説明

選別装置

【課題】駆動機構の脱落部品が被検査体に紛れ込むことなく、袋物の被検査体も安定して選別する。
【解決手段】受け部は、ベルトコンベア上で搬送方向と直交する方向に選別される被検査体Wを受け入れる。選別機構は、ベルトコンベアの両端部を挟み込んで取付部材17に支持される選別ゲート15を有し、選別ゲート15に連結される可動部材19がベルトコンベアの直下に配置され、可動部材19を駆動する駆動手段16が受け部の下方に延出して設けられ、検査結果に応じて被検査体Wを搬送方向又は搬送方向と直交する方向に選別する。ガイド部材9は、ベルトコンベアの両端部から所定間隔をおいてベルトコンベアのベルト面と平行をなし、選別ゲート15の移動をガイドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産ラインの一部に組み込まれ、検査装置(例えば重量検出装置、金属検出装置、X線異物検出装置など)を介して順次搬送される被検査体を、その良否結果に応じて振り分け選別する選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品等を生産する生産ラインには、検査装置(例えば重量検出装置、金属検出装置、X線異物検出装置など)を介して順次搬送される被検査体を、その良否結果に応じて振り分け選別する選別装置が組み込まれている。この種の選別装置としては、良品と判定された被検査体をそのまま搬送路上を通過させ、不良品と判定された被検査体を搬送路外に排出して搬送方向と異なる方向へ選別するものが従来より知られている。
【0003】
ところで、この種の選別装置は、被検査体を搬送する搬送手段として、ローラコンベアを用いたものと、ベルトコンベアを用いたものとに大別される。
【0004】
ローラコンベアを搬送手段として用いた選別装置は、例えば特許文献1に開示されるものが知られている。特許文献1に開示される選別装置は、ローラコンベアのローラ間に取付部を介してタイミングベルトに固定され、このタイミングベルトがモータに連動連結されたプッシャ部材を有している。この選別装置では、モータの駆動により、タイミングベルトを介してプッシャ部材を被検査体の搬送方向と直交する方向に移動させ、ローラコンベアにより搬送されてきた被検査体を搬送ライン外に押し出している。
【0005】
また、ベルトコンベアを用いた選別装置としては、例えば特許文献2に開示されるものが知られている。この特許文献2に開示される選別装置は、装置の高さ方向に延出する支持部材にエアシリンダが支持され、このエアシリンダにリンク機構を介して接続される押出し部材を有している。この選別装置では、エアシリンダの駆動により、押出し部材を被検査体の搬送方向と直交する方向に移動させ、ベルトコンベアにより搬送されてきた被検査体を搬送ライン外に押し出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−048345号公報
【特許文献2】特開2007−055732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したローラコンベアを用いた特許文献1の選別装置では、例えば小麦粉などの業務用製品を袋詰めした袋物を被検査体とした場合、搬送時に袋の底部がローラ間に挟み込まれると、この挟み込まれた袋の底部をローラの表面上に押し上げる力がないため、ローラがから回りして被検査体を搬送することができず、商品排出モータにも負荷がかかるという問題があった。
【0008】
これに対し、ベルトコンベアを用いた特許文献2の選別装置では、上述した袋物の被検査体を搬送することはできるが、エアシリンダやリンク機構からなる駆動機構を支持部材の側面に取り付けてベルトコンベアの上方に設けた構成なので、構造が複雑化するだけでなく、駆動機構の部品が脱落した場合には、脱落した部品がベルトコンベア上を搬送される被検査体に紛れ込む恐れがあった。
【0009】
しかも、ベルトコンベアは、ローラコンベアに比べて寸法精度が出にくく、被検査体を搬送している際に、蛇行などによってベルトコンベアと押出部材との間の隙間が変わる。そして、この隙間が小さくなると、押出部材がベルト面に衝突し、安定した押出動作が行えないという問題があった。また、選別する被検査体の種類(大きさや重心の異なる製品)によっては安定した押出動作が行えないという問題があった。例えば押出部材の押出位置よりも高い位置に重心がある被検査体を選別する場合、押出部材が被検査体の重心より低い位置を押し出すことになり、選別時に被検査体を転倒させる恐れがあった。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、構造の簡素化が図れ、駆動機構の脱落部品が被検査体に紛れ込むこともなく、袋物の被検査体も安定して選別することができる選別装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された選別装置は、被検査体Wを搬送するベルトコンベア4と、
前記ベルトコンベアに隣接して配置され、該ベルトコンベア上で前記被検査体の搬送方向と直交する方向に選別される前記被検査体を受け入れる受け部10と、
前記ベルトコンベアの搬入側及び搬出側の両端部を挟み込むように取付部材17に支持される矩形状の選別ゲート15を有し、前記取付部材を介して前記選別ゲートに連結される可動部材19が前記ベルトコンベアの下方に配置され、前記被検査体の搬送方向と直交する方向に前記可動部材を駆動して前記選別ゲートを往復移動させる駆動手段16が前記受け部の直下に延出して設けられ、検査結果に応じて前記被検査体を前記搬送方向又は該搬送方向と直交する方向に選別する選別機構14と、
前記ベルトコンベアの搬入側及び搬出側の両端部から所定間隔をおいて前記ベルトコンベアのベルト面と平行に設けられ、前記選別ゲートの移動をガイドするガイド部材9とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2の選別装置は、請求項1の選別装置において、
前記ベルトコンベア4の少なくとも搬入側の端部に設けられるガイド部材9aがローラ部材からなることを特徴とする。
【0013】
請求項3の選別装置は、請求項2の選別装置において、
前記ローラ部材が前記ベルトコンベア4と連動することを特徴とする。
【0014】
請求項4の選別装置は、請求項1の選別装置において、
前記選別ゲート15が高さ調整可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、搬送手段としてベルトコンベアを用い、被検査体が搬送されるベルトコンベアの下側に選別機構の駆動手段を備えた構成なので、構成の簡素化が図れ、駆動手段の脱落部品が被検査体に紛れ込むこともなく、袋物の被検査体も安定して選別することができる。また、ベルトコンベアの両端部から所定間隔をおいてガイド部材を設けた構成なので、選別ゲートの移動をガイドでき、しかも、選別ゲートの不良品搬送方向への往復移動に伴う作業従事者の衣類や手などの引込みを阻止することができる。
【0016】
また、搬入側のガイド部材をローラ部材で構成すれば、検査装置からの被検査体の乗り継ぎを円滑にできる。また、搬入側のローラ部材をベルトコンベアと連動させれば、検査装置からの被検査体をより円滑に取り込んで搬入することができる。
【0017】
さらに、選別ゲートを高さ調整可能な構成とすれば、例えば蛇行などによってベルトコンベアと選別ゲートとの間の隙間が変わっても、その状況に応じて隙間を調整することができる。これにより、選別ゲートをベルト面に衝突させずに安定した選別動作が行え、大きさや重心の異なる被検査体の選別にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る選別装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る選別装置を含む生産ラインの一部を示す平面図である。
【図3】本発明に係る選別装置を含む生産ラインの一部を示す正面図である。
【図4】本発明に係る選別装置を含む生産ラインの一部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。尚、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などによりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれる。
【0020】
図1は本発明に係る選別装置の外観を示す斜視図、図2は同選別装置を含む生産ラインの一部を示す平面図、図3は同選別装置を含む生産ラインの一部を示す正面図、図4は同選別装置を含む生産ラインの一部を示す側面図である。
【0021】
なお、本明細書において、「選別位置」は不良品の被検査体が選別機構により選別動作される位置、「初期位置」は選別機構による不良品の被検査体の選別動作時に、被検査体に当接して搬送路外に排出させる部材である選別ゲートの移動が開始される位置であるとともに良品の被検査体をそのまま通過させるために選別ゲートが待機する位置、「押出位置」は選別機構による不良品の被検査体の選別動作時に移動した選別ゲートが被検査体を選別装置のコンベアから押し出し切った位置としてそれぞれ定義する。
【0022】
また、被検査体の搬送方向として、「良品搬送方向」とは検査装置により良品と判定された被検査体が搬送される方向(本形態では、検査装置からの被検査体の搬送方向と同方向)であり、「不良品搬送方向」とは検査装置により不良品として判定された被検査体が搬送される方向(本形態では、検査装置からの被検査体の搬送方向と直交する方向)としてそれぞれ定義する。
【0023】
本発明に係る選別装置は、生産ラインの一部に組み込まれ、上流側に配置される検査装置(例えば被検査体の重量を検出する重量検出装置、被検査体の金属混入の有無を検出する金属検出装置、被検査体の異物混入の有無を検出するX線異物検出装置など)を介して順次搬送される被検査体を検査結果(良否結果)に応じて選別するものである。
【0024】
選別装置1は、図2及び図3に示すように、生産ラインにおいて、例えば重量検出装置、金属検出装置、X線異物検出装置などの検査装置30と、検査装置30で良品と判定された被検査体Wを不図示の後処理装置に搬送する後処理搬送手段40との間に介在して配置される。
【0025】
なお、検査装置30は、例えばボタン操作やスイッチ操作により検査開始が指示されると、被検査体Wを順次搬入して所定の検査を実行し、選別装置1に対し、運転開始命令を出力するとともに、検査終了を起点として予め被検査体W毎に設定される選別タイミング信号を検査結果(判定情報)とともに出力している。
【0026】
図1に示すように、選別装置1は、良品搬送方向Aの両端部に傾斜面を有し、平面視して矩形状に開口した枠状のフレーム2を基部としている。フレーム2は、高さ調整が可能な複数(図1の例では、フレーム2の四隅に4本)の支持脚3によって床面に支持固定される。なお、各支持脚3間には、それぞれ円柱状の補強部材3aが架設されている。
【0027】
フレーム2の上部には、開口からベルト面4aが露出するように搬送手段としてのベルトコンベア4が設けられている。ベルトコンベア4は、駆動ローラ5と従動ローラ6との間に無端状のベルト7が掛け回されている。駆動ローラ5は、フレーム2の外側に設けられた駆動手段としてのモータ8に連動連結されている。ベルトコンベア4は、後述する制御手段18の制御に基づくモータ8の駆動により駆動ローラ5が回転すると、それに伴ってベルト7が一方向に回転し、検査を終えた検査装置30からの被検査体Wを搬入している。
【0028】
フレーム2の長手方向(良品搬送方向A)の両端部には、ローラ部材からなるガイド部材9がベルトコンベア4のベルト面と平行に設けられている。図1〜図3に示すように、ガイド部材9は、駆動ローラ5と従動ローラ6のそれぞれから所定間隔をおいてフレーム2の長手方向の両端部に回動可能に軸支されている。
【0029】
ベルトコンベア4の短手方向(不良品搬送方向B)の外側には、後述する選別機構14で選別された被検査体Wを受け入れる受け部10が設けられている。受け部10は、図4に示すように、高さ調整が可能な複数(図4の例では、フレーム12の四隅に4本)の支持脚11によって床面に支持固定されるフレーム12に対し、良品搬送方向Aに平行で、ベルトコンベア4のベルト面4aと略同一高さに列設された回動自在な複数のローラ部材13を備えている。受け部10は、ベルトコンベア4に隣接して不良品搬送方向B側に配置され、後述する選別機構14の選別により不良品搬送方向Bに搬送される被検査体Wを受け入れている。また、受け部10の各ローラ部材13は、図4に示すように、フレーム12の両側面の取付溝12aに対して着脱可能に取り付けられる。
【0030】
フレーム2には、検査装置30で不良品と判定された被検査体Wを不良品搬送方向Bに選別するための選別機構14が設けられている。選別機構14は、選別ゲート15と駆動手段16を備えている。
【0031】
選別機構14は、選別ゲート15が図1〜図4に示す位置にある状態を初期位置とし、後述する制御手段18の制御に基づく駆動手段16の駆動により、被検査体Wの搬送方向と直交する方向、すなわち不良品搬送方向Bに往復移動可能とされている。
【0032】
選別ゲート15は、被検査体Wに当接して被検査体Wを搬送路外に排出させるための部材であり、ベルトコンベア4のベルト長をカバーする矩形状のブロックで構成される。選別ゲート15は、図1及び図3に示すように、選別機構14の可動部材19に固定されるL字状の取付部材17に対し、両端部がベルトコンベア4の搬入側及び搬出側の両端部を挟み込むようにして高さ調整可能に支持されている。さらに説明すると、図示の例では、選別ゲート15の両端部の上下2箇所に取付軸15aが設けられ、この取付軸15aを取付部材17の長穴17aに挿通し、選別ゲート15の底面15bとベルトコンベア4のベルト面4aとの間の隙間Sを調整した後、取付軸15aがナット締めされる。
【0033】
駆動手段16は、例えば空気圧又は油圧による駆動シリンダ、ステッピングモータ等のアクチュエータで構成される。駆動手段16の可動部分は、不図示の可動軸(駆動シリンダではロッド、ステッピングモータではモータの回転力を直進方向に変換する動力伝達機構を介して接続される軸)の先端に矩形状のブロックの連結部材が固定されたT字状の可動部材19からなる。この可動部材19は、連結部材に取付部材17が固定されることで、取付部材17を介して選別ゲート15に連結される。駆動手段16は、可動部材19がベルトコンベア4の下方を往復移動(可動軸が進退移動)するように、可動軸の基端(根元部分)を受け部10と対向するフレーム2の側面に取り付けて可動部材19をベルトコンベア4の下方に配置し、固定部分をフレーム2の側面から受け部10の直下に延出して配置するようにしている。駆動手段16は、図3に示す2本のガイド軸16aに沿って不図示の可動軸を不良品搬送方向Bに往復移動する。これにより、駆動手段16は、自身の駆動力を不図示の可動部材から取付部材17を介して選別ゲート15に伝達し、選別ゲート15を所定の可動範囲(ベルトコンベア4のベルト幅に相当)内で往復移動させる。
【0034】
駆動手段16は、検査装置30で不良品と判定された被検査体Wに対し、検査装置30からの選別タイミング信号により、初期位置を基準として不図示の可動部材を駆動させて選別ゲート15を不良品搬送方向Bに往復移動させる。また、駆動手段16は、検査装置30で良品と判定された被検査体Wに対し、後述する制御手段18からの待機信号により、不図示の可動部材を駆動させずに選別ゲート15を初期位置で待機させる。さらに、駆動手段16は、後述する制御手段18から選別中断信号が入力されると、可動部材19の駆動を中止して選別動作を中断する。
【0035】
制御手段18は、例えばCPUやROM、RAMなどのマイクロコンピュータで構成され、選別装置1を構成する各部を統括制御している。すなわち、制御手段18は、検査装置30からの運転開始命令、選別タイミング信号、検査結果を示す判定情報(良品判定情報、不良品判定情報)に基づき、搬送手段としてのベルトコンベア4や選別機構14の駆動を制御している。
【0036】
制御手段18は、例えば装置の清掃や被検査体Wの噛み込みによる非常停止などで、不図示の停止ボタンや停止スイッチが操作されて停止の指示が入力されると、運転を停止するべく、搬送手段としてのベルトコンベア4を駆動するモータ8を停止制御するとともに、駆動手段16に選別中断信号を出力している。
【0037】
そして、上記のように構成された選別装置1では、検査装置30から運転開始命令を受けると、制御手段18は、運転を開始するべく、モータ8を制御して搬送手段としてのベルトコンベア4を駆動し、検査を終えた検査装置30からの被検査体Wをベルトコンベア4に搬入させ、検査装置30からの選別タイミング信号及び判定情報に応じて駆動手段16の駆動を制御する。
【0038】
具体的に、制御手段18は、検査装置30から検査結果として良品判定情報が入力されると、駆動手段16に待機信号を出力する。これにより、良品として判定された被検査体Wがベルトコンベア4を通過して後処理搬送手段40に搬送されるまで選別ゲート15が初期位置に待機した状態に制御される。
【0039】
これに対し、制御手段18は、検査装置30から検査結果として不良品判定情報が入力されると、検査装置30からの選別タイミング信号により駆動手段16の駆動を制御する。これにより、不良品として判定された被検査体Wが選別位置に達したときに駆動手段16が選別ゲート15を引込み、選別ゲート15を初期位置から不良品搬送方向Bに所定ストロークだけ往復移動させ、被検査体Wが受け部10に排出される状態に制御される。この選別ゲート15の往復移動の際には、フレーム2の長手方向(良品搬送方向A)の両端部に設けられたガイド部材9が選別ゲート15の移動をガイドするとともに、選別ゲート15の不良品搬送方向Bへの往復移動に伴う作業従事者の衣類や手などの引込みを阻止する。
【0040】
このように、本例の選別装置1は、搬送手段としてベルトコンベア4を用い、被検査体Wが搬送されるベルトコンベア4の下側に駆動機構(駆動手段16)を備えた構成なので、特許文献2に開示される選別装置と比較して、構成の簡素化が図れるとともに、駆動機構の脱落部品が被検査体Wに紛れ込むこともなく、袋物の被検査体も安定して選別することができる。
【0041】
また、フレーム2の長手方向(良品搬送方向A)の両端部にベルトコンベア4から所定間隔をおいてガイド部材9を設けた構成なので、選別ゲート15の移動をガイドできるとともに、選別ゲート15の不良品搬送方向Bへの往復移動に伴う作業従事者の衣類や手などの引込みを阻止することができる。
【0042】
さらに、取付部材17を介して選別ゲート15を往復移動させるための駆動手段16は、不良品と判定された被検査体Wを受け入れる受け部10の下部に邪魔にならないように効率的に配置することができる。その際、受け部10として、ローラコンベアを採用し、図4に示すように、ローラ部材13がフレーム12に対して着脱可能な構成とすれば、ローラ部材13を取り外して清掃を行うことができる。
【0043】
また、選別ゲート15の高さ調整が可能な構成なので、例えば蛇行などによってベルトコンベア4と選別ゲート15との間の隙間Sが変わっても、その状況に応じて隙間Sを調整することができる。これにより、選別ゲート15をベルト面4aに衝突させずに安定した選別動作が行え、大きさや重心の異なる被検査体Wの選別にも対応することができる。
【0044】
ところで、上述した実施の形態では、ガイド部材9を回動自在なローラ部材で構成した例について説明したが、この構成に限定されるものではない。すなわち、ガイド部材9は、選別ゲート15の移動をガイドするとともに、選別ゲート15の不良品搬送方向Bへの往復移動に伴う作業従事者の衣類や手などの引込みを阻止する構成であれば良く、例えば円柱部材や板状部材で構成し、ベルトコンベア4のベルト面4aに並設しても良い。
【0045】
また、ガイド部材9をローラ部材で構成した場合には、搬入側のローラ部材9a及び搬出側のローラ部材9bの両方を回動可能にするのが好ましいが、検査装置30からの被検査体Wの乗り継ぎを円滑にするため、搬入側のローラ部材9aのみを回動可能な構成にしても良い。
【0046】
さらに、ガイド部材9をローラ部材で構成した場合、ベルトコンベア4と連動して少なくとも一方のローラ部材(9a及び/又は9b)を回転する構成としても良い。そして、搬入側のローラ部材9aをベルトコンベア4と連動させれば、検査装置30からの被検査体Wを円滑に取り込んで搬入することができる。また、搬入側のローラ部材9a及び搬出側のローラ部材9bをベルトコンベア4と連動させれば、検査装置30からの被検査体Wを円滑に取り込んで搬入するとともに、検査装置30で良品と判定された被検査体Wを円滑に後処理搬送手段40に受け渡して搬出することができる。
【0047】
また、上述した実施の形態では、取付部材17の高さ調整が行えるように、選別機構14の可動部材19に固定される取付部材17の長穴17aに選別ゲート15の取付軸15aを挿通してナット締めする構成として説明したが、図示の構成に限定されるものではない。すなわち、選別ゲート15は、底面15bとベルトコンベア4のベルト面4aとの隙間Sが調整できる構成であれば良く、例えば取付部材17の長穴17aに所定間隔おきに溝を設けて選別ゲート15の高さを段階的に調整することもできる。また、例えばモータ駆動により選別ゲート15と取付部材17とを相対的に移動させて隙間Sを自動調整する構成であっても良い。
【0048】
さらに、上述した実施の形態では、受け部10として、フレーム12に対して着脱可能なローラ部材13を有するローラコンベアを採用した例について説明したが、これに限定されるものではない。受け部10は、選別機構14の選別ゲート15によって不良品搬送方向Bに引き込まれる被検査体Wを床面に落下させずに受け入れる構成であれば良く、ベルトコンベア、板状部材、クッション材などで構成することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 選別装置
2 フレーム
3 支持脚
3a 補強部材
4 ベルトコンベア
4a ベルト面
5 駆動ローラ
6 従動ローラ
7 ベルト
8 モータ(駆動手段)
9(9a,9b) ガイド部材
10 受け部
11 支持脚
12 フレーム
13a 取付溝
13 ローラ部材
14 選別機構
15 選別ゲート
15a 取付軸
15b 底面
16 駆動手段(駆動機構)
17 取付部材
17a 長穴
18 制御手段
19 可動部材
30 検査装置
40 後処理搬送手段
A 良品搬送方向
B 不良品搬送方向
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体(W)を搬送するベルトコンベア(4)と、
前記ベルトコンベアに隣接して配置され、該ベルトコンベア上で前記被検査体の搬送方向と直交する方向に選別される前記被検査体を受け入れる受け部(10)と、
前記ベルトコンベアの搬入側及び搬出側の両端部を挟み込むように取付部材(17)に支持される矩形状の選別ゲート(15)を有し、前記取付部材を介して前記選別ゲートに連結される可動部材(19)が前記ベルトコンベアの下方に配置され、前記被検査体の搬送方向と直交する方向に前記可動部材を駆動して前記選別ゲートを往復移動させる駆動手段(16)が前記受け部の直下に延出して設けられ、検査結果に応じて前記駆動手段を駆動することにより前記被検査体を選別する選別機構(14)と、
前記ベルトコンベアの搬入側及び搬出側の両端部から所定間隔をおいて前記ベルトコンベアのベルト面と平行に設けられ、前記選別ゲートの移動をガイドするガイド部材(9)とを備えたことを特徴とする選別装置。
【請求項2】
前記ベルトコンベア(4)の少なくとも搬入側の端部に設けられるガイド部材(9a)がローラ部材からなることを特徴とする請求項1記載の選別装置。
【請求項3】
前記ローラ部材が前記ベルトコンベア(4)と連動することを特徴とする請求項2記載の選別装置。
【請求項4】
前記選別ゲート(15)が高さ調整可能であることを特徴とする請求項1記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−200618(P2012−200618A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64506(P2011−64506)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】