道路から汚染物質を除去するためのシステムおよび方法
道路面から炭化水素および他の汚染物質を除去するためのシステムおよび方法を提供する。本システムは、車両に取り付けられる汚染物質捕集装置を含み得、汚染物質捕集装置は、吸収性パッド、フィルタまたは膜を含む。汚染物質捕集装置は、車両に、例えば、車輪収容部内に、泥よけフラップに、車両の下側に、あるいは汚染物質捕集装置が道路汚染物質にさらされ得る別の適切な場所に取り付けられる。ここに説明する本方法は、道路から道路汚染物質を放出するステップと、汚染物質捕集装置を使用して、放出された道路汚染物質を集めるステップとを含み得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路表面から汚染物質を除去する装置に関する。さらに詳細には、ここに説明する実施形態には、汚染物質捕集装置が含まれ、この汚染物質捕集装置は、多孔質フィルタ、パッド、または膜などの、車両を動かす下部構造に取り付けられて、道路の表面から放たれる道路の汚染物質を集める。周囲から汚染物質を除去するこれらの装置を使用する方法もまた、提供される。
【背景技術】
【0002】
環境保護局(EPA)によれば、汚染源が特定できない汚染(NPS)が、現在、アメリカ国内における水質問題の主な原因である。NPSは、地面上を、また地面を通って流れる降雨または雪解け水により引き起こされる。流出水が流れると、流出水は、天然および人工の汚染物質を、拾い上げ運んで、最終的に沿岸海域、湖、川、湿地および我々の飲料水の地下水源にさえ堆積させる(例えば、2002年10月のPollution Equipment Newsの「海の油」を参照)。これらの汚染物質は、数が多くまた多様であるが、それらには、都市流出水およびエネルギーの生成によるオイル、グリースおよび有毒化学物質が含まれる。大気の堆積物および水文的改変(hydromodification)もまた、NPSの主要な源である。
【0003】
道路面上に炭化水素および有毒金属が蓄積する原因の大部分は、排気管の排気、タイヤトレッドの摩耗、自動車流体の漏出、ブレーキパッドの劣化、および汚れた自動車洗浄水にある(米国特許第5,993,372号明細書を参照)。排気管の排気が放出されると、例えば、排気中の多くの「細かい」粒子が、街路上へ吸い込まれまたは徐々に流れて、雨により雨水渠内へ流されるか、あるいは回転するタイヤにより大気中へ投げ出される(「再飛散」と呼ぶ)のを待つ。微粒子、一酸化炭素、窒素酸化物、揮発性有機化合物、有毒有機化合物(例えば、トルエン)、および他の重金属が、すべて排気管の排気中に見つかる。さらに、タイヤトレッドが摩耗すると、汚染物質が、亜鉛、カドミウム、カーボンブラックおよびゴムの微粒子の形態で、道路面上に蓄積される。漏出するオイル、不凍液、ブレーキおよび変速装置用の流体、バッテリー用硫酸、グリースおよびグリース除去剤も、道路面に蓄積する。これらの自動車の液体は、同様に、有毒有機化合物および金属を含有している。さらに、ブレーキパッドのほこりも、道路汚染の主要な原因であって、我々の水路内へ銅が蓄積される大きな原因である。サンフランシスコ湾では、例えば、ブレーキパッドのほこりが、銅汚染の最大の原因であると報告される(Palo Alto(CA)Regional Water Quality Control Plantのウェブサイトから入手可能な「How Do Vehicles Pollute the Bay? Let’s Count the Ways」を参照)。
【0004】
道路汚染物質の蓄積は、人間の健康に強烈な影響がある。主にNational Institute of Environmental Health Sciencesによる資金提供を受けた調査において、肺癌による死亡者数は、1立方メートル当たりの微粒子状物質が10マイクログラムごとに8パーセント増加すると、研究者は推定した。最も汚染のひどい都市において肺癌および心臓病で死亡する危険を、非喫煙者が長期間にわたって(たばこの)副流煙にさらされることに関連づけられる危険と比較した(「2002年3月5日付MSNおよびWebMD Medical News」のJeanie Davisによる「Air Pollution Increases Lung Cancer Risk、Evidence Links Bad Air with Heart Disease, Too」を参照)。自動車の数が、世界の人口増加率より3倍速く増加しており、また、世界中の死亡原因のおよそ40%が、様々な環境要因、特に有機および化学汚染物質の場合があることから、道路面からこれらの毒素を除去する装置および方法が必要であることは、明らかである(BioScienceの1998年10月号を参照)。
【0005】
いくつかの異なる装置が、自動車から放出される汚染物質を捕集するように作製されている(例えば、米国特許第6,170,586号、第5,711,402号、第5,993,372号、第5,967,200号、第5,549,178号、第5,692,547号および第6,524,992号明細書)。これらの装置および方法は、汚染物質が道路面と接触する前に汚染物質を捕集することによって、汚染物質を減少させるが、既に道路面上に蓄積している汚染物質を除去する装置および方法が、なおかなり必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、道路面から汚染物質を除去するシステムおよび方法の実施形態を含んでいる。一実施形態では、本システムは、汚染物質捕集装置を備える車両を含み、当該汚染物質捕集装置は、汚染物質捕集装置の露出面に汚染物質が集まるように、車両の下側に装着され、これらの汚染物質は、車両を道路で走行させると、汚染物質捕集装置上へ分配される(例えば、車両のタイヤにより、あるいは走行中に車両の下に吸引が生じることにより、すなわちファン、ブロワ、バキュームにより吸引が引き起こされると、汚染物質が道路面から放出される)。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置は、フレームおよびパッドを含む。一実施形態では、汚染物質捕集装置は、電荷を帯びたイオンを大気に追加し、静電帯電した収集プレートで汚染物質粒子を捕集するイオン洗浄装置を含んでいる。他の実施形態では、汚染物質捕集装置は、車両に取り付けられるパッドまたはフィルタを含む。さらに他の実施形態では、本システムは、汚染物質捕集装置へ空気および汚染物質を誘導または集中させるファン、ブロワまたはバキュームを含む。
【0007】
汚染物質捕集装置は、車両の車輪収容部の内側に装着することができ、その位置は、車両が道路上を移動するときに、車両のタイヤから発されるしぶきが集まる位置、または汚染物質が、車両の下に吸引されて、汚染物質捕集装置と接触する位置である。他の実施形態では、汚染物質捕集装置は、車両の泥よけフラップに装着される。汚染物質捕集装置は、いくつかのタイプのファスナにより取り付けることができ、このファスナには、限定はしないが、汚染物質捕集装置を所定位置に保持するねじ、接着剤、釘、クランプ、面ファスナ(例えば、VELCRO(登録商標)ブランドの面ファスナ)、および/またはスリーブが含まれる。他の実施形態では、車両のホイールハウジングは、それを汚染物質捕集装置にするか、または汚染物質捕集装置を組込むように、変更されるかまたは再設計される。別の実施形態では、ホイールハウジングは、汚染物質を集中させるように最適化され、当該汚染物質は、車両の下またはホイールハウジング内から、汚染物質捕集装置へ吸引される。種々の実施形態では、汚染物質捕集装置は、親油性パッド、疎水性パッド、疎水性・親水性パッド、帯電パッド、非帯電パッド、磁気パッド、または炭化水素または有毒金属を捕集するパッド、およびそれらの組み合わせを捕集するパッドであり得る。例えば、汚染物質捕集装置は、負の電荷を帯びた生物学的物質を引きつけ得る正の電荷を帯びたプラスチック材料を含み得る。
【0008】
本発明の他の実施形態は、道路面から汚染物質を除去する方法に関する。例えば、一実施形態では、道路面に存在する汚染物質は、車両の下に分散され(例えば、タイヤによって放たれ、走行中に生じる真空によって、あるいはファン、ブロワまたはバキュームにより生じる空気流によって車両の下に吸引され)、車両の下部構造に装着された汚染物質捕集装置によって捕らえられる。いくつかの実施形態は、車両の車輪収容部の内部に装着された汚染物質捕集装置内に、道路面からの汚染物質を捕集するステップを含んでいる。他の実施形態は、車両の泥よけフラップに装着された汚染物質捕集装置内に、道路面からの汚染物質を捕集するステップを含んでいる。別の実施形態は、車両で汚染物質を放つまたはかき乱すことにより、湿潤または乾燥した道路面から汚染物質を除去するステップと、車両の下側に装置された汚染物質捕集装置の露出部分内に汚染物質を集めるまたは捕集するステップと、を含む。ここに説明する本発明のシステムおよび方法を使用することによって、道路汚染物質(例えば、炭化水素、揮発性化学物質および有毒金属)が、周囲から除去される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで、本発明の実施形態を添付の図に関連して説明し、当該図では、同様の番号は、同様の要素を示している。ここに示す説明において使用される用語は、本発明のある特定の実施形態の詳細な説明に関連して用いられているという理由だけで、種々に制限または限定が行われるようには解釈されないものとする。さらに、本発明の実施形態は、新規ないくつかの特徴を含み得、それらの単一のものだけでは、望ましい特質を得られず、あるいはそれらの新規ないくつかの特徴は、ここに説明する本発明の実施に必須ではない。
【0010】
道路面に蓄積する汚染物質を捕集するための装置および方法が、開発されており、それらを、添付の図に関連してここに説明する。いくつかの実施形態において、本装置は、汚染物質捕集装置を含み、当該捕集装置は、道路汚染物質が道路面から放たれると、それらの汚染物質を集めかつ/または結合させ得る位置で、車両の下部構造に取り付けられる(例えば、汚染物質は、駆動中に車両のタイヤにより放たれ、駆動中に生じる真空により車両の下に吸い込まれ、あるいはファン、ブロワ、またはバキュームにより空気流が作り出されることによって、車両の下へ押し込まれるかまたはフィルタへ集められる)。例えばブロワ、モータ、またはファンを使用して、強制的に空気を誘導するかまたは吸い込むことによって、汚染物質捕集装置への空気流および道路汚染物質の流れを増加させ得る。例えば、強制的な空気の誘導または吸い込みは、車両が、汚染物質捕集装置への十分な空気流を生じさせる程十分速く動いていない場合に、汚染物質捕集装置への道路汚染物質の流れを増加させるために利用し得る。本発明の実施形態は、汚染物質捕集装置(例えば、パッド、フィルタまたは膜)を含み、当該汚染物質捕集装置は、車両の車輪収容部、はねよけまたは泥よけフラップに取り付けられ、この取り付けは、車両の車輪により生じる道路のしぶき(例えば、雨水または道路のほこり)を集める位置に行われるか、あるいは、駆動中に真空が生じることにより、または強制的に空気が誘導されること(例えば、ファン、ブロワ、またはバキューム)により、車両の下に吸い込まれる道路汚染物質との接触が可能な位置に行われる。汚染物質捕集装置は、多くの異なる材料から作製可能であって、好ましくは、炭化水素、有毒金属、オイル、タール、燃料、潤滑剤、有機化学物質、農薬、バクテリア、石綿、除氷剤由来の塩およびその他同種のものを結合する材料からできている。
【0011】
汚染物質捕集装置(例えば、道路からしぶきが上がる車輪収容部領域に取り付けられた炭化水素フィルタ)を装備した車両は、道路面上において車両を単に駆動させることにより道路面上の炭化水素量を減少させるために使用することができる。タイヤが道路汚染物質を放つと、例えば、湿った道路面から汚染物質と水とのスラリーを引き出すことによって、または乾燥した道路面から汚染物質を含んだほこりのエーロゾルを作り出すことによって、汚染物質は、汚染物質捕集装置と接触し付着して、それにより、道路面上の汚染物質の量が減少する。
【0012】
さらに、車両が道路面上を駆動すると、真空が、車両の下の、特に車輪収容部上の位置に生じる。車両が引き起こす真空は、自転車に乗った人が、通り過ぎるバスの車輪に引き込まれるいくつかの事故の原因と思われるほどの相当な量になり得る(J.Natl.Acad.of Forensic Engineers、XVIII巻 第1号、2001年6月を参照)。速度が増すと、車両の車輪近くの圧力は減少して、真空が生じる。本発明の一実施形態は、この真空を利用して、道路面から放たれる道路汚染物質を車両の下に吸い込み、車両の下かつ/または車両の車輪収容部内に配置された汚染物質捕集装置上に配置して、それにより、道路面上の汚染物質の量を減少させる。
【0013】
汚染物質捕集装置(例えば、車輪収容部に取り付けられる炭化水素フィルタ)を装備した車両、および汚染物質放出器(例えば、汚染物質をフィルタパッドと接触させるために、空気流、好ましくは真空を生じるように車両に取り付けられるファンおよびブロワ、バキューム)が提供される。汚染物質捕集装置と汚染物質放出器とを組み合わせることによって、特に車両が低速度に維持された場合、汚染物質捕集装置上に集められる汚染物質の量を増加させ得る。
【0014】
図1に、一実施形態に係る汚染物質捕集装置120を示す。汚染物質捕集装置120は、車両への損傷を妨げるだけでなく、さらに重要なことには、道路面から汚染物質を除去し、これは、環境汚染物質が道路面からかき乱されるときに、環境汚染物質を集めることにより行われる。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、水または他の無公害性の道路流体から環境汚染物質を分離する。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、汚染物質を凝固させ得る。
【0015】
図1に示す実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ハウジング124および汚染物質捕集パッド126を含んでいる。ハウジング124は、汚染物質捕集パッドを保持するどんなタイプの構造にしてもよく、例えば汚染物質捕集パッド126を「保持」し、汚染物質を集めるためのパッド126の両面を露出するフレームにすることができる。別の例の実施形態では、ハウジングは、汚染物質捕集パッド126を保持し、汚染物質を集めるためのパッド126の片面を露出する構造にし得る。いくつかの実施形態では、パッド126は、少なくとも1つの面を、道路、車輪または車輪収容部に露出するように配置され得る。別の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ハウジング124のない汚染物質捕集パッド126を含む。汚染物質捕集パッド126を「保持する」構造体またはフレームについて述べると、多数のタイプの実施形態では、汚染物質捕集パッドが、本構造体へ、任意の方法(例えば、クリップ、スナップ、面ファスナ、ボタン、接着剤、ねじ、雄部および雌部と連結されるファスナ、機械的な圧力など)で取り付けられ、その取り付けが、永続的にまたは取り外し可能に行われる場合を含めて考えられている。
【0016】
図4において詳細に後述するように、汚染物質捕集装置120は、車両の下側、または車輪収容部を含めて、汚染物質捕集パッド126を道路汚染物質へ露出する車両のどんな部分にも、取り付け得る。車両の車輪ハウジング(または車輪収容部)は、車両の下または車輪収容部内への真空を改善し、汚染物質捕集パッド126上に分散される汚染物質を集中させるような設計にし得る。
【0017】
図2の広範囲の上面または底面図に示すように、例えば、汚染物質捕集パッド126は、汚染物質捕集装置の材料130を含み得、この材料130には、例えば、炭化水素および/または有毒金属を集める膜、スポンジまたはフィルタが含まれ得る。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置の材料130は、汚染物質を結合させ、集め、捕らえ、かつ/または保持し得る。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、水または他の無公害性の道路流体をはじき得る材料を含む場合がある。一実施形態では、汚染物質捕集装置の材料130には、車両上へ配置するためのキルティング製の吸収性パッドが含まれる。別の実施形態では、汚染物質捕集装置の材料130は、汚染物質捕集装置の材料130が結合し、捕らえ、かつ/または保持することを支援する複数の孔132を含む。
【0018】
一実施形態では、汚染物質捕集装置の材料130は、吸収性スポンジを含み、それは、動物性または合成源から作製し得る。本発明のいくつかの実施形態において使用し得るスポンジには、米国特許第5,039,414号明細書に記載された汚染物質捕集装置120が含まれる。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、汚染物質を無公害性の材料へ分解しかつ/または化学変化させる有機体または化学物質を含む(例えば、油を分解するバクテリア、胞子または殺菌性のある化合物)。
【0019】
図3に、汚染物質捕集装置126の縁の図を示す。汚染物質捕集パッド126は、上部136および底部138を有している。汚染物質捕集パッド126は、さらに複数の層140を含み得る。いくつかの実施形態では、層は、すべて同じ特性を具え得る。他の実施形態では、汚染物質捕集パッド126の各層140は、異なる特性を具え得る。例えば、層140の上部136またはその近くが、疎水性(撥水性)であり、かつ/あるいは層140の底部238またはその近くが、親油性(油吸引性)であることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、コーティング、例えば化学物質または有機体を含有するコーティングを含み得、それによって、別の望ましい特性が汚染物質捕集パッド126に与えられる。
いくつかの実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、親油性、疎水性、または親油性かつ疎水性にしてもよい。汚染物質捕集パッド126は、吸収、吸着、カプセル化、マイクロカプセル化、揮発、沈降、再懸濁、脱着、酸化または還元、錯体形成、あるいはそれらを組み合わせて用いて、道路から汚染物質を除去する材料からなり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、汚染捕集パッド126は、吸収性、吸着性または両方の性質を含み得る吸収吸着材料(ここでは「吸収吸着剤」と呼ぶ)を含む。吸収吸着材料は、その分子構造の全体にわたって分配された液体をピックアップし、保持するものである。吸収吸着材料は、孔および毛細管を含めて、その面上が液体によりコーティングされる不溶解性材料である。吸収吸着剤は、天然有機物、天然無機物、または合成物であり得る。天然有機吸収吸着剤には、ピートモス、麦わら、干し草のおがくず、粉にしたトウモロコシの穂軸、羽毛、紙および他の炭素系材料が含まれる。使用し得る天然製品の一例は、カナダ国、ニューファンドランド州のHi Point Industriesにより製造され商品名「OCLANSORB」で入手し得る、処理されたピートである。天然無機吸着剤には、粘土、パーライト、バーミキュライト、グラスウール、砂、火山灰およびその他同種のものが含まれ得る。合成吸着剤には、ポリウレタン、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのプラスチック、架橋重合体、ゴム材料、ゲル、コロイドおよびその他同種のものが含まれ得る。吸収吸着材料の組み合わせを使用し、それを、別個の層内において混合するかまたは供給し得ることが好ましい。
【0021】
様々なタイプの吸収吸着材料が、当該技術において知られており、それらのうちのどれを、ここに説明する汚染物質捕集装置120の実施形態に組み入れてもよい。例えば、汚染物質捕集装置120のいくつかの実施形態は、冬の数か月の間に道路に塩をまいた結果、道路に蓄積する塩を集めるように設計された材料を含む。道路の塩を集める汚染物質捕集パッド126に適する吸収吸着材料が、米国特許第6,526,741号明細書に記載されている。ナトリウムおよびカリウム塩などのアルカリ金属は、炭化水素、化学物質、ポリマーグループであるPall Process Filtration Companyから入手可能なAqua Sep(登録商標)フィルタに供給された吸収吸着材料に容易に吸収され得る。ここに説明する汚染捕集装置120内にこの吸収吸着材料を使用することが、考えられる。同様に、磁化された吸収吸着材料を使用することが、当該技術において知られており、この技術も、ここに説明する実施形態に容易に用いることができる(例えば、米国特許第6,524,457号明細書を参照)。
【0022】
汚染物質捕集装置120の実施形態は、単独でまたはここに説明する他の膜およびフィルタと組み合わせて使用し得る多くの別のタイプの適切な膜またはフィルタを含み得る。例えば、種々の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ESFIL TECHNO(北東エストニア内の、シラマエ市の工業地域の自由経済地帯の領域内にある法人の中の法人)により製造されたろ過材の1つまたはそれ以上のろ過材を含み得、ろ過材の選択は、除去の標的にする道路汚染物質により異なり得る。いくつかの例の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ろ過用高分子材料(「FPM」)を含み得、それは、ESFIL TECHNOから入手可能であって、また、希釈された酸、アルカリ、アルコール、飽和炭化水素、グリセリン、オイル、石油および真水に対して化学的に安定しており、−30°Cから+70°Cまで維持される温度範囲を有している。他の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ペルクロロビニル(perchlorovinyl)ろ過材(「FPP」)を含み得、それは、ESFIL TECHNOから入手可能であって、強酸とアルカリ、アルコール、および飽和炭化水素に対して化学的に安定しており、−200°から60°Cまでの作用温度範囲を有する。ESFIL TECHNOからの、汚染物質捕集装置120内において使用し得るろ過材の例は、FPP−D(一般に希薄な空気およびガスのろ過に使用)、FPP−D−4(一般に、液体、燃料、航空オイルを含むオイル、粒子、空気、ガスの希薄浄化に使用)、FPP−G(一般に、アルコール、酸、アルカリの浄化に使用)、POROFILG−5/206(一般に、5ミクロンを超える粒子の除去に使用)、POROFILG−1/207(液体香料、アルコール、飽和炭化水素、オイル、酸、技術的にイオン除去された水、機械的不純物からの水溶液の浄化を目的とする)、FPAR−15−1.5(一般に、希薄なガスおよび空気のろ過に使用)、およびFPSF−15−1.5(一般に、微生物、バクテリアおよびウイルスを含む、空中の分散混合物からの空気の希薄浄化に使用)を含むが、それらに限定はされない。
【0023】
汚染物質捕集装置120は、他の応用においてフィルタとして使用し得るか、またはここでは「フィルタ」または「フィルタ材料」と呼び得る様々な材料を含み得るが、汚染物質捕集装置においてそのような材料を使用する場合、このような材料を使用することには、必ずしも空気流を材料中に通過させる必要はなく、ただし、いくつかの場合には、空気流を材料中に通過させてもよい。むしろ、道路汚染物質を運ぶ空気流は、道路汚染物質を、フィルタ材料上にまたはフィルタ材料内に集めるか、またはフィルタ材料と結合させるように、フィルタ材料の近傍に汚染物質を配置する必要があるだけである。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、耐熱性が高い材料、例えば、高温の影響を受けない汚染物質収集特性を有する材料、および/または燃焼点が高く、それにより汚染物質捕集装置120が、車両の、高温にさらされる場所に、例えば機関または排気装置の近傍に配置され得る材料を含み得る。
【0024】
重大な環境被害を引き起こす別の一般的な道路汚染物質は、ガソリンの含酸素添加剤として使用されるタイプのt−ブチルエーテル(例えば、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、エチルt−ブチルエーテル、およびメチルt−アミルエーテル)、並びにエーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン)などのエーテル系汚染物質である。米国の地下水のMTBE汚染の全体が、最近分かったばかりである。米国地質調査所の全米水質評価プログラムの一部として行なわれた調査によって、MTBEが、都市の地下水中に最もよく検出される第2の汚染物質であることが明らかになった(Squillace P.J.、J.S.Zogorski、W.G.WilberおよびC.V.Priceの、「Preliminary assessment of the occurrence and possible sources of MTBE in groundwater in the United States, 1993−1994」、Environ.Sci.Technol.30:1721−1730(1996年))。エーテル系の汚染物質、特にMTBE、並びにオイルおよびグリースを捕集するいくつかの異なる吸収吸着材料が、知られている(米国特許第5,437,793号、第5,698,139号、第5,837,146号、第5,961,823号、第6,524,842号、第6,180,010号、第6,475,393号および第5,614,100号明細書を参照)。
【0025】
多くの実施形態の場合、米国特許第6,475,393号明細書に記載された吸収吸着材料などの適切な吸収吸着材料、または同様の材料が、汚染物質吸収吸着パッド126に好ましい場合があって、その理由は、オイル、グリースおよびその他同種のものを効率的に集めるが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ハロゲン化炭化水素、エトキシ化グリコールなどの有害で若干可溶性のある有機化合物も捕集することである。これらの有害な汚染物質は、水から除去しにくい化合物であり、発癌性がある。この吸収吸着材料はまた、カドミウム、クロム、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、ヒ素、銀および水銀などの金属イオンを除去し得る。
【0026】
下記の実施例1は、この吸収吸着材料を製造する1つの方法を説明している。
【0027】
実施例1
本発明とともに使用するフィルタ基板を製造するために、適切な溶媒および吸収吸着組成物から、注入溶液を準備する。この実施例において、溶液を、90w/w 99.9%のアセトンと10w/wの吸収吸着組成物とから準備し、吸収吸着組成物は、31%のイソブチルメタクリレート、31%のELVACITE 2045および66%の亜麻仁油の反応生成物である。吸収吸着組成物をアセトンとともに密閉爆発しにくい混合機に加え、12時間または溶液が均質になるまで混合する。この実施例における基板は、不織ポリプロピレン、すなわち、High Point N.CのYarorough & Co.のVERASPUN材料である。この材料の重量は、1オンス/平方フィートである。基板材料を、飽和するまで注入溶液に浸し、次にそれを取り出し、過剰の液体を滴下させ得る。その後、材料を、アセトンがなくなるまで、華氏110から120度で対流炉内に置く。その後、材料を、1週間室温で硬化させる。次いで、得られた材料を、(例えば、車両の車輪収容部内に取り付けられるように)切断し様々なフィルタ構成に形成する。
【0028】
図4を参照すると、車両200が、道路202上に示されている。道路202は、生じることが一般に知られている、汚染物質204の層を道路202上に配置して示している。車両200は、車両本体205および車輪206を含み、車輪206は、車輪収容部208により少なくとも部分的に囲まれるように示している。車両本体205は、道路202にさらされる下側209を含む。車両200が道路に沿って移動すると、汚染物質204が、回転する車輪206によりかき乱される。汚染物質204は、車輪206と接触するので、かつ/または動いている車両200の下およびその周りに真空が生じることによって、道路202から運ばれる。車輪206が回転することによって、車両と環境に損害を与える恐れがある汚染物質のしぶきが生じる場合がある。雨が降ると、この状況は悪化する。雨によって、道路面への汚染物質が増加して、駆動状況が安全でなくなり、環境への損害が増加する。車輪206が道路202と直接接触するので、汚染物質の濃度は、車輪206の近くで、特に車両の車輪収容部208において最も高い。
【0029】
汚染物質のしぶきは、車輪206の回転により生じる風洞作用により生じる。調査によって、車両の車輪が回転すると、車輪に低圧力が生じて、物体が車輪の方へ引き込まれることが確認された。例えば、2001年6月刊行のJournal of the National Academy of Forensic Engineers、XVIII巻、第1号の、James M.Greenによる「The Causal Factor of Bus Wheel Injuries and a Remedial Method for Prevention of These Accidents」を参照。
【0030】
図5を参照すると、車両の車輪収容部208が汚染物質捕集装置を含んでいない場合の、車輪収容部208の詳細な図が示されている。車輪収容部208は、内面210、移行面212、および開口部214を含んでいる。移行面212は、車両200の本体205に内面210を接続して、その結果、部分的に開いたハウジングが形成される。車輪収容部208は、部分的に車輪206と車輪アセンブリ216を収容する。
【0031】
図6から図8を参照すると、汚染物質捕集装置120が、車両200の車輪収容部208に取り付けて示されている。図6は、汚染物質捕集装置120を、車輪収容部208の内面210に取り付けて示している。図7は、複数の汚染物質捕集装置120を、車輪収容部208の内面210に取り付けて示している。図8は、汚染物質捕集装置120を、車輪収容部208の移行面212に取り付けて示している。道路汚染物質の濃度が最も高いのは、車両の車輪収容部なので、上述のように、車輪収容部208に汚染物質捕集装置120を取り付けることが、望ましい。したがって、いくつかの実施形態では、車輪収容部は、実質的に汚染物質捕集装置となるように構成される。
【0032】
汚染物質捕集装置120は、任意の適切な構成に、例えば、三角形、楕円形、L字形、正方形、長方形、円形、丸状、球状、あるいは電動または非電動車両の任意の部分に取り付けられるように設計された他の形状に作製し得る。汚染物質捕集装置120の寸法は、後述するように、汚染物質捕集装置120の特定の構成および位置によって変わり得る。好ましくは、汚染物質捕集装置120は、車両200の車輪収容部、フェンダ、または泥よけフラップ内にきちんと取り付けられ、また、形状が、特定の車両100の車輪収容部のしぶきのパターンに対応する形状であり、かつ/あるいは、駆動中に真空が生じることによって、かつ/またはファン、ブロワ、またはバキューム装置などの汚染物質放出器により気流または真空が作り出されることによって、車両100内およびその下に押し流される汚染物質を集めるのに最適な形状および車両の下の位置になるように、構成される。
【0033】
汚染物質捕集装置120は、さらに、車両100に汚染物質捕集装置120を取り付けるためのファスナを含み得る。車両100に汚染物質捕集装置120を取り付けるために、面ファスナ、クリップ、ねじ、接着剤、ファスナ、ブラケットおよび同様のものなどのどんな取付方法を、使用してもよい。
【0034】
一実施形態では、汚染物質捕集装置120は、車両200の下側209へ取り付けられる。車両209の下側に汚染物質捕集装置120を設けることによって、汚染物質捕集装置120は、車両200が道路202上で駆動されるとかき乱されるかまたは放出される汚染物質を集める。別の実施形態、さらに多くの実施形態では、車両100の車輪ハウジング124は、車両100の下におけるまたは車輪収容部内への真空を改善するか、かつ/または汚染物質捕集パッド126上に、まき散らされる汚染物質を集中させるように、設計されている。
【0035】
図9に示すように、汚染物質捕集装置120は、車両200の泥よけフラップ244上に設けてもよい。しかしながら、一般に、図10に示すように、汚染物質捕集装置120は、道路汚染物質が道路面から放出されると、汚染物質捕集装置120の露出された部分が道路汚染物質を集める位置において、道路202の方を向いた、車両200の下側209のどの場所にも設けてもよい。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、車両の前方に設けられる場合がある。より多くの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、フェンダ車輪収容部に設けられる場合がある。
【0036】
いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置および/または道路の近くの空気流を増加させるために、汚染物質刺激器または放出器(図示せず)を使用してもよく、それによって、道路から除去され汚染物質捕集装置に付着される汚染物質が、増加する。いくつかの実施形態では、汚染物質刺激器は、空気流を増加させるために強制的な誘導または吸引を用いる場合がある。汚染物質刺激器の例には、限定はしないが、ブロワ、モータ、ファンおよびその他同種のものが含まれる。
【0037】
いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、バクテリア、ウイルス、および/または他の微生物を殺すように構成し得る。例えば、一実施形態(図示せず)では、汚染物質捕集装置120は、乾燥すると一連の微細なスパイクを形成する液体で覆われた材料を含み得る。この表面と接触した微生物の細胞膜に孔があくと、微生物が死ぬ。前記微細なスパイクを形成し抗菌性の液体の例は、Biogreen 3000(登録商標)であって、それは、イギリス国ケントのMicrogenix Technologies Limitedから入手可能である。図11は、微生物を中和するために使用され得る汚染物質捕集装置120の別の実施形態を示している。図11に示すように、汚染物質捕集装置120は、紫外線源250にさらして、汚染物質捕集装置120内に存在するバクテリア、ウイルス、および他の有機体を殺しかつ/または抑制し得る。別の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、殺菌剤、あるいは抗生物質または材料、例えば汚染物質捕集パッド126上を覆う抗生物質を含んでいる。さらに別の実施形態では、汚染物質捕集装置は、微生物を殺す殺菌剤またはオゾン発生器を含んでいる。
【0038】
本明細書において考えられた汚染捕集装置120は、任意の適切な車両の面に配置されるように構成し得る。例えば、いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、永続的に車両200に固定し得る。他の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、取り外し可能に車両200に固定し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング224は、永続的に車両200に取り付け得る。他の実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、取り外し可能でありかつ/または交換可能である。他の実施形態では汚染物質捕集装置120を隠すが、さらに多くの実施形態では、汚染物質捕集装置120を露出させる。
【0039】
ここに全体を説明するように、汚染捕集装置、および道路面上の汚染物質を減少させる本方法の実施形態は、四輪車両に限定せず、またモータ付き車両に限定しない。汚染物質捕集装置は、二輪車両(オートバイ、自転車、スクーター、モペット、ヒューマン・セグウェイ・トランスポーター)、三輪車両(例えば、自動三輪車およびATV三輪車と、非自動三輪車)、四輪車両(例えば、ATV四輪車、トラクタ、乗用車、トラック、バンなど)、および車輪が4つを超える他の比較的大型の車両(例えば、多数の車輪を有するトラックなど)を含む、多数のタイプの車両における使用に適切な設計を行い得る。車両は、1つまたはそれ以上の汚染捕集装置を含むように構成し得る。汚染捕集装置は、汚染物質捕集パッド126を道路汚染物質にさらし得る、車両のどの場所にも配置可能である。例えば、汚染捕集装置は、車両の多数の場所に配置し得るが、その場所は、限定されず、フェンダ、フロントスポイラ、リヤスポイラ、スプラッシュガード、泥よけフラップ、車両、車両の下側、または汚染物質捕集装置が道路汚染物質にさらされ得る車両上の他の適切な位置が含まれる。さらに、汚染物質捕集装置は、どのタイプの車両上にも配置することができ、その配置場所は、汚染物質捕集パッド126が、通常は道路汚染物質にさらされないが、ファンまたはブロワによって、設計されてまたは自然に、車両を通り車両のまわりに生じる真空または種々の空気流を使用することによって、あるいは汚染物質捕集パッド126に道路汚染物質を運ぶ任意のタイプの装置を使用することによって、道路汚染物質にさらされる場所である。
【0040】
汚染物質捕集装置は、多数のやり方で設計し得る。一実施形態では、汚染物質捕集装置120は、単一の汚染物質捕集パッド126を含み得る。他の別の実施形態(図示せず)では、汚染物質捕集装置120は、ローラーに配置される多数の汚染物質捕集パッドを含み得、1枚の汚染物質捕集パッドを道路にさらし、ある期間の後に、さらした汚染物質捕集パッドをローラーから取り外し、それにより、道路汚染物質を集めるために使用し得る別の汚染物質捕集パッドをさらす。
【0041】
別の実施形態(図示せず)では、汚染物質捕集装置120は、1枚の汚染物質捕集パッド126を道路の汚染物質にさらして、例えばティッシュ箱またはナプキンディスペンサーと同様に、概ね積み重ねた構成の多数の汚染物質捕集パッドを含み得る。ある期間の後、さらされた汚染物質捕集パッド126を汚染物質捕集装置120から取り外し、それにより、周囲に、別の汚染物質捕集パッド126をさらして、その後、その別の汚染物質捕集パッド126を、道路汚染物質を集めるために使用する。
【0042】
別の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、一般に塗装ブース内において空気からの粒子をろ過するために使用される材料を含み得る。これらの材料には、例えば、ポリエステル、繊維ガラス、ポリエステルおよび繊維ガラス、スクリムを裏打ちした材料、紙あるいは繊維ガラスまたはポリエステルに関連して使用される紙が含まれ得る。他の実施形態では材料の粘着性が高くない場合でも、いくつかの実施形態では、粒子をしっかり保持するように、材料の粘着性を高くする。適切な塗装ブースのろ過材料は、例えば、ケンタッキー州、ルイスビルのAirguardを含むいくつかの会社から入手し得る。
【0043】
さらに別の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、汚染物質捕集装置120または汚染物質捕集パッド126の点検時期、例えば、汚染捕集装置120の交換時期、または汚染物質捕集パッド126の交換時期を示すインジケータを含み得る。多数の汚染物質捕集パッド126(例えば、汚染物質捕集パッド126を巻いたものまたは汚染物質捕集パッド126を積み重ねたもの)を使用する実施形態では、汚染物質捕集装置120は、周囲に別の汚染物質捕集パッド126をさらし得るように、さらされた汚染物質捕集パッド126を取り外す時期を示すインジケータを含み得る。前述のインジケータは、種々のやり方で組み入れ得る。例えば、一実施形態では、インジケータを汚染物質捕集装置のフレームに配置する。別の実施形態では、インジケータは、汚染物質捕集パッド126の交換時期を示すように色が目に見えて変化する、汚染物質捕集パッド上の化学物質である。別の実施形態では、インジケータは、汚染物質捕集装置126または汚染物質捕集装置とは別にすることができ、また、汚染物質捕集装置120または汚染物質捕集パッド126の点検または交換時期を示す信号を供給するセンサまたは検知装置である。ここに開示した多数の材料は、汚染物質捕集装置において使用し得る適切な材料の例であるが、本発明は、開示された前記の材料に限定されない。
【0044】
以下の実施例では、典型的な汚染物質捕集装置120で道路面上の炭化水素の量が低減したことを実証するために、典型的な汚染物質捕集装置を使用して行った実験を説明する。
【0045】
実施例2
汚染物質捕集装置120をトラックの車輪収容部に取り付け、道路が濡れている条件下でハワイにおいて車両を走行させた。約150マイルを走行した後、汚染捕集装置120を取り外し、炭化水素の存在を分析した。ハワイ、ホノルルの食品品質研究所(The Food Quality Lab)を利用して、汚染物質捕集装置に蓄積した石油炭化水素の量の分析を独自に行った。
【0046】
データからは、短い試験期間中に、相当な量の石油炭化水素が汚染捕集装置に蓄積されていたことが分かった。これらの結果から、汚染物質捕集装置120が、濡れた道路面上の道路汚染物質の量を著しく減少させたことが実証された。次の実施例は、汚染物質捕集装置120が、道路が乾燥している条件の下で、道路汚染物質を除去し得ることを実証するために実施可能なテストについて同様に説明している。
【0047】
実施例3
汚染物質捕集装置120をトラックの車輪収容部に用い、道路が乾燥した条件下でハワイにおいて走行を行った。約150マイルを走行した後に、汚染捕集装置120を取り外し、炭化水素の存在を分析した。汚染捕集装置上への道路汚染物質の蓄積の分析には、ハワイ、ホノルルの食品品質研究所を利用し得る。汚染物質捕集装置が、乾燥した道路面上の道路汚染物質の量をさらに著しく減少させることが測定される。次の実施例は、汚染物質捕集装置120が、効率的に道路汚染物質を除去することを実証した別の試験について説明している。
【0048】
実施例4
汚染物質捕集装置120を、2002年型ChevroletのAvalancheの車輪収容部に取り付け、車両を、混合道路条件(すなわち、湿潤・乾燥条件)下で、ハワイ、ホノルルの市街地近くで走行させた。約1500マイルを走行させた後に、汚染捕集装置120を、取り外し、炭化水素と重金属の存在を分析した。汚染物質捕集装置120上への道路汚染物質蓄積の分析には、ハワイ、ホノルルの独立した研究所である先端分析研究所(Advanced Analytical Lab LLC)を利用した。
【0049】
その結果から、短い試験期間中に、全石油炭化水素の相当な量の全石油炭化水素が汚染物質捕集装置120に蓄積していたことが分かった。さらに、その結果から、バリウム、クロム、銅、鉛およびセレンを含むかなりの量の重金属も、汚染物質捕集装置120上に集められたことが分かった。これらの結果から、ここに説明するような、車両および汚染物質捕集装置120を含むシステムが、道路面から炭化水素および重金属を効率的に除去することが実証された。次の実施例は、ここに説明する本発明の実施形態が、効率的に周囲から汚染物質を除去することをさらに強力に証明している。
【0050】
実施例5
別の汚染物質捕集装置120を、日産フロンティアキングキャブピックアップトラックの車輪収容部に取り付けて、混合道路条件(すなわち、湿潤または乾燥条件)の下、ネバダ州ラスベガスの市街地の近くで走行させた。およそ402マイル、681マイル、1415マイルまたは3278マイル走行させた後、汚染物質捕集装置120を取り外して、炭化水素、重金属および様々な化学物質の存在を分析した。汚染物質捕集装置120への道路汚染物質蓄積の分析には、独立した研究所である、ネバダ州ラスベガスのNEL研究所(NEL Laboratories)を利用した。
【0051】
第1の実験セットでは、同じタイプの汚染物質捕集装置120を、乾燥および湿潤道路条件の下でテストした。その結果から、かなりの総量の石油炭化水素(TPH)が、乾燥および湿潤条件において汚染物質捕集装置120に蓄積していたことが分かった。例えば、2.5×2.5平方インチにカットしたフィルタでは、乾燥条件下において、TPH総量がおよそ6.5mg(1平方インチあたりのTPH総量は、およそ0.04fl.oz)が蓄積し、湿潤条件下では、17.2mgのTPH(1平方インチあたりのTPH総量は、およそ0.11fl.oz)が蓄積した。バリウム、カドミウム、クロムおよび鉛を含むかなりの量の重金属もまた、汚染物質捕集装置120上に集められ、ジブロモフルオロメタン、トルエンおよび4−ブロモフルオロベンゼンなどの揮発性化学物質もまた、汚染物質捕集装置120上に蓄積していた。これらの実験から、汚染物質捕集装置120が、湿潤または乾燥道路条件下において周囲から炭化水素、重金属および揮発性化学物質を効率的に除去することが実証された。
【0052】
第2の実験セットにおいて、異なる汚染物質捕集装置の、炭化水素、重金属および化学物質を蓄積する能力を、乾燥道路条件の下で比較した。両方のタイプの汚染物質捕集装置120が、周囲から全ての炭化水素、重金属および化学物質を除去することに有効であることが分かった。実際、1つのタイプの汚染物質捕集装置120に蓄積された炭化水素量は、汚染物質捕集装置120の(露出されていない)制御部上に存在することが分かっている炭化水素量の4倍を超えた。その結果から、バリウム、カドミウム、クロム、銅、鉛、銀、水銀(1つのタイプのフィルタ上)、4−ブロモフルオロベンゼン、ジブロモフルオロメタンおよびトルエンが蓄積していたことが分かった。これらの結果から、ここに説明するように、車両および汚染物質捕集装置120を含むシステムが、炭化水素、重金属および化学物質を周囲から効率的に除去するというより多くの証拠が得られる。上の実施例において提供されるような道路試験を、次の実施例において説明するように、米国の50の全州および世界中の様々な国々において行う。
【0053】
実施例6
汚染物質捕集装置120を、いくつかの車両の車輪収容部に適用し、湿潤・乾燥条件下で50の全州およびいくつかの外国において走行させる。約1000マイルを走行させた後に、汚染物質捕集装置120を、取り外し、例えばハワイ、ホノルルの食品品質研究所により、道路汚染物質の存在を分析する。これらの実験から、ここに説明する汚染物質捕集装置120を使用することによって、50の全州および世界中のいくつかの国々で、炭化水素、有毒金属などの道路汚染物質の量を減少させ得ることが分かるだろう。
【0054】
実施例7
汚染物質捕集装置120を車両の車輪収容部に適用して、湿潤・乾燥条件の下でネバダ州中の走行を行った。約3000マイルの走行を行った後に、汚染物質捕集装置120を、取り外し、ニュージャージー州ウェストモントのEMSL Analytical Inc.(「EMSL」)により、道路汚染物質の存在を分析した。EMSLでは、汚染物質捕集装置に堆積した粒子を分析するために、偏光顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分光器およびX線回折を組み合わせて使用する。EMSLで、以下の粒子の濃度(パーセント)を確認した。石英23%、方解石20%、ドロマイト17%、他の鉱物2%、珪酸カルシウム25%、鋼破片2%、および未確認の有機物11%。EMSLによって、露出した汚染物質捕集パッド上の粒径分布に関する以下の情報も確認された。
【0055】
【表1】
この実験から、汚染物質捕集装置120が、様々な条件の下において様々な組成の道路汚染物質粒子を除去し、それにより、道路汚染物質の量を減少し得ることが分かった。先の説明は、本発明のいくつかの実施形態を詳述している。しかしながら、本文中に既にいかに詳細に述べたかに拘わらず、本発明を多くの方法で実施し得ることが理解されるだろう。上述のように、本発明のある特徴または態様を述べるときに特定の用語を使用することを、それらの用語が関連する本発明の特性または態様のどんな特定の特徴も含む限定が行われるような再定義をそれらの用語にここで行うものと解釈されないことに、注意すべきである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびいかなる均等物にも従って解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る汚染物質捕集装置の斜視図である。
【図2】汚染物質捕集装置の正面図である。
【図3】汚染物質捕集装置の側面図である。
【図4】道路上の車両の概略図である。
【図5】車両の車輪収容部の詳細な斜視図である。
【図6】車両の車輪収容部に使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図7】車両の車輪収容部に使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図8】車両の車輪収容部に使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図9】車両の泥よけフラップに使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図10】車両と共に使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図11】UV光源にさらされた図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路表面から汚染物質を除去する装置に関する。さらに詳細には、ここに説明する実施形態には、汚染物質捕集装置が含まれ、この汚染物質捕集装置は、多孔質フィルタ、パッド、または膜などの、車両を動かす下部構造に取り付けられて、道路の表面から放たれる道路の汚染物質を集める。周囲から汚染物質を除去するこれらの装置を使用する方法もまた、提供される。
【背景技術】
【0002】
環境保護局(EPA)によれば、汚染源が特定できない汚染(NPS)が、現在、アメリカ国内における水質問題の主な原因である。NPSは、地面上を、また地面を通って流れる降雨または雪解け水により引き起こされる。流出水が流れると、流出水は、天然および人工の汚染物質を、拾い上げ運んで、最終的に沿岸海域、湖、川、湿地および我々の飲料水の地下水源にさえ堆積させる(例えば、2002年10月のPollution Equipment Newsの「海の油」を参照)。これらの汚染物質は、数が多くまた多様であるが、それらには、都市流出水およびエネルギーの生成によるオイル、グリースおよび有毒化学物質が含まれる。大気の堆積物および水文的改変(hydromodification)もまた、NPSの主要な源である。
【0003】
道路面上に炭化水素および有毒金属が蓄積する原因の大部分は、排気管の排気、タイヤトレッドの摩耗、自動車流体の漏出、ブレーキパッドの劣化、および汚れた自動車洗浄水にある(米国特許第5,993,372号明細書を参照)。排気管の排気が放出されると、例えば、排気中の多くの「細かい」粒子が、街路上へ吸い込まれまたは徐々に流れて、雨により雨水渠内へ流されるか、あるいは回転するタイヤにより大気中へ投げ出される(「再飛散」と呼ぶ)のを待つ。微粒子、一酸化炭素、窒素酸化物、揮発性有機化合物、有毒有機化合物(例えば、トルエン)、および他の重金属が、すべて排気管の排気中に見つかる。さらに、タイヤトレッドが摩耗すると、汚染物質が、亜鉛、カドミウム、カーボンブラックおよびゴムの微粒子の形態で、道路面上に蓄積される。漏出するオイル、不凍液、ブレーキおよび変速装置用の流体、バッテリー用硫酸、グリースおよびグリース除去剤も、道路面に蓄積する。これらの自動車の液体は、同様に、有毒有機化合物および金属を含有している。さらに、ブレーキパッドのほこりも、道路汚染の主要な原因であって、我々の水路内へ銅が蓄積される大きな原因である。サンフランシスコ湾では、例えば、ブレーキパッドのほこりが、銅汚染の最大の原因であると報告される(Palo Alto(CA)Regional Water Quality Control Plantのウェブサイトから入手可能な「How Do Vehicles Pollute the Bay? Let’s Count the Ways」を参照)。
【0004】
道路汚染物質の蓄積は、人間の健康に強烈な影響がある。主にNational Institute of Environmental Health Sciencesによる資金提供を受けた調査において、肺癌による死亡者数は、1立方メートル当たりの微粒子状物質が10マイクログラムごとに8パーセント増加すると、研究者は推定した。最も汚染のひどい都市において肺癌および心臓病で死亡する危険を、非喫煙者が長期間にわたって(たばこの)副流煙にさらされることに関連づけられる危険と比較した(「2002年3月5日付MSNおよびWebMD Medical News」のJeanie Davisによる「Air Pollution Increases Lung Cancer Risk、Evidence Links Bad Air with Heart Disease, Too」を参照)。自動車の数が、世界の人口増加率より3倍速く増加しており、また、世界中の死亡原因のおよそ40%が、様々な環境要因、特に有機および化学汚染物質の場合があることから、道路面からこれらの毒素を除去する装置および方法が必要であることは、明らかである(BioScienceの1998年10月号を参照)。
【0005】
いくつかの異なる装置が、自動車から放出される汚染物質を捕集するように作製されている(例えば、米国特許第6,170,586号、第5,711,402号、第5,993,372号、第5,967,200号、第5,549,178号、第5,692,547号および第6,524,992号明細書)。これらの装置および方法は、汚染物質が道路面と接触する前に汚染物質を捕集することによって、汚染物質を減少させるが、既に道路面上に蓄積している汚染物質を除去する装置および方法が、なおかなり必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、道路面から汚染物質を除去するシステムおよび方法の実施形態を含んでいる。一実施形態では、本システムは、汚染物質捕集装置を備える車両を含み、当該汚染物質捕集装置は、汚染物質捕集装置の露出面に汚染物質が集まるように、車両の下側に装着され、これらの汚染物質は、車両を道路で走行させると、汚染物質捕集装置上へ分配される(例えば、車両のタイヤにより、あるいは走行中に車両の下に吸引が生じることにより、すなわちファン、ブロワ、バキュームにより吸引が引き起こされると、汚染物質が道路面から放出される)。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置は、フレームおよびパッドを含む。一実施形態では、汚染物質捕集装置は、電荷を帯びたイオンを大気に追加し、静電帯電した収集プレートで汚染物質粒子を捕集するイオン洗浄装置を含んでいる。他の実施形態では、汚染物質捕集装置は、車両に取り付けられるパッドまたはフィルタを含む。さらに他の実施形態では、本システムは、汚染物質捕集装置へ空気および汚染物質を誘導または集中させるファン、ブロワまたはバキュームを含む。
【0007】
汚染物質捕集装置は、車両の車輪収容部の内側に装着することができ、その位置は、車両が道路上を移動するときに、車両のタイヤから発されるしぶきが集まる位置、または汚染物質が、車両の下に吸引されて、汚染物質捕集装置と接触する位置である。他の実施形態では、汚染物質捕集装置は、車両の泥よけフラップに装着される。汚染物質捕集装置は、いくつかのタイプのファスナにより取り付けることができ、このファスナには、限定はしないが、汚染物質捕集装置を所定位置に保持するねじ、接着剤、釘、クランプ、面ファスナ(例えば、VELCRO(登録商標)ブランドの面ファスナ)、および/またはスリーブが含まれる。他の実施形態では、車両のホイールハウジングは、それを汚染物質捕集装置にするか、または汚染物質捕集装置を組込むように、変更されるかまたは再設計される。別の実施形態では、ホイールハウジングは、汚染物質を集中させるように最適化され、当該汚染物質は、車両の下またはホイールハウジング内から、汚染物質捕集装置へ吸引される。種々の実施形態では、汚染物質捕集装置は、親油性パッド、疎水性パッド、疎水性・親水性パッド、帯電パッド、非帯電パッド、磁気パッド、または炭化水素または有毒金属を捕集するパッド、およびそれらの組み合わせを捕集するパッドであり得る。例えば、汚染物質捕集装置は、負の電荷を帯びた生物学的物質を引きつけ得る正の電荷を帯びたプラスチック材料を含み得る。
【0008】
本発明の他の実施形態は、道路面から汚染物質を除去する方法に関する。例えば、一実施形態では、道路面に存在する汚染物質は、車両の下に分散され(例えば、タイヤによって放たれ、走行中に生じる真空によって、あるいはファン、ブロワまたはバキュームにより生じる空気流によって車両の下に吸引され)、車両の下部構造に装着された汚染物質捕集装置によって捕らえられる。いくつかの実施形態は、車両の車輪収容部の内部に装着された汚染物質捕集装置内に、道路面からの汚染物質を捕集するステップを含んでいる。他の実施形態は、車両の泥よけフラップに装着された汚染物質捕集装置内に、道路面からの汚染物質を捕集するステップを含んでいる。別の実施形態は、車両で汚染物質を放つまたはかき乱すことにより、湿潤または乾燥した道路面から汚染物質を除去するステップと、車両の下側に装置された汚染物質捕集装置の露出部分内に汚染物質を集めるまたは捕集するステップと、を含む。ここに説明する本発明のシステムおよび方法を使用することによって、道路汚染物質(例えば、炭化水素、揮発性化学物質および有毒金属)が、周囲から除去される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで、本発明の実施形態を添付の図に関連して説明し、当該図では、同様の番号は、同様の要素を示している。ここに示す説明において使用される用語は、本発明のある特定の実施形態の詳細な説明に関連して用いられているという理由だけで、種々に制限または限定が行われるようには解釈されないものとする。さらに、本発明の実施形態は、新規ないくつかの特徴を含み得、それらの単一のものだけでは、望ましい特質を得られず、あるいはそれらの新規ないくつかの特徴は、ここに説明する本発明の実施に必須ではない。
【0010】
道路面に蓄積する汚染物質を捕集するための装置および方法が、開発されており、それらを、添付の図に関連してここに説明する。いくつかの実施形態において、本装置は、汚染物質捕集装置を含み、当該捕集装置は、道路汚染物質が道路面から放たれると、それらの汚染物質を集めかつ/または結合させ得る位置で、車両の下部構造に取り付けられる(例えば、汚染物質は、駆動中に車両のタイヤにより放たれ、駆動中に生じる真空により車両の下に吸い込まれ、あるいはファン、ブロワ、またはバキュームにより空気流が作り出されることによって、車両の下へ押し込まれるかまたはフィルタへ集められる)。例えばブロワ、モータ、またはファンを使用して、強制的に空気を誘導するかまたは吸い込むことによって、汚染物質捕集装置への空気流および道路汚染物質の流れを増加させ得る。例えば、強制的な空気の誘導または吸い込みは、車両が、汚染物質捕集装置への十分な空気流を生じさせる程十分速く動いていない場合に、汚染物質捕集装置への道路汚染物質の流れを増加させるために利用し得る。本発明の実施形態は、汚染物質捕集装置(例えば、パッド、フィルタまたは膜)を含み、当該汚染物質捕集装置は、車両の車輪収容部、はねよけまたは泥よけフラップに取り付けられ、この取り付けは、車両の車輪により生じる道路のしぶき(例えば、雨水または道路のほこり)を集める位置に行われるか、あるいは、駆動中に真空が生じることにより、または強制的に空気が誘導されること(例えば、ファン、ブロワ、またはバキューム)により、車両の下に吸い込まれる道路汚染物質との接触が可能な位置に行われる。汚染物質捕集装置は、多くの異なる材料から作製可能であって、好ましくは、炭化水素、有毒金属、オイル、タール、燃料、潤滑剤、有機化学物質、農薬、バクテリア、石綿、除氷剤由来の塩およびその他同種のものを結合する材料からできている。
【0011】
汚染物質捕集装置(例えば、道路からしぶきが上がる車輪収容部領域に取り付けられた炭化水素フィルタ)を装備した車両は、道路面上において車両を単に駆動させることにより道路面上の炭化水素量を減少させるために使用することができる。タイヤが道路汚染物質を放つと、例えば、湿った道路面から汚染物質と水とのスラリーを引き出すことによって、または乾燥した道路面から汚染物質を含んだほこりのエーロゾルを作り出すことによって、汚染物質は、汚染物質捕集装置と接触し付着して、それにより、道路面上の汚染物質の量が減少する。
【0012】
さらに、車両が道路面上を駆動すると、真空が、車両の下の、特に車輪収容部上の位置に生じる。車両が引き起こす真空は、自転車に乗った人が、通り過ぎるバスの車輪に引き込まれるいくつかの事故の原因と思われるほどの相当な量になり得る(J.Natl.Acad.of Forensic Engineers、XVIII巻 第1号、2001年6月を参照)。速度が増すと、車両の車輪近くの圧力は減少して、真空が生じる。本発明の一実施形態は、この真空を利用して、道路面から放たれる道路汚染物質を車両の下に吸い込み、車両の下かつ/または車両の車輪収容部内に配置された汚染物質捕集装置上に配置して、それにより、道路面上の汚染物質の量を減少させる。
【0013】
汚染物質捕集装置(例えば、車輪収容部に取り付けられる炭化水素フィルタ)を装備した車両、および汚染物質放出器(例えば、汚染物質をフィルタパッドと接触させるために、空気流、好ましくは真空を生じるように車両に取り付けられるファンおよびブロワ、バキューム)が提供される。汚染物質捕集装置と汚染物質放出器とを組み合わせることによって、特に車両が低速度に維持された場合、汚染物質捕集装置上に集められる汚染物質の量を増加させ得る。
【0014】
図1に、一実施形態に係る汚染物質捕集装置120を示す。汚染物質捕集装置120は、車両への損傷を妨げるだけでなく、さらに重要なことには、道路面から汚染物質を除去し、これは、環境汚染物質が道路面からかき乱されるときに、環境汚染物質を集めることにより行われる。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、水または他の無公害性の道路流体から環境汚染物質を分離する。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、汚染物質を凝固させ得る。
【0015】
図1に示す実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ハウジング124および汚染物質捕集パッド126を含んでいる。ハウジング124は、汚染物質捕集パッドを保持するどんなタイプの構造にしてもよく、例えば汚染物質捕集パッド126を「保持」し、汚染物質を集めるためのパッド126の両面を露出するフレームにすることができる。別の例の実施形態では、ハウジングは、汚染物質捕集パッド126を保持し、汚染物質を集めるためのパッド126の片面を露出する構造にし得る。いくつかの実施形態では、パッド126は、少なくとも1つの面を、道路、車輪または車輪収容部に露出するように配置され得る。別の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ハウジング124のない汚染物質捕集パッド126を含む。汚染物質捕集パッド126を「保持する」構造体またはフレームについて述べると、多数のタイプの実施形態では、汚染物質捕集パッドが、本構造体へ、任意の方法(例えば、クリップ、スナップ、面ファスナ、ボタン、接着剤、ねじ、雄部および雌部と連結されるファスナ、機械的な圧力など)で取り付けられ、その取り付けが、永続的にまたは取り外し可能に行われる場合を含めて考えられている。
【0016】
図4において詳細に後述するように、汚染物質捕集装置120は、車両の下側、または車輪収容部を含めて、汚染物質捕集パッド126を道路汚染物質へ露出する車両のどんな部分にも、取り付け得る。車両の車輪ハウジング(または車輪収容部)は、車両の下または車輪収容部内への真空を改善し、汚染物質捕集パッド126上に分散される汚染物質を集中させるような設計にし得る。
【0017】
図2の広範囲の上面または底面図に示すように、例えば、汚染物質捕集パッド126は、汚染物質捕集装置の材料130を含み得、この材料130には、例えば、炭化水素および/または有毒金属を集める膜、スポンジまたはフィルタが含まれ得る。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置の材料130は、汚染物質を結合させ、集め、捕らえ、かつ/または保持し得る。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、水または他の無公害性の道路流体をはじき得る材料を含む場合がある。一実施形態では、汚染物質捕集装置の材料130には、車両上へ配置するためのキルティング製の吸収性パッドが含まれる。別の実施形態では、汚染物質捕集装置の材料130は、汚染物質捕集装置の材料130が結合し、捕らえ、かつ/または保持することを支援する複数の孔132を含む。
【0018】
一実施形態では、汚染物質捕集装置の材料130は、吸収性スポンジを含み、それは、動物性または合成源から作製し得る。本発明のいくつかの実施形態において使用し得るスポンジには、米国特許第5,039,414号明細書に記載された汚染物質捕集装置120が含まれる。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、汚染物質を無公害性の材料へ分解しかつ/または化学変化させる有機体または化学物質を含む(例えば、油を分解するバクテリア、胞子または殺菌性のある化合物)。
【0019】
図3に、汚染物質捕集装置126の縁の図を示す。汚染物質捕集パッド126は、上部136および底部138を有している。汚染物質捕集パッド126は、さらに複数の層140を含み得る。いくつかの実施形態では、層は、すべて同じ特性を具え得る。他の実施形態では、汚染物質捕集パッド126の各層140は、異なる特性を具え得る。例えば、層140の上部136またはその近くが、疎水性(撥水性)であり、かつ/あるいは層140の底部238またはその近くが、親油性(油吸引性)であることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、コーティング、例えば化学物質または有機体を含有するコーティングを含み得、それによって、別の望ましい特性が汚染物質捕集パッド126に与えられる。
いくつかの実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、親油性、疎水性、または親油性かつ疎水性にしてもよい。汚染物質捕集パッド126は、吸収、吸着、カプセル化、マイクロカプセル化、揮発、沈降、再懸濁、脱着、酸化または還元、錯体形成、あるいはそれらを組み合わせて用いて、道路から汚染物質を除去する材料からなり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、汚染捕集パッド126は、吸収性、吸着性または両方の性質を含み得る吸収吸着材料(ここでは「吸収吸着剤」と呼ぶ)を含む。吸収吸着材料は、その分子構造の全体にわたって分配された液体をピックアップし、保持するものである。吸収吸着材料は、孔および毛細管を含めて、その面上が液体によりコーティングされる不溶解性材料である。吸収吸着剤は、天然有機物、天然無機物、または合成物であり得る。天然有機吸収吸着剤には、ピートモス、麦わら、干し草のおがくず、粉にしたトウモロコシの穂軸、羽毛、紙および他の炭素系材料が含まれる。使用し得る天然製品の一例は、カナダ国、ニューファンドランド州のHi Point Industriesにより製造され商品名「OCLANSORB」で入手し得る、処理されたピートである。天然無機吸着剤には、粘土、パーライト、バーミキュライト、グラスウール、砂、火山灰およびその他同種のものが含まれ得る。合成吸着剤には、ポリウレタン、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのプラスチック、架橋重合体、ゴム材料、ゲル、コロイドおよびその他同種のものが含まれ得る。吸収吸着材料の組み合わせを使用し、それを、別個の層内において混合するかまたは供給し得ることが好ましい。
【0021】
様々なタイプの吸収吸着材料が、当該技術において知られており、それらのうちのどれを、ここに説明する汚染物質捕集装置120の実施形態に組み入れてもよい。例えば、汚染物質捕集装置120のいくつかの実施形態は、冬の数か月の間に道路に塩をまいた結果、道路に蓄積する塩を集めるように設計された材料を含む。道路の塩を集める汚染物質捕集パッド126に適する吸収吸着材料が、米国特許第6,526,741号明細書に記載されている。ナトリウムおよびカリウム塩などのアルカリ金属は、炭化水素、化学物質、ポリマーグループであるPall Process Filtration Companyから入手可能なAqua Sep(登録商標)フィルタに供給された吸収吸着材料に容易に吸収され得る。ここに説明する汚染捕集装置120内にこの吸収吸着材料を使用することが、考えられる。同様に、磁化された吸収吸着材料を使用することが、当該技術において知られており、この技術も、ここに説明する実施形態に容易に用いることができる(例えば、米国特許第6,524,457号明細書を参照)。
【0022】
汚染物質捕集装置120の実施形態は、単独でまたはここに説明する他の膜およびフィルタと組み合わせて使用し得る多くの別のタイプの適切な膜またはフィルタを含み得る。例えば、種々の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ESFIL TECHNO(北東エストニア内の、シラマエ市の工業地域の自由経済地帯の領域内にある法人の中の法人)により製造されたろ過材の1つまたはそれ以上のろ過材を含み得、ろ過材の選択は、除去の標的にする道路汚染物質により異なり得る。いくつかの例の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ろ過用高分子材料(「FPM」)を含み得、それは、ESFIL TECHNOから入手可能であって、また、希釈された酸、アルカリ、アルコール、飽和炭化水素、グリセリン、オイル、石油および真水に対して化学的に安定しており、−30°Cから+70°Cまで維持される温度範囲を有している。他の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、ペルクロロビニル(perchlorovinyl)ろ過材(「FPP」)を含み得、それは、ESFIL TECHNOから入手可能であって、強酸とアルカリ、アルコール、および飽和炭化水素に対して化学的に安定しており、−200°から60°Cまでの作用温度範囲を有する。ESFIL TECHNOからの、汚染物質捕集装置120内において使用し得るろ過材の例は、FPP−D(一般に希薄な空気およびガスのろ過に使用)、FPP−D−4(一般に、液体、燃料、航空オイルを含むオイル、粒子、空気、ガスの希薄浄化に使用)、FPP−G(一般に、アルコール、酸、アルカリの浄化に使用)、POROFILG−5/206(一般に、5ミクロンを超える粒子の除去に使用)、POROFILG−1/207(液体香料、アルコール、飽和炭化水素、オイル、酸、技術的にイオン除去された水、機械的不純物からの水溶液の浄化を目的とする)、FPAR−15−1.5(一般に、希薄なガスおよび空気のろ過に使用)、およびFPSF−15−1.5(一般に、微生物、バクテリアおよびウイルスを含む、空中の分散混合物からの空気の希薄浄化に使用)を含むが、それらに限定はされない。
【0023】
汚染物質捕集装置120は、他の応用においてフィルタとして使用し得るか、またはここでは「フィルタ」または「フィルタ材料」と呼び得る様々な材料を含み得るが、汚染物質捕集装置においてそのような材料を使用する場合、このような材料を使用することには、必ずしも空気流を材料中に通過させる必要はなく、ただし、いくつかの場合には、空気流を材料中に通過させてもよい。むしろ、道路汚染物質を運ぶ空気流は、道路汚染物質を、フィルタ材料上にまたはフィルタ材料内に集めるか、またはフィルタ材料と結合させるように、フィルタ材料の近傍に汚染物質を配置する必要があるだけである。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、耐熱性が高い材料、例えば、高温の影響を受けない汚染物質収集特性を有する材料、および/または燃焼点が高く、それにより汚染物質捕集装置120が、車両の、高温にさらされる場所に、例えば機関または排気装置の近傍に配置され得る材料を含み得る。
【0024】
重大な環境被害を引き起こす別の一般的な道路汚染物質は、ガソリンの含酸素添加剤として使用されるタイプのt−ブチルエーテル(例えば、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、エチルt−ブチルエーテル、およびメチルt−アミルエーテル)、並びにエーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン)などのエーテル系汚染物質である。米国の地下水のMTBE汚染の全体が、最近分かったばかりである。米国地質調査所の全米水質評価プログラムの一部として行なわれた調査によって、MTBEが、都市の地下水中に最もよく検出される第2の汚染物質であることが明らかになった(Squillace P.J.、J.S.Zogorski、W.G.WilberおよびC.V.Priceの、「Preliminary assessment of the occurrence and possible sources of MTBE in groundwater in the United States, 1993−1994」、Environ.Sci.Technol.30:1721−1730(1996年))。エーテル系の汚染物質、特にMTBE、並びにオイルおよびグリースを捕集するいくつかの異なる吸収吸着材料が、知られている(米国特許第5,437,793号、第5,698,139号、第5,837,146号、第5,961,823号、第6,524,842号、第6,180,010号、第6,475,393号および第5,614,100号明細書を参照)。
【0025】
多くの実施形態の場合、米国特許第6,475,393号明細書に記載された吸収吸着材料などの適切な吸収吸着材料、または同様の材料が、汚染物質吸収吸着パッド126に好ましい場合があって、その理由は、オイル、グリースおよびその他同種のものを効率的に集めるが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ハロゲン化炭化水素、エトキシ化グリコールなどの有害で若干可溶性のある有機化合物も捕集することである。これらの有害な汚染物質は、水から除去しにくい化合物であり、発癌性がある。この吸収吸着材料はまた、カドミウム、クロム、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、ヒ素、銀および水銀などの金属イオンを除去し得る。
【0026】
下記の実施例1は、この吸収吸着材料を製造する1つの方法を説明している。
【0027】
実施例1
本発明とともに使用するフィルタ基板を製造するために、適切な溶媒および吸収吸着組成物から、注入溶液を準備する。この実施例において、溶液を、90w/w 99.9%のアセトンと10w/wの吸収吸着組成物とから準備し、吸収吸着組成物は、31%のイソブチルメタクリレート、31%のELVACITE 2045および66%の亜麻仁油の反応生成物である。吸収吸着組成物をアセトンとともに密閉爆発しにくい混合機に加え、12時間または溶液が均質になるまで混合する。この実施例における基板は、不織ポリプロピレン、すなわち、High Point N.CのYarorough & Co.のVERASPUN材料である。この材料の重量は、1オンス/平方フィートである。基板材料を、飽和するまで注入溶液に浸し、次にそれを取り出し、過剰の液体を滴下させ得る。その後、材料を、アセトンがなくなるまで、華氏110から120度で対流炉内に置く。その後、材料を、1週間室温で硬化させる。次いで、得られた材料を、(例えば、車両の車輪収容部内に取り付けられるように)切断し様々なフィルタ構成に形成する。
【0028】
図4を参照すると、車両200が、道路202上に示されている。道路202は、生じることが一般に知られている、汚染物質204の層を道路202上に配置して示している。車両200は、車両本体205および車輪206を含み、車輪206は、車輪収容部208により少なくとも部分的に囲まれるように示している。車両本体205は、道路202にさらされる下側209を含む。車両200が道路に沿って移動すると、汚染物質204が、回転する車輪206によりかき乱される。汚染物質204は、車輪206と接触するので、かつ/または動いている車両200の下およびその周りに真空が生じることによって、道路202から運ばれる。車輪206が回転することによって、車両と環境に損害を与える恐れがある汚染物質のしぶきが生じる場合がある。雨が降ると、この状況は悪化する。雨によって、道路面への汚染物質が増加して、駆動状況が安全でなくなり、環境への損害が増加する。車輪206が道路202と直接接触するので、汚染物質の濃度は、車輪206の近くで、特に車両の車輪収容部208において最も高い。
【0029】
汚染物質のしぶきは、車輪206の回転により生じる風洞作用により生じる。調査によって、車両の車輪が回転すると、車輪に低圧力が生じて、物体が車輪の方へ引き込まれることが確認された。例えば、2001年6月刊行のJournal of the National Academy of Forensic Engineers、XVIII巻、第1号の、James M.Greenによる「The Causal Factor of Bus Wheel Injuries and a Remedial Method for Prevention of These Accidents」を参照。
【0030】
図5を参照すると、車両の車輪収容部208が汚染物質捕集装置を含んでいない場合の、車輪収容部208の詳細な図が示されている。車輪収容部208は、内面210、移行面212、および開口部214を含んでいる。移行面212は、車両200の本体205に内面210を接続して、その結果、部分的に開いたハウジングが形成される。車輪収容部208は、部分的に車輪206と車輪アセンブリ216を収容する。
【0031】
図6から図8を参照すると、汚染物質捕集装置120が、車両200の車輪収容部208に取り付けて示されている。図6は、汚染物質捕集装置120を、車輪収容部208の内面210に取り付けて示している。図7は、複数の汚染物質捕集装置120を、車輪収容部208の内面210に取り付けて示している。図8は、汚染物質捕集装置120を、車輪収容部208の移行面212に取り付けて示している。道路汚染物質の濃度が最も高いのは、車両の車輪収容部なので、上述のように、車輪収容部208に汚染物質捕集装置120を取り付けることが、望ましい。したがって、いくつかの実施形態では、車輪収容部は、実質的に汚染物質捕集装置となるように構成される。
【0032】
汚染物質捕集装置120は、任意の適切な構成に、例えば、三角形、楕円形、L字形、正方形、長方形、円形、丸状、球状、あるいは電動または非電動車両の任意の部分に取り付けられるように設計された他の形状に作製し得る。汚染物質捕集装置120の寸法は、後述するように、汚染物質捕集装置120の特定の構成および位置によって変わり得る。好ましくは、汚染物質捕集装置120は、車両200の車輪収容部、フェンダ、または泥よけフラップ内にきちんと取り付けられ、また、形状が、特定の車両100の車輪収容部のしぶきのパターンに対応する形状であり、かつ/あるいは、駆動中に真空が生じることによって、かつ/またはファン、ブロワ、またはバキューム装置などの汚染物質放出器により気流または真空が作り出されることによって、車両100内およびその下に押し流される汚染物質を集めるのに最適な形状および車両の下の位置になるように、構成される。
【0033】
汚染物質捕集装置120は、さらに、車両100に汚染物質捕集装置120を取り付けるためのファスナを含み得る。車両100に汚染物質捕集装置120を取り付けるために、面ファスナ、クリップ、ねじ、接着剤、ファスナ、ブラケットおよび同様のものなどのどんな取付方法を、使用してもよい。
【0034】
一実施形態では、汚染物質捕集装置120は、車両200の下側209へ取り付けられる。車両209の下側に汚染物質捕集装置120を設けることによって、汚染物質捕集装置120は、車両200が道路202上で駆動されるとかき乱されるかまたは放出される汚染物質を集める。別の実施形態、さらに多くの実施形態では、車両100の車輪ハウジング124は、車両100の下におけるまたは車輪収容部内への真空を改善するか、かつ/または汚染物質捕集パッド126上に、まき散らされる汚染物質を集中させるように、設計されている。
【0035】
図9に示すように、汚染物質捕集装置120は、車両200の泥よけフラップ244上に設けてもよい。しかしながら、一般に、図10に示すように、汚染物質捕集装置120は、道路汚染物質が道路面から放出されると、汚染物質捕集装置120の露出された部分が道路汚染物質を集める位置において、道路202の方を向いた、車両200の下側209のどの場所にも設けてもよい。いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、車両の前方に設けられる場合がある。より多くの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、フェンダ車輪収容部に設けられる場合がある。
【0036】
いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置および/または道路の近くの空気流を増加させるために、汚染物質刺激器または放出器(図示せず)を使用してもよく、それによって、道路から除去され汚染物質捕集装置に付着される汚染物質が、増加する。いくつかの実施形態では、汚染物質刺激器は、空気流を増加させるために強制的な誘導または吸引を用いる場合がある。汚染物質刺激器の例には、限定はしないが、ブロワ、モータ、ファンおよびその他同種のものが含まれる。
【0037】
いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、バクテリア、ウイルス、および/または他の微生物を殺すように構成し得る。例えば、一実施形態(図示せず)では、汚染物質捕集装置120は、乾燥すると一連の微細なスパイクを形成する液体で覆われた材料を含み得る。この表面と接触した微生物の細胞膜に孔があくと、微生物が死ぬ。前記微細なスパイクを形成し抗菌性の液体の例は、Biogreen 3000(登録商標)であって、それは、イギリス国ケントのMicrogenix Technologies Limitedから入手可能である。図11は、微生物を中和するために使用され得る汚染物質捕集装置120の別の実施形態を示している。図11に示すように、汚染物質捕集装置120は、紫外線源250にさらして、汚染物質捕集装置120内に存在するバクテリア、ウイルス、および他の有機体を殺しかつ/または抑制し得る。別の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、殺菌剤、あるいは抗生物質または材料、例えば汚染物質捕集パッド126上を覆う抗生物質を含んでいる。さらに別の実施形態では、汚染物質捕集装置は、微生物を殺す殺菌剤またはオゾン発生器を含んでいる。
【0038】
本明細書において考えられた汚染捕集装置120は、任意の適切な車両の面に配置されるように構成し得る。例えば、いくつかの実施形態では、汚染物質捕集装置120は、永続的に車両200に固定し得る。他の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、取り外し可能に車両200に固定し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング224は、永続的に車両200に取り付け得る。他の実施形態では、汚染物質捕集パッド126は、取り外し可能でありかつ/または交換可能である。他の実施形態では汚染物質捕集装置120を隠すが、さらに多くの実施形態では、汚染物質捕集装置120を露出させる。
【0039】
ここに全体を説明するように、汚染捕集装置、および道路面上の汚染物質を減少させる本方法の実施形態は、四輪車両に限定せず、またモータ付き車両に限定しない。汚染物質捕集装置は、二輪車両(オートバイ、自転車、スクーター、モペット、ヒューマン・セグウェイ・トランスポーター)、三輪車両(例えば、自動三輪車およびATV三輪車と、非自動三輪車)、四輪車両(例えば、ATV四輪車、トラクタ、乗用車、トラック、バンなど)、および車輪が4つを超える他の比較的大型の車両(例えば、多数の車輪を有するトラックなど)を含む、多数のタイプの車両における使用に適切な設計を行い得る。車両は、1つまたはそれ以上の汚染捕集装置を含むように構成し得る。汚染捕集装置は、汚染物質捕集パッド126を道路汚染物質にさらし得る、車両のどの場所にも配置可能である。例えば、汚染捕集装置は、車両の多数の場所に配置し得るが、その場所は、限定されず、フェンダ、フロントスポイラ、リヤスポイラ、スプラッシュガード、泥よけフラップ、車両、車両の下側、または汚染物質捕集装置が道路汚染物質にさらされ得る車両上の他の適切な位置が含まれる。さらに、汚染物質捕集装置は、どのタイプの車両上にも配置することができ、その配置場所は、汚染物質捕集パッド126が、通常は道路汚染物質にさらされないが、ファンまたはブロワによって、設計されてまたは自然に、車両を通り車両のまわりに生じる真空または種々の空気流を使用することによって、あるいは汚染物質捕集パッド126に道路汚染物質を運ぶ任意のタイプの装置を使用することによって、道路汚染物質にさらされる場所である。
【0040】
汚染物質捕集装置は、多数のやり方で設計し得る。一実施形態では、汚染物質捕集装置120は、単一の汚染物質捕集パッド126を含み得る。他の別の実施形態(図示せず)では、汚染物質捕集装置120は、ローラーに配置される多数の汚染物質捕集パッドを含み得、1枚の汚染物質捕集パッドを道路にさらし、ある期間の後に、さらした汚染物質捕集パッドをローラーから取り外し、それにより、道路汚染物質を集めるために使用し得る別の汚染物質捕集パッドをさらす。
【0041】
別の実施形態(図示せず)では、汚染物質捕集装置120は、1枚の汚染物質捕集パッド126を道路の汚染物質にさらして、例えばティッシュ箱またはナプキンディスペンサーと同様に、概ね積み重ねた構成の多数の汚染物質捕集パッドを含み得る。ある期間の後、さらされた汚染物質捕集パッド126を汚染物質捕集装置120から取り外し、それにより、周囲に、別の汚染物質捕集パッド126をさらして、その後、その別の汚染物質捕集パッド126を、道路汚染物質を集めるために使用する。
【0042】
別の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、一般に塗装ブース内において空気からの粒子をろ過するために使用される材料を含み得る。これらの材料には、例えば、ポリエステル、繊維ガラス、ポリエステルおよび繊維ガラス、スクリムを裏打ちした材料、紙あるいは繊維ガラスまたはポリエステルに関連して使用される紙が含まれ得る。他の実施形態では材料の粘着性が高くない場合でも、いくつかの実施形態では、粒子をしっかり保持するように、材料の粘着性を高くする。適切な塗装ブースのろ過材料は、例えば、ケンタッキー州、ルイスビルのAirguardを含むいくつかの会社から入手し得る。
【0043】
さらに別の実施形態では、汚染物質捕集装置120は、汚染物質捕集装置120または汚染物質捕集パッド126の点検時期、例えば、汚染捕集装置120の交換時期、または汚染物質捕集パッド126の交換時期を示すインジケータを含み得る。多数の汚染物質捕集パッド126(例えば、汚染物質捕集パッド126を巻いたものまたは汚染物質捕集パッド126を積み重ねたもの)を使用する実施形態では、汚染物質捕集装置120は、周囲に別の汚染物質捕集パッド126をさらし得るように、さらされた汚染物質捕集パッド126を取り外す時期を示すインジケータを含み得る。前述のインジケータは、種々のやり方で組み入れ得る。例えば、一実施形態では、インジケータを汚染物質捕集装置のフレームに配置する。別の実施形態では、インジケータは、汚染物質捕集パッド126の交換時期を示すように色が目に見えて変化する、汚染物質捕集パッド上の化学物質である。別の実施形態では、インジケータは、汚染物質捕集装置126または汚染物質捕集装置とは別にすることができ、また、汚染物質捕集装置120または汚染物質捕集パッド126の点検または交換時期を示す信号を供給するセンサまたは検知装置である。ここに開示した多数の材料は、汚染物質捕集装置において使用し得る適切な材料の例であるが、本発明は、開示された前記の材料に限定されない。
【0044】
以下の実施例では、典型的な汚染物質捕集装置120で道路面上の炭化水素の量が低減したことを実証するために、典型的な汚染物質捕集装置を使用して行った実験を説明する。
【0045】
実施例2
汚染物質捕集装置120をトラックの車輪収容部に取り付け、道路が濡れている条件下でハワイにおいて車両を走行させた。約150マイルを走行した後、汚染捕集装置120を取り外し、炭化水素の存在を分析した。ハワイ、ホノルルの食品品質研究所(The Food Quality Lab)を利用して、汚染物質捕集装置に蓄積した石油炭化水素の量の分析を独自に行った。
【0046】
データからは、短い試験期間中に、相当な量の石油炭化水素が汚染捕集装置に蓄積されていたことが分かった。これらの結果から、汚染物質捕集装置120が、濡れた道路面上の道路汚染物質の量を著しく減少させたことが実証された。次の実施例は、汚染物質捕集装置120が、道路が乾燥している条件の下で、道路汚染物質を除去し得ることを実証するために実施可能なテストについて同様に説明している。
【0047】
実施例3
汚染物質捕集装置120をトラックの車輪収容部に用い、道路が乾燥した条件下でハワイにおいて走行を行った。約150マイルを走行した後に、汚染捕集装置120を取り外し、炭化水素の存在を分析した。汚染捕集装置上への道路汚染物質の蓄積の分析には、ハワイ、ホノルルの食品品質研究所を利用し得る。汚染物質捕集装置が、乾燥した道路面上の道路汚染物質の量をさらに著しく減少させることが測定される。次の実施例は、汚染物質捕集装置120が、効率的に道路汚染物質を除去することを実証した別の試験について説明している。
【0048】
実施例4
汚染物質捕集装置120を、2002年型ChevroletのAvalancheの車輪収容部に取り付け、車両を、混合道路条件(すなわち、湿潤・乾燥条件)下で、ハワイ、ホノルルの市街地近くで走行させた。約1500マイルを走行させた後に、汚染捕集装置120を、取り外し、炭化水素と重金属の存在を分析した。汚染物質捕集装置120上への道路汚染物質蓄積の分析には、ハワイ、ホノルルの独立した研究所である先端分析研究所(Advanced Analytical Lab LLC)を利用した。
【0049】
その結果から、短い試験期間中に、全石油炭化水素の相当な量の全石油炭化水素が汚染物質捕集装置120に蓄積していたことが分かった。さらに、その結果から、バリウム、クロム、銅、鉛およびセレンを含むかなりの量の重金属も、汚染物質捕集装置120上に集められたことが分かった。これらの結果から、ここに説明するような、車両および汚染物質捕集装置120を含むシステムが、道路面から炭化水素および重金属を効率的に除去することが実証された。次の実施例は、ここに説明する本発明の実施形態が、効率的に周囲から汚染物質を除去することをさらに強力に証明している。
【0050】
実施例5
別の汚染物質捕集装置120を、日産フロンティアキングキャブピックアップトラックの車輪収容部に取り付けて、混合道路条件(すなわち、湿潤または乾燥条件)の下、ネバダ州ラスベガスの市街地の近くで走行させた。およそ402マイル、681マイル、1415マイルまたは3278マイル走行させた後、汚染物質捕集装置120を取り外して、炭化水素、重金属および様々な化学物質の存在を分析した。汚染物質捕集装置120への道路汚染物質蓄積の分析には、独立した研究所である、ネバダ州ラスベガスのNEL研究所(NEL Laboratories)を利用した。
【0051】
第1の実験セットでは、同じタイプの汚染物質捕集装置120を、乾燥および湿潤道路条件の下でテストした。その結果から、かなりの総量の石油炭化水素(TPH)が、乾燥および湿潤条件において汚染物質捕集装置120に蓄積していたことが分かった。例えば、2.5×2.5平方インチにカットしたフィルタでは、乾燥条件下において、TPH総量がおよそ6.5mg(1平方インチあたりのTPH総量は、およそ0.04fl.oz)が蓄積し、湿潤条件下では、17.2mgのTPH(1平方インチあたりのTPH総量は、およそ0.11fl.oz)が蓄積した。バリウム、カドミウム、クロムおよび鉛を含むかなりの量の重金属もまた、汚染物質捕集装置120上に集められ、ジブロモフルオロメタン、トルエンおよび4−ブロモフルオロベンゼンなどの揮発性化学物質もまた、汚染物質捕集装置120上に蓄積していた。これらの実験から、汚染物質捕集装置120が、湿潤または乾燥道路条件下において周囲から炭化水素、重金属および揮発性化学物質を効率的に除去することが実証された。
【0052】
第2の実験セットにおいて、異なる汚染物質捕集装置の、炭化水素、重金属および化学物質を蓄積する能力を、乾燥道路条件の下で比較した。両方のタイプの汚染物質捕集装置120が、周囲から全ての炭化水素、重金属および化学物質を除去することに有効であることが分かった。実際、1つのタイプの汚染物質捕集装置120に蓄積された炭化水素量は、汚染物質捕集装置120の(露出されていない)制御部上に存在することが分かっている炭化水素量の4倍を超えた。その結果から、バリウム、カドミウム、クロム、銅、鉛、銀、水銀(1つのタイプのフィルタ上)、4−ブロモフルオロベンゼン、ジブロモフルオロメタンおよびトルエンが蓄積していたことが分かった。これらの結果から、ここに説明するように、車両および汚染物質捕集装置120を含むシステムが、炭化水素、重金属および化学物質を周囲から効率的に除去するというより多くの証拠が得られる。上の実施例において提供されるような道路試験を、次の実施例において説明するように、米国の50の全州および世界中の様々な国々において行う。
【0053】
実施例6
汚染物質捕集装置120を、いくつかの車両の車輪収容部に適用し、湿潤・乾燥条件下で50の全州およびいくつかの外国において走行させる。約1000マイルを走行させた後に、汚染物質捕集装置120を、取り外し、例えばハワイ、ホノルルの食品品質研究所により、道路汚染物質の存在を分析する。これらの実験から、ここに説明する汚染物質捕集装置120を使用することによって、50の全州および世界中のいくつかの国々で、炭化水素、有毒金属などの道路汚染物質の量を減少させ得ることが分かるだろう。
【0054】
実施例7
汚染物質捕集装置120を車両の車輪収容部に適用して、湿潤・乾燥条件の下でネバダ州中の走行を行った。約3000マイルの走行を行った後に、汚染物質捕集装置120を、取り外し、ニュージャージー州ウェストモントのEMSL Analytical Inc.(「EMSL」)により、道路汚染物質の存在を分析した。EMSLでは、汚染物質捕集装置に堆積した粒子を分析するために、偏光顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分光器およびX線回折を組み合わせて使用する。EMSLで、以下の粒子の濃度(パーセント)を確認した。石英23%、方解石20%、ドロマイト17%、他の鉱物2%、珪酸カルシウム25%、鋼破片2%、および未確認の有機物11%。EMSLによって、露出した汚染物質捕集パッド上の粒径分布に関する以下の情報も確認された。
【0055】
【表1】
この実験から、汚染物質捕集装置120が、様々な条件の下において様々な組成の道路汚染物質粒子を除去し、それにより、道路汚染物質の量を減少し得ることが分かった。先の説明は、本発明のいくつかの実施形態を詳述している。しかしながら、本文中に既にいかに詳細に述べたかに拘わらず、本発明を多くの方法で実施し得ることが理解されるだろう。上述のように、本発明のある特徴または態様を述べるときに特定の用語を使用することを、それらの用語が関連する本発明の特性または態様のどんな特定の特徴も含む限定が行われるような再定義をそれらの用語にここで行うものと解釈されないことに、注意すべきである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびいかなる均等物にも従って解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る汚染物質捕集装置の斜視図である。
【図2】汚染物質捕集装置の正面図である。
【図3】汚染物質捕集装置の側面図である。
【図4】道路上の車両の概略図である。
【図5】車両の車輪収容部の詳細な斜視図である。
【図6】車両の車輪収容部に使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図7】車両の車輪収容部に使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図8】車両の車輪収容部に使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図9】車両の泥よけフラップに使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図10】車両と共に使用される図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【図11】UV光源にさらされた図3の汚染物質捕集装置の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路から汚染物質を除去するためのシステムであって、
車両と、
汚染物質捕集装置の表面を道路汚染物質にさらすように、前記車両に装着される前記汚染物質捕集装置と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記汚染物質捕集装置は、汚染物質捕集パッドを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記汚染物質捕集装置は、
汚染物質捕集パッドと、
前記汚染物質捕集パッドを保持するハウジングと、
を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記汚染物質捕集装置は、親油性である請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記汚染物質捕集装置は、疎水性である請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の前記車輪収容部に装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の前記複数の泥よけフラップに装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の下側に装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両のはねよけに装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の泥よけフラップに装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記車両は、複数の車輪を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記車両は、前記車両を作動させるように構成されたモータを備える請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記車両は、4つまたはそれ以上の車輪を備える請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
汚染物質放出器をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記汚染物質放出器は、道路汚染物質を含有する空気を前記汚染物質捕集装置へ流すことによって、前記汚染物質捕集装置への道路汚染物質の流れを増加させる請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記汚染物質放出器は、ブロワを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記汚染物質放出器は、ファンを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記汚染物質放出器は、前記汚染物質捕集装置への道路汚染物質の流れを増加させる真空を生じる請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記汚染物質捕集装置は、複数の汚染物質捕集パッドを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の汚染物質捕集パッドは、汚染物質捕集パッドを巻いた形態にされる請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の汚染物質捕集パッドは、汚染物質捕集パッドを積み重ねた形態にされる請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記汚染物質捕集装置は、周囲にさらされた第1の汚染物質捕集パッドを取り外すことによって、第2の汚染物質捕集パッドを周囲へさらすように構成される請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記汚染物質捕集装置は、前記汚染物質捕集装置の交換時期を表示するためにインジケータを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記汚染物質捕集装置は、前記汚染物質捕集パッドの交換時期を表示するためにインジケータを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項25】
前記インジケータは、前記汚染物質捕集パッドの交換時期を表示するために、色が変化する化学物質を含有する請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記汚染物質捕集装置は、フィルタ材料を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記汚染物質捕集装置は、膜を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記汚染物質捕集装置は、多孔質材料を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記汚染物質捕集装置は、抗生コーティングを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記汚染物質捕集パッドは、抗生コーティングを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
道路表面から汚染物質を除去するための方法であって、
請求項1に記載のシステムを道路汚染物質と接触させるステップと、
前記汚染物質捕集装置上に前記道路汚染物質を捕らえるステップと、
を含む方法。
【請求項32】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の前記車輪収容部に装着される請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の泥よけフラップに装着される請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両のはねよけに装着される請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記道路面から前記道路汚染物質を放出させるステップをさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記汚染物質捕集装置の点検時期を示すステップをさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項37】
道路汚染物質を集める汚染物質捕集装置と、
前記汚染物質捕集装置を前記車両の下側の、道路汚染物質が前記道路面から放出されると集まる位置に保持する取付具と、
を備える車両。
【請求項38】
前記汚染物質捕集装置は、フレームおよびパッドを含む請求項37に記載の車両。
【請求項39】
前記汚染物質捕集装置は、パッドを含む請求項37に記載の車両。
【請求項40】
前記汚染物質捕集装置は、親油性である請求項37に記載の車両。
【請求項41】
前記汚染物質捕集装置は、疎水性である請求項37に記載の車両。
【請求項42】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の前記車輪収容部に装着される請求項37に記載の車両。
【請求項43】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の泥よけフラップに装着される請求項37に記載の車両。
【請求項44】
前記汚染物質捕集装置は、抗生材料を含む請求項37に記載の車両。
【請求項45】
道路汚染物質を集める手段と、
前記道路汚染物質を集める手段を車両に取り付ける手段と、
を備える道路汚染物質装置。
【請求項46】
前記道路汚染物質を放出させる手段をさらに備える請求項45に記載のシステム。
【請求項1】
道路から汚染物質を除去するためのシステムであって、
車両と、
汚染物質捕集装置の表面を道路汚染物質にさらすように、前記車両に装着される前記汚染物質捕集装置と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記汚染物質捕集装置は、汚染物質捕集パッドを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記汚染物質捕集装置は、
汚染物質捕集パッドと、
前記汚染物質捕集パッドを保持するハウジングと、
を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記汚染物質捕集装置は、親油性である請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記汚染物質捕集装置は、疎水性である請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の前記車輪収容部に装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の前記複数の泥よけフラップに装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の下側に装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両のはねよけに装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の泥よけフラップに装着される請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記車両は、複数の車輪を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記車両は、前記車両を作動させるように構成されたモータを備える請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記車両は、4つまたはそれ以上の車輪を備える請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
汚染物質放出器をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記汚染物質放出器は、道路汚染物質を含有する空気を前記汚染物質捕集装置へ流すことによって、前記汚染物質捕集装置への道路汚染物質の流れを増加させる請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記汚染物質放出器は、ブロワを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記汚染物質放出器は、ファンを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記汚染物質放出器は、前記汚染物質捕集装置への道路汚染物質の流れを増加させる真空を生じる請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記汚染物質捕集装置は、複数の汚染物質捕集パッドを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の汚染物質捕集パッドは、汚染物質捕集パッドを巻いた形態にされる請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の汚染物質捕集パッドは、汚染物質捕集パッドを積み重ねた形態にされる請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記汚染物質捕集装置は、周囲にさらされた第1の汚染物質捕集パッドを取り外すことによって、第2の汚染物質捕集パッドを周囲へさらすように構成される請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記汚染物質捕集装置は、前記汚染物質捕集装置の交換時期を表示するためにインジケータを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記汚染物質捕集装置は、前記汚染物質捕集パッドの交換時期を表示するためにインジケータを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項25】
前記インジケータは、前記汚染物質捕集パッドの交換時期を表示するために、色が変化する化学物質を含有する請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記汚染物質捕集装置は、フィルタ材料を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記汚染物質捕集装置は、膜を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記汚染物質捕集装置は、多孔質材料を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記汚染物質捕集装置は、抗生コーティングを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記汚染物質捕集パッドは、抗生コーティングを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
道路表面から汚染物質を除去するための方法であって、
請求項1に記載のシステムを道路汚染物質と接触させるステップと、
前記汚染物質捕集装置上に前記道路汚染物質を捕らえるステップと、
を含む方法。
【請求項32】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の前記車輪収容部に装着される請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の泥よけフラップに装着される請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両のはねよけに装着される請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記道路面から前記道路汚染物質を放出させるステップをさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記汚染物質捕集装置の点検時期を示すステップをさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項37】
道路汚染物質を集める汚染物質捕集装置と、
前記汚染物質捕集装置を前記車両の下側の、道路汚染物質が前記道路面から放出されると集まる位置に保持する取付具と、
を備える車両。
【請求項38】
前記汚染物質捕集装置は、フレームおよびパッドを含む請求項37に記載の車両。
【請求項39】
前記汚染物質捕集装置は、パッドを含む請求項37に記載の車両。
【請求項40】
前記汚染物質捕集装置は、親油性である請求項37に記載の車両。
【請求項41】
前記汚染物質捕集装置は、疎水性である請求項37に記載の車両。
【請求項42】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の前記車輪収容部に装着される請求項37に記載の車両。
【請求項43】
前記汚染物質捕集装置は、前記車両の泥よけフラップに装着される請求項37に記載の車両。
【請求項44】
前記汚染物質捕集装置は、抗生材料を含む請求項37に記載の車両。
【請求項45】
道路汚染物質を集める手段と、
前記道路汚染物質を集める手段を車両に取り付ける手段と、
を備える道路汚染物質装置。
【請求項46】
前記道路汚染物質を放出させる手段をさらに備える請求項45に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2006−526088(P2006−526088A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507059(P2006−507059)
【出願日】平成16年3月9日(2004.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/007368
【国際公開番号】WO2004/080740
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505341176)スリーケイ テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月9日(2004.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/007368
【国際公開番号】WO2004/080740
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505341176)スリーケイ テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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