説明

選別装置

【課題】選別皿の摺動を受けるガイドレール等との間の摩擦抵抗力を無くして、円滑で、振動、騒音等の少ない選別作用を行わせることができ、耐久性を高めることができる選別装置の提供。
【解決手段】搬送チエン1のホルダブラケット2に上下回動自在に枢支した選別皿3にはバネ4を介して弾発される支持レバー5を設け、これらホルダブラケット2と支持レバー5との間には、選別皿3を、選別物を受けて搬送する搬送姿勢Aと、この搬送選別物を外側方へ排出する排出姿勢)とに係合離脱して切替可能の係合ピン6と係合ガイド7を形成したことを特徴とする選別装置の構成とする。選別皿3の搬送姿勢Aでは、支持レバー5がホルダブラケット2に対してバネ4力で弾発されて、係合ピン6と係合ガイド7とが係合されて左右水平状に維持され、秤量、選別作用を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送チエンに対して選別物を載せて搬送する搬送姿勢と、選別物を排出する排出姿勢とに回動可能に設けられる選別皿を、スライダ、及びガイドレール等を用いない形態で搬送させる選別装置に関する。果実類や、野菜類、芋類等の選別はもとより、鮮魚、貝類や、干物魚貝等の選別にも利用できる。又、重量選別のために選別物をロードセル等によって秤量する形態や、単にカメラ等によって選別物の大きさや、形状を計測する形態等に有効に利用することができる。
【背景技術】
【0002】
搬送チエンに配置されて搬送される選別皿は、この搬送チエンに対する取付部とは別の選別皿底部や、この選別皿を支持する支持機構等をガイドレールに支持させる構成の技術が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
選別物を載せて搬送する選別皿を搬送チエンに対する取付部だけで支持することが難しいため、別にガイドレールを設けて選別皿を摺動支持させる構成がとられている。このため選別皿等とガイドレールとの間の摩擦抵抗が大きく、摩擦損傷が著しく、騒音が激しく耐久性も短いものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、搬送チエン(1)のホルダブラケット(2)に上下回動自在に枢支した選別皿(3)には、バネ(4)を介して弾発される支持レバー(5)を設け、これらホルダブラケット(2)と支持レバー(5)との間には、選別皿(3)を、選別物を受けて搬送する搬送姿勢(A)と、この搬送選別物を外側方へ排出する排出姿勢(B)とに係合、離脱して切替可能の係合ピン(6)と係合ガイド(7)を形成したことを特徴とする選別装置の構成とする。選別皿(3)の搬送姿勢(A)では、支持レバー(5)がホルダブラケット(2)に対してバネ(4)力で弾発されて、係合ピン(6)と係合ガイド(7)とが係合されて左右水平状に維持される。この状態で選別皿(3)の上面に選別物を供給載置して搬送しながら秤量、選別作用を行わせる。この秤量に基づいて選別排出作用を行わせる選別皿(3)の排出姿勢(B)では、支持レバー(5)がバネ(4)に抗して回動されることによって、係合ピン(6)と係合ガイド(7)の係合が外れて、選別皿(3)が外側方へ傾斜されて、載せていた選別物を排出させる。この排出後は、支持レバー(5)がバネ(4)力によって復帰されることによって係合ピン(6)と係合ガイド(7)が係合されて元の搬送姿勢(A)に係合維持される。
【0005】
請求項2に記載の発明は、前記ホルダブラケット(2)の搬送チエン(1)に対する取付側とは反対側に、ガイドレール(8)に支持案内するガイドローラ(9)を設けたものである。前記のような搬送姿勢(A)と排出姿勢(B)とに切替られる選別皿(3)やホルダブラケット(2)は、一側部が搬送チエン(1)に支持され、他側部がガイドローラ(8)を介してガイドレール(9)に支持される。選別皿(3)は選別物の形態や重量等によって、ホルダブラケット(2)に対する支持位置が偏位することが多いが、このホルダブラケット(2)の外側部にガイドローラ(9)を設けてガイドレール(8)に支持案内させることによって、搬送チエン(1)部の牽引抵抗を小さくした搬送状態を維持する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明は、選別皿(3)の搬送姿勢(A)と排出姿勢(B)の切替が、搬送チエン(1)に配置されるホルダブラケット(2)と、このホルダブラケット(2)に支持される選別皿(3)との間の、選別皿(3)自体にわたって設けられる支持レバー(5)の、バネ(4)による弾発作用によって行われるため、この選別皿(3)の摺動を受けるガイドレール等との間の摩擦抵抗力を無くして、円滑で、振動、騒音等の少ない選別作用を行わせることができ、耐久性を高めることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、選別皿(3)やホルダブラケット(2)は、一側部が搬送チエン(1)に支持され、他側部がガイドローラ(8)を介してガイドレール(9)に支持されるため、選別物の長短、大小等の形態や、重量等に拘らず、搬送チエン(1)部の牽引抵抗を小さくして、円滑で安定した搬送支持を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図面に基づいて、前後のスプロケット11、12間にわたって搬送チエン1が張設されて駆動される。この搬送チエン1に沿って箱型形態のホルダブラケット2が取付けられる。各ホルダブラケット2毎に前後二個宛の選別皿3が配置されて、全体として各選別皿3が鍵盤状に連設される鍵盤型の選別装置10を構成する。そして、搬送チエン1のホルダブラケット2に上下回動自在に枢支した選別皿3には、バネ4を介して弾発される支持レバー5を設け、これらホルダブラケット2と支持レバー5との間には、選別皿3を、選別物を受けて搬送する搬送姿勢Aと、この搬送選別物を外側方へ排出する排出姿勢Bとに係合、離脱して切替可能の係合ピン6と係合ガイド7を形成する。又、前記ホルダブラケット2の搬送チエン1に対する取付側とは反対側に、ガイドレール8に支持案内するガイドローラ9を設ける。
【0009】
前記搬送チエン1は、C型断面のチエンレール13に案内されて駆動される。この搬送チエン1の一側に沿ってリンクピン14により取付ブラケット15が取付けられ、この取付ブラケット15に対して締付具16によりホルダブラケット2が取付けられる。各ホルダブラケット2上部には、前後方向の支持ピン17の周りに上下回動自在の鍵盤型の選別皿3が二個宛設けられる。各前後の選別皿3の間には小間隔18を形成する。又、各ホルダブラケット2の各選別皿3は支持ピン17周りに各別に回動可能の構成である。各選別皿3の支持ピン17の下方部には、支持レバー5が前後方向のレバーピン19周りに回動自在に設けられて、バネ4によって回動付勢される。この支持レバー5は、選別皿3を支持するもので、先端部にレバー支持ピン20を有して、選別皿3の長く突出する側の基部を下側から支持することができる。バネ4はこのレバーピン20を選別皿3の下側へ押圧させるように弾発させている。この支持レバー5の基端側には叩部21を有し、この叩部21をバネ4圧に抗して上方へ押し上げることによって、この係合ガイド7と係合ピン6の係合を解放できる構成としている。この各支持レバー5の基部下には凹状切欠の係合ガイド7が形成されて、この係合ガイド7に対向するホルダブラケット2の側面には係合ピン6を突出し、この支持レバー5のバネ4圧によりこれら係合ガイド7と係合ピン6の係合状態を維持する。各選別皿3は、ホルダブラケット2に対して、前記支持ピン17と、この係合ピン6に対する係合ガイド7の嵌合部とによって支持される形態となる。バネ4圧によって嵌合される係合ピン6と係合ガイド7の嵌合部は、選別皿3上面に選別物を受けることによって、支持レバー5のレバー支持ピン20が押し下げられる。これによって支持レバー5の係合ガイド7がホルダブラケット2の係合ピン6を外方へ押圧Cして、バネ4圧力を受けることによるのと併せて、選別皿3を搬送姿勢Aに維持する。前記係合ピン6はホルダブラケット2に、係合ガイド7は支持レバー5に各々設けた形態としたが、この係合ピン6を支持レバー5に設け、係合ガイド7をホルダブラケット2に設ける形態とすることもできる。
【0010】
前記ホルダブラケット2は、取付ブラケット15に対して着脱可能であるため、メンテナンス性を高めることができる。各ホルダブラケット2の下部には、取付ブラケット15側とは反対側にガイドローラ9を軸ボルト22によって回動自在に取付けて、選別フレームに一体のガイドレール8上に支持案内させる。選別皿3上に載せた選別物の重量は、支持ピン17よりも外側方に偏位した位置に重心位置Gを有することが多く、この重心位置G側直下をガイドローラ9で支持する。
【0011】
前記選別装置10の始端部には供給コンッベア23を設けて、選別物を供給載置することができる。この選別装置10の始端部上方には選別物の大きさを検出する選別カメラ24を設け、この選別カメラ24よりも搬送方向の下手側に選別物を大きさ毎に選別して排出する選別排出装置25を複数配置する。選別カメラ25によって選別物の大きさが検出されると、前記選別皿3を転倒する個数と選別排出位置がコントローラ26で決められて、この個数箇所のソレノイド27の押し叩き時間が決まる。このソレノイド27のコントローラ26からの出力によって叩上体28がその時間にわたって作動されて、所定数の叩部21がバネ4に抗して押し上げられて、搬送姿勢Aの選別皿3を排出姿勢Bへ倒して、選別物を該当する選別排出装置25の位置へ排出することができる。又、前記選別カメラ24は、選別皿3上の選別物を平面視で計測するが、側面視、乃至正面視等で計測して立体的に検出する形態とすることもできる。
【0012】
前記ホルダブラケット2の取付構成は、前記締付具16が、ハンドル30部の基部に円盤状の受座31を設け、この受座31にはクリップ突部32を形成する。この受座31の先端側には適宜の間隔33を形成して、係止片34を設ける。又、ホルダブラケット2の側面部には取付プレート35を設けて、この取付プレート35には前記係合片34を嵌合させる係合穴36を形成する。又、この取付プレート35の該係合穴36の前後両側に係合突子37を形成している。又、前記取付ブラケット15は、平面視コの字状に形成して、リンクピン14によって搬送チエン1のリンクプレート部に取付けられるが、この上部には前記係止片34の嵌合する係合穴38を設け、この係合穴38の上下には前記受座31のクリップ突部32と係合するクリップ穴39を形成している。又、この係合穴38の前後には前記係合突子37と嵌合し合う係合穴40を形成している。これら取付ブラケット15にホルダブラケット2の取付プレート35を嵌合重合することによって、これらの係合穴38と係合穴36が重合一致し、係合穴40に係合突子37が嵌合して、ホルダブラケット2の取付姿勢で搖動しないように固定させる。この取付ブラケット15に取付プレート35を重合させて、これら係合穴38、36に締付具16の係止片34を挿通して、受座31を押し付けながらハンドル30部を略90度回動すると、これら受座31と係止片34との間の間隔部33に取付ブラケット15と取付プレート35を挾持する。そして、受座31の係合突部32がクリップ穴37に係合すると、締付具16の回り止めとなって、締付取付状態を安定させることができる。締付具16の嵌合回動操作によって着脱操作できるため、構成、操作を簡単にすることができる。
【0013】
搬送チエン1を駆動して選別装置10を回転移送状態にする。供給コンベア23によって選別物を選別皿3の上に供給して搬送させる。選別皿3に載せられた選別物が選別カメラ24の位置に達すると、このカメラ24の撮影によって選別物の大きさや、形状等が検出されて、選別排出装置25の位置が指定されると共に、排出作動されるソレノイド27の作動出力時間が指定される。そして、選別物がこの排出指定位置に達すると、このソレノイド27の出力によって搬送姿勢Aにある選別皿3の支持レバー5の叩部21が押し上げられて、係合ピン6と係合ガイド7との係合が外れて、この選別物を載せていた複数の選別皿3が支持ピン17の回りに下方回動されて排出姿勢Bとなって、選別物を排出する。このような排出姿勢Bの状態で搬送終端に至って複行程を搬送されると、選別皿3が自重によって支持ピン17回りに回動されて、逆立水平状態となり、バネ4による張圧力に伴って係合ピン6と係合ガイド7が係合されて、搬送姿勢Aに復帰する。又、このような選別装置の選別皿の支持構成は、選別物を秤量の重量区分ごとに選別排出するウエトサイザにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 選別装置一部の正面図。
【図2】 その作動状態を示す正面図。
【図3】 その平面図。
【図4】 その側面図。
【図5】 そのホルダブラケット部の正面図と、側面図。
【図6】 その支持レバー部の正面図と、平面図。
【図7】 その取付ブラケット部の正面図と、側面図。
【図8】 その締付具部の正面図と、背面図、側面図。
【図9】 選別装置の配置側面図と、ソレノイド出力制御部のブロック図。
【符号の説明】
【0015】
1 搬送チエン
2 ホルダブラケット
3 選別皿
4 バネ
5 支持レバー
6 係合ピン
7 係合ガイド
8 ガイドレール
9 ガイドローラ
10 選別装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送チエン(1)のホルダブラケット(2)に上下回動自在に枢支した選別皿(3)には、バネ(4)を介して弾発される支持レバー(5)を設け、これらホルダブラケット(2)と支持レバー(5)との間には、選別皿(3)を、選別物を受けて搬送する搬送姿勢(A)と、この搬送選別物を外側方へ排出する排出姿勢(B)とに係合、離脱して切替可能の係合ピン(6)と係合ガイド(7)を形成したことを特徴とする選別装置。
【請求項2】
前記ホルダブラケット(2)の搬送チエン(1)に対する取付側とは反対側に、ガイドレール(8)に支持案内するガイドローラ(9)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−44680(P2007−44680A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−254082(P2005−254082)
【出願日】平成17年8月6日(2005.8.6)
【出願人】(599167582)株式会社横崎製作所 (19)
【Fターム(参考)】