説明

遊技機

【課題】 可変入賞装置による遊技性を向上して、遊技の興趣を向上する。
【解決手段】 本発明に係る遊技機1は、第2抽選に当選した場合に、入賞口開放遊技状態を生起させる入賞口開放遊技状態制御手段400と、入賞口開放遊技状態における可変入賞口220が開放状態とされる時間を延長する開放時間延長制御を実行することが可能な開放時間制御手段400と、表示制御手段500により識別情報の変動表示が行われる時間を短縮する変動時間短縮制御を実行することが可能な変動時間制御手段400と、を備える。そして、開放時間制御手段400は、第2抽選確率状態が生起されている際に開放時間延長制御を実行し、第1抽選確率状態が生起されている際に開放時間延長制御を実行しない。また、変動時間制御手段400は、第1抽選確率状態及び第2抽選確率状態のそれぞれが生起されている際に変動時間短縮制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球の入賞が不可能となる状態と遊技球の入賞が可能となる状態とを形成することが可能な可変入賞装置を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技球の入賞が不可能となる閉止状態と遊技球の入賞が可能となる開放状態とを形成することが可能な可変入賞装置と、可変入賞装置への遊技球の入賞に応じて特賞状態を生起させるか否かを決定する特別図柄抽選を実行する抽選手段と、を備える遊技機が知られている(特許文献1、2参照)。
この遊技機では、可変入賞装置は、遊技球による所定領域の通過を契機として実行された普通図柄抽選に当選した場合に、閉止状態から開放状態に変位する。
【0003】
また、特別図柄抽選が実行された場合には、表示手段において、特別図柄の変動表示が行われた後、当該特別図柄抽選の結果に応じた態様で特別図柄の停止表示が行われる。
そして、この遊技機では、特別図柄抽選に当選する確率が高確率に設定される確率変動状態が生起されている場合には、特別図柄の変動表示を行う時間が短縮される特別図柄変動時間短縮状態が生起されるとともに、可変入賞装置が第2状態となる時間が延長される開放時間延長状態が生起される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−38702号公報
【特許文献2】特開平10−258164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の遊技機では、遊技の興趣が低下する恐れがある。
すなわち、従来の遊技機では、開放時間延長状態の生起が特別図柄変動時間短縮状態の生起に同期しているため、特別図柄変動時間短縮状態の生起時において、遊技球が可変入賞装置に入賞する可能性を変化させることができない。
よって、従来の遊技機では、可変入賞装置による遊技性が低下する恐れがある。
【0006】
例えば、従来の遊技機では、確率変動状態の終了後に特別図柄変動時間短縮状態を生起させる構成とした場合には、確率変動状態中に生起されていた開放時間延長状態が確率変動状態の終了後も継続する。
この場合、確率変動状態が生起される確率を高く設定するほど、開放時間延長状態が生起される期間が長くなるため、可変入賞装置の動作がより単調となる。
【0007】
また、この場合、可変入賞装置への遊技球の入賞に応じて払い出される賞球数を多く設定するほど、確率変動状態の終了後に払い出される賞球数が多くなり、払い出された賞球数が発射装置により発射された遊技球数を超える恐れが高くなる。
そして、払い出された賞球数が発射装置により発射された遊技球数を超えると、遊技者の特賞状態又は確率変動状態が生起されることに対する期待感が低下して、遊技の興趣が低下する恐れがある。
本発明の課題は、可変入賞装置による遊技性を向上して、遊技の興趣を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第一の発明に係る遊技機は、遊技球の入賞が不可能となる閉止状態と、遊技球の入賞が可能となる開放状態と、を形成することが可能な可変入賞装置と、前記可変入賞装置への遊技球の入賞を契機として、特賞状態を生起させるか否かを決定する第1抽選を実行する抽選手段と、前記第1抽選が実行された場合に、表示手段において、識別情報の変動表示を行った後に、当該第1抽選の結果に対応する態様による識別情報の停止表示を行う表示制御手段と、遊技球による所定領域の通過を契機として実行された第2抽選に当選した場合に、前記可変入賞装置を前記閉止状態から前記開放状態へと変位させる入賞口開放遊技状態を生起させる入賞口開放遊技状態制御手段と、前記入賞口開放遊技状態における前記可変入賞口が前記開放状態とされる時間を当該制御が実行されていない場合と比較して延長する開放時間延長制御を実行することが可能な開放時間制御手段と、前記表示制御手段により前記識別情報の変動表示が行われる時間を当該制御が実行されていない場合と比較して短縮する変動時間短縮制御を実行することが可能な変動時間制御手段と、前記第1抽選により前記特賞状態を生起させることが決定される確率が第1確率に設定される第1抽選確率状態と、前記前記第1抽選により前記特賞状態を生起させることが決定される確率が前記第1確率より高い第2確率に設定される第2抽選確率状態と、を生起させることが可能な抽選確率制御手段と、を備える遊技機であって、前記開放時間制御手段は、前記第2抽選確率状態が生起されている際に、前記開放時間延長制御を実行し、前記第1抽選確率状態が生起されている際に、開放時間延長制御を実行せず、前記変動時間制御手段は、前記第1抽選確率状態及び前記第2抽選確率状態のそれぞれが生起されている際に、前記変動時間短縮制御を実行することを特徴とする。
【0009】
第一の発明に係る遊技機では、開放時間制御手段が、変動時間短縮制御の実行に同期させずに、開放時間延長を実行する。具体的には、第2抽選確率状態が生起されている際には、開放時間延長制御及び変動時間短縮制御の両方が実行される。一方、第1抽選確率状態が生起されている際には、開放時間延長制御が実行されずに、変動時間短縮制御が実行される。
【0010】
これにより、変動時間短縮制御の実行時において、第1抽選確率状態及び第2抽選確率状態のうちいずれの状態が生起されているかに応じて、遊技球が可変入賞装置に入賞する可能性を変化させることができる。
したがって、第一の発明に係る遊技機では、可変入賞装置による遊技性を向上することができ、遊技の興趣を向上することが可能となる。
【0011】
ここで、可変入賞装置としては、例えば、後述する第二始動入賞口220が該当する。第1抽選としては、例えば、後述する特別図柄抽選が該当する。抽選手段としては、例えば、後述する主制御装置400(ステップS106、S110)が該当する。表示手段としては、例えば、後述する特別図柄表示部281が該当する。識別情報としては、例えば、後述する特別図柄が該当する。表示制御手段としては、例えば、後述する主制御装置400(ステップS110)が該当する。所定領域としては、例えば、後述する始動ゲート230が該当する。第2抽選としては、例えば、後述する普通図柄抽選が該当する。入賞口開放遊技状態としては、例えば、後述する小当たり状態が該当する。入賞口開放遊技状態制御手段としては、例えば、後述する主制御装置400(ステップS112、S116)が該当する。開放時間延長制御としては、例えば、後述する開放時間延長状態の生起が該当する。開放時間制御手段としては、例えば、後述する主制御装置400(ステップS502)が該当する。変動時間短縮制御としては、例えば、後述する特別図柄変動時間短縮状態の生起が該当する。変動時間制御手段としては、例えば、後述する主制御装置400(ステップS206、S210)が該当する。第1抽選確率状態とは、例えば、後述する特別図柄抽選確率通常状態が該当する。第2抽選確率状態とは、例えば、後述する特別図柄抽選確率変動状態が該当する。抽選確率制御手段としては、例えば、後述する主制御装置400(ステップS418)が該当する。
【0012】
また、第二の発明に係る遊技機は、第一の発明に係る遊技機において、前記抽選確率制御手段は、前記第1抽選確率状態における前記第1抽選に当選して当該第1抽選の結果に係る前記識別情報の停止表示が行われた後から予め定められた規定回数の特賞状態が生起される前までの特殊有利区間内に生起された特賞状態の終了後に、前記第2抽選確率状態を生起させるとともに、前記規定回数目の特賞状態の終了後に、前記第1抽選確率状態を生起させ、前記変動時間制御手段は、前記規定回数目の特賞状態の終了後の前記第1抽選確率状態が生起されている際に前記変動時間短縮制御を実行するか否かを、抽選により決定することを特徴とする。
【0013】
第二の発明に係る遊技機では、規定回数目の特賞状態の終了後に変動時間短縮制御が実行されるか否かが抽選により決定されるため、遊技の興趣をさらに向上することが可能となる。
ここで、規定回数とは、例えば、後述するリミッタ回数が該当する。特殊有利区間とは、例えば、後述するリミッタカウンタによる特賞状態が生起された回数のカウント(リミッタカウンタの作動)が開始してからリミッタカウンタのカウント値Rがリミッタ回数に達する前までの区間が該当する。特殊有利区間内に生起された特賞状態としては、例えば、後述するリミッタカウンタのカウントに係る特賞状態のうちリミッタ回数目の特賞状態を除いた特賞状態が該当する。抽選としては、例えば、後述する当たり停止図柄を決定する抽選(ステップS206)が該当する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、可変入賞装置による遊技性を向上することができ、遊技の興趣を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
【図2】パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図4】特別図柄当たり判定処理を示すフローチャートである。
【図5】普通図柄当たり判定処理を示すフローチャートである。
【図6】特別図柄抽選当たり処理を示すフローチャートである。
【図7】普通図柄抽選当たり処理を示すフローチャートである。
【図8】遊技状態の対応を示す図である。
【図9】変形例に係るパチンコ機の遊技状態の対応を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機1に適用している。
(遊技盤面の構成)
まず、パチンコ機1における遊技盤10の構成を説明する。
図1は、遊技盤の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図1に示すように、遊技盤10には、遊技球(図示せず)の発射路20を構成する外レール21及び内レール22が設けられている。遊技盤10では、外レール21及び内レール22によって囲まれた円形状の領域が、遊技球を転動させる遊技領域30となっている。
【0017】
遊技領域30の中央部には、役物装置100が配設されている。役物装置100の内側には、中央転動経路31が構成されている。また、遊技領域30では、役物装置100の左側に左側転動経路32が構成され、役物装置100の右側に右側転動経路33が構成されている。
役物装置100は、外周壁101と、外周壁101の内側に構成された中央転動経路31と、遊技球を中央転動経路31へ流入させる流入口102と、中央転動経路31を通過した遊技球を排出する排出口103と、を有している。
【0018】
流入口102は、左上方に向かって開口しており、常時、遊技球の流入が可能な状態を形成している。排出口103は、下方に向かって開口しており、常時、遊技球の排出が可能な状態を形成している。
役物装置100では、流入口102以外の部分からは、遊技球が中央転動経路に流入することはない。また、役物装置100では、排出口103以外の部分からは、遊技球が排出されることはない。
中央転動経路31には、遊技球を搬送することが可能な2つの回転部材111,112と、遊技球を滞留させることが可能なステージ113と、排出口103における遊技球の排出位置を左右方向(図1に示す左右方向)に変化させることが可能な振分部材114と、が配設されている。
【0019】
そして、役物装置100では、流入口102から流入した遊技球は、回転部材111によって搬送され、ステージ113において不規則に転動し、さらに、回転部材113によって搬送された後、排出口103における振分部材114により誘導された排出位置から排出される。
役物装置100の下方には、第一始動入賞口210が配設されている。第一始動入賞口210は、上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)であり、常時、遊技球の入賞(入球)が可能な状態を形成している。
【0020】
第一始動入賞口210に入賞した遊技球は、所定領域(図示せず)に誘導される。この所定領域には、始動入賞口スイッチ310(図2参照)が配設されている。始動入賞口スイッチ310は、所定領域を通過する遊技球を検出する。そして、始動入賞口スイッチ310は、遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置400(図2参照)に対して出力する。主制御装置400は、始動入賞口スイッチ310から検出信号が入力されたことに応じて、特別図柄抽選(特賞抽選)を実行する。また、主制御装置400は、始動入賞口スイッチ310から検出信号が入力されたことに応じて、賞球を払い出すための処理を実行する。
【0021】
右側転動路33における役物装置100の右方には、始動ゲート230が設けられている。始動ゲート230は、常時、遊技球の通過が可能な状態を形成している。始動ゲート230の内部には、始動ゲートスイッチ311(図2参照)が配設されている。始動ゲートスイッチ311は、始動ゲート230を通過する遊技球を検出する。そして、始動ゲートスイッチ311は、遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置400に対して出力する。主制御装置400は、始動ゲートスイッチ311から検出信号が入力されたことに応じて、普通図柄抽選を実行する。
【0022】
右側転動路33における始動ゲート230の下方には、第二始動入賞口220が配設されている。第二始動入賞口220は、開閉部材221を有する可変入賞口となっている。開閉部材221は、始動入賞口ソレノイド320(図2参照)によって開閉される。
開閉部材221は、第二始動入賞口220への遊技球の入賞(入球)を不可能にする閉止状態と入賞を可能にする開放状態とに変位可能となっている。
開閉部材221は、通常時は、閉止状態とされる。一方、開閉部材221は、普通図柄抽選に当選した場合に、所定パターンで開放状態とされる。
【0023】
第二始動入賞口220に入賞した遊技球は、第一始動入賞口210に入賞した遊技球と同様に、所定領域に誘導される。そして、第二始動入賞口220に入賞した遊技球は、始動入賞口スイッチ310によって検出されて、特別図柄抽選及び賞球の払い出しの契機を与える。ここで、始動入賞口スイッチ310は、第一始動入賞口210に入賞した遊技球を検出する検出部と、第二始動入賞口220に入賞した遊技球を検出する検出部と、を有している。これにより、始動入賞口スイッチ310は、第一始動入賞口210に入賞した遊技球と第二始動入賞口220に入賞した遊技球とを区別して検出し、各始動入賞口210,220に入賞した遊技球の検出に応じた検出信号を主制御装置400に対して出力する。
【0024】
右側転動路33における第二始動入賞口220の下方には、大入賞口240が配設されている。大入賞口240は、開閉部材241を有する可変入賞口となっている。開閉部材241は、大入賞口ソレノイド321(図2参照)によって開閉される。
開閉部材241は、大入賞口240への遊技球の入賞(入球)を不可能にする閉止状態と入賞を可能にする開放状態とに変位可能となっている。
開閉部材241は、通常時は、閉止状態とされる。一方、開閉部材241は、特別図柄抽選に当選して特賞状態が生起された場合に、所定パターンで開放状態とされる。
【0025】
パチンコ機1には、大入賞口スイッチ313(図2参照)が配設されている。大入賞口スイッチ313は、大入賞口240に入賞した遊技球を検出する。そして、大入賞口スイッチ313は、遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置400に対して出力する。主制御装置400は、大入賞口スイッチ313から検出信号が入力されたことに応じて、賞球を払い出すための処理を実行する。
【0026】
第一始動入賞口210の左方には、左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bが配設されている。また、第一始動入賞口210の右方には、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bが配設されている。各一般入賞口250a,250b,260a,260bは、上向きに開口した入賞口であり、常時、遊技球が入賞(入球)が可能な状態を形成している。
【0027】
パチンコ機1には、左一般入賞口スイッチ314(図2参照)及び右一般入賞口スイッチ315(図2参照)が配設されている。左一般入賞口スイッチ314は、左中一般入賞口250aに入賞した遊技球及び左下一般入賞口250bに入賞した遊技球を検出する。右一般入賞口スイッチ315は、右中一般入賞口260aに入賞した遊技球及び右下一般入賞口260bに入賞した遊技球を検出する。そして、各一般入賞口スイッチ314,315は、遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置400に対して出力する。主制御装置400は、各一般入賞口スイッチ314,315から検出信号が入力されたことに応じて、賞球を払い出すための処理を実行する。
【0028】
第一始動入賞口210の下方であって遊技領域30の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口270が設けられている。
役物装置100の左方には、パチンコ機1の遊技状態を表示する遊技状態表示装置280が配設されている。遊技状態表示装置280は、LEDランプ、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。遊技状態表示装置280は、特別図柄表示部281と、普通図柄表示部282と、を有している。
【0029】
特別図柄表示部281は、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。特別図柄表示部281では、特別図柄抽選が実行された場合に、特別図柄の変動表示が行われ、その後、当該特別図柄抽選の結果に応じた態様による特別図柄の停止表示が行われる。
普通図柄表示部282は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。普通図柄表示部282では、普通図柄抽選が実行された場合に、普通図柄の変動表示が行われ、その後、当該普通図柄抽選の結果に応じた態様による普通図柄の停止表示が行われる。
【0030】
また、遊技状態表示装置280には、特賞状態が生起されていること、当該特賞状態の全ラウンド回数等が表示される。
パチンコ機1には、遊技者による操作に応じて、遊技球を発射することが可能な発射装置(図示せず)が配設されている。そして、発射装置によって発射された遊技球は、発射路20を介して、遊技領域30に打ち出される。
【0031】
遊技領域30に打ち出された遊技球は、遊技領域30における中央転動路31、左側転動路32及び右側転動路33のうちいずれかの転動路を、下方に向かって流下する。
ここで、第一始動入賞口210は、遊技領域30に打ち出された遊技球のうち、役物装置100の内側に構成された中央転動経路31を流下した遊技球の入賞が可能となるように配設されている。また、第二入賞口220、始動ゲート230及び大入賞口240は、それぞれ、遊技領域30に打ち出された遊技球のうち、右側転動経路33を流下した遊技球の入賞(または通過)が可能となるように配設されている。
なお、遊技領域30には、第一始動入賞口210、第二始動入賞口220、始動ゲート230、大入賞口240等に向かって遊技球を導くように、複数の釘nが配設されている。
【0032】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図2は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、パチンコ機1は、始動入賞口スイッチ310と、始動ゲートスイッチ311と、大入賞口スイッチ313と、左一般入賞口スイッチ314と、右一般入賞口スイッチ315と、を備えている。
【0033】
また、パチンコ機1は、制御部として、主制御装置400と、副制御装置500と、を備えている。不正行為防止等のため、主制御装置400及び副制御装置500は、それぞれ別々の基板に実装される。また、制御部では、主制御装置400から副制御装置500への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
主制御装置400は、主として、始動入賞口スイッチ310からの検出信号の入力に応じて、各種の乱数カウンタから乱数を取得する(各種の抽選を実行する)。そして、主制御装置400は、取得した各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。
【0034】
また、主制御装置400は、遊技状態表示装置280、賞球払出制御装置350、始動入賞口ソレノイド320、大入賞口ソレノイド321等を直接制御する。
主制御装置400は、CPU410と、ROM420と、RAM430と、入力ポート440と、出力ポート450とを備える。
入力ポート440は、始動入賞口スイッチ310、始動ゲートスイッチ311、大入賞口スイッチ313、左一般入賞口スイッチ314及び右一般入賞口スイッチ315のそれぞれから入力された検出信号をCPU410に対して出力する。
【0035】
出力ポート450は、副制御装置500、遊技状態表示装置280及び賞球払出制御装置350のそれぞれに対して制御コマンドを出力するとともに、始動入賞口ソレノイド320及び大入賞口ソレノイド321のそれぞれに対して制御信号を出力する。また、出力ポート450は、パチンコ機1の出玉情報や異常信号等をホールコンピュータ800に対して出力する。
【0036】
ROM420には、主制御装置400で実行されるパチンコ機1を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。
RAM430は、主制御装置400に入力されたデータ・主制御装置400から出力されるデータ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。
【0037】
また、主制御装置400には、電源供給を行うための電源回路900が接続されている。
副制御装置500は、主制御装置400と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポートを備える。
副制御装置500のROMには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。副制御装置500のRAMには、主制御装置400から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。副制御装置500のCPUは、主制御装置400から受信した制御コマンドに応じて、ROMに記憶されたプログラムにしたがった処理を実行する。これにより、副制御装置500のCPUは、ランプ530の点灯、点滅の制御、スピーカ540からの効果音の出力の制御等を行う。
【0038】
(各種抽選について)
パチンコ機1では、始動入賞口210,220への遊技球の入賞を契機として特別図柄抽選を実行するとともに、遊技球による始動ゲート230の通過を契機として普通図柄抽選を実行する。
特別図柄抽選とは、特賞状態を生起させるか否かを決定するための抽選である。特賞状態とは、大入賞口240の開閉部材241を閉止状態から開放状態へと特定契機が成立するまで変位させるラウンド遊技が行われる遊技状態である。特賞状態では、ラウンド遊技が、予め設定された所定回数(以下、「全ラウンド回数」とする)行われる。本実施形態では、全ラウンド回数は、「2回」に設定されている。
【0039】
各回のラウンド遊技では、開閉部材241が閉止状態から開放状態へと変位してから所定の時間(例えば、30[s])が経過するか、開閉部材241が開放状態へと変位した大入賞口240に所定数(例えば、10個)の遊技球が入賞したときに、上記特定契機が成立したものと判定される。
【0040】
また、パチンコ機1では、特別図柄抽選に関する遊技状態として、特別図柄抽選確率通常状態と、特別図柄抽選確率変動状態と、特別図柄変動時間通常状態と、特別図柄変動時間短縮状態と、が設定されている。
特別図柄抽選確率通常状態とは、特別図柄抽選により特賞状態が生起されることが決定される確率(特別図柄抽選に当選する確率)が第1の確率に設定される遊技状態である。本実施形態では、第1の確率は、約1/5に設定されている。特別図柄抽選確率変動状態とは、特別図柄抽選に当選する確率が第1の確率より高い第2の確率に設定される遊技状態である。本実施形態では、第2の確率は、約1/1に設定されている。
【0041】
主制御装置400は、特殊有利区間内に生起された特賞状態の終了後に、特別図柄抽選確率変動状態を生起させる。ここで、特殊有利区間とは、特別図柄抽選確率通常状態における特別図柄抽選に当選して当該特別図柄抽選の結果(当たり停止図柄)が特別図柄表示部281に表示された後から予め定められた規定回数(以下、「リミッタ回数」とする)の特賞状態が生起される前までの区間をいう。すなわち、特殊有利区間は、特別図柄抽選確率通常状態における特別図柄抽選に係る当たり停止図柄が特別図柄表示部281に表示された直後に開始し、リミッタ回数目の特賞状態が生起される直前に終了する。
特賞状態の終了後に生起された特別図柄抽選確率変動状態は、次回の特賞状態が生起される前まで継続する。
【0042】
一方、主制御装置400は、特殊有利区間外に生起された特賞状態の終了後に、特別図柄抽選確率通常状態を生起させる。すなわち、主制御装置400は、リミッタ回数目(規定回数目)の特賞状態の終了後に、特別図柄抽選確率通常状態を生起させる。
特賞状態の終了後に生起された特別図柄抽選確率通常状態は、次回の特賞状態が生起される前まで継続する。
特別図柄変動時間通常状態とは、特別図柄の変動表示が行われる時間(以下、変動時間とする)が第1の変動時間に設定される遊技状態である。本実施形態では、第1の変動時間として、10[s]、20[s]及び30[s]が設定されている。
【0043】
特別図柄変動時間短縮状態とは、特別図柄の変動時間を第1の変動時間と比較して短い第2の変動時間に設定する変動時間短縮制御を実行する遊技状態である。本実施形態では、第2の変動時間として、1[s]が設定されている。すなわち、特別図柄変動時間短縮状態では、特別図柄変動時間通常状態と比較して、特別図柄の変動時間が短縮されるため、単位時間あたりに実行することが可能な特別図柄抽選の回数が増加する。
【0044】
普通図柄抽選とは、小当たり状態を生起させるか否かを決定するための抽選である。小当たり状態とは、第二始動入賞口220の開閉部材221を開放状態とする開放動作が実行される遊技状態をいう。
普通図柄抽選とは、小当たり状態を生起させるか否かを決定するための抽選である。小当たり状態とは、第二始動入賞口220の開閉部材221を予め定められた時間(以下、「設定開放時間」とする)閉止状態から開放状態へと変位させる小当たり遊技が行われる遊技状態である。
【0045】
パチンコ機1では、小当たり遊技に関する遊技状態として、開放時間通常状態と、開放時間延長状態と、が設定されている。
開放時間通常状態とは、小当たり遊技における設定開放時間が第1の設定開放時間に設定される遊技状態である。本実施形態では、開放時間通常状態では、小当たり遊技として開閉部材221を0.3[s]開放状態とする制御を5回実行することによって、小当たり遊技における設定開放時間を1.5[s](0.3[s]×5回)とする。
開放時間延長状態とは、設定開放時間が第1の設定開放時間と比較して長い第2の設定開放時間に設定される遊技状態である。本実施形態では、開放時間延長状態では、小当たり遊技として開閉部材221を5.0[s]開放状態とする制御を1回実行することによって、小当たり遊技における設定開放時間を5.0[s]とする。
【0046】
また、パチンコ機1では、普通図柄抽選に関する遊技状態として、普通図柄抽選確率通常状態と、普通図柄抽選確率変動状態と、普通図柄変動時間通常状態と、普通図柄変動時間短縮状態と、が設定されている。
普通図柄抽選確率通常状態とは、普通図柄抽選により小当たり状態が生起されることが決定される確率(普通図柄抽選に当選する確率)が第3の確率に設定される遊技状態である。本実施形態では、第3の確率は、約1/65536に設定されている。
普通図柄抽選確率変動状態とは、普通図柄抽選に当選する確率が第3の確率と比較して高い第4の確率に設定される遊技状態である。本実施形態では、第4の確率は、約1/1に設定されている。
【0047】
普通図柄変動時間通常状態とは、普通図柄の変動表示が行われる時間(以下、「普通図柄変動時間」とする)が第3の変動時間に設定される遊技状態である。本実施形態では、第3の変動時間として、2[s]が設定されている。
普通図柄変動時間短縮状態とは、普通図柄変動時間が第3の変動時間と比較して短い第4の変動時間に設定される遊技状態である。本実施形態では、第4の変動時間として、0.5[s]が設定されている。すなわち、普通図柄変動時間短縮状態では、普通図柄変動時間通常状態と比較して、普通図柄変動時間が短縮されるため、単位時間あたりに実行することが可能な普通図柄抽選の回数が増加する。
【0048】
(遊技制御処理)
次に、主制御装置400で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU410は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ROM420の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、図3のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
図3は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU410において実行されると、図3に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、当たり抽選乱数更新処理を実行し、ステップS102に移行する。
当たり抽選乱数更新処理では、特別図柄抽選に用いる乱数カウンタが示す乱数(以下、特別図柄抽選乱数とする)の値を更新する。
【0049】
また、当たり抽選乱数更新処理では、普通図柄抽選に用いる乱数カウンタが示す乱数(以下、普通図柄抽選乱数とする)の値を更新する。
なお、当たり抽選乱数更新処理では、各乱数カウンタが一巡するたびに初期値を変化させることにより、各乱数カウンタが示す乱数(特別図柄抽選乱数、普通図柄抽選乱数)の値を容易に予測することができないようにしている。
ステップS102では、表示抽選乱数更新処理を実行し、ステップS104に移行する。
表示抽選乱数更新処理では、特別図柄の変動時間を決定する変動時間抽選に用いる乱数カウンタが示す乱数(以下、変動時間抽選乱数とする)の値を更新する。
【0050】
また、表示抽選乱数更新処理では、停止表示させる特別図柄(以下、停止図柄とする)を決定する停止図柄抽選に用いる乱数カウンタが示す乱数(以下、停止図柄抽選乱数とする)の値を更新する。
ステップS104では、スイッチ入力処理を実行し、ステップS106に移行する。
スイッチ入力処理では、各スイッチ310,311,313,314,315からの検出信号の入力を検出する。そして、各スイッチ310,311,313,314,315からの検出信号の入力を検出した場合には、当該検出を示す情報をRAMの所定領域に記憶する。
【0051】
ステップS106では、特別図柄始動情報更新処理を実行し、ステップS108に移行する。
特別図柄始動情報更新処理では、ステップS104のスイッチ入力処理の結果に基づいて、始動入賞口スイッチ310から検出信号を入力したか否かを判定する。そして、始動入賞口スイッチ310から検出信号を入力していないと判定した場合には、特別図柄始動情報更新処理を終了する。
【0052】
一方、始動入賞口スイッチ310から検出信号を入力したと判定した場合には、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。そして、特別図柄の変動表示中であると判定した場合には、特別始動情報更新処理を終了する。一方、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合には、特別図柄始動情報を取得する。
具体的には、特別図柄抽選乱数値、変動時間抽選乱数値及び停止図柄抽選乱数値のそれぞれを、対応の乱数カウンタから取得する。そして、取得した特別図柄抽選乱数値、変動時間抽選乱数値及び停止図柄抽選乱数値を、特別図柄始動情報として、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に記憶する。
【0053】
なお、本実施形態では、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域では、特別図柄始動情報を1組のみ記憶することが可能となっている(保留なし)。しかしながら、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域において、複数組の特別図柄始動情報を記憶することが可能としても構わない(保留あり)。この場合、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に記憶されている複数組の特別図柄始動情報については、所定の順番により、後述する特別図柄当たり判定処理等が実行される。
【0054】
ステップS108では、普通図柄始動情報更新処理を実行し、ステップS110に移行する。
普通図柄始動情報更新処理では、ステップS104のスイッチ入力処理の結果に基づいて、始動ゲートスイッチ311から検出信号を入力したか否かを判定する。そして、始動ゲートスイッチ311から検出信号を入力していないと判定した場合には、普通図柄始動情報更新処理を終了する。
【0055】
一方、始動ゲートスイッチ311から検出信号を入力したと判定した場合には、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定する。そして、普通図柄の変動表示中であると判定した場合には、普通始動情報更新処理を終了する。一方、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合には、普通図柄始動情報を取得する。
具体的には、普通図柄抽選乱数値を、対応の乱数カウンタから取得する。そして、取得した普通図柄抽選乱数値を、普通図柄始動情報として、RAM430の普通図柄始動情報記憶領域に記憶する。
【0056】
なお、本実施形態では、RAM430の普通図柄始動情報記憶領域では、普通図柄始動情報を1つのみ記憶することが可能となっている(保留なし)。しかしながら、RAM430の普通図柄始動情報記憶領域において、複数の普通図柄始動情報を記憶することが可能としても構わない(保留あり)。この場合、RAM430の普通図柄始動情報記憶領域に記憶されている複数の普通図柄始動情報については、所定の順番により、後述する普通図柄当たり判定処理等が実行される。
【0057】
ステップS110では、特別図柄当たり判定処理を実行し、ステップS112に移行する。特別図柄当たり判定処理については、後述する。
ステップS112では、普通図柄当たり処理を実行し、ステップS114に移行する。普通図柄当たり判定処理については、後述する。
ステップS114では、特別図柄抽選当たり処理を実行し、ステップS116に移行する。特別図柄抽選当たり処理については、後述する。
ステップS116では、普通図柄抽選当たり処理を実行し、ステップS118に移行する。普通図柄抽選当たり処理については、後述する。
ステップS118では、賞球払出処理を実行し、ステップS120に移行する。
【0058】
賞球払出処理では、ステップS104のスイッチ入力処理の結果に基づいて、始動入賞口スイッチ310、大入賞口スイッチ313、左一般入賞口スイッチ314又は右一般入賞口スイッチ315から検出信号を入力したか否かを判定する。そして、いずれかのスイッチ310,313,314,315から検出信号を入力したと判定した場合には、賞球払出制御装置350に賞球の払い出し動作を行わせるための制御コマンドをRAM430の所定領域に格納する。これにより、ステップS122のポート出力処理では、出力ポート450を介して、制御コマンドが賞球払出装置350に送信される。
【0059】
ここで、本実施形態では、第二始動入賞口220の賞球数(1球の遊技球の入賞に対して払い出される賞球数)は、第一始動入賞口210の賞球数及び大入賞口の賞球数のそれぞれと比較して多く設定されている。すなわち、第一始動入賞口210の賞球数は、5個に設定されている。また、第二始動入賞口220の賞球数は、10個に設定されている。また、大入賞口240の賞球数は、6個に設定されている。さらに、各一般入賞口250a,250b,260a,260bの賞球数は、5個に設定されている。
【0060】
ステップS120では、外部情報出力処理を実行し、ステップS122に移行する。
外部情報出力処理では、遊技制御に関する情報に係る信号を、ホールコンピュータ800に対して出力する。
ステップS122では、ポート出力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ポート出力処理では、出力ポート255を介して、RAM430の所定領域に格納されている制御コマンドを、当該制御コマンドに対応する相手に出力する。具体的には、ポート出力処理では、副制御装置500、遊技状態表示装置280及び賞球払出装置350のそれぞれに対して制御コマンドが出力される。また、ポート出力処理では、始動入賞口ソレノイド320及び大入賞口ソレノイド321のそれぞれに対して制御信号が出力される。
【0061】
次に、ステップS110の特別図柄当たり判定処理を説明する。
図4は、特別図柄当たり判定処理を示すフローチャートである。
特別図柄当たり判定処理では、ステップS110において実行されると、図4に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、特別図柄の変動表示中か否かを判定し、特別図柄の変動表示中でないと判定した場合(No)は、ステップS202に移行する。一方、特別図柄の変動表示中であると判定した場合(Yes)は、ステップS212に移行する。
【0062】
ステップS202では、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に特別図柄始動情報が記憶されているか否かを判定し、特別図柄始動情報が記憶されていると判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行する。一方、特別図柄始動情報が記憶されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS204では、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に記憶されている特別図柄抽選乱数値が当たり値と一致しているか否かを判定し、当たり値と一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS206に移行する。一方、当たり値と一致していないと判定した場合(No)は、ステップS210に移行する。
【0063】
ここで、ROM420には、特別図柄抽選乱数値と当たり値との対応が登録された特別図柄抽選テーブルが格納されている。また、特別図柄抽選テーブルとして、通常状態テーブル及び変動状態テーブルが設定されている。通常状態テーブルでは、特賞状態が生起されることが決定される確率が約1/5となるように、当たり値が設定されている。変動状態テーブルでは、特賞状態が生起されることが決定される確率が約1/1となるように、当たり値が設定されている。
【0064】
そして、ステップS204では、現在の遊技状態が特別図柄抽選確率通常状態である場合には、通常状態テーブルに基づいて、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に記憶されている特別図柄抽選乱数値が当たり値と一致しているか否かを判定する。一方、現在の遊技状態が特別図柄抽選確率変動状態である場合には、変動状態テーブルに基づいて、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に記憶されている特別図柄抽選乱数値が当たり値と一致しているか否かを判定する。
ステップS206では、当たり時特別図柄表示設定処理を実行し、ステップS208に移行する。
当たり時特別図柄表示設定処理では、特別図柄の変動時間を決定するとともに、停止図柄を決定する。
【0065】
ここで、ROM420には、変動時間抽選乱数値と変動時間との対応が登録された当たり時変動時間抽選テーブルが格納されている。そして、当たり時特別図柄表示設定処理では、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に記憶されている変動時間抽選乱数値及び当り時変動時間抽選テーブルに基づいて、特別図柄の変動時間を決定する。
ここで、パチンコ機1では、当たり時変動時間抽選テーブルとして、当たり時通常状態テーブル及び当たり時短縮状態テーブルが設定されている。当り時通常状態テーブルでは、変動時間として、10[s]、20[s]及び30[s]が登録されている。当たり時短縮状態テーブルでは、変動時間として、1[s]のみが登録されている。
【0066】
そして、当たり時特別図柄表示設定処理では、現在の遊技状態が特別図柄変動時間通常状態である場合には、当り時通常状態テーブルに基づいて、特別図柄の変動時間を決定する。一方、現在の遊技状態が特別図柄変動時間短縮状態である場合には、当たり時短縮状態テーブルに基づいて、特別図柄の変動時間を決定する。
また、ROM420には、停止図柄抽選乱数値と停止図柄との対応が登録された当たり時停止図柄抽選テーブルが格納されている。そして、当たり時特別図柄表示設定処理では、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に記憶されている停止図柄抽選乱数値及び当たり時停止図柄抽選テーブルに基づいて、特別図柄の停止図柄が決定される。以下、当たり時特別図柄表示設定処理において決定された停止図柄を、当たり停止図柄とする。
【0067】
本実施形態では、当たり停止図柄として、通常当たり図柄又は時短当たり図柄が決定される。ここで、時短当たり図柄が決定される確率(例えば、66%)は、通常当たり図柄が決定される確率(例えば、34%)と比較して高く設定されている。
ステップS208では、特別図柄変動表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
特別図柄変動表示開始処理では、特別図柄変動時間タイマにおいて、ステップS206又は後述するステップS210で決定した変動時間を設定する。そして、特別図柄表示部281において特別図柄の変動表示を開始するとともに、設定したタイマによる変動時間の計測を開始する。
【0068】
一方、ステップS210では、はずれ時特別図柄表示設定処理を実行し、ステップS208に移行する。
はずれ時特別図柄表示設定処理では、特別図柄の変動時間を決定するとともに、停止図柄を決定する。
ここで、ROM420には、変動時間抽選乱数値と変動時間との対応が登録されたはずれ時変動時間抽選テーブルが格納されている。そして、はずれ時特別図柄表示設定処理では、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に記憶されている変動時間抽選乱数値及びはずれ時変動時間抽選テーブルに基づいて、特別図柄の変動時間を決定する。
ここで、パチンコ機1では、はずれ時変動時間抽選テーブルとして、はずれ時通常状態テーブル及びはずれ時短縮状態テーブルが設定されている。はずれ時通常状態テーブルでは、変動時間として、10[s]、20[s]及び30[s]が登録されている。はずれ時短縮状態テーブルでは、変動時間として、1[s]のみが登録されている。
【0069】
そして、はずれ時特別図柄表示設定処理では、現在の遊技状態が特別図柄変動時間通常状態である場合には、はずれ時通常状態テーブルに基づいて、特別図柄の変動時間を決定する。一方、現在の遊技状態が特別図柄変動時間短縮状態である場合には、はずれ時短縮状態テーブルに基づいて、特別図柄の変動時間を決定する。
また、ROM420には、停止図柄抽選乱数値と停止図柄との対応が登録されたはずれ時停止図柄抽選テーブルが格納されている。そして、はずれ時特別図柄表示設定処理では、RAM430の特別図柄始動情報記憶領域に記憶されている停止図柄抽選乱数値及びはずれ時停止図柄抽選テーブルに基づいて、特別図柄の停止図柄が決定される。以下、はずれ時特別図柄表示設定処理において決定された停止図柄を、はずれ停止図柄とする。
【0070】
一方、ステップS212では、ステップS208で特別図柄変動時間タイマに設定した変動時間が経過したか否かを判定し、変動時間が経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS214に移行する。一方、変動時間を経過していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS214では、特別図柄停止表示処理を実行し、ステップS216に移行する。
特別図柄停止表示処理では、特別図柄表示部281において、特別図柄の停止表示を行う。この際、ステップS206又はステップS210で決定した停止図柄によって、特別図柄の停止表示を行う。
【0071】
ステップS216では、ステップS214で停止表示された特別図柄が当たり停止図柄であるか否かを判定し、当たり停止図柄であると判定した場合(Yes)は、ステップS218に移行する。一方、当たり停止図柄でない(はずれ停止図柄である)と判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS218では、特賞状態フラグ設定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
特賞状態フラグ設定処理では、RAM430の所定領域において、特賞状態フラグを設定(記憶)する。
【0072】
次に、ステップS112の普通図柄当たり判定処理を説明する。
図5は、普通図柄当たり判定処理を示すフローチャートである。
普通図柄当たり判定処理では、ステップS112において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、普通図柄の変動表示中か否かを判定し、普通図柄の変動表示中でないと判定した場合(No)は、ステップS302に移行する。一方、普通図柄の変動表示中であると判定した場合(Yes)は、ステップS312に移行する。
【0073】
ステップS302では、RAM430の普通図柄始動情報記憶領域に普通図柄始動情報が記憶されているか否かを判定し、普通図柄始動情報が記憶されていると判定した場合(Yes)は、ステップS304に移行する。一方、普通図柄始動情報が記憶されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS304では、RAM430の普通図柄始動情報記憶領域に記憶されている普通図柄抽選乱数値が小当たり値と一致しているか否かを判定し、小当たり値と一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS306に移行する。一方、小当たり値と一致していないと判定した場合(No)は、ステップS310に移行する。
【0074】
ここで、ROM420には、普通図柄抽選乱数値と小当たり値との対応が登録された普通図柄抽選テーブルが格納されている。また、普通図柄抽選テーブルとして、通常状態テーブル及び変動状態テーブルが設定されている。通常状態テーブルでは、小当たり状態が生起されることが決定される確率が約1/65536となるように、小当たり値が設定されている。変動状態テーブルでは、小当たり状態が生起されることが決定される確率が約1/1となるように、小当たり値が設定されている。
【0075】
そして、ステップS304では、現在の遊技状態が普通図柄抽選確率通常状態である場合には、通常状態テーブルに基づいて、RAM430の普通図柄始動情報記憶領域に記憶されている普通図柄抽選乱数値が小当たり値と一致しているか否かを判定する。一方、現在の遊技状態が普通図柄抽選確率変動状態である場合には、変動状態テーブルに基づいて、RAM430の普通図柄始動情報記憶領域に記憶されている普通図柄抽選乱数値が小当たり値と一致しているか否かを判定する。
【0076】
ステップS306では、小当たり時普通図柄表示設定処理を実行し、ステップS308に移行する。
小当たり時普通図柄表示設定処理では、普通図柄の変動時間を決定するとともに、停止図柄を決定する。
この際、現在の遊技状態が普通図柄変動時間通常状態である場合には、普通図柄の変動時間として、2[s]を決定する。一方、現在の遊技状態が普通図柄変動時間短縮状態である場合には、普通図柄の変動時間として、0.5[s]を決定する。
【0077】
また、停止図柄として、小当たり停止図柄を決定する。
ステップS308では、普通図柄変動表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
普通図柄変動表示開始処理では、普通図柄変動時間タイマにおいて、ステップS306又は後述するステップS310で決定した変動時間を設定する。そして、普通図柄表示部282において普通図柄の変動表示を開始するとともに、設定したタイマによる変動時間の計測を開始する。
【0078】
一方、ステップS310では、はずれ時普通図柄表示設定処理を実行し、ステップS308に移行する。
はずれ時普通図柄表示設定処理では、普通図柄の変動時間を決定するとともに、普通図柄を決定する。
この際、現在の遊技状態が普通図柄変動時間通常状態である場合には、普通図柄の変動時間として、2[s]を決定する。一方、現在の遊技状態が普通図柄変動時間短縮状態である場合には、普通図柄の変動時間として、0.5[s]を決定する。
また、停止図柄として、はずれ停止普通図柄を決定する。
【0079】
一方、ステップS312では、ステップS308で普通図柄変動時間タイマに設定した変動時間が経過したか否かを判定し、変動時間が経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS314に移行する。一方、変動時間を経過していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS314では、普通図柄停止表示処理を実行し、ステップS316に移行する。
普通図柄停止表示処理では、普通図柄表示部282において、普通図柄の停止表示を行う。この際、ステップS306又はステップS310で決定した停止図柄によって、普通図柄の停止表示を行う。
【0080】
ステップS316では、ステップS314で停止表示された普通図柄が小当たり停止図柄であるか否かを判定し、小当たり停止図柄であると判定した場合(Yes)は、ステップS318に移行する。一方、小当たり停止図柄でない(はずれ停止普通図柄である)と判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS318では、小当たり状態フラグ設定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
小当たり状態フラグ設定処理では、RAM430の所定領域において、小当たり状態フラグを設定する。
【0081】
次に、ステップS114の特別図柄抽選当たり処理を説明する。
図6は、特別図柄抽選当たり処理を示すフローチャートである。
特別図柄抽選当たり処理では、ステップS114において実行されると、図6に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、RAM430の所定領域において、特賞状態フラグが設定されているか否かを判定し、特賞状態フラグが設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS402に移行する。一方、特賞状態フラグが設定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS402では、特賞状態を生起させる特賞状態生起処理を実行し、ステップS404に移行する。
【0082】
特賞状態生起処理は、全ラウンド回数である「2回」のラウンド遊技を繰り返し実行する。各回のラウンド遊技は、大入賞口240の開閉部材241が閉止状態から開放状態に変位することにより開始し、開閉部材241が開放状態に変位してから所定の時間(例えば、30[s])が経過するか、大入賞口240に入賞した遊技球の数が所定数(例えば、10個)に達した場合に終了する。
【0083】
ステップS404では、RAM430の所定領域において、特別図柄抽選確率変動状態フラグが設定されているか否かを判定し、特別図柄抽選確率変動状態フラグが設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS406に移行する。一方、特別図柄抽選確率変動状態フラグが設定されていないと判定した場合(No)は、ステップS420に移行する。
【0084】
ステップS406では、特賞状態フラグ解除処理を実行し、ステップS408に移行する。
特賞状態フラグ解除処理では、RAM430の所定領域における特賞状態フラグの設定を解除(消去)する。
ステップS408では、リミッタ回数更新処理を実行し、ステップS410に移行する。
リミッタ回数更新処理では、後述するリミッタカウンタのカウント値Rを更新する。具体的には、リミッタカウンタにおいて、現在のカウント値Rから「1」を減算した値を、新たなカウント値Rとして設定する。
【0085】
ステップS410では、リミッタカウンタのカウント値R=0となっているか否かを判定し、カウント値R=0となっていると判定した場合(Yes)は、ステップS412に移行する。一方、カウント値R=0となっていない(カウント値R≧1である)と判定した場合(No)は、ステップS418に移行する。
ステップS412では、特別図柄抽選確率変動状態フラグ解除処理を実行し、ステップS414に移行する。
特別図柄抽選確率変動状態フラグ解除処理では、RAM430の所定領域における特別図柄抽選確率変動状態フラグの設定を解除する。
【0086】
ステップS414では、開放時間延長状態フラグ解除処理を実行し、ステップS416に移行する。
開放時間延長状態フラグ解除処理では、RAM430の所定領域における開放時間延長状態フラグの設定を解除する。
ステップS416では、ステップS214で停止表示した当たり停止図柄(今回の特賞状態を生起させた特別図柄抽選に係る当たり停止図柄)が、時短当たり図柄であるか否かを判定し、時短当たり図柄であると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。一方、時短当たり図柄でない(通常当たり図柄である)と判定した場合(No)は、ステップS432に移行する。
【0087】
ステップS418では、遊技状態生起処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
遊技状態生起処理は、ステップS402に係る特賞状態の終了後の遊技状態を設定する処理である。
具体的には、主制御装置400は、RAM430の所定領域において特別図柄抽選確率変動状態フラグが設定されている場合には、特別図柄抽選確率変動状態を生起させる。一方、主制御装置400は、RAM430の所定領域において特別図柄抽選確率変動状態フラグが設定されていない場合には、特別図柄抽選確率通常状態を生起させる。
【0088】
また、主制御装置400は、RAM430の所定領域において、特別図柄変動時間短縮状態フラグが設定されている場合には、特別図柄変動時間短縮状態を生起させる。一方、主制御装置400は、RAM430の所定領域において、特別図柄変動時間短縮状態フラグが設定されていない場合には、特別図柄変動時間通常状態を生起させる。
また、主制御装置400は、RAM430の所定領域において開放時間延長状態フラグが設定されている場合には、開放時間延長状態を生起させる。一方、主制御装置400はRAM430の所定領域において開放時間延長状態フラグが設定されていない場合には、開放時間通常状態を生起させる。
【0089】
また、主制御装置400は、RAM430の所定領域において普通図柄抽選確率変動状態フラグが設定されている場合には、普通図柄抽選確率変動状態を生起させる。一方、主制御装置400は、RAM430の所定領域において普通図柄抽選確率変動状態フラグが設定されていない場合には、普通図柄抽選確率通常状態を生起させる。
さらに、主制御装置400は、RAM430の所定領域において普通図柄変動時間短縮状態フラグが設定されている場合には、普通図柄変動時間短縮状態を生起させる。一方、主制御装置400は、RAM430の所定領域において普通図柄変動時間短縮状態フラグが設定されていない場合には、普通図柄変動時間通常状態を生起させる。
なお、ステップS418において生起された各遊技状態は、次の特賞状態が生起される前まで継続する。
【0090】
一方、ステップS420では、特別図柄抽選確率変動状態フラグ設定処理を実行し、ステップS422に移行する。
特別図柄抽選確率変動状態フラグ設定処理では、RAM430の所定領域において、特別図柄抽選確率変動状態フラグを設定する。
ステップS422では、リミッタ回数設定処理を実行し、ステップS424に移行する。
ここで、主制御装置400は、特別図柄抽選確率通常状態における特別図柄抽選に当選して当該特別図柄抽選に係る当たり停止図柄が表示された後から予め定められたリミッタ回数の特賞状態が生起される前までの特殊有利区間内に生起された特賞状態の終了後に、特別図柄抽選確率変動状態を生起させる。
【0091】
一方、主制御装置400は、リミッタ回数目の特賞状態(以下、「特殊有利区間終了契機特賞状態とする」)の終了後に、特別図柄抽選確率通常状態を生起させる。
このために、RAM430の所定領域には、特賞状態が生起された回数をカウントするリミッタカウンタが格納されている。
主制御装置400は、特別図柄抽選確率通常状態における特別図柄抽選に当選した場合に、当該特別図柄抽選により生起された特賞状態(以下、「特殊有利区間開始契機特賞状態」とする)を1回目として、リミッタカウンタによるカウントを開始する(リミッタカウントの作動を開始する)。そして、主制御装置400は、リミッタカウンタのカウント値Rがリミッタ回数に達した場合に、リミッタカウンタによるカウントを終了する(リミッタカウンタの作動を終了する)。
【0092】
そして、主制御装置400は、リミッタカウンタのカウント値Rがリミッタ回数に達した場合には、リミッタカウンタによるカウントを終了する(リミッタカウントの作動を終了する)。本実施形態では、リミッタ回数は、「20回」に設定されている。
そして、リミッタ回数設定処理では、リミッタカウンタのカウント値Rを、初期値であるリミッタ回数(「20回」)に設定して、リミッタカウンタによる特賞状態が生起された回数のカウントを開始する。
【0093】
ステップS424では、特別図柄変動時間短縮状態フラグ設定処理を実行し、ステップS426に移行する。
特別図柄変動時間短縮状態フラグ設定処理では、RAM430の所定領域において、特別図柄変動時間短縮状態フラグを設定する。
ステップS426では、普通図柄抽選確率変動状態フラグ設定処理を実行し、ステップS428に移行する。
普通図柄抽選確率変動状態フラグ設定処理では、RAM430の所定領域において、普通図柄抽選確率変動状態フラグを設定する。
【0094】
ステップS428では、普通図柄変動時間短縮状態フラグ設定処理を実行し、ステップS430に移行する。
普通図柄変動時間短縮状態フラグ設定処理では、RAM430の所定領域において、普通図柄変動時間短縮状態フラグを設定する。
ステップS430では、開放時間延長状態フラグ設定処理を実行し、ステップS406に移行する。
開放時間延長状態フラグ設定処理では、RAM430の所定領域において、開放時間延長状態フラグを設定する。
【0095】
一方、ステップS432では、特別図柄変動時間短縮状態フラグ解除処理を実行し、ステップS434に移行する。
特別図柄変動時間短縮状態フラグ解除処理では、RAM430の所定領域における特別図柄変動時間短縮状態フラグの設定を解除する。
ステップS434では、普通図柄抽選確率変動状態フラグ解除処理を実行し、ステップS436に移行する。
普通図柄抽選確率変動状態フラグ解除処理では、RAM430の所定領域における普通図柄抽選確率変動状態フラグの設定を解除する。
【0096】
ステップS436では、普通図柄変動時間短縮状態フラグ解除処理を実行し、ステップS418に移行する。
普通図柄変動時間短縮状態フラグ解除処理では、RAM430の所定領域における普通図柄変動時間短縮状態フラグの設定を解除する。
以上のように、本実施形態に係る特別図柄抽選当たり処理では、ステップS410においてカウント値R=0となっていると判定された場合には、ステップS412、S414、S416、S432、S434及びS436を実行する。一方、ステップS410においてカウント値R=0となっていないと判定された場合には、ステップS412、S414、S416、S432、S434及びS436を実行しない。
【0097】
これによって、特殊有利区間終了契機特賞状態の終了時には、特別図柄抽選確率変動状態フラグ及び開放時間延長状態フラグのそれぞれが解除された状態となる。また、この時には、当該特殊有利区間終了契機特賞状態を生起させた特別図柄抽選に係る当たり停止図柄の種類に応じて、特別図柄変動時間短縮状態フラグ、普通図柄抽選確率変動状態フラグ及び普通図柄変動時間短縮状態フラグのそれぞれが解除又は設定された状態となる。したがって、通常当たり図柄に係る特殊有利区間終了契機特賞状態の終了後には、特別図柄抽選確率通常状態、開放時間通常状態、特別図柄変動時間通常状態、普通図柄抽選確率通常状態及び普通図柄変動時間通常状態のそれぞれが生起される。また、時短当たり図柄に係る特殊有利区間終了契機特賞状態の終了後には、特別図柄抽選確率通常状態、開放時間通常状態、特別図柄変動時間短縮状態、普通図柄抽選確率変動状態及び普通図柄変動時間短縮状態のそれぞれが生起される。
【0098】
一方、リミッタカウンタのカウントに係る特賞状態のうち特殊有利区間終了契機特賞状態を除いた特賞状態の終了時には、特別図柄抽選確率変動状態フラグ及び開放時間延長状態フラグのそれぞれが設定された状態となる。また、この時には、当該特賞状態を生起させた特別図柄抽選に係る当たり停止図柄の種類に関らず、特別図柄変動時間短縮状態フラグ、普通図柄抽選確率変動状態フラグ及び普通図柄変動時間短縮状態フラグのそれぞれが設定された状態となる。したがって、リミッタカウンタのカウントに係る特賞状態のうち特殊有利区間終了契機特賞状態を除いた特賞状態の終了後には、特別図柄抽選確率変動状態、開放時間延長状態、特別図柄変動時間短縮状態、普通図柄抽選確率変動状態及び普通図柄変動時間短縮状態のそれぞれが生起される。
【0099】
次に、ステップS116の普通図柄抽選当たり処理を説明する。
図7は、普通図柄抽選当たり処理を示すフローチャートである。
普通図柄抽選当たり処理では、ステップS116において実行されると、図7に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、RAM430の所定領域において、小当たり状態フラグが設定されているか否かを判定し、小当たり状態フラグが設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS502に移行する。一方、小当たり状態フラグが設定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0100】
ステップS502では、小当たり遊技処理を実行し、ステップS504に移行する。
小当たり遊技処理では、小当たり遊技が実行される。具体的には、主制御装置400は、現在の遊技状態が開放時間通常状態である場合には、小当たり遊技として、開閉部材221を0.3[s]開放状態とする制御を5回実行する。一方、主制御装置400は、現在の遊技状態が開放時間延長状態である場合には、小当たり遊技として、開閉部材221を5.0[s]開放状態とする制御を1回実行する。
ステップS504では、小当たり状態フラグ解除処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
小当たり状態フラグ解除処理では、RAM430の所定領域における小当たり状態フラグの設定を解除する。
【0101】
(パチンコ機1の動作)
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
図8は、遊技状態の対応を示す図である。
パチンコ機1では、発射装置によって発射された遊技球は、発射路20を介して、遊技領域30に打ち出され、遊技領域30を下方に向かって流下する。
遊技領域30を流下する遊技球が始動入賞口201,220に入賞すると、特別図柄抽選が実行される。また、特別図柄抽選が実行されると、特別図柄表示部281において、特別図柄の変動表示が行われた後、当該特別図柄抽選の結果に応じた態様による特別図柄の停止表示が行われる。
【0102】
そして、特別図柄抽選に当選した場合には、特別図柄表示部281において当たり停止図柄が停止表示された後に、特賞状態が生起される。
特賞状態においては、大入賞口240の開閉部材241が開放状態とされるラウンド遊技が2回(全ラウンド回数)繰り返し行われる。
各回のラウンド遊技は、開閉部材241が開放状態となってから30[s]が経過するか、大入賞口240に10個の遊技球が入賞すると終了する。
ここで、パチンコ機1では、特別図柄抽選確率通常状態において行われた特別図柄抽選に当選すると、当該特別図柄抽選により生起される特賞状態(特殊有利区間開始契機特賞状態)を1回目として、リミッタカウンタによる特賞状態が生起された回数のカウント(作動)が開始される。
【0103】
そして、リミッタカウンタは、カウント値Rが20回(リミッタ回数)に達するまで、特賞状態が生起された回数のカウントを行う。
そして、リミッタカウンタの作動中には、カウント値Rが20回に達する前までに生起された特賞状態の終了後において、特別図柄抽選確率変動状態が生起される。また、特別図柄抽選確率変動状態が生起される際には、これに同期して、特別図柄変動時間短縮状態が生起される。
【0104】
一方、リミッタカウンタのカウント値Rが20回に達した場合には、当該20回目に係る特賞状態(特殊有利区間終了契機特賞状態)の終了後において、特別図柄抽選確率通常状態が生起される。また、特殊有利区間終了契機特賞状態の終了後には、当該特殊有利区間終了契機特賞状態を生起させた特別図柄抽選に係る当たり停止図柄の種類に応じて、特別図柄変動時間短縮状態又は特別図柄変動時間通常状態が生起される。
【0105】
図8に示すように、パチンコ機1では、特別図柄抽選確率変動状態及び特別図柄変動時間短縮状態が生起されている際には、普通図柄抽選確率変動状態、普通図柄変動時間短縮状態及び開放時間延長状態が生起される(以下、第1遊技状態とする)。第1遊技状態は、特別図柄抽選確率通常状態における特別図柄抽選に当選して当該特別図柄抽選の結果(当たり停止図柄)が特別図柄表示部281に表示された後からリミッタ回数(20回)の特賞状態が生起される前までの区間(特殊有利区間)において生起された各特賞状態の終了後に生起される。
【0106】
また、パチンコ機1では、特別図柄抽選確率通常状態及び特別図柄変動時間短縮状態が生起されている際には、普通図柄抽選確率変動状態、普通図柄変動時間短縮状態及び開放時間通常状態が生起される(以下、第2遊技状態とする)。第2遊技状態は、特殊有利区間終了契機特賞状態に係る当たり図柄が「時短当たり図柄」である場合に、当該特殊有利区間終了契機特賞状態の終了後に生起される。
【0107】
さらに、パチンコ機1では、特別図柄抽選確率通常状態及び特別図柄変動時間通常状態が生起されている際には、普通図柄抽選確率通常状態、普通図柄変動時間通常状態及び開放時間通常状態が生起される(以下、第3遊技状態とする)。第3遊技状態は、特殊有利区間終了契機特賞状態に係る当たり図柄が「通常当たり図柄」である場合に、当該特殊有利区間終了契機特賞状態の終了後に生起される。
【0108】
第1遊技状態では、普通図柄抽選確率変動状態及び普通図柄変動時間短縮状態普通状態が生起されることにより、普通図柄抽選の当選確率が向上するとともに、単位時間あたりに実行することが可能な普通図柄抽選の回数が増加するため、普通図柄抽選に当選して始動入賞口220が開放される可能性が高くなる。また、第1遊技状態では、開放時間延長状態が生起されていることにより、遊技球が第二始動口220に入賞する可能性が高くなる。
【0109】
さらに、第1遊技状態では、特別図柄抽選確率変動状態及び特別図柄変動時間短縮状態が生起されていることにより、特別図柄抽選の当選確率が向上するとともに、単位時間あたりに実行することが可能な特別図柄抽選の回数が増加するため、特別図柄抽選に当選して特賞状態が生起される可能性が高くなる。
これにより、第1遊技状態では、遊技者の特賞状態が生起されることに対する期待を向上することが可能となる。
【0110】
一方、第2遊技状態では、普通図柄抽選確率変動状態及び普通図柄変動時間短縮状態普通状態が生起されることにより、普通図柄抽選の当選確率が向上するとともに、単位時間あたりに実行することが可能な普通図柄抽選の回数が増加するため、普通図柄抽選に当選して始動入賞口220が開放される可能性が高くなる。しかしながら、第2遊技状態では、開放時間通常状態が生起されていることにより、遊技球が第二始動口220に入賞する可能性が低くなる。
【0111】
すなわち、第2遊技状態では、始動入賞口220が開放される可能性が高くなるが、遊技球が第二始動入賞口220に入賞する可能性が低くなる。
これにより、第2遊技状態では、第二始動入賞口220への遊技球の入賞に応じて払い出される賞球数が抑制され、払い出された賞球数が発射装置により発射された遊技球数を超えることを防止できる。
【0112】
一方、第3の遊技状態では、普通図柄抽選に当選して始動入賞口220が開放される可能性が低くなり、特別図柄抽選に当選して特賞状態が生起される可能性が低くなる。
以上のように、パチンコ機1では、開放時間延長状態の生起(開放時間延長制御の実行)が、特別図柄変動時間短縮状態の生起(変動時間短縮制御の実行)に同期していない。
これにより、特別図柄変動時間短縮状態の生起時において、遊技球が可変入賞装置に入賞する可能性を変化させることができる。
【0113】
具体的には、パチンコ機1では、特別図柄抽選確率変動状態が生起されている際には、開放時間延長状態及び特別図柄変動時間短縮状態の両方が実行される。一方、特別図柄抽選確率通常状態が生起されている際には、開放時間延長状態が実行されずに、特別図柄変動時間短縮状態が生起される。
【0114】
これにより、特別図柄変動時間短縮状態の生起時において、特別図柄抽選確率通常状態及び特別図柄抽選確率変動状態のうちいずれの状態が生起されているかに応じて、遊技球が可変入賞装置に入賞する可能性を変化させることができる。
したがって、パチンコ機1によれば、第二始動入賞口220による遊技性を向上することができ、遊技の興趣を向上することが可能となる。
また、パチンコ機1では、リミッタ回数目の特賞状態の終了後に特別図柄変動時間短縮状態が生起されるか否かが抽選により決定される。
したがって、パチンコ機1によれば、遊技の興趣をさらに向上することが可能となる。
【0115】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
図9は、変形例に係るパチンコ機の遊技状態の対応を示す図である。
例えば、上記実施形態に係るパチンコ機1では、図8に示すように、特別図柄抽選確率変動状態が生起されている際には、特別図柄変動時間短縮状態が生起される構成となっている。しかしながら、特別図柄抽選確率変動状態が生起されている際に、特別図柄変動時間短縮状態又は特別図柄変動時間通常状態を生起させる構成としても構わない。
この場合にも、開放時間延長状態の生起を、特別図柄抽選確率変動状態の生起に同期させ、特別図柄変動時間短縮状態の生起に同期させない構成とする。
【0116】
具体的には、図9に示すように、特別図柄抽選確率変動状態及び特別図柄変動時間短縮状態が生起されている際には、普通図柄抽選確率変動状態、普通図柄変動時間短縮状態及び開放時間延長状態を生起させる。一方、特別図柄抽選確率変動状態及び特別図柄変動時間通常状態が生起されている際には、普通図柄抽選確率通常状態、普通図柄変動時間通常状態及び開放時間延長状態を生起させる。
【0117】
これによって、特別図柄抽選確率変動状態中かつ特別図柄変動時間通常状態中には、遊技球が第二始動入賞口220に入賞する可能性が高くなるが、普通図柄抽選に当選する確率が低くなる。
したがって、第二始動入賞口220による遊技性がさらに向上され、遊技の興趣をさらに向上することが可能となる。
また、上記実施形態においては、本発明をパチンコ機1に適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 パチンコ機
10 遊技盤面
30 遊技領域
100 役物装置
31 中央転動経路
32 左側転動経路
33 右側転動経路
210 第一始動入賞口
220 第二始動入賞口
221 開閉部材
230 始動ゲート
240 大入賞口
241 開閉部材
280 遊技状態表示装置
310 始動入賞口スイッチ
311 始動ゲートスイッチ
313 大入賞口スイッチ
320 始動入賞口ソレノイド
321 大入賞口ソレノイド
350 賞球払出制御装置
400 主制御装置
500 副制御装置
410 CPU
420 ROM
430 RAM


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の入賞が不可能となる閉止状態と、遊技球の入賞が可能となる開放状態と、を形成することが可能な可変入賞装置と、
前記可変入賞装置への遊技球の入賞を契機として、特賞状態を生起させるか否かを決定する第1抽選を実行する抽選手段と、
前記第1抽選が実行された場合に、表示手段において、識別情報の変動表示を行った後に、当該第1抽選の結果に対応する態様による識別情報の停止表示を行う表示制御手段と、
遊技球による所定領域の通過を契機として実行された第2抽選に当選した場合に、前記可変入賞装置を前記閉止状態から前記開放状態へと変位させる入賞口開放遊技状態を生起させる入賞口開放遊技状態制御手段と、
前記入賞口開放遊技状態における前記可変入賞口が前記開放状態とされる時間を当該制御が実行されていない場合と比較して延長する開放時間延長制御を実行することが可能な開放時間制御手段と、
前記表示制御手段により前記識別情報の変動表示が行われる時間を当該制御が実行されていない場合と比較して短縮する変動時間短縮制御を実行することが可能な変動時間制御手段と、
前記第1抽選により前記特賞状態を生起させることが決定される確率が第1確率に設定される第1抽選確率状態と、前記前記第1抽選により前記特賞状態を生起させることが決定される確率が前記第1確率より高い第2確率に設定される第2抽選確率状態と、を生起させることが可能な抽選確率制御手段と、を備える遊技機であって、
前記開放時間制御手段は、
前記第2抽選確率状態が生起されている際に、前記開放時間延長制御を実行し、前記第1抽選確率状態が生起されている際に、開放時間延長制御を実行せず、
前記変動時間制御手段は、
前記第1抽選確率状態及び前記第2抽選確率状態のそれぞれが生起されている際に、前記変動時間短縮制御を実行することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記抽選確率制御手段は、
前記第1抽選確率状態における前記第1抽選に当選して当該第1抽選の結果に係る前記識別情報の停止表示が行われた後から予め定められた規定回数の特賞状態が生起される前までの特殊有利区間内に生起された特賞状態の終了後に、前記第2抽選確率状態を生起させるとともに、前記規定回数目の特賞状態の終了後に、前記第1抽選確率状態を生起させ、
前記変動時間制御手段は、
前記規定回数目の特賞状態の終了後の前記第1抽選確率状態が生起されている際に前記変動時間短縮制御を実行するか否かを、抽選により決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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