ブロック6の分解斜視図である。図14は、前面枠体501およびベース板502とリール装置503との斜視図である。
【0085】
遊技盤ブロック6は、図12,図13に示すように、合成樹脂製の前面枠体501と、この前面枠体501の背面側に取り付けられる金属製のベース板502と、図柄表示装置としてのリール装置503と、補助演出装置としての液晶表示装置504と、遊技に関わる主たる各種制御を実施する主制御装置505と、主制御装置505からの指令に基づく従たる表示制御等を実施するサブ制御装置506とを備えている。この場合、遊技盤ブロック6は、本遊技機1の遊技内容を決定する主要部品を全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この遊技盤ブロック6を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、遊技盤ブロック6は機種入替時などにおける交換ユニットとなっている。
【0086】
(前面枠体501の説明)
前面枠体501は、いずれも横長の矩形状をなす上下2つの開口が設けられており、それぞれ上側表示窓513、下側表示窓514となっている。上側表示窓513は、液晶表示装置504による表示画像を表示するための液晶画像表示部に相当し、下側表示窓514は、リール装置503の外周に付されたリール図柄を表示するためのリール図柄表示部に相当する。
【0087】
遊技盤ブロック6をドアブロック4に装着した状態を想定すると、上側表示窓513の周囲部分は透明パネル22の上側パネル面22aと同様にはほぼ鉛直方向に設けられ、下側表示窓514の周囲部分は、同透明パネル22の下側パネル面22bと同様に若干上方を向くようにして設けられることとなる。
【0088】
(ベース板502の説明)
ベース板502は、前面枠体501とほぼ同じ大きさを有している。このべ一ス板502には、各々矩形状をなす上下2つの開口部(上側開口部521,下側開口部522)が形成されている。このうち、上側開口部521は液晶表示装置504を装着するための開口であり、下側開口部522はリール装置503を装着するための開口である。そして、ベース板502は、各開口部521,522の側方部位で前面枠体501への取り付けが行われる。なお、各開口部521,522は、前面枠体501の各表示窓513,514にそれぞれ対応して設けられており、各表示窓513,514よりも一回り大きいものとなっている。
【0089】
ベース板502の背面側において左右両縁部にはそれぞれ角柱状の柱部531,532が取り付けられている。そのうち、背面側から見て右側の柱部531には支持金具533が取り付けられている。支持金具533には上下一対の支軸534a,534bが設けられている。支持金具533の支軸534a,534bは、遊技盤ブロック6をドアブロック4に回動可能に支持するための支持手段を構成するものであり、この支軸534a,534bがドアブロック4に設けられた軸金具110,111の軸受け部110b,111aの軸孔(図8等参照)に差し入れられるようになっている。なお、ドアブロック4側の軸受け部110b,111aと遊技盤ブロック6側の支軸534a,534bとが図6に示す「遊技盤ブロック6用の支持手段M1,M2」に相当する。
【0090】
(リール装置503の説明)
リール装置503は、金属製のケース部材540と、そのケース部材540に収容される左・中・右の3つのリール541,542,543とを具備している。ケース部材540は、その内部に3つのリール541〜543を回転可能に収容し、かつ、リール541〜543の一部を前方に現出させるものとなっている。ケース部材540において上面部の前側端部には、上方に折り曲げて形一成された支持固定部545が設けられ、下面部の前側端部には、下方に折り曲げて形成された支持固定部546が設けられている。これら支持固定部545,546は、リール装置503をベース板502に取り付けるための取付手段を構成するものである。
【0091】
支持固定部545,546にはそれぞれ左右2カ所に孔部545a,546aが設けられており、本リール装置503のベース板502への取り付け固定は、各孔部545a,546aに挿通させたネジをベース板502のネジ穴にネジ止めさせることにより行われている。
【0092】
各リール541〜543の構成について周知であり、ここでは詳細な図示を省略するが、その構成を簡単に説明する。各リール541〜543は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材と、その外周に巻回された帯状のベルトとを備えている。ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている(例えば21図柄)。各リール541〜543の中央部には、駆動源としてのステッピングモータが設けられており、該ステッピングモータの駆動により各リール541〜543が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動される。リール装置503には、その他の構成として、各リール541〜543の回転位置を検出するためのリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)が設置されている。また、各リール541〜543の内周側には、蛍光ランプ等よりなるバックライト(後方発光手段)が設けられており、このバックライトにより、リール外周面に付された各図柄が後方より明るく照らされるようになっている。バックライトの発光によって、リール外周面に付された各図柄の視認性の向上や、遊技に際し補助的な演出の多様化を図ることができる。
【0093】
(主制御装置505等の説明)
次に、主制御装置505やサブ制御装置506等の構成を、図13等を用いて説明する。
【0094】
主制御装置505は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された主制御基板561と、この主制御基板561を収容するための略直方体形状のケース部材(ケース台562及びケースカバー563)と、主制御基板561を収容したケース部材が取り付けられる取付台564とから構成されている。ケース台562及びケースカバー563は透明な合成樹脂材料にて成形されており、この透明なケース台562及びケースカバー563によってその内部の主制御基板561が視認可能となっている。
【0095】
なお、ケース台562及びケースカバー563には、これら各部材を連結する封印手段としての図示しない封印部(いわゆるカシメ部)が設けられている。封印部は、破壊等を伴うことでケース部材を開封可能とするものであり、開封後には破壊などがなされた部材が開封履歴として残るため、その開封履歴によって開封事実の確認が可能となっている。これにより、仮にケース部材が不正に開封された場合などにおいては、封印部の確認によって不正行為の発見が可能となっている。
【0096】
サブ制御装置506は、CPUやメモリ等の電子部品が実装されたサブ制御基板571と、このサブ制御基板571を収容するための略直方体形状のケース部材(ケース台572及びケースカバー573)とから構成されている。ケース台572及びケースカバー573は透明な合成樹脂材料にて成形されており、この透明なケース台572及びケースカバー573によってその内部のサブ制御基板571が視認可能となっている。
【0097】
液晶表示装置504は、液晶パネル581と、この液晶パネル581を駆動する液晶ドライバ582とにより構成されている。
【0098】
(遊技盤ブロック6として完成状態の説明)
遊技盤ブロック6の完成状態を図12を用いて説明する。遊技盤ブロック6としては、前面枠体501とベース板502とを一体化させたものに、背後からリール装置503が取り付けられ、リール装置503の上方に液晶表示装置504が取り付けられている。また、リール装置503の側方に主制御装置505が取り付けられるとともに、同リール装置503の上方にサブ制御装置506が取り付けられている。
【0099】
遊技盤ブロック6において、前面枠体501の上側表示窓513からは液晶パネル581のパネル面全体が視認できる。また,同前面枠体501の下側表示窓514からはリール装置503の各リール541〜543の一部が視認できる。このとき、各リール541〜543の外周に付された多数(本実施の形態では21個)の図柄のうち、リール毎に3つずつの図柄が下側表示窓514を通じて視認できるようになっている。
【0100】
なお、遊技盤ブロック6には、図示省略の情報表示部が備えられている。この情報表示部(図示省略)には、小役成立時における獲得球数を表示する獲得球数表示部(図示省略)と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部(図示省略)とが設けられている。これら獲得球数表示部(図示省略)やゲーム数表示部(図示省略)は、7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0101】
(払出ブロック7の説明)
次に、払出ブロック7について図15,図16を用いて説明する。図15は払出ブロック7の斜視図、図16は払出ブロック7の背面図である。
【0102】
払出ブロック7は、合成樹脂材料にて一体成形された裏カバー部材601と、遊技球を払い出すための払出機構602とが一体化されることにより構成されている。裏カバー部材601は、略平坦状のベース部603と、後方(遊技機1の後方)に突出し略直方体形状をなす保護カバー部604とを有する。保護カバー部604は左右及び上下の各面と背面とが閉鎖された形状をなし、少なくとも遊技盤ブロック6の背面側構成(主制御装置505とリール装置503とサブ制御装置506)を収容するのに十分な大きさを有する。なお、保護カバー部604の背面には、図15,図16に示すように、多数の通気孔が設けられている。
【0103】
払出機構602は、保護カバー部604を迂回するようにして裏カバー部材601のべース部603に取り付けられている。すなわち、裏カバー部材601の最上部には上方に開口したタンク605が設けられており、タンク605には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク605の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール606が連結され、タンクレール606の下流側には上下方向に延びるケースレール607が連結されている。
【0104】
払出装置608はケースレール607の最下流部に設けられ、受皿ブロック10に設けた払出制御装置157からの制御信号により払出ソレノイド609が駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置608より払い出された遊技球は払出通路〈図示省略〉等を通じて上皿151に供給される。図示は省略するが、ケースレール607の上流部には、タンク605やタンクレール606から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置608には、遊技球を払い出す払出ソレノイド609と、その払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
【0105】
払出機構602には、払出制御装置157から払出装置608への払出指令の信号を中継する払出中継基板611が設置されている。その他、払出機構602には、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板(図示省略)が設置されている。
【0106】
払出機構602におけるタンクや通路部材類はいずれも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0107】
裏カバー部材601には、図15に示すように、背面側から見て右端部に上下一対の支軸621a,621bが設けられている。この支軸621a,621bは、払出ブロック7をドアブロック4に回動可能に支持するための支持手段を構成するものであり、この支軸621a,621bがドアブロック4に設けられた軸金具110,111の軸受け部110a,111bの軸孔(図10等参照)に差し入れられるようになっている。なお、ドアブロック4側の軸受け部110a,111bと払出ブロック7側の支軸621a,621bとが図6に示す「払出ブロック7用の支持手段M3,M4」に相当する。
【0108】
また、図3に示すように、払出ブロック7の裏面視で右上隅箇所と下端中央箇所(図示省略)の箇所には、遊技主要ブロック5をドアブロック4に装着した状態で固定するための装着固定手段(ロック部材627)がそれぞれ設けられている。つまり、図3に示すように、遊技機本体部3が外枠2に対して片開きされた状態において、両方のロック部材627を解除することで、ドアブロック4の鉤金具137との固定が解除され、ロック部材627による遊技主要ブロック5のドアブロック4への固定を解除することができるので、後述するように施錠装置120に操作キーを挿入し、反時計周りに回動させることで、遊技主要ブロック5をドアブロック4に対して片開き状態とすることができる。つまり、予めロック部材627を解除し、操作キーを時計周りに回動操作して施錠装置120による遊技主要ブロック5のドアブロック4への施錠を解除することで、遊技主要ブロック5をドアブロック4に対して片開き状態とすることができる。
【0109】
なお、この片開き状態において遊技主要ブロック5を高さ方向に上げることで、遊技盤ブロック6の支軸534a,534bのドアブロック4の軸受け部110b,111aへの軸支が解除され、かつ、裏カバー部材601の支軸621a,621bのドアブロック4の軸受け部110a,111bへの軸支が解除され、遊技主要ブロック5がドアブロック4から取り外しできるようになっている。
【0110】
また、図4に示すように、遊技盤ブロック6の裏面視で左上隅と左下隅の箇所には、払出ブロック7を当該遊技盤ブロック6に装着した状態で固定するための装着固定手段(ロック部材625)がそれぞれ設けられている。つまり、図4に示すように、遊技主要ブロック5がドアブロック4に対して片開きされた状態において、ロック部材625を解除することで、払出ブロック7の鉤金具626との固定が解除され、払出ブロック7を遊技盤ブロック6に対して片開き状態とすることができる。
【0111】
なお、この片開き状態において払出ブロック7を高さ方向に上げることで、裏カバー部材601の支軸621a,621bのドアブロック4の軸受け部110a,111bへの軸支が解除され、払出ブロック7が遊技盤ブロック6から取り外しできるようになっている。また、払出ブロック7を遊技盤ブロック6に対して閉じた状態にしてロック部材625でロックする、つまりロック部材625を鉤金具626に係止させることで、払出ブロック7を遊技盤ブロック6に装着した状態で固定することができる。
【0112】
次に、本実施例の遊技機1のさらなる特徴部分の構成について説明する。
【0113】
本実施例の遊技機1は、前述したように、外枠2と、この外枠2の前面側に設けられて当該外枠2に対して開閉可能に支持される遊技機本体部3と、この遊技機本体部3の裏面側に設けられて当該遊技機本体部3に対して開閉可能に支持される遊技主要ブロック5と、遊技機本体部3および遊技主要ブロック5を閉状態に施錠する施錠装置120と、を備えている。
【0114】
施錠装置120は、図1〜図4に示すように、操作キー139(図21参照)が挿入される鍵穴125aを備え、この鍵穴125aに挿入された操作キー139が第1の方向(例えば時計方向)に回動操作されることで遊技機本体部3を解錠するとともに、鍵穴125aに挿入された操作キー139が第1の方向とは異なる第2の方向(例えば反時計方向)に回動操作されることで遊技主要ブロック5を解錠するものである。
【0115】
ここで、施錠装置120の構成について、図17〜図20を用いてもう少し詳細に説明する。
【0116】
図17(a)は施錠装置120の構成を示す斜視図であり、図17(b)は施錠装置120の裏面カバーを外した状態を示す斜視図である。図18(a)は施錠装置120を後方右側から見た状態を示す斜視図であり、図18(b)は施錠装置120を前方左側から見た状態を示す斜視図であり、図18(c)は施錠装置120を前方右側から見た状態を示す斜視図であり、図18(d)は施錠装置120を後方左側から見た状態を示す斜視図である。図19(a)は操作キー139未挿入状態での施錠装置120を後方左側から見た状態を示す斜視図であり、図19(b)は操作キー139を時計回りに回動させた状態での施錠装置120を後方左側から見た状態を示す斜視図であり、図18(c)は操作キー139を反時計回りに回動させた状態での施錠装置120を後方左側から見た状態を示す斜視図である。図20(a)は施錠装置120の固定機構128がアンロック状態である場合における要部側面図であり、図20(b)はその図20(a)の要部斜視図であり、図20(c)は施錠装置120の固定機構128がロック状態である場合における要部側面図であり、図20(d)はその図20(c)の要部斜視図である。図21(a)はキーシリンダ錠125の縦断面図であり、図21(b)はキーシリンダ錠125をその鍵穴125aから見た状態で鍵穴125aが右斜め姿勢となっているときの当該右斜め断面図である。
【0117】
具体的には、施錠装置120は、図17に示すように、基枠121と第1連動杆122と鉤金具123と第2連動杆124とキーシリンダ錠125とを備えている。以下にこれらの各構成について説明する。
【0118】
すなわち、図10に示すように、背面枠12の右枠部102の背面側には、上下方向に延びる長尺状(長手形状)で、かつ、断面視が略L字状の金属製の基枠121が固定されている。この基枠121には、図17に示すように、裏面視した状態でその突出壁121aの左側面箇所に、当該基枠121に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状(長手形状)の金属製の第1連動杆122が設けられている。
【0119】
図10,図17に示すように、第1連動杆122には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具123が設けられている。具体的には、鉤金具123は、その中間部分が基枠121側に軸支されており、第1連動杆122が上方に移動することでその先端鉤部が下方に移動する構成となっている。
【0120】
また、基枠121には、図18(a),図18(b)に示すように、裏面視した状態でその突出壁121aの右側面箇所に、当該基枠121に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状(長手形状)の金属製の第2連動杆124が設けられている。図18(b)に示すように、第2連動杆124の上下2箇所には鉤金具124aが設けられている。この鉤金具124aは、図15に示す払出ブロック7を遊技盤ブロック6と対向する側を見た状態でその右端上下2箇所の係止部612に係止させるためのものである。
【0121】
また、図17(b)に示すように、第1連動杆122は、その中央やや下側箇所に、第1コイルバネ122bの一端を係止する係止突起122cを備えている。第2連動杆124は、第1連動杆122の係止突起122cよりも下方に位置に、第1コイルバネ122bの他端を係止する係止突起124eを備えている。つまり、この第1連動杆122が下方に第1コイルバネ122bのバネ力でもって付勢され、かつ、第2連動杆124が上方に第1コイルバネ122bのバネ力でもって付勢されるようになっている。すなわち、第1連動杆122と第2連動杆124とは第1コイルバネ122bによって互いに引き付けられている。
【0122】
また、第1連動杆122は、その上部箇所に、第1コイルバネ122bで下方に付勢された状態で基枠121の規制突起部121cに当たる突出部122dを備え、この突出部122dが基枠121の規制突起部121cに当たることで第1連動杆122がそれ以上下方に移動しないように位置規制されている。また、第2連動杆124は、その上部、中部、下部の3箇所に、第1コイルバネ122bで上方に付勢された状態で基枠121の規制突起部122gに内周の一部が当たる長孔124cを備え、この長孔124cが基枠121の規制突起部122gに当たることで第2連動杆124がそれ以上上方に移動しないように位置規制されている。
【0123】
図17に示すように、基枠121には、操作キー139〈鍵〉が挿入されて所定方向に回動操作されることで施錠・解錠操作がされるキーシリンダ錠125が設けられている。このキーシリンダ錠125は前後方向に延びる向きで設けられており、図1に示すように、前扉体11に背面枠12を組み付けた際にはシリンダ前面(キー挿入孔の設置側)が前扉体11に設けたキーシリンダ設置穴62から露出することとなる。
【0124】
図17(a)に示すように、このキーシリンダ錠125の裏面側(外枠2側)には、当該裏面側などを覆う裏面カバー126が設けられている。図17(b)に示すように、裏面カバー126を外した状態とすることでわかるように、キーシリンダ錠125の裏面側には、操作キー139の回動操作に連動して回動する回動部材127が設けられている。この回動部材127は、第1連動杆122の係止孔122aに先端部分が挿入された第1突起部127aと、第1連動杆122の開口部122cに挿入されて第2連動杆124の切欠部124bに位置する第2突起部127bとを備えている。
【0125】
キーシリンダ錠125に操作キー139を差し込んだ状態で、図19(b)に示すように、当該操作キー139を時計回り方向に回動操作すると、回動部材127も操作キー139と連動して時計回り方向に回動(図19(b)の裏面視では反時計回り方向に回動)する。つまり、第1連動杆122の係止孔122aに挿入された第1突起部127aが時計回り方向に回動(図19(b)の裏面視では反時計回り方向に回動)することで、この第1連動杆122が上方に押し上げられる(ドアブロック4の背面視でキーシリンダ錠125の回転部分が反時計回り方向に回るため)。これにより、第1連動杆122の鉤金具123の先端鉤部が下方に移動し、外枠2に対してドアブロック4が閉じている場合に、鉤金具123と外枠2側の鉤受け部2a(図3参照)との係止状態(すなわち施錠状態)が解除される。そして、外枠2に対してドアブロック4が開放可能となる。
【0126】
また、上記とは逆に、キーシリンダ錠125に操作キー139を差し込んだ状態で、図19(c)に示すように、当該操作キー139を反時計回り方向に回動操作すると、回動部材127も操作キー139と連動して反時計回り方向に回動(図19(c)の裏面視では時計回り方向に回動)する。つまり、第1連動杆122の開口部122cに挿入された第2突起部127bが反時計回り方向に回動(図19(c)の裏面視では時計回り方向に回動)することで、この第2連動杆124が下方に押し下げられる(ドアブロック4の背面視でキーシリンダ錠125の回転部分が反時計回り方向に回るため)。これにより、第2連動杆124の鉤金具124aが下方に移動し、ドアブロック4に対して遊技主要ブロック5が閉じている場合に、鉤金具124aと払出ブロック7の係止部612(図15参照)との係止状態(すなわち施錠状態)が解除される。そして、ドアブロック4に対して遊技主要ブロック5が開放可能となる。
【0127】
また、図17(a)に示すように、基枠121は、その上部と中央部とに、第1連動杆122の上下動に連動して回動するクッション部材138をそれぞれ備えている。このクッション部材138は、遊技機本体部3を誤った状態(例えば、操作キー139を右回しした状態とせずに閉めようとする場合)で閉鎖する時に当該遊技機本体部3を保護するためのものである。図19(b)に示すように、操作キー139を右回しした状態では、クッション部材138は、第1連動杆122の上方への移動に連動して回動して基枠121内に収まっており、遊技機本体部3を閉じる際に外枠2と当たることがない。また、操作キー139を中立の状態(図19(a)参照)や左回しした状態(図19(c)参照)では、クッション部材138は、第1連動杆122が下がったままであり、基枠121から一部が出た状態となっており、このままで遊技機本体部3を閉じるとクッション部材138が外枠2に当たる。
【0128】
さらに、この遊技機1は、図20に示すように、遊技機本体部3の施錠装置120の鍵穴125aに挿入された操作キー139が時計方向に回動操作されて所定の回動位置に達するとその回動位置で反時計方向には回動不能となるように当該操作キー139を固定する固定機構128を備えている。
【0129】
つまり、遊技機本体部3は、外枠2に係止する鉤部材123を備えており、施錠装置120は、鍵穴125aに挿入された操作キー139が時計方向に回動操作されることで、鉤部材123を外枠2への係止が解除された開位置に変位し、遊技機本体部3を解錠するものであり、固定機構128は、鉤部材123を開位置で固定することで操作キー139を回動位置に固定するようになっている。
【0130】
具体的には、固定機構128は、図17,図20に示すように、基枠121に対して回動自在に支持された回動金具128aと、第2コイルバネ128bと、回動金具128aの所定箇所に設けられた、第2コイルバネ128bの一端を係止する係止突起128cと、この第2コイルバネ128bの他端を係止する、基枠121に設けられた係止突起121bと、回動金具128aの所定箇所に設けられた、第1連動杆122が上方位置で固定するための係止片128dと、第1連動杆122の所定箇所に設けられた、係止片128dが嵌まり込み得る窪み部128eとを備えている。
【0131】
また、図17,図20に示すように、基枠121は、その所定箇所に、回動金具128aの回動を許可/不許可に切換可能な切換レバー129を備えている。図20(a)に示すように、切換レバー129が垂直姿勢の場合には、回動金具128aが回動しようとしてもこの回動金具128aの上辺箇所が切換レバー129に当たり、回動金具128aの回動ができない状態となっている。図20(b)に示すように、切換レバー129が傾斜姿勢の場合には、回動金具128aが回動しようとしてもこの回動金具128aの上辺箇所が切換レバー129に当たらず、回動金具128aの回動ができる状態となっている。
【0132】
キーシリンダ錠125に操作キー139を差し込んだ状態で、図19(b)に示すように、当該操作キー139を時計回り方向に回動操作すると、第1連動杆122が上方に押し上げられ、第1連動杆122の窪み部128eが回動金具128aの係止片128dの箇所まで近づいてくる。このとき、切換レバー129が図20(a)に示すように不許可状態(垂直姿勢)であれば、回動金具128aは切換レバー129に当たって回動できないが、切換レバー129が図20(c)に示すように許可状態(傾斜姿勢)であれば、回動金具128aは切換レバー129に当たらず、回動金具128aが基枠121の係止突起121bの方へ第2コイルバネ128bで付勢されている関係上、第1連動杆122の窪み部128eが回動金具128aの係止片128dの箇所に位置すると、係止片128dが窪み部128eに嵌まり込むように回動金具128aが回動し、第2コイルバネ128bの付勢力でその状態が維持される。つまり、第1連動杆122が上方に上がったままで維持されていることから、操作キー139が時計回り方向に回した回動位置で固定された格好となっている。
【0133】
また、図21(a)に示すように、操作キー139は、その鍵部分の根元側に切欠部139aを備えている。キーシリンダ錠125は、操作キー139が挿入されて時計回りに回動された前述の回動位置においてその鍵穴側の箇所に、操作キー139の切欠部139aに位置する突起部125bを備えている。
【0134】
つまり、図21(b)に示すように、操作キー139が挿入されて時計回りに回動された前述の回動位置では、操作キー139の切欠部139aにキーシリンダ錠125の突起部125bが位置しており、操作キー139を当該回動位置では抜くことができないようになっている。
【0135】
さらに、この遊技機1は、遊技機本体部3の前面側に施錠装置120の鍵穴125aが設けられており、遊技機本体部3の裏面側には、固定機構128による操作キー139の回動固定を解除する固定解除機構130が設けられている。
【0136】
この固定解除機構130は、回動金具128aに設けられた操作片128fが遊技場関係者(ホール員)などによって操作されることで、第1連動杆122の窪み部128eへの回動金具128aの係止片128dの嵌まり込みを解除する機構である。つまり、図20(c)の状態において、回動金具128aの操作片128fが矢印方向に押下されると、第1連動杆122の窪み部128eへの回動金具128aの係止片128dの嵌まり込みが解除されるやいなや第1連動杆122が下方に押し下がるとともに、操作キー139の回動位置固定が解除されて、操作キー139挿抜可能状態(垂直姿勢状態)に戻る。
【0137】
つまり、固定解除機構130は、固定機構128による操作キー139の回動固定を解除すると、操作キー139を鍵穴125aに対して挿抜可能な中立位置に自動的に戻す自動復帰機構130a(第1コイルバネの付勢力で第1連動杆122が下方に戻ることによってキーシリンダ錠125に挿入された操作キー139を垂直姿勢状態に戻す構成)となっている。
【0138】
また、固定解除機構130は、固定機構128による操作キーの回動固定状態のままでドアブロック4を外枠2に閉じる際に、ドアブロック4の所定箇所が外枠2の対応する箇所に接触することで自動復帰機構130aが動作して、固定機構128による操作キーの回動固定が自動的に解除されるとともに、自動復帰機構130aによる操作キーの中立位置への自動復帰に連動して鉤部材123が閉位置に変位して施錠装置120によるドアブロック4の施錠がされるようになっている。
【0139】
ここで、固定機構128による操作キーの回動固定状態のままでドアブロック4を閉じる場合について図22を用いて説明する。図22(a)〜(c)は、操作キーの回動固定状態のままでドアブロック4を閉じる場合での自動復帰機構130aの動作を説明するための図である。
【0140】
図22(a)に示すように、固定機構128による操作キーの回動固定状態、つまり、操作キーを時計回り方向に回動操作することで第1連動杆122が基枠121に対して上方に押し上げられて、第1連動杆122の窪み部128eに回動金具128aの係止片128dが嵌まり込んで第2コイルバネ128bの付勢力でその状態が維持され、この第1連動杆122が上方位置で固定された状態のままで、ドアブロック4を外枠2に閉じようとしている。すなわち、ドアブロック4を外枠2に閉じようとしているため、ドアブロック4の裏面側の鉤部材123などが、外枠2の鉤受け部2aの方に近づいていく(図22(a)に二点鎖線矢印で示す方向に移動する)。
【0141】
そして、図22(b)に示すように、鉤受け部2aが固定解除機構130の操作片128fの先端側に接触し、この操作片128fがそれ以上に押し込まれる(図22(b)に破線矢印で示す方向に押される)と、回動金具128aの係止片128dが第1連動杆122の窪み部128eから外れるやいなや、第1コイルバネ122bの付勢力によって第1連動杆122が基枠121に対して下方に押し下げられる(図22(b)に二点鎖線矢印で示す方向に下がり)ことで鉤部材123の先端側が上がるように回動する(図22(b)に一点鎖線矢印で示す方向に回動する)。
【0142】
図22(c)に示すように、回動金具128aの係止片128dが第1連動杆122の窪み部128eから外れているので、固定機構128による操作キーの回動固定が解除されているし、鉤部材123が鉤受け部2aに係止されているので、施錠装置120によるドアブロック4の施錠もされている。
【0143】
つまり、ドアブロック4の所定箇所である鉤部材123の先端側が外枠2の対応する箇所である鉤受け部2aに接触して押されることで、自動復帰機構130aが動作して、固定機構128による操作キーの回動固定が自動的に解除されるとともに、自動復帰機構130aによる操作キーの中立位置への自動復帰に連動して鉤部材123が閉位置に変位して施錠装置120によるドアブロック4の施錠がされるようになっている。
【0144】
また、遊技主要ブロック5は、遊技機本体部3が解錠されて開放された状態において、鍵穴125aに挿入された操作キー139が反時計方向に回動操作されることで解錠されて開放可能となる。遊技主要ブロック5は、遊技者の利益に関する制御を担う主制御装置505と、この主制御装置505を少なくとも覆う払出ブロック7とを備えている。払出ブロック7は、遊技主要ブロック5が解錠されて開放された状態で主制御装置505の覆いを解除可能となっている。
【0145】
なお、上述した外枠1は本発明の本体枠に相当し、上述した遊技機本体部3またはドアブロック4は本発明の第1扉部材に相当し、上述した遊技主要ブロック5は本発明の第2扉部材に相当し、上述した固定機構128は本発明の固定手段に相当し、上述した固定解除機構130は本発明の固定解除手段に相当し、上述した自動復帰機構130aは本発明の自動復帰手段に相当し、上述した主制御装置505は本発明の制御手段に相当し、上述した裏カバー部材601は本発明のカバー部材に相当する。
【0146】
上述したように、本実施例の遊技機1によれば、外枠2と、この外枠2の前面側に設けられて当該外枠2に対して開閉可能に支持される遊技機本体部3と、この遊技機本体部3の裏面側に設けられて当該遊技機本体部3に対して開閉可能に支持される遊技主要ブロック5と、遊技機本体部3および遊技主要ブロック5を閉状態に施錠する施錠装置120と、を備え、施錠装置120は、操作キー139が挿入される鍵穴125aを備え、この鍵穴125aに挿入された操作キー139が第1の方向(時計方向)に回動操作されることで遊技機本体部3を解錠するとともに、鍵穴125aに挿入された操作キー139が第1の方向とは異なる第2の方向(反時計方向)に回動操作されることで遊技主要ブロック5を解錠するものであり、遊技機本体部3の施錠装置120の鍵穴125aに挿入された操作キー139が時計方向に回動操作されて所定の回動位置に達するとその回動位置で反時計方向には回動不能で、かつ、抜けないように当該操作キー139を固定する固定機構128と、遊技機本体部3の裏面側に設けられた、固定機構128による鍵の回動・抜け固定を解除する固定解除機構130と、を備えている。
【0147】
したがって、遊技機内部のトラブル等の処理や遊技機内部の点検(確認)等の場合には、遊技場関係者(ホール員)は、操作キー139を施錠装置120の鍵穴125aに挿入してその操作キー139を時計方向に操作して遊技機本体部3を解錠し、遊技機本体部3を開放した状態で遊技機機の内部を点検することになるが、この遊技機本体部3の解錠状態では、固定機構128により操作キー139が時計方向の回動位置で固定されており、操作キー139を反時計方向に回動できないようになっており、さらに、抜けないようにもなっているので、仮に不正行為者が操作キー139を反時計方向に回動操作しようとしてもその回動操作ができず、不正に遊技主要ブロック5が解錠されることを防止できるし、不正行為者が操作キー139を抜くことができないので、不正行為者が操作キー139を抜いて何らかの不正行為が行われることを防止できる。例えば、操作キー139を抜いて粘土などに押し当てて瞬時に鍵の型をとるような行為も防止できる。よって、遊技場関係者の知らないうちに不正行為者によって解錠された遊技主要ブロック5を開放して不正行為が行われることも防止できるし、また、不正取得した操作キー139の型から製作した不正合鍵を用いて遊技機本体部3などを開放して不正行為が行われたり、夜間に無人の遊技場に忍び込んで不正合鍵で遊技機本体部3などを開放して不正行為が行われたりすることも防止できる。
【0148】
その結果、鍵穴に挿入された操作キー139を回動操作することで遊技機本体部3を開放させる作業時に、不正に操作キー139が使用されることを防止できる遊技機を提供することができる。
【0149】
また、前述したように遊技場関係者は、遊技機本体部3の前面側に設けられた鍵穴に操作キー139を挿入し、この操作キー139を時計回り方向に回動操作することで、遊技機本体部3を解錠し、遊技機本体部3を開放した状態で遊技機の内部を点検することになる。つまり、遊技場関係者は開放された遊技機本体部3の裏面側と外枠2との間に位置して作業を行う。そして、開放状態の遊技機本体部3の裏面側、つまり、開放状態の遊技機本体部3での遊技場関係者が存する側には、固定機構128による操作キー139の回動・抜け固定を解除する固定解除機構130が設けられているので、他の者(不正行為者など)が遊技場関係者に知られずに固定解除機構130を操作することが困難にでき、不正に固定解除機構130を操作して操作キー139を抜くことも低減できる。
【0150】
また、遊技場関係者は遊技機本体部3の解錠状態において固定解除機構130を操作することで、操作キー139の回動・抜け固定を解除でき、遊技場関係者はその操作キー139を抜いて保持した状態で、前述の点検(確認)等の作業を行うことができ、操作キー139を抜き取っているので操作キー139が不正使用されることがない。
【0151】
また、例えばチェーンの一端に操作キー139が付けられ、そのチェーンの他端が遊技場関係者に付けられた状態で操作キー139を所持している場合には、遊技場関係者は遊技機本体部3の開かれた状態で当該遊技機本体部3の鍵穴に挿入された操作キー139のチェーンに繋がれたままで作業しなければならないが、この状態がやり難い場合等では、遊技場関係者によって固定解除機構130が操作されることで、固定機構128による操作キー139の回動・抜け固定を解除でき、操作キー139を抜いて遊技場関係者が所持した状態にすることもでき、前記チェーン等の拘束が解かれ、遊技場関係者の利便性も損なうことがない。また、遊技場関係者が操作キー139を所持しているので、操作キー139が第2の方向に回動操作されることや抜かれて型をとられることもない。
【0152】
また、遊技機本体部3は、外枠2に係止する鉤部材123を備えており、施錠装置120は、鍵穴125aに挿入された操作キー139が時計方向に回動操作されることで、鉤部材123を外枠2への係止が解除された開位置に変位し、遊技機本体部3を解錠するものであり、固定機構128は、鉤部材123を開位置で固定することで操作キー139を回動位置に固定するようになっているので、遊技関係者は、開位置で固定された鉤部材123を見ることで、操作キー139が固定状態であることを認識できる。また、遊技機本体部3を閉状態にする際に、固定解除機構130を操作することを気付かせることもできる。
【0153】
また、固定解除機構130は、固定機構128による操作キー139の回動固定を解除すると、操作キー139を鍵穴125aに対して挿抜可能な中立位置に自動的に戻す自動復帰機構130aを備えているので、遊技関係者は、中立位置に戻された操作キー139を見ることで、操作キー139の回動固定が解除されていることを認識できる。
【0154】
また、遊技主要ブロック5は、遊技機本体部3が解錠されて開放された状態において、鍵穴125aに挿入された操作キー139が反時計方向に回動操作されることで解錠されて開放可能となり、遊技主要ブロック5は、遊技者の利益に関する制御を担う主制御装置505と、この主制御装置505を少なくとも覆う払出ブロック7とを備え、払出ブロック7は、遊技主要ブロック5が解錠されて開放された状態で主制御装置505の覆いを解除可能となっているので、遊技機本体部3の前面側の鍵穴125aに操作キー139を挿入してこの操作キー139を時計方向に回動して、遊技機本体部3を解錠して開放し、そして、鍵穴125aに挿入された操作キー139を今度は反時計方向に回動操作して遊技主要ブロック5を解錠して開放し、さらに払出ブロック7による主制御装置505の覆いを解除しなければ、主制御装置505にアクセスできないので、これらの操作に手間がかかり、主制御装置505に対する不正行為を抑止することができる。
【0155】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0156】
(1)上述した実施例では、操作キー139を時計方向に回動操作することで遊技機本体部3を解錠し、操作キー139を反時計方向に回動操作することで遊技主要ブロック5を解錠しているが、反時計方向に回動操作することで遊技機本体部3を解錠し、時計方向に回動操作することで遊技主要ブロック5を解錠してもよい。
【0157】
(2)上述し実施例では、クッション部材138を採用しているが、クッション部材138を削除した遊技機としてもよい。
【0158】
(3)上述し実施例では、遊技球使用の回胴遊技機を例に挙げて説明してきたが、パチンコ機やスロットマシンやこれらを融合させた遊技機などに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0159】
以上のように、この発明は、遊技球を使用するパチンコ機、メダルを使用するスロットマシン及び遊技球使用の回胴遊技機などの各種の遊技機に適している。
【符号の説明】
【0160】
1 … 遊技機
2 … 外枠(本体枠)
3 … 遊技機本体部(第1扉部材)
4 … ドアブロック(第1扉部材)
5 … 機構板ブロック(第2扉部材)
6 … 遊技盤ブロック
7 … 払出ブロック
120 … 施錠装置
123 … 鉤金具
128 … 固定機構
130 … 固定解除機構
130a… 自動復帰機構
601 … 裏カバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体枠と、当該本体枠に対して開閉可能に支持される第1扉部材と、を備えた遊技機において、
前記第1扉部材に設けられて当該第1扉部材に対して開閉可能に支持される第2扉部材と、
前記第1扉部材および第2扉部材を閉状態に施錠する施錠装置と、
を備え、
前記施錠装置は、鍵が挿入される鍵穴を前記第1扉部材の前面側に備え、前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されることで前記第1扉部材を解錠するとともに、前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向とは異なる第2の方向に回動操作されることで前記第2扉部材を解錠するものであり、
前記鍵穴に挿入された鍵が第1の方向に回動操作されて所定の回動位置に達するとその回動位置で第2方向には回動不能で、かつ、抜けないように当該鍵を固定する固定手段と、
前記第1扉部材の裏面側に設けられた、前記固定手段による鍵の回動・抜け固定を解除する固定解除手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−135678(P2012−135678A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97668(P2012−97668)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【分割の表示】特願2006−347989(P2006−347989)の分割
【原出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】