説明

遊技機

【課題】複数の装飾部材が離れて配置されている場合でも、いずれかの装飾部材に生じた静電気を他の装飾部材を介して逃がすことができる遊技機を提供すること。
【解決手段】盤面板200の遊技盤面200aに第1装飾ユニット400のベース部材401が配設されるとともに、その前面に表面がメッキ処理された導電性を有するメッキベース415が配設され、さらメッキベース415の前面には、表面がメッキ処理された導電性を有する第1部材420a,420bが透光性を有する非導電性の第2部材421a〜421dを挟んで離間配置されている。そして、第1部材420aの背面に突設された位置決めボス441が、盤面板200の表面に形成された導電層200Dを貫通して導通穴210に嵌合されることで、複数の第1部材420a,420bが共通のメッキベース415を介して導電層200Dと導通される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電層を有する遊技盤と、該遊技盤に取り付けられる装飾ユニットと、を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として一般的に知られているものとしては、遊技領域に遊技球を発射することにより遊技が行なわれ、前記遊技領域として表面側に遊技球の軌道を変えるための障害釘が植設された遊技盤が設けられたパチンコ遊技機があった。
【0003】
このような遊技機においては、遊技盤において、携帯電話等からの電波を遮断するとともに、遊技球と障害釘との接触等の原因に基づいて遊技盤に蓄積した静電気を逃がす(たとえば、1000V〜数万Vで瞬間的)ために、電気的に接地(アース)された導電層を形成するとともに、遊技球の動きに関与するために作動する始動入賞装置及び特別可変入賞球装置等の電気部品、または、遊技の演出に関与するために作動する装飾ランプ、変動表示装置、演出表示装置、普通図柄表示器等の電気部品の少なくとも一方を、導電層と電気的に接続される態様で複数取り付け、当該複数の電気部品のそれぞれについてメッキを施して、隣り合う電気部品を導通した態様で遊技盤に配置したものがあった(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−295780号公報(第20頁、第9図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の遊技機において、隣り合う電気部品を導通した態様で遊技盤に配置できない場合、導電層と電気的に良好に接続されていない電気部品に生じた静電気を、メッキが施された他の電気部品を経て導電層から逃がすことができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、複数の装飾部材が離れて配置されている場合でも、いずれかの装飾部材に生じた静電気を他の装飾部材を介して逃がすことができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
導電層(導電層200D)を有する遊技盤(盤面板200とスペーサ部材とからなる遊技盤6)と、該遊技盤に取り付けられる装飾ユニット(第1装飾ユニット400,第2装飾ユニット500)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記装飾ユニットは、
非導電性を有する非導電ベース部材(ベース部材401,501)と、
前記導電性を有する複数の第1装飾部材(第1装飾部材420a,420b、520a〜520c)及び該第1装飾部材間に配置され非導電性を有する第2装飾部材(第2装飾部材421a〜421d、521)と、を備え、
該複数の第1装飾部材及び第2装飾部材は、導電性を有する導電ベース部材(メッキベース415,515)を介して前記非導電ベース部材に載置されてなり(図9、図18参照)、
前記導電ベース部材または前記複数の第1装飾部材のうち一の前記第1装飾部材(第1装飾部材420a、520a)に、前記非導電ベース部材(フランジ部410a,510a)を貫通して前記導電層に導通する導通部(位置決めボス441,541)が設けられている(例えば、図9、図18参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、非導電性の第2装飾部材を挟んで複数の第1装飾部材が点在しても、これら複数の第1装飾部材は共通の導電ベース部材に導通されていることで、複数の第1装飾部材それぞれからアース線等を引き出さなくても、導電ベース部材または複数のうちいずれかの第1装飾部材を導通部により導電層に導通させることにより、複数の第1装飾部材全てを導電層に導通させることが可能となるため、複数の第1装飾部材それぞれに生じた静電気をまとめて導電層に逃がすことができる。
【0008】
本発明の手段1に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記非導電ベース部材(ベース部材401,501)は、前記遊技盤(盤面板200とスペーサ部材とからなる遊技盤6)に形成された孔(取付穴201,202)または切欠きの縁部分に取り付けられるフランジ部(フランジ部410a,510a)を有し、
前記導通部(位置決めボス441,541)は、前記フランジ部を貫通して前記導電層(導電層200D)に導通する(例えば、図9、図18参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、フランジ部を貫通した導通部は確実に遊技盤に到達するため、導通部を遊技盤に形成された孔や切欠きに対応する箇所で貫通させる場合に比べて、導通部を導電層に容易に導通させることができる。
【0009】
本発明の手段2に記載の遊技機は、請求項1または手段1に記載の遊技機であって、
前記導通部(位置決めボス441,541)は、前記導電ベース部材(メッキベース415,515)または前記複数の第1装飾部材(第1装飾部材420a,420b、520a〜520c)のうち一の前記第1装飾部材(第1装飾部材420a、520a)に突設され、前記遊技盤(盤面板200とスペーサ部材とからなる遊技盤6)に形成された位置決め部(導通穴210,220)に嵌合される位置決め突部を兼ねる、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、導通部を導電層に導通させることで、導電ベース部材または第1装飾部材の遊技盤に対する取付位置が決定されるため、導通部と位置決め部とを別個に形成しなくて済む。
【0010】
本発明の手段3に記載の遊技機は、請求項1、手段1、手段2のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1装飾部材(第1装飾部材420a,420b、520b)は、前記導電ベース部材(メッキベース415,515)との間に前記第2装飾部材(第2装飾部材421a〜421d、521)の一部を挟持した状態で、金属製のネジ(ネジ431a,431e、531c)を介して該導電ベース部材に取り付けられる(例えば、図9、図18参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、導電ベース部材と第1装飾部材とをネジで導通させつつ、第2装飾部材を固定するためのネジ等が不要となるため、導電性が向上するばかりか、コストを低減できる。
【0011】
本発明の手段4に記載の遊技機は、請求項1、手段1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技機(パチンコ遊技機1)は、前記遊技盤(盤面板200とスペーサ部材とからなる遊技盤6)の遊技盤面(遊技盤面200a)に形成される遊技領域(遊技領域7)に遊技球を発射することにより遊技が行われ、遊技球が入賞しやすい開状態と入賞しないまたは入賞しにくい閉状態とに変化する可変入賞装置(特別可変入賞球装置20)を備え、
前記可変入賞装置は、
該可変入賞装置に進入した遊技球が排出される排出路(排出路707)と、
前記排出路に向けて傾斜した誘導底面(誘導底面706a)と、
内部を通過した遊技球を検出するための検出開口(通過孔23B)を有する平板状(本体23A)に形成され、該検出開口を前記誘導底面による誘導方向に向けて設置される検出手段(カウントスイッチ23)と、を有し、
前記検出手段は、前記誘導底面に対し交差する方向に起立させた状態で、前記誘導底面(誘導底面706aの下流側端縁部706b)と前記検出開口(通過孔23Bにおける上流側の開口下端縁23C)との間に遊技球の直径寸法(2R)より狭い空隙(空隙L12)が生じるように設置される(図24(b)参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可変入賞装置の製造時において寸法誤差が生じたり、誘導底面上にゴミなどが付着したりすることにより、誘導底面に対する検出開口の相対位置が若干低くなっても、誘導底面と検出開口との間に遊技球の直径寸法より狭い空隙が設けられることで、検出開口上部から誘導底面までの離間幅寸法が長くなる、すなわち、間口が広がるので、検出開口の上下幅寸法が狭くなって球詰まりが発生することが防止される。
【0012】
本発明の手段5に記載の遊技機は、請求項1、手段1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技機(パチンコ遊技機1)は、少なくとも一面(前面)に電子部品(例えば、装飾LED405a,405b,505a)が実装される基板(例えば、LED基板405,505等)と、該基板を被覆する基板ケース(例えば、第2装飾ユニット500)と、を備え、
前記基板ケースは、
前記一面を被覆し、一部が開口する箱状に形成された第1カバー部材(例えば、ベース部材501)と、該一面と反対側の他面を被覆し、一部が開口する箱状に形成された第2カバー部材(例えば、カバー部材506)と、前記第1カバー部材と前記第2カバー部材とを締結する締結手段{例えば、ネジN4(図14,15参照)}と、を備え、
前記締結手段は、前記第1カバー部材の開口周端面(例えば、ベース部材501の後端面)と前記第2カバー部材の開口周端面(例えば、カバー部材506の前端面)とが前記基板の周縁部を挟むように前記第1カバー部材と前記第2カバー部材とを締結する(例えば、図27参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1カバー部材と第2カバー部材とを締結した状態において、第1カバー部材の開口周縁面と第2カバー部材の開口周端面との間に基板の周縁部が挟まれることにより該基板の成型誤差を吸収でき、これにより基板を極力大きくし、電子部品を第1カバー部材の周縁近傍に配置すること等が可能となるため、電子部品の配置自由度が向上する。
【0013】
本発明の手段6に記載の遊技機は、請求項1、手段1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技機(パチンコ遊技機1)は、前記遊技盤(盤面板200とスペーサ部材とからなる遊技盤6)の遊技盤面(遊技盤面200a)と該遊技盤面に対し所定の隙間(L21)を隔てて配置される透明板(ガラス扉枠102の透視窓102a)との間に遊技領域(遊技領域7)が形成され、該遊技領域に遊技球を発射することにより遊技が行われ、
前記遊技領域7を流下する遊技球が衝突する衝突部(転動傾斜面551a)と、
前記衝突部に衝突した遊技球を前記遊技盤面に沿う方向のうち所定方向(右側から左側)に誘導する転動部(転動面551)と、を備え、
前記衝突部は、衝突した遊技球を前記遊技盤面側に向けて跳ね返すように形成される(図26(b)参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技領域を流下する際に衝突部に衝突した遊技球は、転動部により遊技盤面に沿って所定方向に誘導されるが、衝突部に衝突した際に遊技球は遊技盤面側に跳ね返されるので、該跳ね返った遊技球が透明板に接触し損傷することにより耐久性が低減したり遊技領域の視認性が低下することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パチンコ遊技機を示す正面図である。
【図2】パチンコ遊技機を示す背面図である。
【図3】主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図4】盤面板に対する第1,2装飾ユニットの取り付け状態を示す斜視図である。
【図5】第1装飾ユニットを斜め前から見たときの分解斜視図である。
【図6】第1装飾ユニットを斜め後ろから見たときの分解斜視図である。
【図7】装飾枠を斜め前からみたときの分解斜視図である。
【図8】装飾枠を斜め後からみたときの分解斜視図である。
【図9】装飾枠を平面上に展開した状態を示す説明用断面図である。
【図10】第1装飾ユニットを示す正面図である。
【図11】仕切り枠とLEDの配置状態を示す背面図である。
【図12】(a)は第1装飾ユニットの左側面図、(b)は右側面図である。
【図13】図10のA−A断面図である。
【図14】第2装飾ユニットを斜め前から見たときの分解斜視図である。
【図15】第1装飾ユニットを斜め後ろから見たときの分解斜視図である。
【図16】装飾枠を斜め前からみたときの分解斜視図である。
【図17】装飾枠を斜め後からみたときの分解斜視図である。
【図18】装飾枠を平面上に展開した状態を示す説明用断面図である。
【図19】第1装飾ユニットを示す正面図である。
【図20】(a)は第2装飾ユニットの左側面図、(b)は右側面図である。
【図21】図19のB−B断面図である。
【図22】(a)(b)は特別可変入賞球装置の内部構造を示す斜視図である。
【図23】特別可変入賞球装置の横断面図である。
【図24】(a)はカウントスイッチを示す図、(b)は図23の要部拡大段面図である。
【図25】(a)はカウントスイッチが誘導底面に対し平行に離れた場合、(b)はカウントスイッチが誘導底面に対し傾倒して離れた場合を示す説明図である。
【図26】(a)は球誘導部材がベース部材に取り付けられた状態を示す正面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図27】変形例としての装飾ユニットの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施例を図面に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0016】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図3は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
パチンコ遊技機1は、図1及び図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
【0018】
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
【0019】
遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された透光性の合成樹脂材からなる盤面板200(図4参照)と、所定の厚み幅寸法を有する非透光性の合成樹脂材からなり、盤面板を取り付ける取付面が前面に設けられたスペーサ部材(図示略)と、から構成され、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)等の遊技に関連する遊技用部品が組み付けられる遊技用部品ユニット260が一体的に組み付けられている(図2参照)。
【0020】
遊技盤ユニット310は、遊技盤6と、該遊技盤6の背面側に配置され、遊技盤6を背面側から装飾する装飾ユニット(図示略)と、該装飾ユニットの背面に取り付けられ、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニットと、から主に構成され、遊技盤6に対して着脱可能に取り付けられる。
【0021】
ここで、パチンコ遊技機1において、携帯電話等からの電波を遮断するとともに、遊技球と障害釘との接触等の原因に基づいて遊技盤6に蓄積した静電気を逃がす(たとえば、1000V〜数万Vで瞬間的)ために、電気的に接地(アース)された導電層200D(例えば、図9,図13参照)が形成されている。
【0022】
詳しくは、例えば図13に示すように、導電層200Dは、盤面板200の前面である遊技盤面200aに貼付された電気的に接地される透明な導電性フィルムからなり、遊技盤面200aに設けられる始動入賞装置15、および特別可変入賞球装置20等の各種電気部品および障害釘や、後述する第1装飾ユニット400の位置決めボス441及び第2装飾ユニット500の位置決めボス541それぞれは、導電性を有するそれぞれの挿入部が導電性フィルムを貫通し、当該挿入部が貫通した部分において導電性フィルムと電気的に接続された態様で盤面板200に取り付けられることにより導電性フィルムを介して電気的に接地されている。
【0023】
よって、透明の導電性フィルムが盤面板200に貼付され、電気部品および障害釘や、後述する第1装飾ユニット400の位置決めボス441及び第2装飾ユニット500の位置決めボス541の導電性を有するそれぞれの挿入部が導電性フィルムを貫通し、当該貫通した部分において導電性フィルムと電気的に接続された態様で盤面板200に取り付けられることにより、導電性フィルムを介して電気的に接地される。盤面板200に貼付される導電性フィルムが透明であり、接地されているので、たとえば、遊技盤のベースとなる盤面板200の遊技盤面200a側において、背面側の装飾ユニット(図示略)の装飾性を損なうことなく導電性部材を配置することができ、遊技盤6において、電気的に接地可能な導電性部材の配置場所の制限を緩和することができる。
【0024】
また、導電性フィルムは、透明のフィルム基材に導電性物質(銀、または、酸化インジウムスズ等の導電性物質)による透明の導電パターンが印刷により形成されていることが好ましく、このような構成によれば、導電性フィルムにおいて、透明のフィルム基材に導電性物質による透明の導電パターンが印刷により形成されているので、導電パターンに基づいて導電性フィルムの電気抵抗を調整することができ、過大な漏電電流が流れにくくなるようにすることができる。
【0025】
また、前記導電パターンは、前記導電性物質よりなる線形の導電線部が網状のパターンで形成され、該網状のパターンにおける網目部の大きさが、障害釘と電気部品とのそれぞれにおける前記挿入部の幅方向の大きさ、および、該挿入部を挿入するために盤面板200に形成された挿入部孔の幅方向の大きさよりも小さいことが好ましく、このような構成によれば、導電線部が網状のパターンで形成され、当該網状のパターンにおける網目部の大きさが、障害釘と電気部品とのそれぞれにおける挿入部の幅方向の大きさ、および当該挿入部を挿入するために盤面板200に形成された挿入部孔の幅方向の大きさよりも小さいので、遊技盤6において、挿入部を挿入する位置に関わらず障害釘および電気部品を接地させることができる。
【0026】
また、遊技盤6は、盤面板200と、前記導電性フィルムとの間に接着される透明の中間部材をさらに含み、該中間部材は、前記盤面板200の熱膨張率と、前記導電性フィルムの熱膨張率との間の範囲内での熱膨張率を有する(中間部材は、熱膨張率が、盤面板200の熱膨張率と、導電性フィルムの熱膨張率との間の範囲内のものが用いられる)ことが好ましく、このような構成によれば、盤面板200と導電性フィルムとの間に接着される透明の中間部材が、盤面板200の熱膨張率と、導電性フィルムの熱膨張率との間の範囲内での熱膨張率を有するので、遊技盤が熱膨張したときに、中間部材が盤面板200と導電性フィルムとの間の範囲内の熱膨張率であることに基づいて熱膨張時の緩衝材となるので、盤面板200と導電性フィルムとの熱膨張率の違いに基づいて、導電性フィルムが盤面板200から剥がれるのを防ぐことができる。
【0027】
また、遊技盤6は、盤面板200と、前記導電性フィルムとの間に接着される透明の中間部材をさらに含み、該中間部材は、前記盤面板200の厚さと、前記導電性フィルムの厚さとの間の範囲内での厚さを有することが好ましく、このような構成によれば、遊技盤が熱膨張するときに、厚みが厚いもの程、伸びが大きくなるが、盤面板200と導電性フィルムとの間に接着される透明の中間部材が、盤面板200の厚さと、導電性フィルムの厚さとの間の範囲内での厚さを有するので、中間部材が盤面板200と導電性フィルムとの間の範囲内の厚みであることに基づいて熱膨張時の緩衝材となるので、熱膨張時の緩衝材となることにより、盤面板200と導電性フィルムとの熱膨張率の違いに基づいて、導電性フィルムが盤面板200から剥がれるのを防ぐことができる。
【0028】
また、前記盤面板200と前記導電性フィルムとは、異なる材質(例えば、盤面板200はアクリル、導電性フィルムのフィルム基材はトリアセチルセルロース)で構成され、前記導電性フィルムは、前記盤面板200および前記導電性フィルムの材質と異なる材質(導電性フィルムの導電線部は銀または酸化インジウムスズ等の導電性物質、中間部材はポリエチレンテレフタレート)の前記中間部材を介して、前記盤面板200に貼付され、前記盤面板200と前記中間部材との間は、前記盤面板200と前記中間部材との接着に好適な第1の透明の接着剤を用いて接着され、前記導電性フィルムと前記中間部材との間は、前記導電性フィルムと前記中間部材との接着に好適な第2の透明の接着剤を用いて接着されることが好ましく、このような構成によれば、盤面板200と中間部材との間が、盤面板200と中間部材との接着に好適な第1の透明の接着剤を用いて接着され、導電性フィルムと中間部材との間が、導電性フィルムと中間部材との接着に好適な第2の透明の接着剤を用いて接着されるので、接着対象の2つの部材に好適な接着剤を用いて、盤面板200に中間部材を介して導電性フィルムを接着することができる。
【0029】
また、前記導電性フィルムは、導電性を有する銀を含む(導電性物質として銀により導電パターンが形成されている)とすることが好ましく、このような構成によれば、導電性フィルムが、導電性を有する銀を含むので、導電パターンの導電性および透明性を向上させることができる。
【0030】
また、前記導電性フィルムは、導電性を有するスズ、ゲルマニウム、亜鉛、ガリウム、マグネシウムのうち少なくとも1種類を含む酸化インジウム膜を含む(たとえば、導電性物質として酸化インジウムスズにより導電パターンが形成されている)ことが好ましく、このような構成によれば、導電性フィルムが、導電性を有するスズ、ゲルマニウム、亜鉛、ガリウム、マグネシウムのうち少なくとも1種類を含む酸化インジウム膜を含むので、導電パターンの導電性および透明性を向上させることができる。
【0031】
また、盤面板200は、導電性を有しないアクリル樹脂板により形成されることが好ましく、このような構成によれば、盤面板200が、導電性を有しないアクリル樹脂板により形成されているので、透明の導電性フィルムおよびアクリル樹脂板により、遊技盤全体の透明性を向上させることができる。
【0032】
尚、本実施例では、透明な導電性フィルムにより導電層が形成されていたが、必ずしも透明でなくてもよく、例えば、遊技盤面200aに貼り付けられる台板装飾シートとして、表側より透明フィルム、図柄表示層、裏打ち紙、導電層の順に積層するとともに、さらに導電層の裏側にベースシートを積層してもよい。また、不透明のカーボンよりなる導電塗料層を形成し、遊技盤上の電気部品を当該導電塗料層を介して電気的に接地させ、導電塗料層の印刷パターンによりインピーダンスを調整したもの等でもよい。
【0033】
図1に戻って、遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
【0034】
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
【0035】
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0036】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
【0037】
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0038】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
【0039】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
【0040】
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15a及び入賞確認スイッチ15bによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
【0041】
また、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14bの検出結果及び第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
【0042】
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0043】
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
【0044】
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
【0045】
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
【0046】
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
【0047】
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の右側には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉20aを備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉20aが開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口20bが開放状態になる。
【0048】
大入賞口20b内には、大入賞口20b内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口20b内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口20b内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
【0049】
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口20bを遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口20bが開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口20bが閉鎖状態となれば、大入賞口20bに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0050】
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
【0051】
なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
【0052】
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや大入賞口20bも、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
【0053】
また、このように構成される特別可変入賞球装置20は、遊技中に点滅表示される装飾LED405a,405bを有する第1装飾ユニット400に一体化された状態で盤面板200に取り付けられている。
【0054】
遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED500aを有する第2装飾ユニット500が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾LED405a,405b,505aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
【0055】
図1および図2では、図示を省略しているが、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。なお、賞球ランプおよび球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
【0056】
遊技者の操作により、後述する打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0057】
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0058】
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0059】
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
【0060】
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
【0061】
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を背面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース150に収納されている。
【0062】
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板90やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板90には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
【0063】
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
【0064】
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
【0065】
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
【0066】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース97aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ43が設けられている。球切れスイッチ43が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ43が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
【0067】
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0068】
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
【0069】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0070】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0071】
乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0072】
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0073】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0074】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
【0075】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
【0076】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
【0077】
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
【0078】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
【0079】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
【0080】
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
【0081】
演出制御基板80は、演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU(図示略)は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU(図示略)は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
【0082】
演出制御用CPU(図示略)は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU(図示略)は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPUから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
【0083】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0084】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
【0085】
さらに、演出制御用CPU(図示略)は、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPUは、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。
【0086】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED405a,405b,505aに駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
【0087】
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0088】
次に、図4〜図13に基づいて、第1装飾ユニット400について説明する。図4は、盤面板に対する第1,2装飾ユニットの取り付け状態を示す斜視図である。図5は、第1装飾ユニットを斜め前から見たときの分解斜視図である。図6は、第1装飾ユニットを斜め後ろから見たときの分解斜視図である。図7は、装飾枠を斜め前からみたときの分解斜視図である。図8は、装飾枠を斜め後からみたときの分解斜視図である。図9は、装飾枠を平面上に展開した状態を示す説明用断面図である。図10は、第1装飾ユニットを示す正面図である。図11は、仕切り枠とLEDの配置状態を示す背面図である。図12は、(a)は第1装飾ユニットの左側面図、(b)は右側面図である。図13は、図10のA−A断面図である。
【0089】
尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1を正面から見た状態を基準として上下左右方向を説明する。
【0090】
図4に示すように、盤面板200における遊技領域7の下部左右側には、取付穴201,202が前後に貫通して形成されている。そして、取付穴201には第1装飾ユニット400が盤面板200の前面側から複数のネジN1により取り付けられ、取付穴202には第2装飾ユニット500が盤面板200の前面側から複数のネジN2により取り付けられている。
【0091】
(第1装飾ユニット)
図5及び図6に示すように、第1装飾ユニット400は、盤面板200に形成された取付穴201に取り付けられるベース部材401と、ベース部材401の前面側に取り付けられる環状の装飾枠402と、ベース部材401に形成された大入賞口20bの下方位置に設けられる球誘導部材407と、ベース部材401の背面側に配設され透光性を有するレンズ部材403と、レンズ部材403の背面側に設けられ、複数の装飾LED405a,405bを仕切る仕切り枠404a〜404cからなる仕切り枠404と、仕切り枠404の背面側に配設され、前面に複数の装飾LED405a,405bが設けられたLED基板405と、LED基板405の背面側を被覆するように設けられるカバー部材406と、特別可変入賞球装置20と、から構成されている。
【0092】
ベース部材401は、透光性を有する非導電性の合成樹脂材により構成される非導電性部材であり、取付穴201の開口より大きく形成された板状部410と、板状部410の背面に突設され、取付穴201に嵌合可能に形成される筒状の嵌合部411と、から主に構成されており、嵌合部411を取付穴201の開口に前面側から嵌合させることにより、板状部410における嵌合部411よりも外側のフランジ部410aが、盤面板200の前面200aにおける取付穴201の開口周縁(被取付部)に当接して後方への移動が規制される。そして、複数のネジN1によりフランジ部410aを盤面板200に取り付けることで、ベース部材401が取付穴201に取り付けられる。
【0093】
ベース部材401の左側には、レンズ部材403を前面側に臨ませるための演出用開口412が形成されているとともに、右側には、特別可変入賞球装置20の大入賞口20bが形成されている。演出用開口412は、筒状の嵌合部411により囲まれた領域に形成されており、その前面開口周縁には、環状の凹部413が形成されている。
【0094】
図7〜図9に示すように、装飾枠402は、演出用開口412と同形の開口が形成され凹部413に嵌合可能に形成されるメッキベース415と、メッキベース415の前面415aに配設される第1装飾部材420a,420b及び第2装飾部材421a〜421dを含む装飾部材416と、から構成されている。
【0095】
メッキベース415は、合成樹脂材により板枠状に形成されており、表面全域にはメッキ処理が施され、導電性を有するメッキ層が形成されている。また、装飾部材416を取り付けるための複数の金属製のネジ431a〜431fが挿通する挿通孔430a〜430fが形成されているとともに、周縁には、正面視略C字形の切欠部432a〜432mが形成されている。
【0096】
第1装飾部材420aは、合成樹脂材により板枠状に形成され、メッキベース415の前面415aに対し略直交するように立設される帯板状部材からなり、表面全域にはメッキ処理が施され、導電性を有するメッキ層が形成されている。また、背面下部には、係合段部440が切欠形成され、該係合段部440の背面には、導通部を構成する位置決めボス441及び位置決めボス442aが後向きに突設されているとともに、ネジ穴443aが形成されている。また、係合段部440以外の背面には、位置決めボス442bが後向きに突設されているとともに、ネジ穴443bが形成されている。尚、これら位置決めボス441,442a,442bの表面にもメッキ処理が施されてメッキ層が形成されている。
【0097】
第1装飾部材420bは、合成樹脂材により板状に形成され、メッキベース415の前面415aに対し略直交するように立設される板状部材からなり、表面全域にはメッキ処理が施され、導電性を有するメッキ層が形成されている。背面には、位置決めボス442c,442dが後向きに突設されているとともに、後端面にネジ穴443cが形成された大径ボス444が後向きに突設されている。尚、これら位置決めボス442c,442dや大径ボス444の表面にもメッキ処理が施されてメッキ層が形成されている。
【0098】
第2装飾部材421aは、透光性を有する合成樹脂材により構成され、メッキベース415の前面415aに対し略直交するように立設される起立部445aと、該起立部445aの一端から延設され、前面415aに当接可能な平板部445bと、から構成されている。起立部445aの背面には、位置決めボス446a,446bが後向きに突設されている。また、平板部445bは、係合段部440の前後幅寸法と同じ板厚を有し、挿通孔447aが形成されているとともに、周縁には切欠部448a,448bが形成されている。
【0099】
第2装飾部材421bは、透光性を有する合成樹脂材により構成され、メッキベース415の前面415aに対し略直交するように立設される上下一対の起立部445aと、該起立部445a同士を連結し、前面415aに当接可能な平板部445bと、から構成されている。起立部445aの背面には、位置決めボス446c〜446eが後向きに突設されている。また、平板部445bの周縁には、複数の切欠部448c〜448eが形成されている。
【0100】
第2装飾部材421cは、透光性を有する合成樹脂材により構成され、メッキベース415の前面415aに対し略直交するように立設される板状部材からなる。背面には、位置決めボス446f,446gが後向きに突設されているとともに、後端面にネジ穴447bが形成されている。
【0101】
第2装飾部材421dは、透光性を有する合成樹脂材により構成され、メッキベース415の前面415aに対し略直交するように立設される板状部材からなる。背面には、位置決めボス446h,446iが後向きに突設されているとともに、後端面にネジ穴447c,447dが形成されている。
【0102】
ベース部材401の演出用開口412の周囲に形成された凹部413には、ネジ431a〜431fの取付孔435a〜435fがそれぞれ形成されているとともに、各切欠部432a〜432mに対応する位置には、位置決めボス441、442a〜442d、446a〜446iが嵌合可能な位置決め穴436a〜436iがそれぞれ形成されている(位置決めボス442a,442c,442d及び位置決めボス446f,446gに対応する位置決め穴を除く)。
【0103】
図9に示すように、このように構成された装飾部材416は、メッキベース415の前面415a左右側に第2装飾部材421a,421bを配置し、次いで第2装飾部材421c,421d及び第1装飾部材420a,420bを配置することで、正面視略円形をなす。この状態において、位置決めボス441,442a〜442d,446a〜446iが、メッキベース415に形成された切欠部432a〜432mに挿入されるので、メッキベース415に対する装飾部材416の組み付け位置が決定される。
【0104】
また、特に位置決めボス442a,442c,442dは、平板部445bに形成された切欠部547aを挿通して切欠部432b,432g,432hに挿入されるので、第1装飾部材420a,420bと第2装飾部材421a,421bとの相対位置を容易に決定することができる。
【0105】
また、位置決めボス441及び位置決めボス442a〜442dの周面はメッキ処理が施されているとともに、メッキベース415に形成された切欠部432a〜432mの内周面にもメッキ処理が施されていることで、位置決めボス441及び位置決めボス442a〜442dが切欠部432a〜432c,432g,432hに挿入されることで、第1装飾部材420a,420bとメッキベース415とが電気的に導通することになる。
【0106】
また、この状態において、位置決めボス442a,442c,442d及び位置決めボス446f,446g以外の位置決めボス441及び位置決めボス442b、位置決めボス446a〜446e,446h,446iは、メッキベース415の背面から後側に突出した状態となるため、メッキベース415の背面から後側に突出した位置決めボス441及び位置決めボス442b、位置決めボス446a〜446e,446h,446iを、位置決め穴436a〜436iに嵌合させることで、ベース部材401に対する装飾枠402の取付位置が決定される。
【0107】
そして、ベース部材401の背面側から各取付孔435a〜435fに取り付けたネジ431a〜431fを、挿通孔430a〜430fを挿通して各部材のネジ穴443a〜443c,447b〜447dに螺入することで、装飾部材416がメッキベース415を挟持した状態でベース部材401の前面に組み付けられる。
【0108】
組み付けられた状態において、隣り合う第1装飾部材420a,420b、第2装飾部材421a〜421dの端部に形成された凹部と凸部とが係合して互いに接続されることで、各部材が一体化される。また、第1装飾部材420a,420bは、メッキベース415との間に第2装飾部材421a,421bの平板部445bを挟んだ状態で、金属製のネジ431a,431eによりベース部材401に取り付けられることで、メッキベース415と第1装飾部材420a,420bとをネジで導通させつつ、第2装飾部材421a〜421dを固定するためのネジが不要となるため、導電率が向上するばかりか、コストを低減できる。
【0109】
このように装飾部材416は、表面にメッキ処理が施された導電性を有するメッキベース415の前面415aに、環状に並んだ状態で載置される。より詳しくは、表面にメッキ処理が施された導電性を有する第1装飾部材420a,420bは、透光性を有する透光性部材からなる非導電性の第2装飾部材421a〜421dを挟んでそれぞれ独立して配設されている(図10参照)。
【0110】
そしてこれら第1装飾部材420a,420bは、位置決めボス441及び位置決めボス442a〜442dを介して共通のメッキベース415の表面の一部に接触した状態、つまり、導通した状態で配設されているため、遊技球の衝突等により生じる静電気をメッキベース415側に逃がすことができる。
【0111】
また、このように構成された装飾枠402をベース部材401の前面に形成された凹部413に取り付けた状態において、メッキベース415の背面から後側に突出した位置決めボス441、442b、446a〜446e,446h,446iが位置決め穴436a〜436iにそれぞれ嵌合することで、ベース部材401に対する装飾枠402の取付位置が決定されるとともに、位置決めボス441のみ、位置決め穴436aを貫通して板状部410の背面側に先端部が突出する。
【0112】
この位置決め穴436aは、フランジ部410aに形成されているため、位置決め穴436aを貫通して板状部410の背面側に突出した位置決めボス441の先端は、盤面板200の取付穴201の周縁部所定箇所に形成された導通穴210に嵌合されるため、盤面板200の前面側に設けられる導電層200Dを挿通して接触される。
【0113】
これにより、第1装飾部材420a,420bが接地されているメッキベース415が、位置決めボス441を介して導電層200Dに導通されるため、導電層200Dを介して静電気を逃がすことができる。また、位置決めボス441の外径が他の位置決めボス442a〜442d、446a〜446iの外径よりも大きいことで、該位置決めボス441の周面、つまり導電層の表面積が大きいため、他の部分に生じた静電気をまとめて1箇所から逃がすことができる。
【0114】
図10に示すように、このように構成された装飾枠402は、ベース部材401に形成された演出用開口412を囲むように環状に配設され、該演出用開口412には、レンズ部材403が前面側に臨むように配設される。特に図13に示すように、レンズ部材403は、前面側に膨出するドーム状の膨出部403aを有しているため、演出用開口412を通して、装飾枠402の前端よりも前側に突出しない程度に前面側に膨出している。
【0115】
図10及び図11に示すように、透光性部材からなるベース部材401の背面側には、前面に複数のフルカラーLEDである装飾LED405a及び単色LEDである装飾LED405bが設けられたLED基板405が設けられている。LED基板405は、カバー部材406内に収容可能に形成されており、各装飾LED405a,405bは、嵌合部411により囲まれた領域内に配設されている。
【0116】
具体的には、各装飾LED405a,405bは、LED基板405の前面に配設される仕切り枠404及び嵌合部411により仕切られた複数の発光領域A〜Kに個別に配設されている。これら発光領域A〜Kのうち発光領域Aは、演出用開口412に対応する箇所に配設されており、該発光領域Aに対応して配設された複数の装飾LED405aにより、レンズ部材403における膨出部403aを背面側から照射できるようになっている。
【0117】
また、発光領域B〜Hは、レンズ部材403における膨出部403aの周囲に配設されており、各装飾LED405bにより演出用開口412の周辺を背面側から照射できるようになっている。尚、発光領域B〜Eはレンズ部材403における膨出部403aの周囲に対応する領域であるが、発光領域F〜Kはレンズ部材403に対応しない領域とされているため、発光領域B〜Eに配設された装飾LED405bの光は、レンズ部材403及びベース部材401を通して前面側に出射され、発光領域F〜Kに配設された装飾LED405bの光は、ベース部材401のみを通して前面側に出射されるようになっている。
【0118】
図13に示すように仕切り板404は、LED基板405の前面とレンズ部材403の背面とにより前後から挟持されるように配設されているため、各発光領域A〜Kに配設された各装飾LED405a,405bからの出射光は、互いに他の領域に漏れることなく前面側に出射されるため、ベース部材401における複数の領域をそれぞれ個別に発光させることができるようになっている。
【0119】
また、特別可変入賞球装置20とその下方の球誘導部材407との間に配設された発光領域J,Kにあっては、特別可変入賞球装置20との間に仕切りが設けられていることで、発光領域J,Kに配設された装飾LED405bからの光が、特別可変入賞球装置20内に設けられたLED710aの光と混同しないようになっている。
【0120】
図12及び図13に示すように、LED基板405は、前面が開口する箱状をなし、嵌合部411とほぼ同形に形成されたカバー部材406に収容される。そしてこのカバー部材406が、背面側から取り付けたネジN3(図5及び図6参照)によりベース部材401の背面側に止着されることで、レンズ部材403、仕切り枠404、LED基板405がカバー部材406とベース部材401との間に配置された状態でベース部材401の背面側に組み付けられる。組み付けられた状態において、カバー部材406の前端と嵌合部411の後端とは隙間を隔てて配置される。
【0121】
このように構成された第1装飾ユニット400は、盤面板200の前面側から、ベース部材401の背面側に形成された嵌合部411及びレンズ部材403、仕切り枠404、LED基板405、カバー部材406、特別可変入賞球装置20により構成される嵌合部を取付穴201内に嵌合し、ベース部材401の板状部410の背面を盤面板200の前面における取付穴201の周縁部に当接させた状態で、板状部410に取り付けたネジN1を盤面板200に螺入することで、盤面板200における取付穴201に配設される。
【0122】
次に、図14〜図21に基づいて、第2装飾ユニット500について説明する。図14は、第2装飾ユニットを斜め前から見たときの分解斜視図である。図15は、第1装飾ユニットを斜め後ろから見たときの分解斜視図である。図16は、装飾枠を斜め前からみたときの分解斜視図である。図17は、装飾枠を斜め後からみたときの分解斜視図である。図18は、装飾枠を平面上に展開した状態を示す説明用断面図である。図19は、第1装飾ユニットを示す正面図である。図20は、(a)は第2装飾ユニットの左側面図、(b)は右側面図である。図21は、図19のB−B断面図である。
【0123】
(第2装飾ユニット)
図14及び図15に示すように、第2装飾ユニット500は、盤面板200に形成された取付穴202に取り付けられるベース部材501と、ベース部材501の前面側に取り付けられる略円弧形状の装飾片502と、ベース部材501の背面側に配設され透光性を有するレンズ部材503と、レンズ部材503の背面側に設けられ、前面に複数の装飾LED505aが設けられたLED基板505と、LED基板505の背面側を被覆するように設けられるカバー部材506と、から構成されている。
【0124】
ベース部材501は、透光性を有する非導電性の合成樹脂材により構成される非導電性部材であり、取付穴202の開口より大きく形成された板状部510と、板状部510の背面に突設され、取付穴202に嵌合可能に形成される筒状の嵌合部511と、から主に構成されており、嵌合部511を取付穴202の開口に前面側から嵌合させることにより、板状部510における嵌合部511よりも外側のフランジ部510aが、盤面板200の前面200aにおける取付穴202の開口周縁(被取付部)に当接して後方への移動が規制される。そして、複数のネジN2によりフランジ部510aを盤面板200に取り付けることで、ベース部材501が取付穴202に取り付けられる。
【0125】
ベース部材501の中央には、レンズ部材503を前面側に臨ませるための演出用開口512が形成されている。演出用開口512は、筒状の嵌合部511により囲まれた領域に形成されており、その前面開口の右周縁部には、円弧状の凹部513が形成されている。
【0126】
図16〜図18に示すように、装飾片502は、演出用開口512の右側縁部に形成され凹部513に嵌合可能に形成されるメッキベース515と、メッキベース515の前面515aに配設される第2装飾部材520a〜520c及び第2装飾部材521を含む装飾部材516と、から構成されている。
【0127】
メッキベース515は、合成樹脂材により板状に形成されており、表面全域にはメッキ処理が施され、導電性を有するメッキ層が形成されている。また、装飾部材516を取り付けるための複数の金属製のネジ531a〜531dが挿通する挿通孔530a〜530dが形成されているとともに、位置決めボスが挿通される位置決め孔532a〜532e及び位置決め凹部532f,532gが形成されている。
【0128】
第1装飾部材520aは、合成樹脂材により形成され、メッキベース515の前面515aに対し略直交するように立設される板状部材からなり、表面全域にはメッキ処理が施され、導電性を有するメッキ層が形成されている。また、背面には、導通部を構成する位置決めボス541及び位置決めボス542aが後向きに突設されているとともに、ネジ穴543a,543bが形成されている。
【0129】
第1装飾部材520bは、合成樹脂材により形成され、メッキベース515の前面515aに対し略直交するように立設される板状部材からなり、表面全域にはメッキ処理が施され、導電性を有するメッキ層が形成されている。背面には、位置決めボス542bが後向きに突設されているとともに、後端面にネジ穴543cが形成された大径ボス544が後向きに突設されている。
【0130】
第1装飾部材520cは、合成樹脂材により形成され、メッキベース515の前面515aに対し略直交するように立設される板状部材からなり、表面全域にはメッキ処理が施され、導電性を有するメッキ層が形成されている。背面には、位置決めボス542c,542dが後向きに突設されているとともに、ネジ穴543dが形成されている。
【0131】
尚、これら第1装飾部材520a〜520cの各位置決めボス541,542a〜542d、及び大径ボス544の表面にもメッキ処理が施されてメッキ層が形成されている。
【0132】
第2装飾部材521は、透光性を有する合成樹脂材により構成され、メッキベース515の前面515aに対し略直交するように立設される一対の起立部521aと、該一対の起立部521a同士を連結するように設けられ、前面515aに当接可能な平板部521bと、から構成されている。起立部521aの背面には、位置決めボス546a,546bが後向きに突設されている。また、平板部521bは、挿通孔547a,547bが形成されている。
【0133】
ベース部材501の演出用開口512の周囲に形成された凹部513には、ネジ531a〜531dの取付孔535a〜535dがそれぞれ形成されている。また、各位置決め孔532a〜532eに対応する位置には、位置決めボス541、542a、542b、546a、546bが嵌合可能な位置決め孔536a〜536eが形成されているとともに、位置決めボス542c,542dが挿入可能な切欠部548a,548bが形成されている。
【0134】
図18に示すように、このように構成された装飾部材516は、メッキベース515の前面515a右側に第2装飾部材521を載置し、次いで第1装飾部材520a〜520cを載置することで、正面視略円弧形状をなす。この状態において、位置決めボス541,542a〜542d,546a,546bが、メッキベース515に形成された位置決め孔532a〜532e及び位置決め凹部532f,532gに挿入されるので、メッキベース515に対する装飾部材516の組み付け位置が決定される。
【0135】
また、特に位置決めボス542bは、平板部521bに形成された挿通孔547aを挿通して位置決め孔532cに挿入されるので、第1装飾部材520bと第2装飾部材521との相対位置を容易に決定することができる。
【0136】
また、位置決めボス541,542a〜542dの周面はメッキ処理が施されているとともに、メッキベース515に形成された位置決め孔532a〜532c及び位置決め凹部532f,532gの内周面にもメッキ処理が施されていることで、位置決めボス541,542a〜542d,546a,546bが位置決め孔532a〜532e及び位置決め凹部532f,532gに挿入されることで、第1装飾部材520a〜520cとメッキベース515とが電気的に導通することになる。
【0137】
また、この状態において、位置決めボス541は、メッキベース515の背面から後側に突出した状態となるため、メッキベース515の背面から後側に突出した位置決めボス541を位置決め穴536aに嵌合させることで、ベース部材501に対する装飾片502の取付位置が決定される。
【0138】
そして、ベース部材501の背面側から各取付孔535a〜535dに取り付けたネジ531a〜531dを、挿通孔530a〜530dを挿通して各部材のネジ穴543a〜543dに螺入することで、装飾部材516がメッキベース515を挟持した状態でベース部材501の前面に組み付けられる。
【0139】
組み付けられた状態において、隣り合う第1装飾部材520a〜520c、第2装飾部材521の端部に形成された凹部と凸部とが係合して互いに接続されることで、各部材が一体化される。また、第1装飾部材520bは、ベース部材501との間に第2装飾部材521の平板部521bを挟んだ状態で、金属製のネジ531cによりベース部材501に取り付けられることで、メッキベース515と第1装飾部材520bとをネジで導通させつつ、第2装飾部材521を固定するためのネジが不要となるため、導電率が向上するばかりか、コストを低減できる。
【0140】
このように装飾部材516は、表面にメッキ処理が施された導電性を有するメッキベース515の前面515aに並んだ状態で配設される。より詳しくは、表面にメッキ処理が施された導電性を有する第1装飾部材520a〜520cは、透光性を有する透光性部材からなる非導電性の第2装飾部材521を挟んでそれぞれ独立して配設されている(図19参照)。
【0141】
そしてこれら第1装飾部材520a〜520cは、位置決めボス541を介して共通のメッキベース515の表面の一部に接触した状態、つまり、導通した状態で配設されているため、遊技球の衝突等により生じる静電気をメッキベース515側に逃がすことができる。
【0142】
また、このように構成された装飾片502をベース部材501の前面に形成された凹部513に取り付けた状態において、メッキベース515の背面から後側に突出した位置決めボス541が位置決め穴536aに嵌合することで、ベース部材501に対する装飾片502の取付位置が決定されるとともに、位置決めボス541のみ、位置決め穴536aを貫通して板状部510の背面側に先端部が突出する。
【0143】
この位置決め穴536aは、フランジ部510aに形成されているため、位置決め穴536aを貫通して板状部510の背面側に突出した位置決めボス541の先端は、盤面板200の取付穴202の周縁部所定箇所に形成された導通穴220に嵌合されているため、盤面板200の前面側に設けられる導電層200Dを挿通して接触される。
【0144】
これにより、第1装飾部材520a〜520cが接地されているメッキベース515が、位置決めボス541を介して導電層200Dに導通されるため、導電層200Dを介して静電気を逃がすことができる。また、位置決めボス541の外径が他の位置決めボス542a〜542d、546a,546bの外径よりも大きいことで、該位置決めボス541の周面、つまり導電層の表面積が大きいため、他の部分に生じた静電気をまとめて1箇所から逃がすことができる。
【0145】
図19に示すように、このように構成された装飾片502は、ベース部材501に形成された演出用開口512の右側縁部に配設され、該演出用開口512には、レンズ部材503が前面側に臨むように配設される。特に図20に示すように、レンズ部材503は、前面側に膨出するドーム状の膨出部503aを有しているため、演出用開口512を通して、装飾片502の前端よりも前側に突出しない程度に前面側に膨出している。
【0146】
図20及び図21に示すように、透光性部材からなるベース部材501の背面側に配設されるLED基板505は、前面が開口する箱状をなし、嵌合部511とほぼ同形に形成されたカバー部材506に収容される。そしてこのカバー部材506が、背面側から取り付けたネジN4(図14及び図15参照)によりベース部材501の背面側に止着されることで、レンズ部材503及びLED基板505がカバー部材506とベース部材501との間に配置された状態でベース部材501の背面側に組み付けられる。組み付けられた状態において、カバー部材506の前端と嵌合部511の後端とは隙間を隔てて配置される。
【0147】
このように構成された第2装飾ユニット500は、盤面板200の前面側から、ベース部材501の背面側に形成された嵌合部511、レンズ部材503、LED基板505及びカバー部材506により構成される嵌合部を取付穴202内に嵌合し、ベース部材501の板状部510の背面を盤面板200の前面における取付穴202の周縁部に当接させた状態で、板状部510に取り付けたネジN2を盤面板200に螺入することで、盤面板200における取付穴202に配設される。
【0148】
(第1特別可変入賞球装置)
次に、本実施例の第1特別可変入賞球装置の構造について、図面にもとづいて説明する。図22は、(a)(b)は特別可変入賞球装置の内部構造を示す斜視図である。図23は、特別可変入賞球装置の横断面図である。図24は、(a)はカウントスイッチを示す図、(b)は図23の要部拡大段面図である。図25は、(a)はカウントスイッチが誘導底面に対し平行に離れた場合、(b)はカウントスイッチが誘導底面に対し傾倒して離れた場合を示す説明図である。
【0149】
図22に示すように、特別可変入賞球装置20は、透光性を有する合成樹脂材により上面が開口する箱状に形成されたベース本体702と、ベース本体702の開口を開閉可能な大きさを有し、透光性を有する合成樹脂材により下面が開口する箱状に形成されたベースカバー703(図23参照)と、から構成され、両者を組み付けることにより中空状の箱体が形成される。そして特別可変入賞球装置20の内部には、大入賞口20b(図26参照)を開閉可能とする大入賞口扉20aを駆動する開閉機構705が設けられているとともに、大入賞口20bから進入してきた入賞球を誘導する入賞球誘導路706が形成されている。
【0150】
入賞球誘導路706は、ベース本体702に、その前面に形成される横長の大入賞口20bの右側部から左側部に向けて大入賞口20bに沿うように延設されている。入賞球誘導路706の左側部には、カウントスイッチ23が設置される凹溝725(図24(b)参照)が形成されているとともに、その左側、つまり下流側には、排出路707が後向きに延設され、その後端には排出口707bが形成されている。また、この排出口707bからは排出樋708が下方に垂下されているとともに、その途中には第3入賞確認スイッチ23aが配設されている。
【0151】
このように、大入賞口20bに進入した入賞球は、入賞球誘導路706、カウントスイッチ23、排出路707を流下した後、排出口707bから特別可変入賞球装置20の外部に排出された後、排出樋708を流下する。尚、入賞球誘導路706におけるカウントスイッチ23の詳細な配設構造に関しては後述する。
【0152】
入賞球誘導路706の背面側には、大入賞口20bを背面側から照明するための大入賞口LED710aが前面に複数(本実施例では3つ)横並びに配設された横長のLED基板710が誘導路に沿って配設されている。この大入賞口LED710aからの照射光は、ベースカバー703の裏面に形成される透光性を有する通路側壁711(図23参照)を透して前面側に出射され、大入賞口20bを背面側から照明するようになっている。
【0153】
このように、照明装置としての大入賞口LED710aにより、大入賞口20bの内部を奥側から照明することができるとともに、カウントスイッチ23は大入賞口LED710aの一側方に該大入賞口LED710aに対して略直交する方向、つまり光の出射方向に対し略平行な前後方向に設置されるため、大入賞口LED710aによる照明の邪魔になることがない。
【0154】
また、演出制御用マイクロコンピュータは、例えば大当りまたは突然確変(大当り終了後に高確低ベース状態に移行する大当り)に当選した可能性があることを示唆する予告演出の一例として大入賞口LED710aを発光させることがある。よって、前述したように特別可変入賞球装置20の下方近傍位置に設けられた装飾LED405bと大入賞口LED710aとの間が仕切り枠404cにより仕切られて発光領域が明確に区画されていることにより、装飾LED405bからの光を大入賞口LED710aの光と間違えて、遊技者に不信感を与えてしまうことがないようにしている。
【0155】
開閉機構705は、大入賞口扉20aと、該大入賞口扉20aを駆動するソレノイド21と、ソレノイド21のプランジャ(図示略)の先端に取り付けられ前後に移動する移動部材720と、移動部材720と大入賞口扉20aとを連結する連結部材721と、から主に構成されている。
【0156】
そして、ソレノイド21が励磁されていない状態(ソレノイド21;off)においては、コイルバネ(図示略)の付勢力によりプランジャ(図示略)が突出位置に位置すると、大入賞口扉20aは閉止位置に位置して大入賞口20bを閉鎖する。
【0157】
ソレノイド21が励磁されると(ソレノイド21;on)、コイルバネ(図示略)の付勢力に抗してプランジャ(図示略)が本体側の退避位置まで移動(後退)して、大入賞口扉20aの上端が前方に傾倒する開放位置に位置し、大入賞口20bを開放する。
【0158】
大入賞口20bに沿って延設される入賞球誘導路706は、図23中左側、つまり排出路707に向けて漸次下方に傾斜する傾斜面状に形成され、遊技球を転動により流下させる誘導底面706aを有している。そしてこの誘導底面706aの下流側端部には、凹溝725が前後方向、つまり入賞球誘導路706を横切る方向に向けて形成され、さらにこの凹溝725よりも下流側には、排出路707が後方に向けて延設されている。
【0159】
尚、排出路707は、後方に向けて漸次下方に傾斜する傾斜面状に形成され、遊技球を転動により流下させる流下底面707aを有している。また、この流下底面707aの上流側端部は、誘導底面706aの下流側端縁部706bよりも低い位置に設けられているとともに、この流下底面707aの下流側端部には排出口707bが形成されている。
【0160】
尚、本実施例では、排出路707が後方に向けて延設されていたが、例えば凹溝725の下流側に直接排出口707bが形成されていてもよく、排出路の構成は種々に変更可能である。
【0161】
一方、カウントスイッチ23は、図24(a)に示すように、細長の平板部材からなる本体23Aと、本体23Aの一端側に形成された遊技球の通過孔23Bと、から構成される近接スイッチであり、通過孔23Bを通過した遊技球を検出可能とされている。通過孔23Bは略円形に形成され、直径L1は遊技球の直径2R(約11mm)よりも若干大寸とされている(L1>P)。
【0162】
このように構成されたカウントスイッチ23は、図22に示すように、本体23Aは入賞球誘導路706の下流側端部に横切るように配設される。具体的には、カウントスイッチ23は、図24(b)に示すように、通過孔23Bの開口(検出開口)中心に対して垂直な垂線Xが誘導底面706aに対しほぼ平行をなすとともに誘導底面706aの幅方向の略中央位置に配置されるように配置される。つまり、誘導底面706aに対して交差する方向に起立させた起立姿勢で配置される。
【0163】
また、設置された状態において、本体23Aにおける下側の長辺部の一部が、誘導底面706aの下流側端部と流下底面707aとの間に形成された凹溝725内に遊嵌されるとともに、本体23Aにおける上側の長辺部の一部が、ベースカバー703の下面に形成された凹溝726内に嵌合されることで起立姿勢に保持される。
【0164】
凹溝725の底面725aは、誘導底面706aに対し下流側に向けて僅かに下方に傾倒するとともに、遊技球の流下方向の幅寸法L11は、本体23Aの板厚幅寸法L3よりも僅かに長寸に形成されている(L11>L3)。よって、誘導底面706aの下流側端縁706bとカウントスイッチ23の通過孔23Bにおける上流側の開口下端縁23Cとの間に、遊技球の直径2Rよりも小さい所定の空隙L12が設けられている(L12<P)。また、凹溝725の底面725aまでの深さ寸法は、カウントスイッチ23の開口下端縁23Cから本体23Aの下長辺部までの幅寸法L2とほぼ同寸とされている。さらに、上下の凹溝725,726により形成される入賞球誘導路706における開口上下幅寸法L10は遊技球の直径2Rよりも大寸とされている。
【0165】
基本的には、通過孔23Bの直径L1と入賞球誘導路706における開口上下幅寸法L10とはほぼ同寸に形成されているため(L10≒L1)、ベース本体702やカウントスイッチ23の本体23Aの成型や組み付け時において凹溝725や本体23Aに寸法誤差が生じることで、通過孔23Bの開口上端縁23Dと誘導底面706aの下流側端縁706bとの間に形成される遊技球の実際の開口上下幅寸法L13が遊技球の直径2Rよりも短寸となるケースがある(L13<P)。
【0166】
例えば、特に図示しないが、凹溝725の深さ寸法が、カウントスイッチ23の開口下端縁23Cから本体23Aの下長辺部までの幅寸法L2よりも長寸(深く)となってしまった場合、開口下端縁23Cは、下流側端縁706bよりも低位置に配置されるとともに、その分開口上端縁23Dが誘導底面706aに近づくことで、開口上下幅寸法L13が遊技球の直径2Rよりも短寸となり、球詰まりが発生しやすくなる(L13<P)。
【0167】
また、凹溝725の深さ寸法が、カウントスイッチ23の開口下端縁23Cから本体23Aの下長辺部までの幅寸法L2よりも短寸(浅い)となってしまった場合、開口下端縁23Cは、下流側端縁706bよりも高位置に配置されるとともに、その分、開口上端縁23Dが誘導底面706aから遠ざかるものの、開口下端縁23Cが誘導底面706aから上方に突出して段差が形成されることで、開口上下幅寸法L13が遊技球の直径2Rよりも短寸となり、球詰まりが発生しやすくなる。
【0168】
さらに、上述したように通過孔23Bの直径L1と入賞球誘導路706における開口上下幅寸法L10とはほぼ同寸に形成されていることで(L10≒L1)、上記のような寸法誤差が生じなくても、例えば誘導底面706a上に遊技球に付着していたゴミなどが付着したりすることにより、誘導底面706aに対する通過孔23Bの相対位置が若干低くなると、開口上下幅寸法L13が遊技球の直径2Rよりも短寸となり、球詰まりが発生しやすくなる。
【0169】
これに対し、本実施例のカウントスイッチ23は、図24(b)に示すように、開口下端縁23Cが、誘導底面706aの下流側端縁部706bに対して遊技球の流下方向に所定の空隙L12を隔てて設けられていることで、開口上下幅寸法L13が長寸となるため、遊技球の直径2Rよりも長寸の幅寸法を確保しやすくなる。
【0170】
ここで、図25(a)にもとづいて具体的に説明すると、カウントスイッチ23が、誘導底面706aに対して下流側に向けて平行に離間配置された場合、開口上下幅寸法L13は、開口上端縁23Dが下流側にずれた位置に配置されることで、開口上端縁23Dと下流側端縁部706bとを通過する仮想線が誘導底面706aに対し直交する場合に比べて長くなる。
【0171】
さらに、図25(b)に示すように、カウントスイッチ23が、誘導底面706aに対して下流側に向けて上部を傾倒させることにより離間配置された場合、開口上下幅寸法L13は、開口上端縁23Dが下流側にずれた位置に配置されることで、開口上端縁23Dと下流側端縁部706bとを通過する仮想線が誘導底面706aに対し直交する場合に比べて長くなるだけでなく、開口下端縁23Cが下流側端縁部706bよりも低位置に配置されることになることで、遊技球が下流側端縁部706bから転がり落ちるように誘導されるため、遊技球をスムーズに流下させることができる。
【0172】
また、カウントスイッチ23が誘導底面706aに対し流下方向に傾倒させて起立させた状態で設置されることで、誘導底面706aよりも通過孔23Bを通過するときの方が下り傾斜角度が大きくなるので、誘導底面706aと通過孔23Bとの間に空隙L12があっても、遊技球をスムーズに流下させることができる。
【0173】
このように、特別可変入賞球装置20の成型や組み付け時において寸法誤差が生じたり、使用により誘導底面706a上に遊技球のゴミなどが付着したりすることにより、誘導底面706aに対する通過孔23Bの相対位置が若干低くなっても、誘導底面706aと通過孔23Bとの間に遊技球の直径2Rより狭い空隙L12が設けられることで、通過孔23Bの開口上端縁23Dから誘導底面706aの下流側端縁部706bまでの開口上下幅寸法L13が長くなる、すなわち、間口が広がるので、通過孔23Bの上下幅寸法が狭くなって球詰まりが発生することが防止される。
【0174】
また、カウントスイッチ23の通過孔23Bの少なくとも上流側の周縁には面取り加工が施されていることで、誘導底面706aと通過孔23Bとの間に空隙L12があっても、遊技球を通過孔23Bにスムーズに導くことができる。
【0175】
次に、球誘導部材407について、図26に基づいて説明する。図26は、(a)は球誘導部材がベース部材に取り付けられた状態を示す正面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【0176】
図26に示すように、球誘導部材407は、遊技盤面200aから前方に隆起するように設けられる立体構造物であり、遊技盤面200aに対して前面側からネジ等により取り付けられる。上面には、複数の障害釘等の障害物により誘導されてきた遊技球を遊技領域7の中央側、具体的には左側方に位置する可変入賞装置15に誘導可能とする転動部としての転動面551が形成されている。
【0177】
転動面551は、遊技盤面200aに対し略直交する方向を向くとともに、該遊技盤面200aに沿う方向のうち、遊技領域7の右側から中央側に向けて下方に傾斜するように延設される平坦な帯板状の傾斜面にて構成されている。転動面551の前後幅方向の略中央位置には段部としての転動傾斜面551aが形成されており、該転動傾斜面551aと、転動傾斜面551aの傾斜上位側の上転動面551bと、転動傾斜面551aの傾斜下位側の下転動面551cと、により連続する転動面551が構成されている。
【0178】
転動面551における前辺には、右側端部から左側端部の手前にかけて所定高さを有する側壁553が延設されている。また、側壁553における転動面551側の内側端面553aは、上部から下部に向けて転動面551側に傾斜する傾斜面とされており、上方から側壁553上に落下してきた遊技球を転動面551側に誘導するようになっている。
【0179】
上転動面551bは、前辺から転動傾斜面551aまで延設され、下転動面551cは、転動傾斜面551aから後辺まで延設されている。これら上転動面551b及び下転動面551cは、前後幅方向に向けて略水平に設けられ、転動傾斜面551aのみが前側から後側に向けて下方に傾斜している。
【0180】
このように構成された球誘導部材407は、大入賞口20bの下方位置に設けられている。転動面551は、遊技盤面200aに対し略直交する起立姿勢で設けられ、前後幅寸法L22は、遊技球の直径2Rよりも幅広で、かつ、遊技盤面200aとガラス扉枠102に形成された透視窓102aとの離間幅寸法L21よりも若干幅狭に形成されている。尚、離間幅寸法L21は直径2Rの遊技球2個分の長さ(2R×2=4R)よりも幅狭とされている(2R<L22<L21<4R)。
【0181】
よって、第1球誘導部材500にて誘導され球誘導部材407上に流下してきた遊技球は、該球誘導部材407と透視窓102aとの間に挟まったりすり抜けたりすることなく、確実に転動面551上に落下して左側の可変入賞球装置15に向けて誘導されるようになっている。
【0182】
また、上転動面551bの前後幅寸法L23は、遊技球の半径Rよりも短寸とされているため(R>L23)、側壁553付近に落下してきた遊技球は、上転動面551bに衝突することなく、転動傾斜面551aに衝突するようになっている。
【0183】
一方、下転動面551cの前後幅寸法L24は、遊技球の半径Rよりも長寸とされているとともに(R<L24)、転動傾斜面551aの傾斜角度が小さいことから、板状部410の前面近くを流下してきた遊技球は下転動面551cに衝突し、該下転動面551c上を転動可能とされている。
【0184】
このように、前後方向に水平な下転動面551cを有することで、遊技球が転動傾斜面551aにより壁面20c側に寄せられて、該転動傾斜面551aと板状部410の前面との2点に接触した状態のまま転動することが回避されるので、遊技球を下転動面551c上で抵抗なく転動させてスムーズに誘導することができる。つまり、下転動面551cは転動部を構成している。
【0185】
また、流下してきた遊技球は、転動面551における上転動面551bを除く長手方向の所定箇所に衝突する。離間幅寸法L21は、遊技球の直径2R以上の幅寸法を有しているので、転動面551に衝突した遊技球が透視窓102a側に跳ねる可能性があるが、転動傾斜面551aは盤面板200側に向けて下方に傾斜しているため、透視窓102a近傍を流下してきた遊技球が遊技盤面200a側に向けて強制的に跳ね返されるようになる。
【0186】
尚、板状部410の前面近傍を流下してきた遊技球は、前後方向に略水平な下転動面551cに衝突することがあるが、透視窓102aから離れているため、遊技機1の傾き等により透視窓102a側に跳ねたとしても勢いよくぶつかることもないし、少しでも前側にずれて衝突すれば、転動傾斜面551aに衝突して遊技盤面200a側に向けて跳ね返ることになる。
【0187】
これにより、遊技球が透視窓102aに跳ね返ることが防止され、透視窓102aを接触により傷つけることを抑制できるので、傷により体裁や耐久性が損なわれたり、視認性が低下することが防止される。
【0188】
また、転動傾斜面551a及び下転動面551cを含む転動面551は、右側から左側に向けて下方に傾斜しているため、衝突して跳ね返った遊技球は、遊技盤面200a側だけでなく、転動面551の傾斜下位側、つまり遊技球の誘導方向に向けて跳ね返るようになる。よって、特定方向から転動傾斜面551a及び下転動面551cに誘導される遊技球が、遊技盤面200a側ではあるものの遊技球の進入方向に跳ね返ってしまい、後続の遊技球と衝突してしまうことが防止される。
【0189】
また、転動傾斜面551aは、転動面551の一部に形成され、透視窓102a側から遊技盤面200a側に向けて下方に傾斜する傾斜面にて構成されているため、衝突部が転動面551に対し突設されることがないので、衝突した遊技球を遊技盤面200a側に跳ね返しつつ、転動面551の傾斜方向である左方向への転動を妨げない。つまり、転動傾斜面551aは、衝突部及び転動部双方を構成している。
【0190】
また、転動面551は、転動傾斜面551aの傾斜下位側から遊技盤面200aに向けて設けられる下転動平面551cと、転動傾斜面551aの傾斜上位側から透視窓102a側の側壁553に向けて設けられる上転動平面551bと、を含むことで、転動傾斜面551aの傾斜角度を確保しつつ、該転動傾斜面551aにおいて遊技球が透視窓102aや側壁553などに接触することにより衝突しない傾斜上位部や、遊技球が遊技盤面200aや板状部410などに接触することにより衝突しない傾斜下位部を平面にすることで、転動面551を構成する球誘導部材407の上下方向の幅寸法を極力抑制することができる。
【0191】
また、本実施例では、衝突部は、平坦面である転動傾斜面551aにて構成されていたが、衝突した遊技球を遊技盤面200a側に跳ね返すことができるものであれば、平坦面ではなく突起部等にて構成されていてもよい。
【0192】
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、第1装飾ユニット400において、非導電性の第2装飾部材421a〜421dを挟んで複数の第1装飾部材420a,420bが点在しても、それぞれのメッキ層が共通のベースメッキ415に導通されていることで、複数の第1装飾部材420a,420bそれぞれからアース線等を引き出さなくても、ベースメッキ415または複数のうちいずれかの第1装飾部材420a,420bを導通部を介して導電層に導通させることにより、複数の第2装飾部材421a〜421dそれぞれを導電層に導通させることが可能となる。
【0193】
また、第2装飾ユニット500において、非導電性の第2装飾部材521を挟んで複数の第1装飾部材520a〜520cが点在しても、それぞれのメッキ層が共通のベースメッキ515に導通されていることで、複数の第1装飾部材520a〜520cそれぞれからアース線等を引き出さなくても、ベースメッキ515または複数のうちいずれかの第1装飾部材520a〜520cを導通部を介して導電層に導通させることにより、複数の第2装飾部材521それぞれを導電層に導通させることが可能となる。
【0194】
これら装飾部材416,516は、メッキベース415,515の前面から前方に向けて突設され、遊技領域7を流下する遊技球が衝突可能な障害物であるため、遊技球との接触の際に静電気が生じるが、このような静電気を第1装飾部材420a,420bから、盤面板200の遊技盤面200aに形成された広域の導電層200Dに逃がす(接地する)ことができる。
【0195】
また、非導電ベース部材であるベース部材401,501は、盤面板200に形成された取付穴201,202の縁部分に取り付けられるフランジ部410a,510aを有し、位置決めボス441,541は、このフランジ部410a,510aを貫通して導電層200Dに導通されていることで、フランジ部410a,510aを貫通した位置決めボス441,541は確実に盤面板200の導電層200Dに到達するため、位置決めボス441,541を取付穴201,202に対応する箇所で貫通させる場合に比べて、位置決めボス441,541を導電層200Dに容易に導通させることができる。
【0196】
つまり、取付穴201,202に対応する位置で位置決めボス441,541等の導通部を貫通させた後、ベース部材401,501の背面側に突出した位置決めボス441,541の先端は導電層200Dに接触しないため、そこからアース線等を引き回して導通層200Dに導通させる必要があるが、最短距離で導電層200Dに導通させることができる。
【0197】
よって、このように取付穴201,202を塞ぐように設けられるベース部材401,501において、取付穴201,202に対応する位置に第1装飾部材420a,420b、520a〜520cが設けられる場合、その一部をフランジ部410a,510aに対応する位置に配置し、該フランジ部410a,410bで導通部を貫通させて導通層200Dに導通させることが好ましい。
【0198】
尚、本実施例では、盤面板200に形成された取付穴201,202の縁部分に取り付けられるフランジ部410a,510aを有しているが、盤面板200に形成された取付穴201,202の縁部分だけでなく、盤面板200に形成された切欠きの縁部分にも取り付け可能である。
【0199】
また、第1装飾ユニット400及び第2装飾ユニット500は、盤面板200に形成された取付穴201,202の縁部分にフランジ部410a,510aを取り付けることで、カバー部材406,506等のユニットの背面部を取付穴201,202内に挿入した状態で盤面板200に配設されるものであったが、遊技盤面200a上にベース部材401,501を介して直接配置するようにしてもよい。
【0200】
また、この場合、位置決めボス441,541が嵌合部411,511の外側、つまり、LED基板405,505から離れた位置に設けられることになるため、静電気がLED基板405,505に飛んで回路故障を引き起こすこと等が防止される。
【0201】
また、導電層200Dが形成された盤面板200の遊技盤面200a上に、非導電性のベース部材401,501が設けられることで、その前面側に設けられる装飾枠402,装飾片502と導電層200Dとが電気的に遮断されてしまうことになるばかりか、上記のように、複数の第1装飾部材420a,420b、520a〜520cが点在するように設けられた場合でも、共通のメッキベース415,515を介して1つの導通部で導通させることができるため、複数の第1装飾部材420a,420b、520a〜520cそれぞれからアース線を引き回すなど、ユニット400,500の構造を複雑化しなくて済む。
【0202】
また、第2装飾部材421a〜421d、521は透光性を有しており、メッキベース414,415の前面415a,515aに配設されることで、第2装飾部材421a〜421d、521を通してメッキ処理された前面415a,515aを視認することができるため、装飾性が向上するとともに、遊技球との接触によるメッキ層の損傷が防止される。
【0203】
また、装飾部材416,516は、発光領域の周縁の少なくとも一部に設けられるものであるため、全ての部材を表面がメッキ処理された部材または非透光性の導電性部材とすると、演出用開口部412,512を通して前方に出射される光が周囲に広がらないばかりか、装飾性及びコストが嵩むため、このように第1装飾部材420a,420b、520a〜520cを第2装飾部材421a〜421d、521を挟んで配置するようにすることで、光の一部が周囲に拡散されるようになり装飾性が向上するとともに、メッキ処理のコストを極力抑制することができる。
【0204】
また、第1装飾ユニット400のように、カウントスイッチ23が設けられる特別可変入賞球装置20の近傍に配設されるものにおいて、静電気を効果的に導電層200Dに逃がすことができるため、入賞球を検出するカウントスイッチ23が静電気により誤検出すること等を防止できる。
【0205】
また、本実施例では、位置決めボス441,541は、メッキベース415,515または複数の第1装飾部材のうち一の第1装飾部材420a、520aに突設され、盤面板200に形成された位置決め部としての導通穴210,220に嵌合される位置決め突部を兼ねることで、位置決めボス441,541を導電層200Dに導通させることで、メッキベース415,515または第1装飾部材420a、520aの盤面板200に対する取付位置が決定されるため、導通部と位置決め部とを別個に形成しなくて済む。
【0206】
また、第1装飾部材420a,420b、520bは、メッキベース415,515との間に第2装飾部材421a,421b,521の一部を挟持した状態で、金属製のネジ431a,431e、531cを介して該メッキベース415,515に取り付けられることで、メッキベース415,515と第1装飾部材420a,420b、520bとをネジで導通させつつ、第2装飾部材421a,421b,521を固定するためのネジ等が不要となるため、導電性が向上するばかりか、コストを低減できる。
【0207】
また、本実施例では、第1装飾ユニット400、第2装飾ユニット500において、第1装飾部材420a,520aから突設され、メッキベース415,515及びベース部材401,501を貫通する長さを有する位置決めボス441,551を介して、導電層200Dに導通されていたが、他の複数の第1装飾部材420b,520b,520cから突設され、メッキベース415,515及びベース部材401,501を貫通する長さを有する位置決めボスを介して導電層200Dに導通されてもよい。
【0208】
また、このように位置決めボス441,551は、メッキベース415,515及びベース部材401,501を貫通するように構成されていることで、位置決めボス441,551は第1装飾部材420a,520aだけでなく、メッキベース415,515のベース部材401,501に対する取付位置を決定する機能を兼ねるため、第1装飾部材420a,520a及びメッキベース415,515双方の位置決めが容易になる。
【0209】
また、メッキベース415,515に突設した位置決めボスをベース部材401,501を貫通させて導電層200Dに導通するようにしてもよい。この場合、第1装飾部材420a,520aとメッキベース415,515とを導通させる導通部と、メッキベース415,515とベース部材401,501を介して導電層200Dに導通させる導通部とはそれぞれ別個に形成すればよい。
【0210】
また、本実施例では、ベース部材401,501に対する取付位置を決定する位置決めボス441,551を導電層200Dに導通させていたが、このような位置決めボスとは別個に設けられた導通用ボスを導通させてもよい。あるいは、ボスのような突起部でなくてもよく、例えばアース線等を介してベースメッキ415,515または第1装飾部材を導通させてもよい。
【0211】
また、本実施例では、導電層200Dは盤面板200の前面側に形成されていたが、背面側や取付穴201,202の内周面等、任意の箇所に形成してもよい。尚、取付穴201,202の内周面等に形成する場合、例えば嵌合部411,511の外周面等を導通性部材にて構成する必要がある。
【0212】
また、本実施例では、装飾部材416,516は、第1装飾ユニット400や第2装飾ユニット500等の装飾部材に設けられたものであるが、このような装飾部材に設けられるものだけではなく、例えば、演出用可動役物や、ステージ等に設けられる他の演出部材等に本発明の構成を適用してもよい。
【0213】
また、本実施例では、第1装飾部材420a,420b、520a〜520cやメッキベース415,515は、合成樹脂材の表面にメッキ処理を施してメッキ層を形成することにより導電性を有する導電性部材として構成されていたが、導電性を有していれば必ずしもメッキ処理により導電層を形成したものに限定されるものではなく、例えば、炭素繊維が含有される合成樹脂材や金属材等の導電性部材にて構成されていてもよい。
【0214】
また、本実施例では、第1装飾部材420a,420b、520a〜520cやメッキベース415,515のメッキ層、つまり導電層は表面全域に形成されていたが、少なくとも一部に形成されていればよい。さらに、例えば第1装飾部材420a,420b、520a〜520cとメッキベース415,515とは、互いの当接面同士が導電層として構成されていれば、特に位置決めボス等を形成する必要はない。
【0215】
また、本実施例では、第1装飾ユニット400のLED基板405や第2装飾ユニット500のLED基板405,505は、それぞれカバー部材406,506内に収容された状態で設けられていた。このようにLED基板405,505を収容して設ける場合、製造時においてLED基板405,505の外寸法をケースの内寸法に一致させると、成型上の誤差等により基板を収容できなくなることがあるため、一般的にLED基板の外寸法はケースの内寸法よりも小さく設計するが、これによりLED基板405,505がより小さくなってLEDの配置自由度が制限されてしまうばかりか、ケースの縁部にLEDを近づけて配置することが困難となるという問題があった。
【0216】
よって、このようなLED基板405,505の縁部を、例えば嵌合部411,511の後端面とカバー部材406,506の前端面との間に挟持した状態で設けるようにしてもよい。
【0217】
このような構成の具体例としては、例えば図27に示される本発明の変形例としての第2装飾ユニット500’のように、LED基板505の縁部の少なくとも一部を、嵌合部511の後端面とカバー部材506の前端面との間に挟持した状態で設ける。
【0218】
すなわち、少なくとも一面(前面)に電子部品(例えば装飾LED505a等)が実装される基板(例えばLED基板505)と、該基板を被覆する基板ケース(例えば、第2装飾ユニット500)と、を備えるものにおいて、前記基板ケースは、一面を被覆し、一部が開口する箱状に形成された第1カバー部材(例えば、ベース部材501)と、該一面と反対側の他面(背面)を被覆し、一部が開口する箱状に形成された第2カバー部材(例えば、カバー部材506)と、前記第1カバー部材と前記第2カバー部材とを締結する締結手段(例えば、ネジN4(図14,15参照))と、を備え、前記締結手段は、前記第1カバー部材の開口周端面(例えば、ベース部材501の後端面)と前記第2カバー部材の開口周端面(例えば、カバー部材506の前端面)とが前記基板の周縁部を挟むように前記第1カバー部材と前記第2カバー部材とを締結することが好ましい。
【0219】
このようにすれば、ベース部材501とカバー部材506とを締結した状態において、ベース部材501の開口周縁面とカバー部材506の開口周端面との間にLED基板505の周縁部が挟まれることにより該基板の成型誤差を吸収でき、これにより基板を極力大きくし、装飾LED505a等の電子部品をベース部材501の周縁近傍に配置すること等が可能となるため、電子部品の配置自由度が向上する。
【0220】
また、LED基板505の縁部は外部に露呈されるものの、電子部品であるLEDや回路が形成された実装面及び離面は、ベース部材501とカバー部材506とにより被覆されているため、装飾部材516に生じた静電気が飛んで電子部品や回路が破損することが防止される。
【0221】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0222】
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0223】
1 パチンコ遊技機
6 遊技盤
210,220 導通穴
400 第1装飾ユニット
401 ベース部材
402 装飾枠
415 メッキベース
416 装飾部材
420a,420b 第1装飾部材
421a〜421d 第2装飾部材
441 位置決めボス
500 第2装飾ユニット
501 ベース部材
502 装飾枠
515 メッキベース
516 装飾部材
520a〜520c 第1装飾部材
521 第2装飾部材
541 位置決めボス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電層を有する遊技盤と、該遊技盤に取り付けられる装飾ユニットと、を備える遊技機であって、
前記装飾ユニットは、
非導電性を有する非導電ベース部材と、
前記導電性を有する複数の第1装飾部材及び該第1装飾部材間に配置され非導電性を有する第2装飾部材と、を備え、
該複数の第1装飾部材及び第2装飾部材は、導電性を有する導電ベース部材を介して前記非導電ベース部材に載置されてなり、
前記導電ベース部材または前記複数の第1装飾部材のうち一の前記第1装飾部材に、前記非導電ベース部材を貫通して前記導電層に導通する導通部が設けられている、
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−31554(P2013−31554A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169226(P2011−169226)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】