説明

遊技機

【課題】関係者のみが操作ユニットを容易に着脱することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機本体1の前部に、閉状態で所定の解錠操作により解除可能な状態にロックされるガラス扉(扉体)31と操作ユニット54とを備えた遊技機で、操作ユニット54を固定している固定ねじ112の頭部112aを内操作パネルカバー52で覆い、更にその内操作パネルカバー52を固定する固定ねじ64の頭部64aを、ガラス扉31を閉じた状態ではそのガラス扉31によって操作不可能な状態に覆われ、ガラス扉31を開いた状態では操作可能な状態となる位置に配置したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が操作可能な演出用その他の操作手段を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機では、遊技者の遊技への関与意識を高めて興趣を増大させるべく、発射ハンドル等とは別に、チャンスボタンと呼ばれる押しボタンや十字キー等の操作手段を遊技機本体の前側に配置し、遊技者によるそれら操作手段の操作に応じて演出内容を変化させる、いわゆるボタン演出の機能を搭載したものが多くなっている。
【0003】
ところで、このチャンスボタン等の操作手段は、興奮状態の遊技者によって乱暴に操作される場合が多いことなどもあり、故障や破損等の不具合が比較的発生しやすくなっている。従来の遊技機では、チャンスボタン等の操作手段は他の部品、例えば貯留皿ユニット等に組み込まれており、その操作手段のみを着脱することは容易ではなかったため、操作手段に不具合が発生した場合には、操作手段以外の部品も多数搭載されている例えば貯留皿ユニットごと交換するのが通常であった。
【0004】
しかしながら、操作手段の不具合だけで例えば貯留皿ユニットごと交換するのは不経済であるため、例えば特許文献1に記載の弾球遊技機では、操作手段とそれに付随する部品のみをユニット化し、その操作ユニットを貯留皿ユニット等に対して着脱可能に装着することにより、操作手段の交換を低コスト且つ容易に行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−187434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の弾球遊技機では、操作ユニットを遊技機の前側からドライバー一本で簡単に取り外すことができるため、一般の遊技者も悪意があれば操作ユニットを無断で取り外して持ち帰ることも可能であり、そのようないたずらを未然に防止すべく遊技ホール側の監視負担が増加する等の問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、関係者のみが操作ユニットを容易に着脱することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、遊技機本体1の前部に、閉状態で所定の解錠操作により解除可能な状態にロックされる扉体31と、遊技者が操作可能な操作手段79,81を有し且つ着脱可能に装着される操作ユニット54とを備えた遊技機において、前記扉体31を閉じた状態では前記操作ユニット54の前記遊技機本体1への装着状態を解除できず、前記扉体31を開くことによって前記操作ユニット54の前記遊技機本体1への装着状態を解除可能となるように構成されているものである。
【0009】
また、前記遊技機本体1の前部に、前記扉体31と下部構造体32とが上下に隣接して配置されている場合に、前記操作ユニット54を前記下部構造体32上に装着してもよい。
【0010】
また、前記操作ユニット54の前記遊技機本体1からの離脱を阻止する離脱阻止手段52及び/又は前記操作ユニット54を、所定の解除操作部64aを操作することにより解除可能な状態で固定する一又は複数の固定手段64を備え、前記固定手段64のうちの少なくとも一つにおける前記解除操作部64aを、前記扉体31を閉じた状態では所定部位36aによって操作不可能な状態に覆われ、前記扉体31を開いた状態では前記所定部位36aから離れて操作可能な状態となる位置に配置してもよい。
【0011】
また、前記操作ユニット54を所定の解除操作部112aを操作することにより解除可能な状態で固定する一又は複数の操作ユニット固定手段112を備え、前記離脱阻止手段52は、前記操作ユニット固定手段112のうちの少なくとも一つにおける前記解除操作部112aを覆うことにより前記操作ユニット54の離脱を阻止するように構成してもよい。
【0012】
また、前記操作ユニット54は、前記操作手段79,81を備えた複数の個別ユニット88,89と、それら複数の個別ユニット88,89を互いに連結する連結部材90とを備え、前記個別ユニット88,89は前記連結部材90に対して個別に着脱自在に固定してもよい。このとき、前記操作ユニット54を前記遊技機本体1に装着した状態では前記各個別ユニット88,89の前記連結部材90への着脱を行うことができないように構成することが望ましい。また、前記複数の個別ユニット88,89を夫々前記遊技機本体1に固定してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、扉体31の解錠操作を行うことができない一般の遊技者等が操作ユニット54を無断で取り外すことはできず、関係者のみが操作ユニット54を容易に着脱することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
【図2】同パチンコ機の分解斜視図である。
【図3】同パチンコ機の平面断面図である。
【図4】同パチンコ機の要部側面断面図である。
【図5】同パチンコ機の要部正面断面図である。
【図6】同パチンコ機の操作ユニット及び内操作パネルカバーの斜視図である。
【図7】同パチンコ機の操作ユニットの分解斜視図である。
【図8】同パチンコ機の操作ユニットの装着手順の第1工程(操作ユニットの固定工程)を示す図である。
【図9】同パチンコ機の操作ユニットの装着手順の第2工程(上操作パネルカバーの固定工程)を示す図である。
【図10】同パチンコ機の操作ユニットの装着完了後の状態を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の要部側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前面側に着脱、開閉自在に枢着された内枠3とを備えている。
【0016】
外枠2はその前面側の下端部に左右方向に配置された前下枠板4を有し、この前下枠板4の上側に内枠3が配置されている。内枠3は例えば合成樹脂製で、外枠2の前面側に当接する矩形状の外周枠5と、この外周枠5の内側上部に設けられた遊技盤装着枠6と、この遊技盤装着枠6の下側で外周枠5の内側下部に設けられた下セット板7とを一体に備え、外周枠5の左右一端側(ここでは左端側)が例えば上下一対のヒンジ手段8により外枠2に着脱、開閉自在に枢着されている。また、内枠3は施錠手段9により外枠2に対して閉状態でロックされ、所定方向へのキー操作によりそのロックを解除可能となっている。
【0017】
下セット板7には、例えばその左右方向略中央に発射手段10が、その発射手段10の右側に下部スピーカ11が配置されている。また、遊技盤装着枠6には前側から遊技盤12が着脱自在に装着されている。遊技盤12の前面側には、発射手段10から発射された遊技球を案内するガイドレール13が環状に装着されると共に、そのガイドレール13の内側の遊技領域12aに、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
【0018】
センターケース14は、液晶式その他の画像表示手段21に対応する表示窓22が形成された表示枠体23を備え、この表示枠体23上に、普通図柄表示手段24、特別図柄表示手段25等が設けられている。また、画像表示手段21は、演出図柄表示手段26等を構成している。
【0019】
普通図柄表示手段24は、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件に普通図柄を所定時間変動させ、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で変動を停止させるようになっている。
【0020】
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段25による図柄変動を開始させるためのもので、例えば非開閉式の上特別始動口16aと開閉式の下特別始動口16bとを備えており、普通図柄表示手段24の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、下特別始動口16bを所定時間、所定回数だけ開放するように構成されている。
【0021】
特別図柄表示手段25は、特別図柄始動手段16の特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動させ、特別始動口16a,16bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止させるようになっている。
【0022】
演出図柄表示手段26は、例えば特別図柄表示手段25による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を各種の演出画像と共に画像表示手段21上で変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16の特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0023】
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段25の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに所定の開放パターンに従って開放し、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0024】
また内枠3には、遊技盤装着枠6の前側に対応するガラス扉(扉体)31と、下セット板7の前側に対応する下開閉扉(下部構造体)32とが上下に隣接して配置され、内枠3用のヒンジ手段8と同一側(ここでは左端側)に配置されたヒンジ手段33,34により内枠3に対して着脱、開閉自在に枢着されている。
【0025】
ガラス扉31は遊技盤12の前面側を覆う矩形状で、図1〜図4等に示すように、遊技盤12の遊技領域12aを透視可能な窓孔を有し且つその左右方向一端側がヒンジ手段33により支持される板金製の扉枠35と、この扉枠35の前側に装着された合成樹脂製の化粧カバー36と、扉枠35の裏側に装着されたガラスユニット37とを備え、閉状態のときに扉枠35の外縁側が内枠3の外周枠5の前側に略当接し、ガラスユニット37が遊技盤12のガイドレール13の前側に近接して遊技領域12aを前側から略閉鎖するようになっている。例えば扉枠35の下縁部は後ろ向きに折り曲げられ(図4)、上係合部35aを形成している。また、ガラス扉31は施錠手段9により内枠3に対して閉状態でロックされ、例えば内枠3の外枠2に対する解錠時とは異なる方向へのキー操作(所定の解錠操作)によりそのロックを解除可能となっている。
【0026】
下開閉扉32は、図1〜図4等に示すように、下セット板7の前側を覆う横長矩形状に形成され且つその左右方向一端側がヒンジ手段34により支持される台板41と、この台板41の前側上部に配置され且つ発射手段10に供給するための遊技球を貯留する上貯留皿42と、台板41の前側下部に配置され且つ例えば上貯留皿42が満杯状態のときの余剰球を貯留する下貯留皿43と、台板41の例えば右端側に前向き突出状に設けられ且つ発射手段10を作動させるための発射ハンドル44と、台板41、上貯留皿42、下貯留皿43等を前側から覆う化粧カバー45と、台板41の裏側に配置され且つ発射手段10の発射動作に連動して上貯留皿42からの遊技球を1個ずつ発射手段10へと供給する球送り手段46とを備えている。
【0027】
台板41は合成樹脂製で、払出手段(図示省略)から払い出された遊技球を上貯留皿42に排出するための払い出し案内樋47(図2)が例えば左端側上部に、上貯留皿42内の遊技球を球送り手段46に供給するための球送り口(図示省略)が例えば左右方向略中央に配置されている。台板41の背面側には板金製の補強板48が着脱自在に装着されており、その補強板48の上縁部には、台板41の上縁側に沿って下係合部48aが設けられている。この下係合部48aは、図4に示すように台板41の上縁側よりも若干上側に突出した位置で補強板48の上縁部を前向きに折り曲げることにより形成されており、ガラス扉31を閉じたとき、ガラス扉31側の上係合部35aがこの下係合部48aに前側から係合して、下開閉扉32の開方向への移動が規制されるようになっている。
【0028】
即ち、下開閉扉32は、ガラス扉31が閉じた状態では開くことができず、キー操作によってガラス扉31のロックが解除され、ガラス扉31が開かれることによって初めて開放可能な状態となる。
【0029】
上貯留皿42は、図3に示すように平面視で横長状の半楕円形で、例えば台板41の前側上部に一体に形成されている。上貯留皿42内には、払い出し案内樋47から前向きに排出された遊技球を貯留すると共にそれら遊技球を台板41上の球送り口を経て球送り手段46に供給する球貯留部49と、球貯留部49内の遊技球を下貯留皿43側に抜き取るための球抜き操作部50が設けられた内操作パネル部51とが例えば左右に隣接して配置されている。
【0030】
内操作パネル部51は、上貯留皿42の右端側の縁部と、球貯留部49の右端側の縁部と、その後側の台板41とで囲まれた領域に設けられ、その上面51aを覆うように内操作パネルカバー(離脱阻止手段)52が着脱自在に装着されている(図9等)。内操作パネル部51上には、図8等に示すように例えばその略中央に球抜き操作部50が配置されると共に、内操作パネルカバー52をねじ止め固定するための一又は複数(ここでは2つ)のパネル固定基部53が台板41の前側近傍に、後述する操作ユニット54をねじ止め固定するための一又は複数(ここでは2つ)の操作ユニット固定基部55が上貯留皿42の外縁部近傍に、内操作パネルカバー52を位置決めするための一又は複数(ここでは2つ)の位置決め突起56が例えば前後方向の中央部近傍に夫々配置されている。
【0031】
なお、上貯留皿42の外周面上には、内操作パネル部51内に向けて凹入する例えば平面視円弧状の切欠部57が形成されており、操作ユニット固定基部55はその切欠部57の近傍に設けられている。
【0032】
内操作パネルカバー52は、図6,図9等に示すように、操作ユニット固定基部55を含む内操作パネル部51の上面51aの略全体を覆う形状に形成されており、その略中央には球抜き操作部50に対応する貫通孔58が、台板41側の後縁部近傍にはパネル固定基部53に対応するねじ挿通孔59が、例えば前端側には固定係合部60が、下面側には位置決め突起56に対応する位置決め凹部61が夫々設けられている。なお、固定係合部60は、例えば内操作パネル部51側の切欠部57に対応する切欠部62に沿って外向き突起状に形成されている。
【0033】
内操作パネルカバー52は、その前端側の固定係合部60を、後述する操作ユニット54上に設けられた係合凹部63(図7)に係合させ、固定ねじ(固定手段)64を、後端側のねじ挿通孔59を介してパネル固定基部53に下向きにねじ込むことにより内操作パネル部51に着脱自在に固定されるようになっている(図4,図9)。ここで、ねじ挿通孔59は、例えば全てが台板41の前側近傍に配置されており、図4等に示すように、ガラス扉31を閉じた状態ではねじ挿通孔59に装着された固定ねじ64の頭部(解除操作部)64aがガラス扉31の化粧カバー36の下端面(所定部位)36aによって操作不可能な状態に覆われるようになっている。即ち、内操作パネル部51に固定された内操作パネルカバー52は、ガラス扉31を閉じた状態では固定ねじ64を操作することができないために内操作パネル部51から取り外すことはできないが、ガラス扉31を開けば、固定ねじ64の頭部64aの上側が開放されて操作可能となり、内操作パネル部51から取り外すことが可能となる。
【0034】
化粧カバー45は、図1等に示すように、上貯留皿42を覆う上皿カバー部71、下貯留皿43を覆う下皿カバー部72、上皿カバー部71と下皿カバー部72とを下貯留皿43の左右両側で連結する連結カバー部73,74等を例えば一体に備え、台板41の前側に着脱自在に固定されている。
【0035】
上皿カバー部71は、図3〜図5等に示すように、上貯留皿42の縁部に沿ってその外側に配置される略平坦な上壁部75と、この上壁部75の外縁部から下側に屈曲し且つ上貯留皿42を前側から覆う周壁部76と、この周壁部76の下縁部から後ろ向きに屈曲し且つ上貯留皿42を下側から覆う下壁部77とを備えている。
【0036】
上皿カバー部71の上壁部75上には、例えば右端側にCR操作パネル78が配置され、また左右方向略中央に第1チャンスボタン(操作手段)79が、例えばその第1チャンスボタン79の左側に第2チャンスボタン80が、第1チャンスボタン79の右側に十字キー(操作手段)81が夫々配置されている。CR操作パネル78は、遊技機本体1に隣接するCRユニット(図示省略)を操作するためのもので、残高表示部82、球貸しボタン83、返却ボタン84等を備えている。
【0037】
第1チャンスボタン79、第2チャンスボタン80及び十字キー81は、例えば演出図柄表示手段26による図柄変動中に実行されるボタン演出等において用いられるもので、例えばボタン演出中に画像表示手段21上に表示される指示に従って遊技者が所定の操作を行うことにより、その操作内容に応じた演出が実行されるようになっている。なお、十字キー81は、図6,図7等に示すように例えば上下左右の四方向に対応する四つの移動ボタン85a〜85dと、それら移動ボタン85a〜85dの間に配置される決定ボタン86とで構成されており、図柄変動中の演出に使用されるだけでなく、例えばデモ中等に行われる演出モードの選択等に用いることも可能である。
【0038】
それら第1チャンスボタン79、第2チャンスボタン80及び十字キー81のうち、中央の第1チャンスボタン79とその右側の十字キー81とは、一つの操作ユニット54上に設けられている。操作ユニット54は、図6,図7等に示すように、第1チャンスボタン79を備えたチャンスボタンユニット(個別ユニット)88と、十字キー81を備えた十字キーユニット(個別ユニット)89と、それらチャンスボタンユニット88と十字キーユニット89とを互いに連結する連結部材90とで構成され、上皿カバー部71上に設けられた操作ユニット収容部91(図8等)内に着脱自在に装着されている。
【0039】
チャンスボタンユニット88は、例えば略円筒状の周壁を有するチャンスボタンケース92を備え、このチャンスボタンケース92内の上端側には第1チャンスボタン79が上向きに弾性付勢された状態で装着され、下端側にはチャンスボタン基板93が装着されている。このチャンスボタン基板93には、第1チャンスボタン79が押圧操作されたことを検出する検出スイッチ、LED等(図示省略)が上面側に装着され、また下面側には演出制御基板等に接続するためのチャンスボタン側コネクタ93aが装着されている。また、チャンスボタンケース92には、連結部材90に固定するための一又は複数(ここでは二つ)の固定フランジ94が例えば外周面上に、操作ユニット収容部91に固定するための一又は複数(ここでは二つ)の固定基部95が例えば下端部に、夫々一体に設けられている。
【0040】
十字キーユニット89は、例えば略円筒状の十字キーケース96を備え、この十字キーケース96内の上端側には十字キー81が装着され、下端側には十字キー基板97が装着されている。この十字キー基板97には、十字キー81の移動ボタン85a〜85d及び決定ボタン86が押圧操作されたことを個別に検出する検出スイッチ、LED等(図示省略)が上面側に装着され、また下面側には演出制御基板等に接続するための十字キー側コネクタ97aが装着されている。また、十字キーケース96には、連結部材90に固定するための一又は複数(ここでは一つ)の第1固定フランジ98と、内操作パネル部51の操作ユニット固定基部55に固定するための一又は複数(ここでは二つ)の第2固定フランジ99と、内操作パネルカバー52上の固定係合部60が係合可能な係合凹部63とが例えば外周面上に設けられている。
【0041】
連結部材90は、上皿カバー部71の上壁部75の一部を構成する板状部材で、その一端側(ここでは左端側)にチャンスボタンユニット88を装着するためのチャンスボタンユニット装着部101が、他端側(ここでは右端側)に十字キーユニット89を装着するための十字キーユニット装着部102が夫々設けられている。チャンスボタンユニット装着部101及び十字キーユニット装着部102は、夫々チャンスボタンユニット88、十字キーユニット89の外周形状と合致する切欠状に形成されている。また、例えば連結部材90の下面側には、チャンスボタンユニット88上の固定フランジ94に対応するチャンスボタンユニット固定基部103と、十字キーユニット89上の第1固定フランジ98に対応する十字キーユニット固定基部104とが、夫々チャンスボタンユニット装着部101、十字キーユニット装着部102の各近傍に設けられている。
【0042】
チャンスボタンユニット88は、その外周面をチャンスボタンユニット装着部101に沿わせた状態で固定フランジ94をチャンスボタンユニット固定基部103に対して下側からねじ止めすることにより連結部材90に固定され、また十字キーユニット89は、その外周面を十字キーユニット装着部102に沿わせた状態で第1固定フランジ98を十字キーユニット固定基部104に対して下側からねじ止めすることにより連結部材90に固定されている。
【0043】
操作ユニット収容部91は、操作ユニット54を収容可能な凹入状で、図4,図8等に示すように例えば上皿カバー部71の上壁部75上に上向き開放状に設けられている。この操作ユニット収容部91のうち、例えば十字キーユニット89に対応する十字キーユニット収容部91aが内操作パネル部51側に張り出しており、上貯留皿42の外周面上に設けられた切欠部57はこの十字キーユニット収容部91aの周壁の一部を構成している。
【0044】
また、例えば操作ユニット収容部91の底面上にはねじ挿通孔105が設けられており、操作ユニット収容部91に操作ユニット54を収容したとき、チャンスボタンユニット88上の固定基部95がねじ挿通孔105に、十字キーユニット89上の第2固定フランジ99が内操作パネル部51上の操作ユニット固定基部55に夫々合致すると共に、十字キーユニット89の外周面上に設けられた係合凹部63が内操作パネル部51側に向くようになっている。なお、図4,図5に示すように、上皿カバー部71の下壁部77には、ねじ挿通孔105の下側に対応して操作孔106が形成されている。
【0045】
また、操作ユニット収容部91内には、チャンスボタンユニット88上のチャンスボタン側コネクタ93a、十字キーユニット89上の十字キー側コネクタ97aに夫々接続されるハーネス側コネクタ107,108(図7)が引き出されているものとする。なお、操作ユニット収容部91の底面上にチャンスボタン側コネクタ93a、十字キー側コネクタ97aに対応するコネクタを固定し、操作ユニット54の着脱時にコネクタ同士が自動的に着脱されるようにしてもよい。
【0046】
以下、操作ユニット54を下開閉扉32に対して着脱する際の手順を具体的に説明する。操作ユニット54を下開閉扉32上に取り付ける際には、予めチャンスボタンユニット88と十字キーユニット89とを夫々連結部材90にねじ止めすることによって操作ユニット54を組み立てておく(図6〜図8)。そして、操作ユニット収容部91内に引き出されているハーネス側コネクタ107,108(図7)を、チャンスボタン側コネクタ93a、十字キー側コネクタ97aに夫々接続すると共に、その操作ユニット54を操作ユニット収容部91内に収容する(図8)。
【0047】
次に、固定ねじ111を上皿カバー部71の下側から操作孔106、ねじ挿通孔105を介して固定基部95にねじ込むことにより、チャンスボタンユニット88を操作ユニット収容部91に固定し、また固定ねじ112を内操作パネル部51の上側から第2固定フランジ99を介して操作ユニット固定基部55にねじ込むことにより、十字キーユニット89を内操作パネル部51に固定する(図8〜図9)。
【0048】
続いて、内操作パネルカバー52を内操作パネル部51上に装着する(図9〜図10)。即ち、前端側の固定係合部60を十字キーユニット89の外周面上の係合凹部63(図7)に係合させ、貫通孔58に球抜き操作部50を挿通させつつ、また位置決め突起56を位置決め凹部61に嵌合させつつ、内操作パネルカバー52を内操作パネル部51上に載置する。これにより、チャンスボタンユニット88の第2固定フランジ99を操作ユニット固定基部55に固定している固定ねじ(操作ユニット固定手段)112を含む内操作パネル部51の上面51aの略全体が内操作パネルカバー52により上側から覆われた状態となる。そしてその状態で、固定ねじ64を、ねじ挿通孔59を介してパネル固定基部53に下向きにねじ込むことによって内操作パネルカバー52を内操作パネル部51上に固定すれば、下開閉扉32への操作ユニット54の取り付けは完了する。
【0049】
以上のような手順で下開閉扉32に装着された操作ユニット54は、固定ねじ111,112による固定を解除しなければ取り外すことはできないが、固定ねじ(操作ユニット固定手段)112についてはその頭部(解除操作部)112aが内操作パネルカバー52によって覆われているため(図4,図10)、この固定ねじ112による固定を解除するためにはまず内操作パネルカバー52を取り外す必要がある。
【0050】
一方、下開閉扉32とガラス扉31とを内枠3に対して閉じた状態では、内操作パネルカバー52の後端側を固定している固定ねじ64の頭部64aがガラス扉31の化粧カバー36の下端面(所定部位)36aによって操作不可能な状態に覆われるようになっている(図4,図10)。更に、下開閉扉32は、ガラス扉31を閉じた状態では開くことができない。
【0051】
即ち、ガラス扉31を閉じた状態では、固定ねじ64による固定を解除することができないために内操作パネルカバー52を取り外すことができず、また内操作パネルカバー52を取り外さなければ固定ねじ112による操作ユニット54の固定を解除することができないため、結局操作ユニット54を取り外すことはできない。従って、ガラス扉31のロックを解除することができない一般の遊技者等が操作ユニット54を無断で取り外すことはできず、そのようないたずらを確実に防止できる。
【0052】
また、操作ユニット54は、チャンスボタンユニット88と十字キーユニット89とが連結部材90により互いに連結されているが、それらの連結・固定部分は操作ユニット54の下側に設けられているため、操作ユニット54が操作ユニット収容部91に装着された状態ではそれらチャンスボタンユニット88、十字キーユニット89を個別に取り外すことはできない。即ち、ガラス扉31のロックを解除することができない一般の遊技者等が、チャンスボタンユニット88のみ、或いは十字キーユニット89のみを取り外すことも不可能である。
【0053】
内操作パネルカバー52の後端側を固定している固定ねじ64は、ガラス扉31を前側に開放することによってその頭部64aの上側が開放され、解除操作可能な状態となるため、ガラス扉31のロックを解除することができる関係者であれば、取り付けとは逆の手順で操作ユニット54を容易に取り外すことができる。
【0054】
また、操作ユニット54は、チャンスボタンユニット88と十字キーユニット89とが連結部材90により連結された構成となっているため、操作ユニット54全体を取り替えることはもちろん、チャンスボタンユニット88と十字キーユニット89との何れか一方のみを取り替えることも可能である。
【0055】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、ガラス扉(扉体)31を閉じた状態では操作ユニット54の下開閉扉(下部構造体)32への装着状態を解除できず、ガラス扉31を開くことによって操作ユニット54の下開閉扉32への装着状態を解除可能となるように構成されているため、関係者のみが操作ユニット54を容易に着脱することが可能となり、一般の遊技者等が操作ユニットを取り外して持ち帰る行為を未然に防止できる。
【0056】
また、操作ユニット54を下開閉扉32に固定する固定ねじ(操作ユニット固定手段)112の頭部(解除操作部)112aを内操作パネルカバー(離脱阻止手段)52で覆い、その内操作パネルカバー52を下開閉扉32に固定する固定ねじ(固定手段)64の頭部(解除操作部)64aを、ガラス扉31を閉じた状態ではそのガラス扉31によって操作不可能な状態に覆われ、ガラス扉31を開いた状態では操作可能な状態となる位置に配置しているため、操作ユニット54の着脱を許容する対象を、ガラス扉31を解錠することが可能な関係者のみに限定できる。
【0057】
また、操作ユニット54は、第1チャンスボタン(操作手段)79を備えたチャンスボタンユニット(個別ユニット)88と、十字キー(操作手段)81を備えた十字キーユニット89と、それらを互いに連結する連結部材90とで構成されており、チャンスボタンユニット(個別ユニット)88と十字キーユニット89とは連結部材90に対して個別に着脱自在に固定されているため、操作ユニット54全体を交換することはもちろん、チャンスボタンユニット(個別ユニット)88のみ、或いは十字キーユニット89のみを交換することも容易である。
【0058】
図11は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態における内操作パネルカバー(離脱阻止手段)52を固定する固定手段を、固定ねじ64から係合手段121に変更した例を示している。
【0059】
係合手段121は、内操作パネル部51上における台板41の近傍に例えば上向きに配置された係合片122と、内操作パネルカバー(離脱阻止手段)52の後端側に係合片122に対応して設けられた例えば開口状の被係合部123とで構成されている。
【0060】
係合片122は、内操作パネルカバー(離脱阻止手段)52が内操作パネル部51上に装着されたときにその内操作パネル部51上の被係合部123に係脱自在に係合して内操作パネルカバー52の離脱を阻止する係合爪122aをその先端側(上端側)に備えている。この係合片122は、内操作パネルカバー52の上側から係合爪(解除操作部)122aを弾性変形させることにより内操作パネルカバー52への係合を解除することが可能となっている。
【0061】
また、この係合片122の係合爪122aは、ガラス扉31を閉じた状態ではガラス扉31の化粧カバー36の下端面(所定部位)36aによって操作不可能な状態に覆われるようになっている。即ち、内操作パネル部51に固定された内操作パネルカバー52は、ガラス扉31を閉じた状態では係合爪122aを操作することができないために内操作パネル部51から取り外すことはできないが、ガラス扉31を開けば、係合爪122aの上側が開放されて操作可能となり、内操作パネル部51から取り外すことが可能となる。
【0062】
このように、離脱阻止手段を固定する固定手段は、所定の解除操作部を操作することにより解除可能な状態に固定するものであればよく、ねじに限られるものではない。またこれは、操作ユニット54を固定する操作ユニット固定手段(例えば第1の実施形態における固定ねじ112)についても同様である。
【0063】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、操作ユニット54を下開閉扉32に固定する固定ねじ(操作ユニット固定手段)112の頭部(解除操作部)112aを内操作パネルカバー(離脱阻止手段)52で覆い、その内操作パネルカバー52を下開閉扉32に固定する固定ねじ(固定手段)64の頭部(解除操作部)64aを、ガラス扉31を閉じた状態ではそのガラス扉31によって操作不可能な状態に覆われる位置に配置した例を示したが、操作ユニット54を固定する固定手段(例えば第1の実施形態における固定ねじ112)を、ガラス扉31を閉じた状態ではそのガラス扉31によって操作不可能な状態に覆われる位置に配置してもよい。
【0064】
実施形態では操作ユニット54上に二つの操作手段79,81を配置した例を示したが、一つの操作ユニット54上に配置する操作手段の数は一つでもよいし三つ以上でもよい。
【0065】
実施形態ではガラス扉(扉体)31と下開閉扉(下部構造体)32とが上下に隣接して配置され、下開閉扉32上に操作ユニット54を装着した例を示したが、スロットマシンのように前面パネル全体が本体ケースに対して一体的に開閉するような構成の場合には、その前面パネル(扉体)上に操作ユニットを装着し、前面パネルを閉じた状態では操作ユニットの装着状態を解除できず、前面パネルを開くことによって操作ユニットの装着状態を解除可能となるように構成すればよい。
【0066】
この場合、例えば操作ユニットの前面パネルからの離脱を阻止する離脱阻止手段及び/又は操作ユニットを固定ねじ等の固定手段により前面パネルに固定し、その固定手段のうちの少なくとも一つにおける解除操作部が、前面パネルを閉じた状態では例えば本体ケース上の所定部位によって操作不可能な状態に覆われ、前面パネルを開いた状態ではその所定部位から離れて操作可能な状態となる位置に配置すればよい。
【符号の説明】
【0067】
1 遊技機本体
31 ガラス扉(扉体)
32 下開閉扉(下部構造体)
36a (化粧カバーの下端面)所定部位
52 内操作パネルカバー(離脱阻止手段)
54 操作ユニット
64 固定ねじ(固定手段)
64a 固定ねじ頭部(解除操作部)
79 第1チャンスボタン(操作手段)
81 十字キー(操作手段)
88 チャンスボタンユニット(個別ユニット)
89 十字キーユニット(個別ユニット)
90 連結部材
112 固定ねじ(操作ユニット固定手段)
112a 固定ねじ頭部(解除操作部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体の前部に、閉状態で所定の解錠操作により解除可能な状態にロックされる扉体と、遊技者が操作可能な操作手段を有し且つ着脱可能に装着される操作ユニットとを備えた遊技機において、前記扉体を閉じた状態では前記操作ユニットの前記遊技機本体への装着状態を解除できず、前記扉体を開くことによって前記操作ユニットの前記遊技機本体への装着状態を解除可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技機本体の前部に、前記扉体と下部構造体とが上下に隣接して配置され、前記操作ユニットは前記下部構造体上に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作ユニットの前記遊技機本体からの離脱を阻止する離脱阻止手段及び/又は前記操作ユニットを、所定の解除操作部を操作することにより解除可能な状態で固定する一又は複数の固定手段を備え、前記固定手段のうちの少なくとも一つにおける前記解除操作部が、前記扉体を閉じた状態では所定部位によって操作不可能な状態に覆われ、前記扉体を開いた状態では前記所定部位から離れて操作可能な状態となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記操作ユニットを所定の解除操作部を操作することにより解除可能な状態で固定する一又は複数の操作ユニット固定手段を備え、前記離脱阻止手段は、前記操作ユニット固定手段のうちの少なくとも一つにおける前記解除操作部を覆うことにより前記操作ユニットの離脱を阻止するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記操作ユニットは、前記操作手段を備えた複数の個別ユニットと、それら複数の個別ユニットを互いに連結する連結部材とを備え、前記個別ユニットは前記連結部材に対して個別に着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記操作ユニットを前記遊技機本体に装着した状態では前記各個別ユニットの前記連結部材への着脱を行うことができないように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記複数の個別ユニットを夫々前記遊技機本体に固定したことを特徴とする請求項5又は6に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−70746(P2013−70746A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210624(P2011−210624)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】