遊技機
【課題】遊技者の操作態様を表示装置による演出に反映することを可能とし、遊技の興趣を十分に高める。
【解決手段】遊技領域32を覆う前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)を前方に備え、表示装置41と当該表示装置41の表示内容を制御する表示制御手段(演出制御装置300)とを備える遊技機10において、遊技機10前方において遊技者が手をかざす操作の動きを検出可能な操作検出手段(複数の枠操作センサ26、複数のガラス前操作センサ29)と、操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定された場合に表示装置41の表示内容を特定の演出内容へ変更可能であり、一致しないと判定された場合には表示装置41の表示内容を特定の演出内容とは異なる演出内容へ変更可能である。
【解決手段】遊技領域32を覆う前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)を前方に備え、表示装置41と当該表示装置41の表示内容を制御する表示制御手段(演出制御装置300)とを備える遊技機10において、遊技機10前方において遊技者が手をかざす操作の動きを検出可能な操作検出手段(複数の枠操作センサ26、複数のガラス前操作センサ29)と、操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定された場合に表示装置41の表示内容を特定の演出内容へ変更可能であり、一致しないと判定された場合には表示装置41の表示内容を特定の演出内容とは異なる演出内容へ変更可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域を覆う前面枠を前方に備え、表示装置と、当該表示装置の表示内容を制御する表示制御手段と、を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、通常時、図柄(識別情報)の変動は停止しているが、遊技者の操作により発射装置を駆動させ、当該発射装置によって発射された遊技球が遊技領域に設けられた始動口に入賞すれば、当該始動口に設けられた特図作動スイッチの検出に基づき表示装置(例えば、液晶表示器等)において所定時間図柄の変動を行い、その後、所定時間図柄を停止させることで、遊技者に変動表示ゲームの当否判定結果を認識させるとともに、特別の表示結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当り)を発生させるようにしているものがある。
【0003】
上記のパチンコ機においては、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(遊技制御手段)と、遊技制御装置からの指令情報(指令コマンド)に基づいて表示装置における変動表示ゲームを制御する表示制御装置(表示制御手段)と、を備えたものが知られている。
【0004】
そして、当該パチンコ機において、遊技盤に非接触センサを備え、非接触センサにより検出された遊技者の手や指の接近を契機として表示装置の表示内容を変更するようにしたものがある。具体的には、複数の可視光センサを遊技領域に備え、可視光センサによって測定した照度に基づいて遊技者の操作の有無を判定するようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−233767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたパチンコ機の場合、センサから検出信号を受けたとき、表示装置の表示内容を予め設定された態様で変化させるので、遊技者の操作態様が表示装置による演出に反映されず、遊技の興趣を十分に高めることができないという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、遊技者の操作態様を表示装置による演出に反映することを可能とし、遊技の興趣を十分に高めることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
遊技領域を覆う前面枠を前方に備え、表示装置と、当該表示装置の表示内容を制御する表示制御手段と、を備える遊技機において、
遊技機前方において遊技者が手をかざす操作の動きを検出可能な操作検出手段と、
前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記操作態様判定手段により前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定された場合に、前記表示装置の表示内容を特定の演出内容へ変更可能であり、
前記操作態様判定手段により前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致しないと判定された場合には、前記表示装置の表示内容を前記特定の演出内容とは異なる演出内容へ変更可能であることを特徴とする。
【0009】
ここで、「前面枠」とは、本体枠(外枠)にヒンジを介して開閉回動可能に組み付けられた開閉枠であってもよいし、当該開閉枠に取り付けられた、遊技盤の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠であってもよいし、当該開閉枠と当該ガラス枠との双方であってもよい。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、遊技者の操作の有無だけでなく、操作検出手段の検出態様を判定した結果に応じて表示装置の表示内容を変更可能であり、遊技者の操作態様が表示装置による演出に反映されるので、遊技の興趣を十分に高めることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記操作検出手段は、前記前面枠の前面に設けられ、遊技機前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段を備え、
前記操作態様判定手段は、前記複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定し、当該判定した操作軌跡が所定の操作軌跡と一致する場合に、前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、操作検出手段は、前面枠の前面に設けられ、遊技機前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段を備え、操作態様判定手段は、当該複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定するので、遊技者の操作の有無だけでなく、遊技者の操作態様までも検出することができる。また、遊技者の操作態様が正しい場合にのみ表示装置の表示内容の変更が行われ、遊技者の操作が表示装置の表示内容に反映されるので、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、
前記操作検出手段は、前記遊技領域の前方周囲に突出している前記前面枠の内周に設けられ、前記遊技領域前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、操作検出手段は、遊技領域の前方周囲に突出している前面枠の内周に設けられ、遊技領域前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段を備えているので、遊技領域前方の所定位置への物体の接近を検出可能な接近検出手段を遊技領域内に設ける場合と比較して、遊技領域の設計の自由度をより高めることが可能となるとともに、遊技領域前方におけるより広い範囲を操作に使用することが可能となり、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機において、
動作態様を変更可能な可動役物と、当該可動役物の動作態様を制御する役物制御手段と、を備え、
前記操作態様判定手段の判定結果に応じて、前記役物制御手段は前記可動役物の動作態様を前記判定結果に対応する動作態様に変更可能であるとともに、前記表示制御手段は前記表示装置の表示内容を前記判定結果に対応する表示内容に変更可能であることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、役物制御手段は、可動役物の動作態様を操作態様判定手段の判定結果に対応する動作態様に変更することができるとともに、表示制御手段は、表示装置の表示内容を操作態様判定手段の判定結果に対応する表示内容に変更することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技者の操作の有無だけでなく、操作検出手段の検出態様を判定した結果に応じて表示装置の表示内容を変更可能であり、遊技者の操作態様が表示装置による演出に反映されるので、遊技の興趣を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る遊技機の一実施形態を示す正面図である。
【図2】実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図3】実施形態の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の制御システムにおける演出制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】実施形態の遊技機に設けられる枠操作センサの構成例を示す図である。
【図6】(A)は、実施形態の遊技機に設けられるガラス前操作センサの構成例を示す正面図、(B)は、図6(A)の側面図であって、ガラス前操作センサが1層である場合を示す図、(C)は、図6(A)の側面図であって、ガラス前操作センサが3層である場合を示す図である。
【図7】ガラス前操作センサによる位置検出方法について説明する図である。
【図8】(A)は、実施形態の遊技機における枠操作センサの配置を説明するための図、(B)は、実施形態の遊技機における枠操作センサの配置の他の例を説明するための図である。
【図9】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の一例の前半部分を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の一例の後半部分を示すフローチャートである。
【図11】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図11のタイマ割込み処理中に実行されるコマンド送信処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図12のコマンド送信処理中に実行される演出制御コマンド送信処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】図11のタイマ割込み処理中に実行される特図ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図14の特図ゲーム処理中に実行される始動口スイッチ監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】図15の始動口スイッチ監視処理中に実行される特図始動口スイッチ共通処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】図16の特図始動口スイッチ共通処理中に実行される特図保留情報判定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】図14の特図ゲーム処理中に実行される特図普段処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】図18の特図普段処理中に実行される特図1変動開始処理1の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】図18の特図普段処理中に実行される特図2変動開始処理1の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】実施形態の演出制御装置によって実行されるメイン処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図22】実施形態の演出制御装置によって実行される割込み処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図23】図21のメイン処理中に実行されるゲーム監視処理で行われるセンサ演出設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】図23のセンサ演出設定処理中に実行されるセンサ演出実行処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図25】手かざしセンサ操作態様を指示するために表示装置に表示される画面の表示例を示す図である。
【図26】図24のセンサ演出実行処理を実行した時の演出表示の一例を示す図である。
【図27】図28のセンサ演出実行処理2を実行した時の演出表示の一例を示す図である。
【図28】図24のセンサ演出実行処理の代わりに実行可能なセンサ演出実行処理2の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図29】(A)手かざしセンサに対応する発光部材の発光態様について説明するための図、(B)手かざしセンサに対応する可動役物の動作態様について説明するための図である。
【図30】実施形態の演出制御装置によって実行可能な演出テーブル設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図31】遊技領域の上方に設けられた枠操作センサの操作例を示す図である。
【図32】実施形態の演出制御装置が隣に設置されている遊技機の演出制御装置との通信する場合について説明するための図である。
【図33】実施形態の演出制御装置が隣に設置されている遊技機の演出制御装置との通信可能な場合に、図24のセンサ演出実行処理の代わりに実行可能なセンサ演出実行処理2の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図34(A)】図33のセンサ演出設定処理2中に実行されるセンサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の具体的な手順の一例の前半部分を示すフローチャートである。
【図34(B)】図33のセンサ演出設定処理2中に実行されるセンサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の具体的な手順の一例の後半部分を示すフローチャートである。
【図35】実施形態の演出制御装置が隣に設置されている遊技機の演出制御装置との通信可能な場合に、手かざしセンサ操作態様を指示するために表示装置に表示される画面の表示例を示す図である。
【図36】図21のメイン処理中に実行されるゲーム監視処理で行われる役物センサ演出設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】図36の役物センサ演出設定処理中に実行される役物センサ演出実行処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図38】演出制御装置に記憶されている動作パターンテーブルの一例を示す図である。
【図39】役物センサ演出について説明するための図である。
【図40】図37の役物センサ演出実行処理を実行した時の演出表示の一例を示す図である。
【図41】図37の役物センサ演出実行処理を実行した時の演出表示の他の一例を示す図である。
【図42】のれん型の可動役物を備える場合における役物センサ演出について説明するための図である。
【図43】第2実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図44】第2実施形態の遊技機が備える封入球型の役物装置について説明するための図である。
【図45】変形例1の遊技機における役物センサ演出について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0020】
〔第1実施形態〕
本実施形態の遊技機10は開閉枠12を備え、該開閉枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は開閉枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、開閉枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0021】
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や図示しない払出異常報知用のランプ(LED)が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、開閉枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0022】
また、開閉枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、開閉枠12下部右側には、開閉枠12を開放したり施錠したりするための鍵(図示省略)が設けられている。
【0023】
また、ガラス枠15の上部左側及び上部右側と、開閉枠12の下部左側及び下部右側とには、枠操作センサ26が設けられている。
また、ガラス枠15における遊技領域32の周囲近傍には、複数のガラス前操作センサ29が設けられている。
また、開閉枠12の下部には、送風装置46が設けられている。
ここで、複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29は、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)に設けられ、遊技機10前方のうち遊技領域32よりも広い領域における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段として機能する。
【0024】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0025】
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0026】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
そして、センターケース40における表示装置41の近傍には、風車型の可動役物44aが設けられている。
【0027】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0028】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
【0029】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b,37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0030】
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0031】
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0032】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0033】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0034】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器(第3遊技状態表示器)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器59が設けられている。
【0035】
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0036】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0037】
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0038】
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
【0039】
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0040】
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0041】
第3遊技状態表示器58(エラー表示器)は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0042】
ラウンド数表示器59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド数表示器59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0043】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、開閉枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0044】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56(普図保留表示器)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
【0045】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0046】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0047】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54,55(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0048】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0049】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0050】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0051】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0052】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0053】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や開閉枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0054】
図3は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0055】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0056】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0057】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0058】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0059】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0060】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0061】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0062】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0063】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0064】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。
【0065】
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0066】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0067】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0068】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0069】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0070】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0071】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0072】
また、入力部120には、遊技機10の開閉枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0073】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び開閉枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0074】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0075】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0076】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0077】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0078】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0079】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0080】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0081】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0082】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0083】
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
すなわち、演出制御装置300は、表示装置41の表示内容を制御する表示制御手段として機能する。
【0084】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0085】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
【0086】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と開閉枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0087】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0088】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドや、当該遊技機10(図32に示す遊技機A)の左隣に設置されている遊技機10(図32に示す遊技機B)の演出制御装置300Bや、当該遊技機10(遊技機A)の右隣に設置されている遊技機10(図32に示す遊技機C)の演出制御装置300Cなどから送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド、エラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0089】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、開閉枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物44a等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、開閉枠12に設けられている枠演出装置45(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)や、開閉枠12に設けられている送風装置46を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
すなわち、演出制御装置300は、可動役物44aの動作態様を制御する役物制御手段として機能する。
【0090】
さらに、演出制御装置300には、開閉枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ、手かざしセンサ(開閉枠12やガラス枠15に設けられた枠操作センサ26、ガラス枠15に設けられたガラス前操作センサ29)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、開閉枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、開閉枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0091】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0092】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0093】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別情報(識別図柄)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b,37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0094】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111C等に記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶をRAM111C等に記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
【0095】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別情報(識別図柄)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0096】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0097】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0098】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0099】
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0100】
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とする枠操作センサ26及びガラス前操作センサ29について説明する。
【0101】
枠操作センサ26は、図5に示すように、発光部26Aと受光部26Bとを備えている。
発光部26Aは、例えば、赤外線を発光する赤外発光ダイオードによって構成されている。また、受光部26Bは、例えば、赤外線を受光するフォトトランジスタによって構成されている。
図5に示すように、枠操作センサ26の前方に遊技者が手等をかざすと、発光部26Aからの光が反射されて受光部26Bに受光される。これにより、枠操作センサ26の前方に遊技者の手等がかざされたことを検出できるように構成されている。
すなわち、一対の発光部26Aと受光部26Bとからなる枠操作センサ26は、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)の前面に設けられ、遊技機10前方の所定位置への物体の接近を検出可能な第1接近検出手段として機能する。
【0102】
なお、本実施形態では、枠操作センサ26を、赤外線の反射を利用して遊技者の手等を検出する赤外線センサによって構成したが、これに限定されるものではなく、枠操作センサ26は、当該枠操作センサ26の前方に遊技者の手等がかざされたことを検出できるセンサ(好ましくは非接触型の人感センサ)であれば任意であり、例えば、その他の光センサによって構成することも可能である。
【0103】
また、本実施形態では、例えば図8(A)に示すように、枠操作センサ26を遊技領域32の上方左側と上方右側と下方左側と下方右側との4箇所に配設するように構成したが、これに限定されるものではなく、遊技領域32よりも外側に配設されているのであれば、枠操作センサ26の配設位置や個数は任意である。具体的には、例えば、枠操作センサ26を、遊技領域32よりも外側における3つ以下の箇所に配設するように構成することも可能であるし、例えば図8(B)に示すように、遊技領域32よりも外側における5つ以上の箇所に配設するように構成することも可能である。
【0104】
また、本実施形態では、枠操作センサ26を、開閉枠12とガラス枠15との双方に設けるように構成したが、これに限定されるものではなく、枠操作センサ26は、開閉枠12および/またはとガラス枠15に配設されていればよい。
【0105】
ガラス前操作センサ29は、図6(A)に示すように、ガラス枠15に設けられた複数の発光部29A(発光部A1〜A12)と、各発光部29Aと対向するようにガラス枠15に設けられた複数の受光部29B(受光部B1〜B12)とを備えている。
具体的には、発光部A1〜A12及び受光部B1〜B12は、図7(A)に示すように、発光部A1には受光部B1、発光部A2には受光部B2、…、発光部A12には受光部B12がそれぞれ対向するように遊技領域32の周囲近傍に配設されている。
【0106】
発光部A1〜A12は、例えば、赤外線を発光する赤外発光ダイオードによって構成されている。また、受光部B1〜B12は、例えば、赤外線を受光するフォトトランジスタによって構成されている。
図6(B)は、図6(A)に示したガラス枠15の側面図である。このように、遊技領域32(具体的には、カバーガラス14のうち遊技領域32を覆う部分)前方の検出空間に遊技者が手等をかざすと、発光部29Aから受光部29Bへの光が遮られる。これにより、検出空間における遊技者の手等の位置を検出できるように構成されている。
すなわち、一対の発光部29Aと受光部29Bとからなるガラス前操作センサ29は、遊技領域32の前方周囲に突出している前面枠(ガラス枠15)の内周に設けられ、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な第2接近検出手段として機能する。
【0107】
ここで、ガラス前操作センサ29による位置検出方法の詳細について説明する。
図7(B)に示すように、例えば、まず、遊技者が検出空間におけるE1の位置に手等をかざした場合、発光部A1、A2、A3、A7、A8及びA9から受光部B1、B2、B3、B7、B8及びB9への光が遮られる。これにより、発光部A1と受光部B1とを結ぶ線と、発光部A2と受光部B2とを結ぶ線と、発光部A3と受光部B3とを結ぶ線と、発光部A7と受光部B7とを結ぶ線と、発光部A8と受光部B8とを結ぶ線と、発光部A9と受光部B9とを結ぶ線との交点及びその交点近傍に遊技者の手等がかざされていることが検出される。
その後、遊技者が検出空間におけるE2の位置へと手等を左方向にスライドさせた場合、発光部A4、A5、A6、A10、A11及びA12から受光部B4、B5、B6、B10、B11及びB12への光が遮られる。これにより、発光部A4と受光部B4とを結ぶ線と、発光部A5と受光部B5とを結ぶ線と、発光部A6と受光部B6とを結ぶ線と、発光部A10と受光部B10とを結ぶ線と、発光部A11と受光部B11とを結ぶ線と、発光部A12と受光部B12とを結ぶ線との交点及びその交点近傍に遊技者の手等がかざされていることが検出される。
このように、演出制御装置300は、遊技者が遊技領域32前方にかざした手等の位置を検出できるとともに、その検出結果に基づいて当該手等の動きを推測することができる。
【0108】
なお、本実施形態では、ガラス前操作センサ29を、赤外線の遮光を利用して遊技者の手等を検出する赤外線センサによって構成したが、これに限定されるものではない。ガラス前操作センサ29は、検出空間における遊技者が手等をかざした位置を検出できるセンサ(好ましくは非接触型の人感センサ)であれば任意であり、例えば、赤外線の反射を利用して遊技者の手等を検出できる赤外線センサ(例えば、枠操作センサ26のようなフォトリフレクタ)によって構成することも可能であるし、その他の光センサによって構成することも可能である。
【0109】
また、本実施形態では、図6(A)等に示すように、12個のガラス前操作センサ29(具体的には、12個の発光部29Aおよび12個の受光部29B)を遊技領域32の周囲に沿って配設するように構成したが、これに限定されるものではなく、配設するガラス前操作センサ29の個数は任意である。
【0110】
また、本実施形態では、例えば図6(B)に示すように、検出空間における遊技者が手等をかざした位置のうち平面的な位置を検出できるよう、ガラス前操作センサ29を遊技領域32の周囲に沿って配設するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば図6(C)に示すように、検出空間における遊技者が手等をかざした位置のうち、平面的な位置だけでなく、奥行き方向の位置も検出できるよう、ガラス前操作センサ29を、遊技領域32の周囲に沿って配設するとともに、検出空間の奥行き方向(前後方向)に沿って配設するように構成することも可能である。なお、この場合、ガラス前操作センサ29は多層に配設されていればよく、図6(C)に示すように3層に配設する(具体的には、受光部29Aを前後方向に沿って3つずつ配設するとともに、受光部29Bを前後方向に沿って3つずつ配設する)ことも可能であるし、2層に配設することも可能であるし、4層以上に配設することも可能である。
【0111】
このように、ガラス前操作センサ29を多層に配設することで、平面的な位置検出だけでなく、より詳細な3次元の位置検出が可能となる。そのため、より広範囲での遊技者の操作が可能となり、演出の幅も広がるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、ガラス前操作センサ29を多層に配設することで、例えば、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を前後に動かす速度、すなわち、遊技者が検出空間を押す速度を検出できるので、遊技者の「押す」という操作に対応した演出(例えば、ヒーローが敵を押し倒す画面を表示装置41に表示可能に構成しておき、画面上のヒーローが敵を押す速度や押す回数を遊技者の操作態様に応じて変更したり、前後方向に揺動可能な可動役物を備えておき、その可動役物の揺動速度や揺動回数を遊技者の操作態様に応じて変更したりする演出)を行うことが可能となる。
【0112】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図9及び図10参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図11参照)とからなる。
【0113】
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0114】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするOFFデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0115】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否かを判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFFと判定した場合(ステップS9;No)には、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。
このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。
このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
【0116】
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図10のステップS24へジャンプする。
【0117】
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図10のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。
次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でないと判定した場合(ステップS20;No)は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0118】
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
【0119】
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、まずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
【0120】
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0121】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0122】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0123】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0124】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0125】
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
【0126】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図11に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図11のタイマ割込み処理が開始される。
【0127】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。
次いで、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。
次いで、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0128】
次いで、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
次いで、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(開閉枠12やガラス枠15が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。
次いで、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0129】
次いで、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。
そして、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0130】
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。
図12に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
【0131】
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。
図13に示すように、演出制御コマンド送信処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックし(ステップS81)、コマンドが設定されているか否かを判定する(ステップS82)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する。
【0132】
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。
そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、当該演出制御コマンド送信処理を終了する。
【0133】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
当該特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0134】
図14に示すように、特図ゲーム処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
【0135】
次いで、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
【0136】
次いで、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップS4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
次いで、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0137】
ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
【0138】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0139】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0140】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0141】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0142】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
【0143】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0144】
次いで、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
次いで、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
【0145】
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0146】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図15に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0147】
次いで、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中であると判定した場合(ステップA113;Yes)には、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA113で、普通電動役物が作動中でないと判定した場合(ステップA113;No)には、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0148】
ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上でないと判定した場合(ステップA115;No)には、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、当該始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合(ステップA115;Yes)にも、当該始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0149】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0150】
図16に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がないと判定した場合(ステップA202;No)には、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力があると判定した場合(ステップA202;Yes)には、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
【0151】
次いで、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップS207)。
【0152】
ステップS207で、出力回数がオーバーフローしないと判定した場合(ステップA207;No)には、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。
一方、ステップA207で、出力回数がオーバーフローしたと判定した場合(ステップA207;Yes)には、処理をステップA209に移行する。
【0153】
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
【0154】
ステップA210で、特図保留数が上限値未満であると判定した場合(ステップA210;Yes)には、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行う。
次いで、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA212)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行う。
【0155】
次いで、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA215)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。
次いで、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA217)、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。
次いで、対応する変動パターン乱数1を抽出して、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA219)、対応する変動パターン乱数2を抽出して、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA220)、対応する変動パターン乱数3を抽出して、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした後(ステップA221)、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行って、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
【0156】
一方、ステップA210で、特図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップA210;No)には、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA223)、始動口1スイッチ36aの入力であるか否かを判定する(ステップS224)。
【0157】
ステップS224で、始動口1スイッチ36aの入力であると判定した場合(ステップA224;Yes)には、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA225)、コマンド設定処理(ステップA226)を行って、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA224で、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合(ステップA224;No)にも、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0158】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について説明する。
当該特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0159】
図17に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックして(ステップA231)、先読み演出を実行してよい条件を満たしているか否かを判定する(ステップS232)。
ここで、「先読み演出を実行してよい条件」とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であること、又は当該始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力の場合には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)でなく、且つ、大当り中でないことを意味する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
【0160】
ステップA232で、先読み演出を実行してよい条件を満たしていないと判定した場合(ステップA232;No)には、当該特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップS232で、先読み演出を実行してよい条件を満たしていると判定した場合(ステップA232;Yes)には、大当り判定処理(ステップA233)を行い、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA234)。
【0161】
ステップS234で、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りであると判定した場合(ステップA234;Yes)には、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA236)、ステップA238へ移行する。
一方、ステップS234で、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りでないと判定した場合(ステップA234;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA238へ移行する。
【0162】
そして、ステップA238にて、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA238)。
次いで、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA239)。
【0163】
次いで、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA240)、監視対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップA241)、特図情報設定処理(ステップA242)、後半変動パターン設定処理(ステップA243)、変動パターン設定処理(ステップA244)を行う。
次いで、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA245)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA246)、コマンド設定処理(ステップA247)を行う。
次いで、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行い、当該特図保留情報判定処理を終了する。
【0164】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図18に示すように、特図普段処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックして(ステップA271)、特図2保留数が0であるか否かを判定する(ステップS272)。
【0165】
ステップS272で、特図2保留数が0であると判定した場合(ステップA272;Yes)には、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックして(ステップA273)、特図1保留数が0であるか否かを判定する(ステップS274)。
ステップS274で、特図1保留数が0であると判定した場合(ステップA274;Yes)には、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、既に客待ちデモが開始されているか否かを判定する(ステップS276)。
【0166】
ステップS276で、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでないと判定した場合(ステップA276;No)には、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行い、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。
一方、ステップA276で、既に客待ちデモが開始されていると判定した場合(ステップA276;Yes)には、既に客待ちデモ中フラグは客待ちデモフラグ領域中にセーブ(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。
そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、当該特図普段処理を終了する。
【0167】
一方、ステップA272で、特図2保留数が0でないと判定した場合(ステップA272;No)には、特図2変動開始処理1(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理1の詳細については後述する。
そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、当該特図普段処理を終了する。
【0168】
また、ステップA274で、特図1保留数が0でないと判定した場合(ステップA274;No)には、特図1変動開始処理1(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理1の詳細については後述する。
そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、当該特図普段処理を終了する。
このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理1(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0169】
〔特図1変動開始処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理1(ステップA283)の詳細について説明する。
当該特図1変動開始処理1は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
【0170】
図19に示すように、特図1変動開始処理1において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。
【0171】
次いで、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA302)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA303)。
次いで、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA304)。
【0172】
次いで、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA305)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA306)。
次いで、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA307)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA308)を行う。
次いで、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA309)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA310)を行う。
そして、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA311)を行って、当該特図1変動開始処理1を終了する。
【0173】
〔特図2変動開始処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理1(ステップA281)の詳細について説明する。
当該特図2変動開始処理1は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
【0174】
図20に示すように、特図2変動開始処理1において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。
【0175】
次いで、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA323)。
次いで、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
【0176】
次いで、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA325)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。
次いで、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。
次いで、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。
そして、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、当該特図2変動開始処理1を終了する。
【0177】
次に、演出制御装置300によって実行される制御について説明する。
演出制御装置300による制御処理は、主に、図21に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば2ms)に行われる図22に示す割込み処理と、からなる。
【0178】
[演出制御装置のメイン処理]
まず、メイン処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
当該メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
【0179】
図21に示すように、メイン処理において、演出制御装置300は、はじめにプログラム開始時の処理として、電源投入時の初期化処理(ステップS101)を行い、タイマを起動する処理(ステップS102)を行う。
【0180】
次に、演出制御装置300は、メインループ処理としてループの処理を行う。
当該ループの処理では、まず、メインコマンド解析処理(ステップS103)を行う。当該メインコマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(例えば、負論理データ)と、第2コマンド(例えば、第1コマンドをビット反転した正論理データ)との一対のデータにより構成されている。そして、受信した第1コマンドと第2コマンドとが矛盾しない場合(例えば、一方の反転ビットが他方に一致する場合)に正しくコマンドを受信したと判定する。
【0181】
次いで、一括表示装置50の特図表示器51における特図変動表示ゲームと並行して表示装置41で実行される飾り特図変動表示ゲームの変動時間や変動パターン、揺れ変動の設定、時短モード継続演出の設定等の制御に関するゲーム管理処理(ステップS104)を行う。
次いで、表示装置41における揺れ変動の表示や時短モード継続演出の表示及びこれらの表示に関連してセンターケース40に設けられた状態報知ランプ(盤装飾装置)等を駆動する表示制御処理(ステップS105)を行う。
次いで、音声の出力に関する処理(スピーカ19a,19bの駆動処理)である音制御処理(ステップS106)を行い、開閉枠12に設けられた枠装飾装置18等の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップS107)を行う。
【0182】
次いで、開閉枠12やガラス枠15の開放等のエラー発生の監視を行うエラー監視処理(ステップS108)を行い、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップS109)を行って、メインコマンド解析処理(ステップS103)に戻る。
【0183】
[演出制御装置の割込み処理]
次に、割込み処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
【0184】
図22に示すように、割込み処理において、演出制御装置300は、まず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップS111)を行う。
【0185】
次いで、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップS112)を行う。
当該入力処理では、枠操作センサ26やガラス前操作センサ29により遊技者の手等が検出された場合にスイッチ入力回路336から入力される検出信号等が処理される。
【0186】
次いで、演出制御装置300から出力する信号を処理する出力処理(ステップS113)を行う。
当該出力処理では、音声データがスピーカ19,19bに出力される音出力処理や、制御信号が盤装飾装置42に出力される装飾出力処理などが行われる。
【0187】
次いで、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップS114)を行って、当該割込み処理を終了する。
【0188】
〔センサ演出設定処理〕
次に、図21に示す演出制御装置300のメイン処理におけるゲーム管理処理(ステップS104)で行われるセンサ演出設定処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
【0189】
ここで、ゲーム管理処理(ステップS104)では、制御処理番号を取得し、取得した制御処理番号に基づき実行する処理の選択を行う。
例えば、制御処理番号が0である場合は、変動開始処理を行う。この変動開始処理では、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報を設定する処理を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報を設定する処理では、例えば、遊技制御装置100から送信される情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報等)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)を設定する処理を行う。そして、この演出を設定する処理に、センサ演出設定処理や後述の役物センサ演出設定処理(図36)が含まれる。
【0190】
具体的には、図23に示すように、センサ演出設定処理において、演出制御装置300は、まず、演出を設定する処理を行うために遊技制御装置100から送信される情報として、センサ演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1)。
【0191】
ステップB1で、センサ演出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB1;No)には、当該センサ演出設定処理を終了する。
【0192】
一方、ステップB1で、センサ演出コマンドを受信したと判定した場合(ステップB1;Yes)には、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を有効に変更する(ステップB2)。これにより、枠操作センサ26やガラス前操作センサ29のオン/オフ状態がスイッチ入力回路336によって検出されて、枠操作センサ26やガラス前操作センサ29により遊技者の手等が検出された場合にスイッチ入力回路336から演出制御装置300へと検出信号が入力されるようになる。
その後、センサ演出実行処理を行って(ステップB3)、当該センサ演出設定処理を終了する。
【0193】
〔センサ演出実行処理〕
次に、前述のセンサ演出設定処理(図23)におけるセンサ演出実行処理(ステップB3)の詳細について説明する。
【0194】
図24に示すように、センサ演出実行処理において、演出制御装置300は、まず、手かざしセンサの操作態様の指示を開始する(ステップB301)。
なお、本実施形態では、図25や後述の図35に示すように、表示装置41に手かざしセンサの操作態様を指示する画面を表示することによって、遊技者に手かざしセンサの操作態様を指示するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、操作軌跡上の発光部材(LED等)の発光態様の変更によって、具体的には、操作軌跡上の発光部材の発光色を切り替えたり、操作軌跡上の発光部材を正しい操作順に点灯したりすること等によって、遊技者に手かざしセンサの操作態様を指示するように構成することも可能である。
【0195】
ここで、ステップB301で、表示装置41に、図25に示す「表示例1」が表示されたとする。すなわち、遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈3〉、遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉として、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉の順に操作するよう指示する画面が、ステップB301で、表示装置41に表示されたとする。
【0196】
次いで、スイッチ入力回路336からの検出信号に基づいて、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)が遊技者の手等を検出したか否かを判定する(ステップB302)。
【0197】
ステップB302で、手かざしセンサが遊技者の手等を検出していないと判定した場合(ステップB302;No)には、ステップB324の処理に移行する。
一方、ステップB302で、手かざしセンサが遊技者の手等を検出したと判定した場合(ステップB302;Yes)には、センサ〈1〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB303)。ここで、センサ〈1〉検出フラグは、センサ〈1〉が遊技者の手等を検出した場合にONされるフラグであり、後述するステップB306でONされる。
【0198】
ステップB303で、センサ〈1〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB303;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉であるか否かを判定する(ステップB304)。すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈1〉であるか否かを判定する。
【0199】
ステップB304で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉でないと判定した場合(ステップB304;No)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈1〉でない場合には、ステップB330の処理に移行する。
一方、ステップB304で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉であると判定した場合(ステップB304;Yes)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈1〉である場合には、遊技者の手等をセンサ〈1〉で検出した旨を報知する演出(後述)を実行し(ステップB305)、センサ〈1〉検出フラグをONにして(ステップB306)、ステップB324の処理に移行する。
【0200】
また、ステップB303で、センサ〈1〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB303;Yes)には、センサ〈2〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB307)。ここで、センサ〈2〉検出フラグは、センサ〈2〉が遊技者の手等を検出した場合にONされるフラグであり、後述するステップB310でONされる。
【0201】
ステップB307で、センサ〈2〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB307;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉であるか否かを判定する(ステップB308)。すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈2〉であるか否かを判定する。
【0202】
ステップB308で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉でないと判定した場合(ステップB308;No)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈2〉でない場合には、ステップB330の処理に移行する。
一方、ステップB308で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉であると判定した場合(ステップB308;Yes)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈2〉である場合には、遊技者の手等をセンサ〈2〉で検出した旨を報知する演出(後述)を実行し(ステップB309)、センサ〈2〉検出フラグをONにして(ステップB310)、ステップB324の処理に移行する。
【0203】
また、ステップB307で、センサ〈2〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB307;Yes)には、センサ〈3〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB311)。ここで、センサ〈3〉検出フラグは、センサ〈3〉が遊技者の手等を検出した場合にONされるフラグであり、後述するステップB314でONされる。
【0204】
ステップB311で、センサ〈3〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB311;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉であるか否かを判定する(ステップB312)。すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈3〉であるか否かを判定する。
【0205】
ステップB312で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉でないと判定した場合(ステップB312;No)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈3〉でない場合には、ステップB330の処理に移行する。
一方、ステップB312で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉であると判定した場合(ステップB312;Yes)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈3〉である場合には、遊技者の手等をセンサ〈3〉で検出した旨を報知する演出(後述)を実行し(ステップB313)、センサ〈3〉検出フラグをONにして(ステップB314)、ステップB324の処理に移行する。
【0206】
そして、ステップB324にて、当該センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップB324)。
【0207】
ステップB324で、当該センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過していないと判定した場合(ステップB324;No)には、ステップB302の処理に移行する。
一方、ステップB324で、当該センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過したと判定した場合(ステップB324;Yes)には、ステップB301で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する(ステップB325)。すなわち、センサ演出を開始したにもかかわらず、手かざしセンサが全く操作されない状態や、手かざしセンサが正しい操作順に操作されない状態のまま、所定時間が経過すると、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する。
【0208】
次いで、前述のセンサ演出設定処理(図23)で有効に変更した、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を無効に変更して(ステップB326)、センサ検出フラグを全てOFFする(ステップB327)。すなわち、ステップB306でセンサ〈1〉検出フラグをONした場合は、当該センサ〈1〉検出フラグをOFFする。また、ステップB310でセンサ〈2〉検出フラグをONした場合は、当該センサ〈2〉検出フラグをOFFする。また、ステップS314でセンサ〈3〉検出フラグをONした場合は、当該センサ〈3〉検出フラグをOFFする。
【0209】
次いで、センサ検出報知演出を終了する(ステップB328)。すなわち、ステップB305でセンサ〈1〉検出報知演出を実行した場合は、当該センサ〈1〉検出報知演出を終了する。また、ステップB309でセンサ〈2〉検出報知演出を実行した場合は、当該センサ〈2〉検出報知演出を終了する。また、ステップS313でセンサ〈3〉検出報知演出を実行した場合は、当該センサ〈3〉検出報知演出を終了する。
【0210】
次いで、大当りへの期待度を報知しない演出(後述)を実行して(ステップB329)、当該センサ演出実行処理を終了する。
【0211】
また、ステップB311で、センサ〈3〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB311;Yes)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉であるか否かを判定する(ステップB315)。すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈4〉であるか否かを判定する。
【0212】
ステップB315で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉でないと判定した場合(ステップB315;No)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈4〉でない場合には、ステップB330の処理に移行する。
【0213】
そして、ステップB330にて、手かざしセンサを再操作する旨の指示を表示する(ステップB330)。具体的には、例えば、『順番がまちがっていますよ!』等を表示装置41に表示することによって、手かざしセンサを最初から再操作するよう、すなわちセンサ〈1〉から所定の操作順に再操作するよう遊技者に指示する。
【0214】
次いで、センサ検出報知演出を終了し(ステップB331)、センサ検出フラグを全てOFFにして(ステップB332)、ステップB302の処理に移行する。
【0215】
また、ステップB315で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉であると判定した場合(ステップB315;Yes)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈4〉である場合には、遊技者の手等をセンサ〈4〉で検出した旨を報知する演出(後述)を実行し(ステップB316)、ステップB301で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する(ステップB317)。
【0216】
このように、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉の順にセンサ検出フラグがONであるか否かを判定し、その間に、センサ検出フラグがONでないセンサがあると判定した場合には、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサが、そのセンサ(センサ検出フラグがONでないセンサ)であるか否かを判定することで、手かざしセンサが正しい操作順に操作されたか否かを判定するように構成されている。
【0217】
すなわち、演出制御装置300は、操作検出手段(複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29)の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段として機能する。
そして、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、手かざしセンサが正しい操作順に操作された場合(操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致する場合)、表示制御手段として機能する演出制御装置300は、ステップB317以降の処理で、表示装置41の表示内容を変更するように構成されている。具体的には、本実施形態において、演出制御装置300は、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、手かざしセンサが正しい操作順に操作された場合、演出内容を変更して予告演出を実行するように構成されている。
一方、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、手かざしセンサが正しい操作順で操作されない場合(操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致しない場合)、表示制御手段として機能する演出制御装置300は、ステップB325以降の処理で、表示装置41の表示内容を変更しないように構成されている。具体的には、本実施形態において、演出制御装置300は、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、手かざしセンサが正しい操作順で操作されない場合、演出内容を変更しないように(予告演出を実行しないように)構成されている。
【0218】
次いで、前述のセンサ演出設定処理(図23)で有効に変更した、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を無効に変更して(ステップB318)、ステップB306、ステップB310及びステップB314でONした、センサ検出フラグを全てOFFにする(ステップB319)。
【0219】
次いで、手かざしセンサが正しい操作順に操作された際、すなわち、手かざしセンサの操作が成功した際に行う演出(後述)を実行して(ステップB320)、大当りへの期待度を報知するタイミングであるか否かを判定する(ステップB321)。
【0220】
ステップB321で、大当りへの期待度を報知するタイミングでないと判定した場合(ステップB321;No)には、ステップB321の処理を繰り返し行う。すなわち、大当りへの期待度を報知するタイミングになるまでは、手かざしセンサの操作が成功した際に行う演出等が実行される。
【0221】
一方、ステップB321で、大当りへの期待度を報知するタイミングであると判定した場合(ステップB321;Yes)には、ステップB305、ステップB309、ステップB313及びステップB316で実行した、センサ検出報知演出を終了し(ステップB322)、大当りへの期待度を報知する演出(後述)を実行して(ステップB323)、当該センサ演出実行処理を終了する。
すなわち、表示制御手段として機能する演出制御装置300は、操作態様判定手段(演出制御装置300)の判定結果に応じて、変動表示ゲームの停止結果態様が予め定められた特別結果態様(当りの結果態様)となる期待度を報知可能となるように構成されている。
【0222】
ここで、ステップB305、B309、B313及びB316で実行される、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出は、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(例えば、枠ランプ17a〜17d)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物44a〜44dの動作態様を変更したりすること等によって行うことができる。このように、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うことで、「どのセンサで手等が検出されたのか」ということや、「手等がきちんと検出されたのか」ということを、遊技者に的確に認識させることが可能となる。
【0223】
具体的には、例えば、図29(A)に示すように、各枠操作センサ26に対応してLED等により構成される枠ランプ17a〜17dを備えておき、遊技者の手等を検出した枠操作センサ26に対応する枠ランプを消灯状態から発光状態に切り替えることによって、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うことができる。なお、発光態様の変更は、消灯状態から発光状態に切り替えることの他に、発光状態から消灯状態に切り替えたり、点滅状態から点灯状態に切り替えたり、発光色を切り替えたりすることによっても実現可能である。なお、この場合、例えば、リーチ演出の信頼度が高いほど、枠ランプの発光態様が大きく変更されるように構成することも可能である。また、発光態様を変更した枠ランプの個数が多くなるほど、信頼度を高くするように構成することも可能である。
【0224】
また、例えば、図29(B)に示すように、各枠操作センサ26に対応して可動役物44a〜44dを備えておき、遊技者の手等を検出した枠操作センサ26に対応する可動役物を停止状態から作動状態に切り替えることによって、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うことができる。なお、動作態様の変更は、停止状態から作動状態に切り替えることの他に、作動状態から停止状態に切り替えたり、可動量や可動速度を切り替えたり、可動方向を切り替えたりすることによっても実現可能である。なお、この場合、例えば、リーチ演出の信頼度が高いほど、可動役物の動作態様が大きく変更されるように構成することも可能である。また、動作態様を変更した可動役物の個数が多くなるほど、信頼度を高くするように構成することも可能である。
【0225】
すなわち、枠ランプ17a〜17dや可動役物44a〜44dは、装飾報知部材として機能する。
また、演出制御装置300は、装飾報知部材の演出態様を制御する報知演出制御手段として機能する。そして、報知演出制御手段として機能する演出制御装置300は、操作検出手段(本実施形態の場合は複数の枠操作センサ26)により検出された遊技者の操作の動きに対応して装飾報知部材の演出態様を変更するように構成されている。
【0226】
さらに、表示装置41に表示されている画面を、遊技者の手等を検出した枠操作センサ26に対応する画面に切り替えることによって、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うこともできる。具体的には、例えば、画面上のヒーローが、遊技者と同じポーズをとっている画面を表示したり、画面上のヒーローが、遊技者が次にとるべきポーズをとっている画面を表示したりすること等によって、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うこともできる。なお、この場合、例えば、手等を検出したセンサの個数が多くなるにつれて、表示装置41の表示内容を変更していくように(例えば、画面上のヒーローが徐々に変身していくような画面を表示するように)構成することも可能である。
ここで、画面上のヒーローが、遊技者と同じポーズをとっている画面とは、例えば、センサ〈1〉で遊技者の手等を検出した場合、画面上のヒーローが、センサ〈1〉に向けて腕を伸ばしているようなポーズをとっている画面である。
また、画面上のヒーローが、遊技者が次にとるべきポーズをとっている画面とは、例えば、センサ〈1〉で遊技者の手等を検出した場合、画面上のヒーローが、センサ〈1〉の次に操作すべきセンサ〈2〉に向けて腕を伸ばしているようなポーズをとっている画面である。
【0227】
なお、本実施形態では、センサ演出実行処理のステップB301で、表示装置41に、図25に示す「表示例1」が表示された場合について説明したが、「表示例1」と同様、遊技機10の前で大きく“Z”字を描く操作軌跡で遊技者に手かざしセンサを操作させる場合、図25に示す「表示例2」や「表示例3」などを表示装置41に表示することも可能である。
無論、センサ演出実行処理において、正しい操作順(正しい操作軌跡)は、「表示例1」と同様の操作軌跡(遊技機10の前で大きく“Z”字を描く操作軌跡)に限定されるものではなく、操作軌跡は適宜設定可能である。
【0228】
「表示例2」が表示された場合は、遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、遊技領域32前方の検出空間の略中央部に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈3〉、遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉、遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈5〉として、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉→センサ〈5〉の順に操作されると、大当りへの期待度を報知する演出が実行される。
【0229】
「表示例3」は、図6(C)に示すように、ガラス前操作センサ29が3層に配設されている場合に表示可能である。
「表示例3」が表示された場合は、遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、遊技領域32前方の検出空間の略右上部のうち前後方向後側に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈奥〉、遊技領域32前方の検出空間の略中央部のうち前後方向中側に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈中〉、遊技領域32前方の検出空間の略左下部のうち前後方向前側に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈前〉、遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉、遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈5〉として、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈奥〉→センサ〈中〉→センサ〈前〉→センサ〈4〉→センサ〈5〉の順に操作されると、大当りへの期待度を報知する演出が実行される。
【0230】
次に、本実施形態において実行される上述のセンサ演出の概要について、図26を用いて説明する。
図26は、センサ演出を実行する時の演出表示の一例を示す図である。
【0231】
特図変動表示ゲームが開始され、当該特図変動表示ゲームにおいてリーチが発生する場合は、当該特図変動表示ゲームの開始から所定時間経過後に、例えば図26(A)に示すような画面が表示装置41に表示される。
次いで、遊技制御装置100からセンサ演出コマンドを受信している場合は、図26(B)に示すような画面が表示装置41に表示されて、所定のタイミングで手かざしセンサが有効に変更される。
次いで、センサ演出実行処理が開始されて、図26(C)に示すように、手かざしセンサの操作態様を指示する画面が表示装置41に表示される。
【0232】
そして、手かざしセンサが正しい操作順に操作されると(この場合、画面上のヒーローの代わりに遊技者が変身ポーズ(大きく“Z”字を描くポーズ)をとると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されて、手かざしセンサが無効に変更される。続いて、手かざしセンサの操作が成功した際に行う演出が実行されて、図26(D)に示すような画面が表示装置41に表示される。
その後、センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過して、大当りへの期待度を報知するタイミングになると、大当りへの期待度を報知する演出が実行されて、大当りへの期待度が高い場合には図26(E)に示すような画面が表示装置41に表示され、大当りへの期待度が低い場合には図26(F)に示すような画面が表示装置41に表示される。
【0233】
一方、手かざしセンサが全く操作されない状態や、手かざしセンサが正しい操作順に操作されない状態のまま、センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過すると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されるとともに、手かざしセンサが無効に変更されて、図26(G)に示すような画面が表示装置41に表示される。その後、大当りへの期待度を報知しない演出が実行されて、図26(H)に示すような画面(図26(A)に示す画面と同じ画面)が表示装置41に表示される。
【0234】
なお、以上の説明では、センサ演出として、遊技者による枠操作センサ26の操作(図25に示す「表示例2」や「表示例3」の場合は枠操作センサ26及びガラス前操作センサ29の操作)を反映する演出(以下「枠操作センサ26用のセンサ演出」という。)について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、センサ演出の種類は複数あってもよく、前述した枠操作センサ26用のセンサ演出や、遊技者によるガラス前操作センサ29の操作のみを反映する演出(以下「ガラス前操作センサ29用のセンサ演出」という。)などの中から、実行するセンサ演出を選択するように構成することも可能である。ここで、ガラス前操作センサ29用のセンサ演出の一例について、図27及び図28を参照して説明する。
図27は、遊技者によるガラス前操作センサ29の操作について説明するための図である。
図28は、ガラス前操作センサ29用のセンサ演出が選択された場合に、前述のセンサ演出設定処理におけるセンサ演出実行処理(ステップB3)で行われるセンサ演出実行処理2について説明するためのフローチャートである。
【0235】
〔センサ演出実行処理2〕
図28に示すように、センサ演出実行処理において、演出制御装置300は、まず、手かざしセンサの操作の指示を開始する(ステップB341)。具体的には、例えば、図27(A)に示すように、表示装置41の表示画面を複数の領域(図27の場合は4つの領域)に分割して、何れかの領域を選択するよう指示する画面を表示装置41に表示する。
【0236】
次いで、スイッチ入力回路336からの検出信号に基づいて、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出したか否かを判定する(ステップB342)。
【0237】
ステップB342で、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出していないと判定した場合(ステップB342;No)には、ステップB344の処理に移行する。
一方、ステップB342で、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出したと判定した場合(ステップB342;Yes)には、遊技者の手等をガラス前操作センサ29で検出した旨を報知する演出を実行し(ステップB343)、ステップB344の処理に移行する。具体的には、例えば、図27(B)に示すように、表示装置41の表示画面における複数の領域のうち所定の領域(図27(B)の場合は『D』と表示された領域)が選択されると、遊技者の手等をガラス前操作センサ29で検出した旨を報知する演出を実行して、その選択された領域(図27(B)の場合は『D』と表示された領域)の色等を変更する。
【0238】
ここで、遊技領域32前方の検出空間を、表示装置41の表示画面における複数の領域に対応して複数の部分に分割し、検出空間の所定部分に遊技者の手等がかざされると、表示画面における複数の領域のうち遊技者の手等がかざされた部分に対応する領域が選択されたと判定するように構成することも可能である。具体的には、例えば、図27(B)に示すように、遊技領域32前方の検出空間を、表示画面における『A』と表示された領域に対応する部分(左上部分)と、表示画面における『B』と表示された領域に対応する部分(右上部分)と、表示画面における『C』と表示された領域に対応する部分(左下部分)と、表示画面における『D』と表示された領域に対応する部分(右下部分)とに分割し、検出空間の所定部分(例えば右下部分)に遊技者の手等がかざされると、表示画面における複数の領域のうち遊技者の手等がかざされた部分(右下部分)に対応する領域(『D』と表示された領域)が選択されたと判定して、その選択された領域(『D』と表示された領域)の色等を変更するように構成することも可能である。
この場合、表示画面における各領域同士の間隔よりも、検出空間における各部分同士の間隔の方が大きいので、表示画面における何れかの領域に遊技者の手等がかざされたことのみを検出する場合と比較して、表示画面における所望の領域を選択し易くなる。
【0239】
そして、ステップB344にて、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップB344)。
【0240】
ステップB344で、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過していないと判定した場合(ステップB344;No)には、ステップB342の処理に移行する。したがって、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過する前に、表示画面における他の領域が後から選択されると、再度、センサ検出報知演出が実行されて、後から選択された領域の色等が変更される。
一方、ステップB344で、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過したと判定した場合(ステップB344;Yes)には、ステップB341で開始した、手かざしセンサの操作の指示を終了する(ステップB345)。
【0241】
次いで、前述のセンサ演出設定処理(図23)で有効に変更した、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を無効に変更して(ステップB346)、ステップB343で実行した、センサ検出報知演出を終了する(ステップB347)。なお、当該センサ演出実行処理2を行う場合、前述のセンサ演出設定処理(図23)で有効に変更する手かざしセンサは、ガラス前操作センサ29のみであってもよい。
【0242】
次いで、最後に遊技者の手等を検出したのは、所定のガラス前操作センサ29であるか否かを判定する(ステップB348)。具体的には、例えば、図27(A)に示す画面を表示する前(或いは、図27(A)に示す画面の表示中であってもよい)にクイズを出題し、そのクイズの正解が表示された領域(正しい領域)が最後に選択されたか否かを判定する。なお、当該センサ演出実行処理2では、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過するまでの間であれば、領域を何度も選択することが可能である。そのため、ステップB348では、最後に選択された領域が正しい領域であるか否かを判定するようになっている。
【0243】
ステップS384で、最後に遊技者の手等を検出したのは、所定のガラス前操作センサ29であると判定した場合(ステップB348;Yes)、すなわち、最後に選択された領域が正しい領域である場合には、大当りへの期待度を報知する演出を実行して(ステップB349)、当該センサ演出実行処理2を終了する。
一方、ステップS384で、最後に遊技者の手等を検出したのは、所定のガラス前操作センサ29でないと判定した場合(ステップB348;No)、すなわち、最後に選択された領域が正しい領域でない場合や、何れの領域も選択されなかった場合には、大当りへの期待度を報知しない演出を実行して(ステップB350)、当該センサ演出実行処理2を終了する。
【0244】
ところで、遊技機10は、センサ演出の実行間隔に応じて演出パターンを決定するための演出テーブルを切り替えるように構成することも可能である。ここで、この場合の一例について、図30及び図31を参照して説明する。
図30は、演出制御装置300が、センサ演出の実行間隔に応じて演出パターンを決定するための演出テーブルを切り替える演出テーブル設定処理について説明するためのフローチャートである。
図31は、遊技者による枠操作センサ26の操作について説明するための図である。
【0245】
〔演出テーブル設定処理〕
図30に示すように、演出テーブル設定処理において、演出制御装置300は、まず、遊技が所定時間(本実施形態では1時間)以上継続しているか否かを判定する(ステップC1)。具体的には、変動表示ゲームの実行や、操作部24の操作などが検出されれば、遊技継続と判定する。
【0246】
ステップC1で、遊技が所定時間以上継続していないと判定した場合(ステップC1;No)には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして演出テーブルAを設定する(ステップC4)。
一方、ステップC1で、遊技が所定時間以上継続していると判定した場合(ステップC1;Yes)には、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)以上を経過したか否かを判定する(ステップC2)。
【0247】
ステップC2で、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数以上を経過していないと判定した場合(ステップC2;No)には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして演出テーブルAを設定する(ステップC4)。
一方、ステップC2で、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数以上を経過したと判定した場合(ステップC2;Yes)には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして、演出テーブルAよりもセンサ演出の出現率が高い演出テーブルBを設定して(ステップC3)、当該演出テーブル設定処理を終了する。
【0248】
これにより、遊技者が長時間同じ姿勢でいる場合には、演出テーブルとして、センサ演出(好ましくは枠操作センサ26用のセンサ演出)の出現率が高い演出テーブルBが設定される。例えば、センサ演出によって、遊技領域32の上方左側や上方右側に配設されている枠操作センサ26を操作する場合、遊技者は、図31(A)に示すように腕を高く上げたり、図31(B)に示すように立ち上がったりする必要がある。すなわち、遊技機10は、センサ演出(特に、枠操作センサ26用のセンサ演出)によって、遊技者に様々な姿勢をとるよう促すことができる。したがって、遊技者が長時間同じ姿勢でいる場合には、演出テーブルとして演出テーブルBが設定されてセンサ演出の出現率が高められるので、遊技者は、遊技を楽しみながら、リフレッシュしたり健康保持・増進したりすることが可能となるとともに、エコノミー症候群(エコノミークラス症候群)や肩こりなどの予防・解消も可能となる。
【0249】
なお、本実施形態では、ステップC2で、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数以上を経過したと判定した場合(ステップC2;Yes)には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして演出テーブルBを設定する(ステップC3)ように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、ステップC2で、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数以上を経過したと判定した場合(ステップC2;Yes)には、当該前回(最新)のセンサ演出において手かざしセンサが遊技者の手等を検出したか否かを判定し、検出していないと判定した場合は、演出テーブルBを設定し(ステップC3)、検出したと判定した場合は、演出テーブルAを設定する(ステップC4)ように構成することも可能である。このように構成することで、センサ演出が出現したにもかかわらず手かざしセンサを全く操作しない遊技者に対してセンサ演出の出現率を高めることができるので、当該遊技者のセンサ演出への参加意欲を掻き立てることが可能となる。
【0250】
また、遊技機10は、隣に設置されている遊技機10が備える手かざしセンサも利用したセンサ演出を行うように構成することも可能である。ここで、この場合の一例について、図32及び図33を参照して説明する。
図32は、当該遊技機10(遊技機A)と、その隣に設置されている遊技機10(遊技機B及び遊技機C)と、について説明するための図である。
図33は、演出制御装置300が、隣に設置されている遊技機10が備える手かざしセンサも利用したセンサ演出を行う場合に、図23のセンサ演出設定処理の代わりに実行されるセンサ演出設定処理2について説明するためのフローチャートである。
【0251】
〔センサ演出設定処理2〕
図33に示すように、センサ演出設定処理2において、演出制御装置300は、まず、演出を設定する処理を行うために遊技制御装置100から送信される情報として、センサ演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB11)。
【0252】
ステップB11で、センサ演出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB11;No)には、当該センサ演出設定処理2を終了する。
一方、ステップB11で、センサ演出コマンドを受信したと判定した場合(ステップB11;Yes)には、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300Bとの間で通信を行うとともに、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300Cとの間で通信を行って、隣に設置されている遊技機10のうち少なくとも1つが空き台であるか否かを判定する(ステップB12)。
【0253】
ステップB12で、隣に設置されている遊技機10のうち少なくとも1つが空き台でないと判定した場合(ステップB12;No)、すなわち、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)も、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)も空き台でない場合には、センサ検出範囲1の手かざしセンサを有効に変更する(ステップB13)。すなわち、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを有効に変更する。
そして、前述のセンサ演出実行処理(図24)(或いは、前述のセンサ演出実行処理2(図28)であってもよい)を行って(ステップB14)、当該センサ演出設定処理2を終了する。
【0254】
また、ステップB12で、隣に設置されている遊技機10のうち少なくとも1つが空き台であると判定した場合(ステップB12;Yes)、すなわち、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)および/または右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が空き台である場合には、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)との両方が空き台であるか否かを判定する(ステップB15)。
【0255】
ステップB15で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)との両方が空き台であると判定した場合(ステップB15;Yes)には、センサ検出範囲2の手かざしセンサを有効に変更する(ステップB16)。すなわち、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを有効に変更するとともに、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサを有効にするコマンドと、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサを有効にするコマンドと、を準備する。
【0256】
次いで、準備した手かざしセンサを有効にするコマンドを、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300Bと、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300Cと、の双方に送信する(ステップB17)。これにより、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)と、の双方において、手かざしセンサが有効に変更される。
そして、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を行って(ステップB18)、当該センサ演出設定処理2を終了する。
【0257】
また、ステップB15で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)との両方が空き台でないと判定した場合(ステップB15;No)には、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)のみが空き台であるか否かを判定する(ステップB19)。
【0258】
ステップB19で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)のみが空き台であると判定した場合(ステップB19;Yes)には、センサ検出範囲3の手かざしセンサを有効に変更する(ステップB20)。すなわち、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを有効に変更するとともに、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサを有効にするコマンドを準備する。
【0259】
次いで、準備した手かざしセンサを有効にするコマンドを、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300Bに送信する(ステップB17)。これにより、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)において、手かざしセンサが有効に変更される。
そして、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を行って(ステップB18)、当該センサ演出設定処理2を終了する。
【0260】
また、ステップB19で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)のみが空き台でないと判定した場合(ステップB19;Yes)、すなわち、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)のみが空き台である場合には、センサ検出範囲4の手かざしセンサを有効に変更する(ステップB21)。すなわち、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを有効に変更するとともに、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサを有効にするコマンドを準備する。
【0261】
次いで、準備した手かざしセンサを有効にするコマンドを、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300Cに送信する(ステップB17)。これにより、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)において、手かざしセンサが有効に変更される。
そして、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を行って(ステップB18)、当該センサ演出設定処理2を終了する。
【0262】
〔センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)〕
次に、前述のセンサ演出設定処理2(図33)におけるセンサ演出実行処理(サブ基板間通信有)(ステップB18)の詳細について説明する。
【0263】
図34(A)および図34(B)に示すように、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)において、演出制御装置300は、まず、手かざしセンサの操作態様の指示を開始する(ステップB801)。
【0264】
ここで、ステップB801で、表示装置41に、図35に示す「表示例1」が表示されたとする。すなわち、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)における遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)における遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈3〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈5〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈6〉として、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉→センサ〈5〉→センサ〈6〉の順に操作するよう指示する画面が、ステップB801で、表示装置41に表示されたとする。
なお、「表示例1」の画面は、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)との両方が空き台であると判定した場合(ステップB15;Yes)、或いは、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)のみが空き台であると判定した場合(ステップB19;Yes)に表示可能な画面である。
【0265】
次いで、スイッチ入力回路336からの検出信号に基づいて、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)が遊技者の手等を検出したか否かを判定する(ステップB802)。
【0266】
ステップB802で、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサが遊技者の手等を検出したと判定した場合(ステップB802;Yes)には、ステップB804の処理に移行する。
一方、ステップB802で、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサが遊技者の手等を検出していないと判定した場合(ステップB802;No)には、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300Bや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300Cから、手かざしセンサ検出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB803)。この手かざしセンサ検出コマンドは、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)が遊技者の手等を検出した場合に演出制御装置300Bから送信され、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)が遊技者の手等を検出した場合に演出制御装置300Cから送信される。
【0267】
ステップB803で、手かざしセンサ検出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB803;No)には、ステップB833の処理に移行する。
一方、ステップB803で、手かざしセンサ検出コマンドを受信したと判定した場合(ステップB803;Yes)には、ステップB804の処理に移行する。
【0268】
そして、ステップB804にて、センサ〈1〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB804)。
【0269】
ステップB804で、センサ〈1〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB804;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉であるか否かを判定する(ステップB805)。
【0270】
ステップB805で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉でないと判定した場合(ステップB805;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0271】
一方、ステップB805で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉であると判定した場合(ステップB805;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈1〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈1〉を備える遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300(演出制御装置300B)に送信する(ステップB806)。これにより、センサ〈1〉を備える遊技機10(遊技機B)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈1〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈1〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈1〉検出フラグをONにして(ステップB807)、ステップB833の処理に移行する。
【0272】
なお、センサ〈1〉が、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB806で、遊技者の手等をセンサ〈1〉で検出した旨を報知する演出を実行する。また、センサ〈1〉が、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB806で、遊技者の手等をセンサ〈1〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈1〉を備える遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300C)に送信する。
【0273】
また、ステップB804で、センサ〈1〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB804;Yes)には、センサ〈2〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB808)。
【0274】
ステップB808で、センサ〈2〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB808;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉であるか否かを判定する(ステップB809)。
【0275】
ステップB809で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉でないと判定した場合(ステップB809;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0276】
一方、ステップB809で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉であると判定した場合(ステップB809;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈2〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈2〉を備える遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300(演出制御装置300B)に送信する(ステップB810)。これにより、センサ〈2〉を備える遊技機10(遊技機B)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈2〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈2〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈2〉検出フラグをONにして(ステップB811)、ステップB833の処理に移行する。
【0277】
なお、センサ〈2〉が、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB810で、遊技者の手等をセンサ〈2〉で検出した旨を報知する演出を実行する。また、センサ〈2〉が、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB810で、遊技者の手等をセンサ〈2〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈2〉を備える遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300C)に送信する。
【0278】
また、ステップB808で、センサ〈2〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB808;Yes)には、センサ〈3〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB812)。
【0279】
ステップB812で、センサ〈3〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB812;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉であるか否かを判定する(ステップB813)。
【0280】
ステップB813で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉でないと判定した場合(ステップB813;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0281】
一方、ステップB813で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉であると判定した場合(ステップB813;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈3〉で検出した旨を報知する演出を実行する(ステップB814)。これにより、センサ〈3〉を備える遊技機10(遊技機A)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈3〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈3〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈3〉検出フラグをONにして(ステップB815)、ステップB833の処理に移行する。
【0282】
なお、センサ〈3〉が、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサのうちの何れかや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB814で、遊技者の手等をセンサ〈3〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈3〉を備える遊技機10(遊技機B又は遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300B又は演出制御装置300C)に送信する。
【0283】
また、ステップB812で、センサ〈3〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB812;Yes)には、センサ〈4〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB816)。
【0284】
ステップB816で、センサ〈4〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB816;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉であるか否かを判定する(ステップB817)。
【0285】
ステップB817で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉でないと判定した場合(ステップB817;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0286】
一方、ステップB817で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉であると判定した場合(ステップB817;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈4〉で検出した旨を報知する演出を実行する(ステップB818)。これにより、センサ〈4〉を備える遊技機10(遊技機A)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈4〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈4〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈4〉検出フラグをONにして(ステップB819)、ステップB833の処理に移行する。
【0287】
なお、センサ〈4〉が、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサのうちの何れかや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB818で、遊技者の手等をセンサ〈4〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈4〉を備える遊技機10(遊技機B又は遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300B又は演出制御装置300C)に送信する。
【0288】
また、ステップB816で、センサ〈4〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB816;Yes)には、センサ〈5〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB820)。
【0289】
ステップB820で、センサ〈5〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB820;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈5〉であるか否かを判定する(ステップB821)。
【0290】
ステップB821で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈5〉でないと判定した場合(ステップB821;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0291】
一方、ステップB821で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈5〉であると判定した場合(ステップB821;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈5〉で検出した旨を報知する演出を実行する(ステップB822)。これにより、センサ〈5〉を備える遊技機10(遊技機A)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈5〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈5〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈5〉検出フラグをONにして(ステップB823)、ステップB833の処理に移行する。
【0292】
なお、センサ〈5〉が、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサのうちの何れかや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB822で、遊技者の手等をセンサ〈5〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈5〉を備える遊技機10(遊技機B又は遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300B又は演出制御装置300C)に送信する。
【0293】
そして、ステップB833にて、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップB833)。
【0294】
ステップB833で、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の開始から所定時間が経過していないと判定した場合(ステップB833;No)には、ステップB802の処理に移行する。
一方、ステップB833で、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の開始から所定時間が経過したと判定した場合(ステップB833;Yes)には、ステップB801で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する(ステップB834)。
【0295】
次いで、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で有効に変更した、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを無効に変更するとともに、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で手かざしセンサを有効にするコマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、手かざしセンサを無効にするコマンドを送信する(ステップB835)。そして、手かざしセンサを無効にするコマンドが送信された場合、当該コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、手かざしセンサが無効に変更される。
【0296】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でONした、センサ検出フラグを全てOFFする(ステップB836)。
【0297】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)で実行した、センサ検出報知演出を終了するとともに、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でセンサ検出報知演出を実行するよう指示する実行コマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドを送信する(ステップB837)。そして、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドが送信された場合、当該終了コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、センサ検出報知演出が終了される。
【0298】
次いで、大当りへの期待度を報知しない演出を実行して(ステップB838)、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を終了する。
【0299】
また、ステップB820で、センサ〈5〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB820;Yes)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈6〉であるか否かを判定する(ステップB824)。
【0300】
ステップB824で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈6〉でないと判定した場合(ステップB824;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0301】
そして、ステップB839にて、手かざしセンサを再操作する旨の指示を表示する(ステップB839)。
【0302】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)で実行した、センサ検出報知演出を終了するとともに、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でセンサ検出報知演出を実行するよう指示する実行コマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドを送信する(ステップB840)。そして、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドが送信された場合、当該終了コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、センサ検出報知演出が終了される。
【0303】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でONした、センサ検出フラグを全てOFFにして(ステップB841)、ステップB802の処理に移行する。
【0304】
また、ステップB824で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈6〉であると判定した場合(ステップB824;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈6〉で検出した旨を報知する演出を実行する(ステップB825)。これにより、センサ〈6〉を備える遊技機10(遊技機A)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈6〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈6〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。
【0305】
なお、センサ〈6〉が、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサのうちの何れかや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB825で、遊技者の手等をセンサ〈6〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈6〉を備える遊技機10(遊技機B又は遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300B又は演出制御装置300C)に送信する。
【0306】
次いで、ステップB801で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する(ステップB826)。
【0307】
次いで、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で有効に変更した、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを無効に変更するとともに、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で手かざしセンサを有効にするコマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、手かざしセンサを無効にするコマンドを送信する(ステップB827)。そして、手かざしセンサを無効にするコマンドが送信された場合、当該コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、手かざしセンサが無効に変更される。
【0308】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でONした、センサ検出フラグを全てOFFにする(ステップB828)。
【0309】
次いで、手かざしセンサが正しい操作順に操作された際、すなわち、手かざしセンサの操作が成功した際に行う演出を実行して(ステップB829)、大当りへの期待度を報知するタイミングであるか否かを判定する(ステップB830)。
【0310】
ステップB830で、大当りへの期待度を報知するタイミングでないと判定した場合(ステップB830;No)には、ステップB830の処理を繰り返し行う。
一方、ステップB830で、大当りへの期待度を報知するタイミングであると判定した場合(ステップB830;Yes)には、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)で実行した、センサ検出報知演出を終了するとともに、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でセンサ検出報知演出を実行するよう指示する実行コマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドを送信する(ステップB831)。そして、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドが送信された場合、当該終了コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、センサ検出報知演出が終了される。
【0311】
次いで、大当りへの期待度を報知する演出を実行して(ステップB832)、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を終了する。
【0312】
なお、本実施形態では、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)のステップB801で、表示装置41に、図35に示す「表示例1」が表示された場合について説明したが、「表示例1」と同様の操作軌跡で遊技者に手かざしセンサを操作させる場合、図35に示す「表示例2」等を表示装置41に表示することも可能である。
無論、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)において、正しい操作順(正しい操作軌跡)は、「表示例1」と同様の操作軌跡に限定されるものではなく、操作軌跡は適宜設定可能である。
【0313】
「表示例2」が表示された場合は、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)における遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)における遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈3〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32前方の検出空間の略中央部に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈5〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈6〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈7〉として、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉→センサ〈5〉→センサ〈6〉→センサ〈7〉の順に操作されると、大当りへの期待度を報知する演出が実行される。
【0314】
このように、隣に設置されている遊技機10が備える手かざしセンサも利用したセンサ演出を行うように構成することで、より広範囲での遊技者の操作が可能となり、演出の幅も広がるので、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者は、より広範囲での操作を行うことで、遊技を楽しみながら、より効果的に、リフレッシュしたり健康保持・増進したりすることが可能となるとともに、エコノミー症候群(エコノミークラス症候群)や肩こりなどの予防・解消も可能となる。
【0315】
〔役物センサ演出設定処理〕
次に、図21に示す演出制御装置300のメイン処理におけるゲーム管理処理(ステップS104)で行われる役物センサ演出設定処理について、図36のフローチャートを参照して説明する。
なお、本実施形態では、役物センサ演出として、遊技者によるガラス前操作センサ29の操作を反映する演出について説明するが、役物センサ演出はこれに限定されるものではない。役物センサ演出は、遊技者による枠操作センサ26の操作を反映する演出として構成することも可能であるし、遊技者による枠操作センサ26及びガラス前操作センサ29の操作を反映する演出として構成することも可能である。
【0316】
図36に示すように、役物センサ演出設定処理において、演出制御装置300は、まず、演出を設定する処理を行うために遊技制御装置100から送信される情報として、役物センサ演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップD1)。
【0317】
ステップD1で、役物センサ演出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップD1;No)には、当該役物センサ演出設定処理を終了する。
一方、ステップD1で、遊技制御装置100から役物センサ演出コマンドを受信したと判定した場合(ステップD1;Yes)には、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を有効に変更する(ステップD2)。なお、本実施形態における役物センサ演出設定処理の場合、有効に変更する手かざしセンサは、ガラス前操作センサ29のみであってもよい。
そして、役物センサ演出実行処理を行って(ステップD3)、当該役物センサ演出設定処理を終了する。
【0318】
〔役物センサ演出実行処理〕
次に、前述の役物センサ演出設定処理(図36)における役物センサ演出実行処理(ステップD3)の詳細について説明する。
なお、本実施形態では、演出制御装置300が図38に示す動作パターンテーブルを記憶していることとして説明するが、演出制御装置300が記憶している動作パターンテーブルの内容は、図38に示す内容に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
【0319】
図37に示すように、役物センサ演出実行処理において、演出制御装置300は、まず、手かざしセンサの操作態様の指示を開始する(ステップD301)。
【0320】
次いで、スイッチ入力回路336からの検出信号に基づいて、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出したか否かを判定する(ステップD302)。
【0321】
ステップD302で、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出していないと判定した場合(ステップD302;No)には、ステップD311の処理に移行する。
一方、ステップD302で、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出したと判定した場合(ステップD302;Yes)には、記憶している選択動作パターンを参照して、遊技者の操作態様がレベル1であるか否かを判定する(ステップD303)。具体的には、図38に示すように、遊技者による遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を左右(或いは、上下等であってもよい)に動かす速度(以下「手かざし速度」という。)が1回以下/秒であるか否かを判定する。
【0322】
ステップD303で、遊技者の操作態様がレベル1であると判定した場合(ステップD303;Yes)、すなわち、手かざし速度が1回以下/秒である場合には、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を動かしていないと判断して、役物動作パターン1を設定し(ステップD304)、ステップD311の処理に移行する。このように役物動作パターン1が設定されると、図38に示すように、可動役物44aが停止状態に切り替わり(或いは、停止状態のままとなる)とともに、送風装置46が停止状態に切り替わる(或いは、停止状態のままとなる)。また、表示装置41に役物動作パターン1用の画面(例えば、画面上のうちわや花がほとんど動かない画面)が表示される。
【0323】
一方、ステップD303で、遊技者の操作態様がレベル1でないと判定した場合(ステップD303;No)、すなわち、手かざし速度が1回以下/秒でない場合には、遊技者の操作態様がレベル2であるか否かを判定する(ステップD305)。具体的には、図38に示すように、手かざし速度が3回以下/秒であるか否かを判定する。
【0324】
ステップD305で、遊技者の操作態様がレベル2であると判定した場合(ステップD305;Yes)、すなわち、手かざし速度が3回以下/秒である場合には、役物動作パターン2を設定し(ステップD306)、ステップD311の処理に移行する。このように役物動作パターン2が設定されると、図38に示すように、可動役物44aが低速で作動する低速状態に切り替わる(或いは、低速状態のままとなる)とともに、送風装置46が微風を吹き送る微風状態に切り替わる(或いは、微風状態のままとなる)。また、表示装置41に役物動作パターン2用の画面(例えば、画面上のうちわや花が動いている画面)が表示される。
【0325】
一方、ステップD305で、遊技者の操作態様がレベル2でないと判定した場合(ステップD305;No)、すなわち、手かざし速度が3回以下/秒でない場合には、遊技者の操作態様がレベル3であるか否かを判定する(ステップD307)。具体的には、図38に示すように、手かざし速度が5回以下/秒であるか否かを判定する。
【0326】
ステップD307で、遊技者の操作態様がレベル3であると判定した場合(ステップD307;Yes)、すなわち、手かざし速度が5回以下/秒である場合には、役物動作パターン3を設定し(ステップD308)、ステップD311の処理に移行する。このように役物動作パターン3が設定されると、図38に示すように、可動役物44aが低速状態よりも速く作動する中速状態に切り替わる(或いは、中速状態のままとなる)とともに、送風装置46が微風状態よりも強く風を吹き送る送風状態に切り替わる(或いは、送風状態のままとなる)。また、表示装置41に役物動作パターン3用の画面(例えば、役物動作パターン2用の画面よりも画面上のうちわや花が速く動いている画面)が表示される。
【0327】
一方、ステップD307で、遊技者の操作態様がレベル3でないと判定した場合(ステップD307;No)には、遊技者の操作態様がレベル4であると判定して(ステップD309)、役物作動パターン4を設定し(ステップD310)、ステップD311の処理に移行する。このように役物作動パターン4が設定されると、図38に示すように、可動役物44aが中速状態よりも速く作動する高速状態に切り替わる(或いは、高速状態のままとなる)とともに、送風装置46が送風状態よりも強く風を吹き送る強風状態に切り替わる(或いは、強風状態のままとなる)。また、表示装置41に役物動作パターン4用の画面(例えば、役物動作パターン3用の画面よりも画面上のうちわや花が速く動いている画面)が表示される。
【0328】
そして、ステップD311にて、当該役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップD311)。
【0329】
ステップD311で、当該役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過していないと判定した場合(ステップD311;No)には、ステップD302の処理に移行する。したがって、当該役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過する前に、遊技者の操作態様が変化すると、他の役物作動パターンが設定されて、可動役物44aの動作態様、送風装置46の送風態様、表示装置41の表示内容等が変更される。
【0330】
一方、ステップD311で、当該役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過したと判定した場合(ステップD311;Yes)には、ステップD301で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了し(ステップD312)、前述の役物センサ演出設定処理(図36)で有効に変更した、手かざしセンサを無効に変更して(ステップD313)、当該役物センサ演出実行処理を終了する。
【0331】
このように、役物センサ演出においては、図39(A)に示すように、遊技領域32前方の検出空間にかざした遊技者の手等の動きが遅い場合には、可動役物44aがゆっくりと作動するとともに、送風装置46が弱い風を吹き送るように構成されている。一方、図39(B)に示すように、遊技領域32前方の検出空間にかざした遊技者が手等の動きが速い場合には、可動役物44aがすばやく作動するとともに、送風装置46が強い風を吹き送るように構成されている。
すなわち、演出制御装置300は、操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定する操作態様判定手段として機能する。そして、役物制御手段として機能する演出制御装置300は、操作検出手段の検出態様を判定した結果に応じて、可動役物44aの動作態様を変更可能となるように構成されている。具体的には、演出制御装置300は、可動役物44aの動作態様として、可動役物44aの可動量および/または可動速度の異なる複数種類の動作態様を有し、操作検出手段の検出態様を判定した結果に応じて複数種類の動作態様の中から何れかを選択し、当該選択した動作態様に基づいて可動役物44aの可動量および/または可動速度を調整可能となるように構成されている。
【0332】
なお、本実施形態の場合、ガラス前操作センサ29で遊技者の手等を検出できるのであれば、遊技者は手等を、図39(A)に示すように、表示装置41の表示画面にかざした状態で動かしてもよいし、図39(B)に示すように、可動役物44aにかざした状態で動かしてもよい。
【0333】
次に、本実施形態において実行される上述の役物センサ演出の概要について、図40や図41を用いて説明する。
図40や図41は、役物センサ演出を実行する時の演出表示の一例を示す図である。
【0334】
役物センサ演出は、例えば、図40に示すように、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームが特別結果態様以外の結果態様で仮停止した場合に、その仮停止後の再変動時に行う確率変動の昇格演出に用いることができる。
【0335】
具体的には、例えば、まず、特図変動表示ゲームが開始される。そして、遊技制御装置100から役物センサ演出コマンドを受信している場合は、所定のタイミングで、手かざしセンサが有効に変更される。
次いで、役物センサ演出実行処理が開始されて、図40(A)に示すように、手かざしセンサの操作態様を指示する画面が表示装置41に表示される。
【0336】
次いで、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を画面上の風船を吹き飛ばすように動かすと、図40(B)に示すように、風船を吹き飛ばすためにうちわで扇いでいる画面が表示装置41に表示される。また、可動役物44aが作動して回転するとともに、図示は省略するが送風装置46から風が吹き送られる。
【0337】
さらに、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等をより速く動かすと、図40(C)に示すように、風船を吹き飛ばすためにうちわで勢いよく扇いでいる画面が表示装置41に表示される。また、可動役物44aがよりすばやく回転するとともに、図示は省略するが送風装置46からより強い風が吹き送られる。
【0338】
その後、役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過して、当該特図変動表示ゲームの終了後に確変状態に昇格するか否かを報知するタイミングになると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されるとともに、手かざしセンサが無効に変更される。そして、確変状態に昇格するか否かを報知する演出が実行されて、確変状態に昇格する場合には図40(D)に示すような画面が表示装置41に表示され、確変状態に昇格しない場合には図40(D)に示すような画面が表示装置41に表示される。
【0339】
一方、手かざしセンサが全く操作されない場合、すなわち、遊技者が遊技領域32前方の検出空間に手等を全くかざさない場合(本実施形態においては、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を動かさない場合(操作態様がレベル1の場合)も含む)には、表示装置41に表示されている画面が図40(A)に示すような画面のまま切り替わらず、また、可動役物44aや送風装置46が停止状態のまま切り替わらない。その状態のまま、役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過すると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されるとともに、手かざしセンサが無効に変更される。そして、当該特図変動表示ゲームが、当該特図変動表示ゲームの終了後に確変状態に昇格するゲームである場合には、いわゆる潜伏確変状態となり、潜伏確変である高確率状態で遊技が進行する。
【0340】
また、役物センサ演出は、例えば、図41に示すように、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を報知可能な先読みモードが設定されている場合に、先読み結果の報知演出に用いることができる。
【0341】
具体的には、例えば、先読み結果の報知を行わない通常モードが設定されている状態で、特図変動表示ゲームが開始されると、図41(A)に示すように、保留記憶のアイコンがベルで表されている画面が表示装置41に表示される。
次いで、遊技制御装置100から役物センサ演出コマンドを受信している場合は、所定のタイミングで、通常モードから先読みモードに切り替わり、図41(B)に示すように、保留記憶のアイコンが風船に切り替わり、手かざしセンサが有効に変更される。
【0342】
次いで、役物センサ演出実行処理が開始されて、遊技者が遊技領域32前方の検出空間に手等をかざして動かすと、図41(C)に示すように、風船を吹き飛ばすためにうちわで扇いでいる画面が表示装置41に表示される。また、可動役物44aが作動するとともに、図示は省略するが送風装置46から風が吹き送られる。
【0343】
その後、役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過して、先読み結果を報知するタイミングになると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されるとともに、手かざしセンサが無効に変更される。そして、先読み結果を報知する演出が実行されて、先読み結果を報知する条件を満たしている場合(例えば、遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を動かした回数が所定回数以上に達した場合)には図41(D)に示すように、先読み結果を報知する画面が表示装置41に表示される。また、先読み結果を報知する条件を満たしていない場合(例えば、遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を動かした回数が所定回数以上に達していない場合や、遊技者が遊技領域32前方の検出空間に手等を全くかざさない場合)には図41(B)に示すような画面を表示装置41に再度表示する。
【0344】
また、遊技機10は、可動役物として、風車型の可動役物44aだけでなく、例えば、のれん型の可動役物44eを備えるように構成することも可能である。ここで、この場合の一例について、図42を参照して説明する。
図42は、遊技者によるガラス前操作センサ29の操作について説明するための図である。
【0345】
本実施形態において、のれん型の可動役物44eは、図42(A)に示すように、表示装置41に表示されている3つの飾り特別図柄をそれぞれ遮蔽するように3つ備えられている。
なお、表示装置41に表示されている飾り特別図柄(変動表示中の飾り特別図柄や停止表示中の飾り特別図柄)がのれん型の可動役物44eで遮蔽されている場合、遊技者は、当該飾り特別図柄を真正面からは見ることができない。しかしながら、のれん型の可動役物44eは、当該のれん型の可動役物44eのうち飾り特別図柄を遮蔽する部分が、カバーガラス14前面から離間しているので、遊技者は、当該飾り特別図柄を、のれん型の可動役物44eのうち飾り特別図柄を遮蔽する部分とカバーガラス14前面との間の隙間から覗き見ることができるようになっている。
【0346】
遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等をのれん型の可動役物44eを巻き上げるように動かすと、図42(B)に示すように、のれん型の可動役物44eを巻き上げるためにうちわで扇いでいる画面が表示装置41に表示されるとともに、のれん型の可動役物44eが巻き上がる。また、可動役物44aが作動して回転するとともに、図示は省略するが送風装置46から風が吹き送られる。
【0347】
遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等をより速く動かすと、図42(C)に示すように、のれん型の可動役物44eを巻き上げるためにうちわで勢いよく扇いでいる画面が表示装置41に表示されるとともに、のれん型の可動役物44eがよりすばやく巻き上がる。また、風車型の可動役物44aがすばやく回転するとともに、図示は省略するが送風装置46からより強い風が吹き送られる。
【0348】
このように、風車型の可動役物44aやのれん型の可動役物44eといった多種の可動役物を備えることで、遊技者に様々な操作を行わせることが可能となり、演出の幅も広がるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、遊技者によるのれん型の可動役物44eを巻き上げる操作をガラス前操作センサ29で検出するように構成したが、これに限定されるものではなく、のれん型の可動役物44eを巻き上げる操作は、枠操作センサ26で検出するように構成することも可能であるし、枠操作センサ26とガラス前操作センサ29との双方で検出するように構成することも可能である。
【0349】
以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、遊技領域32を覆う前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)を前方に備え、表示装置41と、当該表示装置41の表示内容を制御する表示制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機10において、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)に設けられ、遊技機10前方のうち遊技領域32よりも広い領域における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段(複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29)と、操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、操作態様判定手段により操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定された場合に、表示装置41の表示内容を変更可能となるように構成されている。
【0350】
すなわち、遊技領域32よりも広い領域における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段(複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29)を備えているので、遊技領域32前方だけに留まらない広範囲での遊技者の操作が可能となり、遊技の興趣を十分に高めることができる。
【0351】
なお、上記実施形態では、開閉枠12とガラス枠15との双方に枠操作センサ26を設けることとしたが、これに限定されるものではなく、枠操作センサ26は、遊技領域32よりも外側に設けられているのであれば、開閉枠12のみに設けるように構成することも可能であるし、ガラス枠15のみに設けるように構成することも可能である。すなわち、本発明でいう「前面枠」は、開閉枠12とガラス枠15との双方であってもよいし、開閉枠12のみであってもよいし、ガラス枠15のみであってもよい。
【0352】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、操作検出手段は、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)の前面に設けられ、遊技機10前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段(枠操作センサ26)を備え、操作態様判定手段(演出制御装置300)は、複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定し、当該判定した操作軌跡が所定の操作軌跡と一致する場合に、操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定するように構成されている。
【0353】
すなわち、操作検出手段は、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)の前面に設けられ、遊技機10前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段(枠操作センサ26)を備え、当該複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定するので、遊技者の操作の有無だけでなく、遊技者の操作態様までも検出することができる。また、遊技者の操作態様が正しい場合にのみ表示装置41の表示内容の変更が行われ、遊技者の操作が表示装置41の表示内容(すなわち、表示装置41による演出)に反映されるので、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0354】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、操作検出手段は、遊技領域32の前方周囲に突出している前面枠(ガラス枠15)の内周に設けられ、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段(ガラス前操作センサ29)を備えている。
【0355】
したがって、操作検出手段は、遊技領域32の前方周囲に突出している前面枠(ガラス枠15)の内周に設けられ、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段(ガラス前操作センサ29)を備えているので、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な接近検出手段を遊技領域32内に設ける場合と比較して、遊技領域32の設計の自由度をより高めることが可能となるとともに、遊技領域32前方におけるより広い範囲を操作に使用することが可能となり、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0356】
例えば、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な接近検出手段を、遊技領域32内に設ける場合、接近検出手段を遊技領域32内に設ける分、遊技領域32の設計の自由度が制限される。また、この場合、検出可能範囲が接近検出手段の前方だけなので、操作に使用できる範囲が、遊技領域32前方のうち接近検出手段の前方のみに限られてしまう。一方、接近検出手段を遊技領域32内に複数設ければ、遊技領域32前方におけるより広い範囲を操作に使用できるが、遊技領域32内に設ける接近検出手段の数が増加するほど、遊技領域32の設計の自由度が制限されることになる。
これに対し、本実施形態のように、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な第2接近検出手段(ガラス前操作センサ29)を前面枠(ガラス枠15)の内周に設けることで、遊技領域32の設計の自由度をより高めることが可能となるとともに、遊技領域32前方におけるより広い範囲を操作に使用することが可能となる。
【0357】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、装飾報知部材(枠操作センサ26に対応して設けられた枠ランプ17a〜17dや、枠操作センサ26に対応して設けられた可動役物44a〜44d)と、装飾報知部材の演出態様を制御する報知演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、報知演出制御手段は、操作検出手段(本実施形態の場合は複数の枠操作センサ26)により検出された遊技者の操作の動きに対応して装飾報知部材の演出態様を変更可能となるように構成されている。
【0358】
したがって、報知演出制御手段(演出制御装置300)は、操作検出手段(本実施形態の場合は複数の枠操作センサ26)により検出された遊技者の操作の動きに対応して装飾報知部材(枠ランプ17a〜17dや可動役物44a〜44d)の演出態様を変更可能であるので、遊技者の操作がきちんと検出されたかを遊技者が認識し易くなる。
【0359】
なお、上記本実施形態では、枠操作センサ26と装飾報知部材とを対応付けて、枠操作センサ26が遊技者の手等を検出した場合に、当該枠操作センサ26に対応する装飾報知部材の演出態様を変更するように構成したが、これに限定されるものではなく、ガラス前操作センサ29と対応する装飾報知部材を設けて、ガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出した場合に、当該ガラス前操作センサ29に対応する装飾報知部材の演出態様を変更するように構成することも可能である。
【0360】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、停止状態と作動状態とに変換可能な可動役物44aと、当該可動役物44aの動作態様を制御する役物制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機10において、遊技機10前方における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)と、操作検出手段の検出態様を判定する操作態様判定手段(演出制御装置300)と、を備え、役物制御手段は、操作態様判定手段の判定結果に応じて、可動役物44aの動作態様を変更可能となるように構成されている。
【0361】
したがって、操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定した結果に応じて可動役物44aの動作態様を変更可能であり、遊技者の操作態様が可動役物44aの動作態様(すなわち、可動役物44aによる演出)に反映されるので、遊技者の興趣を十分に高めることができる。
【0362】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、変動表示ゲームを表示可能な表示装置41と、当該表示装置41の表示内容を制御する表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、操作態様判定手段(演出制御装置300)の判定結果に応じて、変動表示ゲームの停止結果態様が予め定められた特別結果態様(当りの結果態様)となる期待度を報知可能となるように構成されている。
【0363】
したがって、操作検出手段(複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定した結果に応じて変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となる期待度を報知可能であり、遊技者の操作態様が大当りへの期待度の報知演出に反映されるので、遊技者の興趣を一層高めることができる。
【0364】
なお、本発明でいう「表示装置」は、表示装置41のみであってもよいし、一括表示装置50のみであってもよいし、表示装置41と一括表示装置50との双方であってもよい。
【0365】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、役物制御手段(演出制御装置300)は、可動役物44aの動作態様として、可動役物44aの可動量および/または可動速度の異なる複数種類の動作態様を有し、操作態様判定手段(演出制御装置300)の判定結果に応じて複数種類の動作態様の中から何れかを選択し、当該選択した動作態様に基づいて可動役物44aの可動量および/または可動速度を調整可能となるように構成されている。
【0366】
したがって、操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定した結果に応じて可動役物44aの可動量および/または可動速度を調整可能であり、遊技者の操作態様が可動役物44aの動き方に反映されるので、遊技に関与しているという感覚を遊技者に与えることができ、遊技者の興趣を一層高めることができる。
【0367】
なお、上記実施形態では、役物センサ演出において、ガラス前操作センサ29の検出態様を判定した結果に応じて可動役物44aの動作態様、送風装置46の送風態様、表示装置41の表示内容等を変更可能に構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、枠操作センサ26の検出態様を判定した結果に応じて可動役物44aの動作態様、送風装置46の送風態様、表示装置41の表示内容等を変更可能に構成することも可能である。
具体的には、例えば、図45に示す変形例1の遊技機10のように、手かざしセンサが正しい操作順に操作された場合に各枠操作センサ26による検出の間隔を測定し、その測定した検出間隔に応じて、可動役物の動作態様を変更するように(例えば、測定した検出間隔が短いほど可動役物44aがすばやく作動して回転するように)構成したり、その測定した検出間隔に応じて、送風装置46の送風態様や表示装置41の表示内容などを変更するように構成したりすることも可能である。
【0368】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第2実施形態の遊技機10においては、封入球式の役物装置を備えている点が、第1実施形態の遊技機10と異なる。したがって、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0369】
まず、図43を用いて第2実施形態の遊技機10が備える遊技盤30の一例について説明する。
図43は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0370】
本実施形態において、センターケース40における表示装置41の近傍には、風車型の可動役物44aが設けられているとともに、封入球Bを有する役物装置44fが設けられている。
すなわち、本実施形態の遊技機10は、盤演出装置44として、可動役物44a等に加えて、封入球Bを有する役物装置44fを備えている。
【0371】
この役物装置44fを用いた役物センサ演出は、例えば、潜伏時(潜伏確変状態時)に、現在の確率状態を報知する演出に用いることができる。
【0372】
具体的には、封入球Bを有する役物装置44fが、例えば、図44(A)に示すような、遊技者の操作に合わせて流路変換部材44f1が回動する装置である場合、すなわち、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を右に動かすと、流路変換部材44f1が右に回動し、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を左に動かすと、流路変換部材44f1が左に回動する装置である場合、流下してくる見せ球(封入球B)が、ラッキーエリアA及びラッキーエリアBのうちの何れか一方に入賞すると、現在の確率状態を報知する演出を行うように構成することができる。
【0373】
また、封入球Bを有する役物装置44fが、例えば、図44(B)に示すような、遊技者の操作に合わせてラッキーエリア44f2が移動する装置である場合、すなわち、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を右に動かすと、ラッキーエリア44f2が右に移動し、遊技者がカバーガラス14前方の検出空間にかざした手等を左に動かすと、ラッキーエリア44f2が左に移動する装置である場合、流下してくる見せ球(封入球B)が、ラッキーエリア44f2に入賞すると、現在の確率状態を報知する演出を行うように構成することができる。
【0374】
以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、封入球Bを有する役物装置44fと、当該役物装置44fの動作態様を制御する役物制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機10において、遊技機10前方における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)と、操作検出手段の検出態様を判定する操作態様判定手段(演出制御装置300)と、を備え、役物制御手段は、操作態様判定手段の判定結果に応じて、役物装置44fの動作態様を変更可能となるように構成されている。
【0375】
すなわち、封入球Bを有する役物装置44fを備えているので、封入球Bによる転動演出(見せ球演出)を行うことが可能となる。
また、操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定した結果に応じて役物装置44fの動作態様を変更可能である。具体的には、例えば、検出態様を判定した結果に応じて、封入球Bの転動方向(流路変換部材44f1の回動方向)や、ラッキーエリア44f2の位置を変更可能であり、遊技者の操作態様が役物装置44fの動作態様(すなわち、役物装置44fによる演出)に反映されるので、遊技者の興趣を十分に高めることができる。
【0376】
なお、上記実施形態では、ガラス前操作センサ29の検出態様を判定した結果に応じて役物装置44fの動作態様を変更可能に構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、枠操作センサ26の検出態様を判定した結果に応じて役物装置44fの動作態様を変更可能に構成することも可能である。
【0377】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0378】
また、上述の実施形態および変形例の構成を組み合わせて適用してもよい。
具体的には、例えば、役物装置44fを用いた役物センサ演出を、所定の条件が成立した場合(例えば、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に手かざしセンサが正しい操作順に操作された場合)に実行するように構成することも可能である。
【0379】
例えば、上記実施形態および変形例では、遊技機10に、手かざしセンサとして枠操作センサ26とガラス前操作センサ29との双方を設けたが、これに限定されるものではなく、手かざしセンサは、枠操作センサ26とガラス前操作センサ29とのうちの何れか一方であってもよい。
【0380】
また、上記実施形態および変形例では、遊技機10に送風装置46を設けたが、これに限定されるものではなく、送風装置46は必ずしも設けなくてもよい。
また、送風装置46の送風口等にマイクロアロマ等を備えて、遊技者の操作態様に応じて風とともににおいを発生するように構成することも可能である。
また、送風装置46に加えて、或いは、送風装置46に代えて、遊技者の操作態様に応じて音やにおいを発生する装置を備えるように構成することも可能である。
このように、送風装置46等の、遊技者の操作態様に応じて風や音やにおいを発生する装置を備えることで、遊技者の操作態様が演出内容(表示装置41の表示内容や可動役物44aの動作態様など)に反映されていることを、視覚だけでなく、触覚や聴覚や嗅覚などでも認識させることが可能となるので、遊技者の操作態様が演出内容に反映されていることを遊技者に認識させ易くなる。
【0381】
また、上記実施形態および変形例では、役物センサ演出として、遊技者の操作態様を可動役物44aの動作態様に反映するとともに、遊技者の操作態様を表示装置41の表示内容に反映するように構成したが、これに限定されるものではなく、役物センサ演出の場合、少なくとも遊技者の操作態様が可動役物44aの動作態様に反映されればよい。
【0382】
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0383】
10 遊技機
12 開閉枠(前面枠)
15 ガラス枠(前面枠)
17a,17b,17c,17d 枠ランプ(装飾報知部材)
26 枠操作センサ(操作検出手段、第1接近検出手段)
29 ガラス前操作センサ(操作検出手段、第2接近検出手段)
32 遊技領域
41 表示装置
44a,44b,44c,44d 可動役物(装飾報知部材)
300 演出制御装置(表示制御手段、操作態様判定手段、報知演出制御手段、役物制御手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域を覆う前面枠を前方に備え、表示装置と、当該表示装置の表示内容を制御する表示制御手段と、を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、通常時、図柄(識別情報)の変動は停止しているが、遊技者の操作により発射装置を駆動させ、当該発射装置によって発射された遊技球が遊技領域に設けられた始動口に入賞すれば、当該始動口に設けられた特図作動スイッチの検出に基づき表示装置(例えば、液晶表示器等)において所定時間図柄の変動を行い、その後、所定時間図柄を停止させることで、遊技者に変動表示ゲームの当否判定結果を認識させるとともに、特別の表示結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当り)を発生させるようにしているものがある。
【0003】
上記のパチンコ機においては、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(遊技制御手段)と、遊技制御装置からの指令情報(指令コマンド)に基づいて表示装置における変動表示ゲームを制御する表示制御装置(表示制御手段)と、を備えたものが知られている。
【0004】
そして、当該パチンコ機において、遊技盤に非接触センサを備え、非接触センサにより検出された遊技者の手や指の接近を契機として表示装置の表示内容を変更するようにしたものがある。具体的には、複数の可視光センサを遊技領域に備え、可視光センサによって測定した照度に基づいて遊技者の操作の有無を判定するようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−233767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたパチンコ機の場合、センサから検出信号を受けたとき、表示装置の表示内容を予め設定された態様で変化させるので、遊技者の操作態様が表示装置による演出に反映されず、遊技の興趣を十分に高めることができないという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、遊技者の操作態様を表示装置による演出に反映することを可能とし、遊技の興趣を十分に高めることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
遊技領域を覆う前面枠を前方に備え、表示装置と、当該表示装置の表示内容を制御する表示制御手段と、を備える遊技機において、
遊技機前方において遊技者が手をかざす操作の動きを検出可能な操作検出手段と、
前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記操作態様判定手段により前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定された場合に、前記表示装置の表示内容を特定の演出内容へ変更可能であり、
前記操作態様判定手段により前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致しないと判定された場合には、前記表示装置の表示内容を前記特定の演出内容とは異なる演出内容へ変更可能であることを特徴とする。
【0009】
ここで、「前面枠」とは、本体枠(外枠)にヒンジを介して開閉回動可能に組み付けられた開閉枠であってもよいし、当該開閉枠に取り付けられた、遊技盤の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠であってもよいし、当該開閉枠と当該ガラス枠との双方であってもよい。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、遊技者の操作の有無だけでなく、操作検出手段の検出態様を判定した結果に応じて表示装置の表示内容を変更可能であり、遊技者の操作態様が表示装置による演出に反映されるので、遊技の興趣を十分に高めることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記操作検出手段は、前記前面枠の前面に設けられ、遊技機前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段を備え、
前記操作態様判定手段は、前記複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定し、当該判定した操作軌跡が所定の操作軌跡と一致する場合に、前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、操作検出手段は、前面枠の前面に設けられ、遊技機前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段を備え、操作態様判定手段は、当該複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定するので、遊技者の操作の有無だけでなく、遊技者の操作態様までも検出することができる。また、遊技者の操作態様が正しい場合にのみ表示装置の表示内容の変更が行われ、遊技者の操作が表示装置の表示内容に反映されるので、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、
前記操作検出手段は、前記遊技領域の前方周囲に突出している前記前面枠の内周に設けられ、前記遊技領域前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、操作検出手段は、遊技領域の前方周囲に突出している前面枠の内周に設けられ、遊技領域前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段を備えているので、遊技領域前方の所定位置への物体の接近を検出可能な接近検出手段を遊技領域内に設ける場合と比較して、遊技領域の設計の自由度をより高めることが可能となるとともに、遊技領域前方におけるより広い範囲を操作に使用することが可能となり、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機において、
動作態様を変更可能な可動役物と、当該可動役物の動作態様を制御する役物制御手段と、を備え、
前記操作態様判定手段の判定結果に応じて、前記役物制御手段は前記可動役物の動作態様を前記判定結果に対応する動作態様に変更可能であるとともに、前記表示制御手段は前記表示装置の表示内容を前記判定結果に対応する表示内容に変更可能であることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、役物制御手段は、可動役物の動作態様を操作態様判定手段の判定結果に対応する動作態様に変更することができるとともに、表示制御手段は、表示装置の表示内容を操作態様判定手段の判定結果に対応する表示内容に変更することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技者の操作の有無だけでなく、操作検出手段の検出態様を判定した結果に応じて表示装置の表示内容を変更可能であり、遊技者の操作態様が表示装置による演出に反映されるので、遊技の興趣を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る遊技機の一実施形態を示す正面図である。
【図2】実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図3】実施形態の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の制御システムにおける演出制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】実施形態の遊技機に設けられる枠操作センサの構成例を示す図である。
【図6】(A)は、実施形態の遊技機に設けられるガラス前操作センサの構成例を示す正面図、(B)は、図6(A)の側面図であって、ガラス前操作センサが1層である場合を示す図、(C)は、図6(A)の側面図であって、ガラス前操作センサが3層である場合を示す図である。
【図7】ガラス前操作センサによる位置検出方法について説明する図である。
【図8】(A)は、実施形態の遊技機における枠操作センサの配置を説明するための図、(B)は、実施形態の遊技機における枠操作センサの配置の他の例を説明するための図である。
【図9】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の一例の前半部分を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の一例の後半部分を示すフローチャートである。
【図11】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図11のタイマ割込み処理中に実行されるコマンド送信処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図12のコマンド送信処理中に実行される演出制御コマンド送信処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】図11のタイマ割込み処理中に実行される特図ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図14の特図ゲーム処理中に実行される始動口スイッチ監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】図15の始動口スイッチ監視処理中に実行される特図始動口スイッチ共通処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】図16の特図始動口スイッチ共通処理中に実行される特図保留情報判定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】図14の特図ゲーム処理中に実行される特図普段処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】図18の特図普段処理中に実行される特図1変動開始処理1の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】図18の特図普段処理中に実行される特図2変動開始処理1の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】実施形態の演出制御装置によって実行されるメイン処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図22】実施形態の演出制御装置によって実行される割込み処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図23】図21のメイン処理中に実行されるゲーム監視処理で行われるセンサ演出設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】図23のセンサ演出設定処理中に実行されるセンサ演出実行処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図25】手かざしセンサ操作態様を指示するために表示装置に表示される画面の表示例を示す図である。
【図26】図24のセンサ演出実行処理を実行した時の演出表示の一例を示す図である。
【図27】図28のセンサ演出実行処理2を実行した時の演出表示の一例を示す図である。
【図28】図24のセンサ演出実行処理の代わりに実行可能なセンサ演出実行処理2の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図29】(A)手かざしセンサに対応する発光部材の発光態様について説明するための図、(B)手かざしセンサに対応する可動役物の動作態様について説明するための図である。
【図30】実施形態の演出制御装置によって実行可能な演出テーブル設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図31】遊技領域の上方に設けられた枠操作センサの操作例を示す図である。
【図32】実施形態の演出制御装置が隣に設置されている遊技機の演出制御装置との通信する場合について説明するための図である。
【図33】実施形態の演出制御装置が隣に設置されている遊技機の演出制御装置との通信可能な場合に、図24のセンサ演出実行処理の代わりに実行可能なセンサ演出実行処理2の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図34(A)】図33のセンサ演出設定処理2中に実行されるセンサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の具体的な手順の一例の前半部分を示すフローチャートである。
【図34(B)】図33のセンサ演出設定処理2中に実行されるセンサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の具体的な手順の一例の後半部分を示すフローチャートである。
【図35】実施形態の演出制御装置が隣に設置されている遊技機の演出制御装置との通信可能な場合に、手かざしセンサ操作態様を指示するために表示装置に表示される画面の表示例を示す図である。
【図36】図21のメイン処理中に実行されるゲーム監視処理で行われる役物センサ演出設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】図36の役物センサ演出設定処理中に実行される役物センサ演出実行処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図38】演出制御装置に記憶されている動作パターンテーブルの一例を示す図である。
【図39】役物センサ演出について説明するための図である。
【図40】図37の役物センサ演出実行処理を実行した時の演出表示の一例を示す図である。
【図41】図37の役物センサ演出実行処理を実行した時の演出表示の他の一例を示す図である。
【図42】のれん型の可動役物を備える場合における役物センサ演出について説明するための図である。
【図43】第2実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図44】第2実施形態の遊技機が備える封入球型の役物装置について説明するための図である。
【図45】変形例1の遊技機における役物センサ演出について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0020】
〔第1実施形態〕
本実施形態の遊技機10は開閉枠12を備え、該開閉枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は開閉枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、開閉枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0021】
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や図示しない払出異常報知用のランプ(LED)が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、開閉枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0022】
また、開閉枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、開閉枠12下部右側には、開閉枠12を開放したり施錠したりするための鍵(図示省略)が設けられている。
【0023】
また、ガラス枠15の上部左側及び上部右側と、開閉枠12の下部左側及び下部右側とには、枠操作センサ26が設けられている。
また、ガラス枠15における遊技領域32の周囲近傍には、複数のガラス前操作センサ29が設けられている。
また、開閉枠12の下部には、送風装置46が設けられている。
ここで、複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29は、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)に設けられ、遊技機10前方のうち遊技領域32よりも広い領域における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段として機能する。
【0024】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0025】
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0026】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
そして、センターケース40における表示装置41の近傍には、風車型の可動役物44aが設けられている。
【0027】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0028】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
【0029】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b,37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0030】
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0031】
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0032】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0033】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0034】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器(第3遊技状態表示器)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器59が設けられている。
【0035】
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0036】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0037】
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0038】
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
【0039】
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0040】
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0041】
第3遊技状態表示器58(エラー表示器)は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0042】
ラウンド数表示器59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド数表示器59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0043】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、開閉枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0044】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56(普図保留表示器)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
【0045】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0046】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0047】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54,55(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0048】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0049】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0050】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0051】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0052】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0053】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や開閉枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0054】
図3は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0055】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0056】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0057】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0058】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0059】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0060】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0061】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0062】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0063】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0064】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。
【0065】
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0066】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0067】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0068】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0069】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0070】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0071】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0072】
また、入力部120には、遊技機10の開閉枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0073】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び開閉枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0074】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0075】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0076】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0077】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0078】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0079】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0080】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0081】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0082】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0083】
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
すなわち、演出制御装置300は、表示装置41の表示内容を制御する表示制御手段として機能する。
【0084】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0085】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
【0086】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と開閉枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0087】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0088】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドや、当該遊技機10(図32に示す遊技機A)の左隣に設置されている遊技機10(図32に示す遊技機B)の演出制御装置300Bや、当該遊技機10(遊技機A)の右隣に設置されている遊技機10(図32に示す遊技機C)の演出制御装置300Cなどから送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド、エラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0089】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、開閉枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物44a等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、開閉枠12に設けられている枠演出装置45(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)や、開閉枠12に設けられている送風装置46を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
すなわち、演出制御装置300は、可動役物44aの動作態様を制御する役物制御手段として機能する。
【0090】
さらに、演出制御装置300には、開閉枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ、手かざしセンサ(開閉枠12やガラス枠15に設けられた枠操作センサ26、ガラス枠15に設けられたガラス前操作センサ29)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、開閉枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、開閉枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0091】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0092】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0093】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別情報(識別図柄)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b,37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0094】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111C等に記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶をRAM111C等に記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
【0095】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別情報(識別図柄)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0096】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0097】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0098】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0099】
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0100】
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とする枠操作センサ26及びガラス前操作センサ29について説明する。
【0101】
枠操作センサ26は、図5に示すように、発光部26Aと受光部26Bとを備えている。
発光部26Aは、例えば、赤外線を発光する赤外発光ダイオードによって構成されている。また、受光部26Bは、例えば、赤外線を受光するフォトトランジスタによって構成されている。
図5に示すように、枠操作センサ26の前方に遊技者が手等をかざすと、発光部26Aからの光が反射されて受光部26Bに受光される。これにより、枠操作センサ26の前方に遊技者の手等がかざされたことを検出できるように構成されている。
すなわち、一対の発光部26Aと受光部26Bとからなる枠操作センサ26は、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)の前面に設けられ、遊技機10前方の所定位置への物体の接近を検出可能な第1接近検出手段として機能する。
【0102】
なお、本実施形態では、枠操作センサ26を、赤外線の反射を利用して遊技者の手等を検出する赤外線センサによって構成したが、これに限定されるものではなく、枠操作センサ26は、当該枠操作センサ26の前方に遊技者の手等がかざされたことを検出できるセンサ(好ましくは非接触型の人感センサ)であれば任意であり、例えば、その他の光センサによって構成することも可能である。
【0103】
また、本実施形態では、例えば図8(A)に示すように、枠操作センサ26を遊技領域32の上方左側と上方右側と下方左側と下方右側との4箇所に配設するように構成したが、これに限定されるものではなく、遊技領域32よりも外側に配設されているのであれば、枠操作センサ26の配設位置や個数は任意である。具体的には、例えば、枠操作センサ26を、遊技領域32よりも外側における3つ以下の箇所に配設するように構成することも可能であるし、例えば図8(B)に示すように、遊技領域32よりも外側における5つ以上の箇所に配設するように構成することも可能である。
【0104】
また、本実施形態では、枠操作センサ26を、開閉枠12とガラス枠15との双方に設けるように構成したが、これに限定されるものではなく、枠操作センサ26は、開閉枠12および/またはとガラス枠15に配設されていればよい。
【0105】
ガラス前操作センサ29は、図6(A)に示すように、ガラス枠15に設けられた複数の発光部29A(発光部A1〜A12)と、各発光部29Aと対向するようにガラス枠15に設けられた複数の受光部29B(受光部B1〜B12)とを備えている。
具体的には、発光部A1〜A12及び受光部B1〜B12は、図7(A)に示すように、発光部A1には受光部B1、発光部A2には受光部B2、…、発光部A12には受光部B12がそれぞれ対向するように遊技領域32の周囲近傍に配設されている。
【0106】
発光部A1〜A12は、例えば、赤外線を発光する赤外発光ダイオードによって構成されている。また、受光部B1〜B12は、例えば、赤外線を受光するフォトトランジスタによって構成されている。
図6(B)は、図6(A)に示したガラス枠15の側面図である。このように、遊技領域32(具体的には、カバーガラス14のうち遊技領域32を覆う部分)前方の検出空間に遊技者が手等をかざすと、発光部29Aから受光部29Bへの光が遮られる。これにより、検出空間における遊技者の手等の位置を検出できるように構成されている。
すなわち、一対の発光部29Aと受光部29Bとからなるガラス前操作センサ29は、遊技領域32の前方周囲に突出している前面枠(ガラス枠15)の内周に設けられ、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な第2接近検出手段として機能する。
【0107】
ここで、ガラス前操作センサ29による位置検出方法の詳細について説明する。
図7(B)に示すように、例えば、まず、遊技者が検出空間におけるE1の位置に手等をかざした場合、発光部A1、A2、A3、A7、A8及びA9から受光部B1、B2、B3、B7、B8及びB9への光が遮られる。これにより、発光部A1と受光部B1とを結ぶ線と、発光部A2と受光部B2とを結ぶ線と、発光部A3と受光部B3とを結ぶ線と、発光部A7と受光部B7とを結ぶ線と、発光部A8と受光部B8とを結ぶ線と、発光部A9と受光部B9とを結ぶ線との交点及びその交点近傍に遊技者の手等がかざされていることが検出される。
その後、遊技者が検出空間におけるE2の位置へと手等を左方向にスライドさせた場合、発光部A4、A5、A6、A10、A11及びA12から受光部B4、B5、B6、B10、B11及びB12への光が遮られる。これにより、発光部A4と受光部B4とを結ぶ線と、発光部A5と受光部B5とを結ぶ線と、発光部A6と受光部B6とを結ぶ線と、発光部A10と受光部B10とを結ぶ線と、発光部A11と受光部B11とを結ぶ線と、発光部A12と受光部B12とを結ぶ線との交点及びその交点近傍に遊技者の手等がかざされていることが検出される。
このように、演出制御装置300は、遊技者が遊技領域32前方にかざした手等の位置を検出できるとともに、その検出結果に基づいて当該手等の動きを推測することができる。
【0108】
なお、本実施形態では、ガラス前操作センサ29を、赤外線の遮光を利用して遊技者の手等を検出する赤外線センサによって構成したが、これに限定されるものではない。ガラス前操作センサ29は、検出空間における遊技者が手等をかざした位置を検出できるセンサ(好ましくは非接触型の人感センサ)であれば任意であり、例えば、赤外線の反射を利用して遊技者の手等を検出できる赤外線センサ(例えば、枠操作センサ26のようなフォトリフレクタ)によって構成することも可能であるし、その他の光センサによって構成することも可能である。
【0109】
また、本実施形態では、図6(A)等に示すように、12個のガラス前操作センサ29(具体的には、12個の発光部29Aおよび12個の受光部29B)を遊技領域32の周囲に沿って配設するように構成したが、これに限定されるものではなく、配設するガラス前操作センサ29の個数は任意である。
【0110】
また、本実施形態では、例えば図6(B)に示すように、検出空間における遊技者が手等をかざした位置のうち平面的な位置を検出できるよう、ガラス前操作センサ29を遊技領域32の周囲に沿って配設するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば図6(C)に示すように、検出空間における遊技者が手等をかざした位置のうち、平面的な位置だけでなく、奥行き方向の位置も検出できるよう、ガラス前操作センサ29を、遊技領域32の周囲に沿って配設するとともに、検出空間の奥行き方向(前後方向)に沿って配設するように構成することも可能である。なお、この場合、ガラス前操作センサ29は多層に配設されていればよく、図6(C)に示すように3層に配設する(具体的には、受光部29Aを前後方向に沿って3つずつ配設するとともに、受光部29Bを前後方向に沿って3つずつ配設する)ことも可能であるし、2層に配設することも可能であるし、4層以上に配設することも可能である。
【0111】
このように、ガラス前操作センサ29を多層に配設することで、平面的な位置検出だけでなく、より詳細な3次元の位置検出が可能となる。そのため、より広範囲での遊技者の操作が可能となり、演出の幅も広がるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、ガラス前操作センサ29を多層に配設することで、例えば、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を前後に動かす速度、すなわち、遊技者が検出空間を押す速度を検出できるので、遊技者の「押す」という操作に対応した演出(例えば、ヒーローが敵を押し倒す画面を表示装置41に表示可能に構成しておき、画面上のヒーローが敵を押す速度や押す回数を遊技者の操作態様に応じて変更したり、前後方向に揺動可能な可動役物を備えておき、その可動役物の揺動速度や揺動回数を遊技者の操作態様に応じて変更したりする演出)を行うことが可能となる。
【0112】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図9及び図10参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図11参照)とからなる。
【0113】
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0114】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするOFFデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0115】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否かを判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFFと判定した場合(ステップS9;No)には、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。
このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。
このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
【0116】
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図10のステップS24へジャンプする。
【0117】
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図10のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。
次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でないと判定した場合(ステップS20;No)は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0118】
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
【0119】
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、まずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
【0120】
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0121】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0122】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0123】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0124】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0125】
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
【0126】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図11に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図11のタイマ割込み処理が開始される。
【0127】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。
次いで、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。
次いで、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0128】
次いで、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
次いで、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(開閉枠12やガラス枠15が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。
次いで、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0129】
次いで、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。
そして、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0130】
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。
図12に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
【0131】
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。
図13に示すように、演出制御コマンド送信処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックし(ステップS81)、コマンドが設定されているか否かを判定する(ステップS82)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する。
【0132】
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。
そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、当該演出制御コマンド送信処理を終了する。
【0133】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
当該特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0134】
図14に示すように、特図ゲーム処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
【0135】
次いで、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
【0136】
次いで、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップS4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
次いで、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0137】
ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
【0138】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0139】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0140】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0141】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0142】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
【0143】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0144】
次いで、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
次いで、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
【0145】
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0146】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図15に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0147】
次いで、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中であると判定した場合(ステップA113;Yes)には、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA113で、普通電動役物が作動中でないと判定した場合(ステップA113;No)には、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0148】
ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上でないと判定した場合(ステップA115;No)には、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、当該始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合(ステップA115;Yes)にも、当該始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0149】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0150】
図16に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がないと判定した場合(ステップA202;No)には、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力があると判定した場合(ステップA202;Yes)には、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
【0151】
次いで、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップS207)。
【0152】
ステップS207で、出力回数がオーバーフローしないと判定した場合(ステップA207;No)には、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。
一方、ステップA207で、出力回数がオーバーフローしたと判定した場合(ステップA207;Yes)には、処理をステップA209に移行する。
【0153】
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
【0154】
ステップA210で、特図保留数が上限値未満であると判定した場合(ステップA210;Yes)には、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行う。
次いで、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA212)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行う。
【0155】
次いで、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA215)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。
次いで、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA217)、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。
次いで、対応する変動パターン乱数1を抽出して、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA219)、対応する変動パターン乱数2を抽出して、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA220)、対応する変動パターン乱数3を抽出して、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした後(ステップA221)、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行って、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
【0156】
一方、ステップA210で、特図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップA210;No)には、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA223)、始動口1スイッチ36aの入力であるか否かを判定する(ステップS224)。
【0157】
ステップS224で、始動口1スイッチ36aの入力であると判定した場合(ステップA224;Yes)には、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA225)、コマンド設定処理(ステップA226)を行って、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA224で、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合(ステップA224;No)にも、当該特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0158】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について説明する。
当該特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0159】
図17に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックして(ステップA231)、先読み演出を実行してよい条件を満たしているか否かを判定する(ステップS232)。
ここで、「先読み演出を実行してよい条件」とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であること、又は当該始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力の場合には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)でなく、且つ、大当り中でないことを意味する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
【0160】
ステップA232で、先読み演出を実行してよい条件を満たしていないと判定した場合(ステップA232;No)には、当該特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップS232で、先読み演出を実行してよい条件を満たしていると判定した場合(ステップA232;Yes)には、大当り判定処理(ステップA233)を行い、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA234)。
【0161】
ステップS234で、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りであると判定した場合(ステップA234;Yes)には、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA236)、ステップA238へ移行する。
一方、ステップS234で、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りでないと判定した場合(ステップA234;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA238へ移行する。
【0162】
そして、ステップA238にて、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA238)。
次いで、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA239)。
【0163】
次いで、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA240)、監視対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップA241)、特図情報設定処理(ステップA242)、後半変動パターン設定処理(ステップA243)、変動パターン設定処理(ステップA244)を行う。
次いで、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA245)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA246)、コマンド設定処理(ステップA247)を行う。
次いで、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行い、当該特図保留情報判定処理を終了する。
【0164】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図18に示すように、特図普段処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックして(ステップA271)、特図2保留数が0であるか否かを判定する(ステップS272)。
【0165】
ステップS272で、特図2保留数が0であると判定した場合(ステップA272;Yes)には、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックして(ステップA273)、特図1保留数が0であるか否かを判定する(ステップS274)。
ステップS274で、特図1保留数が0であると判定した場合(ステップA274;Yes)には、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、既に客待ちデモが開始されているか否かを判定する(ステップS276)。
【0166】
ステップS276で、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでないと判定した場合(ステップA276;No)には、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行い、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。
一方、ステップA276で、既に客待ちデモが開始されていると判定した場合(ステップA276;Yes)には、既に客待ちデモ中フラグは客待ちデモフラグ領域中にセーブ(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。
そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、当該特図普段処理を終了する。
【0167】
一方、ステップA272で、特図2保留数が0でないと判定した場合(ステップA272;No)には、特図2変動開始処理1(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理1の詳細については後述する。
そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、当該特図普段処理を終了する。
【0168】
また、ステップA274で、特図1保留数が0でないと判定した場合(ステップA274;No)には、特図1変動開始処理1(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理1の詳細については後述する。
そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、当該特図普段処理を終了する。
このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理1(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0169】
〔特図1変動開始処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理1(ステップA283)の詳細について説明する。
当該特図1変動開始処理1は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
【0170】
図19に示すように、特図1変動開始処理1において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。
【0171】
次いで、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA302)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA303)。
次いで、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA304)。
【0172】
次いで、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA305)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA306)。
次いで、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA307)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA308)を行う。
次いで、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA309)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA310)を行う。
そして、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA311)を行って、当該特図1変動開始処理1を終了する。
【0173】
〔特図2変動開始処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理1(ステップA281)の詳細について説明する。
当該特図2変動開始処理1は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
【0174】
図20に示すように、特図2変動開始処理1において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。
【0175】
次いで、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA323)。
次いで、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
【0176】
次いで、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA325)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。
次いで、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。
次いで、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。
そして、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、当該特図2変動開始処理1を終了する。
【0177】
次に、演出制御装置300によって実行される制御について説明する。
演出制御装置300による制御処理は、主に、図21に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば2ms)に行われる図22に示す割込み処理と、からなる。
【0178】
[演出制御装置のメイン処理]
まず、メイン処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
当該メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
【0179】
図21に示すように、メイン処理において、演出制御装置300は、はじめにプログラム開始時の処理として、電源投入時の初期化処理(ステップS101)を行い、タイマを起動する処理(ステップS102)を行う。
【0180】
次に、演出制御装置300は、メインループ処理としてループの処理を行う。
当該ループの処理では、まず、メインコマンド解析処理(ステップS103)を行う。当該メインコマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(例えば、負論理データ)と、第2コマンド(例えば、第1コマンドをビット反転した正論理データ)との一対のデータにより構成されている。そして、受信した第1コマンドと第2コマンドとが矛盾しない場合(例えば、一方の反転ビットが他方に一致する場合)に正しくコマンドを受信したと判定する。
【0181】
次いで、一括表示装置50の特図表示器51における特図変動表示ゲームと並行して表示装置41で実行される飾り特図変動表示ゲームの変動時間や変動パターン、揺れ変動の設定、時短モード継続演出の設定等の制御に関するゲーム管理処理(ステップS104)を行う。
次いで、表示装置41における揺れ変動の表示や時短モード継続演出の表示及びこれらの表示に関連してセンターケース40に設けられた状態報知ランプ(盤装飾装置)等を駆動する表示制御処理(ステップS105)を行う。
次いで、音声の出力に関する処理(スピーカ19a,19bの駆動処理)である音制御処理(ステップS106)を行い、開閉枠12に設けられた枠装飾装置18等の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップS107)を行う。
【0182】
次いで、開閉枠12やガラス枠15の開放等のエラー発生の監視を行うエラー監視処理(ステップS108)を行い、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップS109)を行って、メインコマンド解析処理(ステップS103)に戻る。
【0183】
[演出制御装置の割込み処理]
次に、割込み処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
【0184】
図22に示すように、割込み処理において、演出制御装置300は、まず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップS111)を行う。
【0185】
次いで、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップS112)を行う。
当該入力処理では、枠操作センサ26やガラス前操作センサ29により遊技者の手等が検出された場合にスイッチ入力回路336から入力される検出信号等が処理される。
【0186】
次いで、演出制御装置300から出力する信号を処理する出力処理(ステップS113)を行う。
当該出力処理では、音声データがスピーカ19,19bに出力される音出力処理や、制御信号が盤装飾装置42に出力される装飾出力処理などが行われる。
【0187】
次いで、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップS114)を行って、当該割込み処理を終了する。
【0188】
〔センサ演出設定処理〕
次に、図21に示す演出制御装置300のメイン処理におけるゲーム管理処理(ステップS104)で行われるセンサ演出設定処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
【0189】
ここで、ゲーム管理処理(ステップS104)では、制御処理番号を取得し、取得した制御処理番号に基づき実行する処理の選択を行う。
例えば、制御処理番号が0である場合は、変動開始処理を行う。この変動開始処理では、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報を設定する処理を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報を設定する処理では、例えば、遊技制御装置100から送信される情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報等)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)を設定する処理を行う。そして、この演出を設定する処理に、センサ演出設定処理や後述の役物センサ演出設定処理(図36)が含まれる。
【0190】
具体的には、図23に示すように、センサ演出設定処理において、演出制御装置300は、まず、演出を設定する処理を行うために遊技制御装置100から送信される情報として、センサ演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1)。
【0191】
ステップB1で、センサ演出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB1;No)には、当該センサ演出設定処理を終了する。
【0192】
一方、ステップB1で、センサ演出コマンドを受信したと判定した場合(ステップB1;Yes)には、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を有効に変更する(ステップB2)。これにより、枠操作センサ26やガラス前操作センサ29のオン/オフ状態がスイッチ入力回路336によって検出されて、枠操作センサ26やガラス前操作センサ29により遊技者の手等が検出された場合にスイッチ入力回路336から演出制御装置300へと検出信号が入力されるようになる。
その後、センサ演出実行処理を行って(ステップB3)、当該センサ演出設定処理を終了する。
【0193】
〔センサ演出実行処理〕
次に、前述のセンサ演出設定処理(図23)におけるセンサ演出実行処理(ステップB3)の詳細について説明する。
【0194】
図24に示すように、センサ演出実行処理において、演出制御装置300は、まず、手かざしセンサの操作態様の指示を開始する(ステップB301)。
なお、本実施形態では、図25や後述の図35に示すように、表示装置41に手かざしセンサの操作態様を指示する画面を表示することによって、遊技者に手かざしセンサの操作態様を指示するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、操作軌跡上の発光部材(LED等)の発光態様の変更によって、具体的には、操作軌跡上の発光部材の発光色を切り替えたり、操作軌跡上の発光部材を正しい操作順に点灯したりすること等によって、遊技者に手かざしセンサの操作態様を指示するように構成することも可能である。
【0195】
ここで、ステップB301で、表示装置41に、図25に示す「表示例1」が表示されたとする。すなわち、遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈3〉、遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉として、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉の順に操作するよう指示する画面が、ステップB301で、表示装置41に表示されたとする。
【0196】
次いで、スイッチ入力回路336からの検出信号に基づいて、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)が遊技者の手等を検出したか否かを判定する(ステップB302)。
【0197】
ステップB302で、手かざしセンサが遊技者の手等を検出していないと判定した場合(ステップB302;No)には、ステップB324の処理に移行する。
一方、ステップB302で、手かざしセンサが遊技者の手等を検出したと判定した場合(ステップB302;Yes)には、センサ〈1〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB303)。ここで、センサ〈1〉検出フラグは、センサ〈1〉が遊技者の手等を検出した場合にONされるフラグであり、後述するステップB306でONされる。
【0198】
ステップB303で、センサ〈1〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB303;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉であるか否かを判定する(ステップB304)。すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈1〉であるか否かを判定する。
【0199】
ステップB304で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉でないと判定した場合(ステップB304;No)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈1〉でない場合には、ステップB330の処理に移行する。
一方、ステップB304で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉であると判定した場合(ステップB304;Yes)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈1〉である場合には、遊技者の手等をセンサ〈1〉で検出した旨を報知する演出(後述)を実行し(ステップB305)、センサ〈1〉検出フラグをONにして(ステップB306)、ステップB324の処理に移行する。
【0200】
また、ステップB303で、センサ〈1〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB303;Yes)には、センサ〈2〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB307)。ここで、センサ〈2〉検出フラグは、センサ〈2〉が遊技者の手等を検出した場合にONされるフラグであり、後述するステップB310でONされる。
【0201】
ステップB307で、センサ〈2〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB307;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉であるか否かを判定する(ステップB308)。すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈2〉であるか否かを判定する。
【0202】
ステップB308で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉でないと判定した場合(ステップB308;No)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈2〉でない場合には、ステップB330の処理に移行する。
一方、ステップB308で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉であると判定した場合(ステップB308;Yes)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈2〉である場合には、遊技者の手等をセンサ〈2〉で検出した旨を報知する演出(後述)を実行し(ステップB309)、センサ〈2〉検出フラグをONにして(ステップB310)、ステップB324の処理に移行する。
【0203】
また、ステップB307で、センサ〈2〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB307;Yes)には、センサ〈3〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB311)。ここで、センサ〈3〉検出フラグは、センサ〈3〉が遊技者の手等を検出した場合にONされるフラグであり、後述するステップB314でONされる。
【0204】
ステップB311で、センサ〈3〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB311;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉であるか否かを判定する(ステップB312)。すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈3〉であるか否かを判定する。
【0205】
ステップB312で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉でないと判定した場合(ステップB312;No)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈3〉でない場合には、ステップB330の処理に移行する。
一方、ステップB312で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉であると判定した場合(ステップB312;Yes)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈3〉である場合には、遊技者の手等をセンサ〈3〉で検出した旨を報知する演出(後述)を実行し(ステップB313)、センサ〈3〉検出フラグをONにして(ステップB314)、ステップB324の処理に移行する。
【0206】
そして、ステップB324にて、当該センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップB324)。
【0207】
ステップB324で、当該センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過していないと判定した場合(ステップB324;No)には、ステップB302の処理に移行する。
一方、ステップB324で、当該センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過したと判定した場合(ステップB324;Yes)には、ステップB301で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する(ステップB325)。すなわち、センサ演出を開始したにもかかわらず、手かざしセンサが全く操作されない状態や、手かざしセンサが正しい操作順に操作されない状態のまま、所定時間が経過すると、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する。
【0208】
次いで、前述のセンサ演出設定処理(図23)で有効に変更した、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を無効に変更して(ステップB326)、センサ検出フラグを全てOFFする(ステップB327)。すなわち、ステップB306でセンサ〈1〉検出フラグをONした場合は、当該センサ〈1〉検出フラグをOFFする。また、ステップB310でセンサ〈2〉検出フラグをONした場合は、当該センサ〈2〉検出フラグをOFFする。また、ステップS314でセンサ〈3〉検出フラグをONした場合は、当該センサ〈3〉検出フラグをOFFする。
【0209】
次いで、センサ検出報知演出を終了する(ステップB328)。すなわち、ステップB305でセンサ〈1〉検出報知演出を実行した場合は、当該センサ〈1〉検出報知演出を終了する。また、ステップB309でセンサ〈2〉検出報知演出を実行した場合は、当該センサ〈2〉検出報知演出を終了する。また、ステップS313でセンサ〈3〉検出報知演出を実行した場合は、当該センサ〈3〉検出報知演出を終了する。
【0210】
次いで、大当りへの期待度を報知しない演出(後述)を実行して(ステップB329)、当該センサ演出実行処理を終了する。
【0211】
また、ステップB311で、センサ〈3〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB311;Yes)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉であるか否かを判定する(ステップB315)。すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈4〉であるか否かを判定する。
【0212】
ステップB315で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉でないと判定した場合(ステップB315;No)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈4〉でない場合には、ステップB330の処理に移行する。
【0213】
そして、ステップB330にて、手かざしセンサを再操作する旨の指示を表示する(ステップB330)。具体的には、例えば、『順番がまちがっていますよ!』等を表示装置41に表示することによって、手かざしセンサを最初から再操作するよう、すなわちセンサ〈1〉から所定の操作順に再操作するよう遊技者に指示する。
【0214】
次いで、センサ検出報知演出を終了し(ステップB331)、センサ検出フラグを全てOFFにして(ステップB332)、ステップB302の処理に移行する。
【0215】
また、ステップB315で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉であると判定した場合(ステップB315;Yes)、すなわち、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサがセンサ〈4〉である場合には、遊技者の手等をセンサ〈4〉で検出した旨を報知する演出(後述)を実行し(ステップB316)、ステップB301で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する(ステップB317)。
【0216】
このように、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉の順にセンサ検出フラグがONであるか否かを判定し、その間に、センサ検出フラグがONでないセンサがあると判定した場合には、最新のステップB302で遊技者の手等を検出したと判定されたセンサが、そのセンサ(センサ検出フラグがONでないセンサ)であるか否かを判定することで、手かざしセンサが正しい操作順に操作されたか否かを判定するように構成されている。
【0217】
すなわち、演出制御装置300は、操作検出手段(複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29)の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段として機能する。
そして、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、手かざしセンサが正しい操作順に操作された場合(操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致する場合)、表示制御手段として機能する演出制御装置300は、ステップB317以降の処理で、表示装置41の表示内容を変更するように構成されている。具体的には、本実施形態において、演出制御装置300は、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、手かざしセンサが正しい操作順に操作された場合、演出内容を変更して予告演出を実行するように構成されている。
一方、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、手かざしセンサが正しい操作順で操作されない場合(操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致しない場合)、表示制御手段として機能する演出制御装置300は、ステップB325以降の処理で、表示装置41の表示内容を変更しないように構成されている。具体的には、本実施形態において、演出制御装置300は、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、手かざしセンサが正しい操作順で操作されない場合、演出内容を変更しないように(予告演出を実行しないように)構成されている。
【0218】
次いで、前述のセンサ演出設定処理(図23)で有効に変更した、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を無効に変更して(ステップB318)、ステップB306、ステップB310及びステップB314でONした、センサ検出フラグを全てOFFにする(ステップB319)。
【0219】
次いで、手かざしセンサが正しい操作順に操作された際、すなわち、手かざしセンサの操作が成功した際に行う演出(後述)を実行して(ステップB320)、大当りへの期待度を報知するタイミングであるか否かを判定する(ステップB321)。
【0220】
ステップB321で、大当りへの期待度を報知するタイミングでないと判定した場合(ステップB321;No)には、ステップB321の処理を繰り返し行う。すなわち、大当りへの期待度を報知するタイミングになるまでは、手かざしセンサの操作が成功した際に行う演出等が実行される。
【0221】
一方、ステップB321で、大当りへの期待度を報知するタイミングであると判定した場合(ステップB321;Yes)には、ステップB305、ステップB309、ステップB313及びステップB316で実行した、センサ検出報知演出を終了し(ステップB322)、大当りへの期待度を報知する演出(後述)を実行して(ステップB323)、当該センサ演出実行処理を終了する。
すなわち、表示制御手段として機能する演出制御装置300は、操作態様判定手段(演出制御装置300)の判定結果に応じて、変動表示ゲームの停止結果態様が予め定められた特別結果態様(当りの結果態様)となる期待度を報知可能となるように構成されている。
【0222】
ここで、ステップB305、B309、B313及びB316で実行される、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出は、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(例えば、枠ランプ17a〜17d)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物44a〜44dの動作態様を変更したりすること等によって行うことができる。このように、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うことで、「どのセンサで手等が検出されたのか」ということや、「手等がきちんと検出されたのか」ということを、遊技者に的確に認識させることが可能となる。
【0223】
具体的には、例えば、図29(A)に示すように、各枠操作センサ26に対応してLED等により構成される枠ランプ17a〜17dを備えておき、遊技者の手等を検出した枠操作センサ26に対応する枠ランプを消灯状態から発光状態に切り替えることによって、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うことができる。なお、発光態様の変更は、消灯状態から発光状態に切り替えることの他に、発光状態から消灯状態に切り替えたり、点滅状態から点灯状態に切り替えたり、発光色を切り替えたりすることによっても実現可能である。なお、この場合、例えば、リーチ演出の信頼度が高いほど、枠ランプの発光態様が大きく変更されるように構成することも可能である。また、発光態様を変更した枠ランプの個数が多くなるほど、信頼度を高くするように構成することも可能である。
【0224】
また、例えば、図29(B)に示すように、各枠操作センサ26に対応して可動役物44a〜44dを備えておき、遊技者の手等を検出した枠操作センサ26に対応する可動役物を停止状態から作動状態に切り替えることによって、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うことができる。なお、動作態様の変更は、停止状態から作動状態に切り替えることの他に、作動状態から停止状態に切り替えたり、可動量や可動速度を切り替えたり、可動方向を切り替えたりすることによっても実現可能である。なお、この場合、例えば、リーチ演出の信頼度が高いほど、可動役物の動作態様が大きく変更されるように構成することも可能である。また、動作態様を変更した可動役物の個数が多くなるほど、信頼度を高くするように構成することも可能である。
【0225】
すなわち、枠ランプ17a〜17dや可動役物44a〜44dは、装飾報知部材として機能する。
また、演出制御装置300は、装飾報知部材の演出態様を制御する報知演出制御手段として機能する。そして、報知演出制御手段として機能する演出制御装置300は、操作検出手段(本実施形態の場合は複数の枠操作センサ26)により検出された遊技者の操作の動きに対応して装飾報知部材の演出態様を変更するように構成されている。
【0226】
さらに、表示装置41に表示されている画面を、遊技者の手等を検出した枠操作センサ26に対応する画面に切り替えることによって、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うこともできる。具体的には、例えば、画面上のヒーローが、遊技者と同じポーズをとっている画面を表示したり、画面上のヒーローが、遊技者が次にとるべきポーズをとっている画面を表示したりすること等によって、遊技者の手等をセンサで検出した旨を報知する演出を行うこともできる。なお、この場合、例えば、手等を検出したセンサの個数が多くなるにつれて、表示装置41の表示内容を変更していくように(例えば、画面上のヒーローが徐々に変身していくような画面を表示するように)構成することも可能である。
ここで、画面上のヒーローが、遊技者と同じポーズをとっている画面とは、例えば、センサ〈1〉で遊技者の手等を検出した場合、画面上のヒーローが、センサ〈1〉に向けて腕を伸ばしているようなポーズをとっている画面である。
また、画面上のヒーローが、遊技者が次にとるべきポーズをとっている画面とは、例えば、センサ〈1〉で遊技者の手等を検出した場合、画面上のヒーローが、センサ〈1〉の次に操作すべきセンサ〈2〉に向けて腕を伸ばしているようなポーズをとっている画面である。
【0227】
なお、本実施形態では、センサ演出実行処理のステップB301で、表示装置41に、図25に示す「表示例1」が表示された場合について説明したが、「表示例1」と同様、遊技機10の前で大きく“Z”字を描く操作軌跡で遊技者に手かざしセンサを操作させる場合、図25に示す「表示例2」や「表示例3」などを表示装置41に表示することも可能である。
無論、センサ演出実行処理において、正しい操作順(正しい操作軌跡)は、「表示例1」と同様の操作軌跡(遊技機10の前で大きく“Z”字を描く操作軌跡)に限定されるものではなく、操作軌跡は適宜設定可能である。
【0228】
「表示例2」が表示された場合は、遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、遊技領域32前方の検出空間の略中央部に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈3〉、遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉、遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈5〉として、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉→センサ〈5〉の順に操作されると、大当りへの期待度を報知する演出が実行される。
【0229】
「表示例3」は、図6(C)に示すように、ガラス前操作センサ29が3層に配設されている場合に表示可能である。
「表示例3」が表示された場合は、遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、遊技領域32前方の検出空間の略右上部のうち前後方向後側に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈奥〉、遊技領域32前方の検出空間の略中央部のうち前後方向中側に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈中〉、遊技領域32前方の検出空間の略左下部のうち前後方向前側に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈前〉、遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉、遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈5〉として、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈奥〉→センサ〈中〉→センサ〈前〉→センサ〈4〉→センサ〈5〉の順に操作されると、大当りへの期待度を報知する演出が実行される。
【0230】
次に、本実施形態において実行される上述のセンサ演出の概要について、図26を用いて説明する。
図26は、センサ演出を実行する時の演出表示の一例を示す図である。
【0231】
特図変動表示ゲームが開始され、当該特図変動表示ゲームにおいてリーチが発生する場合は、当該特図変動表示ゲームの開始から所定時間経過後に、例えば図26(A)に示すような画面が表示装置41に表示される。
次いで、遊技制御装置100からセンサ演出コマンドを受信している場合は、図26(B)に示すような画面が表示装置41に表示されて、所定のタイミングで手かざしセンサが有効に変更される。
次いで、センサ演出実行処理が開始されて、図26(C)に示すように、手かざしセンサの操作態様を指示する画面が表示装置41に表示される。
【0232】
そして、手かざしセンサが正しい操作順に操作されると(この場合、画面上のヒーローの代わりに遊技者が変身ポーズ(大きく“Z”字を描くポーズ)をとると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されて、手かざしセンサが無効に変更される。続いて、手かざしセンサの操作が成功した際に行う演出が実行されて、図26(D)に示すような画面が表示装置41に表示される。
その後、センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過して、大当りへの期待度を報知するタイミングになると、大当りへの期待度を報知する演出が実行されて、大当りへの期待度が高い場合には図26(E)に示すような画面が表示装置41に表示され、大当りへの期待度が低い場合には図26(F)に示すような画面が表示装置41に表示される。
【0233】
一方、手かざしセンサが全く操作されない状態や、手かざしセンサが正しい操作順に操作されない状態のまま、センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過すると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されるとともに、手かざしセンサが無効に変更されて、図26(G)に示すような画面が表示装置41に表示される。その後、大当りへの期待度を報知しない演出が実行されて、図26(H)に示すような画面(図26(A)に示す画面と同じ画面)が表示装置41に表示される。
【0234】
なお、以上の説明では、センサ演出として、遊技者による枠操作センサ26の操作(図25に示す「表示例2」や「表示例3」の場合は枠操作センサ26及びガラス前操作センサ29の操作)を反映する演出(以下「枠操作センサ26用のセンサ演出」という。)について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、センサ演出の種類は複数あってもよく、前述した枠操作センサ26用のセンサ演出や、遊技者によるガラス前操作センサ29の操作のみを反映する演出(以下「ガラス前操作センサ29用のセンサ演出」という。)などの中から、実行するセンサ演出を選択するように構成することも可能である。ここで、ガラス前操作センサ29用のセンサ演出の一例について、図27及び図28を参照して説明する。
図27は、遊技者によるガラス前操作センサ29の操作について説明するための図である。
図28は、ガラス前操作センサ29用のセンサ演出が選択された場合に、前述のセンサ演出設定処理におけるセンサ演出実行処理(ステップB3)で行われるセンサ演出実行処理2について説明するためのフローチャートである。
【0235】
〔センサ演出実行処理2〕
図28に示すように、センサ演出実行処理において、演出制御装置300は、まず、手かざしセンサの操作の指示を開始する(ステップB341)。具体的には、例えば、図27(A)に示すように、表示装置41の表示画面を複数の領域(図27の場合は4つの領域)に分割して、何れかの領域を選択するよう指示する画面を表示装置41に表示する。
【0236】
次いで、スイッチ入力回路336からの検出信号に基づいて、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出したか否かを判定する(ステップB342)。
【0237】
ステップB342で、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出していないと判定した場合(ステップB342;No)には、ステップB344の処理に移行する。
一方、ステップB342で、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出したと判定した場合(ステップB342;Yes)には、遊技者の手等をガラス前操作センサ29で検出した旨を報知する演出を実行し(ステップB343)、ステップB344の処理に移行する。具体的には、例えば、図27(B)に示すように、表示装置41の表示画面における複数の領域のうち所定の領域(図27(B)の場合は『D』と表示された領域)が選択されると、遊技者の手等をガラス前操作センサ29で検出した旨を報知する演出を実行して、その選択された領域(図27(B)の場合は『D』と表示された領域)の色等を変更する。
【0238】
ここで、遊技領域32前方の検出空間を、表示装置41の表示画面における複数の領域に対応して複数の部分に分割し、検出空間の所定部分に遊技者の手等がかざされると、表示画面における複数の領域のうち遊技者の手等がかざされた部分に対応する領域が選択されたと判定するように構成することも可能である。具体的には、例えば、図27(B)に示すように、遊技領域32前方の検出空間を、表示画面における『A』と表示された領域に対応する部分(左上部分)と、表示画面における『B』と表示された領域に対応する部分(右上部分)と、表示画面における『C』と表示された領域に対応する部分(左下部分)と、表示画面における『D』と表示された領域に対応する部分(右下部分)とに分割し、検出空間の所定部分(例えば右下部分)に遊技者の手等がかざされると、表示画面における複数の領域のうち遊技者の手等がかざされた部分(右下部分)に対応する領域(『D』と表示された領域)が選択されたと判定して、その選択された領域(『D』と表示された領域)の色等を変更するように構成することも可能である。
この場合、表示画面における各領域同士の間隔よりも、検出空間における各部分同士の間隔の方が大きいので、表示画面における何れかの領域に遊技者の手等がかざされたことのみを検出する場合と比較して、表示画面における所望の領域を選択し易くなる。
【0239】
そして、ステップB344にて、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップB344)。
【0240】
ステップB344で、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過していないと判定した場合(ステップB344;No)には、ステップB342の処理に移行する。したがって、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過する前に、表示画面における他の領域が後から選択されると、再度、センサ検出報知演出が実行されて、後から選択された領域の色等が変更される。
一方、ステップB344で、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過したと判定した場合(ステップB344;Yes)には、ステップB341で開始した、手かざしセンサの操作の指示を終了する(ステップB345)。
【0241】
次いで、前述のセンサ演出設定処理(図23)で有効に変更した、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を無効に変更して(ステップB346)、ステップB343で実行した、センサ検出報知演出を終了する(ステップB347)。なお、当該センサ演出実行処理2を行う場合、前述のセンサ演出設定処理(図23)で有効に変更する手かざしセンサは、ガラス前操作センサ29のみであってもよい。
【0242】
次いで、最後に遊技者の手等を検出したのは、所定のガラス前操作センサ29であるか否かを判定する(ステップB348)。具体的には、例えば、図27(A)に示す画面を表示する前(或いは、図27(A)に示す画面の表示中であってもよい)にクイズを出題し、そのクイズの正解が表示された領域(正しい領域)が最後に選択されたか否かを判定する。なお、当該センサ演出実行処理2では、当該センサ演出実行処理2の開始から所定時間が経過するまでの間であれば、領域を何度も選択することが可能である。そのため、ステップB348では、最後に選択された領域が正しい領域であるか否かを判定するようになっている。
【0243】
ステップS384で、最後に遊技者の手等を検出したのは、所定のガラス前操作センサ29であると判定した場合(ステップB348;Yes)、すなわち、最後に選択された領域が正しい領域である場合には、大当りへの期待度を報知する演出を実行して(ステップB349)、当該センサ演出実行処理2を終了する。
一方、ステップS384で、最後に遊技者の手等を検出したのは、所定のガラス前操作センサ29でないと判定した場合(ステップB348;No)、すなわち、最後に選択された領域が正しい領域でない場合や、何れの領域も選択されなかった場合には、大当りへの期待度を報知しない演出を実行して(ステップB350)、当該センサ演出実行処理2を終了する。
【0244】
ところで、遊技機10は、センサ演出の実行間隔に応じて演出パターンを決定するための演出テーブルを切り替えるように構成することも可能である。ここで、この場合の一例について、図30及び図31を参照して説明する。
図30は、演出制御装置300が、センサ演出の実行間隔に応じて演出パターンを決定するための演出テーブルを切り替える演出テーブル設定処理について説明するためのフローチャートである。
図31は、遊技者による枠操作センサ26の操作について説明するための図である。
【0245】
〔演出テーブル設定処理〕
図30に示すように、演出テーブル設定処理において、演出制御装置300は、まず、遊技が所定時間(本実施形態では1時間)以上継続しているか否かを判定する(ステップC1)。具体的には、変動表示ゲームの実行や、操作部24の操作などが検出されれば、遊技継続と判定する。
【0246】
ステップC1で、遊技が所定時間以上継続していないと判定した場合(ステップC1;No)には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして演出テーブルAを設定する(ステップC4)。
一方、ステップC1で、遊技が所定時間以上継続していると判定した場合(ステップC1;Yes)には、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数(本実施形態では100回)以上を経過したか否かを判定する(ステップC2)。
【0247】
ステップC2で、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数以上を経過していないと判定した場合(ステップC2;No)には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして演出テーブルAを設定する(ステップC4)。
一方、ステップC2で、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数以上を経過したと判定した場合(ステップC2;Yes)には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして、演出テーブルAよりもセンサ演出の出現率が高い演出テーブルBを設定して(ステップC3)、当該演出テーブル設定処理を終了する。
【0248】
これにより、遊技者が長時間同じ姿勢でいる場合には、演出テーブルとして、センサ演出(好ましくは枠操作センサ26用のセンサ演出)の出現率が高い演出テーブルBが設定される。例えば、センサ演出によって、遊技領域32の上方左側や上方右側に配設されている枠操作センサ26を操作する場合、遊技者は、図31(A)に示すように腕を高く上げたり、図31(B)に示すように立ち上がったりする必要がある。すなわち、遊技機10は、センサ演出(特に、枠操作センサ26用のセンサ演出)によって、遊技者に様々な姿勢をとるよう促すことができる。したがって、遊技者が長時間同じ姿勢でいる場合には、演出テーブルとして演出テーブルBが設定されてセンサ演出の出現率が高められるので、遊技者は、遊技を楽しみながら、リフレッシュしたり健康保持・増進したりすることが可能となるとともに、エコノミー症候群(エコノミークラス症候群)や肩こりなどの予防・解消も可能となる。
【0249】
なお、本実施形態では、ステップC2で、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数以上を経過したと判定した場合(ステップC2;Yes)には、演出パターンを決定するための演出テーブルとして演出テーブルBを設定する(ステップC3)ように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、ステップC2で、前回(最新)のセンサ演出の実行後に行った特図変動表示ゲームの実行回数が規定回数以上を経過したと判定した場合(ステップC2;Yes)には、当該前回(最新)のセンサ演出において手かざしセンサが遊技者の手等を検出したか否かを判定し、検出していないと判定した場合は、演出テーブルBを設定し(ステップC3)、検出したと判定した場合は、演出テーブルAを設定する(ステップC4)ように構成することも可能である。このように構成することで、センサ演出が出現したにもかかわらず手かざしセンサを全く操作しない遊技者に対してセンサ演出の出現率を高めることができるので、当該遊技者のセンサ演出への参加意欲を掻き立てることが可能となる。
【0250】
また、遊技機10は、隣に設置されている遊技機10が備える手かざしセンサも利用したセンサ演出を行うように構成することも可能である。ここで、この場合の一例について、図32及び図33を参照して説明する。
図32は、当該遊技機10(遊技機A)と、その隣に設置されている遊技機10(遊技機B及び遊技機C)と、について説明するための図である。
図33は、演出制御装置300が、隣に設置されている遊技機10が備える手かざしセンサも利用したセンサ演出を行う場合に、図23のセンサ演出設定処理の代わりに実行されるセンサ演出設定処理2について説明するためのフローチャートである。
【0251】
〔センサ演出設定処理2〕
図33に示すように、センサ演出設定処理2において、演出制御装置300は、まず、演出を設定する処理を行うために遊技制御装置100から送信される情報として、センサ演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB11)。
【0252】
ステップB11で、センサ演出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB11;No)には、当該センサ演出設定処理2を終了する。
一方、ステップB11で、センサ演出コマンドを受信したと判定した場合(ステップB11;Yes)には、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300Bとの間で通信を行うとともに、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300Cとの間で通信を行って、隣に設置されている遊技機10のうち少なくとも1つが空き台であるか否かを判定する(ステップB12)。
【0253】
ステップB12で、隣に設置されている遊技機10のうち少なくとも1つが空き台でないと判定した場合(ステップB12;No)、すなわち、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)も、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)も空き台でない場合には、センサ検出範囲1の手かざしセンサを有効に変更する(ステップB13)。すなわち、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを有効に変更する。
そして、前述のセンサ演出実行処理(図24)(或いは、前述のセンサ演出実行処理2(図28)であってもよい)を行って(ステップB14)、当該センサ演出設定処理2を終了する。
【0254】
また、ステップB12で、隣に設置されている遊技機10のうち少なくとも1つが空き台であると判定した場合(ステップB12;Yes)、すなわち、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)および/または右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が空き台である場合には、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)との両方が空き台であるか否かを判定する(ステップB15)。
【0255】
ステップB15で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)との両方が空き台であると判定した場合(ステップB15;Yes)には、センサ検出範囲2の手かざしセンサを有効に変更する(ステップB16)。すなわち、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを有効に変更するとともに、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサを有効にするコマンドと、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサを有効にするコマンドと、を準備する。
【0256】
次いで、準備した手かざしセンサを有効にするコマンドを、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300Bと、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300Cと、の双方に送信する(ステップB17)。これにより、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)と、の双方において、手かざしセンサが有効に変更される。
そして、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を行って(ステップB18)、当該センサ演出設定処理2を終了する。
【0257】
また、ステップB15で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)との両方が空き台でないと判定した場合(ステップB15;No)には、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)のみが空き台であるか否かを判定する(ステップB19)。
【0258】
ステップB19で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)のみが空き台であると判定した場合(ステップB19;Yes)には、センサ検出範囲3の手かざしセンサを有効に変更する(ステップB20)。すなわち、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを有効に変更するとともに、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサを有効にするコマンドを準備する。
【0259】
次いで、準備した手かざしセンサを有効にするコマンドを、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300Bに送信する(ステップB17)。これにより、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)において、手かざしセンサが有効に変更される。
そして、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を行って(ステップB18)、当該センサ演出設定処理2を終了する。
【0260】
また、ステップB19で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)のみが空き台でないと判定した場合(ステップB19;Yes)、すなわち、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)のみが空き台である場合には、センサ検出範囲4の手かざしセンサを有効に変更する(ステップB21)。すなわち、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを有効に変更するとともに、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサを有効にするコマンドを準備する。
【0261】
次いで、準備した手かざしセンサを有効にするコマンドを、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300Cに送信する(ステップB17)。これにより、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)において、手かざしセンサが有効に変更される。
そして、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を行って(ステップB18)、当該センサ演出設定処理2を終了する。
【0262】
〔センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)〕
次に、前述のセンサ演出設定処理2(図33)におけるセンサ演出実行処理(サブ基板間通信有)(ステップB18)の詳細について説明する。
【0263】
図34(A)および図34(B)に示すように、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)において、演出制御装置300は、まず、手かざしセンサの操作態様の指示を開始する(ステップB801)。
【0264】
ここで、ステップB801で、表示装置41に、図35に示す「表示例1」が表示されたとする。すなわち、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)における遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)における遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈3〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈5〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈6〉として、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉→センサ〈5〉→センサ〈6〉の順に操作するよう指示する画面が、ステップB801で、表示装置41に表示されたとする。
なお、「表示例1」の画面は、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)と右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)との両方が空き台であると判定した場合(ステップB15;Yes)、或いは、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)のみが空き台であると判定した場合(ステップB19;Yes)に表示可能な画面である。
【0265】
次いで、スイッチ入力回路336からの検出信号に基づいて、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)が遊技者の手等を検出したか否かを判定する(ステップB802)。
【0266】
ステップB802で、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサが遊技者の手等を検出したと判定した場合(ステップB802;Yes)には、ステップB804の処理に移行する。
一方、ステップB802で、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサが遊技者の手等を検出していないと判定した場合(ステップB802;No)には、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300Bや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300Cから、手かざしセンサ検出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB803)。この手かざしセンサ検出コマンドは、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)が遊技者の手等を検出した場合に演出制御装置300Bから送信され、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)が遊技者の手等を検出した場合に演出制御装置300Cから送信される。
【0267】
ステップB803で、手かざしセンサ検出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB803;No)には、ステップB833の処理に移行する。
一方、ステップB803で、手かざしセンサ検出コマンドを受信したと判定した場合(ステップB803;Yes)には、ステップB804の処理に移行する。
【0268】
そして、ステップB804にて、センサ〈1〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB804)。
【0269】
ステップB804で、センサ〈1〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB804;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉であるか否かを判定する(ステップB805)。
【0270】
ステップB805で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉でないと判定した場合(ステップB805;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0271】
一方、ステップB805で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈1〉であると判定した場合(ステップB805;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈1〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈1〉を備える遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300(演出制御装置300B)に送信する(ステップB806)。これにより、センサ〈1〉を備える遊技機10(遊技機B)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈1〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈1〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈1〉検出フラグをONにして(ステップB807)、ステップB833の処理に移行する。
【0272】
なお、センサ〈1〉が、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB806で、遊技者の手等をセンサ〈1〉で検出した旨を報知する演出を実行する。また、センサ〈1〉が、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB806で、遊技者の手等をセンサ〈1〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈1〉を備える遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300C)に送信する。
【0273】
また、ステップB804で、センサ〈1〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB804;Yes)には、センサ〈2〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB808)。
【0274】
ステップB808で、センサ〈2〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB808;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉であるか否かを判定する(ステップB809)。
【0275】
ステップB809で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉でないと判定した場合(ステップB809;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0276】
一方、ステップB809で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈2〉であると判定した場合(ステップB809;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈2〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈2〉を備える遊技機10(遊技機B)の演出制御装置300(演出制御装置300B)に送信する(ステップB810)。これにより、センサ〈2〉を備える遊技機10(遊技機B)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈2〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈2〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈2〉検出フラグをONにして(ステップB811)、ステップB833の処理に移行する。
【0277】
なお、センサ〈2〉が、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB810で、遊技者の手等をセンサ〈2〉で検出した旨を報知する演出を実行する。また、センサ〈2〉が、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB810で、遊技者の手等をセンサ〈2〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈2〉を備える遊技機10(遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300C)に送信する。
【0278】
また、ステップB808で、センサ〈2〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB808;Yes)には、センサ〈3〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB812)。
【0279】
ステップB812で、センサ〈3〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB812;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉であるか否かを判定する(ステップB813)。
【0280】
ステップB813で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉でないと判定した場合(ステップB813;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0281】
一方、ステップB813で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈3〉であると判定した場合(ステップB813;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈3〉で検出した旨を報知する演出を実行する(ステップB814)。これにより、センサ〈3〉を備える遊技機10(遊技機A)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈3〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈3〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈3〉検出フラグをONにして(ステップB815)、ステップB833の処理に移行する。
【0282】
なお、センサ〈3〉が、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサのうちの何れかや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB814で、遊技者の手等をセンサ〈3〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈3〉を備える遊技機10(遊技機B又は遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300B又は演出制御装置300C)に送信する。
【0283】
また、ステップB812で、センサ〈3〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB812;Yes)には、センサ〈4〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB816)。
【0284】
ステップB816で、センサ〈4〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB816;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉であるか否かを判定する(ステップB817)。
【0285】
ステップB817で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉でないと判定した場合(ステップB817;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0286】
一方、ステップB817で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈4〉であると判定した場合(ステップB817;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈4〉で検出した旨を報知する演出を実行する(ステップB818)。これにより、センサ〈4〉を備える遊技機10(遊技機A)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈4〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈4〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈4〉検出フラグをONにして(ステップB819)、ステップB833の処理に移行する。
【0287】
なお、センサ〈4〉が、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサのうちの何れかや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB818で、遊技者の手等をセンサ〈4〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈4〉を備える遊技機10(遊技機B又は遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300B又は演出制御装置300C)に送信する。
【0288】
また、ステップB816で、センサ〈4〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB816;Yes)には、センサ〈5〉検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップB820)。
【0289】
ステップB820で、センサ〈5〉検出フラグがONでないと判定した場合(ステップB820;No)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈5〉であるか否かを判定する(ステップB821)。
【0290】
ステップB821で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈5〉でないと判定した場合(ステップB821;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0291】
一方、ステップB821で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈5〉であると判定した場合(ステップB821;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈5〉で検出した旨を報知する演出を実行する(ステップB822)。これにより、センサ〈5〉を備える遊技機10(遊技機A)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈5〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈5〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。そして、センサ〈5〉検出フラグをONにして(ステップB823)、ステップB833の処理に移行する。
【0292】
なお、センサ〈5〉が、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサのうちの何れかや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB822で、遊技者の手等をセンサ〈5〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈5〉を備える遊技機10(遊技機B又は遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300B又は演出制御装置300C)に送信する。
【0293】
そして、ステップB833にて、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップB833)。
【0294】
ステップB833で、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の開始から所定時間が経過していないと判定した場合(ステップB833;No)には、ステップB802の処理に移行する。
一方、ステップB833で、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)の開始から所定時間が経過したと判定した場合(ステップB833;Yes)には、ステップB801で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する(ステップB834)。
【0295】
次いで、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で有効に変更した、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを無効に変更するとともに、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で手かざしセンサを有効にするコマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、手かざしセンサを無効にするコマンドを送信する(ステップB835)。そして、手かざしセンサを無効にするコマンドが送信された場合、当該コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、手かざしセンサが無効に変更される。
【0296】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でONした、センサ検出フラグを全てOFFする(ステップB836)。
【0297】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)で実行した、センサ検出報知演出を終了するとともに、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でセンサ検出報知演出を実行するよう指示する実行コマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドを送信する(ステップB837)。そして、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドが送信された場合、当該終了コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、センサ検出報知演出が終了される。
【0298】
次いで、大当りへの期待度を報知しない演出を実行して(ステップB838)、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を終了する。
【0299】
また、ステップB820で、センサ〈5〉検出フラグがONであると判定した場合(ステップB820;Yes)には、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈6〉であるか否かを判定する(ステップB824)。
【0300】
ステップB824で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈6〉でないと判定した場合(ステップB824;No)には、ステップB839の処理に移行する。
【0301】
そして、ステップB839にて、手かざしセンサを再操作する旨の指示を表示する(ステップB839)。
【0302】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)で実行した、センサ検出報知演出を終了するとともに、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でセンサ検出報知演出を実行するよう指示する実行コマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドを送信する(ステップB840)。そして、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドが送信された場合、当該終了コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、センサ検出報知演出が終了される。
【0303】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でONした、センサ検出フラグを全てOFFにして(ステップB841)、ステップB802の処理に移行する。
【0304】
また、ステップB824で、遊技者の手等を検出したのはセンサ〈6〉であると判定した場合(ステップB824;Yes)には、遊技者の手等をセンサ〈6〉で検出した旨を報知する演出を実行する(ステップB825)。これにより、センサ〈6〉を備える遊技機10(遊技機A)において、遊技者の手等を検出したセンサに対応する発光部材(具体的には、例えば、図29(A)に示す枠ランプ17a〜17dのうちセンサ〈6〉に対応する枠ランプ)の発光態様を変更したり、遊技者の手等を検出したセンサに対応する可動役物(具体的には、例えば、図29(B)に示す可動役物44a〜44dのうちセンサ〈6〉に対応する可動役物)の動作態様を変更したりすること等の演出が行われる。
【0305】
なお、センサ〈6〉が、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)が備える手かざしセンサのうちの何れかや、右隣に設置されている遊技機10(遊技機C)が備える手かざしセンサのうちの何れかである場合には、ステップB825で、遊技者の手等をセンサ〈6〉で検出した旨を報知する演出を実行するよう指示する実行コマンドを、センサ〈6〉を備える遊技機10(遊技機B又は遊技機C)の演出制御装置300(演出制御装置300B又は演出制御装置300C)に送信する。
【0306】
次いで、ステップB801で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了する(ステップB826)。
【0307】
次いで、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で有効に変更した、当該遊技機10(遊技機A)が備える手かざしセンサを無効に変更するとともに、前述のセンサ演出設定処理2(図33)で手かざしセンサを有効にするコマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、手かざしセンサを無効にするコマンドを送信する(ステップB827)。そして、手かざしセンサを無効にするコマンドが送信された場合、当該コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、手かざしセンサが無効に変更される。
【0308】
次いで、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でONした、センサ検出フラグを全てOFFにする(ステップB828)。
【0309】
次いで、手かざしセンサが正しい操作順に操作された際、すなわち、手かざしセンサの操作が成功した際に行う演出を実行して(ステップB829)、大当りへの期待度を報知するタイミングであるか否かを判定する(ステップB830)。
【0310】
ステップB830で、大当りへの期待度を報知するタイミングでないと判定した場合(ステップB830;No)には、ステップB830の処理を繰り返し行う。
一方、ステップB830で、大当りへの期待度を報知するタイミングであると判定した場合(ステップB830;Yes)には、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)で実行した、センサ検出報知演出を終了するとともに、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)でセンサ検出報知演出を実行するよう指示する実行コマンドを送信した場合は、そのコマンドの送信先(遊技機Bおよび/または遊技機C)に、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドを送信する(ステップB831)。そして、センサ検出報知演出を終了するよう指示する終了コマンドが送信された場合、当該終了コマンドを受信した遊技機10(遊技機Bおよび/または遊技機C)において、センサ検出報知演出が終了される。
【0311】
次いで、大当りへの期待度を報知する演出を実行して(ステップB832)、当該センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)を終了する。
【0312】
なお、本実施形態では、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)のステップB801で、表示装置41に、図35に示す「表示例1」が表示された場合について説明したが、「表示例1」と同様の操作軌跡で遊技者に手かざしセンサを操作させる場合、図35に示す「表示例2」等を表示装置41に表示することも可能である。
無論、センサ演出実行処理(サブ基板間通信有)において、正しい操作順(正しい操作軌跡)は、「表示例1」と同様の操作軌跡に限定されるものではなく、操作軌跡は適宜設定可能である。
【0313】
「表示例2」が表示された場合は、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)における遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈1〉、左隣に設置されている遊技機10(遊技機B)における遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈2〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の上方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈3〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の上方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈4〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32前方の検出空間の略中央部に遊技者の手等がかざされたことを検出するガラス前操作センサ29をセンサ〈5〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の下方左側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈6〉、当該遊技機10(遊技機A)における遊技領域32の下方右側に設けられた枠操作センサ26をセンサ〈7〉として、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に、センサ〈1〉→センサ〈2〉→センサ〈3〉→センサ〈4〉→センサ〈5〉→センサ〈6〉→センサ〈7〉の順に操作されると、大当りへの期待度を報知する演出が実行される。
【0314】
このように、隣に設置されている遊技機10が備える手かざしセンサも利用したセンサ演出を行うように構成することで、より広範囲での遊技者の操作が可能となり、演出の幅も広がるので、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者は、より広範囲での操作を行うことで、遊技を楽しみながら、より効果的に、リフレッシュしたり健康保持・増進したりすることが可能となるとともに、エコノミー症候群(エコノミークラス症候群)や肩こりなどの予防・解消も可能となる。
【0315】
〔役物センサ演出設定処理〕
次に、図21に示す演出制御装置300のメイン処理におけるゲーム管理処理(ステップS104)で行われる役物センサ演出設定処理について、図36のフローチャートを参照して説明する。
なお、本実施形態では、役物センサ演出として、遊技者によるガラス前操作センサ29の操作を反映する演出について説明するが、役物センサ演出はこれに限定されるものではない。役物センサ演出は、遊技者による枠操作センサ26の操作を反映する演出として構成することも可能であるし、遊技者による枠操作センサ26及びガラス前操作センサ29の操作を反映する演出として構成することも可能である。
【0316】
図36に示すように、役物センサ演出設定処理において、演出制御装置300は、まず、演出を設定する処理を行うために遊技制御装置100から送信される情報として、役物センサ演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップD1)。
【0317】
ステップD1で、役物センサ演出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップD1;No)には、当該役物センサ演出設定処理を終了する。
一方、ステップD1で、遊技制御装置100から役物センサ演出コマンドを受信したと判定した場合(ステップD1;Yes)には、手かざしセンサ(枠操作センサ26やガラス前操作センサ29)を有効に変更する(ステップD2)。なお、本実施形態における役物センサ演出設定処理の場合、有効に変更する手かざしセンサは、ガラス前操作センサ29のみであってもよい。
そして、役物センサ演出実行処理を行って(ステップD3)、当該役物センサ演出設定処理を終了する。
【0318】
〔役物センサ演出実行処理〕
次に、前述の役物センサ演出設定処理(図36)における役物センサ演出実行処理(ステップD3)の詳細について説明する。
なお、本実施形態では、演出制御装置300が図38に示す動作パターンテーブルを記憶していることとして説明するが、演出制御装置300が記憶している動作パターンテーブルの内容は、図38に示す内容に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
【0319】
図37に示すように、役物センサ演出実行処理において、演出制御装置300は、まず、手かざしセンサの操作態様の指示を開始する(ステップD301)。
【0320】
次いで、スイッチ入力回路336からの検出信号に基づいて、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出したか否かを判定する(ステップD302)。
【0321】
ステップD302で、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出していないと判定した場合(ステップD302;No)には、ステップD311の処理に移行する。
一方、ステップD302で、手かざしセンサであるガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出したと判定した場合(ステップD302;Yes)には、記憶している選択動作パターンを参照して、遊技者の操作態様がレベル1であるか否かを判定する(ステップD303)。具体的には、図38に示すように、遊技者による遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を左右(或いは、上下等であってもよい)に動かす速度(以下「手かざし速度」という。)が1回以下/秒であるか否かを判定する。
【0322】
ステップD303で、遊技者の操作態様がレベル1であると判定した場合(ステップD303;Yes)、すなわち、手かざし速度が1回以下/秒である場合には、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を動かしていないと判断して、役物動作パターン1を設定し(ステップD304)、ステップD311の処理に移行する。このように役物動作パターン1が設定されると、図38に示すように、可動役物44aが停止状態に切り替わり(或いは、停止状態のままとなる)とともに、送風装置46が停止状態に切り替わる(或いは、停止状態のままとなる)。また、表示装置41に役物動作パターン1用の画面(例えば、画面上のうちわや花がほとんど動かない画面)が表示される。
【0323】
一方、ステップD303で、遊技者の操作態様がレベル1でないと判定した場合(ステップD303;No)、すなわち、手かざし速度が1回以下/秒でない場合には、遊技者の操作態様がレベル2であるか否かを判定する(ステップD305)。具体的には、図38に示すように、手かざし速度が3回以下/秒であるか否かを判定する。
【0324】
ステップD305で、遊技者の操作態様がレベル2であると判定した場合(ステップD305;Yes)、すなわち、手かざし速度が3回以下/秒である場合には、役物動作パターン2を設定し(ステップD306)、ステップD311の処理に移行する。このように役物動作パターン2が設定されると、図38に示すように、可動役物44aが低速で作動する低速状態に切り替わる(或いは、低速状態のままとなる)とともに、送風装置46が微風を吹き送る微風状態に切り替わる(或いは、微風状態のままとなる)。また、表示装置41に役物動作パターン2用の画面(例えば、画面上のうちわや花が動いている画面)が表示される。
【0325】
一方、ステップD305で、遊技者の操作態様がレベル2でないと判定した場合(ステップD305;No)、すなわち、手かざし速度が3回以下/秒でない場合には、遊技者の操作態様がレベル3であるか否かを判定する(ステップD307)。具体的には、図38に示すように、手かざし速度が5回以下/秒であるか否かを判定する。
【0326】
ステップD307で、遊技者の操作態様がレベル3であると判定した場合(ステップD307;Yes)、すなわち、手かざし速度が5回以下/秒である場合には、役物動作パターン3を設定し(ステップD308)、ステップD311の処理に移行する。このように役物動作パターン3が設定されると、図38に示すように、可動役物44aが低速状態よりも速く作動する中速状態に切り替わる(或いは、中速状態のままとなる)とともに、送風装置46が微風状態よりも強く風を吹き送る送風状態に切り替わる(或いは、送風状態のままとなる)。また、表示装置41に役物動作パターン3用の画面(例えば、役物動作パターン2用の画面よりも画面上のうちわや花が速く動いている画面)が表示される。
【0327】
一方、ステップD307で、遊技者の操作態様がレベル3でないと判定した場合(ステップD307;No)には、遊技者の操作態様がレベル4であると判定して(ステップD309)、役物作動パターン4を設定し(ステップD310)、ステップD311の処理に移行する。このように役物作動パターン4が設定されると、図38に示すように、可動役物44aが中速状態よりも速く作動する高速状態に切り替わる(或いは、高速状態のままとなる)とともに、送風装置46が送風状態よりも強く風を吹き送る強風状態に切り替わる(或いは、強風状態のままとなる)。また、表示装置41に役物動作パターン4用の画面(例えば、役物動作パターン3用の画面よりも画面上のうちわや花が速く動いている画面)が表示される。
【0328】
そして、ステップD311にて、当該役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップD311)。
【0329】
ステップD311で、当該役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過していないと判定した場合(ステップD311;No)には、ステップD302の処理に移行する。したがって、当該役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過する前に、遊技者の操作態様が変化すると、他の役物作動パターンが設定されて、可動役物44aの動作態様、送風装置46の送風態様、表示装置41の表示内容等が変更される。
【0330】
一方、ステップD311で、当該役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過したと判定した場合(ステップD311;Yes)には、ステップD301で開始した、手かざしセンサの操作態様の指示を終了し(ステップD312)、前述の役物センサ演出設定処理(図36)で有効に変更した、手かざしセンサを無効に変更して(ステップD313)、当該役物センサ演出実行処理を終了する。
【0331】
このように、役物センサ演出においては、図39(A)に示すように、遊技領域32前方の検出空間にかざした遊技者の手等の動きが遅い場合には、可動役物44aがゆっくりと作動するとともに、送風装置46が弱い風を吹き送るように構成されている。一方、図39(B)に示すように、遊技領域32前方の検出空間にかざした遊技者が手等の動きが速い場合には、可動役物44aがすばやく作動するとともに、送風装置46が強い風を吹き送るように構成されている。
すなわち、演出制御装置300は、操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定する操作態様判定手段として機能する。そして、役物制御手段として機能する演出制御装置300は、操作検出手段の検出態様を判定した結果に応じて、可動役物44aの動作態様を変更可能となるように構成されている。具体的には、演出制御装置300は、可動役物44aの動作態様として、可動役物44aの可動量および/または可動速度の異なる複数種類の動作態様を有し、操作検出手段の検出態様を判定した結果に応じて複数種類の動作態様の中から何れかを選択し、当該選択した動作態様に基づいて可動役物44aの可動量および/または可動速度を調整可能となるように構成されている。
【0332】
なお、本実施形態の場合、ガラス前操作センサ29で遊技者の手等を検出できるのであれば、遊技者は手等を、図39(A)に示すように、表示装置41の表示画面にかざした状態で動かしてもよいし、図39(B)に示すように、可動役物44aにかざした状態で動かしてもよい。
【0333】
次に、本実施形態において実行される上述の役物センサ演出の概要について、図40や図41を用いて説明する。
図40や図41は、役物センサ演出を実行する時の演出表示の一例を示す図である。
【0334】
役物センサ演出は、例えば、図40に示すように、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームが特別結果態様以外の結果態様で仮停止した場合に、その仮停止後の再変動時に行う確率変動の昇格演出に用いることができる。
【0335】
具体的には、例えば、まず、特図変動表示ゲームが開始される。そして、遊技制御装置100から役物センサ演出コマンドを受信している場合は、所定のタイミングで、手かざしセンサが有効に変更される。
次いで、役物センサ演出実行処理が開始されて、図40(A)に示すように、手かざしセンサの操作態様を指示する画面が表示装置41に表示される。
【0336】
次いで、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を画面上の風船を吹き飛ばすように動かすと、図40(B)に示すように、風船を吹き飛ばすためにうちわで扇いでいる画面が表示装置41に表示される。また、可動役物44aが作動して回転するとともに、図示は省略するが送風装置46から風が吹き送られる。
【0337】
さらに、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等をより速く動かすと、図40(C)に示すように、風船を吹き飛ばすためにうちわで勢いよく扇いでいる画面が表示装置41に表示される。また、可動役物44aがよりすばやく回転するとともに、図示は省略するが送風装置46からより強い風が吹き送られる。
【0338】
その後、役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過して、当該特図変動表示ゲームの終了後に確変状態に昇格するか否かを報知するタイミングになると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されるとともに、手かざしセンサが無効に変更される。そして、確変状態に昇格するか否かを報知する演出が実行されて、確変状態に昇格する場合には図40(D)に示すような画面が表示装置41に表示され、確変状態に昇格しない場合には図40(D)に示すような画面が表示装置41に表示される。
【0339】
一方、手かざしセンサが全く操作されない場合、すなわち、遊技者が遊技領域32前方の検出空間に手等を全くかざさない場合(本実施形態においては、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を動かさない場合(操作態様がレベル1の場合)も含む)には、表示装置41に表示されている画面が図40(A)に示すような画面のまま切り替わらず、また、可動役物44aや送風装置46が停止状態のまま切り替わらない。その状態のまま、役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過すると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されるとともに、手かざしセンサが無効に変更される。そして、当該特図変動表示ゲームが、当該特図変動表示ゲームの終了後に確変状態に昇格するゲームである場合には、いわゆる潜伏確変状態となり、潜伏確変である高確率状態で遊技が進行する。
【0340】
また、役物センサ演出は、例えば、図41に示すように、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を報知可能な先読みモードが設定されている場合に、先読み結果の報知演出に用いることができる。
【0341】
具体的には、例えば、先読み結果の報知を行わない通常モードが設定されている状態で、特図変動表示ゲームが開始されると、図41(A)に示すように、保留記憶のアイコンがベルで表されている画面が表示装置41に表示される。
次いで、遊技制御装置100から役物センサ演出コマンドを受信している場合は、所定のタイミングで、通常モードから先読みモードに切り替わり、図41(B)に示すように、保留記憶のアイコンが風船に切り替わり、手かざしセンサが有効に変更される。
【0342】
次いで、役物センサ演出実行処理が開始されて、遊技者が遊技領域32前方の検出空間に手等をかざして動かすと、図41(C)に示すように、風船を吹き飛ばすためにうちわで扇いでいる画面が表示装置41に表示される。また、可動役物44aが作動するとともに、図示は省略するが送風装置46から風が吹き送られる。
【0343】
その後、役物センサ演出実行処理の開始から所定時間が経過して、先読み結果を報知するタイミングになると、手かざしセンサの操作態様の指示が終了されるとともに、手かざしセンサが無効に変更される。そして、先読み結果を報知する演出が実行されて、先読み結果を報知する条件を満たしている場合(例えば、遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を動かした回数が所定回数以上に達した場合)には図41(D)に示すように、先読み結果を報知する画面が表示装置41に表示される。また、先読み結果を報知する条件を満たしていない場合(例えば、遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を動かした回数が所定回数以上に達していない場合や、遊技者が遊技領域32前方の検出空間に手等を全くかざさない場合)には図41(B)に示すような画面を表示装置41に再度表示する。
【0344】
また、遊技機10は、可動役物として、風車型の可動役物44aだけでなく、例えば、のれん型の可動役物44eを備えるように構成することも可能である。ここで、この場合の一例について、図42を参照して説明する。
図42は、遊技者によるガラス前操作センサ29の操作について説明するための図である。
【0345】
本実施形態において、のれん型の可動役物44eは、図42(A)に示すように、表示装置41に表示されている3つの飾り特別図柄をそれぞれ遮蔽するように3つ備えられている。
なお、表示装置41に表示されている飾り特別図柄(変動表示中の飾り特別図柄や停止表示中の飾り特別図柄)がのれん型の可動役物44eで遮蔽されている場合、遊技者は、当該飾り特別図柄を真正面からは見ることができない。しかしながら、のれん型の可動役物44eは、当該のれん型の可動役物44eのうち飾り特別図柄を遮蔽する部分が、カバーガラス14前面から離間しているので、遊技者は、当該飾り特別図柄を、のれん型の可動役物44eのうち飾り特別図柄を遮蔽する部分とカバーガラス14前面との間の隙間から覗き見ることができるようになっている。
【0346】
遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等をのれん型の可動役物44eを巻き上げるように動かすと、図42(B)に示すように、のれん型の可動役物44eを巻き上げるためにうちわで扇いでいる画面が表示装置41に表示されるとともに、のれん型の可動役物44eが巻き上がる。また、可動役物44aが作動して回転するとともに、図示は省略するが送風装置46から風が吹き送られる。
【0347】
遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等をより速く動かすと、図42(C)に示すように、のれん型の可動役物44eを巻き上げるためにうちわで勢いよく扇いでいる画面が表示装置41に表示されるとともに、のれん型の可動役物44eがよりすばやく巻き上がる。また、風車型の可動役物44aがすばやく回転するとともに、図示は省略するが送風装置46からより強い風が吹き送られる。
【0348】
このように、風車型の可動役物44aやのれん型の可動役物44eといった多種の可動役物を備えることで、遊技者に様々な操作を行わせることが可能となり、演出の幅も広がるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、遊技者によるのれん型の可動役物44eを巻き上げる操作をガラス前操作センサ29で検出するように構成したが、これに限定されるものではなく、のれん型の可動役物44eを巻き上げる操作は、枠操作センサ26で検出するように構成することも可能であるし、枠操作センサ26とガラス前操作センサ29との双方で検出するように構成することも可能である。
【0349】
以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、遊技領域32を覆う前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)を前方に備え、表示装置41と、当該表示装置41の表示内容を制御する表示制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機10において、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)に設けられ、遊技機10前方のうち遊技領域32よりも広い領域における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段(複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29)と、操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、操作態様判定手段により操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定された場合に、表示装置41の表示内容を変更可能となるように構成されている。
【0350】
すなわち、遊技領域32よりも広い領域における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段(複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29)を備えているので、遊技領域32前方だけに留まらない広範囲での遊技者の操作が可能となり、遊技の興趣を十分に高めることができる。
【0351】
なお、上記実施形態では、開閉枠12とガラス枠15との双方に枠操作センサ26を設けることとしたが、これに限定されるものではなく、枠操作センサ26は、遊技領域32よりも外側に設けられているのであれば、開閉枠12のみに設けるように構成することも可能であるし、ガラス枠15のみに設けるように構成することも可能である。すなわち、本発明でいう「前面枠」は、開閉枠12とガラス枠15との双方であってもよいし、開閉枠12のみであってもよいし、ガラス枠15のみであってもよい。
【0352】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、操作検出手段は、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)の前面に設けられ、遊技機10前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段(枠操作センサ26)を備え、操作態様判定手段(演出制御装置300)は、複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定し、当該判定した操作軌跡が所定の操作軌跡と一致する場合に、操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定するように構成されている。
【0353】
すなわち、操作検出手段は、前面枠(開閉枠12、ガラス枠15)の前面に設けられ、遊技機10前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段(枠操作センサ26)を備え、当該複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定するので、遊技者の操作の有無だけでなく、遊技者の操作態様までも検出することができる。また、遊技者の操作態様が正しい場合にのみ表示装置41の表示内容の変更が行われ、遊技者の操作が表示装置41の表示内容(すなわち、表示装置41による演出)に反映されるので、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0354】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、操作検出手段は、遊技領域32の前方周囲に突出している前面枠(ガラス枠15)の内周に設けられ、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段(ガラス前操作センサ29)を備えている。
【0355】
したがって、操作検出手段は、遊技領域32の前方周囲に突出している前面枠(ガラス枠15)の内周に設けられ、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段(ガラス前操作センサ29)を備えているので、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な接近検出手段を遊技領域32内に設ける場合と比較して、遊技領域32の設計の自由度をより高めることが可能となるとともに、遊技領域32前方におけるより広い範囲を操作に使用することが可能となり、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0356】
例えば、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な接近検出手段を、遊技領域32内に設ける場合、接近検出手段を遊技領域32内に設ける分、遊技領域32の設計の自由度が制限される。また、この場合、検出可能範囲が接近検出手段の前方だけなので、操作に使用できる範囲が、遊技領域32前方のうち接近検出手段の前方のみに限られてしまう。一方、接近検出手段を遊技領域32内に複数設ければ、遊技領域32前方におけるより広い範囲を操作に使用できるが、遊技領域32内に設ける接近検出手段の数が増加するほど、遊技領域32の設計の自由度が制限されることになる。
これに対し、本実施形態のように、遊技領域32前方の所定位置への物体の接近を検出可能な第2接近検出手段(ガラス前操作センサ29)を前面枠(ガラス枠15)の内周に設けることで、遊技領域32の設計の自由度をより高めることが可能となるとともに、遊技領域32前方におけるより広い範囲を操作に使用することが可能となる。
【0357】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、装飾報知部材(枠操作センサ26に対応して設けられた枠ランプ17a〜17dや、枠操作センサ26に対応して設けられた可動役物44a〜44d)と、装飾報知部材の演出態様を制御する報知演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、報知演出制御手段は、操作検出手段(本実施形態の場合は複数の枠操作センサ26)により検出された遊技者の操作の動きに対応して装飾報知部材の演出態様を変更可能となるように構成されている。
【0358】
したがって、報知演出制御手段(演出制御装置300)は、操作検出手段(本実施形態の場合は複数の枠操作センサ26)により検出された遊技者の操作の動きに対応して装飾報知部材(枠ランプ17a〜17dや可動役物44a〜44d)の演出態様を変更可能であるので、遊技者の操作がきちんと検出されたかを遊技者が認識し易くなる。
【0359】
なお、上記本実施形態では、枠操作センサ26と装飾報知部材とを対応付けて、枠操作センサ26が遊技者の手等を検出した場合に、当該枠操作センサ26に対応する装飾報知部材の演出態様を変更するように構成したが、これに限定されるものではなく、ガラス前操作センサ29と対応する装飾報知部材を設けて、ガラス前操作センサ29が遊技者の手等を検出した場合に、当該ガラス前操作センサ29に対応する装飾報知部材の演出態様を変更するように構成することも可能である。
【0360】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、停止状態と作動状態とに変換可能な可動役物44aと、当該可動役物44aの動作態様を制御する役物制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機10において、遊技機10前方における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)と、操作検出手段の検出態様を判定する操作態様判定手段(演出制御装置300)と、を備え、役物制御手段は、操作態様判定手段の判定結果に応じて、可動役物44aの動作態様を変更可能となるように構成されている。
【0361】
したがって、操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定した結果に応じて可動役物44aの動作態様を変更可能であり、遊技者の操作態様が可動役物44aの動作態様(すなわち、可動役物44aによる演出)に反映されるので、遊技者の興趣を十分に高めることができる。
【0362】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、変動表示ゲームを表示可能な表示装置41と、当該表示装置41の表示内容を制御する表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、操作態様判定手段(演出制御装置300)の判定結果に応じて、変動表示ゲームの停止結果態様が予め定められた特別結果態様(当りの結果態様)となる期待度を報知可能となるように構成されている。
【0363】
したがって、操作検出手段(複数の枠操作センサ26および/または複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定した結果に応じて変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となる期待度を報知可能であり、遊技者の操作態様が大当りへの期待度の報知演出に反映されるので、遊技者の興趣を一層高めることができる。
【0364】
なお、本発明でいう「表示装置」は、表示装置41のみであってもよいし、一括表示装置50のみであってもよいし、表示装置41と一括表示装置50との双方であってもよい。
【0365】
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、役物制御手段(演出制御装置300)は、可動役物44aの動作態様として、可動役物44aの可動量および/または可動速度の異なる複数種類の動作態様を有し、操作態様判定手段(演出制御装置300)の判定結果に応じて複数種類の動作態様の中から何れかを選択し、当該選択した動作態様に基づいて可動役物44aの可動量および/または可動速度を調整可能となるように構成されている。
【0366】
したがって、操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定した結果に応じて可動役物44aの可動量および/または可動速度を調整可能であり、遊技者の操作態様が可動役物44aの動き方に反映されるので、遊技に関与しているという感覚を遊技者に与えることができ、遊技者の興趣を一層高めることができる。
【0367】
なお、上記実施形態では、役物センサ演出において、ガラス前操作センサ29の検出態様を判定した結果に応じて可動役物44aの動作態様、送風装置46の送風態様、表示装置41の表示内容等を変更可能に構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、枠操作センサ26の検出態様を判定した結果に応じて可動役物44aの動作態様、送風装置46の送風態様、表示装置41の表示内容等を変更可能に構成することも可能である。
具体的には、例えば、図45に示す変形例1の遊技機10のように、手かざしセンサが正しい操作順に操作された場合に各枠操作センサ26による検出の間隔を測定し、その測定した検出間隔に応じて、可動役物の動作態様を変更するように(例えば、測定した検出間隔が短いほど可動役物44aがすばやく作動して回転するように)構成したり、その測定した検出間隔に応じて、送風装置46の送風態様や表示装置41の表示内容などを変更するように構成したりすることも可能である。
【0368】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第2実施形態の遊技機10においては、封入球式の役物装置を備えている点が、第1実施形態の遊技機10と異なる。したがって、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0369】
まず、図43を用いて第2実施形態の遊技機10が備える遊技盤30の一例について説明する。
図43は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0370】
本実施形態において、センターケース40における表示装置41の近傍には、風車型の可動役物44aが設けられているとともに、封入球Bを有する役物装置44fが設けられている。
すなわち、本実施形態の遊技機10は、盤演出装置44として、可動役物44a等に加えて、封入球Bを有する役物装置44fを備えている。
【0371】
この役物装置44fを用いた役物センサ演出は、例えば、潜伏時(潜伏確変状態時)に、現在の確率状態を報知する演出に用いることができる。
【0372】
具体的には、封入球Bを有する役物装置44fが、例えば、図44(A)に示すような、遊技者の操作に合わせて流路変換部材44f1が回動する装置である場合、すなわち、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を右に動かすと、流路変換部材44f1が右に回動し、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を左に動かすと、流路変換部材44f1が左に回動する装置である場合、流下してくる見せ球(封入球B)が、ラッキーエリアA及びラッキーエリアBのうちの何れか一方に入賞すると、現在の確率状態を報知する演出を行うように構成することができる。
【0373】
また、封入球Bを有する役物装置44fが、例えば、図44(B)に示すような、遊技者の操作に合わせてラッキーエリア44f2が移動する装置である場合、すなわち、遊技者が遊技領域32前方の検出空間にかざした手等を右に動かすと、ラッキーエリア44f2が右に移動し、遊技者がカバーガラス14前方の検出空間にかざした手等を左に動かすと、ラッキーエリア44f2が左に移動する装置である場合、流下してくる見せ球(封入球B)が、ラッキーエリア44f2に入賞すると、現在の確率状態を報知する演出を行うように構成することができる。
【0374】
以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、封入球Bを有する役物装置44fと、当該役物装置44fの動作態様を制御する役物制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機10において、遊技機10前方における遊技者の操作の動きを検出可能な操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)と、操作検出手段の検出態様を判定する操作態様判定手段(演出制御装置300)と、を備え、役物制御手段は、操作態様判定手段の判定結果に応じて、役物装置44fの動作態様を変更可能となるように構成されている。
【0375】
すなわち、封入球Bを有する役物装置44fを備えているので、封入球Bによる転動演出(見せ球演出)を行うことが可能となる。
また、操作検出手段(本実施形態の場合は複数のガラス前操作センサ29)の検出態様を判定した結果に応じて役物装置44fの動作態様を変更可能である。具体的には、例えば、検出態様を判定した結果に応じて、封入球Bの転動方向(流路変換部材44f1の回動方向)や、ラッキーエリア44f2の位置を変更可能であり、遊技者の操作態様が役物装置44fの動作態様(すなわち、役物装置44fによる演出)に反映されるので、遊技者の興趣を十分に高めることができる。
【0376】
なお、上記実施形態では、ガラス前操作センサ29の検出態様を判定した結果に応じて役物装置44fの動作態様を変更可能に構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、枠操作センサ26の検出態様を判定した結果に応じて役物装置44fの動作態様を変更可能に構成することも可能である。
【0377】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0378】
また、上述の実施形態および変形例の構成を組み合わせて適用してもよい。
具体的には、例えば、役物装置44fを用いた役物センサ演出を、所定の条件が成立した場合(例えば、センサ演出の開始から所定時間が経過する前に手かざしセンサが正しい操作順に操作された場合)に実行するように構成することも可能である。
【0379】
例えば、上記実施形態および変形例では、遊技機10に、手かざしセンサとして枠操作センサ26とガラス前操作センサ29との双方を設けたが、これに限定されるものではなく、手かざしセンサは、枠操作センサ26とガラス前操作センサ29とのうちの何れか一方であってもよい。
【0380】
また、上記実施形態および変形例では、遊技機10に送風装置46を設けたが、これに限定されるものではなく、送風装置46は必ずしも設けなくてもよい。
また、送風装置46の送風口等にマイクロアロマ等を備えて、遊技者の操作態様に応じて風とともににおいを発生するように構成することも可能である。
また、送風装置46に加えて、或いは、送風装置46に代えて、遊技者の操作態様に応じて音やにおいを発生する装置を備えるように構成することも可能である。
このように、送風装置46等の、遊技者の操作態様に応じて風や音やにおいを発生する装置を備えることで、遊技者の操作態様が演出内容(表示装置41の表示内容や可動役物44aの動作態様など)に反映されていることを、視覚だけでなく、触覚や聴覚や嗅覚などでも認識させることが可能となるので、遊技者の操作態様が演出内容に反映されていることを遊技者に認識させ易くなる。
【0381】
また、上記実施形態および変形例では、役物センサ演出として、遊技者の操作態様を可動役物44aの動作態様に反映するとともに、遊技者の操作態様を表示装置41の表示内容に反映するように構成したが、これに限定されるものではなく、役物センサ演出の場合、少なくとも遊技者の操作態様が可動役物44aの動作態様に反映されればよい。
【0382】
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0383】
10 遊技機
12 開閉枠(前面枠)
15 ガラス枠(前面枠)
17a,17b,17c,17d 枠ランプ(装飾報知部材)
26 枠操作センサ(操作検出手段、第1接近検出手段)
29 ガラス前操作センサ(操作検出手段、第2接近検出手段)
32 遊技領域
41 表示装置
44a,44b,44c,44d 可動役物(装飾報知部材)
300 演出制御装置(表示制御手段、操作態様判定手段、報知演出制御手段、役物制御手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を覆う前面枠を前方に備え、表示装置と、当該表示装置の表示内容を制御する表示制御手段と、を備える遊技機において、
遊技機前方において遊技者が手をかざす操作の動きを検出可能な操作検出手段と、
前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記操作態様判定手段により前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定された場合に、前記表示装置の表示内容を特定の演出内容へ変更可能であり、
前記操作態様判定手段により前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致しないと判定された場合には、前記表示装置の表示内容を前記特定の演出内容とは異なる演出内容へ変更可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作検出手段は、前記前面枠の前面に設けられ、遊技機前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段を備え、
前記操作態様判定手段は、前記複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定し、当該判定した操作軌跡が所定の操作軌跡と一致する場合に、前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作検出手段は、前記遊技領域の前方周囲に突出している前記前面枠の内周に設けられ、前記遊技領域前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
動作態様を変更可能な可動役物と、当該可動役物の動作態様を制御する役物制御手段と、を備え、
前記操作態様判定手段の判定結果に応じて、前記役物制御手段は前記可動役物の動作態様を前記判定結果に対応する動作態様に変更可能であるとともに、前記表示制御手段は前記表示装置の表示内容を前記判定結果に対応する表示内容に変更可能であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技領域を覆う前面枠を前方に備え、表示装置と、当該表示装置の表示内容を制御する表示制御手段と、を備える遊技機において、
遊技機前方において遊技者が手をかざす操作の動きを検出可能な操作検出手段と、
前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致するか否かを判定する操作態様判定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記操作態様判定手段により前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定された場合に、前記表示装置の表示内容を特定の演出内容へ変更可能であり、
前記操作態様判定手段により前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致しないと判定された場合には、前記表示装置の表示内容を前記特定の演出内容とは異なる演出内容へ変更可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作検出手段は、前記前面枠の前面に設けられ、遊技機前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第1接近検出手段を備え、
前記操作態様判定手段は、前記複数の第1接近検出手段による検出の順番に基づいて遊技者の操作軌跡を判定し、当該判定した操作軌跡が所定の操作軌跡と一致する場合に、前記操作検出手段の検出態様が予め定められた検出態様と一致すると判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作検出手段は、前記遊技領域の前方周囲に突出している前記前面枠の内周に設けられ、前記遊技領域前方の所定位置への物体の接近を検出可能な複数の第2接近検出手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
動作態様を変更可能な可動役物と、当該可動役物の動作態様を制御する役物制御手段と、を備え、
前記操作態様判定手段の判定結果に応じて、前記役物制御手段は前記可動役物の動作態様を前記判定結果に対応する動作態様に変更可能であるとともに、前記表示制御手段は前記表示装置の表示内容を前記判定結果に対応する表示内容に変更可能であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34(A)】
【図34(B)】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34(A)】
【図34(B)】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【公開番号】特開2013−63303(P2013−63303A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−265985(P2012−265985)
【出願日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【分割の表示】特願2011−28101(P2011−28101)の分割
【原出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【分割の表示】特願2011−28101(P2011−28101)の分割
【原出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]