遊技機
【課題】遊技者に対して圧迫感を与えるといった不都合を生じさせることなく、球受け皿を遊技機前方へと膨出させて当該球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技機は上皿151を備えており、上皿151に貯留された遊技球は遊技者によってベットスイッチ38が押圧操作されることで取込装置によって取り込まれる。そして、取込装置によって予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つスタートレバーが操作されることでリール装置におけるリールの回転が開始される。この場合に、上皿151には、その周壁部162における手前側壁部193の一部を後退させて凹部195が形成されており、さらに凹部195の上縁には支持板部196が一体形成されている。そして、当該支持板部196にベットスイッチ38が吊り下げ支持されている。
【解決手段】遊技機は上皿151を備えており、上皿151に貯留された遊技球は遊技者によってベットスイッチ38が押圧操作されることで取込装置によって取り込まれる。そして、取込装置によって予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つスタートレバーが操作されることでリール装置におけるリールの回転が開始される。この場合に、上皿151には、その周壁部162における手前側壁部193の一部を後退させて凹部195が形成されており、さらに凹部195の上縁には支持板部196が一体形成されている。そして、当該支持板部196にベットスイッチ38が吊り下げ支持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として、遊技球を遊技媒体として用い、いわゆるスロットマシンに類似した遊技を行うことのできる球使用回胴遊技機(いわゆる、パロット)が知られている(例えば、特許文献1参照)。本遊技機は、予め定められた数の遊技球が取り込まれた後に、スタートレバーが操作されることで遊技が開始される。このとき、遊技の開始に伴いリール装置におけるリールの回転が開始され、その後遊技者によるストップボタンの押し操作に伴いリールの回転が停止される。そしてリール停止時の表示図柄に応じて遊技球の払出等が適宜行われる。
【0003】
上記球使用回胴遊技機は取込装置を備えており、さらに当該取込装置による遊技球の取り込みを開始させるべく操作される取込開始操作スイッチを備えている。つまり、取込開始操作スイッチが遊技者によって操作されることにより、取込装置による遊技球の取り込みが開始され、当該取込装置によって上記予め定められた数の遊技球が取り込まれる。
【0004】
本構成において、取込開始操作スイッチは球受け皿の手前側に配設されている。より詳細には、従来の球使用回胴遊技機790の遊技機前面部を示す図50にあるように、取込開始操作スイッチ791は球受け皿792が収容される収容ベース793における球受け皿792の手前側部分に配設されている。これにより、取込開始操作スイッチ791の操作性の向上が図られている。すなわち、球受け皿792及び収容ベース793はリールに付された図柄を視認可能とする窓部794よりも遊技機前方に膨出しており、上記位置に取込開始操作スイッチ791を配設することで遊技者にとっては自らが着席している位置に対してより近い位置で当該スイッチ791の操作を行うことができるからである。
【0005】
また、本遊技機790における取込開始操作スイッチ791はスロットマシンにおける仮想遊技媒体のベット設定を行うためのベット操作スイッチに対応しており、スロットマシンにおける当該ベット操作スイッチの操作性に対応させて取込開始操作スイッチ791は上方から押圧操作されるように配設されている。これにより、遊技者にとってはスロットマシンと同様の操作性で遊技を行うことができる。
【0006】
ここで、上記遊技機では球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保する必要がある。つまり、スロットマシンや、球使用回胴遊技機では、遊技回毎にベット設定を行う必要があり、スロットマシンにおいては1枚のメダルが1ベットとされるのに対して、球使用回胴遊技機においては複数個の遊技球が1ベットとされる。そのため、球使用回胴遊技機では、遊技に際して同等の有価価値を取り込む場合に遊技媒体数が多くなり、球受け皿の貯留容量が小さいと継続して遊技を行う場合に球受け皿への遊技球の補充を頻繁に行う必要が生じ、遊技者にとっては煩雑となってしまうからである。
【0007】
かかる状況において、球受け皿の貯留容量を極力大きく確保する手段としては、球受け皿を遊技機前方へとより膨出させる手段が考えられる。例えば、球受け皿の深さ寸法を大きくしたり、球受け皿の左右幅寸法を大きくする手段も考えられるが、前者においては遊技球が多数積み重なることで球詰まりが生じるおそれがあり、後者においては本遊技機を既存の島設備に設置することができなくなってしまうおそれがあるからである。
【0008】
しかしながら、球受け皿を遊技機前方へと膨出させるのに伴って収容ベースの前方への膨出量を増加させてしまうと、収容ベースが遊技者に近付き過ぎてしまい、遊技者に対して圧迫感を与えるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−81451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、遊技者に対して圧迫感を与えるといった不都合を生じさせることなく、球受け皿を遊技機前方へと拡張させて当該球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、遊技機前面部から前方に突出され、上方が開放された収容ベースと、
収容ベースに収容され、遊技球を貯留する球貯留部が形成された球受け皿と、
前記球貯留部に貯留された遊技球を取り込む取込装置と、
取込装置による遊技球の取込処理を開始させるべく押圧操作される取込操作装置と
を備えた遊技機において、
前記球受け皿にはその周壁前面部の一部に後方へ向けて凹部を形成し、
前記取込操作装置をその上部にて吊り下げ支持する支持板部を、前記凹部の上方を塞ぐようにして同凹部に一体形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、遊技者に対して圧迫感を与えるといった不都合を生じさせることなく、球受け皿を遊技機前方へと拡張させて当該球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施の形態における遊技機の全体を示す斜視図である。
【図2】遊技機の正面図である。
【図3】遊技機の内部開放状態を示す斜視図である。
【図4】遊技機の内部開放状態を示す斜視図である。
【図5】遊技機の背面図である。
【図6】遊技機本体とその開閉動作の概要を模式的に示す図である。
【図7】ドアブロックと受皿ブロックとを分離して示す斜視図である。
【図8】ドアブロックと受皿ブロックとを分離して示す斜視図である。
【図9】ドアブロックを構成する前扉体と内枠とを分離して示す斜視図である。
【図10】ドアブロックを構成する前扉体と内枠とを分離して示す斜視図である。
【図11】受皿ブロックの正面図である。
【図12】受皿ブロックの平面図である。
【図13】受皿ブロックの背面図である。
【図14】受皿ブロックの分解斜視図である。
【図15】受皿ブロックの分解斜視図である。
【図16】上皿とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図である。
【図17】上皿の平面図である。
【図18】図17のA−A断面図である。
【図19】ベットスイッチの設置に関する構成を説明するための図である。
【図20】本遊技機の操作性を説明するための図である。
【図21】排出操作伝達装置の構成を示す斜視図である。
【図22】排出操作伝達装置の構成を示す平面図である。
【図23】球通路形成体とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図である。
【図24】球通路形成体とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図である。
【図25】球留め装置の単体の構成を示す平面図である。
【図26】球留め装置を球通路形成体に装着した状態を示す図である。
【図27】球留め装置の操作状態と遊技球の流れとの関係を示す図である。
【図28】取込ユニットの斜視図である。
【図29】取込ユニットの斜視図である。
【図30】取込ユニットの分解斜視図である。
【図31】取込ユニットの分解斜視図である。
【図32】取込装置の内部構造を示す断面図である。
【図33】取込装置の分解斜視図である。
【図34】取込装置の分解斜視図である。
【図35】排出ゲート部材の構成を示す斜視図である。
【図36】排出ゲート部材の動作を説明するための説明図である。
【図37】取込装置の動作説明図である。
【図38】払出制御ユニットの分解斜視図である。
【図39】面替えブロックの斜視図である。
【図40】面替えブロックの斜視図である。
【図41】面替えブロックの正面図である。
【図42】面替えブロックの分解斜視図である。
【図43】面替えブロックの分解斜視図である。
【図44】前面枠の構成を示す斜視図である。
【図45】ベース板の構成を示す斜視図である。
【図46】リール装置の構成を示す斜視図である。
【図47】払出ブロックの斜視図である。
【図48】払出ブロックの背面図である。
【図49】遊技機の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図50】課題を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0015】
手段1.遊技機前面部から前方に突出され、上方が開放された収容ベース(膨出部27)と、
収容ベースに収容され、遊技球を貯留する球貯留部(底面部221〜224)が形成された球受け皿(上皿151)と、
前記球貯留部に貯留された遊技球を取り込む取込装置(取込装置301〜303)と、
取込装置による遊技球の取込処理を開始させるべく押圧操作される取込操作装置(ベットスイッチ38)と
を備えた遊技機において、
前記球受け皿にはその周壁前面部(手前側壁部193)の一部に後方へ向けて凹部(凹部195)を形成し、
前記取込操作装置をその上部にて吊り下げ支持する支持板部(支持板部196)を、前記凹部の上方を塞ぐようにして同凹部に一体形成したことを特徴とする遊技機。
【0016】
手段1の遊技機では、取込操作装置が押圧操作されることにより取込装置における遊技球の取込処理が開始される。この場合に、球受け皿にはその周壁前面部の一部に後方へ向けて凹部が形成されるとともに、同凹部には支持板部が一体形成されている。そして、当該支持板部に取込操作装置が吊り下げ支持されている。つまり、取込操作装置は遊技機前方に突出した位置に設けられ、上方から押圧操作可能となっている。これにより、遊技者にとっては自らが着席した位置に対して近い位置で取込操作装置の押圧操作を行うことができ、さらには本遊技機においてスロットマシンにおける操作性が担保されている。以上の構成により取込操作装置の操作性の向上が図られている。なお、取込操作装置を支持板部に吊り下げ支持する構成とすることで、取込操作装置が上方から押圧操作された場合にその押圧操作に伴う負荷が支持板部にて受けられる。
【0017】
また、以上のように球受け皿に凹部を形成して取込操作装置を設ける構成とすることで、取込操作装置の側方に球貯留部を設けることができる。これにより、収容ベースの突出量を増加させることなく、球受け皿の球貯留部を前方へ拡張させることができる。つまり、遊技者に対して圧迫感を与えるといった不都合を生じさせることなく、球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる。
【0018】
さらに、本構成においては、上記のとおり取込操作装置が球受け皿に設けられた支持板部に吊り下げ支持されているため、取込操作装置の側方に設けられる球貯留部を取込操作装置の手前側縁部に近接した位置まで拡張させたとしても取込操作装置の支持強度を十分確保することができる。例えば、支持板部が球受け皿ではなく収容ベースに設けられた構成において、取込操作装置の側方に設けられる球貯留部を取込操作装置の手前側縁部に近接した位置まで拡張させると、支持板部が収容ベースから球受け皿側に大きく延出した形状となり、その基端部の強度が低くなってしまう。これに対して、支持板部が球受け皿の凹部に対して同凹部の上方を塞ぐようにして一体形成されているため、支持板部を収容ベースに設ける場合に比べ基端部が広く確保され基端部の強度が高くなる。よって、上記のとおり取込操作装置の支持強度を十分確保することができる。
【0019】
手段2.手段1において、前記球受け皿における前記凹部の左右両側を前記球貯留部としたことを特徴とする遊技機。
【0020】
手段2によれば、球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる。この場合に、上記手段1の構成を備え、支持板部が凹部に対して同凹部の上方を塞ぐようにして一体形成されているため、支持板部を収容ベースに設ける場合に比べ取込操作装置の支持強度を十分確保することができる。
【0021】
手段3.手段1又は手段2において、前記凹部の前後方向の寸法が前記取込操作装置よりも大きくなるように前記凹部を形成したことを特徴とする遊技機。
【0022】
手段3によれば、少なくとも取込操作装置の前後方向寸法分、球貯留部を遊技機前方に拡張させることができる。また、この場合に上記手段1の構成を備え、支持板部が凹部に対して同凹部の上方を塞ぐようにして一体形成されているため、支持板部を収容ベースに設ける場合に比べ取込操作装置の支持強度を十分確保することができる。
【0023】
手段4.手段3において、前記球受け皿には前記周壁前面部の上端から手前側へ延出するフランジ部(フランジ194)を設けるとともに、前記収容ベースには前記フランジ部を下方から支持する支持部(開口周縁部27a)を設け、
前記支持板部の手前側周縁部(手前側周縁部196a)が前記フランジ部の一部を構成するように前記支持板部を形成したことを特徴とする遊技機。
【0024】
手段4によれば、球受け皿に設けられたフランジ部を収容ベースに設けられた支持部に支持させる構成とすることで、球受け皿の支持構造の簡素化が図られている。この場合に、支持板部の手前側周縁部がフランジ部の一部を構成している。よって、取込操作装置の重量及び当該取込操作装置の押圧操作に伴って支持板部にかかる負荷が収容ベースにおける支持部で受けられ、取込操作装置の支持強度を簡素な構成を利用して高めることができる。
【0025】
手段5.手段4において、前記フランジ部を前記周壁前面部の左右方向の全体に亘って連続的に形成するとともに、前記支持部を前記フランジ部の全体を支持するように連続的に形成したことを特徴とする遊技機。
【0026】
手段5によれば、球受け皿の支持強度が高められる。また、取込操作装置の重量及び当該取込操作装置の押圧操作に伴って支持板部にかかる負荷が左右方向に亘って設けられた支持部の全体で受けられ、取込操作装置の支持強度を高めることができる。
【0027】
手段6.手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記支持板部の手前側周縁部(手前側周縁部196a)を前記収容ベースによって下方から支持させたことを特徴とする遊技機。
【0028】
手段6によれば、取込操作装置の重量及び当該取込操作装置の押圧操作に伴って支持板部にかかる負荷が収容ベースによって受けられ、取込操作装置の支持強度を簡素な構成により高めることができる。
【0029】
手段7.手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記球貯留部の底面を遊技球が自重により前記取込装置への球出口(開口部164)に向けて流下するよう傾斜させ、
前記球受け皿における前記周壁前面部の一部を奥側に向けて先細りとなるように後退させて前記凹部を形成したことを特徴とする遊技機。
【0030】
手段7によれば、凹部が奥側に向けて先細り形状となっているので、球貯留部における球出口に向けた遊技球の流れが凹部によって阻害されてしまうことを抑制することができる。
【0031】
手段8.手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記支持板部の上面が所定方向に下り傾斜となるよう支持板部を形成するとともに、前記取込操作装置の上面が前記所定方向に下り傾斜となるよう取込操作装置を設置したことを特徴とする遊技機。
【0032】
手段8によれば、支持板部上や取込操作装置上に球貯留部に貯留された遊技球が載ったとしても、その遊技球は支持板部の上面や取込操作装置の上面の傾斜に沿って流下する。よって、支持板部上や取込操作装置上に遊技球が留まることにより取込操作装置の操作性が低下してしまうことを防止することができる。また、支持板部上や取込操作装置上に遊技球が留まっている状態で取込操作装置が押圧操作されると、当該取込操作装置の破損などが生じるおそれがあるが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止することができる。特に、上記手段1の構成を備え、取込操作装置の側方に球貯留部が設けられた構成においては、側方に球貯留部が設けられていない従来の遊技機に比べ、支持板部上や取込操作装置上に遊技球が載り易くなるが、かかる場合に上記不都合の発生を防止することができる。
【0033】
手段9.手段8において、絵柄を可変表示する絵柄表示装置(リール装置503)と、前記遊技機前面部における前記球受け皿の上方に設けられ前記絵柄表示装置における絵柄の可変表示を視認可能とする窓部(透明パネル22)と、前記絵柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー33)と、前記絵柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ35〜37)とを備え、
前記取込装置により予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つ前記始動操作手段が操作された場合に前記絵柄の可変表示を開始し、前記停止操作手段の操作後における停止絵柄に応じて前記球受け皿に遊技球を払い出すよう構成し、
前記支持板部の上面が遊技機前方斜め上方を向くように支持板部を形成するとともに、前記取込操作装置の上面が遊技機前方斜め上方を向くように取込操作装置を設置したことを特徴とする遊技機。
【0034】
手段9によれば、取込装置により予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つ始動操作手段が操作された場合に絵柄表示装置における絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段が操作された場合にその絵柄の可変表示が停止される。そして、停止絵柄に応じて球受け皿に所定数の遊技球が払い出される。
【0035】
この場合に、取込操作装置の上面が遊技機前方斜め上方を向いているので、取込操作装置の操作性の向上を図ることができる。つまり、本遊技機にて遊技を行う遊技者は遊技機の前方に着席して遊技を行うことが一般的である。また、球受け皿の上方に設けられた窓部を介して絵柄の可変表示を視認しながら停止操作手段を操作することが遊技の特徴となっているため、少なくとも遊技者の目の高さは球受け皿よりも上方にあり、さらに遊技者の肩の高さも球受け皿よりも上方にあるのが一般的である。この場合に、取込操作装置の上面が遊技機前方斜め上方を向いているので、遊技者は取込操作装置に向けて斜め下方に腕を動かすことで当該取込操作装置を無理なく押圧操作することができる。
【0036】
手段10.手段1乃至手段9のいずれかにおいて、所定条件が成立することにより前記球受け皿に遊技球を払い出す払出装置(払出装置608)を備え、
前記球受け皿の奥側壁部(奥側壁部191)に前記払出装置から払い出された遊技球が導入される球入口(排出口163)を設けるとともに、
同球入口と対向する位置に前記凹部を形成したことを特徴とする遊技機。
【0037】
手段10によれば、球入口から勢い良く遊技球が導入されたとしても、当該遊技球を凹部に衝突させて早めに減速させることが可能である。これにより、球貯留部における遊技球の挙動を安定させることができる。
【0038】
手段11.手段10において、前記球受け皿の球貯留部は、前記取込装置への球出口(開口部164)に向けて遊技球を整列させる奥側領域(右奥底面部224)と、同奥側領域に向けて遊技球を誘導する手前側領域(左手前底面部221、右手前底面部222)とを備え、
前記凹部を前記手前側領域内に形成したことを特徴とする遊技機。
【0039】
手段11によれば、凹部を備えた構成において、凹部とは無関係に奥側領域にて遊技球を球出口に向けて整列させることができる。
【0040】
手段12.手段1乃至手段11のいずれかにおいて、前記取込操作装置は、上下方向に延び上方に開放されたハウジング(ケース体271)と、ハウジングの上面開放部を塞ぐようにして設けられ、遊技者によって押圧操作されるスイッチ部(スイッチ片272)と、前記ハウジング内に設けられ、前記スイッチ部を上方へ付勢する付勢手段(バネ274)と、前記ハウジング内に設けられ、前記スイッチ部が押圧操作されたことを検出する検出手段(センサ275)とを備え、
前記凹部を形成する壁部(円弧状壁部195a)を、前記球受け皿の底部から上方に起立させて形成したことを特徴とする遊技機。
【0041】
手段12によれば、凹部を形成する壁部が球受け皿の底部から上方に起立させて形成されているので、上下方向に所定の厚みを有する取込操作装置を、余裕をもって設置することができる。
【0042】
手段13.手段1乃至手段12のいずれかにおいて、絵柄を可変表示する絵柄表示装置(リール装置503)と、前記遊技機前面部に設けられ前記絵柄の可変表示を視認可能とする窓部(透明パネル22)と、前記絵柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー33)と、前記絵柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ35〜37)とを備え、
前記取込装置により予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つ前記始動操作手段が操作された場合に前記絵柄の可変表示を開始し、停止後の停止絵柄に応じて前記球受け皿に遊技球を払い出すよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0043】
本発明は、遊技者により積極操作される始動操作手段や停止操作手段を備えた遊技機に好適に適用される。
【0044】
手段14.手段13において、前記収容ベースの手前側端面に前記始動操作手段及び前記停止操作手段が配設される操作領域(操作部30)を設け、
前記取込操作装置を前記始動操作手段よりも右方であって前記停止操作手段よりも左方に設置したことを特徴とする遊技機。
【0045】
手段14によれば、本遊技機においてスロットマシンにおける操作性が担保されている。また、かかる構成においては、取込操作装置が球受け皿の左右方向の途中位置に配置されることとなる。したがって、凹部の上方を塞ぐようにして支持板部を形成し、当該支持板部に取込操作装置を吊り下げ支持させることにより、球受け皿における取込操作装置の側方に球貯留部を設けることができる。特に、上記手段2を備えた構成においては、凹部の上方を塞ぐようにして支持板部を形成し、当該支持板部に取込操作装置を吊り下げ支持させることにより、球受け皿における取込操作装置の左右両側に球貯留部を設けることができる。
【0046】
以下に、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う、遊技球使用回胴遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
【0047】
本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)の取込を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。本遊技機には、遊技ホール等においてパチンコ機と共通の遊技球供給システムから遊技球の供給がなされるようになっており、パチンコ機が設置される既存の島設備(パチンコ島)に本遊技機を設置することが可能となっている。
【0048】
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3及び図4は遊技機1の内部開放状態を示す斜視図、図5は遊技機1の背面図である。なお以下の説明においては、特に注記しない限りは、遊技機1の正面から見た状態を基準として左右上下などの方向を記載することとする。
【0049】
遊技機1は、本体枠としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体部3とを有する。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなしている。本遊技機1を遊技ホールに設置する際には、外枠2が島設備に取り付け固定される。外枠2を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。図3等では隠れて図示されていないが、外枠2を構成する四辺の板材のうち右辺の板材には、その内側上下2カ所に、後述するドアブロック4に設けた施錠部材(詳しくは鉤金具123,124)を係止するための鉤受け部が設けられている。
【0050】
遊技機本体部3は、扉体ユニットであるドアブロック4と、球受皿ユニットである受皿ブロック5と、絵柄表示ユニットである面替えブロック6と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック7とから構成されている。ドアブロック4には上下2カ所にヒンジ金具8が設けられており、このヒンジ金具8と外枠2側の上下2カ所の支持金具9とにより、ドアブロック4(遊技機本体部3)が外枠2に対して回動可能に支持されている。この場合、遊技機1を正面から見て左側に回動軸線が設けられる構成となっており、遊技機本体部3は正面から見て右側を回動先端部として開放される。外枠2に対して遊技機本体部3が閉じた状態では、ドアブロック4の外周縁部の背面が外枠2の前面に当接するようになっている。
【0051】
受皿ブロック5はドアブロック4の背面側に着脱可能に取り付けられている。また、面替えブロック6はドアブロック4の背面側において受皿ブロック5の上方に取り付けられ、更に面替えブロック6を背面側から覆うようにして払出ブロック7が取り付けられている。これら面替えブロック6と払出ブロック7はドアブロック4の一部にそれぞれ回動可能に支持されており、これら各ブロック6,7は、外枠2に対してドアブロック4と一体で回動可能となるとともに、ドアブロック4に対して各々個別に回動可能となる構造を有する。
【0052】
遊技機本体部3を背面側から見て、ドアブロック4の背面には払出ブロック7と受皿ブロック5とが上下に並ぶようにして配設されている。
【0053】
ここで、遊技機本体部3を構成する上記の各部材について相対的な位置関係と動作状態を簡単に説明する。図6は遊技機本体部3を模式的に示す図面であり、(a)は遊技機本体部3を背面側から見た図、(b)〜(d)はドアブロック4に対する面替えブロック6と払出ブロック7の開放動作状況を示す図である。
【0054】
(a)に示すように、ドアブロック4に対して面替えブロック6や払出ブロック7を開放動作させるための軸線AX1は図の右側(正面から見ると左側)に設けられている。この軸線AX1は、面替えブロック6を支持するための軸線と払出ブロック7を支持するための軸線とを兼ねるものとなっている。この場合、図示のM1,M2は面替えブロック6を支持するための支持手段であり、M3,M4は払出ブロック7を支持するための支持手段である。つまり、面替えブロック6用の支持手段M1,M2は同軸で上下一対に設けられている。また、払出ブロック7用の支持手段M3,M4は、前記支持手段M1,M2を挟むようにしてやはり同軸で上下一対に設けられており、更に支持手段M1,M2に対しても同軸となっている。
【0055】
上記構成により、(b)〜(d)の各動作が可能となっている。(b)では、ドアブロック4に対して面替えブロック6と払出ブロック7とを一体的に開放動作させており、(c)では、(b)の状態から面替えブロック6に対して払出ブロック7を開放動作させている。また、(d)では、ドアブロック4に対して面替えブロック6を閉じた状態から、払出ブロック7だけを開放動作させている。
【0056】
(ドアブロック4の説明)
次に、ドアブロック4を図7等を用いて詳細に説明する。ここで、図7,図8は、ドアブロック4と受皿ブロック5とを分離してそれらを前方から及び後方から示す斜視図である。また、図9,図10は、ドアブロック4を構成する前扉体11と内枠12とを分離してそれらを前方から及び後方から示す斜視図である。なお以下のドアブロック4の説明では、図7〜図10以外にも、前述の図1や図2等を適宜用いることとする。
【0057】
ドアブロック4において、前扉体11は、前記外枠2とほぼ同等の大きさ(縦寸法及び横寸法)を有し、その背面側に重なるようにして内枠12が取り付けられている。内枠12は、例えばアルミダイキャストにて成形されており、前扉体11を補強する役目を有する他、後に詳述する面替えブロック6や払出ブロック7を支持する役目を有するものである。
【0058】
(前扉体11の説明)
前扉体11は、後述するリール図柄や液晶図柄等を視認可能とする図柄視認部、遊技に際し遊技者により手動操作される操作部、上皿部で余剰となった遊技球などを貯留するための下皿部を備える。
【0059】
すなわち、図9等に示すように、前扉体11の上半部には、図柄視認部として略台形状をなす視認窓21が形成されている。この視認窓21には、平坦な透明板よりなる透明パネル22がはめ込まれており、この透明パネル22を介してその内方が視認可能となっている。透明パネル22は、上下に分割され僅かに折り曲げ形成された二つのパネル部(上パネル部22a、下パネル部22b)を有するものであり、上パネル部22aはほぼ鉛直方向に設けられ、下パネル部22bは若干上方を向くようにして設けられている。上パネル部22aは、後述する液晶表示装置の前面を覆うものであり、この上パネル部22aを介して液晶表示装置の表示画像が視認される。また、下パネル部22bは、後述するリール装置の前面を覆うものであり、この下パネル部22bを介してリール装置の図柄が視認される。
【0060】
こうした比較的大型に構成される視認窓21(透明パネル22)によれば、大型の液晶表示装置を用いた画像の表示演出によって遊技者に多大なインパクトを与えることが可能になることに加え、本遊技機1の主表示装置たるリール装置の図柄の視認性が良好なものとなっている。
【0061】
前扉体11の周縁部には、視認窓21を囲むようにして透明パネル22よりも前方に張り出した囲い部23が設けられている。この囲い部23には、中央ランプ部24と左右一対の側方ランプ部25とが設けられるとともに、前扉体11の右上隅部及び左上隅部にスピーカ部26が設けられている。遊技に際しては、これらランプ部24,25やスピーカ部26により、その都度の遊技状況に応じたランプ演出や音声演出等が行われる。すなわち、ランプ部24,25による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ部26による音声パターンを適宜変更したりすることで、役の成立等が遊技者に告知される。また、このランプ部24,25やスピーカ部26を用いて、エラー告知等を行うことも可能である。
【0062】
ちなみに、前記視認窓21は、前扉体11の左右幅に対して囲い部23(左右の側方ランプ部25)を除く範囲で設けられており、故に視認窓21は左右に幅広いものとなっている。また言い加えると、視認窓21は、後述するリール装置や液晶装置の横幅よりも幅広となっている。
【0063】
視認窓21の下方には、当該視認窓21よりも遊技機前方に膨出した膨出部27が形成されており、当該膨出部27の前面には遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作部30が設けられている。この操作部30は、全体として横長状をなしかつ僅かに弧状をなしており、向かって左寄りの位置にスタートレバー33が設けられるとともに、中央部には、ストップスイッチ35,36,37が設けられている。
【0064】
スタートレバー33は、後述するリール装置の各リール(回転体)を回転開始させるための操作部材であり、各リールを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。
【0065】
ストップスイッチ35〜37は、停止対象となるリール(左、中、右の三列のリール)に対応するよう設けられており、回転中の各リールを個別に停止させるために操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ35〜37は、各リールが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、各リールの回転が停止すると消灯されるようになっている。
【0066】
操作部30には、正面から見て右下部に切欠部42が形成されている。この切欠部42は、後述する排出操作伝達装置180の操作レバー188を設置するための設置スペースとなっている。
【0067】
膨出部27には、上方に開口した横長状の開口部41が形成されている。この開口部41は、前扉体11に受皿ブロック5を装着した場合に上皿151を配するための開口領域であり、開口部41の左右方向の幅寸法は上皿151の左右方向の幅寸法に概ね合致し、同開口部41の前後方向の幅寸法は上皿151の前後方向の幅寸法よりも若干短いものとなっている。
【0068】
前記視認窓21(透明パネル22)と操作部30との間には、左右方向に延びる長板状のサブパネル部50が設けられており、そのサブパネル部50には情報表示部51と貸球操作部52とが設けられている。情報表示部51には、小役成立時における獲得球数を表示する獲得球数表示部53と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部54とが設けられている。これら表示部53,54は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0069】
貸球操作部52は、例えば本遊技機1の側方(例えば左方)に配置された縦長のカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、球貸し操作、カード等の返却操作及び有効度数の確認を行うものであり、球貸しボタン56と返却ボタン57と度数表示部58とが一体的に並設されている。この場合、球貸しボタン56は、カード(記録媒体)等に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン57は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部58はカード等の残額情報を表示するものである。
【0070】
前扉体11において、情報表示部51や貸球操作部52の左右の側方部には、その上方の囲い部23に比して奥側に後退するようにして弧状の凹み部61が設けられており、その凹み部61には、外枠2に対する遊技機本体部3(ドアブロック4)の施錠及び解錠を行うための施錠部材(詳細には、後述する内枠12に設けたキーシリンダ125)を前方に露出させるためのキーシリンダ設置穴62が設置されている。
【0071】
図1等で確認できるとおり左右の凹み部61は上皿151の直ぐ上方に位置する。そのため、仮に遊技ホールにおいて球貸しユニットから延びる球貸しノズル(いわゆる象の鼻)を介して上皿151に遊技球が貸し出されるような場合にも、その球貸しノズルと前扉体11との干渉を回避することができる。故に、遊技ホールでの設置状況を考えても有益な構成となっている。
【0072】
更に、前扉体11において、操作部30の下方には、前記囲い部23及び凹部61に連続するようにして膨出部70が形成されており、その膨出部70に囲まれるようにして下皿71と灰皿72が形成されている。膨出部70に囲まれた奥壁部73には下皿排出口74とスピーカ穴75とが形成されている。上皿151やその上流通路に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置から遊技球が払い出される場合、或いは、上皿151内に貯留されている遊技球に対して球抜き操作が行われる場合には、下皿排出口74を介して下皿71に遊技球が排出される。
【0073】
下皿71の底部には開口が形成されており、その開口には開閉板76が設けられている。また、膨出部70の略中央部には下皿用の球抜き操作片77が設けられている。球抜き操作片77は、下皿71に貯留している遊技球を下皿71の下方に置かれた球収容箱(いわゆるドル箱)に排出するための操作片であり、図示する通常位置から左方に操作されることで前記開閉板76が開位置にスライド移動し、下皿71内の遊技球の排出が行われる。その他、膨出部70において下皿71の左右両側方には下皿ランプ部78が設けられている。
【0074】
図10に示すように、前扉体11の背面側の構成として、前記視認窓21の左右両側には前記側方ランプ部25を収容するランプ収容部91が設けられている。このランプ収容部91は略角柱状をなしており、その内側面には、前記透明パネル22を後方より支持するためのパネル支持板材92が取り付けられている。
【0075】
関連して、ここで透明パネル22の取付の手順を説明する。視認窓21の下縁部にはパネル厚み分の幅でパネル受溝93が形成されており、前扉体11の後方から透明パネル22は、その下端部がパネル受溝93にはめ込まれるとともに、同上端部が前扉体11の背面部に当接される。そしてその状態で、左右のパネル支持板材92がビス等により取り付けられる。これにより、透明パネル22の前扉体11への取付が完了する。
【0076】
前扉体11の背面側において、視認窓21(透明パネル22)の下方には、前記開口部41の奥側縁部から後方に向けて突出するようにして突出板98が設けられている。
【0077】
(内枠12の説明)
図9や図10に示すように、内枠12は、前扉体11と相似形をなす矩形状をなしており、概ね等しい細幅の左枠部101、右枠部102及び上枠部103と、それらよりも広幅の下枠部104とを有する。これら各枠部101〜104に囲まれる部位が中央開口部105となっており、内枠12の背面側には、下枠部104の上縁部の一部を除く範囲で中央開口部105を囲むようにして一定高さのリブ106が形成されている。また、内枠12において、外周縁部には前方に直角に折れ曲がった返し部107が形成されている。前扉体11に対して内枠12を組み付けた際には、返し部107は前扉体11の外縁部の内側に重なり、それによって前扉体11と内枠12との間に空間が形成される。そしてこの空間を利用してランプ装置等が配設されるようになっている。
【0078】
前述したように本遊技機1は、正面から見て左側に回動軸線が設けられる構成となっており、上枠部103と下枠部104には前述のヒンジ金具8が上下2カ所に取り付けられている。
【0079】
また、左枠部101には、リブ106の先端部から後方に延びるようにして上下一対の軸金具110,111が所定間隔を隔てて取り付けられている。この軸金具110,111は、面替えブロック6や払出ブロック7を回動可能に支持するための金具部材である。軸金具110,111は共に略コ字状をなしており、軸金具110には上下に軸受け部110a,110bが形成され、軸金具111には上下に軸受け部111a,111bが形成されている。これら軸金具110,111の各軸受け部110a,110b,111a,111bには軸孔が形成されており、軸金具110,111は全ての軸孔が何れも同一の軸線上に配置されるようリブ106に固定されている。
【0080】
かかる場合、軸金具110の下側の軸受け部110bと軸金具111の上側の軸受け部111aとが面替えブロック6を支持するための面替えブロック支持手段に相当し、軸金具110の上側の軸受け部110aと軸金具111の下側の軸受け部111bとが払出ブロック7を支持するための払出ブロック支持手段に相当する。
【0081】
また、右枠部102には、ドアブロック4を開放不能な施錠状態で保持するための施錠装置が設けられている。すなわち、右枠部102の背面側には上下方向に延びる基枠121が固定されており、その基枠121には、当該基枠121に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆122が設けられている。連動杆122には鉤形状をなす上下一対の鉤金具123,124が設けられている。鉤金具123,124は、その中間部分が基枠121側に軸支されており、連動杆122が上方に移動することでその先端鉤部が下方に移動する構成となっている。
【0082】
基枠121には、解錠操作部たるキーシリンダ125が設けられている。このキーシリンダ125は前後方向に延びる向きで設けられており、前扉体11に内枠12を組み付けた際にはシリンダ前面(キー挿入孔の設置側)が前扉体11に設けたキーシリンダ設置穴62から露出することとなる。連動杆122を含む施錠機構と、キーシリンダ125と、キーシリンダ125に挿入されて所定方向に回動操作される操作キー(図示略)とが本遊技機1の施錠装置を構成する。なお、キーシリンダ125として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)を用いる構成としても良い。
【0083】
かかる場合、キーシリンダ125に操作キーを差し込んだ状態で、当該操作キーを時計回り方向に回動操作すると、連動杆122が上方に移動する(扉背面から見るとキーシリンダ125の回転部分が反時計回り方向に回るため)。これにより、連動杆122の鉤金具123,124の先端鉤部が下方に移動し、外枠2に対してドアブロック4が閉じている場合に、鉤金具123,124と外枠2側の鉤受け部との係止状態(すなわち施錠状態)が解除される。そして、外枠2に対してドアブロック4が開放可能となる。
【0084】
下枠部104には、前記前扉体11に設けた下皿排出口74に連通する連通口131が設けられるとともに、前記スピーカ穴75から前方に露出するスピーカ132が設けられている。その他、同下枠部104には、後方に突出する突起柱部133,134が設けられている。
【0085】
内枠12の背面側には、ドアブロック4の背面側に取り付けられる受皿ブロック5や払出ブロック7を固定するための固定手段が複数箇所に設けられている。すなわち、受皿ブロック5用の固定手段として、計5カ所の鉤金具(鉤金具136a,136b,136c,136d,136e)が設けられている。また、払出ブロック7用の固定手段として、計4カ所の鉤金具(鉤金具137a,137b,137c,137d)が設けられている。
【0086】
内枠12は、前扉体11に対してネジ等の締結具を用いて取付固定される。その状態を図8に示す。この場合、前扉体11の背面側に設けた突出板98と内枠12の下枠部104の上端部との間には、左右方向に延びる空間部が形成され、その空間部に、後述する受皿ブロック5の上皿151が組み込まれるようになっている。
【0087】
(受皿ブロック5の説明)
次に、受皿ブロック5について説明する。図11は受皿ブロック5の正面図、図12は受皿ブロック5の平面図、図13は受皿ブロック5の背面図、図14,図15は受皿ブロック5の分解斜視図(図14は前方から見た図、図15は後方から見た図)である。
【0088】
受皿ブロック5は、順次取り込まれる遊技球を一時的に貯留する機能を有する上皿151と、払出装置などから供給される遊技球を上皿や下皿などに流通させる機能を有する球通路形成体152と、遊技球の取込機能を有する取込ユニット153とを備えるものであり、その他、電気的な構成として電源装置156と払出制御装置157とを有してなる払出制御ユニット155を備えている。
【0089】
(上皿151の説明)
上皿151は、島設備の球貸し装置から貸し出された遊技球や、払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留するための皿部材を構成するものである。図16は、上皿151とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図であり、図17は、上皿151の平面図である。
【0090】
上皿151は横長の樋状に成形されており、底板部161とその周縁部を囲む周壁部162とよりなる。これら底板部161と周壁部162とにより囲まれて遊技球貯留領域が形成されている。周壁部162における奥側壁部191には、正面から見て左側の位置に排出口163が設けられている。また、底板部161には、正面から見て右側の位置に開口部164が設けられている。
【0091】
底板部161は前後二段に形成されており、更に前後それぞれの領域が左右二段に形成されている。詳しくは、底板部161は、前側の左側領域である左手前底面部221と、前側の右側領域である右手前底面部222と、後側の左側領域である左奥底面部223と、後側の右側領域である右奥底面部224とで構成されている。左手前底面部221と、左奥底面部223と、右奥底面部224とは、排出口163から開口部164に向けて下り傾斜となっている。右手前底面部222は、左手前底面部221に向けて下り傾斜となっている。また、両奥底面部223,224は前後方向に傾斜はなく、両手前底面部221,222は後側に向け下り傾斜となっている。なお、右手前底面部222には、該右手前底面部222に対し段差を有し、その段差を該右手前底面部222と右奥底面部224との境界線に収束させた段差状案内部165が形成されている。段差状案内部165は右手前底面部222と右奥底面部224を区画するとともに両底面部における遊技球の往来を規制し、右手前底面部222へ流入した遊技球が左手前底面部221へ流入するよう案内している。また、右奥底面部224において、下り傾斜方向に対する幅寸法は、段差状案内部165により設定されており、3個の遊技球が並ぶことが可能な大きさである。
【0092】
上記構成を踏まえ、上皿151における遊技球の流れを説明する。まず、排出口163から前側に向かい排出された遊技球は、左奥底面部223を経て左手前底面部221へ流れ込む。左手前底面部221は右後側に向けて下り傾斜となっているため、排出口163から前側に向かい排出された遊技球は、左奥底面部223→左手前底面部221→右奥底面部224という経路で下流に流れ得る。次に、排出口163から右手前底面部222に向かい排出された遊技球は、左奥底面部223及び左手前底面部221を経て右手前底面部222へ流れ込む。右手前底面部222は左後側に向けて下り傾斜となっているため、この後の遊技球の流れとしては、右手前底面部222に隣接する下流領域である左手前底面部221又は右奥底面部224への経路が考えられる。しかし、右手前底面部222には段差状案内部165があるため、遊技球が右奥底面部224へ流入することはない。また、前述の通り左手前底面部221は右後側に向けて下り傾斜となっているため、右手前底面部222へ流れ込んだ遊技球は、右手前底面部222→左手前底面部221→右奥底面部224という経路で下流側に流れる。また、排出口163から勢いなく排出された遊技球については、左奥底面部223へ流れ込む。左奥底面部223は右側に向けて下り傾斜となっているため、左奥底面部223→右奥底面部224という経路で下流側に流れる。図17において、払い出された遊技球の動きが二点鎖線により示されている。上記構成によれば、右奥底面部224へ流れ込む遊技球の経路が左奥底面部223と左手前底面部221からの2パターンに限定されるため、右手前底面部222からも右奥底面部224に流れ込む場合に比べ、右奥底面部224における遊技球の乱れを軽減することができる。
【0093】
上皿151の右奥底面部224には、2つの仕切部167,168が設けられており、この仕切部167,168に仕切られることで三列の案内通路171,172,173が形成されている。これら各案内通路171〜173は、前記開口部164に通ずるように設けられており、遊技球を各一列に整列する整列通路部を構成する。
【0094】
上皿151には、開口部164と各案内通路171〜173の一部とを上方から覆うようにしてカバー部材175が取り付けられる。カバー部材175は、各案内通路171〜173の高さ方向の寸法を概ね遊技球1個分に規制するための部材であり、このカバー部材175を上皿151に取り付けることにより、各案内通路171〜173において遊技球が1つずつ取り込まれるようになる。カバー部材175は、その下方の遊技球の有無を視認可能にすべく透明材料にて成形されている。
【0095】
周壁部162は、底板部161の周縁から上方に起立するように当該底板部161に対して一体形成されている。周壁部162における左右の両側壁部192a,192b及び手前側壁部193には、その上縁から外方へと延出する一連のフランジ194が一体形成されている。フランジ194は、その全体が前扉体11の膨出部27に一体形成された開口周縁部27a上に当接されている。つまり、フランジ194は開口周縁部27aによって下方から支持されている。これにより、上皿151の荷重が膨出部27(前扉体11)により受けられている。
【0096】
手前側壁部193における左右方向の途中位置であって、奥側壁部191に形成された排出口163と対向する位置には、円弧状に後退させて形成された凹部195が設けられている。凹部195を形成する円弧状壁部195aは底板部161の手前側から連続するようにして形成されており、凹部195によって形成される空間は底板部161によって遮られておらず下方に開放されている(図19参照)。凹部195の上縁には、当該上縁全体から前方に延出させて支持板部196が一体形成されており、当該支持板部196にはベットスイッチ38が吊り下げ支持されている。なお、円弧状壁部195aは、奥側に向けて下り傾斜となっている。
【0097】
ここで、支持板部196及びベットスイッチ38、さらにはこれらに関する構成ついて図18及び図19を用いて説明する。図18は、図17のA―A線断面図であり、図19は、ベットスイッチ38の設置に関する構成を説明するための図である。
【0098】
ベットスイッチ38は、遊技者によるベット(賭数)の設定を行わせるものであり、その押圧操作により上皿151に貯留された遊技球が所定個数分取り込まれる。本実施の形態では、ベットスイッチ38として、いわゆるMAXベットスイッチを設けており、有効な1回の押圧操作により3ベット相当(15個分)の遊技球が取り込まれる。ベットスイッチ38は、投資価値としての遊技球の投入を指令する投入指令手段を構成する。
【0099】
ベットスイッチ38は、図18に示すように、上下方向に延びるケース体271を備えている。ケース体271は、上方に開放されており、その上方開放部を塞ぐようにしてスイッチ片272が設けられている。スイッチ片272は上下方向に移動可能に設けられており、スイッチ片272の下方であってケース体271内にはスイッチ片272の移動に伴って一体的に移動する連動部材273が設けられている。ケース体271内には連動部材273を上方へと付勢するバネ274が設けられており、当該バネ274の付勢力によって連動部材273及びスイッチ片272が上方に規制されている。また、ケース体271の内壁には段差部271aが設けられており、連動部材273に設けられた係止片273aが段差部271aに当接することで、連動部材273及びスイッチ片272の上方への移動が規制されている。以上の構成であることにより、ベットスイッチ38の非操作時においてはスイッチ片272がバネ274によって付勢された所定位置にあり、遊技者によって押圧操作されることによりバネ274の付勢力に抗してスイッチ片272が下方に移動する。この場合に、ケース体271内には、スイッチ片272の下方への移動を検出するセンサ275が設けられており、当該センサ275によってスイッチ片272が押圧操作されたことが検出される。
【0100】
支持板部196には、上下に貫通した貫通孔197が形成されており(図18参照)、当該貫通孔197に貫通させてベットスイッチ38が設置されている。この場合に、ベットスイッチ38のケース体271には、その側壁の上部に挟持部271bが一体形成されており、挟持部271bによって支持板部196における貫通孔197の周縁部を挟持することでベットスイッチ38が支持板部196に対して固定されている。貫通孔197に対して上方にはスイッチ片272が突出し、貫通孔197に対して下方にはケース体271が突出している。すなわち、ベットスイッチ38は、凹部195によって形成される収容領域Sにケース体271が収容されるようにして支持板部196によって吊り下げ支持されている。
【0101】
以上の構成において、凹部195の前後方向寸法及び支持板部196の前後方向寸法は、ベットスイッチ38よりも大きく設定されている。また、支持板部196の手前側周縁部196aは、上皿151のフランジ194の一部を構成している。つまり、ベットスイッチ38は上皿151の球貯留領域側へ入り込むようにして設置されており、ベットスイッチ38の左右両側には球貯留領域(左手前底面部221)が位置している。これにより、前扉体11における膨出部27を極端に前方へと膨出させることなく、上皿151の球貯留領域の拡張が図られている。
【0102】
ベットスイッチ38が上皿151の球貯留領域側へ入り込むようにして設置された構成においては、ベットスイッチ38上や支持板部196上に上皿151に貯留された遊技球が載る可能性がある。この場合に、その遊技球がベットスイッチ38上や支持板部196上に留まらない構成となっている。つまり、図19に示すように、支持板部196は、その上面が遊技機前方斜め上方を向くように手前側端部に向けて下り傾斜となるよう形成されており、さらにベットスイッチ38はスイッチ片272の上面が遊技機前方斜め上方を向くように傾斜させて設置されている。したがって、ベットスイッチ38上や支持板部196上に遊技球が載ったとしても、当該遊技球は傾斜に沿って下り、載った位置にて留まらない。例えば、ベットスイッチ38上や支持板部196上に遊技球が留まると、ベットスイッチ38の操作性の低下や、ベットスイッチ38の破損などといった不都合が発生するおそれがあるが、上記構成とすることによりかかる不都合の発生を防止することができる。
【0103】
また、ベットスイッチ38のスイッチ片272の上面が遊技機前方斜め上方を向く構成とすることにより、ベットスイッチ38の操作性の向上が図られている。つまり、本遊技機1にて遊技を行う遊技者は遊技機1の前方に着席して遊技を行うことが一般的であり、遊技者の目及び肩の高さは上皿151よりも上方にある。かかる場合に、スイッチ片272の上面が遊技機前方斜め上方を向いていることにより、遊技者はスイッチ片272に向けて斜め下方に腕を動かすことでスイッチ片272を無理なく押圧操作することができるからである。
【0104】
上記のとおり凹部195が設けられた位置は排出口163と対向する位置である。したがって、上皿151への遊技球の排出に際して勢い良く遊技球が排出されたとしても、当該遊技球は排出口163に対して近い位置にある凹部195に衝突することで早めに減速される。また、凹部195が上記位置にあることにより、図1等に示すようにベットスイッチ38はスタートレバー33の右方であってストップスイッチ35〜37の左方に位置している。これにより、遊技者にとっては既存の一般的なスロットマシンと同様の操作性で本遊技機1の遊技を行うことができる。
【0105】
かかる操作性に関して図20を用いて説明する。図20(a)は本遊技機1の全体を示す斜視図であり、図20(b)は一般的なスロットマシン750の全体を示す斜視図である。
【0106】
先ず図20(b)を用いてスロットマシン750について簡単に説明する。スロットマシン750は、本遊技機1と同様にリール装置を備えており、スタートレバー751の操作に基づいてリールの回転が開始され、ストップスイッチ752,753,754が操作されることにより、リールの回転が停止される。この場合に、スロットマシン750においては遊技媒体としてメダルが用いられており、遊技者によるベット設定は、投入口755に対してメダルが投入されることにより、又は仮想遊技媒体として遊技者の持ちメダルがスロットマシン750内部に貯留されている場合にはベットスイッチ756が操作されることにより行われる。かかる構成において、ベットスイッチ756はスタートレバー751の右方であってストップスイッチ752〜754の左方の位置にて上方から押圧操作されるように配設されている。したがって、仮想遊技媒体が貯留されている場合には、遊技者はベットスイッチ756を上方から押圧操作し、その後、左下方に腕を動かしてスタートレバー751を叩き操作した後に、右方に腕を動かしてストップスイッチ752〜754を押圧操作する。
【0107】
これに対して、本遊技機1では図20(a)に示すように、スタートレバー33の右方であってストップスイッチ35〜37の左方の位置にて上方から押圧操作されるようにベットスイッチ38が配設されている。したがって、遊技者はベットスイッチ38を上方から押圧操作し、その後、左下方に腕を動かしてスタートレバー33を叩き操作した後に、右方に腕を動かしてストップスイッチ35〜37を押圧操作する。つまり、本遊技機1における各種操作部材の操作性は、一般的なスロットマシン750における仮想遊技媒体が貯留されている場合の各種操作部材の操作性と同一となっている。
【0108】
上皿151の底部には、後述する取込ユニット153の排出ゲート部材340を操作して上皿151内の貯留球を下皿71に排出するための排出操作伝達装置180が取り付けられる。ここで、排出操作伝達装置180の構成を図21、図22を用いて説明する。
【0109】
(排出操作伝達装置180の説明)
図21、図22に示すように、排出操作伝達装置180において、ケース体181には2つの軸部182,183が設けられており、その軸部182,183にはそれぞれ第1リンク片184と第2リンク片185が回動可能に支持されている。これら第1,第2リンク片184,185は各々の一部分が互いに連結されており、第1リンク片184に連動して第2リンク片185が回動する。第1リンク片184には引張バネ186が設けられており、第1リンク片184は引張バネ186のバネ力により常に同方向(図では反時計回り方向)に付勢されている。また、ケース体181の手前側端面には、左右方向に移動可能な操作レバー188が設けられており、この操作レバー188に一体に設けられた支柱部188aが第1リンク片184に設けられた孔部184aに挿通されている。故に、操作レバー188のスライド操作に伴い第1リンク片184が軸部182を中心に回動する。
【0110】
上記構成の排出操作伝達装置180では、遊技者等により操作レバー188が図示の位置から左方(図22のP1方向)にスライド操作されることにより、第1リンク片184が引張バネ186のバネ力に抗して図の時計回り方向(図22のP2方向)に回動するとともに、第2リンク片185が反時計回り方向に回動(図22のP3方向)する。これにより、第2リンク片185の回動先端部が後方側(図22のP4方向)へと移動する。また、操作レバー188の操作が解除されると、引張バネ186のバネ力により第1リンク片184が図の反時計回り方向に回動するとともに、第2リンク片185が時計回り方向に回動する。これにより、排出操作伝達装置180が元の状態に復帰する。こうした排出操作伝達装置180の動作により、後述する取込ユニット153の排出ゲート部材340が操作され、取込ユニット153を介しての遊技球の排出(実際には遊技球の下皿71への排出)が行われるようになっている。
【0111】
(球通路形成体152の説明)
次に、球通路形成体152について説明する。図23及び図24は、球通路形成体152とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図である。
【0112】
球通路形成体152の背面側には、遊技球を下皿71に排出するための下皿排出通路201と、遊技球を遊技機外部(遊技ホールの島設備)に排出するための外部排出通路202とが並列に形成されている。下皿排出通路201は、球通路形成体152の前面側に設けた排出口203に通じており、下皿排出通路201を流下する遊技球は、排出口203を介して下皿71へと排出されることとなる。また、下皿排出通路201と外部排出通路202の最上流部付近には、上皿151の排出口163に通ずる排出通路204が形成されている。
【0113】
球通路形成体152の背面側には、下皿排出通路201と外部排出通路202とを塞ぐようにして通路カバー部材206が取り付けられるとともに、これら各通路201,202の最上流部において、遊技球を、下皿排出通路201、外部排出通路202、排出通路204のいずれかに分配するための遊技球分配部材210が取り付けられる。この遊技球分配部材210には、3つの通路211,212,213が設けられており、遊技球分配部材210が球通路形成体152に取り付けられた状態では、通路211が下皿排出通路201に連通され、通路212が外部排出通路202に連通され、通路213が排出通路204に連通される。
【0114】
球通路形成体152において前記下皿排出通路201の最下流部よりも先方には、取込ユニット153を収容するための略正方形状の開口部215が形成されている。その開口部215の下方には、遊技球が取込ユニット153にて取り込まれた後排出される球排出室216が形成されている。球排出室216は外部誘導通路217に通じており、球排出室216に排出された遊技球は、更に外部誘導通路217を介して遊技球外部(遊技ホールの島設備)に排出される。また、球排出室216の側方には、遊技者による排出操作(前記排出操作伝達装置180のレバー操作)に伴い排出される遊技球を排出口203に導くための排出誘導通路218が形成されている。
【0115】
球通路形成体152の前面側には、前記上皿151の底面に重なるようにして球留め装置240が設けられている。図25は球留め装置240の単体の構成を示す平面図であり、図26は球留め装置240を球通路形成体152に装着した状態を後方側から示す背面図である。なお、球留め装置240の動作状態として、図25の(a)と図26の(a)とが対応し、図25の(b)と図26の(b)とが対応している。
【0116】
球留め装置240は、球通路形成体152に固定される本体部241と、該本体部241上に載置され図25の左右方向に往復動可能な可動部242と、可動部242を左右方向に往復動させるべく回動操作される操作レバー部243とを有している。そして、この球留め装置240は、操作レバー部243が後側になるようにして球通路形成体152に組み付けられている。
【0117】
可動部242には、同一方向に並ぶようにして3つのアーム部244,245,246が形成されている。各アーム部244〜246はそれぞれ二股に分岐されており、その先端には上方(図25では紙面手前側)に折れ曲がるようにして起立する各2個ずつの起立部247,248,249が形成されている。可動部242に形成された各アーム部244〜246の間隔は、前記上皿151に形成した3つの案内通路171〜173に合致しており、各案内通路171〜173に通じる開口部164から前記各アーム部244〜246の起立部247〜249が現出するようになっている。
【0118】
操作レバー部243は、その軸部251が本体部241に支持されており、概ね90度の角度範囲内で回動操作可能となっている。軸部251には、その軸心から90度の角度で放射状に延びる突起片252a,252bが形成されており、その突起片252a,252bが可動部242に形成されたギャップ253内に収容されている。ギャップ253の左右方向の幅は、ほぼ軸部251の直径と突起片252a又は252bの長さとを合わせた寸法となっている。この場合、図26の(a)の状態では一方の突起片252bの先端がギャップ253の内壁に当たり、操作レバー部243の回動操作によって図26の(b)の状態に移行すると、他方の突起片252aの先端がギャップ253の内壁に当たることとなる。これにより、可動部242が左右方向に移動する。図25で言えば、可動部242の左右方向の移動によって、可動部242の各アーム部244〜246の先端突出量が(a),(b)で異なるものとなっている。(a)では先端突出量=L1であるのに対し、(b)では先端突出量=L2となっている(L1<L2)。
【0119】
操作レバー部243には、球通路形成体152の開口部215に装着された取込ユニット153をその装着状態で保持するためのホールド板片254が設けられている。このホールド板片254は、軸部251の軸心から延びる舌形状をなすものであり、操作レバー部243が回動操作されることにより、ホールド板片254が図26の(a),(b)に示す各位置に操作されるようになっている。
【0120】
ここで、操作レバー部243の操作位置と取込ユニット153との相互の関係を説明する。操作レバー部243が図26の(a)に示す状態にある場合、操作レバー部243に一体的に設けられたホールド板片254の回動先端部が取込ユニット153の背面に当たっている。これが取込ユニット保持位置(ロック位置)である。この状態では、取込ユニット153が球通路形成体152に装着された状態で保持され、取込ユニット153の取り外しができないようになっている。これに対し、操作レバー部243が図26の(b)に示す状態に移行すると、ホールド板片254の回動先端部が取込ユニット153の背面に当たる状態が解除される。これが取込ユニット取り外し位置(アンロック位置)である。これにより、取込ユニット153の取り外しが可能となっている(図26の(b)には取込ユニット153を取り外した状態を図示している)。
【0121】
図27には、球留め装置240の操作状態と遊技球の流れとの関係を示す。図27において、(a)は通常の遊技状態を示しており、当該状態は前記図26の(a)や前記図25の(a)に対応している。また、(b),(c)は取込ユニット153の取り外し可能状態及び取り外し後状態を示しており、当該状態は前記図26の(b)や前記図25の(b)に対応している。
【0122】
図27の(a)の状態では、前記図25の(a)に示したとおり可動部242の各アーム部244〜246の先端突出量が比較的少なく、それ故に上皿151の案内通路171〜173から供給される遊技球の流れが阻止されることはない。したがって、遊技球が次々と取込ユニット153側に送り込まれる。
【0123】
これに対し、図27の(b)の状態では、前記図25の(b)に示したとおり可動部242の各アーム部244〜246の先端突出量が比較的大きく、それ故に上皿151の案内通路171〜173から供給される遊技球の流れが各アーム部244〜246の先端部(起立部247〜249)で阻止される。この状態では、遊技球が取込ユニット153側に送り込まれることがないため、(c)に示すように、取込ユニット153を取り外したとしても、上皿151内の遊技球が落下することが防止される。
【0124】
図24や図25に示すように、球通路形成体152の背面側には、本受皿ブロック5をドアブロック4に装着した状態で固定するための装着固定手段(ロック部材261a,261b,261c,261d,261e)が複数箇所に設けられている。すなわち、ロック部材261a〜261eは、前記内枠12の鉤金具136a〜136e(図10参照)に対応する位置に計5カ所設けられ、それぞれ各鉤金具136a〜136eに係止される係止片を有して構成されている。この場合、鉤金具136a〜136eに対して各ロック部材261a〜261eの係止片を係止状態にすることでドアブロック4に受皿ブロック5が装着固定され、その係止状態を解除することでドアブロック4から受皿ブロック5が取り外しできるようになっている。
【0125】
球通路形成体152の前面側には、内枠12に設けた突起柱部133,134を受けるための支柱受け部263,264が形成されている。また、球通路形成体152の上部には、横長薄板状のシート板265が取り付けられる。このシート板265は、球通路形成体152に上皿151を装着した状態で球通路形成体152の上部に取り付けられる。
【0126】
シート板265によれば、上皿151の奥側一部に上蓋が設けられるようになる(図7等参照)。このシート板265による上皿151の被蓋部分は、受皿ブロック5をドアブロック4に装着した状態で上皿151がドアブロック4の内部に隠れる部位に相当している。つまり、受皿ブロック5をドアブロック4に装着した状態では、ドアブロック4(前扉体11)に設けられた開口部41の前後方向の幅寸法(A)と上皿151前後方向の幅寸法(B)とがA<Bであるため(A,Bは左右方向の同一箇所での寸法比較)、上皿151の奥側一部がドアブロック4の内側に没入することとなる。この場合、上皿151においてドアブロック4内側に没入した部位が上方に開放されたままであると、上皿151の手前側から奥側に入れた指や不正工具等が上皿奥側の上方開放部分を通じて遊技機内部に差し入れられ、その遊技機内部において不正行為などが行われるといった不都合が懸念される。この点、上記のとおりシート板265が設けられることにより、指や不正工具等を上皿151を通じて遊技機内部に差し入れることによる不正行為が抑制できる。要するに、シート板265は、上皿151と遊技機内部の空間(前扉体11の内側領域)との間を遮蔽する遮蔽部材となっている。
【0127】
なお、シート板265は透明板で構成される。したがって、上皿151の一部がシート板265で隠されたとしても上皿151の内部確認(汚れや破損等の確認を含む)が容易となる。
【0128】
(取込ユニット153の説明)
取込ユニット153は、遊技者による操作に基づき遊技球を所定個数ずつ取り込むための取込手段を構成するものであり、該取込ユニット153による所定個数分の遊技球の取込により毎回の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。
【0129】
図28は取込ユニット153を手前側から見た斜視図、図29は同取込ユニット153を後方側から見た斜視図、図30,図31は同取込ユニット153の分解斜視図である。取込ユニット153には3個の取込装置301,302,303が重なるようにして設けられており、取込ユニット153は全体として略立方体形状となっている(以下の説明では、図28において手前側に位置する取込装置301を「第1取込装置」、中央に位置する取込装置302を「第2取込装置」、奥側に位置する取込装置303を「第3取込装置」とも言う)。
【0130】
各取込装置301〜303の上面には、上方に開放されて外部に露出した状態で入口通路305,306,307が三列に形成されている。これら入口通路305〜307は、取込ユニット153における遊技球入口部を構成するものであり、受皿ブロック5としての完成状態では、上皿151から供給される遊技球が先ずは入口通路305〜307に案内され、その後一列に並んだ状態で順次取り込まれる。同完成状態では、上皿151に設けた開口部164(図17参照)を通じて上方から入口通路305〜307が視認可能となっている。取込ユニット153の側面には各取込装置301〜303を結合させるための結合板308が取り付けられている。
【0131】
(取込装置301〜303の説明)
次に、各取込装置301〜303の構成を説明する。ただし、各取込装置301〜303は、概ね同様の構成をしているため、ここでは基本的に第1取込装置301を例に挙げて説明する。図32は、取込装置301の内部構造を示す断面図、図33,図34は、取込装置301を分解して示す斜視図である。なお、以下の説明では便宜上、図32に示す状態で上下左右の各方向を記載する。
【0132】
取込装置301は、合成樹脂成型品よりなる表裏一対のハウジング部材311,312を備えている。これら両ハウジング311,312がネジ等により結合されることにより略四角箱状の筐体が形成され、その内部空間に、後述する遊技球通路が形成されるとともに該通路を開閉するための開閉ゲート機構などが収容されるようになっている。各ハウジング311,312は、カーボン入りの黒色の樹脂材料により成型されている。以下説明の便宜上、ハウジング部材311を「第1ハウジング」、ハウジング部材312を「第2ハウジング」ともいう。
【0133】
因みに、各ハウジング311,312は透明な樹脂材料で成形されていても良い。各ハウジング311,312を透明化することにより、両ハウジング311,312の結合を外すことなく、取込装置内部の遊技球通路や開閉ゲート機構などの他、通路内に貯留された遊技球を視認することができるようになる。
【0134】
第1ハウジング311及び第2ハウジング312の上面部には、それぞれ通路壁313,314が形成されており、両ハウジング311,312を結合させることで、相対向する通路壁313,314の間に前記入口通路305が形成される。入口通路305の底面は図32の左側に向けて下り傾斜となっている。
【0135】
第1ハウジング311側の通路壁313には円弧状の凹み部313aが形成される一方、第2ハウジング312側の通路壁314には前記凹み部313aに対向する位置に三角山状の突起部314aが形成されている。これら各通路壁313,314の凹み部313a及び突起部314aは、遊技球の流れを一定に整えるための整流部を構成するものである。入口通路305を下流側に流れる遊技球は、整流部に達すると、先ず突起部314aに衝突し、その後凹み部313aの内壁に衝突することで流れの向き(進路)を変更しながら流れる。こうして、入口通路305の整流部(凹み部313a及び突起部314a)において遊技球の流れの向きが変えられることで、遊技球の流れの勢いが減じられ、その後の流下速度が低減される。したがって、整流部の通過後における後述する遊技球検出の際の検出ミスが低減される。また、多数の遊技球が数珠繋ぎとなって取込装置301に取り込まれた場合に、整流部を通過すると、速度差によって隣接する遊技球間に間隔ができることから、複数の遊技球を1個の遊技球として誤検出する不具合もなくなる。すなわち、整流部の存在により、その通過後の遊技球検出が確実なものとなっている。
【0136】
取込装置301には、前記入口通路305の下流側において、第1ハウジング311と第2ハウジング312とにより囲まれるようにして取込通路315と排出通路316とが設けられている。これら取込通路315及び排出通路316は、入口通路305と同様に、遊技球を一列で通過させるに足りるだけの通路幅を有する。取込通路315は、入口通路305に連続して設けられ、その途中にて鉛直方向に折れ曲がるようにして形成されている。遊技者により所定の遊技開始操作が行われた際、毎回の遊技の開始条件とされる所定個数の遊技球がこの取込通路315を通じて取り込まれる。また、排出通路316は、取込通路315の折れ曲がり部分(コーナー部分)から当該取込通路315より分岐して設けられている。遊技終了に伴う精算時などにおいては、本取込装置301や上皿151に残留している遊技球がこの排出通路316を通じて遊技者に返還される(すなわち、上皿151等の球抜きが行われる)。
【0137】
なお、第1ハウジング311と第2ハウジング312は、厚さ方向の寸法が異なるものとなっており、入口通路305、取込通路315及び排出通路316は、大部分が第1ハウジング311側に形成されるようになっている。これにより、遊技球が実際に接触する経路は、両ハウジング311,312の境界部分(接合部分)から外れた部位となり、境界部分に溜まったゴミやほこり等により遊技球の流れが阻害されるといった不都合が回避されるようになっている。
【0138】
また、第1,第2ハウジング311,312には、入口通路305及び取込通路315に沿って一筋の突条部317が設けられている。この突条部317は、入口通路305及び取込通路315を通過する遊技球の外周面に接触するようにして通路の中央部(入口通路305にあっては高さ方向の中央部、取込通路315にあっては左右幅方向の中央部)に設けられている。突条部317の高さ(通路内部への突出寸法)は0.5mm程度であり、これにより入口通路305及び取込通路315の通路幅が狭められるようになっている。つまり、入口通路305及び取込通路315は基本的に通路幅が12mm程度であるが、突条部317を設けることにより、実質的な通路幅が11.5mm程度に狭められている。これにより、入口通路305及び取込通路315の内壁と遊技球との隙間間隔(遊び)を減らすことができ、安定した状態で遊技球が流下することとなる。特に、取込通路315においては、後述する遊技球検出が行われるため、その検出ミスを低減させることができる。ただし、突条部317は、第1,第2ハウジング311,312のいずれか一方にのみ設けられる構成であっても良い。前記整流部における突条部317の設置は任意である。
【0139】
ハウジング内部空間において取込通路315の側方には、当該取込通路315の鉛直方向部分に沿うようにして取込ゲート部材320が設けられている。取込ゲート部材320は、支軸321により回動可能に支持されており、その支軸321を支点とする回動により、該取込ゲート部材320の先端部に設けた爪部320aが取込通路315に対して出没する。このとき、取込通路315の通路壁には通路切欠部322が形成されており、その通路切欠部322を介して取込ゲート部材320の爪部320aが出没する。取込通路315に対して取込ゲート部材320の爪部320aが突出した状態である場合、取込通路315を介しての遊技球の通過が阻止される。また、取込通路315に対して取込ゲート部材320の爪部320aが没入した状態である場合、取込通路315を介しての遊技球の通過が許容される。
【0140】
かかる場合、取込ゲート部材320の爪部320aの出没位置が取込通路315におけるコーナー部分の直ぐ下流位置であるため、換言すれば通路切欠部322が取込通路315におけるコーナー部分の直ぐ下流位置に形成されているため、取込ゲート部材320の爪部320aが通路内に突出した状態(通過阻止状態)において、取込通路315のコーナー部まで流れてきた遊技球が該取込通路315の鉛直部分に流れ込むことがない構成となっている。
【0141】
ハウジング内部空間には、取込ゲート部材320の駆動源としてソレノイド325が配設されている。ソレノイド325は、本体部326と出力軸327とを主要構成部品として備えており、本体部326が通電されることにより出力軸327が伸縮方向に移動する。当該ソレノイド325は、取込ゲート部材320の右方において、出力軸327が下方へと突き出るように配設されている。また、ソレノイド325には、出力軸327を伸長状態で保持するためのコイルバネ328が設けられている。なお、ソレノイド325は、ソレノイドカバー329により第1ハウジング311に固定されている。
【0142】
ソレノイド出力軸327の先端部にはガイド331が取り付けられている。ガイド331には回動片332の一部が係合されており、同回動片332の他部が取込ゲート部材320の後端部に駆動連結されている。符号333は、回動片332のほぼ中央部に設けられ該回動片332を回動可能に支持する支軸である。
【0143】
本構成によれば、ソレノイド325への通電がない場合には、図示の如くコイルバネ328の付勢力によって出力軸327が伸長した状態で保持され、取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315内に突出した状態とされる。これにより、取込通路315が閉鎖される。一方、ソレノイド325が通電されると、コイルバネ328の付勢力に抗して出力軸327が縮み方向に移動する。よって、ガイド331及び回動片332を介して取込ゲート部材320が回動し(図32では時計回り方向に回動し)、取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315外に引っ込んだ状態とされる。これにより、取込通路315が開放される。また、ソレノイド325への通電を中止すると、コイルバネ328の付勢力によって出力軸327が伸長状態となり、取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315内に突出した状態に戻る。
【0144】
一方、第1,第2ハウジング311,312において排出通路316の入口位置には、それぞれ貫通孔337,338が設けられており、その貫通孔337,338を前後方向に貫通するようにして排出ゲート部材340が設けられている。排出ゲート部材340は、取込装置301〜303に個別に設けられるのではなく、全取込装置301〜303に共通に設けられるものとなっており、該排出ゲート部材340の作動状態によって、各取込装置301〜303において同時に遊技球の排出(球抜き)が許容又は阻止されるようになっている。
【0145】
ここで、排出ゲート部材340の詳細を図35に基づいて説明する。排出ゲート部材340は、全体として略長方形状をなしており、3カ所に略正方形状の開口部341,342,343が形成されている。これら開口部341〜343は各取込装置301〜303に設けられた排出通路316にそれぞれ対応するものであり、一定間隔を隔ててそれぞれ設けられている。なお、開口部341〜343は排出通路316の一部を構成する。この場合、排出ゲート部材340がその長手方向(取込ユニット153の前後方向)に移動することにより、排出通路316が閉鎖又は開放の状態とされる。すなわち、図36の動作説明図において、排出ゲート部材340が(a)に示す位置にある場合、排出ゲート部材340の壁板部により各取込装置301〜303の排出通路316が閉鎖され、当該通路316を通じての遊技球の排出が阻止される。また、排出ゲート部材340が(b)に示す位置に移動すると、排出ゲート部材340の開口部341〜343により各取込装置301〜303の排出通路316が一斉に開放され、当該通路316を通じての遊技球の排出が許容される。
【0146】
開口部341〜343の下方には、それぞれ球案内突部344,345,346が形成されている。この球案内突部344〜346の上面は、各開口部341〜343の底部上面に連続して同一角度で設けられており、その角度は排出通路316の入口部の傾斜角度に合致している。これにより、遊技球が開口部341〜343を介して排出通路316に流入する際には、球案内突部344〜346上を転がりながら遊技球が通過し、排出通路316への遊技球の流入がスムーズに行われることとなる。
【0147】
排出ゲート部材340の一方の端部にはバネ受け部347が形成され、他方の端部にはロッド部348が形成されている。かかる場合、図30等に示すように、第3取込装置303にカバー部材351が設けられ、そのカバー部材351と排出ゲート部材340のバネ受け部347との間にコイルバネ252が組み込まれる。なお、符号353はコイルバネ352を収容するためのバネ収容部である。符号354は、本取込ユニット153における電気配線等を一括して集め、主制御装置等に対して電気的に接続可能とする中継基板である。
【0148】
排出ゲート部材340は、コイルバネ352の付勢力によって一方向に常に付勢される。このとき実際には、排出ゲート部材340はコイルバネ352の付勢力により前記図36の(a)の状態で保持され、ロッド部348から力が加わると、排出ゲート部材340がコイルバネ352の付勢力に抗して図36の(b)の状態に移行する。
【0149】
図28等に示すように、取込ユニット153において第1取込装置301側にはロッド部348が突出している。このロッド部348の先端部は、前述した排出操作伝達装置180の第2リンク片185(図21参照)に当接するようになっており、当該排出操作伝達装置180において操作レバー188が操作され、それに伴い各リンク片184,185が動作すると、その動作がロッド部348に伝達される。これにより、排出ゲート部材340が動作する。
【0150】
排出ゲート部材340の一方の端部において、前記バネ受け部347の下方には、排出ゲート部材340の長手方向に延びる突起部355が形成されている。また、排出ゲート部材340の一端側に設けられるカバー部材351には排出ゲート検出センサ356が設けられる(図30参照)。この場合、前述のとおりコイルバネ352の付勢力によって排出ゲート部材340が一方向に常に付勢されている状態では、排出ゲート検出センサ356によって突起部355が検出されることはない。これに対し、排出ゲート部材340がコイルバネ352の付勢力に抗して移動することで、排出ゲート検出センサ356によって突起部355が検出される。つまり、排出ゲート検出センサ356は、排出ゲート部材340の操作状態(操作位置)を検出するための排出操作検出手段を構成するものとなっている。
【0151】
また、第1取込装置301には、取込通路315における遊技球の通過を検出するセンサユニット370が設けられている。センサユニット370の構成を図33,図34を用いて説明する。このセンサユニット370は、取込通路315を通過する遊技球数をカウントするための遊技球カウント手段を構成するものであり、発光素子と受光素子とからなる周知の光学式センサを備える。
【0152】
センサユニット370は、略コ字形状をなしており、第1,第2ハウジング311,312に跨るようにして組み付けられている。詳細には、センサユニット370は、取込装置301の厚さ方向に延びるセンサ本体部371と、該センサ本体部371の両端から各ハウジング311,312の外壁面に沿って取込通路315側に延びるアーム部372,373とを有している。センサ本体部371にはセンサ回路基板(図示略)が収容されており、そのセンサ本体部371の背面部にはセンサ回路基板上に設けたコネクタ端子374を外部に露出させるためのコネクタ穴371aが形成されている。
【0153】
アーム部372,373のうち一方には発光素子が収容されるとともに、他方には受光素子が収容されている。また、アーム部372,373の先端部には、互いに内側となる部位に上下一対のセンサ検出孔376,377が形成されている。この場合、アーム部372,373内には各2個ずつの発光素子と受光素子が収容されており、これら各素子はセンサ検出孔376,377を通じて発光及び受光を行うようになっている。
【0154】
第1,第2ハウジング311,312の外壁面には、前記センサユニット370の各アーム部372,373を設置するための嵌合溝378,379が形成されている。嵌合溝378,379には上下一対の透孔378a,379aが形成されている。各透孔378a,379aは、第1,第2ハウジング311,312を接合した状態で各々向き合うよう配置されている。そして、ハウジング接合状態で、各ハウジング311,312にセンサユニット370が組み付けられる場合には、アーム部372,373が各々対応する嵌合溝378,379に嵌合されるようにしてセンサユニット370がハウジング311,312に組み付けられる。この状態では、各アーム部372,373の先端部に設けたセンサ検出孔376,377の位置と、各ハウジング311,312の嵌合溝378,379に設けた透孔378a,379aの位置とが合致し、それらが向き合うようにして配置される。
【0155】
図32に示すように、ハウジング内部において、透孔378aは取込通路315内で中心から幾分オフセットした位置に設けられている(図示は略すが、透孔379aも同様)。この透孔378a(379a)の位置がセンサユニット370による遊技球検出位置である。この場合特に、透孔378a(379a)は、取込ゲート部材320の先端部に形成した爪部320aの真下位置(図32において取込通路315の右オフセット位置)に設けられており、取込ゲート部材320の爪部320aが没入側に移動しない限りセンサユニット370により遊技球が検出されることはないようになっている。仮に、透孔378a(379a)が取込通路315において逆側(図32において取込通路315の左オフセット位置)に設けられた場合を想定すると、取込ゲート部材320の爪部320aが突出位置にある状態での遊技球誤検出(排出通路316を通じての遊技球排出時の遊技球誤検出も含む)を防止するには透孔378a(379a)の位置を図示の位置よりも下方に下げる必要が生じるが、本遊技機1の上記構成によれば、透孔378a(379a)を取込ゲート部材320の爪部320aの近傍に配置することが可能となる。したがって、取込ゲート部材320の開放により流下する遊技球をいち早く検出することが可能となる。
【0156】
取込ゲート部材320が開放された状態で遊技球が取り込まれる際、センサユニット370において上下の各センサ素子(発光素子+受光素子)では、先に上流側のセンサ素子で遊技球が検出され、その後下流側のセンサ素子で遊技球が検出される。これら各センサ素子による検出信号は、遊技球の取込を管理する後述の主制御装置505に順に出力される。この場合、主制御装置505では、各センサ素子による遊技球検出信号によって正常に遊技球の取込が行われたかどうかが判定される。具体的には、所定の規定時間内に、上流側のセンサ素子→下流側のセンサ素子の順で遊技球の検出が行われた場合のみ、正常に遊技球の取込が行われたと判定される。
【0157】
仮に、上流側のセンサ素子による遊技球検出から下流側のセンサ素子による遊技球検出までの所要時間が規定時間よりも長い場合や、正常時とは逆に下流側のセンサ素子→上流側のセンサ素子の順で遊技球の検出が行われた場合には異常とみなされ、その旨が報知されるとともにそれ以降の遊技が停止される。したがって、例えば、遊技球やその他ダミー被検出物にひも等を付けて上下させることにより、あたかも複数の遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。
【0158】
上記のように、センサユニット370では各アーム部372,373のうち一方が発光部、他方が受光部となっており、それら発光部と受光部とが一体で設けられている。これにより、発光素子と受光素子との位置合わせ精度を高めることができ、遊技機の検出精度を良好なものとすることができる。また、各アーム部372,373を連結するセンサ本体部371にセンサ回路基板を設けるとともに、該センサ回路基板上に設けたコネクタ端子374によって外部基板との電気的な接続を可能としたため、発光素子や受光素子に繋がる信号線を統合してまとめることができ、さらに外部基板に対する配線の接続も容易なものとなる。
【0159】
また、取込通路315の最下流部には、取込ゲート部材320を通過した遊技球をセンサユニット370で検出した後、同遊技球を再度検出するための下流側取込センサ380が設けられている。この下流側取込センサ380は磁気検出タイプの近接センサにて構成されており、遊技球の通過に伴う磁界の変化により遊技球の通過を検出する。すなわち、板状のセンサ本体部381には貫通孔381aが設けられており、センサ本体部381では貫通孔381aを遊技球が通過する際の磁界の変化が検出されて電気信号として出力される。貫通孔381aは略真円状をなしており、その直径は取込通路315の幅寸法に概ね一致している。センサ本体部381にはコネクタ端子382が設けられている。
【0160】
下流側取込センサ380による検出信号は、前記センサユニット370の検出信号と同様、後述する主制御装置505に対して出力される。この場合、主制御装置505では、前記センサユニット370の検出信号と下流側取込センサ380の検出信号とに基づいて今回の遊技球取込の検出結果(センサユニット370による取込判定の結果)が正規なものかどうか、すなわち不正なものでないかどうかが判定される。具体的には、センサユニット370による球技球カウント数(例えば、一方のセンサ素子の検出結果による遊技球カウント数)と、下流側取込センサ380による遊技球カウント数とを比較し、それら各カウント数が一致する場合に、今回の遊技球取込の検出結果(センサユニット370による取込判定の結果)が正規であると判定する。これに対し、各カウント数が不一致となる場合に、今回の遊技球取込の検出結果(センサユニット370による取込判定の結果)が正規なものでなく、不正行為によるものであると判定する。
【0161】
取込装置301に対する不正行為として、センサユニット370に、遊技球の通過を誤検出させるように発光動作する不正装置を取り付けることが考えられる。例えば、実際の遊技球取込に関係なく点滅動作するような2つの発光体を備えてなる不正装置を取込装置301に取り付け、それら各発光体を所定順序で点滅させることで遊技球の通過を誤検出させるようにする。かかる不正行為がなされた場合、センサユニット370による遊技球検出だけでは不正行為による遊技球の誤検出を回避することが困難であった。この点、上記のように下流側取込センサ380の検出信号による不正確認によって、不正行為による遊技球の誤検出を回避することができる。
【0162】
取込通路315に、互いに検出方式の異なる2つのセンサ装置(センサユニット370、下流側取込センサ380)を設けたため、各センサ装置のいずれにおいても遊技球を誤検出させるようにすることは困難なものとなる。故に、取込装置301における不正対策が望ましいものとなっている。
【0163】
上述した取込装置301の各構成部材(排出ゲート部材340を除く、取込ゲート部材320、ソレノイド325を含むゲート駆動機構、センサユニット370等)は、入口通路305と取込通路315とのコーナー部分の内側領域に集約して配設されている。これにより、各構成部材を限られた領域内で効率良く配置することができ、結果として取込装置301の小型化(薄型化も含む)が実現できるようになっている。
【0164】
次に、図37を用い、第1取込装置301による実際の遊技球の取込動作を説明する。図37において(a)は初期状態を示し、(b)は遊技球の取込状態を示し、(c)は遊技球の排出状態を示す。なお、実際の遊技に際し、入口通路305には続々と遊技球が入ってくるが、図37の(a)〜(c)では、5個の遊技球のみを図示している。
【0165】
図37の(a)に示す初期状態では、ソレノイド325が非通電となっており、取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315内に突出している。また、排出ゲート部材340が非操作の状態にあるため、当該排出ゲート部材340によって排出通路316の入口が閉鎖されている。つまり、取込ゲート部材320及び排出ゲート部材340によって取込通路315及び排出通路316が閉状態となっており、これにより遊技球の通過が阻止されている。この場合、取込装置301内に入ってきた遊技球のうち、先頭の遊技球は取込ゲート部材320と排出ゲート部材340との両方に当たった状態で保持されている。
【0166】
また、図37の(b)に示す遊技球の取込状態では、ソレノイド325の通電により取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315から引っ込んだ状態となる。これにより、取込通路315の遊技球の通過が許容され、遊技球の取込が順次行われる。遊技球の取込が行われる際、入口通路305から取込通路315に入ってきた遊技球は通路閉鎖状態にある排出ゲート部材340に衝突し、その衝突により流れの勢いが減じられ、その後取込通路315の下流側へと流れる。このとき、取込通路315では前後する遊技球が互いに離間した状態で流下し、センサユニット370によって遊技球の通過が確実に検知される。
【0167】
さらに、図37の(c)に示す遊技球の排出状態では、遊技者による排出操作(実際には排出操作伝達装置180の操作レバー188の操作)によって排出ゲート部材340が動作して通路開放状態とされる(ただしこのとき、ソレノイド325は非通電状態にある)。これにより、排出通路316内における遊技球の通過が許容され、遊技球の排出(球抜き)が行われる。遊技球の排出が行われる際、取込通路315の鉛直部分の入口部は、取込ゲート部材320の爪部320aと排出ゲート部材340の球案内突部344とにより閉鎖され、それら爪部320aと球案内突部344との上を遊技球が通過する。このとき、遊技球はスムーズに流れ、遊技球の排出が好適に行われる。
【0168】
上記構成の取込装置が3連で設けられた取込ユニット153では、上皿151の案内通路171〜173から各取込装置301〜303にそれぞれ遊技球が供給され、遊技機前面のベットスイッチ37の操作に伴い各取込装置301〜303では各々で遊技球が取り込まれる。具体的には、例えば15個(マックスベット分)の遊技球が取り込まれる場合、全ての取込装置301〜303において同時に取込ゲート部材320が開放位置に操作され、遊技球の取込が一斉に開始される。このとき、各取込装置301〜303では遊技球が5個ずつ取り込まれる。
【0169】
ただし、3個の取込装置301〜303のうちいずれかの取込装置に遊技球が充填されていない場合、又はソレノイド325の故障などでいずれかの取込装置が正常に作動しない場合には、正常な取込動作を行うことができる残りの取込装置により遊技球の取込が行われる。例えば、第1取込装置301に遊技球が充填されていないとき又は同取込装置301のソレノイド325などが故障しているときには、第1取込装置301以外の取込装置(第2,第3取込装置302,303)によって15個の遊技球が取り込まれることとなる。
【0170】
一方、取込装置301〜303や上皿151に残っている遊技球を下皿71へ排出する場合には、遊技機前面の操作レバー188の操作に伴い排出ゲート部材340が操作されて各取込装置301〜303で一斉に遊技球の排出が行われる。
【0171】
(払出制御ユニット155の説明)
次に、払出制御ユニット155について説明する。図38は、払出制御ユニット155の分解斜視図である。なお払出制御ユニット155としての完成状態は図8等に示されているため、これを参照されたい。図38等に示すように、払出制御ユニット155は、電源装置156と払出制御装置157とを横に並べ、それら各装置156,157を連結具401で連結することにより構成されている。
【0172】
詳しくは、電源装置156は、電源基板(図示略)とその電源基板を収容する基板ボックス402とにより構成されている。基板ボックス402は、合成樹脂材料にて成形されており、特に内部(電源基板)を視認可能とすべく透明ボックスとされている。基板ボックス402の上面及び下面の隅部にはスリット状の切欠が形成されており、その切欠によって可撓板部403が形成されるとともに、その可撓板部403上に突起404が形成されている(ただし図38には上側の可撓板部及び突起のみを示す)。これにより、可撓板部403及び突起404は上方(又は下方)からの力の作用により撓み変形する。
【0173】
また、払出制御装置157は、払出制御基板(図示略)とその払出制御基板を収容する基板ボックス405とにより構成されている。基板ボックス405は、合成樹脂材料にて成形されており、特に内部(払出制御基板)を視認可能とすべく透明ボックスとされている。基板ボックス405の上面及び下面の隅部にはスリット状の切欠が形成されており、その切欠によって可撓板部406が形成されるとともに、その可撓板部406上に突起407が形成されている(ただし図38には上側の可撓板部及び突起のみを示す)。これにより、可撓板部403及び突起407は上方(又は下方)からの力の作用により撓み変形する。電源装置156及び払出制御装置157の各基板ボックス402,405において、それらの高さ寸法(上下方向の寸法)と厚さ寸法(前後方向の寸法)は同一となっている。
【0174】
連結具401は略コ字状をなしており、中板部401a、上板部401b及び下板部401cよりなる。中板部401aは、電源装置156及び払出制御装置157の各基板ボックス402,405の高さ寸法とほぼ同じ長さ寸法(上下方向の寸法)を有し、上板部401b及び下板部401cは同基板ボックス402,405の厚さ寸法とほぼ同じ長さ寸法(前後方向の寸法)を有する。上板部401b及び下板部401cには各2個ずつの孔部408,409が形成されている。
【0175】
電源装置156及び払出制御装置157の各基板ボックス402,405に設けた突起404,407を連結具401の各孔部408,409に係合させることで、連結具401を介して電源装置156及び払出制御装置157が連結される。電源装置156及び払出制御装置157が連結された状態では、それら各装置156,157内の基板はいずれも同一方向(受皿ブロック5としては後方側)を向くようになっている。当該状態では、電源装置156及び払出制御装置157が所定の隙間を隔てて配置される。そして、図15等に示すように、電源装置156及び払出制御装置157の基板裏面側(連結具401の中板部401a側)を球通路形成体152に対向させるようにして、払出制御ユニット155が球通路形成体152に取り付けられる。
【0176】
(受皿ブロック5としての動作説明)
受皿ブロック5としての動作を図7(全体斜視図)、図17(上皿151の平面図)、図24(球通路形成体152の斜視図)、図32(取込装置301の構成断面図)等を用いて説明する。
【0177】
上記の如く構成される受皿ブロック5において、上皿151に多数の遊技球が貯留されている状態では、遊技球は上皿151の最下流部である案内通路171〜173で各一列に整列され、その整列状態で各案内通路171〜173に対応する取込装置301〜303の入口通路305〜307に案内される。このとき、各案内通路171〜173の一部と入口通路305〜307の上方には透明なカバー部材175が取り付けられており、各案内通路171〜173及び入口通路305〜307を通じて流下する遊技球が容易に視認可能となっている。
【0178】
そして、取込ユニット153の各取込装置301〜303における遊技球取込時には、各取込装置301〜303の取込ゲート部材320が開放操作されて取込通路315を通じて遊技球が順次取り込まれる。該取り込まれた遊技球は、球通路形成体152に設けられた球排出室216→外部誘導通路217の順に流れて外部(遊技ホールの島設備)に排出される。また、排出ゲート部材340の操作による遊技球排出時(球抜き時)には、遊技球が、各取込装置301〜303の排出通路316→排出誘導通路218→排出口203の順に流れて最終的に下皿71に排出される。
【0179】
一方、後述する払出装置等から遊技球分配部材210に遊技球が供給されると、該遊技球分配通路210に設けられた各通路211〜213による振り分けによって、遊技球が上皿151、下皿排出通路201、外部排出通路202のいずれかに分配される。
【0180】
(面替えブロック6の説明)
次に、面替えブロック6について説明する。図39は面替えブロック6を斜め前方より見た斜視図、図40は同面替えブロック6を斜め後方から見た斜視図、図41は同面替えブロック6の正面図である。また、図42,図43は面替えブロック6の分解斜視図である。
【0181】
面替えブロック6は主要な構成として、合成樹脂製の前面枠501と、この前面枠501の背面側に取り付けられる金属製のベース板502と、図柄表示装置としてのリール装置503と、補助演出装置としての液晶表示装置504と、遊技に関わる主たる各種制御を実施する主制御装置505と、主制御装置505からの指令に基づく従たる表示制御等を実施する表示制御装置506とを備えている。この場合、面替えブロック6は、本遊技機1の遊技内容を決定する主要部品を全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えブロック6を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えブロック6は機種入替時などにおける交換ユニットとなっている。
【0182】
(前面枠501の説明)
前面枠501の詳細を図44等を用いて説明する。図44において、(a)は前面枠501を前方から見た斜視図、(b)は前面枠501を後方から見た斜視図である。
【0183】
前面枠501は、正面から見てほぼ正方形状をなしており、周縁部に設けられたフランジ部511から前方に突出するようにして立体的に窓枠部512が形成されている。窓枠部512は、正面から見て略台形状に成形されており、これは前扉体11の視認窓21にほぼ一致する形状及び大きさとなっている。
【0184】
また、窓枠部512の前面部には、いずれも横長の矩形状をなす上下2つの開口が設けられており、それぞれ上側表示窓513、下側表示窓514となっている。各表示窓513,514は、窓枠部512の前面部において左右方向のほぼ中央部にそれぞれ設けられており、両者を比較すると下側表示窓514の方が大きめに形成されている。上側表示窓513は、液晶表示装置504による表示画像を表示するための液晶画像表示部に相当し、下側表示窓514は、リール装置503の外周に付されたリール図柄を表示するためのリール図柄表示部に相当する。
【0185】
窓枠部512の前面(すなわち前記表示窓513,514以外の部位)は概ね平坦面にて構成されている。ただし、窓枠部512において上側表示窓513の周囲部分と下側表示窓514の周囲部分とを比較すると、それらの設置角度は異なっており、上側表示窓513の周囲部分は概ね鉛直方向に設けられるのに対し、下側表示窓514の周囲部分は若干上方を向くようにして設けられている。こうした窓枠部512の前面角度は、前扉体11の視認窓21に設けられた透明パネル22に即したものとなっている。したがって、面替えブロック6をドアブロック4に装着した状態を想定すると、上側表示窓513の周囲部分は透明パネル22の上側パネル面22aと同様にはほぼ鉛直方向に設けられ、下側表示窓514の周囲部分は、同透明パネル22の下側パネル面22bと同様に若干上方を向くようにして設けられることとなる。
【0186】
面替えブロック6をドアブロック4に装着した状態では、前面枠501のフランジ部511がドアブロック4のパネル支持板材92(図8参照)に当接する。ただしこのとき、前面枠501においてフランジ部511から窓枠部512の前面までの長さ(前後方向の幅)と、パネル支持板材92の前後方向の長さとを比較すると、後者の方が大きいものとなっている。したがって、前記装着状態では、窓枠部512の前面と透明パネル22との間に隙間ができるようになっている。
【0187】
窓枠部512とドアブロック4側の視認窓21(透明パネル22)とはほぼ同じ大きさを有するため、窓枠部512の前面領域F(すなわち前記表示窓513,514以外の部位)に本遊技機1に関わる各種情報や装飾等を付与すれば、その各種情報や装飾等を視認窓21(透明パネル22)を通じて遊技機前方から視認することができる。この場合、前述のとおり窓枠部512の前面領域Fは概ね平坦面であるため、この前面領域にシール等を貼付することも可能である。
【0188】
(ベース板502の説明)
次に、ベース板502の詳細を図45等を用いて説明する。図45において、(a)はベース板502を前方から見た斜視図、(b)はベース板502を後方から見た斜視図である。
【0189】
ベース板502は、前記前面枠501とほぼ同じ大きさを有しており、該ベース板502には、各々矩形状をなす上下2つの開口部(上側開口部521,下側開口部522)が形成されている。このうち、上側開口部521は液晶表示装置504を装着するための開口であり、下側開口部522はリール装置503を装着するための開口である。そして、ベース板502は、各開口部521,522の側方部位で前記前面枠501への取り付けが行われる。なお、各開口部521,522は、前面枠501の各表示窓513,514にそれぞれ対応して設けられており、各表示窓513,514よりも一回り大きいものとなっている。
【0190】
ベース板502の背面側において、上下の各開口部521,522の間の開口縁部と下側開口部522の下側の開口縁部とにはそれぞれ、リール装置503を支持するための長尺状のリール支持部材525,526が設けられている。上側のリール支持部材525には左右2カ所に孔部525a,525bが設けられている。下側のリール支持部材526には左右2カ所に孔部526a,526bが設けられるとともに、後述するケース部材540の支持固定部546を載せるための返し部527が設けられている。
【0191】
ベース板502の背面側において左右両縁部にはそれぞれ角柱状の柱部531,532が取り付けられている。そのうち、背面側から見て右側の柱部531には支持金具533が取り付けられている。支持金具533には上下一対の支軸534a,534bが設けられている。支持金具533の支軸534a,534bは、面替えブロック6をドアブロック4に回動可能に支持するための支持手段を構成するものであり、この支軸534a,534bがドアブロック4に設けられた軸金具110,111の軸受け部110b,111aの軸孔(図8等参照)に差し入れられるようになっている。なお、ドアブロック4側の軸受け部110b,111aと面替えブロック6側の支軸534a,534bとが前記図6に示す「面替えブロック6用の支持手段M1,M2」に相当する。
【0192】
背面側から見て左側の柱部532には金具板535が取り付けられており、金具板535には上下一対の鉤部536a,536bが設けられている。この鉤部536a,536bは、面替えブロック6に対して払出ブロック7を固定するための固定手段として機能する。
【0193】
また、ベース板502の背面側には、上側開口部521と柱部531との間に外部端子板537が取り付けられている。
【0194】
(リール装置503の説明)
図46は、リール装置503の構成を示す斜視図である。リール装置503は、金属製のケース部材540と、そのケース部材540に収容される左・中・右の3つのリール541,542,543とを具備している。ケース部材540は、その内部に3つのリール541〜543を回転可能に収容し、かつ該リール541〜543の一部を前方に現出させるものとなっている。ケース部材540において上面部の前側端部には、上方に折り曲げて形成された支持固定部545が設けられ、下面部の前側端部には、下方に折り曲げて形成された支持固定部546が設けられている。これら支持固定部545,546は、リール装置503をベース板502に取り付けるための取付手段を構成するものである。
【0195】
支持固定部545,546にはそれぞれ左右2カ所に孔部545a,545b,546a,546bが設けられており、本リール装置503のベース板502への取り付け固定は、各孔部545a,545b,546a,546bに挿通させたネジをベース板502の上下のリール支持部材525,526(孔部525a,525b,526a,526b)に螺着させることにより行われている。
【0196】
図40等にて確認できるように、ケース部材540の上部には、リール装置503と主制御装置505などの制御系との電気的な接続を行うためのリール中継基板548が設置されている。また、ケース部材540の下部には、面替えブロック6を床等に置く場合に床等との接触部となる突起549が左右2カ所に設けられている。
【0197】
各リール541〜543の構成について周知であり、ここでは詳細な図示を省略するが、その構成を簡単に説明する。各リール541〜543は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材と、その外周に巻回された帯状のベルトとを備えている。ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている(例えば21図柄)。各リール541〜543の中央部には、駆動源としてのステッピングモータが設けられており、該ステッピングモータの駆動により各リール541〜543が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動される。リール装置503には、その他の構成として、各リール541〜543の回転位置を検出するためのリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)が設置されている。また、各リール541〜543の内周側には、蛍光ランプ等よりなるバックライト(後方発光手段)が設けられており、このバックライトにより、リール外周面に付された各図柄が後方より明るく照らされるようになっている。バックライトの発光によって、リール外周面に付された各図柄の視認性の向上や、遊技に際し補助的な演出の多様化を図ることができる。
【0198】
(主制御装置505等の説明)
次に、主制御装置505や表示制御装置506等の構成を図42等を用いて説明する。
【0199】
主制御装置505は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された主制御基板561と、この主制御基板561を収容するための略直方体形状のケース部材(ケース台562及びケースカバー563)とから構成されている。ケース台562及びケースカバー563は透明な合成樹脂材料にて成形されており、この透明なケース台562及びケースカバー563によってその内部の主制御基板561が視認可能となっている。ケース台562には、主制御装置505をベース板502に取り付けるための取付部564,565が図の上下2カ所に形成されている。
【0200】
なお、ケース台562及びケースカバー563には、これら各部材を連結する封印手段としての図示しない封印部(いわゆるカシメ部)が設けられている。封印部は、破壊等を伴うことでケース部材を開封可能とするものであり、開封後には破壊などがなされた部材が開封履歴として残るため、その開封履歴によって開封事実の確認が可能となっている。これにより、仮にケース部材が不正に開封された場合などにおいては、封印部の確認によって不正行為の発見が可能となっている。
【0201】
表示制御装置506は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された表示制御基板571と、この表示制御基板571を収容するための略直方体形状のケース部材(ケース台572及びケースカバー573)とから構成されている。ケース台572及びケースカバー573は透明な合成樹脂材料にて成形されており、この透明なケース台572及びケースカバー573によってその内部の表示制御基板571が視認可能となっている。ケース台572には、表示制御装置506をベース板502に取り付けるための取付部574,575が図の左右2カ所に形成されている。
【0202】
液晶表示装置504は、液晶パネル581と、該液晶パネル581を駆動する液晶ドライバ582とにより構成されている。
【0203】
(面替えブロック6として完成状態の説明)
面替えブロック6の完成状態を図39,図40を用いてあらためて説明する。面替えブロック6としては、前面枠501とベース板502とを一体化させたものに、背後からリール装置503が取り付けられ、リール装置503の上方に液晶表示装置504が取り付けられている。また、リール装置503の側方に主制御装置505が取り付けられるとともに、同リール装置503の上方に表示制御装置506が取り付けられている。
【0204】
面替えブロック6において、前面枠501の上側表示窓513からは液晶パネル581のパネル面全体が視認できる。また、同前面枠501の下側表示窓514からはリール装置503の各リール541〜543の一部が視認できる。このとき、各リール541〜543の外周に付された多数(本実施の形態では21個)の図柄のうち、リール毎に3つずつの図柄が下側表示窓514を通じて視認できるようになっている。
【0205】
(払出ブロック7の説明)
次に、払出ブロック7について説明する。図47は払出ブロック7の斜視図、図48は払出ブロック7の背面図である。
【0206】
払出ブロック7は、合成樹脂材料にて一体成形された裏カバー部材601と、遊技球を払い出すための払出機構602とが一体化されることにより構成されている。裏カバー部材601は、略平坦状のベース部603と、後方(遊技機1の後方)に突出し略直方体形状をなす保護カバー部604とを有する。保護カバー部604は左右及び上下の各面と背面とが閉鎖された形状をなし、少なくとも前記面替えブロック6のリール装置503を収容するのに十分な大きさを有する。なお図示は省略するが、保護カバー部604の背面には多数の通気孔が設けられている。
【0207】
払出機構602は、保護カバー部604を迂回するようにして裏カバー部材601のベース部603に取り付けられている。すなわち、裏カバー部材601の最上部には上方に開口したタンク605が設けられており、タンク605には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク605の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール606が連結され、タンクレール606の下流側には上下方向に延びるケースレール607が連結されている。
【0208】
払出装置608はケースレール607の最下流部に設けられ、受皿ブロック5に設けた払出制御装置157からの制御信号により払出モータ609が駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置608より払い出された遊技球は払出通路(図示略)等を通じて前記上皿151に供給される。図示は省略するが、ケースレール607の上流部には、タンク605やタンクレール606から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置608には、払出モータ609の回転を検出する払出回転センサと、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
【0209】
払出機構602には、払出制御装置157から払出装置608への払出指令の信号を中継する払出中継基板611が設置されている。その他、払出機構602には、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板(図示略)が設置されている。
【0210】
払出機構602におけるタンクや通路部材類はいずれも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0211】
裏カバー部材601には、背面側から見て右端部に上下一対の支軸621a,621bが設けられている。この支軸621a,621bは、払出ブロック7をドアブロック4に回動可能に支持するための支持手段を構成するものであり、この支軸621a,621bがドアブロック4に設けられた軸金具110,111の軸受け部110a,111bの軸孔(図8等参照)に差し入れられるようになっている。なお、ドアブロック4側の軸受け部110a,111bと払出ブロック7側の支軸621a,621bとが前記図6に示す「払出ブロック7用の支持手段M3,M4」に相当する。
【0212】
また、裏カバー部材601には、払出ブロック7を面替えブロック6に対して固定するための装着固定手段(ロック部材625a,625b)が複数箇所に設けられるとともに、同払出ブロック7をドアブロック4に装着した状態で固定するための装着固定手段(ロック部材627a,627b,627c,627d)が複数箇所に設けられている。
【0213】
すなわち、面替えブロック6用のロック部材625a,625bは、前記面替えブロック6に設けた金具板535の鉤部536a,536b(図40参照)に対応する位置に計2カ所設けられ、それぞれ各鉤部536a,536bに係止される係止片を有して構成されている。この場合、鉤部536a,536bに対して各ロック部材625a,625bの係止片を係止状態にすることで面替えブロック6に払出ブロック7が装着固定され、その係止状態を解除することで面替えブロック6から払出ブロック7が取り外しできるようになっている。
【0214】
また、ドアブロック4用のロック部材627a〜627dは、前記前扉体11(ドアブロック4)の鉤金具137a〜137d(図8参照)に対応する位置に計4カ所設けられ、それぞれ各鉤金具137a〜137dに係止される係止片を有して構成されている。この場合、鉤金具137a〜137dに対して各ロック部材627a〜627dの係止片を係止状態にすることでドアブロック4に払出ブロック7が装着固定され、その係止状態を解除することでドアブロック4から払出ブロック7が取り外しできるようになっている。
【0215】
(面替えユニット6の交換作業の説明)
上述したように、面替えブロック6は交換可能ユニットとなっており、ここでは遊技ホールでの機種入替時などにおける面替えブロック6の交換作業について説明する。
【0216】
まずは規定の操作キーを用いて外枠2に対するドアブロック4の施錠状態を解除し、ドアブロック4を手前側に開放する。このとき、ドアブロック4と共に面替えブロック6や払出ブロック7が一体動作する。これが図3に示す状態である。その後、払出ブロック7の裏カバー部材601に設けたロック部材627a〜627dを指等でアンロック状態に操作することで、ドアブロック4に対して面替えブロック6と払出ブロック7とを回動可能(開放動作可能)とし、更にロック部材625a,625bを指等でアンロック状態に操作することで、面替えブロック6に対して払出ブロック7を回動可能(開放動作可能)とする。この状態で面替えブロック6と払出ブロック7とを各々回動させると図4に示す状態となる。なおこの状態で、各ブロック間の電気配線等を適宜外しておく。
【0217】
そして、図4の状態で、面替えブロック6を上方に持ち上げるようにしてドアブロック4から取り外す。このとき、ドアブロック4側に設けられた軸金具110,111の軸受け部110b,111aから面替えブロック6側に設けられた支軸534a,534bが引き抜かれ、ドアブロック4から面替えブロック6が分離される。
【0218】
その後、新しい面替えブロック6を取り外し時と逆の作業手順で装着する。すなわち、新しい面替えブロック6をドアブロック4に取り付け、電気配線等の接続を適宜実行する。そして、面替えブロック6と払出ブロック7とを重ねた状態でロック部材625a,625bを指等でロック状態に操作する。また、面替えブロック6と払出ブロック7との一体物をドアブロック4に重ね、その状態でロック部材627a〜627dを指等でロック状態に操作する。最後にドアブロック4を外枠2に対して閉じると、遊技機1の入替が完了する。
【0219】
上記の面替えブロック6の交換作業に際し、操作キーによるドアブロック4の施錠解除以外は何ら特別な工具等を必要することはなく、交換作業の容易化が図られている。
【0220】
(電気的構成の説明)
次に、本遊技機1の電気的構成について、図49のブロック図に基づいて説明する。図49では、電気的な各構成要素を、ドアブロック4、受皿ブロック5、面替えブロック6及び払出ブロック7に区分けして示している。また、電源装置156から供給される電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0221】
図49において、主制御装置505、表示制御装置506及び払出制御装置157は、何れもCPU、ROM、RAM等を有してなる論理演算装置にて構成されており、各制御装置のCPUはROM内に予め記憶されている演算プログラムに基づいて遊技に関する各種制御を実行する。これら各制御装置は、信号ラインや中継基板等を介して接続されており、遊技に際しては制御装置間におけるコマンド等の授受によって遊技の進行が行われる。
【0222】
詳しくは、面替えブロック6において、主制御装置505には、リール中継基板548を介してリール装置503と外部端子板537とが接続されるとともに、サブ中継基板701を介して表示制御装置506が接続されている。リール装置503では、主制御装置505からの指令に基づいて各リール541〜543の回転が制御される。外部端子板537は遊技ホール等に設置されるホール管理装置(いわゆる、ホールコンピュータ)に接続される中継装置であり、この外部端子板537を通じて都度の遊技状況(遊技回数、当り回数等々)がホール管理装置に出力される。表示制御装置506は、主制御装置505から毎遊技の補助演出に関する各種コマンドを入力し、そのコマンドに応じて液晶表示装置504による補助演出を実施するとともに、ドアブロック4に設けたドア上部中継基板703を介してスピーカ類やランプ類の駆動を制御する。
【0223】
図示等による説明は省略したが、本遊技機1には、外枠2に対して遊技機本体3(ドアブロック4)が開放されたことを検知するためのドアスイッチが設けられており、このドアスイッチの検出信号はリール中継基板548を介して主制御装置505に入力されるようになっている。
【0224】
なお、主制御装置505において、RAMの一部には本遊技機1の電源遮断後においても電源装置156からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)することが可能なバックアップエリアが設けられている。したがって、停電などの発生により電源が遮断された場合には、電源遮断時の各種データがRAMのバックアップエリアに記憶保持され、次回の電源投入時(停電解消による電源投入を含む)において遊技機1の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。
【0225】
また、受皿ブロック5には受皿ブロック中継基板702が設けられており、この受皿ブロック中継基板702を介して前記面替えブロック6の主制御装置505と、本受皿ブロック5の払出制御装置157や取込ユニット153とが接続されている。加えて、受皿ブロック中継基板702を介して前記面替えブロック6の主制御装置505と、ドアブロック4のドアブロック中継基板704とが接続されている。
【0226】
この場合、ドアブロック4の各種操作部材(ベットスイッチ38、スタートレバー33、ストップスイッチ35〜37)が遊技者により操作されると、これら操作部材に内蔵された操作検出部によって当該操作が検出され、都度の操作検出信号がドアブロック中継基板704及び受皿ブロック中継基板702を介して主制御装置505に入力される。例えば、ベットスイッチ38の操作に伴う操作検出信号が主制御装置505に入力された場合、主制御装置505は、受皿ブロック中継基板702を介して取込ユニット153に取込制御信号を出力する。この取込制御信号によって取込ユニット153の各取込装置301〜303におけるソレノイド325が駆動され、遊技球の取込が順次行われる。遊技球取込時における遊技球取込検出センサ(センサユニット370、下流側取込センサ380)の検出信号は、やはり受皿ブロック中継基板702を介して主制御装置505に入力される。
【0227】
また、リール装置503の各リールの停止図柄(ドアブロック4の視認窓21から視認できる上下3個分の図柄、及び各図柄の組み合わせ)が所定の遊技球払出役(小役図柄、ボーナス図柄)に合致する場合には、主制御装置505は、都度の成立役に応じて遊技球の払出個数を設定し、その払出個数に対応する払出制御信号を受皿ブロック中継基板702を介して払出制御装置157に出力する。これにより、払出制御装置157によって払出装置608(払出モータ609)が駆動され、遊技球の払出が行われる。
【0228】
なお、払出制御装置157において、RAMの一部には主制御装置505のRAMと同様に、本遊技機1の電源遮断後においても電源装置156からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)することが可能なバックアップエリアが設けられている。したがって、停電などの発生により電源が遮断された場合には、電源遮断時の各種データがRAMのバックアップエリアに記憶保持され、次回の電源投入時(停電解消による電源投入を含む)において遊技機1の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。
【0229】
図示は省略しているが、払出制御装置157には、ドアブロック4に設けた情報表示部51の表示内容を管理する情報表示基板や、球貸しユニットから貸し出される遊技球の払出等を管理する球貸しユニット接続基板等が接続されている。
【0230】
電源装置156は外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置505や払出制御装置157等に対して供給する。
【0231】
(遊技の概略説明)
次に、上記構成の遊技機1について、遊技者により行われる遊技の概要を簡単に説明する。
【0232】
遊技の開始に際し、上皿151に遊技球が十分にある状況において遊技者によりベットスイッチ38が押圧操作されると、取込ユニット153の各取込装置301〜303において各々遊技球の取込が行われる。そして、ベット数に対応する所定個数(例えば15個)の遊技球の取込が完了した後、スタートレバー33が操作されると、リール装置503の各リール541〜543が一斉に又は所定順序で回転し始める。このスタートレバー33の操作時には、主制御装置505において小役、再遊技(リプレイ)、ボーナスゲーム等に関する内部抽選が行われる。各リール541〜543の回転時には、その外周面に付された図柄が視認窓21を通じて上から下へと移動するような態様で視認される。
【0233】
その後、遊技者によりストップスイッチ35〜37が任意の順序で操作されると、各ストップスイッチ35〜37の操作タイミングに合わせて各々対応するリール541〜543の回転が停止される。このとき、各リール541〜543の停止時には、所定の図柄を特定位置に停止させるような引き込み停止制御が適宜実施される。例えば、内部抽選により小役等が成立している場合、その小役等が成立する停止図柄の組み合わせとなるように、ストップスイッチ35〜37の操作タイミングから最大4図柄分、停止図柄がスライド可能となっている(停止図柄のスベリが行われる)。ちなみに、各リール541〜543の回転開始後、ストップスイッチ35〜37の操作がなされないまま規定時間を経過した場合にはその時点で各リール541〜543の回転が停止される。
【0234】
各リール541〜543の停止時(図柄停止時)において、その停止図柄及びその組み合わせが小役図柄やボーナス図柄に合致する場合、その際の成立役に応じた数の遊技球が払い出される。この場合、払出装置608の駆動により上皿151に遊技球が払い出される。
【0235】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0236】
上皿151の周壁部162における手前側壁部193の一部を後退させて凹部195を形成するとともに、当該凹部195には凹部195によって形成される収容領域Sの上方を塞ぐようにして支持板部196を一体形成し、収容領域Sにケース体271が収容されるようにしてベットスイッチ38を支持板部196に吊り下げ支持させた。そして、上皿151における凹部195の左右両側を球貯留領域とした。これにより、上皿151が収容される膨出部27の遊技機前方への膨出量を増加させることなく、上皿151の球貯留領域を前方へ拡張させることができる。つまり、遊技者に対して圧迫感を与えるといった不都合を生じさせることなく、上皿151における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる。
【0237】
また、本構成においては球貯留領域を極力大きく確保するために、支持板部196の前後方向の寸法がベットスイッチ38よりも大きく設定されており、ベットスイッチ38の左右両側に設けられる球貯留領域が膨出部27の前縁付近にまで拡張されている。この場合に、ベットスイッチ38が上皿151に設けられた支持板部196に吊り下げ支持されているため、ベットスイッチ38の左右両側に設けられる球貯留領域を膨出部27の前縁付近にまで拡張させた構成においてベットスイッチ38の支持強度を十分確保することができる。例えば、支持板部196が上皿151ではなく膨出部27に設けられた構成において、ベットスイッチ38の左右両側の球貯留領域を膨出部27の前縁付近にまで拡張させると、支持板部が膨出部27から大きく延出した形状となり、その基端部の強度が低くなってしまう。これに対して、支持板部196が上皿151の凹部195に対して同凹部195の上方を塞ぐようにして一体形成されているため、支持板部196を膨出部27に設ける場合に比べ基端部が広く確保され基端部の強度が高くなる。よって、上記のとおりベットスイッチ38の支持強度を十分確保することができる。
【0238】
上皿151に設けられたフランジ194を膨出部27の開口周縁部27aに下方から支持させる構成とすることで、上皿151の支持構造の簡素化が図られている。この場合に、支持板部196の手前側周縁部196aがフランジ194の一部を構成するようにした。よって、ベットスイッチ38の重量及び当該ベットスイッチ38の押圧操作に伴って支持板部196にかかる負荷が膨出部27の開口周縁部27aで受けられ、ベットスイッチ38の支持強度を簡素な構成を利用して高めることができる。特に、フランジ194を少なくとも上皿151の手前側壁部193における左右方向の全体に亘って連続的に形成するとともに、当該フランジ194の全体が開口周縁部27aによって支持されるようにした。よって、ベットスイッチ38の重量及び当該ベットスイッチ38の押圧操作に伴って支持板部196にかかる負荷が左右方向に亘って設けられた開口周縁部27aの全体で受けられ、ベットスイッチ38の支持強度を高めることができる。
【0239】
凹部195を構成する壁部195aは奥側に向けて円弧状となっている。つまり、凹部195が奥側に向けて先細り形状となっている。これにより、球貯留領域における開口部164に向けた遊技球の流れが凹部195によって阻害されてしまうことを抑制することができる。
【0240】
支持板部196の上面が遊技機前方斜め上方を向くように支持板部196を形成するとともに、ベットスイッチ38の上面が遊技機前方斜め上方を向くようにベットスイッチ38を設置した。これにより、球貯留領域に貯留された遊技球が支持板部196上やベットスイッチ38上に載ったとしても、その遊技球は支持板部196の上面やベットスイッチ38の上面の傾斜に沿って流下する。よって、支持板部196上やベットスイッチ38上に遊技球が留まることによりベットスイッチ38の操作性が低下してしまうことを防止することができる。また、支持板部196上やベットスイッチ38上に遊技球が留まっている状態でベットスイッチ38が押圧操作されると、当該ベットスイッチ38の破損などが生じるおそれがあるが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止することができる。特に、上記のとおりベットスイッチ38の左右両側に球貯留領域が設けられた構成においては、左右両側に球貯留領域が設けられていない従来の遊技機に比べ、支持板部196上やベットスイッチ38上に遊技球が載り易くなるが、かかる場合に上記不都合の発生を防止することができる。
【0241】
また、ベットスイッチ38の上面が遊技機前方斜め上方を向いているので、ベットスイッチ38の操作性の向上を図ることができる。つまり、本遊技機1にて遊技を行う遊技者は遊技機1の前方に着席して遊技を行うことが一般的である。また、上皿151の上方に設けられた透明パネル22を介して図柄の可変表示を視認しながらストップスイッチ35〜37を操作することが遊技の特徴となっているため、少なくとも遊技者の目の高さは上皿151よりも上方にあり、さらに遊技者の肩の高さも上皿151よりも上方にあるのが一般的である。この場合に、ベットスイッチ38の上面が遊技機前方斜め上方を向いているので、遊技者はベットスイッチ38に向けて斜め下方に腕を動かすことで当該ベットスイッチ38を無理なく押圧操作することができる。
【0242】
凹部195を上皿151における球貯留領域への遊技球の導入口である排出口163と対向する位置に形成した。これにより、排出口163から勢い良く遊技球が導入されたとしても、当該遊技球を凹部195に衝突させて早めに減速させることが可能である。これにより、球貯留領域における遊技球の挙動を安定させることができる。また、以上のように凹部195を排出口163と対向する位置に形成することで、ベットスイッチ38はスタートレバー33の右方であってストップスイッチ35〜37の左方に位置することとなる。これにより、本遊技機1においてスロットマシンにおける操作性が担保されている。
【0243】
凹部195を上皿151の手前底面部221,222から奥側に突出しないように形成した。よって、凹部195を備えた構成において、凹部195とは無関係に左奥底面部224にて遊技球を整列させることができる。
【0244】
なお、以上説明した実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。
【0245】
(1)上記実施の形態では、上皿151においてベットスイッチ38の左右両側に球貯留領域を設けたが、左右いずれか一方に球貯留領域を設けた構成としてもよい。この場合であっても、膨出部27の膨出量を増加させることなく、上皿151における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる。
【0246】
(2)上記実施の形態では、凹部195を形成する壁部195aを円弧状に形成したが、角形状に形成してもよい。つまり、凹部195の壁部195aを2つの面や、3つ以上の面により構成してもよい。本構成であっても、凹部195を奥側に向けて先細り形状とすることで、球貯留領域における遊技球の流れが凹部195によって阻害されることを抑制することができる。
【0247】
(3)上記実施の形態では、フランジ194を連続的に形成したが、当該フランジ194を断続的に形成してもよい。かかる構成においても、手前側周縁部196aがフランジ194の一部を構成するように支持板部196を形成することで、ベットスイッチ38の重量及び当該ベットスイッチ38が押圧操作された場合の負荷が膨出部27の開口周縁部27aによって受けられ、ベットスイッチ38の支持強度を簡素な構成により高めることができる。
【0248】
また、フランジ194を設けない構成としてもよい。かかる構成においても、支持板部196の手前側周縁部196aを膨出部27の開口周縁部27aにより下方から支持させることにより、ベットスイッチ38の支持強度を簡素な構成により高めることができる。
【0249】
(4)上記実施の形態では、凹部195の前後方向寸法がベットスイッチ38よりも大きくなるように凹部195を形成したが、凹部195の前後方向寸法がベットスイッチ38よりも若干小さい構成としてもよい。
【0250】
(5)上記実施の形態では、支持板部196を円弧状壁部195aの上端から延びるよう形成したが、それよりも低い位置から延びるよう形成してもよい。これにより、円弧状壁部195aにおける支持板部196よりも高位にある部位によって支持板部196上への遊技球の載り上げが防止される。
【0251】
(6)上記実施の形態では、支持板部196の上面が前方に向けて下り傾斜となるよう支持板部196を形成したが、例えば、後方に向けて下り傾斜となるように形成してもよい。本構成であっても、支持板部196上やベットスイッチ38上に遊技球が留まることを防止することができる。
【0252】
(7)上記実施の形態では、凹部195を排出口163と対向する位置に形成することで、ベットスイッチ38をスタートレバー38の右方であってストップスイッチ35〜37の右方に配置したが、これを変更してもよい。例えば、ベットスイッチ38を上皿151の左右方向における中央寄りの位置や右寄りの位置に配置してもよい。
【0253】
(8)上記実施の形態では、上皿151を受皿ブロック5としてユニット化しない構成としてもよい。例えば、カバー部材175、排出操作伝達装置180及び球止め装置240を上皿151に組み付けることで上皿ユニットとして当該上皿ユニットをドアブロック4に組み付ける構成としてもよい。
【0254】
(9)遊技機1から下皿71を無くし、上皿151のみを設ける構成としてもよい。この場合、上皿151やその背後の払出通路等を大容量化することにより、遊技機1として十分量の遊技球が貯留保持できる。
【0255】
(10)上記実施の形態における遊技球の、1ベット当りの投入数(所定数)、最大投入数、払出個数等はあくまでも例示であって、上記数値に特に限定されるものではない。
【0256】
(11)本遊技機1は、必ずしもパチンコ島に設置されるものでなくても良い。この場合、外枠を要件とせず、筐体等に遊技機本体3が支持される構成であっても良い。また、遊技球はパチンコ球に限られず、パチンコ規格以外の金属球であっても良い。金属球以外、例えばセラミック球であっても良い。
【符号の説明】
【0257】
1…遊技機、3…遊技機本体部、4…ドアブロック、5…受皿ブロック、6…面替えブロック、7…払出ブロック、11…前扉体、22…窓部としての透明パネル、27…収容ベースとしての膨出部、27a…支持部としての開口周縁部、33…始動操作手段としてのスタートレバー、35〜37…停止操作手段としてのストップスイッチ、38…取込操作装置としてのベットスイッチ、41…開口部、151…球受け皿としての上皿、163…球入口としての排出口、164…球出口としての開口部、191…奥側壁部、193…周壁前面部としての手前側壁部、194…フランジ、195…凹部、195a…円弧状壁部、196…支持板部、196a…手前側周縁部、221〜224…球貯留部としての底面部、271…ハウジングとしてのケース体、272…スイッチ片、274…付勢手段としてのバネ、275…検出手段としてのセンサ、301〜303…取込装置、503…絵柄表示装置としてのリール装置、608…払出装置、S…収容領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として、遊技球を遊技媒体として用い、いわゆるスロットマシンに類似した遊技を行うことのできる球使用回胴遊技機(いわゆる、パロット)が知られている(例えば、特許文献1参照)。本遊技機は、予め定められた数の遊技球が取り込まれた後に、スタートレバーが操作されることで遊技が開始される。このとき、遊技の開始に伴いリール装置におけるリールの回転が開始され、その後遊技者によるストップボタンの押し操作に伴いリールの回転が停止される。そしてリール停止時の表示図柄に応じて遊技球の払出等が適宜行われる。
【0003】
上記球使用回胴遊技機は取込装置を備えており、さらに当該取込装置による遊技球の取り込みを開始させるべく操作される取込開始操作スイッチを備えている。つまり、取込開始操作スイッチが遊技者によって操作されることにより、取込装置による遊技球の取り込みが開始され、当該取込装置によって上記予め定められた数の遊技球が取り込まれる。
【0004】
本構成において、取込開始操作スイッチは球受け皿の手前側に配設されている。より詳細には、従来の球使用回胴遊技機790の遊技機前面部を示す図50にあるように、取込開始操作スイッチ791は球受け皿792が収容される収容ベース793における球受け皿792の手前側部分に配設されている。これにより、取込開始操作スイッチ791の操作性の向上が図られている。すなわち、球受け皿792及び収容ベース793はリールに付された図柄を視認可能とする窓部794よりも遊技機前方に膨出しており、上記位置に取込開始操作スイッチ791を配設することで遊技者にとっては自らが着席している位置に対してより近い位置で当該スイッチ791の操作を行うことができるからである。
【0005】
また、本遊技機790における取込開始操作スイッチ791はスロットマシンにおける仮想遊技媒体のベット設定を行うためのベット操作スイッチに対応しており、スロットマシンにおける当該ベット操作スイッチの操作性に対応させて取込開始操作スイッチ791は上方から押圧操作されるように配設されている。これにより、遊技者にとってはスロットマシンと同様の操作性で遊技を行うことができる。
【0006】
ここで、上記遊技機では球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保する必要がある。つまり、スロットマシンや、球使用回胴遊技機では、遊技回毎にベット設定を行う必要があり、スロットマシンにおいては1枚のメダルが1ベットとされるのに対して、球使用回胴遊技機においては複数個の遊技球が1ベットとされる。そのため、球使用回胴遊技機では、遊技に際して同等の有価価値を取り込む場合に遊技媒体数が多くなり、球受け皿の貯留容量が小さいと継続して遊技を行う場合に球受け皿への遊技球の補充を頻繁に行う必要が生じ、遊技者にとっては煩雑となってしまうからである。
【0007】
かかる状況において、球受け皿の貯留容量を極力大きく確保する手段としては、球受け皿を遊技機前方へとより膨出させる手段が考えられる。例えば、球受け皿の深さ寸法を大きくしたり、球受け皿の左右幅寸法を大きくする手段も考えられるが、前者においては遊技球が多数積み重なることで球詰まりが生じるおそれがあり、後者においては本遊技機を既存の島設備に設置することができなくなってしまうおそれがあるからである。
【0008】
しかしながら、球受け皿を遊技機前方へと膨出させるのに伴って収容ベースの前方への膨出量を増加させてしまうと、収容ベースが遊技者に近付き過ぎてしまい、遊技者に対して圧迫感を与えるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−81451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、遊技者に対して圧迫感を与えるといった不都合を生じさせることなく、球受け皿を遊技機前方へと拡張させて当該球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、遊技機前面部から前方に突出され、上方が開放された収容ベースと、
収容ベースに収容され、遊技球を貯留する球貯留部が形成された球受け皿と、
前記球貯留部に貯留された遊技球を取り込む取込装置と、
取込装置による遊技球の取込処理を開始させるべく押圧操作される取込操作装置と
を備えた遊技機において、
前記球受け皿にはその周壁前面部の一部に後方へ向けて凹部を形成し、
前記取込操作装置をその上部にて吊り下げ支持する支持板部を、前記凹部の上方を塞ぐようにして同凹部に一体形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、遊技者に対して圧迫感を与えるといった不都合を生じさせることなく、球受け皿を遊技機前方へと拡張させて当該球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施の形態における遊技機の全体を示す斜視図である。
【図2】遊技機の正面図である。
【図3】遊技機の内部開放状態を示す斜視図である。
【図4】遊技機の内部開放状態を示す斜視図である。
【図5】遊技機の背面図である。
【図6】遊技機本体とその開閉動作の概要を模式的に示す図である。
【図7】ドアブロックと受皿ブロックとを分離して示す斜視図である。
【図8】ドアブロックと受皿ブロックとを分離して示す斜視図である。
【図9】ドアブロックを構成する前扉体と内枠とを分離して示す斜視図である。
【図10】ドアブロックを構成する前扉体と内枠とを分離して示す斜視図である。
【図11】受皿ブロックの正面図である。
【図12】受皿ブロックの平面図である。
【図13】受皿ブロックの背面図である。
【図14】受皿ブロックの分解斜視図である。
【図15】受皿ブロックの分解斜視図である。
【図16】上皿とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図である。
【図17】上皿の平面図である。
【図18】図17のA−A断面図である。
【図19】ベットスイッチの設置に関する構成を説明するための図である。
【図20】本遊技機の操作性を説明するための図である。
【図21】排出操作伝達装置の構成を示す斜視図である。
【図22】排出操作伝達装置の構成を示す平面図である。
【図23】球通路形成体とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図である。
【図24】球通路形成体とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図である。
【図25】球留め装置の単体の構成を示す平面図である。
【図26】球留め装置を球通路形成体に装着した状態を示す図である。
【図27】球留め装置の操作状態と遊技球の流れとの関係を示す図である。
【図28】取込ユニットの斜視図である。
【図29】取込ユニットの斜視図である。
【図30】取込ユニットの分解斜視図である。
【図31】取込ユニットの分解斜視図である。
【図32】取込装置の内部構造を示す断面図である。
【図33】取込装置の分解斜視図である。
【図34】取込装置の分解斜視図である。
【図35】排出ゲート部材の構成を示す斜視図である。
【図36】排出ゲート部材の動作を説明するための説明図である。
【図37】取込装置の動作説明図である。
【図38】払出制御ユニットの分解斜視図である。
【図39】面替えブロックの斜視図である。
【図40】面替えブロックの斜視図である。
【図41】面替えブロックの正面図である。
【図42】面替えブロックの分解斜視図である。
【図43】面替えブロックの分解斜視図である。
【図44】前面枠の構成を示す斜視図である。
【図45】ベース板の構成を示す斜視図である。
【図46】リール装置の構成を示す斜視図である。
【図47】払出ブロックの斜視図である。
【図48】払出ブロックの背面図である。
【図49】遊技機の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図50】課題を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0015】
手段1.遊技機前面部から前方に突出され、上方が開放された収容ベース(膨出部27)と、
収容ベースに収容され、遊技球を貯留する球貯留部(底面部221〜224)が形成された球受け皿(上皿151)と、
前記球貯留部に貯留された遊技球を取り込む取込装置(取込装置301〜303)と、
取込装置による遊技球の取込処理を開始させるべく押圧操作される取込操作装置(ベットスイッチ38)と
を備えた遊技機において、
前記球受け皿にはその周壁前面部(手前側壁部193)の一部に後方へ向けて凹部(凹部195)を形成し、
前記取込操作装置をその上部にて吊り下げ支持する支持板部(支持板部196)を、前記凹部の上方を塞ぐようにして同凹部に一体形成したことを特徴とする遊技機。
【0016】
手段1の遊技機では、取込操作装置が押圧操作されることにより取込装置における遊技球の取込処理が開始される。この場合に、球受け皿にはその周壁前面部の一部に後方へ向けて凹部が形成されるとともに、同凹部には支持板部が一体形成されている。そして、当該支持板部に取込操作装置が吊り下げ支持されている。つまり、取込操作装置は遊技機前方に突出した位置に設けられ、上方から押圧操作可能となっている。これにより、遊技者にとっては自らが着席した位置に対して近い位置で取込操作装置の押圧操作を行うことができ、さらには本遊技機においてスロットマシンにおける操作性が担保されている。以上の構成により取込操作装置の操作性の向上が図られている。なお、取込操作装置を支持板部に吊り下げ支持する構成とすることで、取込操作装置が上方から押圧操作された場合にその押圧操作に伴う負荷が支持板部にて受けられる。
【0017】
また、以上のように球受け皿に凹部を形成して取込操作装置を設ける構成とすることで、取込操作装置の側方に球貯留部を設けることができる。これにより、収容ベースの突出量を増加させることなく、球受け皿の球貯留部を前方へ拡張させることができる。つまり、遊技者に対して圧迫感を与えるといった不都合を生じさせることなく、球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる。
【0018】
さらに、本構成においては、上記のとおり取込操作装置が球受け皿に設けられた支持板部に吊り下げ支持されているため、取込操作装置の側方に設けられる球貯留部を取込操作装置の手前側縁部に近接した位置まで拡張させたとしても取込操作装置の支持強度を十分確保することができる。例えば、支持板部が球受け皿ではなく収容ベースに設けられた構成において、取込操作装置の側方に設けられる球貯留部を取込操作装置の手前側縁部に近接した位置まで拡張させると、支持板部が収容ベースから球受け皿側に大きく延出した形状となり、その基端部の強度が低くなってしまう。これに対して、支持板部が球受け皿の凹部に対して同凹部の上方を塞ぐようにして一体形成されているため、支持板部を収容ベースに設ける場合に比べ基端部が広く確保され基端部の強度が高くなる。よって、上記のとおり取込操作装置の支持強度を十分確保することができる。
【0019】
手段2.手段1において、前記球受け皿における前記凹部の左右両側を前記球貯留部としたことを特徴とする遊技機。
【0020】
手段2によれば、球受け皿における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる。この場合に、上記手段1の構成を備え、支持板部が凹部に対して同凹部の上方を塞ぐようにして一体形成されているため、支持板部を収容ベースに設ける場合に比べ取込操作装置の支持強度を十分確保することができる。
【0021】
手段3.手段1又は手段2において、前記凹部の前後方向の寸法が前記取込操作装置よりも大きくなるように前記凹部を形成したことを特徴とする遊技機。
【0022】
手段3によれば、少なくとも取込操作装置の前後方向寸法分、球貯留部を遊技機前方に拡張させることができる。また、この場合に上記手段1の構成を備え、支持板部が凹部に対して同凹部の上方を塞ぐようにして一体形成されているため、支持板部を収容ベースに設ける場合に比べ取込操作装置の支持強度を十分確保することができる。
【0023】
手段4.手段3において、前記球受け皿には前記周壁前面部の上端から手前側へ延出するフランジ部(フランジ194)を設けるとともに、前記収容ベースには前記フランジ部を下方から支持する支持部(開口周縁部27a)を設け、
前記支持板部の手前側周縁部(手前側周縁部196a)が前記フランジ部の一部を構成するように前記支持板部を形成したことを特徴とする遊技機。
【0024】
手段4によれば、球受け皿に設けられたフランジ部を収容ベースに設けられた支持部に支持させる構成とすることで、球受け皿の支持構造の簡素化が図られている。この場合に、支持板部の手前側周縁部がフランジ部の一部を構成している。よって、取込操作装置の重量及び当該取込操作装置の押圧操作に伴って支持板部にかかる負荷が収容ベースにおける支持部で受けられ、取込操作装置の支持強度を簡素な構成を利用して高めることができる。
【0025】
手段5.手段4において、前記フランジ部を前記周壁前面部の左右方向の全体に亘って連続的に形成するとともに、前記支持部を前記フランジ部の全体を支持するように連続的に形成したことを特徴とする遊技機。
【0026】
手段5によれば、球受け皿の支持強度が高められる。また、取込操作装置の重量及び当該取込操作装置の押圧操作に伴って支持板部にかかる負荷が左右方向に亘って設けられた支持部の全体で受けられ、取込操作装置の支持強度を高めることができる。
【0027】
手段6.手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記支持板部の手前側周縁部(手前側周縁部196a)を前記収容ベースによって下方から支持させたことを特徴とする遊技機。
【0028】
手段6によれば、取込操作装置の重量及び当該取込操作装置の押圧操作に伴って支持板部にかかる負荷が収容ベースによって受けられ、取込操作装置の支持強度を簡素な構成により高めることができる。
【0029】
手段7.手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記球貯留部の底面を遊技球が自重により前記取込装置への球出口(開口部164)に向けて流下するよう傾斜させ、
前記球受け皿における前記周壁前面部の一部を奥側に向けて先細りとなるように後退させて前記凹部を形成したことを特徴とする遊技機。
【0030】
手段7によれば、凹部が奥側に向けて先細り形状となっているので、球貯留部における球出口に向けた遊技球の流れが凹部によって阻害されてしまうことを抑制することができる。
【0031】
手段8.手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記支持板部の上面が所定方向に下り傾斜となるよう支持板部を形成するとともに、前記取込操作装置の上面が前記所定方向に下り傾斜となるよう取込操作装置を設置したことを特徴とする遊技機。
【0032】
手段8によれば、支持板部上や取込操作装置上に球貯留部に貯留された遊技球が載ったとしても、その遊技球は支持板部の上面や取込操作装置の上面の傾斜に沿って流下する。よって、支持板部上や取込操作装置上に遊技球が留まることにより取込操作装置の操作性が低下してしまうことを防止することができる。また、支持板部上や取込操作装置上に遊技球が留まっている状態で取込操作装置が押圧操作されると、当該取込操作装置の破損などが生じるおそれがあるが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止することができる。特に、上記手段1の構成を備え、取込操作装置の側方に球貯留部が設けられた構成においては、側方に球貯留部が設けられていない従来の遊技機に比べ、支持板部上や取込操作装置上に遊技球が載り易くなるが、かかる場合に上記不都合の発生を防止することができる。
【0033】
手段9.手段8において、絵柄を可変表示する絵柄表示装置(リール装置503)と、前記遊技機前面部における前記球受け皿の上方に設けられ前記絵柄表示装置における絵柄の可変表示を視認可能とする窓部(透明パネル22)と、前記絵柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー33)と、前記絵柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ35〜37)とを備え、
前記取込装置により予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つ前記始動操作手段が操作された場合に前記絵柄の可変表示を開始し、前記停止操作手段の操作後における停止絵柄に応じて前記球受け皿に遊技球を払い出すよう構成し、
前記支持板部の上面が遊技機前方斜め上方を向くように支持板部を形成するとともに、前記取込操作装置の上面が遊技機前方斜め上方を向くように取込操作装置を設置したことを特徴とする遊技機。
【0034】
手段9によれば、取込装置により予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つ始動操作手段が操作された場合に絵柄表示装置における絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段が操作された場合にその絵柄の可変表示が停止される。そして、停止絵柄に応じて球受け皿に所定数の遊技球が払い出される。
【0035】
この場合に、取込操作装置の上面が遊技機前方斜め上方を向いているので、取込操作装置の操作性の向上を図ることができる。つまり、本遊技機にて遊技を行う遊技者は遊技機の前方に着席して遊技を行うことが一般的である。また、球受け皿の上方に設けられた窓部を介して絵柄の可変表示を視認しながら停止操作手段を操作することが遊技の特徴となっているため、少なくとも遊技者の目の高さは球受け皿よりも上方にあり、さらに遊技者の肩の高さも球受け皿よりも上方にあるのが一般的である。この場合に、取込操作装置の上面が遊技機前方斜め上方を向いているので、遊技者は取込操作装置に向けて斜め下方に腕を動かすことで当該取込操作装置を無理なく押圧操作することができる。
【0036】
手段10.手段1乃至手段9のいずれかにおいて、所定条件が成立することにより前記球受け皿に遊技球を払い出す払出装置(払出装置608)を備え、
前記球受け皿の奥側壁部(奥側壁部191)に前記払出装置から払い出された遊技球が導入される球入口(排出口163)を設けるとともに、
同球入口と対向する位置に前記凹部を形成したことを特徴とする遊技機。
【0037】
手段10によれば、球入口から勢い良く遊技球が導入されたとしても、当該遊技球を凹部に衝突させて早めに減速させることが可能である。これにより、球貯留部における遊技球の挙動を安定させることができる。
【0038】
手段11.手段10において、前記球受け皿の球貯留部は、前記取込装置への球出口(開口部164)に向けて遊技球を整列させる奥側領域(右奥底面部224)と、同奥側領域に向けて遊技球を誘導する手前側領域(左手前底面部221、右手前底面部222)とを備え、
前記凹部を前記手前側領域内に形成したことを特徴とする遊技機。
【0039】
手段11によれば、凹部を備えた構成において、凹部とは無関係に奥側領域にて遊技球を球出口に向けて整列させることができる。
【0040】
手段12.手段1乃至手段11のいずれかにおいて、前記取込操作装置は、上下方向に延び上方に開放されたハウジング(ケース体271)と、ハウジングの上面開放部を塞ぐようにして設けられ、遊技者によって押圧操作されるスイッチ部(スイッチ片272)と、前記ハウジング内に設けられ、前記スイッチ部を上方へ付勢する付勢手段(バネ274)と、前記ハウジング内に設けられ、前記スイッチ部が押圧操作されたことを検出する検出手段(センサ275)とを備え、
前記凹部を形成する壁部(円弧状壁部195a)を、前記球受け皿の底部から上方に起立させて形成したことを特徴とする遊技機。
【0041】
手段12によれば、凹部を形成する壁部が球受け皿の底部から上方に起立させて形成されているので、上下方向に所定の厚みを有する取込操作装置を、余裕をもって設置することができる。
【0042】
手段13.手段1乃至手段12のいずれかにおいて、絵柄を可変表示する絵柄表示装置(リール装置503)と、前記遊技機前面部に設けられ前記絵柄の可変表示を視認可能とする窓部(透明パネル22)と、前記絵柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー33)と、前記絵柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ35〜37)とを備え、
前記取込装置により予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つ前記始動操作手段が操作された場合に前記絵柄の可変表示を開始し、停止後の停止絵柄に応じて前記球受け皿に遊技球を払い出すよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0043】
本発明は、遊技者により積極操作される始動操作手段や停止操作手段を備えた遊技機に好適に適用される。
【0044】
手段14.手段13において、前記収容ベースの手前側端面に前記始動操作手段及び前記停止操作手段が配設される操作領域(操作部30)を設け、
前記取込操作装置を前記始動操作手段よりも右方であって前記停止操作手段よりも左方に設置したことを特徴とする遊技機。
【0045】
手段14によれば、本遊技機においてスロットマシンにおける操作性が担保されている。また、かかる構成においては、取込操作装置が球受け皿の左右方向の途中位置に配置されることとなる。したがって、凹部の上方を塞ぐようにして支持板部を形成し、当該支持板部に取込操作装置を吊り下げ支持させることにより、球受け皿における取込操作装置の側方に球貯留部を設けることができる。特に、上記手段2を備えた構成においては、凹部の上方を塞ぐようにして支持板部を形成し、当該支持板部に取込操作装置を吊り下げ支持させることにより、球受け皿における取込操作装置の左右両側に球貯留部を設けることができる。
【0046】
以下に、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う、遊技球使用回胴遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
【0047】
本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)の取込を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。本遊技機には、遊技ホール等においてパチンコ機と共通の遊技球供給システムから遊技球の供給がなされるようになっており、パチンコ機が設置される既存の島設備(パチンコ島)に本遊技機を設置することが可能となっている。
【0048】
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3及び図4は遊技機1の内部開放状態を示す斜視図、図5は遊技機1の背面図である。なお以下の説明においては、特に注記しない限りは、遊技機1の正面から見た状態を基準として左右上下などの方向を記載することとする。
【0049】
遊技機1は、本体枠としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体部3とを有する。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなしている。本遊技機1を遊技ホールに設置する際には、外枠2が島設備に取り付け固定される。外枠2を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。図3等では隠れて図示されていないが、外枠2を構成する四辺の板材のうち右辺の板材には、その内側上下2カ所に、後述するドアブロック4に設けた施錠部材(詳しくは鉤金具123,124)を係止するための鉤受け部が設けられている。
【0050】
遊技機本体部3は、扉体ユニットであるドアブロック4と、球受皿ユニットである受皿ブロック5と、絵柄表示ユニットである面替えブロック6と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック7とから構成されている。ドアブロック4には上下2カ所にヒンジ金具8が設けられており、このヒンジ金具8と外枠2側の上下2カ所の支持金具9とにより、ドアブロック4(遊技機本体部3)が外枠2に対して回動可能に支持されている。この場合、遊技機1を正面から見て左側に回動軸線が設けられる構成となっており、遊技機本体部3は正面から見て右側を回動先端部として開放される。外枠2に対して遊技機本体部3が閉じた状態では、ドアブロック4の外周縁部の背面が外枠2の前面に当接するようになっている。
【0051】
受皿ブロック5はドアブロック4の背面側に着脱可能に取り付けられている。また、面替えブロック6はドアブロック4の背面側において受皿ブロック5の上方に取り付けられ、更に面替えブロック6を背面側から覆うようにして払出ブロック7が取り付けられている。これら面替えブロック6と払出ブロック7はドアブロック4の一部にそれぞれ回動可能に支持されており、これら各ブロック6,7は、外枠2に対してドアブロック4と一体で回動可能となるとともに、ドアブロック4に対して各々個別に回動可能となる構造を有する。
【0052】
遊技機本体部3を背面側から見て、ドアブロック4の背面には払出ブロック7と受皿ブロック5とが上下に並ぶようにして配設されている。
【0053】
ここで、遊技機本体部3を構成する上記の各部材について相対的な位置関係と動作状態を簡単に説明する。図6は遊技機本体部3を模式的に示す図面であり、(a)は遊技機本体部3を背面側から見た図、(b)〜(d)はドアブロック4に対する面替えブロック6と払出ブロック7の開放動作状況を示す図である。
【0054】
(a)に示すように、ドアブロック4に対して面替えブロック6や払出ブロック7を開放動作させるための軸線AX1は図の右側(正面から見ると左側)に設けられている。この軸線AX1は、面替えブロック6を支持するための軸線と払出ブロック7を支持するための軸線とを兼ねるものとなっている。この場合、図示のM1,M2は面替えブロック6を支持するための支持手段であり、M3,M4は払出ブロック7を支持するための支持手段である。つまり、面替えブロック6用の支持手段M1,M2は同軸で上下一対に設けられている。また、払出ブロック7用の支持手段M3,M4は、前記支持手段M1,M2を挟むようにしてやはり同軸で上下一対に設けられており、更に支持手段M1,M2に対しても同軸となっている。
【0055】
上記構成により、(b)〜(d)の各動作が可能となっている。(b)では、ドアブロック4に対して面替えブロック6と払出ブロック7とを一体的に開放動作させており、(c)では、(b)の状態から面替えブロック6に対して払出ブロック7を開放動作させている。また、(d)では、ドアブロック4に対して面替えブロック6を閉じた状態から、払出ブロック7だけを開放動作させている。
【0056】
(ドアブロック4の説明)
次に、ドアブロック4を図7等を用いて詳細に説明する。ここで、図7,図8は、ドアブロック4と受皿ブロック5とを分離してそれらを前方から及び後方から示す斜視図である。また、図9,図10は、ドアブロック4を構成する前扉体11と内枠12とを分離してそれらを前方から及び後方から示す斜視図である。なお以下のドアブロック4の説明では、図7〜図10以外にも、前述の図1や図2等を適宜用いることとする。
【0057】
ドアブロック4において、前扉体11は、前記外枠2とほぼ同等の大きさ(縦寸法及び横寸法)を有し、その背面側に重なるようにして内枠12が取り付けられている。内枠12は、例えばアルミダイキャストにて成形されており、前扉体11を補強する役目を有する他、後に詳述する面替えブロック6や払出ブロック7を支持する役目を有するものである。
【0058】
(前扉体11の説明)
前扉体11は、後述するリール図柄や液晶図柄等を視認可能とする図柄視認部、遊技に際し遊技者により手動操作される操作部、上皿部で余剰となった遊技球などを貯留するための下皿部を備える。
【0059】
すなわち、図9等に示すように、前扉体11の上半部には、図柄視認部として略台形状をなす視認窓21が形成されている。この視認窓21には、平坦な透明板よりなる透明パネル22がはめ込まれており、この透明パネル22を介してその内方が視認可能となっている。透明パネル22は、上下に分割され僅かに折り曲げ形成された二つのパネル部(上パネル部22a、下パネル部22b)を有するものであり、上パネル部22aはほぼ鉛直方向に設けられ、下パネル部22bは若干上方を向くようにして設けられている。上パネル部22aは、後述する液晶表示装置の前面を覆うものであり、この上パネル部22aを介して液晶表示装置の表示画像が視認される。また、下パネル部22bは、後述するリール装置の前面を覆うものであり、この下パネル部22bを介してリール装置の図柄が視認される。
【0060】
こうした比較的大型に構成される視認窓21(透明パネル22)によれば、大型の液晶表示装置を用いた画像の表示演出によって遊技者に多大なインパクトを与えることが可能になることに加え、本遊技機1の主表示装置たるリール装置の図柄の視認性が良好なものとなっている。
【0061】
前扉体11の周縁部には、視認窓21を囲むようにして透明パネル22よりも前方に張り出した囲い部23が設けられている。この囲い部23には、中央ランプ部24と左右一対の側方ランプ部25とが設けられるとともに、前扉体11の右上隅部及び左上隅部にスピーカ部26が設けられている。遊技に際しては、これらランプ部24,25やスピーカ部26により、その都度の遊技状況に応じたランプ演出や音声演出等が行われる。すなわち、ランプ部24,25による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ部26による音声パターンを適宜変更したりすることで、役の成立等が遊技者に告知される。また、このランプ部24,25やスピーカ部26を用いて、エラー告知等を行うことも可能である。
【0062】
ちなみに、前記視認窓21は、前扉体11の左右幅に対して囲い部23(左右の側方ランプ部25)を除く範囲で設けられており、故に視認窓21は左右に幅広いものとなっている。また言い加えると、視認窓21は、後述するリール装置や液晶装置の横幅よりも幅広となっている。
【0063】
視認窓21の下方には、当該視認窓21よりも遊技機前方に膨出した膨出部27が形成されており、当該膨出部27の前面には遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作部30が設けられている。この操作部30は、全体として横長状をなしかつ僅かに弧状をなしており、向かって左寄りの位置にスタートレバー33が設けられるとともに、中央部には、ストップスイッチ35,36,37が設けられている。
【0064】
スタートレバー33は、後述するリール装置の各リール(回転体)を回転開始させるための操作部材であり、各リールを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。
【0065】
ストップスイッチ35〜37は、停止対象となるリール(左、中、右の三列のリール)に対応するよう設けられており、回転中の各リールを個別に停止させるために操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ35〜37は、各リールが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、各リールの回転が停止すると消灯されるようになっている。
【0066】
操作部30には、正面から見て右下部に切欠部42が形成されている。この切欠部42は、後述する排出操作伝達装置180の操作レバー188を設置するための設置スペースとなっている。
【0067】
膨出部27には、上方に開口した横長状の開口部41が形成されている。この開口部41は、前扉体11に受皿ブロック5を装着した場合に上皿151を配するための開口領域であり、開口部41の左右方向の幅寸法は上皿151の左右方向の幅寸法に概ね合致し、同開口部41の前後方向の幅寸法は上皿151の前後方向の幅寸法よりも若干短いものとなっている。
【0068】
前記視認窓21(透明パネル22)と操作部30との間には、左右方向に延びる長板状のサブパネル部50が設けられており、そのサブパネル部50には情報表示部51と貸球操作部52とが設けられている。情報表示部51には、小役成立時における獲得球数を表示する獲得球数表示部53と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部54とが設けられている。これら表示部53,54は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0069】
貸球操作部52は、例えば本遊技機1の側方(例えば左方)に配置された縦長のカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、球貸し操作、カード等の返却操作及び有効度数の確認を行うものであり、球貸しボタン56と返却ボタン57と度数表示部58とが一体的に並設されている。この場合、球貸しボタン56は、カード(記録媒体)等に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン57は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部58はカード等の残額情報を表示するものである。
【0070】
前扉体11において、情報表示部51や貸球操作部52の左右の側方部には、その上方の囲い部23に比して奥側に後退するようにして弧状の凹み部61が設けられており、その凹み部61には、外枠2に対する遊技機本体部3(ドアブロック4)の施錠及び解錠を行うための施錠部材(詳細には、後述する内枠12に設けたキーシリンダ125)を前方に露出させるためのキーシリンダ設置穴62が設置されている。
【0071】
図1等で確認できるとおり左右の凹み部61は上皿151の直ぐ上方に位置する。そのため、仮に遊技ホールにおいて球貸しユニットから延びる球貸しノズル(いわゆる象の鼻)を介して上皿151に遊技球が貸し出されるような場合にも、その球貸しノズルと前扉体11との干渉を回避することができる。故に、遊技ホールでの設置状況を考えても有益な構成となっている。
【0072】
更に、前扉体11において、操作部30の下方には、前記囲い部23及び凹部61に連続するようにして膨出部70が形成されており、その膨出部70に囲まれるようにして下皿71と灰皿72が形成されている。膨出部70に囲まれた奥壁部73には下皿排出口74とスピーカ穴75とが形成されている。上皿151やその上流通路に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置から遊技球が払い出される場合、或いは、上皿151内に貯留されている遊技球に対して球抜き操作が行われる場合には、下皿排出口74を介して下皿71に遊技球が排出される。
【0073】
下皿71の底部には開口が形成されており、その開口には開閉板76が設けられている。また、膨出部70の略中央部には下皿用の球抜き操作片77が設けられている。球抜き操作片77は、下皿71に貯留している遊技球を下皿71の下方に置かれた球収容箱(いわゆるドル箱)に排出するための操作片であり、図示する通常位置から左方に操作されることで前記開閉板76が開位置にスライド移動し、下皿71内の遊技球の排出が行われる。その他、膨出部70において下皿71の左右両側方には下皿ランプ部78が設けられている。
【0074】
図10に示すように、前扉体11の背面側の構成として、前記視認窓21の左右両側には前記側方ランプ部25を収容するランプ収容部91が設けられている。このランプ収容部91は略角柱状をなしており、その内側面には、前記透明パネル22を後方より支持するためのパネル支持板材92が取り付けられている。
【0075】
関連して、ここで透明パネル22の取付の手順を説明する。視認窓21の下縁部にはパネル厚み分の幅でパネル受溝93が形成されており、前扉体11の後方から透明パネル22は、その下端部がパネル受溝93にはめ込まれるとともに、同上端部が前扉体11の背面部に当接される。そしてその状態で、左右のパネル支持板材92がビス等により取り付けられる。これにより、透明パネル22の前扉体11への取付が完了する。
【0076】
前扉体11の背面側において、視認窓21(透明パネル22)の下方には、前記開口部41の奥側縁部から後方に向けて突出するようにして突出板98が設けられている。
【0077】
(内枠12の説明)
図9や図10に示すように、内枠12は、前扉体11と相似形をなす矩形状をなしており、概ね等しい細幅の左枠部101、右枠部102及び上枠部103と、それらよりも広幅の下枠部104とを有する。これら各枠部101〜104に囲まれる部位が中央開口部105となっており、内枠12の背面側には、下枠部104の上縁部の一部を除く範囲で中央開口部105を囲むようにして一定高さのリブ106が形成されている。また、内枠12において、外周縁部には前方に直角に折れ曲がった返し部107が形成されている。前扉体11に対して内枠12を組み付けた際には、返し部107は前扉体11の外縁部の内側に重なり、それによって前扉体11と内枠12との間に空間が形成される。そしてこの空間を利用してランプ装置等が配設されるようになっている。
【0078】
前述したように本遊技機1は、正面から見て左側に回動軸線が設けられる構成となっており、上枠部103と下枠部104には前述のヒンジ金具8が上下2カ所に取り付けられている。
【0079】
また、左枠部101には、リブ106の先端部から後方に延びるようにして上下一対の軸金具110,111が所定間隔を隔てて取り付けられている。この軸金具110,111は、面替えブロック6や払出ブロック7を回動可能に支持するための金具部材である。軸金具110,111は共に略コ字状をなしており、軸金具110には上下に軸受け部110a,110bが形成され、軸金具111には上下に軸受け部111a,111bが形成されている。これら軸金具110,111の各軸受け部110a,110b,111a,111bには軸孔が形成されており、軸金具110,111は全ての軸孔が何れも同一の軸線上に配置されるようリブ106に固定されている。
【0080】
かかる場合、軸金具110の下側の軸受け部110bと軸金具111の上側の軸受け部111aとが面替えブロック6を支持するための面替えブロック支持手段に相当し、軸金具110の上側の軸受け部110aと軸金具111の下側の軸受け部111bとが払出ブロック7を支持するための払出ブロック支持手段に相当する。
【0081】
また、右枠部102には、ドアブロック4を開放不能な施錠状態で保持するための施錠装置が設けられている。すなわち、右枠部102の背面側には上下方向に延びる基枠121が固定されており、その基枠121には、当該基枠121に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆122が設けられている。連動杆122には鉤形状をなす上下一対の鉤金具123,124が設けられている。鉤金具123,124は、その中間部分が基枠121側に軸支されており、連動杆122が上方に移動することでその先端鉤部が下方に移動する構成となっている。
【0082】
基枠121には、解錠操作部たるキーシリンダ125が設けられている。このキーシリンダ125は前後方向に延びる向きで設けられており、前扉体11に内枠12を組み付けた際にはシリンダ前面(キー挿入孔の設置側)が前扉体11に設けたキーシリンダ設置穴62から露出することとなる。連動杆122を含む施錠機構と、キーシリンダ125と、キーシリンダ125に挿入されて所定方向に回動操作される操作キー(図示略)とが本遊技機1の施錠装置を構成する。なお、キーシリンダ125として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)を用いる構成としても良い。
【0083】
かかる場合、キーシリンダ125に操作キーを差し込んだ状態で、当該操作キーを時計回り方向に回動操作すると、連動杆122が上方に移動する(扉背面から見るとキーシリンダ125の回転部分が反時計回り方向に回るため)。これにより、連動杆122の鉤金具123,124の先端鉤部が下方に移動し、外枠2に対してドアブロック4が閉じている場合に、鉤金具123,124と外枠2側の鉤受け部との係止状態(すなわち施錠状態)が解除される。そして、外枠2に対してドアブロック4が開放可能となる。
【0084】
下枠部104には、前記前扉体11に設けた下皿排出口74に連通する連通口131が設けられるとともに、前記スピーカ穴75から前方に露出するスピーカ132が設けられている。その他、同下枠部104には、後方に突出する突起柱部133,134が設けられている。
【0085】
内枠12の背面側には、ドアブロック4の背面側に取り付けられる受皿ブロック5や払出ブロック7を固定するための固定手段が複数箇所に設けられている。すなわち、受皿ブロック5用の固定手段として、計5カ所の鉤金具(鉤金具136a,136b,136c,136d,136e)が設けられている。また、払出ブロック7用の固定手段として、計4カ所の鉤金具(鉤金具137a,137b,137c,137d)が設けられている。
【0086】
内枠12は、前扉体11に対してネジ等の締結具を用いて取付固定される。その状態を図8に示す。この場合、前扉体11の背面側に設けた突出板98と内枠12の下枠部104の上端部との間には、左右方向に延びる空間部が形成され、その空間部に、後述する受皿ブロック5の上皿151が組み込まれるようになっている。
【0087】
(受皿ブロック5の説明)
次に、受皿ブロック5について説明する。図11は受皿ブロック5の正面図、図12は受皿ブロック5の平面図、図13は受皿ブロック5の背面図、図14,図15は受皿ブロック5の分解斜視図(図14は前方から見た図、図15は後方から見た図)である。
【0088】
受皿ブロック5は、順次取り込まれる遊技球を一時的に貯留する機能を有する上皿151と、払出装置などから供給される遊技球を上皿や下皿などに流通させる機能を有する球通路形成体152と、遊技球の取込機能を有する取込ユニット153とを備えるものであり、その他、電気的な構成として電源装置156と払出制御装置157とを有してなる払出制御ユニット155を備えている。
【0089】
(上皿151の説明)
上皿151は、島設備の球貸し装置から貸し出された遊技球や、払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留するための皿部材を構成するものである。図16は、上皿151とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図であり、図17は、上皿151の平面図である。
【0090】
上皿151は横長の樋状に成形されており、底板部161とその周縁部を囲む周壁部162とよりなる。これら底板部161と周壁部162とにより囲まれて遊技球貯留領域が形成されている。周壁部162における奥側壁部191には、正面から見て左側の位置に排出口163が設けられている。また、底板部161には、正面から見て右側の位置に開口部164が設けられている。
【0091】
底板部161は前後二段に形成されており、更に前後それぞれの領域が左右二段に形成されている。詳しくは、底板部161は、前側の左側領域である左手前底面部221と、前側の右側領域である右手前底面部222と、後側の左側領域である左奥底面部223と、後側の右側領域である右奥底面部224とで構成されている。左手前底面部221と、左奥底面部223と、右奥底面部224とは、排出口163から開口部164に向けて下り傾斜となっている。右手前底面部222は、左手前底面部221に向けて下り傾斜となっている。また、両奥底面部223,224は前後方向に傾斜はなく、両手前底面部221,222は後側に向け下り傾斜となっている。なお、右手前底面部222には、該右手前底面部222に対し段差を有し、その段差を該右手前底面部222と右奥底面部224との境界線に収束させた段差状案内部165が形成されている。段差状案内部165は右手前底面部222と右奥底面部224を区画するとともに両底面部における遊技球の往来を規制し、右手前底面部222へ流入した遊技球が左手前底面部221へ流入するよう案内している。また、右奥底面部224において、下り傾斜方向に対する幅寸法は、段差状案内部165により設定されており、3個の遊技球が並ぶことが可能な大きさである。
【0092】
上記構成を踏まえ、上皿151における遊技球の流れを説明する。まず、排出口163から前側に向かい排出された遊技球は、左奥底面部223を経て左手前底面部221へ流れ込む。左手前底面部221は右後側に向けて下り傾斜となっているため、排出口163から前側に向かい排出された遊技球は、左奥底面部223→左手前底面部221→右奥底面部224という経路で下流に流れ得る。次に、排出口163から右手前底面部222に向かい排出された遊技球は、左奥底面部223及び左手前底面部221を経て右手前底面部222へ流れ込む。右手前底面部222は左後側に向けて下り傾斜となっているため、この後の遊技球の流れとしては、右手前底面部222に隣接する下流領域である左手前底面部221又は右奥底面部224への経路が考えられる。しかし、右手前底面部222には段差状案内部165があるため、遊技球が右奥底面部224へ流入することはない。また、前述の通り左手前底面部221は右後側に向けて下り傾斜となっているため、右手前底面部222へ流れ込んだ遊技球は、右手前底面部222→左手前底面部221→右奥底面部224という経路で下流側に流れる。また、排出口163から勢いなく排出された遊技球については、左奥底面部223へ流れ込む。左奥底面部223は右側に向けて下り傾斜となっているため、左奥底面部223→右奥底面部224という経路で下流側に流れる。図17において、払い出された遊技球の動きが二点鎖線により示されている。上記構成によれば、右奥底面部224へ流れ込む遊技球の経路が左奥底面部223と左手前底面部221からの2パターンに限定されるため、右手前底面部222からも右奥底面部224に流れ込む場合に比べ、右奥底面部224における遊技球の乱れを軽減することができる。
【0093】
上皿151の右奥底面部224には、2つの仕切部167,168が設けられており、この仕切部167,168に仕切られることで三列の案内通路171,172,173が形成されている。これら各案内通路171〜173は、前記開口部164に通ずるように設けられており、遊技球を各一列に整列する整列通路部を構成する。
【0094】
上皿151には、開口部164と各案内通路171〜173の一部とを上方から覆うようにしてカバー部材175が取り付けられる。カバー部材175は、各案内通路171〜173の高さ方向の寸法を概ね遊技球1個分に規制するための部材であり、このカバー部材175を上皿151に取り付けることにより、各案内通路171〜173において遊技球が1つずつ取り込まれるようになる。カバー部材175は、その下方の遊技球の有無を視認可能にすべく透明材料にて成形されている。
【0095】
周壁部162は、底板部161の周縁から上方に起立するように当該底板部161に対して一体形成されている。周壁部162における左右の両側壁部192a,192b及び手前側壁部193には、その上縁から外方へと延出する一連のフランジ194が一体形成されている。フランジ194は、その全体が前扉体11の膨出部27に一体形成された開口周縁部27a上に当接されている。つまり、フランジ194は開口周縁部27aによって下方から支持されている。これにより、上皿151の荷重が膨出部27(前扉体11)により受けられている。
【0096】
手前側壁部193における左右方向の途中位置であって、奥側壁部191に形成された排出口163と対向する位置には、円弧状に後退させて形成された凹部195が設けられている。凹部195を形成する円弧状壁部195aは底板部161の手前側から連続するようにして形成されており、凹部195によって形成される空間は底板部161によって遮られておらず下方に開放されている(図19参照)。凹部195の上縁には、当該上縁全体から前方に延出させて支持板部196が一体形成されており、当該支持板部196にはベットスイッチ38が吊り下げ支持されている。なお、円弧状壁部195aは、奥側に向けて下り傾斜となっている。
【0097】
ここで、支持板部196及びベットスイッチ38、さらにはこれらに関する構成ついて図18及び図19を用いて説明する。図18は、図17のA―A線断面図であり、図19は、ベットスイッチ38の設置に関する構成を説明するための図である。
【0098】
ベットスイッチ38は、遊技者によるベット(賭数)の設定を行わせるものであり、その押圧操作により上皿151に貯留された遊技球が所定個数分取り込まれる。本実施の形態では、ベットスイッチ38として、いわゆるMAXベットスイッチを設けており、有効な1回の押圧操作により3ベット相当(15個分)の遊技球が取り込まれる。ベットスイッチ38は、投資価値としての遊技球の投入を指令する投入指令手段を構成する。
【0099】
ベットスイッチ38は、図18に示すように、上下方向に延びるケース体271を備えている。ケース体271は、上方に開放されており、その上方開放部を塞ぐようにしてスイッチ片272が設けられている。スイッチ片272は上下方向に移動可能に設けられており、スイッチ片272の下方であってケース体271内にはスイッチ片272の移動に伴って一体的に移動する連動部材273が設けられている。ケース体271内には連動部材273を上方へと付勢するバネ274が設けられており、当該バネ274の付勢力によって連動部材273及びスイッチ片272が上方に規制されている。また、ケース体271の内壁には段差部271aが設けられており、連動部材273に設けられた係止片273aが段差部271aに当接することで、連動部材273及びスイッチ片272の上方への移動が規制されている。以上の構成であることにより、ベットスイッチ38の非操作時においてはスイッチ片272がバネ274によって付勢された所定位置にあり、遊技者によって押圧操作されることによりバネ274の付勢力に抗してスイッチ片272が下方に移動する。この場合に、ケース体271内には、スイッチ片272の下方への移動を検出するセンサ275が設けられており、当該センサ275によってスイッチ片272が押圧操作されたことが検出される。
【0100】
支持板部196には、上下に貫通した貫通孔197が形成されており(図18参照)、当該貫通孔197に貫通させてベットスイッチ38が設置されている。この場合に、ベットスイッチ38のケース体271には、その側壁の上部に挟持部271bが一体形成されており、挟持部271bによって支持板部196における貫通孔197の周縁部を挟持することでベットスイッチ38が支持板部196に対して固定されている。貫通孔197に対して上方にはスイッチ片272が突出し、貫通孔197に対して下方にはケース体271が突出している。すなわち、ベットスイッチ38は、凹部195によって形成される収容領域Sにケース体271が収容されるようにして支持板部196によって吊り下げ支持されている。
【0101】
以上の構成において、凹部195の前後方向寸法及び支持板部196の前後方向寸法は、ベットスイッチ38よりも大きく設定されている。また、支持板部196の手前側周縁部196aは、上皿151のフランジ194の一部を構成している。つまり、ベットスイッチ38は上皿151の球貯留領域側へ入り込むようにして設置されており、ベットスイッチ38の左右両側には球貯留領域(左手前底面部221)が位置している。これにより、前扉体11における膨出部27を極端に前方へと膨出させることなく、上皿151の球貯留領域の拡張が図られている。
【0102】
ベットスイッチ38が上皿151の球貯留領域側へ入り込むようにして設置された構成においては、ベットスイッチ38上や支持板部196上に上皿151に貯留された遊技球が載る可能性がある。この場合に、その遊技球がベットスイッチ38上や支持板部196上に留まらない構成となっている。つまり、図19に示すように、支持板部196は、その上面が遊技機前方斜め上方を向くように手前側端部に向けて下り傾斜となるよう形成されており、さらにベットスイッチ38はスイッチ片272の上面が遊技機前方斜め上方を向くように傾斜させて設置されている。したがって、ベットスイッチ38上や支持板部196上に遊技球が載ったとしても、当該遊技球は傾斜に沿って下り、載った位置にて留まらない。例えば、ベットスイッチ38上や支持板部196上に遊技球が留まると、ベットスイッチ38の操作性の低下や、ベットスイッチ38の破損などといった不都合が発生するおそれがあるが、上記構成とすることによりかかる不都合の発生を防止することができる。
【0103】
また、ベットスイッチ38のスイッチ片272の上面が遊技機前方斜め上方を向く構成とすることにより、ベットスイッチ38の操作性の向上が図られている。つまり、本遊技機1にて遊技を行う遊技者は遊技機1の前方に着席して遊技を行うことが一般的であり、遊技者の目及び肩の高さは上皿151よりも上方にある。かかる場合に、スイッチ片272の上面が遊技機前方斜め上方を向いていることにより、遊技者はスイッチ片272に向けて斜め下方に腕を動かすことでスイッチ片272を無理なく押圧操作することができるからである。
【0104】
上記のとおり凹部195が設けられた位置は排出口163と対向する位置である。したがって、上皿151への遊技球の排出に際して勢い良く遊技球が排出されたとしても、当該遊技球は排出口163に対して近い位置にある凹部195に衝突することで早めに減速される。また、凹部195が上記位置にあることにより、図1等に示すようにベットスイッチ38はスタートレバー33の右方であってストップスイッチ35〜37の左方に位置している。これにより、遊技者にとっては既存の一般的なスロットマシンと同様の操作性で本遊技機1の遊技を行うことができる。
【0105】
かかる操作性に関して図20を用いて説明する。図20(a)は本遊技機1の全体を示す斜視図であり、図20(b)は一般的なスロットマシン750の全体を示す斜視図である。
【0106】
先ず図20(b)を用いてスロットマシン750について簡単に説明する。スロットマシン750は、本遊技機1と同様にリール装置を備えており、スタートレバー751の操作に基づいてリールの回転が開始され、ストップスイッチ752,753,754が操作されることにより、リールの回転が停止される。この場合に、スロットマシン750においては遊技媒体としてメダルが用いられており、遊技者によるベット設定は、投入口755に対してメダルが投入されることにより、又は仮想遊技媒体として遊技者の持ちメダルがスロットマシン750内部に貯留されている場合にはベットスイッチ756が操作されることにより行われる。かかる構成において、ベットスイッチ756はスタートレバー751の右方であってストップスイッチ752〜754の左方の位置にて上方から押圧操作されるように配設されている。したがって、仮想遊技媒体が貯留されている場合には、遊技者はベットスイッチ756を上方から押圧操作し、その後、左下方に腕を動かしてスタートレバー751を叩き操作した後に、右方に腕を動かしてストップスイッチ752〜754を押圧操作する。
【0107】
これに対して、本遊技機1では図20(a)に示すように、スタートレバー33の右方であってストップスイッチ35〜37の左方の位置にて上方から押圧操作されるようにベットスイッチ38が配設されている。したがって、遊技者はベットスイッチ38を上方から押圧操作し、その後、左下方に腕を動かしてスタートレバー33を叩き操作した後に、右方に腕を動かしてストップスイッチ35〜37を押圧操作する。つまり、本遊技機1における各種操作部材の操作性は、一般的なスロットマシン750における仮想遊技媒体が貯留されている場合の各種操作部材の操作性と同一となっている。
【0108】
上皿151の底部には、後述する取込ユニット153の排出ゲート部材340を操作して上皿151内の貯留球を下皿71に排出するための排出操作伝達装置180が取り付けられる。ここで、排出操作伝達装置180の構成を図21、図22を用いて説明する。
【0109】
(排出操作伝達装置180の説明)
図21、図22に示すように、排出操作伝達装置180において、ケース体181には2つの軸部182,183が設けられており、その軸部182,183にはそれぞれ第1リンク片184と第2リンク片185が回動可能に支持されている。これら第1,第2リンク片184,185は各々の一部分が互いに連結されており、第1リンク片184に連動して第2リンク片185が回動する。第1リンク片184には引張バネ186が設けられており、第1リンク片184は引張バネ186のバネ力により常に同方向(図では反時計回り方向)に付勢されている。また、ケース体181の手前側端面には、左右方向に移動可能な操作レバー188が設けられており、この操作レバー188に一体に設けられた支柱部188aが第1リンク片184に設けられた孔部184aに挿通されている。故に、操作レバー188のスライド操作に伴い第1リンク片184が軸部182を中心に回動する。
【0110】
上記構成の排出操作伝達装置180では、遊技者等により操作レバー188が図示の位置から左方(図22のP1方向)にスライド操作されることにより、第1リンク片184が引張バネ186のバネ力に抗して図の時計回り方向(図22のP2方向)に回動するとともに、第2リンク片185が反時計回り方向に回動(図22のP3方向)する。これにより、第2リンク片185の回動先端部が後方側(図22のP4方向)へと移動する。また、操作レバー188の操作が解除されると、引張バネ186のバネ力により第1リンク片184が図の反時計回り方向に回動するとともに、第2リンク片185が時計回り方向に回動する。これにより、排出操作伝達装置180が元の状態に復帰する。こうした排出操作伝達装置180の動作により、後述する取込ユニット153の排出ゲート部材340が操作され、取込ユニット153を介しての遊技球の排出(実際には遊技球の下皿71への排出)が行われるようになっている。
【0111】
(球通路形成体152の説明)
次に、球通路形成体152について説明する。図23及び図24は、球通路形成体152とそれに付随して設けられる部材とを示す分解斜視図である。
【0112】
球通路形成体152の背面側には、遊技球を下皿71に排出するための下皿排出通路201と、遊技球を遊技機外部(遊技ホールの島設備)に排出するための外部排出通路202とが並列に形成されている。下皿排出通路201は、球通路形成体152の前面側に設けた排出口203に通じており、下皿排出通路201を流下する遊技球は、排出口203を介して下皿71へと排出されることとなる。また、下皿排出通路201と外部排出通路202の最上流部付近には、上皿151の排出口163に通ずる排出通路204が形成されている。
【0113】
球通路形成体152の背面側には、下皿排出通路201と外部排出通路202とを塞ぐようにして通路カバー部材206が取り付けられるとともに、これら各通路201,202の最上流部において、遊技球を、下皿排出通路201、外部排出通路202、排出通路204のいずれかに分配するための遊技球分配部材210が取り付けられる。この遊技球分配部材210には、3つの通路211,212,213が設けられており、遊技球分配部材210が球通路形成体152に取り付けられた状態では、通路211が下皿排出通路201に連通され、通路212が外部排出通路202に連通され、通路213が排出通路204に連通される。
【0114】
球通路形成体152において前記下皿排出通路201の最下流部よりも先方には、取込ユニット153を収容するための略正方形状の開口部215が形成されている。その開口部215の下方には、遊技球が取込ユニット153にて取り込まれた後排出される球排出室216が形成されている。球排出室216は外部誘導通路217に通じており、球排出室216に排出された遊技球は、更に外部誘導通路217を介して遊技球外部(遊技ホールの島設備)に排出される。また、球排出室216の側方には、遊技者による排出操作(前記排出操作伝達装置180のレバー操作)に伴い排出される遊技球を排出口203に導くための排出誘導通路218が形成されている。
【0115】
球通路形成体152の前面側には、前記上皿151の底面に重なるようにして球留め装置240が設けられている。図25は球留め装置240の単体の構成を示す平面図であり、図26は球留め装置240を球通路形成体152に装着した状態を後方側から示す背面図である。なお、球留め装置240の動作状態として、図25の(a)と図26の(a)とが対応し、図25の(b)と図26の(b)とが対応している。
【0116】
球留め装置240は、球通路形成体152に固定される本体部241と、該本体部241上に載置され図25の左右方向に往復動可能な可動部242と、可動部242を左右方向に往復動させるべく回動操作される操作レバー部243とを有している。そして、この球留め装置240は、操作レバー部243が後側になるようにして球通路形成体152に組み付けられている。
【0117】
可動部242には、同一方向に並ぶようにして3つのアーム部244,245,246が形成されている。各アーム部244〜246はそれぞれ二股に分岐されており、その先端には上方(図25では紙面手前側)に折れ曲がるようにして起立する各2個ずつの起立部247,248,249が形成されている。可動部242に形成された各アーム部244〜246の間隔は、前記上皿151に形成した3つの案内通路171〜173に合致しており、各案内通路171〜173に通じる開口部164から前記各アーム部244〜246の起立部247〜249が現出するようになっている。
【0118】
操作レバー部243は、その軸部251が本体部241に支持されており、概ね90度の角度範囲内で回動操作可能となっている。軸部251には、その軸心から90度の角度で放射状に延びる突起片252a,252bが形成されており、その突起片252a,252bが可動部242に形成されたギャップ253内に収容されている。ギャップ253の左右方向の幅は、ほぼ軸部251の直径と突起片252a又は252bの長さとを合わせた寸法となっている。この場合、図26の(a)の状態では一方の突起片252bの先端がギャップ253の内壁に当たり、操作レバー部243の回動操作によって図26の(b)の状態に移行すると、他方の突起片252aの先端がギャップ253の内壁に当たることとなる。これにより、可動部242が左右方向に移動する。図25で言えば、可動部242の左右方向の移動によって、可動部242の各アーム部244〜246の先端突出量が(a),(b)で異なるものとなっている。(a)では先端突出量=L1であるのに対し、(b)では先端突出量=L2となっている(L1<L2)。
【0119】
操作レバー部243には、球通路形成体152の開口部215に装着された取込ユニット153をその装着状態で保持するためのホールド板片254が設けられている。このホールド板片254は、軸部251の軸心から延びる舌形状をなすものであり、操作レバー部243が回動操作されることにより、ホールド板片254が図26の(a),(b)に示す各位置に操作されるようになっている。
【0120】
ここで、操作レバー部243の操作位置と取込ユニット153との相互の関係を説明する。操作レバー部243が図26の(a)に示す状態にある場合、操作レバー部243に一体的に設けられたホールド板片254の回動先端部が取込ユニット153の背面に当たっている。これが取込ユニット保持位置(ロック位置)である。この状態では、取込ユニット153が球通路形成体152に装着された状態で保持され、取込ユニット153の取り外しができないようになっている。これに対し、操作レバー部243が図26の(b)に示す状態に移行すると、ホールド板片254の回動先端部が取込ユニット153の背面に当たる状態が解除される。これが取込ユニット取り外し位置(アンロック位置)である。これにより、取込ユニット153の取り外しが可能となっている(図26の(b)には取込ユニット153を取り外した状態を図示している)。
【0121】
図27には、球留め装置240の操作状態と遊技球の流れとの関係を示す。図27において、(a)は通常の遊技状態を示しており、当該状態は前記図26の(a)や前記図25の(a)に対応している。また、(b),(c)は取込ユニット153の取り外し可能状態及び取り外し後状態を示しており、当該状態は前記図26の(b)や前記図25の(b)に対応している。
【0122】
図27の(a)の状態では、前記図25の(a)に示したとおり可動部242の各アーム部244〜246の先端突出量が比較的少なく、それ故に上皿151の案内通路171〜173から供給される遊技球の流れが阻止されることはない。したがって、遊技球が次々と取込ユニット153側に送り込まれる。
【0123】
これに対し、図27の(b)の状態では、前記図25の(b)に示したとおり可動部242の各アーム部244〜246の先端突出量が比較的大きく、それ故に上皿151の案内通路171〜173から供給される遊技球の流れが各アーム部244〜246の先端部(起立部247〜249)で阻止される。この状態では、遊技球が取込ユニット153側に送り込まれることがないため、(c)に示すように、取込ユニット153を取り外したとしても、上皿151内の遊技球が落下することが防止される。
【0124】
図24や図25に示すように、球通路形成体152の背面側には、本受皿ブロック5をドアブロック4に装着した状態で固定するための装着固定手段(ロック部材261a,261b,261c,261d,261e)が複数箇所に設けられている。すなわち、ロック部材261a〜261eは、前記内枠12の鉤金具136a〜136e(図10参照)に対応する位置に計5カ所設けられ、それぞれ各鉤金具136a〜136eに係止される係止片を有して構成されている。この場合、鉤金具136a〜136eに対して各ロック部材261a〜261eの係止片を係止状態にすることでドアブロック4に受皿ブロック5が装着固定され、その係止状態を解除することでドアブロック4から受皿ブロック5が取り外しできるようになっている。
【0125】
球通路形成体152の前面側には、内枠12に設けた突起柱部133,134を受けるための支柱受け部263,264が形成されている。また、球通路形成体152の上部には、横長薄板状のシート板265が取り付けられる。このシート板265は、球通路形成体152に上皿151を装着した状態で球通路形成体152の上部に取り付けられる。
【0126】
シート板265によれば、上皿151の奥側一部に上蓋が設けられるようになる(図7等参照)。このシート板265による上皿151の被蓋部分は、受皿ブロック5をドアブロック4に装着した状態で上皿151がドアブロック4の内部に隠れる部位に相当している。つまり、受皿ブロック5をドアブロック4に装着した状態では、ドアブロック4(前扉体11)に設けられた開口部41の前後方向の幅寸法(A)と上皿151前後方向の幅寸法(B)とがA<Bであるため(A,Bは左右方向の同一箇所での寸法比較)、上皿151の奥側一部がドアブロック4の内側に没入することとなる。この場合、上皿151においてドアブロック4内側に没入した部位が上方に開放されたままであると、上皿151の手前側から奥側に入れた指や不正工具等が上皿奥側の上方開放部分を通じて遊技機内部に差し入れられ、その遊技機内部において不正行為などが行われるといった不都合が懸念される。この点、上記のとおりシート板265が設けられることにより、指や不正工具等を上皿151を通じて遊技機内部に差し入れることによる不正行為が抑制できる。要するに、シート板265は、上皿151と遊技機内部の空間(前扉体11の内側領域)との間を遮蔽する遮蔽部材となっている。
【0127】
なお、シート板265は透明板で構成される。したがって、上皿151の一部がシート板265で隠されたとしても上皿151の内部確認(汚れや破損等の確認を含む)が容易となる。
【0128】
(取込ユニット153の説明)
取込ユニット153は、遊技者による操作に基づき遊技球を所定個数ずつ取り込むための取込手段を構成するものであり、該取込ユニット153による所定個数分の遊技球の取込により毎回の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。
【0129】
図28は取込ユニット153を手前側から見た斜視図、図29は同取込ユニット153を後方側から見た斜視図、図30,図31は同取込ユニット153の分解斜視図である。取込ユニット153には3個の取込装置301,302,303が重なるようにして設けられており、取込ユニット153は全体として略立方体形状となっている(以下の説明では、図28において手前側に位置する取込装置301を「第1取込装置」、中央に位置する取込装置302を「第2取込装置」、奥側に位置する取込装置303を「第3取込装置」とも言う)。
【0130】
各取込装置301〜303の上面には、上方に開放されて外部に露出した状態で入口通路305,306,307が三列に形成されている。これら入口通路305〜307は、取込ユニット153における遊技球入口部を構成するものであり、受皿ブロック5としての完成状態では、上皿151から供給される遊技球が先ずは入口通路305〜307に案内され、その後一列に並んだ状態で順次取り込まれる。同完成状態では、上皿151に設けた開口部164(図17参照)を通じて上方から入口通路305〜307が視認可能となっている。取込ユニット153の側面には各取込装置301〜303を結合させるための結合板308が取り付けられている。
【0131】
(取込装置301〜303の説明)
次に、各取込装置301〜303の構成を説明する。ただし、各取込装置301〜303は、概ね同様の構成をしているため、ここでは基本的に第1取込装置301を例に挙げて説明する。図32は、取込装置301の内部構造を示す断面図、図33,図34は、取込装置301を分解して示す斜視図である。なお、以下の説明では便宜上、図32に示す状態で上下左右の各方向を記載する。
【0132】
取込装置301は、合成樹脂成型品よりなる表裏一対のハウジング部材311,312を備えている。これら両ハウジング311,312がネジ等により結合されることにより略四角箱状の筐体が形成され、その内部空間に、後述する遊技球通路が形成されるとともに該通路を開閉するための開閉ゲート機構などが収容されるようになっている。各ハウジング311,312は、カーボン入りの黒色の樹脂材料により成型されている。以下説明の便宜上、ハウジング部材311を「第1ハウジング」、ハウジング部材312を「第2ハウジング」ともいう。
【0133】
因みに、各ハウジング311,312は透明な樹脂材料で成形されていても良い。各ハウジング311,312を透明化することにより、両ハウジング311,312の結合を外すことなく、取込装置内部の遊技球通路や開閉ゲート機構などの他、通路内に貯留された遊技球を視認することができるようになる。
【0134】
第1ハウジング311及び第2ハウジング312の上面部には、それぞれ通路壁313,314が形成されており、両ハウジング311,312を結合させることで、相対向する通路壁313,314の間に前記入口通路305が形成される。入口通路305の底面は図32の左側に向けて下り傾斜となっている。
【0135】
第1ハウジング311側の通路壁313には円弧状の凹み部313aが形成される一方、第2ハウジング312側の通路壁314には前記凹み部313aに対向する位置に三角山状の突起部314aが形成されている。これら各通路壁313,314の凹み部313a及び突起部314aは、遊技球の流れを一定に整えるための整流部を構成するものである。入口通路305を下流側に流れる遊技球は、整流部に達すると、先ず突起部314aに衝突し、その後凹み部313aの内壁に衝突することで流れの向き(進路)を変更しながら流れる。こうして、入口通路305の整流部(凹み部313a及び突起部314a)において遊技球の流れの向きが変えられることで、遊技球の流れの勢いが減じられ、その後の流下速度が低減される。したがって、整流部の通過後における後述する遊技球検出の際の検出ミスが低減される。また、多数の遊技球が数珠繋ぎとなって取込装置301に取り込まれた場合に、整流部を通過すると、速度差によって隣接する遊技球間に間隔ができることから、複数の遊技球を1個の遊技球として誤検出する不具合もなくなる。すなわち、整流部の存在により、その通過後の遊技球検出が確実なものとなっている。
【0136】
取込装置301には、前記入口通路305の下流側において、第1ハウジング311と第2ハウジング312とにより囲まれるようにして取込通路315と排出通路316とが設けられている。これら取込通路315及び排出通路316は、入口通路305と同様に、遊技球を一列で通過させるに足りるだけの通路幅を有する。取込通路315は、入口通路305に連続して設けられ、その途中にて鉛直方向に折れ曲がるようにして形成されている。遊技者により所定の遊技開始操作が行われた際、毎回の遊技の開始条件とされる所定個数の遊技球がこの取込通路315を通じて取り込まれる。また、排出通路316は、取込通路315の折れ曲がり部分(コーナー部分)から当該取込通路315より分岐して設けられている。遊技終了に伴う精算時などにおいては、本取込装置301や上皿151に残留している遊技球がこの排出通路316を通じて遊技者に返還される(すなわち、上皿151等の球抜きが行われる)。
【0137】
なお、第1ハウジング311と第2ハウジング312は、厚さ方向の寸法が異なるものとなっており、入口通路305、取込通路315及び排出通路316は、大部分が第1ハウジング311側に形成されるようになっている。これにより、遊技球が実際に接触する経路は、両ハウジング311,312の境界部分(接合部分)から外れた部位となり、境界部分に溜まったゴミやほこり等により遊技球の流れが阻害されるといった不都合が回避されるようになっている。
【0138】
また、第1,第2ハウジング311,312には、入口通路305及び取込通路315に沿って一筋の突条部317が設けられている。この突条部317は、入口通路305及び取込通路315を通過する遊技球の外周面に接触するようにして通路の中央部(入口通路305にあっては高さ方向の中央部、取込通路315にあっては左右幅方向の中央部)に設けられている。突条部317の高さ(通路内部への突出寸法)は0.5mm程度であり、これにより入口通路305及び取込通路315の通路幅が狭められるようになっている。つまり、入口通路305及び取込通路315は基本的に通路幅が12mm程度であるが、突条部317を設けることにより、実質的な通路幅が11.5mm程度に狭められている。これにより、入口通路305及び取込通路315の内壁と遊技球との隙間間隔(遊び)を減らすことができ、安定した状態で遊技球が流下することとなる。特に、取込通路315においては、後述する遊技球検出が行われるため、その検出ミスを低減させることができる。ただし、突条部317は、第1,第2ハウジング311,312のいずれか一方にのみ設けられる構成であっても良い。前記整流部における突条部317の設置は任意である。
【0139】
ハウジング内部空間において取込通路315の側方には、当該取込通路315の鉛直方向部分に沿うようにして取込ゲート部材320が設けられている。取込ゲート部材320は、支軸321により回動可能に支持されており、その支軸321を支点とする回動により、該取込ゲート部材320の先端部に設けた爪部320aが取込通路315に対して出没する。このとき、取込通路315の通路壁には通路切欠部322が形成されており、その通路切欠部322を介して取込ゲート部材320の爪部320aが出没する。取込通路315に対して取込ゲート部材320の爪部320aが突出した状態である場合、取込通路315を介しての遊技球の通過が阻止される。また、取込通路315に対して取込ゲート部材320の爪部320aが没入した状態である場合、取込通路315を介しての遊技球の通過が許容される。
【0140】
かかる場合、取込ゲート部材320の爪部320aの出没位置が取込通路315におけるコーナー部分の直ぐ下流位置であるため、換言すれば通路切欠部322が取込通路315におけるコーナー部分の直ぐ下流位置に形成されているため、取込ゲート部材320の爪部320aが通路内に突出した状態(通過阻止状態)において、取込通路315のコーナー部まで流れてきた遊技球が該取込通路315の鉛直部分に流れ込むことがない構成となっている。
【0141】
ハウジング内部空間には、取込ゲート部材320の駆動源としてソレノイド325が配設されている。ソレノイド325は、本体部326と出力軸327とを主要構成部品として備えており、本体部326が通電されることにより出力軸327が伸縮方向に移動する。当該ソレノイド325は、取込ゲート部材320の右方において、出力軸327が下方へと突き出るように配設されている。また、ソレノイド325には、出力軸327を伸長状態で保持するためのコイルバネ328が設けられている。なお、ソレノイド325は、ソレノイドカバー329により第1ハウジング311に固定されている。
【0142】
ソレノイド出力軸327の先端部にはガイド331が取り付けられている。ガイド331には回動片332の一部が係合されており、同回動片332の他部が取込ゲート部材320の後端部に駆動連結されている。符号333は、回動片332のほぼ中央部に設けられ該回動片332を回動可能に支持する支軸である。
【0143】
本構成によれば、ソレノイド325への通電がない場合には、図示の如くコイルバネ328の付勢力によって出力軸327が伸長した状態で保持され、取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315内に突出した状態とされる。これにより、取込通路315が閉鎖される。一方、ソレノイド325が通電されると、コイルバネ328の付勢力に抗して出力軸327が縮み方向に移動する。よって、ガイド331及び回動片332を介して取込ゲート部材320が回動し(図32では時計回り方向に回動し)、取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315外に引っ込んだ状態とされる。これにより、取込通路315が開放される。また、ソレノイド325への通電を中止すると、コイルバネ328の付勢力によって出力軸327が伸長状態となり、取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315内に突出した状態に戻る。
【0144】
一方、第1,第2ハウジング311,312において排出通路316の入口位置には、それぞれ貫通孔337,338が設けられており、その貫通孔337,338を前後方向に貫通するようにして排出ゲート部材340が設けられている。排出ゲート部材340は、取込装置301〜303に個別に設けられるのではなく、全取込装置301〜303に共通に設けられるものとなっており、該排出ゲート部材340の作動状態によって、各取込装置301〜303において同時に遊技球の排出(球抜き)が許容又は阻止されるようになっている。
【0145】
ここで、排出ゲート部材340の詳細を図35に基づいて説明する。排出ゲート部材340は、全体として略長方形状をなしており、3カ所に略正方形状の開口部341,342,343が形成されている。これら開口部341〜343は各取込装置301〜303に設けられた排出通路316にそれぞれ対応するものであり、一定間隔を隔ててそれぞれ設けられている。なお、開口部341〜343は排出通路316の一部を構成する。この場合、排出ゲート部材340がその長手方向(取込ユニット153の前後方向)に移動することにより、排出通路316が閉鎖又は開放の状態とされる。すなわち、図36の動作説明図において、排出ゲート部材340が(a)に示す位置にある場合、排出ゲート部材340の壁板部により各取込装置301〜303の排出通路316が閉鎖され、当該通路316を通じての遊技球の排出が阻止される。また、排出ゲート部材340が(b)に示す位置に移動すると、排出ゲート部材340の開口部341〜343により各取込装置301〜303の排出通路316が一斉に開放され、当該通路316を通じての遊技球の排出が許容される。
【0146】
開口部341〜343の下方には、それぞれ球案内突部344,345,346が形成されている。この球案内突部344〜346の上面は、各開口部341〜343の底部上面に連続して同一角度で設けられており、その角度は排出通路316の入口部の傾斜角度に合致している。これにより、遊技球が開口部341〜343を介して排出通路316に流入する際には、球案内突部344〜346上を転がりながら遊技球が通過し、排出通路316への遊技球の流入がスムーズに行われることとなる。
【0147】
排出ゲート部材340の一方の端部にはバネ受け部347が形成され、他方の端部にはロッド部348が形成されている。かかる場合、図30等に示すように、第3取込装置303にカバー部材351が設けられ、そのカバー部材351と排出ゲート部材340のバネ受け部347との間にコイルバネ252が組み込まれる。なお、符号353はコイルバネ352を収容するためのバネ収容部である。符号354は、本取込ユニット153における電気配線等を一括して集め、主制御装置等に対して電気的に接続可能とする中継基板である。
【0148】
排出ゲート部材340は、コイルバネ352の付勢力によって一方向に常に付勢される。このとき実際には、排出ゲート部材340はコイルバネ352の付勢力により前記図36の(a)の状態で保持され、ロッド部348から力が加わると、排出ゲート部材340がコイルバネ352の付勢力に抗して図36の(b)の状態に移行する。
【0149】
図28等に示すように、取込ユニット153において第1取込装置301側にはロッド部348が突出している。このロッド部348の先端部は、前述した排出操作伝達装置180の第2リンク片185(図21参照)に当接するようになっており、当該排出操作伝達装置180において操作レバー188が操作され、それに伴い各リンク片184,185が動作すると、その動作がロッド部348に伝達される。これにより、排出ゲート部材340が動作する。
【0150】
排出ゲート部材340の一方の端部において、前記バネ受け部347の下方には、排出ゲート部材340の長手方向に延びる突起部355が形成されている。また、排出ゲート部材340の一端側に設けられるカバー部材351には排出ゲート検出センサ356が設けられる(図30参照)。この場合、前述のとおりコイルバネ352の付勢力によって排出ゲート部材340が一方向に常に付勢されている状態では、排出ゲート検出センサ356によって突起部355が検出されることはない。これに対し、排出ゲート部材340がコイルバネ352の付勢力に抗して移動することで、排出ゲート検出センサ356によって突起部355が検出される。つまり、排出ゲート検出センサ356は、排出ゲート部材340の操作状態(操作位置)を検出するための排出操作検出手段を構成するものとなっている。
【0151】
また、第1取込装置301には、取込通路315における遊技球の通過を検出するセンサユニット370が設けられている。センサユニット370の構成を図33,図34を用いて説明する。このセンサユニット370は、取込通路315を通過する遊技球数をカウントするための遊技球カウント手段を構成するものであり、発光素子と受光素子とからなる周知の光学式センサを備える。
【0152】
センサユニット370は、略コ字形状をなしており、第1,第2ハウジング311,312に跨るようにして組み付けられている。詳細には、センサユニット370は、取込装置301の厚さ方向に延びるセンサ本体部371と、該センサ本体部371の両端から各ハウジング311,312の外壁面に沿って取込通路315側に延びるアーム部372,373とを有している。センサ本体部371にはセンサ回路基板(図示略)が収容されており、そのセンサ本体部371の背面部にはセンサ回路基板上に設けたコネクタ端子374を外部に露出させるためのコネクタ穴371aが形成されている。
【0153】
アーム部372,373のうち一方には発光素子が収容されるとともに、他方には受光素子が収容されている。また、アーム部372,373の先端部には、互いに内側となる部位に上下一対のセンサ検出孔376,377が形成されている。この場合、アーム部372,373内には各2個ずつの発光素子と受光素子が収容されており、これら各素子はセンサ検出孔376,377を通じて発光及び受光を行うようになっている。
【0154】
第1,第2ハウジング311,312の外壁面には、前記センサユニット370の各アーム部372,373を設置するための嵌合溝378,379が形成されている。嵌合溝378,379には上下一対の透孔378a,379aが形成されている。各透孔378a,379aは、第1,第2ハウジング311,312を接合した状態で各々向き合うよう配置されている。そして、ハウジング接合状態で、各ハウジング311,312にセンサユニット370が組み付けられる場合には、アーム部372,373が各々対応する嵌合溝378,379に嵌合されるようにしてセンサユニット370がハウジング311,312に組み付けられる。この状態では、各アーム部372,373の先端部に設けたセンサ検出孔376,377の位置と、各ハウジング311,312の嵌合溝378,379に設けた透孔378a,379aの位置とが合致し、それらが向き合うようにして配置される。
【0155】
図32に示すように、ハウジング内部において、透孔378aは取込通路315内で中心から幾分オフセットした位置に設けられている(図示は略すが、透孔379aも同様)。この透孔378a(379a)の位置がセンサユニット370による遊技球検出位置である。この場合特に、透孔378a(379a)は、取込ゲート部材320の先端部に形成した爪部320aの真下位置(図32において取込通路315の右オフセット位置)に設けられており、取込ゲート部材320の爪部320aが没入側に移動しない限りセンサユニット370により遊技球が検出されることはないようになっている。仮に、透孔378a(379a)が取込通路315において逆側(図32において取込通路315の左オフセット位置)に設けられた場合を想定すると、取込ゲート部材320の爪部320aが突出位置にある状態での遊技球誤検出(排出通路316を通じての遊技球排出時の遊技球誤検出も含む)を防止するには透孔378a(379a)の位置を図示の位置よりも下方に下げる必要が生じるが、本遊技機1の上記構成によれば、透孔378a(379a)を取込ゲート部材320の爪部320aの近傍に配置することが可能となる。したがって、取込ゲート部材320の開放により流下する遊技球をいち早く検出することが可能となる。
【0156】
取込ゲート部材320が開放された状態で遊技球が取り込まれる際、センサユニット370において上下の各センサ素子(発光素子+受光素子)では、先に上流側のセンサ素子で遊技球が検出され、その後下流側のセンサ素子で遊技球が検出される。これら各センサ素子による検出信号は、遊技球の取込を管理する後述の主制御装置505に順に出力される。この場合、主制御装置505では、各センサ素子による遊技球検出信号によって正常に遊技球の取込が行われたかどうかが判定される。具体的には、所定の規定時間内に、上流側のセンサ素子→下流側のセンサ素子の順で遊技球の検出が行われた場合のみ、正常に遊技球の取込が行われたと判定される。
【0157】
仮に、上流側のセンサ素子による遊技球検出から下流側のセンサ素子による遊技球検出までの所要時間が規定時間よりも長い場合や、正常時とは逆に下流側のセンサ素子→上流側のセンサ素子の順で遊技球の検出が行われた場合には異常とみなされ、その旨が報知されるとともにそれ以降の遊技が停止される。したがって、例えば、遊技球やその他ダミー被検出物にひも等を付けて上下させることにより、あたかも複数の遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。
【0158】
上記のように、センサユニット370では各アーム部372,373のうち一方が発光部、他方が受光部となっており、それら発光部と受光部とが一体で設けられている。これにより、発光素子と受光素子との位置合わせ精度を高めることができ、遊技機の検出精度を良好なものとすることができる。また、各アーム部372,373を連結するセンサ本体部371にセンサ回路基板を設けるとともに、該センサ回路基板上に設けたコネクタ端子374によって外部基板との電気的な接続を可能としたため、発光素子や受光素子に繋がる信号線を統合してまとめることができ、さらに外部基板に対する配線の接続も容易なものとなる。
【0159】
また、取込通路315の最下流部には、取込ゲート部材320を通過した遊技球をセンサユニット370で検出した後、同遊技球を再度検出するための下流側取込センサ380が設けられている。この下流側取込センサ380は磁気検出タイプの近接センサにて構成されており、遊技球の通過に伴う磁界の変化により遊技球の通過を検出する。すなわち、板状のセンサ本体部381には貫通孔381aが設けられており、センサ本体部381では貫通孔381aを遊技球が通過する際の磁界の変化が検出されて電気信号として出力される。貫通孔381aは略真円状をなしており、その直径は取込通路315の幅寸法に概ね一致している。センサ本体部381にはコネクタ端子382が設けられている。
【0160】
下流側取込センサ380による検出信号は、前記センサユニット370の検出信号と同様、後述する主制御装置505に対して出力される。この場合、主制御装置505では、前記センサユニット370の検出信号と下流側取込センサ380の検出信号とに基づいて今回の遊技球取込の検出結果(センサユニット370による取込判定の結果)が正規なものかどうか、すなわち不正なものでないかどうかが判定される。具体的には、センサユニット370による球技球カウント数(例えば、一方のセンサ素子の検出結果による遊技球カウント数)と、下流側取込センサ380による遊技球カウント数とを比較し、それら各カウント数が一致する場合に、今回の遊技球取込の検出結果(センサユニット370による取込判定の結果)が正規であると判定する。これに対し、各カウント数が不一致となる場合に、今回の遊技球取込の検出結果(センサユニット370による取込判定の結果)が正規なものでなく、不正行為によるものであると判定する。
【0161】
取込装置301に対する不正行為として、センサユニット370に、遊技球の通過を誤検出させるように発光動作する不正装置を取り付けることが考えられる。例えば、実際の遊技球取込に関係なく点滅動作するような2つの発光体を備えてなる不正装置を取込装置301に取り付け、それら各発光体を所定順序で点滅させることで遊技球の通過を誤検出させるようにする。かかる不正行為がなされた場合、センサユニット370による遊技球検出だけでは不正行為による遊技球の誤検出を回避することが困難であった。この点、上記のように下流側取込センサ380の検出信号による不正確認によって、不正行為による遊技球の誤検出を回避することができる。
【0162】
取込通路315に、互いに検出方式の異なる2つのセンサ装置(センサユニット370、下流側取込センサ380)を設けたため、各センサ装置のいずれにおいても遊技球を誤検出させるようにすることは困難なものとなる。故に、取込装置301における不正対策が望ましいものとなっている。
【0163】
上述した取込装置301の各構成部材(排出ゲート部材340を除く、取込ゲート部材320、ソレノイド325を含むゲート駆動機構、センサユニット370等)は、入口通路305と取込通路315とのコーナー部分の内側領域に集約して配設されている。これにより、各構成部材を限られた領域内で効率良く配置することができ、結果として取込装置301の小型化(薄型化も含む)が実現できるようになっている。
【0164】
次に、図37を用い、第1取込装置301による実際の遊技球の取込動作を説明する。図37において(a)は初期状態を示し、(b)は遊技球の取込状態を示し、(c)は遊技球の排出状態を示す。なお、実際の遊技に際し、入口通路305には続々と遊技球が入ってくるが、図37の(a)〜(c)では、5個の遊技球のみを図示している。
【0165】
図37の(a)に示す初期状態では、ソレノイド325が非通電となっており、取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315内に突出している。また、排出ゲート部材340が非操作の状態にあるため、当該排出ゲート部材340によって排出通路316の入口が閉鎖されている。つまり、取込ゲート部材320及び排出ゲート部材340によって取込通路315及び排出通路316が閉状態となっており、これにより遊技球の通過が阻止されている。この場合、取込装置301内に入ってきた遊技球のうち、先頭の遊技球は取込ゲート部材320と排出ゲート部材340との両方に当たった状態で保持されている。
【0166】
また、図37の(b)に示す遊技球の取込状態では、ソレノイド325の通電により取込ゲート部材320の爪部320aが取込通路315から引っ込んだ状態となる。これにより、取込通路315の遊技球の通過が許容され、遊技球の取込が順次行われる。遊技球の取込が行われる際、入口通路305から取込通路315に入ってきた遊技球は通路閉鎖状態にある排出ゲート部材340に衝突し、その衝突により流れの勢いが減じられ、その後取込通路315の下流側へと流れる。このとき、取込通路315では前後する遊技球が互いに離間した状態で流下し、センサユニット370によって遊技球の通過が確実に検知される。
【0167】
さらに、図37の(c)に示す遊技球の排出状態では、遊技者による排出操作(実際には排出操作伝達装置180の操作レバー188の操作)によって排出ゲート部材340が動作して通路開放状態とされる(ただしこのとき、ソレノイド325は非通電状態にある)。これにより、排出通路316内における遊技球の通過が許容され、遊技球の排出(球抜き)が行われる。遊技球の排出が行われる際、取込通路315の鉛直部分の入口部は、取込ゲート部材320の爪部320aと排出ゲート部材340の球案内突部344とにより閉鎖され、それら爪部320aと球案内突部344との上を遊技球が通過する。このとき、遊技球はスムーズに流れ、遊技球の排出が好適に行われる。
【0168】
上記構成の取込装置が3連で設けられた取込ユニット153では、上皿151の案内通路171〜173から各取込装置301〜303にそれぞれ遊技球が供給され、遊技機前面のベットスイッチ37の操作に伴い各取込装置301〜303では各々で遊技球が取り込まれる。具体的には、例えば15個(マックスベット分)の遊技球が取り込まれる場合、全ての取込装置301〜303において同時に取込ゲート部材320が開放位置に操作され、遊技球の取込が一斉に開始される。このとき、各取込装置301〜303では遊技球が5個ずつ取り込まれる。
【0169】
ただし、3個の取込装置301〜303のうちいずれかの取込装置に遊技球が充填されていない場合、又はソレノイド325の故障などでいずれかの取込装置が正常に作動しない場合には、正常な取込動作を行うことができる残りの取込装置により遊技球の取込が行われる。例えば、第1取込装置301に遊技球が充填されていないとき又は同取込装置301のソレノイド325などが故障しているときには、第1取込装置301以外の取込装置(第2,第3取込装置302,303)によって15個の遊技球が取り込まれることとなる。
【0170】
一方、取込装置301〜303や上皿151に残っている遊技球を下皿71へ排出する場合には、遊技機前面の操作レバー188の操作に伴い排出ゲート部材340が操作されて各取込装置301〜303で一斉に遊技球の排出が行われる。
【0171】
(払出制御ユニット155の説明)
次に、払出制御ユニット155について説明する。図38は、払出制御ユニット155の分解斜視図である。なお払出制御ユニット155としての完成状態は図8等に示されているため、これを参照されたい。図38等に示すように、払出制御ユニット155は、電源装置156と払出制御装置157とを横に並べ、それら各装置156,157を連結具401で連結することにより構成されている。
【0172】
詳しくは、電源装置156は、電源基板(図示略)とその電源基板を収容する基板ボックス402とにより構成されている。基板ボックス402は、合成樹脂材料にて成形されており、特に内部(電源基板)を視認可能とすべく透明ボックスとされている。基板ボックス402の上面及び下面の隅部にはスリット状の切欠が形成されており、その切欠によって可撓板部403が形成されるとともに、その可撓板部403上に突起404が形成されている(ただし図38には上側の可撓板部及び突起のみを示す)。これにより、可撓板部403及び突起404は上方(又は下方)からの力の作用により撓み変形する。
【0173】
また、払出制御装置157は、払出制御基板(図示略)とその払出制御基板を収容する基板ボックス405とにより構成されている。基板ボックス405は、合成樹脂材料にて成形されており、特に内部(払出制御基板)を視認可能とすべく透明ボックスとされている。基板ボックス405の上面及び下面の隅部にはスリット状の切欠が形成されており、その切欠によって可撓板部406が形成されるとともに、その可撓板部406上に突起407が形成されている(ただし図38には上側の可撓板部及び突起のみを示す)。これにより、可撓板部403及び突起407は上方(又は下方)からの力の作用により撓み変形する。電源装置156及び払出制御装置157の各基板ボックス402,405において、それらの高さ寸法(上下方向の寸法)と厚さ寸法(前後方向の寸法)は同一となっている。
【0174】
連結具401は略コ字状をなしており、中板部401a、上板部401b及び下板部401cよりなる。中板部401aは、電源装置156及び払出制御装置157の各基板ボックス402,405の高さ寸法とほぼ同じ長さ寸法(上下方向の寸法)を有し、上板部401b及び下板部401cは同基板ボックス402,405の厚さ寸法とほぼ同じ長さ寸法(前後方向の寸法)を有する。上板部401b及び下板部401cには各2個ずつの孔部408,409が形成されている。
【0175】
電源装置156及び払出制御装置157の各基板ボックス402,405に設けた突起404,407を連結具401の各孔部408,409に係合させることで、連結具401を介して電源装置156及び払出制御装置157が連結される。電源装置156及び払出制御装置157が連結された状態では、それら各装置156,157内の基板はいずれも同一方向(受皿ブロック5としては後方側)を向くようになっている。当該状態では、電源装置156及び払出制御装置157が所定の隙間を隔てて配置される。そして、図15等に示すように、電源装置156及び払出制御装置157の基板裏面側(連結具401の中板部401a側)を球通路形成体152に対向させるようにして、払出制御ユニット155が球通路形成体152に取り付けられる。
【0176】
(受皿ブロック5としての動作説明)
受皿ブロック5としての動作を図7(全体斜視図)、図17(上皿151の平面図)、図24(球通路形成体152の斜視図)、図32(取込装置301の構成断面図)等を用いて説明する。
【0177】
上記の如く構成される受皿ブロック5において、上皿151に多数の遊技球が貯留されている状態では、遊技球は上皿151の最下流部である案内通路171〜173で各一列に整列され、その整列状態で各案内通路171〜173に対応する取込装置301〜303の入口通路305〜307に案内される。このとき、各案内通路171〜173の一部と入口通路305〜307の上方には透明なカバー部材175が取り付けられており、各案内通路171〜173及び入口通路305〜307を通じて流下する遊技球が容易に視認可能となっている。
【0178】
そして、取込ユニット153の各取込装置301〜303における遊技球取込時には、各取込装置301〜303の取込ゲート部材320が開放操作されて取込通路315を通じて遊技球が順次取り込まれる。該取り込まれた遊技球は、球通路形成体152に設けられた球排出室216→外部誘導通路217の順に流れて外部(遊技ホールの島設備)に排出される。また、排出ゲート部材340の操作による遊技球排出時(球抜き時)には、遊技球が、各取込装置301〜303の排出通路316→排出誘導通路218→排出口203の順に流れて最終的に下皿71に排出される。
【0179】
一方、後述する払出装置等から遊技球分配部材210に遊技球が供給されると、該遊技球分配通路210に設けられた各通路211〜213による振り分けによって、遊技球が上皿151、下皿排出通路201、外部排出通路202のいずれかに分配される。
【0180】
(面替えブロック6の説明)
次に、面替えブロック6について説明する。図39は面替えブロック6を斜め前方より見た斜視図、図40は同面替えブロック6を斜め後方から見た斜視図、図41は同面替えブロック6の正面図である。また、図42,図43は面替えブロック6の分解斜視図である。
【0181】
面替えブロック6は主要な構成として、合成樹脂製の前面枠501と、この前面枠501の背面側に取り付けられる金属製のベース板502と、図柄表示装置としてのリール装置503と、補助演出装置としての液晶表示装置504と、遊技に関わる主たる各種制御を実施する主制御装置505と、主制御装置505からの指令に基づく従たる表示制御等を実施する表示制御装置506とを備えている。この場合、面替えブロック6は、本遊技機1の遊技内容を決定する主要部品を全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えブロック6を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えブロック6は機種入替時などにおける交換ユニットとなっている。
【0182】
(前面枠501の説明)
前面枠501の詳細を図44等を用いて説明する。図44において、(a)は前面枠501を前方から見た斜視図、(b)は前面枠501を後方から見た斜視図である。
【0183】
前面枠501は、正面から見てほぼ正方形状をなしており、周縁部に設けられたフランジ部511から前方に突出するようにして立体的に窓枠部512が形成されている。窓枠部512は、正面から見て略台形状に成形されており、これは前扉体11の視認窓21にほぼ一致する形状及び大きさとなっている。
【0184】
また、窓枠部512の前面部には、いずれも横長の矩形状をなす上下2つの開口が設けられており、それぞれ上側表示窓513、下側表示窓514となっている。各表示窓513,514は、窓枠部512の前面部において左右方向のほぼ中央部にそれぞれ設けられており、両者を比較すると下側表示窓514の方が大きめに形成されている。上側表示窓513は、液晶表示装置504による表示画像を表示するための液晶画像表示部に相当し、下側表示窓514は、リール装置503の外周に付されたリール図柄を表示するためのリール図柄表示部に相当する。
【0185】
窓枠部512の前面(すなわち前記表示窓513,514以外の部位)は概ね平坦面にて構成されている。ただし、窓枠部512において上側表示窓513の周囲部分と下側表示窓514の周囲部分とを比較すると、それらの設置角度は異なっており、上側表示窓513の周囲部分は概ね鉛直方向に設けられるのに対し、下側表示窓514の周囲部分は若干上方を向くようにして設けられている。こうした窓枠部512の前面角度は、前扉体11の視認窓21に設けられた透明パネル22に即したものとなっている。したがって、面替えブロック6をドアブロック4に装着した状態を想定すると、上側表示窓513の周囲部分は透明パネル22の上側パネル面22aと同様にはほぼ鉛直方向に設けられ、下側表示窓514の周囲部分は、同透明パネル22の下側パネル面22bと同様に若干上方を向くようにして設けられることとなる。
【0186】
面替えブロック6をドアブロック4に装着した状態では、前面枠501のフランジ部511がドアブロック4のパネル支持板材92(図8参照)に当接する。ただしこのとき、前面枠501においてフランジ部511から窓枠部512の前面までの長さ(前後方向の幅)と、パネル支持板材92の前後方向の長さとを比較すると、後者の方が大きいものとなっている。したがって、前記装着状態では、窓枠部512の前面と透明パネル22との間に隙間ができるようになっている。
【0187】
窓枠部512とドアブロック4側の視認窓21(透明パネル22)とはほぼ同じ大きさを有するため、窓枠部512の前面領域F(すなわち前記表示窓513,514以外の部位)に本遊技機1に関わる各種情報や装飾等を付与すれば、その各種情報や装飾等を視認窓21(透明パネル22)を通じて遊技機前方から視認することができる。この場合、前述のとおり窓枠部512の前面領域Fは概ね平坦面であるため、この前面領域にシール等を貼付することも可能である。
【0188】
(ベース板502の説明)
次に、ベース板502の詳細を図45等を用いて説明する。図45において、(a)はベース板502を前方から見た斜視図、(b)はベース板502を後方から見た斜視図である。
【0189】
ベース板502は、前記前面枠501とほぼ同じ大きさを有しており、該ベース板502には、各々矩形状をなす上下2つの開口部(上側開口部521,下側開口部522)が形成されている。このうち、上側開口部521は液晶表示装置504を装着するための開口であり、下側開口部522はリール装置503を装着するための開口である。そして、ベース板502は、各開口部521,522の側方部位で前記前面枠501への取り付けが行われる。なお、各開口部521,522は、前面枠501の各表示窓513,514にそれぞれ対応して設けられており、各表示窓513,514よりも一回り大きいものとなっている。
【0190】
ベース板502の背面側において、上下の各開口部521,522の間の開口縁部と下側開口部522の下側の開口縁部とにはそれぞれ、リール装置503を支持するための長尺状のリール支持部材525,526が設けられている。上側のリール支持部材525には左右2カ所に孔部525a,525bが設けられている。下側のリール支持部材526には左右2カ所に孔部526a,526bが設けられるとともに、後述するケース部材540の支持固定部546を載せるための返し部527が設けられている。
【0191】
ベース板502の背面側において左右両縁部にはそれぞれ角柱状の柱部531,532が取り付けられている。そのうち、背面側から見て右側の柱部531には支持金具533が取り付けられている。支持金具533には上下一対の支軸534a,534bが設けられている。支持金具533の支軸534a,534bは、面替えブロック6をドアブロック4に回動可能に支持するための支持手段を構成するものであり、この支軸534a,534bがドアブロック4に設けられた軸金具110,111の軸受け部110b,111aの軸孔(図8等参照)に差し入れられるようになっている。なお、ドアブロック4側の軸受け部110b,111aと面替えブロック6側の支軸534a,534bとが前記図6に示す「面替えブロック6用の支持手段M1,M2」に相当する。
【0192】
背面側から見て左側の柱部532には金具板535が取り付けられており、金具板535には上下一対の鉤部536a,536bが設けられている。この鉤部536a,536bは、面替えブロック6に対して払出ブロック7を固定するための固定手段として機能する。
【0193】
また、ベース板502の背面側には、上側開口部521と柱部531との間に外部端子板537が取り付けられている。
【0194】
(リール装置503の説明)
図46は、リール装置503の構成を示す斜視図である。リール装置503は、金属製のケース部材540と、そのケース部材540に収容される左・中・右の3つのリール541,542,543とを具備している。ケース部材540は、その内部に3つのリール541〜543を回転可能に収容し、かつ該リール541〜543の一部を前方に現出させるものとなっている。ケース部材540において上面部の前側端部には、上方に折り曲げて形成された支持固定部545が設けられ、下面部の前側端部には、下方に折り曲げて形成された支持固定部546が設けられている。これら支持固定部545,546は、リール装置503をベース板502に取り付けるための取付手段を構成するものである。
【0195】
支持固定部545,546にはそれぞれ左右2カ所に孔部545a,545b,546a,546bが設けられており、本リール装置503のベース板502への取り付け固定は、各孔部545a,545b,546a,546bに挿通させたネジをベース板502の上下のリール支持部材525,526(孔部525a,525b,526a,526b)に螺着させることにより行われている。
【0196】
図40等にて確認できるように、ケース部材540の上部には、リール装置503と主制御装置505などの制御系との電気的な接続を行うためのリール中継基板548が設置されている。また、ケース部材540の下部には、面替えブロック6を床等に置く場合に床等との接触部となる突起549が左右2カ所に設けられている。
【0197】
各リール541〜543の構成について周知であり、ここでは詳細な図示を省略するが、その構成を簡単に説明する。各リール541〜543は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材と、その外周に巻回された帯状のベルトとを備えている。ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている(例えば21図柄)。各リール541〜543の中央部には、駆動源としてのステッピングモータが設けられており、該ステッピングモータの駆動により各リール541〜543が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動される。リール装置503には、その他の構成として、各リール541〜543の回転位置を検出するためのリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)が設置されている。また、各リール541〜543の内周側には、蛍光ランプ等よりなるバックライト(後方発光手段)が設けられており、このバックライトにより、リール外周面に付された各図柄が後方より明るく照らされるようになっている。バックライトの発光によって、リール外周面に付された各図柄の視認性の向上や、遊技に際し補助的な演出の多様化を図ることができる。
【0198】
(主制御装置505等の説明)
次に、主制御装置505や表示制御装置506等の構成を図42等を用いて説明する。
【0199】
主制御装置505は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された主制御基板561と、この主制御基板561を収容するための略直方体形状のケース部材(ケース台562及びケースカバー563)とから構成されている。ケース台562及びケースカバー563は透明な合成樹脂材料にて成形されており、この透明なケース台562及びケースカバー563によってその内部の主制御基板561が視認可能となっている。ケース台562には、主制御装置505をベース板502に取り付けるための取付部564,565が図の上下2カ所に形成されている。
【0200】
なお、ケース台562及びケースカバー563には、これら各部材を連結する封印手段としての図示しない封印部(いわゆるカシメ部)が設けられている。封印部は、破壊等を伴うことでケース部材を開封可能とするものであり、開封後には破壊などがなされた部材が開封履歴として残るため、その開封履歴によって開封事実の確認が可能となっている。これにより、仮にケース部材が不正に開封された場合などにおいては、封印部の確認によって不正行為の発見が可能となっている。
【0201】
表示制御装置506は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された表示制御基板571と、この表示制御基板571を収容するための略直方体形状のケース部材(ケース台572及びケースカバー573)とから構成されている。ケース台572及びケースカバー573は透明な合成樹脂材料にて成形されており、この透明なケース台572及びケースカバー573によってその内部の表示制御基板571が視認可能となっている。ケース台572には、表示制御装置506をベース板502に取り付けるための取付部574,575が図の左右2カ所に形成されている。
【0202】
液晶表示装置504は、液晶パネル581と、該液晶パネル581を駆動する液晶ドライバ582とにより構成されている。
【0203】
(面替えブロック6として完成状態の説明)
面替えブロック6の完成状態を図39,図40を用いてあらためて説明する。面替えブロック6としては、前面枠501とベース板502とを一体化させたものに、背後からリール装置503が取り付けられ、リール装置503の上方に液晶表示装置504が取り付けられている。また、リール装置503の側方に主制御装置505が取り付けられるとともに、同リール装置503の上方に表示制御装置506が取り付けられている。
【0204】
面替えブロック6において、前面枠501の上側表示窓513からは液晶パネル581のパネル面全体が視認できる。また、同前面枠501の下側表示窓514からはリール装置503の各リール541〜543の一部が視認できる。このとき、各リール541〜543の外周に付された多数(本実施の形態では21個)の図柄のうち、リール毎に3つずつの図柄が下側表示窓514を通じて視認できるようになっている。
【0205】
(払出ブロック7の説明)
次に、払出ブロック7について説明する。図47は払出ブロック7の斜視図、図48は払出ブロック7の背面図である。
【0206】
払出ブロック7は、合成樹脂材料にて一体成形された裏カバー部材601と、遊技球を払い出すための払出機構602とが一体化されることにより構成されている。裏カバー部材601は、略平坦状のベース部603と、後方(遊技機1の後方)に突出し略直方体形状をなす保護カバー部604とを有する。保護カバー部604は左右及び上下の各面と背面とが閉鎖された形状をなし、少なくとも前記面替えブロック6のリール装置503を収容するのに十分な大きさを有する。なお図示は省略するが、保護カバー部604の背面には多数の通気孔が設けられている。
【0207】
払出機構602は、保護カバー部604を迂回するようにして裏カバー部材601のベース部603に取り付けられている。すなわち、裏カバー部材601の最上部には上方に開口したタンク605が設けられており、タンク605には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク605の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール606が連結され、タンクレール606の下流側には上下方向に延びるケースレール607が連結されている。
【0208】
払出装置608はケースレール607の最下流部に設けられ、受皿ブロック5に設けた払出制御装置157からの制御信号により払出モータ609が駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置608より払い出された遊技球は払出通路(図示略)等を通じて前記上皿151に供給される。図示は省略するが、ケースレール607の上流部には、タンク605やタンクレール606から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置608には、払出モータ609の回転を検出する払出回転センサと、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
【0209】
払出機構602には、払出制御装置157から払出装置608への払出指令の信号を中継する払出中継基板611が設置されている。その他、払出機構602には、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板(図示略)が設置されている。
【0210】
払出機構602におけるタンクや通路部材類はいずれも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0211】
裏カバー部材601には、背面側から見て右端部に上下一対の支軸621a,621bが設けられている。この支軸621a,621bは、払出ブロック7をドアブロック4に回動可能に支持するための支持手段を構成するものであり、この支軸621a,621bがドアブロック4に設けられた軸金具110,111の軸受け部110a,111bの軸孔(図8等参照)に差し入れられるようになっている。なお、ドアブロック4側の軸受け部110a,111bと払出ブロック7側の支軸621a,621bとが前記図6に示す「払出ブロック7用の支持手段M3,M4」に相当する。
【0212】
また、裏カバー部材601には、払出ブロック7を面替えブロック6に対して固定するための装着固定手段(ロック部材625a,625b)が複数箇所に設けられるとともに、同払出ブロック7をドアブロック4に装着した状態で固定するための装着固定手段(ロック部材627a,627b,627c,627d)が複数箇所に設けられている。
【0213】
すなわち、面替えブロック6用のロック部材625a,625bは、前記面替えブロック6に設けた金具板535の鉤部536a,536b(図40参照)に対応する位置に計2カ所設けられ、それぞれ各鉤部536a,536bに係止される係止片を有して構成されている。この場合、鉤部536a,536bに対して各ロック部材625a,625bの係止片を係止状態にすることで面替えブロック6に払出ブロック7が装着固定され、その係止状態を解除することで面替えブロック6から払出ブロック7が取り外しできるようになっている。
【0214】
また、ドアブロック4用のロック部材627a〜627dは、前記前扉体11(ドアブロック4)の鉤金具137a〜137d(図8参照)に対応する位置に計4カ所設けられ、それぞれ各鉤金具137a〜137dに係止される係止片を有して構成されている。この場合、鉤金具137a〜137dに対して各ロック部材627a〜627dの係止片を係止状態にすることでドアブロック4に払出ブロック7が装着固定され、その係止状態を解除することでドアブロック4から払出ブロック7が取り外しできるようになっている。
【0215】
(面替えユニット6の交換作業の説明)
上述したように、面替えブロック6は交換可能ユニットとなっており、ここでは遊技ホールでの機種入替時などにおける面替えブロック6の交換作業について説明する。
【0216】
まずは規定の操作キーを用いて外枠2に対するドアブロック4の施錠状態を解除し、ドアブロック4を手前側に開放する。このとき、ドアブロック4と共に面替えブロック6や払出ブロック7が一体動作する。これが図3に示す状態である。その後、払出ブロック7の裏カバー部材601に設けたロック部材627a〜627dを指等でアンロック状態に操作することで、ドアブロック4に対して面替えブロック6と払出ブロック7とを回動可能(開放動作可能)とし、更にロック部材625a,625bを指等でアンロック状態に操作することで、面替えブロック6に対して払出ブロック7を回動可能(開放動作可能)とする。この状態で面替えブロック6と払出ブロック7とを各々回動させると図4に示す状態となる。なおこの状態で、各ブロック間の電気配線等を適宜外しておく。
【0217】
そして、図4の状態で、面替えブロック6を上方に持ち上げるようにしてドアブロック4から取り外す。このとき、ドアブロック4側に設けられた軸金具110,111の軸受け部110b,111aから面替えブロック6側に設けられた支軸534a,534bが引き抜かれ、ドアブロック4から面替えブロック6が分離される。
【0218】
その後、新しい面替えブロック6を取り外し時と逆の作業手順で装着する。すなわち、新しい面替えブロック6をドアブロック4に取り付け、電気配線等の接続を適宜実行する。そして、面替えブロック6と払出ブロック7とを重ねた状態でロック部材625a,625bを指等でロック状態に操作する。また、面替えブロック6と払出ブロック7との一体物をドアブロック4に重ね、その状態でロック部材627a〜627dを指等でロック状態に操作する。最後にドアブロック4を外枠2に対して閉じると、遊技機1の入替が完了する。
【0219】
上記の面替えブロック6の交換作業に際し、操作キーによるドアブロック4の施錠解除以外は何ら特別な工具等を必要することはなく、交換作業の容易化が図られている。
【0220】
(電気的構成の説明)
次に、本遊技機1の電気的構成について、図49のブロック図に基づいて説明する。図49では、電気的な各構成要素を、ドアブロック4、受皿ブロック5、面替えブロック6及び払出ブロック7に区分けして示している。また、電源装置156から供給される電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0221】
図49において、主制御装置505、表示制御装置506及び払出制御装置157は、何れもCPU、ROM、RAM等を有してなる論理演算装置にて構成されており、各制御装置のCPUはROM内に予め記憶されている演算プログラムに基づいて遊技に関する各種制御を実行する。これら各制御装置は、信号ラインや中継基板等を介して接続されており、遊技に際しては制御装置間におけるコマンド等の授受によって遊技の進行が行われる。
【0222】
詳しくは、面替えブロック6において、主制御装置505には、リール中継基板548を介してリール装置503と外部端子板537とが接続されるとともに、サブ中継基板701を介して表示制御装置506が接続されている。リール装置503では、主制御装置505からの指令に基づいて各リール541〜543の回転が制御される。外部端子板537は遊技ホール等に設置されるホール管理装置(いわゆる、ホールコンピュータ)に接続される中継装置であり、この外部端子板537を通じて都度の遊技状況(遊技回数、当り回数等々)がホール管理装置に出力される。表示制御装置506は、主制御装置505から毎遊技の補助演出に関する各種コマンドを入力し、そのコマンドに応じて液晶表示装置504による補助演出を実施するとともに、ドアブロック4に設けたドア上部中継基板703を介してスピーカ類やランプ類の駆動を制御する。
【0223】
図示等による説明は省略したが、本遊技機1には、外枠2に対して遊技機本体3(ドアブロック4)が開放されたことを検知するためのドアスイッチが設けられており、このドアスイッチの検出信号はリール中継基板548を介して主制御装置505に入力されるようになっている。
【0224】
なお、主制御装置505において、RAMの一部には本遊技機1の電源遮断後においても電源装置156からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)することが可能なバックアップエリアが設けられている。したがって、停電などの発生により電源が遮断された場合には、電源遮断時の各種データがRAMのバックアップエリアに記憶保持され、次回の電源投入時(停電解消による電源投入を含む)において遊技機1の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。
【0225】
また、受皿ブロック5には受皿ブロック中継基板702が設けられており、この受皿ブロック中継基板702を介して前記面替えブロック6の主制御装置505と、本受皿ブロック5の払出制御装置157や取込ユニット153とが接続されている。加えて、受皿ブロック中継基板702を介して前記面替えブロック6の主制御装置505と、ドアブロック4のドアブロック中継基板704とが接続されている。
【0226】
この場合、ドアブロック4の各種操作部材(ベットスイッチ38、スタートレバー33、ストップスイッチ35〜37)が遊技者により操作されると、これら操作部材に内蔵された操作検出部によって当該操作が検出され、都度の操作検出信号がドアブロック中継基板704及び受皿ブロック中継基板702を介して主制御装置505に入力される。例えば、ベットスイッチ38の操作に伴う操作検出信号が主制御装置505に入力された場合、主制御装置505は、受皿ブロック中継基板702を介して取込ユニット153に取込制御信号を出力する。この取込制御信号によって取込ユニット153の各取込装置301〜303におけるソレノイド325が駆動され、遊技球の取込が順次行われる。遊技球取込時における遊技球取込検出センサ(センサユニット370、下流側取込センサ380)の検出信号は、やはり受皿ブロック中継基板702を介して主制御装置505に入力される。
【0227】
また、リール装置503の各リールの停止図柄(ドアブロック4の視認窓21から視認できる上下3個分の図柄、及び各図柄の組み合わせ)が所定の遊技球払出役(小役図柄、ボーナス図柄)に合致する場合には、主制御装置505は、都度の成立役に応じて遊技球の払出個数を設定し、その払出個数に対応する払出制御信号を受皿ブロック中継基板702を介して払出制御装置157に出力する。これにより、払出制御装置157によって払出装置608(払出モータ609)が駆動され、遊技球の払出が行われる。
【0228】
なお、払出制御装置157において、RAMの一部には主制御装置505のRAMと同様に、本遊技機1の電源遮断後においても電源装置156からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)することが可能なバックアップエリアが設けられている。したがって、停電などの発生により電源が遮断された場合には、電源遮断時の各種データがRAMのバックアップエリアに記憶保持され、次回の電源投入時(停電解消による電源投入を含む)において遊技機1の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。
【0229】
図示は省略しているが、払出制御装置157には、ドアブロック4に設けた情報表示部51の表示内容を管理する情報表示基板や、球貸しユニットから貸し出される遊技球の払出等を管理する球貸しユニット接続基板等が接続されている。
【0230】
電源装置156は外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置505や払出制御装置157等に対して供給する。
【0231】
(遊技の概略説明)
次に、上記構成の遊技機1について、遊技者により行われる遊技の概要を簡単に説明する。
【0232】
遊技の開始に際し、上皿151に遊技球が十分にある状況において遊技者によりベットスイッチ38が押圧操作されると、取込ユニット153の各取込装置301〜303において各々遊技球の取込が行われる。そして、ベット数に対応する所定個数(例えば15個)の遊技球の取込が完了した後、スタートレバー33が操作されると、リール装置503の各リール541〜543が一斉に又は所定順序で回転し始める。このスタートレバー33の操作時には、主制御装置505において小役、再遊技(リプレイ)、ボーナスゲーム等に関する内部抽選が行われる。各リール541〜543の回転時には、その外周面に付された図柄が視認窓21を通じて上から下へと移動するような態様で視認される。
【0233】
その後、遊技者によりストップスイッチ35〜37が任意の順序で操作されると、各ストップスイッチ35〜37の操作タイミングに合わせて各々対応するリール541〜543の回転が停止される。このとき、各リール541〜543の停止時には、所定の図柄を特定位置に停止させるような引き込み停止制御が適宜実施される。例えば、内部抽選により小役等が成立している場合、その小役等が成立する停止図柄の組み合わせとなるように、ストップスイッチ35〜37の操作タイミングから最大4図柄分、停止図柄がスライド可能となっている(停止図柄のスベリが行われる)。ちなみに、各リール541〜543の回転開始後、ストップスイッチ35〜37の操作がなされないまま規定時間を経過した場合にはその時点で各リール541〜543の回転が停止される。
【0234】
各リール541〜543の停止時(図柄停止時)において、その停止図柄及びその組み合わせが小役図柄やボーナス図柄に合致する場合、その際の成立役に応じた数の遊技球が払い出される。この場合、払出装置608の駆動により上皿151に遊技球が払い出される。
【0235】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0236】
上皿151の周壁部162における手前側壁部193の一部を後退させて凹部195を形成するとともに、当該凹部195には凹部195によって形成される収容領域Sの上方を塞ぐようにして支持板部196を一体形成し、収容領域Sにケース体271が収容されるようにしてベットスイッチ38を支持板部196に吊り下げ支持させた。そして、上皿151における凹部195の左右両側を球貯留領域とした。これにより、上皿151が収容される膨出部27の遊技機前方への膨出量を増加させることなく、上皿151の球貯留領域を前方へ拡張させることができる。つまり、遊技者に対して圧迫感を与えるといった不都合を生じさせることなく、上皿151における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる。
【0237】
また、本構成においては球貯留領域を極力大きく確保するために、支持板部196の前後方向の寸法がベットスイッチ38よりも大きく設定されており、ベットスイッチ38の左右両側に設けられる球貯留領域が膨出部27の前縁付近にまで拡張されている。この場合に、ベットスイッチ38が上皿151に設けられた支持板部196に吊り下げ支持されているため、ベットスイッチ38の左右両側に設けられる球貯留領域を膨出部27の前縁付近にまで拡張させた構成においてベットスイッチ38の支持強度を十分確保することができる。例えば、支持板部196が上皿151ではなく膨出部27に設けられた構成において、ベットスイッチ38の左右両側の球貯留領域を膨出部27の前縁付近にまで拡張させると、支持板部が膨出部27から大きく延出した形状となり、その基端部の強度が低くなってしまう。これに対して、支持板部196が上皿151の凹部195に対して同凹部195の上方を塞ぐようにして一体形成されているため、支持板部196を膨出部27に設ける場合に比べ基端部が広く確保され基端部の強度が高くなる。よって、上記のとおりベットスイッチ38の支持強度を十分確保することができる。
【0238】
上皿151に設けられたフランジ194を膨出部27の開口周縁部27aに下方から支持させる構成とすることで、上皿151の支持構造の簡素化が図られている。この場合に、支持板部196の手前側周縁部196aがフランジ194の一部を構成するようにした。よって、ベットスイッチ38の重量及び当該ベットスイッチ38の押圧操作に伴って支持板部196にかかる負荷が膨出部27の開口周縁部27aで受けられ、ベットスイッチ38の支持強度を簡素な構成を利用して高めることができる。特に、フランジ194を少なくとも上皿151の手前側壁部193における左右方向の全体に亘って連続的に形成するとともに、当該フランジ194の全体が開口周縁部27aによって支持されるようにした。よって、ベットスイッチ38の重量及び当該ベットスイッチ38の押圧操作に伴って支持板部196にかかる負荷が左右方向に亘って設けられた開口周縁部27aの全体で受けられ、ベットスイッチ38の支持強度を高めることができる。
【0239】
凹部195を構成する壁部195aは奥側に向けて円弧状となっている。つまり、凹部195が奥側に向けて先細り形状となっている。これにより、球貯留領域における開口部164に向けた遊技球の流れが凹部195によって阻害されてしまうことを抑制することができる。
【0240】
支持板部196の上面が遊技機前方斜め上方を向くように支持板部196を形成するとともに、ベットスイッチ38の上面が遊技機前方斜め上方を向くようにベットスイッチ38を設置した。これにより、球貯留領域に貯留された遊技球が支持板部196上やベットスイッチ38上に載ったとしても、その遊技球は支持板部196の上面やベットスイッチ38の上面の傾斜に沿って流下する。よって、支持板部196上やベットスイッチ38上に遊技球が留まることによりベットスイッチ38の操作性が低下してしまうことを防止することができる。また、支持板部196上やベットスイッチ38上に遊技球が留まっている状態でベットスイッチ38が押圧操作されると、当該ベットスイッチ38の破損などが生じるおそれがあるが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止することができる。特に、上記のとおりベットスイッチ38の左右両側に球貯留領域が設けられた構成においては、左右両側に球貯留領域が設けられていない従来の遊技機に比べ、支持板部196上やベットスイッチ38上に遊技球が載り易くなるが、かかる場合に上記不都合の発生を防止することができる。
【0241】
また、ベットスイッチ38の上面が遊技機前方斜め上方を向いているので、ベットスイッチ38の操作性の向上を図ることができる。つまり、本遊技機1にて遊技を行う遊技者は遊技機1の前方に着席して遊技を行うことが一般的である。また、上皿151の上方に設けられた透明パネル22を介して図柄の可変表示を視認しながらストップスイッチ35〜37を操作することが遊技の特徴となっているため、少なくとも遊技者の目の高さは上皿151よりも上方にあり、さらに遊技者の肩の高さも上皿151よりも上方にあるのが一般的である。この場合に、ベットスイッチ38の上面が遊技機前方斜め上方を向いているので、遊技者はベットスイッチ38に向けて斜め下方に腕を動かすことで当該ベットスイッチ38を無理なく押圧操作することができる。
【0242】
凹部195を上皿151における球貯留領域への遊技球の導入口である排出口163と対向する位置に形成した。これにより、排出口163から勢い良く遊技球が導入されたとしても、当該遊技球を凹部195に衝突させて早めに減速させることが可能である。これにより、球貯留領域における遊技球の挙動を安定させることができる。また、以上のように凹部195を排出口163と対向する位置に形成することで、ベットスイッチ38はスタートレバー33の右方であってストップスイッチ35〜37の左方に位置することとなる。これにより、本遊技機1においてスロットマシンにおける操作性が担保されている。
【0243】
凹部195を上皿151の手前底面部221,222から奥側に突出しないように形成した。よって、凹部195を備えた構成において、凹部195とは無関係に左奥底面部224にて遊技球を整列させることができる。
【0244】
なお、以上説明した実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。
【0245】
(1)上記実施の形態では、上皿151においてベットスイッチ38の左右両側に球貯留領域を設けたが、左右いずれか一方に球貯留領域を設けた構成としてもよい。この場合であっても、膨出部27の膨出量を増加させることなく、上皿151における遊技球の貯留容量を極力大きく確保することができる。
【0246】
(2)上記実施の形態では、凹部195を形成する壁部195aを円弧状に形成したが、角形状に形成してもよい。つまり、凹部195の壁部195aを2つの面や、3つ以上の面により構成してもよい。本構成であっても、凹部195を奥側に向けて先細り形状とすることで、球貯留領域における遊技球の流れが凹部195によって阻害されることを抑制することができる。
【0247】
(3)上記実施の形態では、フランジ194を連続的に形成したが、当該フランジ194を断続的に形成してもよい。かかる構成においても、手前側周縁部196aがフランジ194の一部を構成するように支持板部196を形成することで、ベットスイッチ38の重量及び当該ベットスイッチ38が押圧操作された場合の負荷が膨出部27の開口周縁部27aによって受けられ、ベットスイッチ38の支持強度を簡素な構成により高めることができる。
【0248】
また、フランジ194を設けない構成としてもよい。かかる構成においても、支持板部196の手前側周縁部196aを膨出部27の開口周縁部27aにより下方から支持させることにより、ベットスイッチ38の支持強度を簡素な構成により高めることができる。
【0249】
(4)上記実施の形態では、凹部195の前後方向寸法がベットスイッチ38よりも大きくなるように凹部195を形成したが、凹部195の前後方向寸法がベットスイッチ38よりも若干小さい構成としてもよい。
【0250】
(5)上記実施の形態では、支持板部196を円弧状壁部195aの上端から延びるよう形成したが、それよりも低い位置から延びるよう形成してもよい。これにより、円弧状壁部195aにおける支持板部196よりも高位にある部位によって支持板部196上への遊技球の載り上げが防止される。
【0251】
(6)上記実施の形態では、支持板部196の上面が前方に向けて下り傾斜となるよう支持板部196を形成したが、例えば、後方に向けて下り傾斜となるように形成してもよい。本構成であっても、支持板部196上やベットスイッチ38上に遊技球が留まることを防止することができる。
【0252】
(7)上記実施の形態では、凹部195を排出口163と対向する位置に形成することで、ベットスイッチ38をスタートレバー38の右方であってストップスイッチ35〜37の右方に配置したが、これを変更してもよい。例えば、ベットスイッチ38を上皿151の左右方向における中央寄りの位置や右寄りの位置に配置してもよい。
【0253】
(8)上記実施の形態では、上皿151を受皿ブロック5としてユニット化しない構成としてもよい。例えば、カバー部材175、排出操作伝達装置180及び球止め装置240を上皿151に組み付けることで上皿ユニットとして当該上皿ユニットをドアブロック4に組み付ける構成としてもよい。
【0254】
(9)遊技機1から下皿71を無くし、上皿151のみを設ける構成としてもよい。この場合、上皿151やその背後の払出通路等を大容量化することにより、遊技機1として十分量の遊技球が貯留保持できる。
【0255】
(10)上記実施の形態における遊技球の、1ベット当りの投入数(所定数)、最大投入数、払出個数等はあくまでも例示であって、上記数値に特に限定されるものではない。
【0256】
(11)本遊技機1は、必ずしもパチンコ島に設置されるものでなくても良い。この場合、外枠を要件とせず、筐体等に遊技機本体3が支持される構成であっても良い。また、遊技球はパチンコ球に限られず、パチンコ規格以外の金属球であっても良い。金属球以外、例えばセラミック球であっても良い。
【符号の説明】
【0257】
1…遊技機、3…遊技機本体部、4…ドアブロック、5…受皿ブロック、6…面替えブロック、7…払出ブロック、11…前扉体、22…窓部としての透明パネル、27…収容ベースとしての膨出部、27a…支持部としての開口周縁部、33…始動操作手段としてのスタートレバー、35〜37…停止操作手段としてのストップスイッチ、38…取込操作装置としてのベットスイッチ、41…開口部、151…球受け皿としての上皿、163…球入口としての排出口、164…球出口としての開口部、191…奥側壁部、193…周壁前面部としての手前側壁部、194…フランジ、195…凹部、195a…円弧状壁部、196…支持板部、196a…手前側周縁部、221〜224…球貯留部としての底面部、271…ハウジングとしてのケース体、272…スイッチ片、274…付勢手段としてのバネ、275…検出手段としてのセンサ、301〜303…取込装置、503…絵柄表示装置としてのリール装置、608…払出装置、S…収容領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機前面部から前方に突出され、上方が開放された収容ベースと、
収容ベースに収容され、遊技球を貯留する球貯留部が形成された球受け皿と、
前記球貯留部に貯留された遊技球を取り込む取込装置と、
取込装置による遊技球の取込処理を開始させるべく押圧操作される取込操作装置と
を備えた遊技機において、
前記球受け皿にはその周壁前面部の一部に後方へ向けて凹部を形成し、
前記取込操作装置をその上部にて吊り下げ支持する支持板部を、前記凹部の上方を塞ぐようにして同凹部に一体形成したことを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技機前面部から前方に突出され、上方が開放された収容ベースと、
収容ベースに収容され、遊技球を貯留する球貯留部が形成された球受け皿と、
前記球貯留部に貯留された遊技球を取り込む取込装置と、
取込装置による遊技球の取込処理を開始させるべく押圧操作される取込操作装置と
を備えた遊技機において、
前記球受け皿にはその周壁前面部の一部に後方へ向けて凹部を形成し、
前記取込操作装置をその上部にて吊り下げ支持する支持板部を、前記凹部の上方を塞ぐようにして同凹部に一体形成したことを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図2】
【図3】
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【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【公開番号】特開2012−250066(P2012−250066A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184960(P2012−184960)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【分割の表示】特願2006−10031(P2006−10031)の分割
【原出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【分割の表示】特願2006−10031(P2006−10031)の分割
【原出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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