説明

選択された光沢レベルに対応する乾式トナーを生成するためのシステム及び方法

【課題】トナーの光沢レベルを調整できるようにする。
【解決手段】トナー生成システム100は、第1の光沢レベルに対応する第1トナーの備蓄を保持する第1備蓄容器102と、第2の光沢レベルに対応する第2トナーの備蓄を保持する第2備蓄容器104と、第1トナーと第2トナーの混合物を保持するためのターゲット容器106と、を備える。第1備蓄容器102及び第2備蓄容器104から第1トナー及び第2トナーをそれぞれターゲット容器106へと搬送するために、それぞれ搬送システム108が、設けられる。各搬送システム108は、通路110と、対応する備蓄容器102又は104からターゲット容器106へと搬送されるトナーの量を制御するための少なくとも1つの搬送制御装置112とを備える。ターゲット容器106は、当該ターゲット容器106へと送られてきた第1トナーと第2トナーとを乾式混合する混合装置114を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択された光沢レベルに対応する乾式トナーを生成するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル印刷の出現により、所望の出力結果を得るために印刷の様々な側面の調整を行うことができることが当たり前となっている。出力結果の光沢レベルは、所望の光沢レベルに対応するトナーを用いることにより制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−175038号公報
【特許文献2】特開2009−058730号公報
【特許文献3】特開2002−278359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、トナーに対応する光沢レベルは、インクの設計の最初におけるインクのポリマーの選択によって変わってくる。このようなことから、ユーザが、ジョブごとに光沢レベルを調整することはできない。トナーに対応する光沢レベルを調整する他の方法として、印刷出力結果を覆うコーティング(被覆層)を用いることにより光沢を上げたり下げたりする方法がある。コーティングを行うには、インク上に別の層を付加する必要があり、コストが上昇すると共に、制約が増える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、光沢レベルを選択可能なトナーを生成する方法に関する。この方法は、第1トナーを保持することと第2トナーを保持することを含む。第1トナーは粒子から形成され、相対的に低いある光沢レベルに対応し、少なくとも2つの粒子特性(プロパティ)を有し、それら少なくとも2つの粒子特性は、それぞれ第1特徴及び第2特徴を有する。第2トナーは、粒子から形成され、相対的に高いある光沢レベルに対応し、少なくとも2つの粒子特性を有し、それら少なくとも2つの粒子特性は、それぞれ第3特徴及び第4特徴を有する。第1特徴と第3特徴とは実質的に同一であり、第2特徴と第4特徴とは実質的に同一であり、これにより第1トナーと第2トナーとを混合した場合にできる第3トナーが実質的に均質な混合物となるようにすることができる。この生成方法は、更に、第1トナー及び第2トナーを搬送すること、及び第1トナーと第2トナーとを混合して、前記低い光沢レベルと前記高い光沢レベルとの間の、ある選ばれた光沢レベルに対応する第3トナーを生成するための、第1トナーと第2トナーの体積の比を判定すること、を含む。最後に、この生成方法は、搬送される前記第1トナー及び前記第2トナーの体積の比が前記判定された比に対応するものとなるよう、前記第1トナー及び前記第2トナーの搬送を制御すること、及び搬送された前記第1トナーと前記第2トナーとを混合して第3トナーを生成すること、を含む。
【0006】
本明細書は、プリンタ装置の現像ユニットにも関連する。現像ユニットは、粒子からなる第1トナーを保持する第1容器(レセプタクル)を備える。第1トナーは、相対的に低い光沢レベルに対応しており、少なくとも2つの粒子特性を有し、それら少なくとも2つの粒子特性は、それぞれ第1特徴及び第2特徴を有する。また現像ユニットは、更に粒子からなる第2トナーを保持する第2容器を備える。第2トナーは、相対的に高い光沢レベルに対応しており、少なくとも2つの粒子特性を有し、それら少なくとも2つの粒子特性は、それぞれ第3特徴及び第4特徴を有する。第1特徴と第3特徴、第2特徴と第4特徴は、実質的に同一であり、これにより第1トナーと第2トナーとを混合して第3トナーを生成し、実質的に均質な混合物を形成することができる。現像ユニットは、前記第1トナー及び前記第2トナーを搬送するための搬送システムと、前記第1トナーと前記第2トナーとを混合して前記第3トナーを生成するための少なくとも1つの混合装置と、搬送される前記第1トナーの体積と搬送される前記第2トナーの体積との比が、前記低い光沢レベルと前記高い光沢レベルとの間のある選ばれた光沢レベルに対応する第3トナーに関して選択されるように前記搬送を制御するコントローラと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】光沢レベルが選択可能なトナーを生成するトナー生成システムの例を示す図である。
【図2】図1に示したトナー生成システムのコントローラが実行する方法の例を示すフロー図である。
【図3】光沢レベルが選択可能なトナーを生成する印刷装置の例を示すブロック図である。
【図4】図3に示した印刷装置の現像ユニットを、当該現像ユニットの筐体を切り取った状態で示した斜視図である。
【図5】図4に示した現像ユニットの混合及び充填装置と粒子搬送装置の例の端面図である。
【図6】図4及び図5に示した現像ユニットの搬送システムの例を示すブロック図である。
【図7】光沢レベルが選択可能なトナーを生成する印刷装置の別の例を示すブロック図である。
【図8】印刷ジョブのために光沢レベルが選択可能なトナーを用いる印刷装置で実行される手順の例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
まず図1には、この実施形態における、光沢レベルが選択可能なトナーを生成するためのシステムの例が示されており、これが包括的にトナー生成システム100として示されている。トナー生成システム100は、第1の光沢レベルに対応する第1トナーの備蓄を保持する第1備蓄容器102と、第1の光沢レベルとは異なる第2の光沢レベルに対応する第2トナーの備蓄を保持する第2備蓄容器104と、第1トナーと第2トナーの混合物を保持するためのターゲット容器106と、を備える。第1備蓄容器102及び第2備蓄容器104から第1トナー及び第2トナーをそれぞれターゲット容器106へと搬送するために、それぞれ搬送システム108が、設けられる。各搬送システム108は、通路110と、対応する備蓄容器102又は104からターゲット容器106へと搬送されるトナーの量を制御するための少なくとも1つの搬送制御装置112とを備える。ターゲット容器106は、当該ターゲット容器106へと送られてきた第1トナーと第2トナーとを乾式混合することで、第1トナー及び第2トナーを均質な混合物へと変換する混合装置114を備える。
【0009】
トナー生成システム100は、少なくとも1つの入力/出力(I/O)インタフェース118を備えるコントローラ116を更に備える。入力/出力インタフェース118は、目標光沢レベルを含むデータ入力を受け取り、少なくとも1つの搬送制御装置112に対して、第1備蓄容器102及び第2備蓄容器104のおのおのからターゲット容器106へと搬送される第1トナーと第2トナーの量と相対的な比率とを制御するための制御信号を出力する。更に、コントローラ116は、必要なときに必要な程度まで、混合装置114を制御して、ターゲット容器106内の材料を乾式混合するようにしてもよい。
【0010】
この例では、第1及び第2のトナーは、共に乾燥(乾式)粒子から成っている。乾式混合された場合に混合結果の混合物が均質になるようにするために、例えば、混合後すぐ、又は時間がたつにつれて、混合結果の混合物の中でそれら粒子が互いに分離することがないようにするために、それら粒子はあるいくつかの特性については実質的に同等でなければならない。特に、均質な混合のためのいくつかの乾燥粒子特性の基準(条件)が満たされなければならない。第1に、第1トナーと第2トナーの粒子サイズ分布が実質的に等しくなければならない。この条件は、第1トナー及び第2トナーの製造時に実現してもよい。例えば、トナー製造プラントにて、ある選ばれた粒子のサイズ及びサイズ分布をもつ第1トナー及び第2トナーを製造するために製造プロセスを制御し、ここで、粒子サイズと粒子分布を第1トナーと第2トナーとの間で実質的に同じになるように選択するなどすればよい。これには、例えば、第1トナー及び第2トナーを製造するための従来の方法及び/又は化学的な方法を用い、粉砕機、分級機、化学反応器、プロセスの設定値(目標値)などといった処理設備及び処理特性を制御すればよい。
【0011】
第2に、第1及び第2のトナーの潜在的な摩擦電気の分布(potential trioelectric distribution)が実質的に等しくなければならない。このことは、プロセス段階でのプロセスの設定値及びトナーの配合(製法)を選択すること、例えば、樹脂の種類、色素(顔料)の種類、外添剤の種類及び量、内添剤とその量などを選択することにより達成される。第3に、すべての外添剤の種類及び量が実質的に等しくなければならない。外添剤とは、トナー粒子に対して(摩擦等により)機械的に付着した添加剤のことであり、トナー粒子内に一体化されている内添剤とは対照的である。外添剤は、除去及び再付着をしやすく、これにより、接触しているトナー粒子と相互作用を起こし得る。すべての外添剤が実質的に同じ種類及び同じ量であるとの条件は、これらの相互作用を最小限にする。最後に、第1及び第2のトナーが乾式混合段階で帯電する処理の中のどのような処理についても、その処理の中で起こる摩擦帯電は、第1トナーと第2トナーとで実質的に同等の比率で生じなければならず、したがって第1トナーと第2のトナーとが乾式混合段階のいかなる段階でも実質的に同等の摩擦電気を有するようにしなければならない。
【0012】
第1及び第2備蓄容器102及び104は、乾いた粒子からなるトナーを保持するように構成されている。第1及び第2備蓄容器102及び104は、それぞれ、乾いた粒子を保持するよう構成された開放式又は密閉式の容器を形成する筐体130を備える。図1に示すように筐体130が密閉式の容器である場合、混合動作の前、及び/又は、混合動作の間に外部の供給源からトナーを受け取るための口132が筐体130に設けられる。口132は、弁、又はカバー133、又は口132を閉じるため即ち備蓄容器102又は104へのトナーの流入を制御するための、弁やカバーの等価物を備えていてもよい。
【0013】
各筐体130は、それぞれ、対応する備蓄容器102及び104に保持されたトナーを搬送システム108へと排出するための排出ポート134を更に備える。排出ポート134には、当該排出ポート134を開閉するための弁135又はこれと等価なもの(例えばカバーや弁など)が設けられてもよく、これにより、対応する備蓄容器102又は104から搬送システム108へのトナーの排出を制御するようにしてもよい。排出ポート134には、更に、乾燥粉末ポンプ137又はその等価物を設け、これによりトナーを搬送システム108へ排出するのを補助し、排出速度を制御するようにしてもよい。弁135とポンプ137は、少なくとも1つの搬送制御装置112の一部であると捉えられる。少なくとも1つの搬送制御装置112は、コントローラ116により制御されるものであり、後で詳しく説明する。第1及び第2備蓄容器102及び104は、例えば、ターゲット容器106の情報に配置し、第1及び第2トナーの搬送システム108への排出が重力により補助されるようにしてもよい。この場合、ポンプ137はなくてもよい。
【0014】
ターゲット容器106は、乾いた粒子からなるトナーを保持するように構成されている。ターゲット容器106は、乾いた粒子を保持するよう構成された開放型又は密閉型の容器を構成する筐体140を備える。図1に示すように、筐体140が密閉型の容器を構成している場合、筐体140には、少なくとも1つの口142が設けられており、ターゲット容器106は、混合装置114を用いる混合処理の間、その口142を通して搬送システムからトナーを受け取る。口142には、弁やカバーなどの取り込み装置143を設け、これによりターゲット容器106へ入るトナーの流れを制御してもよいし、また、口142に、ファン、オーガー、ポンプなどといったトナーをターゲット容器106内に引き込む装置、及び/又は負の空気圧を発生させる装置を設けてもよい。取り込み装置143は、コントローラ116により制御される少なくとも1つの搬送制御装置112の一部であると捉えられ、このような搬送制御装置112については後で詳しく説明する。
【0015】
ターゲット容器106には、更に導管152を介して貯蔵容器150に流体的に連通(すなわち流体が流れるように繋がっていること)した排出ポート144を備えていてもよい。排出ポート144は、弁、カバー、ポンプ、及び/又はこれらの等価物のような流量制御手段145を備えていてもよく、これにより、ターゲット容器106から貯蔵容器150へのトナー混合物の排出を制御するようにしてもよい。流量制御手段145は、ターゲット容器106内で混合された均質なトナーの混合物が、ターゲット容器106から貯蔵容器150へと流れ込むことができるよう、コントローラ116により制御される。貯蔵容器150を、ターゲット容器106の物理的に下方に配置するようにし、貯蔵容器に流れ込む均質なトナー混合物の流れが少なくとも部分的には重力で補助されるようにしてもよい。貯蔵容器150へのトナー混合物の流れは、連続的なものであってもよいし、バッチ(かたまり)ごとに分けてもよい。
【0016】
ターゲット容器106は、少なくとも1つの乾燥(乾式)粒子混合装置114を備えており、この装置114により、当該ターゲット容器106内の第1及び第2トナーの粒子を混合し、第1及び第2トナーから構成される均一なトナー混合物を生成する。乾燥粒子混合装置114は、当該分野においてよく知られており、例えば、ターゲット容器106を鑑定させる手段、1つ又は複数のオーガー、1つ又は複数のブレンダー、筐体140の内壁に負ルーティング(縦溝)を設けること、及び/又はトナーに当たるような気流をターゲット容器106内に発生させること、等の例がある。この混合は、それら粒子を混合するのに十分な低い強度で行われるものであり、粒子自体を変化させるほど強いものではない。
【0017】
コントローラ116は、プロセッサ、データ通信機能及びデータ格納装置へのアクセス能力を備えた計算装置である。コントローラ116は、例えば、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、パーソナルコンピュータ、モバイル機器(例えば、PDAや携帯電話機)、ラップトップ又はノート型コンピュータ、サーバなどであってもよい。コントローラ116は、更にI/O(入出力)インタフェース118を備え、このI/Oインタフェースは、当該コントローラ116が制御する機器との接続インタフェースとなるとともに、ユーザや他の処理装置(プロセッサ)などからの入力を受け取る。I/Oインタフェース118とデータ通信するユーザインタフェース(UI)120を設けてもよい。UI120は、コントローラ116に一体化されていてもよいし、コントローラ116に対してデータ通信可能な形で外付けとしてもよい。UI120は、例えば、キーパッドなどのデータ入力装置(図示省略)、ダイヤル又はレバー、グラフィカル・ユーザインタフェース(GUI)(図示省略)、及び/又は、LEDスクリーンやコンピュータモニタなどの表示装置(図示省略)を備えていてもよい。
【0018】
図1及び以上の関連の説明は、自動搬送を行うシステムについてのものであったが、第1及び第2トナーの搬送は部分的に又は全面的に手動により行ってもよい。測定された第1及び第2トナーが手作業でターゲット容器106に入れられ、この容器内でそれら第1及び第2トナーが混合装置114により混合されるようにしてもよい。このような手作業でのトナー注入は、例えば、バケツのような、粉末又は液体の運搬用に構成された容器を用いて行ってもよい。
【0019】
図2を参照して、コントローラ116及びトナー生成システムの動作を説明する。コントローラ116のプロセッサは、図2に示した手順を実行するためのソフトウエアモジュールを実行する。このソフトウエアモジュールは、コントローラ116のプロセッサにより実行され得る、一連のプログラマブル命令を含む。この一連のプログラマブル命令は、RAM、ハードディスク、CD、スマートカード、3.5インチディスケットなどといったコンピュータ読み取り可能な媒体に格納してもよいし、伝送信号により送信されてもよく、このようにすることで、これら一連の命令は、この明細書で説明する様々な機能を実行するようプロセッサにより実行され、この明細書にしたがってある技術的な効果を奏する。そのソフトウエアモジュールの様々な機能は、1つのモジュールにまとめられていてもよいし、複数のモジュールの組み合わせに分散されていてもよい。
【0020】
ステップ202では、コントローラ116は、光沢調整トナー生成(GGTT: generate gloss-tuned toner)リクエストを受け取る。GGTTリクエストは、例えばユーザから、例えばUI120を介して受け取られるか、又は、他のプロセッサから、例えばI/Oインタフェースを介して受け取られる。GGTTリクエストは、目標光沢レベル及び量レベルの情報を含む。もし、それらレベルのどちらかがGGTTリクエストに指定されていない場合には、(例えば管理者により選択された)デフォルト値が用いられる。目標光沢レベルは、ターゲット容器106内で第1及び第2トナーを組み合わせることにより生成される均質なトナー混合物に対応する光沢レベルの目標値を示す。量レベルは、生産すべき、その目標光沢レベルに対応する均質なトナー混合物の量を示す。
【0021】
ステップ204では、コントローラ116は、第1及び第2の備蓄容器102及び104からそれぞれ制御された量の第1及び第2の光沢(のトナー)をターゲット容器106へと搬送するよう、搬送制御装置112を制御する。第1及び第2の光沢(のトナー)についての「制御された量」は、搬送される第1及び第2トナーの合計がGGTTリクエストで指定された量の均質なトナー混合物となり、搬送される第1トナーと第2トナーとの比がその均質なトナー混合物に対応する目標光沢レベルとなるように定められる。第1及び第2トナーは、要求された合計量の搬送が完了するまで、その定められた比にしたがって、連続的に、又はバッチ(かたまり)ごとに分けて、搬送してもよい。均質なトナー混合物の合計量が貯蔵容器150の容量を超える場合、いっぱいになったその貯蔵容器150の中身を別の容器にあけるか、又はその容器150を取り外して別の貯蔵容器150に交換するということを、要求された量の均質なトナー混合物を生産して貯蔵するまで必要な回数だけ繰り返す。要求された量のトナーが生産されると、貯蔵容器150(又は、今回の生産バッチに用いられる最後の貯蔵容器150)を取り外すか、又はその容器150の中身を他の貯蔵容器にあける。このバッチで生産されたトナーは、指定(選択)された光沢レベルに対応している。
【0022】
第1トナーと第2トナーの比は、あらかじめ定められた式又は関数などにしたがって求める。この式又は関数は、何度も実験を行い、望みの結果を達成する式又は関数を見つけ出すことにより、経験的に求めればよい。関数の一例を以下に示す。
[式1]
光沢=(トナーAの量)*(トナーAに対応する光沢レベル)+(トナーBの量)*(トナーBに対応する光沢レベル)+定数 ・・・(1)
ここで、トナーAは第1トナーであり、トナーBは第2トナーであり、定数の値は経験的に求められる。
【0023】
式1は、説明の便宜上のものに過ぎず特定の定量システムに対応するものではない。
【0024】
このように、第1及び第2トナーは、第1及び第2の備蓄容器102及び104から搬送システム108により、コントローラ116の制御の下で搬送される。コントローラ116は、備蓄容器102及び104から排出されるトナーの量、及びレート(速度すなわち単位時間あたりの量)、通路110に沿った搬送レート、及び/又は、ターゲット容器106の少なくとも1つの口142の各々における流入レート、を制御する。この制御は、弁135、ポンプ137及び/又は取り込み装置143などの、搬送制御装置112の各構成要素のどのような組み合わせを制御する場合を含んでいてもよい。
【0025】
ステップ206では、コントローラ116は、混合装置114の動作を制御して、ターゲット容器106まで送られてきた第1及び第2トナーを乾式混合して均質なトナー混合物になるようにする。コントローラ116は、ターゲット容器106に保持されている材料を当該材料が運ばれてくるにつれて連続的に混合してもよいし、ターゲット容器106に1バッチ分の材料が入るごとにその材料を混合してもよい。このようにしてターゲット容器106内に保持された材料が混合され均質なトナー混合物へと変化する。
【0026】
ステップ208では、コントローラ116は、流量制御手段145を制御して、ターゲット容器106から貯蔵容器150への均質なトナー混合物の排出及び流量を制御する。この制御は、連続的でもバッチごとであってもよい。このようにして、均質なトナー混合物がちょぞうように蓄えられる。
【0027】
ステップ210では、要求された量の均質なトナー混合物が生産されたかどうかの判定が行われる。まだ生産されていなければステップ204に戻り、第1及び第2のトナーをターゲット容器106に搬送する処理を続行する。ステップ210で、要求された量の均質なトナー混合物の生産が完了したと判定されると、ステップ212で一連の処理を終える。
【0028】
図3には、この実施形態における調整可能な光沢レベルに関連して画像を形成するためのプリンタ装置が例示されており、包括的にプリンタデバイス300として示されている。ここで用いる「プリンタ」という用語は、デジタル複写機、電子写真方式の印刷システム、インクジェット印刷システム、写真複写(reprographic)印刷システム、製本機械、ファクシミリ装置、複合機など、何らかの目的のためのマーキング(画像形成)出力動作を実行するいかなる装置又はシステムをも含む意味で用いる。マーキングの様式には、例えば、トナー、インク、染料等を基板(記録媒体)に付加する方式が含まれていてもよい。基板の材質は、紙、ボール紙、透明シート、紙の派生物(paper derivative)、金属、プラスティック、ガラス、木材、布などどのようなものでもよい。
【0029】
プリンタ装置300は、白黒印刷画像を印刷するのに黒色トナーのみを用いるものであってもよいし、何らかの色分版(例えばシアン、マゼンタ、イエロー)を用いてフルカラー印刷画像を印刷するためにn色の黒でない色のトナーを用いるものであってもよい。プリンタ装置300は、感光体302を備え、この感光体の一部分が実質的に均一な電位に帯電される。ここに示す感光体302はベルト状のものであるが、ドラムなどの他の構成を用いてもよい。帯電は、少なくとも1つの帯電器304により実行され、各帯電器304は、当該プリンタ装置300で用いる黒色トナー及びn色の黒でない色のトナーによる印刷プロセスにそれぞれ対応している。レーザー光源又はLED光源などの光源を含む少なくとも1つの露光装置306が、感光体302の帯電した部分を、複製対象の原稿又は印刷対象のデジタル画像の光の像で露光する。これにより、原稿又はデジタル画像の中に含まれる特徴(テキストや画像など)に対応する静電潜像を感光体302上に記録する。それら特徴に関して、(黒色、及び/又は、黒でない色の)特定のトナーが、画像形成先の基板(記録媒体)上に画像を生成するために、その基板上に付加される。各露光装置306は、プリンタ装置300で用いる黒色及び/又はn色の黒でない色のトナーの各々を用いる印刷プロセスに、それぞれ対応している。
【0030】
感光体302上に静電潜像が形成された後、その潜像は少なくとも1つの現像ユニット308により現像され、これにより、キャリア粒子に摩擦帯電で付着しているトナー微粒子のような現像材料が静電潜像に引き寄せられるようにして、感光体302上に粉末画像を形成する。各現像ユニット308は、プリンタ装置300で用いる黒色及び/又はn色の黒でない色のトナーのいずれか1つを用いる。
【0031】
その粉末画像は、転写部310にて、紙のシートなどのような基板に転写される。基板パス312は、粉末画像が転写される基板がたどる経路を示す。画像転写の後、粉末画像を基板上に永久的に定着させるために、基板が定着器314により加熱される。感光体302は、新たな画像を新たに給紙される基板又は紙のシートに記録する準備のために、1つ又は複数のクリーナー装置316により清掃される。クリーナー装置316は、感光体302上に残っているかもしれない電荷及び/又はトナーを除去する。
【0032】
現像ユニット308は、後で詳しく説明するが、第1の光沢レベルに対応する第1トナーを保持する第1の備蓄容器318と、第1の光沢レベルとは異なる第2の光沢レベルに対応する第2トナーを保持する第2の備蓄容器320とを備える。現像ユニット308は、第1トナー319と第2トナー321とを組み合わせて、ある選択された光沢レベルに対応する均質なトナー混合物を形成する。第1及び第2トナー319及び321は、上述した均質な混合のために、上述の乾燥粒子特性の条件を満足する。
【0033】
選択された光沢レベルに対応する混合トナーを実現するための第1及び第2トナー319及び321の混合は、コントローラ322により制御される。混合されたトナーの持つ、選択された光沢レベルは、例えばUI324経由で又は他のプロセッサ(図示省略)から、コントローラ322に入力される。
【0034】
図4及び図5に現像ユニット308の一例を示す。この現像ユニット308は、容器318及び320からのトナーを受けるトナー受け404を構成する筐体(ハウジング)402を備える。容器318及び320は、それぞれ、搬送システム406に対して流体が流れるよう連通している。容器318及び320は、構造及び機能の点で上述の容器102及び104と類似している。搬送システム406は、構造及び機能の点で上述の搬送システム108に類似している。
【0035】
搬送システム406は、トナー受け404と流体が流れるよう連通しており、これにより容器318及び320から第1及び第2トナー319及び321がそれぞれ筐体402へと送られるようになっており、第1及び第2トナー319及び321はこの筐体402により受けられ、トナー受け404に保持される。搬送システム406は、第1及び第2トナー319及び321をある比率にしたがって配送することで、混合されたトナーが選択された光沢レベルになるようにするために、コントローラ322により制御される。少なくとも1つの乾燥粒子混合・帯電装置410がトナー受け404内に設けられており、この装置410により第1及び第2トナー319及び321の粒子を混合し、第1及び第2トナー319及び321を均質なトナー混合物411に変換する。
【0036】
プリンタ装置300は、更に、トナー受け404へのトナーの追加が必要となるタイミングを判定する。この判定は、例えば、トナー受け404内のトナーの表面のレベル(高さ)を検知する例示のセンサ408を用いて行われる。センサ408の出力は、プリンタ装置300全体の様々な構成要素を制御する全体的なコントローラ(図示省略)に供給される。トナー受け404にトナーを追加することが必要になると、コントローラ322はその全体的なコントローラから通知を受け、これによりコントローラ322は、トナー受け404に供給される第1トナー319と第2トナー321との比を制御し、トナー受け404内のトナー混合物411が、選択された光沢レベルに対応したものになるようにする。
【0037】
図4及び図5に示した実施例では、混合・帯電装置410は1つ又は複数のオーガーを備える。図4の矢印は、トナー受け404内に保持されたトナーの流れの方向を示し、ここで、その流れは、混合・帯電装置410により引き起こされ、その結果第1及び第2トナー319及び321が混じり合うことで均質なトナー混合物411を形成する。オーガーの動きが矢印で示される流れを引き起こし、ひいては第1及び第2トナー319及び321を混合して均質なトナー混合物411を生成する。更に、オーガーの動きは、トナー混合物411の粒子を帯電させ、第1トナー319の粒子と第2トナー321の粒子が同じレート(比率)で均一に帯電するようにする。オーガーの動きは、第1及び第2トナー319および321の粒子を混合してそれら粒子を均一に帯電させるために最適化されている。図5には、水平でない面内でのトナー混合物411の上面が示されている。これは、この例におけるオーガーの動作強度レベル(level of aggression)が、トナー混合物がこのように振る舞うようにするのに十分であることを示している。しかし、その動作強度レベルは、更に、混合されているトナー粒子の構造が変化しないように、トナー粒子に対しどんな外添剤が添加されていようとその外添剤ができるだけ乱されないようにするよう、最適化されている。もし外添剤が乱されるとしたら、第1及び第2トナー319及び321の外添剤は、実質的に同じように、実質的に同じ程度に乱される。
【0038】
第1及び第2トナー319及び321に加え、キャリア微粒子がトナー受け404に入れられる。これに加え(あるいはこの代わりに)、キャリア微粒子は、容器318及び320に保持されている第1及び第2トナー319及び321に加えてもよい。トナー受け404内のトナー粒子は、少なくとも部分的には混合装置410の混合動作によりトナー粒子上に生じた電荷に起因する摩擦電気によりキャリア微粒子に付着する。第1及び第2トナー319及び321の粒子の帯電は均一なので、第1トナー319の粒子は、第2の粒子の場合と同じように、すなわち同じ摩擦電気による電荷により同じ割合で、キャリア微粒子に付着する。このようにして、オーガーは、トナー粒子を摩擦により帯電させキャリア微粒子に付着するようにするのに十分なほど強く動く。
【0039】
丸めた鉄の粒子(例えばトナーの帯電を促進するためのポリマー被覆がなされている場合もある)などのキャリア微粒子は、磁気的な特性を有する。ポリマー被覆の種類は、第1及び第2トナー319及び321が、ある選ばれた割合である選ばれたレベルまで帯電するように、選択されている。トナーの帯電の大部分は、第1及び第2トナー319の及び321のトナー粒子の表面とキャリア微粒子との摩擦によって生じる。均質なトナー混合物411は、トナー受け404内に実質的に均等に分散している。図5に示すように、トナー混合物411の幾分かは、キャリア微粒子によりオーガーの表面に付着する。キャリア微粒子は、これに摩擦電気付着したトナー粒子と共に、オーガーから、例えば粒子移転器412等を介して、感光体302に移される。粒子移転器412は、図4及び図5の例では、少なくとも1つの磁性ロール又は磁性ブラシなどである。トナー混合物411のトナー粒子は、感光体302に通じている磁性ロールの部分の上に実質的に均等に分散される。キャリア微粒子が帯電した感光体302に引きつけられ、キャリア微粒子に付着したトナーが感光体302上に粉末画像を形成し、この粉末画像が、転写部310にて紙のシートなどの基板に転写される。
【0040】
移転装置412は、トナー混合物411を感光体302へと移す役割を果たす。この例では、磁性ロールは、トナー混合物411が均質な混合物になるよう混合すると共に均一に帯電するようにすることにも寄与する。
【0041】
混合・帯電装置410は、1つ又は複数のオーガーを備えるものに限らない。例えば、混合・帯電装置410は、(ファンやブレンダーに似た)回転するブレード等の機構や、(例えば強制送風や負圧気流などにより)トナー受け404内に空気流を導入する機構などといったものでもよい。更に、混合・帯電装置410に、1つ又は複数のコロナ方式の帯電装置を設け、この帯電装置により、例えば上述した摩擦帯電方式に加えて、粒子の帯電を補助するようにしてもよい。
【0042】
粒子移転装置412は、1つ又は複数の磁性ロールを供えるものに限らない。例えば、移転装置412は、ドナーロール、パウダー・クラウド(粉霧現像法)、カスケード現像法などといった、当該分野で公知の方法又は装置を用いてトナー混合物411を感光体302に移してもよい。
【0043】
搬送装置406及びその制御について、ここで図4及び図6を参照して更に詳しく説明する。容器318及び320は、それぞれ、第1の排出ポート602を備える。この第1の排出ポート602は、第1の弁即ちカバー604を備え、この第1の弁即ちカバー604が排出ポート602を通るトナー粒子の流れを制御する。排出ポート602は、搬送通路606と流体が流れることができるよう連通しており、この搬送経路606は当該搬送経路606に沿ったトナーの搬送を補助するための搬送機構608を備えていてもよい。重力によりトナーの搬送が更に補助されるようにしてもよい。搬送通路606は、例えば第2の弁即ちカバー612を有する第2の排出ポート610を介して、トナー受け404に対して流体が流れることができるように連通している。またこの代わりに、搬送通路606が、トナー粒子が流れ出ることができる開放型の底部を有していてもよい。図6には、弁604が閉じた状態で、第1及び第2トナー319及び321が今のところ流れていない様子を例示する。第1及び第2トナー319及び321から既に生成済みのトナー混合物がトナー受け404内に示されている。
【0044】
この例では、搬送装置608はアクチュエータ614により駆動される。第1及び第2トナー319及び321の搬送は、第1の弁604、アクチュエータ614により駆動される搬送機構608、及び第2の弁61により制御される。コントローラ322は、第1及び第2の弁604及び612とアクチュエータ614との駆動を制御することで第1及び第2トナー319及び321の搬送をそれぞれ制御し、これにより、トナー混合物411が選択された光沢に対応したものとなるように第1トナー319と第2トナー321との比を調整する。第1トナー319と第2トナー321との比は、あらかじめ定められた式又は関数に応じて求められる。この式又は関数は、実験を行って所望の結果を達成するための式又は関数を見つけ出すなどにより経験的に求めればよい。その比を求めるために用いることができる式の一例は上述の式(1)であるが、これに限定されるものではない。
【0045】
この例では、図4及び6に示すように、搬送機構608は少なくとも1つのオーガーを有しており、このオーガーがそれぞれ対応する容器から、対応する搬送通路606を通ってトナー受け404へと至るトナーの搬送を補助し、制御する。図4では、搬送機構608のオーガーは軸受け420により支持されており、この軸受け420は搬送通路606を収容する構造426の両端壁424に取り付けられている。この例では、アクチュエータ614はステップモータであり、このステップモータの速度により、対応する容器からトナー受け404へと流れるトナーの体積が制御される。
【0046】
搬送機構608は、オーガーを備えるものに限られるものではなく、例えば乾燥粉末ポンプ、搬送通路606に沿って配置された弁(例えばバタフライバルブ)、(例えばファンや圧搾ガス源を用いて)空気やガスを吹き出したり(例えばファンや吸引装置及び/又は気圧の変化などを用いて)空気等を吸引したりすることにより気流を生成するための装置、及び/又は、気流から粉末を回収するための装置、等といった、他の乾燥粒子搬送機構を備えていてもよい。アクチュエータ614は、搬送機構608を駆動することができる装置であればどのようなものでもよく、機械要素及び/又は電気的要素を含んでいてもよい。
【0047】
コントローラ322は、上述のコントローラ116に類似しており、プロセッサやデータ通信機能を備え、データ記憶装置にアクセスできる計算装置である。コントローラ322は、例えば、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、パーソナルコンピュータ、モバイル装置(例えばPDAや携帯電話機)、ラップトップ又はノート型コンピュータ、サーバ等であってもよい。コントローラ322は、他のプロセッサ又はユーザインタフェース324などから、選択された光沢レベルの情報を受け取る。コントローラ322は、プリンタ装置300に対して外付けであってもよいし、プリンタ装置300に一体化されていてもよい。UI324は、コントローラ322に一体化(統合)されていてもよいし、コントローラ322外付けでコントローラ322とデータ通信できるように構成されていてもよい。UI324は、例えば、キーパッド、ダイヤル又はレバー、グラフィカル・ユーザインタフェース(GUI)(図示省略)などのデータ入力装置(図示省略)、及び/又は、LEDスクリーンやコンピュータモニタなどの表示装置(図示省略)を備えていてもよく、また、既に存在する、例えば印刷装置300の操作部(コンソール)に既設の、表示装置及び/又は入力装置を用いてもよい。
【0048】
図7は、他の例の現像ユニット700を示しており、この現像ユニット700には混合用容器702が設けられている。この混合用容器702は、容器318及び320から搬送システム406によりコントローラ322の制御の下で第1及び第2トナー319及び321を受け取る。この制御では、第1及び第2トナー319及び321を、選択された光沢レベルを達成するための比率で供給するようにする。混合用容器702は、第1及び第2トナー319及び321を混合して均一なトナー混合物705を生成するための混合装置704を備えている。混合用容器702内で行われる混合は、混合・帯電装置410内で実行される混合のような強力なものである必要はなく、混合されるトナー粒子を帯電させる必要はない。トナー混合物705は、混合用容器702からトナー受け404へと搬送され、そのトナー受け404内で混合・帯電装置410により帯電され、粒子移転装置412により感光体302へと移される。混合・帯電装置410及び/又は粒子移転装置412は、トナー混合物711を更に混合してもよい。図7では、第1及び第2トナー319及び321が流れていない様子を例示している。第1及び第2トナー319及び321から既に生成済みのトナー混合物411がトナー受け404内に保持されている。
【0049】
混合装置704は、混合装置114に関して説明したような乾燥粒子混合装置である。搬送経路706は、混合用容器702からトナー受けまでの経路を単に含むものであってもよく、この経路では重力によって搬送が補助される。搬送経路706は、更に、搬送制御装置112に関して説明したのと同様の乾燥粒子搬送制御装置を備えていてもよい。
【0050】
図8は、選択された光沢レベルを用いた印刷ジョブが実行されるときに印刷装置300により実行される手順の一例を示すフロー図800である。ステップ802で、ユーザインタフェース324などを介して光沢レベルが選択される。ステップ804で、印刷ルーチンが開始される。ステップ806で、混合・帯電装置410及び粒子移転装置412が起動される。ステップ808で、第1及び第2トナー319及び321の供給比率が設定され、第1及び第2トナー319及び321がその設定された比率でトナー受け404に供給される。
【0051】
判定ステップ810では、トナー混合物411に対応する光沢レベルが前述の選択された光沢レベルにあるかどうかを判定する。この判定は、コントローラ322が、トナー受け404内に供給された第1トナー319及び第2トナー321の各々の量に基づき行う。コントローラ322は、トナー供給のレート(速度)とトナー供給が実行された時間の長さとに基づき、各容器318及び320からそれぞれ供給されたトナーの体積を求めることができる。更に、コントローラ322は、ステップ804でこの処理ルーチンが開始されたときに、トナー受け404内にトナーがあればそれを知ることができるようにしてもよい。コントローラ322は。更に、前回の印刷処理のときからトナー受け404内に残っているトナーの光沢レベルがどのような値であるかを知っている。プリンタ装置300は、印刷処理の後にトナー受け内に残ったトナーをトナー受けから削除又は除去する用に構成されていてもよいし、あるいはプリンタ装置300は、トナー受け内に残ったトナーを、次の印刷処理においても使用されるようにそのまま残すように構成されていてもよい。後者の条件の下では、コントローラ322は、容器318及び320から供給されるトナーが、前の印刷処理からトナー受け404内に残った残存トナーと混合されたときに、それらが一緒に混ざって均質なトナー混合物411となると前述の選択された光沢レベルに対応したものとなるように、容器318及び320から供給されるトナーの量を求める。実際、ステップ808での供給レートの設定は、前の印刷処理からどれだけのトナーがトナー受け404内に残っているかに関する情報を用いて行われる。ステップ812では、静電制御、トナー濃度制御、画像濃度制御、見当合わせ制御、定着温度制御など(ただしこれらに限定されるわけではない)といった、他のマシンサイクルアップ機能が実行される。ステップ814で、印刷画開始される。
【符号の説明】
【0052】
100 トナー生成システム、102 第1備蓄容器、104 第2備蓄容器、106 ターゲット容器、108 搬送システム108、110 通路、112 搬送制御装置 、114 混合装置、116 コントローラ、120 ユーザインタフェース、150 貯蔵容器。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択可能な光沢レベルに対応するトナーを生成する方法であって、
それぞれが第1の特徴及び第2の特徴を有する少なくとも2つの粒子特性を有する、相対的に低い光沢レベルに対応する粒子からなる第1トナーを保持するステップと、
それぞれが第3の特徴及び第4の特徴を有する少なくとも2つの粒子特性を有する、相対的に高い光沢レベルに対応する粒子からなる第2トナーを保持するステップと、
前記第1トナー及び前記第2トナーを搬送するステップと、
前記第1トナーと前記第2トナーとを混合したときに、前記相対的に低い光沢レベルと前記相対的高い光沢レベルとの間の、ある選ばれた光沢レベルに対応する第3トナーが生成されるように、前記第1トナーと前記第2トナーの比を判定するステップと、
搬送される前記第1トナー及び前記第2トナーの比が前記判定された比に対応するものとなるよう、前記第1トナー及び前記第2トナーの搬送を制御するステップと、
搬送された前記第1トナーと前記第2トナーとを混合して前記第3トナーを生成するステップと、
を含み、
前記第1特徴と前記第3特徴、及び、前記第2特徴と前記第4特徴が、実質的に同一であることにより、混合されてできる前記第3トナーが実質的に均質な混合物となるようにした、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1トナーの粒子及び前記第2トナーの粒子は、少なくとも1つの外添剤を有し、前記少なくとも2つの粒子特性は、各外添剤が外添剤種類と外添剤レベルを有することを含んでいる、方法。
【請求項3】
プリンタ装置の現像ユニットであって、
それぞれが第1の特徴及び第2の特徴を有する少なくとも2つの粒子特性を有する、相対的に低い光沢レベルに対応する粒子からなる第1トナーを保持する第1容器と、
それぞれが第3の特徴及び第4の特徴を有する少なくとも2つの粒子特性を有する、相対的に高い光沢レベルに対応する粒子からなる第2トナーを保持する第2容器と、
前記第1トナー及び前記第2トナーを搬送する搬送システムと、
搬送された前記第1トナーと前記第2トナーとを混合して前記第3トナーを生成する少なくとも1つの混合装置と、
前記第3トナーが前記相対的に低い光沢レベルと前記相対的高い光沢レベルとの間のある選ばれた光沢レベルに対応するものとなるように、搬送する前記第1トナーと前記第2トナーの比が選ばれるよう、搬送を制御するコントローラと、
を備え、
前記第1特徴と前記第3特徴、及び前記第2特徴と前記第4特徴が、実質的に同一であることにより、混合されてできる前記第3トナーが実質的に均質な混合物となるようにした、現像ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の現像ユニットであって、前記第1トナーの粒子及び前記第2トナーの粒子は、少なくとも1つの外添剤を有し、前記少なくとも2つの粒子特性は、各外添剤が外添剤種類と外添剤レベルを有することを含んでいる、現像ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−224538(P2010−224538A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60482(P2010−60482)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】