説明

遊技装置

【課題】遊技者の遊技意欲をいかに高めることができる遊技装置を提供する。
【解決手段】遊技媒体は、少なくとも遊技媒体の色情報を含む媒体情報を記憶した第1の記憶領域を有するICチップを備え、遊技盤は、前記ICチップと通信可能であり、当該ICチップに記憶された媒体情報を読み取るとともに、所定の情報を前記ICチップの第2の記憶領域に書き込むことができる通信手段と、所定の演出情報を記憶した内部記憶手段と、前記通信手段で読み取った前記媒体情報と、前記内部記憶手段に記憶された所定の遊技演出情報とに基づいて、遊技進行に伴う演出表示を行う遊技実行制御手段と、を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技装置に関し、より詳しくは、所定の遊技媒体を遊技盤上に載置して、遊技結果と載置された前記遊技媒体の遊技価値に応じて所定の配当を受けることができる遊技装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームセンターやカジノなどでは、所定の料金を支払って所定数のコインやチップなどの遊技媒体を受け取り、この遊技媒体を用いて各種ゲーム機でゲームを楽しむことができるようになっている。
【0003】
ゲーム機の種類としては、例えば、ルーレットゲーム、競馬ゲームなどのマスゲーム機やポーカーやブラックジャックやバカラなどのカードゲーム機が存在するが、例えば、ルーレットゲームにおいて、ルーレット盤上におけるルーレット球の位置とベットされたチップの位置及びその価値とに基づいて、配当金を算出することができるシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2004−194898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のシステムは確かに有用であるものの、例えばカジノやその他の遊技場などにおいて、上記ルーレットをはじめとする各種ゲーム機において重要なことは、遊技者の遊技意欲をいかに高めることができるかであり、市場からはそのような遊技装置の提供が望まれている。本発明は、上記課題を解決することのできる遊技装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明では、遊技盤上に設けられた媒体載置部に、所定の遊技を行う前に遊技媒体を載置し、実際の遊技結果と載置された前記遊技媒体の遊技価値に応じて所定の配当を受けることができるようにした遊技装置であって、前記遊技媒体は、少なくとも遊技媒体の色情報を含む媒体情報を記憶した第1の記憶領域を有するICチップを備え、前記遊技盤は、前記ICチップと通信可能であり、当該ICチップに記憶された媒体情報を読み取るとともに、所定の情報を前記ICチップの第2の記憶領域に書き込むことができる通信手段と、所定の演出情報を記憶した内部記憶手段と、前記通信手段で読み取った前記媒体情報と、前記内部記憶手段に記憶された所定の演出情報とに基づいて、遊技進行に伴う演出表示を行う遊技実行制御手段と、を備えることとした。
【0006】
(2)本発明は、上記(1)において、前記遊技媒体は、複数の色を選択的に発光させることができる発光部をさらに備え、前記遊技実行制御手段は、前記演出表示として、前記通信手段を介して前記遊技媒体の発光部を所定の色で発光させることを特徴とする。
【0007】
(3)本発明は、上記(2)において、前記遊技実行制御手段は、遊技状態が特定の遊技状態であることを条件として、前記発光部を発光させることを特徴とする。
【0008】
(4)本発明は、上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記遊技盤上には、複数の前記媒体載置部が設けられており、前記遊技実行制御手段は、前記遊技媒体が載置された媒体載置部に応じて、遊技特典を付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技盤上に設けられた媒体載置部に、所定の遊技を行う前に遊技媒体を載置し、実際の遊技結果と載置された前記遊技媒体の遊技価値に応じて所定の配当を受けることができるようにした遊技装置において、少なくとも遊技媒体の色情報を含む媒体情報と、遊技盤側に記憶された演出情報とに基づく斬新な演出表示を可能としたため、遊技者の遊技意欲をより高めることが可能となり、ひいては稼動効率を高め、遊技場側の収益向上を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施形態に係る遊技装置は、遊技盤上に設けられた媒体載置部に、所定の遊技を行う前に遊技媒体を載置し、実際の遊技結果と載置された前記遊技媒体の遊技価値に応じて所定の配当を受けることができるようにしたものであって、以下の構成に特徴がある。
【0011】
すなわち、前記遊技媒体は、少なくとも遊技媒体の色情報を含む媒体情報を記憶した第1の記憶領域を有するICチップを備え、前記遊技盤は、前記ICチップと通信可能であり、当該ICチップに記憶された媒体情報を読み取るとともに、所定の情報を前記ICチップの第2の記憶領域に書き込むことができる通信手段と、所定の演出情報を記憶した内部記憶手段と、前記通信手段で読み取った前記媒体情報と、前記内部記憶手段に記憶された所定の演出情報とに基づいて、遊技進行に伴う演出表示を行う遊技実行制御手段とを備えている。
【0012】
遊技盤は、遊技価値であるチップを遊技媒体として用いるカードゲーム機などであり、チップ(遊技媒体)をベットするために載置する媒体載置部を備えており、さらに、液晶表示装置などのモニタ部や、各種操作スイッチやボタンなどが設けられた操作入力部などを備えている。勿論、この遊技装置は、カードゲーム機に限らず、ルーレットゲームや競馬ゲームなどのマスゲーム機のように、遊技結果を予想してチップをベットし、ベットした遊技価値と実際の遊技結果とに応じて所定の配当を受ける遊技装置でも構わない。
【0013】
遊技媒体(チップ)に内蔵されたICチップは、RFIDを用いたICタグを採用することができ、このICチップの第1の記憶領域には、少なくとも遊技媒体の色情報が記憶されている。この色情報の他、例えば、遊技媒体の価値度数やこの遊技媒体を用いている遊技者の名前、生年月日などの個人情報などを媒体情報として記憶させておくことができる。個人情報や価値度数を記憶させる場合は、遊技場のカウンターなどで、遊技媒体を有償で借り受ける際にICチップに入力して記憶させておくとよい。なお、ここで価値度数とは、金額に相当するものである。
【0014】
遊技盤に設けられた通信手段は、所謂RFIDリーダー/ライターでよく、前記ICタグと非接触で通信可能としている。前記ICタグには、前記第1の記憶領域の他、第2の記憶領域が設けられており、この第2の記憶領域に、通信手段から所定の情報を書き込むことができるようにしている。なお、この通信手段は、前記媒体載置部の直下位置辺りに設けておくことが好ましい。
【0015】
さらに、遊技盤には、遊技実行制御手段としての制御部が設けられている。この制御部は、CPUと、例えば、「風水」やその他の占いなどに基づいて設計されたプログラムやこのプログラムに沿って演出表示される所定の演出情報を記憶したROMやワークRAMなどの内部記憶手段を有するマイクロコンピュータからなり、前記通信手段で読み取った前記媒体情報と所定の演出情報とに基づいて、遊技進行に伴い、前記「風水」などの占いに基づいた、これまでにない斬新な演出表示を行うことが可能となっている。
【0016】
すなわち、遊技媒体の色や遊技者の生年月日をパラメータとして、「風水」などの占いプログラムを実行し、当該遊技媒体を用いている遊技者の運気などを決定し、これに応じた演出表示がなされるのである。したがって、遊技者ごとに演出表示内容が異なり、同じ遊技者であっても日時、使用する遊技媒体、あるいはこの遊技媒体を載置する場所(方角)が異なれば、運気の違いによって演出表示も異なってくるのである。
【0017】
かかる構成の遊技装置とすることにより、占いを信じる遊技者は、その演出表示を参考に遊技を進めていけばよいし、占いを全く信じない遊技者でも、変化に富んだ演出表示を単純に楽しむことができる。
【0018】
前記遊技媒体は、複数の色を選択的に発光させることができる発光部をさらに備え、前記遊技実行制御手段は、前記演出表示として、前記通信手段を介して前記遊技媒体の発光部を所定の色で発光させることができる。
【0019】
すなわち、「風水」などでは、黄色が金運の象徴とされているため、遊技媒体の発光部が黄色に発光すると、あたかもツキがあるかのような気分になり、楽しく遊技を行うことができる。他方、他の色で発光した場合、そのときの遊技結果と色とを対応付けて、以降の遊技を進める上で、勝負の判断材料にするなど、占いに基づく演出表示を楽しむことができる。例えば、黄色でなくとも遊技結果が好ましい結果となった場合は、そのときの色が自分のラッキーカラーと信じてその後の遊技に活かすなどである。
【0020】
さらに、前記遊技実行制御手段は、遊技状態が特定の遊技状態であることを条件として、前記発光部を発光させることができる。
【0021】
例えば、遊技が通常ゲームと、それから発展するボーナスゲームなどがある場合はボーナスゲームに発展したときに発光するとか、あるいは、遊技開始直後や遊技結果が判明する直前のタイミングで発光したりするというもので、要は、遊技開始から終了まで常に同じ態様で発光していることがないようにすればよい。
【0022】
また、本実施形態に係る遊技装置の遊技盤上には、複数の前記媒体載置部が設けられており、前記遊技実行制御手段は、前記遊技媒体が載置された媒体載置部に応じて、遊技特典を付与するようにしてもよい。
【0023】
遊技特典とは、必ずしも遊技価値に相当するものではなく、特定の演出なども含まれるものである。すなわち、遊技者が複数の媒体載置部の中から適宜一つを選択し、そこに遊技媒体を載置した場合、その場所を「風水」などの方角の観点から見た場合に、前述したプログラムにより導き出した運勢と照らし合わせ、幸運の方角となれば、その媒体載置部自体を黄金色あるいは黄色などに発光させるといった演出表示が含まれる。これにより、遊技者は、いかにも遊技媒体を載置した場所が幸運(金運)をもたらすかのような気分になり、遊技への興味が向上する。なお、かかる演出を行うためには、当然ではあるが、予め媒体載置部にも発光部を設けておくものとする。
【0024】
また、遊技が進行し、遊技者の遊技回数が所定回数に達すると、それまでの遊技結果が例えば芳しくない場合、遊技者が遊技媒体を載置する前のタイミングで所定の媒体載置部を発光させ、発光している媒体載置部が如何にも幸運を呼ぶような演出がなされるように制御してもよい。
【0025】
なお、上述してきた例では、発光部を遊技媒体、媒体載置部に設けたが、設置個所はそれ以外にあってもよく、むしろ、様々な位置に発光部を設置して、遊技進行に伴い、多種多様な光による演出表示が行えるようにしておくとなおよい。
【0026】
以上説明してきたように、本実施形態では、少なくとも遊技媒体の色情報を含み、さらに、個人情報が含まれた媒体情報と、遊技盤側に記憶された、例えば「風水」などの占いにちなんだ演出が可能な演出情報とに基づく斬新な演出表示が可能であり、特に、占いなどが一般生活に浸透した国や地域における遊技者の遊技意欲をより高めることが可能となり、ひいてはそのような国や地域で遊技場などを運営する場合、各遊技装置の稼動効率を高めることが可能となり、収益性の向上も図ることも可能となる。
【0027】
ところで、遊技媒体として用いられるチップは、必ずしも通常のコイン形状のものばかりでなくてもよい。
【0028】
例えば、幸運を呼ぶなどの言い伝えがある所定のフィギュアなどが設けられたオリジナル形状のものを用意して、これを遊技者に貸し出し可能としてもよい。遊技者は、かかるオリジナル遊技媒体を用いて縁起担ぎなど図り、気分を高揚させて遊技に臨むことが可能となる。
(実施例1)
以下、本実施形態に係る遊技装置について、図面を参照しながら、より具体的に説明する。図1は実施例1に係る遊技装置の斜視図、図2は同遊技装置に適用される遊技媒体の説明図、図3は同遊技装置の内部構成を示す断面視による説明図、図4は同遊技装置における遊技媒体供給装置の説明図である。
【0029】
図1に示すように実施例1の遊技装置10は、遊技ホールやカジノなどに円卓テーブル状や箱型状のゲームマシンに設けられる遊技盤11と、この遊技盤11上に設けられてコインやチップなどの遊技媒体12が遊技者により載置されてベットされる媒体載置部13と、遊技者に遊技情報や所定の演出情報を提供するための液晶表示パネル14と、遊技に関わる選択ボタンや開始ボタンなどを備えた操作部15と、所定のメッセージや音楽を鳴らすスピーカ16と、遊技結果に応じた配当などを遊技媒体12や景品として遊技者に配給するための景品提供部17などを備えている。
【0030】
遊技盤11内には、図3及び図5に示すように、媒体載置部13の内側裏面に設けられて遊技媒体12に設けたICチップ20のデータを読み書きするための例えば3基のリーダライタ21〜23(通信手段)と、遊技実行制御手段として機能する制御部24とが配置されている。制御部24は内部記憶手段となるDVD、HD、あるいは半導体記憶装置などからなる記憶部25を備え、その載置面に液晶表示部などを有して構成される媒体載置部13や、液晶表示パネル14、リーダライタ21〜23を制御する。そして、制御部24は遊技媒体12から取得される媒体情報と記憶部25に記憶された演出情報とに基づいて遊技進行に伴う演出表示を、液晶表示パネル14や媒体載置部13の液晶表示部、スピーカ16、景品提供部17などを介して行うことができるようになっている。
【0031】
遊技盤11の媒体載置部13には、その液晶表示機能を用いて、図示するように「風水占い」における風水盤などを表示することができる。この風水占いは、例えば、東の方角に向けて青色の物体を、西の方角に向けて白の物体を、また南の方角に向けて赤色の物体を、北の方角に向けて黒色の物体を配置することにより、幸運や開運などの利益を手にすることができるという占いである。媒体載置部13の表示面には風水盤として、東西南北に対応させた四方位置、すなわち東方向に東を守護する神獣たる青龍が青色で描かれ、西方向に西を守護する神獣たる白虎が白色で描かれ、南方向に南を守護する神獣たる朱雀が赤色で描かれ、北方向に北を守護する神獣たる玄武が黒色で描かれている。そして、遊技者は遊技媒体12を風水盤のいずれかに配置して、風水盤を回転表示させることで風水占いをゲームのように実行することができる。なお、遊技盤11に回転自在に支持された方位磁石を収納し、この方位磁石により指示される方位や、遊技媒体12を介して取得される遊技者の生年月日、その時点における遊技価値などのデータに応じて表示される風水盤の方位やその表示形態などを決定して、それぞれの色彩が表示されるようにしてもよい。
【0032】
また、遊技盤11における方位の吉凶は、制御部24にロードされる風水占いエンジンを備えた風水情報設定プログラムにより決定することができる。例えば、遊技媒体12の所有者である遊技者に属する生年月日や、ベットされる遊技媒体12のICチップに保持されるデータなどのそれぞれについて、干支暦と呼ばれる特殊な暦を用いて干支及び局数をもとにした一定のルールを適用して、それぞれの日時などにおける各方位の点数、吉凶、八門、八神などと呼ばれる要素を決定する。また、決定されたこれらの要素を年、月、日、時と対応付けて表示した表を、それぞれ年盤、月盤、日盤、時盤と呼び、これらの盤から読み取られる点数、吉凶、八門及び八神の組合せに基づいて、特定の年、月、日又は時における方位の吉凶を診断することもできる。
【0033】
遊技媒体は、図2に示すように、円盤状や円柱状のコインタイプの遊技媒体12、12’や、風水関連グッツなどに関連付けて形成されるフィギュアタイプの遊技媒体12”を適用することができる。このような遊技媒体12、12’、12”などに内蔵されるICチップ20は、図5に示すように、演算処理を行うCPUや記憶部となるRAM、ROM、EEPROM、アンテナを含む通信回路20aなどを備え、例えば専用の読書装置(リーダライタ21〜23)を用いて情報データをその記憶部に記憶させたり読み出したりしてデータをやり取りすることができる。
【0034】
また、ICチップ20が添付される遊技媒体12には、その遊技価値データや風水データなどの遊技情報を表示させるための情報表示部12a、LEDやランプなどからなる発光部12b、スピーカなどの発音部、これらを駆動させるための電源部などを必要に応じて設けることができる。なお、これら情報表示部12aや発光部12bなどは、ICチップ20に内蔵される制御回路により、もしくは、通信手段であるリーダライタ21〜23を介して接続される遊技盤11の制御部24により制御することもできる。
【0035】
遊技媒体12の情報表示部12aや発光部12bは、遊技媒体12に内蔵した電源部もしくはリーダライタ21〜23を介して電力が供給されて駆動される演出表示装置であって、その遊技媒体12が置かれている風水盤などにおける盤位置や、遊技履歴などに基づいて、その動作形態や表示形態が変化するようにしている。例えば遊技盤11の制御部24は、その内部記憶手段に記憶されている風水情報などを含む遊技データにより当該遊技媒体12が特定の遊技状態にあることを判定して、この遊技状態にある遊技媒体12の発光部12bを発光させたり、情報表示部12aにその時点における遊技媒体12の価値情報を表示させたりするのである。なお発光部12bとしては、その風水に関わる色彩を発光させるLEDなどを遊技媒体12に複数設けることができ、少なくとも遊技媒体12の色情報を含む媒体情報を記憶したICチップ20の第1記憶領域を参照して、所定色の発光部を選択して発光させることができる。
【0036】
図4は、遊技媒体12のICチップ20に遊技者自身のIDや生年月日などの属性データを登録して、所定の遊技価値が付与された遊技媒体を供給する遊技媒体供給装置の説明図である。遊技者は、所有するクレジットカード19などのカードを遊技媒体供給装置18のカード挿入口18aに入れて、遊技価値に相当するポイント付加ボタン18bを押すことによって、遊技媒体12が媒体排出口18cから排出される。
【0037】
この遊技媒体12のICチップ20には、このクレジットカード19に記憶された属性データやポイント付加ボタン18bに対応するポイントデータなどの情報がその第2記憶領域に記録されるようになっている。なお、遊技媒体12へのこのような遊技者に関わる属性データや遊技価値などの書き込みは、媒体載置部13の背面側に設けられたリーダライタ21〜23を介して遊技盤11の操作部15からも同様に行うことができる。
【0038】
リーダライタ21〜23は、例えば、風水盤における東西方位位置などに対応して配置される。これによって、制御部24は、この風水盤の対応位置上に載置された遊技媒体12のICチップ記憶領域(第1記憶領域もしくは第2記憶領域)に記憶されている情報データを、風水盤の位置データとともに取得することができるのである。逆に、制御部24は、リーダライタ21〜23を介して、風水盤の所定区画上にベット配置されている遊技媒体12のICチップ記憶領域にアクセスして、遊技者に関わるIDや生年月日などのデータを書き込むこともできるようになっている。これによって、遊技媒体12のそれぞれに固有の遊技情報を保持させ、風水占いなどにおける基礎データとして利用することを可能にしている。
【0039】
図6は遊技装置10の制御部24を介して実行される風水占いに基づく演出を伴うゲームの一例を示すフローチャートである。以下図面を参照して、風水占い処理プログラムの一例について説明する。
【0040】
この風水占い処理は、遊技者が遊技盤11に設けられた操作部15のスタートボタンなどを操作することで制御部24の記憶部25などにロードされた風水占い処理のルーチンがスタートする。この最初のステップS1において、各種変数が初期化され、液晶表示パネル14や媒体載置部13の液晶表示面に風水情報や風水占いに必要な媒体載置区画領域などが表示されるのである。
【0041】
媒体載置部13の情報を取得するステップS2においては、前記媒体載置区画領域に対応して設けられたリーダライタ21〜23を作動させ、媒体載置部13上にある遊技媒体12のICチップ20にそれぞれアクセスして、その記憶領域に記憶されている風水情報データや、遊技価値のポイントデータなどをベットされる媒体区画領域毎に取得する。
【0042】
次のタイムアウト判定のステップS3では、予め設定されたタイムアウト時間の経過、もしくは、遊技装置10の操作部15にあるベット終了ボタンなどの操作状態などにより、このようなベットモードがタイムアウトしたか否かを判定する。ここで、タイムアウトが判定されるとステップS4に移行され、非タイムアウトの場合には所定の保持時間が経過した後に、再度、ステップS2の媒体載置情報取得処理に戻されるようにしている。
【0043】
タイムアウト判定がなされたことを条件に実行されるステップS4の遊技モード設定の処理では、媒体載置部13の液晶表示面に表示されている風水情報と、この載置面に現に載置されている遊技媒体12の保持情報とに基づいて、内部記憶手段である記憶部25に記憶されている風水情報データと遊技特典などとの対照データテーブルを参照する。こうして、対応する遊技特典となるポイント数や景品の種類、遊技進行に伴って演出表示を行うための演出モードなどが設定されるのである。
【0044】
最後の終了処理のステップS5においては、前記ステップS4により設定された演出モードなどに基づいて、遊技装置10の液晶表示パネル14や媒体載置部13の液晶表示部、スピーカ16、景品提供部17などが制御部24を介して駆動される。このような演出モードでは、液晶表示パネル14や媒体載置部13の液晶表示部に表示されたガイダンスなどに従って遊技者が操作部15を介してその属性データを入力させる。
【0045】
風水占いエンジンは、この入力されたデータに基づいて占い操作を行って、選択された風水情報を遊技装置10の液晶表示パネル14や媒体載置部13の液晶表示部などに表示させる。こうして、遊技者は表示されている風水情報を参照して、例えばルーレットゲームなどにおける遊技媒体12をその媒体載置部13にベットする。これによって、遊技者はその風水占いを楽しみながらルーレットゲームやカードゲームなどを行うことができる。
【0046】
風水占い処理プログラムにおける風水占いエンジンは例えば、所定の期間に渡って求めた方位の吉凶に関する情報と、遊技媒体12のICチップ20や遊技者により操作部15を介して取得された遊技者の属性データ、その入力時期における吉方位及び凶方位などの方位データなどを記憶部25に記憶された風水データベースから検索して、検索された吉方位及び凶方位を遊技者に提示する機能を備えている。
【0047】
こうして、液晶表示パネル14において表示されている遊技者に関わる風水情報の表示を停止して、当該遊技者がカードゲームやルーレットゲームなどにより獲得した遊技特典によるポイントや景品などの遊技履歴情報を初期値にリセットして、次に備える各種の準備処理などが実行され、この風水占いを用いたカードゲームやルーレットゲームなどの処理を終了させるのである。
【0048】
実施例1の遊技装置10は、風水占いエンジンを介してその遊技者に関わる風水情報を提供して、カードゲームやルーレットゲームなどの遊技を楽しむことができるとともに、その遊技結果に対応した遊技特典を付与することができる。こうして、獲得した得点に対応した景品や所定数の遊技媒体などの遊技特典を、遊技盤11に配置した景品提供部17から供給することで、遊技を継続するチャンスを付与して、遊技者の遊技意欲をさらに高めることができる。
(実施例2)
図7は実施例2に係る遊技装置の斜視図であり、図8は同遊技装置における遊技盤の説明図である。図示するように実施例2の遊技装置30は、テーブル状に形成された遊技盤31と、この遊技盤31上に設けられて遊技者によりベットされた遊技媒体12が載置される全体が略多角形状に形成されたベット媒体載置部33と、ベット媒体載置部33の四隅などにそれぞれ配置され遊技者が自身で保持する遊技媒体12を明示しておくための保持媒体配置部34〜37などを有している。なお、実施例2の遊技装置30は、実施例1の遊技装置10に保持媒体配置部34が付加された構成のものであり、他の構成は略同様であるので、以下の説明において同様の機能を有するものについては同一の符号を付してその詳しい説明を省略するものとする。
【0049】
図8に示すように実施例2の遊技装置30は、その遊技盤31の裏面における、ベット媒体載置部33及び保持媒体配置部34〜37の対応位置に、それぞれ通信手段となるICチップ20のリーダライタ33a、34a〜37aを設けて構成されている。このような通信手段を設けることによって、遊技媒体12に内蔵したICチップ20と制御部24とを通信可能にして、当該ICチップ20に記憶された媒体情報を読み取るとともに、所定の情報をICチップ20の第2の記憶領域に書き込むことができるようにしているのである。
【0050】
すなわち、ベット媒体載置部33の液晶表示面には、風水情報やルーレットゲームなどに必要な媒体載置区画領域などが表示される。そして、遊技盤31に備えられた制御部24は、これらICチップ20のリーダライタ33a、34a〜37aを介してベット媒体載置部33及び、複数の遊技者に対応する保持媒体配置部34〜37における遊技媒体12の配置状況を取得することができる。なお、これらのリーダライタ33a、34a〜37aに代わる通信手段として、遊技盤31の裏面に渡ってスキャン動作して、液晶表示装置により風水盤やルーレット盤が表示されている盤面上に置かれた遊技媒体12のICチップ20に記録されているデータを取得するリーダライタスキャナ装置などを設けることも可能である。
【0051】
こうして、例えば遊技者Aに係属する保持媒体配置部34における遊技媒体12の種類やその遊技価値を、風水占いエンジンにより生成した風水情報に基づいて評価する。そして、保持媒体配置部34に配置されている遊技媒体12の情報表示部12aや発光部12bをこの風水評価情報に応じて作動させることができる。例えば、図7に示すように、保持媒体配置部34の風水情報により選択される遊技媒体12の発光部12bを介してその風水情報が示唆する発光色でフラッシュ発光させるのである。これによって、遊技者は、この遊技媒体みずからが発光する発光色の情報を参照してベット媒体載置部33に遊技媒体12をベット配置する機会が与えられ、風水情報に則ったルーレットゲームなどの進行が容易になるようにしている。
【0052】
実施例2の遊技装置30は、ICチップ20のリーダライタ33a、34a〜37aを介してベット媒体載置部33及び、複数の遊技者に対応する保持媒体配置部34〜37における遊技媒体12の配置状況を取得できる。したがって、この配置情報に基づいた風水占い情報を、遊技媒体12の情報表示部12aや発光部12bを用いて遊技者に提示することができ、その利便性と遊技性に優れた遊技装置を提供することができる。
【0053】
本発明は実施形態に記載したように、遊技媒体12のICチップ20を介して遊技盤上の遊技媒体の配置状況を取得して、この配置状況に応じた風水占いなどの演出表示を行うことを要旨としたものである。こうして、遊技媒体の色情報を含む媒体情報と、遊技盤側に記憶された演出情報とに基づく斬新な演出表示を可能としたため、遊技者の遊技意欲をより高めることが可能となり、ひいては稼動効率を高め、遊技場側の収益向上を図ることが可能となる。
【0054】
以上の実施形態により、以下の遊技機が実現される。
【0055】
すなわち、遊技盤11上に設けられた媒体載置部に、所定の遊技を行う前に遊技媒体を載置して、実際の遊技結果と載置された前記遊技媒体の遊技価値に応じて所定の配当を受けることができるようにした遊技装置であって、前記遊技媒体は、少なくとも遊技媒体の色情報を含む媒体情報を記憶した第1の記憶領域を有するICチップを備え、前記遊技盤は、前記ICチップと通信可能であり、当該ICチップに記憶された媒体情報を読み取るとともに、所定の情報を前記ICチップの第2の記憶領域に書き込むことができる通信手段と、所定の演出情報を記憶した内部記憶手段と、前記通信手段で読み取った前記媒体情報と、前記内部記憶手段に記憶された所定の演出情報とに基づいて、遊技進行に伴う演出表示を行う遊技実行制御手段と、を備える遊技装置10。
【0056】
前記遊技媒体は、複数の色を選択的に発光させることができる発光部をさらに備え、前記遊技実行制御手段は、前記演出表示として、前記通信手段を介して前記遊技媒体の発光部を所定の色で発光させる遊技装置10。
【0057】
前記遊技実行制御手段は、遊技状態が特定の遊技状態であることを条件として、前記発光部を発光させる遊技装置10。
【0058】
前記遊技盤上には、複数の前記媒体載置部が設けられており、前記遊技実行制御手段は、前記遊技媒体が載置された媒体載置部に応じて、遊技特典を付与する遊技装置。
【0059】
なお、本発明の実施例に記載された遊技装置は、最も好適な構成のものを列挙したに過ぎず、本発明は実施例に記載されたものに限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、媒体載置部13の液晶表示面に表示される態様として、風水盤が表示されて占いをモチーフにした演出を行うものを例にして説明したが、本発明は、その他様々なゲームに広く適用して、遊技者の属性データや方位などに関わる風水情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施例1における遊技装置の全体斜視図である。
【図2】同遊技装置における遊技媒体の説明図である。
【図3】同遊技装置の内部構成を示す断面視による説明図である。
【図4】同遊技装置における遊技媒体供給装置の説明図である。
【図5】同遊技装置のブロック構成図である。
【図6】同遊技装置におけるゲーム実行処理のフローチャートである。
【図7】実施例2における遊技装置の斜視図である。
【図8】同遊技装置における遊技盤の説明図である。
【符号の説明】
【0061】
10 実施例1の遊技装置
11 遊技盤
12、12’、12” 遊技媒体
12a 情報表示部
12b 発光部
13 媒体載置部
14 液晶表示パネル
15 操作部
16 スピーカ
17 景品提供部
18 遊技媒体供給装置
18a カード挿入口
18b ポイント付加ボタン
18c 媒体排出口
19 クレジットカード
20 ICチップ
20a 通信回路
21〜23 リーダライタ(通信手段)
24 制御部(遊技実行制御手段)
25 記憶部(内部記憶手段)
30 実施例2の遊技装置
31 遊技盤
33 ベット媒体載置部
34〜37 保持媒体配置部
33a、34a〜37a リーダライタ(通信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤上に設けられた媒体載置部に、所定の遊技を行う前に遊技媒体を載置し、実際の遊技結果と載置された前記遊技媒体の遊技価値に応じて所定の配当を受けることができるようにした遊技装置であって、
前記遊技媒体は、少なくとも遊技媒体の色情報を含む媒体情報を記憶した第1の記憶領域を有するICチップを備え、
前記遊技盤は、
前記ICチップと通信可能であり、当該ICチップに記憶された媒体情報を読み取るとともに、所定の情報を前記ICチップの第2の記憶領域に書き込むことができる通信手段と、
所定の演出情報を記憶した内部記憶手段と、
前記通信手段で読み取った前記媒体情報と、前記内部記憶手段に記憶された所定の演出情報とに基づいて、遊技進行に伴う演出表示を行う遊技実行制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技装置。
【請求項2】
前記遊技媒体は、
複数の色を選択的に発光させることができる発光部をさらに備え、
前記遊技実行制御手段は、
前記演出表示として、前記通信手段を介して前記遊技媒体の発光部を所定の色で発光させることを特徴とする請求項1記載の遊技装置。
【請求項3】
前記遊技実行制御手段は、
遊技状態が特定の遊技状態であることを条件として、前記発光部を発光させることを特徴とする請求項2記載の遊技装置。
【請求項4】
前記遊技盤上には、複数の前記媒体載置部が設けられており、
前記遊技実行制御手段は、
前記遊技媒体が載置された媒体載置部に応じて、遊技特典を付与することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−247375(P2009−247375A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94914(P2008−94914)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】