説明

道路鋲

【課題】除雪作業をする除雪車のブレード等に接触して破損することのない道路鋲を提供する。
【解決手段】道路鋲本体2と、路面下に配され道路鋲本体2を下方から支持するとともに、温度変化に応じて上下方向に動作する支持手段とを備え、支持手段は、所定温度を境に変形し又は元の形状に復帰する形状記憶合金により形成された形状記憶部材33を備え、気温の変化による該形状記憶部材33の形状変化によって道路鋲本体2を上下動させるようになされ、これにより気温が所定温度以下のときには道路鋲本体2が路面下に位置する高さに収納され、気温が所定温度より高くなったときには、道路鋲本体2の少なくとも一部が路面よりも上に露出するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の道路上、特に道路の外側線やセンターライン、交差点中央、中央分離帯周辺などの路面に設置される道路鋲に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、道路鋲は、車両用道路の外側線やセンターライン、交差点中央、中央分離帯周辺などの路面に数多く設置され、これにより道路を通行するドライバー等に対して道路線形の表示や視線誘導を行って安全な走行を支えている。
【0003】
このような道路鋲の多くは、反射板又は反射シートを備えていて車両のヘッドライト等から発せられた光を反射し、あるいは自発光体を備えていて車両の方向へ光を照射し、車両のドラーバーに対する道路線形の表示等を行うものである。それゆえ、道路鋲の少なくとも一部が道路の路面よりも上に露出している。
この露出した部分が、積雪のある寒冷地において問題を生じさせている。
【0004】
すなわち、冬期に積雪があって除雪車による除雪作業が行われる地域においては、除雪車のブレード、スノープラウあるいは回転羽根などが、道路鋲の路面上に露出した部分に接触し、道路鋲を破損あるいは脱落させてしまうという問題が発生するため、そのような地域には道路鋲を設置することができなかった。
【0005】
これに対しては、例えば路面上に露出している道路鋲本体を、冬期には一つ一つ取り外して路面下に収納できるようにしたものがある(下記特許文献1参照)。
【0006】
また、道路鋲本体の下側に弾性体を配することによって路面から出没可能とし、常時は道路鋲本体が路面上に露出すると共に、何かが接触するなどしたときには路面下に埋没するようになされたものがある(下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭62−14165号公報
【特許文献2】特開2002−235307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
確かに、上記特許文献1に記載の考案に係る道路鋲によれば、冬期には道路鋲本体が路面下に収納されているので、除雪車との接触によって破損等する恐れがない。しかしながら、このような道路鋲においては、全ての道路鋲を一つ一つ取り外して路面下に収納する必要があるため、膨大な作業を必要とするので現実的ではない。
【0009】
また、上記特許文献2に記載の考案に係る道路鋲によれば、道路鋲本体が下方から弾性体に支持されているので、外力を受けたときに道路鋲本体は路面下に埋没可能である。しかしながら、このような道路鋲においては、除雪車のブレード等が上方から道路鋲本体に接触する場合においては、比較的好適に道路鋲本体が路面下へ埋没するが、側方から接触する場合には、道路鋲本体は好適に路面下へ埋没せず、破損してしまう可能性が高い。
【0010】
本発明は、上述のような問題点を克服するためになされたものであり、除雪作業をする除雪車のブレード等に接触して破損することのない道路鋲を提供すること、翻っていえば、道路鋲を設置した道路においても除雪車による除雪作業を行うことのできるような、道路鋲を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係る道路鋲は、道路鋲本体と、路面下に配され道路鋲本体を下方から支持するとともに、温度変化に応じて上下方向に動作する支持手段とを備え、前記支持手段は、所定温度を境に変形し又は元の形状に復帰する形状記憶合金により形成された形状記憶部材を備え、気温の変化による該形状記憶部材の形状変化によって道路鋲本体を上下動させるようになされ、これにより気温が所定温度以下のときには前記道路鋲本体が路面下に位置する高さに収納され、気温が所定温度より高くなったときには、前記道路鋲本体の少なくとも一部が路面よりも上に露出するようになされたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る道路鋲によれば、路面下に配され道路鋲本体を下方から支持するとともに、温度変化に応じて上下方向に動作する支持手段を備え、当該支持手段は、気温が所定温度以下のときには前記道路鋲本体が路面下に位置する高さで該道路鋲本体を支持するようになされ、気温が所定温度より高くなったときには、前記道路鋲本体の少なくとも一部が路面よりも上に露出するようになされている。それゆえ、支持手段が上下方向に動作する前記所定温度を降雪及び除雪作業が必要となる可能性のある気温に設定すれば、除雪作業が必要となる条件下においては道路鋲本体が路面下にあるため、道路鋲本体が、除雪作業をする除雪車のブレード等に接触して破損する恐れがない。よって、冬期に除雪車による除雪作業が必要となる地域においても、道路鋲を設置することが可能となる。また、支持手段は、所定温度を境に変形し又は元の形状に復帰する形状記憶合金により形成された形状記憶部材を備え、気温の変化による該形状記憶部材の形状変化によって道路鋲本体を上下動させ、これにより道路鋲本体を路面よりも上に露出させ又は路面下に収納させるものであるため、気温の変化に応じて自動的に道路鋲本体が上下動可能となり、また電源等も必要としないので、設置及び維持が容易で、かつコストも少なくて済む。
【0013】
また、本発明に係る道路鋲において、支持手段は、バイアスばねと、形状記憶合金製の形状記憶ばねと、道路鋲本体の下面に当接して支持する支持部材とを備え、前記バイアスばねと形状記憶ばねとはそれぞれ上下反対方向へ支持部材を押圧するように配され、所定温度以下のときには前記バイアスばねの押圧力が前記形状記憶ばねの押圧力に勝り、所定温度を超えると形状記憶ばねの押圧力がバイアスばねの押圧力に勝って支持部材および道路鋲本体が上下動するようになされ、これにより道路鋲本体が路面上に露出し、又は路面下に収納されるようにしてもよい。このようにすれば、バイアスばねと形状記憶ばねの組み合わせにより、温度変化に応じた上下二方向への支持部材の動作を的確に制御することが可能となる。
【0014】
さらに、本発明に係る道路鋲において、形状記憶ばねは、所定温度以下のときには容易に変形可能であり、かつ所定温度を超えると元の記憶された形状に復帰するものであって、支持部材は、上下に延びる円柱形状をした棒状体の中間部に、前記円柱形状の半径よりも大きい半径を有する円盤状部が形成されたロッド部材であり、前記円盤状部の上側にバイアスばねが配され、円盤状部の下側に形状記憶ばねが配されると共に、バイアスばねの上端部および記憶形状ばねの下端部はそれぞれ所定位置に固定されて、バイアスばねと形状記憶ばねとが前記円盤状部を挟んで押圧し合うようになされており、所定温度以下のときには、形状記憶ばねが縮み変形してロッド部材が下方へ下がり、所定温度よりも高くなったときには、形状記憶ばねが伸びて元の記憶された形状へ復帰してロッド部材が上方へ上がるようにしてもよい。このようにすれば、所定温度以下のときには、バイアスばねの押圧力が形状記憶ばねの押圧力に勝り、ロッド部材が下方に押し下げられて道路鋲本体が路面下に収納され、一方、所定温度を超えるときには、形状記憶ばねが記憶された元の形状に復帰することによって、形状記憶ばねの押圧力がバイアスばねの押圧力に勝り、ロッド部材が上方に押し上げられて道路鋲本体の少なくとも一部が路面上へ突出するようにできるので、簡単な構成で且つ的確に道路鋲本体の上下動を制御することが可能となる。
【0015】
また、道路鋲本体および支持手段を収納可能な本体ケースを更に備えるようにすることもできる。このようにすれば、本発明に係る道路鋲の設置が容易であり、また、
【発明の効果】
【0016】
以上のとおり、本発明に係る道路鋲によれば、路面下に配され道路鋲本体を下方から支持するとともに、温度変化に応じて上下方向に動作する支持手段を備え、当該支持手段は、気温が所定温度以下のときには前記道路鋲本体が路面下に位置する高さで該道路鋲本体を支持するようになされ、気温が所定温度より高くなったときには、前記道路鋲本体の少なくとも一部が路面よりも上に露出するようになされている。それゆえ、前記所定温度を、支持手段が上下方向に動作する前記所定温度を降雪及び除雪作業が必要となる可能性のある気温に設定すれば、除雪作業が必要となる条件下においては道路鋲本体が路面下にあるため、道路鋲本体が、除雪作業をする除雪車のブレード等に接触して破損する恐れがない。よって、冬期に除雪車による除雪作業が必要となる地域においても、道路鋲を設置することが可能となる。また、支持手段は、所定温度を境に変形し又は元の形状に復帰する形状記憶合金により形成された形状記憶部材を備え、気温の変化による該形状記憶部材の形状変化によって道路鋲本体を上下動させ、これにより道路鋲本体を路面よりも上に露出させ又は路面下に収納させるものであるため、気温の変化に応じて自動的に道路鋲本体が上下動可能となり、また電源等も必要としないので、設置及び維持が容易で、かつコストも少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る道路鋲の一実施形態を示す図であり、道路鋲を構成する主要部分の斜視図である。
【図2】図1に示した道路鋲の支持手段(バイアスばね、形状記憶ばね及び支持部材)の分解斜視図である。
【図3】図1に示した実施形態における支持手段の側断面図である。
【図4】本発明に係る道路鋲が路面に設置された状態を示す説明図であって、(a)は道路鋲本体が路面上に露出した状態、(b)は道路鋲本体が路面下に収納された状態を示す部分側断面図である。
【図5】図4に示した道路鋲の変形例であり、支持部材の下方にクッション材を設けた実施形態を示す部分側断面図である。
【図6】本発明に係る道路鋲における道路鋲本体の別の一実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る道路鋲1の一実施形態を示すものであり、道路鋲1の主要な構成を抽出した斜視図である。図1に示すように、この実施形態における道路鋲は、道路鋲本体2と支持手段3とを備えている。支持手段3は、道路鋲本体の底部略中心位置に固着されているロッド部材31と、ロッド部材31の中間部に形成された円盤形状部312を挟んでその上側に配されたバイアスばね32と、下側に配された形状記憶ばね33と、これらを収容する保持枠34とを備えている。また、本発明に係る道路鋲1は、この道路鋲本体2と支持手段3とを収納する有底の円筒形状を有する本体ケース4を備えるものであって、通常、図4の側断面図に示すような状態で路面に設置される。
【0020】
図1に示すように、道路鋲本体2は、金属材料又は硬質の合成樹脂材料により形成され円盤状乃至円筒形状を有する本体部21の側面に複数の自発光体(LED)22が配され、側方に向けて発光するようになされている。また、図示しないが、当該道路鋲本体2内には、自発光体22を発光させるための電力を生起する太陽電池モジュールが内蔵されている。これにより、日中に蓄電した電力を用いて夜間に自発光体22を発光させ、道路を通行する車両のドライバー等に道路線形の表示や視線誘導を行うものである。尚、車両のドライバー等に道路線形の表示や視線誘導を行うための手段としては、上記自発光体22を配することに限られず、例えば、本体部21の側面に反射シートを配するようにし、あるいは適宜選択される再帰反射性の部材を配するなどして、車両のヘッドライト等から発せられる光を反射するようにすることも可能である。また、無論、これと同様の効果を奏する既知の部材を任意に選択して用いてもよい。
【0021】
道路鋲本体2を下方から支持する支持手段3は、上述のとおり、道路鋲本体の底部略中心位置に固着されているロッド部材31と、ロッド部材31の中間部に形成された円盤状部312を挟んでその上側に配されたバイアスばね32と、下側に配された形状記憶ばね33と、これらを収容する保持枠34とを備えている。
【0022】
図1〜図3に示すように、ロッド部材31は、硬質の金属により形成された略円柱形状の棒状体311の中間部に、前記棒状体311の外径よりも大きい外径を有する円盤状部312が形成されてなるものである。バイアスばね32は、鋼製のコイルスプリングであって、ロッド部材31の上方からロッド部材31に嵌挿するようにして、円盤状部312の上側に配される。また、形状記憶ばね33は、形状記憶合金により形成されており、積雪が予測される所定温度以下の低温時には柔らかく、所定温度を超えると硬くなるという特性を備え、また所定温度を超えたときには元の記憶された形状に復帰するという特性をも備えている。この形状記憶ばね33は、ロッド部材31の下方からロッド部材31に嵌挿するようにして円盤状部312の下側に配される。
【0023】
このように配されたロッド部材31、バイアスばね32及び形状記憶ばね33は、バイアスばね32と形状記憶ばね33の変位量(ばねのたわみ)の合計が一定となるように圧縮され、保持枠34の上面枠341と下面枠342との間に保持される。すなわち、バイアスばね32と形状記憶ばね33は、ロッド部材31の円盤状部312を挟むようにして互いに押し合う形で上面枠341と下面枠342との間に保持される。
【0024】
このとき、ロッド部材31の上端部及び下端部は、それぞれ保持枠34の上面枠341に形成された挿通孔341a及び下面枠342に形成された挿通孔342aに挿通され、それぞれ挿通孔341aの上方及び挿通孔342aの下方へ突出するようになされている。
【0025】
また、上述のとおり、形状記憶ばね33は形状記憶合金により形成されたコイルスプリングであり、積雪が予測される所定温度以下の低温時には柔らかく、所定温度を超えると硬くなるという特性を備え、また所定温度を超えたときには元の記憶された形状に復帰するという特性をも備えている。この実施形態においては、前記所定温度が0℃、すなわち0℃以下の低温時には柔らかく、0℃を超えると硬くなり、元の記憶された形状に復帰するものである。これによって、図3(a)の断面図に示すように、0℃以上の常温下においては形状記憶ばね33が硬くなり、元の記憶された形状に戻るべく上下方向に伸びて形状記憶ばね33の押圧力がバイアスばね32の押圧力に勝り、ロッド部材31を上方へ押し上げる。一方、0℃以下に下がった低温時には、図3(b)の断面図に示すように形状記憶ばね33が柔らかくなり、バイアスばね32の押圧力が形状記憶ばね33の押圧力に勝ってロッド部材31を下方へ押し下げる。
【0026】
このような構成を備える支持手段3を、ロッド部材31の上端面を道路鋲本体2の底面略中央に固着して、道路鋲本体2と接続する。これにより、上述したように気温の変化に応じてロッド部材31が上下動すると、道路鋲本体2も上下動するようにできる。そして、道路鋲本体2及び支持手段3を本体ケースに収容し、図4に示すように、本体ケース4が路面下に埋め込まれた状態で道路鋲1を設置する。尚、保持枠34自体は、上下動しないように本体ケース4内に固定される。これによって、気温が0℃を超える常温時においては、図4(a)のように道路鋲本体が路面上に露出した状態となり、一方、気温が0℃以下となったときには、図4(b)のように道路鋲本体2が路面下に収容された状態とすることができる。
【0027】
以上のような構成をとることにより、除雪車による除雪作業が必要となることが予測される気温下においては、道路鋲本体2が路面下に埋没した状態となっているので、除雪車のブレード等に接触することがない。それゆえ、道路鋲本体2が破損する恐れがない。よって、冬期に除雪車による除雪作業が必要となる地域においても、道路鋲を設置することが可能となる。
【0028】
尚、この実施形態の形状記憶ばね33においては、雪が溶ける温度である0℃を超えたときに元の記憶された形状に復帰する形状記憶合金を使用したが、道路鋲が設置される場所の様々な地理的条件、気象条件等を考慮して、例えば降雪の多い地域では0℃より高い温度(例えば2℃)以下で柔らかくなるような形状記憶合金を選択して使用することもできる。
【0029】
図5は、上述した実施形態における変形例を示す図である。この実施形態においては、ロッド部材31の下方、本体ケース4の底部に、クッション材6が配されている。このクッション材6は弾性変形可能なゴム材料、合成樹脂材料等から任意に選択された材料により形成されたものであり、図5(b)に示したように、道路鋲本体2が路面下に収納された状態において、ロッド部材31の下端面がクッション材6の上面に接するようになされている。このようなクッション材6を配することで、図5(b)のような状態のときに、道路鋲本体2上を車両等が通行した場合でも、道路鋲本体2や支持手段3が破損する恐れがない。
【0030】
以上のとおり、本発明に係る道路鋲について具体的な実施形態を示して説明したが、本発明は、これらの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々に形態等を変更することが可能なものである。
【0031】
例えば、道路鋲本体2に設けた自発光体22は、本体部21に側面のみではなく、図6に示すように本体部21の上面にも配してもよい。このようにすれば、道路鋲本体2が路面下に収納された状態のときにも、本体部21の上面に配した自発光体の発光によって、道路を走行する車両のドライバー等に道路の線形等を知らせることが可能となる。
【0032】
また、道路鋲本体2の形状は、上述の円盤形状ないし円筒形状に限られず、長方形状、平面視多角形の角柱形状等であってもよい。さらに、バイアスばね32及び形状記憶ばね33につき、上述の実施形態においてはいずれもコイルスプリング形状のものを使用したが、これに限られず、板ばねやねじりコイルバネなどを任意に選択して利用することができる。また、上述した実施形態では、支持手段3を一つ設けた形態について説明したが、支持手段3を複数設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 道路鋲
2 道路鋲本体
21 本体部
3 支持手段
31 ロッド部材
32 バイアスばね
33 形状記憶ばね
34 保持枠
4 本体ケース
6 クッション材




【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路鋲本体と、
路面下に配され道路鋲本体を下方から支持するとともに、温度変化に応じて上下方向に動作する支持手段とを備え、
前記支持手段は、所定温度を境に変形し又は元の形状に復帰する形状記憶合金により形成された形状記憶部材を備え、気温の変化による該形状記憶部材の形状変化によって道路鋲本体を上下動させるようになされ、これにより気温が所定温度以下のときには前記道路鋲本体が路面下に位置する高さに収納され、気温が所定温度より高くなったときには、前記道路鋲本体の少なくとも一部が路面よりも上に露出するようになされたことを特徴とする道路鋲。
【請求項2】
支持手段は、バイアスばねと、形状記憶合金製の形状記憶ばねと、道路鋲本体の下面に当接して支持する支持部材とを備え、
前記バイアスばねと形状記憶ばねとはそれぞれ上下反対方向へ支持部材を押圧するように配され、
所定温度以下のときには前記バイアスばねの押圧力が前記形状記憶ばねの押圧力に勝り、所定温度を超えると形状記憶ばねの押圧力がバイアスばねの押圧力に勝って支持部材および道路鋲本体が上下動するようになされ、
これにより道路鋲本体が路面上に露出し、又は路面下に収納されるようになされたことを特徴とする請求項1に記載の道路鋲。
【請求項3】
形状記憶ばねは、所定温度以下のときには容易に変形可能であり、かつ所定温度を超えると元の記憶された形状に復帰するものであって、
支持部材は、上下に延びる円柱形状をした棒状体の中間部に、前記円柱形状の半径よりも大きい半径を有する円盤状部が形成されたロッド部材であり、
前記円盤状部の上側にバイアスばねが配され、円盤状部の下側に形状記憶ばねが配されると共に、バイアスばねの上端部および記憶形状ばねの下端部はそれぞれ所定位置に固定されて、バイアスばねと形状記憶ばねとが前記円盤状部を挟んで押圧し合うようになされており、
所定温度以下のときには、形状記憶ばねが縮み変形してロッド部材が下方へ下がり、
所定温度よりも高くなったときには、形状記憶ばねが伸びて元の記憶された形状へ復帰してロッド部材が上方へ上がるようになされたことを特徴とする請求項2に記載の道路鋲。
【請求項4】
道路鋲本体および支持手段を収納可能な本体ケースを更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の道路鋲。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−211468(P2012−211468A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77575(P2011−77575)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】