説明

遠隔通信方法

本発明は、無線通信ネットワークの自己最適化のために、特に、セルラ移動ネットワークの自己最適化のために位置ベースの情報を使用するハンドオーバ手順において使用される訓練可能なソフトウェア・モジュールを使用する方法に関する。本発明の実施形態は、データベースまたは訓練可能なソフトウェア・モジュールのいずれかを使用して、無線機器がいずれの基地局装置に無線機器の接続を受け渡されるべきかを評価することによって、或るセル境界位置において一方の基地局装置から他方の基地局装置に無線機器が受け渡された直後の無線リンク障害、および急速なハンドオーバの問題に対処する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークの自己最適化に関し、詳細には、セルラ電話ネットワークの自己最適化に関する。
【背景技術】
【0002】
移動端末などの無線機器が1つのセルから別のセルに移る際、セル間の境界において無線カバレッジに問題がある可能性がある。特定の境界位置でターゲット・セルへのハンドオーバが回避されるべき現実のネットワーク環境における状況が存在する。そのような状況は、例えば、移動端末が、ハンドオーバ直後に、ターゲット・セルのカバレッジ・ホールに入り、新たな隣接セルへの迅速なハンドオーバが実行され得ない場合に生じる。
【0003】
例えば、移動端末が新たなセルに移る際、この端末は、その新たなセルとの無線接続が失われる地域に突然に入る可能性がある。別の例では、移動端末が、事前定義されたハンドオーバ条件が満たされる場合に新たな隣接セルに、すなわち、通常、報告された最も強い信号を有するセルに受け渡されることに成功し、その後、その新たな接続が、以前のセル、または別の隣接セルにその接続が再びハンドオーバされる必要があるのに十分なだけ弱くなる地域にすぐに移動する可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS36.413
【非特許文献2】3GPP TS36.423
【非特許文献3】3GPP TS36.00
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、独立請求項において、第1の基地局を動作させる方法、第1の基地局を動作させるためのコンピュータ・プログラム製品、第2の基地局装置を動作させる方法、および第2の基地局装置を動作させるためのコンピュータ・プログラム製品を提供する。本発明の実施形態が、従属請求項に記載される。
【0006】
本発明の実施形態は、データベースまたは訓練可能なソフトウェア・モジュールを使用して、無線機器がいずれの基地局装置に無線機器の接続を受け渡されるべきかを評価することによって、前述した問題に対処する。一部の実施形態において、ネットワークは、相次ぐ無線障害または急速なハンドオーバが、データベースのために、または訓練可能なソフトウェア・モジュールを訓練するために使用されるデータの量を増加させるにつれ、より良好なパフォーマンスを示す。
【課題を解決するための手段】
【0007】
解決されるべき技術的問題は、無線ネットワークにおける、特に3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト)LTE(ロング・ターム・エボリューション)移動アクセス・ネットワークのための、システム・パフォーマンスを向上させ、ハンドオーバ障害を最小限に抑え、さらに適していないハンドオーバを回避さえする自己検出−自己最適化機構の使用に基づく。本発明の実施形態は、IEEE802.16(WIMAX)または3GPP2(CDMA2000)などの他の無線ネットワークに適用されることも可能である。
【0008】
既存の最良のソリューションは、ソース基地局がターゲット基地局からハンドオーバ成功確認を受信した直後に、ターゲット基地局において移動端末に関して突然のハンドオーバ障害が生じるシナリオを考慮しない。基地局という用語とセルという用語は同義として使用され得る。3GPP LTEは、ソース基地局が複数の隣接セルを端末のハンドオーバのための候補として準備することができる可能性を明記している。しかし、これらの準備は、ターゲット基地局がハンドオーバ成功を確認すると、他のすべての隣接セルに関して取り消される。別の可能性は、3GPP TS36.413およびTS36.423において規定される「UE履歴情報」情報要素の評価である。この場合、基地局は、或る移動端末の滞在時間のような最後の滞在先のセル情報をハンドオーバ要求メッセージの中で送信する。しかし、この情報は、相次ぐハンドオーバの場合にだけ役に立ち、特に、特定のセル境界位置で生じる予期しない突然のハンドオーバ障害に関しては役に立たない可能性がある。
【0009】
本発明の実施形態は、移動端末が、ターゲット・セル内に短い時間だけしか留まらず、その後、特に、特定のセル境界位置で問題が生じる場合に、新たな隣接セルへの相次ぐハンドオーバをすぐに実行する環境において、無線通信接続の品質を向上させることが可能である。
【0010】
2つ以上の隣接セルの重なり合う区域内の無線条件は、境界区域における異なる位置において異なる可能性がある。境界区域の1つの位置において移動端末を1つのセルから別のセルにハンドオーバすることが適切である可能性がある一方で、同一の境界区域の別の位置において適切でない可能性がある。隣接セルの境界区域における問題のあるハンドオーバ位置を検出するために、移動端末のハンドオーバ手順にかかわる基地局は、境界位置ベースの情報を交換しなければならない。例えば、「ハンドオーバ要求」メッセージの中に含められるLTEによって規定された「UE履歴情報」情報要素を使用する場合には、この情報は、移動端末の位置、および/または利用可能な場合、ソース・セルによって使用される、例えば、角度に関する、ビーム形成パラメータ、および/または関与する移動端末の座標のような他の位置ベースの情報の上にマップされ得る、ソース・セル/基地局に向けて移動端末によって報告される隣接セルのセル識別子および信号強度測定を含まなければならない。セル識別子、および対応する測定された信号強度の交換は、検出されたすべての隣接セルに基づく、または少なくとも、或るしきい値が達せられているような隣接セルだけ、すなわち、強度が上位のセルに基づくことが可能である。また、報告された信号強度値を、対応するセル識別子と一緒に、または強度が上位のセルの識別子の格付けだけと一緒に交換することも可能である。
【0011】
ターゲット基地局が、セル境界の何らかの特定の位置でハンドオーバに問題を検出すると、ターゲット基地局は、要求されたさらなるハンドオーバを拒否することができる。例えば、ハンドオーバに関して好ましいセルの物理セル識別子またはセルグループ識別子のような特定のパラメータによって強化された、拒否の原因、例えば、「別の隣接セルへのハンドオーバが推奨される」を含むことも可能な、LTEによって規定された「ハンドオーバ準備失敗」メッセージを使用することによって。拒否は、或る境界区域に入る移動端末が常に、ターゲット・セルのカバレッジ・ホールの中に失われる、またはそのような移動端末が、リストアップされた隣接セルの1つに向けて即時にハンドオーバされることを解析した後に、送信される。
【0012】
無線機器は、本明細書では無線通信接続を受信することができるデバイスを相手に少なくとも双方向無線通信を確立している任意の通信デバイスと定義される。無線機器の例には、セル電話機、ハンドヘルド無線機、ならびに無線ネットワークに接続されることが可能な任意のコンピューティング・デバイスが含まれる。無線ネットワークにおける無線機器を表すのに使用される一般的な用語は、「移動端末」である。
【0013】
基地局装置は、本明細書では、無線機器を相手に無線通信接続を確立するために、さらに通信ネットワークへの無線機器のアクセスを提供するために適合されたデバイスと定義される。例えば、通信ネットワークは、地球規模の無線/有線通信ネットワーク、公共地上移動/固定ネットワーク、またはワールドワイドウェブであることが可能である。
【0014】
信号品質レポートは、本明細書では無線機器と、サービング基地局装置を含む基地局装置の集まりとの間の接続の品質または強度を評価するのに使用され得る情報を含む、無線機器からサービング基地局装置に送信されるレポートと定義される。無線通信接続の品質評価は、特定の無線通信チャネルがどれだけ優れたパフォーマンスを示すと予期されるかを格付けする値である。より高い品質評価は、本明細書では、その無線通信チャネルが、より良好な接続を有することを意味するものと定義される。このことは、無線通信チャネルが、より高いデータ転送速度におけるデータ伝送を可能にする、より強力な、より堅牢な無線接続を有することを意味する。より良好な無線接続を使用している場合、より高いデータ損失または呼ドロップさえ回避され得る。信号品質レポートが、無線接続の絶対強度の評価を与える場合、その評価は、いわゆる基準信号受信電力(RSRP)である。また、基準信号受信品質(RSRQ)としても知られる送信元電力に対する受信電力の比が使用されることも可能である。この評価は、データ・パケットまたは情報パケットの損失を最小限に抑えるのにいずれの種類の変調スキームが使用され得るかを示す。また、基地局装置のセットの各基地局装置に対する無線機器の位置を示す情報も、フィンガプリントの種類を示す信号品質レポートに基づいて、ソース基地局装置によって使用され得る。別の代替が、全地球的航法衛星システムのデータを使用することによる無線機器による絶対座標の送信である。
【0015】
eNBは、「発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワークノードB」を表す頭字語であり、基地局装置の実施形態である。UEは、ユーザ機器を表す頭字語であり、無線機器と均等である。RLFは、無線リンク障害を表す頭字語である。HOは、ハンドオーバを表す頭字語である。RRCは、無線リソース制御を表す頭字語である。RCCメッセージは、とりわけ、無線通信接続の確立、接続、および解放のために使用される。
【0016】
訓練される評価モジュールは、訓練可能なソフトウェア・モジュールである。訓練される評価モジュールの一実施形態は、信号品質レポートおよび/または無線装置の位置を識別する情報を使用して、無線機器が受け渡されるべき基地局装置を選択するために適合される。訓練される評価モジュールの別の実施形態は、信号品質レポートおよび/または無線装置の位置を識別する情報を使用して、無線機器の受渡しを受け入れる、または拒否するために適合される。訓練される評価モジュールは、訓練可能なパターン認識モジュールを使用して実施され得る。訓練可能なパターン認識モジュールは、様々な異なる方法を使用して実施され得る。使用され得る異なる方法またはアルゴリズムの例が、主成分分析、ニューラルネットワーク、CN2アルゴリズム、C4.5アルゴリズム、反復ダイコトマイザ(ID3)、最近傍探索アルゴリズム、単純ベイズ分類器アルゴリズム、ホログラフィック連想メモリ、または知覚学習アルゴリズムである。訓練データは、相次ぐ通信障害、または急速なハンドオーバ要求を考慮して、特定のセル境界位置に基づいて、自己学習機構によって生成され得る。また、訓練データは、手作業で、またはシミュレーションを使用して生成されることも可能である。手作業で作成された訓練データおよび/またはシミュレートされた訓練データは、ネットワークが最初に動作モードを開始する際に役立つ可能性がある。訓練される評価モジュールは、データベースとして実施され、さらに/またはデータベースを備えることも可能である。
【0017】
訓練される評価モジュールは、基地局装置のそれぞれが接続された単一のサイトにおいて実施され得る。例えば、基地局装置は、連続した基地局装置への無線機器のハンドオーバを制御する中央コンピュータにコンピュータ・ネットワークを介して接続され得る。また、訓練される評価モジュールは、異なる基地局装置の間で分散されることも可能である。訓練される評価モジュールが分散される場合、これらのモジュールは、協働しても、独立して動作してもよい。これらのモジュールが協働する場合、これらのモジュールは、モジュール間でメッセージをやりとりすることが可能であり、さらにデータベースまたは訓練データを共有することが可能である。これらのモジュールが独立して動作する場合、各基地局装置は、各基地局装置が認識している通信障害および/または急速なハンドオーバの情報を使用して訓練データを生成することが可能である。
【0018】
本発明は、無線機器との無線通信接続を第1の基地局機器から、第2の基地局装置の1つに受け渡すために第1の基地局装置を動作させる方法を提供する。第2の基地局装置のセットは、少なくとも、好ましい基地局装置と、代替の基地局装置とを備える。この方法は、無線機器から信号品質レポートを受信することを備える。この信号品質レポートは、様々な情報を備えることが可能である。信号品質レポートは、無線機器と報告される基地局装置の間の接続の品質を評価するのに使用されることが可能であり、さらに移動端末の位置の上にマップされるように使用されることも可能である任意の情報と定義される。信号品質レポートは、無線機器と基地局装置の間の信号の強度の測定を含むことが可能であり、さらに信号品質レポートは、移動端末の位置と関係する情報を含むことも可能である。例えば、基準信号受信電力であるRSRP、すなわち基準信号受信品質であるRSRQが使用されることが可能である。基準信号の強度は、移動端末によって測定されて、報告されることが可能である。位置は、GNSSデータ、つまり、全地球的航法衛星システム・データを使用して報告されることが可能である。GNSSシステムの例が、いわゆるGPSまたは全地球測位システムである。また、信号品質レポートは、無線機器の位置および速度に関する情報を含むことも可能である。また、信号品質レポートは、位置、および移動の方向に関する情報を含むことも可能である。信号品質レポートは、無線機器と、第2の基地局装置のそれぞれ、ならびに第1の基地局装置との間の接続の品質評価を備える。信号品質レポートは、潜在的な接続がどれだけ良好であるかを評価するのに使用され、さらにいずれの接続が行われるべきかを決定するのに使用される。この方法は、第1の基地局装置の信号品質と比較された第2の基地局装置の各基地局装置の品質評価を使用して、好ましい基地局を選択することをさらに備える。
【0019】
この方法は、その好ましい基地局装置に第1の受渡し要求を送信することをさらに備える。第1の受渡し要求は、信号品質レポートを備える。第1の受渡し要求内に含まれる信号品質レポートは、第1の基地局によって受信された完全なデータを含むことが可能であり、あるいはそのデータは、縮約される、または要約されることも可能である。例えば、第1の受渡し要求内の信号品質レポートは、いくつかの基地局装置に関する情報が、それらの装置の電力評価または品質評価が或るしきい値を下回る場合に、受渡しの候補ではない場合、取り除かれていることが可能である。また、第1の基地局は、信号品質レポートに対する計算、またはセル・グローバル識別子による物理セル識別子の置換えを実行することも可能である。これらの計算が、信号品質レポートからの生のデータの代わりに送信されることも可能である。この方法は、好ましい基地局装置から第1の受渡し要求応答を受信することをさらに備える。この時点で、第1の基地局から好ましい基地局装置にメッセージが送信されている。
【0020】
次に、好ましい基地局が、受渡しが開始されるべきか、または取り消されるべきかを第1の基地局に知らせる応答メッセージを送信する。第1の受渡し要求応答は、受渡し肯定応答メッセージまたは受渡し取消しメッセージを備える。受渡し肯定応答メッセージは、その無線通信接続を好ましい基地局に受け渡すことを進めるよう第1の基地局に知らせる。受渡し取消しメッセージは、その無線通信接続を好ましい基地局に受け渡すことを進めないよう第1の基地局に知らせる。この事例では、その無線通信接続を代替の基地局装置に受け渡すために、代替の基地局との通信が開始される。この方法は、受渡し要求応答が受渡し肯定応答メッセージを備える場合、第1の接続再構成要求を無線機器に送信することをさらに備える。第1の接続再構成要求は、その無線通信接続が好ましい基地局装置に受け渡されることを無線機器に知らせる。この方法は、第1の接続再構成要求が送信された場合、好ましい基地局装置から第1の解放コマンドを受信することをさらに備える。このコマンドは、好ましい基地局装置と無線機器の間で通信が確立されることに成功したことを第1の基地局装置に告げる、好ましい基地局装置から第1の基地局装置へのメッセージである。この方法は、第1の解放コマンドが受信された場合、無線機器に従って対応する通信接続を終了することをさらに備える。この時点で、無線通信接続は、第1の基地局装置から、好ましい基地局装置に受け渡されることに成功している。好ましい基地局装置は、いくつかの異なる仕方で特定されることが可能である。通常、報告されるRSRP値が、好ましい基地局装置を選択し、さらに代替の基地局装置のセットの各基地局装置を格付けするのに使用される。
【0021】
この方法は、受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、代替の基地局装置に第2の受渡し要求を送信することをさらに備える。このステップで、第1の基地局装置は、無線通信接続を第1の基地局装置から代替の基地局装置に受け渡そうとして、代替の基地局装置を相手に接続を行っている。この方法は、第2の受渡し要求が送信された場合、代替の基地局装置から第2の受渡し要求応答を受信することをさらに備える。第2の受渡し要求応答は、受渡し肯定応答メッセージまたは受渡し取消しメッセージを備える。この方法は、第2の受渡し要求応答が受渡し肯定応答メッセージを備える場合、無線機器に第2の接続再構成要求を送信することをさらに備える。第2の接続再構成要求は、第1の基地局装置から代替の基地局装置に無線通信接続を移すよう無線機器に命令する。この方法は、第2の接続再構成要求が送信された場合、代替の基地局装置から第2の解放コマンドを受信することをさらに備える。この方法は、第2の解放コマンドが受信された場合、無線機器に従って対応する通信接続を終了することをさらに備える。
【0022】
別の実施形態において、第1の受渡し要求応答は、第2の基地局のうちいずれが代替の基地局であるかを指定する。この実施形態は、好ましい基地局装置が、無線機器の無線通信接続が受け渡されるべき最良の第2の基地局を特定することができるデータベースまたは訓練される評価モジュールを有することが可能であるため、有利である。
【0023】
別の実施形態において、代替の基地局と無線装置の間の接続は、2番目に高い品質評価を有する。この実施形態は、その品質評価が代替の基地局を直接に選択するのに使用され得るため、有利である。
【0024】
別の実施形態において、好ましい基地局と無線装置の間の接続は、最高の品質評価を有する。この実施形態は、その品質評価が好ましい基地局装置を特定するのに使用され得るため、有利である。
【0025】
別の実施形態において、好ましい基地局装置は、訓練される評価モジュールを使用して選択される。訓練される評価モジュールは、訓練データを使用して訓練されるように適合される。訓練データは、本明細書では、訓練可能なソフトウェア・モジュールを訓練するのに使用される任意のデータまたは例と定義される。
【0026】
別の実施形態において、第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、第1の受渡し要求応答は、訓練データも備える。この方法は、第1の受渡し要求応答の中の訓練データで訓練される評価モジュールを更新するステップをさらに備える。このことは、システムが、第1の基地局装置と好ましい基地局装置の間の接続を使用して、良好な接続が見出される効率を向上させることができるため、有利である。
【0027】
別の実施形態において、第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、第1の受渡し要求は、受渡し取消しメッセージの理由を示す原因値を備える。
【0028】
別の実施形態において、第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、第1の受渡し要求は、代替の基地局装置を識別する基地局装置識別子を備える。
【0029】
別の実施形態において、この方法は、信号品質レポートおよび第1の受渡し要求応答を使用して訓練データのセットを生成するステップをさらに備える。この方法は、訓練データのセットを使用して訓練される評価モジュールを更新することをさらに備える。この実施形態は、第1の受渡し応答要求が、好ましい基地局への無線機器の受渡しが拒否されたことを示す場合、訓練される評価モジュールが、この受渡しを再び行わないように訓練され得るため、有利である。
【0030】
別の態様において、本発明は、基地局装置上で前述の主張のいずれか1つの主張の方法を実行するためのマシン実行可能命令を備えるコンピュータ・プログラム製品を提供する。基地局装置は、コンピュータ・システム、マイクロプロセッサ、および/またはマイクロコントローラを備える。このことは、マシン実行可能コードが受渡し手順を自動化するために使用され得るため、有利である。
【0031】
別の態様において、本発明は、第1の基地局機器から無線機器との無線通信接続の受渡しを受け取るために第2の基地局装置を動作させる方法を提供する。この方法は、第1の基地局装置から第1の受渡し要求を受信することを備える。第1の受渡し要求は、信号品質レポートを備える。信号品質レポートは、セル識別子、および/または無線機器の通信範囲内の無線機器と基地局装置のそれぞれの間の接続の品質評価を使用して生成される。セル識別子、および/または無線機器と基地局のそれぞれの間の接続の品質評価については、前段で説明した。
【0032】
この方法は、第1の受渡し要求を使用して、訓練される評価モジュールを使用して第1の受渡し要求応答を生成することをさらに備える。第1の受渡し要求応答は、受渡し肯定応答メッセージまたは受渡し取消しメッセージを備える。訓練される評価モジュールについては、前段で説明した。第1の基地局と第2の基地局の両方に訓練される評価モジュールが存在する実施形態において、それらの訓練される評価モジュールは、同一であるとともに、同一のコンピュータ・システム上にあることが可能であり、あるいはそれらのモジュールは、個々の基地局装置にわたって分散されることが可能である。この方法は、第1の受け渡し要求応答を大の基地局に送信することをさらに含む。この方法は、第1の受渡し要求応答が受渡し肯定応答メッセージを備える場合、無線機器から第1の接続再構成完了メッセージを受信することをさらに備える。第1の接続再構成完了メッセージは、無線機器が自らを適切に再構成していることを第2の基地局に知らせる無線機器からのメッセージである。この方法は、第1の接続再構成完了メッセージが受信された場合、無線機器を相手に無線通信接続を確立することをさらに備える。この時点で、無線通信接続は、第1の基地局装置から第2の基地局装置に受け渡されることに成功している。この方法は、第1の接続再構成完了メッセージが受信された場合、第1の基地局装置にコンテキスト解放メッセージを送信することをさらに備える。
【0033】
また、第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを含むことも可能である。この場合、無線機器の無線通信接続は、第2の基地局装置に受け渡されない。受渡し取消しメッセージは、第1の基地局装置によって、第1の基地局装置が、代替の基地局装置に無線機器を受け渡すように試みるべきものとして使用される。
【0034】
別の実施形態において、この方法は、通信変化イベントがないか所定の期間にわたって無線通信接続を監視するステップをさらに備える。通信変化イベントは、本明細書では、無線通信接続に望ましくない任意のイベントとして定義される。例は、接続が失われること、接続の品質の低下、例えば、信号強度が失われること、または信号の中のデータが壊れていること、または別の基地局に急速に再び受け渡されることを求めるハンドセットからの要求である。この方法は、その所定の時間内に通信変化イベントが生じた場合、信号品質レポートおよび第1の受渡し要求応答を使用して、訓練データのセットを生成するステップをさらに備える。このことは、その所定の時間内に通信変化イベントが生じた場合、そのことは、第2の基地局に無線装置の通信接続を受け渡すことが有利ではないことを示すため、有利である。この場合、訓練データは、次に、評価モジュールを更新するのに使用される。この方法は、訓練データのセットで訓練される評価モジュールを訓練するステップをさらに備える。
【0035】
別の実施形態において、通信変化イベントは、無線通信が失われることである。
【0036】
別の実施形態において、通信変化イベントは、無線機器との無線通信接続が異なる基地局装置に受け渡されるべきことを示す、無線機器からの第2の信号品質レポートの受信である。この実施形態は、それが、通信接続が異なる基地局装置に余りにもすぐに受け渡される必要があることを示すため、有利である。次に、訓練される評価モジュールが、そのことが再び生じるのを防止する情報で更新されることが可能である。
【0037】
別の実施形態において、第1の受渡し要求応答は、受渡し取消しメッセージを備える。
【0038】
別の実施形態において、第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、第1の受渡し要求応答は、信号品質レポートを使用して生成された訓練データのセットを備える。このことは、訓練データが、第1の基地局装置内の訓練される評価モジュールに送信され得るため、有利である。
【0039】
別の実施形態において、第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、第1の受渡し要求は、受渡し取消しメッセージの理由を示す原因値を備える。
【0040】
別の実施形態において、第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、第1の受渡し要求は、代替の基地局装置を識別する基地局装置識別子を備える。
【0041】
別の実施形態において、第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、第1の受渡し要求応答は、無線通信接続が受け渡されるべき代替の基地局装置を指定する。この実施形態は、無線通信接続が受け渡されるべき最適な基地局装置が、必ずしも、2番目に高い品質または信号強度評価を有さない可能性があるため、有利である。
【0042】
別の実施形態において、信号品質レポートは、全地球的航法衛星システム・データを備える。この実施形態は、無線装置の位置が、受渡しが行われるべき最良の基地局装置を評価するのに使用され得るため、有利である。
【0043】
別の実施形態において、信号品質レポートは、例えば、無線通信方法に関して第1の基地局によって使用される角度に関して、ビーム形成方法の測定データを備える。この実施形態は、ビーム形成方法が無線機器の位置を概算するのに使用され得るため、有利である。
【0044】
別の実施形態において、訓練される評価モジュールは、第1の受渡し要求応答を生成する目的で、無線機器の位置、および移動の方向をマップするのに信号品質レポートを使用するために適合される。このことは、接続の品質評価を使用することが、無線通信接続が受け渡されるべき最良の基地局装置がいずれであるかについて誤認を生じる可能性がある地域を識別するのに、位置、および移動の方向が使用され得るため、有利である。
【0045】
別の態様において、本発明は、第1の基地局装置から無線機器との無線通信接続の受渡しを受け取るために第2の基地局装置を動作させる方法を実行するためのマシン実行可能命令を備えるコンピュータ・プログラム製品を提供する。
【0046】
別の態様において、本発明は、本発明の方法の実施形態のいずれか1つを実行するために適合された基地局装置を提供する。
【0047】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、単に例として、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の基地局を動作させるための方法の実施形態を示す流れ図である。
【図2】無線接続の受渡しのために第1の基地局によって選択されている第2の基地局を動作させるための方法の実施形態を示す流れ図である。
【図3】或るセル境界位置における1つの基地局装置から別の基地局装置への無線機器のハンドオフの直後にリンク障害が生じる状況を示す図である。
【図4】無線機器と対応する基地局の間のハンドオーバ手順に関するメッセージのフロー、および或るセル境界位置に関する無線リンク障害が、第2の基地局装置内のタイマを使用して、どのように検出され得るかを示す図である。
【図5】無線通信接続の受け渡しが、或るセル境界位置における以前の無線リンク障害のために第2の基地局装置によって拒否されていることに関するメッセージのフローを示す図である。
【図6】第1の基地局装置が、或るセル境界位置に関する以前の無線リンク障害によってもたらされた第2の基地局から受信されたハンドオーバ拒否の助けを借りて、最高の信号品質評価を有さない第2の基地局装置を選択する場合のメッセージのフローを示す図である。
【図7】或るセル境界位置において2つの基地局装置の間で無線機器が受け渡された直後に急速なハンドオーバが行われる状況を示す図である。
【図8】メッセージのフロー、ならびにタイマを使用して或るセル境界位置に関して、急速なハンドオーバがどのように決定され得るかを示す図である。
【図9】無線通信接続が、或るセル境界位置における急速なハンドオーバのために第2の基地局装置によって拒否されている場合のメッセージのフローを示す図である。
【図10】第1の基地局装置が、或るセル境界位置における以前の急速なハンドオーバによってもたらされた第2の基地局から受信されたハンドオーバ拒否の助けを借りて、最高の信号品質評価を有さない第2の基地局装置を選択する場合のメッセージのフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
これらの図における同様の符号が付けられた要素は、同一の要素である、または同一の機能を実行する。前の図で説明された要素は、機能が同一である場合、後の図において必ずしも説明されない。
【0050】
図1は、第2の基地局装置のセットの1つの基地局装置に無線機器との無線通信接続を受け渡すために第1の基地局を動作させる方法の実施形態に関する流れ図を示す。ステップ100は、方法の開始である。ステップ102は、信号品質レポートを受信することである。信号品質レポートは、無線機器と第2の基地局装置のそれぞれの間の接続の品質評価または測定を含む。この品質評価または測定は、異なる第2の基地局装置に対する無線装置の位置の測定であることが可能であり、あるいは信号強度の測定、または送信元電力に対する電力の比であることが可能である。ステップ104で、好ましい基地局が選択される。好ましい基地局は、第2の基地局装置のそれぞれの品質評価を使用して選択されることが可能である。次のステップは、好ましい基地局装置に第1の受渡し要求を送信するステップ106である。第1の受渡し要求は、無線装置の位置をマップするための情報を提供する位置識別子を指定することが可能である。位置識別子は、無線装置の位置を指定することが可能であり、あるいはマッピングであることが可能である。例えば、範囲内の様々な基地局装置の信号強度が、これらの信号強度の以前の知識と併せて、そのようなマッピングを構築するのに使用され得る。
【0051】
ステップ106は、好ましい基地局装置に無線機器を受け渡すことを求める第1の基地局による要求である。次のステップで、第1の受渡し要求応答が、好ましい基地局から受信される。受渡し肯定応答メッセージまたは受渡し取消しメッセージのいずれかが、第1の受渡し応答要求で受信される。受渡し肯定応答メッセージの場合、無線通信は、第1の基地局から好ましい基地局に受け渡される。この場合、次のステップは、無線機器に第1の接続再構成要求を送信することであるステップ124である。次のステップは、好ましい基地局装置から第1の解放コマンドを受信することであるステップ126である。第1の解放コマンドは、好ましい基地局が、無線機器を相手に無線通信接続を確立したという通知である。次のステップで、第1の基地局が、無線機器との無線通信接続を終了する。無線通信接続の終了は、基地局装置が無線機器に提供する通信ネットワークへの接続の終了を含むことが可能である。ステップ130は、このステップの後であり、ステップ130が方法の終了である。ステップ108は、第1の受渡し要求応答を受信することであった、受渡し取消しメッセージが受信された場合、次のステップは、第2の受渡し要求を送信することである110である。第2の受渡し要求もやはり、無線装置の位置をマップするための情報を提供する位置識別子を指定することが可能である。第2の受渡し要求は、代替の基地局装置に送信される。次のステップは、第2の受渡し要求応答を受信するステップ112である。第1の受渡し要求応答108の場合と同様に、第2の受渡し要求応答112も2つの可能性を有する。この場合も、その2つの可能性は、受渡し肯定応答メッセージ、または受渡し取消しメッセージのいずれかを受信することである。取消し受渡しメッセージの場合、第1の基地局は、さらなる基地局装置122に受渡しを行おうと試みる。肯定応答された受渡しメッセージの場合、次のステップは、第2の接続再構成要求を送信することである114である。次のステップは、代替の基地局から第2の解放コマンドを受信することであるステップ116である。次のステップは、無線機器118との無線接続を終了することであるステップ118である。この場合も、無線通信接続の終了は、基地局装置が無線機器に提供する通信ネットワークの接続の終了を含むことが可能である。この時点で、無線通信接続は、代替の基地局装置に受け渡されることに成功している。
【0052】
図2は、第2の基地局装置を動作させる方法の或る実施形態を、流れ図の形態で示す。無線機器との無線通信接続の第1の基地局機器からの受け渡しが、この流れ図に示される。ステップ200は、方法の開始である。ステップ202は、第1の基地局装置から第1の受渡し要求を受信することである。第1の受渡し要求は、信号品質レポートを備えることが可能であり、信号品質レポートは、前述したとおり、無線機器と、無線機器の通信範囲内の基地局装置のそれぞれとの間の接続の品質評価を使用して生成される。また、第1の受渡し要求は、無線装置の位置をマップするための情報を提供する位置識別子を備えることも可能である。次のステップは、第1の受渡し要求応答を生成することであるステップ204である。第1の受渡し要求応答は、第1の受渡し要求を使用して、訓練された評価モジュールを使用して生成される。第1の受渡し要求応答は、受渡し肯定応答メッセージまたは受渡し取消しメッセージのいずれかを備える。受渡し肯定応答メッセージの場合、次のステップは、受渡し肯定応答メッセージを有する第1の受渡し要求応答を第1の基地局210に送信することである。次のステップは、無線機器を相手に無線通信接続を確立することであるステップ212である。次のステップは、ステップ214であり、ステップ214は、第1の基地局にコンテキスト解放メッセージを送信することである。ステップ214の後、次のステップは、方法の終了である216である。しかし、第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを含んでいた場合、ステップ204後の次のステップは、ステップ206である。ステップ206は、受渡し取消しメッセージを有する第1の受渡し要求応答を送信することである。第1の受渡し要求応答は、受渡し取消しメッセージの理由を示す原因値を備えることが可能である。また、第1の受渡し要求応答は、無線機器が受け渡されるべき代替の基地局装置を識別するのに使用されることが可能な基地局装置識別子を備えることも可能である。この時点で、第2の基地局は、無線機器の受渡しを拒否している。次のステップは、方法の終了であるステップ208である。
【0053】
図3は、無線機器が、位置312、316、318を通って1つの基地局装置から第2の基地局装置に移動する状況を示す。図3は、基地局装置A300、基地局装置B304、および基地局装置C308を示す。線302は、基地局装置A300の無線カバレッジの範囲の境界である。線306は、基地局装置B304のカバレッジの範囲の境界である。線310は、基地局装置Cのカバレッジの範囲の境界である。この例示において、これらの基地局装置は、eNBである。最初、無線機器は、位置312にある。その後、無線機器は、基地局装置Aのカバレッジの境界302に向かって移動する。地点316で、この機器は、基地局装置B304の制御に受け渡される。無線機器が地域320に入ると、無線機器は、318で、基地局装置B304との通信を失う。この図は、無線機器の相対位置が知られている場合に、無線リンク障害を正確に予測することができる必要性を示す。カバレッジ・ホール320が、基地局装置A300によってあらかじめ知られている場合、無線機器312、316、318を、基地局装置B304ではなく基地局装置C308に受け渡すことができた可能性がある。
【0054】
図3から図10に示される実施形態において、無線機器は、移動端末またはUEである。基地局装置は、eNBによるサービスを受けるセルである。
【0055】
図3で、ソース・セル(基地局装置A300)からターゲット・セル(基地局装置B304)によって受信されるハンドオーバ準備要求が、接近しているUE座標、ソース・セルの使用されるビーム形成パラメータ、他の利用可能な候補セルの信号強度、または利用可能な最高強度の隣接セル(2番目に高い強度のセルとしてのセルC308のような)の格付けに関して、さらなる情報を含む場合、境界位置が差別化されることが可能である。このため、位置ベースの情報は、境界における特定の位置についてのヒントをもたらす他の任意の情報から成ることが可能である。その情報を使用することによって、問題のあるセル境界区域を有するターゲット・セルは、その境界位置においてだけ、ソース・セルから来るハンドオーバを回避することができる。
【0056】
ソース・セルがターゲット・セルから定性的フィードバックを受信する場合に、すなわち、ターゲット・セルが、ハンドオーバ準備失敗メッセージの中に、原因値、例えば、「別の隣接セルへのハンドオーバが推奨される」を含め、さらに良いことには、例えば、セル識別子、例えば、物理的セルIDまたはセル・グローバルIDを示すことによって、いずれの候補セルがハンドオーバのために選択されるべきかの情報を含める場合、改良されたソリューションが実現されることが可能である。すると、ソース・セルは、拒否するターゲット・セルによって推奨されるセルに向けてのハンドオーバを直接に要求することができる。後に、ターゲット・セルからの受信されたフィードバックを、UE測定レポート/信号品質レポートと併せて解析する、さらなる自己学習アルゴリズムが、ソース・セルにおいて実施される場合、ソース・セルは、他の何らかの適切な隣接セルへの直接のハンドオーバを決定することができる。
【0057】
図3は、3つの基地局装置(セル)300、304、308に基づく、想定されるネットワーク・シナリオを示す。これらのセルのカバレッジ・エリアは、或る地域316内で重なり合い、これらのセルのうち1つのセルのカバレッジ・ホール320は、地形学的環境によって、例えば、山、または大きい建物の陰に入って、もたらされる可能性がある。カバレッジ・ホールは、無線アクセス・ネットワークが無線条件の点で最適化される大規模な計画段階の後でさえ、現実の展開において存在する可能性がある。
【0058】
図3に示されるとおり、セルA300からセルB304に向かって移動し、セルB304を相手にハンドオーバを実行することに成功する移動端末(UE=ユーザ機器または無線機器)312を考慮されたい。しかし、セルB304によってセルA300に向けて示されるハンドオーバ成功の直後に、UE318は、セルB304のカバレッジ・ホール320の中に落ち、無線リンク障害(RLF)に直面する。RLFの後、さらに標準の手順を経た後、UE318は自らをセルC308に接続する。セルB304が、セルB304がセルA300の境界近くにカバレッジ・ホールを有し、さらにそこから来るUE312が、常に、またはほとんどの場合にRLFに直面することを知った場合、セルB304は、セルA300から生じるハンドオーバ要求を取り消さなければならない。しかし、セルA300からセルB304に向かって移動しているUE312、314に従って利用可能な境界位置情報は、全く存在しない。したがって、図3に示されるように、セルA300から生じるハンドオーバ要求を取り消すことは、カバレッジ・ホールがセルA300とのセルB304の共通の境界区域全体に影響を与えるわけではないので、完璧なソリューションではない。セルA300とセルB304の間のセル境界のその他の部分から来るUEは、そのような問題に直面しない。このため、ハンドオーバ中にセルA300とセルB304の間で位置ベースの境界情報が交換される場合、セルB304は、自己学習アルゴリズムに基づいて、セルA300から来る専用のハンドオーバ要求を拒否することを決定することができる。
【0059】
図3に示される例示的なシナリオにおいて、境界位置は、セルB304によってセルA300から受信されたハンドオーバ準備要求が、2番目に高い強度のセルとしてセルC308についての情報を含む場合、差別化されることが可能である。セルB304における自己学習アルゴリズムの助けを借りて、セルB304は、セルC308を2番目に高い強度のセルとして有するセルA300から来るハンドオーバが、大抵、RLFに直面すると解析することができる。このため、セルA300が、セルC308を二番目に高い強度のセルとして含むUEに関して、セルB304にハンドオーバ準備要求を送信した場合、セルB304は、それらのハンドオーバを拒否する。セルA300が、セルC308を二番目に高い強度のセルとして含まないUEに関してハンドオーバを準備する場合、セルB304は、それらのハンドオーバを受け入れる。
【0060】
図4は、検出タイマ422を使用する無線リンク障害424の検出を示す。図4は、メッセージのフローの助けを借りた、無線機器400、基地局装置A402、基地局装置B406、および基地局装置C408の間の通信を示す。第1の通信は、無線機器400から基地局装置A402に対してである。測定レポート410は、基地局装置Bが最高強度の信号であり、基地局装置C408が2番目に高い強度の信号を有することを示す。次に、ハンドオーバ要求412が、基地局装置A420から基地局装置B406に送信される。ステップ414で、基地局装置Bから基地局装置A402にハンドオーバ要求肯定応答が送信される。次に、基地局装置A402が、RRC接続再構成メッセージ416を無線機器400に送信する。次に、無線機器400が、基地局装置B406にRRC接続再構成完了メッセージ418を送信する。次に、基地局B406が、基地局装置A402に無線機器コンテキスト解放メッセージ420を送信する。この時点で、無線リンク障害検出タイマ422が開始される。検出タイマ422が活性である時間中、無線リンク障害424イベントが生じる。426は、このタイマが満了し、無線機器400からの接触が全くなかったことを示す。この時点で、基地局装置B406において統計が更新され、無線機器400が、基地局装置B406ではなく、基地局装置C408に受け渡されるべきであったことを示す訓練データが生成される。その障害に対して統計試験が実行されて、訓練データが生成されるべきかどうかが判定されてもよい。例えば、単一回の障害だけが生じた場合、その障害は、事業者、および/または無線機器の測位に起因する可能性がある。複数回の障害が生じ、障害の回数が統計的に有意である場合、訓練データは、生成される。
【0061】
図4は、図3によって表される状況に直面しているUE400、セルA402のeNB(3GPP LTEによって規定される基地局の名称)、およびセルB406のeNBの間のハンドオーバ・プロセス中の可能なメッセージ交換を示す。このメッセージ・フローは、3GPP TS36.00における規定されるハンドオーバ手順に基づく(関係のあるメッセージだけが図2に示される)。セルB406は、例えば、特別なタイマを設定することによって、セルA402との問題のある境界位置について知ることができる。
【0062】
図5は、基地局装置B406による、基地局装置A402から基地局装置B406への無線機器400の受渡しの拒否を示す。この図では、基地局装置A402、基地局装置B406、および基地局装置C408、ならびに無線機器400が存在する。第1のステップで、無線機器400が、基地局装置Bが最高強度の信号を有すること、および基地局装置Cが2番目に高い強度の信号を有することを示す測定レポート500を、基地局装置A402に送信する(500)。次に、基地局装置A402が、基地局装置B406にハンドオーバ要求502を送信する。ハンドオーバ要求502は、次に高い強度の基地局装置信号が基地局装置C408からであることも示す。統計が、ステップ504で訓練される評価モジュールを使用して評価される。訓練される評価モジュールは、無線機器400が、代わりに基地局装置C408に受け渡されるべきであると決定する。次に、基地局装置Bが、基地局装置A402にハンドオーバ準備失敗メッセージ506を送信する。基地局装置A402が、このメッセージを受信し、このハンドオーバ取消しに関する統計を更新する(508)。次に、この情報を使用して、訓練される評価モジュールを訓練するのに使用される訓練データが生成される。次に、基地局装置A402が、基地局装置C408にハンドオーバ要求を送信する。次に基地局装置C408が、基地局装置A402にハンドオーバ要求肯定応答メッセージ512を送信する。次に、基地局装置Aが、無線機器400にRRC接続再構成メッセージ514を送信する。次に、無線機器400が、基地局装置C408にRRC再構成完了516メッセージを送信する。次に、基地局装置C408が、基地局装置A402に無線機器コンテキスト解放メッセージ518を送信する。
【0063】
図5で、セルB406が、問題を検出し、セルC408にハンドオーバを実行することの推奨を含むハンドオーバ準備失敗メッセージをセルA402に送信することによって、それらのハンドオーバを拒否することが示される。次に、セルA402が、この推奨を受け入れ、セルC408に向けてハンドオーバ準備を試みる。
【0064】
図6は、無線装置400と基地局装置A402の間の無線通信接続の受渡しのために、基地局装置B406の代わりに(Bが最高強度のセルであるものの)、基地局装置C408を選択することを示す。第1のステップで、基地局装置400から基地局A402に測定レポートが送信される。ステップ602で、ハンドオーバ要求が、訓練される評価モジュールによって評価される。訓練される評価モジュールが、基地局B406への受渡しを拒否し、代わりに、基地局装置C408に無線機器400を受け渡す手順を開始する。次のステップで、基地局装置A402が、基地局装置C408にハンドオーバ要求メッセージ604を送信する。次に、基地局装置C408が、基地局装置A402にハンドオーバ要求肯定応答606を送信する。次に基地局装置Aが、無線機器400にRRC接続再構成メッセージ608を送信する。次に、無線機器が、基地局装置C408にRRC接続再構成完了メッセージ610を送信する。次に、基地局装置Cが、基地局装置A402に無線機器コンテキスト解放メッセージ612を送信する。
【0065】
さらに、セルA402が、セルB406のフィードバックから学習もする。図6で、UE400が、セルB406をハンドオーバ候補として有し、さらにセルC408を2番目に高い強度のセルとして有するハンドオーバ要求604をセルA402に送信すると、セルA402が、問題を検出し、セルB406の代わりにセルC408に直接にハンドオーバ準備要求を送信することが示される。
【0066】
ハンドオーバ準備中の位置ベースの情報、および2つのセル間で伝送される対応するフィードバックは、他のアプローチのために、例えば、UE400がホット・スポットを通って移動することによって、またはUE400が、図7に示されるとおり、小さい遷移セルを通って移動することによって生じる短い滞在時間を回避するのに使用されることも可能である。これらの状況もやはり、通常の都市部の展開において非常に一般的である。
【0067】
図7は、無線機器700、702、704が、どのように基地局装置の無線範囲に短い間、入り、その後、その範囲を再びすぐに離れることが可能であるかを示す図である。基地局装置A708が、基地局装置A708の無線カバレッジの境界710とともに示される。基地局装置B714が、基地局装置B714の無線カバレッジの境界716とともに示される。基地局装置C712が、基地局装置C712の無線カバレッジの境界718とともに示される。無線機器700、702、704は、いくつかの異なる位置に示される。最初、無線機器700は、基地局装置A708の無線範囲だけに入っている。無線機器700が経路706上の移動するにつれ、無線機器700は、基地局装置C712の無線範囲内に無線機器700が位置する地域に短い間、入る。しかし、無線機器700は、この地域をすぐに出て、無線機器700が基地局装置C712の範囲外にある位置704に進む。この事例において、無線機器700、702、704が基地局装置C712に受け渡される場合、そのことは、無線機器700、702、704が基地局装置B714に急速に受け渡されなければならないことをもたらす。この状況において、無線機器700、702、704が、基地局装置B714に代わりに直接に受け渡される場合、ネットワーク・シグナリング過負荷を防止することが最良である。
【0068】
図7に示される実施形態において、無線機器700、702、704は、セル電話機またはUEである。基地局装置708、714、712は、セルラ電話セルである。
【0069】
3つのセルを含む想定されるネットワーク・シナリオに基づく、そのような別のアプローチが、図7に示される。セルA710、セルB716、およびセルC712のカバレッジ・エリアの一部分は、セルC712が、重なり合いの中の非常に小さい地域に関して最高強度であるように見えるように重なり合う。図7に示されるとおり、セルA708からセルB714の方向に移動し、この重なり合いの区域702を通過するUE700、702、704を考慮されたい。UE700、702、704は、セルA708からセルC712にハンドオーバを実行し、次に、セルC712からセルB714にハンドオーバを実行する。しかし、セルC712内のUE700、702、704の滞在時間は、非常に短い。セルC712に来た直後に、UE700、702、704は、セルB714への連続したハンドオーバを行う。セルA708が、2番目に高い強度のセルとしてセルB714のさらなる情報を用いてセルC712へのハンドオーバを準備する場合、セルC712は、この状況を知ることができ、それらのハンドオーバを拒否することができる。後に、セルA708は、その地域内で移動しているUE700、702、704に関して、セルB714へのハンドオーバを直接に実行することができる。
【0070】
セルCおよびセルAによるこの問題の検出および修正のためのUE、セルAのeNB、セルCのeNB、およびセルBのeNBの間の可能なハンドオーバ・メッセージ・フローチャートが、図8、図9、および図10に示される。
【0071】
図8は、検出タイマ812を使用して、急速なハンドオーバ失敗が生じると、そのことを検出することの例を示す。ステップ800で、無線機器820が、基地局装置A822に測定レポート800を送信する。測定レポート800は、基地局装置Cが最高強度の信号を有すること、および次に高い強度の信号が基地局装置Bからであることを示す。次に、基地局装置A822が、基地局装置C828にハンドオーバ要求802を送信する。ハンドオーバ要求802は、次に高い強度の基地局装置信号が基地局装置B826からであるという情報を含む。次に、基地局装置C828が、基地局装置A822にハンドオーバ要求肯定応答メッセージ804を送信する。次に、基地局装置A822が、無線機器820にRRC接続再構成メッセージ806を送信する。次に、無線機器820が、基地局装置C828にRRC接続再構成完了メッセージ808を送信する。次に、基地局装置Cが、基地局装置Aに無線機器コンテキスト解放メッセージ810を送信する。同時に、急速ハンドオーバ検出タイマ812が開始される。このタイマ812の持続時間中、測定レポート814が無線機器820から基地局装置C828に送信される。この測定レポート814は、最高強度の信号が基地局装置Bからであることを示す。この急速なハンドオーバが検出されると、訓練される評価モジュールが、この情報を使用して訓練される。
【0072】
図9は、基地局装置C828の訓練される評価モジュールによって拒否される、基地局装置Aから基地局装置C828へのハンドオーバの拒否を示す。第1のステップは、無線機器820から基地局装置A822に測定レポートが送信されるステップ900である。測定レポート900は、基地局装置からの最高強度の信号が基地局装置C828からであり、次に高い強度の信号が基地局装置B826からであるという情報を含む。次に、基地局装置A822が、基地局装置C828にハンドオーバ要求902を送信する。ハンドオーバ要求902は、次に高い強度の信号が基地局装置B826からであるという情報を含む。基地局装置C828の訓練される評価モジュールが、ステップ904で急速なハンドオーバを評価する。次に、訓練される評価モジュールが、無線機器820を基地局装置B406に受け渡す方がよいと決定する。ステップ906で、基地局装置C828が、基地局装置A822にハンドオーバ準備取消しメッセージ906を送信する。ハンドオーバ準備取消しメッセージ906内には、無線機器820が基地局装置B826に受け渡されるべきであるという推奨が存在する。次に、基地局装置A822が、ステップ908で基地局装置A822自らの訓練される評価モジュールを更新する。次に、基地局装置A822が、基地局装置B826にハンドオーバ準備メッセージ910を送信する。次に、基地局装置B826が、基地局装置A822にハンドオーバ要求肯定応答メッセージ912を送信する。次に、基地局装置A822が、無線機器820にRRC接続再構成メッセージ914を送信する。次に、無線機器820が、基地局装置B826にRRC接続再構成完了メッセージ916を送信する。次に、基地局装置B826が、基地局装置A822に無線機器コンテキスト解放メッセージ918を送信する。
【0073】
図10は、無線装置820と基地局A822の間の無線通信接続の受渡しのために、基地局装置C828の代わりに(Cが最高強度のセルであるものの)、基地局装置B826を選択することを示す。ステップ1000で、無線機器820が、基地局装置A822に測定レポート1000メッセージを送信する。測定レポート1000は、基地局装置C828が最高強度の信号を有すること、および基地局装置B826が2番目に高い強度の信号を有するという情報を含む。次に、基地局装置A822の訓練される評価モジュールが、ステップ1002で測定レポートを評価する。次に、訓練される評価モジュールが、急速なハンドオーバのため、無線機器820が代わりに、基地局装置B826に受け渡されるべきであると決定する。次のステップで、基地局装置A822が、ハンドオーバ要求準備信号1004を基地局装置B826に送信する。次に、基地局装置B826が、基地局装置A822にハンドオーバ要求肯定応答メッセージ1006を送信する。次に、基地局装置A822が、無線機器820にRRC接続再構成メッセージ1008を送信する。次に、無線機器820が、基地局装置B826にRRC接続再構成完了メッセージ1010を送信する。次に、基地局装置B826が、基地局装置A820に無線機器コンテキスト解放メッセージ1012を送信する。
【符号の説明】
【0074】
300 基地局装置A
302 基地局装置Aの無線カバレッジの境界
304 基地局装置B
306 基地局装置Bの無線カバレッジの境界
308 基地局装置C
310 基地局装置Cの無線カバレッジの境界
312 基地局装置Aの範囲内だけの無線機器の位置
314 無線機器の経路
316 基地局装置Bに受け渡される際の無線機器の位置
318 基地局装置Bのカバレッジ・ホールの中の無線機器の位置
320 基地局装置Bの無線通信カバレッジ・ホール
400 無線機器
402 基地局装置A
406 基地局装置B
408 基地局装置C
424 無線リンク障害イベント
700 基地局装置Aの範囲内だけの無線機器の位置
702 基地局装置Cの範囲に短い間、入っている際の無線機器の位置
704 基地局装置Cの範囲から出た際の無線機器の位置
706 無線機器がたどる経路
708 基地局装置A
710 基地局装置Aの無線カバレッジの境界
712 基地局装置C
714 基地局装置B
716 基地局装置Bの無線カバレッジの境界
718 基地局装置Cの無線カバレッジの境界
820 無線機器
822 基地局装置A
826 基地局装置B
828 基地局装置C

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局装置(300、402、708、822)から、少なくとも、好ましい基地局装置(304、406、712、828)と、代替の基地局装置(308、408、714、826)とを備える第2の基地局装置のセット(304、308、406、408、712、714、826、828)の1つの基地局装置に無線機器(312、316、318、400、700、702、704、820)との無線通信接続を受け渡すために前記第1の基地局装置を動作させる方法であって、
前記無線機器から信号品質レポート(102、410、500、600、800、900、1000)を受信するステップと、
前記信号品質レポートを使用して前記好ましい基地局を選択するステップ(104、602、1002)と、
前記好ましい基地局装置に第1の受渡し要求(106、412、502、604、802、902、1004)を送信するステップであり、前記第1の受渡し要求は、前記信号品質レポートを備える、ステップと、
前記好ましい基地局装置から第1の受渡し要求応答(108、414、506、606、804、906、1006)を受信するステップであり、前記第1の受渡し要求応答は、受渡し肯定応答メッセージ(414、606、804、1006)または受渡し取消しメッセージ(506、906)のいずれかを備え、前記受渡し肯定応答メッセージと前記受渡し取消しメッセージの間の選択は、前記信号品質レポートを使用して行われる、ステップと、
前記受渡し要求応答が前記受渡し肯定応答メッセージを備える場合、前記無線機器に第1の接続再構成要求(124、416、608、806、1008)を送信するステップであり、前記第1の接続再構成要求は、前記無線通信接続を前記第1の基地局装置から前記好ましい基地局装置に移すよう前記無線機器に命令する、ステップと、
前記第1の接続再構成要求が送信された場合、前記好ましい基地局装置から第1の解放コマンド(126、420、612、810、1012)を受信するステップと、
前記第1の解放コマンドが受信された場合、前記無線機器との前記無線通信接続を終了するステップ(128)と、
前記第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、前記代替の基地局装置に第2の受渡し要求(110、510、910)を送信するステップと
を備える方法において、
前記第2の受渡し要求が送信された場合、前記代替の基地局装置から第2の受渡し要求応答(112、512、912)を受信するステップであり、前記第1の受渡し要求応答は、受渡し肯定応答メッセージまたは受渡し取消しメッセージのいずれかを備える、ステップと、
前記第2の受渡し要求応答が前記受渡し肯定応答メッセージを備える場合、前記無線機器に第2の接続再構成要求(114、514、914)を送信するステップであり、前記第2の接続再構成要求は、前記無線通信接続を前記第1の基地局装置から前記代替の基地局装置に移すよう前記無線機に命令する、ステップと、
前記第2の接続再構成要求が送信された場合、前記代替の基地局機器から第2の解放コマンド(116、518、918)を受信するステップと、
前記第2の解放コマンドが受信された、または第1の内部タイマが満了した場合、前記無線機器との前記無線通信接続を終了するステップ(118)とを実行し、
前記信号品質レポートは、前記無線機器と、前記第2の基地局装置のそれぞれとの間の接続の品質評価を備え、前記第1の受渡し要求応答(506、906)は、前記第2の基地局のいずれが前記代替の基地局であるかを指定することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記代替の基地局と前記無線機器の間の接続は、2番目に高い品質評価を有し、さらに/または前記好ましい基地局と前記無線機器の間の接続は、最高の品質評価を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記好ましい基地局装置および/または前記代替の基地局装置は、前記選択のために前記品質信号レポートを使用する訓練される評価モジュールを使用して選択され、前記訓練される評価モジュールは、訓練データを使用して訓練されるように適合され、さらに前記訓練データは、相次ぐ通信障害、または急速なハンドオーバ要求から、特定のセル境界位置に基づいて自己学習機構によって生成された訓練データ、手作業で作成された訓練データ、およびシミュレートされた訓練データのうちいずれか1つである請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記信号品質レポートは、前記無線機器の位置をマップするための位置識別子を備え、さらに前記訓練される評価モジュールは、前記好ましい基地局装置および/または前記代替の基地局装置を選択するために前記位置識別子を使用する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージ(506、906)を備える場合、前記第1の受渡し要求は、前記受渡し取消しメッセージの理由を示す原因値、および/または前記代替の基地局装置を識別する基地局装置識別子を備える請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記信号品質レポートおよび前記第1の受渡し要求応答を使用して訓練データのセットを生成するステップと、
訓練データのセットを使用して前記訓練される評価モジュールを更新するステップ(426、508、816、908)とをさらに備える請求項3乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
基地局装置上で請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法を実行するためのマシン実行可能命令を備えるコンピュータ・プログラム製品。
【請求項8】
第1の基地局機器(300、402、708、822)から無線機器(312、316、318、400、700、702、704、820)との無線通信接続の受渡しを受け取るために第2の基地局(406、408、712、714、826、828)装置を動作させる方法であって、
前記第1の基地局装置から第1の受渡し要求(202)を受信するステップであり、前記第1の受渡し要求は、信号品質レポートを備え、前記信号品質レポートは、前記無線装置と、前記無線機器の通信範囲内の各基地局装置との間の接続の品質評価を使用して生成される、ステップと、
前記第1の受渡し要求の前記信号品質レポートを使用する訓練される評価モジュールを使用して第1の受渡し要求応答を生成するステップ(204)であり、前記第1の受渡し要求応答は、受渡し肯定応答メッセージまたは受渡し取消しメッセージ(506、508)のいずれかを備える、ステップと、
前記第1の基地局に前記第1の受渡し要求応答を送信するステップ(206、210)と、
前記第1の受渡し要求応答が前記受渡し肯定応答メッセージを備える場合、前記無線機器から第1の接続再構成完了(211)メッセージを受信するステップと、
前記第1の接続再構成完了メッセージが受信された場合、前記無線機器を相手に前記無線通信接続(212)を確立するステップと、
前記第1の接続再構成完了メッセージが受信された場合、前記第1の基地局装置にコンテキスト解放(214)を送信するステップと
を備える方法において、
前記第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージを備える場合、前記第1の受渡し要求応答は、前記代替の基地局装置を識別する基地局装置識別子を備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
通信変化イベントがないか、所定の期間(422、812)にわたって前記無線通信接続を監視するステップと、
前記所定の期間内に前記通信変化イベントが生じた場合、前記信号品質レポートおよび前記第1の受渡し要求応答を使用して訓練データのセットを生成するステップと、
訓練データの前記セットを使用して前記訓練される評価モジュールを訓練するステップ(426、816)とをさらに備え、
前記通信変化イベントは、無線通信が失われること(424)、前記無線機器との前記無線通信接続が異なる基地局装置に受け渡されるべきであることを示す前記無線機器からの第2の信号品質レポート(814)の受信、前記無線通信接続が失われること、前記無線通信接続の信号強度が失われること、および前記無線通信チャネルの前記信号の中のデータの破損のいずれか1つである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の受渡し要求応答が受渡し取消しメッセージ(506、906)を備える場合、前記第1の受渡し要求は、前記受渡し取消しメッセージの理由を示す原因値を備える請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記信号品質レポートは、前記無線機器の位置を提供する全地球的航法衛星システム・データを備え、さらに/または前記信号品質レポートは、前記無線通信リンクを形成するために基地局装置によって使用される前記ビーム形成方法の測定データを備え、さらに/または前記訓練される評価モジュールは、前記第1の受渡し要求応答を生成する目的で、前記無線機器の位置、および移動の方向をマップするのに前記信号品質レポートを使用するために適合される請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
基地局装置上で請求項8乃至11のいずれか1項に記載の方法を実行するためのマシン実行可能命令を備えるコンピュータ・プログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−524490(P2012−524490A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506426(P2012−506426)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054153
【国際公開番号】WO2010/121885
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】