遠隔読影システム及び遠隔読影管理装置
【課題】初期費用が少なくて済み、取り扱いがしやすい遠隔読影システム及び遠隔読影管理装置を提供する。
【解決手段】遠隔読影を依頼する病院2と、読影を依頼される読影拠点3において、共通の構成である管理装置5が配設されている。管理装置5は、病院2においては、生成された医療用画像データの管理、圧縮・暗号化、医療用画像データに対する患者情報・画像情報などの付与(添付)、DICOM規格への変換、読影拠点3への読影依頼処理、読影拠点3からの読影結果レポートの取得処理等を行うことができる。また、管理装置5は、読影拠点3においては、読影依頼の取得処理、読影結果レポートの管理、読影結果レポートの送信処理等を行うことができる。
【解決手段】遠隔読影を依頼する病院2と、読影を依頼される読影拠点3において、共通の構成である管理装置5が配設されている。管理装置5は、病院2においては、生成された医療用画像データの管理、圧縮・暗号化、医療用画像データに対する患者情報・画像情報などの付与(添付)、DICOM規格への変換、読影拠点3への読影依頼処理、読影拠点3からの読影結果レポートの取得処理等を行うことができる。また、管理装置5は、読影拠点3においては、読影依頼の取得処理、読影結果レポートの管理、読影結果レポートの送信処理等を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用画像の遠隔読影をサポートする遠隔読影システム及び遠隔読影管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CR(computed radiography:コンピュータ放射線撮影)、MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴撮影)、CT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)等、医療用デジタル画像生成技術が普及している。これらの医療用デジタル画像生成技術によって生成された医療用デジタル画像は、例えば読影医による読影や、患者の担当医による診断時に利用される。
【0003】
読影とは、医療用デジタル画像を基に行う画像診断である。
読影医は、読影の結果や所見等を記入した読影レポートを生成する。
また、被検体を診察した担当医は、診断結果を記入した診断レポートを生成する。
このようにして生成された読影レポートや診断レポートは被検体の治療のために有効に利用される。
【0004】
ところで、病院など医療施設によっては、医療施設において生成した医療用デジタル画像データの読影を当該医療施設内では行わず、外部の読影施設に読影を依頼することがある。
近年では、医療施設における医療用デジタル画像データの絶対数が爆発的に増大し、医療施設において、増大した全ての医療用デジタル画像データの読影を行うための人的・機械的資源が不足している。このような事態に対応するため、上述したような読影施設への読影依頼が行われる。
【0005】
ネットワーク等を介して、医療用デジタル画像データを外部の読影施設に依頼し、読影結果を受け取る遠隔読影システムは、例えば特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1には、カスタムサポート、読影サービスに対する課金、及び読影医の指定に関して、システムの運営面において一層の効率化及び省力化が図られた遠隔読影のためのシステムが開示されている。
【0006】
特許文献2には、読影依頼の操作の簡略化及び読影依頼ミスの削減防止を図ることができ、また、運用センターでの患者情報入力の作業を不要にすることができ、更にDICOM機種、非DICOM機種への適用が可能な読影依頼端末が開示されている。
【0007】
特許文献3には、検査施設あるいは検査施設の検査担当者と読影施設の読影担当者の識別情報に基づいて設定された医療情報アクセス権を用いて読影時における画像データや患者情報等のセキュリテイ管理を行なうことにより、受検者に関する個人情報の漏洩を防止することが可能な画像データ読影システム、アクセス権管理装置及び画像データ読影方法が開示されている。
【特許文献1】特開2002−109055号公報
【特許文献2】特開2004−024772号公報
【特許文献3】特開2006−198042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1〜3に開示されたような遠隔読影のシステムを構成するためには、医療用デジタル画像データを生成する医療施設側及び読影施設側にそれぞれ別個の機器を導入する必要があった。
医療施設においては、医療施設から外部への医療用デジタル画像データの送信処理や読影結果の受信処理等を行う機器が必要である。
また、読影施設においては、医療施設からの医療用デジタル画像データの受信処理、生成された読影結果の送信処理等を行う機器が必要である。
【0009】
従って、上述した特許文献1〜3では、医療施設側と読影施設側とにそれぞれ別個の機器を導入する必要があり、遠隔読影のシステムを構築するための多大な初期費用が必要となる、という不利益があった。また、必要な構成が複数となると、各施設において取り扱いがしにくい、という不利益があった。
【0010】
本発明は、上述した不利益を解消するために、初期費用が少なくて済み、取り扱いがしやすい遠隔読影システム及び遠隔読影管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、第1の発明の遠隔読影システムは、医療用デジタル画像データを生成する少なくとも1つの医療施設と、前記医療施設の読影依頼に応じて、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを読影して読影レポートを生成する少なくとも1つの読影施設と、前記医療施設から前記読影施設への前記読影依頼に関する情報の管理を行うデータセンタと、前記少なくとも1つの医療施設と、前記少なくとも1つの読影施設と、前記データセンタとを互いに接続するネットワークと、を有し、前記医療施設と前記読影施設は、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを前記読影施設に送信して読影を依頼し、当該読影施設にて当該医療用デジタル画像データを基に生成された前記読影レポートを前記医療施設に送信する遠隔読影処理を行うための遠隔読影管理装置をそれぞれ有し、前記遠隔読影管理装置は、前記医療施設における前記医療用デジタル画像データの送信処理と、前記読影施設における前記医療用デジタル画像データの受信処理と、前記読影施設における前記読影レポートの送信処理と、前記医療施設における前記読影レポートの受信処理と、を実行する。
【0012】
好適には、前記遠隔読影管理装置は、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データと、当該医療用デジタル画像データの被写体である患者の個人情報とを対応付けて記憶する。
【0013】
好適には、前記遠隔読影管理装置は、前記医療用デジタル画像データのそれぞれに固有の識別番号を付与し、前記患者の個人情報と対応付けられた前記医療用デジタル画像データから前記患者の個人情報との対応を解除する匿名化処理を行い、さらに前記匿名化処理を行った前記医療用デジタル画像データに匿名化識別番号を付与して固有の識別番号と前記匿名化識別番号とを対応させる。
【0014】
好適には、前記遠隔読影管理装置は、前記医療用デジタル画像データがDICOM規格に適合していない場合には、当該医療用デジタル画像データをDICOM規格に適合させる変換処理を行う。
【0015】
好適には、前記医療施設及び前記読影施設は、前記遠隔読影管理装置に接続されたそれぞれ別個の端末装置を有し、前記遠隔読影管理装置は、前記端末装置からの要求に応じて、記憶した前記医療用デジタル画像データを検索する検索処理及び閲覧する閲覧処理を実行する。
【0016】
好適には、前記医療施設において、前記遠隔読影管理装置は、前記読影施設へ依頼した遠隔読影の件数をカウントして記憶する。
【0017】
好適には、前記データセンタは、前記医療施設から前記読影施設への読影依頼を受信して当該読影施設に通知し、前記読影施設が生成した読影レポートの完成を前記医療施設に対して通知するサーバ装置を有する。
【0018】
好適には、医療用デジタル画像データを生成する少なくとも1つの医療施設と、前記医療用データ生成拠点の読影依頼に応じて、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを読影して読影レポートを生成する少なくとも1つの読影施設と、前記医療施設から前記読影施設への前記読影依頼に関する情報の管理を行うデータセンタと、前記少なくとも1つの医療施設と、前記少なくとも1つの読影施設と、前記データセンタとが互いに接続されたネットワークと、によって接続されている場合に、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを前記読影施設に送信して読影を依頼し、当該読影施設にて当該医療用デジタル画像データを基に生成された前記読影レポートを前記医療施設に送信する遠隔読影処理を行うために、前記医療施設と前記読影施設が有する遠隔読影管理装置であって、前記医療施設における前記医療用デジタル画像データの送信処理と、前記読影施設における前記医療用デジタル画像データの受信処理と、前記読影施設における前記読影レポートの送信処理と、前記医療施設における前記読影レポートの受信処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0019】
初期費用が少なくて済み、取り扱いがしやすい遠隔読影システム及び遠隔読影管理装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本実施形態の遠隔読影システム100について説明する。
図1は、本実施形態の遠隔読影システム100の構成の一例を示した図である。
図1に示すように、遠隔読影システム100では、データセンタ1、病院2(本発明の医療施設に対応)、読影拠点3(本発明の読影施設に対応)がネットワーク4を介して互いに接続されている。
図1に示すような遠隔読影システム100においては、病院2において生成された医療用画像が、ネットワーク4を介して読影拠点3へと転送され、読影拠点3において読影医により読影される。読影医は読影拠点において病院2から転送された医療用画像を基に読影を行い、読影結果を病院2へ送信する。データセンタ1は、病院2と読影拠点3との間で医療用画像の転送制御等を行う。
【0021】
以下、本実施形態の遠隔読影システム100の各構成の詳細について説明する。
図2は、病院2の構成の一例を示した図である。
図2に示すように、病院2は、モダリティ21、端末装置22、LAN23、管理装置5を有する。
【0022】
モダリティ21は、X線CT装置、超音波診断装置、MRI装置等、医療用画像を生成可能な各種医療機器である。
X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置は、検査対象に対して全方位から照射されたX線が、それぞれの方向でどの程度吸収されたか、を測定し、これを基に画像を再構成する装置であり、対象の断層画像を生成することができる。
超音波診断(Ultra Sonography)装置は、超音波を発生させて検査対象に投射し、反射した超音波(エコー)を受信するプローブ(探触子)でエコーを受信し、これを基に画像を再構成する装置であり、内部の様子を可視化することができる。
【0023】
MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴画像)装置は、検査対象に強い磁場を作用させ、体内にある水素原子核を磁気に共鳴させて微弱な電波を発生させ、その電波を受信して画像を生成する装置であり、CTと同様、断層画像を得ることができる。
本実施形態のモダリティ21は、特に、デジタル画像を生成可能な医療機器である。モダリティ21は、例えば病院内に設置されており、後述するLAN23を介して、端末装置22に対して画像を転送する。
モダリティ21は、図2に示す病院2内の構成において、少なくとも1つ配設される。
モダリティ21は、例えばDICOM規格(DICOM:Digital Imaging and COmmunications in Medicine)に適合した医療用デジタル画像データを生成する。
【0024】
端末装置22は、例えば医師により使用され、病院内の各種データの管理や閲覧を行うためのPC(Personal Computer)等の端末である。端末装置22は、図2に示す病院2内の構成において、少なくとも1つ配設される。
【0025】
LAN23は、例えば病院内に設けられたローカルネットワークである。
LAN23には、病院内に設置された少なくとも1つのモダリティ21、少なくとも1つの端末装置22、そして後述する管理装置5が接続される。
LAN23を介して、モダリティ21が生成したデータが端末装置22や管理装置5に転送されたり、端末装置22が複数ある場合には、端末装置22同士で各種データが転送されたりする。
【0026】
管理装置5は、病院2内の医療用画像データの管理や、病院2の外部に対する医療用画像データの送受信等を行う。
管理装置5の詳細については、詳しくは後述する。
病院2では、管理装置5を介して、医療用画像データを病院2外部の読影拠点3に送信し、読影を依頼することができる。
【0027】
次に、読影拠点3の構成の一例について説明する。
図3は、読影拠点3の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、読影拠点3は、端末装置31と、管理装置5とを有する。
この管理装置5は、上述した病院2の構成例における管理装置5と同一のものである。
端末装置31は、例えば読影医により使用され、医療用画像データの閲覧や、医療用画像データの読影を行った結果(読影結果)を記したレポート(以下読影結果レポート)の作成・編集等を行うためのPC(Personal Computer)等の端末である。
端末装置31は、図3に示す読影拠点3内の構成において、少なくとも1つ配設される。
読影拠点3では、病院2からの読影依頼に応じて、病院2から医療用画像データを受信し、読影を行いその結果を記した読影結果レポートを生成して、病院2へと送付することができる。
【0028】
次に、データセンタ1の構成例について説明する。
データセンタ1は、病院2と読影拠点3の間の医療用画像データの転送の管理を行う。
データセンタ1は、図1に示すように、サーバ装置11を有する。
サーバ装置11は、ネットワーク4を介して病院2と読影拠点3との間で行われる医療用画像データの転送を管理するためのサーバである。
【0029】
以下、遠隔読影システム100における各構成要素の動作例について説明する。
まず、病院2内において、モダリティ21により医療用画像データが生成される。
モダリティ21において生成される医療用画像データには、各画像データに対応する患者の個人情報データ(以下患者情報と称する)や画像生成に関する情報(画像に写る患部名、画像が生成された日時、生成したモダリティ21の種別・機種名、生成した医師の名前等:以下画像情報と称する)が適宜DICOM規格に則って添付される。
モダリティ21により生成された医療用画像データは、LAN23を介して病院2の管理装置5に転送され、画像データベースに記憶される。
【0030】
病院2の医師等、医療従事者が医療用画像データを使用した各種処理を実行したい場合、端末装置22を介して各種処理の要求がなされる。当該要求は、LAN23を介して病院2の管理装置5に転送され、病院2の管理装置5において要求された処理が実行される。
病院2における各種処理とは、例えば、医療用画像データの閲覧、添付データによる検索、病院2外部(例えば読影拠点3)への医療用画像データの転送、医療用画像データの外部への転送時における患者情報の匿名化、医療用画像データの外部への転送時におけるデータ暗号化や圧縮等の処理である。
【0031】
病院2においては、外部の読影拠点3に対して医療用画像データの読影を依頼することができる。
病院2において、読影拠点3への医療用画像データの読影を依頼する場合、まずデータセンタ1に対して読影依頼要求及び医療用画像データを送信する。
データセンタ1のサーバ装置11は、病院2からの読影依頼要求と医療用画像データとを対応付けて読影データベースに記憶する。そして、読影拠点3に対して読影依頼があったことを通知し、読影拠点3から依頼を受ける旨の返答を受信してから医療用画像データと読影依頼に関する情報(以下読影依頼情報と称する)を送信する。
読影依頼情報には、例えば、依頼元の病院2の名称、読影依頼を行った医師名、依頼日時等が含まれる。
【0032】
読影拠点3においては、まず、読影拠点3の管理装置5がネットワーク4を介して病院2から転送された医療用画像データを及び読影依頼情報を取得し、管理する。
次に、端末装置31から医療用画像データの閲覧や添付データによる検索等の処理の要求がなされると、管理装置5は要求された処理を実行する。
端末装置31において、読影拠点3の読影医等は、医療用画像データの検索や閲覧を行い、これを基に読影を行って、その結果を記した読影結果レポートを生成する。
【0033】
なお、上述したように医療用画像データが病院2から外部に転送される際には、医療用画像データに添付されている患者情報は匿名化されている。このため、読影拠点3においては、どの医療用画像データが誰のものであるのかは分からないようになっている。
しかし、各医療用画像データには固有のIDが予め付与されている。
端末装置31において生成された読影結果レポートは、対応する医療用画像データのIDと対応付けられており、どの読影結果レポートがどの医療用画像データを基に生成されたかが識別できるようになっている。
【0034】
そして、端末装置31において生成された読影結果レポートは、読影拠点3の管理装置5に転送されて記憶されると共に、データセンタ1へと転送される。
データセンタ1は、読影拠点3から受信した読影結果レポートを、病院2に対して送信する。
病院2の管理装置5は、読影結果レポートを受信すると、受信した読影結果レポートに対応する医療用画像データのIDを基に、当該読影結果レポートに対する患者情報を付与し、読影結果データベースとして管理する。
【0035】
このような構成により、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2において生成された医療用画像データを、病院2外部の読影拠点3へと送信し、病院2外部の読影医に読影を依頼することが可能となる。
【0036】
上述したように、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2及び読影拠点3は共通の構成を有する管理装置5をそれぞれ有し、管理装置5は様々な処理を実行する。
以下、管理装置5の詳細について説明する。
図4は、管理装置5の構成の一例を示した図である。
図4に示すように、管理装置5は、通信部51、記憶部52、サーバ機能部53、圧縮処理部54、制御部55を有する。
【0037】
通信部51は、ネットワーク4を介してデータセンタ1や他の拠点の他の管理装置5との通信を行う。他の拠点とは、例えば病院2から見た読影拠点3、或いは読影拠点3から見た病院2を意味する。
記憶部52は、医療用画像データ、医療用画像データに対応する患者情報や画像情報、医療用画像データを基に生成された読影結果レポート、病院2から外部の読影拠点3に読影を依頼した依頼件数に関する情報(依頼件数、依頼日時、依頼した医師名等:以下依頼件数情報と称する)等を記憶する。記憶部52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体により構成される。記憶部52は、或いは光ディスク(DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disk:商標)等)にデータを書き込んで記憶させる光ドライブ装置で構成されてもよい。
【0038】
サーバ機能部53は、webサーバ機能を実現するブロックである。
サーバ機能部53は、例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31からの要求に応じて、記憶部52に記憶される各種データをリスト化して端末装置22や31に送信したり、端末装置22・31においてリストから選択されたデータを送信したりする。
【0039】
圧縮処理部54は、記憶部52に記憶される各種データの圧縮・解凍処理を行う。
圧縮方法は、圧縮されるデータが医療用画像データである場合、可逆圧縮と不可逆圧縮とを選択可能としてもよい。可逆圧縮は、圧縮前のデータと、圧縮・展開の処理を経たデータが完全に等しくなる圧縮方法であり、非可逆圧縮は完全に等しくはならない圧縮方法である。可逆圧縮の例としてはJPEGやJPEG2000が、非可逆圧縮の例としてはPNG等がある。
【0040】
制御部55は、管理装置5を統括的に制御する制御ブロックである。
制御部55は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。
【0041】
以下、遠隔読影システム100における、各種構成の動作例について説明する。
まず、病院2において医療用画像データが生成される場合の動作例について説明する。
図5は、病院2において医療用画像データが生成される場合の動作例について説明したシーケンス図である。
ステップST1:
モダリティ21は、医療用画像データを生成する。
この際、モダリティ21は、生成した医療用画像データに対応する患者情報、画像情報を生成する。
ステップST2:
モダリティ21は、LAN23を介してステップST1において生成した医療用画像データ、患者情報、画像情報を管理装置5に対して転送する。
【0042】
ステップST3:
管理装置5は、医療用画像データ、患者情報、画像情報を記憶部52に記憶する。
この際、管理装置5は、DICOM規格に適応していない医療用画像データを、DICOM規格に適応した医療用画像データに変換する。
ステップST4:
管理装置5は、医療用画像データと、患者情報及び画像情報とを関連づける。
具体的には、例えば医療用画像データに固有のIDを設定し、患者情報及び画像情報と対応する医療用画像データIDとのテーブルを生成する。
また、管理装置5は、過去に記憶部52に記憶された全ての医療用画像データの中から、関連のある医療用画像データを関連づける。
すなわち、例えば、同じ患者情報を有する医療用画像データのIDを抽出することにより、同じ患者の過去全ての医療用画像データを関連づけたテーブルを生成する。
また、管理装置5は、取得した全ての医療用画像データをリスト化する。
リストには、例えば、医療用画像データのID、またこの画像データに対応する患者情報及び画像情報、医療用画像データのサムネイル画像などが記載される。
【0043】
ステップST5:
管理装置5は、医療用画像データの匿名化処理を行う。
すなわち、ステップST4において生成したリストを基に、患者情報を除いた医療用画像データのリストを新たに生成して記憶部52に記憶する。
この際、患者情報を除いた医療用画像データには、新たにIDを与える。この新たなIDを匿名化IDと称する。
そして、管理装置5は、医療用画像データに固有のIDと、匿名化IDとを対応付けたリストを新たに生成し、記憶部52に記憶する。
これにより、匿名化された医療用画像データがどの(匿名化されていない)医療用画像データに対応するか、が分かるようになっている。
【0044】
このようにして管理装置5に記憶された医療用画像データは、例えば病院2内の端末装置22から閲覧が可能である。
図6は、病院2において、端末装置22から管理装置5に記憶された医療用画像データを閲覧する場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【0045】
ステップST11:
端末装置22は、管理装置5に対して、閲覧可能な医療用画像データのリストを要求する。
ここで、端末装置22は、管理装置5に対して、記憶部52に記憶された全ての医療用画像データのリストを要求することもできるが、必要な医療用画像データのみを抽出したリストを要求することもできる。
すなわち、例えば、同一患者の過去全ての医療用画像データのリストを要求したり、同一の日に生成された医療用画像データのリストを要求したり、同一のモダリティ21によって生成された医療用画像データのリストを要求したりすることができる。
【0046】
ステップST12:
管理装置5は、ステップST11において生成されたリスト要求に応じて、記憶部52に記憶された医療用画像データ、患者情報、画像情報を基に、リストを生成する。
ステップST13:
管理装置5は、ステップST12において生成したリストを、端末装置22に対して転送する。
【0047】
ステップST14:
端末装置22を操作する医師等により、ステップST13において転送されたリストを基に、閲覧する医療用画像データやその他の情報が選択される。端末装置22は、医師等の選択を基に、選択された医療用画像データやその他の情報を管理装置5に対して要求する。その他の情報には、例えば患者情報や画像情報、依頼件数情報等が含まれる。
ステップST15:
管理装置5は、ステップST14の閲覧要求に応じて、要求された医療用画像データやその他の情報を転送する。
ステップST16:
端末装置は、ステップST15において転送された画像データやその他の情報の閲覧を行う。
【0048】
次に、病院2から読影拠点3に対して遠隔読影を依頼する場合の病院2の動作例について説明する。
図7は、病院2において、病院2から読影拠点3に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例を示したシーケンス図である。
ステップST21:
端末装置22は、特定の医療用画像データの読影拠点3への読影依頼を管理装置5に対して行う。
【0049】
ステップST22:
管理装置5は、ステップST21において読影依頼された医療用画像データに、新たに依頼元情報を付加する。
依頼元情報は、読影を依頼する病院2に関する情報であり、例えば病院2の固有ID等を含んでいる。
なお、本ステップにおいて依頼元情報を付加する医療用画像データは、図5のステップST5において匿名化がなされた医療用画像データである。
すなわち、病院2外に送出される医療用画像データには、患者情報が付与されていない。これにより、患者の個人情報の流出を防止することができる。
また、管理装置5は、医療用画像データ自体のセキュリティ性を高めるため、医療用画像データを暗号化してもよい。
【0050】
ステップST23:
管理装置5は、依頼元情報を付加した匿名化済みの医療用画像データを、データセンタ1に対して送信する。
ステップST24:
管理装置5は、記憶部52に記憶されている読影依頼に関する依頼件数情報を更新する。
依頼件数情報は、上述したように依頼件数、依頼日時、依頼した医師名等を含む情報であり、上記ステップST21〜23において新たに行った読影依頼に関する情報を追記することにより、依頼件数情報は更新される。
これにより、病院2が外部の読影拠点3に依頼した読影の数等が容易に把握することができ、料金の支払いや送信した医療用画像データの管理などを容易に行うことができるようになる。
【0051】
次に、読影依頼を受診したデータセンタ1の動作例について説明する。
図8は、読影依頼を受診したデータセンタ1の動作例を示したフローチャートである。
ステップST31:
サーバ装置11は、ネットワーク4を介して病院2から読影依頼を取得する。
ステップST32:
サーバ装置11は、ステップST31において取得した読影依頼を読影データベースに登録する。
【0052】
ステップST33:
サーバ装置11は、病院2に対して依頼を取得したことを通知する。
ステップST34:
サーバ装置11は、読影拠点3に対して、読影依頼が来ていることを通知する。同時に、当該依頼に関連する医療用画像データを送信する。
なお、本発明においては、読影拠点3に対して、読影依頼の通知と医療用画像データを必ずしも同時に行う必要はなく、読影依頼の通知に対する読影拠点3からの応答に対して医療用画像データを送信するようにしてもよい。
【0053】
次に、読影依頼の通知を受けた読影拠点3の動作例について説明する。
図9は、読影依頼の通知を受けた読影拠点3の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST41:
管理装置5は、データセンタ1からの読影依頼通知及びこれに対応する医療用画像データを取得する。
ステップST42:
管理装置5は、端末装置31に対して読影依頼通知を取得したことを通知する。同時に、医療用画像データを転送する。
ここで、管理装置5は、もし取得した医療用画像データがDICOM規格に適合していなかった場合には、DICOM規格に適合した形式への変換を行う。
【0054】
ステップST43:
ステップST42において転送された医療用画像データを基に、端末装置31は読影の結果を記した読影結果レポートを生成する。
ステップST44:
端末装置31は、ステップST43において生成した読影結果レポートを管理装置5に転送する。
【0055】
ステップST45:
管理装置5は、ステップST44において転送された読影結果レポートを読影結果データベースに登録する。
これにより、読影拠点3において行った読影の件数、日時、依頼元などがデータベースとして管理されるので、例えば料金の請求等が容易になる。
ステップST46:
管理装置5は、データセンタ1に対して、生成された読影結果レポートを送信する。
【0056】
次に、読影結果レポートを受診したデータセンタ1の動作例について説明する。
図10は、読影依頼を受診したデータセンタ1の動作例を示したフローチャートである。
ステップST51:
サーバ装置11は、ネットワーク4を介して読影拠点3から読影結果レポートを取得する。
ステップST52:
サーバ装置11は、ステップST51において取得した読影結果レポートを読影データベースに登録する。
【0057】
ステップST53:
サーバ装置11は、ステップST51で読影拠点3からの読影結果レポートを取得したことに対応して、読影拠点3に対して読影結果レポートを取得したことを通知する。
ステップST54:
サーバ装置11は、病院2に対して、読影結果レポート取得したことを通知すると共に、読影結果レポートを送信する。
【0058】
最後に、読影結果レポートを取得した病院2の動作例について説明する。
図11は、読影結果レポートを取得した病院2の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST61:
管理装置5は、データセンタ1から読影結果レポートを取得する。
ステップST62:
管理装置5は、読影結果レポートを取得したことを端末装置22に対して通知する。
【0059】
ステップST63:
端末装置22は、読影結果レポートを閲覧するか否かを判断する。
閲覧すると判断した場合はステップST65に進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップST64:
端末装置22は、管理装置5に対して読影結果レポートの閲覧を要求する。
【0060】
ステップST65:
管理装置5は、端末装置22に対して読影結果レポートを転送する。
ステップST66:
端末装置22は、読影結果レポートの閲覧を行う。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の遠隔読影システム100によれば、遠隔読影を依頼する病院2と、読影を依頼される読影拠点3において、共通の構成である管理装置5が配設されている。
管理装置5は、病院2においては、生成された医療用画像データの管理、圧縮・暗号化、医療用画像データに対する患者情報・画像情報などの付与(添付)、DICOM規格への変換、読影拠点3への読影依頼処理、読影拠点3からの読影結果レポートの取得処理等を行うことができる。
また、管理装置5は、読影拠点3においては、読影依頼の取得処理、読影結果レポートの管理、読影結果レポートの送信処理等を行うことができる。
【0062】
すなわち、本実施形態の遠隔読影システム100においては、病院2側と読影拠点3において、共通の管理装置5により遠隔読影の依頼・結果の送受信を行うシステムが構成される。このため、各拠点(病院2及び読影拠点3)において、遠隔読影の依頼・結果の送受信を行うシステムを構築するために必要な構成が少なくて済み、初期費用を抑えることができるようになる。
また、読影拠点3に存在する医師等は、例えば病院2における勤務経験を有する場合があり、共通の構成要素である管理装置5がどちらの拠点にも導入されていることによって、操作の習熟等に時間を要さず、人的コストを抑えることも可能となる。
【0063】
なお、上述した実施形態では、病院2及び読影拠点3がそれぞれ1箇所ずつである場合について説明したが、本発明はこれには限定されない。
例えば、読影拠点3が複数存在する場合、病院2からは、これらの読影拠点3のいずれに読影を依頼するかを選択することができるようになっている。
そして、病院2の管理装置5は、どの読影拠点3にどれだけ読影を依頼したかを読影情報として管理することにより、各読影拠点3に対する個別の料金算出等を行うことができるようになっている。
【0064】
また、複数の読影拠点3を1つのグループとして扱うことも可能である。
すなわち、例えば読影拠点3に属する医師が同一の組織の人間であったりする場合には、複数の読影拠点3への読影依頼を1つにまとめて管理した方が料金算出時等に有利である場合がある。
このような場合には、病院2の管理装置5は1つのグループに属する全ての読影拠点3に対して読影依頼を複製して送信することにより、複数の読影拠点3を1つのグループとして扱うことが可能となる。
【0065】
また、上述した実施形態では、読影拠点3において取得された医療用画像データは匿名化されており、どの患者のものであるかが分からないようになっている。
ただし、読影時には、同一の患者の医療用画像データが判別できるようになっていることが読影の正確さの点から望ましい。
このため、病院2の管理装置5は、医療用画像データを匿名化する際に、同一患者の医療用画像データについてはフラグ(同一患者フラグ)を予め付与しておく。
このようにすることで、読影拠点3の管理装置5が、医療用画像データを受診したとき、受診した医療用画像データの中に、同一の患者の医療用画像データが存在することが判別できるようになる。
従って、端末装置31に医療用画像データを表示させる際に、同一患者の医療用画像データを識別できるように表示させる(例えば患者ごとに別の色で表示する、ブリンクさせる等)ことにより、読影医が同一患者を容易に識別できるようになる。
【0066】
さらに、このように同一患者の医療用画像データに同一患者フラグを付与することにより、病院2内において、同一患者の医療用画像データを全て容易に抽出できるため、診断精度を向上させることができる。また、特に診断時に有用な初回診断の医療用画像データを容易に抽出できるようになり、診断精度を向上させることができる。
【0067】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、本発明の実施に際しては、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本実施形態の遠隔読影システムの構成の一例を示した図である。
【図2】図2は、病院の構成の一例を示した図である。
【図3】図3は、読影拠点の構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、管理装置の構成の一例を示した図である。
【図5】図5は、病院において医療用画像データが生成される場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【図6】図6は、病院において、端末装置から管理装置に記憶された医療用画像データを閲覧する場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【図7】図7は、病院において、病院から読影拠点に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例を示したシーケンス図である。
【図8】図8は、読影依頼を受診したデータセンタの動作例を示したフローチャートである。
【図9】図9は、読影依頼の通知を受けた読影拠点の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【図10】図10は、読影依頼を受診したデータセンタの動作例を示したフローチャートである。
【図11】図11は、読影結果レポートを取得した病院の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0069】
100…遠隔読影システム、1…データセンタ、11…サーバ装置、2…病院、21…モダリティ、22…端末装置、3…読影拠点、31…端末装置、4…ネットワーク、5…管理装置、51…通信部、52…記憶部、53…サーバ機能部、54…圧縮処理部、55…制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用画像の遠隔読影をサポートする遠隔読影システム及び遠隔読影管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CR(computed radiography:コンピュータ放射線撮影)、MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴撮影)、CT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)等、医療用デジタル画像生成技術が普及している。これらの医療用デジタル画像生成技術によって生成された医療用デジタル画像は、例えば読影医による読影や、患者の担当医による診断時に利用される。
【0003】
読影とは、医療用デジタル画像を基に行う画像診断である。
読影医は、読影の結果や所見等を記入した読影レポートを生成する。
また、被検体を診察した担当医は、診断結果を記入した診断レポートを生成する。
このようにして生成された読影レポートや診断レポートは被検体の治療のために有効に利用される。
【0004】
ところで、病院など医療施設によっては、医療施設において生成した医療用デジタル画像データの読影を当該医療施設内では行わず、外部の読影施設に読影を依頼することがある。
近年では、医療施設における医療用デジタル画像データの絶対数が爆発的に増大し、医療施設において、増大した全ての医療用デジタル画像データの読影を行うための人的・機械的資源が不足している。このような事態に対応するため、上述したような読影施設への読影依頼が行われる。
【0005】
ネットワーク等を介して、医療用デジタル画像データを外部の読影施設に依頼し、読影結果を受け取る遠隔読影システムは、例えば特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1には、カスタムサポート、読影サービスに対する課金、及び読影医の指定に関して、システムの運営面において一層の効率化及び省力化が図られた遠隔読影のためのシステムが開示されている。
【0006】
特許文献2には、読影依頼の操作の簡略化及び読影依頼ミスの削減防止を図ることができ、また、運用センターでの患者情報入力の作業を不要にすることができ、更にDICOM機種、非DICOM機種への適用が可能な読影依頼端末が開示されている。
【0007】
特許文献3には、検査施設あるいは検査施設の検査担当者と読影施設の読影担当者の識別情報に基づいて設定された医療情報アクセス権を用いて読影時における画像データや患者情報等のセキュリテイ管理を行なうことにより、受検者に関する個人情報の漏洩を防止することが可能な画像データ読影システム、アクセス権管理装置及び画像データ読影方法が開示されている。
【特許文献1】特開2002−109055号公報
【特許文献2】特開2004−024772号公報
【特許文献3】特開2006−198042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1〜3に開示されたような遠隔読影のシステムを構成するためには、医療用デジタル画像データを生成する医療施設側及び読影施設側にそれぞれ別個の機器を導入する必要があった。
医療施設においては、医療施設から外部への医療用デジタル画像データの送信処理や読影結果の受信処理等を行う機器が必要である。
また、読影施設においては、医療施設からの医療用デジタル画像データの受信処理、生成された読影結果の送信処理等を行う機器が必要である。
【0009】
従って、上述した特許文献1〜3では、医療施設側と読影施設側とにそれぞれ別個の機器を導入する必要があり、遠隔読影のシステムを構築するための多大な初期費用が必要となる、という不利益があった。また、必要な構成が複数となると、各施設において取り扱いがしにくい、という不利益があった。
【0010】
本発明は、上述した不利益を解消するために、初期費用が少なくて済み、取り扱いがしやすい遠隔読影システム及び遠隔読影管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、第1の発明の遠隔読影システムは、医療用デジタル画像データを生成する少なくとも1つの医療施設と、前記医療施設の読影依頼に応じて、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを読影して読影レポートを生成する少なくとも1つの読影施設と、前記医療施設から前記読影施設への前記読影依頼に関する情報の管理を行うデータセンタと、前記少なくとも1つの医療施設と、前記少なくとも1つの読影施設と、前記データセンタとを互いに接続するネットワークと、を有し、前記医療施設と前記読影施設は、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを前記読影施設に送信して読影を依頼し、当該読影施設にて当該医療用デジタル画像データを基に生成された前記読影レポートを前記医療施設に送信する遠隔読影処理を行うための遠隔読影管理装置をそれぞれ有し、前記遠隔読影管理装置は、前記医療施設における前記医療用デジタル画像データの送信処理と、前記読影施設における前記医療用デジタル画像データの受信処理と、前記読影施設における前記読影レポートの送信処理と、前記医療施設における前記読影レポートの受信処理と、を実行する。
【0012】
好適には、前記遠隔読影管理装置は、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データと、当該医療用デジタル画像データの被写体である患者の個人情報とを対応付けて記憶する。
【0013】
好適には、前記遠隔読影管理装置は、前記医療用デジタル画像データのそれぞれに固有の識別番号を付与し、前記患者の個人情報と対応付けられた前記医療用デジタル画像データから前記患者の個人情報との対応を解除する匿名化処理を行い、さらに前記匿名化処理を行った前記医療用デジタル画像データに匿名化識別番号を付与して固有の識別番号と前記匿名化識別番号とを対応させる。
【0014】
好適には、前記遠隔読影管理装置は、前記医療用デジタル画像データがDICOM規格に適合していない場合には、当該医療用デジタル画像データをDICOM規格に適合させる変換処理を行う。
【0015】
好適には、前記医療施設及び前記読影施設は、前記遠隔読影管理装置に接続されたそれぞれ別個の端末装置を有し、前記遠隔読影管理装置は、前記端末装置からの要求に応じて、記憶した前記医療用デジタル画像データを検索する検索処理及び閲覧する閲覧処理を実行する。
【0016】
好適には、前記医療施設において、前記遠隔読影管理装置は、前記読影施設へ依頼した遠隔読影の件数をカウントして記憶する。
【0017】
好適には、前記データセンタは、前記医療施設から前記読影施設への読影依頼を受信して当該読影施設に通知し、前記読影施設が生成した読影レポートの完成を前記医療施設に対して通知するサーバ装置を有する。
【0018】
好適には、医療用デジタル画像データを生成する少なくとも1つの医療施設と、前記医療用データ生成拠点の読影依頼に応じて、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを読影して読影レポートを生成する少なくとも1つの読影施設と、前記医療施設から前記読影施設への前記読影依頼に関する情報の管理を行うデータセンタと、前記少なくとも1つの医療施設と、前記少なくとも1つの読影施設と、前記データセンタとが互いに接続されたネットワークと、によって接続されている場合に、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを前記読影施設に送信して読影を依頼し、当該読影施設にて当該医療用デジタル画像データを基に生成された前記読影レポートを前記医療施設に送信する遠隔読影処理を行うために、前記医療施設と前記読影施設が有する遠隔読影管理装置であって、前記医療施設における前記医療用デジタル画像データの送信処理と、前記読影施設における前記医療用デジタル画像データの受信処理と、前記読影施設における前記読影レポートの送信処理と、前記医療施設における前記読影レポートの受信処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0019】
初期費用が少なくて済み、取り扱いがしやすい遠隔読影システム及び遠隔読影管理装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本実施形態の遠隔読影システム100について説明する。
図1は、本実施形態の遠隔読影システム100の構成の一例を示した図である。
図1に示すように、遠隔読影システム100では、データセンタ1、病院2(本発明の医療施設に対応)、読影拠点3(本発明の読影施設に対応)がネットワーク4を介して互いに接続されている。
図1に示すような遠隔読影システム100においては、病院2において生成された医療用画像が、ネットワーク4を介して読影拠点3へと転送され、読影拠点3において読影医により読影される。読影医は読影拠点において病院2から転送された医療用画像を基に読影を行い、読影結果を病院2へ送信する。データセンタ1は、病院2と読影拠点3との間で医療用画像の転送制御等を行う。
【0021】
以下、本実施形態の遠隔読影システム100の各構成の詳細について説明する。
図2は、病院2の構成の一例を示した図である。
図2に示すように、病院2は、モダリティ21、端末装置22、LAN23、管理装置5を有する。
【0022】
モダリティ21は、X線CT装置、超音波診断装置、MRI装置等、医療用画像を生成可能な各種医療機器である。
X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置は、検査対象に対して全方位から照射されたX線が、それぞれの方向でどの程度吸収されたか、を測定し、これを基に画像を再構成する装置であり、対象の断層画像を生成することができる。
超音波診断(Ultra Sonography)装置は、超音波を発生させて検査対象に投射し、反射した超音波(エコー)を受信するプローブ(探触子)でエコーを受信し、これを基に画像を再構成する装置であり、内部の様子を可視化することができる。
【0023】
MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴画像)装置は、検査対象に強い磁場を作用させ、体内にある水素原子核を磁気に共鳴させて微弱な電波を発生させ、その電波を受信して画像を生成する装置であり、CTと同様、断層画像を得ることができる。
本実施形態のモダリティ21は、特に、デジタル画像を生成可能な医療機器である。モダリティ21は、例えば病院内に設置されており、後述するLAN23を介して、端末装置22に対して画像を転送する。
モダリティ21は、図2に示す病院2内の構成において、少なくとも1つ配設される。
モダリティ21は、例えばDICOM規格(DICOM:Digital Imaging and COmmunications in Medicine)に適合した医療用デジタル画像データを生成する。
【0024】
端末装置22は、例えば医師により使用され、病院内の各種データの管理や閲覧を行うためのPC(Personal Computer)等の端末である。端末装置22は、図2に示す病院2内の構成において、少なくとも1つ配設される。
【0025】
LAN23は、例えば病院内に設けられたローカルネットワークである。
LAN23には、病院内に設置された少なくとも1つのモダリティ21、少なくとも1つの端末装置22、そして後述する管理装置5が接続される。
LAN23を介して、モダリティ21が生成したデータが端末装置22や管理装置5に転送されたり、端末装置22が複数ある場合には、端末装置22同士で各種データが転送されたりする。
【0026】
管理装置5は、病院2内の医療用画像データの管理や、病院2の外部に対する医療用画像データの送受信等を行う。
管理装置5の詳細については、詳しくは後述する。
病院2では、管理装置5を介して、医療用画像データを病院2外部の読影拠点3に送信し、読影を依頼することができる。
【0027】
次に、読影拠点3の構成の一例について説明する。
図3は、読影拠点3の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、読影拠点3は、端末装置31と、管理装置5とを有する。
この管理装置5は、上述した病院2の構成例における管理装置5と同一のものである。
端末装置31は、例えば読影医により使用され、医療用画像データの閲覧や、医療用画像データの読影を行った結果(読影結果)を記したレポート(以下読影結果レポート)の作成・編集等を行うためのPC(Personal Computer)等の端末である。
端末装置31は、図3に示す読影拠点3内の構成において、少なくとも1つ配設される。
読影拠点3では、病院2からの読影依頼に応じて、病院2から医療用画像データを受信し、読影を行いその結果を記した読影結果レポートを生成して、病院2へと送付することができる。
【0028】
次に、データセンタ1の構成例について説明する。
データセンタ1は、病院2と読影拠点3の間の医療用画像データの転送の管理を行う。
データセンタ1は、図1に示すように、サーバ装置11を有する。
サーバ装置11は、ネットワーク4を介して病院2と読影拠点3との間で行われる医療用画像データの転送を管理するためのサーバである。
【0029】
以下、遠隔読影システム100における各構成要素の動作例について説明する。
まず、病院2内において、モダリティ21により医療用画像データが生成される。
モダリティ21において生成される医療用画像データには、各画像データに対応する患者の個人情報データ(以下患者情報と称する)や画像生成に関する情報(画像に写る患部名、画像が生成された日時、生成したモダリティ21の種別・機種名、生成した医師の名前等:以下画像情報と称する)が適宜DICOM規格に則って添付される。
モダリティ21により生成された医療用画像データは、LAN23を介して病院2の管理装置5に転送され、画像データベースに記憶される。
【0030】
病院2の医師等、医療従事者が医療用画像データを使用した各種処理を実行したい場合、端末装置22を介して各種処理の要求がなされる。当該要求は、LAN23を介して病院2の管理装置5に転送され、病院2の管理装置5において要求された処理が実行される。
病院2における各種処理とは、例えば、医療用画像データの閲覧、添付データによる検索、病院2外部(例えば読影拠点3)への医療用画像データの転送、医療用画像データの外部への転送時における患者情報の匿名化、医療用画像データの外部への転送時におけるデータ暗号化や圧縮等の処理である。
【0031】
病院2においては、外部の読影拠点3に対して医療用画像データの読影を依頼することができる。
病院2において、読影拠点3への医療用画像データの読影を依頼する場合、まずデータセンタ1に対して読影依頼要求及び医療用画像データを送信する。
データセンタ1のサーバ装置11は、病院2からの読影依頼要求と医療用画像データとを対応付けて読影データベースに記憶する。そして、読影拠点3に対して読影依頼があったことを通知し、読影拠点3から依頼を受ける旨の返答を受信してから医療用画像データと読影依頼に関する情報(以下読影依頼情報と称する)を送信する。
読影依頼情報には、例えば、依頼元の病院2の名称、読影依頼を行った医師名、依頼日時等が含まれる。
【0032】
読影拠点3においては、まず、読影拠点3の管理装置5がネットワーク4を介して病院2から転送された医療用画像データを及び読影依頼情報を取得し、管理する。
次に、端末装置31から医療用画像データの閲覧や添付データによる検索等の処理の要求がなされると、管理装置5は要求された処理を実行する。
端末装置31において、読影拠点3の読影医等は、医療用画像データの検索や閲覧を行い、これを基に読影を行って、その結果を記した読影結果レポートを生成する。
【0033】
なお、上述したように医療用画像データが病院2から外部に転送される際には、医療用画像データに添付されている患者情報は匿名化されている。このため、読影拠点3においては、どの医療用画像データが誰のものであるのかは分からないようになっている。
しかし、各医療用画像データには固有のIDが予め付与されている。
端末装置31において生成された読影結果レポートは、対応する医療用画像データのIDと対応付けられており、どの読影結果レポートがどの医療用画像データを基に生成されたかが識別できるようになっている。
【0034】
そして、端末装置31において生成された読影結果レポートは、読影拠点3の管理装置5に転送されて記憶されると共に、データセンタ1へと転送される。
データセンタ1は、読影拠点3から受信した読影結果レポートを、病院2に対して送信する。
病院2の管理装置5は、読影結果レポートを受信すると、受信した読影結果レポートに対応する医療用画像データのIDを基に、当該読影結果レポートに対する患者情報を付与し、読影結果データベースとして管理する。
【0035】
このような構成により、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2において生成された医療用画像データを、病院2外部の読影拠点3へと送信し、病院2外部の読影医に読影を依頼することが可能となる。
【0036】
上述したように、本実施形態の遠隔読影システム100では、病院2及び読影拠点3は共通の構成を有する管理装置5をそれぞれ有し、管理装置5は様々な処理を実行する。
以下、管理装置5の詳細について説明する。
図4は、管理装置5の構成の一例を示した図である。
図4に示すように、管理装置5は、通信部51、記憶部52、サーバ機能部53、圧縮処理部54、制御部55を有する。
【0037】
通信部51は、ネットワーク4を介してデータセンタ1や他の拠点の他の管理装置5との通信を行う。他の拠点とは、例えば病院2から見た読影拠点3、或いは読影拠点3から見た病院2を意味する。
記憶部52は、医療用画像データ、医療用画像データに対応する患者情報や画像情報、医療用画像データを基に生成された読影結果レポート、病院2から外部の読影拠点3に読影を依頼した依頼件数に関する情報(依頼件数、依頼日時、依頼した医師名等:以下依頼件数情報と称する)等を記憶する。記憶部52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体により構成される。記憶部52は、或いは光ディスク(DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disk:商標)等)にデータを書き込んで記憶させる光ドライブ装置で構成されてもよい。
【0038】
サーバ機能部53は、webサーバ機能を実現するブロックである。
サーバ機能部53は、例えば病院2の端末装置22や読影拠点3の端末装置31からの要求に応じて、記憶部52に記憶される各種データをリスト化して端末装置22や31に送信したり、端末装置22・31においてリストから選択されたデータを送信したりする。
【0039】
圧縮処理部54は、記憶部52に記憶される各種データの圧縮・解凍処理を行う。
圧縮方法は、圧縮されるデータが医療用画像データである場合、可逆圧縮と不可逆圧縮とを選択可能としてもよい。可逆圧縮は、圧縮前のデータと、圧縮・展開の処理を経たデータが完全に等しくなる圧縮方法であり、非可逆圧縮は完全に等しくはならない圧縮方法である。可逆圧縮の例としてはJPEGやJPEG2000が、非可逆圧縮の例としてはPNG等がある。
【0040】
制御部55は、管理装置5を統括的に制御する制御ブロックである。
制御部55は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。
【0041】
以下、遠隔読影システム100における、各種構成の動作例について説明する。
まず、病院2において医療用画像データが生成される場合の動作例について説明する。
図5は、病院2において医療用画像データが生成される場合の動作例について説明したシーケンス図である。
ステップST1:
モダリティ21は、医療用画像データを生成する。
この際、モダリティ21は、生成した医療用画像データに対応する患者情報、画像情報を生成する。
ステップST2:
モダリティ21は、LAN23を介してステップST1において生成した医療用画像データ、患者情報、画像情報を管理装置5に対して転送する。
【0042】
ステップST3:
管理装置5は、医療用画像データ、患者情報、画像情報を記憶部52に記憶する。
この際、管理装置5は、DICOM規格に適応していない医療用画像データを、DICOM規格に適応した医療用画像データに変換する。
ステップST4:
管理装置5は、医療用画像データと、患者情報及び画像情報とを関連づける。
具体的には、例えば医療用画像データに固有のIDを設定し、患者情報及び画像情報と対応する医療用画像データIDとのテーブルを生成する。
また、管理装置5は、過去に記憶部52に記憶された全ての医療用画像データの中から、関連のある医療用画像データを関連づける。
すなわち、例えば、同じ患者情報を有する医療用画像データのIDを抽出することにより、同じ患者の過去全ての医療用画像データを関連づけたテーブルを生成する。
また、管理装置5は、取得した全ての医療用画像データをリスト化する。
リストには、例えば、医療用画像データのID、またこの画像データに対応する患者情報及び画像情報、医療用画像データのサムネイル画像などが記載される。
【0043】
ステップST5:
管理装置5は、医療用画像データの匿名化処理を行う。
すなわち、ステップST4において生成したリストを基に、患者情報を除いた医療用画像データのリストを新たに生成して記憶部52に記憶する。
この際、患者情報を除いた医療用画像データには、新たにIDを与える。この新たなIDを匿名化IDと称する。
そして、管理装置5は、医療用画像データに固有のIDと、匿名化IDとを対応付けたリストを新たに生成し、記憶部52に記憶する。
これにより、匿名化された医療用画像データがどの(匿名化されていない)医療用画像データに対応するか、が分かるようになっている。
【0044】
このようにして管理装置5に記憶された医療用画像データは、例えば病院2内の端末装置22から閲覧が可能である。
図6は、病院2において、端末装置22から管理装置5に記憶された医療用画像データを閲覧する場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【0045】
ステップST11:
端末装置22は、管理装置5に対して、閲覧可能な医療用画像データのリストを要求する。
ここで、端末装置22は、管理装置5に対して、記憶部52に記憶された全ての医療用画像データのリストを要求することもできるが、必要な医療用画像データのみを抽出したリストを要求することもできる。
すなわち、例えば、同一患者の過去全ての医療用画像データのリストを要求したり、同一の日に生成された医療用画像データのリストを要求したり、同一のモダリティ21によって生成された医療用画像データのリストを要求したりすることができる。
【0046】
ステップST12:
管理装置5は、ステップST11において生成されたリスト要求に応じて、記憶部52に記憶された医療用画像データ、患者情報、画像情報を基に、リストを生成する。
ステップST13:
管理装置5は、ステップST12において生成したリストを、端末装置22に対して転送する。
【0047】
ステップST14:
端末装置22を操作する医師等により、ステップST13において転送されたリストを基に、閲覧する医療用画像データやその他の情報が選択される。端末装置22は、医師等の選択を基に、選択された医療用画像データやその他の情報を管理装置5に対して要求する。その他の情報には、例えば患者情報や画像情報、依頼件数情報等が含まれる。
ステップST15:
管理装置5は、ステップST14の閲覧要求に応じて、要求された医療用画像データやその他の情報を転送する。
ステップST16:
端末装置は、ステップST15において転送された画像データやその他の情報の閲覧を行う。
【0048】
次に、病院2から読影拠点3に対して遠隔読影を依頼する場合の病院2の動作例について説明する。
図7は、病院2において、病院2から読影拠点3に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例を示したシーケンス図である。
ステップST21:
端末装置22は、特定の医療用画像データの読影拠点3への読影依頼を管理装置5に対して行う。
【0049】
ステップST22:
管理装置5は、ステップST21において読影依頼された医療用画像データに、新たに依頼元情報を付加する。
依頼元情報は、読影を依頼する病院2に関する情報であり、例えば病院2の固有ID等を含んでいる。
なお、本ステップにおいて依頼元情報を付加する医療用画像データは、図5のステップST5において匿名化がなされた医療用画像データである。
すなわち、病院2外に送出される医療用画像データには、患者情報が付与されていない。これにより、患者の個人情報の流出を防止することができる。
また、管理装置5は、医療用画像データ自体のセキュリティ性を高めるため、医療用画像データを暗号化してもよい。
【0050】
ステップST23:
管理装置5は、依頼元情報を付加した匿名化済みの医療用画像データを、データセンタ1に対して送信する。
ステップST24:
管理装置5は、記憶部52に記憶されている読影依頼に関する依頼件数情報を更新する。
依頼件数情報は、上述したように依頼件数、依頼日時、依頼した医師名等を含む情報であり、上記ステップST21〜23において新たに行った読影依頼に関する情報を追記することにより、依頼件数情報は更新される。
これにより、病院2が外部の読影拠点3に依頼した読影の数等が容易に把握することができ、料金の支払いや送信した医療用画像データの管理などを容易に行うことができるようになる。
【0051】
次に、読影依頼を受診したデータセンタ1の動作例について説明する。
図8は、読影依頼を受診したデータセンタ1の動作例を示したフローチャートである。
ステップST31:
サーバ装置11は、ネットワーク4を介して病院2から読影依頼を取得する。
ステップST32:
サーバ装置11は、ステップST31において取得した読影依頼を読影データベースに登録する。
【0052】
ステップST33:
サーバ装置11は、病院2に対して依頼を取得したことを通知する。
ステップST34:
サーバ装置11は、読影拠点3に対して、読影依頼が来ていることを通知する。同時に、当該依頼に関連する医療用画像データを送信する。
なお、本発明においては、読影拠点3に対して、読影依頼の通知と医療用画像データを必ずしも同時に行う必要はなく、読影依頼の通知に対する読影拠点3からの応答に対して医療用画像データを送信するようにしてもよい。
【0053】
次に、読影依頼の通知を受けた読影拠点3の動作例について説明する。
図9は、読影依頼の通知を受けた読影拠点3の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST41:
管理装置5は、データセンタ1からの読影依頼通知及びこれに対応する医療用画像データを取得する。
ステップST42:
管理装置5は、端末装置31に対して読影依頼通知を取得したことを通知する。同時に、医療用画像データを転送する。
ここで、管理装置5は、もし取得した医療用画像データがDICOM規格に適合していなかった場合には、DICOM規格に適合した形式への変換を行う。
【0054】
ステップST43:
ステップST42において転送された医療用画像データを基に、端末装置31は読影の結果を記した読影結果レポートを生成する。
ステップST44:
端末装置31は、ステップST43において生成した読影結果レポートを管理装置5に転送する。
【0055】
ステップST45:
管理装置5は、ステップST44において転送された読影結果レポートを読影結果データベースに登録する。
これにより、読影拠点3において行った読影の件数、日時、依頼元などがデータベースとして管理されるので、例えば料金の請求等が容易になる。
ステップST46:
管理装置5は、データセンタ1に対して、生成された読影結果レポートを送信する。
【0056】
次に、読影結果レポートを受診したデータセンタ1の動作例について説明する。
図10は、読影依頼を受診したデータセンタ1の動作例を示したフローチャートである。
ステップST51:
サーバ装置11は、ネットワーク4を介して読影拠点3から読影結果レポートを取得する。
ステップST52:
サーバ装置11は、ステップST51において取得した読影結果レポートを読影データベースに登録する。
【0057】
ステップST53:
サーバ装置11は、ステップST51で読影拠点3からの読影結果レポートを取得したことに対応して、読影拠点3に対して読影結果レポートを取得したことを通知する。
ステップST54:
サーバ装置11は、病院2に対して、読影結果レポート取得したことを通知すると共に、読影結果レポートを送信する。
【0058】
最後に、読影結果レポートを取得した病院2の動作例について説明する。
図11は、読影結果レポートを取得した病院2の動作例について説明するためのシーケンス図である。
ステップST61:
管理装置5は、データセンタ1から読影結果レポートを取得する。
ステップST62:
管理装置5は、読影結果レポートを取得したことを端末装置22に対して通知する。
【0059】
ステップST63:
端末装置22は、読影結果レポートを閲覧するか否かを判断する。
閲覧すると判断した場合はステップST65に進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップST64:
端末装置22は、管理装置5に対して読影結果レポートの閲覧を要求する。
【0060】
ステップST65:
管理装置5は、端末装置22に対して読影結果レポートを転送する。
ステップST66:
端末装置22は、読影結果レポートの閲覧を行う。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の遠隔読影システム100によれば、遠隔読影を依頼する病院2と、読影を依頼される読影拠点3において、共通の構成である管理装置5が配設されている。
管理装置5は、病院2においては、生成された医療用画像データの管理、圧縮・暗号化、医療用画像データに対する患者情報・画像情報などの付与(添付)、DICOM規格への変換、読影拠点3への読影依頼処理、読影拠点3からの読影結果レポートの取得処理等を行うことができる。
また、管理装置5は、読影拠点3においては、読影依頼の取得処理、読影結果レポートの管理、読影結果レポートの送信処理等を行うことができる。
【0062】
すなわち、本実施形態の遠隔読影システム100においては、病院2側と読影拠点3において、共通の管理装置5により遠隔読影の依頼・結果の送受信を行うシステムが構成される。このため、各拠点(病院2及び読影拠点3)において、遠隔読影の依頼・結果の送受信を行うシステムを構築するために必要な構成が少なくて済み、初期費用を抑えることができるようになる。
また、読影拠点3に存在する医師等は、例えば病院2における勤務経験を有する場合があり、共通の構成要素である管理装置5がどちらの拠点にも導入されていることによって、操作の習熟等に時間を要さず、人的コストを抑えることも可能となる。
【0063】
なお、上述した実施形態では、病院2及び読影拠点3がそれぞれ1箇所ずつである場合について説明したが、本発明はこれには限定されない。
例えば、読影拠点3が複数存在する場合、病院2からは、これらの読影拠点3のいずれに読影を依頼するかを選択することができるようになっている。
そして、病院2の管理装置5は、どの読影拠点3にどれだけ読影を依頼したかを読影情報として管理することにより、各読影拠点3に対する個別の料金算出等を行うことができるようになっている。
【0064】
また、複数の読影拠点3を1つのグループとして扱うことも可能である。
すなわち、例えば読影拠点3に属する医師が同一の組織の人間であったりする場合には、複数の読影拠点3への読影依頼を1つにまとめて管理した方が料金算出時等に有利である場合がある。
このような場合には、病院2の管理装置5は1つのグループに属する全ての読影拠点3に対して読影依頼を複製して送信することにより、複数の読影拠点3を1つのグループとして扱うことが可能となる。
【0065】
また、上述した実施形態では、読影拠点3において取得された医療用画像データは匿名化されており、どの患者のものであるかが分からないようになっている。
ただし、読影時には、同一の患者の医療用画像データが判別できるようになっていることが読影の正確さの点から望ましい。
このため、病院2の管理装置5は、医療用画像データを匿名化する際に、同一患者の医療用画像データについてはフラグ(同一患者フラグ)を予め付与しておく。
このようにすることで、読影拠点3の管理装置5が、医療用画像データを受診したとき、受診した医療用画像データの中に、同一の患者の医療用画像データが存在することが判別できるようになる。
従って、端末装置31に医療用画像データを表示させる際に、同一患者の医療用画像データを識別できるように表示させる(例えば患者ごとに別の色で表示する、ブリンクさせる等)ことにより、読影医が同一患者を容易に識別できるようになる。
【0066】
さらに、このように同一患者の医療用画像データに同一患者フラグを付与することにより、病院2内において、同一患者の医療用画像データを全て容易に抽出できるため、診断精度を向上させることができる。また、特に診断時に有用な初回診断の医療用画像データを容易に抽出できるようになり、診断精度を向上させることができる。
【0067】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、本発明の実施に際しては、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本実施形態の遠隔読影システムの構成の一例を示した図である。
【図2】図2は、病院の構成の一例を示した図である。
【図3】図3は、読影拠点の構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、管理装置の構成の一例を示した図である。
【図5】図5は、病院において医療用画像データが生成される場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【図6】図6は、病院において、端末装置から管理装置に記憶された医療用画像データを閲覧する場合の動作例について説明したシーケンス図である。
【図7】図7は、病院において、病院から読影拠点に対して遠隔読影を依頼する場合の動作例を示したシーケンス図である。
【図8】図8は、読影依頼を受診したデータセンタの動作例を示したフローチャートである。
【図9】図9は、読影依頼の通知を受けた読影拠点の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【図10】図10は、読影依頼を受診したデータセンタの動作例を示したフローチャートである。
【図11】図11は、読影結果レポートを取得した病院の動作例について説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0069】
100…遠隔読影システム、1…データセンタ、11…サーバ装置、2…病院、21…モダリティ、22…端末装置、3…読影拠点、31…端末装置、4…ネットワーク、5…管理装置、51…通信部、52…記憶部、53…サーバ機能部、54…圧縮処理部、55…制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用デジタル画像データを生成する少なくとも1つの医療施設と、
前記医療施設の読影依頼に応じて、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを読影して読影レポートを生成する少なくとも1つの読影施設と、
前記医療施設から前記読影施設への前記読影依頼に関する情報の管理を行うデータセンタと、
前記少なくとも1つの医療施設と、前記少なくとも1つの読影施設と、前記データセンタとを互いに接続するネットワークと、
を有し、
前記医療施設と前記読影施設は、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを前記読影施設に送信して読影を依頼し、当該読影施設にて当該医療用デジタル画像データを基に生成された前記読影レポートを前記医療施設に送信する遠隔読影処理を行うための遠隔読影管理装置をそれぞれ有し、
前記遠隔読影管理装置は、
前記医療施設における前記医療用デジタル画像データの送信処理と、
前記読影施設における前記医療用デジタル画像データの受信処理と、
前記読影施設における前記読影レポートの送信処理と、
前記医療施設における前記読影レポートの受信処理と、
を実行する遠隔読影システム。
【請求項2】
前記遠隔読影管理装置は、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データと、当該医療用デジタル画像データの被写体である患者の個人情報とを対応付けて記憶する
請求項1に記載の遠隔読影システム。
【請求項3】
前記遠隔読影管理装置は、
前記医療用デジタル画像データのそれぞれに固有の識別番号を付与し、
前記患者の個人情報と対応付けられた前記医療用デジタル画像データから前記患者の個人情報との対応を解除する匿名化処理を行い、さらに前記匿名化処理を行った前記医療用デジタル画像データに匿名化識別番号を付与して固有の識別番号と前記匿名化識別番号とを対応させる
請求項2に記載の遠隔読影システム。
【請求項4】
前記遠隔読影管理装置は、前記医療用デジタル画像データがDICOM規格に適合していない場合には、当該医療用デジタル画像データをDICOM規格に適合させる変換処理を行う
請求項1から3のいずれか一項に記載の遠隔読影システム。
【請求項5】
前記医療施設及び前記読影施設は、前記遠隔読影管理装置に接続されたそれぞれ別個の端末装置を有し、
前記遠隔読影管理装置は、前記端末装置からの要求に応じて、記憶した前記医療用デジタル画像データを検索する検索処理及び閲覧する閲覧処理を実行する
請求項1から4のいずれか一項に記載の遠隔読影システム。
【請求項6】
前記医療施設において、前記遠隔読影管理装置は、前記読影施設へ依頼した遠隔読影の件数をカウントして記憶する
請求項1から5のいずれか一項に記載の遠隔読影システム。
【請求項7】
前記データセンタは、前記医療施設から前記読影施設への読影依頼を受信して当該読影施設に通知し、前記読影施設が生成した読影レポートの完成を前記医療施設に対して通知するサーバ装置を有する
請求項1から6に記載の遠隔読影システム。
【請求項8】
医療用デジタル画像データを生成する少なくとも1つの医療施設と、前記医療用データ生成拠点の読影依頼に応じて、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを読影して読影レポートを生成する少なくとも1つの読影施設と、前記医療施設から前記読影施設への前記読影依頼に関する情報の管理を行うデータセンタと、前記少なくとも1つの医療施設と、前記少なくとも1つの読影施設と、前記データセンタとが互いに接続されたネットワークと、によって接続されている場合に、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを前記読影施設に送信して読影を依頼し、当該読影施設にて当該医療用デジタル画像データを基に生成された前記読影レポートを前記医療施設に送信する遠隔読影処理を行うために、前記医療施設と前記読影施設が有する遠隔読影管理装置であって、
前記医療施設における前記医療用デジタル画像データの送信処理と、
前記読影施設における前記医療用デジタル画像データの受信処理と、
前記読影施設における前記読影レポートの送信処理と、
前記医療施設における前記読影レポートの受信処理と、
を実行する遠隔読影管理装置。
【請求項1】
医療用デジタル画像データを生成する少なくとも1つの医療施設と、
前記医療施設の読影依頼に応じて、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを読影して読影レポートを生成する少なくとも1つの読影施設と、
前記医療施設から前記読影施設への前記読影依頼に関する情報の管理を行うデータセンタと、
前記少なくとも1つの医療施設と、前記少なくとも1つの読影施設と、前記データセンタとを互いに接続するネットワークと、
を有し、
前記医療施設と前記読影施設は、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを前記読影施設に送信して読影を依頼し、当該読影施設にて当該医療用デジタル画像データを基に生成された前記読影レポートを前記医療施設に送信する遠隔読影処理を行うための遠隔読影管理装置をそれぞれ有し、
前記遠隔読影管理装置は、
前記医療施設における前記医療用デジタル画像データの送信処理と、
前記読影施設における前記医療用デジタル画像データの受信処理と、
前記読影施設における前記読影レポートの送信処理と、
前記医療施設における前記読影レポートの受信処理と、
を実行する遠隔読影システム。
【請求項2】
前記遠隔読影管理装置は、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データと、当該医療用デジタル画像データの被写体である患者の個人情報とを対応付けて記憶する
請求項1に記載の遠隔読影システム。
【請求項3】
前記遠隔読影管理装置は、
前記医療用デジタル画像データのそれぞれに固有の識別番号を付与し、
前記患者の個人情報と対応付けられた前記医療用デジタル画像データから前記患者の個人情報との対応を解除する匿名化処理を行い、さらに前記匿名化処理を行った前記医療用デジタル画像データに匿名化識別番号を付与して固有の識別番号と前記匿名化識別番号とを対応させる
請求項2に記載の遠隔読影システム。
【請求項4】
前記遠隔読影管理装置は、前記医療用デジタル画像データがDICOM規格に適合していない場合には、当該医療用デジタル画像データをDICOM規格に適合させる変換処理を行う
請求項1から3のいずれか一項に記載の遠隔読影システム。
【請求項5】
前記医療施設及び前記読影施設は、前記遠隔読影管理装置に接続されたそれぞれ別個の端末装置を有し、
前記遠隔読影管理装置は、前記端末装置からの要求に応じて、記憶した前記医療用デジタル画像データを検索する検索処理及び閲覧する閲覧処理を実行する
請求項1から4のいずれか一項に記載の遠隔読影システム。
【請求項6】
前記医療施設において、前記遠隔読影管理装置は、前記読影施設へ依頼した遠隔読影の件数をカウントして記憶する
請求項1から5のいずれか一項に記載の遠隔読影システム。
【請求項7】
前記データセンタは、前記医療施設から前記読影施設への読影依頼を受信して当該読影施設に通知し、前記読影施設が生成した読影レポートの完成を前記医療施設に対して通知するサーバ装置を有する
請求項1から6に記載の遠隔読影システム。
【請求項8】
医療用デジタル画像データを生成する少なくとも1つの医療施設と、前記医療用データ生成拠点の読影依頼に応じて、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを読影して読影レポートを生成する少なくとも1つの読影施設と、前記医療施設から前記読影施設への前記読影依頼に関する情報の管理を行うデータセンタと、前記少なくとも1つの医療施設と、前記少なくとも1つの読影施設と、前記データセンタとが互いに接続されたネットワークと、によって接続されている場合に、前記医療施設が生成した前記医療用デジタル画像データを前記読影施設に送信して読影を依頼し、当該読影施設にて当該医療用デジタル画像データを基に生成された前記読影レポートを前記医療施設に送信する遠隔読影処理を行うために、前記医療施設と前記読影施設が有する遠隔読影管理装置であって、
前記医療施設における前記医療用デジタル画像データの送信処理と、
前記読影施設における前記医療用デジタル画像データの受信処理と、
前記読影施設における前記読影レポートの送信処理と、
前記医療施設における前記読影レポートの受信処理と、
を実行する遠隔読影管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−140094(P2010−140094A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313483(P2008−313483)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(399056820)テクマトリックス株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(399056820)テクマトリックス株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
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