説明

遠隔管理システム遠隔設定方法および画像形成装置

【課題】遠隔管理サーバに直接接続されていない画像形成装置に対する設定を遠隔管理サーバから行うことのできる遠隔管理システム、遠隔設定方法および画像形成装置を提供する。
【解決手段】遠隔管理サーバ40は、第2通信手段(公衆回線網2)を通じて直接的に接続されていない画像形成装置Bに対する設定情報を、画像形成装置Bと第1通信手段(社内LANなど)で通信可能な画像形成装置Aに対して第2通信手段で送信し(P1)、これを受信した画像形成装置Aは、その設定情報を第1通信手段を通じて画像形成装置Bへ送信し(P2)、設定情報を受信した画像形成装置Bは、その設定情報に従って自装置に対する設定動作を行う(P3)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔から画像形成装置に対する設定を行う遠隔管理システム、遠隔設定方法および遠隔設定に係る画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスなどに設置されるプリンタや複合機などの画像形成装置は、常に正常に使用できるように、管理会社の遠隔管理サーバから通信回線を介して遠隔管理することが一般化している。遠隔管理としては、消耗品や使用枚数の管理を行うほか、正常な画質での出力を維持するために、たとえば、使用環境に応じて各種のパラメータを設定変更することも行われる。
【0003】
なお、遠隔管理ではないが、プリンタとこのプリンタに印刷データを送信するパーソナルコンピュータとを無線接続するための通信設定を、赤外線リモコンから行い得るようにしたプリントシステムが考案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−123183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように遠隔管理は普及しているが、新たに設置した画像形成装置に対して遠隔管理を開始するための接続設定については、依然として、サービスマンが現地に出向いて作業を行っており、不便であった。
【0006】
また、通信の接続設定ができなければ、他の各種設定についても、当然に遠隔管理で行うことはできず、不便であった。
【0007】
なお、特許文献1に開示の赤外線リモコンによる設定では、結局、そのリモコンを持ったサービスマンが現地に出向いて作業を行わなければならず、遠隔管理における上述の不便は解消されない。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、遠隔管理サーバに直接接続されていない画像形成装置に対する設定を遠隔管理サーバから行うことのできる遠隔管理システム、遠隔設定方法および画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]複数の画像形成装置とこれらを遠隔管理する遠隔管理サーバとを含む遠隔管理システムであって、
前記遠隔管理サーバは、第1の画像形成装置に対する設定情報を、前記第1の画像形成装置と第1の通信手段で通信可能な第2の画像形成装置へ第2の通信手段で送信し、
前記遠隔管理サーバから前記設定情報を受信した前記第2の画像形成装置は、前記設定情報を前記第1の通信手段で前記第1の画像形成装置へ送信し、
前記第2の画像形成装置から前記設定情報を受信した前記第1の画像形成装置は、前記設定情報に従って設定動作を行う
ことを特徴とする遠隔管理システム。
【0011】
上記[1]および後述する[6]に係る発明では、第1の画像形成装置に対する設定情報は、遠隔管理サーバから第2の画像形成装置を経由して第1の画像形成装置に送信され設定される。これにより、第1の画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに直接的に遠隔管理サーバと通信可能に接続されていない場合であっても、遠隔管理サーバおよび第1の画像形成装置と通信可能な第2の画像形成装置を経由して、遠隔管理サーバから第1の画像形成装置に対して遠隔から設定することができる。
【0012】
[2]前記設定情報は、前記第1の画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに前記遠隔管理サーバと通信するための接続設定である
ことを特徴とする[1]に記載の遠隔管理システム。
【0013】
上記[2]および後述する[7]に係る発明では、第1の画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに遠隔管理サーバと通信するための接続設定を、第2の画像形成装置を経由する間接的な通信で第1の画像形成装置に対して行うので、たとえば、新たに設置した第1の画像形成装置を遠隔管理サーバに接続するためにサービスマン等が第1の画像形成装置の設置場所へ出向いて行う作業工数を低減することができる。
【0014】
[3]前記遠隔管理サーバは、画像形成装置毎に、その画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能か否か、およびその画像形成装置が他の画像形成装置を経由して間接的に通信可能か否か、および間接的に通信可能な場合は経由する画像形成装置を示す情報を登録部に登録して管理する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の遠隔管理システム。
【0015】
上記[3]および後述する[8]に係る発明では、遠隔管理サーバは登録部の登録内容を参照することで、利用可能な通信方法を適切に選択して各画像形成装置に対する設定を行うことができる。
【0016】
[4]前記遠隔管理サーバは、前記第1の画像形成装置が、直接的にも間接的にも当該遠隔管理サーバと通信できないと前記登録部に登録されている場合は、前記登録部の登録内容から当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能な画像形成装置を前記第2の画像形成装置に選択して前記設定情報を該第2の画像形成装置へ送信し、
前記第2の画像形成装置は、前記第1の画像形成装置へ前記設定情報を送信できたか否かの通信結果を前記遠隔管理サーバに返信する
ことを特徴とする[3]に記載の遠隔管理システム。
【0017】
上記[4]および後述する[9]に係る発明では、第1の画像形成装置がどの画像形成装置を経由して接続可能かが既知でない場合でも、第2の画像形成装置からの通信結果の報告により、第1の画像形成装置と通信可能な第2の画像形成装置を遠隔管理サーバ側で認識できる。すなわち、第1の画像形成装置との間接的な通信に適した経由地点となる第2の画像形成装置を探し出すことができる。そして、探し出した後は、その画像形成装置を経由先に選択して第1の画像形成装置と間接的な通信を行うことができる。
【0018】
[5]前記登録部には、各画像形成装置の設置場所を示す設置場所情報が登録されており、
前記遠隔管理サーバは、前記第1の画像形成装置が、直接的にも間接的にも当該遠隔管理サーバと通信できないと前記登録部に登録されている場合は、前記登録部の登録内容から前記第1の画像形成装置の近くに設置されかつ当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能な画像形成装置を前記第2の画像形成装置に選択する
ことを特徴とする[4]に記載の遠隔管理システム。
【0019】
上記[5]および後述する[10]に係る発明では、設置場所などの情報から、経由先の候補となる画像形成装置を絞り込むことができる。これにより、第1の画像形成装置と間接的に接続して通信する際に経由すべき画像形成装置を早期に特定することができる。
【0020】
[6]画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理サーバが、第1の画像形成装置に対する設定情報を、前記第1の画像形成装置と第1の通信手段で通信可能な第2の画像形成装置へ第2の通信手段で送信する送信ステップと、
前記遠隔管理サーバから前記設定情報を受信した前記第2の画像形成装置が、前記設定情報を前記第1の通信手段で前記第1の画像形成装置へ送信する仲介ステップと、
前記第2の画像形成装置から前記設定情報を受信した前記第1の画像形成装置が、前記設定情報に従って自装置に対する設定動作を行う設定ステップと
を含む
ことを特徴とする遠隔設定方法。
【0021】
[7]前記設定情報は、前記第1の画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに前記遠隔管理サーバと通信するための接続設定である
ことを特徴とする[1]に記載の遠隔設定方法。
【0022】
[8]前記遠隔管理サーバが、画像形成装置毎に、その画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能か否か、およびその画像形成装置が他の画像形成装置を経由して間接的に通信可能か否か、および間接的に通信可能な場合は経由する画像形成装置を示す情報を登録部に登録して管理する
ことを特徴とする[6]または[7]に記載の遠隔設定方法。
【0023】
[9]前記送信ステップにおいて、前記遠隔管理サーバは、前記第1の画像形成装置が、直接的にも間接的にも当該遠隔管理サーバと通信できないと前記登録部に登録されている場合は、前記登録部の登録内容から当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能な画像形成装置を前記第2の画像形成装置に選択して前記設定情報を該第2の画像形成装置へ送信し、
前記仲介ステップにおいて、前記第2の画像形成装置は、前記第1の画像形成装置へ前記設定情報を送信できたか否かの通信結果を前記遠隔管理サーバに返信する
ことを特徴とする[8]に記載の遠隔設定方法。
【0024】
[10]前記登録部には、各画像形成装置の設置場所を示す設置場所情報が登録されており、
前記送信ステップにおいて、前記遠隔管理サーバは、前記第1の画像形成装置が、直接的にも間接的にも当該遠隔管理サーバと通信できないと前記登録部に登録されている場合は、前記登録部の登録内容から前記第1の画像形成装置の近くに設置されかつ当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能な画像形成装置を前記第2の画像形成装置に選択する
ことを特徴とする[9]に記載の遠隔設定方法。
【0025】
[11]他の画像形成装置と第1の通信手段で通信するための第1通信部と、
遠隔管理サーバと第2の通信手段で通信するための第2通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、他の画像形成装置に対する設定情報を前記遠隔管理サーバから前記第2通信部を通じて受信した場合は、受信した前記設定情報を前記他の画像形成装置に向けて前記第1通信部を使用して送信する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0026】
上記発明では、遠隔管理サーバから他の画像形成装置に対する設定情報を遠隔管理サーバから受信したとき、その設定情報を該他の画像形成装置に対して送信する。これにより、他の画像形成装置が直接的に遠隔管理サーバと通信可能に接続されていない場合であっても、当該画像形成装置を経由して遠隔管理サーバから該他の画像形成装置に対して遠隔から設定することができる。
【0027】
[12]前記設定情報は、前記他の画像形成装置が別の画像形成装置を経由せずに前記遠隔管理サーバと通信するための接続設定である
ことを特徴とする[11]に記載の画像形成装置。
【0028】
上記発明では、他の画像形成装置を遠隔管理サーバに直接的に通信可能に接続するための接続設定を、当該画像形成装置を経由する間接的な通信によって行うことができる。
【0029】
[13]前記制御部は、前記第1通信部で前記他の画像形成装置へ前記設定情報を送信できたか否かの通信結果を前記遠隔管理サーバに前記第2通信部で送信する
ことを特徴とする[11]または[12]に記載の画像形成装置。
【0030】
上記発明では、遠隔管理サーバは、当該画像形成装置が経由して目的とする他の画像形成装置へ設定可能か否かを確認することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る遠隔管理システム、遠隔設定方法および画像形成装置によれば、既に遠隔管理サーバに接続されている画像形成装置を経由して他の画像形成装置に対する設定を行うので、遠隔管理サーバに直接的に接続されていない画像形成装置に対して遠隔管理サーバから各種の設定を行うことができる。特に、遠隔管理サーバと他の画像形成装置を経由せずに直接的に通信するための接続設定を行うものでは、新たに画像形成装置を設置した際の接続設定に係る現場での作業を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係る遠隔管理システムの構成例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る遠隔管理システムにおいて新たに画像形成装置を設置した際の接続設定に係る動作手順を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る遠隔管理システムに含まれる画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る遠隔管理システムに含まれる遠隔管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図5】遠隔管理サーバが保持する管理テーブル(画像形成装置Bの登録初期状態)を示す説明図である。
【図6】画像形成装置Bに設定情報を間接的に設定する際の遠隔管理サーバの動作を示す流れ図である。
【図7】遠隔管理サーバが保持する管理テーブル(画像形成装置Bが間接的に接続された状態)を示す説明図である。
【図8】遠隔管理サーバから間接設定要求を受けた画像形成装置の動作を示す流れ図である。
【図9】遠隔管理サーバから間接設定要求を受けた画像形成装置が行う第1送信処理を示す流れ図である。
【図10】パケット構成を示す説明図である。
【図11】遠隔管理サーバから間接設定要求を受けた画像形成装置が行う第2送信処理を示す流れ図である。
【図12】他の画像形成装置から自装置に対する設定情報を受信した画像形成装置の動作を示す流れ図である。
【図13】画像形成装置と直接的に接続されたことを確認する遠隔管理サーバの動作を示す流れ図である。
【図14】遠隔管理サーバが保持する管理テーブル(画像形成装置Bがさらに直接的に接続された状態)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態に係る遠隔管理システム10の構成例を示している。遠隔管理システム10は、各所に設置された複数の画像形成装置20と、これら複数の画像形成装置20を遠隔管理する遠隔管理サーバ40で構成される。遠隔管理サーバ40は管理会社11に設置されており、画像形成装置20と遠隔管理サーバ40とは、インターネットや電話回線などの公衆回線網2で接続される。
【0035】
画像形成装置20は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピージョブ、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部端末へ送信したりするスキャンジョブ、パーソナルコンピュータなどの端末装置から受信した印刷データに係る画像を記録紙に印刷して出力するPCプリントジョブなどのジョブを実行する機能を備えた、所謂、複合機である。
【0036】
遠隔管理サーバ40は公衆回線網2を通じて各画像形成装置20に対する各種の設定を遠隔から行う。また、画像形成装置20から各種の情報を収集して各画像形成装置20に対する保守や課金などの管理を行う。
【0037】
図1の例では、管理会社11にはLAN(Local Area Network)などの社内ネットワーク12が構築されている。社内ネットワーク12は公衆回線網2の1つであるインターネットとゲートウェイ13を介して接続されている。管理会社11の社内ネットワーク12には、遠隔管理サーバ40のほか、HTTPサーバ14やMailサーバ15などが接続されている。また、公衆回線網2の1つである公衆電話回線網と遠隔管理サーバ40とはモデムI/F部45を介して接続されている。
【0038】
管理会社11の遠隔管理サーバ40が管理対象とする画像形成装置20はA社、B社、C社など複数の会社に設置されている。また、各会社では、複数台の画像形成装置20が設置されているものとする。
【0039】
たとえば、A社の場合、LAN(Local Area Network)などの社内ネットワーク3が構築されている。社内ネットワーク3は公衆回線網2とゲートウェイ4を介して接続されている。この社内ネットワーク3には、ルータ、画像形成装置20、多数の情報処理端末(PC)、DNSサーバ、プロキシサーバなどが接続されている。
【0040】
また、本例では、A社には画像形成装置Aが既に設置されており、図中の破線の楕円で示す箇所に、画像形成装置Bを新規に増設する予定になっている。既に設置されている画像形成装置Aは公衆回線網2を通じて管理会社11の遠隔管理サーバ40と直接的に通信可能に接続されている。直接的に接続するための通信方式は、モデムを介した電話回線網による方式でもインターネットを介した方式でもよく、任意でよい。なお、以後、画像形成装置Aが遠隔管理サーバ40と通信する手段を、第2通信手段と呼ぶものとする。
【0041】
図2は、新たに画像形成装置BをA社に設置した際に、画像形成装置Bに対する設定を遠隔管理サーバ40から行う場合の処理手順を示している。画像形成装置Bは、遠隔管理サーバ40と直接的に通信可能に接続されていないが、社内の画像形成装置Aとは通信可能に接続されているものとする。
【0042】
画像形成装置Aと画像形成装置Bとの間の通信手段を第1通信手段と呼ぶものとする。第1通信手段は、A社の社内ネットワーク3を通じた通信でもよいし、たとえばBluetooth(登録商標、IEEE 802.15に準拠した通信)のような近距離無線通信でもよく、任意でよい。
【0043】
遠隔管理サーバ40は、画像形成装置Bに対する設定を行うとき、画像形成装置Bに対する設定情報を、既に遠隔管理サーバ40と通信可能な画像形成装置Aに第2通信手段を使用して送信する(P1)。画像形成装置Bに対する設定情報を遠隔管理サーバ40から受信した画像形成装置Aは、受信した設定情報を第1通信手段を使用して画像形成装置Bに送信する(P2)。画像形成装置Aから自装置に対する設定情報を受信した画像形成装置Bは、受信した設定情報に従って設定動作を行う(P3)。設定動作では、たとえば、画像形成装置Bは自装置に対する設定、あるいは必要であればモデムや各種サーバなど外部装置に対する設定を行う。
【0044】
このように遠隔管理システム10では、既に遠隔管理サーバ40と接続されている画像形成装置Aを経由して画像形成装置Bに対する設定を遠隔から行う。これにより、画像形成装置Bが遠隔管理サーバ40と直接的に通信可能に接続されていない状態であっても、遠隔管理サーバ40と通信可能な他の画像形成装置Aと通信可能であれば、その画像形成装置Aを経由して遠隔管理サーバ40から画像形成装置Bに対して各種の設定を行うことができる。
【0045】
以後、遠隔管理システム10の構成および動作について詳細に説明する。
【0046】
図3は、画像形成装置20の概略構成を示している。画像形成装置20は、当該画像形成装置20の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)21と、このCPU21に接続されたROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、スキャナ部24と、プリンタ部25と、表示部26と、操作部27と、画像処理部28と、不揮発メモリ29と、ハードディスク装置31と、ネットワークI/F部32と、モデムI/F部33と、近距離通信部34とを備えている。
【0047】
CPU21ではOSプログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。ROM22には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU21が処理を実行することでジョブの実行や遠隔管理に関連する各種の動作が行われる。RAM23はCPU21がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
【0048】
スキャナ部24は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部24は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサ、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0049】
プリンタ部25は、画像データに応じた画像を記録紙上に形成して出力する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザユニットと、現像装置と、転写装置と、分離装置と、クリーニング装置と、定着部とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。プリンタ部25は、インクジェット方式など他の方式でもかまわない。
【0050】
画像形成装置20の操作パネルは表示部26と操作部27を備えて構成される。表示部26は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。操作部27は、ユーザからジョブの投入や設定など各種の操作を受け付ける。操作部27は、表示部26の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほかテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
【0051】
画像処理部28は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理などを行う。
【0052】
不揮発メモリ29は、電源がオフされても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、使用枚数などを計数するためのカウンタや各種設定情報などの保存に使用される。ハードディスク装置31は、大容量不揮発の記憶装置であり、たとえば、ジョブのデータや画像データ、ジョブの実行履歴などの保存に使用される。
【0053】
ネットワークI/F部32は、LANなどのネットワークを通じて外部と各種の情報を送受信する機能を果たす。たとえば、社内のネットワークを通じて他の画像形成装置20と通信したり、ゲートウェイおよび公衆回線網2を介して外部装置や遠隔管理サーバ40と通信したりする際に使用される。モデムI/F部33は、公衆回線網2の1つである公衆電話回線網を通じて遠隔管理サーバ40や外部のファクシミリ装置などとデータを送受信する機能を果たす。近距離通信部34は、赤外線や電波などにより他の機器と近距離無線通信する機能を果たす。ここでは、Bluetooth(登録商標)とする。なお、モデムI/F部33や近距離通信部34はオプション品であり、これらを具備している画像形成装置20と具備していない画像形成装置20があるものとする。
【0054】
次に、遠隔管理サーバ40の構成を説明する。
【0055】
図4は、遠隔管理サーバ40の概略構成を示している。遠隔管理サーバ40は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、ネットワークI/F部44と、モデムI/F部45と、入出力I/F部46と、不揮発メモリ47と、ハードディスク装置48とを備えている。さらに入出力I/F部46を介して、キーボードやマウスなどの入力デバイス51と、液晶ディスプレイなどの表示装置52が接続されている。
【0056】
ROM42には起動用のプログラムや固定データが記憶される。RAM43には、ハードディスク装置48からロードしたプログラムが記憶される。またRAM43は、CPU41がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリなどとして使用される。
【0057】
ネットワークI/F部44は、LANなどのネットワークを通じて外部と各種の情報を送受信する機能を果たす。たとえば、社内のネットワーク12からゲートウェイ13、公衆回線網2を介して各画像形成装置20と通信する機能を果たす。モデムI/F部45は公衆回線網2の1つである公衆電話回線網を通じて各画像形成装置20とデータを送受信する機能を果たす。
【0058】
不揮発メモリ47は、電源をオフにしても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、各種の設定情報が記憶される。ハードディスク装置48には、後述する管理テーブル60のほか、各画像形成装置20から通知された情報を登録するデータベースなどが記憶される。
【0059】
図5は、遠隔管理サーバ40に記憶されている管理テーブル60の一例を示している。管理テーブル60には、管理対象の画像形成装置20毎に、その画像形成装置20が設定情報などの送信対象であるか否かを示す情報と、その画像形成装置20に与えられた装置IDと、装置名と、その画像形成装置を通信上一意に特定可能な識別子と、当該遠隔管理サーバ40との接続状態と、設置場所と、設置されている会社と、プリント枚数とが登録されている。
【0060】
管理テーブル60に登録される識別子は、その画像形成装置を通信上一意に特定可能な情報であり、通信機器のハードウェアに一意に割り当てられた物理アドレスなどが使用される。たとえば、Ethernet(登録商標)で接続する場合は、そのLANカードに一意に割り当てられたMAC(Media Access Control address)アドレスが使用される。また、Bluetooth(登録商標)に対応した通信機器ではBluetooth−Address(BD−ADDR)が使用される。識別子は、画像形成装置20同士で通信する場合のアドレス情報である。
【0061】
管理テーブル60の接続状態の欄には「直接」の欄と「間接」の欄がある。「直接」の欄は、装置IDの示す画像形成装置20が遠隔管理サーバ40と他の画像形成装置20を介さずに直接的に通信可能か否かを示す。図中、○は通信可能を、×は通信不可(通信可能であることが確認されていない状態)を示す。「間接」の欄は、装置IDの示す画像形成装置が遠隔管理サーバ40と他の画像形成装置20を介して間接的に通信可能か否かを示す。図中、○は通信可能を示す。また括弧内は経由(通信を中継)する画像形成装置の装置IDを示している。×は通信不可(通信可能であることが確認されていない状態)を示す。
【0062】
図5に示す管理テーブル60は、図1のA社に新規に設置した画像形成装置B(装置名=B)に関して初期登録した状態であり、接続状態は、「直接」、「間接」の欄が共に×となっており、直接的にも間接的にも遠隔管理サーバ40と通信できないことを示している。
【0063】
次に、直接的にも間接的にも通信不可となっている画像形成装置に対する設定情報を他の画像形成装置を経由して間接的に設定する際の処理の流れについて説明する。ここでは、図2のA社に新たに設置した画像形成装置Bに対する設定情報を他の画像形成装置を経由して間接的に送信する場合を例に説明する。
【0064】
図6は、A社に新たに設置した画像形成装置Bに対する設定情報を他の画像形成装置を経由して間接的に送信する場合における遠隔管理サーバ40の動作を示している。画像形成装置Bに対する設定情報は、画像形成装置Bが遠隔管理サーバ40と直接的に通信可能になるための接続設定でもよいし、他の設定情報、たとえば、各種機能の設定や画質に関するパラメータ、各種カウンタの初期値などの設定でもよく、任意でよい。
【0065】
まず、遠隔管理サーバ40は、新規に設置した画像形成装置Bに関する各種の情報の登録操作を受け付け、その内容を管理テーブル60に登録する(ステップS101)。該登録操作は画像形成装置Bの設置を担当するサービスマンなどが行う。ここでは、図5の管理テーブル60に示すように、画像形成装置Bの装置ID,識別子、設置場所、設置会社などの情報が登録される。接続状態は直接、間接ともに×(通信不可)が初期値として登録される。
【0066】
次に、遠隔管理サーバ40のCPU41は、管理テーブル60を参照し、設定情報の設定先である画像形成装置Bの近くに設置されていると推定される画像形成装置を抽出する。ここでは、画像形成装置Bと設置場所、会社名などが一致する、画像形成装置A(N=1、2、3・・・NMAX)を抽出する(ステップS102)。そして、抽出した画像形成装置Aの中の1台を順に選択し、その選択した画像形成装置Aを経由させて画像形成装置Bに設定する動作を行う。この動作は、画像形成装置Bへの設定に成功するまで、もしくは抽出した全ての画像形成装置Aに対して試行するまで行う。
【0067】
詳細には、変数NMAXに、抽出した画像形成装置の総数を設定し、変数Nに初期値0を設定する(ステップS103)。続いて、CPU41は変数Nを+1し(ステップS104)、NMAX+1>Nであれば(ステップS105;Yes)、設定エラーとして処理を終了する(エンド)。NMAX+1>Nでなければ(ステップS105;No)、画像形成装置Aに画像形成装置Bに対する設定情報を送信する(ステップS106)
ここでは、画像形成装置Bに対する設定情報の内容と、画像形成装置Bの識別子とを含む中継設定要求を画像形成装置Aに送信する。
【0068】
遠隔管理サーバ40のCPU41は、中継設定要求を送信してから一定時間が経過しても画像形成装置Aから設定成功の通知を受信しない場合(一定時間の経過前に設定失敗や発見せずの通知を受けた場合を含む)は(ステップS107;No、かつステップS108;Yes)、ステップS104に戻り、Nを+1して、次の画像形成装置Aに対して中継設定要求を行う。
【0069】
中継設定要求を送信してから一定時間が経過する前に画像形成装置Aから設定成功の通知を受信した場合は(ステップS107;Yes)、画像形成装置Aを経由して画像形成装置Bに対して間接的に接続できたことを管理テーブル60に登録して(ステップS109)処理を終了する。具体的には、画像形成装置Bについて管理テーブル60の接続状態の欄の「間接」に○を登録すると共に、経由(中継)した画像形成装置Aの装置IDを括弧書きで登録する。
【0070】
図7は、図5の管理テーブル60に対して、画像形成装置Bについて間接的に通信可能なことが確認された後の管理テーブル60Bを例示している。この例では、画像形成装置Bは、装置IDが(11100001)である画像形成装置Aを経由して間接的に通信可能であることが登録されている。
【0071】
図8は、画像形成装置Bに対する中継設定要求を遠隔管理サーバ40から受信した画像形成装置Aが行う動作の流れを示している。画像形成装置Aは遠隔管理サーバ40から画像形成装置Bに対する設定情報の中継設定要求が送られてくるのを待機し(ステップS201;No)、中継設定要求を受信すると(ステップS201;Yes)、この中継設定要求に含まれる識別子に対応する通信方法で画像形成装置Bへの設定情報の送信を試みる。
【0072】
受信した中継設定要求に含まれる識別子が1つの通信方式に係るもののみの場合は、その通信方式で画像形成装置Bへの設定情報の送信を試みる。受信した中継設定要求に複数の通信方式に係る識別子が含まれている場合は、予め定めた優先順序に従って各通信方式での送信を試みる。ここでは、MACアドレスと、BD−ADDRの2つの識別子が中継設定要求に含まれている場合の動作例を示す。
【0073】
まず、画像形成装置Aは、中継設定要求に含まれているMACアドレスを送信先に設定してEthernetで設定情報を送信する第1送信処理を行う(ステップS202)。第1送信処理にて画像形成装置Bへ設定情報を送信できた場合(設定成功の場合)は(ステップS203;Yes)、設定結果を遠隔管理サーバ40に送信して(ステップS205)、ステップS201へ戻る。
【0074】
MACアドレスを使用した第1送信処理で画像形成装置Bに設定情報を送信できなかった場合(発見できない又は設定失敗の場合)は(ステップS203;No)、中継設定要求に含まれているBD−ADDRを送信先アドレスとしてBluetooth通信で設定情報を送信する第2送信処理を行い(ステップS204)、その結果を遠隔管理サーバ40に送信して(ステップS205)、ステップS201へ戻る。
【0075】
図9は、画像形成装置Aが行う第1送信処理の詳細を示している。第1送信処理では、画像形成装置Aは受信した中継設定要求に含まれているMACアドレスをヘッダに設定したパケットを社内ネットワーク12にブロードキャストで送信する(ステップS221)。ブロードキャストしてから一定時間が経過しても画像形成装置Bから応答を受信しない場合は(ステップS222;No、かつステップS223;Yes)、「画像形成装置Bを発見できなかった」として、処理を終了する(戻る)。
【0076】
ブロードキャストしてから一定時間が経過する前に画像形成装置Bから応答を受信した場合は(ステップS222;Yes)、画像形成装置Bに対する設定情報を、画像形成装置Bに対して社内ネットワーク12を通じて送信する(ステップS224)。送信後一定時間が経過しても画像形成装置Bから設定完了の応答を受信しない場合(一定時間の経過前に設定失敗の応答を受けた場合を含む)は(ステップS225;No、かつステップS226;Yes)、「設定失敗」として処理を終了する(戻る)。
【0077】
設定情報を送信してから一定時間が経過する前に画像形成装置Bから設定完了の応答を受信した場合は(ステップS225;Yes)、「設定成功」として処理を終了する(戻る)。
【0078】
図10は、Ethernetのパケット構成を示している。ブロードキャストするときは「Destination MAC Address」部に画像形成装置BのMACアドレスをセットし、「Data」部は空にしたパケットを送信する。また、設定情報を送信するときは「Destination MAC Address」部に画像形成装置BのMACアドレスをセットし、「Data」部に設定情報を設定したパケットを送信する。
【0079】
図11は、画像形成装置Aが行う第2送信処理の詳細を示している。第2送信処理では、まず、自装置(画像形成装置A)が近距離通信部34(ここでは、Bluetooth用の通信モジュール)を備えているか否かを判断し(ステップS241)、備えていない場合は(ステップS241;No)、「設定失敗」として処理を終了する(戻る)。
【0080】
近距離通信部34を有する場合は(ステップS241;Yes)、遠隔管理サーバ40から受信した中継設定要求に含まれているBD−ADDRを使用して画像形成装置Bを検索する(ステップS242)。たとえば、中継設定要求に含まれているBD−ADDRを送信先アドレスとして応答要求を送信する。
【0081】
画像形成装置Bを発見できない場合、すなわち、応答要求を送信してから一定時間が経過しても画像形成装置Bから応答を受信しない場合は(ステップS243;No、かつステップS224;Yes)、「画像形成装置Bを発見できなかった」として、処理を終了する(戻る)。
【0082】
画像形成装置Bを発見した場合、すなわち、画像形成装置Bから応答を受信した場合は(ステップS243;Yes)、画像形成装置Bに対する設定情報を画像形成装置Bに対して近距離通信部34を使用して送信する(ステップS245)。送信後一定時間が経過しても画像形成装置Bから設定完了の応答を受信しない場合(一定時間の経過前に設定失敗の応答を受けた場合を含む)は(ステップS246;No、かつステップS247;Yes)、「設定失敗」として処理を終了する(戻る)。
【0083】
設定情報を送信してから一定時間が経過する前に画像形成装置Bから設定完了の応答を受信した場合は(ステップS246;Yes)、「設定成功」として処理を終了する(戻る)。
【0084】
図12は、設定情報の設定先である画像形成装置Bの動作を示している。画像形成装置Bは、他の画像形成装置から自装置に対する設定情報を受信した場合は(ステップS301;Yes)、その受信した設定情報の内容に従って設定動作を実行する(ステップS302)。該設定動作では、自装置に対する設定および必要な場合は外部機器への設定も行う。
【0085】
次に、受信した設定情報の送信元の画像形成装置Aに設定結果を返信する(ステップS303)。また、受信した設定情報が遠隔管理サーバ40との直接的な接続設定か否かを調べ(ステップS304)、接続設定でなければ(ステップS304;No)、ステップS301に戻る。接続設定の場合は(ステップS304;Yes)、遠隔管理サーバ40と直接的に接続する第2通信手段を使用して遠隔管理サーバ40と接続する処理を行って(ステップS305)ステップS310へ戻る。
【0086】
図13は、画像形成装置Bから直接的に接続を受けた場合の遠隔管理サーバ40の動作を示している。遠隔管理サーバ40は画像形成装置Bから直接的な接続(第2通信手段による接続)に成功したことを確認(検出)すると(ステップS141;Yes)、画像形成装置Bと直接的に通信可能になった旨を管理テーブル60に登録する(ステップS142)。
【0087】
図14は、画像形成装置Bとの直接的な接続が可能になった後の管理テーブル60Cの登録状態を示している。画像形成装置Bについて接続状態の「直接」の欄に○が登録される。
【0088】
このように、遠隔管理システム10では、遠隔管理サーバ40と直接的に通信可能に接続されていない画像形成装置Bに対する設定を、遠隔管理サーバ40と第2通信手段で直接的に通信可能であって画像形成装置Bと第1通信手段で通信可能な他の画像形成装置Aを経由して間接的に行うようにしたので、遠隔管理サーバ40と画像形成装置Bとが直接的(他の画像形成装置を経由せず)に通信可能に接続されない状態下においても画像形成装置Bに対する設定を遠隔管理サーバ40から行うことができる。
【0089】
特に、遠隔管理サーバ40と直接的に接続するための設定(接続設定)を画像形成装置Aを経由する間接的な通信で行えば、遠隔管理サーバ40に画像形成装置Bを直接的に接続するための接続設定を、遠隔の遠隔管理サーバ40から行うことができる。これにより、画像形成装置Bの設置場所へサービスマン等が出向いて行う作業工数が低減され、新たに画像形成装置20を設置した際の設定に係る作業負担を軽減することができる。
【0090】
また、画像形成装置Aの接続設定情報を、流用可能な範囲で複製して利用することにより、接続設定する際に遠隔管理サーバ40から画像形成装置Bへ送信する設定情報の内容の指定作業を軽減することも可能になる。たとえば、ゲートウェイ4を通じてインターネット経由で遠隔管理サーバ40と通信するための接続設定を行う際に、画像形成装置Aに既に設定されている設定内容を複製して画像形成装置Bに適用可能な範囲で流用することで、作業負担が軽減される。
【0091】
また、遠隔管理サーバ40は管理テーブル60に各画像形成装置20と直接的に通信可能か否かおよび間接的に通信可能か否かを登録して管理するので、利用可能な通信方法を適切に選択して各画像形成装置20に対する設定を行うことができる。また、「間接」の欄に、経由する遠隔管理システム10を特定する情報(本例では装置ID)を登録してあるので、間接的な通信を行う場合に、経由すべき画像形成装置20を正しく特定し、その画像形成装置20に対して中継設定要求を送信することができる。
【0092】
また、間接、直接の双方で通信不可となっている画像形成装置Bに対して間接的な通信を行う場合の経由先となる画像形成装置Aを管理テーブル60に登録されているものの中から、遠隔管理サーバ40と直接的に通信可能であること、および設定場所や会社が画像形成装置Bと一致することなどに基づいて絞り込むので、画像形成装置Bと間接的に通信可能な画像形成装置20を効率的に見つけ出すことができる。
【0093】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0094】
実施の形態では、画像形成装置20として複合機を例に説明したが、複写機やプリンタなど他の装置であってもかまわない。
【0095】
直接的にも間接的にも遠隔管理サーバ40と接続されていない画像形成装置20に対する設定を、間接的に接続されている画像形成装置20を経由して行うようにしてもよい。
【0096】
遠隔管理サーバ40と画像形成装置20とを直接的に接続する通信手段は、インターネットや公衆電話回線に限定されるものではなく、遠隔管理サーバ40と画像形成装置20とを接続可能な通信手段であれば何でもよい。また、画像形成装置20同士を接続する第1通信手段も実施の形態で例示したLANや近距離無線通信に限定されるものではない。
【0097】
設定情報の最終的な設定先となる画像形成装置20をMACアドレスやBD−ADDRで特定するようにしたが、特定するための情報(識別子)はこれらに限定されるものではない。たとえば、遠隔管理システム10として対象の画像形成装置20を一意に特定可能な情報であれば任意でよい。たとえば、出荷時に各画像形成装置20にその画像形成装置を一意に特定可能な識別情報(装置ID)を付与するような場合には、その識別情報を識別子としてもよい。
【符号の説明】
【0098】
2…公衆回線網
3…社内ネットワーク
4…ゲートウェイ
10…遠隔管理システム
11…管理会社
12…社内ネットワーク
13…ゲートウェイ
14…HTTPサーバ
15…Mailサーバ
16…モデム
20、20(A)20(B)…画像形成装置
21…CPU
22…ROM
23…RAM
24…スキャナ部
25…プリンタ部
26…表示部
27…操作部
28…画像処理部
29…不揮発メモリ
31…ハードディスク装置
32…ネットワークI/F部
33…モデムI/F部
34…近距離通信部
40…遠隔管理サーバ
41…CPU
42…ROM
43…RAM
44…ネットワークI/F部
45…モデムI/F部
46…入出力I/F部
47…不揮発メモリ
48…ハードディスク装置
51…入力デバイス
52…表示装置
60、60B、60C…管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置とこれらを遠隔管理する遠隔管理サーバとを含む遠隔管理システムであって、
前記遠隔管理サーバは、第1の画像形成装置に対する設定情報を、前記第1の画像形成装置と第1の通信手段で通信可能な第2の画像形成装置へ第2の通信手段で送信し、
前記遠隔管理サーバから前記設定情報を受信した前記第2の画像形成装置は、前記設定情報を前記第1の通信手段で前記第1の画像形成装置へ送信し、
前記第2の画像形成装置から前記設定情報を受信した前記第1の画像形成装置は、前記設定情報に従って設定動作を行う
ことを特徴とする遠隔管理システム。
【請求項2】
前記設定情報は、前記第1の画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに前記遠隔管理サーバと通信するための接続設定である
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔管理システム。
【請求項3】
前記遠隔管理サーバは、画像形成装置毎に、その画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能か否か、およびその画像形成装置が他の画像形成装置を経由して間接的に通信可能か否か、および間接的に通信可能な場合は経由する画像形成装置を示す情報を登録部に登録して管理する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遠隔管理システム。
【請求項4】
前記遠隔管理サーバは、前記第1の画像形成装置が、直接的にも間接的にも当該遠隔管理サーバと通信できないと前記登録部に登録されている場合は、前記登録部の登録内容から当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能な画像形成装置を前記第2の画像形成装置に選択して前記設定情報を該第2の画像形成装置へ送信し、
前記第2の画像形成装置は、前記第1の画像形成装置へ前記設定情報を送信できたか否かの通信結果を前記遠隔管理サーバに返信する
ことを特徴とする請求項3に記載の遠隔管理システム。
【請求項5】
前記登録部には、各画像形成装置の設置場所を示す設置場所情報が登録されており、
前記遠隔管理サーバは、前記第1の画像形成装置が、直接的にも間接的にも当該遠隔管理サーバと通信できないと前記登録部に登録されている場合は、前記登録部の登録内容から前記第1の画像形成装置の近くに設置されかつ当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能な画像形成装置を前記第2の画像形成装置に選択する
ことを特徴とする請求項4に記載の遠隔管理システム。
【請求項6】
画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理サーバが、第1の画像形成装置に対する設定情報を、前記第1の画像形成装置と第1の通信手段で通信可能な第2の画像形成装置へ第2の通信手段で送信する送信ステップと、
前記遠隔管理サーバから前記設定情報を受信した前記第2の画像形成装置が、前記設定情報を前記第1の通信手段で前記第1の画像形成装置へ送信する仲介ステップと、
前記第2の画像形成装置から前記設定情報を受信した前記第1の画像形成装置が、前記設定情報に従って自装置に対する設定動作を行う設定ステップと
を含む
ことを特徴とする遠隔設定方法。
【請求項7】
前記設定情報は、前記第1の画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに前記遠隔管理サーバと通信するための接続設定である
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔設定方法。
【請求項8】
前記遠隔管理サーバが、画像形成装置毎に、その画像形成装置が他の画像形成装置を経由せずに当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能か否か、およびその画像形成装置が他の画像形成装置を経由して間接的に通信可能か否か、および間接的に通信可能な場合は経由する画像形成装置を示す情報を登録部に登録して管理する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の遠隔設定方法。
【請求項9】
前記送信ステップにおいて、前記遠隔管理サーバは、前記第1の画像形成装置が、直接的にも間接的にも当該遠隔管理サーバと通信できないと前記登録部に登録されている場合は、前記登録部の登録内容から当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能な画像形成装置を前記第2の画像形成装置に選択して前記設定情報を該第2の画像形成装置へ送信し、
前記仲介ステップにおいて、前記第2の画像形成装置は、前記第1の画像形成装置へ前記設定情報を送信できたか否かの通信結果を前記遠隔管理サーバに返信する
ことを特徴とする請求項8に記載の遠隔設定方法。
【請求項10】
前記登録部には、各画像形成装置の設置場所を示す設置場所情報が登録されており、
前記送信ステップにおいて、前記遠隔管理サーバは、前記第1の画像形成装置が、直接的にも間接的にも当該遠隔管理サーバと通信できないと前記登録部に登録されている場合は、前記登録部の登録内容から前記第1の画像形成装置の近くに設置されかつ当該遠隔管理サーバと直接的に通信可能な画像形成装置を前記第2の画像形成装置に選択する
ことを特徴とする請求項9に記載の遠隔設定方法。
【請求項11】
他の画像形成装置と第1の通信手段で通信するための第1通信部と、
遠隔管理サーバと第2の通信手段で通信するための第2通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、他の画像形成装置に対する設定情報を前記遠隔管理サーバから前記第2通信部を通じて受信した場合は、受信した前記設定情報を前記他の画像形成装置に向けて前記第1通信部を使用して送信する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記設定情報は、前記他の画像形成装置が別の画像形成装置を経由せずに前記遠隔管理サーバと通信するための接続設定である
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記第1通信部で前記他の画像形成装置へ前記設定情報を送信できたか否かの通信結果を前記遠隔管理サーバに前記第2通信部で送信する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−160961(P2012−160961A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20034(P2011−20034)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】