説明

遠隔医療機器アクセス

【課題】医療機器にアクセスするため、医療機器に遠隔アクセスを提供するため、および/または医療機器に遠隔にアクセスするためのシステム、サーバ側計算装置および方法を提供する。
【解決手段】第1計算装置が、複数の命令を備えたメモリと、ネットワークを介して第2計算装置と通信させるネットワークインタフェースとを備え、プロトコルコンポーネントが、第2計算装置に医療機器と通信させ、かつ医療機器に内蔵クロックを調整させ、記憶されている測定データをクリアさせ、記憶されている測定データを検索させ、測定データを取得するために使用される校正パラメータまたは他のパラメータを更新させ、測定データを取得するために試験、または他のタスクを実行させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して医療機器に関し、詳細には遠隔医療機器アクセス(remote medical device access)に関する。
【背景技術】
【0002】
患者は、一般的に多様な生物学的および生理学的な状態を監視するために医療機器を使用する。たとえば、糖尿病を患う患者は、自分の血液のグルコースレベルを周期的に監視するために、多くの場合、血液グルコース計を使用する。しかしながら、医療機器は、体液または身体機能(たとえば、血液、尿、唾液)、身体的な信号(たとえば、心電図信号、脳波、血圧波)、および/または他の身体刺激(たとえば、呼吸作用)などの生物学的/生理学的なパラメータまたは状況を監視/分析し、血圧、血液ガス、血液凝固、電解質、心血管活動、薬物濃度、呼吸数、ストレスなどの測定値を得るためにも使用される。これらの医療機器は多くの場合、検索する、永久記録保存する(archive)、および/または分析することができる測定データを記憶する。医師、看護婦、技術者、および患者は、通常はこのような測定データを患者の健康状態を評価する上、薬物治療および他の治療の効果を評価する上、および患者にとってさらに良好な健康状態を得るために患者の現在の治療レジュメを調整する上で有効であると考える。
【0003】
データの検索を容易にするために、前記医療機器は、一般的にはコンピュータなどの別の装置との通信を可能にする通信ポートを含んでいる。さらに、該医療機器は、多くの場合、計算装置(computing device)が該医療機器を制御し、通信ポートを介して多様な動作パラメータを調整するように実現される。しかしながら、医療機器からデータを検索する、医療機器を制御する、および/または医療機器の多様な動作パラメータを、通信ポートを介して調整するためには、計算装置は特定の医療機器用に設計された通信プロトコルを介して医療機器と通信するように構成されなければならない。
【発明の開示】
【0004】
医療機器にアクセスするため、医療機器に遠隔アクセスを提供するため、および/または医療機器に遠隔にアクセスするためのシステム、クライアント側計算装置、サーバ側計算装置および方法が開示される。本発明の1つの実施の形態にしたがって、計算装置に使用可能に結合される医療機器にアクセスする方法が提供される。方法の1つの工程は、計算装置から医療機器の型を示す識別情報を受信することを含んでいる。方法の別の工程は、識別情報に基づき計算装置にプロトコル構成要素を転送することを含んでいる。該方法は、さらに、プロトコル構成要素を介して医療機器と通信している計算装置に応えて医療機器から測定データを受信することも含んでいる。
【0005】
本発明の別の実施の形態によれば、計算装置に医療機器への遠隔アクセスを提供する方法が提供される。該方法の1つの工程は、医療機器とともに使用するためのプロトコル構成要素を突き止める識別情報を計算装置に提供することを含んでいる。前記方法の別の工程は、前記識別情報を計算装置に提供することに応えて、計算装置から適切なプロトコル構成要素を受信することを含んでいる。前記方法は、適切なプロトコル構成要素を介して医療機器と通信する工程も含んでいる。
【0006】
本発明のさらに別の実施の形態によれば、ネットワークを介して第2の計算装置に使用可能に結合される医療機器に遠隔にアクセスするための第1の計算装置が提供される。該第1の計算装置は、複数の医療機器によりサポートされている通信プロトコルにしたがって複数の医療機器と通信するように第2に計算装置を構成する複数のプロトコル構成要素を備える記憶装置を含んでいる。第1の計算装置は、複数の命令を備えるメモリと、ネットワークを介して第2計算装置と通信するようにされたネットワークインタフェースも含んでいる。第1計算装置は、さらに記憶装置に操作可能に連結されたプロセッサ、メモリ、およびネットワークインタフェースも含んでいる。プロセッサは、プロセッサにネットワークインタフェースを介して第2計算装置から、第2計算装置に結合される医療機器の医療機器の型を決定する識別情報を受信させるために複数の命令を実行するようにされる。プロセッサは、さらにネットワークインタフェースを介して第2計算装置に、第2計算装置が医療機器と通信するのに使用するための複数のプロトコル構成要素からプロトコル構成要素を特定するプロトコル構成要素情報を提供させるために複数の命令を実行するようにされる。プロセッサは、さらに、プロトコル構成要素情報により特定されるプロトコル構成要素を介して医療機器と通信する第2計算装置に応えてネットワークインタフェースを介してプロセッサに医療機器から測定データを受信させるために複数の命令を実行する。
【0007】
追加の実施の形態だけではなく、本発明の目的、特徴、および優位点も、以下の説明および添付図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、多様な変形および代替が可能であるが、その例示的な実施の形態は、図面の例により示され、以下に詳説される。ただし、本発明を、開示される特定の形式に制限する意図はなく、逆に請求の範囲により定められるように本発明の精神および範囲内に該当するすべての変形、同等物および代替策を対象とすることを意図していることが理解されるべきである。
【0009】
本発明の多様な特徴を組み込んだシステムが図1および図2に示されている。図示されるように、システム100は、サーバ側計算装置110、クライアント側計算装置120、通信リンク140を介して該クライアント側計算装置120に使用可能に結合される医療機器130、およびサーバ側計算装置110にクライアント側計算装置120を使用可能に結合するネットワーク150を含んでいる。一般的には、システム100は、異なる通信プロトコルを活用する医療機器130との通信のためにクライアント側計算装置120を自動的または半自動的に構成し、クライアント側計算装置およびネットワーク150を介してサーバ側計算装置110に医療機器130に対する遠隔アクセスを提供する。
【0010】
さらに具体的には、システム100は、サーバ側計算装置110がクライアント側計算装置120に転送するプロトコル構成要素204の集合体を備えている。各プロトコル構成要素204は、医療機器130における特定の医療機器モデルまたは型の集合との通信のためにクライアント側計算装置120を構成する。プロトコル構成要素は、たとえばクライアント側計算装置120が医療機器130とどのように通信するのかを決定する一式の規則を提供するソフトウェア構成要素である。プロトコル構成要素は、通信接続をセットアップし、実行し、終了するための規則を指定する。プロトコル構成要素は、通信接続全体で送信される情報のフォーマットも規定する。さらに具体的には、例示的な実施の形態における各プロトコル構成要素204は、医療機器構成情報、医療機器バージョン情報、医療機器セットアップ情報、および医療機器測定データをサーバ側計算装置110に送信するようにクライアント側計算装置120を構成している。さらに、各プロトコル構成要素204は、医療機器130に更新された構成情報またはセットアップ情報を送信するようにクライアント側計算装置120を構成する。
【0011】
サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に使用可能に結合される医療機器130をネットワーク150上で検出する。たとえば、サーバ側計算装置110は、医療機器バージョン情報、医療機器構成情報、医療機器セットアップ情報、および医療装置測定データについて接続された医療機器130に照会する。サーバ側計算装置110およびクライアント側計算装置120は、通常、別個の計算装置であるが、サーバ側計算装置110はクライアント側計算装置120としても機能してよい。したがって、医療機器130がクライアント側計算装置120の機能性も提供するサーバ側計算装置110に結合される場合には、ネットワーク150全体で情報を転送する必要はない。
【0012】
ここで、図1をさらに詳細に参照すると、例示的なシステム100のサーバ側計算装置110は、プロセッサ112、メモリ114、記憶装置116、ネットワークインタフェース118およびシステムバス119を含んでいる。図1に示されるような例示的なサーバ側計算装置110は、通常、テキサス州、ラウンドロックのデルコンピュータ社(Dell Computer Corporation)、カリフォルニア州、サンディエゴのゲートウェイ社(Gateway Inc.)、およびテキサス州、ヒューストンのコンパックコンピュータ社(Compaq Computer Corporation)製のサーバコンピュータシステムおよびウェブサーバである。サーバ側計算装置110は前記ベンダのサーバコンピュータシステムまたはウェブサーバとともに実現されてよいが、サーバ側計算装置110は、代わりに、あるいは加えて、ネットワークサーバアプリケーション、サーバファーム、サーバクラスタ、および/またはネットワークアクセス可能記憶装置などの他の計算装置を含んでよい。
【0013】
例示的なサーバ側計算装置110のプロセッサは、インテル(Intel)またはAMDの単一のX86プロセッサを含んでいる。しかしながら、プロセッサ112は、代わりに超長命令語(VLIW)コードモーフィング、複合命令セットコンピュータ(CISC)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、単一命令/複合データ(SIMD)、複合命令/複合データ(MIMD)、またはコンパック(Compaq)、ナショナルセミコンダクタ(National Semiconductor Corporation)、モトローラ(Motorola)およびトランスメタ(Transmeta Corporation)などのベンダの他のアーキテクチャを活用する1台または複数台のプロセッサを含んでよい。プロセッサ112は、通常、メモリ114に記憶されるソフトウェアおよび/またはファームウェアルーチンを実行するために使用できる。メモリ114のソフトウェアおよび/またはファームウェアルーチンを実行した結果、プロセッサ112はサーバ側計算装置110の一般的な動作を制御する。詳細には、メモリ114のソフトウェアおよび/またはファームウェアルーチンの結果、プロセッサ112は通常、医療機器130との通信用にクライアント側計算装置120を構成するために使用できる。さらに、プロセッサ112は、通常、メモリ114のソフトウェアおよび/またはファームウェアルーチンを実行した結果、クライアント側計算装置120を介して医療機器130から測定データを検索し、医療機器から検索された測定データを永久記録保存し、医療機器から受信された測定データを処理し、および/またはクライアント側計算装置120に処理済みの測定データを提供するようにサーバ側計算装置110を構成するために使用できる。
【0014】
例示的なサーバ側計算装置110のメモリ114は、プロセッサ112によって使用されるデータおよび命令を記憶するために使用できる。この目的のため、メモリ114は、例示的な実施の形態においては、プロセッサ112によって必要とされるデータおよびソフトウェア命令を記憶するための標準的なランダムアクセスメモリを含んでいる。しかしながら、メモリ114は、代わりにデータおよびソフトウェア命令を記憶するためのDRAM、SDRAM、およびSRAMなどの他の揮発性メモリ型、および/またはデータおよびファームウェア命令を記憶するためのROM、PROM、EEPROMおよびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでもよい。
【0015】
例示的なサーバ側計算装置110の記憶装置116は、通常、例示的なサーバ側計算装置110のデータおよび/またはソフトウェア命令を記憶するために使用できる。この目的のため、記憶装置116は、たとえば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、RAIDデバイスおよび/またはディスクオンチップデバイスなどの多様なコンピュータ読み取り可能/書き込み可能媒体を含んでよい。さらに、記憶装置116は、記憶装置116の媒体に対して生データを、記憶装置116のファイルシステムにファイルを、および/または記憶装置116のデータベースにデータ、レコード、オブジェクトをなど、数多くのさまざまな方式でデータを記憶してよい。さらに、記憶装置116は複数の媒体装置を含んでよく、サーバファームの他のサーバ、他のデータベースサーバ、または他のネットワークアクセス可能記憶(NAS)装置などの複数の計算装置のあいだで分散されてよい。
【0016】
サーバ側計算装置110のネットワークインタフェース118は、サーバ側計算装置110がネットワーク150に使用可能に結合されるクライアント側計算装置120と通信できるように、ネットワーク150にサーバ側計算装置110を使用可能に結合する。この目的のため、例示的な実施の形態のネットワークインタフェース118は、ローカルエリアネットワーク、ファイアウォール、ゲートウェイおよび/またはルータを介してネットワーク150にサーバ側計算装置110を接続するイーサネット(登録商標)コントローラまたはトークンリングコントローラなどのネットワークインタフェースコントローラを備えている。しかしながら、ネットワークインタフェース118は、代わりに、または加えて、28.8Kまたは56KのモデムなどのPOTS電話回線上で使用するためのアナログモデム、あるいはケーブル分散ネットワーク上で使用するためのケーブルモデム、ISDN電話回線上で使用するためのISDNモデム、またはDSL電話回線上で使用するためのDSLモデムなどのデジタルモデムを含んでよい。
【0017】
サーバ側計算装置110のシステムバス119は、通常、プロセッサ112、メモリ114、記憶装置116およびネットワークインタフェース118を相互接続するために使用できる。例示的な実施の形態におけるシステムバス119は、サーバ側計算装置110の多様な構成要素が互いに通信できるようにするアドレスバスとデータバスを含んでいる。さらに、システムバス119は、PCI、ISA、およびVMEなどの1つまたは複数のバスアーキテクチャを活用する1つまたは複数のバスで実現されてよい。
【0018】
図1から分かるように、クライアント側計算装置120は、プロセッサ122、メモリ123、記憶装置124、ネットワークインタフェース125、デバイスインタフェース126、1台または複数台のユーザI/Oデバイス127、およびシステムバス128を含んでいる。図1に示されるクライアント側計算装置120は、通常、たとえばテキサス、ラウンドロックのデルコンピュータ社、カリフォルニア、サンディエゴのゲートウェイ社、およびテキサス、ヒューストンのコンパックコンピュータ社製のパーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータシステム、および/またはワークステーションである。クライアント側計算装置120は、前記ベンダのパーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータシステム、および/またはワークステーションで実現されてよいが、クライアント側計算装置120は、代わりにまたは加えて、ハンドヘルドコンピュータ、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス、ネットワーク機器および/またはゲーミングコンソールなどのネットワークによりイネーブルされる(さらに好ましくはインターネットによりイネーブルされる)計算装置などの他の計算装置を含んでよい。
【0019】
クライアント側計算装置120のプロセッサ122は、インテルまたはAMDの単一のX86プロセッサを含んでいる。しかしながら、プロセッサ122は、代わりに、VLIW、コードモーフィング、CISC、RISC、SIMD、MIMD、またはコンパック、ナショナルセミコンダクタ社、およびトランスメタ社などのベンダの他のアーキテクチャを活用する1台または複数台のプロセッサを含んでよい。メモリ123のソフトウェアおよび/またはファームウェアルーチンを実行した結果、プロセッサ122はクライアント側計算装置120の一般的な動作を制御する。詳細には、プロセッサ122は、メモリ123のソフトウェアおよび/またはファームウェアルーチンを実行した結果、通常、医療機器130との通信用にクライアント側計算装置120を構成するように使用できる。さらに、プロセッサ122は、メモリ123のソフトウェアおよび/またはファームウェアルーチンを実行した結果、通常、そこに使用可能に結合される医療機器130の医療機器型を突き止め、サーバ側計算装置110から、そこに使用可能に結合される医療機器130と通信するのに適したプロトコル構成要素204(図2参照)を取得し、および/またはプロトコル構成要素204を介して医療機器130と通信するようにクライアント側計算装置120を構成するために使用できる。
【0020】
クライアント側計算装置120のメモリ123は、プロセッサ122によって使用されるデータおよび命令を記憶するために使用できる。この目的のため、メモリ123は、例示的な実施の形態においては、プロセッサ122によって必要とされるデータおよびソフトウェア命令を記憶するための標準ランダムアクセスメモリを含んでいる。しかしながら、メモリ123は、データおよびソフトウェア命令を記憶するためのDRAM、SDRAM、およびSRAMなどの他の揮発性メモリ、および/またはデータおよびファームウェア命令を記憶するためのROM、PROM、EEPROM、およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでよい。
【0021】
クライアント側計算装置120の記憶装置124は、通常、クライアント側計算装置120のデータおよび/またはソフトウェア命令を記憶するために使用できる。この目的のため、記憶装置124は、たとえば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、RAIDデバイス、および/またはディスクオンチップデバイスなどの多様なコンピュータ読み取り可能および/または書き込み可能媒体デバイスを含んでもよい。さらに、記憶装置124は、記憶装置124の媒体に対する未処理データ、記憶装置124のファイルシステム中のファイル、および/または記憶装置124のデータベース中のデータ、記録またはオブジェクトなどの数多くの異なる方式でデータを記憶してよい。さらに、記憶装置124は複数の媒体デバイスを含んでもよい。
【0022】
クライアント側計算装置120は、また、メモリ123を実現するのと同じハードウェア構成要素が記憶装置124も実現するようにしてもよい。たとえば、クライアント側計算装置120は、メモリ123と記憶装置124の両方の機能性を実現するメモリチップで実現してもよい。ハンドヘルド計算装置(たとえば、パームパイロット)およびクライアント側計算装置120を実現するために使用できるインターネットによってイネーブルされるセルラーフォンなどの多くの特殊目的の計算装置はこのようにして実現される。
【0023】
クライアント側計算装置120のネットワークインタフェース125は、通常、クライアント側計算装置120がネットワーク150を介してサーバ側計算装置110と通信できるように、ネットワーク150にクライアント側計算装置120を使用可能に結合する。この目的のため、例示的な実施の形態のネットワークインタフェース125は、28.8Kまたは56KモデムなどのPOTS電話回線上で使用するためのアナログモデム、またはケーブル分散ネットワーク上で使用するためのケーブルモデム、ISDN電話回線上で使用するためのISDNモデム、またはDSL電話回線上で使用するためのDSLモデムなどのデジタルモデムを備えている。しかしながら、ネットワークインタフェース118は、代わりに、または加えて、ネットワーク150にローカルエリアネットワーク、ファイアウォール、ゲートウェイおよび/またはルータを介してクライアント側計算装置120を接続するために使用できるイーサネットコントローラまたはトークンリングコントローラなどのネットワークインタフェースコントローラを含んでよい。
【0024】
図示されているように、クライアント側計算装置120は、さらに、デバイスインタフェース126を含んでいる。デバイスインタフェース126は、通常、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだに物理的通信リンク140を確立するために使用できる。この目的のため、クライアント側計算装置120のデバイスインタフェース126は、医療機器130がRS−232ケーブルを介して使用可能に結合されてよい標準的なRS−232シリアルポートを含んでいる。
【0025】
しかしながら、デバイスインタフェース126は、代わりに、または加えて、パラレルポート、SCSIポート、USBポート、1394ポート(つまり、ファイアワイヤまたはI−リンクポート)、ファイバチャネルポート、ネットワークインタフェースコントローラ、またはユーザが適切なケーブルまたはコネクタを介して医療機器130の対応する通信ポートを結合してよい他の型の通信ポートなどの他の通信機構を含んでよい。デバイスインタフェース126は、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだに物理的通信リンク140を確立するために、代わりに、または加えて、RFおよび/またはIR送信機/受信機などの無線技術を含んでよい。
【0026】
図示されているように、クライアント側計算装置120は、1台または複数台のユーザI/O装置127を含んでいる。ユーザI/O装置127は、通常、クライアント側計算装置120のユーザに、クライアント側計算装置120に情報を入力し、クライアント側計算装置120から情報を受信し、および/またはクライアント側計算装置120の動作を制御するための機構を提供する。たとえば、ユーザI/O装置127は、クライアント側計算装置120のユーザに情報を視覚的に提示するために使用できる、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、プリンタ、および/または他の出力装置を含んでよい。ユーザI/O装置127は、クライアント側計算装置120のユーザに情報を聞き取れるように提示するために使用されるサウンドカード、電波発生装置、シーケンサ、ミキサ、スピーカ、および/または他の音声装置も含んでよい。
【0027】
さらに、ユーザI/Oデバイス127は、クライアント側計算装置120のユーザに、クライアント側計算装置120の動作を直接的に制御する、および/またはサーバ側計算装置110と医療機器130の動作を間接的に制御するためのインタフェースを提供するマウス、キーボード、タッチパッド、プッシュボタン、スキャナ、スタイラス、タッチスクリーン、および/または他の入力装置を含んでよい。
【0028】
システムバス128は、通常、プロセッサ122、メモリ123、記憶装置124、ネットワークインタフェース125、デバイスインタフェース126、およびユーザI/O装置127を相互接続するために使用できる。この目的のため、例示的な実施の形態におけるシステムバス128は、クライアント側計算装置120の多様な構成要素が互いと通信できるようにするバスラインおよび/またはトレースを含んでいる。さらに、システムバス128は、PCI、ISA、およびVMEなどの1つまたは複数のバスアーキテクチャを活用する1つまたは複数のバスにより実現してもよい。
【0029】
図示されているように、システム100はさらに医療機器130を含んでいる。システム100の医療機器130は、通常、1つまたは複数の生物学的/生理学的な状態を監視し、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだに確立された物理的通信リンク140を介してクライアント側計算装置120と通信するために使用できる。例示的な実施の形態においては、医療機器130は、通常、試験片(test strip)に適用される血液の血糖レベルを測定するために使用できる、ロッシュ ダイアグノスティックス社製のグルコース計を含んでいる。例示的な実施の形態における医療機器130はグルコース計を含んでいるが、医療機器130は、体液または身体的機能(たとえば、血液、尿、唾液)、身体的信号(たとえば、心電図信号、脳波、血圧波)、および/または身体的刺激(たとえば、呼吸作用)などの他の生物学的/生理学的なパラメータまたは状態を監視および/または分析し、血圧、血液ガス、血液凝固、電解質、心血管活動、薬物濃度、呼吸数、ストレスなどの測定値を得るために実現できるであろう。
【0030】
図1から分かるように、医療機器130は、プロセッサ132、メモリ133、通信インタフェース136、1台または複数台のユーザI/O装置137、およびシステムバス138を含んでいる。医療機器130のプロセッサ122は、単一のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでいる。しかしながら、プロセッサ122は、代わりに複数台のプロセッサを含んでよい。メモリ133のソフトウェアルーチンおよび/またはファームウェアルーチンを実行した結果、プロセッサ132は、医療機器130の一般的な動作を制御する。さらに具体的には、プロセッサ132は、メモリ133のソフトウェアルーチンおよび/またはファームウェアルーチンを実行した結果、通常、生物学的/生理学的な状態を示す測定データを取得するように医療機器130を構成するために使用できる。
【0031】
さらに、プロセッサ132は、メモリ133のソフトウェアルーチンおよび/またはファームウェアルーチンを実行した結果、通常、医療機器130に特定的であってよい特定の通信プロトコルにしたがって、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだの通信を制御するために使用できる。例示的な実施の形態では、システム100は、さまざまな通信プロトコルを使用してよい、複数の異なるモデルおよび/または型式の医療機器130をサポートしている。一般的には、これらの異なるモデルおよび/または型式の医療機器130は、データをフォーマットするためのさまざまな手順、およびデータを転送するために使用される手順を活用してよい。たとえば、異なる医療機器130は、(i)異なるメッセージフォーマットまたはパケットフォーマット、(ii)異なる転送速度、(iii)異なるエラー検出方式、(iv)異なるエラー補正方式、(v)異なるコマンドセット、および/または(vi)異なる圧縮方式を活用してよい。
【0032】
医療機器130のメモリ133は、プロセッサ132により使用されるデータおよび命令を記憶するために使用できる。この目的のため、メモリ133は、例示的な実施の形態においては、データ、ソフトウェア命令、および/またはプロセッサ132によって必要とされる他の情報を記憶するためのランダムアクセスメモリを含んでいる。しかしながら、メモリ133は、代わりに、データおよびソフトウェア命令を記憶するためのDRAM、SDRAM、およびSRAMなどの他の揮発性メモリ、および/またはデータ命令およびファームウェア命令を記憶するためのROM、PROM、EEPROM、およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでよい。
【0033】
図示されているように、医療機器130は、さらに通信インタフェース136を含んでいる。通信インタフェース136は、通常、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだに物理的通信リンク140を確立するために使用できる。この目的のため、医療機器130の通信インタフェース136は、クライアント側計算装置120がRS−232ケーブルを介して使用可能に結合されてよい標準的なRS−232シリアルポートを含んでいる。
【0034】
しかしながら、通信インタフェースは、代わりに、または加えて、パラレルポート、SCSIポート、USBポート、1394ポート(つまり、ファイアワイヤまたはIリンクポート)、ファイバチャネルポート、ネットワークインタフェースコントローラ、または適切なケーブルまたはコネクタを介してクライアント側計算装置120の対応する通信ポートを結合してよい他の型の通信ポートなどの他の通信機構を含んでよい。通信インタフェース136は、代わりにまたは加えて、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだに物理的通信リンク140を確立するためにRFおよび/またはIR送信機/受信機などの無線技術を含んでいる。
【0035】
医療機器130は、さらに1台または複数台のユーザI/O装置137を含んでいる。ユーザ側I/O装置137は、一般的に医療機器130のユーザに医療機器130に情報を入力し、医療機器130から情報を受信し、医療機器130の動作を制御する機構を提供する。たとえば、ユーザI/O装置137は、医療機器130のユーザに情報を視覚的に提示するために使用できるブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、プリンタ、および/または他の出力装置を含んでよい。ユーザI/O装置137は、医療機器130のユーザに情報を聞き取れるように提示するために使用されるサウンドカード、電波発生装置、シーケンサ、ミキサ、スピーカ、および/または他の音声装置も含んでよい。
【0036】
さらに、医療機器130のユーザI/O装置137は、マウス、キーボード、タッチパッド、プッシュボタン、スキャナ、スタイラス、タッチスクリーンおよび/または医療機器130のユーザに、医療機器130の動作を直接的に制御するためのインタフェースを提供する別の入力装置を含んでよい。医療機器130は、ユーザI/O装置137なしで実現され、単にクライアント側計算装置120のユーザI/O装置127を利用するだけでもよい。しかしながら、クライアント側計算装置120のユーザ側I/O装置127を大いに利用する医療機器130でさえも、通常は、医療機器130に電力が供給されている旨の視覚的なフィードバックを提供するLED、物理的通信リンク140が確立された旨の視覚的なフィードバックを提供するLED、および/または医療機器130の電源を入れたり、切ったりするためのボタンまたはスイッチなどのいくつかのユーザ側I/O装置137を有するであろう。
【0037】
システムバス138は、通常、プロセッサ132、メモリ133、通信インタフェース136、およびユーザI/O装置137を相互接続するために使用できる。この目的のため、例示的な実施の形態におけるシステムバス138は、医療機器130の多様な構成要素が互いに通信できるようにするバスラインおよび/またはトレースを含んでいる。さらに、システムバス138は、PCI、ISA、VME、およびPC−104などの1つまたは複数のバスアーキテクチャを活用する1つまたは複数のバスで実現されてよい。
【0038】
図1に示されているように、システム100のネットワーク150は、サーバ側計算装置110にクライアント側計算装置120を使用可能に結合する。ネットワーク150は、ルータ、開閉器、ハブ、ゲートウェイ、プロキシ、および/またはファイアウォール(図示せず)を介して互いに使用可能に結合される複数の公衆または専用のLANおよび/またはWAN(図示せず)を含んでよい。例示的な実施の形態では、ネットワーク150は、クライアント側計算装置120からサーバ側計算装置110にユビキタスアクセス(ubiquitous access)を提供するためにインターネットを活用する。
【0039】
ここで図2を参照すると、機能ブロック図は、システム100のデータ構成要素および機能構成要素の相互作用を示している。一般的には、図2に示されている機能構成要素はサーバ側計算装置110およびクライアント側計算装置120により実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアで実現される。図2の機能構成要素はソフトウェアおよび/またはファームウェアを介して実現されるが、当業者は、必要以上の実験なしに、離散アナログ回路構成要素、離散デジタル回路構成要素、集積アナログ回路、集積デジタル回路、および/または集積アナログ/デジタルハイブリッド回路により、機能構成要素のすべてまたは部分を実現することを選択し、このような実現された機能構成要素が図1を示されるハードウェア構成要素のすべてまたは部分と置き換えてよい。
【0040】
図示されているように、サーバ側計算装置110は、サーバトランスポートエージェント202、プロトコル構成要素204、機器データ206、患者データ208、および機器識別構成要素214を含んでいる。さらに、クライアント側計算装置120は、ユーザインタフェース210、クライアントトランスポートエージェント212、機器識別構成要素214、更新構成要素216およびプロトコル構成要素204を含んでいる。
【0041】
サーバトランスポートエージェント202およびクライアントトランスポートエージェント212は、それぞれサーバ側計算装置110とクライアント側計算装置120を、ネットワーク150を介したそのあいだの通信のために構成する。例示的な実施の形態では、サーバトランスポートエージェント202およびクライアントトランスポートエージェント212が、サーバ側計算装置110およびクライアント側計算装置120を、TCP/IPネットワークプロトコル上でHTTP(ハイパテキスト転送プロトコル)を活用するように構成する。この目的のため、例示的な実施の形態におけるサーバトランスポートエージェント202は、1台または複数台のクライアント側計算装置120からHTTP要求を受信し、クライアント側計算装置120に要求された情報を与えるために使用できるHTTPサーバを備えている。サーバトランスポートエージェント202は、マイクロソフト社から入手可能なインターネット情報サーバ、アパッチグループから入手可能なアパッチHTTPサーバ、およびデジタルクリエーションズ社から入手可能なゾープウェブアプリケーションサーバなどの数多くの現在入手可能なHTTPサーバまたはウェブアプリケーションサーバの内の任意の1つを含んでよい。サーバトランスポートエージェント202は、HTTPプロトコルおよびTCP/IPプロトコルに加えて、または代わりにFTP、TFTP、SMTPなどの他のトランスポートプロトコル、またはUDP、SMB、NetBUIなどの他のネットワークプロトコルをサポートしてよい。
【0042】
図示されているように、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に転送されると、クライアント側計算装置120を、特定された医療機器130と通信するときに特定の通信プロトコルを使用するように構成する複数のプロトコル構成要素204を備えている。すでに示されたように、システム100は、さまざまな通信プロトコルを活用する医療機器130をサポートしている。したがって、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120により実行されると、クライアント側計算装置120を、医療機器130の適切な通信プロトコルで医療機器130と通信させるプロトコル構成要素204を維持している。この目的のため、サーバ側計算装置110はシステム100がサポートする医療機器130の型ごとに別個のプロトコル構成要素204を維持している。
【0043】
サーバ側計算装置110は、複数の通信プロトコルをサポートする、またはクライアント側計算装置130を、複数の型式の医療機器130と通信するように構成できるプロトコル構成要素204を代わりに含んでよい。複数の機能性を単一のプロトコル構成要素204の中に含めることで、サーバ側計算装置110が維持する必要のあるプロトコル構成要素204の数を削減する一方で、これらの多機能プロトコル構成要素204は、単一の型式の医療機器130用の通信プロトコルを単に実現するプロトコル構成要素204よりサイズが大きくなる傾向もある。大きなプロトコル構成要素204は、クライアント側計算装置120に転送するのにより長くかかる。ただし、複数の型式の医療装置130とともに使用されるクライアント側計算装置120は、サーバ側計算装置110から多くのプロトコル構成要素204をダウンロードする必要がないため、この転送時間を取り戻して余りある可能性がある。
【0044】
例示的な実施の形態においては、プロトコル構成要素204は、ウェブブラウザを介してクライアント側計算装置120によりダウンロード、実行できるアクティブX(登録商標)構成要素として実現される。しかしながら、プロトコル構成要素204は、多様なRPC技法を介してクライアント側計算装置120で実現できる、開発者が選択する言語で作成されるネイティブアプリケーションだけではなく、COM、DCOM、Java(登録商標)、JavaScript、VBScript、Perl、Pythonなどの他のソフトウェア技術を使用して実現されてもよい。さらに、JavaScriptおよびVBScriptなどの解釈された言語、またはJava、Perl、およびPythonなどのバイトコンパイル言語を活用することにより、サーバ側計算装置110は、幅広い範囲のクライアント側計算装置プラットホーム(つまり、ハードウェアとオペレーティングシステムの組み合わせ)をサポートするために、プロトコル構成要素204の単一バージョンまたはある特定のプロトコル構成要素204の少数のバージョンを維持してよい。いい換えると、サーバ側計算装置110は、幅広い範囲のクライアント側計算装置110(たとえば、マッキントッシュ(登録商標)、ウィンドウズ(登録商標)、および/またはリナックス(登録商標)オペレーティングシステム、パームパイロット、ハンドスプリングバイザ、インターネットによりイネーブルされるセルラー電話などを使用するコンピュータシステム)をサポートするために効率的に実現されてよい。
【0045】
図2に示されるように、サーバ側計算装置110は、メモリ114および/または記憶装置116に記憶される機器データ206および患者データ208も含んでいる。機器データ206は、通常、システム100がサポートする医療機器130の型式、およびプロトコル構成要素204のどれが特定の医療機器130をサポートするのかに関する情報を含んでいる。サーバ側計算装置110は、必要とされる場合に適切なプロトコル構成要素204がクライアント側計算装置120に転送されるように、プロトコル構成要素204のどれが指定された医療機器130にとって適切なプロトコル構成要素204なのかを判断するために機器データ206を活用する。
【0046】
患者データ208は、通常、システム100によって監視されている患者から収集される生物学的および/または生理学的なデータを含んでいる。さらに、患者データ208は、指定された患者のアイデンティティを検証するため、および/またはサーバ側計算装置110によって収集される事前の生物学的/生理学的なデータと指定される患者を相関付けるために使用され得る患者識別情報(たとえば、氏名、生年月日、住所など)および認証情報(たとえば、ユーザ名/パスワード、ウェブクッキーテキスト、クライアント側計算装置アドレス、医療機器製造番号、クライアント側計算装置ネットワークアドレスなど)を含んでよい。システム100は、サーバ側計算装置110が患者データを維持していないケースで匿名のアクセスも可能にするか、または依然として患者が彼らの収集された生物学的/生理学的なデータを入手できるようにする匿名方式で患者データを維持してよい。匿名アクセスは、患者が、誰かがデータを患者に結び付ける惧れなしに医療機器130の現在の生物学的/生理学的なデータを検索、表示、および/または分析できるようにする。
【0047】
クライアント側計算装置120のユーザインタフェース210は、通常、ユーザ(たとえば、患者、看護婦、医師など)にクライアント側計算装置120および医療機器130に関してシステム100の動作を制御するための機構を与えるために使用できる。さらに具体的には、例示的な実施の形態のユーザインタフェース210は、HTML(ハイパテキストマーク付け言語)文書およびHTML書式を表示するために使用できる。ただし、ユーザインタフェース210は、RTF、PDF、およびASCII Textなどの他のフォーマット、またはSGML、SML、Texおよび/またはLaTeXなどの他のマーク付け言語フォーマットで情報を表示できるであろう。
【0048】
例示的な実施の形態においては、前述したユーザインタフェース210およびクライアントトランスポートエージェント212は、ワシントン州、レッドモンドのマイクロソフト社から入手できるインターネットエクスプローラまたはカリフォルニア州、マウンテンビューのネットスケープコミュニケーションズ社から入手できるネットスケープコミュニケータなどの標準ウェブブラウザで実現され、クライアントトランスポートエージェント212のTCP/IPプロトコル部分はTCPで実現される。これらの標準ウェブブラウザは、とりわけHTTPプロトコルおよびTCP/IPプロトコルに準拠する情報のパケットを送受し、HTML文書に対する要求を送信し、HTML文書を受信し、HTML文書を表示し、ユーザがHTML形式への入力を有するデータを送信するために使用できる。
【0049】
代わりに、ユーザインタフェース210は、とくにシステム100用に設計されるクライアント側計算装置120のネイティブカスタムアプリケーション(native custom application)として実現されてよい。カスタムアプリケーションは、HTMLおよび他のマーク付け言語文書を標準ウェブブラウザと同様に表示するために実現できるであろう。しかしながら、カスタムアプリケーションは、非マーク付け言語フォーマットでサーバ側計算装置110から情報を受信し、カスタマイズされたグラフィックインタフェースを介して情報を表示するために実現される可能性が高い。
【0050】
クライアント側計算装置120の機器識別構成要素214は、通常、ユーザが医療機器130について特定情報を入力しなくてもクライアント側計算装置120に医療機器130を特定させる。この目的のため、例示的な実施の形態における機器識別構成要素214は、クライアント側計算装置120の所定のポートを走査し、所定のポートに使用可能に結合される医療機器130の型式を突き止める。機器識別構成要素214が、クライアント側計算装置120に使用可能に結合される医療機器130を特定するために活用する正確な手順は、システム100によりサポートされる医療機器により活用される通信プロトコルしだいである。(i)医療機器130に摘要される刺激信号のための医療機器130から受信される応答、(ii)医療機器130から検索される識別コード、(iii)医療機器130から検索される製造番号および/または(iv)医療機器130から検索される他の情報に基づき医療機器130を特定するなどのいくつかの既知の技法が使用されてよい。機器識別構成要素214が、ドロップダウンボックス、チェックボックスまたは他の手動入力などの手動機器識別を含んでよいことが理解される。
【0051】
機器識別構成要素214は、単に医療機器130について所定のポートを走査することに加え、ユーザがユーザインタフェース210を介して医療機器130がどのポートに使用可能に結合されているのかを指定できるようにしてよい。さらに、識別構成要素214は、ある特定の型式のすべてのポート(たとえば、すべてのUSBポート、すべてのSCSIポート、すべてのパラレルポート、無線インタフェースなど)を走査するか、またはユーザが定義可能なポートの集合を単に走査することができる。
【0052】
例示的な実施の形態においては、デバイス識別構成要素214は、クライアント側計算装置1120によって実行されるときに、通常、クライアント側計算装置120に前述したように医療機器130を特定させる、実行可能プログラムまたはスクリプトを備えている。機器識別構成要素214は、代わりに、ハードウェア、ファームウェア、または医療機器130を特定するようにクライアント側計算装置120を構成するハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアの組み合わせを備えてよい。
【0053】
一般的に、更新構成要素216は、クライアント側計算装置120が特定された医療機器130について適切なプロトコル構成要素204を活用することを確実にする。この目的のため、例示的な実施の形態における更新構成要素216は、通常、(存在する場合)どのプロトコル構成要素204が、現在、クライアント側計算装置120のメモリ123および/または記憶装置124に記憶されているのか、およびクライアント側計算装置120のプロトコル構成要素204のどれが特定された医療機器130について適切なプロトコル構成要素204であるのかどうかを判断する。更新構成要素216が、クライアント側計算装置120が特定された医療機器130について適切なプロトコル構成要素204のコピーを有していないと判断すると、更新構成要素216はサーバ側計算装置110から正しいプロトコル構成要素204のコピーを取得するためにクライアントトランスポートエージェント212と連動して動作する。
【0054】
更新構成要素216は別個のソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェア構成要素として実現できるが、例示的な実施の形態における更新構成要素216は、クライアント側計算装置120のユーザインタフェース212およびトランスポート214を実現するためにも使用される標準ウェブブラウザで実現される。ウェブブラウザは、通常、サーバ側計算装置110などの遠隔コンピュータシステムが、クライアント側計算装置120にソフトウェアルーチンを実行させることができるようにする機構を提供する。たとえば、多くのウェブブラウザは、ジャバアプレット、ジャバスクリプト、アクティブXコントロール、およびサーバ側計算装置100が、クライアント側計算装置130にサーバ側計算装置110から受信される情報に応えてソフトウェアを実行させることができる他の種類のソフトウェア技術の実行をサポートする。
【0055】
さらに、ウェブブラウザは、通常、プラグインアプリケーションであるアクティブXコントロールなどの特定のソフトウェア構成要素またはジャバアプレット(Java Applet)が、サーバ側計算装置110から受信される情報に応えてクライアント側計算装置120にすでにインストールされているかどうかを判断する能力も含んでいる。さらに、ウェブブラウザは、通常、このようなインストール済みのソフトウェア構成要素のバージョンを決定する能力も含んでいる。ウェブブラウザは、サーバ側計算装置110から受信される情報に応えてサーバ側計算装置110から、プラグインアプリケーションであるアクティブXコントロール、またはジャバアプレットなどの必要とされるソフトウェア構成要素を、クライアントトランスポートエージェント212を介してダウンロードし、インストールする能力も含んでいる。
【0056】
さらに、ウェブブラウザは、通常、サーバ側計算装置110から受信される情報をキャッシュに入れ、キャッシュ内の情報がサーバ側計算装置110の対応する情報と最新式であるかどうかを判断する能力も含んでいる。このようにして、クライアント側計算装置120のウェブブラウザは、サーバ側計算装置110からクライアント側計算装置120への同じ情報の反復転送を妨げることができる。いい換えると、クライアント側計算装置120がサーバ側計算装置110からある特定のリソースを要求し、クライアント側計算装置120がすでにキャッシュ内にそのリソースのコピーを有している場合には、ウェブブラウザは、クライアント側計算装置120にリソースのキャッシュに入れられたバージョンを使用させ、このようにしてサーバ側計算装置110からクライアント側計算装置120へのリソースの転送を排除することができる。
【0057】
前述したように、プロトコル構成要素204は、特定された医療機器130と通信するときにある特定の通信プロトコルを使用するようにクライアント側計算装置120を構成する。システム100は、さまざまな通信プロトコルを活用する医療機器130をサポートする。したがって、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120によって実行されるときに、クライアント側計算装置120に医療装置130について適切な通信プロトコルで医療機器130と通信させるプロトコル構成要素204を維持する。例示的な実施の形態では、プロトコル構成要素204は、サーバ側計算装置110から受信される情報に応えてクライアント側計算装置130によって実行されるジャバアプレット、ジャバスクリプト、アクティブXコントロールなどのソフトウェアを備える。
【0058】
例示的な動作の方法300を示すフローチャートが図3に示されている。図示されているように、例示的な方法300は、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだに物理的通信リンク140を確立する工程302で開始する。例示的な実施の形態では、システムのユーザは、医療機器130のポート(たとえば、シリアルI/Oポート)とクライアント側計算装置120の対応するポート(たとえば、COMポート1)のあいだでインタフェースケーブルを結合することにより物理的通信リンク140を確立する。しかしながら、医療機器130がIRおよび/またはRF送信機/受信機などの無線通信機構を含んでいる場合には、物理的通信リンク140は、クライアント側計算装置120の対応するIRおよび/またはRF送信機/受信機の伝送範囲内にただ医療機器130を設置するだけで確立される。
【0059】
例示的な方法300の工程304では、クライアント側計算装置120がサーバ側計算装置110と通信を確立する。例示的な実施の形態では、クライアント側計算装置120はユーザインタフェース210を介して、クライアントトランスポートエージェント212がサーバ側計算装置110と通信を確立することを要求するユーザに応えてサーバ側計算装置110との通信を確立する。とくに、例示的な実施の形態におけるユーザが、ユーザインタフェース210のウェブブラウザを介して、ウェブブラウザがサーバ側計算装置110およびある特定のURI(普遍資源識別子)、URL(普遍資源位置指定子)、PURL(永続統一資源位置指定子)および/またはURN(普遍資源名)によって特定される、関連トランスポートエージェント202に接続することを要求する。
【0060】
サーバ側計算装置110は、工程306において、ユーザ、クライアント側計算装置120、および/または医療機器130を認証しようと試みる。例示的な実施の形態においては、サーバ側計算装置110は、ユーザが過去に収集された生物学的/生理学的なデータを検索、および/または収集された生物学的/生理学的なデータが非公開に保たれていることを確実にできるようにするために、多様な認証方式を介してユーザ側、クライアント側計算装置120、および/または医療機器130を認証しようと試みる。例示的な実施の形態においては、ユーザは、ユーザインタフェース210を介して、サーバ側計算装置110が、ユーザが有効なユーザ名/パスワードの組を入力したかどうかを判断するために、維持されている患者データ208のユーザ名/パスワードの組と比較するユーザ名とパスワードを入力する。しかしながら、機密保護/プライバシーが懸念されない環境では、サーバ側計算装置110の他の実施の形態は、ユーザ、クライアント側計算装置120、および/または医療機器130を認証しない。他の認証方法も適当であることが認識されなければならない。たとえば認証は、さらに、または代わりに、クライアント側計算装置120のネットワークアドレス、医療機器130の製造番号、記憶されている認証キー(たとえばPGPキー)などに基づいてよい。
【0061】
工程308では、サーバ側計算装置110は、ユーザ、クライアント側計算装置120、および/または医療装置130を認証しようとする試みが成功したかどうかを判断する。サーバ側計算装置110が認証のためにユーザ名/パスワードの組を活用する例示的な実施の形態においては、当該サーバ側計算装置110は、受信したユーザ名/パスワードの組が無効である場合には認証の試行が失敗したと判断する。工程310では、サーバ側計算装置110が、無効ユーザ名/パスワード組を記録する、クライアント側計算装置120のネットワークを記録する、試行の閾値数を超えた場合にクライアント側計算装置120からの接続を遮断するなどの無効なユーザ名/パスワードの組を受信したことに応えて多様な他の処置を実行する。工程308の多様な処置を実行したのち、サーバ側計算装置110は、ユーザ、クライアント側計算装置120、および/または医療装置130を認証することを再試行するために工程306に戻る。
【0062】
クライアント側計算装置120の機器識別構成要素214は、工程312で、サーバ側計算装置110に、サーバ側計算装置110が医療機器130とともに使用される適切なプロトコル構成要素204を決定する機器情報を与える。前述したように、機器識別構成要素214は、通常、一連の信号を介して医療機器130に質問し、質問に答えて医療機器130から信号を受信し、医療機器130から受信された信号に基づきクライアント側計算装置120に接続される医療機器130の型式を識別する。医療機器130から受信される信号は、ACK信号または製造番号、モデル番号、機器型式、バージョン番号などの情報を示す他の信号を含んでよい。いずれにせよ、サーバ側計算装置110が、クライアント側計算装置120に使用可能に結合される医療機器130の型式を確かめるクライアントトランスポートエージェント212を介して機器識別構成要素214は、サーバ側計算装置110に機器情報を与える。
【0063】
サーバ側計算装置110は、つぎに工程314で特定された医療機器130と通信するために適切なプロトコル構成要素204を突き止める。とくに、例示的な実施の形態におけるサーバ側計算装置110は、機器特定構成要素214から受信される機器データ206および機器情報を活用し、特定された医療機器130と通信する際にクライアント側計算装置120が使用するための適切なプロトコル構成要素204を選択する。
【0064】
サーバ側計算装置110は、工程316において、クライアント側計算装置120の更新構成要素216に、特定された医療機器130とともに使用される適切なプロトコル構成要素204を特定するプロトコル構成要素情報を与える。例示的な実施の形態においては、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に、クライアント側計算装置120が医療機器130と通信するために実行するための適切なアクティブXコントロールに対する参照を含むHTML文書を転送するにすぎない。
【0065】
サーバ側計算装置110からプロトコル構成要素情報を受信した結果、クライアント側計算装置120は、工程318で、クライアント側計算装置120がサーバ側計算装置110から適切なプロトコル構成要素204を受信する必要があるかどうかを判断する。例示的な実施の形態では、ユーザインタフェース210のウェブブラウザは、更新構成要素216に、クライアント側計算装置120がHTML文書により参照される適切なプロトコル構成要素204のカレントバージョンをすでに有していることを検証させるサーバ側計算装置110から受信されるHTML文書を処理する。更新構成要素216が、クライアント側計算装置120がすでにカレントバージョンを有していると判断した場合には、クライアント側計算装置120は、プロトコル構成要素204を介して医療機器130と通信するために工程322に進む。
【0066】
クライアント側計算装置120が、クライアント側計算装置120が適切なプロトコル構成要素204のコピーを必要とすると判断した場合には、クライアント側計算装置120は、工程320でサーバ側計算装置110から適切なプロトコル構成要素204のコピーを受信する。とくに、例示的な実施の形態におけるクライアントトランスポートエージェント212は、サーバ側計算装置110から受信されるHTML文書に指定される場所から適切なプロトコル構成要素204のコピーを検索する。
【0067】
クライアント側計算装置120の更新構成要素216は、クライアント側計算装置120が医療機器130について適切なプロトコル構成要素204を含むことを確実にする。その結果、クライアント側計算装置120は、たとえプロトコル構成要素204がのちに改定されたとしても、およびクライアント側計算装置120が医療機器130にとって適切なプロトコル構成要素204を過去に有していなかったとしても、適切なプロトコル構成要素204を活用して医療機器130と通信する。
【0068】
クライアント側計算装置120は、つぎに工程322で、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだでデータを転送する、および/または情報を管理するために適切なプロトコル構成要素204を実行する。例示的な実施の形態においては、クライアント側計算装置120は、サーバ側計算装置110から受信されるHTML文書によって参照される適切なプロトコル構成要素204を実行する。
【0069】
適切なプロトコル構成要素204を実行した結果、クライアント側計算装置120は、クライアント側計算装置120および/またはサーバ側計算装置110の代わりに医療機器130と通信することに関して多様な動作を実行する。たとえば、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に、プロトコル構成要素204を介して医療機器130にコマンドを発行させ、医療機器130に内蔵クロックを調整させ、記憶されている測定データをクリアさせ、記憶されている測定データを検索させ、測定データを取得するために使用される校正パラメータまたは他のパラメータを更新させ、測定データを取得するために試験、または他のタスクを実行させる。
【0070】
同様に、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に、測定データ、機器ステータスデータなどを医療機器130からサーバ側計算装置110に転送させてよい。さらに具体的には、クライアント側計算装置120はプロトコル構成要素204を介して医療機器130からデータを取得し、医療機器130からクライアント側計算装置120へのデータの転送の完了後に、クライアント側計算装置120はサーバ側計算装置110にデータを転送する。しかしながら、クライアント側計算装置120は、代わりに、医療機器130から要求されたデータのすべてを受信する前に受信されたデータのサーバ側計算装置110への転送を開始してよい。
【0071】
前述したように、サーバ側計算装置110の代わりに実行される動作のいくつかは、クライアント側計算装置120にサーバ側計算装置110に測定データ、機器ステータスデータなどのデータを提供させる。したがって、サーバ側計算装置110は、工程322で、クライアント側計算装置120を介して測定装置130から受信したデータを処理する。たとえば、例示的な実施の形態のサーバ側計算装置110は、測定データが工程306で認証されたユーザ、クライアント側計算装置120、および/または医療機器130と関連付けられるように、クライアント側計算装置120から受信された測定データを患者データ208とともに記憶する。このようにして、サーバ側計算装置110は、認証されたユーザ、クライアント側計算装置120、および/または医療機器130について履歴測定データを維持する。クライアント側計算装置120から受信された要求に応えて、サーバ側計算装置110は、後日、認証されたユーザ、クライアント側計算装置120、および/または医療機器130の履歴データを検索および/または分析する。さらに、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に、テーブル、チャート、グラフ、説明などを現在の測定データおよび/または履歴測定データの意味を評価する際に役立てるために含むHTML文書の形を取る結果データを与える。
【0072】
代わりに、サーバ側計算装置110は、受信された測定データを単に分析し、将来の検索および分析のために測定データを記憶せずに、クライアント側計算装置120にこのような分析を表す結果データを与える。このようにして、サーバ側計算装置110はユーザに彼らの現在の測定データを分析するための匿名の機構を提供する。
【0073】
動作400の別の例示的な方法を描くフローチャートが図4に示されている。図示されているように、例示的な方法400は工程402で、図3に関して前述したように、クライアント側計算装置120と医療機器装置130のあいだに物理的通信リンク140を確立することで開始する。
【0074】
工程404では、クライアント側計算装置120が、サーバ側計算装置110との通信を確立する。例示的な実施の形態において、クライアント側計算装置120は、ユーザインタフェース210を介して、クライアントトランスポートエージェント212がサーバ側計算装置110との通信を確立することを要求するユーザに応えてサーバ側計算装置110との通信を確立する。とくに、ユーザは例示的な実施の形態で、ユーザインタフェース210のウェブブラウザを介してウェブブラウザが特定のサーバ側計算装置110および特定のURI(普遍資源識別子)、URL(普遍資源位置指定子)、PURL(永続統一資源位置指定子)および/または特定のファミリまたは型式の医療機器130にサービスを提供するURN(普遍資源名)によって特定される関連トランスポートエージェント202に接続することを要求する。さまざまなモデルの医療機器130、さまざまな型式の医療機器130、さまざまなクラスの医療機器130、および/またはさまざまな製造メーカの医療機器130にさまざまなURLを活用することにより、URLは、本来クライアント側計算装置120に接続された医療機器130を特定するまたは部分的に特定する機構を提供する。たとえば、第1のURLは第1モデルのグルコース計のために定義されてよく、第2のURLは類似した機能を有するクラスのグルコース計のために定義されてよく、第3のURLは特定の製造メーカのすべてのコレステロール計のために定義されてよい。
【0075】
サーバ側計算装置110は、工程406でユーザ、クライアント側計算装置120、および/または医療機器130を図3の工程306に類似した方法で認証しようとする。工程408で、サーバ側計算装置110は、図3の工程308に類似した方法で成功したユーザ側、クライアント側計算装置120、および/または医療機器130を認証するかどうかを判断する。工程410では、サーバ側計算装置110は、無効ユーザ名/パスワード組を記録する、クライアント側計算装置120のネットワークアドレスを記録する、試行の閾値数を超えた場合にクライアント側計算装置120からの接続を遮断するなどの無効なユーザ名/パスワード組を受信したことに応えて多様な他の処置を実行し、ユーザ、クライアント側計算装置120、および/または医療機器130を認証しようと再試行するために工程406に戻る。
【0076】
工程412では、クライアント側計算装置120がサーバ側計算装置110に、サーバ側計算装置110が、クライアント側計算装置120が医療機器130に対して適切な機器識別構成要素214を有するかどうかを判断できる情報を与える。たとえば、クライアント側計算装置120は、サーバ側計算装置110に、バージョン番号、ファイル名、バイト長、チェックサム値、またはクライアントコンピュータ装置120の、もし(存在するならば)カレント機器識別構成要素214についての他の情報を与えてよい。
【0077】
クライアント側計算装置120から受信される情報およびサーバ側計算装置110によって維持されるデータから、サーバ側計算装置110が、工程414で、クライアント側計算装置120に識別構成要素214を転送するかどうかを判断する。例示的な実施の形態では、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120がクライアント側計算装置110に接続された医療機器130の型式について識別構成要素214を有していない場合、またはクライアント側計算装置120の識別構成要素214がクライアント側計算装置120に接続される医療機器130の方式について識別構成要素214の最新のバージョンではない場合に、特定構成要素213がクライアント側計算装置120に転送される必要があると判断する。
【0078】
工程412および414に関して前述したように、クライアント側計算装置120は、本来、サーバ側計算装置110がクライアント側計算装置120の識別構成要素214の適切性を判断する情報をサーバ側計算装置110に提供する。しかしながら、代わりに、サーバ側計算装置110はクライアント側計算装置120に、クライアント側計算装置120がそれ自体についてクライアント側計算装置120の識別構成要素214の適切性を判断する情報を提供してよい。とくに、クライアント側計算装置120は、クライアント側計算装置120の識別構成要素214が、図3の工程316と318に類似した方法で更新される必要があるのかを判断してよい。
【0079】
サーバ側計算装置110が、識別構成要素214がクライアント側計算装置120に転送されなければならないと判断した場合には、サーバ側計算装置110は、工程416で識別構成要素214をクライアント側計算装置120に転送させる。サーバ側計算装置110は、多様なデータ転送技法を活用し、識別構成要素214をFTP転送、HTTP転送、遠隔コピーなどのクライアント側計算装置120に転送することを認識すべきである。とくに、例示的な実施の形態におけるサーバ側計算装置110は、ユーザインタフェース210のウェブブラウザに、ウェブブラウザにより処理されると、クライアント側計算装置120に、サーバ側計算装置110または別の計算装置から識別構成要素214をダウンロードし、実行させるHTML文書を提供する。
【0080】
工程418では、クライアント側計算装置120がサーバ側計算装置110に、サーバ側計算装置110が医療機器130とともに使用される適切なプロトコル構成要素204を突き止める機器情報を与える。すでに注記したように、装置識別構成要素214は一連の信号を介して医療機器130に質問し、質問に応えて医療機器130から信号を受信し、医療機器から受信される信号に基づきクライアント側計算装置120に接続される医療機器130の型式を識別する。医療機器130から受信される信号は、ACK信号および/または製造番号、モデル番号、装置型式、バージョン番号等の情報を示す他の信号を含んでいる。いずれにせよ、機器識別構成要素214はサーバ側計算装置110に、サーバ側計算装置110がクライアント側計算装置120に使用可能に結合される医療機器130の型式を確かめるクライアントトランスポートエージェント212を介して機器情報を提供する。
【0081】
サーバ側計算装置110は、つぎに工程420で、特定された医療機器130と通信するための適切なプロトコル構成要素204を突き止める。工程422では、サーバ側計算装置110は、適切なプロトコル構成要素204を、クライアント側計算装置120に転送される特定された医療機器130とともに使用させる。この目的のため、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に、クライアント側計算装置120が適切なプロトコル構成要素240をダウンロードする場所を与える。しかしながら、クライアント側計算装置120が、サーバ側計算装置204によって特定される場所から情報をダウンロードする代わりに、サーバ側計算装置110は、プロトコル構成要素204をクライアント側計算装置120にアップロードするか、または別の計算装置にクライアント側計算装置120へプロトコル構成要素204をアップロードさせることができるであろう。
【0082】
クライアント側計算装置120は、つぎに、工程424で、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだでデータおよび/または制御情報を転送するために、適切なプロトコル構成要素204を実行する。適切なプロトコル構成要素204を実行した結果、クライアント側計算装置120は、クライアント側計算装置120および/またはサーバ側計算装置110の代わりに医療機器130と通信することに関して多様な動作を実行する。たとえば、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に、内蔵クロックを調整させ、記憶されている測定データをクリアさせ、記憶されている測定データを検索させ、測定データを取得し、測定データを取得するための試験または他のタスクを実行させるプロトコル構成要素204を介して医療機器130にコマンドを発行させてよい。
【0083】
同様に、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に測定データ、機器ステータスデータなどを医療機器130からサーバ側計算装置110に転送させてよい。したがって、サーバ側計算装置110は、工程426で、図3の工程324と類似した方法でクライアント側計算装置120を介して測定デバイス130から受信されるデータを処理する。
【0084】
さらに別の例示的な動作方法500を示すフローチャートが、図5に示されている。図示されているように、例示的な方法400は、工程502で、図3に関して前述したように、クライアント側計算装置120と医療機器130のあいだに物理的通信リンク140を確立して開始する。
【0085】
工程504では、クライアント側計算装置120がサーバ側計算装置110と通信を確立する。例示的な実施の形態では、クライアント側計算装置120は、ユーザインタフェース210を介して、クライアントトランスポートエージェント212がサーバ側計算装置110との通信を確立することを要求するユーザに応えてサーバ側計算装置110との通信を確立する。とくに、例示的な実施の形態のユーザは、ユーザインタフェース210のウェブブラウザを介して、ウェブブラウザが特定のサーバ側計算装置110および特定のURI(普遍資源識別子)、URL(普遍資源位置指定子)、PURL(永続統一資源位置指定子)および/またはある特定のモデル、クラスおよび/または製造メーカの医療機器130にサービスを提供するURN(普遍資源名)によって特定される関連トランスポートエージェントに接続するように要求する。さまざまなモデル、さまざまな型式、さまざまなクラス、および/またはさまざまな製造メーカの医療機器130にさまざまなURLを活用することにより、URLは本来クライアントコンピュータシステム120に接続された医療機器130を特定する、または部分的に特定するための機構を提供する。たとえば、第1のURLは、グルコース計の第1モデルについて定義されてよく、第2のURLは類似した機能を有するグルコース計のクラスについて定義されてよく、第3のURLは特定の製造メーカのすべてのコレステロール系について定義されてよい。
【0086】
例示的な実施の形態においては、クライアント側計算装置120は、工程504で医療機器130のユーザに、クライアント側計算装置120に結合されるモデル、型式、クラス、および/または医療機器130の製造メーカを選択するために、クライアント側計算装置120に結合される医療機器のリストを提供する。例示的な実施の形態においては、医療機器130のリストは、選択時にクライアント側計算装置120に、医療機器130にとって適切なネットワーク場所(たとえばURL)を介してサーバ側計算装置110との通信を確立させるハイパリンクを備えるHTML文書により定義される。医療装置130のリストは、代わりに、または加えて、ユーザが医療装置130のモデル、型式、クラス、および/または製造メーカを選択してよい1つまたは複数のドロップダウンリストとして提示されてよい。さらに、医療機器130のリストは、ドロップダウンリスト、チェックボックス、ラジオボタン、テキスト入力形式、および/または他のデータ入力機構を介してユーザが医療機器130のモデル、型式、クラスおよび/または製造メーカを選択できるようにし、受信された情報から適切なネットワーク場所(たとえばURL)を突き止めるアプリケーションプログラムを介してユーザに提示されてよい。
【0087】
工程506では、サーバ側計算装置110は、特定された医療機器130とともに使用される適切なプロトコル構成要素204を、クライアント側計算装置120に転送させる。クライアント側計算装置120は、本来、特定のURI、URL、PURLおよび/またはURNを介して工程504で医療機器130のモデル、型式、クラス、および/または製造メーカを特定したことを理解する必要がある。したがって、サーバ側計算装置110は、URI、URL、PURL、および/またはURNを介してクライアント側計算装置120と通信を確立した結果、クライアント側計算装置120に、クライアント側計算装置120が医療機器130のモデル、型式、クラスおよび/または製造メーカについてプロトコル構成要素204をダウンロードする場所を与える。しかしながら、クライアント側計算装置120が、サーバ側計算装置204により特定される場所から情報をダウンロードする代わりに、サーバ側計算装置110が、プロトコル構成要素204をクライアント側計算装置120にアップロードするか、または別の計算装置にクライアント側計算装置120にプロトコル構成要素204をアップロードさせることができることが認識されなければならない。
【0088】
クライアント側計算装置120は、つぎに、工程508でクライアント側計算装置120と医療機器130のあいだでデータおよび/または制御情報を転送するために適切なプロトコル構成要素204を実行する。適切なプロトコル構成要素204を実行した結果、クライアント側計算装置120はクライアント側計算装置120および/またはサーバ側計算装置110の代わりに医療機器130と通信することに関して多様な動作を実行する。たとえば、サーバ側計算装置110は、クライアント側計算装置120に、医療機器130に内蔵クロックを調整させ、記憶されている測定データをクリアさせ、記憶されているデータを検索させ、測定データを取得するために使用される校正パラメータまたは他のパラメータを更新させ、測定データを得るために試験または他のタスクを実行させるプロトコル構成要素204を介して医療装置130にコマンドを発行させてよい。
【0089】
同様に、サーバ側計算装置110は、医療機器130からサーバ側計算装置110に、クライアント側計算装置120に測定データ、機器ステータスデータなどを転送させてよい。したがって、サーバ側計算装置110は、工程510で、図3の工程324に類似した方法でクライアント側計算装置120を介して測定装置130から受信されるデータを処理する。
【0090】
本発明は、図面および前記説明において詳細に図示、説明されてきたが、このような図および説明は例示的であり、特徴において制限的ではないと見なされるべきである。そして、例示的な実施の形態だけが示され、かつ説明されたのであり、本発明の精神に該当するすべての変更および変形は保護されることが望まれることが理解される。たとえば、例示的な動作の方法は、一連の順次の工程として説明されてきた。しかしながら、例示的な動作の方法の特定の工程が並列で、または疑似並列で発生する可能性があることが認識されなければならない。さらに、工程の順序は単に例示にすぎず、本発明の実施の形態は描かれている工程と異なった順序で工程を実行してよいことが認識されるべきである。さらに、本発明の実施の形態が図3〜5に示されている例示的な方法の1つまたは複数からの工程を結合してよく、本発明の実施の形態が図3〜5に示される例示的な方法の1つにおける工程のすべてを含むように要求されていないことが認識されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の多様な機能をその中に組み込んだシステムのブロック図である。
【図2】図1に示されるシステムの機能上の構成要素を示す機能ブロック図である。
【図3】図1のシステムの例示的な操作方法を示すフローチャートである。
【図4】図1のシステムの別の例示的な操作方法を示すフローチャートである。
【図5】図1のシステムのさらに別の例示的な操作方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2計算装置を介して医療機器にアクセスする方法であって、
該医療機器が該第1および第2計算装置に操作可能に結合され、
前記方法が、
前記第1計算装置が、前記第2計算装置から医療機器型式を示す識別情報を受信する工程と、
該識別情報に基づき前記第1計算装置から前記第2計算装置にプロトコル構成要素を転送する工程であって、当該プロトコル構成要素が前記医療機器と通信するために第2計算装置を構成する工程と、
該プロトコル構成要素を介して医療機器と通信する計算装置に応えて医療機器から測定データを受信する工程と
を含み、
前記第1計算装置が、複数の命令を備えたメモリと、ネットワークを介して前記第2計算装置と通信させるネットワークインタフェースとを備え、
前記プロトコルコンポーネントが、前記第2計算装置に前記医療機器と通信させ、かつ前記医療機器に内蔵クロックを調整させ、記憶されている測定データをクリアさせ、記憶されている測定データを検索させ、測定データを取得するために使用される校正パラメータまたは他のパラメータを更新させ、測定データを取得するために試験、または他のタスクを実行させることを特徴とする、計算装置に操作可能に結合される医療機器にアクセスする方法。
【請求項2】
複数の医療機器によりサポートされている複数の通信プロトコルにしたがい、複数の医療機器と通信するように第2計算装置を構成する複数のプロトコル構成要素を備える記憶装置と、
前記記憶装置およびネットワークに使用可能に結合されるトランスポートエージェントであって、前記第2計算装置に使用可能に結合される特定の医療機器と関連付けられる識別情報を当該第2計算装置から受信し、前記記憶装置の複数のプロトコル構成要素から、特定の医療機器との通信のために当該第2計算装置を構成し、前記複数のプロトコル構成要素から選択されるプロトコル構成要素をネットワークを介して当該第2計算装置に転送するためのプロトコル構成要素を選択するように適応されるトランスポートエージェントと、
を備え、
前記第1計算装置が、複数の命令を備えたメモリと、ネットワークを介して前記第2計算装置と通信させるネットワークインタフェースとを備え、
前記プロトコルコンポーネントが、前記第2計算装置に前記医療機器と通信させ、かつ前記医療機器に内蔵クロックを調整させ、記憶されている測定データをクリアさせ、記憶されている測定データを検索させ、測定データを取得するために使用される校正パラメータまたは他のパラメータを更新させ、測定データを取得するために試験、または他のタスクを実行させることを特徴とする、第2計算装置に操作可能に結合される医療機器にネットワークを介してアクセスする第1計算装置。
【請求項3】
第1計算装置と、
前記第1計算装置と通信している第2計算装置であって、医療機器から識別情報を取得し、前記第1計算装置に識別情報を転送し、医療機器と通信するために当該第2計算装置により使用されるプロトコル構成要素を特定するプロトコル構成要素情報を前記第1計算装置から受信し、当該第2計算装置がすでにプロトコル構成要素情報によって特定される該プロトコル構成要素を有しているかどうかを判断し、当該第2計算装置がプロトコル構成要素情報により特定されるプロトコル構成要素をすでに有していない場合に、前記第1計算装置からプロトコル構成要素情報により特定されるプロトコル構成要素を取得するようにされてなる第2計算装置と
を備え、
前記第1計算装置が、当該第2計算装置から識別情報を受信し、複数のプロトコル構成要素の内のプロトコル構成要素を特定し、当該第2計算装置にプロトコル構成要素情報を転送し、当該第2計算装置がプロトコル構成要素情報により特定されるプロトコル構成要素をすでに有していない場合に当該第2計算装置に該プロトコル構成要素を転送するようにされ、
前記第1計算装置が、複数の命令を備えたメモリと、ネットワークを介して前記第2計算装置と通信させるネットワークインタフェースとを備え、
前記プロトコルコンポーネントが、前記第2計算装置に前記医療機器と通信させ、かつ前記医療機器に内蔵クロックを調整させ、記憶されている測定データをクリアさせ、記憶されている測定データを検索させ、測定データを取得するために使用される校正パラメータまたは他のパラメータを更新させ、測定データを取得するために試験、または他のタスクを実行させることを特徴とする、医療機器にアクセスを提供するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−149146(P2008−149146A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323724(P2007−323724)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【分割の表示】特願2003−503092(P2003−503092)の分割
【原出願日】平成14年5月22日(2002.5.22)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】