説明

遊技機

【課題】送信側である主制御部が送信した制御コマンドで誤りの発生を判定し、正常な制御コマンドを再送することができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機の制御コマンドを主基板10からサブ制御基板20に送信する構成において、主制御部出力手段m20は主基板内において主制御部入力手段にループバック接続され、主制御部入力手段m30のハイ信号検出用しきい値、ロー信号検出用しきい値をサブ制御部入力手段s20よりそれぞれ低い値、高い値に設定し、比較判定手段m13は、送信通信データに含まれる情報、および受信通信データに含まれる情報を比較して、制御コマンドの誤送信の有無を判定し、誤送信時に、再送通信データを送信し、サブ制御部の演出制御手段s14は制御コマンドの誤りが検出された場合に、暫定的な仮演出制御を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技における演出をする演出装置を制御するための、主制御部からサブ制御部に送信される制御コマンドを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような遊技機における演出装置の制御としては、スロットマシンであれば、遊技開始用のスタートレバーの操作・賭け数の設定・図柄表示装置の停止操作など、パチンコ機であれば発射装置の操作に基づいて行われる打球動作の結果として遊技球が入賞口に入った場合などの遊技者の遊技機操作に応じて、図柄の演出、あるいは光や音響による演出を行うものが知られている。このような遊技機においては、遊技者による遊技機の操作に応じて、主制御部のCPUにより演出制御のための制御コマンドが作成され、作成された制御コマンドは演出装置を制御するサブ制御部に送信され、その一方、サブ制御部のCPUでは、受信したこの制御コマンドに基づいて、図柄の演出制御、光や音響による演出制御を行う。
【0003】
このような遊技機では、サブ制御部を不正改造し、遊技機の出球制御の中心的制御を行う主制御部に影響を与えるような不正操作を防止するため、主制御部はサブ制御部から信号を受信しないが、主制御部からはサブ制御部に信号を送信する一方向性通信としたものが採用されている。
【0004】
ところで、上記のような遊技機においては、遊技機の演出制御をするための演出装置には電磁波ノイズを発生する電磁部品が多数使用されているため、主制御部とサブ制御部を接続する接続線に電磁波ノイズが誘導され、主制御部からサブ制御部に送信される制御コマンドが正常に受信できなくなるおそれがある。しかし、主制御部とサブ制御部間の通信は前述したように一方向通信であるため、主制御部からサブ制御部に送信した制御コマンドが正しくサブ制御部で受信されたか否かをサブ制御部から主制御部に通知する手段がないことになる。このため、主制御部からサブ制御部に送信した制御コマンドが正常に受信できなかった場合の対策として、サブ制御部は主制御部から複数回制御コマンドを受信し、多数決の手法で正しい制御コマンドか否かを判定する遊技機が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。さらに、制御コマンドに特定の論理演算をすると特定の演算結果となるような制御コマンドを送信することで、受信側で受信した制御コマンドのエラーを検出し修復することが可能な遊技機が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4316045号
【特許文献2】特許第4256612号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように従来技術は、受信側であるサブ制御部が制御コマンドの正常性を判定し、受信した制御コマンドを異常と判定した場合には、送信された情報に基づいて正常な制御コマンドを推測しようとする手法である。しかし、このような従来技術では、受信した制御コマンドを異常と判定した場合にそれと代替されるコマンドは、正常なコマンドと推測されたものでしかないから、誤動作防止を確実に図ることは難しい。すなわち、送信側である主制御部が、サブ制御部がどのような状態であるのかを判定可能であれば、サブ制御部が誤った制御コマンドを受信していると判定した場合に、主制御部が正常な制御コマン
ドを再送することで、正常な遊技機の制御状態となるように制御可能であるが、サブ制御部が誤った制御コマンドを受信したか否かを、主制御部が判定できないため、正常な制御コマンドを再送できないという課題があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、送信側である主制御部が送信した制御コマンドでの誤りの発生を判定し、正常な制御コマンドを再送することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技の進行に応じた遊技機処理内容を決定し、決定された遊技機処理内容と遊技結果を示す制御コマンドを作成する主制御部と、決定された制御コマンドを含む通信データを送信する主制御部出力手段とを有する主基板、および主制御部出力手段からの通信データを受信するサブ制御部入力手段と、該サブ制御部入力手段を介して受信した通信データに含まれる制御コマンドに応じて演出装置の制御方法を決定するサブ制御部と、サブ制御部の決定に基づいて演出装置を制御する演出制御手段とを有するサブ制御基板を備えた遊技機であって、主制御部出力手段は、通信データを電気信号形式の送信通信データとして、サブ制御部入力手段に送信し、主基板内において主制御部入力手段にループバック接続されており、送信通信データは、電圧レベルが高いハイ信号と低いロー信号の2値からなるデジタル信号により生成され、主制御部入力手段とサブ制御部入力手段のいずれにも、この2値データのいずれかを判断するためのしきい値が設定されており、しきい値は、ロー信号からハイ信号への変化時のしきいとなるハイ信号検出用しきい値、およびハイ信号からロー信号への変化時のしきいとなるロー信号検出用しきい値がそれぞれ設定されており、主制御部入力手段のハイ信号検出用しきい値は、サブ制御部入力手段のハイ信号検出用しきい値より低い値に設定され、主制御部入力手段のロー信号検出用しきい値は、サブ制御部入力手段のロー信号検出用しきい値より高い値に各々設定されており、主制御部入力手段は、主制御部入力手段のしきい値により、通信データを受信通信データとして受信し、主制御部は、送信通信データに含まれる情報と、受信通信データに含まれる情報を比較することで制御コマンドの通信中におけるエラー発生の有無を判定する比較判定手段を有し、比較判定手段により通信中におけるエラーが発生したと判定された場合に、送信通信データと同一内容の通信データを再送信し、サブ制御部は、演出制御手段を有し、演出制御手段は、サブ制御部がサブ制御部入力手段を介して受信した通信コマンドに、通信中におけるエラーが発生したと判定した場合に、暫定的な仮演出制御を行い、サブ制御部は通信データを受信した時点から所定の再送待ち期間が経過するまでの間に、サブ制御部入力手段を介して通信データを受信した場合は、該通信データを再送信されたデータとして仮演出制御を通信データに含まれる制御コマンドに基づいた演出制御に切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上、本発明に係る遊技機によれば、主御部とサブ制御部との間での通信を適切に行うことができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るスロットマシンの正面図である。
【図2】実施形態に係るスロットマシンの内部構造を示す図である。
【図3】実施形態に係るスロットマシンの制御システム構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る制御システムの詳細構成を示すブロック図である。
【図5】制御システムの第1の態様における主基板の動作フローを示すフローチャートである。
【図6】制御システムの第1の態様における主制御部検出用しきい値特性を示す動作図である。
【図7】制御システムの第1の態様における主制御部入力手段とサブ制御部入力手段を示す回路図である。
【図8】制御システムの第1の態様におけるサブ制御基板の第1の動作フローを示すフローチャートである。
【図9】制御システムの第1および第2の態様におけるサブ制御基板の第2の動作フローを示すフローチャートである。
【図10】制御システムの第2の態様における主基板の動作フローを示すフローチャートである。
【図11】制御システムの第2の態様における所定の論理演算の第1の形態を示す動作図である。
【図12】制御システムの第2の態様における所定の論理演算の第2の形態を示す動作図である。
【図13】制御システムの第2の態様におけるサブ制御基板の第1の動作フローを示すフローチャートである。
【図14】制御システムの第1および第2の態様におけるループバック動作を示すタイミングチャートである。
【図15】実施形態に係るパチンコ機において制御システムの情報の流れを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態としてのスロットマシン1(図1参照)について説明する。まずは、スロットマシン1の概略構成について図1〜図4を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の外部構造を表した正面図、図2は、スロットマシン1の内部構造を表した正面図、図3は、スロットマシン1における制御システムの構成を表したブロック図、図4はスロットマシン1の制御システムの詳細構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、図1及び図2に示すように、遊技者に面するフロントドア2と、フロントドア2を開閉可能に取り付ける筐体3(図2参照)とを備えて構成される。フロントドア2は、上部パネル部4と、中央パネル部5と、下部パネル部6とを備え、全体的に金属製のフレーム(不図示)と硬化プラスチックにより成形された前面パネルとで形成され、これにより、構造が強化されている。
【0012】
上部パネル部4には、上部ランプと称される各種LED(ランプ)4aと、スピーカが取り付けられた放音部4b,4cと、カラー画像を表示する液晶ディスプレイ等で形成され遊技者が目視可能な画像表示装置4dとが設けられている。画像表示装置4dは、遊技中の演出を行うときに、各種の画像表示を行うものである。中央パネル部5には、各種LED5a,5b、及びモータ駆動により回転可能に設けられ複数個(本実施形態では3個)配設される回胴リールR1,R2,R3を備えた回胴リール装置7が設けられるとともに、回胴リールR1,R2,R3の前方には、透明な硬化プラスチック板で形成された略長方形の透明窓WDが設けられ、この透明窓WDにより、回胴リール装置7を外部から保護するとともに、遊技者が透明窓WDを介して回胴リールR1,R2,R3を視認することが可能となっている。
【0013】
回胴リールR1,R2,R3は、それぞれリング状に構成され、その外周面には複数の入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したテープリールが貼られている。回胴リールR1,R2,R3には、例えば21個の複数種類の図柄が等間隔で配置されており、各リールR1,R2,R3毎に異なった図柄配列がなされている。また、中央パネル部5上であって回胴リール装置7の下方には、遊技者の獲得したメダル数を表示させたり、遊技動作や機械動作に異常が生じたときはエラーコードを表示させたりする獲得枚数表示部(エラー表示部)5cが設けられている。エラーコードが表示されたときは、遊技機は遊技不
可の状態となる。
【0014】
更に、中央パネル部5の下端には、遊技者が操作するための操作部5dが設けられ、当該操作部5dには、遊技用メダルを投入するためのメダル投入部MDと、1ゲーム当たりのメダル数を提示するためのベットボタンB1,B2,B3と、1ゲームの開始を指示するためのスタートレバーSTと、回胴中の回胴リールR1,R2,R3を個別に停止させるための3個のストップボタンSP1,SP2,SP3が設けられている。下部パネル部6には、スロットマシン1のゲーム内容に関連した画像等(不図示)が描かれており、遊技者の獲得したメダルを払い出すための排出口6a及び受皿6bと、スピーカが取り付けられた放音部6cが設けられている。なお、遊技中には、種々の演出、例えば各種LED4a,5a,5bの点灯・点滅や、スピーカSR,SL,SWからの放音、画像表示装置4dによる画像表示等が行われる。更に、演出の中には、役の当選可能性の告知演出が含まれる。
【0015】
次に、図2を参照して、フロントドア2の裏面構造と、筐体3の内部構造を概略的に説明する。なお、図2は、フロントドア2を解錠して筐体3から開いた状態を示している。図2において、フロントドア2の裏面上部に、上述の放音部4b,4cを構成するスピーカSR,SLが設けられ、スピーカSR,SLの間に画像表示装置4dが設けられるとともに、画像表示装置4dの裏面側にサブ制御基板20が取り付けられている。画像表示装置4d及びサブ制御基板20の下方には、上述の透明窓WDと、中央パネル部5のパネル面とが形成された略長方形の枠体5eが取り付けられている。
【0016】
また、枠体5eの下方には、メダル投入部MDより投入される投入物を正規の遊技用メダルか異物かを判別して振り分ける振分機構G1と、振分機構G1で振り分けられた遊技用メダルを筐体3側に設けられているホッパ装置HPへ案内するガイド部材G2と、振分機構G1で振り分けられた異物を排出口6aへ案内して排出するガイド部材G3と、ホッパ装置HPから出力される払い出し用のメダルを排出口6aへ案内して出力するガイド部材G4とが設けられ、排出口6aの近傍に、スピーカSWが放音部6cに対応して取り付けられている。更に、枠体5eと振分機構G1との間の領域に長尺状の中央表示基板30が取り付けられ、当該中央表示基板30の裏面側の一端に、設定ボタンCSと、数字の0から6までのセグメント表示を行う発光ダイオードで構成された設定表示素子CTが設けられている。
【0017】
筐体3内には、電源装置PWUと、ホッパ装置HPから溢れた遊技用メダルを収容するための補助貯留部SHPと、上述の透明窓WDに対向する回胴リールR1,R2,R3を備えた回胴リール装置7が設けられるほか、電源装置PWUの側面に電源装置基板40、回胴リール装置7の上端に回胴装置基板50、回胴リール装置7の上方に主基板10、筐体3の内壁の一端に外部集中端子装置としての外部集中端子基板70が各々取り付けられている。
【0018】
ここで、上述した主基板10と、サブ制御基板20、回胴装置基板50、中央表示基板30、電源装置基板40及び外部集中端子基板70は、何れも導電性配線パターンで形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成され、特に、主基板10とサブ制御基板20と外部集中端子基板70は、各々硬化プラスチックの収納ケース内に個別に収納されたユニット構造となっている。
【0019】
以下で、図3のブロック図を参照して制御システムの構成についてその概略を説明する。主基板10は、スロットマシン1の動作全体を管理するシステムプログラム及びスロットマシンゲーム用の実行プログラムが予め記憶されている半導体メモリ等で構成された記
憶部及びこれらのプログラムを実行する主制御部CPU(後に詳述)からなる主制御部11を有し、主制御部CPUに設けられている主制御部入力手段(後に詳述)及び主制御部出力手段(後に詳述)と残余のサブ制御基板20,回胴装置基板50,中央表示基板30,電源装置基板40,外部集中端子基板70との間は、配線ケーブルにより接続されている。
【0020】
また、スピーカSR,SL,SWと各種LED4a,5a,5bと画像表示装置4dが接続線を介してサブ制御基板20に配線接続され、主基板10中の主制御部CPUm11から供給される演出制御信号に従って、サブ制御基板20に設けられている電気回路がこれらスピーカSR,SL,SWと各種LED4a,5a,5bと画像表示装置4dとを駆動させることにより、遊技者の視覚と聴覚に訴える演出を行う。
【0021】
回胴装置基板50は、電動モータにより回転駆動される回胴リールR1,R2,R3を備えた回胴リール装置7が配線接続されており、主基板10中の主制御部CPUm11から供給されるリール制御信号に従って、上述の電動モータを制御することにより、回胴リールR1,R2,R3の回転と制動及び停止の制御を行う。中央表示基板30には、振分機構G1、ベットボタンB1,B2,B3、スタートレバーST、ストップボタンSP1,SP2,SP3、設定表示素子CT、及び設定ボタンCSが配線接続されており、振分機構G1から出力されるメダル検出信号と、ベットボタンB1,B2,B3とスタートレバーST及びストップボタンSP1,SP2,SP3からそれぞれ出力されるオン・オフ信号を主基板10中の主制御部CPUm11に転送するとともに、主制御部CPUm11から供給されるセグメント表示信号に基づいて、設定表示素子CTに0から6までの数字を表示させる。
【0022】
電源装置基板40には、設定スイッチBO、電源スイッチBQ、ホッパ装置HP、電源装置PWUが配線接続され、設定スイッチBOと電源スイッチBQからそれぞれ出力されるオン・オフ信号を主基板10中の主制御部CPUm11に転送する。更に、電源装置基板40には、電源装置PWUにより発生される各種電源電圧をホッパ装置HPその他各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要な電源供給が行われている。
【0023】
次に、このように構成されている制御システム内の制御情報の流れを説明する。主制御装置10と設定切替・表示部32間は、設定ボタンCSおよび設定表示素子CTの情報収集と制御のため両方向通信となっている。主制御装置10には、遊技制御機能のほか、払出制御の機能も有しており、主制御装置10とホッパ装置HP間は、ホッパ装置HPでのメダル払い出しの監視入力と払出装置の駆動信号を送信するため両方向通信となっている。主制御装置10と電源基板40間は、電断検出とバックアップ電源制御のために両方向通信となっている。主制御装置10と入力操作部33間は、遊技者によるメダル投入、スタートレバーSTおよびストップボタンSP1,SP2,SP3の操作に関係する情報を収集し、メダル投入を許可していないタイミングでメダルの投入を不可とする流路切替ソレノイド(不図示)の駆動信号を出力するために、入力操作部33と主制御装置10とは両方向通信となっている。主制御装置10と回胴装置基板50間は、回胴リールR1,R2,R3の回転制御を行う制御情報を主制御部10から回胴装置基板50に送信するため、主制御装置10から回胴装置基板50への一方向通信となっている。主制御装置10と外部集中端子基板70間は、外部情報表示のために一方向通信となっている。また、主制御装置10とサブ制御基板20間は、前述したように不正操作防止のために一方向通信となっている。
【0024】
ここで、主制御装置10からサブ制御基板20には、サブ制御のためのサブ制御コマンドが一方向通信で送信される。サブ制御基板20と画像表示装置4d、スピーカSR,S
L,SW、各種LED(またはランプ)4a,5a,5b間は、それぞれの装置について画像制御、音声制御、ランプ制御、あるいはゲームアシスト制御等のAT系遊技制御を行うために一方向通信となっている。サブ制御基板20ではこれらの演出制御全体の管理をサブ統括制御で行う。
【0025】
次に、サブ制御基板20内の制御情報の流れを、図4を参照して説明する。主制御装置(主基板)10が出力する、サブ制御基板内の各機能を制御するためのサブ制御コマンドはコマンド受信部(サブ制御部入力手段)s20で受信する。コマンド受信部(サブ制御部入力手段)s20で受信したサブ制御コマンドは、8ビットパラレル通信によりストローブ信号の受信を契機にNMI/上位割込されてサブ制御部CPUs11が受信する。サブ制御部CPUs11は受信したサブ制御コマンドの制御内容をコマンド解析し、サブ制御ROMs40の乱数情報、制御手段に従って演出抽選し、各種の演出装置を制御するため、音声制御コマンド、表示制御コマンドを作成し、各装置との間で両方向通信する。
【0026】
サブ制御部CPUs11と画像制御CPUs50間は、画像制御CPUs50がサブ制御部CPUs11から表示制御コマンドを受信し、画像の表示状態に関する情報をサブ制御部CPUs11に送信するため、シリアル通信による両方向通信となっている。画像制御CPUs50はサブ制御部CPUs11から受信した表示制御コマンドを解析し、画像制御ROMs51に記憶されている制御手段に従って画像制御する。画像制御CPUs50による画像制御情報は、画像表示装置4dを駆動して画像処理を行うVDPs52で受信され、このVDPs52によりキャラクターROMs53に記憶されているキャラクターがこの画像制御情報に画像表示装置4dに画像表示される。なお、画像制御CPUs50とVDPs52間は、パラレル通信を用いた両方向通信となっている。VDPs52から画像表示装置4dを駆動する駆動線は一方向通信となっている。
【0027】
サブ制御部CPUs11と音声制御ICs60間に関しては、音声制御ICs60がサブ制御部CPUs11から音声制御コマンドを受信し、音声制御に関する情報をサブ制御部CPUs11に送信するためにパラレル通信による両方向通信となっている。音声制御ICs60とスピーカSR、SL、SW間は、スピーカにより音声による演出制御をするために一方向通信となっている。また、サブ制御部CPUs11と各種LED(ランプ)4a,5a,5bを駆動する制御線は一方向通信となっている。なお、サブ制御部21内で使用されるモータ用の基準位置センサなどの入力装置についてはサブ制御部21に入力される。
【0028】
このように構成されたスロットマシンの制御システムにおいて、送信側である主制御部が送信した制御コマンドでの誤りの発生を判定し、正常な制御コマンドをサブ制御部に再送する第1の態様について、前述の図4および図5〜9を用いて説明する。図5は制御システムの第1の態様における主基板の動作フローを示すフローチャートである。図6は制御システムの第1の態様における主基板およびサブ制御基板入力手段の検出用しきい値特性を示す動作図である。図7は制御システムの第1の態様における主制御部入力手段とサブ制御部入力手段を示す回路図である。図8は制御システムの第1の態様におけるサブ制御基板の第1の動作フローを示すフローチャートである。図9は制御システムの第1および第2の態様におけるサブ制御基板の第2の動作フローを示すフローチャートである。
【0029】
ここで、主基板とサブ制御基板で構成される制御システムのうち、コマンド送受信にかかる部分の第1の態様の構成と動作を図4と図5を用いて説明する。図4に示すように、主基板10には、前述した主制御部11のほか、主制御部出力手段m20と主制御部入力手段m30とが設けられている。主制御部11は、振分機構(セレクターとも称する)G1から出力されるメダル検出信号、スタートレバーST及びストップボタンSP1,SP2,SP3の操作をそれぞれ検出して操作信号として出力されるオン・オフ信号に基づく
演算処理結果や遊技制御の進行に応じて、主制御部CPUm11が実行している処理内容や遊技結果がサブ制御部で識別できるような制御コマンドを生成(作成)する。主制御部CPUm11は、作成した制御コマンドを図示していない一時記憶手段であるRAMに一時記憶する。さらに、主制御部CPUm11は、必要に応じて作成した制御コマンドに制御コマンド以外の情報を含めて送信通信データを作成する(図5のステップ100)。そして、作成した送信通信データは、主制御部出力手段m20により電気信号形式でサブ制御基板20へ送信される(図5のステップ110)。ここで、主制御部出力手段m20とサブ制御基板20に設けられているサブ制御部入力手段s20とが電気的に接続されると共に、主制御部出力手段m20と主制御部入力手段m30とが、主基板10内でループバックして電気的に接続される。これ以降の説明ではループバックして接続することをループバック接続と称する。なお、サブ制御基板20では、受信した送信通信データにもとづいて、具体的な演出制御内容を決定し、決定した演出制御内容でスピーカSR,SL,SW、各種LED4a,5a,5b及び画像表示装置を制御する。
【0030】
ここで、先の送信通信データは、電圧レベルが低いロー信号と高いハイ信号の2値からなるデジタル信号により生成されており、主制御部入力手段m30とサブ制御部入力手段s20のいずれにも、この2値データのいずれかを判断するためのしきい値が設定されている。なお、しきい値は、ロー信号からハイ信号への変化時のしきいとなるハイ信号検出用しきい値、ハイ信号からロー信号への変化時のしきいとなるロー信号検出用しきい値とがそれぞれ別々に設定(ヒステリシスとも称する)されており、主制御部入力手段m30のハイ信号検出用しきい値は、サブ制御部入力手段s20のハイ信号検出用しきい値より低い値に設定され、主制御部入力手段m30のロー信号検出用しきい値は、サブ制御部入力手段s20のロー信号検出用しきい値より高い値に各々設定されている。検出用しきい値の詳細は図6を用いて後述する。
【0031】
主制御部11は、さらに主制御部入力手段m30にループバック接続されて受信した(図5のステップ120)受信通信データに含まれる制御コマンドと一時記憶手段であるRAMに記憶されている制御コマンドを比較することで制御コマンドの誤りの有無を検出する比較判定手段m13が設けられている(図5のステップ130)。
【0032】
上述の比較により、比較判定手段m13は主制御部出力手段m20からサブ制御部入力手段s20に送信した送信通信データに含まれる制御コマンドに誤りが発生したか否か(正常なコマンドから変化してしまったか否か)を判定することになる(図5のステップ140)。また、主制御部CPUm11は、誤りが発生したと判定した場合にサブ制御部入力手段s20に通信データを再送する(図5のステップ150)。なお、主制御部11においては、送信通信データを送信してから所定の期間が経過した後に、可変に設定可能なループバックタイミングで1回又は複数回に亘り主制御入力手段m30が入力信号を受信するか否かをチェックし、主制御部入力手段m30がデフォルト値(全てがロー信号、或いはハイ信号)と異なる入力信号を受信した場合、すなわち、自己が送信通信データを送信していないタイミングでデフォルト値以外の入力があった場合、異常であると判定する異常監視手段m14を設けることが好ましい。なお、1回のみの場合には、ノイズによるものの場合があるため、複数回に亘り受信した場合に異常と判断することが望ましい。なお、このような情報を受信した場合における主制御部11の詳細な動作は後述する。
【0033】
サブ制御基板20には、前述したサブ制御部21のほか、サブ制御部入力手段s20、演出制御手段s14、制御システムの第2の態様において用いる比較判定手段s12が設けられている。サブ制御部入力手段s20は、主制御部出力手段m20が送信した通信データを受信し(図8のステップ200)、受信した通信データはサブ制御部CPUs11に渡される(図8のステップ210)。サブ制御部CPUs11は受信した通信データに含まれる制御コマンドが所定の制御コマンドと異なるデータであるか否かを判定し(図8
のステップ220)、所定の制御コマンドと異なる場合には受信した制御コマンドに誤りが発生したと判断し、演出制御装置s14が仮演出制御をする(図8のステップ230)。受信した制御コマンドに誤りが無いと判断した場合は、受信した制御コマンドに含まれる主基板11での遊技機処理内容と遊技結果に基づいて、具体的な演出制御内容を決定し、決定した演出制御内容でスピーカSR,SL,SWと、各種LED4a,5a,5bと、画像表示装置4dを制御する(図8のステップ235)。
【0034】
制御システムの第1の態様における主制御部入力手段m30とサブ制御部入力手段s20の検出用しきい値の設定を、図6を用いて詳細に説明する。検出用しきい値の設定は、主制御部入力手段m30において、サブ制御部入力手段s20よりも確実に制御コマンドの誤りを検出可能にすることを目的にしている。
【0035】
主制御部入力手段m30とサブ制御部入力手段s20とは接続線で接続されている。主制御部出力手段m20から送信される通信データはハイ信号と、ロー信号とを組み合わせた電気信号形式であるが、この接続線上で遊技機内に設けられている各種の電磁部品から発生するノイズが該接続線上に誘導される。仮に主制御部出力手段m20に5Vの電源を用いた場合において、主制御部出力手段m20の電源電圧は電源電圧変動と主制御部出力手段m20内部の回路での電圧降下の影響で、主制御部出力手段m20が送信するハイ信号の出力電圧が4.5Vとなり、逆にロー信号は0Vであると仮定する。ここで、遊技機内の電磁部品から0.9Vの誘導ノイズが主制御部出力手段m20とサブ制御部入力手段s20の接続線上に誘導された場合、サブ制御部入力手段s20の入力信号レベルはハイ信号が3.6Vに降下し、ロー信号は0.9Vに上昇する可能性がある。
【0036】
制御システムの第1の態様では、主制御部から送信した制御コマンドが正しくサブ制御部に送信されたか否かを、制御コマンドの送信側である主制御部で判定するために、主制御部出力手段m20からサブ制御部入力手段s20と接続する接続線を、主基板内において主制御部入力手段m30に折り返して接続するループバック接続を設ける。該接続線に遊技機内の電磁部品からの誘導ノイズが重畳される。サブ制御部入力手段s20に入力される電気信号と同様に、主制御部入力手段m30においても、入力される電気信号は該誘導ノイズの影響を受ける。従って、主制御部出力信号手段m20が出力するハイ信号は、該誘導ノイズの影響を受けて3.6Vに降下し、ロー信号は0.9Vに上昇した電圧となる。ここで該誘導ノイズによるハイ信号の電圧降下と、ロー信号の電圧上昇は、サブ制御部入力手段s20と主制御部入力手段m30とで同一の大きさであるが、主制御部から送信した制御コマンドが正しくサブ制御部に送信されたか否かを、制御コマンドの送信側である主制御部において、サブ制御部側よりも確実に判定可能にする必要がある。このため、主制御部入力手段m30の検出用しきい値とサブ制御部入力手段s20の検出用しきい値を異なる値に設定することが考えられる。
【0037】
例えば、主制御部入力手段m30にルネサス社の74HC04を用い、サブ制御部入力手段s20に74HC14を用いることが考えられる。図6は74HC04と74HC14のハイ信号、ロー信号の検出用しきい値特性を示している。74HC04においては、ロー信号をハイ信号と判定する検出用しきい値とロー信号をハイ信号と検出する検出用しきい値はデータシート上は同じ値であり、現実的に相違しているとしても0.1V前後である。74HC14は、ロー信号をハイ信号と判定する検出用しきい値は3.15Vであり、ハイ信号をロー信号と判定する検出用しきい値は0.9Vとなるヒステリシス特性を持つシュミットトリガー回路である。このような特性を持つ74HC04を主制御部入力手段m30に用い、74HC14をサブ制御出力手段s20に用いる。
【0038】
ここで、主制御部入力手段m30に用いる74HC04は個々のICにより特性が異なるが、仮にロー信号をハイ信号と判定する検出用しきい値とロー信号をハイ信号と検出す
る検出用しきい値が2.25Vであるとする。また、電磁部品から誘導される誘導ノイズの大きさが2.3Vであるとする。主制御部出力手段m20から出力されるハイ信号は2.2Vに電圧降下し、ロー信号は2.3Vに電圧上昇する。主制御部入力手段m30の74HC04は主制御出力手段m20が出力したハイ信号をロー信号であると誤受信し、ロー信号をハイ信号であると誤受信する。これに対して、サブ制御部入力手段の74HC14は主制御出力手段m20が出力したハイ信号をハイ信号であると正しく受信し、ロー信号をロー信号であると正しく受信する。このように、主制御部入力手段m30のハイ信号検出用しきい値をサブ制御部入力手段s20のハイ信号検出用しきい値より低いしきい値に、主制御部入力手段m30のロー信号検出用しきい値をサブ制御部入力手段s20のロー信号検出用しきい値より高い値に設定する。該設定により、主制御部入力手段m30はサブ制御部入力手段s20より、遊技機の電磁部品による誘導ノイズの影響を受けやすい構成となる。
【0039】
なお、ここで主制御部入力手段m30とサブ制御部入力手段s20に用いるICは74HC04と74HC14に限定されるものではない。主制御部入力手段m30におけるハイ信号検出用しきい値がサブ制御部入力手段s20のハイ信号検出用しきい値より低い値に設定可能であり、主制御部入力手段m30のロー信号検出用しきい値がサブ制御部入力手段s20のロー信号検出用しきい値より高い値に設定可能な、全ての種類のドライバ系ICが使用可能となる。
【0040】
図面を参照しつつ74HC04と74HC14以外のドライバ系回路を用いて主制御部入力手段m30とサブ制御部入力手段s20を構成する例を説明する。図7は、制御システムの第1の態様における主制御部入力手段とサブ制御部入力手段をトランジスタ回路とダーリントン回路で構成する回路図である。
【0041】
主制御部入力手段m30に図7(a)に示すトランジスタ回路を用い、サブ制御部入力手段s20に図7(b)に示すダーリントン回路を用いてもよい。主制御部入力手段m30の入力端子には、主制御部出力手段m20の出力がループバックされた接続線が接続されるが、トランジスタ回路のベースが主制御部入力手段m30の入力端子となる。トランジスタのコレクタは所定の抵抗を経由して電源電圧に接続され、エミッタはアースに接続される。また、トランジスタ回路のコレクタは、主制御部入力手段m30の出力端子となる。サブ制御部入力手段s20の入力端子には、主制御部出力手段m20の出力が接続線を介して、接続されるが、ダーリントン回路の入力端子がサブ制御部入力手段s20の入力端子となる。ダーリントン回路の出力端子がサブ制御部入力手段s20の出力端子となる。
【0042】
図7(a)に示すトランジスタ回路は、以下に説明するように動作する。図7(a)のトランジスタ回路のベース・エミッタ間電圧であるVBEは一般に0.6V程度である。即ち、トランジスタ回路の入力電圧が0Vから0.6V以上になった場合に、トランジスタ回路はオフ動作からオン動作になる。トランジスタ回路の入力電圧が0.6V以上から0.6V以下になった場合には、トランジスタ回路はオン動作からオフ動作になる。換言すれば、主制御部入力手段m30のロー信号からハイ信号への検出用しきい値は0.6Vである。主制御部入力手段m30のハイ信号からロー信号への検出用しきい値は0.6Vとなる。
【0043】
図7(b)に示すダーリントン回路は、以下に説明するように動作する。図7(b)のダーリントン回路のベース・エミッタ間電圧は、2段のトランジスタのベース・エミッタ間電圧となるためVBEは1.2Vとなる。即ち、ダーリントン回路の入力電圧が0Vから1.2V以上になった場合に、ダーリントン回路はオフ動作からオン動作になる。ダーリントン回路の入力電圧が1.2V以上から1.2V未満になった場合には、トランジスタ
回路はオン動作からオフ動作になる。換言すれば、サブ制御部入力手段s20のロー信号からハイ信号への検出用しきい値は1.2Vである。サブ制御部入力手段s20のハイ信号からロー信号への検出用しきい値は1.2Vとなる。
【0044】
ここで、主制御部出力手段m20とサブ制御部入力手段を接続する接続線に遊技機内の電磁部品から誘導ノイズが重畳されるが、この誘導ノイズは、アース電位に近い電圧を高い電圧に持ち上げる誘導ノイズの方が、電源電圧に近い電位を低い電圧に引き下げる誘導ノイズより多いことが知られている。従って、前述のような異なる検出用しきい値特性を持つトランジスタ回路を主制御部入力手段m30に用い、ダーリントン回路をサブ制御部入力手段s20に用いることで、主制御部入力手段m30はサブ制御部入力手段s20より、遊技機の電磁部品による誘導ノイズの影響を受けやすい構成となる。
【0045】
なお、ここで図7(a)に図示したトランジスタ回路が主制御部入力手段m30の回路であり、図7(b)に図示したダーリントン回路がサブ制御部入力手段s20の回路であると説明したが、図7(a)と図7(b)に図示したトランジスタ回路とダーリントン回路は、基本原理を示す回路構成であって、本実施形態は、勿論これらの構成に限定されるものではなく、むしろ実際には図示されていない種々の回路部品が使用されている。一例としては、それぞれの回路のエミッタは直接アース電位としたが、それぞれのエミッタは抵抗を経由してアースに接続する構成とすることで、それぞれの回路がオン動作になった場合の出力端子の電位を、基本原理を示す回路と比べて高い出力電位とするよう構成することも考えられる。それぞれの回路のトランジスタのベースに、電源とアース間に2個の抵抗を付けたブリーダ回路を付けて、それぞれの回路の入力電位を変更することも考えられる。
【0046】
スイッチング回路として使用可能な素子は、前述のトランジスタ回路とダーリントン回路に限定されない。MOSFETにより構成することも可能である。個別のMOSFET素子を用いてもよいしドライバICとしてIC化されているMOSFETを用いても良い。個別のMOSFET素子を用い、主制御部入力手段m30と、サブ制御部入力手段s20とで異なるオン・オフ動作をするように回路を構成することが可能である。主制御部入力手段m30のハイ信号検出用しきい値がサブ制御部入力手段s20のハイ信号検出用しきい値より低い値に設定可能であり、主制御部入力手段m30のロー信号検出用しきい値がサブ制御部入力手段s20のロー信号検出用しきい値より高い値に設定可能な、全ての種類のドライバ系ICが使用可能となる。
【0047】
上記では、主制御部入力手段m30とサブ制御部入力手段s20とを接続する接続線に、遊技機の電磁部品が発生する誘導ノイズが重畳することを説明しているが、その他に、静電気ノイズにより該接続線に瞬間的に電位が持ちあがったパルスノイズが重畳することがある。サブ制御部入力手段s20には、このようなパルスノイズにより受信した通信データが瞬間的に誤った電位に変化している時点において、ストローブ信号を出力することで、サブ制御部CPUs11が受信した通信データを取り込むことがないよう、サブ制御部入力手段s20の入力端子には、ノイズフィルタが設けられている。ノイズフィルタは抵抗とコンデンサで構成する平滑回路を入力端子に付加することで実現されている。主制御部入力手段m30の入力端子には、このようなノイズフィルタを付加しないで、サブ制御部入力手段s20よりも、接続線に重畳したパルスノイズを確実に検出可能にすることが好ましい。
【0048】
更に、静電気ノイズによるパルスノイズの影響をサブ制御部入力手段s20より主制御部入力手段m30の方が受けやすくする手法として、異なるスイッチング特性のドライバICを採用することが考えられる。具体的には、主制御部入力手段m30側のスイッチング特性を良好なものとし、サブ制御部入力手段s20側のスイッチング特性を鈍いものとす
るのである。このように構成することで、パルス巾の短い静電ノイズが接続線に混入した場合、スイッチング特性の良好な主制御部入力手段m30側がノイズの影響を受けた結果となりやすくなるので、好適である。
【0049】
主制御部出力手段m20とサブ制御部入力手段s20とを接続する接続線上に、誘導ノイズが重畳し、通信データに誤りが発生する可能性を、主制御部入力手段m30がサブ制御部入力手段s20よりも確実に検出可能とする実施形態と、主制御部出力手段m20とサブ制御部入力手段s20とを接続する接続線上に、パルスノイズが重畳し、通信データに誤りが発生する可能性を、主制御部入力手段m30がサブ制御部入力手段s20よりも確実に検出可能とする実施形態を説明した。
【0050】
前述の主制御部入力手段m30がサブ制御部入力手段s20より誘導ノイズ、あるいはパルスノイズの発生を確実に検出可能にする実施形態は、不正行為に対しても有効となる。不正行為者が何らかの手法により主制御部出力手段m20とサブ制御部入力手段s20の接続線上に不正信号を誘導しようとする不正行為に対して、サブ制御部側よりも主制御部側で確実に不正信号を検出可能になる。さらに、主制御部がこのような不正行為に対して何らかの対処を行うことが可能になるという効果が得られる。特に、サブ制御部側で出球に影響を与える演出(当選役に対して遊技者に有利な結果となる停止操作手順を報知する演出を所定遊技期間行ういわゆるアシストタイム遊技など)を実行する場合には有益である。
【0051】
なお、前述した比較判定手段m13の機能は、主制御部CPUm11が実行するプログラムに2つの制御コマンドを比較演算する処理を含むように構成することが可能である。あるいは、主制御部CPUm11が受信した通信データに含まれる制御コマンドと、一時記憶手段であるRAMに記憶されている制御コマンドとが入力され、これら2つのコマンドを比較する比較回路を用いた電気回路で構成することも可能である。このように第1の態様として示した機能を実現するための具体的手段はさまざまな方法で構築することが可能である。
【0052】
次に、制御システムの第1の態様における再送通信データを送信する動作を詳細に説明する。
【0053】
主制御部入力手段m30が受信した通信データに誤りがあると、比較判定手段m13が判定した場合は、主制御部CPUm11は、一時記憶手段であるRAMに記憶した通信データを、主制御部出力手段m20から再送するように構成されている。
【0054】
あるいは、主制御部入力手段m30が受信した通信データに誤りがあると、比較判定手段m13が判定した場合は、主制御部CPUm11は、一時記憶手段であるRAMに記憶した通信データを再送通信データにリトライ情報であることを示すリトライ指示データを付加した通信データを、主制御部出力手段m20から再送通信データとして送信するように構成しても良い。
【0055】
このようなリトライ情報は、識別番号と動作番号で構成される制御コマンドに再送を示す情報として1ビットを付加して送信することで可能となる。このような再送通信データとしてリトライ情報を付加して再送通信データを送信する機能は、主制御部CPUm11が実行するプログラムの機能として実現することが可能である。あるいは、電気回路で構成することも可能である。例えば、比較判定手段m13が通信データに誤りが発生したことを示す信号を出力し、該誤りが発生したことを示す信号をトリガー信号として一時記憶手段であるRAMに記憶されている制御コマンドに、リトライ情報であることを示すビットを付加したデータを再送通信データとして主制御部出力手段m20に渡すように電気回
路を構成することが可能である。
【0056】
以上のようにいずれの場合であっても、主制御部入力手段m30が受信した通信データに誤りがあると比較判定手段m13が判定した場合は、主制御部CPUm11は、通信データを、主制御部出力手段m20から再送するように構成されているため、サブ制御部入力手段s20に適正なデータが送信されていない可能性がある場合に再度通信データを受信する機会を付与することができるのである。又、リトライ情報を付与した場合には、サブ制御部側で再送されたデータであるか否かを確実に把握することができるので、以降の処理を適切に実行することが可能となる。
【0057】
次に、制御システムの第1の態様におけるサブ制御部の動作を、図8および図9を用いて詳細に説明する。
【0058】
サブ制御部入力手段s20は、主制御部出力手段m20が出力した通信データを受信する(図8のステップ200)。受信した通信データはサブ制御部CPUs11に渡される(図8のステップ210)。サブ制御部CPUs11は受信した制御コマンドに誤りがあるか否かを判定する(図8のステップ220)。制御コマンドの種類は予め決まっており、主基板10とサブ制御基板20を接続する接続線上に誘導ノイズが重畳されたことに起因して、予め決まっている種類のいずれにも該当しない制御コマンドを受信する可能性がある。このように、予め決まっている種類の制御コマンドと異なるか否かにより、サブ制御CPUs11は受信した制御コマンドに誤りが発生したか否かを判定する。サブ制御部CPUs11は、受信した制御コマンドに誤りが無いと判定した場合は、演出制御手段s14が受信した制御コマンドに従って演出装置を制御する(図8のステップ235)。制御コマンドに誤りがあると判定した場合は、暫定的な演出制御である仮演出制御をする(図8のステップ230)。
【0059】
このような仮演出制御を行うことで、演出がなされないことにより遊技者に期待感を与えてしまうような矛盾的な状態を適正に防止することができる。なお、継続的に演出が実行される場合に、誘導ノイズの重畳によりコマンド内容が変化して、従前の演出制御を実行する制御コマンドと明らかに異なる演出実行コマンドを受信すること(具体的には、遊技開始後に第一停止操作を示すコマンドだけを受信しているのにも関わらず、次のコマンドがボーナスフラグ当選を示すコマンドであり、明らかに異常なコマンドを受信する場合)が考えられる。この場合には、当該コマンドに基づく演出を実行せずに、その後のコマンド受信により変化する演出内容とかけ離れることのない仮演出を実行するように演出制御を行うことが望ましい。
【0060】
続いて、再送通信データ受信手段s13による再送された通信データを受信待ちする処理をする。再送通信データ受信手段s13は予め決められた所定の再送待ち期間が終了するまでの間に、主制御部出力手段m20から通信データが再送されてくるか否かをチェックする(図8のステップ240)。サブ制御部入力手段s20が再送された通信データを受信すると、受信した通信データは再送通信データ受信手段s13に渡される(図8のステップ250)。再送通信データを受信すると、演出制御手段s14は仮演出制御を中断し、受信した通信データに含まれる制御コマンドに従って、演出装置を演出制御する(図8のステップ260)。ここで、所定の再送待ち期間が終了しても、再送通信データ受信手段s13が通信データを再受信しない可能性がある。この場合においては、演出制御手段s14は仮演出制御を継続する(図8のステップ265)。
【0061】
ここで、演出制御手段s14は所定の再送待ち期間が終了するまでの間に、通信データが再送されてきた場合に、再送されてきた通信データに含まれる制御コマンドに従って、演出装置を演出制御する(図8のステップ260)と説明したが、演出制御手段s14は
、それまでの間、仮演出制御を行っている。ただし、仮演出制御の演出進行の状態によっては、仮演出制御を中断し、本来的には適切な演出内容である適正な演出に、直ちには切換えない方が良い場合がある。また、仮演出制御を開始した直後に通信データが再送されてくる場合もある。このような場合に、本来的には適切な演出内容である適正な演出に、直ちには切換えない方が良い。
【0062】
ところで、遊技者は仮演出制御を正常な演出制御と区別して認識しているわけではないので、仮演出制御が行われている途中で、正常な演出制御に、突然切換わると遊技者に違和感を与えてしまう。例えば、キャラクターがジャンプをしている演出画像において、ジャンプをしている途中で、本来的には適切な演出内容である適正な演出に切換えると、遊技者に違和感を与えてしまう。このため、キャラクターがジャンプをし、着地した時点を演出切換え可能な状態とする。このように、仮演出制御ルーチンの中に、演出を切換えても遊技者に違和感を与えない演出切換え可能な状態を含めておくことが望ましい。また、仮演出制御を開始してから一定タイミング期間が経過するまでは仮演出制御から他の演出制御への演出切換え制限時間とする。演出切換え制限時間を設けることで、仮演出制御を開始した直後に、本来的には適切な演出内容である適正な演出に切換え、遊技者に違和感を与えてしまうことを避ける。このようにすることで、演出制御手段s14は、通信データを再受信した場合には、該演出切換え可能な状態となるまで、あるいは演出切換え制限時間が経過するまで、進行中の仮演出制御を継続し、該演出切換え可能な状態となった時点、あるいは演出切換え制限時間が経過した時点で、再受信した通信データに基づく演出制御に切換えることが好ましい。なお、これら切換えについては上述の状態に基づく管理または時間による管理の一方のみで行っても、両方を適宜組合せて行っても良い。
【0063】
前述のステップ235で説明したように、サブ制御部CPUs11が受信した制御コマンドに誤りがないと判定した場合は、演出制御手段s14が制御コマンドに従って演出装置を制御する。この場合においても、再送通信データ受信手段s13が、主制御部出力手段m20から通信データが再送信されてくるか否かをチェックする(図8のステップ240)。
【0064】
サブ制御部CPUs11が受信した制御コマンドに誤りがないと判定したにも拘わらず再送通信データ受信手段s13による処理をする理由は、主制御部入力手段m30の検出用しきい値を、サブ制御部入力手段s20の検出用しきい値よりも誘導ノイズの影響を確実に検出する検出用しきい値に設定していることに基づく。サブ制御部CPUs11が受信した制御コマンドに誤りが無いと判定した場合においても、主制御部11では送信した制御コマンドにおいて誤りが発生したと判定して通信コマンドを再送信する可能性がある。このため、サブ制御部21は所定の再送待ち期間が終了するまで、再送通信データ受信手段s13は主制御部11から通信データが再送信されてくるか否かを待つ処理を実行する(図8のステップ240)。
【0065】
続いて、再送通信データ受信手段s13は予め決められた所定の再送待ち期間が終了するまでの間に、主制御部出力手段m20から通信データが再送信されてくるか否かをチェックする(図9のステップ700)。サブ制御部入力手段s20が再送通信データを受信すると(図9のステップ710)、受信した通信データは演出制御手段s14に渡される。再送されてきた通信データを受信すると、演出制御手段s14は受信した再送されてきた通信データに含まれる制御コマンドに従って、演出装置を演出制御する(図9のステップ720)。ここで、所定の再送待ち期間が終了しても、再送通信データ受信手段s13が通信データを再受信しない可能性がある。この場合においては、演出制御手段s14は演出制御を継続する(図9のステップ725)。
【0066】
ここで、サブ制御部21の再送通信データ受信手段s13が実行する機能は、サブ制御
部CPUs11が実行するプログラムが前述の各ステップを実行するように実現することが可能である。あるいは、所定の再送待ち期間を計数するようにカウンタ回路を用いて電気回路で構成することも可能である。
【0067】
次に、主基板とサブ制御基板で構成される制御システムの第2の態様の構成と動作を、前述した図4および図9〜14を用いて説明する。なお、図9は制御システムの第2の態様におけるサブ制御基板の第2の動作フローを示すフローチャート(第1の態様と共通利用)である。図10は制御システムの第2の態様における主基板の動作フローを示すフローチャートである。図11は制御システムの第2の態様における比較判定手段の第1の形態を示す動作図である。図12は制御システムの第2の態様における比較判定手段の第2の形態を示す動作図である。図13は制御システムの第2の態様におけるサブ制御基板の第1の動作フローを示すフローチャートである。図14は制御システムの第2の態様におけるループバック動作を示すタイミングチャートである。
【0068】
ここで、制御システムの第2の態様も、第1の態様と同様に、図4によってスロットマシンの制御システムが表わされるものであり、送信通信データの中核をなす制御コマンドの生成等の基本部分は第1の態様と略同一で構成されている。一方、第2の態様では主制御部出力手段m20から送信する制御コマンドに誤りが発生したか否かを検出可能にするため、主制御部CPUm11が、後述する第1の論理演算結果を制御コマンドに付加した通信データを作成する(図10のステップ510)点、ならびにこの第1の論理演算結果をコマンドの異常判定に利用する点が大きく異なっている。
【0069】
なお、制御システムの第2の態様も、主制御部入力手段m30のハイ信号とロー信号検出用しきい値の設定は、第1の態様と同様に、ハイ信号検出用しきい値がサブ制御部入力手段s20のハイ信号検出用しきい値より低い値に設定され、ロー信号検出用しきい値がサブ制御部入力手段s20のロー信号検出用しきい値より高い値に各々設定されている。
【0070】
以下では、主に制御システムの第1の態様と異なる部分を説明する。制御システムの第2の態様では、主制御部CPUm11が作成する制御コマンドは第1制御コマンド部分および第2制御コマンド部分を有している。主制御部CPUm11は、第1制御コマンド部分および第2制御コマンド部分に対して所定の論理演算をする。所定の論理演算をした結果を第1の論理演算結果と称する(図10のステップ520)。主制御部11からサブ制御部21に送信する送信通信データは制御コマンドと共に、第1の論理演算結果を含めたものとする(図10のステップ530)。作成された送信通信データは電気信号形式で主制御部出力手段m20からサブ制御部入力手段s20に送信されるとともに、主基板内において、ループバック接続されている主制御部入力手段m30に送信される。
【0071】
主制御部入力手段m30は該送信通信データを受信通信データとして受信する(図10のステップ540)。受信通信データには主制御部CPUm11が作成した制御コマンドと第1の論理演算結果が含まれている。比較判定手段m13は、受信通信データに含まれる制御コマンドの第1制御コマンド部分と第2制御コマンド部分とに対して、所定の論理演算をする。所定の論理演算結果を第2の論理演算結果とし、第1の論理演算結果と比較する(図10のステップ550)。比較結果が一致していれば、制御コマンドに誤りが発生していないと判定し比較判定手段m13の動作を終了する(図10のステップ565)。比較結果が不一致であれば、制御コマンドに誤りが発生したと判定し、主制御部CPUm11は、サブ制御部21に通信データを再送するための処理をする(図10のステップ560)。
【0072】
前述の、第1制御コマンド部分と第2制御コマンド部分の所定の論理演算としては、複数の態様が考えられる。所定の論理演算の一例として図11を用いて詳細に説明する。図
11は制御システムの第2の態様における比較判定手段(所定の論理演算)の第1の形態を示す動作図である。
【0073】
主制御部CPUm11が遊技機の遊技状態に応じて制御内容を決定し、制御コマンドを作成する。ここで、制御コマンドは0と1の組み合わせで構成される2進数符号であり、2進数符号8ビットである1バイトを単位とする2バイトで構成される。第1バイトはどの演出装置を制御するかを示す識別番号であり、第2バイトは識別番号で指定される演出装置の動作を指示する動作番号である。
【0074】
識別番号である第1バイト、動作番号である第2バイトはそれぞれ8ビット構成であることから、4ビット単位に16進数表示で表現することが可能である。第1バイトと第2バイトの論理和が一定の値、例えば「FF」Hとなるような第1バイトと第2バイトの組み合わせを作成することが可能である。例えば識別番号を16進数表示で「80」H(2進数「1000 0000」)以上の大きさの数値とし、動作番号を「7F」H(2進数「0111 1111」)以下の数値とし、識別番号と動作番号のそれぞれの第0〜第7ビットのビットが識別番号と動作番号とで0と1が異なる値となるように設定すれば、第1バイトと第2バイトの論理和は「FF」Hとなる。
【0075】
具体的には図11(a)に示すように識別番号を「E1」H(2進数「1110 0001」)とし、動作番号を「1E」H(2進数「0001 1110」)とすれば、第0〜第7ビットの各位置において、識別番号と動作番号では0と1が異なる数値であり、識別番号と動作番号の論理和は「FF」Hとなる。このように、識別番号と動作番号の論理和が「FF」H(2進数「1111 1111」)となるよう設定することが可能である。このような構成の制御コマンドにおいて、一例として図11(b)に示すように識別番号の第0ビットに誤りが発生したとすると識別番号「E1」H(2進数「1110 0001」)が「E0」H(2進数「1110 0000」)に変化することになる。動作番号は「1E」H(2進数「0001 1110」)であるから、識別番号と動作番号の論理和を演算すると演算結果は「FE」H(2進数「1111 1110」)となり、論理和が「FF」H(2進数「1111 1111」)とならないことで、誤りが発生したことを検出することが可能となる。
【0076】
このように、主制御部CPUm11は、制御コマンドの第1バイトである識別番号と第2バイトである動作番号の論理和が「FF」Hであること示す論理演算結果を第1の論理演算結果として制御コマンドに付加して通信データを作成する(図10のステップ510)。この通信データは送信通信データとして主制御部出力手段m20からハイ信号とロー信号の電気信号形式で、接続線を経由してサブ制御部入力手段s20に送信される(図10のステップ520)。また、主制御部出力手段m20は、主基板内において主制御部入力手段m30にループバック接続されているため、主制御部入力手段m30はサブ制御部出力手段m20が送信した通信データを受信通信データとして受信する(図10のステップ530)。
【0077】
主制御部入力手段m30が受信した制御コマンドは主制御部11の比較判定手段m13に渡される(図10のステップ540)。比較判定手段m13は受信した通信データに含まれる制御コマンドの第1バイトである識別番号と第2バイトである動作番号の論理和演算をし、これを第2の論理演算結果とする(図10のステップ550)。図11に示したように第1の論理演算結果と第2の論理演算結果が一致していれば、第1の論理和演算の結果が「FF」H(2進数「1111 1111」)であったことになり、正常な制御コマンドがサブ制御部に送信されたと判定する。第1の論理演算結果と第2の論理演算結果の比較が不一致であれば、論理和演算の結果が「FF」H(2進数「1111 1111」)でなかったことになり、サブ制御部に送信した制御コマンドに誤りが発生した可能性
があると判定し、詳細な動作を後述するが主制御部CPUm11が再送する通信データを作成する(図10のステップ560)。
【0078】
このように、比較判定手段m13を設け、誤りが発生したと判定した場合に再送通信データを再送することで、制御コマンドの受信側であるサブ制御部が誤った制御コマンドで誤った演出制御をする可能性、あるいはサブ制御部が誤った制御コマンドを受信したことで演出制御が不能な状態となることを防止可能となる。
【0079】
なおここで、比較判定手段m13の機能は、主制御部CPUm11が実行するプログラムが実行する機能として構成することが可能である。あるいは、比較判定手段m13の機能を電気回路で構成することも可能である。受信通信データに含まれる制御コマンドの第1バイトである識別番号と第2バイトである動作番号を2つの入力とする論理和回路(あるいは加算回路)と、該論理和回路の出力と、受信通信データに含まれる第1の論理演算結果とを2つの入力とする比較回路を用いることで比較判定手段m13を電気回路で構成することが可能である。
【0080】
また、制御コマンドは第1バイトである識別番号と第2バイトである動作番号の2バイトで構成される例を示したが、2バイトに限定されない。制御コマンドを2バイト以上の複数のバイトで構成することも可能である。例えば制御コマンドを6バイトで構成し、6バイトの制御コマンドの中に第1バイト部分と第2バイト部分を設け、第1バイトと第2バイトとの論理和が一定の値となるように構成することも可能である。さらには、制御コマンド内をバイト単位で2つの部分で演算する以外にも、4ビット単位で論理和を一定の数値にするという構成も可能であり、図11を用いて示した方法に限定されない。
【0081】
次に、比較判定手段m13の第2の形態を、図12(a)を用いて詳細に説明する。比較判定手段m13の第2の形態は通信データにパリティビットを付加することが特徴となっている。
【0082】
主制御部CPUm11が遊技機の遊技状態に応じて作成した制御コマンドは2進数符号8ビットに相当する1バイトを単位とする2バイトで構成され、第1バイトはどの演出装置を制御するかを示す識別番号、第2バイトはそれぞれの演出装置の動作を指示する動作番号を示す。図12(a)に示すように、第1バイトである識別番号、および第2バイトである動作番号のそれぞれのバイトにパリティビットを付加する。パリティビットは奇数パリティビット、あるいは偶数パリティビットの2つのパリティビットが知られている。奇数パリティビットは8ビットを単位とする1バイトの中のビット1の個数を計数し、個数が奇数である場合にビット1であるパリティビットを付加し、ビット1の個数が偶数で有る場合にビット0であるパリティビットを付加する。
【0083】
受信側は受信したバイトの中に含まれるビット1の数を計数し、奇数個である場合にパリティビットがビット1であるのか、偶数個である場合にパリティビットが0であるのかをチェックする。送信側が送信したデータのどこか1ビットに誤りが発生したことを検出することが可能となる。偶数パリティは送信側で1バイトの中に含まれるビット1の個数が1である場合に送信側でビット1であるパリティビットを付加する方式であり、奇数パリティと同様に送信側が送信したデータのどこか1ビットに誤りが発生したことを検出可能となる。
【0084】
主制御部CPUm11は制御内容を決定し、決定した制御内容に対応する制御コマンドを作成する(図10のステップ500)。作成した制御コマンドの内のビット1の数を計数する。ビット1の数を計数した結果に基づく奇数パリティビットあるいは偶数パリティビットを第1の論理演算結果とする。主制御部CPUm11は制御コマンドに第1の論理
演算結果を付加した通信データを作成する(図10のステップ510)。作成された通信データは送信通信データとして主制御部出力手段m20に渡す。主制御部出力手段m20は電気信号形式で通信データを出力する(図10のステップ520)。主制御部入力手段m30は主制御部出力手段m20が出力した通信データを、ループバック接続を経由して受信通信データとして受信する(図10のステップ530)。
【0085】
主制御部入力手段m30は、比較判定手段m13に、受信通信データを渡す。比較判定手段m13は受信通信データに含まれている制御コマンドの中のビット1の個数を計数し、ビット1の数を計数した結果に基づく奇数パリティビットあるいは偶数パリティビットを第2の論理演算結果とする。比較判定手段m13は受信通信データに含まれる第1の論理演算結果と第2の論理演算結果とを比較する(図10のステップ540)。比較結果が一致していれば、主制御部出力手段m20からサブ制御部21に送信した通信データに誤りが発生しなかったと判定し比較判定手段m13の動作を終了する。比較結果が不一致であれば、主制御部出力手段m20からサブ制御部21に送信した通信データに誤りが発生したと判定し主制御部CPUm11が再送する通信データを作成する(図10のステップ560)。再送する通信データの作成動作は、後に詳細に説明する
【0086】
また、制御コマンドは第1バイトである識別番号と第2バイトである動作番号の2バイトで構成される例を示したが、2バイトに限定されない。制御コマンドは2バイト以上の複数のバイトで構成することも可能である。制御コマンドを構成する2バイト以上のデータにおいて、それぞれのバイト単位にパリティビットを付加して通信データとすることも可能である。バイト単位にビット1の数を計数する機能は、主制御部CPUm11が実行するプログラムの機能として実現することが可能である。また、ビット1の個数を計数するように電気回路で構成することも可能である。同様に、ビット1の個数に応じてパリティビットを付加する機能は主制御部CPUm11が実行するプログラムの機能として実現することが可能である。また、計数したビット1の数が奇数であるか偶数であるかに対応してパリティビットを生成するように電気回路で構成することも可能である。さらには、比較判定手段m13が受信通信データに含まれる制御コマンドの中のビット1の個数を計数し、受信通信データに含まれていた第1の論理演算結果と比較する機能を主制御部CPUm11が実行するプログラムの機能として実現することも、電気回路で実現することも可能である。
【0087】
所定の論理演算の第2の形態であるパリティビットを付加する方法は、行方向パリティビットと列方向パリティビットで実現することも可能であり、図12(b)を用いて詳細に説明する。
【0088】
図12(b)に示すように、制御コマンドは第1バイトである識別番号と第2バイトである動作番号の2バイトで構成される。第1バイトと第2バイトにパリティビットを付加する。該パリティビットを行方向パリティビットとなる。また、第1バイト、および第2バイトの2個の第0ビットのビット1の数を計数して第0ビットのパリティビットとし、同様に第1ビットから第7ビットまでのそれぞれに関して、ビット1の数を計数して第1ビットのパリティビットから第7ビットまでのパリティビットを作成する。該パリティビットは列方向パリティビットとなる。主制御部CPUm11は、このようにして作成した行方向パリティビットと列方向パリティビットを第1の論理演算結果として、制御コマンドに付加して送信通信データを作成することが可能である(図10のステップ510)。
【0089】
次いで、図10のステップ530の動作を行い、比較判定手段m13は、受信通信データに含まれる制御コマンドの行方向パリティビットと列方向パリティビットを演算し、演算結果を第2の論理演算結果とし、受信通信データに含まれる第1の論理演算結果である行方向パリティビットと列方向パリティビットと比較し(図10のステップ540)、比
較結果が一致していれば、主制御部出力手段m20からサブ制御部に送信した通信データに誤りが発生しなかったと判定し比較判定手段m13の動作を終了する(図10のステップ565)。比較結果が不一致であれば、行方向パリティビットと列方向パリティビットのどこが不一致であったかに基づいて、第1バイトと第2バイトの第0ビットから第7ビットのどのビットにおいて誤りが発生したか否かを検出することが可能となる。また、主制御部出力手段m20からサブ制御部に送信した通信データに誤りが発生した可能性があると判定し、詳細な動作を後述するが、主制御部CPUm11が再送する通信データを作成する(図10のステップ560)。
【0090】
また、制御コマンドは第1バイトである識別番号と第2バイトである動作番号の2バイトで構成される例を示したが、2バイトに限定されない。制御コマンドは2バイト以上の複数のバイトで構成することも可能である。制御コマンドを構成する2バイト以上のデータにおいて、それぞれ行方向パリティビットおよび列方向パリティビットを付加して通信データとすることも可能である。ビット1の数を計数する機能は、主制御部CPUm11のプログラムの機能として実現することが可能である。また、ビット1の個数を計数するように電気回路で構成することも可能である。また、ビット1の個数に応じてパリティビットを付加する機能を主制御部CPUm11がプログラムの機能として実現することも可能である。計数したビット1の数が奇数であるか偶数であるかに対応してパリティビットを生成するように電気回路で実現することも可能である。さらには、比較判定手段m13が受信通信データに含まれる制御コマンドの中のビット1の個数を計数した結果を第2の論理演算結果とし、受信通信データに含まれていた第1の論理演算結果と比較する機能を主制御部CPUm11のプログラムの機能として実現することも、電気回路で実現することも可能である。
【0091】
前述した第1バイトと第2バイトを論理和演算する所定の論理演算の第1の形態、第1バイトと第2バイトのパリティビットを付加する所定の論理演算の第2の形態以外の、各種の所定の論理演算が知られている。それらの既知の所定の論理演算の結果を第1の論理演算結果として制御コマンドに付加することも可能である。
【0092】
そのような既知の論理演算の例としては、CRC―32―IEEE 802.3として標準化されているCRCを使用することも可能である。制御コマンドをCRC演算したCRC演算値を第1の論理演算結果とし、制御コマンドに付加して通信データとする。あるいはMD4、MD5、SHA―1、SHA―2などの名称で知られている一方向性関数であるハッシュ関数を用いた演算結果であるハッシュ値を第1の論理演算結果とし、制御コマンドに付加して通信データとすることも可能である。主制御部の比較判定手段m13、あるいはサブ制御部の比較判定手段s12は受信通信データに含まれる制御コマンドをCRC演算する、あるいはハッシュ関数によりハッシュ値を演算する。これらの演算結果を第2の論理演算結果とし、受信通信データに含まれる第1の論理演算結果であるCRC演算結果、あるいはハッシュ値と比較することで、比較結果が一致していれば受信した通信データは誤りが発生しなかったと判定し、比較結果が不一致であれば受信した通信データには誤りが発生したものと判定することが可能になる。
【0093】
これらのCRC演算、あるいはハッシュ関数を用いる所定の論理演算機能は、主制御部CPUm11が実行するプログラムが実行する機能として実現することが可能である。あるいはCRC演算、あるいはハッシュ関数が組み込まれたICを用いて電気回路で実現することも可能である。
【0094】
ここで、制御システムの第2の態様における、サブ制御部の動作を、図13を用いて詳細に説明する。
【0095】
サブ制御部入力手段s20は、主制御部出力手段m20が出力した通信データを受信通信データとして受信する(図13のステップ600)。受信した通信データはサブ制御部比較判定手段s12に渡される(図13のステップ610)。サブ制御部比較判定手段s12は受信通信データに誤りが発生したか否かを判定する(図13のステップ620)。サブ制御比較判定手段s12の動作は前述したように受信通信データに含まれる制御コマンドに対して、所定の論理演算をする。所定の論理演算結果を第2の論理演算結果とし、受信通信データに含まれる第1の論理演算結果と比較する。比較結果が一致していれば、受信した制御コマンドに誤りが発生していないと判定し、演出制御手段s14が受信した制御コマンドに従って演出装置を制御する(図13のステップ635)。
【0096】
比較結果が不一致であれば、受信した制御コマンドに誤りが発生したと判定し演出制御手段s14は暫定的な演出である仮演出制御をする(図13のステップ630)。仮演出制御をする理由は、制御コマンドは遊技者による遊技機の操作の結果に基づいて主制御部11が制御コマンドを作成するものであり、遊技者は遊技機を操作した結果として何らかの演出があると期待していることから、演出制御をしないと遊技者に違和感を与えるため、演出制御手段s14は暫定的な演出制御である仮演出制御をする(図13のステップ630)。
【0097】
続いて、再送通信データ受信手段s13による再送通信データの受信待ちの処理に入る。再送通信データ受信手段s13は、予め決められた所定の再送待ち期間の間、主制御部出力手段m20から通信データが再送信されてくるか否かをチェックする(図13のステップ640)。サブ制御部入力手段s20が再送された通信データを受信すると、受信した通信データは再送通信データ受信手段s13に渡される(図13のステップ650)。再送通信データを受信すると、演出制御手段s14は仮演出制御を中断し、受信した再送通信データに含まれる制御コマンドに従って、演出装置を演出制御する(図13のステップ660)。ここで、所定の再送待ち期間が終了しても、再送通信データ受信手段s13が再送通信データを受信しない可能性がある。この場合においては、演出制御手段s14は仮演出制御を継続する(図13のステップ665)。
【0098】
ここで、前述のステップ635として説明したように、サブ制御部比較判定手段s12が受信した制御コマンドに誤りがないと判定した場合は、演出制御手段s14が制御コマンドに従って演出装置を制御するが、この場合も再送通信データ受信手段s13が、所定の再送待ち期間の間に、主制御部出力手段m20から再送通信データが送信されてくるか否かをチェックする(図9のステップ700)。サブ制御部比較判定手段s12が受信した制御コマンドに誤りがないと判定したにも拘わらず再送通信データ受信手段s13による処理をする理由は、主制御部比較判定手段m13とサブ制御部比較判定手段s12とで異なる検出結果となる可能性があり、主制御部出力手段m20から再送通信データが送信されてくる可能性があるからである。再送通信データ受信手段s13は所定の再送待ち期間が終了するまで、主制御部出力手段m20から再送通信データが送信されてくるか否かを待つ処理を実行する。なお、上述の処理は、再送通信データ受信手段s13により受信したタイミングが再送待ち時間内であるか否かを判定するように構成してもよく、これにより同様の結果を得ることができる。
【0099】
サブ制御部入力手段s20が再送通信データを受信すると、受信した通信データは演出制御手段s14に渡される(図9のステップ710)。再送通信データを受信すると、演出制御手段s14は受信した再送通信データに含まれる制御コマンドに従って、演出装置を演出制御する(図9のステップ720)。ここで、所定の再送待ち期間が終了しても、再送通信データ受信手段s13が再送通信データを受信しない可能性がある。この場合においては、演出制御手段s14は演出制御を継続する(図9のステップ725)。
【0100】
ところで、上述のように、主制御部入力手段m30が意図的にノイズの影響を受けやすくなっているため、サブ制御部入力手段s20側で適正なコマンド受信がなされているにも関わらず、再送通信データが送信される場合がある。このような場合には、再送通信データを受信しても既に受信している通信データに基づいた演出を継続させる。又、既に受信した通信データが適正でありながら再送通信データとは異なる場合も考えられる。この場合には、再送通信データに対して更に再送通信データが入力されるか否か、或いは複数回に亘って受信した再送通信データの多数決により適正な演出であるか否かを判定することが望ましく、これにより通信データの精度を高めることが期待できる。
【0101】
ここで、サブ制御部21の再送通信データ受信手段s13が実行する機能は、サブ制御部CPUs11が実行するプログラムが前述の各ステップを実行するように実現することが可能である。あるいは、所定の再送待ち期間を計数するようにカウンタ回路を用いて電気回路で構成することも可能である。
【0102】
次に、主制御部側で制御コマンドの誤りの有無を検出するための異常監視手段の動作を、図14を用いて詳細に説明する。この機能は、主基板とサブ制御基板で構成される制御システムの第1の態様、および第2の態様のいずれにも適用可能な機能である。
【0103】
主制御部CPUm11が通信データを作成し、主制御部出力手段m20が通信データを送信した後に、可変に設定可能なループバックタイミングで複数回に亘り主制御部入力手段m30から入力信号を受信するか否かをチェックするものである。
【0104】
図14を用いて説明すると、主制御部出力手段m20はシリアル信号形式で動作するものとし、送信する通信データのビット1または0に対応して、例えばクロックの立ち上りエッジでハイ信号、またはロー信号となる電気信号形式で通信データの送信を開始する。クロック信号の周期がt1時間であり、制御コマンドが識別番号8ビット、および動作番号8ビットで構成されていることから、主制御部出力手段m20は(t1×8)時間で識別番号を送信し、さらに(t1×8)時間で動作番号を送信する。主制御部入力手段m30は図14に図示していない主制御部送信手段m20からの送信開始を示す信号受信を契機に、ループバック接続を経由して受信した通信データが、例えばクロックの立下りエッジの時間においてハイ信号、またはロー信号であるかを検出し、ハイ信号であればビット1とし、ロー信号であればビット0として検出する。
【0105】
図14において、左側が時間的に早い時間とすれば、主制御部入力手段m30は、2進数「1110 0001」である識別番号を受信したことを示す。主制御部11は、識別番号および動作番号を(t1×16)時間で受信する。異常監視手段m14は、制御コマンドを受信後t2時間が経過した後、(t1×16)時間の間、主制御部入力手段m30がループバック接続線から信号を受信したか否かをチェックする。この主制御部入力手段m30がループバック接続線から信号を受信したか否かをチェックする動作は、複数回繰り返しても良い。
【0106】
不正な遊技者が主制御部出力手段m20とサブ制御部入力手段s20を接続する接続線上に、不正な信号を誘導させ遊技者に有利なように遊技機を操作することが考えられる。主制御部出力手段m20が通信データを送信した後で、異常監視手段m14がループバック接続線を経由して主制御部入力手段m30が複数回に亘り信号を受信したか否かをチェックすることで、このような遊技者による不正な操作を検出できる可能性があることから、善良な遊技者にとっても、遊技店にとっても不正防止の意味で有益な対策となる。
【0107】
このような、異常監視手段m14がループバック接続線を経由して主制御部入力手段m30が複数回に亘り信号を受信したか否かをチェックする機能は、主制御部CPUm11
が実行するプログラムの機能として実現することが可能である。また、主基板10内にクロックを計数し時間t2をカウントするカウンタ回路、受信チェックのためのタイミング(t1×16)時間を計数するカウンタ回路を設けることで、主制御部入力手段m30がループバック接続線から複数回に亘り信号を受信したか否かをチェックするように電気回路で構成することも可能である。
【0108】
図14において、制御コマンドは識別番号と動作番号がそれぞれ8ビットであるとして、主制御部出力手段m20が識別番号と動作番号を送信する時間はそれぞれ(t1×8)時間として図示したが、識別番号および動作番号はそれぞれ8ビット以外の長さであっても良い。また、主制御部出力手段m20が送信する通信データは制御コマンド以外のデータが含まれる可能性がある。従って、主制御部入力手段m30がt2時間を計数開始する時間は、(t1×16)時間が経過後に限定されるものではなく、主制御部入力手段m30が本来受信すべき信号を受け取る期間が終了後に、t2時間を計数開始するように構成される。
【0109】
なお、不正な遊技者が主制御部出力手段m20とサブ制御部入力手段s20を接続する接続線上に、不正な信号を誘導させ遊技者に有利なように遊技機を操作する方法として、異常データが出球に影響するコマンドであるか否かにより異常監視手段m14がループバック接続線を経由して主制御部入力手段m30が信号を受信したか否かの確認のプライオリティを変化させることも有益である。例えば、異常データとして受信したデータが正に自身が送信するデータと一致した場合には、1度の受信によりエラーと判断し、自身が送信するデータと一致しない場合には、複数回の受信によりエラーと判定する。このように構成することでも単なるノイズによる異常入力か、意図的な異常入力かを適切に判断し、且つ意図的な異常入力である場合には、早期に異常報知など適切な処理制御を実施することが可能となる。
【0110】
以上、制御システムの第1の態様と第2の態様について説明した。すなわち、主制御部とサブ制御部とを接続する接続線上に誘導される誘導ノイズを、主制御部入力手段m30がサブ制御部より確実に検出するようループバック接続をし、主制御部入力手段m30の検出用しきい値をサブ制御部s20の検出用しきい値とは異なる検出用しきい値とする方法を説明した。さらに、主制御部側でサブ制御部に送信した通信データに誤りが発生した可能性を判定するための比較判定手段m13として複数の態様について説明した。
【0111】
ここで、主制御部出力手段m20の出力を主制御部入力手段m30にループバック接続し、主制御部入力手段m30の検出用しきい値を、誘導ノイズを確実に検出可能に設定することの効果は大きい。主制御部11とサブ制御部21を接続する接続線上に誘導ノイズが重畳されるが、誘導ノイズが重畳される位置によって、あるいは主制御部入力手段m30とサブ制御部入力手段s20に同じ入力用ICを用いたとしても、IC個々の特性バラつきにより、異なる検出結果となる可能性が生じる。その結果として、サブ制御部側で主制御部側が送信した制御コマンドとは異なる演出制御をする可能性が生じる。
【0112】
従って、主制御部側がサブ制御部側よりも誘導ノイズの影響を確実に検出するよう検出用しきい値設定をする効果は大きい。
【0113】
また、比較判定手段m13の複数の態様について説明したが、比較判定手段m13の構成方法は上記実施形態に記載した態様のものに限定されない。要は、主制御部側とサブ制御部側とで検出用しきい値を異なる値に設定することで、比較判定を有効とし得る比較判定手段であればよい。また、本実施形態に記載したもの以外の送信側データに変化が生じたことを判定可能な他の比較判定方法を用いた場合であっても本発明の範囲に含まれるものである。
【0114】
上記では、主基板10とサブ制御基板20の接続線上に誘導される誘導ノイズ、あるいは遊技者による不正操作に起因して制御コマンドに発生する誤りを主基板10側において検出し、再送通信データを送信する態様について説明を行った。その中で、それぞれの態様を、主制御部CPUm11、あるいはサブ制御部CPUs11が実行するプログラムの機能として実現することも、電気回路で構成することも可能であることを説明している。
【0115】
図4に示す比較判定手段m13、および異常監視手段m14の全てを主制御部CPUm11が実行するプログラムの機能として実現することも、これらの機能の一部を主制御部CPUm11が実行するプログラムの機能とし、それ以外の機能を電気回路で構成することも可能であり、全ての機能を電気回路で構成することも可能である。
【0116】
同様に、図4に示すサブ制御部21内に含まれる比較判定手段s12、再送通信データ受信手段s13、および演出制御装置s14の全てをサブ制御部CPUs11が実行するプログラムの機能により構成してもよいし、これらの機能の一部をサブ制御部CPUs11が実行するプログラムの機能とし、それ以外の機能を電気回路で構成することも可能であり、全ての機能を電気回路で構成することも可能である。
【0117】
実施形態に係る遊技機としては、スロットマシンに限定されず、パチンコ機とすることも可能である。以下に、図15を用いて、遊技機の他の実施形態としてのパチンコ機について説明する。
【0118】
図15に示すように、このパチンコ機には、遊技球を打球する発射系装置p32、遊技球の貸し出しと遊技球が入賞時に賞球を払い出す払出装置p31と、前払式の電子マネー等のカードを利用して遊技球貸し出し費を支払うためのCRユニットp33と、これらの発射系装置p32、払出装置p31、CRユニットp33を制御する枠側制御装置p30とが設けられている。また、遊技者により打球された遊技球が遊技面の入賞口に入賞した場合に入賞を検出する入賞検出センサp50と、特定の入賞口に入賞した場合に大当りとして遊技者に特別遊技状態を提供するための可変入賞部ソレノイドp51とが設けられている。さらに、遊技の進行状況に応じて所定の画像を遊技者が視認可能に表示させる画像表示装置p21と、効果照明や効果音の作動制御を行う各種LEDp23と、スピーカp22とが設けられ、遊技者に視覚、聴覚による各種の演出を行っている。これら各種の演出を行う画像表示装置p21と、各種LEDp23と、スピーカp22とを制御するサブ制御基板が設けられている。また、これらの制御基板や各種電子機器等に電力を供給する電源基板p40と、遊技ホールに設置された遊技機管理装置(管理コンピュータ)に対して各種の遊技情報を出力する外部接続装置としての外部集中端子基板p52とが設けられている。さらに、これらの各基板全体を制御する主制御装置(主基板)p10が設けられている。そして、これらの各基板は遊技機に対して着脱可能な構造となっている。
【0119】
ここで、上述した主基板p10は、遊技者による遊技機への操作状態(打球の発射に始まる遊技球の落入等の遊技進行)、遊技状態に応じて、前述の各種基板、装置の作動を統括的に制御する。また、各種基板、装置からの作動状況に係る情報を収集する。また、サブ制御基板p20は、画像表示装置p21、スピーカp22、各種LEDp23などを用いて、遊技者に対して視覚、聴覚による各種の演出を統括的に演出制御する。このサブ制御基板p20による演出制御は、主基板p10が遊技機の統括的な遊技制御を決定し、この統括的な遊技制御に基づいて行われる。
【0120】
以下、本実施形態に係るパチンコ機の制御システムにおける制御情報の概略的な流れを説明する。図15に示すように枠側制御装置(払出制御基板)p30と払出制御装置p31間は、遊技球の払出装置による遊技球の払出制御と遊技球払出の情報を収集するため両
方向通信となっている。枠側制御装置p30と発射系装置p32間は、遊技球の発射制御と遊技球発射に関する情報を収集するため両方向通信となっている。枠側制御装置p30とCRユニットp33間は、カードリーダ制御・貸出制御とカードリーダの情報を収集するため両方向通信となっている。また枠側制御装置p30はエラー報知をするためのエラー報知部を有している。主制御装置(主基板)p10と枠側制御装置p30間は、主制御装置(主基板)p10による遊技制御、払出制御に関する制御情報を枠側制御装置p30に送信し、枠側制御装置p30が払出装置p31、発射装置p32、CRユニットの情報を主制御装置p10に送信するため両方向通信となっている。
【0121】
主制御装置p10と電源基板p40間は、電断検出とバックアップ電源制御のために両方向通信となっている。主制御装置p10と入賞検出センサp50間は、入賞検出センサp50が検出した遊技球の入賞情報を主制御装置p10に送信するため一方向通信となっている。主制御装置p10と可変入賞部ソレノイド(大入賞口内部駆動機構)p51間は、主制御装置p10が、遊技球が大入賞であった場合に大入賞口を開口制御するため一方向通信となっている。また、主制御装置p10とサブ制御基板p20間は、前述したように不正操作防止のために一方向通信となっている。主制御装置p10は外部集中端子基板p70における外部表示ために一方向通信となっている。
【0122】
ここで、主制御装置p10からサブ制御基板p20には、サブ制御のためのサブ制御コマンドが一方向通信で送信される。サブ制御基板p20と画像表示装置p21、スピーカp22、および各種LEDp23のそれぞれの装置との間は、それぞれの装置を画像制御、音声制御、ランプ制御するために一方向通信となっている。サブ制御基板p20ではこれらの演出制御全体の管理をサブ統括制御で行う。
【0123】
前述のように、パチンコ機においても、スロットマシンと同様に主制御装置p10とサブ制御基板p20間は、遊技者の不正操作を防止するため一方向通信となっている。パチンコ機においても遊技機内に多数の電磁部品が使用されているために、主基板p10とサブ制御基板p20を接続する接続線上に誘導ノイズが重畳する。従って、主基板p10からサブ制御基板p20に送信した制御コマンドが重畳された誘導ノイズにより誤りが発生する可能性があるが、受信側であるサブ制御基板p20で重畳された誘導ノイズにより誤った演出制御をする可能性がある。
【0124】
従って、制御システムの態様として図4〜図14を用いて詳細な動作を説明した如く制御コマンドに発生する誤りを主基板側において検出し、再送通信データを送信する実施形態をパチンコ機に適用することで、パチンコ機のサブ制御基板側で誤った演出制御をするおそれを防止することが可能になる。なお、パチンコ機の場合には、1度に送信する制御コマンドにより図柄の変動から停止までの長時間の演出を統括的にサブ制御装置側に委ねる形態が多く採用されているため、送信ミスによるトラブルが大きくなっていることから、特に好適である。
【0125】
前述のように、本実施形態に係る制御システムでの主基板とサブ制御基板の接続線の誤りを判定する態様を説明した。スロットマシンにおいても、パチンコ機においても一方向通信を採用している接続箇所は主基板とサブ制御基板間に限定されていない。遊技者による遊技操作、あるいは遊技状態に係る基板、あるいは装置と主制御部との接続箇所で一方向通信を採用している箇所は他の箇所にもある。図4に示したスロットマシンの制御システムにおいて、例えば主基板と入力操作部および回胴装置基板との接続、図15に示したパチンコ機の制御システムにおいて主制御部と入賞検出センサおよび可変入賞部ソレノイドとの接続は一方向通信となっている。これらの接続線においてループバック接続を施し、主基板と他の装置間とで検出用しきい値を異なる値に設定し、送信したデータとループバック接続で受信したデータを比較判定手段で判定する本実施形態の構成を、遊技機内の
一方向通信を用いる他の接続箇所に拡張して用いることも可能である。
【符号の説明】
【0126】
1 スロットマシン
2 フロントドア
3 筺体
4 上部パネル部
4a 各種LED(ランプ)
4b 放音部
4c 放音部
4d 画像表示装置
5 中央パネル部
5a 各種LED(ランプ)
5b 各種LED(ランプ)
5d 操作部
5e 枠体
6 下部パネル部
6a 排出口
6b 受皿
6c 放音部
7 回胴リール装置
B1 ヘッドボタン
B2 ヘッドボタン
B3 ヘッドボタン
BO 設定スイッチ
BQ 設定スイッチ
CS 設定ボタン
CT 設定表示素子
G1 振分機構
G2 ガイド部材
G3 ガイド部材
G4 ガイド部材
HP ホッパ装置
MD メダル投入部
PWU 電源装置
R1 回胴リール
R2 回胴リール
R3 回胴リール
SHP 補助貯留部
SL スピーカ
SP1 ストップボタン
SP2 ストップボタン
SP3 ストップボタン
SR スピーカ
ST スタートレバー
SW スピーカ
WD 透明窓
10 主基板
11 主制御部
20 サブ制御基板
21 サブ制御部
30 中央表示基板
32 設定切替・表示部
33 入力操作部
40 電源装置基板
50 回胴装置基板
70 外部集中端子基板
m11 主制御部CPU
m13 比較判定手段
m14 異常監視手段
m20 主制御部出力手段
p10 主制御装置、主基板
p20 サブ制御基板
p21 画像表示装置
p22 スピーカ
p23 各種LED(各種LED(ランプ))
p30 枠側制御装置
p31 払出装置
p32 発射系装置
p33 CRユニット
p40 電源基板
p50 入賞検出センサ
p51 可変入賞部ソレノイド(大入賞口内部駆動機構)
p52 外部集中端子基板
s11 サブ制御部CPU
s12 比較判定手段
s13 再送通信データ受信手段
s14 再送制御手段
s20 コマンド受信部、サブ制御部入力手段
s30 演出制御出力手段
s40 サブ制御ROM
s50 画像制御CPU
s51 画像制御ROM
s52 VDP
s53 キャラクターROM
s60 音声制御IC
s61 音声データROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行に応じた遊技機処理内容を決定し、決定された遊技機処理内容と遊技結果を示す制御コマンドを作成する主制御部と、決定された制御コマンドを含む通信データを送信する主制御部出力手段とを有する主基板、および前記主制御部出力手段からの前記通信データを受信するサブ制御部入力手段と、該サブ制御部入力手段を介して受信した前記通信データに含まれる制御コマンドに応じて演出装置の制御方法を決定するサブ制御部と、前記サブ制御部の決定に基づいて演出装置を制御する演出制御手段とを有するサブ制御基板を備えた遊技機であって、
前記主制御部出力手段は、前記通信データを電気信号形式の送信通信データとして、前記サブ制御部入力手段に送信し、前記主基板内において主制御部入力手段にループバック接続されており、
前記送信通信データは、電圧レベルが高いハイ信号と低いロー信号の2値からなるデジタル信号により生成され、前記主制御部入力手段と前記サブ制御部入力手段のいずれにも、この2値データのいずれかを判断するためのしきい値が設定されており、前記しきい値は、前記ロー信号から前記ハイ信号への変化時のしきいとなるハイ信号検出用しきい値、および前記ハイ信号から前記ロー信号への変化時のしきいとなるロー信号検出用しきい値がそれぞれ設定されており、前記主制御部入力手段の前記ハイ信号検出用しきい値は、前記サブ制御部入力手段の前記ハイ信号検出用しきい値より低い値に設定され、前記主制御部入力手段の前記ロー信号検出用しきい値は、前記サブ制御部入力手段の前記ロー信号検出用しきい値より高い値に各々設定されており、
前記主制御部入力手段は、前記主制御部入力手段の前記しきい値により、前記通信データを受信通信データとして受信し、
前記主制御部は、前記送信通信データに含まれる情報と、前記受信通信データに含まれる情報を比較することで前記制御コマンドの通信中におけるエラー発生の有無を判定する比較判定手段を有し、前記比較判定手段により前記通信中におけるエラーが発生したと判定された場合に、前記送信通信データと同一内容の通信データを再送信し、
前記サブ制御部は、前記演出制御手段を有し、前記演出制御手段は、前記サブ制御部が前記サブ制御部入力手段を介して前記受信した通信コマンドに、通信中におけるエラーが発生したと判定した場合に、暫定的な仮演出制御を行い、前記サブ制御部は前記通信データを受信した時点から所定の再送待ち期間が経過するまでの間に、前記サブ制御部入力手段を介して前記通信データを受信した場合は、該通信データを再送信されたデータとして前記仮演出制御を前記通信データに含まれる制御コマンドに基づいた演出制御に切り替えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記サブ制御部は、前記通信データを受信した時点から所定の再送待ち期間が経過するまでの間に、前記サブ制御部入力手段を介して前記通信データを受信した場合は、仮演出制御が演出切換え可能な状態となったこと、または演出切換え制限時間が経過したことのいずれか一方に基づいて、前記受信した通信データに基づく演出制御に切換えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技の進行に応じた遊技機処理内容を決定し、決定された遊技機処理内容と遊技結果を示す制御コマンドを作成する主制御部と、決定された制御コマンドを含む通信データを送信する主制御部出力手段とを有する主基板、および前記主制御部出力手段からの前記通信データを受信するサブ制御部入力手段と、該サブ制御部入力手段を介して受信した前記通信データに含まれる制御コマンドに応じて演出装置の制御方法を決定するサブ制御部と、前記サブ制御部の決定に基づいて演出装置を制御する演出制御手段とを有するサブ制御基板を備えた遊技機であって、
前記主制御部出力手段は、前記通信データを電気信号形式の送信通信データとして、前記サブ制御部入力手段に送信し、前記主基板内において主制御部入力手段にループバック
接続されており、
前記送信通信データは、電圧レベルが高いハイ信号と低いロー信号の2値からなるデジタル信号により生成され、前記主制御部入力手段と前記サブ制御部入力手段のいずれにも、この2値データのいずれかを判断するためのしきい値が設定されており、前記しきい値は、前記ロー信号から前記ハイ信号への変化時のしきいとなるハイ信号検出用しきい値、および前記ハイ信号から前記ロー信号への変化時のしきいとなるロー信号検出用しきい値がそれぞれ設定されており、前記主制御部入力手段の前記ハイ信号検出用しきい値は、前記サブ制御部入力手段の前記ハイ信号検出用しきい値より低い値に設定され、前記主制御部入力手段の前記ロー信号検出用しきい値は、前記サブ制御部入力手段の前記ロー信号検出用しきい値より高い値に各々設定されており、
前記主制御部入力手段は、前記主制御部入力手段の前記しきい値により、前記通信データを受信通信データとして受信し、
前記主制御部は、前記送信通信データに含まれる情報と、前記受信通信データに含まれる情報を比較することで前記制御コマンドの通信中におけるエラー発生の有無を判定する比較判定手段を有し、前記比較判定手段により前記通信中におけるエラーが発生したと判定された場合に、前記制御コマンドにリトライであることを示すリトライ指示データを付加した再送通信データを、前記主制御部出力手段から送信し、
前記サブ制御部は、前記演出制御手段を有し、前記演出制御手段は、前記サブ制御部が前記サブ制御部入力手段を介して前記受信した通信コマンドに、通信中におけるエラーが発生したと判定した場合に、暫定的な仮演出制御を行い、前記サブ制御部は前記通信データを受信した時点から所定の再送待ち期間が経過するまでの間に、前記サブ制御部入力手段を介して前記再送通信データを受信した場合は、前記仮演出制御を前記再送通信データに含まれる制御コマンドに基づいた演出制御に切り替えることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記サブ制御部は、前記通信データを受信した時点から所定の再送待ち期間が経過するまでの間に、前記サブ制御部入力手段を介して前記再送通信データを受信した場合は、仮演出制御が演出切換え可能な状態となったこと、または演出切換え制限時間が経過したことのいずれか一方に基づいて、受信した前記再送通信データに基づく演出制御に切換えるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記比較判定手段は、前記送信通信データに含まれる制御コマンドと、前記受信通信データに含まれる制御コマンドとを比較することで、前記制御コマンドの通信中におけるエラー発生の有無を判定するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記制御コマンドは第1制御コマンド部分と第2制御コマンド部分を有し、前記送信通信データは、前記主制御部が前記第1制御コマンド部分と前記第2制御コマンド部分とに所定の論理演算を施した結果である第1の論理演算結果を含み、
前記比較判定手段は、前記第1の論理演算結果、および前記受信通信データに含まれる前記第1制御コマンド部分と前記第2制御コマンド部分とに前記所定の論理演算を施した結果である第2の論理演算結果を比較することで、前記制御コマンドの通信中におけるエラー発生の有無を判定するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記第1制御コマンド部分と前記第2制御コマンド部分の論理和が一定値となるよう構成され、前記第1の論理演算結果と前記第2の論理演算結果は前記第1制御コマンド部分と前記第2制御コマンド部分とに論理和演算を施した結果であることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記主制御部は、前記送信通信データを送信した時点から所定の期間が経過した後に、
可変に設定可能なループバックタイミングで複数回に亘り前記主制御部入力手段が入力信号を受信するか否かをチェックし、前記主制御部入力手段が入力信号を受信した場合に、異常であると判定する異常監視手段を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記演出制御手段は、前記仮演出制御を行っている際に、前記再送通信データを受信した場合は、前記仮演出制御を前記再送通信データに含まれる第2の制御コマンドに基づいた演出制御に変更し、前記再送待ち期間が経過するまでの間に前記再送通信データを受信しなかった場合は、前記仮演出制御を継続するように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の遊技機。
【請求項10】
前記演出制御手段は、前記制御コマンドの誤りを検出しなかった場合は、正常に受信した前記通信データに含まれる第1の制御コマンドに基づいた演出制御をし、前記再送待ち期間内において前記再送通信データを受信した場合は、前記第1の制御コマンドと前記再送通信データに含まれる第2の制御コマンドを比較し、この比較した結果が不一致である場合は、前記第2の制御コマンドに基づいた演出制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−183088(P2012−183088A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46300(P2011−46300)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】