遊星歯車機構用キャリア組立方法
【課題】本発明は遊星歯車においてキャリアベースとキャリアプレートとからキャリアを組立てる方法に関し、組立後のバリ取り作業なしでピニオンの円滑摺動を確保することができるようにすることを目的とする。
【解決手段】キャリアベース10とキャリアプレート12とを溶接により一体化する前の単品状態において、キャリアベース10におけるピニオン挿入軸の下孔24´及びキャリアプレート10におけるピニオン挿入軸の下孔30´におけるピニオン対向端面側にC面取り24A, 30Aを形成しておく。その後、キャリアベース10とキャリアプレート12とを溶接により一体化し組立体とする。そして、下孔24', 30'を下にピニオン挿入軸のための本孔を穿孔工具Tにより形成する。
【解決手段】キャリアベース10とキャリアプレート12とを溶接により一体化する前の単品状態において、キャリアベース10におけるピニオン挿入軸の下孔24´及びキャリアプレート10におけるピニオン挿入軸の下孔30´におけるピニオン対向端面側にC面取り24A, 30Aを形成しておく。その後、キャリアベース10とキャリアプレート12とを溶接により一体化し組立体とする。そして、下孔24', 30'を下にピニオン挿入軸のための本孔を穿孔工具Tにより形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は遊星歯車においてキャリアベースとキャリアプレートとからキャリアを組立てる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊星歯車機構のキャリヤとしてキャリアベースとキャリアプレートとの溶接構造のものがある。キャリアプレートは円周方向に間隔をおいて円板部から突出する複数の曲折脚部を備えており、この脚部がキャリアベースの底面に穿設された脚部受け孔に挿入溶接される。ピニオン(遊星ギヤ)は隣接する脚部の間においてキャリアベースの内側底面とキャリアプレートとの間に配置される。ピニオンの装着のためキャリアプレートとこれに対向するキャリアベースの内側底面とにピニオン軸孔が穿設され、このピニオンを装着したピニオン軸をピニオン軸孔に嵌着している(特許文献1)。
【0003】
ピニオン装着のためのピニオン軸孔はキャリアベース及びキャリアプレートに芯合するように形成される必要があり、ピニオン軸孔の形成方法としては、キャリアベース及びキャリアプレートに両者の溶接に先立って所定位置に下孔が穿設され、キャリアベースとキャリアプレートとの溶接後に下孔を下に本孔の形成が行われる。
【特許文献1】特開平7−332475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ピニオン軸孔は所定精度を得るため下孔を開けたキャリアベースとキャリアプレートとを溶接後に本孔として加工される。そのため、本孔の加工の段階でバリが発生する。バリはそのままではピニオン装着した場合にピニオン端面に当たり得るためピニオンの摺動の円滑性に悪影響を与え、また、作動中にバリが取れることにより内部を汚染する原因となる。そこで、キャリアに対してピニオンを装着するに先立ってバリ取り作業を行う必要があるが、ピニオンの装着部位は有底筒状のキャリアベースの内側底面とこれに対向するキャリアプレートの内側底面との間の奥まった部位であり、そのままではバリ取り作業のため工具のアクセスが困難な部位である。そこで、キャリアベースの単品状態(溶接前)において、バリ取り用工具のアクセスのための開口部を形成しておき、溶接により組立てられたキャリアに対する本孔の穿設後このバリ取り用開口部よりバリ取り工具をキャリアベースとキャリアプレートとの内側対抗面に導入し、ピニオン装着軸孔端面のバリ取り作業を行っていた。バリ取り作業は部品の内部の奥まった部位での作業になるため専用機による自動化が困難であり、どうしても手作業となっていた。また、バリ取り工具のアクセス用の開口部はキャリアベースの筒状面から底面にかけた部位に形成する必要があり、1回の上下方向のプレス加工だけでは対応できないため、底面側にプレス加工で穿孔を行い、次にCAMを用いた側面からの穿孔及びカットを行う必要があり、相当な工程コストを要していた。また、この開口部はバリ取り作業のアクセスのためだけに機能するものであり、それ以外の機能には何ら関与しないものであり、この点での省力化が希求されていた。
【0005】
この発明はかかる問題点に鑑みなされたものであり、組立後のバリ取り作業なしでピニオンの円滑摺動を確保することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のキャリアは有底筒状をなすキャリアベースと、プレート部とプレート部の円周方向に間隔をおいて複数の脚部とを有したキャリアプレートとからなる。キャリアベース及びキャリアプレートにはピニオン軸の装着用下孔を形成する。下孔の形成はキャリアベース及びキャリアプレートが板材からのプレス品の場合はこれらの部品のプレス加工工程の一環として行うことができる。次いで、キャリアベース及びキャリアプレートの夫々の単品状態でピニオン軸装着用下孔の端面に面取りを行う。そして、下孔端面の面取り後にキャリアベースとキャリアプレートとの溶接や、かしめや、ろう付け等による一体化を行う。溶接の場合にあってはキャリアプレートの脚部をキャリアベースに形成された脚部受け孔に装着し、電子ビーム溶接などにより対抗面を溶接する。溶接等によりキャリアの組立状態状態において、下孔はキャリアベース及びキャリアプレートにおけるピニオン装着部位、即ち、円周方向に隣接する脚部間における所定角度位置におけるキャリアベース底面及びこれに対するキャリアプレート対向面に略芯合位置しており、これら下孔の内側(ピニオン装着側)端面に前記面取部が位置している。そして、下孔をガイドにしてキャリアベース底面及びこれに対するキャリアプレート対向面に本孔の形成を行う。下孔の形成の段階で下孔端面は面取りされており、この面取り部の径は本孔を形成する工具の外径より適当に大きいため本孔穿設時にバリは実質的に発生しない。
【発明の効果】
【0007】
キャリアベース及びキャリアプレートの組立前の下孔に面取りをしているため、キャリアベースとキャリアプレート溶接によるキャリア組立後の本孔形成時にバリは実質的に発生しないため、キャリア組立体にバリ取り作業が不要であり、そのため、キャリアベースにバリ取り工具アクセス用の開口部を形成する必要がなく、工数の大幅削減が可能であり、コスト低減を実現することができる。更に、工具アクセス用の開口部の形成の際のプレス加工孔やCAM による穿孔やカット作業が不用である。そして、工具アクセス用の開口部がないことからその分の製品の剛性増が得られる点で有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の遊星歯車用キャリアは自動車の自動変速機などに使用されるもので、図1〜図5は組立後の状態を示すもので、キャリアは、キャリアベース10とキャリアプレート12とを備え、キャリアベース10とキャリアプレート12とはこの実施形態では溶接され、組立体を構成する。キャリアベース10は金属板材より有底筒状にプレス加工することにより形成される。すなわち、図2に示すようにキャリアベース10は筒状部14と底面部16とから構成される。底面部16は中心に開口18を備え、周知のようにこの開口18はサンギヤ軸が挿通されるものである。筒状部14は外周にスプライン部20を備え、スプライン部20は図1に示すように突部20Aと凹部20Bとを円周方向に等間隔に形成してなり、周知のように、スプライン部20はクラッチディスク若しくはブレーキディスク(図示せず)を軸線に沿って並行な方向に摺動自在に収容せしめるためのものである。図4に示すように、キャリアベース10の底面部16は円周方向に等間隔に離間した3個の受け孔22を形成しており、この受け孔22は後述のようにキャリアプレート12の脚部を収容し溶接するためのものである。また、キャリアベース10における底面部16における円周方向に隣接した一対の受け孔22間には円周方向に等間隔にピニオン軸挿入孔24が形成される。図2に示すように、ピニオン軸挿入孔24におけるキャリアプレート12との対向側端面(ピニオンと対向する内側面)24Aは、詳細に後述するように、この発明に従ってキャリア組立前、即ち、キャリアプレート12との溶接前に下孔の状態にて面取り(C面取り)されている。
【0009】
キャリアプレート12もキャリアベース10と同様に金属板材からのプレス加工により形成されるものである。図3に示すように、キャリアプレート12は全体としては円板状をなし、中央部にはサンギヤ(図示しない)を挿通のための開口部26を形成し、中心から離間した半径の円周上には、円周方向に等間隔に離間した3個の箱形状の脚部28を備えており、脚部28以外の部位ではキャリアプレート12は平板部12´をなしている。脚部28はこの実施形態では折り曲げにより形成されるものであり、L型に曲折された下端28-1(図2)を有している。また、円周方向に隣接した脚部28間におけるキャリアプレート12の円板部12´に位置するように円周方向に等間隔に3個のピニオン軸挿入孔30が形成される。ピニオン軸挿入孔30におけるキャリアベース10との対向側端面(ピニオンと対向する内側面)30Aはこの発明に従ってキャリア組立前、即ち、キャリアベース10との溶接前に下孔の状態にて面取り(C面取り)されている。
【0010】
順序が前後するが、キャリアベース10とキャリアプレート12との溶接による組立てについて最初に説明すると、キャリアプレート12は脚部28を下向きにキャリアベース10の内側に位置され、脚部28のL型端部28-1はキャリアベース10の底面16における脚部受け孔22に挿入される。受け孔22の形状(図4)は、脚部28の下端28-1の輪郭形状に準じた形状(円周方向には両側に多少余白が残る大きさ)をなし、かつ3個の脚部28は3個の受け孔22と同一角度位置に形成されているため、脚部28は受け孔22に半径方向のがたなく挿入することができる。受け孔22に対する脚部28の挿入状態では、図2に示すように、脚部28のL型端部28-1はキャリアベース10の底面と面一となっている。そして、受け孔22の内周面と脚部28の側面との当接部が電子ビーム溶接により溶接される。
【0011】
キャリアベース10のピニオン軸挿入孔24とキャリアプレート12のピニオン軸挿入孔30とは一個づつが芯合した上下の対をなし、このようなピニオン軸挿入孔24, 30の上下の対は3対設けられ、各対のピニオン軸挿入孔24, 30に図2の想像線で示すようにピニオン32のピニオン軸の両端が装着される。図6はキャリアベース10とピニオン32との装着状態を模式的に拡大して示しており、ピニオン32の軸部32-1は2枚のワッシャ34を介してピニオン軸挿入孔30に挿入され、軸部32-1をかしめることにより軸方向には変位しないように装着が行われる。ピニオン32と対向する側におけるピニオン軸挿入孔24の端面24Aはこの発明に従ってキャリアベース10の単品状態(キャリアプレート12との溶接前)における下孔のときに面取りされている。キャリアプレート12とピニオン32との挿入部における構造も図6と同様である。
【0012】
次に、この発明におけるキャリアの組立方法について説明すると、この組立方法において、キャリアベース及びキャリアプレートの溶接前の単品状態においてピニオン軸挿入孔の穿設時に組立後(溶接後)のピニオン対抗側の端面に面取りを行うことを特徴としている。即ち、図7(イ)はキャリアプレートとの溶接前の単品状態のキャリアベース10を示しており、キャリアベース10の所定位置にピニオン軸挿入孔の下孔24´が形成される。下孔24´の径はキャリアプレートとの溶接後に形成される本孔24より適当に小さな孔径になるように行われる。そして、このように形成されたピニオン軸挿入孔の下孔24´におけるピニオン側の端面が図7(ロ)の24AのようにC面取りされる。C面取りはテーパ状の工具が行われるが下孔24´に重ねて本孔24(図2)を形成時、バリが全くでないか、バリがでてもそれがピニオン装着面側に出張らないような適当な大きさのC面取りが行われる。
【0013】
同様な下孔穿設及びC面取りがキャリアプレートのピニオン軸挿入孔についても行われる。即ち、図8(イ)はキャリアベース10との溶接前の単品状態のキャリアプレート12を示しており、キャリアプレート12の所定位置にピニオン軸挿入孔の下孔30´が形成される。下孔30´の径はキャリアベース10との溶接との溶接後に形成される本孔30より適当に小さな孔径に設定される。そして、このように形成されたピニオン軸挿入孔の下孔30´におけるピニオン側の端面が図8(ロ)の30AのようにC面取りされる。
【0014】
キャリアベース10におけるピニオン軸挿入孔の下孔24´及びキャリアプレート12におけるピニオン軸挿入孔の下孔30´の穿孔は、板材からのキャリアベース10及びキャリアプレート12の夫々のプレス成形作業の一環として行うのが効率的である。しかしながら、夫々のプレス成形作業完了後に独自の作業として下孔24', 30'の穿孔作業を行うことはもとより任意である。
【0015】
キャリアベース及びキャリアプレートの下孔24', 30'に対する面取りは歯先が118度といった円錐ドリルにより行うことができる。
【0016】
このようにして下孔24', 30'が穿設され、面取部24A, 30Aを形成したキャリアベース10とキャリアプレート12とはこの実施形体にあっては溶接による組立工程に付される。即ち、図9に示すように、キャリアプレート12は脚部28を下向きにキャリアベース10の内側に位置され、脚部28のL型端部28-1はキャリアベース10の底面16における脚部受け孔22に挿入される。受け孔22の形状(図4参照)は、L型端部28-1の輪郭形状に準じた形状(円周方向には両側に多少余白が残る大きさ)をなし、かつ3個の脚部28は3個の受け孔22と同一角度位置に形成されているため、L型端部28-1は受け孔22に半径方向のがたなく挿入される。受け孔22に対する脚部28の挿入状態では、図9に示すように、脚部28のL型端部28-1はキャリアベース10の底面と面一となっている。そして、受け孔22の内周面と脚部28の側面との当接部が電子ビーム溶接により溶接される。
【0017】
溶接により組み立てた状態では上下に対向した下孔24', 30'の対は3箇所形成され、ピニオンの装着側となる内側端部は24A, 30Aは既に面取り済である。この状態で図9に示すように切削工具Tが一対の下孔24', 30'の対に導入され、図2に説明した上下に整列した本孔24, 30の形成が行われる。本孔の穿設は歯先角度が180に近い一文字ドリルにより行われる。一文字ドリルでは歯先が外周から先に貫通するため高い真円度と位置精度とを得ることができる。
【0018】
この発明ではキャリアベース10とキャリアプレート12との分離状態で下孔24', 30' の穿設及び面取り24A, 30A が行われ、その後、キャリアベース10とキャリアプレート12とを溶接した状態で下孔24', 30'を利用して本孔24, 30としている。そのため、本孔24, 30のピニオン装着側端面には面取りが既に行われており、本孔穿設によるバリの影響が生ぜず、図6に示すようにピニオン32を装着した場合の摺動面(ワッシャ34)との摺動性が問題となることはなく、また、溶接後にバリ取り作業が不要であり、溶接後にバリ取りを行う従来技術との比較においてトータルで作業コストを及び工数削減を実現することができる。
【0019】
図10は従来技術におけるキャリアベース110とキャリアプレート112とからなるキャリア組立体を示すが、従来技術においてはバリ取りをキャリアベース110とキャリアプレート112との溶接後に行っている。組立状態でのキャリアベース110とキャリアプレート112との対向面へのバリ取り工具のアクセスのため、キャリアベース110の筒状部114におけるキャリア設置角度位置毎(図10の場合は3箇所)にアクセス孔140がキャリアベース110の単品状態において予め形成済である。バリ取り工具のアクセス孔140はキャリアプレート112との溶接前のキャリアベースの単品状態において形成されるが、初めに述べたようにプレス穿孔、CAMによる穿孔及びカットよりなる複雑な作業を要し、バリ取りのためだけのものであり、しかも剛性低下の懸念さえあったが、この発明方法はこのようなアクセス孔140の形成工程を全く不要とするものであり、即ち、図5に示すようにこの発明のキャリアベース10の筒状部14は図10に示す従来のキャリアベース140の筒状部114にあるようなアクセス孔140の形成が不要であり、コスト減、剛性増を得ることができるという優れた作用効果を奏することができるものである。
【0020】
以上説明のこの発明の実施形態では、キャリアベース10とキャリアプレート12との一体化はキャリアベース10の脚部受け孔22に対するキャリアプレート12の脚部28の挿入・溶接により行っている説明となっているが、この発明はこのような一体化方法に限らず、その他の一体化方式にも広く採用することができる。例えば、図11はキャリアプレートの脚部に半抜き部を形成し、脚部をキャリアベース上に載置し、半抜き部を28´のようにかしめることによりキャリアベース10とキャリアプレート12との一体化をしたものを示す。また、図12はキャリアベース10とキャリアプレート12とをロウ付け部分42により一体化したものを示し、この発明はこのような一体化構造のものにも採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はこの発明のキャリア組立体の平面図である。
【図2】図2は図1のII−II線に沿って表される矢視断面図である。
【図3】図3はキャリアプレートの単品平面図である。
【図4】図4はキャリアベースの単品平面図である。
【図5】図5はこの発明のキャリア組立体の斜視図である。
【図6】図6はキャリアベースに対するピニオン軸の装着部位を模式的に拡大して示す図である。
【図7】図7(イ)(ロ)はキャリアベースの断面図であり、ピニオン軸孔の面取り加工工程を示す。
【図8】図8(イ)(ロ)はキャリアプレートの断面図であり、ピニオン軸孔の面取り加工工程を示す。
【図9】図9はこの発明におけるキャリアベースとキャリアプレートとの組立後の本孔の加工工程を示す。
【図10】図10は従来のキャリア組立体の斜視図である。
【図11】図11は別の実施形体におけるキャリアベースとキャリアプレートとの組立方法を示す部分図である。
【図12】図12は更に別の実施形体におけるキャリアベースとキャリアプレートとの組立方法を示す部分図である。
【符号の説明】
【0022】
10…キャリアベース
12…キャリアプレート
22…脚部受け孔
24…キャリアベースのピニオン軸挿入孔
24´…下孔
24A…面取り部
28…キャリアプレート脚部
30…キャリアプレートのピニオン軸挿入孔
30´…下孔
30A…面取り部
32…ピニオン
32-1…ピニオン軸
T…本孔穿設工具
【技術分野】
【0001】
この発明は遊星歯車においてキャリアベースとキャリアプレートとからキャリアを組立てる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊星歯車機構のキャリヤとしてキャリアベースとキャリアプレートとの溶接構造のものがある。キャリアプレートは円周方向に間隔をおいて円板部から突出する複数の曲折脚部を備えており、この脚部がキャリアベースの底面に穿設された脚部受け孔に挿入溶接される。ピニオン(遊星ギヤ)は隣接する脚部の間においてキャリアベースの内側底面とキャリアプレートとの間に配置される。ピニオンの装着のためキャリアプレートとこれに対向するキャリアベースの内側底面とにピニオン軸孔が穿設され、このピニオンを装着したピニオン軸をピニオン軸孔に嵌着している(特許文献1)。
【0003】
ピニオン装着のためのピニオン軸孔はキャリアベース及びキャリアプレートに芯合するように形成される必要があり、ピニオン軸孔の形成方法としては、キャリアベース及びキャリアプレートに両者の溶接に先立って所定位置に下孔が穿設され、キャリアベースとキャリアプレートとの溶接後に下孔を下に本孔の形成が行われる。
【特許文献1】特開平7−332475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ピニオン軸孔は所定精度を得るため下孔を開けたキャリアベースとキャリアプレートとを溶接後に本孔として加工される。そのため、本孔の加工の段階でバリが発生する。バリはそのままではピニオン装着した場合にピニオン端面に当たり得るためピニオンの摺動の円滑性に悪影響を与え、また、作動中にバリが取れることにより内部を汚染する原因となる。そこで、キャリアに対してピニオンを装着するに先立ってバリ取り作業を行う必要があるが、ピニオンの装着部位は有底筒状のキャリアベースの内側底面とこれに対向するキャリアプレートの内側底面との間の奥まった部位であり、そのままではバリ取り作業のため工具のアクセスが困難な部位である。そこで、キャリアベースの単品状態(溶接前)において、バリ取り用工具のアクセスのための開口部を形成しておき、溶接により組立てられたキャリアに対する本孔の穿設後このバリ取り用開口部よりバリ取り工具をキャリアベースとキャリアプレートとの内側対抗面に導入し、ピニオン装着軸孔端面のバリ取り作業を行っていた。バリ取り作業は部品の内部の奥まった部位での作業になるため専用機による自動化が困難であり、どうしても手作業となっていた。また、バリ取り工具のアクセス用の開口部はキャリアベースの筒状面から底面にかけた部位に形成する必要があり、1回の上下方向のプレス加工だけでは対応できないため、底面側にプレス加工で穿孔を行い、次にCAMを用いた側面からの穿孔及びカットを行う必要があり、相当な工程コストを要していた。また、この開口部はバリ取り作業のアクセスのためだけに機能するものであり、それ以外の機能には何ら関与しないものであり、この点での省力化が希求されていた。
【0005】
この発明はかかる問題点に鑑みなされたものであり、組立後のバリ取り作業なしでピニオンの円滑摺動を確保することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のキャリアは有底筒状をなすキャリアベースと、プレート部とプレート部の円周方向に間隔をおいて複数の脚部とを有したキャリアプレートとからなる。キャリアベース及びキャリアプレートにはピニオン軸の装着用下孔を形成する。下孔の形成はキャリアベース及びキャリアプレートが板材からのプレス品の場合はこれらの部品のプレス加工工程の一環として行うことができる。次いで、キャリアベース及びキャリアプレートの夫々の単品状態でピニオン軸装着用下孔の端面に面取りを行う。そして、下孔端面の面取り後にキャリアベースとキャリアプレートとの溶接や、かしめや、ろう付け等による一体化を行う。溶接の場合にあってはキャリアプレートの脚部をキャリアベースに形成された脚部受け孔に装着し、電子ビーム溶接などにより対抗面を溶接する。溶接等によりキャリアの組立状態状態において、下孔はキャリアベース及びキャリアプレートにおけるピニオン装着部位、即ち、円周方向に隣接する脚部間における所定角度位置におけるキャリアベース底面及びこれに対するキャリアプレート対向面に略芯合位置しており、これら下孔の内側(ピニオン装着側)端面に前記面取部が位置している。そして、下孔をガイドにしてキャリアベース底面及びこれに対するキャリアプレート対向面に本孔の形成を行う。下孔の形成の段階で下孔端面は面取りされており、この面取り部の径は本孔を形成する工具の外径より適当に大きいため本孔穿設時にバリは実質的に発生しない。
【発明の効果】
【0007】
キャリアベース及びキャリアプレートの組立前の下孔に面取りをしているため、キャリアベースとキャリアプレート溶接によるキャリア組立後の本孔形成時にバリは実質的に発生しないため、キャリア組立体にバリ取り作業が不要であり、そのため、キャリアベースにバリ取り工具アクセス用の開口部を形成する必要がなく、工数の大幅削減が可能であり、コスト低減を実現することができる。更に、工具アクセス用の開口部の形成の際のプレス加工孔やCAM による穿孔やカット作業が不用である。そして、工具アクセス用の開口部がないことからその分の製品の剛性増が得られる点で有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の遊星歯車用キャリアは自動車の自動変速機などに使用されるもので、図1〜図5は組立後の状態を示すもので、キャリアは、キャリアベース10とキャリアプレート12とを備え、キャリアベース10とキャリアプレート12とはこの実施形態では溶接され、組立体を構成する。キャリアベース10は金属板材より有底筒状にプレス加工することにより形成される。すなわち、図2に示すようにキャリアベース10は筒状部14と底面部16とから構成される。底面部16は中心に開口18を備え、周知のようにこの開口18はサンギヤ軸が挿通されるものである。筒状部14は外周にスプライン部20を備え、スプライン部20は図1に示すように突部20Aと凹部20Bとを円周方向に等間隔に形成してなり、周知のように、スプライン部20はクラッチディスク若しくはブレーキディスク(図示せず)を軸線に沿って並行な方向に摺動自在に収容せしめるためのものである。図4に示すように、キャリアベース10の底面部16は円周方向に等間隔に離間した3個の受け孔22を形成しており、この受け孔22は後述のようにキャリアプレート12の脚部を収容し溶接するためのものである。また、キャリアベース10における底面部16における円周方向に隣接した一対の受け孔22間には円周方向に等間隔にピニオン軸挿入孔24が形成される。図2に示すように、ピニオン軸挿入孔24におけるキャリアプレート12との対向側端面(ピニオンと対向する内側面)24Aは、詳細に後述するように、この発明に従ってキャリア組立前、即ち、キャリアプレート12との溶接前に下孔の状態にて面取り(C面取り)されている。
【0009】
キャリアプレート12もキャリアベース10と同様に金属板材からのプレス加工により形成されるものである。図3に示すように、キャリアプレート12は全体としては円板状をなし、中央部にはサンギヤ(図示しない)を挿通のための開口部26を形成し、中心から離間した半径の円周上には、円周方向に等間隔に離間した3個の箱形状の脚部28を備えており、脚部28以外の部位ではキャリアプレート12は平板部12´をなしている。脚部28はこの実施形態では折り曲げにより形成されるものであり、L型に曲折された下端28-1(図2)を有している。また、円周方向に隣接した脚部28間におけるキャリアプレート12の円板部12´に位置するように円周方向に等間隔に3個のピニオン軸挿入孔30が形成される。ピニオン軸挿入孔30におけるキャリアベース10との対向側端面(ピニオンと対向する内側面)30Aはこの発明に従ってキャリア組立前、即ち、キャリアベース10との溶接前に下孔の状態にて面取り(C面取り)されている。
【0010】
順序が前後するが、キャリアベース10とキャリアプレート12との溶接による組立てについて最初に説明すると、キャリアプレート12は脚部28を下向きにキャリアベース10の内側に位置され、脚部28のL型端部28-1はキャリアベース10の底面16における脚部受け孔22に挿入される。受け孔22の形状(図4)は、脚部28の下端28-1の輪郭形状に準じた形状(円周方向には両側に多少余白が残る大きさ)をなし、かつ3個の脚部28は3個の受け孔22と同一角度位置に形成されているため、脚部28は受け孔22に半径方向のがたなく挿入することができる。受け孔22に対する脚部28の挿入状態では、図2に示すように、脚部28のL型端部28-1はキャリアベース10の底面と面一となっている。そして、受け孔22の内周面と脚部28の側面との当接部が電子ビーム溶接により溶接される。
【0011】
キャリアベース10のピニオン軸挿入孔24とキャリアプレート12のピニオン軸挿入孔30とは一個づつが芯合した上下の対をなし、このようなピニオン軸挿入孔24, 30の上下の対は3対設けられ、各対のピニオン軸挿入孔24, 30に図2の想像線で示すようにピニオン32のピニオン軸の両端が装着される。図6はキャリアベース10とピニオン32との装着状態を模式的に拡大して示しており、ピニオン32の軸部32-1は2枚のワッシャ34を介してピニオン軸挿入孔30に挿入され、軸部32-1をかしめることにより軸方向には変位しないように装着が行われる。ピニオン32と対向する側におけるピニオン軸挿入孔24の端面24Aはこの発明に従ってキャリアベース10の単品状態(キャリアプレート12との溶接前)における下孔のときに面取りされている。キャリアプレート12とピニオン32との挿入部における構造も図6と同様である。
【0012】
次に、この発明におけるキャリアの組立方法について説明すると、この組立方法において、キャリアベース及びキャリアプレートの溶接前の単品状態においてピニオン軸挿入孔の穿設時に組立後(溶接後)のピニオン対抗側の端面に面取りを行うことを特徴としている。即ち、図7(イ)はキャリアプレートとの溶接前の単品状態のキャリアベース10を示しており、キャリアベース10の所定位置にピニオン軸挿入孔の下孔24´が形成される。下孔24´の径はキャリアプレートとの溶接後に形成される本孔24より適当に小さな孔径になるように行われる。そして、このように形成されたピニオン軸挿入孔の下孔24´におけるピニオン側の端面が図7(ロ)の24AのようにC面取りされる。C面取りはテーパ状の工具が行われるが下孔24´に重ねて本孔24(図2)を形成時、バリが全くでないか、バリがでてもそれがピニオン装着面側に出張らないような適当な大きさのC面取りが行われる。
【0013】
同様な下孔穿設及びC面取りがキャリアプレートのピニオン軸挿入孔についても行われる。即ち、図8(イ)はキャリアベース10との溶接前の単品状態のキャリアプレート12を示しており、キャリアプレート12の所定位置にピニオン軸挿入孔の下孔30´が形成される。下孔30´の径はキャリアベース10との溶接との溶接後に形成される本孔30より適当に小さな孔径に設定される。そして、このように形成されたピニオン軸挿入孔の下孔30´におけるピニオン側の端面が図8(ロ)の30AのようにC面取りされる。
【0014】
キャリアベース10におけるピニオン軸挿入孔の下孔24´及びキャリアプレート12におけるピニオン軸挿入孔の下孔30´の穿孔は、板材からのキャリアベース10及びキャリアプレート12の夫々のプレス成形作業の一環として行うのが効率的である。しかしながら、夫々のプレス成形作業完了後に独自の作業として下孔24', 30'の穿孔作業を行うことはもとより任意である。
【0015】
キャリアベース及びキャリアプレートの下孔24', 30'に対する面取りは歯先が118度といった円錐ドリルにより行うことができる。
【0016】
このようにして下孔24', 30'が穿設され、面取部24A, 30Aを形成したキャリアベース10とキャリアプレート12とはこの実施形体にあっては溶接による組立工程に付される。即ち、図9に示すように、キャリアプレート12は脚部28を下向きにキャリアベース10の内側に位置され、脚部28のL型端部28-1はキャリアベース10の底面16における脚部受け孔22に挿入される。受け孔22の形状(図4参照)は、L型端部28-1の輪郭形状に準じた形状(円周方向には両側に多少余白が残る大きさ)をなし、かつ3個の脚部28は3個の受け孔22と同一角度位置に形成されているため、L型端部28-1は受け孔22に半径方向のがたなく挿入される。受け孔22に対する脚部28の挿入状態では、図9に示すように、脚部28のL型端部28-1はキャリアベース10の底面と面一となっている。そして、受け孔22の内周面と脚部28の側面との当接部が電子ビーム溶接により溶接される。
【0017】
溶接により組み立てた状態では上下に対向した下孔24', 30'の対は3箇所形成され、ピニオンの装着側となる内側端部は24A, 30Aは既に面取り済である。この状態で図9に示すように切削工具Tが一対の下孔24', 30'の対に導入され、図2に説明した上下に整列した本孔24, 30の形成が行われる。本孔の穿設は歯先角度が180に近い一文字ドリルにより行われる。一文字ドリルでは歯先が外周から先に貫通するため高い真円度と位置精度とを得ることができる。
【0018】
この発明ではキャリアベース10とキャリアプレート12との分離状態で下孔24', 30' の穿設及び面取り24A, 30A が行われ、その後、キャリアベース10とキャリアプレート12とを溶接した状態で下孔24', 30'を利用して本孔24, 30としている。そのため、本孔24, 30のピニオン装着側端面には面取りが既に行われており、本孔穿設によるバリの影響が生ぜず、図6に示すようにピニオン32を装着した場合の摺動面(ワッシャ34)との摺動性が問題となることはなく、また、溶接後にバリ取り作業が不要であり、溶接後にバリ取りを行う従来技術との比較においてトータルで作業コストを及び工数削減を実現することができる。
【0019】
図10は従来技術におけるキャリアベース110とキャリアプレート112とからなるキャリア組立体を示すが、従来技術においてはバリ取りをキャリアベース110とキャリアプレート112との溶接後に行っている。組立状態でのキャリアベース110とキャリアプレート112との対向面へのバリ取り工具のアクセスのため、キャリアベース110の筒状部114におけるキャリア設置角度位置毎(図10の場合は3箇所)にアクセス孔140がキャリアベース110の単品状態において予め形成済である。バリ取り工具のアクセス孔140はキャリアプレート112との溶接前のキャリアベースの単品状態において形成されるが、初めに述べたようにプレス穿孔、CAMによる穿孔及びカットよりなる複雑な作業を要し、バリ取りのためだけのものであり、しかも剛性低下の懸念さえあったが、この発明方法はこのようなアクセス孔140の形成工程を全く不要とするものであり、即ち、図5に示すようにこの発明のキャリアベース10の筒状部14は図10に示す従来のキャリアベース140の筒状部114にあるようなアクセス孔140の形成が不要であり、コスト減、剛性増を得ることができるという優れた作用効果を奏することができるものである。
【0020】
以上説明のこの発明の実施形態では、キャリアベース10とキャリアプレート12との一体化はキャリアベース10の脚部受け孔22に対するキャリアプレート12の脚部28の挿入・溶接により行っている説明となっているが、この発明はこのような一体化方法に限らず、その他の一体化方式にも広く採用することができる。例えば、図11はキャリアプレートの脚部に半抜き部を形成し、脚部をキャリアベース上に載置し、半抜き部を28´のようにかしめることによりキャリアベース10とキャリアプレート12との一体化をしたものを示す。また、図12はキャリアベース10とキャリアプレート12とをロウ付け部分42により一体化したものを示し、この発明はこのような一体化構造のものにも採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はこの発明のキャリア組立体の平面図である。
【図2】図2は図1のII−II線に沿って表される矢視断面図である。
【図3】図3はキャリアプレートの単品平面図である。
【図4】図4はキャリアベースの単品平面図である。
【図5】図5はこの発明のキャリア組立体の斜視図である。
【図6】図6はキャリアベースに対するピニオン軸の装着部位を模式的に拡大して示す図である。
【図7】図7(イ)(ロ)はキャリアベースの断面図であり、ピニオン軸孔の面取り加工工程を示す。
【図8】図8(イ)(ロ)はキャリアプレートの断面図であり、ピニオン軸孔の面取り加工工程を示す。
【図9】図9はこの発明におけるキャリアベースとキャリアプレートとの組立後の本孔の加工工程を示す。
【図10】図10は従来のキャリア組立体の斜視図である。
【図11】図11は別の実施形体におけるキャリアベースとキャリアプレートとの組立方法を示す部分図である。
【図12】図12は更に別の実施形体におけるキャリアベースとキャリアプレートとの組立方法を示す部分図である。
【符号の説明】
【0022】
10…キャリアベース
12…キャリアプレート
22…脚部受け孔
24…キャリアベースのピニオン軸挿入孔
24´…下孔
24A…面取り部
28…キャリアプレート脚部
30…キャリアプレートのピニオン軸挿入孔
30´…下孔
30A…面取り部
32…ピニオン
32-1…ピニオン軸
T…本孔穿設工具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状をなすキャリアベースと、プレート部及びプレート部の円周方向に間隔をおいて複数の脚部を有したキャリアプレートとからなり、キャリアプレートの脚部をキャリアベースの内周底面に一体化し、キャリアプレートの隣接した脚部の間におけるプレート部とキャリアベースの内周底面との間にピニオン軸の装着孔を形成してなる遊星歯車機構用キャリア組立方法において、キャリアベースとキャリアプレートとの一体化に先立ってキャリアベースとキャリアプレートとの夫々にピニオン軸の装着用の下孔を穿設し、次いで、下孔における内側端縁を面取りし、その後キャリアプレートの脚部をキャリアベースの内周底面に一体化すると共に、ピニオン軸の装着用の本孔を形成する遊星歯車機構用キャリア組立方法。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、下孔の穿設は板材からのキャリアベース及びキャリアプレートのプレス成形過程において行われる遊星歯車機構用キャリア組立方法。
【請求項1】
有底筒状をなすキャリアベースと、プレート部及びプレート部の円周方向に間隔をおいて複数の脚部を有したキャリアプレートとからなり、キャリアプレートの脚部をキャリアベースの内周底面に一体化し、キャリアプレートの隣接した脚部の間におけるプレート部とキャリアベースの内周底面との間にピニオン軸の装着孔を形成してなる遊星歯車機構用キャリア組立方法において、キャリアベースとキャリアプレートとの一体化に先立ってキャリアベースとキャリアプレートとの夫々にピニオン軸の装着用の下孔を穿設し、次いで、下孔における内側端縁を面取りし、その後キャリアプレートの脚部をキャリアベースの内周底面に一体化すると共に、ピニオン軸の装着用の本孔を形成する遊星歯車機構用キャリア組立方法。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、下孔の穿設は板材からのキャリアベース及びキャリアプレートのプレス成形過程において行われる遊星歯車機構用キャリア組立方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−327608(P2007−327608A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160683(P2006−160683)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000178804)ユニプレス株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000178804)ユニプレス株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
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