説明

選択された注入角度を用いて線形加速器工程を使用した材料の自立膜の製造方法および構造

【課題】線形加速器工程を使用した材料の自立層を製造する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】劈開領域内に複数のゲッタリングサイト領域を形成するために線形加速器を用いて生成され第1の注入角度で提供される第1の複数の高エネルギー粒子に半導体基板の表面領域をさらすことを含み、劈開領域は分離される材料の層を画定するよう表面領域の下に設けられ、半導体基板は第1の温度に維持される。線形加速器を用いて生成された第2の複数の高エネルギー粒子に第2の角度で半導体基板の表面領域をさらすことを含み、第2の複数の高エネルギー粒子は第1の応力レベルから第2の応力レベルに劈開領域の応力レベルを上昇させるようにする。第2の複数の高エネルギー粒子は、第2の注入角度で提供される。半導体基板は、第1の温度より高い第2の温度に維持される。次に劈開工程を用いて分離可能な材料の層を取り除く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は全ての目的で全体を参照としてここに援用する2007年1月29日に出願された米国仮特許出願第60/887,086号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は概して、層転写技術を用いて基板を形成するための方法および構造を含む技術に関する。より詳しくは、本方法およびシステムは、太陽電池を含むさまざまな用途のための線形加速器工程を使用した自立半導体厚膜を製造する方法およびシステムを提供する。しかし、本発明の実施形態はより広い範囲の適用性があることが認識されるだろう。集積半導体素子の3次元パッケージング、光素子または光電子素子、圧電素子、フラットパネルディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)、ナノテクノロジー構造、センサ、アクチュエータ、集積回路、生物学および生物医学装置など、他の応用にも適用することができる。
【背景技術】
【0003】
太古から、人間はほとんど全ての有益なエネルギーを得ることを「太陽」に頼っている。このようなエネルギーは石油、光、木材、および様々な形態の熱エネルギーによってもたらされる。単なる例であるが、人間は需要の大半を石炭やガスなどの石油資源に大幅に頼っている。残念なことに、このような石油資源は激減しており、他の問題を引き起こしている。代替として、部分的に、太陽エネルギーが石油資源への依存を減らすために提案されている。単なる例であるが、太陽エネルギーは一般にシリコンから作られる「太陽電池」によって得ることができる。
【0004】
シリコン太陽電池は太陽光にさらされると電力を発生する。日射はシリコンの原子と相互作用し、シリコンのpとnにドーピングされた領域に移動してドーピングされた領域間に電位差および電流を発生させる電子とホールを形成する。用途によるが、太陽電池は効率を向上させるために集光素子を集積している。例としては、日射を活性光起電材料の一つまたは複数の部分に導く集光要素を用いて太陽光が集められ焦点が合わせられる。効率的ではあるが、これらの太陽電池は未だに多くの制限がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
単なる例であるが、太陽電池はシリコンなどの出発材料に依存する。このようなシリコンは大抵ポリシリコン(すなわち、ポリ結晶シリコン)および/または単結晶シリコン材料を用いて作られる。これらの材料は大抵製造するのが困難である。ポリシリコン電池は大抵ポリシリコンプレートを製造することによって形成される。これらのプレートは効率良く形成することができる一方、それらは高効率太陽電池のために最適な特性を有さない。単結晶シリコンは高品位の太陽電池に適した性質を示す。しかし、このような単結晶シリコンは高価で、能率的でコスト効率の良い方法で太陽光を利用する用途に使うことも困難である。さらに、ポリシリコンと単結晶シリコン材料の両方は、「カーフロス」と呼ばれる従来型の製造中の材料損失に悩まされ、これは切断工程で鋳造物または成長したブールからの出発材料の40%もそして60%までさえもが除去されて材料をウエハーの形状要素に分断する。これは、太陽電池に使うための薄いポリシリコンまたは単結晶シリコンプレートを準備する非常に非効率的な方法である。
【0006】
一般的に、薄膜太陽電池はより少ないシリコン材料を使うことによってより費用はかからないが、これらのアモルファスまたはポリ結晶構造は、単結晶シリコン基板から作られるより高価なバルクシリコン電池より効率が悪い。これらおよび他の制限は、本明細書を通じて、より詳細には下記から見つけることができる。
【0007】
上述のことから、高品質で低いコストの適切な基板材料を形成するための技術が大変望まれていることがわかる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、層転写技術を用いて基板を形成する方法および構造を含む技術を提供する。より詳しくは、本方法およびシステムは、太陽電池を含むさまざまな用途のための自立半導体厚膜を製造するために線形加速器工程を使用する方法およびシステムを提供する。しかし、本発明の実施形態はより広い範囲の適用性があることが認識されるだろう。集積半導体素子の3次元パッケージング、光素子または光電子素子、圧電素子、フラットパネルディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)、ナノテクノロジー構造、センサ、アクチュエータ、集積回路、生物学および生物医学装置など、他の応用にも適用することができる。
【0009】
具体的な実施形態では、本発明は一つまたは複数の半導体基板、例えば、単結晶シリコン、ポリ結晶シリコン、ポリシリコン、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、炭化ケイ素、窒化ガリウム、III/IV族材料などを用いて、自立材料の層を製造するための方法を提供する。具体的実施形態では、本方法は表面領域と厚さを有する半導体基板を準備することを含む。本方法は、劈開領域(cleave region)内に複数のゲッタリングサイト(gettering site)領域を形成するために線形加速器を用いて生成された第1の複数の高エネルギー粒子に前記半導体基板の表面領域をさらすことを含み、前記劈開領域は分離される材料の層を画定するように前記表面領域の下に設けられ、前記半導体基板は第1の温度に維持される。前記第1の複数の高エネルギー粒子は、第1の注入角度で提供される。具体的実施形態では、本方法は前記線形加速器を用いて生成された第2の複数の高エネルギー粒子に前記半導体基板の表面領域をさらすことを含み、前記第2の複数の高エネルギー粒子は第1の応力レベルから第2の応力レベルに劈開領域の応力レベルを上昇させるように提供される。前記第2の複数の高エネルギー粒子は、第2の注入角度で提供される。好適な実施形態では、前記半導体基板は、前記第1の温度より高い第2の温度に維持される。この方法は、劈開工程、例えば制御された劈開工程を用いて前離可能な記分材料の層を取り除く。「第1」および「第2」の語は限定的なものでは無く、通常の意味に解釈されるべきであり、具体的実施形態に従って、異なるものまたは同じものであり得る。
【0010】
代替実施形態では、本発明は、例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン、ポリ結晶シリコン、シリコンゲルマニウム、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ゲルマニウム、III/IV族材料など、層転写材料の自立層を形成する方法を提供する。単結晶シリコンは、効率、コストなどの要因と不純物ゲッタリングなどの後処理との間で求められるトレードオフにより、太陽電池、半導体、または金属グレードの純度水準となり得る。どの単結晶材料も、劈開のし易さ、好ましい装置の動作などの利点がある特定方位に切断することができる。例えば、シリコン太陽電池は、このタイプの自立基板を作るために、主に(100)、(110)、または(111)の表面方位を有するように切断することができる。もちろん、主要な結晶方位から意図的にミスカットされた方位面を有する出発原料を準備することもできる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。この方法は表面領域を有する結晶基板材料を提供することを含む。この方法は、蓄積領域を形成するためにある範囲内で空間的に配置されるピーク濃度および底を有する注入特性を形成するために前記結晶基板材料の表面領域を通じて蓄積領域まで、第1のドーズ範囲および第1の温度範囲内で、複数の第1の粒子を導入することを含む。前記複数の第1の粒子は、第1の注入角度で提供される。具体的実施形態では、前記第1のドーズ範囲は、劈開領域を形成するために、複数の粒子が前記結晶基板材料の蓄積領域に恒久的に配置されることを生じさせるのに十分な量より少ない。具体的実施形態では、前記第1粒子は前記結晶基板材料の劈開領域に複数の欠陥を生じさせ、前記劈開領域は好ましくは前記表面領域の下約10ミクロン超の深さと、前記劈開領域と前記表面領域の間で分離される結晶材料のスライスによって画定される。
【0011】
任意選択的な具体的実施形態では、この方法は前記蓄積領域の前記第1の粒子から前記結晶基板材料の中で急冷された複数の実質的に恒久的な欠陥の形成を引き起こすために前記結晶基板材料に処理工程を実行することを含む。この方法はまた、前記蓄積領域の一部を劈開可能にするよう前記蓄積領域内の内部応力を増加させるために、第2のドーズ範囲および第2の温度範囲で、複数の第2の粒子を前記蓄積領域に導入することを含む。前記複数の第2の粒子は、第2の注入角度で提供される。具体的実施形態では、この方法は、前記結晶基板材料の残りの部分から前記結晶材料の層を分離することによって結晶材料の自立層を形成することを含む。
【0012】
さらに、本発明は、一つまたは複数の半導体基板を用いて自立材料の層を製造するための方法を提供する。好適な実施形態では、この方法は、劈開動作の開始を促進するための一つまたは複数のパターン領域を用いる。具体的実施形態では、本方法は、表面領域と厚さを有する半導体基板を準備する。この方法は、劈開領域内に複数のゲッタリングサイトのパターン領域を形成するために、前記半導体基板の表面領域を線形加速器により生成された第1の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含む。好適な実施形態では、劈開領域は分離される材料の層を画定するよう前記表面領域の下に設けられる。前記半導体基板は第1の温度に維持される。具体的実施形態では、前記第1の複数の高エネルギー粒子は第1の注入角度で提供される。この方法はまた、前記半導体基板を処理工程、例えば熱処理にかけることを含む。この方法は前記半導体基板の表面領域を第2の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含み、これは劈開領域の応力レベルを第1の応力レベルから第2の応力レベルに増加させることをもたらす。具体的な実施形態では、前記半導体基板は第2の温度に維持され、第2の複数の粒子は第2の注入角度で提供される。この方法は、劈開工程と劈開工程を用いた前記分離可能な材料の層の除去により分離可能な材料の層の一部を分離するために、前記パターン領域の選択された領域に劈開動作を生じさせることを含む。
【0013】
さらに別の具体的な実施形態では、本発明は、例えば単結晶シリコン、ポリシリコンなど、バルク半導体基板から材料の膜を形成するための方法を提供する。具体的実施形態では、前記基板は正方形、正方形状、円、環、矩形など様々な形状を有し得る。実施形態によるが、前記基板はまた、金属、絶縁体、またはこれらの材料の組み合わせであり得る。この方法は、表面領域と厚さを有する半導体基板を準備し、厚さは半導体基板全体の厚さである。この方法は、劈開領域を形成するために前記半導体基板の表面領域を複数の粒子にさらすことを含み(例えば、複数の粒子が単独または複数の注入および/または拡散により埋め込まれる)、劈開領域は応力付加領域を形成するとともに分離される材料の層を画定するよう表面領域の下にあるものと定義される。具体的実施形態によるが、前記材料の層は約20ミクロン以上の厚さを有するか、または、例えば、自己支持、補強材または同様のものが無く自立するものであれば僅かに薄くてもよい。具体的実施形態では、この方法は、劈開工程を利用して前記分離可能な材料の層を除去する一方で、例えば端または末端領域で曲がった、変形形状によって特徴付けられる前記材料の層を生じるように前記材料の層に付着した前記応力領域の部分を保持することを含む。具体的実施形態では、この方法は、前記変形形状が除去されて、略平坦または同様の、実質的に平面形状を生じるよう、前記材料の層に付着した前記応力領域の部分を除去することを含む。
【0014】
好適な実施形態では、前記材料の層の変形を引き起こす前記応力付加領域部分を除去するための一つまたは複数の技術を含む。具体的実施形態では、除去は前記応力付加領域部分のエッチングを含み、前記応力付加領域部分は前記材料の層に変形形状を生じさせる。つまり、エッチングは前記応力付加領域を除去するために選択的に行うことができ、前記応力付加領域は注入損傷領域および/または水素および/または同様の不純物のより高い濃度を有する領域であり得る。具体的実施形態では、エッチングはウエットおよび/またはドライエッチング工程などであり得る。具体的実施形態では、前記除去はまた、前記応力付加領域を解放するように前記分離された材料の層の熱処理を用いても起こり得る。また、実施形態に依存して、エッチングおよび/または熱処理の組み合わせがあり得る。
【0015】
さらに、本発明はバルク半導体基板から材料の膜を形成する方法を提供し、これは残りのバルク基板部分からの分離を促進するために劈開される材料固有の曲げ特性を利用する。具体的実施形態では、この方法は、表面領域と厚さを有する半導体基板を準備する。この方法は、劈開領域を形成するために、前記半導体基板の表面領域を複数の粒子にさらすことを含み、前記劈開領域は応力付加領域を形成するとともに分離される材料の層を画定するよう表面領域の下にあるものと定義される。具体的実施形態では、前記材料の層は約20ミクロン以上の厚さを有するが、自立するものであれば僅かに薄くてもよい。具体的実施形態では、この方法は、前記応力付加領域部分を有する材料の層の分離された部分を形成するように前記劈開領域の近傍内の空間領域において選択的なエネルギーの配置を用いて前記劈開領域の端部領域において分離される材料の層の部分の分離を起こすことを含む。具体的実施形態では、この方法は、前記材料の層の分離された部分を前記空間領域から離れるように曲げるとともに、残りの基板部分から前記材料の層の除去を促進するよう分離されるように前記材料の層に変形形状を生じさせることを含む。具体的実施形態では、前記エネルギーは、光源、レーザ源、熱源、放射源、機械的ソース、化学的ソース、重力のソース、または例えば、気体、液体、蒸気、または組み合わせなどの流体ソースなどの、一つまたは複数のソース(源)から選択することができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0016】
さらなる実施形態では、本発明は、一つまたは複数の半導体基板を用いて材料の自立層を製造するためのさらに他の方法を提供する。具体的実施形態では、本方法は、表面領域と厚さを有する半導体基板を準備することを含む。この方法は、劈開領域内に複数のゲッタリングサイトを形成するために、前記半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成されたD+種を含んだ第1の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含み、前記劈開領域は分離される材料の層を画定するよう前記表面領域の下に設けられる。この方法はまた、具体的実施形態に基づいて、前記半導体基板を処理工程にかけることを含む。この方法は、前記半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成されたH2+種を含んだ第2の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含み、線形加速器は前記D+種を提供するものと同じ線形加速器であることが望ましい。具体的実施形態では、前記第2の複数の粒子は、前記劈開領域の応力レベルを第1の応力レベルから第2の応力レベルに増加させることをもたらす。この方法は、劈開工程を用いて前記分離可能な材料の層の部分を分離するために前記劈開領域の選択された領域で劈開動作を開始させることを含む。この方法は、前記分離可能な材料の層の除去を含む。
【0017】
本発明の実施形態を利用して既存の技術に対して多くの利点を得ることができる。特に、本発明の実施形態は、コスト効率の良い線形加速装置および層転写技術のための高エネルギー注入工程を提供するための方法を用いる。このような線形加速器装置には、ドリフト管技術、一般にRFQと呼ばれる高周波四重極型、またはこれらの組み合わせ(例えば、ドリフト管リニアックまたはRFI(RF収束インターデジタル(RF−Focused Interdigital))線形加速器と組み合わされたRFQ)、DC加速器、および他の適切な技術が含まれるが、これに限定されるものではない。好適な実施形態において、前記線形加速器はドナー基板の劈開面によって画定される転写可能な材料の層をもたらす。この転写可能な材料の層は光起電性素子、3次元MEMSまたは集積回路、ICパッケージング、半導体素子、半導体およびオプトエレクトロニクス用途のための炭化ケイ素と窒化ガリウム膜、これらの任意の組み合わせなどの用途のための高品質半導体材料を提供するためにさらに処理される。好適な実施形態では、本方法は特に高効率の光電池のための単結晶シリコンを提供する。好適な実施形態では、本方法および構造はエネルギー粒子の低初期ドーズを使うので、これは工程を費用効果が高く効率的にすることを可能とする。加えて、本方法および構造は大面積基板の製造を可能にする。本発明は、所望の形状の薄いシリコン材料板(例えば、50μm−200μmの厚さで12.5cm×12.5cmから1m×1mまでまたはそれ以上のサイズのポリシリコンプレート)を作ることに適用できることがわかるであろう。代替の好適な実施形態では、本発明の実施形態は、ヘテロ構造エピタキシャルプロセスの積層をさらに提供することができるシード層を提供することができる。前記ヘテロ構造エピタキシャルプロセスは特に薄い多接合光電池の形成に使うことができる。単なる例であるが、GaAsおよびGaInP層をゲルマニウムシード層にヘテロエピタキシャルに蒸着することができ、これは本発明の実施形態の注入工程を用いて形成した転写された層である。具体的実施形態において、本方法は単一のインゴット、例えばシリコンブールから連続的に複数のスライスを劈開することに適用できる。つまり、具体的実施形態に従ってこの方法は連続的にスライスを劈開することを繰り返すことができる(一塊の焼いたパンから薄切りを切るのに類似する)。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0018】
実施形態に依存するが、一つまたは複数のこれらの利点を得ることができる。これらのおよび他の利点は本実施形態を通じてより詳しくは以下に記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態によれば、基板を形成するための方法を含む技術が提供される。より詳しくは、本発明による実施形態は半導体材料から材料の自立層を形成するための方法を提供する。具体的実施形態では、半導体基板内に劈開面の形成を生じるように複数の高エネルギー粒子を用いて材料の自立層が設けられる。本発明による方法は、半導体デバイスパッケージング、光電池、MEMSデバイスなどを含む、様々な用途に使うことができるが、これに限定されるものではない。
【0020】
具体的実施形態において、一つまたは複数の半導体基板を用いた材料の自立層を製造する方法は、次のように行われる。
1.表面領域と厚さを有する半導体基板を準備する。
2.線形加速器を用いて生成された第1の複数の高エネルギー粒子に半導体基板の表面領域をさらし、第1の複数の高エネルギー粒子は第1の複数の高エネルギー粒子の方向と表面領域によって規定される第1の角度で提供される。
3.劈開領域内に複数のゲッタリングサイト領域を形成し、劈開領域は分離される材料の層を画定するよう表面領域の下に設けられ、その間劈開領域は第1の温度に維持される。
4.任意選択で、劈開領域内に複数のゲッタリングサイトをさらに形成するために、半導体基板に熱処理工程を実行する。
5.線形加速器を用いて生成された第2の複数の高エネルギー粒子に半導体基板の表面領域をさらし、第2の複数の高エネルギー粒子は第2の複数の高エネルギー粒子の方向と表面領域によって規定される第2の角度で提供される。
6.第2の複数の高エネルギー粒子により第1の応力レベルから第2の応力レベルに劈開領域の応力レベルを増加させ、その間半導体基板は第2の温度に維持される。
7.劈開工程を用いて自立の分離可能な材料の層を除去し、一方で分離可能な材料には上を覆う支持部材または同様なものは存在しない。
8.分離された材料の層を支持部材に置く。
9.分離された材料の層に一つまたは複数の処理を実行する。
10.任意選択で、ステップ(2)の表面領域を第1の複数の高エネルギー粒子にさらす前に、半導体基板に一つまたは複数の処理を実行する。
11.要求通りに他のステップを実行する。
【0021】
上記の一連のステップは本発明の実施形態による線形加速器工程を用いた基板を形成する方法を提供する。示したように、この方法は、好ましくは厚い自立の、材料の膜を除去するために共注入(co−implantation)工程を使うことを含む。他の代替形態もまた可能であり、そこではステップが追加されたり、一つまたは複数のステップが取り除かれたり、あるいは一つまたは複数のステップが特許請求の範囲から離れることなく異なる順序で提供され得る。例えば、高エネルギー注入のステップ5は任意選択で、具体的実施形態による熱的に活性化された液体、プラズマ水素化ステップ、低エネルギー注入および拡散または水素が導入されおよび拡散によりゲッタリングサイト内に蓄積することを可能にする他の処理を含む任意の組み合わせまたは単一の工程に置き換えることができるが、これに限定されるものではない。本方法のさらなる詳細は本明細書を通じて、特に以下に見ることができる。
【0022】
図2−8は、本発明の実施形態による厚い層の転写工程を用いた基板を形成する方法を説明した略図である。これらの図は単なる例であり、特許請求の範囲を不当に限定するものではない。当業者は多くの変形形態、修正形態、代替形態を認識するであろう。図示したように、この方法は表面領域201、背面203、および厚さを有する半導体基板200を準備することによって始まる。このような厚さは、インゴットの全体またはより大きいインゴットまたは同等のものからのスライスされたものであり得る。具体的実施形態では、半導体基板は、単結晶シリコンウエハー、ポリシリコン鋳造ウエハー、タイル、または基板、シリコンゲルマニウムウエハー、ゲルマニウムウエハー、炭化ケイ素、III/V族材料、II/VI族材料、窒化ガリウム、などにすることができる。好適な実施形態では、基板を感光材料にすることができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0023】
図3を参照すると、この方法は半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第1の複数の高エネルギー粒子301にさらすことを含む。具体的実施形態では、粒子は劈開領域401内に複数のゲッタリングサイトまたは蓄積領域の形成を生じさせ、図4に略図で示したように、劈開領域は分離される材料405の層を画定するよう表面領域の下に設けられる。好ましくは、第1の複数の高エネルギー粒子は、基板材料のある深さ内に空間的に配置されるピーク濃度および底を有する注入特性をもたらす。好ましくは、底は約2Rp以下の幅を有し、ここで「Rp」は一般的に「ストラグル(a straggle)」と称され、注入深さ特性の幅を特徴付けるのにしばしば使われる。好適な実施形態では、劈開領域は第1の温度305に維持され、これは直接または間接的に提供することができる。つまり、この温度は、具体的実施形態により、対流、熱伝導、放射、またはこれらの技術の組み合わせによって与えられ得る。具体的実施形態では、温度は粒子が導入される時間の一部の前、後、または間に急速熱処理を用いて与えることができる。急速熱処理は均一またはパターン状またはこれらの技術の組み合わせとすることができる。単なる例であるが、急速熱処理は、注入範囲端層(implant end−of−range layer)内の変位シリコン原子の最適化された応力特性を達成することを提供し、ここで応力は最大化されるが急速熱処理条件の選択は水素が脱出しゲッタ効率を低下させることが可能となるほど層を加熱しない。この発明では、加熱は最適化された有効性のポイントを超えてゲッタ層を発展させる温度および時間の組み合わせを意味する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0024】
さらに、高エネルギー粒子ビームはまた、熱エネルギーの一部を供給し、所望の注入温度を達成するために外部熱源に組み合わせることができる。特定の実施形態では、高エネルギー粒子ビームは単独で注入に求められる全熱エネルギーを供給することができる。つまり、高エネルギー粒子ビームは基板の温度を上昇させる熱エネルギーに変換されるエネルギーを直接生じさせることを提供し得る。具体的実施形態では、粒子は所定または所望量基板の温度を上昇させるために、運動エネルギーを熱エネルギーに変換する。粒子ビームは走査速度および空間的な特性を有し得る。元のビームサイズからのビームの拡大は、高速電磁スキャニングにより起こりうるが、ビームが所望のビーム直径およびビーム束の空間的分布に自然に広がる距離を越えたビームのドリフトを通じても起こりうる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0025】
用途に依存するが、好適な実施形態によれば、より小さい質量粒子が一般的に材料の所望の深さへの注入のためのエネルギー必要量を減少させ、材料領域の損傷の可能性を減少させるために選択される。つまり、より小さい質量粒子は、粒子が通り抜けて移動する材料領域を実質的に損傷することなく、基板材料を通って選択された深さに容易に移動する。例えば、より小さい質量粒子(またはエネルギー粒子)は、ほとんどの(例えば、正または負に)帯電したおよび/または中性の原子または分子、または電子、などであり得る。具体的実施形態では、実施形態に応じて、粒子は、水素およびその同位体のイオン、ヘリウムおよびその同位体などの希ガスイオン、およびネオンなどのイオンを含む中性または帯電した粒子であり得る。粒子はまた、例えば、水素ガス、水蒸気、メタン、および水素化合物、および他の軽い原子質量粒子などの気体の化合物から生成することができる。また、粒子は、上述の粒子、および/またはイオン、および/または分子種、および/または原子種の任意の組み合わせとなり得る。粒子は、通常、表面の下の選択された深さまで表面を貫くことができる十分な運動エネルギーを有する。
【0026】
例として、シリコンウエハーに注入される種として水素を使うと、注入工程は特定の一連の条件を用いて実行される。注入ドーズは約1×1015から約1×1016atoms/cm2までであり、好ましくは、ドーズは約5×1016atoms/cm2未満である。注入エネルギーは、発電用途のために有用な厚膜の形成に対して、約1MeV以上から約2MeV以上までである。注入温度は、約−50℃から約+50℃までであり、好ましくは注入されたシリコンウエハーの外に水素イオンが拡散する可能性を避けるため約450℃未満である。水素イオンは、約±0.03から±1.5ミクロンの精度でシリコンウエハーの選択された深さに選択的に導入することができる。もちろん、使われるイオンのタイプおよび工程条件は用途に依存する。
【0027】
より高い注入エネルギーに対して、再利用可能な基板内で劈開面の最大範囲を考慮するために実質的に純粋な(例えば、正または負に帯電された)プロトンの注入を行うことは特に有利である。例としてシリコンを使うと、注入のエネルギー幅を非常に大きくすることができ、光吸収効率を最大化するために後に続くエピタキシャル成長が必要である光起電性の吸収体のテンプレート形成のための数keVから、太陽電池ウエハーの出発原料として使われる厚さ数百ミクロンの基板を生み出す数MeVに及ぶ。注入エネルギーの関数としての注入深さの大体の幅は、例えばSRIM2003(Stopping Range In Matter)またはモンテカルロシミュレーションプログラム(http://www.srim.org/)を使って計算することができる。具体的実施形態では、約50μmから約200μmの厚さのシリコン膜に約2MeVから約5MeVのプロトン注入エネルギーを用いる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0028】
具体的実施形態では、約50μmから約200μmの厚さのシリコン膜は、約2.1MeVから約5MeVのエネルギーを有するプロトン注入を用いて形成することができる。シリコン膜厚のこの幅は、自立シリコン基板として使うことができる単結晶シリコン基板と同等のものの層の分離を可能とする。50μmから200μmの厚さの範囲の単結晶シリコン基板は、ウエハー切断、エッチング、およびポリッシング工程を使う現在の方法を置き換えるために使うことができる。現在の技術における約50%のカーフロスとは対照的に(カーフロスは切断およびウエハリング作業中の材料損失として定義される)、注入劈開技術は事実上カーフロスが無く、結果的に実質的なコスト削減および材料利用効率の向上になる。5MeVより高いエネルギーは、代替基板材料を処理して半導体を作るために使われ得るが、太陽電池の製造では、バルクシリコン太陽電池形成のためのシリコン太陽電池材料の厚さに対して200μm以下が望まれる。結果として、具体的実施形態によれば太陽電池の製造に関して、より厚いシリコン基板には特別の商業的関心が示されない。
【0029】
例として、MeV領域の注入条件はReutovらによって開示されており(V.F. Reutov and Sh. Sh. Ibragimov、名称”Method for Fabricating Thin Silicon Wafers”、ソビエト連邦発明者証第1282757号、1983年12月30日)、これはここに参照として援用される。V.G. ReutovとSh. Sh. Ibragimovには、350μmまでの厚さの分離シリコンウエハーを生産するために、任意選択の注入中の加熱および注入後の再利用可能な基板の加熱を伴う7MeVまでのプロトン注入の使用が開示されている。1MeVの水素注入を用いた16ミクロンのシリコン膜の熱劈開はM.K.Weldon&al.、”On the Mechanism of Hydrogen−Induced Exfoliation of Silicon”、J.Vac.Sci.Technol.、B15(4)、1997年7月/8月、に開示され、これはここに参照として援用される。「分離」または「転写されたシリコン層」はこの文脈において、自立状態に解放され得るまたは永久基板または結果として自立基板として使われる仮の基板に解放され得る、または結果的に永久基板の上に取り付けられ得る注入イオン領域によって形成されたシリコン膜層を意味する。好適な実施形態では、シリコン材料は十分厚く支持部材としての機能を果たすハンドル基板が無い。もちろん、膜の取扱および処理のための特定の工程は、具体的工程および用途に依存する。
【0030】
図5を参照すると、本方法は劈開領域内に複数のゲッタリングサイトをさらに形成するために半導体基板に熱処理工程503を実行する。つまり、熱処理工程は、複数の第1の粒子を所定の位置に固定501するために劈開領域をアニールアウトおよび/または急冷する。熱処理は、その後の注入または水素化または注入および/または拡散工程の組み合わせで粒子をゲッタリングおよび蓄積するための効率的な部位として作用し得る欠陥の固定されたネットワークを供給する。具体的実施形態では、上昇した温度は恒久的な欠陥のネットワークを析出させ、また第1の複数の粒子から水素のかなりの部分をトラップすると考えられている。実質的に恒久的である欠陥層は、その後の注入および/または拡散工程で粒子を効率的に収集およびトラップするための部位を提供し、その工程は詳細には本明細書を通じて、特に以下に記述される。好適な実施形態では、熱処理は熱伝導、対流、放射、またはこれらの技術の任意の組み合わせを用いて起こり得る。高エネルギー粒子ビームはまた、熱エネルギーの一部を供給し、所望の注入温度を達成するために外部熱源に組み合わせることができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0031】
具体的実施形態では、図6に略図で示したように、この方法は半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第2の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含む。図示したように、この方法は、半導体基板に供給される第2の複数の高エネルギー粒子605を含む。第2の粒子は劈開領域607に導入され、第2の複数の高エネルギー粒子によって第1の応力レベルから第2の応力レベルに劈開領域の応力レベルを上昇させる。具体的実施形態では、第2の応力レベルはその後の劈開工程に適している。好適な実施形態では、半導体基板は第1の温度より高い第2の温度601に維持される。
【0032】
例として、シリコンウエハーに注入される種として水素を使うと、注入工程は特定の一連の条件を用いて実行される。注入ドーズは約5×1015から約5×1016atoms/cm2であり、好ましくは、ドーズは約1−5×1017atoms/cm2未満である。注入エネルギーは、発電用途のために有用な厚膜の形成に対して、約1MeV以上から約2MeV以上までである。注入ドーズ率は、500マイクロアンペアから50ミリアンペアまで供給することができ、全ドーズ率は拡大されたビーム領域にわたって注入率を積分することによって計算することができる。注入温度は、約−50℃から約550℃までであり、好ましくは蓄積ステップのために約350℃超である。水素イオンは、約±0.03から±1.5ミクロンの精度でシリコンウエハーの選択された深さに選択的に導入することができる。具体的実施形態では、温度およびドーズは水素分子の効率的な捕獲を可能にするように選択されるが、一方で単原子水素の多少の拡散があり得る。もちろん、使われるイオンのタイプおよび工程条件は用途に依存する。
【0033】
上述のより高い注入エネルギーに対して、再利用可能な基板内で劈開面の最大範囲を考慮するために実質的に純粋な(例えば、正または負に帯電された)プロトンの注入を行うことは特に有利である。例としてシリコンを使うと、注入のエネルギー幅を非常に大きくすることができ、光吸収効率を最大化するために後に続くエピタキシャル成長が必要である光起電性の吸収体のテンプレート形成のための数keVから、太陽電池ウエハーの出発原料として使われる厚さ数百ミクロンの基板を生み出す数MeVに及ぶ。注入エネルギーの関数としての注入深さの大体の幅は、例えばSRIM2003(Stopping Range In Matter)またはモンテカルロシミュレーションプログラム(http://www.srim.org/)を使って計算することができる。具体的実施形態では、約50μmから約100μm以上、例えば200μm、の厚さのシリコン膜に約2MeVから約5MeVのプロトン注入エネルギーを用いる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0034】
注入された粒子は選択された深さにおける基板の上面に平行な面に沿って効果的に応力を加えるか破壊エネルギーを減少させる。このエネルギーは、部分的に、注入種および条件に依存する。これらの粒子は、選択された深さにおける基板の破壊エネルギーのレベルを減少させる。これは、選択された深さにおいて注入された面に沿った制御された劈開を可能にする。注入は、全ての内部位置で基板のエネルギー状態が基板材料中で不可逆破壊(すなわち、分離や劈開)を起こすために不十分であるような条件下で起こり得る。しかし、注入ドーズは一般的に、その後の熱処理、例えば熱アニーリングまたは急速熱アニーリング、によって通常は少なくとも部分的に修復することができる基板中の所定量の欠陥(例えば微小欠陥)をもたらすことに留意すべきである。
【0035】
具体的実施形態では、本方法は適切なビーム強度を有する、質量選別高エネルギー注入手法を使う。コスト効率を良くするため、注入ビーム電流は数十ミリアンペアの程度のH+またはH-イオンビーム電流にすべきである(システムが十分高エネルギーを注入できる場合、高ドーズ率を達成するためにH2+イオンを有利に使うこともできる)。このような装置は高周波四重極加速器(RFQ−Linac)またはドリフト管リニアック(DTL)、またはRF収束櫛型(RF−Focused Interdigitated)(RFI)技術などを使うことにより最近利用できるようになった。これらは、カリフォルニア州プレザントンのAccsys Technology Inc.、NM87109、アルバカーキーのLinac Systems、LLCなどの会社から入手できる。
【0036】
具体的実施形態では、これらの手法は、プロトンビームの全エネルギーを約20−100KeVから0.5から7MeV以上の範囲に増加するように抽出されたプロトンビームに高周波加速を用いる。出力ビームは通常、直径が数ミリメートル程度であり、この用途への使用に対しては、ターゲット表面に衝突する出力フラックスが大きくなり過ぎないようにし、できる限りターゲット表面を加熱または傷つけないようにするために、一辺数百ミリメートル程度から1メートル以上のビーム拡大の使用が必要となる。これらの手法で利用可能なプロトン電流は100mAまでまたはそれ以上にすることができる。具体例として、100kWのビーム出力を仮定すると、3.25MeVのRFQ/RFI−Linacでは31mAのプロトンビーム電流が生じる。約1×1016H/cm2のドーズと約500mm×500mmの拡大ビームを使うことで、時間あたりの面積は約7平方メートルになる一方出力フラックスは約13Watts/cm2に保たれる。このパラメータの組み合わせは、コスト効率の良い太陽電池製造に対してこの手法を特に現実的にする。さらに、効果的なビーム特性に制御するために、電磁スキャニングを有利に使うことができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0037】
具体的実施形態では、第2の複数の粒子もまた、注入および/または拡散の任意の組み合わせを用いて導入することができる。具体的実施形態では、第2の複数の粒子は、記述されたものおよび本明細書の外の他の、任意の高エネルギー注入技術を用いて提供することができる。このような手法には、特に、イオンシャワー、プラズマ侵入イオン注入、および他のプラズマ処理工程が含まれる。また、拡散を含む、特定の低エネルギー技術を、第2の複数の粒子をゲッタリングサイトに導入するために使うことができる。単なる例であるが、水素および/または他の粒子を、対流、伝導、および/または放射および/またはこれらの任意の組み合わせなどの駆動力を用いて、ゲッタリングサイトに拡散させることができる。このような駆動力は、実施形態により、熱的、機械的、化学的、および/またはその他のものであり得る。単なる例であるが、このような第2の複数の粒子は、加熱されたターゲットの条件下でのプラズマ水素化または電解(液体の水素化)手段を用いて、導入することができる。また、複数の粒子は、具体的実施形態に従って、注入および/または拡散の組み合わせを用いて導入することができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0038】
任意選択で、この方法は具体的実施形態に従って注入工程の後の熱処理工程を含む。具体的実施形態では、本方法はシリコン材料に対して約450℃から約600℃までの熱工程を用いる。好適な実施形態では、熱処理は伝導、対流、放射、またはこれらの技術の任意の組み合わせを用いて起こり得る。具体的実施形態では、温度は粒子が導入される時間の一部の前、後、または間に急速熱処理を用いて与えることができる。急速熱処理は均一またはパターン状またはこれらの技術の組み合わせとすることができる。単なる例であるが、急速熱処理は、過度の水素の外方拡散を招くことなく最大に変位したシリコン原子分布の応力特性が実現される範囲端(end−of−range)領域でのシリコンおよび水素の所望の化学転位を達成するために提供され得る。短時間アニールは熱処理の利益を制限するこのような外方拡散を有することがよく知られている。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0039】
具体的実施形態では、高エネルギー粒子ビームはまた、熱エネルギーの一部を供給し、所望の注入温度を達成するために外部熱源に組み合わせることができる。特定の実施形態では、高エネルギー粒子ビームは単独で注入に求められる全熱エネルギーを供給することができる。好適な実施形態では、処理工程はその後の劈開工程のために劈開領域をならす。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0040】
具体的実施形態では、図7に示したように、半導体基板はトレイ装置701に配置される。線形加速器704で生成された複数の高エネルギー粒子703が半導体基板707の表面領域705に導入される。図7にはまた、基準球面座標系(ρ、f、θ)が示されている。z軸は半導体基板の表面領域に垂直であり、表面領域はデカルト座標系のx−y平面を画定する。基準球面座標およびデカルト座標の原点は基板の表面領域上の複数の高エネルギー粒子の入射点709である。加速器からの複数の高エネルギー粒子の出口711から原点までの距離は球面座標の半径方向距離ρで定義する。正のx軸からの方位角θも示されている。複数の高エネルギー粒子とz軸の間の天頂角fは注入角度を定義する。具体的実施形態では、トレイ装置は適切な注入角度を考慮して構成される。特に、トレイ装置は2つの予め設定されたポイントを用いて傾けることができ、処方手順に基づいて制御装置(例えばコンピュータ)によって選択されてもよい。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0041】
材料の自立層を形成する本方法を再度参照すると、第1の高エネルギー粒子は第1の注入角度で提供され得る。第1の注入角度は約0から約30度で与えられる。このような注入角度の範囲は具体的実施形態の半導体基板の層内の劈開面近傍のゲッタリングサイトの高密度ネットワークを可能にする。この角度はまた、最適化されたゲッタサイト層を得るという目標に適合するチャネリング注入レジームを最小化するまたは別の方法で選択するように選ぶことができる。第2の複数の高エネルギー粒子は第2の注入角度で与えられる。第2の注入角度は、劈開領域近くの結晶面に最適化された応力を生じるように、チャネリングと第2の高エネルギー粒子の深度分布を適合させることを可能にするように与えられる。具体的実施形態では、第2の注入角度は約0から約15度である。代替実施形態では、第2の注入角度は約0から約8度未満である。単なる例であるが、蓄積ステップは第2注入ピーク濃度をゲッタ層のピークに適合させることによって最大化することができる。注入が発達させたゲッタ層の欠陥分布ピークの深さは注入された水素濃度のピークより僅かに浅くなることが良く知られている。一定エネルギー注入を使うことで、第2の注入が第1のゲッタ層注入より大きい表面法線からの角度で行われる場合に適合させることができる。例として2MeVのプロトン注入を用いると、第1の注入損傷ピークはそのピーク水素濃度より約1μm浅くなる(SRIM2003を用い、直交注入およびチャネリング無しを仮定すると、これはおおよそ、48μm水素ピークに対して約47μmである。)。第2の注入水素の蓄積を最大にするために、約12度の注入角度が水素濃度ピークをゲッタリング層に適合させるためのより浅い第2の蓄積注入を可能にする。もちろん、使われる注入角度は用途に依存し、当業者は多くの変形形態、修正形態、代替形態を認識するであろう。
【0042】
具体的実施形態では、図8に示したように、この方法は注入面801に沿った劈開工程を用いて自立の分離可能な材料の層を除去する805ステップを含み、一方で図8に同じく示したように、分離可能な材料には上を覆う支持部材または同様なものは存在しない。図示したように、分離可能な材料810は残りの基板材料部分815から除去される。具体的実施形態では、除去するステップは制御された劈開工程を用いて実行することができる。制御された劈開工程はドナー基板の劈開領域の一部に選択されたエネルギーを提供する。単なる例であるが、制御された劈開工程は、カリフォルニア州サンノゼの同一出願人Silicon Genesis Corporationの、Controlled Cleaving Processを発明の名称とする米国特許第6,013,563号に記載されており、全ての目的で参照としてここに援用する。図示したように、この方法は、材料の層を完全に除去するために材料の層を基板から除去する。
【0043】
具体的実施形態では、図8Aに示したように、劈開工程は熱処理工程817を使うことによって実行することができる。好適な実施形態では、熱処理工程は基板の層に温度勾配を与え、特に劈開領域823において蓄積される応力を発生させ、劈開領域は複数の粒子によって注入または蓄積にかけられる。具体的実施形態では、温度勾配は、半導体基板の表面領域819に第1の温度T1を与え、半導体基板の背面領域821に第2の温度T2を与えることによって達成することができる。実施形態に従って、T1はT2より大きくすることができ、または、T2はT1より大きくすることができる。劈開領域823もまた図示される。単なる例であるが、加熱は様々な技術を用いて行うことができる。このような技術には、伝導、放射、対流、またはこれらの任意の組み合わせを含めることができる。伝導には、具体的実施形態に従って、ホットプレートまたは他の接触デバイスなどまたは液体および/または気体を用いた伝導を含み得る。代替実施形態では、放射を使うことができる。このような放射には、具体的実施形態に従って、加熱ランプ、フラッシュランプ、レーザランプ、急速加熱デバイスなどを含み得る。また、劈開領域に温度勾配を生じさせるために、一方または両方の表面の上に気体を流すことができる。さらに、どちらの表面も劈開領域を横切る温度勾配を生じさせるため所定の温度に冷却され得る。冷却は、伝導、対流、放射、または加熱技術に類似する他の技術を用いて行うことができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0044】
具体的実施形態では、劈開工程は劈開のためのエネルギーを供給するレーザを用いて実行することができる。レーザを使うと、具体的実施形態に従って、選択された領域を、レーザが基板の一部を貫通することが可能になるよう、劈開領域の部分で吸収されるエネルギーを考慮するように形成され得る。つまり、基板とレーザのタイプは、劈開領域での温度勾配を形成するために電磁放射を効率的に変換するように使われ得る。他の代替の具体的実施形態では、劈開工程は音響工程(acoustic process)を用いて実行することができる。代替実施形態では、劈開工程は機械的工程を用いて実行し得る。別の代替実施形態では、劈開は上述の工程のいずれかまたは上述の工程の任意の組み合わせを用いて起こすことができる。このような劈開技術の例は、同一出願人による、米国特許第6,013,563号に見いだすことができ、全ての目的で参照としてここに援用する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0045】
好適な実施形態では、本発明は劈開を開始するためのレーザ源などの高エネルギー光源を用いる。具体的実施形態では、温度勾配をもたらすまたはさらには劈開動作を開始する温度勾配をもたらすために、レーザ源は劈開領域の選択された領域および/または劈開領域の近傍内に向けられ得る。レーザは、具体適実施形態に従って、パルス状で、および/または点滅しておよび/または空間領域に向けられる。単なる例であるが、レーザは、California、IrvineのNewport Corporationという会社によって製造されたHIPPO−106QWなどの基本波長1064nmで運転されるQスイッチNd−YAGレーザにすることができる。一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、Nd−YLF、自由電子レーザ、および色素レーザなどの他のタイプのレーザ装置も使うことができる。実施形態に従って、ターゲット材料のバンド端近くで運転されるレーザ波長の利点は、EOR損傷領域と劈開面水素濃度がバンド端波長近傍でバルク材料よりはるかに吸収力があるようになるので有利であると考えられる。具体的実施形態では、これは劈開面領域内で加熱成分(例えば、ピーク温度および温度勾配)が増加する効果を有する。
【0046】
具体的実施形態では、波長1064nmのNd−YAGはシリコンに対するレーザ波長の選択の一つである。他の実施形態では、P型ドープされ、5−10ohm−cmの結晶質単結晶シリコンの20C吸収係数(cm-1)は、ほぼ50cm-1である一方、注入ピークに対するEOR吸収係数は1000−10,000cm-1以上に増加させることができる。これは、好適な実施形態によれば、ほとんどのレーザエネルギーを劈開領域内に蓄積させることを可能にする。他の波長は類似の吸収選択性を示し得る。特定のEOR化学結合吸収ピーク(例えば、シリコン内のほぼ1800−2200cm-1における水素関連の結合吸収バンド)に調整された幾つかの特定の波長は、劈開面領域内のレーザエネルギー吸収を最適化するために有利に用いることもできる。このようなレーザは例えば、約4.8μmのSi−H結合吸収に調整することができる自由電子レーザにすることができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0047】
具体的実施形態では、本方法は他の工程を実行することができる。例えば、この方法は、後に処理される、分離された材料の層を支持部材に置くことができる。加えてまたは任意選択で、この方法は、第1の高エネルギー粒子に表面領域をさらす前に半導体基板に一つまたは複数の処理を実行する。実施形態に依存して、工程は太陽電池、集積回路、光学素子、これらの任意の組み合わせなどの形成のためのものとなり得る。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る
【0048】
代替の具体的実施形態では、一つまたは複数の半導体基板を用いて材料の自立層を製造する代替の方法が次のように提供される。
1.表面領域と厚さを有する半導体基板を準備する。
2.半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第1のパターン化された複数の高エネルギー粒子にさらし、第1の複数の高エネルギー粒子は第1の複数の高エネルギー粒子の方向と表面領域によって規定される第1の角度で提供される。
3.劈開領域内に複数のゲッタリングサイトのパターン領域を形成し、劈開領域は分離される材料の層を画定するよう表面領域の下に設けられ、その間劈開領域は第1の温度に維持される。
4.任意選択で、劈開領域内にパターン化された複数のゲッタリングサイトをさらに形成するために、半導体基板に熱処理工程を実行する。
5.半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第2の複数の高エネルギー粒子にさらし、第2の複数の高エネルギー粒子は第2の複数の高エネルギー粒子の方向と表面領域によって規定される第2の角度で提供される。
6.第2の複数の高エネルギー粒子により第1の応力レベルから第2の応力レベルに劈開領域の応力レベルを増加させ、その間半導体基板は第2の温度に維持される。
7.劈開工程を用いて自立の分離可能な材料の層を除去し、一方で分離可能な材料には上を覆う支持部材または同様なものは存在しない。
8.分離された材料の層を支持部材に置く。
9.分離された材料の層に一つまたは複数の処理を実行する。
10.任意選択で、ステップ(2)の表面領域を第1の複数の高エネルギー粒子にさらす前に、半導体基板に一つまたは複数の処理を実行する。
11.要求通りに他のステップを実行する。
【0049】
上記の一連のステップは本発明の実施形態による線形加速器工程およびパターン注入を用いた基板を形成する方法を提供する。示したように、この方法は、好ましくは厚く自立の材料の膜を除去するために共注入工程を用いることを含む。他の代替形態もまた可能であり、そこではステップが追加されたり、一つまたは複数のステップが取り除かれたり、あるいは一つまたは複数のステップが特許請求の範囲から離れることなく異なる順序で提供され得る。本方法のさらなる詳細は本明細書を通じて、特に以下に見ることができる。
【0050】
図9−15は、本発明の代替実施形態による厚い層の転写工程を用いた基板を形成する方法を説明した略図である。これらの図は単なる例であり、ここに挙げられた特許請求の範囲を不当に限定するものではない。当業者は多くの変形形態、修正形態、代替形態を認識するであろう。図示したように、この方法は表面領域901、背面903、および厚さを有する半導体基板900を準備することによって始まる。このような厚さは、インゴットの全体またはより大きいインゴットまたは同等のものからのスライスされたものであり得る。具体的実施形態では、半導体基板は、単結晶シリコンウエハー、ポリシリコン鋳造ウエハー、タイル、または基板、シリコンゲルマニウムウエハー、ゲルマニウムウエハー、III/V族材料、II/VI族材料、炭化ケイ素、窒化ガリウム、などにすることができる。好適な実施形態では、基板を感光材料にすることができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0051】
図10を参照すると、この方法は半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第1の複数の高エネルギー粒子1001にさらすことを含む。具体的実施形態では、粒子は劈開領域1101内に複数のゲッタリングサイトまたは蓄積領域の形成を生じさせ、図11に略図で示したように、劈開領域は分離される材料1105の層を画定するよう表面領域の下に設けられる。好ましくは、第1の複数の高エネルギー粒子は、基板材料のある深さ内に空間的に配置されるピーク濃度および底を有する注入特性をもたらす。好ましくは、底は約2Rp以下の幅を有する。好適な実施形態では、劈開領域は第1の温度1105に維持され、これは直接または間接的に提供することができる。つまり、この温度は、具体的実施形態により、対流、伝導、放射、またはこれらの技術の組み合わせによって与えられ得る。具体的実施形態では、温度は粒子が導入される時間の一部の前、後、または間に急速熱処理を用いて与えることができる。急速熱処理は、均一またはパターン状またはこれらの技術の組み合わせとすることができる。単なる例であるが、急速熱処理は、注入範囲端層内の変位シリコン原子の最適化された応力特性を達成することを提供し、ここで応力は最大化されるが急速熱処理条件の選択は水素が脱出しゲッタ効率を低下させることが可能となるほど層を加熱しない。この発明では、加熱は最適化された有効性のポイントを超えてゲッタ層を発展させる温度および時間の組み合わせを意味する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0052】
さらに、高エネルギー粒子ビームはまた、熱エネルギーの一部を供給し、所望の注入温度を達成するために外部熱源に組み合わせてもよい。特定の実施形態では、高エネルギー粒子ビームは単独で注入に求められる全熱エネルギーを供給することができる。つまり、高エネルギー粒子ビームは基板の温度を上昇させる熱エネルギーに変換されるエネルギーを直接生じさせることを提供し得る。具体的実施形態では、粒子は、基板の温度を所定量または所望量上昇させるために、運動エネルギーを熱エネルギーに変換する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0053】
用途に依存するが、好適な実施形態によれば、より小さい質量粒子が一般的に材料の所望の深さへの注入のためのエネルギー必要量を減少させ、材料領域の損傷の可能性を減少させるために選択される。つまり、より小さい質量粒子は、粒子が通り抜けて移動する材料領域を実質的に損傷することなく、基板材料を通って選択された深さに容易に移動する。例えば、より小さい質量粒子(またはエネルギー粒子)は、ほとんどの(例えば、正または負に)帯電したおよび/または中性の原子または分子、または電子、などであり得る。具体的実施形態では、実施形態に応じて、粒子は、水素およびその同位体のイオン、ヘリウムおよびその同位体などの希ガスイオン、およびネオンなどのイオンを含む中性または帯電した粒子であり得る。粒子はまた、例えば、水素ガス、水蒸気、メタン、および水素化合物、および他の軽い原子質量粒子などの気体の化合物から生成することができる。また、粒子は、上述の粒子、および/またはイオン、および/または分子種、および/または原子種の任意の組み合わせとなり得る。粒子は、通常、表面の下の選択された深さまで表面を貫くことができる十分な運動エネルギーを有する。
【0054】
例として、シリコンウエハーに注入される種として水素を使うと、注入工程は特定の一連の条件を用いて実行される。注入ドーズは約1×1015から約1×1016atoms/cm2までであり、好ましくは、ドーズは約5×1016atoms/cm2未満である。注入エネルギーは、発電用途のために有用な厚膜の形成に対して、約1MeV以上から約2MeV以上までである。注入温度は、約−50℃から約+50℃までであり、好ましくは注入されたシリコンウエハーの外に水素イオンが拡散する可能性を避けるため約450℃未満である。水素イオンは、約±0.03から±1.5ミクロンの精度でシリコンウエハーの選択された深さに選択的に導入することができる。もちろん、使われるイオンのタイプおよび工程条件は用途に依存する。
【0055】
より高い注入エネルギーに対して、再利用可能な基板内で劈開面の最大範囲を考慮するために実質的に純粋な(例えば、正または負に帯電された)プロトンの注入を行うことは特に有利である。例としてシリコンを使うと、注入のエネルギー幅を非常に大きくすることができ、光吸収効率を最大化するために後に続くエピタキシャル成長が必要である光起電性の吸収体のテンプレート形成のための数keVから、太陽電池ウエハーの出発原料として使われる厚さ数百ミクロンの基板を生み出す数MeVに及ぶ。注入エネルギーの関数としての注入深さの大体の幅は、例えばSRIM2003(Stopping Range In Matter)またはモンテカルロシミュレーションプログラムを使って計算することができる。具体的実施形態では、約50μmから約200μmの厚さのシリコン膜に約2MeVから約5MeVのプロトン注入エネルギーを用いる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0056】
具体的実施形態では、約50μmから約200μmの厚さのシリコン膜は、約2.1MeVから約5MeVのエネルギーを有するプロトン注入を用いて形成することができる。シリコン膜厚のこの幅は、自立シリコン基板として使うことができる単結晶シリコン基板と同等のものの層の分離を可能とする。50μmから200μmの厚さの範囲の単結晶シリコン基板は、ウエハー切断、エッチング、およびポリッシング工程を使う現在の方法を置き換えるために使うことができる。現在の技術における約50%のカーフロスとは対照的に(カーフロスは切断およびウエハリング作業中の材料損失として定義される)、注入劈開技術は事実上カーフロスが無く、結果的に実質的なコスト削減および材料利用効率の向上になる。5MeVより高いエネルギーは、代替基板材料を処理して半導体を作るために使われ得るが、太陽電池の製造では、バルクシリコン太陽電池形成のためのシリコン太陽電池材料の厚さに対して200μm以下が望まれる。結果として、具体的実施形態によれば太陽電池の製造に関して、より厚いシリコン基板には特別の商業的関心が示されない。
【0057】
例として、MeV領域の注入条件はReutovらによって開示されており(V.F. Reutov and Sh. Sh. Ibragimov、”Method for Fabricating Thin Silicon Wafers”、ソビエト連邦発明者証第1282757号、1983年12月30日)、これはここに参照として援用される。V.G. ReutovとSh. Sh. Ibragimovには、350μmまでの厚さの分離シリコンウエハーを生産するために、任意選択の注入中の加熱および注入後の再利用可能な基板の加熱を伴う7MeVまでのプロトン注入の使用が開示されている。1MeVの水素注入を用いた16ミクロンのシリコン膜の熱劈開はM.K.Weldon&al.、”On the Mechanism of Hydrogen−Induced Exfoliation of Silicon”、J.Vac.Sci.Technol.、B15(4)、1997年7月/8月、に開示され、これはここに参照として援用される。「分離」または「転写されたシリコン層」はこの文脈において、自立状態に解放され得るまたは永久基板または結果として自立基板として使われる仮の基板に解放され得る、または結果的に永久基板の上に取り付けられ得る注入イオン領域によって形成されたシリコン膜層を意味する。好適な実施形態では、シリコン材料は十分厚く支持部材としての機能を果たすハンドル基板が無い。もちろん、膜の取扱および処理のための特定の工程は、具体的工程および用途に依存する。
【0058】
具体的実施形態では、本方法は第1および/または第2の複数の粒子のパターン注入を実行する。図示したように、パターン注入後、選択された領域は劈開動作の開始を促進するために、不純物のより高いドーズを有する。つまり、選択された領域は、図12(A)に示したように、この例では、基板の周辺1201内にあるように選択される。具体的実施形態では、より高いドーズは2−5×1016cm-2になり得、より低いドーズは約0.5−2×1016cm-2以下の範囲になり得る。具体的実施形態では、パターン注入は図示したように端部領域に沿って空間的方法で与えられる。また、パターン注入はz軸方向に沿って行うことができ、これもまた図示されている。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0059】
図12(B)を参照すると、本方法は劈開領域内に複数のゲッタリングサイトをさらに形成するために半導体基板に熱処理工程1203を実行する。つまり、熱処理工程は、複数の第1の粒子を所定の位置に固定する1201ために劈開領域をアニールアウトおよび/または急冷する。熱処理は、その後の注入工程で粒子をゲッタリングおよび蓄積するための効率的な部位として作用し得る欠陥の固定されたネットワークを供給する。具体的実施形態では、上昇した温度は恒久的な欠陥のネットワークを析出させ、また第1の複数の粒子から水素のかなりの部分をトラップすると考えられている。実質的に恒久的である欠陥層は、その後の注入および/または拡散工程で粒子の効率的な収集およびトラップのための部位を提供し、その工程は詳細には本明細書を通じて、特に以下に記述される。好適な実施形態では、熱処理は熱伝導、対流、放射、またはこれらの技術の任意の組み合わせを用いて起こり得る。高エネルギー粒子ビームはまた、熱エネルギーの一部を供給し、所望の注入温度を達成するために外部熱源に組み合わせることができる。特定の実施形態では、高エネルギー粒子ビームは単独で注入に求められる全熱エネルギーを供給することができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0060】
具体的実施形態では、図13に略図で示したように、この方法は半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第2の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含む。図示したように、この方法は、半導体基板に供給される第2の複数の高エネルギー粒子1305を含む。第2の粒子は劈開領域1307に導入され、第2の複数の高エネルギー粒子によって第1の応力レベルから第2の応力レベルに劈開領域の応力レベルを上昇させる。具体的実施形態では、第2の応力レベルはその後の劈開工程に適している。好適な実施形態では、半導体基板は第1の温度より高い第2の温度1301に維持される。
【0061】
例として、シリコンウエハーに注入される種として水素を使うと、注入工程は特定の一連の条件を用いて実行される。注入ドーズは約5×1015から約5×1016atoms/cm2であり、好ましくは、ドーズは約1−5×1017atoms/cm2未満である。注入エネルギーは、発電用途のために有用な厚膜の形成に対して、約1MeV以上から約2MeV以上までである。注入ドーズ率は、500マイクロアンペアから50ミリアンペアまで供給することができ、全ドーズ率は拡大されたビーム領域にわたって注入率を積分することによって計算することができる。注入温度は、約−50℃から約550℃までであり、好ましくは約400℃超である。水素イオンは、約±0.03から±1.5ミクロンの精度でシリコンウエハーの選択された深さに選択的に導入することができる。具体的実施形態では、温度およびドーズは水素分子の効率的な捕獲を可能にするように選択されるが、一方で単原子水素の多少の拡散があり得る。もちろん、使われるイオンのタイプおよび工程条件は用途に依存する。
【0062】
上記のより高い注入エネルギーに対して、再利用可能な基板内で劈開面の最大範囲を考慮するために実質的に純粋な(例えば、正または負に帯電された)プロトンの注入を行うことは特に有利である。例としてシリコンを使うと、注入のエネルギー幅を非常に大きくすることができ、光吸収効率を最大化するために後に続くエピタキシャル成長が必要である光起電性の吸収体のテンプレート形成のための数keVから、太陽電池ウエハーの出発原料として使われる厚さ数百ミクロンの基板を生み出す数MeVに及ぶ。注入エネルギーの関数としての注入深さの大体の幅は、例えばSRIM2003(Stopping Range In Matter)またはモンテカルロシミュレーションプログラム(http://www.srim.org/)を使って計算することができる。具体的実施形態では、約50μmから約100μm以上の範囲、例えば200μm、の厚さのシリコン膜に約2MeVから約5MeVのプロトン注入エネルギーを用いる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0063】
注入された粒子は選択された深さにおける基板の上面に平行な面に沿って効果的に応力を加えるか破壊エネルギーを減少させる。このエネルギーは、部分的に、注入種および条件に依存する。これらの粒子は、選択された深さにおける基板の破壊エネルギーのレベルを減少させる。これは、選択された深さにおいて注入された面に沿った制御された劈開を可能にする。注入は、全ての内部位置で基板のエネルギー状態が基板材料中で不可逆破壊(すなわち、分離や劈開)を起こすために不十分であるような条件下で起こり得る。しかし、注入ドーズは一般的に、その後の熱処理、例えば熱アニーリングまたは急速熱アニーリング、によって通常は少なくとも部分的に修復することができる基板中の所定量の欠陥(例えば微小欠陥)をもたらすことに留意すべきである。
【0064】
具体的実施形態では、本方法は適切なビーム強度を有する、質量選別高エネルギー注入手法を使う。コスト効率を良くするため、注入ビーム電流は数十ミリアンペアの程度のH+またはH-イオンビーム電流にすべきである(システムが十分高エネルギーを注入できる場合、高ドーズ率を達成するためにH2+イオンを有利に使うこともできる)。このような装置は高周波四重極加速器(RFQ−Linac)またはドリフト管リニアック(DTL)、またはRF収束櫛型(RFI)技術などを使うことにより最近利用できるようになった。これらは、カリフォルニア州プレザントンのAccsys Technology Inc.、NM87109、アルバカーキーのLinac Systems、LLCなどの会社から入手できる。
【0065】
具体的実施形態では、これらの手法は、プロトンビームの全エネルギーを約20−100KeVから0.5から7MeV以上の範囲に増加するように抽出されたプロトンビームに高周波加速を用いる。出力ビームは通常、直径が数ミリメートル程度であり、この用途への使用に対しては、ターゲット表面に衝突する出力フラックスが大きくなり過ぎないようにし、できる限りターゲット表面を加熱または傷つけないようにするために、一辺数百ミリメートル程度から1メートル以上のビーム拡大の使用が必要となる。これらの手法で利用可能なプロトン電流は100mAまでまたはそれ以上にすることができる。具体例として、100kWのビーム出力を仮定すると、3.25MeVのRFQ/RFI−Linacでは31mAのプロトンビーム電流が生じる。約1×1016H/cm2のドーズと約500mm×500mmの拡大ビームを使うことで、時間あたりの面積は約7平方メートルになる一方出力フラックスは約13Watts/cm2に保たれる。このパラメータの組み合わせは、コスト効率の良い太陽電池製造に対してこの手法を特に現実的にする。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0066】
具体的実施形態では、第2の複数の粒子もまた、注入および/または拡散の任意の組み合わせを用いて導入することができる。具体的実施形態では、第2の複数の粒子は、記述されたものおよび本明細書の外の他の、任意の高エネルギー注入技術を用いて提供することができる。このような手法には、特に、イオンシャワー、プラズマ侵入イオン注入、および他のプラズマ処理工程が含まれる。また、拡散を含む、特定の低エネルギー技術を、第2の複数の粒子をゲッタリングサイトに導入するために使うことができる。単なる例であるが、水素および/または他の粒子を、対流、伝導、および/または放射および/またはこれらの任意の組み合わせなどの駆動力を用いて、ゲッタリングサイトに拡散させることができる。このような駆動力は、実施形態により、熱的、機械的、化学的、および/またはその他のものであり得る。単なる例であるが、このような第2の複数の粒子は、加熱されたターゲットの条件下でのプラズマ水素化または電解(液体の水素化)手段または他の注入および/または拡散技術を用いて、導入することができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0067】
任意選択で、この方法は具体的実施形態に従って注入工程の後の熱処理工程を含む。具体的実施形態では、本方法はシリコン材料に対して約450℃から約600℃までの熱工程を用いる。好適な実施形態では、熱処理は伝導、対流、放射またはこれらの技術の任意の組み合わせを用いて起こり得る。具体的実施形態では、温度は粒子が導入される時間の一部の前、後、または間に急速熱処理を用いて与えることができる。急速熱処理は、均一またはパターン状またはこれらの技術の組み合わせとすることができる。単なる例であるが、急速熱処理は注入範囲端層内の変位シリコン原子の最適化された応力特性を達成することを提供し、ここで応力は最大化されるが急速熱処理条件の選択は水素が脱出しゲッタ効率を低下させることが可能となるほど層を加熱しない。この発明では、加熱は最適化された有効性のポイントを超えてゲッタ層を発展させる温度および時間の組み合わせを意味する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0068】
具体的実施形態では、高エネルギー粒子ビームはまた、熱エネルギーの一部を供給し、所望の注入温度を達成するために外部熱源に組み合わせることができる。特定の実施形態では、高エネルギー粒子ビームは単独で注入に求められる全熱エネルギーを供給することができる。好適な実施形態では、処理工程はその後の劈開工程のために劈開領域をならす。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0069】
具体的実施形態では、図14に示したように、半導体基板はトレイ装置1401に配置される。線形加速器1404で生成された複数の高エネルギー粒子1403が半導体基板1407の表面領域1405に導入される。図14にはまた、基準球面座標系(ρ、f、θ)が示されている。z軸は半導体基板の表面領域に垂直であり、表面領域はデカルト座標系のx−y平面を画定する。基準球面座標およびデカルト座標の原点は基板の表面領域上の複数の高エネルギー粒子の入射点1409である。加速器からの複数の高エネルギー粒子の出口1411から原点までの距離は球面座標の半径方向距離ρで定義する。正のx軸からの方位角θも示されている。複数の高エネルギー粒子とz軸の間の天頂角fは注入角度を定義する。具体的実施形態では、トレイ装置は適切な注入角度を考慮して構成される。特に、トレイ装置は2つの予め設定されたポイントを使って傾けることができ、処方手順に基づいて制御装置(例えばコンピュータ)によって選択されてもよい。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0070】
材料の自立層を形成する本方法を再度参照すると、第1の高エネルギー粒子は第1の注入角度で提供され得る。第1の注入角度は約0から約30度で与えられる。このような注入角度の範囲は具体的実施形態の半導体基板の層内の劈開面近傍のゲッタリングサイトの高密度ネットワークを可能にするように与えられる。第2の複数の高エネルギー粒子は第2の注入角度で与えられる。第2の注入角度は、劈開領域近傍の結晶面にある応力レベルを生じるように、第2の高エネルギー粒子のチャネリングを可能にするように与えられる。具体的実施形態では、第2の注入角度は約0から約15度になり得る。代替実施形態では、第2の注入角度は約0から約8度未満になり得る。もちろん、使われる注入角度は用途に依存し、当業者は多くの変形形態、修正形態、代替形態を認識するであろう。
【0071】
具体的実施形態では、本方法は第2の複数の粒子のパターン注入を実行する。第2の複数の粒子の注入後、選択された領域は劈開動作の開始を促進するために、不純物のより高いドーズを有する。つまり、選択された領域は、具体的実施形態では、基板の周辺内にあるように選択される。具体的実施形態では、より高いドーズは2−5×1016cm-2になり得、より低いドーズは約0.5−2×1016cm-2以下の範囲になり得る。具体的実施形態では、パターン注入は図示したように端部領域に沿って空間的方法で与えられる。また、パターン注入はz軸方向に沿って行うことができ、これもまた図示されている。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0072】
具体的実施形態では、図15に示したように、この方法は注入面1504に沿った劈開工程を用いて自立の分離可能な材料の層を除去する1502ステップを含み、一方で図15に同じく示したように、分離可能な材料には上を覆う支持部材または同様なものは存在しない。図示したように、分離可能な材料1501は残りの基板部分1505から除去される。具体的実施形態では、除去するステップは制御された劈開工程を用いて実行することができる。制御された劈開工程はドナー基板の劈開領域の一部に選択されたエネルギーを提供する。単なる例であるが、制御された劈開工程は、カリフォルニア州サンノゼの同一出願人Silicon Genesis Corporationの、Controlled Cleaving Processを発明の名称とする米国特許第6,013,563号に記載されており、全ての目的で参照としてここに援用する。図示したように、この方法は、材料の層を完全に除去するために材料の層を基板から除去する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0073】
具体的実施形態では、本方法は他の工程を実行することができる。例えば、この方法は、後に処理される、分離された材料の層を支持部材に置くことができる。加えてまたは任意選択で、この方法は、第1の高エネルギー粒子に表面領域をさらす前に半導体基板に一つまたは複数の処理を実行する。実施形態に依存して、工程は太陽電池、集積回路、光学素子、これらの任意の組み合わせなどの形成のためのものとなり得る。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0074】
さらに代替の具体的実施形態では、一つまたは複数の半導体基板を用いて材料の自立層を製造する代替の方法が次のように提供される。
1.表面領域と厚さを有する半導体基板を準備する。
2.半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第1のパターン化された複数の高エネルギー粒子にさらし、第1の複数の高エネルギー粒子は第1の複数の高エネルギー粒子の方向と表面領域によって規定される第1の角度で提供される。
3.劈開領域内に複数のゲッタリングサイトのパターン領域を形成し、劈開領域は分離される材料の層を画定するよう表面領域の下に設けられ、その間劈開領域は第1の温度に維持される。
4.任意選択で、劈開領域内にパターン化された複数のゲッタリングサイトをさらに形成するために、半導体基板に熱処理工程を実行する。
5.半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第2の複数の高エネルギー粒子にさらし、第2の複数の高エネルギー粒子は第2の複数の高エネルギー粒子の方向と表面領域によって規定される第2の角度で提供される。
6.第2の複数の高エネルギー粒子により第1の応力レベルから第2の応力レベルに劈開領域の応力レベルを増加させ、その間半導体基板は第2の温度に維持される。
7.劈開工程を用いて自立の分離可能な材料の層を除去し、一方で分離可能な材料には上を覆う支持部材または同様なものは存在せず、応力が付加された残りの材料(例えば、注入で損傷した材料、ドープされた材料、水素をドープされた材料)は、材料の層が分離された後でも材料の層にいまだに付着している。
8.自立で変形した分離した材料の層を準備する。
9.残りの応力が付加された材料の部分を除去するために分離した材料を処理する。
10.形状が平らで応力が付加された材料の部分が実質的に無い、実質的に平坦な材料の層を産する。
11.分離した材料の層を支持部材に置く。
12.分離した材料の層に一つまたは複数の処理を実行する。
13.任意選択で、ステップ(2)の表面領域を第1の複数の高エネルギー粒子にさらす前に、半導体基板に一つまたは複数の処理を実行する。
14.要求通りに他のステップを実行する。
【0075】
上記の一連のステップは本発明の実施形態による線形加速器工程およびパターン注入を用いた基板を形成する方法を提供する。示したように、この方法は、好ましくは厚い自立の材料の膜を除去するために共注入工程を使うことを含む。他の代替形態もまた可能であり、そこではステップが追加されたり、一つまたは複数のステップが取り除かれたり、あるいは一つまたは複数のステップが特許請求の範囲から離れることなく異なる順序で提供され得る。あるいは、本方法はまた、一つまたは複数の技術を用いて分離された材料の層から変形を除去するための技術を提供する。本方法のさらなる詳細は本明細書を通じて、特に以下に見ることができる。
【0076】
図16−20は、本発明の実施形態による厚い層転写のポスト劈開工程を用いた基板を形成する方法を説明した略図である。これらの図は単なる例であり、ここに挙げられた特許請求の範囲を不当に限定するものではない。当業者は多くの変形形態、修正形態、代替形態を認識するであろう。図示したように、この方法は表面領域1602、背面1603、および厚さ1604を有する半導体基板1600を準備することによって始まる。このような厚さは、インゴットの全体またはより大きいインゴットまたは同等のものからのスライスされたものであり得る。具体的実施形態では、半導体基板は、単結晶シリコンウエハー、ポリシリコン鋳造ウエハー、タイル、または基板、シリコンゲルマニウムウエハー、ゲルマニウムウエハー、III/V族材料、II/VI族材料、炭化ケイ素、窒化ガリウム、などにすることができる。好適な実施形態では、基板を感光材料にすることができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0077】
具体的実施形態では、この方法は半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第1の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含む。具体的実施形態では、粒子は劈開領域1601内に複数のゲッタリングサイトまたは蓄積領域の形成をもたらし、図16に略図で示したように、劈開領域は分離される材料1607の層を画定するよう表面領域の下に設けられる。好ましくは、第1の複数の高エネルギー粒子は、基板材料のある深さ内に空間的に配置されるピーク濃度および底を有する注入特性をもたらす。好ましくは、底は約2Rp以下の幅を有する。好適な実施形態では、劈開領域は第1の温度に維持され、これは直接または間接的に提供することができる。つまり、この温度は、具体的実施形態により、対流、伝導、放射、またはこれらの技術の組み合わせによって与えられ得る。具体的実施形態では、温度は粒子が導入される時間の一部の前、後、または間に急速熱処理を用いて与えることができる。急速熱処理は、均一またはパターン状またはこれらの技術の組み合わせとすることができる。単なる例であるが、急速熱処理は注入範囲端層内の変位シリコン原子の最適化された応力特性を達成することを提供し、ここで応力は最大化されるが急速熱処理条件の選択は水素が脱出しゲッタ効率を低下させることが可能となるほど層を加熱しない。この発明では、加熱は最適化された有効性のポイントを超えてゲッタ層を発展させる温度および時間の組み合わせを意味する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0078】
さらに、高エネルギー粒子ビームはまた、熱エネルギーの一部を供給し、所望の注入温度を達成するために外部熱源に組み合わせてもよい。特定の実施形態では、高エネルギー粒子ビームは単独で注入に求められる全熱エネルギーを供給することができる。つまり、高エネルギー粒子ビームは基板の温度を上昇させる熱エネルギーに変換されるエネルギーを直接もたらすことを提供し得る。具体的実施形態では、粒子は、基板の温度を所定量または所望量上昇させるために、運動エネルギーを熱エネルギーに変換する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0079】
用途に依存するが、好適な実施形態によれば、より小さい質量粒子が一般的に材料の所望の深さへの注入のためのエネルギー必要量を減少させ、材料領域の損傷の可能性を減少させるために選択される。つまり、より小さい質量粒子は、粒子が通り抜けて移動する材料領域を実質的に損傷することなく、基板材料を通って選択された深さに容易に移動する。例えば、より小さい質量粒子(またはエネルギー粒子)は、ほとんどの(例えば、正または負に)帯電したおよび/または中性の原子または分子、または電子、などであり得る。具体的実施形態では、実施形態に応じて、粒子は水素およびその同位体のイオン、ヘリウムおよびその同位体などの希ガスイオン、およびネオンなどのイオンを含む中性または帯電した粒子であり得る。粒子はまた、例えば、水素ガス、水蒸気、メタン、および水素化合物、および他の軽い原子質量粒子などの気体の化合物から生成することができる。また、粒子は、上述の粒子、および/またはイオン、および/または分子種、および/または原子種の任意の組み合わせとなり得る。粒子は、通常、表面の下の選択された深さまで表面を貫くことができる十分な運動エネルギーを有する。
【0080】
例として、シリコンウエハーに注入される種として水素を使うと、注入工程は特定の一連の条件を用いて実行される。注入ドーズは約1×1015から約1×1016atoms/cm2までであり、好ましくは、ドーズは約5×1016atoms/cm2未満である。注入エネルギーは、発電用途のために有用な厚膜の形成に対して、約1MeV以上から約2MeV以上までである。注入温度は、約−50℃から約+50℃までであり、好ましくは注入されたシリコンウエハーの外に水素イオンが拡散する可能性を避けるため約450℃未満である。水素イオンは、約±0.03から±1.5ミクロンの精度でシリコンウエハーの選択された深さに選択的に導入することができる。もちろん、使われるイオンのタイプおよび工程条件は用途に依存する。
【0081】
より高い注入エネルギーに対して、再利用可能な基板内で劈開面の最大範囲を考慮するために実質的に純粋な(例えば、正または負に帯電された)プロトンの注入を行うことは特に有利である。例としてシリコンを使うと、注入のエネルギー幅を非常に大きくすることができ、光吸収効率を最大化するために後に続くエピタキシャル成長が必要である光起電性の吸収体のテンプレート形成のための数keVから、太陽電池ウエハーの出発原料として使われる厚さ数百ミクロンの基板を生み出す数MeVに及ぶ。注入エネルギーの関数としての注入深さの大体の幅は、例えばSRIM2003(Stopping Range In Matter)またはモンテカルロシミュレーションプログラム(http://www.srim.org/)を使って計算することができる。具体的実施形態では、約50μmから約200μmの厚さのシリコン膜に約2MeVから約5MeVのプロトン注入エネルギーを用いる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0082】
具体的実施形態では、約50μmから約200μmの厚さのシリコン膜は、約2.1MeVから約5MeVのエネルギーを有するプロトン注入を用いて形成することができる。シリコン膜厚のこの幅は、自立シリコン基板として使うことができる単結晶シリコン基板と同等のものの層の分離を可能とする。50μmから200μmの厚さの範囲の単結晶シリコン基板は、ウエハー切断、エッチング、およびポリッシング工程を使う現在の方法を置き換えるために使うことができる。現在の技術における約50%のカーフロスとは対照的に(カーフロスは切断およびウエハリング作業中の材料損失として定義される)、注入劈開技術は事実上カーフロスが無く、結果的に実質的なコスト削減および材料利用効率の向上になる。5MeVより高いエネルギーは、代替基板材料を処理して半導体を作るために使われ得るが、太陽電池の製造では、バルクシリコン太陽電池形成のためのシリコン太陽電池材料の厚さに対して200μm以下が望まれる。結果として、具体的実施形態によれば太陽電池の製造に関して、より厚いシリコン基板には特別の商業的関心が示されない。
【0083】
例として、MeV領域の注入条件はReutovらによって開示されており(V.F. Reutov and Sh. Sh. Ibragimov、”Method for Fabricating Thin Silicon Wafers”、ソビエト連邦発明者証第1282757号、1983年12月30日)、これはここに参照として援用される。V.G. ReutovとSh. Sh. Ibragimovには、350μmまでの厚さの分離シリコンウエハーを生産するために、任意選択の注入中の加熱および注入後の再利用可能な基板の加熱を伴う7MeVまでのプロトン注入の使用が開示されている。1MeVの水素注入を用いた16ミクロンのシリコン膜の熱劈開はM.K.Weldon&al.、”On the Mechanism of Hydrogen−Induced Exfoliation of Silicon”、J.Vac.Sci.Technol.、B15(4)、1997年7月/8月、に開示され、これはここに参照として援用される。「分離」または「転写されたシリコン層」はこの文脈において、自立状態に解放され得るまたは永久基板または結果として自立基板として使われる仮の基板に解放され得る、または結果的に永久基板の上に取り付けられ得る注入イオン領域によって形成されたシリコン膜層を意味する。好適な実施形態では、シリコン材料は十分厚く支持部材としての機能を果たすハンドル基板が無い。もちろん、膜の取扱および処理のための特定の工程は、具体的工程および用途に依存する。
【0084】
具体的実施形態では、本方法は第1および/または第2の複数の粒子のパターン注入を実行する。図示したように、パターン注入後、選択された領域は劈開動作の開始を促進するための不純物のより高いドーズを有する。つまり、選択された領域は、上述のように、この例では、基板の周辺内にあるように選択される。具体的実施形態では、より高いドーズは2−5×1016cm-2になり得、より低いドーズは約0.5−2×1016cm-2以下の範囲になり得る。具体的実施形態では、パターン注入は図示したように端部領域に沿って空間的方法で与えられる。また、パターン注入はz軸方向に沿って行うことができ、これもまた図示されている。
【0085】
本発明の特定の実施形態は、劈開動作の開始を促進するために一つまたは複数のパターン領域を用いる。このような手法は、劈開領域内に複数のゲッタリングサイトのパターン領域を形成するために、半導体基板の表面領域を線形加速器により生成された第1の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含み得る。本発明による方法の一つの実施形態では、劈開領域は分離される材料の層を画定するよう表面領域の下に設けられる。半導体基板は第1の温度に維持される。この方法はまた、半導体基板を処理工程、例えば熱処理にかけることを含む。この方法は半導体基板の表面領域を第2の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含み、これは劈開領域の応力レベルを第1の応力レベルから第2の応力レベルに増加させることをもたらす。この方法は、劈開工程と劈開工程を用いた分離可能な材料の層の除去を用いて分離可能な材料の層の一部を分離するために、パターン領域の選択された領域に劈開動作を生じさせることを含む。このようなパターン注入シーケンスは表面をドーズの変動にさらし、開始領域は通常、より高いドーズおよび/またはサーマルバジェットシーケンス(thermal budget sequence)を用いて発達する。劈開動作を完了させるための劈開動作の伝搬は、(i)伝搬する劈開フロントを案内するための追加のドーズされた領域、(ii)劈開される深さを案内するための応力制御、および/または(iii)自然の結晶劈開面、を使うことにより起こすことができる。いくつかのまたは大抵の領域は、使われた特定の劈開技術に依存してより少ないドーズで注入(または全く注入されない)され得る。このようなより少ないドーズ領域は、基板から各膜を分離するために必要な全ドーズを低減することによって注入システムの全体的な生産性を向上させるのに役立てることができる。具体的実施形態によれば、より高くドーズされた開始領域の生成は、領域のドーズを同時に増加させ、一方でその領域を加熱して局所的な膜の分離のための領域を準備する注入ビーム自体の使用によって促進することができる。分離は、注入ビーム工程中または注入後の別の熱工程段階を用いて、その場で達成することができる。開始領域の状態を測定およびフィードバックするためのセンサの使用は、正確で制御された局所的な膜の分離を可能とし、劈開が生じた直後の層の加熱または損傷を避けるのに役立てることができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0086】
再度上述したように、本方法は劈開領域内に複数のゲッタリングサイトをさらに形成するために半導体基板に熱処理工程を実行する。つまり、熱処理工程は、複数の第1の粒子を所定の位置に固定するために劈開領域をアニールアウトおよび/または急冷する。熱処理は、その後の注入工程で粒子をゲッタリングおよび蓄積するための効率的な部位として作用し得る欠陥の固定されたネットワークを供給する。具体的実施形態では、上昇した温度は恒久的な欠陥のネットワークを析出させ、また第1の複数の粒子から水素のかなりの部分をトラップすると考えられている。実質的に恒久的である欠陥層は、その後の注入および/または拡散工程で粒子の効率的な収集およびトラップのための部位を提供し、その工程は詳細には本明細書を通じて、特に以下に記述される。好適な実施形態では、熱処理は熱伝導、対流、放射、またはこれらの技術の任意の組み合せを使って起こり得る。高エネルギー粒子ビームはまた、熱エネルギーの一部を供給し、所望の注入温度を達成するために外部熱源に組み合わせることができる。特定の実施形態では、高エネルギー粒子ビームは単独で注入に求められる全熱エネルギーを供給することができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0087】
具体的実施形態では、この方法は半導体基板の表面領域を、線形加速器を用いて生成された第2の複数の高エネルギー粒子にさらすことを含む。図示したように、この方法は、半導体基板に供給される第2の複数の高エネルギー粒子を含む。第2の粒子は劈開領域に導入され、第2の複数の高エネルギー粒子によって第1の応力レベルから第2の応力レベルに劈開領域の応力レベルを上昇させる。具体的実施形態では、第2の応力レベルはその後の劈開工程に適している。好適な実施形態では、半導体基板は第1の温度より高い第2の温度に維持される。
【0088】
例として、シリコンウエハーに注入される種として水素を使うと、注入工程は特定の一連の条件を用いて実行される。注入ドーズは約5×1015から約5×1016atoms/cm2であり、好ましくは、ドーズは約1−5×1017atoms/cm2未満である。注入エネルギーは、発電用途のために有用な厚膜の形成に対して、約1MeV以上から約2MeV以上までである。注入ドーズ率は500マイクロアンペアから50ミリアンペアまで供給することができ、全ドーズ率は拡大されたビーム領域にわたって注入率を積分することによって計算することができる。注入温度は約−50℃から約550℃までであり、好ましくは約400℃超である。水素イオンは約±0.03から±1.5ミクロンの精度でシリコンウエハーの選択された深さに選択的に導入することができる。具体的実施形態では、温度およびドーズは水素分子の効率的な捕獲を可能にするように選択されるが、一方で単原子水素の多少の拡散があり得る。もちろん、使われるイオンのタイプおよび工程条件は用途に依存する。
【0089】
上述のより高い注入エネルギーに対して、再利用可能な基板内で劈開面の最大範囲を考慮するために実質的に純粋な(例えば、正または負に帯電された)プロトンの注入を行うことは特に有利である。例としてシリコンを使うと、注入のエネルギー幅を非常に大きくすることができ、光吸収効率を最大化するために後に続くエピタキシャル成長が必要である光起電性の吸収体のテンプレート形成のための数keVから、太陽電池ウエハーの出発原料として使われる厚さ数百ミクロンの基板を生み出す数MeVに及ぶ。注入エネルギーの関数としての注入深さの大体の幅は、例えばSRIM2003(Stopping Range In Matter)またはモンテカルロシミュレーションプログラム(http://www.srim.org/)を使って計算することができる。具体的実施形態では、約50μmから約100μm以上の範囲、例えば200μm、の厚さのシリコン膜に約2MeVから約5MeVのプロトン注入エネルギーを用いる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0090】
注入された粒子は選択された深さにおける基板の上面に平行な面に沿って効果的に応力を加えるか破壊エネルギーを減少させる。このエネルギーは、部分的に、注入種および条件に依存する。これらの粒子は、選択された深さにおける基板の破壊エネルギーのレベルを減少させる。これは、選択された深さにおいて注入された面に沿った制御された劈開を可能にする。注入は、全ての内部位置で基板のエネルギー状態が基板材料中で不可逆破壊(すなわち、分離や劈開)を起こすために不十分であるような条件下で起こり得る。しかし、注入ドーズは一般的に、その後の熱処理、例えば熱アニーリングまたは急速熱アニーリング、によって通常は少なくとも部分的に修復することができる基板中の所定量の欠陥(例えば微小欠陥)をもたらすことに留意すべきである。
【0091】
具体的実施形態では、本方法は適切なビーム強度を有する、質量選別高エネルギー注入手法を使う。コスト効率を良くするため、注入ビーム電流は数十ミリアンペアの程度のH+またはH-イオンビーム電流にすべきである(システムが十分高エネルギーを注入できる場合、高ドーズ率を達成するためにH2+イオンを有利に使うこともできる)。このような装置は高周波四重極加速器(RFQ−Linac)またはドリフト管リニアック(DTL)、またはRF収束櫛型(RFI)技術などを使うことにより最近利用できるようになった。これらは、カリフォルニア州プレザントンのAccsys Technology Inc.、NM87109、アルバカーキーのLinac Systems、LLCなどの会社から入手できる。
【0092】
具体的実施形態では、これらの手法は、プロトンビームの全エネルギーを約20−100KeVから0.5から7MeV以上の範囲に増加するように抽出されたプロトンビームに高周波加速を用いる。出力ビームは通常、直径が数ミリメートル程度であり、この用途への使用に対しては、ターゲット表面に衝突する出力フラックスが大きくなり過ぎないようにし、できる限りターゲット表面を加熱または傷つけないようにするために、一辺数百ミリメートル程度から1メートル以上のビーム拡大の使用が必要となる。これらの手法で利用可能なプロトン電流は100mAまでまたはそれ以上にすることができる。具体例として、100kWのビーム出力を仮定すると、3.25MeVのRFQ/RFI−Linacでは31mAのプロトンビーム電流が生じる。約1×1016H/cm2のドーズと約500mm×500mmの拡大ビームを使うことで、時間あたりの面積は約7平方メートルになる一方出力フラックスは約13Watts/cm2に保たれる。このパラメータの組み合わせは、コスト効率の良い太陽電池製造に対してこの手法を特に現実的にする。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0093】
具体的実施形態では、第2の複数の粒子もまた、注入および/または拡散の任意の組み合わせを用いて導入することができる。具体的実施形態では、第2の複数の粒子は、記述されたものおよび本明細書の外の他の、任意の高エネルギー注入技術を用いて提供することができる。このような手法には、特に、イオンシャワー、プラズマ侵入イオン注入、および他のプラズマ処理工程が含まれる。また、拡散を含む、特定の低エネルギー技術を、第2の複数の粒子をゲッタリングサイトに導入するために使うことができる。単なる例であるが、水素および/または他の粒子を、対流、伝導、および/または放射および/またはこれらの任意の組み合わせなどの駆動力を用いて、ゲッタリングサイトに拡散させることができる。このような駆動力は、実施形態により、熱的、機械的、化学的、および/またはその他のものであり得る。単なる例であるが、このような第2の複数の粒子は、加熱されたターゲットの条件下でのプラズマ水素化または電解(液体の水素化)手段または他の注入および/または拡散技術を用いて、導入することができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0094】
任意選択で、この方法は具体的実施形態に従って注入工程の後の熱処理工程を含む。具体的実施形態では、本方法はシリコン材料に対して約450℃から約600℃までの熱工程を用いる。好適な実施形態では、熱処理は伝導、対流、放射またはこれらの技術の任意の組み合わせを用いて起こり得る。具体的実施形態では、温度は粒子が導入される時間の一部の前、後、または間に急速熱処理を用いて与えることができる。急速熱処理は均一またはパターン状またはこれらの技術の組み合わせとすることができる。単なる例であるが、急速熱処理は注入範囲端層内の変位シリコン原子の最適化された応力特性を達成することを提供し、ここで応力は最大化されるが急速熱処理条件の選択は水素が脱出しゲッタ効率を低下させることが可能となるほど層を加熱しない。この発明では、加熱は最適化された有効性のポイントを超えてゲッタ層を発展させる温度および時間の組み合わせを意味する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0095】
具体的実施形態では、高エネルギー粒子ビームはまた、熱エネルギーの一部を供給し、所望の注入温度を達成するために外部熱源に組み合わせることができる。特定の実施形態では、高エネルギー粒子ビームは単独で注入に求められる全熱エネルギーを供給することができる。好適な実施形態では、処理工程はその後の劈開工程のために劈開領域をならす。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0096】
具体的実施形態では、上述のように、半導体基板はトレイ装置に配置される。線形加速器で生成された複数の高エネルギー粒子が半導体基板の表面領域に導入される。実施形態に応じて、基準球面座標系(ρ、f、θ)を用いることができる。z軸は半導体基板の表面領域に垂直であり、表面領域はデカルト座標系のx−y平面を画定する。基準球面座標およびデカルト座標の原点は基板の表面領域上の複数の高エネルギー粒子の入射点である。加速器からの複数の高エネルギー粒子の出口から原点までの距離は球面座標の半径方向距離ρで定義する。正のx軸からの方位角θも示されている。複数の高エネルギー粒子とz軸の間の天頂角fは注入角度を定義する。具体的実施形態では、トレイ装置は適切な注入角度を考慮して構成される。特に、トレイ装置は2つの予め設定されたポイントを用いて傾けることができ、処方手順に基づいて制御装置(例えばコンピュータ)によって選択されてもよい。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0097】
材料の自立層を形成する本方法を再度参照すると、第1の高エネルギー粒子は第1の注入角度で提供され得る。第1の注入角度は約0から約30度で与えられる。このような注入角度の範囲は具体的実施形態の半導体基板の層内の劈開面近傍のゲッタリングサイトの高密度ネットワークを可能にする。第2の複数の高エネルギー粒子は第2の注入角度で与えられる。第2の注入角度は、劈開領域近傍の結晶面にある応力レベルを生じるように、第2の高エネルギー粒子のチャネリングを可能にするように与えられる。具体的実施形態では、第2の注入角度は約0から約15度になり得る。代替実施形態では、第2の注入角度は約0から約8度未満になり得る。もちろん、使われる注入角度は用途に依存し、当業者は多くの変形形態、修正形態、代替形態を認識するであろう。
【0098】
具体的実施形態では、本方法は第2の複数の粒子のパターン注入を実行する。第2の複数の粒子の注入後、選択された領域は劈開動作の開始を促進するために、不純物のより高いドーズを有する。つまり、選択された領域は、具体的実施形態では、基板の周辺内にあるように選択される。具体的実施形態では、より高いドーズは2−5×1016cm-2になり得、より低いドーズは約0.5−2×1016cm-2以下の範囲になり得る。具体的実施形態では、パターン注入は図示したように端部領域に沿って空間的方法で与えられる。また、パターン注入はz軸方向に沿って行うことができ、これもまた図示されている。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0099】
具体的実施形態では、図17に示したように、この方法は注入面1703に沿った劈開工程を用いて自立の分離可能な材料の層を除去する1701ステップを含み、一方で図17に同じく示したように、分離可能な材料には上を覆う支持部材または同様なものは存在しない。図示したように、分離可能な材料1705は残りの基板部分1709から除去される。具体的実施形態では、除去するステップは制御された劈開工程を用いて実行することができる。制御された劈開工程はドナー基板の劈開領域の一部に選択されたエネルギー1711、1713を提供する。単なる例であるが、制御された劈開工程は、カリフォルニア州サンノゼの同一出願人のSilicon Genesis Corporationの、Controlled Cleaving Processを発明の名称とする米国特許第6,013,563号に記載されており、全ての目的で参照としてここに援用する。図示したように、この方法は、材料の層を完全に除去するために材料の層を基板から除去する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0100】
好適な実施形態では、劈開は分離される材料の層の特性を利用して生じる。つまり、この方法は劈開工程を利用して分離可能な材料の層を取り除く一方で、例えば端または末端領域で曲がった、変形形状によって特徴付けられる材料の層を生じるように材料の層に付随する応力領域の一部1715を保持することを含む。さらなる実施形態では、本発明はバルク半導体基板から材料の膜を形成する方法を提供し、これは残りのバルク基板部分からの分離を促進するために劈開された材料固有の曲げ特性を利用し、同様に図17に示されている。具体的実施形態では、この方法は表面領域と厚さを有する半導体基板1701を準備する。本実施形態では、同様の参照番号が使われているが、特許請求の範囲を限定するものでは無い。この方法は、劈開領域を形成するために半導体基板の表面領域を複数の粒子にさらすことを含み、劈開領域は応力付加領域を形成するとともに分離される材料の層を画定するよう表面領域の下にあるものと定義される。具体的実施形態では、材料の層は約20ミクロン以上の厚さを有するが、自立するものであれば僅かに薄くてもよい。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0101】
具体的実施形態では、この方法は、応力付加領域部分を有する除去された材料の層の部分を形成するために、劈開領域の近傍内の空間領域で選択的なエネルギーの配置1711、1703を用いて劈開領域の端部領域で分離される材料の層の一部の分離を起こすことを含む。具体的実施形態では、この方法は、材料の層の分離された部分が空間領域から離れるように曲げること1715と、残りの基板部分から材料の層の除去を促進するように分離される材料の層に変形形状を生じさせることを含む。具体的実施形態では、エネルギーは、光源、レーザ源、熱源、放射源、機械的ソース、化学的ソース、重力のソース、または例えば、気体、液体、蒸気、または組み合わせなどの流体ソースなどの、一つまたは複数のソース(源)から選択することができる。特定の実施形態では、液体または気体は、制御された方法で膜に熱応力を与えるために熱源または冷熱源(すなわち極低温)になることができる。
【0102】
具体的実施形態では、任意選択で、この方法は劈開動作を強めるために曲げ動作をさらに促進するよう上を覆う層(図示せず)を形成する。具体的実施形態では、上を覆う層にも応力が付加されるが、曲げ動作を生じる。このような応力は具体的実施形態によれば圧縮になり得る。適切な材料(例えば、誘電体、窒化ケイ素)を本発明の実施形態に従って圧縮特性を与えるために使うことができる。劈開後、上を覆う層は取り除かれるかあるいは表面領域に残すことができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。本方法のさらなる詳細は本明細書を通じて、特に以下に記述される。
【0103】
図18と図18Aの両方を参照すると、この方法は変形形状1801を生じさせ、変形形状は第2の曲がった端部領域1805に対向する第1の曲がった端部領域1803と第1の曲がった端部領域と第2の曲がった端部領域の間にある軸1809を有する。具体的実施形態では、軸1809は第3の端部領域1811と対向する第4の端部領域1813を結ぶ。図示したように、図18Aは、具体的実施形態による劈開工程前の劈開領域を有する基板である。図示したように、それぞれの端部領域は識別され図18の略側面図に対応する。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0104】
図19および20を参照すると、この方法は、除去される変形形状を生じさせ、略平坦または同様の実質上の平面形状2001を産するために、材料の層に付着した応力領域の部分1901を取り除く。好適な実施形態では、この方法は、材料の層に変形を引き起こす応力付加領域部分を除去するための一つまたは複数の技術1903を含む。具体的実施形態では、除去は応力付加領域部分のエッチングを含み、応力付加領域部分は材料の層に変形形状を生じさせる。つまり、エッチングは応力付加領域を除去するために選択的に行うことができ、応力付加領域は注入損傷領域および/または水素および/または同様の不純物のより高い濃度を有する領域であり得る。具体的実施形態では、エッチングはウエットおよび/またはドライエッチング工程などであり得る。具体的実施形態では、除去はまた、応力付加領域を解放するように分離された材料の層の熱処理を用いても起こり得る。また、実施形態に依存して、エッチングおよび/または熱処理の組み合わせがあり得る。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0105】
具体的実施形態では、本方法は他の工程を実行することができる。例えば、この方法は、後に処理される、分離された材料の層を支持部材に置くことができる。加えてまたは任意選択で、この方法は、第1の高エネルギー粒子に表面領域をさらす前に半導体基板に一つまたは複数の処理を実行する。実施形態に依存して、工程は太陽電池、集積回路、光学素子、これらの任意の組み合わせなどの形成のためのものとなり得る。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0106】
具体的実施形態では、本方法は材料の層を取り除くための劈開領域の劈開を実行するために、電磁放射を使う。好適な実施形態では、レーザ源を使うことができる。具体的実施形態では、レーザ源は劈開領域の劈開を開始するために劈開領域のレーザ処理を提供する。他の実施形態では、劈開領域のレーザ処理は劈開領域の劈開の開始および/または劈開をしないが単に劈開領域の応力が増加するように劈開領域を処理することを提供し、したがって劈開温度またはドーズまたは両方を低くする。さらに、上述のように、レーザ源は空間領域に選択的に提供されるビームを提供し、それはビームが空間領域を通過し、劈開領域に結合することを効果的に可能にする。具体的実施形態では、上部の「劈開された状態の」表面は、レーザエネルギーが効率的に劈開領域内に結合することを妨げる場合がある。したがって、選択された空間領域は側部または下または端部領域に設けられ、そこは劈開によって損傷されていないあるいは乱されていない。さらに、劈開表面を劈開領域への結合を改善するために平滑化、アニーリングまたは処理(例えば、蒸着)にかけてもよい。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0107】
他の実施形態では、粒子は注入種として重水素(例えばD+)とH2+を含み得る。つまり、このような粒子は具体的実施形態に従って、単一の線形加速器工程および/または構成を用いて提供され得る。具体的実施形態では、線形加速器はビームライン構成を含み、これは少なくとも注入される2つの種を可能にする。このような実施形態では、本方法はD+とH2+(すなわち、両方質量2の核子)の両方を注入する能力を有する単一の線形加速器を用いる。実施形態に依存するが、さまざまな利益および/または利点がある。好適な実施形態では、2つの異なる種の注入を一つのビームラインを用いて提供することができる。例として、D+はH+より約2−3倍大きいEORでの変位損傷を発生させるので、D+は第1の注入(ゲッタ層形成)に有利であり得る。この方法はまた、第2の注入としてH2+を使い、2倍のビーム電流の単位あたりのドーズ率のH注入になる。
【0108】
一例では、本方法は次の処方手順またはシーケンスを含み得る。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
1.重水素プラズマを打ち込み、ゲッタ層形成(例えば、2MeVで約50−60μmになる)のための目標エネルギーへの加速のための線形加速器装置にD+を注入する。
2.(1)とおそらくゲッタ層を仕上げるための一時的なアニールシーケンスの後に、ECRソースガスを水素に変更し、水素プラズマを打ち込み、ゲッタ層にこの蓄積注入を揃えるための目標エネルギーへの加速のための線形加速器にH2+を注入する。方法はエネルギーを適切に増加させる工程(2)で線形加速器の末端部分を励磁する。例えば、H2+エネルギーは4MeVを越えなければならず、4.5−5MeV前後と推定されなければならない。
もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0109】
上記は具体的実施形態の全ての記述であるが、様々な修正、代替構造、および均等物が用いられ得る。上記はステップの選ばれたシーケンスを使って記述されているが、記述されたステップの任意の要素の組み合わせや他のものを使うこともできる。そのうえ、特定のステップを、実施形態に応じて組み合わせるおよび/または取り除くことができる。さらに、水素粒子は、代替実施形態に従って改修されたドーズおよび/または劈開特性を有する劈開面の形成を可能にするために、ヘリウムおよび水素イオンの共注入(co−implantation)を使うことに置き変えることができる。あるいは、重水素またはほかの類似の種を組み合わせておよび/または単独で注入種として使うこともできる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。したがって、前述の説明及び図示は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を限定するように解釈するべきではない。
【0110】
(例)
本発明の原理および作用を示すために、いくつかの実験を行う。これらの実験は単なる例であり、ここに挙げられた特許請求の範囲を不当に限定するものではない。当業者は多くの変形形態、修正形態、代替形態を認識するであろう。さらなる詳細は本明細書を通じて、特に以下に記述される。
【0111】
例として、シリコンウエハーサンプルが様々な方位と不純物を有するように準備された。具体的実施形態では、方位<100>でp型にドープされた正方形状のサンプルが準備された。代替実施形態では、方位<111>でn型にドープされた円形状のサンプルが準備された。実施形態と実験に応じて、他の変形形態、修正形態、代替形態を使うことができる。さらに、正方形および円形状は分類目的のためにここに使われるだけの特徴をもたらすもので、特許請求の範囲を不当に限定するものではない。
【0112】
このようなサンプルは、具体的実施形態に従って、従来のSC1およびSC2化学物質を使って洗浄された。例として、ウエハーは複数の注入工程にかけられ、これは本明細書に記述されている。円形サンプルおよび正方形サンプルにおいて、特定の実験では水素粒子それ自体を用いて注入が行われ、他の実験ではヘリウムと水素粒子を用いて共注入が行われた。サンプルを劈開するために、熱伝導/従来の工程が使われ、これは材料の厚膜を自立材料として分離させることをもたらした。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0113】
図21は、単結晶シリコン基板から劈開された材料の劈開面のAFM(すなわち、原子間力顕微鏡)像を示す。図示したように、像21は16μm厚の膜の劈開面からのものであり、像21は47μm厚の膜の劈開面からのものであり、像21は117μm厚の膜の劈開面からのものである。より厚い膜に対して、RMS粗さは図示したように高くなる。これによって、より厚い膜の形成にはより高い注入エネルギーを必要とすることが予想され、より高い注入エネルギーは劈開領域のより多くの変動をもたらす。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。これらの膜のさらなる詳細以下に記述する。
【0114】
図22を参照すると、単結晶シリコン膜の複数の連続劈開の劈開面の表面粗さが与えられる。図示したように、単結晶シリコン基板から劈開された第1シリコン膜22の表面粗さと、残りのシリコン基板から劈開された次のシリコン膜22の表面粗さが与えられる。それぞれの膜は、117μmの厚さを有する。描写したように、基板はそれぞれの次の劈開の間の表面処理無しに、2回以上劈開され得る。均一性と粗さによるが、表面はいくつかの実施形態では複数の劈開後に処理されてもよい。
【0115】
図23を参照すると、15μm厚の単結晶シリコン膜2301が描写したように単結晶シリコン基板から劈開される。膜は自立であり、劈開面のAFM測定結果も示される。図24は15μm厚の単結晶膜とそこから膜が劈開されるシリコン基板を示す。図示したように、劈開している自立膜が示されている。正方形状の膜の端は、劈開領域において受けた応力に基づいて上方に曲がる。例では、応力は具体的実施形態に従って、エッチングおよび/または熱処理を用いて劈開領域を除去することにより除去することができる。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0116】
図25は本発明の実施形態に従って、ポリシリコン基板から劈開されたポリシリコン膜の実験結果を示す。図25に示したように、ポリシリコン基板表面の20×20μmのAFM像が示されている。このAFM像は劈開したままのポリシリコン膜表面の像を示す。示したように、本方法は具体的実施形態の中でポリシリコン膜の劈開を実証した。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。
【0117】
上記は具体的実施形態の全ての記述であるが、様々な修正、代替構造、および均等物が用いられ得る。上記はステップの選ばれたシーケンスを使って記述されているが、記述されたステップの任意の要素の組み合わせや他のものを使うこともできる。そのうえ、特定のステップを、実施形態に応じて組み合わせるおよび/または取り除くことができる。さらに、水素粒子は、代替実施形態に従って改修されたドーズおよび/または劈開特性を有する劈開面の形成を可能にするために、ヘリウムおよび水素イオンの共注入(co−implantation)を使うことに置き変えることができる。あるいは、重水素またはほかの類似の種を組み合わせておよび/または単独で注入種として使うこともできる。上述のように、劈開を開始および伝搬させるために大抵のエネルギーの形態を用いることができ、例えば、電気的、機械的、電磁放射、重力の、化学、これらの任意の組み合わせ、音響、マイクロ波、および電波、レーザ源、投光照明などである。もちろん、他の変形形態、修正形態、代替形態があり得る。したがって、前述の説明及び図示は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を限定するように解釈するべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施形態による厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略工程フローである。
【図2】本発明の実施形態による厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図3】本発明の実施形態による厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図4】本発明の実施形態による厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図5】本発明の実施形態による厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図6】本発明の実施形態による厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図7】本発明の実施形態による厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図8】本発明の実施形態による厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図8A】本発明の実施形態による熱処理工程を用いた劈開を説明する簡略図である。
【図9】本発明の実施形態によるパターン注入と厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図10】本発明の実施形態によるパターン注入と厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図11】本発明の実施形態によるパターン注入と厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図12A】本発明の実施形態によるパターン注入と厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図12B】本発明の実施形態によるパターン注入と厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図13】本発明の実施形態によるパターン注入と厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図14】本発明の実施形態によるパターン注入と厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図15】本発明の実施形態によるパターン注入と厚層転写工程を用いた基板形成の方法を説明する簡略図である。
【図16】本発明の実施形態による厚層転写の劈開後の処理を用いた基板形成の代替方法を説明する簡略図である。
【図17】本発明の実施形態による厚層転写の劈開後の処理を用いた基板形成の代替方法を説明する簡略図である。
【図18】本発明の実施形態による厚層転写の劈開後の処理を用いた基板形成の代替方法を説明する簡略図である。
【図18A】本発明の実施形態による厚層転写の劈開後の処理を用いた基板形成の代替方法を説明する簡略図である。
【図19】本発明の実施形態による厚層転写の劈開後の処理を用いた基板形成の代替方法を説明する簡略図である。
【図20】本発明の実施形態による厚層転写の劈開後の処理を用いた基板形成の代替方法を説明する簡略図である。
【図21】本発明の実施形態による実験結果を説明する簡略図である。
【図22】本発明の実施形態による実験結果を説明する簡略図である。
【図23】本発明の実施形態による実験結果を説明する簡略図である。
【図24】本発明の実施形態による実験結果を説明する簡略図である。
【図25】本発明の実施形態による実験結果を説明する簡略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは複数の半導体基板を用いて材料の自立層を製造する方法であって、前記方法は、
表面領域と厚さを有する半導体基板を準備し、
劈開領域内に複数のゲッタリングサイト領域を形成するために線形加速器を用いて生成された第1の複数の高エネルギー粒子に前記半導体基板の表面領域をさらし、前記劈開領域は分離される材料の層を画定するよう前記表面領域の下に設けられ、前記半導体基板は第1の温度に維持され、前記第1の複数の高エネルギー粒子は第1の注入角度で提供され、
前記半導体基板を処理工程にかけ、
前記線形加速器を用いて生成された第2の複数の高エネルギー粒子に前記半導体基板の表面領域をさらし、前記第2の複数の高エネルギー粒子は第1の応力レベルから第2の応力レベルに前記劈開領域の応力レベルを上昇させるように提供され、前記半導体基板は第2の温度に維持され、前記第2の複数の高エネルギー粒子は第2の注入角度で提供され、
劈開工程を用いて分離可能な前記材料の層を取り除く、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記半導体基板は単結晶シリコンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半導体基板はポリシリコンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の複数の高エネルギー粒子は水素種を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水素種は2×1016/cm2以下のドーズで与えられることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記水素種は5×1015/cm2以下のドーズで与えられることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の複数の高エネルギー粒子はヘリウム種を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記半導体基板はトレイ装置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記トレイ装置は前記第1の注入角度および前記第2の注入を与えることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の注入角度は約0度から約30度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の注入角度は約0度から約25度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の複数の高エネルギー粒子は水素種を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記水素種は5×1016/cm2以下のドーズを有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記水素種は5×1015/cm2以下のドーズ有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の複数の高エネルギー粒子はリモートプラズマシステムで生じたヘリウム種またはヘリウム種および水素種の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の注入角度は約0度から約15度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の注入角度は約0度から約7度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記線形加速器は高周波四重極(RFQ)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記線形加速器はドリフト管線形加速器(DTL)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記線形加速器はRF収束櫛型線形加速器(RFI)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の複数の高エネルギー粒子は1MeVから5MeVの幅のエネルギーが供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記ゲッタリングサイトは前記劈開領域の近傍内に微小欠陥領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記微小欠陥領域は半導体基板の特定の結晶面間に与えられた複数のボイドを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記処理工程は、前記微小欠陥領域を前記劈開領域に近くして、前記微小欠陥領域を安定化するよう400℃以上の温度で提供される熱処理であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の温度は約−100℃から約250℃に及ぶことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の温度は約250℃未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の温度は約250℃より大きく550℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記分離可能な材料の層は約50μmより大きい厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記分離可能な材料の層は約80μmより大きい厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記分離可能な材料の層は約100μmより大きい厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記劈開工程は制御された劈開工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記劈開工程は熱処理であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記第2の温度は約20℃から約450℃に及ぶことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の高エネルギー粒子および前記第2の高エネルギー粒子は線形加速器から拡大ビームで提供されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記拡大ビームは前記半導体基板の表面領域で直径約500mmの寸法を有することを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記線形加速器はDC加速器を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項37】
層転写された材料の自立層を形成する方法であって、前記方法は、
表面領域を有する結晶基板材料を準備し、
複数の第1の粒子を第1の角度において第1のドーズ範囲および第1の温度範囲内で導入し、前記第1のドーズ範囲は前記複数の粒子が前記結晶基板材料内の蓄積領域において恒久的に配置されることを生じさせるのに十分な量より少なく、注入特性を形成するために前記結晶基板材料の表面領域を通じて蓄積領域まで前記蓄積領域を形成するためにある範囲内で空間的に配置されるピーク濃度および底を有し、前記第1の粒子は前記結晶材料内の前記蓄積領域内に複数の欠陥を生じさせ、前記蓄積領域は前記表面領域の下約20ミクロン超の深さと前記蓄積領域と前記表面領域の間で分離される結晶材料のスライスによって画定され、
前記蓄積領域の前記第1の粒子から前記結晶基板材料内で急冷された複数の実質的に恒久的な欠陥の形成を引き起こすために前記結晶基板材料に処理工程を実行し、
複数の第2の粒子を第2の角度において第2のドーズ範囲および第2の温度範囲内で前記蓄積領域の部分が劈開可能になるように前記蓄積領域内の内部応力を増加させるよう前記蓄積領域内に導入し、
前記結晶基板材料の残りの部分から前記結晶材料の層を分離することによって前記結晶材料の自立層を形成する、ことを特徴とする方法。
【請求項38】
前記結晶基板材料は単結晶シリコンであることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記結晶基板材料はポリ結晶シリコンであることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記結晶基板材料はシリコンインゴット、例えばシリコンブールであることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記蓄積領域の前記複数の第1の粒子は前記処理工程前に準安定状態であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のドーズ範囲は約2×1015から2×1016cm-2であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記複数の第1の粒子は前記結晶基板材料が約−50から100℃の範囲の温度に維持される間に導入されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記複数の第1の粒子は前記結晶基板材料が約−100から+250℃の範囲の温度に維持される間に導入されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の温度及び前記第1のドーズは前記蓄積領域内に部分的にアモルファス化領域を生じさせることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の温度は約200℃未満であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項47】
前記処理工程は熱処理工程であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項48】
前記熱処理工程は前記蓄積領域内に恒久的な欠陥のネットワークを生じさせる熱アニールステップであることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記第1の複数の粒子は第1のビームにより提供されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項50】
前記結晶基板材料はトレイ装置に設けられることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項51】
前記トレイ装置は前記第1の角度および前記第2の角度を与えることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記第1の角度は約0から約30度であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の角度は約0から約25度であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の複数の粒子は水素を含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項55】
前記第2の複数の粒子は第2のビームにより提供されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項56】
前記第2の角度は約0から約15度であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項57】
前記第2の角度は約0から約7度であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の複数の粒子および前記第2の複数の粒子は同じ粒子を含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項59】
前記第1の温度は前記第2の温度に上昇されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項60】
前記第2のドーズは前記第1のドーズの後に連続的に提供されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項61】
前記第2のドーズは前記第1のドーズの後に提供されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項62】
前記第1のドーズ率は約500μAから50mAで提供され、全ドーズ率は前記拡大されたビーム領域にわたって注入フラックスレートを積分することによって計算されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項63】
前記表面領域は前記第2のドーズの後に実質的に平坦になることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項64】
前記底は約2Rp以下の幅を有することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項65】
前記第2の複数の粒子は前記表面領域を水素発生環境にさらすことによって提供されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項66】
前記第2の複数の粒子は、前記第1の複数の粒子によって画定される前記蓄積領域内に前記複数の粒子の拡散および蓄積を可能とするのに十分になるように選択された第2の温度範囲に前記材料の層が保たれる間に提供されることを特徴とする請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記水素発生環境は、水素プラズマ、水素雰囲気、又は水素リッチスピンオン材料、又は酸などの水素イオンリッチな液体から選択されることを特徴とする請求項65に記載の方法。
【請求項68】
一つまたは複数の半導体基板を用いて材料の自立層を製造する方法であって、
表面領域と厚さを有する半導体基板を準備し、
劈開領域内に複数のゲッタリングサイトのパターン領域を形成するために線形加速器を用いて生成された第1の複数の高エネルギー粒子に前記半導体基板の表面領域をさらし、前記劈開領域は分離される材料の層を画定するよう前記表面領域の下に設けられ、前記半導体基板は第1の温度に維持され、前記第1の複数の高エネルギー粒子は第1の注入角度で提供され、前記パターン領域は劈開動作の開始を起こすように設けられ、
前記半導体基板を処理工程にかけ、
前記半導体基板の表面領域を第2の複数の高エネルギー粒子にさらし、前記第2の複数の高エネルギー粒子は第1の応力レベルから第2の応力レベルに前記劈開領域の応力レベルを上昇させるように提供され、前記半導体基板は第2の温度に維持され、前記第2の複数の高エネルギー粒子は第2の注入角度で提供され、
劈開工程を用いて分離可能な前記材料の層の部分を分離するために前記パターン領域の選択された領域に前記劈開動作を生じさせ、
劈開工程を用いて分離可能な前記材料の層を取り除く、ことを特徴とする方法。
【請求項69】
前記パターン領域は前記半導体基板の周辺領域に設けられることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記パターン領域は前記表面領域から前記ゲッタリングサイトへのz方向に設けられることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記パターン領域は前記ゲッタリングサイト内に設けられることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項72】
バルク半導体基板から材料の膜を形成する方法であって、前記方法は、
表面領域と厚さを有する半導体基板を準備し、
劈開領域を形成するために複数の粒子に前記半導体基板をさらし、前記劈開領域は応力付加領域を形成するとともに分離される材料の層を画定するよう前記表面領域の下に形成され、前記材料の層は約20ミクロン以上の厚さを有し、
変形形状によって特徴付けられる前記材料の層を生じるよう前記材料の層に付着した前記応力領域の部分を保持する間に劈開工程を用いて前記分離可能な材料の層を取り除き、
前記変形形状が除去されて実質的に平面形状を生じるよう前記材料の層に付着した前記応力領域の部分を除去する、ことを特徴とする方法。
【請求項73】
前記応力付加領域はそこに埋め込まれた複数の粒子を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記除去は前記応力付加領域の部分のエッチングを含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記除去は前記応力付加領域を解放するように前記分離された材料の層を熱処理することを含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記分離された材料の層は単結晶シリコンまたはポリシリコンを含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記半導体基板は四角形状であることを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項78】
前記変形形状は、第2の曲がった端部領域に対向する第1の曲がった端部領域と前記第1の曲がった端部領域と前記第2の曲がった端部領域の間にある軸とを有し、前記軸は第3の端部領域と対向する第4の端部領域を結ぶことを特徴とする請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記劈開領域の形成は、
劈開領域内に複数のゲッタリングサイトのパターン領域を形成するために線形加速器を用いて生成された第1の複数の高エネルギー粒子に前記半導体基板の表面領域をさらし、前記半導体基板は第1の温度に維持され、前記第1の複数の高エネルギー粒子は第1の注入角度で提供され、
前記半導体基板を処理工程にかけ、
前記半導体基板の表面領域を第2の複数の高エネルギー粒子にさらし、前記第2の複数の高エネルギー粒子は第1の応力レベルから第2の応力レベルに前記劈開領域の応力レベルを上昇させるように提供され、前記半導体基板は第2の温度に維持され、前記第2の複数の粒子は第2の注入角度で提供される、ことを特徴とする請求項78に記載の方法。
【請求項80】
バルク半導体基板から材料の膜を形成する方法であって、前記方法は、
表面領域と厚さを有する半導体基板を準備し、
劈開領域を形成するために複数の粒子に前記半導体基板をさらし、前記劈開領域は応力付加領域を形成するとともに分離される材料の層を画定するよう前記表面領域の下に画定され、前記材料の層は約20ミクロン以上の厚さを有し、
前記応力付加領域の部分を有する前記材料の層の分離された部分を形成するように前記劈開領域の近傍内の空間領域において選択的なエネルギー配置を用いて前記劈開領域の端部領域において分離される前記材料の層の部分の分離を起こし、
前記材料の層の分離された部分を前記空間領域から離れるように曲げるとともに、残りの基板部分から前記材料の層の除去を促進するよう分離されるように前記材料の層に変形形状を生じさせる、ことを特徴とする方法。
【請求項81】
前記エネルギーは、光源、レーザ源、熱源、放射源、機械的ソース、化学的ソース、重力のソース、または流体ソースから選択されることを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項82】
一つまたは複数の半導体基板を用いて材料の自立層を製造する方法であって、
表面領域と厚さを有する半導体基板を準備し、
劈開領域内に複数のゲッタリングサイトを形成するために線形加速器を用いて生成されたD+種を含む第1の複数の高エネルギー粒子に前記半導体基板の表面領域をさらし、前記劈開領域は分離される材料の層を画定するよう前記表面領域の下に設けられ、
前記半導体基板を処理工程にかけ、
前記線形加速器を用いてH2+種を含む第2の複数の高エネルギー粒子に前記半導体基板の表面領域をさらし、前記第2の複数の高エネルギー粒子は第1の応力レベルから第2の応力レベルに前記劈開領域の応力レベルを上昇させるように提供され、
劈開工程を用いて前記分離可能な層の部分を分離するために前記劈開領域の選択された領域に前記劈開動作を生じさせ、
前記分離可能な層を取り除く、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図18A】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−244435(P2008−244435A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−16141(P2008−16141)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(307037211)シリコン・ジェネシス・コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】