部分シェーディング符号フィルタ処理を検出する方法、フォトフィニッシングユニット及びシステム
【課題】 フィルムストリップの中央領域(例えばイメージ領域)に限られた符号を検出する、進んだ方法を提供する。
【解決手段】 写真撮影方法において、取込済のイメージの組が部分シェーディング符号を有する符号化された1つ以上の取込済のイメージを含むことについての決定がなされる。部分シェーディングは、部分シャドーイング又は部分フィルタ処理、又は両者の組み合わせである。符号は、所定のエッジパターンを有し、イメージにおける所定のサブエリア内に配置される。符号化された取込済のイメージは、デジタル化されて、複数の画素を有するデジタルイメージが提供される。エッジパターンの複数の画素テンプレート及びデジタルイメージのサブエリア内の画素が巻き込まれて、複数のテンプレート配置メトリックが提供される。各画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置される。
【解決手段】 写真撮影方法において、取込済のイメージの組が部分シェーディング符号を有する符号化された1つ以上の取込済のイメージを含むことについての決定がなされる。部分シェーディングは、部分シャドーイング又は部分フィルタ処理、又は両者の組み合わせである。符号は、所定のエッジパターンを有し、イメージにおける所定のサブエリア内に配置される。符号化された取込済のイメージは、デジタル化されて、複数の画素を有するデジタルイメージが提供される。エッジパターンの複数の画素テンプレート及びデジタルイメージのサブエリア内の画素が巻き込まれて、複数のテンプレート配置メトリックが提供される。各画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真撮影、写真機材及び方法に関し、特に、符号フィルタ処理を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
写真フィルムストリップ上の光学的記録による符号は、プリント及び他の機能を制御するために、長く用いられてきた。特許文献1では、光学的符号が記述されており、写真の被写体からの反射光、又はカメラの光源からの直接の光を、光学的符号を記録するための光を提供するのに用いることは既知である旨が示されている。また、この特許では、符号を書き込むのに周辺の照明を用いることは、ある種の照明状態では記録された情報を識別するのが難しくなるという短所となるということについても言及されている。
【0003】
使い切りカメラの組立前に、フィルム上に符号を予め記録しておくことが知られている。また、写真撮影時のカメラの状態に基づいて、選択されたイメージフレームのために、符号を記録することも知られている。特許文献2は、これら双方のやり方を組み合わせている。組立の前に、第1の符号がフィルム上に予め記録され、選択されたフィルムフレーム上に切換スイッチの位置に基づいて第2の符号が追加される。フィルムユニット内の全イメージに適用する符号は、繰り返されるのではなく、全てのフレームに適用するように記録されてもよい。特許文献3には、広範囲な情報をフィルムユニットの外面上に、目に見えるバーコードとして記録することが開示されている。
【0004】
符号は、様々な位置に配置されうる。特許文献2では、フィルムフレームに隣接したフィルムマージンに、光学符号を配置することが開示されている。特許文献4には、イメージに対して横方向に隣接させて、それぞれのフィルムフレームの内部又は該フィルムフレームの直近に、光学符号を配置することが開示されている。
【0005】
1992年11月17日公開の特許文献5では、擬似パノラマ及び擬似望遠仕上げのイメージ形式のためのコード信号プレート対と連携して動作する、スライド可能なファインダマスク対を有する使い切りカメラが開示されている。コード信号プレートは、対応したファインダマスクがファインダ内の所定の位置にあるときに、露出開口の一部をマスクする。コード信号プレートの一方は、1つのスロットを有するものとして図示されている。他方は、2つのスロットを有するものとして図示されている。(イメージ対象物は、スロットを通じて可視である。)最終イメージでは、コード信号プレートにより形成されたパターンが、トリミングされている。
【0006】
また、フィルムストリップのイメージ領域内に、他の情報を記録することも知られている。特許文献6及び特許文献7では、マスク上に、フィルムパス内に配置され、写真撮影のイメージフレーム上に記録される印を記録することが開示されている。特許文献8では、カメラ内のフラッシュユニットからの光を利用する同様の機構が開示されている。1998年6月19日公開の特許文献9では、マスクを通じて光を照射して、フィルムストリップのイメージ領域上に、画像やテキスト等の情報を転写する専用の内部光源を有するカメラが開示されている。特許文献10では、各イメージに別々の情報を付加するカメラが開示されている。
【0007】
イメージの質を向上させるために、カメラにおいてフィルタを用いることは周知である。特許文献11では、フィルムのカラー感度を調和させるために、使い切りカメラにフィルタを用いることが開示されている。1990年6月18日公開の特許文献12では、着脱可能なフォトクロミックフィルタ(photochromic filter)を有する使い切りカメラが開示されている。1991年4月19日公開の特許文献13では、タングステン光用フィルムを屋外で使用できるように切換可能なカラー補正フィルタを有する使い切りカメラが開示されている。1988年1月16日公開の特許文献14では、フォトクロミックフィルタを有しており、フィルタの状態判別用に非フィルタ処理参照パッチを記録する使い切りカメラが開示されている。
【0008】
1つ以上のフィルタを撮影レンズ系に対して調整するための様々な機構が知られている。特許文献15では、スライド可能な特殊効果フィルタを有する使い捨てカメラが、教示されている。1999年9月7日公開の特許文献16では、スライド可能なフィルタを有する他のカメラが開示されている。2000年8月29日公開の特許文献17では、ロータリーフィルタホイールを有するカメラが開示されている。
【0009】
2000年5月16日公開の特許文献18、及び2001年1月30日公開の特許文献19では、光軸からずれたフィルタホイールを有するカメラが開示されている。特許文献20では、写真フィルムとともにローラからローラへと移動する透明フィルムを有するカメラが開示されている。
【0010】
デジタルフォトフィニッシングでは、フィルムストリップ上の処理済イメージが走査され、デジタル処理されてプリントされる。ある種の高速設備では、フィルムストリップの中央部分が、高解像度で連続して走査される。マージンは、走査されないか、あるいは、別のスキャナを用いて低解像度で走査される。これでは、フィルムストリップのマージン上の光学符号を識別することは、どのようにしても煩雑になってしまう。フィルムストリップの中央部分に配置された光学符号は、イメージ領域、又はフレーム間の空間を除去してしまう。前者の場合、イメージの質が直接的に劣化してしまう。後者の場合、フィルムフレーム位置の識別力を低下させることがある;例えば、35mmのようなフィルムタイプには、パーフォレーションで規定されたフィルムフレームがない。イメージ領域の欠落に対する解決法の1つが、特許文献21により提供されている。この特許では、フィルムフレーム上に光学符号を配置し、後に符号をデジタルで除去して、イメージにおける欠落領域を修復することが開示されている。この手法は、煩雑であり、いくらかのイメージ情報は失われてしまう。欠落した情報は、周囲の内容を複写することにより、自動的にパッチされる。ある種の場面では、結果としてのイメージは、元の場面に比べて、気になるほど劣化してしまう。例えば、人物が被写体であったり、複雑な背景が符号と重複したりする場合には、望ましくないほどの情報の欠落が見られる。
【0011】
あるイメージから光源の色を検出してその光源の色を補正するためのいくつもの方法が知られている。例として、特許文献22、特許文献23、及び特許文献24がある。
【0012】
【特許文献1】米国特許第5740479号
【特許文献2】米国特許第6332059号
【特許文献3】米国特許第5761558号
【特許文献4】米国特許第5587752号
【特許文献5】特開平4−328537号
【特許文献6】米国特許第5189467号
【特許文献7】米国特許第5126773号
【特許文献8】米国特許第5486885号
【特許文献9】特願平10−161225号
【特許文献10】米国特許第2210610号
【特許文献11】特許第3109765
【特許文献12】特開平2−78935号
【特許文献13】特開平3−94241号
【特許文献14】特開昭63−6428号
【特許文献15】米国特許第6173127号
【特許文献16】特開平11−242257号
【特許文献17】特開2000−235211号
【特許文献18】特開2000−162690号
【特許文献19】特開2001−27773号
【特許文献20】米国特許第5696996号
【特許文献21】米国特許第6311018号
【特許文献22】米国特許第4847680号
【特許文献23】米国特許第4918519号
【特許文献24】米国特許第5659357号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、フィルムストリップの中央領域(例えばイメージ領域)に限られた符号を検出する、進んだ方法を、提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、特許請求の範囲により規定される。本発明は、広義の側面では、取込済のイメージの組が、部分シェーディング符号を有する符号化された1つ以上の取込済のイメージを含むことについての決定がなされる写真方法を提供する。部分シェーディングは、部分シャドーイング(shadowing)又は部分フィルタ処理、又は両者の組み合わせである。符号は、所定のエッジパターンを有し、イメージにおける所定のサブエリア内に配置される。符号化された取込済のイメージは、デジタル化されて、複数の画素を有するデジタルイメージが提供される。エッジパターンの複数の画素テンプレート、及びデジタルイメージのサブエリア内の画素が畳込まれて、複数のテンプレート配置メトリックが提供される。各画素テンプレートは同一形状である。各画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置される。テンプレート配置メトリックの最高値と、エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とが比較される。前記テンプレート配置メトリックの最高値が、閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、デジタルイメージは、部分シェーディング符号に対して予め割り当てられたデジタル補正でデジタル補正される。
【発明の効果】
【0015】
所定のフィルタの組における1つを用いてイメージがフィルタ処理されたことを検出する進歩した方法を提供することは、本発明の有利な効果である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態についての以下の説明を、添付の図面と組み合わせて参照することにより、本発明の上記及び他の特徴及び目的、並びにそれらを達成する様式が、より明らかになるとともに、本発明自体がよりよく理解されるであろう。
【0017】
本発明及びシステムでは、特定のフィルタを有するカメラにて、場面のイメージが取り込まれる。このカメラは、撮影される全ての写真又は選択されたもののみについてフィルタをかける。このフィルタは、特定のデジタルイメージ補正に対応している。このことは、カメラに表示されているか、あるいは別の方法でユーザに通知される。フィルタ処理を有する少なくともいくつかを含んだ取り込まれたイメージは、格納されてフォトフィニッシング(photofini−shing)用の媒体ユニット内に転送される。媒体ユニットは、フォトフィニッシングの際に、所定のフィルタに対応したデジタル補正を適用することを含んだデジタルイメージ処理を必要とするものと認識される。デジタルイメージ処理が適用され、使用されている特定のフィルタが、フィルタ処理されたイメージの外観から識別される。特定のフィルタに対応したデジタル補正が判別されて、フィルタ処理されたイメージに適用される。フィルタ処理されていないイメージは、通常のデジタル処理にかけられる。結果としての最終イメージは、プリンタにより提供されるか、あるいは、他のある種の方法で提供される。
【0018】
ここで「媒体ユニット」なる用語は、イメージデータが存在する媒体、又はイメージデータを、媒体の変更を伴うか又はそれなしに、保存用に格納しておく媒体のことを指している。「媒体ユニット」には、保存用媒体、及びその媒体の使用をサポートする物理的に関連した構造が含まれている。フィルムタイプの媒体ユニットでは、記録媒体は写真フィルムストリップであり、イメージは潜像として取り込まれる。フィルムタイプのフィルムユニットのホルダ又は支持体には、フィルムストリップが巻き取られているスプール及びフィルムストリップ及びスプールを封入しているキャニスタが含まれている。デジタルフィルムユニットでは、イメージは、メモリカードやフロッピーディスク、又は他の磁気、電子、若しくは他の記憶装置内に、デジタルの形態で格納される。媒体ユニットは、このようなグループを複数有している記憶装置上のイメージのグループに対応していてもよい。保存用の媒体ユニットとともに用いられるカメラは、再使用可能又は使い切りである。
【0019】
「使い切りカメラ」なる用語及び他の同様の用語は、ここでは、装填済の形態で消費者に提供され、大掛りなカメラの分解、又は部品の交換、又は特殊工具の使用等なしには、消費者には再装填不可能なカメラを指している。現在では、使い切りフィルムカメラは、広く入手可能である。デジタル使い切りカメラは、現在のところ、用途が限られている。ここで本発明は、一般に、使い切り写真フィルムカメラの観点で考察される。
【0020】
図1の実線部分を参照すると、場面のイメージ10が、保存用の取込媒体及び保存用の取込媒体への光路に配置された符号フィルタ16とを有するカメラ12を用いて取り込まれている。(図1では、保存用の媒体は、フィルムユニット14内のカラー写真フィルムである。)光像10を取り込んで得られた保存用のイメージはフィルタ処理、すなわち取込中になされるフィルタ処理にかけられる。図1では、保存用のイメージは、カラーフィルム上の潜像18であり、フィルタ処理は、フィルムに到達する光のスペクトルを変換する。(これは、図1では、潜像上の「フィルタ処理済カラー」というテキストで示されている。)「カラーキャスト」なる用語は、ここでは、イメージ上又はイメージの一部上でのこの変換後のスペクトルの効果を指している。カラーキャストは、システムの制限内で、フィルタ16のカラーを補完するものである。
【0021】
写真撮影完了後、フィルムユニット14は、フォトフィニッシングされる。検出器20は、フィルムユニット上のインジケータ(indicator)22(図1では「X」として示す)を読み取り、プログラム可能なコンピュータ等が組み込まれたデジタル実行エンジン23(図4に示す)へ検出信号を送信するものであり、プログラム可能なコンピュータ等を含む。検出信号は、インジケータ22を特定している。インジケータは、検出しやすい様式で提供されている。使用される検出器20及びインジケータ22の種類は重要ではない。
【0022】
インジケータは、機械読取可能な形式若しくは人間が読取可能な印、又はそれらの双方にて提供されうる。インジケータは、キャニスタ、ホルダ又はフィルムストリップ上というように、フィルムユニット14内の様々な位置に配置されうる。例えば、インジケータは、ホルダ又はフィルムストリップ上の光学式バーコードであってもよく、検出器はバーコードリーダであってもよい。同様に、インジケータは、フィルムストリップの磁気層上に磁気的に記録されてもよく、フィルムストリップのマージン上に光学的に記録されてもよく、半導体メモリ(無線周波数又は直接的な接触でアクセス可能)内に記録されてもよく、フィルムストリップ又はフィルムストリップの1つ以上の層に形成されたノッチ等の物理的な切れ目であってもよい。通常の処理の最初の段階で、フィルムストリップがキャニスタから分離されるため、35mm(135型フィルム)で、インジケータのために便利なのは、フィルムストリップ上の配置である。
【0023】
インジケータは、媒体ユニット内の1つ以上の保存用のイメージがフィルタ符号化される情報を担うだけでよい。また、必要であれば、インジケータは、追加の情報を担うこともできる。このような追加の情報の例として、識別番号、フィルムタイプ及び利用可能なイメージ補正の種類が挙げられる。
【0024】
インジケータは、フィルムユニット内に、一度又は繰り返して記録される。例えば、インジケータは、各フィルムフレーム又はフィルムフレームのグループと物理的に関連づけられて記録されてもよい。繰り返されるインジケータの各々は、同様であるか、あるいは、保存イメージが特定のデジタル補正を受けることになる指定には関係のない様式において様々であってもよい。
【0025】
フィルムユニット14は、化学処理機24内で化学処理にかけられ、潜像18をフィルムイメージ26として可視化させる。化学処理の種類は、重要ではなく、フィルムユニット14内に含まれた物質を利用している「インスタント」処理等を含むものである。可視イメージ26は、フィルタ処理されたまま、すなわち取込時のフィルタ処理の影響を受けている。そして、可視イメージ26が走査される(28)。結果としての電子イメージ30は、可視イメージ26に対応しており、フィルタ処理されたままになっている。
【0026】
「フィルタ」なる用語及び同様の用語は、ここでは、通常の意味で用いられており、光路の1つ以上の部分を通る光の伝達を遮断する不透明板を含んではいない。フィルタは、光学フィルタであってもデジタルフィルタであってもよい。従って、「フィルタ効果」なる用語は、「対応するフィルタ効果」又は「対応するデジタルフィルタ効果」と称されることもあるものを含んでいる。ここに示される本実施形態においてフィルタには色があり、その検出可能な特徴は、カラー特性の変化である。非カラー情報は一定に保たれているのでフィルタ処理中に失われることがないため、これは、現在のところ好適である。一方、他の特徴の変化を伴うフィルタが、使用可能である。例えば、スターフィルタ(とりたてて図示されてはいない)が使用可能である。
【0027】
電子イメージ30は、デジタル処理され(32)、そこで、デジタルイメージは、フィルムイメージのデジタル現像中に適用されるエッジ強調及び出力装置に対応させたキャリブレーションといった、通常の(「再現(representational)」)デジタル処理にかけられる。
【0028】
一般に、写真イメージは、ここでは、撮影された被写体の写実的なイメージとして、潜像、現像されたイメージ、及び電子イメージと同様の情報内容を有するものとして取り扱われる。また、「再現」なる用語及び同様の用語は、ここでは、このような写実的なイメージ及びこのようなイメージを作成するのに用いられる手順を指している。なお、ここでは、説明の都合上のものとして与えられた簡略化がなされており、イメージは当業者に周知の様式で処理を通じて様々なものであることが理解されるであろう。例えば、イメージは、画像システム及び媒体による制約を受ける。フィルムイメージは、ゲインサイズ等の制約を受ける。デジタルイメージは、必ず画素に分解され、通常、周囲の画素から部分的に外挿されたカラー値を有する。また、デジタルイメージは、取込及び格納の間に、例えば、センサの欠陥により劣化した画素用に値を外挿すること等の強調補正処理にかけられる。フィルム上の潜像は、処理の化学的及び物理的影響を受ける。イメージは、そのイメージを見るのには補正が必要となる非写実的な形式で格納されることが多い。例えば、写真プリントフィルムは、イメージをネガで保存する。デジタルイメージは、表示又はプリントされねばならず、その他の補正(解読又は特定の表示装置用の補正等)が必要になることもある。また、取り込まれるイメージは、取込時にユーザによる慎重な補正にかけられてもよい。例えば、イメージは、符号フィルタに追加された第2のフィルタを用いることにより、補正されてもよい。
【0029】
デジタル実行エンジン23は、検出信号に応答して、参照テーブル(とりたてて図示されてはいない)にアクセスしてもよい。参照テーブルでは、所定のデジタル補正が、電子イメージをそれぞれの符号フィルタ16によりフィルタ処理されたものとして識別する検出可能な特徴と対応している。デジタル実行エンジン23は、電子イメージ30に検出可能な特徴があるかどうか評価する。検出可能な特徴を検出すると、対応したデジタル補正が、電子イメージに適用される。図1では、デジタル補正は、カラー電子イメージ30をモノクログレースケール補正イメージ34へと変換するものである(図1に「フィルタ処理済グレースケール」と示される)。
【0030】
識別子及び対応する検出信号により、フィルムユニットの保存イメージに符号フィルタ処理がなされているかどうかが識別され、このことを考慮してフォトフィニッシングがなされる。識別子は、特定のデジタル補正又は補正のグループを識別するものであってもよく、そうでないこともある。特定の補正が識別されたとしても、検出信号は、特定のデジタル補正が特定の電子イメージ又はイメージのグループに適用されるかどうかを判別するのに用いられるわけではない。都合のよい識別子として、DXコード等のカートリッジIDがあり、フィルムストリップ及びフィルムキャニスタの一方又は双方上に記録されている。例えば、DXコード又は他のカートリッジIDは、フィルムタイプの指定中に符号フィルタ処理が存在していることを示すことができる。DX又は他の識別子は、従来技術に開示された任意の様式で、フィルムストリップ上に設けられうる。例えば、この識別子は、イメージエリアに配置されて、米国特許第6311018号に開示されているように取り扱われてもよい。
【0031】
デジタル補正の例として、白黒及びセピア等のモノクロ、ズーム及びトリミング、所定のアスペクト比への変更、意図的な歪曲、コミック本の絵のような均質な色付け、ソフトフォーカス効果、コントラスト強調又は低減、他の媒体へと出力するためのイメージサイズの変更、所定の費用を用いたフォトモンタージュが、挙げられる。デジタル補正は、電子イメージに特定のメタデータ(非画素情報)を追加することに限定されうる。これは、ネットワークを通じて所定のアドレスへと配信すること等、下流の実行工程を提供するのに用いられうる。デジタル補正は、実行のためにオペレータの関与が必要であってもよい。例えば、特定のイメージとともに組み込まれたメタデータは、特定の最終イメージについて、オペレータが販促用の物品を提供することを要求することができる。
【0032】
図2に、図1の方法による非フィルタ処理カラーイメージ用の処理段階を示す。潜像18a、並びに対応する可視イメージ26a及び電子イメージ30aには、フィルタ符号の検出可能な特徴がないので、最終的にデジタル処理されたイメージ36は、後続のデジタル処理にて補正されないままとなる。(図2にて、「非フィルタ処理カラー」なるテキストで示される。)図3に、他のフィルタ16及び対応する他の補正が用いられる方法における補正を示す。イメージが取り込まれ、潜像18bから可視イメージ(顕像)26bへと化学処理され、可視イメージが走査されて、電子イメージ30bが得られる。ここまでのところ、それぞれのイメージは、フィルタ処理された状態でカラーのままである。(「フィルタ処理済カラー」なるテキストで示される。)そのフィルタ処理が検出され、補正が加えられる。カラーイメージはカラーのままであるが、補正された最終イメージ34aは、擬似パノラマ形式へと変換されており、フィルタ処理の検出可能な特徴は除去されている。(「非フィルタ処理カラーパノラマ形式」なるテキストで示される。)実用上の制限内で、フィルタ処理の検出可能な特徴を除去することにより、最終イメージは非フィルタ処理状態へと復元される。
【0033】
フォトフィニッシングユニット38は、フィルムストリップ40における連続したフィルムフレーム内に記録された保存用イメージから、プリント又は他の最終イメージを作成する。ここでは、フォトフィニッシングユニット38は、一般に、化学処理機24及びデジタル実行エンジン23の双方が組み込まれたデジタルプリンタとして説明される。デジタルププリンタの特徴は一般的に知られているので、以下の説明は、特に、開示される実施形態の一部を形成するか、あるいは、開示される実施形態と直接的に関連するものにのみ向けられている。なお、他の要素は、当業者に既知の種々の形態をとってもよいことが、理解されるであろう。また、最終イメージは、記憶媒体上のデジタルイメージ、コンパクトディスク、又はネットワークを通じてコンピュータのメモリユニットへと送信されるデジタルイメージ等の他の形態をとりうる。デジタル実行エンジン23としては、このような最終イメージを電子イメージから作成する機器が含まれる。デジタル実行エンジンは、1998年6月16日発行の米国特許第5767945号に開示されたデジタルプリンタの一部であってもよい。
【0034】
図4に、化学処理機24及びデジタル実行エンジン23を有し、フィルタ符号を有する処理済のフィルムストリップにおける一連のフィルムフレーム内に記録されたイメージのそれぞれのプリントを作成するフォトフィニッシングユニット38を示す。フィルムユニット14は、フォトフィニッシングユニット38に達するまでは、ソートされない。フィルムユニット14は、使い切りカメラからのものである。2台のカメラ12がフィルタ符号を提供する。一方のカメラ12aは、人間が読取可能な指定42“BW/C(白黒/カラーを指定)”を有する。他方のカメラ12bは、指定42“T/P(望遠/擬似パノラマを指定)”を有する。第3のカメラ13は、フィルタ符号を提供せず、指定も有さない。カメラ12a,12bからのフィルムユニット14は、インジケータを有する(図4では、“X”で表される)。
【0035】
図8では、使い切りカメラ12は、機械読取可能なバーコード44と組み合わせられた人間が読取可能な指定42“BW/C”を有する。カメラ内のフィルムカートリッジ(図8にても示される)は、同じ指定及びバーコードを繰り返してもよい。その指定は、ユーザに、フィルタ符号可能なデジタル補正の種類を通知する。バーコードは、同じ情報を担っていてもよい。また、フィルムユニット上のインジケータの存在も、バーコードにより担われる。
【0036】
インジケータ22を持つ代わりに、フィルムユニット14は、フォトフィニッシングユニット38に達する前に予めソートされてもよい。この場合、フォトフィニッシングユニット38に達する前の全てのフィルムユニット14は、フィルタ符号を有するものと推定される。これは、人間が読取可能な、1つ以上のそれぞれのフィルムユニット14上のインジケータ22の存在に対応している指定42を用いたマニュアルソートにより達成されてもよい。例えば、マニュアルソートは、カメラ12a,12bを、指定42の存在に基づき、インジケータ22を有するものとして分類することができ、カメラ13を、指定42及びインジケータ22を欠くものとして分類することができる。自動ソートが、機械読取可能な指定42又はインジケータ22、並びに、検出器及び制御装置を有し、インジケータの存在又は欠落の検出に応じて、別のルートへとソーティングするソーティング装置(図示せず)を用いて、同様の様式で提供されてもよい。
【0037】
別々のインジケータが、別々のデジタル実行エンジン23上で利用可能なそれぞれのデジタル補正に対して、提供されてもよい。この場合、ソーティングは、特定のデジタル実行エンジン23で利用可能な補正のリスト(図示せず)に依存する。マニュアルソーティングでは、リストは、一枚の用紙上に印刷され、フィルムユニット14の外面のインジケータ22が照合される表と同じくらい簡潔なものであってもよい。自動ソートでは、インジケータが検出されて、ローカル又はリモートメモリ等の中のルックアップテーブルの形態をとることができるリストと比較される。インジケータが欠落しているか又はリスト上にないインジケータを有するフィルムユニット14は、従来の処理のために、あるいは、何らかの他のパラメータに基づいた何らかの代替処理のためにソートされる。
【0038】
また、フィルムユニット14は、フィルタ符号を有するフィルムユニット14への入力を制限することにより、ソーティング又はインジケータ22の検出なしに処理されてもよい。例えば、特殊な処理が必要となる特別なフィルムタイプが用いられてもよい。その代わりに、従来のフィルムユニットとフィルタ符号化されたフィルムユニットとが、全てフィルタ符号化されたものの如く、ともに処理されてもよい。この手法には、従来のフィルムユニットについてデジタル処理時間を不必要に増加させるという負担があり、さらに、フィルタ符号化に用いられる同様のフィルタ効果を有する従来のフィルムユニット14の不適切な処理を補正する手段という追加の負担がある。
【0039】
再び図4を参照すると、特定のデジタル実行エンジン23には、フィルムストリップを、フィルム供給リール46からデジタルスキャナ48を通してフィルム巻取リール50へと進めるための、モータ化されたフィルムドライブ(図示せず)が含まれている。この場合、いくつものフィルムユニットからの複数のフィルムストリップ40は、相互に接合されて、フィルム供給リール46上の連続したウェブとなっている。フィルムストリップ40のいくつかは、フィルタ符号化されたものであり、他のものはそうではない。フィルタ符号化されたフィルムストリップ40の各々は、1つ以上のインジケータ22(図示せず)を有する。バーコードリーダ等のデータリーダ20(図1に示される)は、インジケータ22を読み取れるように配置されている。データリーダ20は、検出されたインジケータ22を、制御ユニット56へと通知する。スキャナ48は、フィルムフレームが瞬間的にフレームゲート60に位置しているときに、光を発して各フィルムフレームを透過させる投影光源58、走査イメージセンサ64(電荷結合素子(CCD)等)上に投影される保存用のイメージを合焦する合焦レンズ62を有する。イメージセンサ64により得られた結果としてのアナログ電子イメージは、アナログ/デジタル(“A/D”)変換器66により、デジタル形式へと変換されるとともに必要なだけ増幅され、制御ユニット56へと送出される。便宜上、スキャナ48及びA/Dコンバータ66は、ここで“デジタイザ(digitizer)”と総称されることがあり、これらの要素により提供される手順は、“デジタル化(digitizing)”と称されることがある。また、“デジタイザ”及び“デジタル化”なる用語には、同様の機能を提供する他の装置も含まれる。例えば、デジタイザは、キオスク(kiosk)のいくつかの要素を含んでいてもよい。
【0040】
制御ユニット56は、プログラム可能なコンピュータ等であり、イメージを処理し、メモリ67内にローカル又はリモートで格納されたルックアップテーブル等を用いて、所定のリストにある符号フィルタの効果を検出する。また、ルックアップテーブルは、それぞれのフィルタ効果に関連したデジタル補正を格納している。イメージ中にフィルタ効果が検出されると、関連した補正に対する相関関係が作成され、再現デジタルイメージが補正されて補正イメージとなる。補正イメージは、ハードコピー・プリントメーカや最終イメージを提供する他の機器等の出力装置68への出力である。
【0041】
デジタルイメージにおけるカラーキャストや他のフィルタ効果を検出するための既知の手順が、符号フィルタ16によりなされたカラーキャストを検出するのに適している。このような手順の簡単な例が、図1に、実線及び破線の双方で示されている。フィルムストリップ40は、走査され、デジタル化され、全てのイメージについて個々のフォトフィニッシングユニット38に用いられている標準的なデジタル処理にかけられる。例えば、これには、使用されている個々のスキャナ48用のカラー補正が含まれてもよい。そして、イメージは、ディスプレイ上に1つずつ提示される(69)。オペレータは、イメージを点検し、イメージが所定のフィルタ効果の組における1つを呈しているときに、それを検出する。そして、オペレータは、コントロールボタン等を用いて、その特定のフィルタ効果に割り当てられたデジタル補正を起動する(71)。この手法には、比較的簡単で柔軟であるという利点があるが、比較的低速でオペレータのエラーによる影響を受けるという欠点がある。
【0042】
自動化手法は、図1の実線部分により示されている。この手順は、制御ユニットにおける中央処理ユニット内に実装されており、後述のアルゴリズムを提供するソフトウェアによりプログラムされている。中央処理装置は、上述のように、走査され、デジタル化され、標準的な処理にかけられた、デジタルイメージ上に作用する。
【0043】
ソフトウェアは、任意のコンピュータ読取可能な記憶媒体上で提供されうる。このようなコンピュータ読取可能な記憶媒体として、例えば、(フロッピーディスク等の)磁気ディスク若しくは磁気テープ等の磁気記憶媒体、光ディスク、光テープ、若しくは機械読取可能なバーコード等の光学式記憶媒体、読出専用メモリ(ROM)若しくはランダムアクセスメモリ(RAM)等の固体電子記憶媒体、又は、コンピュータプログラムを格納するために用いられる他のあらゆる物理素子若しくは媒体が含まれていてもよい。
【0044】
制御ユニットは、汎用コンピュータシステムの一部であってもよく、あるいは、フォトフィニッシング装置の専用部分であってもよい。後者の場合、中央処理ユニットは、イメージデータマネージャ(IDM)と称されることもある制御システムの一部であってもよい。コンピュータシステム又はIDMには、メモリが含まれており、オペレータによる監視及び介入を可能とするディスプレイ及びユーザ制御部が含まれていてもよい。
【0045】
カラー符号フィルタ16の使用を検出するためのこの方法は、その符号フィルタ16のカラー配置特性及び日中の光の下で選択された符号フィルタ16を使用せずに撮影されたカラー中立な(color−neutral)物体のカラー配置の事前の知識に依存している。2つのカラー配置、すなわち、最高輝度のカラー配置及び平均のカラー配置が、解析中のデジタルイメージにおける画素から直接算出される。算出された2つのカラー配置の各々は、所定の2つのカラー配置に対して、個別に比較される。具体的には、クロミナンス(chrominance)空間におけるユークリッド距離が、メリット値として算出されて、デジタルイメージが得られた場面を撮影するのに使用された選択された符号フィルタが用いられた可能性が決定される。従って、本発明の重要な側面は、イメージの画素情報に基づいて予測カラー配置を算出すること、個々のカラー符号フィルタ16の所定のカラー配置の特性を基準として算出された予測カラー配置の距離メトリックを算出すること、及び個々の符号フィルタ16がイメージ画素情報を生成するのに用いられた可能性を示すために距離メトリックを用いることである。
【0046】
フィルムストリップ上に記録されたオリジナルの潜像から得られたデジタルイメージの組における各デジタルイメージは、選択された符号フィルタ16が対応するオリジナルのイメージを記録するために用いられたかどうかを決定するために解析される。選択された符号フィルタ16をカメラ12の保存用の媒体の前に装着することにより、写真フィルム上に形成される結果としてのイメージに、全体的なカラーキャストがなされることになる。従って、対応するデジタルイメージには、特有の全体的なカラーキャストがある。すなわち、デジタルイメージの全画素が、同様に影響を受けることになる。
【0047】
通例、デジタルイメージのイメージ画素データは、赤、緑、青再現で取得される。デジタルイメージの全体的なカラーキャストは、赤、緑、青再現でのイメージ画素データを解析することにより直接検出可能であるが、本手順は、イメージ画素データを、輝度−クロミナンス再現(LCC:luminance−chrominance representation)へと変換して、検出過程で役立つようにする。変数Rij,Gij及びBijは、第i行第j列に位置する赤、緑及び青のデジタルイメージ画素を示すものとする。変数Lij,GMij,及びILLijは、輝度−クロミナンス表現のデジタルイメージにおける変換された輝度、第1のクロミナンス及び第2のクロミナンス画素値を、それぞれ示すものとする。行列変換の3×3要素が、式(1)により記述される。
【0048】
Lij=0.333Rij+0.333Gij+0.333Bij (1)
GMij=−0.25Rij+0.50Gij−0.25Bij
ILLij=−0.50Rij+0.50Bij
輝度/クロミナンス行列変換における係数として用いられる具体的な値は、変更されてもよく、そのときにも実質的に同じ結果が得られることが、当業者には認識されるであろう。式(2)により記述される代替例が用いられてもよい。
【0049】
Lij=0.375Rij+0.500Gij+0.125Bij (2)
GMij=−0.250Rij+0.500Gij−0.250Bij
ILLij=−0.500Rij+0.500Bij
2つのクロミナンス画素の値GMij及びILLijは、ij番目の画素のカラー配置座標を表している。
【0050】
撮影された自然の場面のほとんどは、カラーの幅があるが、光源の色によって決まる中央のカラー配置を中心として分布したクロミナンス画素値の分布を有する。図36を参照すると、クロミナンス空間のグラフ例が示されており、その2軸の中心は、グレーのカードのようなカラー中立な色の物体を日中の光の下で撮影したもののカラー配置に対応した点171で示されている。輪郭172で示される領域は、日中の光の下で撮影された通常のデジタルイメージのクロミナンス画素値の領域を表している。クロミナンス画素値の相加平均又は中心は、点173で示されており、すなわち、平均カラー配置である。図36に示されたグラフから分かるように、平均カラー配置は、クロミナンス画素値の領域内にあり、点171で示された日中の光の下で撮影された中間色の物体のカラー配置に近い。また、図36に点174として示されているが、これは最も高い、すなわち最も明るい、対応する輝度値の画素のカラー配置である。一般に、最高輝度のカラー配置は、光源の色のよい指標となる。高い反射係数を有する物体が撮影されると、高輝度の画素値となる。このような物体は、カラー中立の物体(例えば、ワイシャツ、白紙等)であることが多いので、光源の色を示すことになる。
【0051】
選択された符号フィルタが所定の位置にある状態で同一の場面が撮影されると、結果としてのクロミナンス画素値はクロミナンス空間内で移動する。図37に、このような例で移動したクロミナンス画素値のグラフ例を示す。日中の光の下で、選択された符号フィルタ16をつけて撮影されたカラー中立色の物体のカラー配置は、点181で示されており、カラーフィルタのカラー配置と称される選択された符号フィルタ16の特性の位置へと、クロミナンス空間内で移動している。輪郭182で示された領域が、選択された符号フィルタ16の特性によりクロミナンス空間内で移動したクロミナンス画素値を示している。また、点183で示される平均カラー配置も、選択された符号フィルタ16の特有のカラーに応じて、クロミナンス内で移動している。同様に、最高輝度のカラー配置が、(点184により示されるように)クロミナンス空間内で移動している。
【0052】
平均カラー配置及び最高輝度カラー配置の双方が、選択された符号フィルタ16の使用を示しうることが、当業者には分かるであろう。すなわち、平均カラー配置又は最高輝度カラー配置が、使用中の選択された符号フィルタ16における符号フィルタのカラー配置の特性に近いカラー配置を示す場合、選択された符号フィルタ16が用いられていたことが想定される。また、選択された符号フィルタ16の使用を検出することが、日中の光の下で照明された場面に期待されるものとは異なった、事前に知られている特定のカラー配置に基づくものであるため(日中のカラー配置は、図37では点185により示される)本手順は様々なカラーのカラーフィルタとともに実行されてもよい。
【0053】
平均カラー配置は、式(3)を用いて算出される(GMave,ILLave)。
【0054】
GMave=(1/N)□ijGMij (3)
ILLave=(1/N)□ijILLij
ここで、変数Nは、デジタルイメージ内の画素数を表している。最高輝度のカラー配置は、最初に輝度画素値の累積ヒストグラムを算出することにより、算出される(GMbr、ILLbr)。累積ヒストグラムは、最高輝度の画素を特定するために用いられる。画素のうちの最高輝度10%に入った対応する輝度画素値を有する画素のみが、式(4)で示される最高輝度カラー配置の算出に用いられる。
【0055】
GMbr=(1/M)□ijGMij□ij (4)
ILLbr=(1/M)□ijILLij□ij
ここで、変数Mは、全画素数の10%に対応する画素数を表し、変数□ijは、画素のうちの最高輝度10%に入った対応する輝度画素値の画素に対して1.0となり、他の全ての画素に対して0.0となる重み係数を表している。
【0056】
図38に、選択された符号フィルタ16を用いた場合の対応する算出された値でのカラー配置を示す。それぞれ点193及び194で示される平均カラー配置及び最高輝度カラー配置が、選択された符号フィルタ16の使用を予測するのに用いられている。点191は、カラーフィルタのカラー配置を示している。最初に、カラーフィルタ16及び日中のカラー配置を基準として、平均及び最高輝度カラー配置の双方について、距離パラメータが算出される。平均カラー配置(GMave,ILLave)から日中のカラー配置(GMday,ILLday)までの距離(Dave-day)は、式(5)により与えられる。
【0057】
【数1】
【0058】
平均カラー配置(GMave,ILLave)からカラーフィルタのカラー配置(GMcf,ILLcf)までの距離(Dave-cf)は、式(6)により与えられる。
【0059】
【数2】
【0060】
同様に、最高輝度カラー配置(GMbr,ILLbr)から日中のカラー配置(GMday,ILLday)までの距離(Dbre-day)は、式(7)により与えられる。
【0061】
【数3】
【0062】
最高輝度カラー配置(GMbr,ILLbr)からカラーフィルタのカラー配置(GMcf,ILLcf)までの距離(Dbr-cf)は、式(8)により与えられる。
【0063】
【数4】
【0064】
平均カラー配置からカラーフィルタのカラー配置までの距離(Dave-cf)が、平均カラー配置から日中のカラー配置までの距離(Dave-dey)未満である場合、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が高い。同様に、最高輝度カラー配置からカラーフィルタのカラー配置までの距離(Dbr-cf)が、最高輝度カラー配置から日中のカラー配置までの距離(Dbr-day)未満である場合も、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が高い。Dbr-cf<Dbr-dayかつDave-cf<Dave-dayである場合には、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が、さらに高くなる。また、図38には、線196も示されている。この線196は、クロミナンス空間を2つの領域に区分している。平均及び最高輝度カラー配置が、日中のカラー配置(点195で示される)を含む領域内にある場合、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が低いという判断がなされる。逆に、平均及び最高輝度カラー配置が、フィルタカラー配置(点194で示される)を含む領域内にある場合、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が高いという判断がなされる。
【0065】
上記説明には、算出された距離パラメータ間(例えば、Dave-cfとDave-day)の直接的な比較が用いられているが、比例配分された比較が用いられてもよい。例えば、符号フィルタ16が使用されていたことの可能性は、式Dave-cf<1.5Dave-dayを用いて算出されてもよい。符号フィルタ16の使用を検出することを最適化するために、乗算係数が用いられてもよい。符号フィルタ付き及び符号フィルタなしで取り込まれたイメージのデータベースが収集される。上述の検出方法は、取り込まれたイメージから得られたデジタルイメージに適用される。符号フィルタの使用に応じた真のデータが既知であるため、乗算係数は、正しく示された検出に対する誤って示された検出の数を最適化するために、調整可能である。
【0066】
代替的な手順として、選択された符号フィルタ16の使用を示すために、最高輝度カラー配置を用いずに、平均カラー配置を用いてもよい。また、平均カラー配置を用いずに、最高輝度クロミナンス配置を用いてもよい。選択された符号フィルタ16の特定のカラーが飽和するほど、検出結果が向上することが、予期されている。
【0067】
予測クロミナンスパラメータは、輝度−クロミナンス再現での基準クロミナンスパラメータの所定の数値範囲内にある場合に、基準クロミナンスパラメータに一致するものとされる。カラーフィルタのカラー配置(GMcf,ILLcf)は、基準クロミナンスパラメータの一例である。平均カラー配置(GMave,ILLave)が算出され、最高輝度カラー配置(GMbr,ILLbr)が、予測クロミナンスパラメータの例となる。この範囲は、システム内の不正確さ、カメラに用いられた符号フィルタと基準値との差、及びフィルムとフィルム処理との差の関数である。範囲が狭いとエラーになりにくいが、コストが上昇しがちである。個々の実施形態に適した範囲は、試行錯誤によって容易に決定可能である。
【0068】
なお、予測クロミナンスパラメータの算出は、赤、緑、青再現のイメージ画素データで実行される。例えば、デジタルイメージ内の画素の個々のカラーを平均して、数量Rave,Gave及びBaveとすることができる。同様に、カラーフィルタのカラー配置は、等価な数量Rcf,Gcf及びBcfで算出可能である。そして、数量Rave,Gave及びBaveは、数量GMave,ILLaveを算出するのに用いられ、数量Rcf,Gcf及びBcfは、GMcf,ILLcfを算出するのに用いられうる。
【0069】
代替的な手順では、各画素は、個別に検討される。この手法には、カラーのような全体的なイメージパラメータを考慮することに由来するエラーを回避できるという利点がある。全体的なイメージパラメータによる符号フィルタ16の使用及び不使用を区別することを意図したあらゆるアルゴリズムは、実際にはそうでなくとも、ほとんどがフィルタのカラーとなった場面の写真がフィルタによるものであると誤って結論づけてしまうことがある。あるいは、実際にはフィルタが所定の位置にあっても、フィルタ16の補色が支配的な場面の写真がフィルタなしで撮られたと誤って結論づけてしまうことがある。各画素を個別に検討することにより、この種のエラーを回避することができる。
【0070】
フィルタ16が所定の位置にある状態で、ある場面が取り込まれると、システムのノイズのみが個々の画素をフィルタの補色に近いものとする。各画素について検討することで、カラーキャストのための基準カラー配置に対する画素のカラー配置が所定の閾値を超えている場合、そのアルゴリズムは各例証を考慮することができる。閾値は、フィルタの不規則性、処理におけるノイズ等を考慮する。好適な値は、単純な試行錯誤によって定められる。
【0071】
いくつもの画素が、差の基準以上であるということは、その写真がフィルタ16が所定の位置にある状態で撮られたものではないことを示している。差の基準は、エラーのための大きなマージン、デジタルイメージ内の全画素数の25%未満、又は小さなマージン、全画素数の10%未満、のある非常に少数の画素であってもよい。実際には、画素のサンプリングは、好ましくはデジタルイメージに渡る分布(ランダム又は格子パターン)にて、基準カラー配置と比較される。サンプリングは、基準カラー配置と照合され、すなわち、サンプリングが差の条件を満たす場合、イメージは特定のカラーキャストフィルタ効果を有するものとみなされる。
【0072】
サンプリングは、画素数について、該当する差の条件以上である。サンプリングにおける画素の数及び配置は、予め設定されていて解析毎に不変であってもよく、動的に変更されてもよい。後者の場合、各画素又はサンプリングは、順に比較され、該当する差の条件が満たされる場合に解析は停止する。
【0073】
画素は、イメージにおける限定された領域から採られてもよい。これは、フィルタリングがイメージの一部に限定されたいくつかの(後述する)実施形態のために必要となる。解析される領域を限定すると、領域が減少するにつれてリスクが増大し、通常とは異なるカラーの場面の内容により、誤った結果がもたらされることがある。
【0074】
サンプリングは、差の基準のサイズとなる。基準カラー配置は、カラーキャストの理論値と実際になされるカラーキャストとの差に相当するように補正されることが好ましい。基準カラー配置の補正は、フィルム感光度計、フィルム処理化学的効果、スキャナの不正確さ等に対応するものである。
【0075】
基準カラー配置は、個々の赤、緑、青(RGB)の基準値の形式で予め定められうる。その場合、デジタルイメージの未処理のRGB画素値は、対応するRGB基準値に対して個々に関連づけられうる。RGB画素値は、当初の電子イメージのアナログデジタル変換で直接与えられてもよい。その関連づけは、検出アルゴリズムを最適化する単一の手順にて実行可能である。その場合、サンプリングにおける各画素についての未処理のRGB値は、参照テーブル(LUT)内の制限と比較される。LUT内の値には、フィルタ化による予期された制限、及び非フィルタ処理システムについての中間のグレーバランスを達成するのに必要な係数が含まれている。すなわち、算出の効率化のために、その値には、既知のフィルム感光度用の補正、フィルムシステム感光度へのフィルム処理化学的効果、及びスキャナのキャリブレーション等が含まれている。
【0076】
この手法は、単一の符号フィルタを使用する観点で説明されてきた。同手法は、所定のカラー符号フィルタの組を使用することにも適用可能である。その場合、符号フィルタが使用されたかどうか、又はどれが使用されたかを立証するために、決定されたカラー配置が、その組のフィルタ用に予め定められた基準カラー配置に対してマッピングされる。
【0077】
他の代替的な手順として、高度に飽和した黄、シアン、又はマゼンダフィルタ16を通して露光されたフィルタ符号イメージに適しているものがある。使用されたフィルタ16は、フィルタ16をカメラ12の“カラーチャネル”の1つにおけるスペクトル特性に合わせるように選択されたものである。ここで用いられた“カラーチャネル”なる用語は、イメージの一部の取込を、様々なカラーの小規模の組における1つのカラーに制限するカメラの部分を指している。写真フィルムでは、様々なカラーが、一般に、様々な要素及び/又は様々な階層で取り込まれる。デジタルカメラでは、様々なカラーが、様々な階層で、あるいは様々なフィルタを用いて、同様に取り込まれる。通例、画素に分解された3色フィルタが、対応する画素分解されたイメージャ上で用いられる。その場合、各カラーチャネルは、フィルタ画素における単色のサブセットを有する。
【0078】
高度に飽和したフィルタ16は、取り込まれたイメージのカラーレコード内のデジタルの原色を、遮断するかあるいは著しく低減する。例えば、高度に飽和した黄、シアン、又はマゼンダフィルタ16は、写真フィルムにおける補色の青、赤、又は緑の要素/カラー層の露光を、遮断するかあるいは著しく低減する。同様に、高度に飽和した黄、シアン、又はマゼンダフィルタ16は、それぞれの黄、シアン、マゼンダフィルタ16を通じたデジタルカメラ12の画素の露光を、遮断するかあるいは著しく低減する。デジタルイメージにおけるフィルタ処理を検出することは、原色値を単に比較することである。例えば、場面のカラー値が、合計されて相互に比較される。クロミナンス空間における解析は、この場合には必要とされない。デジタルの原色を欠いたカラーレコードは、自然発生的な場面を表す可能性が低いので、特定のカラーのフィルタ16を慎重に使用したことを示すものと推定される。
【0079】
その代わりに、デジタルイメージのイメージ画素データは、不変のままとされてもよく、後にデジタルイメージに適用されるべき所望のデジタルイメージの処理効果の指示は、画素データを格納する電子ファイルの一部として、メタデータとして符号化されてもよい。そして、所望のデジタルイメージ処理効果を指定するメタデータが、後に読み取られ、所望のデジタルイメージ処理効果のある向上したデジタルイメージが、選択的に生成されてもよい。
【0080】
なお、上述の自動手段が、符号フィルタなしに撮影された自然の場面を、符号フィルタ付きで撮影されたものとして、誤って識別してしまうことがあるため、符号フィルタのためのカラー配置の選択は重要である。例えば、特定のカラーで占められたあらゆる自然の場面が、取り違えられてしまう。青が支配的な場面が黄の符号フィルタ付きで撮影されると、平均的に、中間色に近いイメージ画素データとなるであろう。好ましいことではないが任意のカラー配置によって自然の場面が支配的となる可能性があるので、同様の議論が、符号フィルタの他の任意の選択されたカラー配置に対してなされうる。符号フィルタについて高度にカラー飽和したカラー配置を選択することにより、符号フィルタ付きで撮影された自然の場面が符号フィルタなしで撮影された事前の場面と取り違えられる可能性が最小限となる。
【0081】
上記説明はデジタルイメージについての全体的なカラーキャストを決定することに関するものであるが、同手法が、デジタルイメージの一部のカラーキャストを決定するのに使用可能である。以下により詳細に説明されるように、符号フィルタは、デジタルイメージにおける所定の領域に局所化されうる。所定の領域に局所化された符号フィルタを検出するために、2つのカラー配置が、符号フィルタが使用されたかどうかを決定するために算出される必要がある。第1のカラー配置は、上述の方法を用いて、所定の領域に対応した画素のみを用いて、算出される。このように、選択された符号フィルタが所定の領域に使用されたかどうかについて、判別がなされる。第2のカラー配置は、1つ以上の符号フィルタに対応した所定の領域に重なった画素を何も含まないデジタルイメージ内の中心の画素の中心領域を用いて、算出される。第2のカラー配置は、第1のカラー配置と同様に算出されて、画素の中心領域のカラーキャストが、選択された符号フィルタを使用した場合に予期されるカラーキャストと同等のカラーキャストを示しているかどうかが決定される。本実施形態では、符号フィルタは、中央領域のカラーキャストに影響することがないので、第2のカラー配置は、符号フィルタ特有のカラー配置を示さない。すなわち、画素の中心領域から算出された第2のカラー配置は、符号フィルタが使用されていないことを示すことになる、すなわち、第2のカラー配置は符号フィルタと一致しないことを示すことになる。場面を撮影するのに符号フィルタが用いられたという肯定的な決定は、1)第1のカラー配置が、画素の所定の領域のカラーキャストを行うのに符号フィルタが用いられたことを示していることと、2)第2のカラー配置が、画素の中心領域のカラーキャストは符号フィルタが使用されたことと矛盾することを示していること、との組み合わせによりなされる。
【0082】
また、本方法で用いられた特定のフィルタ16は、最終イメージのためになるように、選択されてもよい。その場合、フィルタ処理の効果が保たれる。他の多くの場合には、フィルタ処理の効果は、特定の補正に役立つわけではない。そのような状況では、フィルタ処理の効果は除去され、フィルタ処理の効果が除去される容易さが、考慮されるべきである。
【0083】
図1では、取り込まれたイメージは、暖色フィルタ(warm filter)16、すなわち可視スペクトルにおける赤−黄部分内の光の伝播を制限するフィルタ16により、フィルタ処理される。暖色フィルタ16の効果は、結果としてのモノクロイメージに役立つものとして考慮され、それゆえに、最終イメージ内に保たれるものである。カラーイメージでは、フィルタ16のフィルタ効果は、好ましくないものである。この場合、その効果は、デジタル処理により除去される。特定のデジタル処理手法により情報の損失が生じることに加えて、フィルタ処理の可視的効果を除去することではフィルタ処理により取り込まれることがない情報を復元することはできない。フィルタ16、フィルム及び補正は、許容可能又はさらに好ましいフィルタ処理の効果をもたらすように選択されてもよい。例えば、白黒イメージを生成するために、カラーフィルムとともに暖色フィルタ16を使用することによる効果は、一般的に好ましいものである。一方、中性フィルタ16と等価なものともに白黒フィルムが使用された場合の、イメージ情報の損失は受け入れがたいものである。同様に、非カラーフィルタ16は、同様の用途にて、受け入れ難いイメージの劣化を引き起こすことがある。あるイメージのカラーレコードの一部を補正するのにカラーフィルタ16を使用することは、カラーレコードの残余が使用可能なままとなるため、比較的限られている。
【0084】
デジタルリバーサル用のフィルタ16を、厳密に定義された特性に制限することは、都合のよいことである。これは、デジタル補正にてよく定義された特性を有するフィルタ16の効果を補償するのが容易なためである。同様に、使用されたフィルタは、イメージ情報の損失を最小化するように、及び/又は、情報の損失をイメージにおけるより目立たないところへ移動させるように、選択されてもよい。例えば、デジタル補償後に、グレースケール情報を含んだ情報の全体的な損失が高くなりがちであるため、暗い中性濃度フィルタ16は一般に好ましくない。一方、低〜中程度の中性濃度フィルタ16、特にスペクトルの狭い部分のみを除去するフィルタ16は、ほとんどのグレースケール情報を保持する。カラー情報が失われて、復元の努力が不充分であっても、一般的な使用のためのイメージにおいては、目立ちすぎるということにはなりにくい。グレースケール情報よりもカラーの再現に関心があれば、他の種類のフィルタが好ましいであろう。特定目的のためのフィルタ16の選択がすぐに明らかというわけでなければ、単純な試行錯誤により、特定目的のための好適なフィルタ16が、極めて迅速に得られる。
【0085】
符号フィルタ16は、カメラ内の光学系における常設部分又は仮設部分として設けられうる。常設フィルタは、単一目的用の使い切りカメラには便利であるが、本発明はこのようなカメラに限定されるものではない。選択可能なフィルタは、使い切りカメラ又は再使用可能なカメラに提供される。フィルムカメラ及び写真フィルムユニットに関連して、ここでは一般的に特徴が説明されている。デジタルカメラ及びデジタル記憶媒体が、フィルムカメラ及び写真フィルムユニットの代わりに、あるいはそれらに加えて利用されてもよい。また、スキャナが、取込装置として使用されてもよい。これらの場合、シェーディングは、取込時に光学的である。(例えば、符号フィルタ処理のために、色付きの透明シートがプリント上に配置されてもよい。)結果としてのデジタルイメージは、フィルムイメージから得られたデジタルイメージと同様に取り扱われる。光学フィルタ処理の代わりとして、デジタルフィルタ処理が可能である。但し、これは、現時点では、デジタル及びフィルムイメージ用に同一のフォトフィニッシングシステム及びデジタル補正を用いる方法としてのみ望ましいものであると信じられている。
【0086】
モノクロデジタルイメージは、デジタルフォトフィニッシングシステムの処理ステップにて、式(1)及び(2)に記述された輝度信号Lijを用いて、カラーデジタルイメージから生成される。例えば、まず、最初のカラーデジタルイメージが、式(2)を用いて輝度−クロミナンス再現へと変換される。全体的なカラーキャスト効果をもたらす符号フィルタの場合には、全体的なカラーキャストは、GM及びILLクロミナンス信号情報から、対応するカラーキャストを差し引くことにより除去されうる。輝度信号は、白黒デジタルイメージとして直接使用可能である。但し、符号フィルタにより引き起こされたカラーキャストが一旦除去されると、画質向上のための他の任意のカラーキャストが引き起こされうる。例えば、符号カラーキャストの除去されたデジタルイメージを、赤−緑−青再現へと再変換することにより、光学的赤色カラーフィルタと等価なものが合成されうる。次に、処理されたデジタルイメージの赤画素は、その数値が低減されて、赤色フィルタによる効果を合成することができる。そして、最終的な白黒デジタルイメージが、式(1)又は(2)を用いて輝度信号を算出することにより、生成可能である。さらに、セピアデジタルイメージも、処理されたデジタルイメージのクロミナンス値を、セピアカラーに対応した一定値に設定することにより、生成可能である。従って、符号フィルタによりイメージデータに対して引き起こされた効果は、符号フィルタによりもたらされたカラーキャストがイメージ取込状態を補正又は補償しようとしていない場面では本質的に非治療的(non−remedial)なものであると理解される。さらに、この非治療的なフィルタ効果は記録された光像から得られたデジタルイメージ内で検出され、最終的に処理されたデジタルイメージに異なったフィルタ効果がもたらされるという様式で、デジタル補正がデジタルイメージに対してなされる。このように、符号フィルタによるフィルタ効果は、デジタルイメージ処理にてもたらされたフィルタ効果から独立している。そのうえ、符号フィルタの非補正的フィルタ効果は、得られたデジタルイメージから、符号フィルタによる実質的なフィルタ効果が何も残らないように除去可能である。このように、最終的に処理されたデジタルイメージは、光像を符号フィルタのフィルタ効果なしに記録した写真システムにより生成されたものとして表示可能である。
【0087】
カラーフィルタ処理は、光像からカラー成分を差し引くという通常の意味で、ここでは一般的に説明されている。ここでの目的には、“フィルタ処理”等の用語は、全体的な場面のイメージに対する追加のカラー変更を含むものである。例えば、発光ダイオード等の色付きの光源が、撮影レンズに入ってきた場面のイメージに、未調整の色付きの光を加えるために、カメラに設けられてもよい。この特定の手法(取込の際に未調整の光を加えること)は、その効果が霞のようであり、場面の情報内容が劣化しうるので、現在のところ好適ではない。
【0088】
図5乃至図8を参照すると、カメラ12はフィルムホルダ70、該フィルムホルダ70と位置合わせされた露出システム72、及び該露出システム72により規定された光路内に介在する符号フィルタ16を有する。フィルムユニット14は、フィルムホルダ70内に保持されている。図5乃至図6を参照すると、カメラ12は、ケース76及びバッフルフレーム(buffled flame)78のある本体74を有する。本体74は、他の構成要素を構造的に支持している。ケース76は、フロント及びリアカバー80,81を含む。カバー80,81は、互いに接合され、該カバー80,81上にラベル82(図6に図示)が貼付されている。バッフルフレーム78は、カバー80,81間に配置されている。バッフルフレーム78は、カメラフレーム84、及び該カメラフレーム84に対して接合されたバッフル86を有する。
【0089】
露出システム72は、バッフルフレーム78に対して取り付けられるか、あるいは、バッフルフレーム78とカバー80,81との間に保持される。露出システム72には、撮影レンズ及びシャッタアセンブリ88、フィルム給送ユニット90、保持プレート92、ファインダユニット94、及びにフラッシュユニット94が含まれている。露出システム72の特徴は、このような構成要素が当業者に周知であるため、ここでは簡単に説明されるだけである。
【0090】
撮影レンズ及びシャッタアセンブリ88には、シャッタ98、撮影レンズ100、及び支持部材102,104が含まれている。後側支持部材104は、シャッタ98及び1つ以上のシャッタバイアススプリング106を、バッフルフレーム78の取付部分108に対して支持する。前側支持部材102は、撮影レンズ100を、後側支持部材104に対して支持する。フラッシュユニット96は、シャッタアセンブリ88に隣接し、イメージ取込の際にシャッタ98が接触するフラッシュ接点110を有する。シャッタブレード98は導電性である。バッテリ112は、電力供給のためにフラッシュユニット96に対して接合されている。
【0091】
フィルム給送ユニット90には、フィルムのパーフォレーションに係合するスプロケットホイール114、複数部品よりなる計測装填アセンブリ116、及びユーザにより操作されてフィルム給送ユニット90に回転運動を与えるフィルム巻上部118が含まれている。また、カウンタホイール120もあり、計測装填アセンブリ116により駆動される。計測装填アセンブリ116には、計測及び高エネルギレバー115,117、1つ以上のバイアススプリング122、及びスプロケットホイール114を係合動作させる回転複数レベルカムユニット124が含まれている。保持プレート92は、計測アセンブリ116を通じて写真の露光のためにシャッタ98を開放する一体式シャッタレリーズ126を有する。ビューファインダユニット94には、フレーム78により規定されたトンネル131と嵌合する対向した一対のレンズ125,127が含まれている。
【0092】
バッフルフレーム78には、第1及び第2のフィルムチャンバ128,130を有するフィルムホルダ70、及びチャンバ128,130間の露出フレーム132が含まれている。フィルムカートリッジ14のキャニスタ134は、第2のチャンバ130内に収納され、スプール136は第1のチャンバ128内に収納される。フィルムカートリッジ14におけるフィルムストリップ40の端部は、キャニスタ134内にてスプール136に対して取り付けられている(この取付は図示されていない)。露光がなされるにつれて、フィルムストリップ40は、キャニスタ134内へと巻き取られてゆく。フィルムストリップ40により形成されたフィルムロール(図示せず)は、露光が完結されてフィルムストリップ40が完全に又はほとんどキャニスタ134内に収容されるまで、スプール136により保持される。
【0093】
符号フィルタ16は、フロントカバー80内の開口138を覆って、フロントカバー80に対して取り付けられている。開口138は、撮影レンズ100の光軸140に合わせられており、撮影レンズ100により規定され且つ露出フレーム132に位置するフィルムフレーム(図示せず)に至る光路の一部になっている。符号フィルタ16は、光路のどこにでも配置可能である。図7に、撮影レンズが一対のレンズ要素142,144を有する他のカメラ12を示す。シャッタは図示されていないが、例えば、要素間に配置されてもよい。符号フィルタ16は、フロントカバー80におけるくぼみ146内の第1の位置に実線で示されている。フィルタ16のいくつかの代替的な位置が、破線で示されている。それらの代替的な位置では、フィルタ16は、レンズ系100の2つの要素142,144間であって、後側レンズ要素144の内部で、露出フレーム132におけるフィルム40直上にある。
【0094】
図8に代替例を示す。ここでは、使い切りカメラ12のフロントカバー80が、レンズ系100に隣接していて互いに対向した一対のブラケット148を有する。矩形のフィルタホルダ150内のフィルタ16は、レンズ上の使用位置とレンズ系100により規定された光路に対して間隔をおいた位置関係の格納位置(図8に示す)との間で、ブラケット148に沿ってスライド可能である(矢印152で示される)。同様のスライドフィルタ機構が、フロントカバー80の内部に設けられてもよい。他のフィルタ動作機構が、用いられてもよい。例えば、内部及び外部のフィルタホイールは、当業者に周知である。
【0095】
上記説明は、均質のフィルタ処理についてのものである。その代わりに、不均質のシェーディング又はフィルタ処理による符号化が提供されてもよい。“シェーディング”なる用語は、ここでは、フィルタ処理及び完全な遮光(ここで“シャドーイング”とも称される)の双方を指している。
【0096】
例えば、図9を参照すると、符号フィルタは、パターンを有していてもよい。図9では、上部160はある色についてフィルタ処理し、下部162は他の色についてフィルタ処理する。フィルタ処理の効果は、デジタル処理にて除去されうる。その代わりに、その効果が保持されてもよい。例えば、図9では、イメージのある部分をオレンジについてフィルタ処理し、他の部分を赤についてフィルタ処理する。両部分で中性濃度が同じであり、対応する補正がカラーイメージをモノクロイメージへと変換するのであれば、モノクロイメージ上の効果は、ある用途には、著しく目立つというものではない。
【0097】
また、符号化は、部分シェーディングによりなされてもよい。部分シェーディングでは、場面の取り込まれたイメージの一部のみが、シェーディングされる。部分シェーディングは、露出フレーム132における辺の対156,158の一方又は双方に対して傾斜している。部分シェーディングは、取り込まれたイメージにおける対応して隣接する辺についても、同様に傾斜している。(便宜上、以下では、露出フレーム132の辺156,158のみに言及する。)“傾斜”なる用語は、通常の意味で用いられており、辺の対156,158の双方に対して傾いた方向にイメージをクリッピングするシェーディングを指し、辺の対156,158の一方の一要素を他方のものよりもクリッピングするシェーディングを指し、また、その両者を実行するシェーディングを指している。
【0098】
部分シェーディング符号化では、符号化された情報は、シェーディングされた領域の位置、シェーディングされた領域の形状、提供されたシェーディングの種類、及びこれらの特徴の組み合わせにより伝達されうる。シェーディングの種類は、不透明な領域のあるシェーディングスクリーン154を用いて、シェーディング領域内で完成するか、あるいは、その代わりに、シェーディングは、フィルタ処理領域のあるシェーディングスクリーンを用いて、シェーディング領域内で未完成となりうる。シャドーイング及びフィルタ処理は、シェーディング領域内にて組み合わせ可能で、フィルタ処理は特定のフィルタパターンで提供される。
【0099】
図5乃至図8のカメラ12は、符号フィルタをシェーディングスクリーン154で置き換えることにより、前述の均質のフィルタ処理における所定位置での傾斜シェーディングを提供するために変更されてもよい。シェーディングスクリーン154は、所定の位置に固定、すなわち、露出フレームに対して不動となるように固定されることができる。特定の実施形態では、複数の別々のシェーディングスクリーン154が、順番に、露出フレーム132を基準とした位置へ移動可能である。他の実施形態では、シェーディングスクリーン154は、シェーディング領域、そしてある場合にはシェーディング領域の形状を変更するように、露出フレーム132を基準として移動可能である。
【0100】
符号パターン又はシェーディングパターンの複雑さは、検出のための現実的な制限内で、要求通りに変化しうる。例えば、シェーディング領域は、鋸歯状の辺を有していてもよい。シェーディングパターンは、個々のシステムの要求に合わせて最適化されうる。例えば、ある場合には、フィルムイメージの縦の辺の一部を少なくとも保持することで、フィルムフレームの長さが、フィルムイメージの全体的な長さにより規定されたままとなることが望ましい。位置決めが、縦のフィルムイメージ/フィルムのフレーム辺を検出することにより、各フレームについて明確に決定されているため、これは、フィルムストリップが誤登録されてしまい、実際のフィルムフレームに対して誤った位置で走査されるというリスクが低くなる。
【0101】
テンプレート適合方法を用いると、鋸歯状の辺のパターンがデジタルイメージ内で検出されうる。このような方法には、画素テンプレートを巻き込むことが含まれる。すなわち、予期される鋸歯上の辺のパターンのサイズ及び形状に似た画素値の二値的配列が、鋸歯状の辺のパターンが配置可能な画素の領域(ここでは“サブエリア”とも称される)内のイメージ画素データとともに含まれる。畳込み動作には、テンプレートの画素値をデジタルイメージの画素値で乗じることが含まれる。そして、このような乗算値が合計されて、検出される鋸歯状の辺のパターンの可能性を示すのに使用可能なテンプレート配置メトリックが得られる。この畳込み動作は、デジタルイメージを基準とした別々の位置にてテンプレートとともに実行される。このように、テンプレート配置メトリックは、テンプレートにおける複数の位置について算出される。テンプレート配置メトリックの値が高いということは、イメージ画素データ内に鋸歯状の辺のパターンがある可能性が高いことを示すものである。複数のテンプレート配置メトリック値が、ソートされて、鋸歯状の辺のパターンが最もありそうな位置を判別してもよい。そして、テンプレート配置メトリックの最高値が、テンプレート配置メトリックの閾値と比較されて、鋸歯状の辺のパターンが存在するか存在しないかが決定されてもよい。
【0102】
符号フィルタにより処理されるべきデジタルイメージに付与された他の空間パターンが、上記のテンプレート適合方法を用いて検出可能である。例えば、図28に示されているとともに以下でより詳細に説明する符号の実施形態によると、イメージ領域における角の部分のシェーディングされた部分が生成される。このシェーディングされた部分は、符号機構の配置に基づいた特有の角度を有する。この場合、直線の辺のテンプレートが、上述のテンプレート適合方法に使用可能である。直線の辺のパターンが存在することを決定するために、直線の辺のテンプレートのパターンにおけるそれぞれの配置だけでなく、別々の部分について畳込み動作が繰り返される。上述のように、直線の辺のテンプレートのパターンがシャドーイングされた領域の向き及び配置と一致した場合には、明確な決定が可能となる。
【0103】
また、上述のカラーキャスト検出手順は、イメージにおける所定の領域内のカラーキャストを検出するためにも、使用可能である。種々のカラーキャスト検出手順が、イメージにおける別々の領域に対して繰り返されてもよく、別々の手順が、組み合わされて用いられてもよい。傾斜したシェーディングでは、符号フィルタ処理に関連して上述されたのと同様に、識別子が用いられる。
【0104】
図10を参照すると、不均質のシェーディングスクリーン154が、シェーディングをイメージの小部分のみに制限することができる。シェーディングされる部分のサイズは、容易に検出可能なように充分大きくなっている。シェーディングの効果は、最終イメージを容認不能なほどに劣化させることがないように、制限されている。フィルタ処理では、このことは、フィルタ効果又はフィルタ効果のデジタルリバーサルによるイメージの劣化のどちらが、最終イメージにてより目立たないか、といいう結果をもたらしうる。図10では、イメージの大部分である広い部分164が、フィルタ処理されていない。その残りとして、赤及びオレンジでそれぞれフィルタ処理される2つの小領域166,168がある。
【0105】
傾斜シェーディングを提供するカメラ12は、ほとんど、上述のカメラ12と類似している。特に、フィルムホルダ70は、対向する辺の2つの対156,158がある矩形の露出フレーム132を有する。辺156,158は、露出開口170を取り囲んでいる。撮影レンズ系100は、露出開口170の中心を通って伸びる光軸140を有する。レンズ系100は、場面の光像を、露出開口170を通じて、露出フレーム132内に保持されたフィルムフレームへと、光路に沿って伝達する。露出開口170では、光像は、露出フレーム132の対向する辺の2対により縁取られている。
【0106】
図11乃至図33、及び図38乃至図39を参照すると、ある種の傾斜シェーディングカメラ12は、本体74に取り付けられたガイド202を有する。ガイド202は、1つ以上のシェーディングスクリーン154を有するスクリーナ(screener)153を支持している。ガイド202は、複数のステーション204を規定している。スクリーナ153は、ガイド202を基準としてステーション間で段階的に移動するように動作可能である。各ステーションでは、別々のシェーディングパターンが、シェーディングスクリーン154による露出開口にて提供されており、露出開口170上に配置されている。スクリーナ153は、各ステーション204にて、光軸140に対して異なって配置されている。配置の差異は、回転方向、並進方向又はその両者であってもよい。スクリーナ153は、ステーション間の移動の際にも、カメラ12に対して取り付けられたままになっている。
【0107】
上述のフィルタ16のときのように、シェーディングスクリーン154は、光路に沿った任意の場所に使用のために配置可能である。例えば、図8のカメラ12では、フィルタ16は、単一のシェーディングスクリーン154を有するスクリーナ153で置換可能である。その場合、図8のカメラ12のブラケット148は、ガイド202である。スクリーナ153及びガイド202の全体構成は、ステーション204の数、スクリーナ153の動作様式、及び与えられたシェーディングの構成によって決定される。
【0108】
図11乃至図14を参照すると、硬質のスクリーナ153が、支持構造155と一体のシェーディングスクリーン154を複数有するカメラ12が示されている。あるシェーディングスクリーン154aは、矩形状であり、露出開口の上部に渡って配置されている。第2のシェーディングスクリーン154bは、L字型であり、露出開口の上部及び一側に延びている。第2のシェーディングスクリーンに連続しているのが、符号フィルタ16である。スクリーナ153は、露出フレーム132上の長手方向の移動により、ステーション204間で移動する。フィルムストリップ40は、これらの図では示されていないが、露出フレーム132まで又はそこを越えて、ガイド202に沿って移動することになる。この手法は、理解しやすいように、ここで説明されている。実際のカメラは、図11乃至図14に明らかなように、扱いにくい要素であるが、使用可能なものである。
【0109】
ガイド202は、その内でスクリーナ153がスライドする一対の溝の形状(図11乃至図14では箱で示される)になっている。タブ208aの形状になったスクリーンドライバ208は、スクリーナ153からカメラ12の外部へと上方へ延びており、ユーザが移動させることにより、スクリーナ153をステーションからステーションへと移動させる。ライトロックが、タブ208aに設けられている。例えば、タブ208aは、クランク形状であってもよく、スロット(図示せず)内で移動してもよい。
【0110】
図11に示されたスクリーナの第1の位置では、シェーディングが存在していない。図12に示された第2の位置では、シェーディングスクリーンが、露出フレーム132の長手側の上辺をシェーディングしている。シェーディングされた領域の形状は、長方形状である。シェーディングは傾斜しており、下辺はシェーディングされていない。図13に示された第3の位置では、L字領域内に、不均一なシェーディングがなされている。
【0111】
いくつかの場合では、シェーディングされた領域のサイズ及び形状は、シェーディングが最終イメージと矛盾するように、特定のフォトフィニッシング補正に適合されてもよい。例えば、図12の場合、擬似パノラマの最終イメージ用の補正は、シェーディングされた領域を用いない。同様に、図13では、シェーディングされた領域の内部にある特定の擬似ズーム(中央の領域が拡大されている)が提供されている。
【0112】
図14に示された第4の位置では、フィルタ処理が提供されている。このフィルタ処理は、フィルタ効果が存在することがフォトフィニッシングユニット38によりどのように解釈されるかに基づいて、フィルタ符号として又は芸術的効果のために使用可能である。一般に傾斜シェーディング及びフィルタ符号化のときのように、特定の符号の効果は、特定のフォトフィニッシングチャネルのために予め定められている。
【0113】
ビューファインダマスクユニット209は、スクリーナ153に接合しており、スクリーナ153とともに移動する。マスクユニット209は、3つのビューファインダマスク211a,211b,211cを有する。マスク211a,211b,211cは、支持構造213により相互に接合されている。マスク211a,211b,211cは、シェーディングスクリーン154a,154b及び符号フィルタ16に対して、それぞれ位置合わせされている。シェーディングスクリーン154a,154bは、ファインダ内に表示可能なデジタル補正に対応している。各マスク211cは、それぞれのシェーディングスクリーン154又は符号フィルタ16に対応したデジタル効果をユーザに示す。
【0114】
シェーディングスクリーン154aは、擬似パノラマ補正に対応している。シェーディングスクリーン154bは、擬似望遠補正に対応している。それぞれのビューファインダマスク211a,211bは、生成されるそれぞれの最終イメージに現れない場面のイメージの部分をフィルタ処理する。マスク211cは、符号フィルタ処理(又は芸術的フィルタ処理)が存在することを、色を通じて伝達する。マスク211a,211bは、フィルタ処理部分ではなく不透明体を有していてもよい。ビューファインダマスクは、デジタル補正の性質を、印やテキストのメッセージ(図示せず)のような他の方法で担うことができる。
【0115】
図11乃至14に示されたカメラにおけるより実用的な変形例が、図15乃至図18に示されている。この場合、スクリーナ153は、可撓ベルトであり、ガイド202は、互いに離隔配置された一対のローラ210を有する。スクリーナ153には、図11乃至図14のカメラと同一の構成で、透明支持構造155により相互に接続されたシェーディングスクリーン154a,154b及びフィルタ16が含まれている。ガイド202は、カメラ12内において露出フレーム132の直前に、配置されている。スクリーナ153は、露出フレーム132に渡って延びており、その各端部が、それぞれのローラ210に取り付けられている。スクリーナ153は、両ローラ210の一方又は双方の周りに巻き付けられており、両ローラ210間で移動し、要求に応じて、スクリーナ153をステーション204からステーション204へと移動させて、シェーディングスクリーン154及びフィルタを露出開口上に配置する。
【0116】
図15乃至図18を参照すると、ビューファインダマスクユニット209も、互いに離隔配置された第2の対のローラ215間で巻き付けられるとともに展開される可撓ベルトになっている。(これらの特徴は、図15における破線で示されている。)ビューファインダマスクユニット209は、支持構造213により相互に接合された3つのマスク211a,211b,211cを有する。マスク211は、上述のように、対応するシェーディングスクリーン154のデジタル補正を示す。各マスク211は、ビューファインダに対して位置決めされている(ビューファインダトンネル131は、図15における破線で示されている)。
【0117】
ビューファインダマスクユニット209及びスクリーナ153は、ノブ208bがカメラ12の本体74の外側に露出した形態で、スクリーンドライバ208により同時に動かされる。ノブ208bは、ギア列216(図15に示される。ノブからギア列へ延びたシャフトは、図16にて破線の円218で示されている。)によりローラ210,215に対して連結されている。ステーション204からステーション204へのスクリーナ154の動作は、ノブ208bを1/4回転を回転させることが必要となるように連動している。移動止め220は、スクリーナ154を、各ステーション204にて保持する。第1のスクリーナ位置では、露出開口は、透明支持構造155のみにより覆われている。他の3つのスクリーナ位置では、シェーディングスクリーン154a,154b、及びフィルタ16が、それぞれ露出開口上に位置する。第1のスクリーナ位置では、ファインダは覆われていない。他の3つのスクリーナ位置では、マスク211a,211b,211cが、それぞれファインダ上に位置する。
【0118】
図16における移動止め220は、カメラ本体74に対して一端が固定された板バネである。移動止めの突起が、ノブ208b上の一連の係合部222の一つと係合する。各係合部222は、スクリーナ153をそれぞれのステーション204に位置させるように、配置されている。対応するデジタル補正を特定する印224は、それぞれの係合部222に隣接している。
【0119】
特定の移動止め220は、スクリーナ153を特定のステーション204に保持しようとするバイアス部材の形態である図16に示された形状をとっていてもよく、その代わりに、初期インパルスに応じてスクリーナ153をステーション204からステーション204へと駆動するオーバーセンタ機構(over−center mechanism)であってもよい。このような機構及びあらゆる形態における種々の移動止め220は、当業者に周知のものである。移動止め220の効果は、スクリーナの小さな動きを抑止又は阻止することにより、スクリーナの動作を、ステーション204からステーション204へと段階的にすることである。移動止めは、スクリーナ153、又はマスクユニット209、又はドライブ208上というように、便利なところならどこにでも配置可能である。
【0120】
図示されたカメラ12は、マニュアルのスクリーンドライバ208に対応している。その代わりに、自動化されたスクリーンドライバ208が、設けられてもよい。例えば、スクリーナ153は、コントロールユニットにより制御されるステッパモータ等(図示せず)により駆動されてもよい。その場合、適切なプログラミングにより、移動止めが提供されてもよい。
【0121】
図19乃至図24に、他のシェーディングスクリーンのいくつかの代替例(ハッチング領域により示される)、及び走査されたイメージに対するそれぞれのデジタル補正(破線により示される)を示す。図19では、シェーディングスクリーン154が、潜像の左上隅をクリッピングしている。それに対応する補正は、擬似パノラマ最終イメージである。図20では、シェーディングスクリーン154が、潜像の右上隅をクリッピングしており、それに対応する補正は、擬似望遠イメージである。図21では、左上隅のより広い部分が、シェーディングスクリーン154によりクリッピングされており、イメージは、補正において、デジタルで第1の範囲まで拡大される。図22では、左上隅のさらに大きな部分がクリッピングされており、補正によりなされる拡大の倍率が図21の場合よりも大きくなっている。図23では、潜像の4隅全てがシェーディングされている。補正が図21の場合と同じ拡大倍率を与えるため、このようなイメージのクリッピングが、最終イメージに干渉することはない。図24では、潜像の4隅が、さらにクリッピングされている。その拡大倍率は、図22の場合と同じである。
【0122】
図5、図6及び図25乃至図33を参照すると、図6のカメラ12の変形例は、上述のカメラ12と同様の一般的な特徴を有する。カメラ12は、シェル76及び該シェル76内に取り付けられたカメラフレーム78がある本体74を有する。本体74は、他の構成要素に対して構造的な支持を提供する。シェル76には、フロント及びリアカバー80,81が含まれている。図示された実施形態では、シェル76は、対向する一対のカバー80,81を有する。
【0123】
カメラ12は、フィルムホルダ70、該フィルムホルダ70に対して位置決めされた露出システム72、及び該露出システム72により規定された光路内に挿入されたシェーディングスクリーン154を有する。フィルムホルダ70は、図示された実施形態ではフレーム78の一部であり、露出開口170を取り囲んだ露出フレーム132を有する。フィルムユニット14は、フィルムホルダ70内に保持される。
【0124】
露出システム72は、本体74内に取り付けられている。露出システム72は、光軸140のある撮影レンズ100を有する。写真撮影時に、撮影レンズ100は、場面のイメージを、撮影レンズ100及びバッフル86を通じて、露出開口170へと伝達する。露出システム72は、フレーム78に対して取り付けられているか、あるいは、フレームとカバー80,81との間に保持されている。露出システム72には、撮影レンズ及びシャッタアセンブリ88、フィルム給送ユニット90、ビューファインダユニット94、並びにフラッシュユニット96を有する。
【0125】
スクリーナ226は、本体74内に取り付けられている。スクリーナ226は、露出フレーム132に対して、回転軸254を中心として回転可能である(図26にて“+”で示される)。スクリーナ226は、第1の位置と1つ以上の第2の位置との間で回転する。露出フレーム132に対するスクリーナ226の別々の回転角度に、別々の位置及びステーションが配置されている。スクリーナ226の動作を、相隣接するステーション間の離散的なステップへと制限するのに役立てるために、移動止めが、上述の場合と同様に設けられてもよい。
【0126】
スクリーナ226は、通過する光を遮断又はフィルタ処理するシェーディングスクリーン154を有する。シェーディングは、シェーディングスクリーン154に渡って均質又は不均質であってもよい。シェーディングスクリーン154は、不透明であってもよい。この場合、シェーディングにより、全ての光が実質的に遮断される。また、シェーディングは、シャドーイングとも称される。また、シェーディングスクリーン154はフィルタであってもよく、その場合には、シェーディングはフィルタ処理とも称される。フィルタは、均質であってもよく、所定のパターンにより不均質であってもよい。シェーディングスクリーン154は、フィルタ処理の領域とシャドーイングの領域との組み合わせを有していてもよい。第2の位置の各々において、シェーディングスクリーン154は、露出開口170を部分的に被覆し、伝達されてきた光像の一部をシェーディングする。
【0127】
図25乃至図34のカメラ12では、スクリーナ226は、露出フレーム132に隣接している。スクリーナ226は、図7に示されたフィルタ16の位置のような、光路内の他の場所に配置されてもよい。スクリーナ226は、特定の位置について、必要に応じてサイズ変更されてもよい。
【0128】
図26を参照すると、これらの実施形態では、シェーディングスクリーンは、円の一部のような形状であり、参照番号154dで示される。スクリーナ153には、シェーディングスクリーン154d、及び1つ以上のリング部の形状をとる支持構造が含まれている。
【0129】
各シェーディングスクリーン154dは、弓形部232及び接続部234のある境界230を有する。弓形部232は、一対の互いに対向する端部236を有する。接続部234は、弓形部232の端部236間に延びている。図28では、接続部234は、直線状であり、円の弦を規定している。接続部234は、他の形状(図示せず)、例えば鋸歯状又は階段状であってもよい。このような形状の接続部23は、カメラの種類、あるいは、近接した回転位置をよりよく識別するため等、追加の符号情報を提供するために使用可能である。
【0130】
シェーディングスクリーン154dは、1つ以上のリング部に接合している。この応用例では、“近リング部228a”なる用語は、シェーディングスクリーンの境界における弓形部232に対して径方向に固定されたリング部を指すのに用いられている。“遠リング部228b”なる用語は、シェーディングスクリーン154の弓形部232における端部236にて、死角の末端へと、あるいは、弓形部232における反対側の端部に回帰する弓形へと、外方へ延びたリング部を指すのに用いられている。リング部228は、完全な円又は弧を形成していてもよい。露出開口170は、シェーディングスクリーンの後方にあり、リング部228が、露出開口170をシェーディングすることがないように、リング部228内に適合するようなサイズになっている。
【0131】
スクリーナ226のリング部228の径方向における全範囲は、当該スクリーナ226のための利用可能な第1又は第2の位置により決定されている。図28乃至図31に示された実施形態では、スクリーナ226は、利用可能な位置の全てに到達するように、少なくとも180°回転する必要がある。この場合、双方向に360°回転動作可能にすると便利である。この実施形態では、近リング部228aは、シェーディングスクリーン154dの境界230の弓形部232に沿って延びており、遠リング部228bは、近リング部228aの端部に接合している。近リング部及び遠リング部228は、ともに、連続したリングを定義している。
【0132】
スクリーナ226は、近リング部228a又は遠リング部228bまでに制限されてもよい。また、近リング部及び遠リング部228の角度範囲は、180°未満であってもよい。これらの場合、スクリーナ226の回転は同様に制限される。
【0133】
スクリーナドライバ238は、リング部228に作用して、スクリーナを回転軸の周りに回転させる。図示された実施形態では、リング部228はリングギアの一部であり、その歯(図示せず)は、リング部228の外周面240上に位置している。スクリーナドライバ238は、リング部228の歯とかみ合う駆動ギア242を有する。駆動ギア242に連結したシャフトは、スクリーナ226をそれぞれの位置に移動させるためにユーザが操作する外部装着ノブ246へと、シェル76を通じて延びている。ギア列(図示せず)が、シェーディングスクリーン駆動ギア242の位置に用いられてもよい。
【0134】
その代わりに、スクリーナ226は、カメラ本体74から外部に露出したリング部228の1つの長さを有していてもよい(例えば30°の長さ)。その場合、ユーザは、スクリーナ226を直接回転させることができる。この手法では、部品が少数しかないが、必要なライトロック機構は、比較的複雑になりやすい。
【0135】
カメラには、スクリーナと同時に駆動されるビューファインダマスクユニット209が、含まれている。一例が、図25乃至図26に示されている。この場合、マスクユニットは、中心に対して径方向の別々の位置に配置されたマスク211の組を有する薄いディスクである(図示せず)。マスク211は、支持構造213により接続されている。図25乃至図26に示された実施形態では、支持構造213は透明である。マスク211は、予期されるデジタル処理後の最終イメージには現れないビューファインダの部分をフィルタ処理又はシャドーイングする。マスクユニット209は、リアカバー81と外側パネル227との間のくぼみ225内に保持されており、駆動ギア242とかみ合うギア列216により動作する。
【0136】
スクリーナドライバ238は、上述のスクリーンドライバ208と同様、当業者に既知の様式で変更されうる。例えば、ギアを摩擦車で置き換えることができる。同様に、スクリーナドライバ238は、電気モータにより動力供給されてもよい。例えば、スクリーナドライバ238は、制御ユニット56により制御されるステッパモータで駆動されてもよい。ユーザは、スクリーナドライバ238を、カメラ12内のプログラム可能なコンピュータを通じてモータに接続したスイッチ又はユーザ操作部により操作可能である。電気的に駆動されるスクリーナ226の正確な位置決めは、ズームレンズの位置決めと同様になされうる。例えば、ステッパモータが使用されてもよく、あるいはその代わりに、特定の位置に達したことを示すのに、フィードバックが用いられてもよい。ロータリエンコーダに連結した摩擦ディスク又はギアは、フィードバックを提供するためにコードプレート(図示せず)等を有していてもよい。
【0137】
図28乃至図31及び図34乃至図35を参照すると、スクリーナ226は、ガイド202により所定の位置に保持される。ガイド202は、スクリーナ226を、スクリーナドライバ238が当該スクリーナ226を回転させるのに充分なくらいに緩く保持している。ガイドは、リング部又は部分228にのみ当接することが好ましい。当接する領域は、小さな弓形であるか、あるいは、スクリーナ226の全曲線の範囲に渡っていてもよい。
【0138】
図25乃至26に示される実施形態では、ガイド202は、バッフル86内のスロットであり、スクリーナ226は、そのスロット内で回転する。図28乃至図31の実施形態では、ガイド202は、カメラ12のフレーム内の連続した円形状の溝である。図34乃至図35に示された実施形態では、横に延びて対向する一対のフランジ248が、バッフル86に接合している。一対のスロット250が、フランジ248、露出フレーム132の左右の端部252、及びフィルムチャンバ128,130の介在部分により定義されている。左右の端部及びフランジ248は、スロットに隣接する平行隣接面を有する。それらの面及びチャンバ128,130の部分の面は、ガイド202になっている。スクリーナ226は、スロット250内に収容される。スクリーナ226は、露出フレーム132の上方及び下方でガイド202から自由になっている。
【0139】
特定の実施形態では、シェーディングスクリーン154dは、その第1の位置にある場合に、露出開口170から径方向にオフセットしている。このことは、図28に示されている。ユーザがノブ246を操作することにより、シェーディングスクリーン154dが回転すると、露出フレーム132及び結果としてフィルム上に取り込まれる潜像における別の部分がクリッピングされる。図27に示されたフィルムにおける左から右への4つの現像済フレームは、それぞれ、図28乃至図31に示されたシェーディングスクリーン154dの部分に対応している。シェーディングは、ハッチング領域256により示されている。それぞれのデジタル補正は、変更なし、第1の擬似ズーム、擬似パノラマ、及び第2の別の擬似ズームである。これら特定の補正及びそれぞれのシェーディングスクリーン位置では、シェーディングスクリーン154dは、最終イメージに影響することなく、不透明であってもよく、フィルタ処理がなされるものであってもよい。
【0140】
図28に示された第1の位置は、スクリーナ226が第1の位置と第2の位置との間を移動する場合に、スクリーナ226の回転軸を、光軸140に対して位置決めされた位置からオフセット位置へと移動させることにより得られる。例えば、図28乃至図31のスクリーナ226及びガイド202は、露出フレーム132と平行な平面内で平行移動するように、取り付けられてもよい。その場合、シェーディングが必要であれば、シェーディングスクリーン154は露出フレーム132上で中心が位置決めされてもよく、シェーディングが必要でなければ離反されてもよい。
【0141】
但し、スクリーナ226の回転軸は、カメラ内の所定の位置に決められていることが望ましい。その場合、スクリーナ226の回転軸は、光軸140と平行にオフセットしている。シェーディング部分のサイズは、第1の位置においてシェーディング部分が露出開口170から離隔するようになっていてもよく、また露出開口170及び露出フレーム132の両者から離隔するようになっていてもよい。
【0142】
図32乃至図33を参照すると、カメラ12は、独立して動作可能であるか、あるいは、光軸140を基準として連携して動作可能な2つのスクリーナ226を有していてもよい。図32に、共通のスクリーナドライバ238により連動する2つのスクリーナ226を示す。図33に、各々が独立したスクリーナドライバ238により動作する2つのスクリーナ226を示す。前側スクリーナ226a及び後側スクリーナ226bは、いずれも、共通の回転軸に対して位置決めされている。スクリーナ226は、重複しないように構成されてもよい。図32に、前側スクリーナ226aよりも径方向に大きい後側スクリーナ226bを示す。後側スクリーナ226bのシェーディングスクリーン154dは、この結果がもたらされるように、径方向に範囲制限されていてもよい。また、シェーディングスクリーン154dは、2つのシェーディングスクリーン154dが重複しないように、角度の大きさ及び/又は回転についても制限されていてもよい。その代わりに、図33に示されるように、2つのシェーディングスクリーン154dのシェーディング部分は、両者の効果が各シェーディングスクリーン154dの異なった部分の全て又は少なくとも一部で識別可能であるように整合するように選択されてもよい。例えば、あるシェーディング部分が赤のフィルタであって、他の部分が青のフィルタであってもよい。
【0143】
図39乃至図41に、他のカメラを示す。この場合、スクリーナ153は、支持構造155により保持された1つのシェーディングスクリーン154を有する。シェーディングスクリーン153は、フィルタと同様に、撮影レンズ100の外側に配置されている。シェーディングスクリーン154は、透明又は孔の開いた中央領域と、不透明又はフィルタ処理をする外側領域258とを有する。支持構造155には、ノーズ262又はカメラのレンズ鏡胴(図示せず)と重複したカウル260が含まれている。カウル(cowl)260は、該カウル260及びシェーディングスクリーン154を光軸140に沿って内側及び外側へ動作させる駆動部264に対して接合されている。その動作は、回転することなく軸方向にのみであってもよく、あるいは、シェーディングスクリーン153が、軸方向及び光軸を中心とした回転方向の双方に動作可能であってもよい。図示された実施形態では、カウル260の非回転部分265及びノーズ262、又はキー及びキー溝(図示せず)が、動作中にスクリーナ153が回転しないようにしている。
【0144】
第1の位置では、図39に示されるように、シェーディングスクリーンは、撮影レンズ100の光路から離隔している。図40に、シェーディングが存在するスクリーナの他の部分を示す。別のシェーディング位置が、移動止めにより、あるいは単にカメラ本体74のシェル76に対してカウル260にマークされた位置(図示せず)により、与えられてもよい。支持構造155の駆動部264は、カウル260及びシェーディングスクリーン153を動作させるようになっている。図示された実施形態では、ノーズ262及びカウル260は、円筒状である。また、駆動部264も円筒状であり、カウル260及び駆動部264は、ノーズ262の外周面に密接している。駆動部264は、本体74の内部にある。カウル260は、シェーディングスクリーン153の位置に応じて、それぞれの長さに外方へ突出している。駆動部264は、駆動シリンダ270のカム268を受容する溝266を有する。駆動シリンダ270は、駆動部264を取り巻いており、カメラフレーム78とフロントカバー80との間に閉じ込められている。駆動シリンダ270は、フロントカバー80における三日月型の開口274を貫いて突出したノブ272を有する。ユーザが開口274内でノブ272を回動させると、カム268は、駆動部264に力を加えて、駆動部264を直線的にカメラ外へと移動させる。
【0145】
スクリーナ153は、他の方法で動作するように変更されてもよい。例えば、シェーディングスクリーン154が本体74に対して回転及び軸方向動作可能となるように、逆ネジの山(図示せず)が用いられてもよい。同様に、スクリーナ153は、ノーズ262又は本体74他の部分に接してスライドする単純なチューブ状の支持構造155を有していてもよい。
【0146】
特定の実施形態では、フォトフィニッシングユニットは、キオスク、又はユーザディスプレイを有する他の現像ユニットである。この場合、フォトフィニッシングユニットは、フィルムユニットがデジタル化された後に、手動又は自動で、フィルタ効果又は符号パターン又は両者を検出可能である。手動の検出は、選択されたデジタルイメージに限定されうる。フィルタ効果又は符号パターンが検出されると、フォトフィニッシングユニットは、予め割り当てられたデジタル補正、又は予め割り当てられたデジタル補正を含む全てのデジタル補正を表示可能である。後者の場合、予め割り当てられたデジタル補正が、ハイライトされるか、あるいは、別の方法でユーザに対して明らかにされる。そして、フォトフィニッシングユニットは、ユーザの入力を、予め設定されたボタン等により受付可能であり、予め割り当てられたデジタル補正を受け入れるか、あるいは拒絶するか、そして、オプションとしては、他の補正の一つを指定することになる。
〔本発明の実施形態〕
1.写真方法であって、取込済のイメージの組が部分シェーディング符号を有する符号化された取込済のイメージを含むことを決定し、前記部分シェーディング符号は所定のエッジパターンを有し、前記部分シェーディング符号は前記イメージにおける所定のサブエリア内に配置される、
複数の画素を有するデジタルイメージを提供するために前記の符号化された取込済のイメージをデジタル化し、
複数のテンプレート配置メトリックを提供するために前記エッジパターンの複数の画素テンプレート及び前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、前記各画素テンプレートは同一の形状を有し、前記各画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置される、
前記テンプレート配置メトリックの最高値と前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較する、
ステップを有することを特徴とする写真方法。
【0147】
2.前記テンプレート配置メトリックの最高値が前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、前記デジタルイメージを予め選択されたデジタル補正でデジタル補正することを、さらに有する項1に記載の方法。
【0148】
3.前記デジタル補正に引き続き、前記デジタルイメージから最終イメージをプリントすることを、さらに有する項2に記載の方法。
【0149】
4.前記テンプレート配置メトリックの最高値が前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致しない場合、前記デジタルイメージを再現イメージとして保持することを、さらに有する項2に記載の方法。
【0150】
5.前記デジタル補正は、前記デジタルイメージをカラーからモノクロへと変換するものである項2に記載の方法。
【0151】
6.前記画素テンプレートは、相互に回転される項1に記載の方法。
【0152】
7.前記テンプレート配置メトリックの最高値が前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、前記サブエリア内のフィルタ効果を検出し、
前記エッジパターンに応じて、前記フィルタ効果に対して予め割り当てられたデジタル補正で、前記デジタルイメージをデジタル補正する、
ステップをさらに有する項1に記載の方法。
【0153】
8.前記検出ステップは、前記サブエリアにおける前記画素の少なくともいくつかのカラー値を自動的に解析することを、さらに有する項7に記載の方法。
【0154】
9.前記解析ステップは、前記デジタルイメージを、各画素について少なくとも1つの輝度画素値及び少なくとも2つのクロミナンス画素値を有する輝度−クロミナンス再現へと変換し、前記クロミナンス画素値から予測クロミナンスパラメータを算出し、前記予測クロミナンスパラメータと所定のフィルタ効果の基準クロミナンスパラメータとを比較する、ステップをさらに有する項8に記載の方法。
【0155】
10.前記基準クロミナンスパラメータは、前記クロミナンス画素値の相加平均である項9に記載の方法。
【0156】
11.前記基準クロミナンスパラメータは、最高輝度の輝度画素値を有する前記イメージの画素の1つのクロミナンス画素値の相加平均である項9に記載の方法。
【0157】
12.前記比較は前記予測クロミナンスパラメータと第1及び第2の前記予測クロミナンスパラメータとを比較するものであり、前記第1の予測クロミナンスパラメータは前記クロミナンス画素値の相加平均として算出されるものであり、前記第2の予測クロミナンスパラメータは最高輝度の輝度画素値を有する前記イメージの画素の個々のものに対応した前記クロミナンス画素値の相加平均として算出されるものである項9に記載の方法。
【0158】
13.前記解析ステップは、前記画素のサンプリングのカラー配置を前記カラーキャストの基準カラー配置と比較し、前記サンプリングの前記画素が前記基準カラー配置と一致した場合、前記デジタルイメージを前記フィルタ効果を有するものとして示す、ステップをさらに有する項7に記載の方法。
【0159】
14.各前記画素の前記カラー値は独立したRGB画素値であり、前記比較は、前記各RGB画素値を所定のRGB基準値と関連づけることをさらに有する項13に記載の方法。
【0160】
15.前記検出ステップは、前記電子イメージをオペレータに表示し、前記フィルタ効果を指定するオペレータの入力を受け付けることとを、さらに有する項7に記載の方法。
【0161】
16.前記決定ステップは、識別子を読み取ることをさらに有する項1に記載の方法。
【0162】
17.前記識別子は、カートリッジIDである項1に記載の方法。
【0163】
18.写真方法であって、取込済のイメージの組が所定の部分シェーディング符号の組の任意の1つを有する1つ以上のイメージを含むことを決定し、各前記部分シェーディング符号は所定のエッジパターンを有し、前記部分シェーディング符号は前記イメージにおける所定のサブエリア内に配置され、
複数の画素を有するデジタルイメージを提供するために前記の取込済のイメージをデジタル化し、
複数のテンプレート配置メトリックを提供するために第1の前記部分シェーディング符号の前記エッジパターンの複数の画素テンプレート及び第1の前記デジタルイメージ前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、前記各画素テンプレートは同一の形状を有し、各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、
前記テンプレート配置メトリックの最高値と前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較する、
ステップを有することを特徴とする写真方法。
【0164】
19.第1の前記部分シェーディング符号のところで、前記部分シェーディング符号の他のものについて、前記畳込むステップ及び前記比較ステップを繰り返すことを、さらに有する項18に記載の方法。
【0165】
20.前記比較ステップの1つの前記最高のテンプレート配置メトリックがそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致するまで、前記の繰り返しを継続することを、さらに有する項19に記載の方法。
【0166】
21.前記最高のテンプレート配置メトリックがそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、前記デジタルイメージをぞれぞれの前記部分シェーディング符号に対して予め割り当てられたデジタル補正で前記デジタルイメージをデジタル補正することを、さらに有する項20に記載の方法。
【0167】
22.前記デジタル補正に引き続き、前記デジタルイメージから最終イメージをプリントすることを、さらに有する項21に記載の方法。
【0168】
23.前記テンプレート配置メトリックの最高値全てがそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致しない場合、前記デジタルイメージを再現イメージとして保持することを、さらに有する項21に記載の方法。
【0169】
24.前記取込済のイメージの残りについて、前記の畳込むステップ、比較ステップ、繰り返すステップ、継続ステップ、デジタル補正ステップ及び保持ステップを繰り返すことを、さらに有する項23に記載の方法。
【0170】
25.前記デジタル化に引き続き前記デジタルイメージの1つ以上を表示し、前記デジタル補正の1つ以上を特定する印を表示し、前記第1の前記部分シェーディング符号及び前記第1の前記デジタルイメージを指定するユーザの入力を受け付ける、ステップをさらに有する項18に記載の方法。
【0171】
26.前記畳込むステップ及び比較するステップに引き続き、前記エッジパターンに対して予め割り当てられた前記デジタル補正の前記1つを特定することを、さらに有する項25に記載の方法。
【0172】
27.フォトフィニッシングユニットであって、一連のデジタルイメージを提供するためにフィルムユニット群のフィルムストリップ上の一連の取込済のイメージをデジタル化するデジタイザと、
前記電子イメージを受けデジタル実行エンジンであって、前記デジタル実行エンジンは、前記シェーディングパターンが付けられた光像に対応した前記デジタルイメージを、前記シェーディングスクリーンの第2の位置に対して予め割り当てられた補正に応じて、自動的にデジタル処理することを含むデジタル実行エンジンと、
を有することを特徴とするフォトフィニッシングユニット。
【0173】
28.各前記デジタルイメージは複数の画素を有し、前記デジタル処理は、テンプレート配置メトリックの1つ以上の組を提供するために画素テンプレートの組の1つ以上の画素テンプレート及び前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、前記の画素テンプレートの各組はそれぞれのエッジパターンと関連づけられ、それぞれの前記組における各前記画素テンプレートは同一の形状を有し、それぞれの前記組における各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、前記各組の前記テンプレート配置メトリックの最高値とそれぞれの前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較し、前記テンプレート配置メトリックの最高値がそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、それぞれの前記デジタルイメージをそれぞれのエッジパターンに対して予め割り当てられたデジタル補正でデジタル補正する、ステップをさらに有する項27に記載のフォトフィニッシングユニット。
【0174】
29.写真システムであって、
複数のカメラと、その各々が、
本体と、
露出開口を取り巻く露出フレームを有するフィルムホルダと、
前記本体に装着され、光軸を有し、場面のイメージを前記露出開口を通じて伝達する撮影レンズ系と、
使用位置にて、前記露出フレームを部分的にシェーディングするシェーディングスクリーンと、
前記フィルムホルダ内に着脱可能に配置され、複数の潜像を有し、前記潜像の少なくとも1つが前記シェーディングに応じた符号パターンを有するフィルムユニットとを含み
フォトフィニッシングユニットと、それが、
前記保存用のイメージから一連のデジタルイメージを提供し且つ前記電子イメージを送出するために前記フィルムストリップをディジタル化するデジタイザと、
前記電子イメージを受け、前記符号パターンの存在を決定し且つ前記符号パターンに対して予め割り当てられた補正に応じて前記符号パターンを有する前記光像を変更するために前記デジタルイメージを自動的にデジタル処理するデジタル実行エンジンとを含み
を有することを特徴とする写真システム。
【0175】
30.各前記デジタルイメージは複数の画素を有し、前記デジタル処理は、テンプレート配置メトリックの1つ以上の組を提供するために画素テンプレートの組の1つ以上の画素テンプレート及び前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、前記画素テンプレートの各組はそれぞれのエッジパターンと関連づけられ、それぞれの前記組における各前記画素テンプレートは同一の形状を有し、それぞれの前記組における各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、前記各組の前記テンプレート配置メトリックの最高値とそれぞれの前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較し、前記テンプレート配置メトリックの最高値がそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、それぞれの前記デジタルイメージをそれぞれのエッジパターンに対して予め割り当てられたデジタル補正でデジタル補正する、ステップをさらに有する項29に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】フィルタ符号化されたイメージについての処理が示されている、本方法に係わる一実施形態の概略図である。
【図2】図1の方法による非フィルタ処理イメージの処理の概略図である。
【図3】図1の方法の変形例を用いたフィルタ符号化されたイメージの処理の概略図である。
【図4】写真撮影システムの一実施形態の概略図である。
【図5】カメラのそれ以外の部分から取り外されたフィルタが示されている、図4のシステムで使用可能なカメラの正面斜視図である。
【図6】図5のカメラの分解組立斜視図である。
【図7】フィルタが実線で示され、フィルタの代替位置が破線で示されている、撮影レンズの光路に沿った図5のカメラの変形例の部分断面図である。
【図8】切換可能な符号フィルタを有するカメラの斜視図である。
【図9】カメラの他の実施形態における符号フィルタ処理された露出開口の概略図である。
【図10】カメラのさらに別の実施形態における符号フィルタ処理された露出開口の概略図である。
【図11】第1及び第2のスクリーナが所定の位置に示されている、シェーディングされたアウトライン符号を有するカメラの一実施形態の概略図である。
【図12】第1及び第2のスクリーナが所定の位置に示されている、シェーディングされたアウトライン符号を有するカメラの一実施形態の概略図である。
【図13】第1及び第2のスクリーナが所定の位置に示されている、シェーディングされたアウトライン符号を有するカメラの一実施形態の概略図である。
【図14】第1及び第2のスクリーナが所定の位置に示されている、シェーディングされたアウトライン符号を有するカメラの一実施形態の概略図である。
【図15】図11乃至図14のカメラの変形例の概略図である。
【図16】図15のカメラの部分平面図であり、制御ノブを示す図である。
【図17】図15のカメラのスクリーナの側面図である。
【図18】図15のカメラのファインダマスクの側面図である。
【図19】カメラの他の実施形態のシェーディングされたアウトライン符号の露出開口の概略図である。
【図20】図19とは別々のシェーディングスクリーン配置になっている、カメラの他の実施形態のシェーディングされたアウトライン符号の露出開口の概略図である。
【図21】カメラの他の実施形態の同様の図である。
【図22】カメラの他の実施形態の同様の図である。
【図23】カメラのさらに別の実施形態の同様の図である。
【図24】カメラのさらに別の実施形態の同様の図である。
【図25】図6と同様の図における図6のカメラの変形例のいくつかの部品の斜視図である。
【図26】実線はファインダ及びファインダスクリーナの位置を示し、破線は露出フレーム、スクリーナ及びスクリーンドライバの一部を示している、図25のカメラの後面の概略図である。
【図27】4つのフィルムフレームが示され、後の3つにはそれぞれ異なるようにシェーディングされたアウトライン符号がある、図24のカメラからの現像済のフィルムストリップの概略図である。
【図28】図25及び26のカメラの後面概略図であり、図27に示された4つのフィルムフレーム(左から右へ)に対応した4つの異なる配置での第2のスクリーナを示している図である(理解しやすいように、カメラの特徴のほとんどは、ファインダスクリーナも含めて、図示されていない)。
【図29】図25及び26のカメラの後面概略図であり、図27に示された4つのフィルムフレーム(左から右へ)に対応した4つの異なる配置での第2のスクリーナを示している図である(理解しやすいように、カメラの特徴のほとんどは、ファインダスクリーナも含めて、図示されていない)。
【図30】図25及び26のカメラの後面概略図であり、図27に示された4つのフィルムフレーム(左から右へ)に対応した4つの異なる配置での第2のスクリーナを示している図である(理解しやすいように、カメラの特徴のほとんどは、ファインダスクリーナも含めて、図示されていない)。
【図31】図25及び26のカメラの後面概略図であり、図27に示された4つのフィルムフレーム(左から右へ)に対応した4つの異なる配置での第2のスクリーナを示している図である(理解しやすいように、カメラの特徴のほとんどは、ファインダスクリーナも含めて、図示されていない)。
【図32】両スクリーナが図示されている、図28乃至図31のカメラの概略断面図である。
【図33】第1のスクリーナは図示されていない、変形例のカメラにおける図32と同様の図である。
【図34】図28乃至図31のカメラの変形例の後面概略図である。
【図35】図34のカメラの概略断面図である。
【図36】符号フィルタを用いずに撮影されたクロミナンス画素データについてのクロミナンス空間を示すグラフである。画素データは、任意の自然の景色である。
【図37】図36と同じ場面について、選択されたカラー符号フィルタを伴って撮影されたクロミナンス画素データについてのクロミナンス空間を示すグラフである。
【図38】図37のカラー符号フィルタについて算出されたカラー配置を表したクロミナンス空間を示すグラフである。
【図39】撮影レンズの光路から離隔した第1の位置にあるシェーディングスクリーンが示されている、カメラの他の実施形態の概略断面図である。
【図40】シェーディングスクリーンは、撮影レンズを通じて伝播する光像を部分的にシェーディングする第2の位置にある、図39と同様の図である。
【図41】図39のカメラの斜視図である。
【符号の説明】
【0177】
12…カメラ
14…フィルムユニット
16…符号フィルタ
23…デジタル実行エンジン
70…フィルムホルダ
74…本体
100…撮影レンズ系
154…シューディングスクリーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真撮影、写真機材及び方法に関し、特に、符号フィルタ処理を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
写真フィルムストリップ上の光学的記録による符号は、プリント及び他の機能を制御するために、長く用いられてきた。特許文献1では、光学的符号が記述されており、写真の被写体からの反射光、又はカメラの光源からの直接の光を、光学的符号を記録するための光を提供するのに用いることは既知である旨が示されている。また、この特許では、符号を書き込むのに周辺の照明を用いることは、ある種の照明状態では記録された情報を識別するのが難しくなるという短所となるということについても言及されている。
【0003】
使い切りカメラの組立前に、フィルム上に符号を予め記録しておくことが知られている。また、写真撮影時のカメラの状態に基づいて、選択されたイメージフレームのために、符号を記録することも知られている。特許文献2は、これら双方のやり方を組み合わせている。組立の前に、第1の符号がフィルム上に予め記録され、選択されたフィルムフレーム上に切換スイッチの位置に基づいて第2の符号が追加される。フィルムユニット内の全イメージに適用する符号は、繰り返されるのではなく、全てのフレームに適用するように記録されてもよい。特許文献3には、広範囲な情報をフィルムユニットの外面上に、目に見えるバーコードとして記録することが開示されている。
【0004】
符号は、様々な位置に配置されうる。特許文献2では、フィルムフレームに隣接したフィルムマージンに、光学符号を配置することが開示されている。特許文献4には、イメージに対して横方向に隣接させて、それぞれのフィルムフレームの内部又は該フィルムフレームの直近に、光学符号を配置することが開示されている。
【0005】
1992年11月17日公開の特許文献5では、擬似パノラマ及び擬似望遠仕上げのイメージ形式のためのコード信号プレート対と連携して動作する、スライド可能なファインダマスク対を有する使い切りカメラが開示されている。コード信号プレートは、対応したファインダマスクがファインダ内の所定の位置にあるときに、露出開口の一部をマスクする。コード信号プレートの一方は、1つのスロットを有するものとして図示されている。他方は、2つのスロットを有するものとして図示されている。(イメージ対象物は、スロットを通じて可視である。)最終イメージでは、コード信号プレートにより形成されたパターンが、トリミングされている。
【0006】
また、フィルムストリップのイメージ領域内に、他の情報を記録することも知られている。特許文献6及び特許文献7では、マスク上に、フィルムパス内に配置され、写真撮影のイメージフレーム上に記録される印を記録することが開示されている。特許文献8では、カメラ内のフラッシュユニットからの光を利用する同様の機構が開示されている。1998年6月19日公開の特許文献9では、マスクを通じて光を照射して、フィルムストリップのイメージ領域上に、画像やテキスト等の情報を転写する専用の内部光源を有するカメラが開示されている。特許文献10では、各イメージに別々の情報を付加するカメラが開示されている。
【0007】
イメージの質を向上させるために、カメラにおいてフィルタを用いることは周知である。特許文献11では、フィルムのカラー感度を調和させるために、使い切りカメラにフィルタを用いることが開示されている。1990年6月18日公開の特許文献12では、着脱可能なフォトクロミックフィルタ(photochromic filter)を有する使い切りカメラが開示されている。1991年4月19日公開の特許文献13では、タングステン光用フィルムを屋外で使用できるように切換可能なカラー補正フィルタを有する使い切りカメラが開示されている。1988年1月16日公開の特許文献14では、フォトクロミックフィルタを有しており、フィルタの状態判別用に非フィルタ処理参照パッチを記録する使い切りカメラが開示されている。
【0008】
1つ以上のフィルタを撮影レンズ系に対して調整するための様々な機構が知られている。特許文献15では、スライド可能な特殊効果フィルタを有する使い捨てカメラが、教示されている。1999年9月7日公開の特許文献16では、スライド可能なフィルタを有する他のカメラが開示されている。2000年8月29日公開の特許文献17では、ロータリーフィルタホイールを有するカメラが開示されている。
【0009】
2000年5月16日公開の特許文献18、及び2001年1月30日公開の特許文献19では、光軸からずれたフィルタホイールを有するカメラが開示されている。特許文献20では、写真フィルムとともにローラからローラへと移動する透明フィルムを有するカメラが開示されている。
【0010】
デジタルフォトフィニッシングでは、フィルムストリップ上の処理済イメージが走査され、デジタル処理されてプリントされる。ある種の高速設備では、フィルムストリップの中央部分が、高解像度で連続して走査される。マージンは、走査されないか、あるいは、別のスキャナを用いて低解像度で走査される。これでは、フィルムストリップのマージン上の光学符号を識別することは、どのようにしても煩雑になってしまう。フィルムストリップの中央部分に配置された光学符号は、イメージ領域、又はフレーム間の空間を除去してしまう。前者の場合、イメージの質が直接的に劣化してしまう。後者の場合、フィルムフレーム位置の識別力を低下させることがある;例えば、35mmのようなフィルムタイプには、パーフォレーションで規定されたフィルムフレームがない。イメージ領域の欠落に対する解決法の1つが、特許文献21により提供されている。この特許では、フィルムフレーム上に光学符号を配置し、後に符号をデジタルで除去して、イメージにおける欠落領域を修復することが開示されている。この手法は、煩雑であり、いくらかのイメージ情報は失われてしまう。欠落した情報は、周囲の内容を複写することにより、自動的にパッチされる。ある種の場面では、結果としてのイメージは、元の場面に比べて、気になるほど劣化してしまう。例えば、人物が被写体であったり、複雑な背景が符号と重複したりする場合には、望ましくないほどの情報の欠落が見られる。
【0011】
あるイメージから光源の色を検出してその光源の色を補正するためのいくつもの方法が知られている。例として、特許文献22、特許文献23、及び特許文献24がある。
【0012】
【特許文献1】米国特許第5740479号
【特許文献2】米国特許第6332059号
【特許文献3】米国特許第5761558号
【特許文献4】米国特許第5587752号
【特許文献5】特開平4−328537号
【特許文献6】米国特許第5189467号
【特許文献7】米国特許第5126773号
【特許文献8】米国特許第5486885号
【特許文献9】特願平10−161225号
【特許文献10】米国特許第2210610号
【特許文献11】特許第3109765
【特許文献12】特開平2−78935号
【特許文献13】特開平3−94241号
【特許文献14】特開昭63−6428号
【特許文献15】米国特許第6173127号
【特許文献16】特開平11−242257号
【特許文献17】特開2000−235211号
【特許文献18】特開2000−162690号
【特許文献19】特開2001−27773号
【特許文献20】米国特許第5696996号
【特許文献21】米国特許第6311018号
【特許文献22】米国特許第4847680号
【特許文献23】米国特許第4918519号
【特許文献24】米国特許第5659357号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、フィルムストリップの中央領域(例えばイメージ領域)に限られた符号を検出する、進んだ方法を、提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、特許請求の範囲により規定される。本発明は、広義の側面では、取込済のイメージの組が、部分シェーディング符号を有する符号化された1つ以上の取込済のイメージを含むことについての決定がなされる写真方法を提供する。部分シェーディングは、部分シャドーイング(shadowing)又は部分フィルタ処理、又は両者の組み合わせである。符号は、所定のエッジパターンを有し、イメージにおける所定のサブエリア内に配置される。符号化された取込済のイメージは、デジタル化されて、複数の画素を有するデジタルイメージが提供される。エッジパターンの複数の画素テンプレート、及びデジタルイメージのサブエリア内の画素が畳込まれて、複数のテンプレート配置メトリックが提供される。各画素テンプレートは同一形状である。各画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置される。テンプレート配置メトリックの最高値と、エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とが比較される。前記テンプレート配置メトリックの最高値が、閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、デジタルイメージは、部分シェーディング符号に対して予め割り当てられたデジタル補正でデジタル補正される。
【発明の効果】
【0015】
所定のフィルタの組における1つを用いてイメージがフィルタ処理されたことを検出する進歩した方法を提供することは、本発明の有利な効果である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態についての以下の説明を、添付の図面と組み合わせて参照することにより、本発明の上記及び他の特徴及び目的、並びにそれらを達成する様式が、より明らかになるとともに、本発明自体がよりよく理解されるであろう。
【0017】
本発明及びシステムでは、特定のフィルタを有するカメラにて、場面のイメージが取り込まれる。このカメラは、撮影される全ての写真又は選択されたもののみについてフィルタをかける。このフィルタは、特定のデジタルイメージ補正に対応している。このことは、カメラに表示されているか、あるいは別の方法でユーザに通知される。フィルタ処理を有する少なくともいくつかを含んだ取り込まれたイメージは、格納されてフォトフィニッシング(photofini−shing)用の媒体ユニット内に転送される。媒体ユニットは、フォトフィニッシングの際に、所定のフィルタに対応したデジタル補正を適用することを含んだデジタルイメージ処理を必要とするものと認識される。デジタルイメージ処理が適用され、使用されている特定のフィルタが、フィルタ処理されたイメージの外観から識別される。特定のフィルタに対応したデジタル補正が判別されて、フィルタ処理されたイメージに適用される。フィルタ処理されていないイメージは、通常のデジタル処理にかけられる。結果としての最終イメージは、プリンタにより提供されるか、あるいは、他のある種の方法で提供される。
【0018】
ここで「媒体ユニット」なる用語は、イメージデータが存在する媒体、又はイメージデータを、媒体の変更を伴うか又はそれなしに、保存用に格納しておく媒体のことを指している。「媒体ユニット」には、保存用媒体、及びその媒体の使用をサポートする物理的に関連した構造が含まれている。フィルムタイプの媒体ユニットでは、記録媒体は写真フィルムストリップであり、イメージは潜像として取り込まれる。フィルムタイプのフィルムユニットのホルダ又は支持体には、フィルムストリップが巻き取られているスプール及びフィルムストリップ及びスプールを封入しているキャニスタが含まれている。デジタルフィルムユニットでは、イメージは、メモリカードやフロッピーディスク、又は他の磁気、電子、若しくは他の記憶装置内に、デジタルの形態で格納される。媒体ユニットは、このようなグループを複数有している記憶装置上のイメージのグループに対応していてもよい。保存用の媒体ユニットとともに用いられるカメラは、再使用可能又は使い切りである。
【0019】
「使い切りカメラ」なる用語及び他の同様の用語は、ここでは、装填済の形態で消費者に提供され、大掛りなカメラの分解、又は部品の交換、又は特殊工具の使用等なしには、消費者には再装填不可能なカメラを指している。現在では、使い切りフィルムカメラは、広く入手可能である。デジタル使い切りカメラは、現在のところ、用途が限られている。ここで本発明は、一般に、使い切り写真フィルムカメラの観点で考察される。
【0020】
図1の実線部分を参照すると、場面のイメージ10が、保存用の取込媒体及び保存用の取込媒体への光路に配置された符号フィルタ16とを有するカメラ12を用いて取り込まれている。(図1では、保存用の媒体は、フィルムユニット14内のカラー写真フィルムである。)光像10を取り込んで得られた保存用のイメージはフィルタ処理、すなわち取込中になされるフィルタ処理にかけられる。図1では、保存用のイメージは、カラーフィルム上の潜像18であり、フィルタ処理は、フィルムに到達する光のスペクトルを変換する。(これは、図1では、潜像上の「フィルタ処理済カラー」というテキストで示されている。)「カラーキャスト」なる用語は、ここでは、イメージ上又はイメージの一部上でのこの変換後のスペクトルの効果を指している。カラーキャストは、システムの制限内で、フィルタ16のカラーを補完するものである。
【0021】
写真撮影完了後、フィルムユニット14は、フォトフィニッシングされる。検出器20は、フィルムユニット上のインジケータ(indicator)22(図1では「X」として示す)を読み取り、プログラム可能なコンピュータ等が組み込まれたデジタル実行エンジン23(図4に示す)へ検出信号を送信するものであり、プログラム可能なコンピュータ等を含む。検出信号は、インジケータ22を特定している。インジケータは、検出しやすい様式で提供されている。使用される検出器20及びインジケータ22の種類は重要ではない。
【0022】
インジケータは、機械読取可能な形式若しくは人間が読取可能な印、又はそれらの双方にて提供されうる。インジケータは、キャニスタ、ホルダ又はフィルムストリップ上というように、フィルムユニット14内の様々な位置に配置されうる。例えば、インジケータは、ホルダ又はフィルムストリップ上の光学式バーコードであってもよく、検出器はバーコードリーダであってもよい。同様に、インジケータは、フィルムストリップの磁気層上に磁気的に記録されてもよく、フィルムストリップのマージン上に光学的に記録されてもよく、半導体メモリ(無線周波数又は直接的な接触でアクセス可能)内に記録されてもよく、フィルムストリップ又はフィルムストリップの1つ以上の層に形成されたノッチ等の物理的な切れ目であってもよい。通常の処理の最初の段階で、フィルムストリップがキャニスタから分離されるため、35mm(135型フィルム)で、インジケータのために便利なのは、フィルムストリップ上の配置である。
【0023】
インジケータは、媒体ユニット内の1つ以上の保存用のイメージがフィルタ符号化される情報を担うだけでよい。また、必要であれば、インジケータは、追加の情報を担うこともできる。このような追加の情報の例として、識別番号、フィルムタイプ及び利用可能なイメージ補正の種類が挙げられる。
【0024】
インジケータは、フィルムユニット内に、一度又は繰り返して記録される。例えば、インジケータは、各フィルムフレーム又はフィルムフレームのグループと物理的に関連づけられて記録されてもよい。繰り返されるインジケータの各々は、同様であるか、あるいは、保存イメージが特定のデジタル補正を受けることになる指定には関係のない様式において様々であってもよい。
【0025】
フィルムユニット14は、化学処理機24内で化学処理にかけられ、潜像18をフィルムイメージ26として可視化させる。化学処理の種類は、重要ではなく、フィルムユニット14内に含まれた物質を利用している「インスタント」処理等を含むものである。可視イメージ26は、フィルタ処理されたまま、すなわち取込時のフィルタ処理の影響を受けている。そして、可視イメージ26が走査される(28)。結果としての電子イメージ30は、可視イメージ26に対応しており、フィルタ処理されたままになっている。
【0026】
「フィルタ」なる用語及び同様の用語は、ここでは、通常の意味で用いられており、光路の1つ以上の部分を通る光の伝達を遮断する不透明板を含んではいない。フィルタは、光学フィルタであってもデジタルフィルタであってもよい。従って、「フィルタ効果」なる用語は、「対応するフィルタ効果」又は「対応するデジタルフィルタ効果」と称されることもあるものを含んでいる。ここに示される本実施形態においてフィルタには色があり、その検出可能な特徴は、カラー特性の変化である。非カラー情報は一定に保たれているのでフィルタ処理中に失われることがないため、これは、現在のところ好適である。一方、他の特徴の変化を伴うフィルタが、使用可能である。例えば、スターフィルタ(とりたてて図示されてはいない)が使用可能である。
【0027】
電子イメージ30は、デジタル処理され(32)、そこで、デジタルイメージは、フィルムイメージのデジタル現像中に適用されるエッジ強調及び出力装置に対応させたキャリブレーションといった、通常の(「再現(representational)」)デジタル処理にかけられる。
【0028】
一般に、写真イメージは、ここでは、撮影された被写体の写実的なイメージとして、潜像、現像されたイメージ、及び電子イメージと同様の情報内容を有するものとして取り扱われる。また、「再現」なる用語及び同様の用語は、ここでは、このような写実的なイメージ及びこのようなイメージを作成するのに用いられる手順を指している。なお、ここでは、説明の都合上のものとして与えられた簡略化がなされており、イメージは当業者に周知の様式で処理を通じて様々なものであることが理解されるであろう。例えば、イメージは、画像システム及び媒体による制約を受ける。フィルムイメージは、ゲインサイズ等の制約を受ける。デジタルイメージは、必ず画素に分解され、通常、周囲の画素から部分的に外挿されたカラー値を有する。また、デジタルイメージは、取込及び格納の間に、例えば、センサの欠陥により劣化した画素用に値を外挿すること等の強調補正処理にかけられる。フィルム上の潜像は、処理の化学的及び物理的影響を受ける。イメージは、そのイメージを見るのには補正が必要となる非写実的な形式で格納されることが多い。例えば、写真プリントフィルムは、イメージをネガで保存する。デジタルイメージは、表示又はプリントされねばならず、その他の補正(解読又は特定の表示装置用の補正等)が必要になることもある。また、取り込まれるイメージは、取込時にユーザによる慎重な補正にかけられてもよい。例えば、イメージは、符号フィルタに追加された第2のフィルタを用いることにより、補正されてもよい。
【0029】
デジタル実行エンジン23は、検出信号に応答して、参照テーブル(とりたてて図示されてはいない)にアクセスしてもよい。参照テーブルでは、所定のデジタル補正が、電子イメージをそれぞれの符号フィルタ16によりフィルタ処理されたものとして識別する検出可能な特徴と対応している。デジタル実行エンジン23は、電子イメージ30に検出可能な特徴があるかどうか評価する。検出可能な特徴を検出すると、対応したデジタル補正が、電子イメージに適用される。図1では、デジタル補正は、カラー電子イメージ30をモノクログレースケール補正イメージ34へと変換するものである(図1に「フィルタ処理済グレースケール」と示される)。
【0030】
識別子及び対応する検出信号により、フィルムユニットの保存イメージに符号フィルタ処理がなされているかどうかが識別され、このことを考慮してフォトフィニッシングがなされる。識別子は、特定のデジタル補正又は補正のグループを識別するものであってもよく、そうでないこともある。特定の補正が識別されたとしても、検出信号は、特定のデジタル補正が特定の電子イメージ又はイメージのグループに適用されるかどうかを判別するのに用いられるわけではない。都合のよい識別子として、DXコード等のカートリッジIDがあり、フィルムストリップ及びフィルムキャニスタの一方又は双方上に記録されている。例えば、DXコード又は他のカートリッジIDは、フィルムタイプの指定中に符号フィルタ処理が存在していることを示すことができる。DX又は他の識別子は、従来技術に開示された任意の様式で、フィルムストリップ上に設けられうる。例えば、この識別子は、イメージエリアに配置されて、米国特許第6311018号に開示されているように取り扱われてもよい。
【0031】
デジタル補正の例として、白黒及びセピア等のモノクロ、ズーム及びトリミング、所定のアスペクト比への変更、意図的な歪曲、コミック本の絵のような均質な色付け、ソフトフォーカス効果、コントラスト強調又は低減、他の媒体へと出力するためのイメージサイズの変更、所定の費用を用いたフォトモンタージュが、挙げられる。デジタル補正は、電子イメージに特定のメタデータ(非画素情報)を追加することに限定されうる。これは、ネットワークを通じて所定のアドレスへと配信すること等、下流の実行工程を提供するのに用いられうる。デジタル補正は、実行のためにオペレータの関与が必要であってもよい。例えば、特定のイメージとともに組み込まれたメタデータは、特定の最終イメージについて、オペレータが販促用の物品を提供することを要求することができる。
【0032】
図2に、図1の方法による非フィルタ処理カラーイメージ用の処理段階を示す。潜像18a、並びに対応する可視イメージ26a及び電子イメージ30aには、フィルタ符号の検出可能な特徴がないので、最終的にデジタル処理されたイメージ36は、後続のデジタル処理にて補正されないままとなる。(図2にて、「非フィルタ処理カラー」なるテキストで示される。)図3に、他のフィルタ16及び対応する他の補正が用いられる方法における補正を示す。イメージが取り込まれ、潜像18bから可視イメージ(顕像)26bへと化学処理され、可視イメージが走査されて、電子イメージ30bが得られる。ここまでのところ、それぞれのイメージは、フィルタ処理された状態でカラーのままである。(「フィルタ処理済カラー」なるテキストで示される。)そのフィルタ処理が検出され、補正が加えられる。カラーイメージはカラーのままであるが、補正された最終イメージ34aは、擬似パノラマ形式へと変換されており、フィルタ処理の検出可能な特徴は除去されている。(「非フィルタ処理カラーパノラマ形式」なるテキストで示される。)実用上の制限内で、フィルタ処理の検出可能な特徴を除去することにより、最終イメージは非フィルタ処理状態へと復元される。
【0033】
フォトフィニッシングユニット38は、フィルムストリップ40における連続したフィルムフレーム内に記録された保存用イメージから、プリント又は他の最終イメージを作成する。ここでは、フォトフィニッシングユニット38は、一般に、化学処理機24及びデジタル実行エンジン23の双方が組み込まれたデジタルプリンタとして説明される。デジタルププリンタの特徴は一般的に知られているので、以下の説明は、特に、開示される実施形態の一部を形成するか、あるいは、開示される実施形態と直接的に関連するものにのみ向けられている。なお、他の要素は、当業者に既知の種々の形態をとってもよいことが、理解されるであろう。また、最終イメージは、記憶媒体上のデジタルイメージ、コンパクトディスク、又はネットワークを通じてコンピュータのメモリユニットへと送信されるデジタルイメージ等の他の形態をとりうる。デジタル実行エンジン23としては、このような最終イメージを電子イメージから作成する機器が含まれる。デジタル実行エンジンは、1998年6月16日発行の米国特許第5767945号に開示されたデジタルプリンタの一部であってもよい。
【0034】
図4に、化学処理機24及びデジタル実行エンジン23を有し、フィルタ符号を有する処理済のフィルムストリップにおける一連のフィルムフレーム内に記録されたイメージのそれぞれのプリントを作成するフォトフィニッシングユニット38を示す。フィルムユニット14は、フォトフィニッシングユニット38に達するまでは、ソートされない。フィルムユニット14は、使い切りカメラからのものである。2台のカメラ12がフィルタ符号を提供する。一方のカメラ12aは、人間が読取可能な指定42“BW/C(白黒/カラーを指定)”を有する。他方のカメラ12bは、指定42“T/P(望遠/擬似パノラマを指定)”を有する。第3のカメラ13は、フィルタ符号を提供せず、指定も有さない。カメラ12a,12bからのフィルムユニット14は、インジケータを有する(図4では、“X”で表される)。
【0035】
図8では、使い切りカメラ12は、機械読取可能なバーコード44と組み合わせられた人間が読取可能な指定42“BW/C”を有する。カメラ内のフィルムカートリッジ(図8にても示される)は、同じ指定及びバーコードを繰り返してもよい。その指定は、ユーザに、フィルタ符号可能なデジタル補正の種類を通知する。バーコードは、同じ情報を担っていてもよい。また、フィルムユニット上のインジケータの存在も、バーコードにより担われる。
【0036】
インジケータ22を持つ代わりに、フィルムユニット14は、フォトフィニッシングユニット38に達する前に予めソートされてもよい。この場合、フォトフィニッシングユニット38に達する前の全てのフィルムユニット14は、フィルタ符号を有するものと推定される。これは、人間が読取可能な、1つ以上のそれぞれのフィルムユニット14上のインジケータ22の存在に対応している指定42を用いたマニュアルソートにより達成されてもよい。例えば、マニュアルソートは、カメラ12a,12bを、指定42の存在に基づき、インジケータ22を有するものとして分類することができ、カメラ13を、指定42及びインジケータ22を欠くものとして分類することができる。自動ソートが、機械読取可能な指定42又はインジケータ22、並びに、検出器及び制御装置を有し、インジケータの存在又は欠落の検出に応じて、別のルートへとソーティングするソーティング装置(図示せず)を用いて、同様の様式で提供されてもよい。
【0037】
別々のインジケータが、別々のデジタル実行エンジン23上で利用可能なそれぞれのデジタル補正に対して、提供されてもよい。この場合、ソーティングは、特定のデジタル実行エンジン23で利用可能な補正のリスト(図示せず)に依存する。マニュアルソーティングでは、リストは、一枚の用紙上に印刷され、フィルムユニット14の外面のインジケータ22が照合される表と同じくらい簡潔なものであってもよい。自動ソートでは、インジケータが検出されて、ローカル又はリモートメモリ等の中のルックアップテーブルの形態をとることができるリストと比較される。インジケータが欠落しているか又はリスト上にないインジケータを有するフィルムユニット14は、従来の処理のために、あるいは、何らかの他のパラメータに基づいた何らかの代替処理のためにソートされる。
【0038】
また、フィルムユニット14は、フィルタ符号を有するフィルムユニット14への入力を制限することにより、ソーティング又はインジケータ22の検出なしに処理されてもよい。例えば、特殊な処理が必要となる特別なフィルムタイプが用いられてもよい。その代わりに、従来のフィルムユニットとフィルタ符号化されたフィルムユニットとが、全てフィルタ符号化されたものの如く、ともに処理されてもよい。この手法には、従来のフィルムユニットについてデジタル処理時間を不必要に増加させるという負担があり、さらに、フィルタ符号化に用いられる同様のフィルタ効果を有する従来のフィルムユニット14の不適切な処理を補正する手段という追加の負担がある。
【0039】
再び図4を参照すると、特定のデジタル実行エンジン23には、フィルムストリップを、フィルム供給リール46からデジタルスキャナ48を通してフィルム巻取リール50へと進めるための、モータ化されたフィルムドライブ(図示せず)が含まれている。この場合、いくつものフィルムユニットからの複数のフィルムストリップ40は、相互に接合されて、フィルム供給リール46上の連続したウェブとなっている。フィルムストリップ40のいくつかは、フィルタ符号化されたものであり、他のものはそうではない。フィルタ符号化されたフィルムストリップ40の各々は、1つ以上のインジケータ22(図示せず)を有する。バーコードリーダ等のデータリーダ20(図1に示される)は、インジケータ22を読み取れるように配置されている。データリーダ20は、検出されたインジケータ22を、制御ユニット56へと通知する。スキャナ48は、フィルムフレームが瞬間的にフレームゲート60に位置しているときに、光を発して各フィルムフレームを透過させる投影光源58、走査イメージセンサ64(電荷結合素子(CCD)等)上に投影される保存用のイメージを合焦する合焦レンズ62を有する。イメージセンサ64により得られた結果としてのアナログ電子イメージは、アナログ/デジタル(“A/D”)変換器66により、デジタル形式へと変換されるとともに必要なだけ増幅され、制御ユニット56へと送出される。便宜上、スキャナ48及びA/Dコンバータ66は、ここで“デジタイザ(digitizer)”と総称されることがあり、これらの要素により提供される手順は、“デジタル化(digitizing)”と称されることがある。また、“デジタイザ”及び“デジタル化”なる用語には、同様の機能を提供する他の装置も含まれる。例えば、デジタイザは、キオスク(kiosk)のいくつかの要素を含んでいてもよい。
【0040】
制御ユニット56は、プログラム可能なコンピュータ等であり、イメージを処理し、メモリ67内にローカル又はリモートで格納されたルックアップテーブル等を用いて、所定のリストにある符号フィルタの効果を検出する。また、ルックアップテーブルは、それぞれのフィルタ効果に関連したデジタル補正を格納している。イメージ中にフィルタ効果が検出されると、関連した補正に対する相関関係が作成され、再現デジタルイメージが補正されて補正イメージとなる。補正イメージは、ハードコピー・プリントメーカや最終イメージを提供する他の機器等の出力装置68への出力である。
【0041】
デジタルイメージにおけるカラーキャストや他のフィルタ効果を検出するための既知の手順が、符号フィルタ16によりなされたカラーキャストを検出するのに適している。このような手順の簡単な例が、図1に、実線及び破線の双方で示されている。フィルムストリップ40は、走査され、デジタル化され、全てのイメージについて個々のフォトフィニッシングユニット38に用いられている標準的なデジタル処理にかけられる。例えば、これには、使用されている個々のスキャナ48用のカラー補正が含まれてもよい。そして、イメージは、ディスプレイ上に1つずつ提示される(69)。オペレータは、イメージを点検し、イメージが所定のフィルタ効果の組における1つを呈しているときに、それを検出する。そして、オペレータは、コントロールボタン等を用いて、その特定のフィルタ効果に割り当てられたデジタル補正を起動する(71)。この手法には、比較的簡単で柔軟であるという利点があるが、比較的低速でオペレータのエラーによる影響を受けるという欠点がある。
【0042】
自動化手法は、図1の実線部分により示されている。この手順は、制御ユニットにおける中央処理ユニット内に実装されており、後述のアルゴリズムを提供するソフトウェアによりプログラムされている。中央処理装置は、上述のように、走査され、デジタル化され、標準的な処理にかけられた、デジタルイメージ上に作用する。
【0043】
ソフトウェアは、任意のコンピュータ読取可能な記憶媒体上で提供されうる。このようなコンピュータ読取可能な記憶媒体として、例えば、(フロッピーディスク等の)磁気ディスク若しくは磁気テープ等の磁気記憶媒体、光ディスク、光テープ、若しくは機械読取可能なバーコード等の光学式記憶媒体、読出専用メモリ(ROM)若しくはランダムアクセスメモリ(RAM)等の固体電子記憶媒体、又は、コンピュータプログラムを格納するために用いられる他のあらゆる物理素子若しくは媒体が含まれていてもよい。
【0044】
制御ユニットは、汎用コンピュータシステムの一部であってもよく、あるいは、フォトフィニッシング装置の専用部分であってもよい。後者の場合、中央処理ユニットは、イメージデータマネージャ(IDM)と称されることもある制御システムの一部であってもよい。コンピュータシステム又はIDMには、メモリが含まれており、オペレータによる監視及び介入を可能とするディスプレイ及びユーザ制御部が含まれていてもよい。
【0045】
カラー符号フィルタ16の使用を検出するためのこの方法は、その符号フィルタ16のカラー配置特性及び日中の光の下で選択された符号フィルタ16を使用せずに撮影されたカラー中立な(color−neutral)物体のカラー配置の事前の知識に依存している。2つのカラー配置、すなわち、最高輝度のカラー配置及び平均のカラー配置が、解析中のデジタルイメージにおける画素から直接算出される。算出された2つのカラー配置の各々は、所定の2つのカラー配置に対して、個別に比較される。具体的には、クロミナンス(chrominance)空間におけるユークリッド距離が、メリット値として算出されて、デジタルイメージが得られた場面を撮影するのに使用された選択された符号フィルタが用いられた可能性が決定される。従って、本発明の重要な側面は、イメージの画素情報に基づいて予測カラー配置を算出すること、個々のカラー符号フィルタ16の所定のカラー配置の特性を基準として算出された予測カラー配置の距離メトリックを算出すること、及び個々の符号フィルタ16がイメージ画素情報を生成するのに用いられた可能性を示すために距離メトリックを用いることである。
【0046】
フィルムストリップ上に記録されたオリジナルの潜像から得られたデジタルイメージの組における各デジタルイメージは、選択された符号フィルタ16が対応するオリジナルのイメージを記録するために用いられたかどうかを決定するために解析される。選択された符号フィルタ16をカメラ12の保存用の媒体の前に装着することにより、写真フィルム上に形成される結果としてのイメージに、全体的なカラーキャストがなされることになる。従って、対応するデジタルイメージには、特有の全体的なカラーキャストがある。すなわち、デジタルイメージの全画素が、同様に影響を受けることになる。
【0047】
通例、デジタルイメージのイメージ画素データは、赤、緑、青再現で取得される。デジタルイメージの全体的なカラーキャストは、赤、緑、青再現でのイメージ画素データを解析することにより直接検出可能であるが、本手順は、イメージ画素データを、輝度−クロミナンス再現(LCC:luminance−chrominance representation)へと変換して、検出過程で役立つようにする。変数Rij,Gij及びBijは、第i行第j列に位置する赤、緑及び青のデジタルイメージ画素を示すものとする。変数Lij,GMij,及びILLijは、輝度−クロミナンス表現のデジタルイメージにおける変換された輝度、第1のクロミナンス及び第2のクロミナンス画素値を、それぞれ示すものとする。行列変換の3×3要素が、式(1)により記述される。
【0048】
Lij=0.333Rij+0.333Gij+0.333Bij (1)
GMij=−0.25Rij+0.50Gij−0.25Bij
ILLij=−0.50Rij+0.50Bij
輝度/クロミナンス行列変換における係数として用いられる具体的な値は、変更されてもよく、そのときにも実質的に同じ結果が得られることが、当業者には認識されるであろう。式(2)により記述される代替例が用いられてもよい。
【0049】
Lij=0.375Rij+0.500Gij+0.125Bij (2)
GMij=−0.250Rij+0.500Gij−0.250Bij
ILLij=−0.500Rij+0.500Bij
2つのクロミナンス画素の値GMij及びILLijは、ij番目の画素のカラー配置座標を表している。
【0050】
撮影された自然の場面のほとんどは、カラーの幅があるが、光源の色によって決まる中央のカラー配置を中心として分布したクロミナンス画素値の分布を有する。図36を参照すると、クロミナンス空間のグラフ例が示されており、その2軸の中心は、グレーのカードのようなカラー中立な色の物体を日中の光の下で撮影したもののカラー配置に対応した点171で示されている。輪郭172で示される領域は、日中の光の下で撮影された通常のデジタルイメージのクロミナンス画素値の領域を表している。クロミナンス画素値の相加平均又は中心は、点173で示されており、すなわち、平均カラー配置である。図36に示されたグラフから分かるように、平均カラー配置は、クロミナンス画素値の領域内にあり、点171で示された日中の光の下で撮影された中間色の物体のカラー配置に近い。また、図36に点174として示されているが、これは最も高い、すなわち最も明るい、対応する輝度値の画素のカラー配置である。一般に、最高輝度のカラー配置は、光源の色のよい指標となる。高い反射係数を有する物体が撮影されると、高輝度の画素値となる。このような物体は、カラー中立の物体(例えば、ワイシャツ、白紙等)であることが多いので、光源の色を示すことになる。
【0051】
選択された符号フィルタが所定の位置にある状態で同一の場面が撮影されると、結果としてのクロミナンス画素値はクロミナンス空間内で移動する。図37に、このような例で移動したクロミナンス画素値のグラフ例を示す。日中の光の下で、選択された符号フィルタ16をつけて撮影されたカラー中立色の物体のカラー配置は、点181で示されており、カラーフィルタのカラー配置と称される選択された符号フィルタ16の特性の位置へと、クロミナンス空間内で移動している。輪郭182で示された領域が、選択された符号フィルタ16の特性によりクロミナンス空間内で移動したクロミナンス画素値を示している。また、点183で示される平均カラー配置も、選択された符号フィルタ16の特有のカラーに応じて、クロミナンス内で移動している。同様に、最高輝度のカラー配置が、(点184により示されるように)クロミナンス空間内で移動している。
【0052】
平均カラー配置及び最高輝度カラー配置の双方が、選択された符号フィルタ16の使用を示しうることが、当業者には分かるであろう。すなわち、平均カラー配置又は最高輝度カラー配置が、使用中の選択された符号フィルタ16における符号フィルタのカラー配置の特性に近いカラー配置を示す場合、選択された符号フィルタ16が用いられていたことが想定される。また、選択された符号フィルタ16の使用を検出することが、日中の光の下で照明された場面に期待されるものとは異なった、事前に知られている特定のカラー配置に基づくものであるため(日中のカラー配置は、図37では点185により示される)本手順は様々なカラーのカラーフィルタとともに実行されてもよい。
【0053】
平均カラー配置は、式(3)を用いて算出される(GMave,ILLave)。
【0054】
GMave=(1/N)□ijGMij (3)
ILLave=(1/N)□ijILLij
ここで、変数Nは、デジタルイメージ内の画素数を表している。最高輝度のカラー配置は、最初に輝度画素値の累積ヒストグラムを算出することにより、算出される(GMbr、ILLbr)。累積ヒストグラムは、最高輝度の画素を特定するために用いられる。画素のうちの最高輝度10%に入った対応する輝度画素値を有する画素のみが、式(4)で示される最高輝度カラー配置の算出に用いられる。
【0055】
GMbr=(1/M)□ijGMij□ij (4)
ILLbr=(1/M)□ijILLij□ij
ここで、変数Mは、全画素数の10%に対応する画素数を表し、変数□ijは、画素のうちの最高輝度10%に入った対応する輝度画素値の画素に対して1.0となり、他の全ての画素に対して0.0となる重み係数を表している。
【0056】
図38に、選択された符号フィルタ16を用いた場合の対応する算出された値でのカラー配置を示す。それぞれ点193及び194で示される平均カラー配置及び最高輝度カラー配置が、選択された符号フィルタ16の使用を予測するのに用いられている。点191は、カラーフィルタのカラー配置を示している。最初に、カラーフィルタ16及び日中のカラー配置を基準として、平均及び最高輝度カラー配置の双方について、距離パラメータが算出される。平均カラー配置(GMave,ILLave)から日中のカラー配置(GMday,ILLday)までの距離(Dave-day)は、式(5)により与えられる。
【0057】
【数1】
【0058】
平均カラー配置(GMave,ILLave)からカラーフィルタのカラー配置(GMcf,ILLcf)までの距離(Dave-cf)は、式(6)により与えられる。
【0059】
【数2】
【0060】
同様に、最高輝度カラー配置(GMbr,ILLbr)から日中のカラー配置(GMday,ILLday)までの距離(Dbre-day)は、式(7)により与えられる。
【0061】
【数3】
【0062】
最高輝度カラー配置(GMbr,ILLbr)からカラーフィルタのカラー配置(GMcf,ILLcf)までの距離(Dbr-cf)は、式(8)により与えられる。
【0063】
【数4】
【0064】
平均カラー配置からカラーフィルタのカラー配置までの距離(Dave-cf)が、平均カラー配置から日中のカラー配置までの距離(Dave-dey)未満である場合、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が高い。同様に、最高輝度カラー配置からカラーフィルタのカラー配置までの距離(Dbr-cf)が、最高輝度カラー配置から日中のカラー配置までの距離(Dbr-day)未満である場合も、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が高い。Dbr-cf<Dbr-dayかつDave-cf<Dave-dayである場合には、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が、さらに高くなる。また、図38には、線196も示されている。この線196は、クロミナンス空間を2つの領域に区分している。平均及び最高輝度カラー配置が、日中のカラー配置(点195で示される)を含む領域内にある場合、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が低いという判断がなされる。逆に、平均及び最高輝度カラー配置が、フィルタカラー配置(点194で示される)を含む領域内にある場合、選択された符号フィルタ16が使用されていた可能性が高いという判断がなされる。
【0065】
上記説明には、算出された距離パラメータ間(例えば、Dave-cfとDave-day)の直接的な比較が用いられているが、比例配分された比較が用いられてもよい。例えば、符号フィルタ16が使用されていたことの可能性は、式Dave-cf<1.5Dave-dayを用いて算出されてもよい。符号フィルタ16の使用を検出することを最適化するために、乗算係数が用いられてもよい。符号フィルタ付き及び符号フィルタなしで取り込まれたイメージのデータベースが収集される。上述の検出方法は、取り込まれたイメージから得られたデジタルイメージに適用される。符号フィルタの使用に応じた真のデータが既知であるため、乗算係数は、正しく示された検出に対する誤って示された検出の数を最適化するために、調整可能である。
【0066】
代替的な手順として、選択された符号フィルタ16の使用を示すために、最高輝度カラー配置を用いずに、平均カラー配置を用いてもよい。また、平均カラー配置を用いずに、最高輝度クロミナンス配置を用いてもよい。選択された符号フィルタ16の特定のカラーが飽和するほど、検出結果が向上することが、予期されている。
【0067】
予測クロミナンスパラメータは、輝度−クロミナンス再現での基準クロミナンスパラメータの所定の数値範囲内にある場合に、基準クロミナンスパラメータに一致するものとされる。カラーフィルタのカラー配置(GMcf,ILLcf)は、基準クロミナンスパラメータの一例である。平均カラー配置(GMave,ILLave)が算出され、最高輝度カラー配置(GMbr,ILLbr)が、予測クロミナンスパラメータの例となる。この範囲は、システム内の不正確さ、カメラに用いられた符号フィルタと基準値との差、及びフィルムとフィルム処理との差の関数である。範囲が狭いとエラーになりにくいが、コストが上昇しがちである。個々の実施形態に適した範囲は、試行錯誤によって容易に決定可能である。
【0068】
なお、予測クロミナンスパラメータの算出は、赤、緑、青再現のイメージ画素データで実行される。例えば、デジタルイメージ内の画素の個々のカラーを平均して、数量Rave,Gave及びBaveとすることができる。同様に、カラーフィルタのカラー配置は、等価な数量Rcf,Gcf及びBcfで算出可能である。そして、数量Rave,Gave及びBaveは、数量GMave,ILLaveを算出するのに用いられ、数量Rcf,Gcf及びBcfは、GMcf,ILLcfを算出するのに用いられうる。
【0069】
代替的な手順では、各画素は、個別に検討される。この手法には、カラーのような全体的なイメージパラメータを考慮することに由来するエラーを回避できるという利点がある。全体的なイメージパラメータによる符号フィルタ16の使用及び不使用を区別することを意図したあらゆるアルゴリズムは、実際にはそうでなくとも、ほとんどがフィルタのカラーとなった場面の写真がフィルタによるものであると誤って結論づけてしまうことがある。あるいは、実際にはフィルタが所定の位置にあっても、フィルタ16の補色が支配的な場面の写真がフィルタなしで撮られたと誤って結論づけてしまうことがある。各画素を個別に検討することにより、この種のエラーを回避することができる。
【0070】
フィルタ16が所定の位置にある状態で、ある場面が取り込まれると、システムのノイズのみが個々の画素をフィルタの補色に近いものとする。各画素について検討することで、カラーキャストのための基準カラー配置に対する画素のカラー配置が所定の閾値を超えている場合、そのアルゴリズムは各例証を考慮することができる。閾値は、フィルタの不規則性、処理におけるノイズ等を考慮する。好適な値は、単純な試行錯誤によって定められる。
【0071】
いくつもの画素が、差の基準以上であるということは、その写真がフィルタ16が所定の位置にある状態で撮られたものではないことを示している。差の基準は、エラーのための大きなマージン、デジタルイメージ内の全画素数の25%未満、又は小さなマージン、全画素数の10%未満、のある非常に少数の画素であってもよい。実際には、画素のサンプリングは、好ましくはデジタルイメージに渡る分布(ランダム又は格子パターン)にて、基準カラー配置と比較される。サンプリングは、基準カラー配置と照合され、すなわち、サンプリングが差の条件を満たす場合、イメージは特定のカラーキャストフィルタ効果を有するものとみなされる。
【0072】
サンプリングは、画素数について、該当する差の条件以上である。サンプリングにおける画素の数及び配置は、予め設定されていて解析毎に不変であってもよく、動的に変更されてもよい。後者の場合、各画素又はサンプリングは、順に比較され、該当する差の条件が満たされる場合に解析は停止する。
【0073】
画素は、イメージにおける限定された領域から採られてもよい。これは、フィルタリングがイメージの一部に限定されたいくつかの(後述する)実施形態のために必要となる。解析される領域を限定すると、領域が減少するにつれてリスクが増大し、通常とは異なるカラーの場面の内容により、誤った結果がもたらされることがある。
【0074】
サンプリングは、差の基準のサイズとなる。基準カラー配置は、カラーキャストの理論値と実際になされるカラーキャストとの差に相当するように補正されることが好ましい。基準カラー配置の補正は、フィルム感光度計、フィルム処理化学的効果、スキャナの不正確さ等に対応するものである。
【0075】
基準カラー配置は、個々の赤、緑、青(RGB)の基準値の形式で予め定められうる。その場合、デジタルイメージの未処理のRGB画素値は、対応するRGB基準値に対して個々に関連づけられうる。RGB画素値は、当初の電子イメージのアナログデジタル変換で直接与えられてもよい。その関連づけは、検出アルゴリズムを最適化する単一の手順にて実行可能である。その場合、サンプリングにおける各画素についての未処理のRGB値は、参照テーブル(LUT)内の制限と比較される。LUT内の値には、フィルタ化による予期された制限、及び非フィルタ処理システムについての中間のグレーバランスを達成するのに必要な係数が含まれている。すなわち、算出の効率化のために、その値には、既知のフィルム感光度用の補正、フィルムシステム感光度へのフィルム処理化学的効果、及びスキャナのキャリブレーション等が含まれている。
【0076】
この手法は、単一の符号フィルタを使用する観点で説明されてきた。同手法は、所定のカラー符号フィルタの組を使用することにも適用可能である。その場合、符号フィルタが使用されたかどうか、又はどれが使用されたかを立証するために、決定されたカラー配置が、その組のフィルタ用に予め定められた基準カラー配置に対してマッピングされる。
【0077】
他の代替的な手順として、高度に飽和した黄、シアン、又はマゼンダフィルタ16を通して露光されたフィルタ符号イメージに適しているものがある。使用されたフィルタ16は、フィルタ16をカメラ12の“カラーチャネル”の1つにおけるスペクトル特性に合わせるように選択されたものである。ここで用いられた“カラーチャネル”なる用語は、イメージの一部の取込を、様々なカラーの小規模の組における1つのカラーに制限するカメラの部分を指している。写真フィルムでは、様々なカラーが、一般に、様々な要素及び/又は様々な階層で取り込まれる。デジタルカメラでは、様々なカラーが、様々な階層で、あるいは様々なフィルタを用いて、同様に取り込まれる。通例、画素に分解された3色フィルタが、対応する画素分解されたイメージャ上で用いられる。その場合、各カラーチャネルは、フィルタ画素における単色のサブセットを有する。
【0078】
高度に飽和したフィルタ16は、取り込まれたイメージのカラーレコード内のデジタルの原色を、遮断するかあるいは著しく低減する。例えば、高度に飽和した黄、シアン、又はマゼンダフィルタ16は、写真フィルムにおける補色の青、赤、又は緑の要素/カラー層の露光を、遮断するかあるいは著しく低減する。同様に、高度に飽和した黄、シアン、又はマゼンダフィルタ16は、それぞれの黄、シアン、マゼンダフィルタ16を通じたデジタルカメラ12の画素の露光を、遮断するかあるいは著しく低減する。デジタルイメージにおけるフィルタ処理を検出することは、原色値を単に比較することである。例えば、場面のカラー値が、合計されて相互に比較される。クロミナンス空間における解析は、この場合には必要とされない。デジタルの原色を欠いたカラーレコードは、自然発生的な場面を表す可能性が低いので、特定のカラーのフィルタ16を慎重に使用したことを示すものと推定される。
【0079】
その代わりに、デジタルイメージのイメージ画素データは、不変のままとされてもよく、後にデジタルイメージに適用されるべき所望のデジタルイメージの処理効果の指示は、画素データを格納する電子ファイルの一部として、メタデータとして符号化されてもよい。そして、所望のデジタルイメージ処理効果を指定するメタデータが、後に読み取られ、所望のデジタルイメージ処理効果のある向上したデジタルイメージが、選択的に生成されてもよい。
【0080】
なお、上述の自動手段が、符号フィルタなしに撮影された自然の場面を、符号フィルタ付きで撮影されたものとして、誤って識別してしまうことがあるため、符号フィルタのためのカラー配置の選択は重要である。例えば、特定のカラーで占められたあらゆる自然の場面が、取り違えられてしまう。青が支配的な場面が黄の符号フィルタ付きで撮影されると、平均的に、中間色に近いイメージ画素データとなるであろう。好ましいことではないが任意のカラー配置によって自然の場面が支配的となる可能性があるので、同様の議論が、符号フィルタの他の任意の選択されたカラー配置に対してなされうる。符号フィルタについて高度にカラー飽和したカラー配置を選択することにより、符号フィルタ付きで撮影された自然の場面が符号フィルタなしで撮影された事前の場面と取り違えられる可能性が最小限となる。
【0081】
上記説明はデジタルイメージについての全体的なカラーキャストを決定することに関するものであるが、同手法が、デジタルイメージの一部のカラーキャストを決定するのに使用可能である。以下により詳細に説明されるように、符号フィルタは、デジタルイメージにおける所定の領域に局所化されうる。所定の領域に局所化された符号フィルタを検出するために、2つのカラー配置が、符号フィルタが使用されたかどうかを決定するために算出される必要がある。第1のカラー配置は、上述の方法を用いて、所定の領域に対応した画素のみを用いて、算出される。このように、選択された符号フィルタが所定の領域に使用されたかどうかについて、判別がなされる。第2のカラー配置は、1つ以上の符号フィルタに対応した所定の領域に重なった画素を何も含まないデジタルイメージ内の中心の画素の中心領域を用いて、算出される。第2のカラー配置は、第1のカラー配置と同様に算出されて、画素の中心領域のカラーキャストが、選択された符号フィルタを使用した場合に予期されるカラーキャストと同等のカラーキャストを示しているかどうかが決定される。本実施形態では、符号フィルタは、中央領域のカラーキャストに影響することがないので、第2のカラー配置は、符号フィルタ特有のカラー配置を示さない。すなわち、画素の中心領域から算出された第2のカラー配置は、符号フィルタが使用されていないことを示すことになる、すなわち、第2のカラー配置は符号フィルタと一致しないことを示すことになる。場面を撮影するのに符号フィルタが用いられたという肯定的な決定は、1)第1のカラー配置が、画素の所定の領域のカラーキャストを行うのに符号フィルタが用いられたことを示していることと、2)第2のカラー配置が、画素の中心領域のカラーキャストは符号フィルタが使用されたことと矛盾することを示していること、との組み合わせによりなされる。
【0082】
また、本方法で用いられた特定のフィルタ16は、最終イメージのためになるように、選択されてもよい。その場合、フィルタ処理の効果が保たれる。他の多くの場合には、フィルタ処理の効果は、特定の補正に役立つわけではない。そのような状況では、フィルタ処理の効果は除去され、フィルタ処理の効果が除去される容易さが、考慮されるべきである。
【0083】
図1では、取り込まれたイメージは、暖色フィルタ(warm filter)16、すなわち可視スペクトルにおける赤−黄部分内の光の伝播を制限するフィルタ16により、フィルタ処理される。暖色フィルタ16の効果は、結果としてのモノクロイメージに役立つものとして考慮され、それゆえに、最終イメージ内に保たれるものである。カラーイメージでは、フィルタ16のフィルタ効果は、好ましくないものである。この場合、その効果は、デジタル処理により除去される。特定のデジタル処理手法により情報の損失が生じることに加えて、フィルタ処理の可視的効果を除去することではフィルタ処理により取り込まれることがない情報を復元することはできない。フィルタ16、フィルム及び補正は、許容可能又はさらに好ましいフィルタ処理の効果をもたらすように選択されてもよい。例えば、白黒イメージを生成するために、カラーフィルムとともに暖色フィルタ16を使用することによる効果は、一般的に好ましいものである。一方、中性フィルタ16と等価なものともに白黒フィルムが使用された場合の、イメージ情報の損失は受け入れがたいものである。同様に、非カラーフィルタ16は、同様の用途にて、受け入れ難いイメージの劣化を引き起こすことがある。あるイメージのカラーレコードの一部を補正するのにカラーフィルタ16を使用することは、カラーレコードの残余が使用可能なままとなるため、比較的限られている。
【0084】
デジタルリバーサル用のフィルタ16を、厳密に定義された特性に制限することは、都合のよいことである。これは、デジタル補正にてよく定義された特性を有するフィルタ16の効果を補償するのが容易なためである。同様に、使用されたフィルタは、イメージ情報の損失を最小化するように、及び/又は、情報の損失をイメージにおけるより目立たないところへ移動させるように、選択されてもよい。例えば、デジタル補償後に、グレースケール情報を含んだ情報の全体的な損失が高くなりがちであるため、暗い中性濃度フィルタ16は一般に好ましくない。一方、低〜中程度の中性濃度フィルタ16、特にスペクトルの狭い部分のみを除去するフィルタ16は、ほとんどのグレースケール情報を保持する。カラー情報が失われて、復元の努力が不充分であっても、一般的な使用のためのイメージにおいては、目立ちすぎるということにはなりにくい。グレースケール情報よりもカラーの再現に関心があれば、他の種類のフィルタが好ましいであろう。特定目的のためのフィルタ16の選択がすぐに明らかというわけでなければ、単純な試行錯誤により、特定目的のための好適なフィルタ16が、極めて迅速に得られる。
【0085】
符号フィルタ16は、カメラ内の光学系における常設部分又は仮設部分として設けられうる。常設フィルタは、単一目的用の使い切りカメラには便利であるが、本発明はこのようなカメラに限定されるものではない。選択可能なフィルタは、使い切りカメラ又は再使用可能なカメラに提供される。フィルムカメラ及び写真フィルムユニットに関連して、ここでは一般的に特徴が説明されている。デジタルカメラ及びデジタル記憶媒体が、フィルムカメラ及び写真フィルムユニットの代わりに、あるいはそれらに加えて利用されてもよい。また、スキャナが、取込装置として使用されてもよい。これらの場合、シェーディングは、取込時に光学的である。(例えば、符号フィルタ処理のために、色付きの透明シートがプリント上に配置されてもよい。)結果としてのデジタルイメージは、フィルムイメージから得られたデジタルイメージと同様に取り扱われる。光学フィルタ処理の代わりとして、デジタルフィルタ処理が可能である。但し、これは、現時点では、デジタル及びフィルムイメージ用に同一のフォトフィニッシングシステム及びデジタル補正を用いる方法としてのみ望ましいものであると信じられている。
【0086】
モノクロデジタルイメージは、デジタルフォトフィニッシングシステムの処理ステップにて、式(1)及び(2)に記述された輝度信号Lijを用いて、カラーデジタルイメージから生成される。例えば、まず、最初のカラーデジタルイメージが、式(2)を用いて輝度−クロミナンス再現へと変換される。全体的なカラーキャスト効果をもたらす符号フィルタの場合には、全体的なカラーキャストは、GM及びILLクロミナンス信号情報から、対応するカラーキャストを差し引くことにより除去されうる。輝度信号は、白黒デジタルイメージとして直接使用可能である。但し、符号フィルタにより引き起こされたカラーキャストが一旦除去されると、画質向上のための他の任意のカラーキャストが引き起こされうる。例えば、符号カラーキャストの除去されたデジタルイメージを、赤−緑−青再現へと再変換することにより、光学的赤色カラーフィルタと等価なものが合成されうる。次に、処理されたデジタルイメージの赤画素は、その数値が低減されて、赤色フィルタによる効果を合成することができる。そして、最終的な白黒デジタルイメージが、式(1)又は(2)を用いて輝度信号を算出することにより、生成可能である。さらに、セピアデジタルイメージも、処理されたデジタルイメージのクロミナンス値を、セピアカラーに対応した一定値に設定することにより、生成可能である。従って、符号フィルタによりイメージデータに対して引き起こされた効果は、符号フィルタによりもたらされたカラーキャストがイメージ取込状態を補正又は補償しようとしていない場面では本質的に非治療的(non−remedial)なものであると理解される。さらに、この非治療的なフィルタ効果は記録された光像から得られたデジタルイメージ内で検出され、最終的に処理されたデジタルイメージに異なったフィルタ効果がもたらされるという様式で、デジタル補正がデジタルイメージに対してなされる。このように、符号フィルタによるフィルタ効果は、デジタルイメージ処理にてもたらされたフィルタ効果から独立している。そのうえ、符号フィルタの非補正的フィルタ効果は、得られたデジタルイメージから、符号フィルタによる実質的なフィルタ効果が何も残らないように除去可能である。このように、最終的に処理されたデジタルイメージは、光像を符号フィルタのフィルタ効果なしに記録した写真システムにより生成されたものとして表示可能である。
【0087】
カラーフィルタ処理は、光像からカラー成分を差し引くという通常の意味で、ここでは一般的に説明されている。ここでの目的には、“フィルタ処理”等の用語は、全体的な場面のイメージに対する追加のカラー変更を含むものである。例えば、発光ダイオード等の色付きの光源が、撮影レンズに入ってきた場面のイメージに、未調整の色付きの光を加えるために、カメラに設けられてもよい。この特定の手法(取込の際に未調整の光を加えること)は、その効果が霞のようであり、場面の情報内容が劣化しうるので、現在のところ好適ではない。
【0088】
図5乃至図8を参照すると、カメラ12はフィルムホルダ70、該フィルムホルダ70と位置合わせされた露出システム72、及び該露出システム72により規定された光路内に介在する符号フィルタ16を有する。フィルムユニット14は、フィルムホルダ70内に保持されている。図5乃至図6を参照すると、カメラ12は、ケース76及びバッフルフレーム(buffled flame)78のある本体74を有する。本体74は、他の構成要素を構造的に支持している。ケース76は、フロント及びリアカバー80,81を含む。カバー80,81は、互いに接合され、該カバー80,81上にラベル82(図6に図示)が貼付されている。バッフルフレーム78は、カバー80,81間に配置されている。バッフルフレーム78は、カメラフレーム84、及び該カメラフレーム84に対して接合されたバッフル86を有する。
【0089】
露出システム72は、バッフルフレーム78に対して取り付けられるか、あるいは、バッフルフレーム78とカバー80,81との間に保持される。露出システム72には、撮影レンズ及びシャッタアセンブリ88、フィルム給送ユニット90、保持プレート92、ファインダユニット94、及びにフラッシュユニット94が含まれている。露出システム72の特徴は、このような構成要素が当業者に周知であるため、ここでは簡単に説明されるだけである。
【0090】
撮影レンズ及びシャッタアセンブリ88には、シャッタ98、撮影レンズ100、及び支持部材102,104が含まれている。後側支持部材104は、シャッタ98及び1つ以上のシャッタバイアススプリング106を、バッフルフレーム78の取付部分108に対して支持する。前側支持部材102は、撮影レンズ100を、後側支持部材104に対して支持する。フラッシュユニット96は、シャッタアセンブリ88に隣接し、イメージ取込の際にシャッタ98が接触するフラッシュ接点110を有する。シャッタブレード98は導電性である。バッテリ112は、電力供給のためにフラッシュユニット96に対して接合されている。
【0091】
フィルム給送ユニット90には、フィルムのパーフォレーションに係合するスプロケットホイール114、複数部品よりなる計測装填アセンブリ116、及びユーザにより操作されてフィルム給送ユニット90に回転運動を与えるフィルム巻上部118が含まれている。また、カウンタホイール120もあり、計測装填アセンブリ116により駆動される。計測装填アセンブリ116には、計測及び高エネルギレバー115,117、1つ以上のバイアススプリング122、及びスプロケットホイール114を係合動作させる回転複数レベルカムユニット124が含まれている。保持プレート92は、計測アセンブリ116を通じて写真の露光のためにシャッタ98を開放する一体式シャッタレリーズ126を有する。ビューファインダユニット94には、フレーム78により規定されたトンネル131と嵌合する対向した一対のレンズ125,127が含まれている。
【0092】
バッフルフレーム78には、第1及び第2のフィルムチャンバ128,130を有するフィルムホルダ70、及びチャンバ128,130間の露出フレーム132が含まれている。フィルムカートリッジ14のキャニスタ134は、第2のチャンバ130内に収納され、スプール136は第1のチャンバ128内に収納される。フィルムカートリッジ14におけるフィルムストリップ40の端部は、キャニスタ134内にてスプール136に対して取り付けられている(この取付は図示されていない)。露光がなされるにつれて、フィルムストリップ40は、キャニスタ134内へと巻き取られてゆく。フィルムストリップ40により形成されたフィルムロール(図示せず)は、露光が完結されてフィルムストリップ40が完全に又はほとんどキャニスタ134内に収容されるまで、スプール136により保持される。
【0093】
符号フィルタ16は、フロントカバー80内の開口138を覆って、フロントカバー80に対して取り付けられている。開口138は、撮影レンズ100の光軸140に合わせられており、撮影レンズ100により規定され且つ露出フレーム132に位置するフィルムフレーム(図示せず)に至る光路の一部になっている。符号フィルタ16は、光路のどこにでも配置可能である。図7に、撮影レンズが一対のレンズ要素142,144を有する他のカメラ12を示す。シャッタは図示されていないが、例えば、要素間に配置されてもよい。符号フィルタ16は、フロントカバー80におけるくぼみ146内の第1の位置に実線で示されている。フィルタ16のいくつかの代替的な位置が、破線で示されている。それらの代替的な位置では、フィルタ16は、レンズ系100の2つの要素142,144間であって、後側レンズ要素144の内部で、露出フレーム132におけるフィルム40直上にある。
【0094】
図8に代替例を示す。ここでは、使い切りカメラ12のフロントカバー80が、レンズ系100に隣接していて互いに対向した一対のブラケット148を有する。矩形のフィルタホルダ150内のフィルタ16は、レンズ上の使用位置とレンズ系100により規定された光路に対して間隔をおいた位置関係の格納位置(図8に示す)との間で、ブラケット148に沿ってスライド可能である(矢印152で示される)。同様のスライドフィルタ機構が、フロントカバー80の内部に設けられてもよい。他のフィルタ動作機構が、用いられてもよい。例えば、内部及び外部のフィルタホイールは、当業者に周知である。
【0095】
上記説明は、均質のフィルタ処理についてのものである。その代わりに、不均質のシェーディング又はフィルタ処理による符号化が提供されてもよい。“シェーディング”なる用語は、ここでは、フィルタ処理及び完全な遮光(ここで“シャドーイング”とも称される)の双方を指している。
【0096】
例えば、図9を参照すると、符号フィルタは、パターンを有していてもよい。図9では、上部160はある色についてフィルタ処理し、下部162は他の色についてフィルタ処理する。フィルタ処理の効果は、デジタル処理にて除去されうる。その代わりに、その効果が保持されてもよい。例えば、図9では、イメージのある部分をオレンジについてフィルタ処理し、他の部分を赤についてフィルタ処理する。両部分で中性濃度が同じであり、対応する補正がカラーイメージをモノクロイメージへと変換するのであれば、モノクロイメージ上の効果は、ある用途には、著しく目立つというものではない。
【0097】
また、符号化は、部分シェーディングによりなされてもよい。部分シェーディングでは、場面の取り込まれたイメージの一部のみが、シェーディングされる。部分シェーディングは、露出フレーム132における辺の対156,158の一方又は双方に対して傾斜している。部分シェーディングは、取り込まれたイメージにおける対応して隣接する辺についても、同様に傾斜している。(便宜上、以下では、露出フレーム132の辺156,158のみに言及する。)“傾斜”なる用語は、通常の意味で用いられており、辺の対156,158の双方に対して傾いた方向にイメージをクリッピングするシェーディングを指し、辺の対156,158の一方の一要素を他方のものよりもクリッピングするシェーディングを指し、また、その両者を実行するシェーディングを指している。
【0098】
部分シェーディング符号化では、符号化された情報は、シェーディングされた領域の位置、シェーディングされた領域の形状、提供されたシェーディングの種類、及びこれらの特徴の組み合わせにより伝達されうる。シェーディングの種類は、不透明な領域のあるシェーディングスクリーン154を用いて、シェーディング領域内で完成するか、あるいは、その代わりに、シェーディングは、フィルタ処理領域のあるシェーディングスクリーンを用いて、シェーディング領域内で未完成となりうる。シャドーイング及びフィルタ処理は、シェーディング領域内にて組み合わせ可能で、フィルタ処理は特定のフィルタパターンで提供される。
【0099】
図5乃至図8のカメラ12は、符号フィルタをシェーディングスクリーン154で置き換えることにより、前述の均質のフィルタ処理における所定位置での傾斜シェーディングを提供するために変更されてもよい。シェーディングスクリーン154は、所定の位置に固定、すなわち、露出フレームに対して不動となるように固定されることができる。特定の実施形態では、複数の別々のシェーディングスクリーン154が、順番に、露出フレーム132を基準とした位置へ移動可能である。他の実施形態では、シェーディングスクリーン154は、シェーディング領域、そしてある場合にはシェーディング領域の形状を変更するように、露出フレーム132を基準として移動可能である。
【0100】
符号パターン又はシェーディングパターンの複雑さは、検出のための現実的な制限内で、要求通りに変化しうる。例えば、シェーディング領域は、鋸歯状の辺を有していてもよい。シェーディングパターンは、個々のシステムの要求に合わせて最適化されうる。例えば、ある場合には、フィルムイメージの縦の辺の一部を少なくとも保持することで、フィルムフレームの長さが、フィルムイメージの全体的な長さにより規定されたままとなることが望ましい。位置決めが、縦のフィルムイメージ/フィルムのフレーム辺を検出することにより、各フレームについて明確に決定されているため、これは、フィルムストリップが誤登録されてしまい、実際のフィルムフレームに対して誤った位置で走査されるというリスクが低くなる。
【0101】
テンプレート適合方法を用いると、鋸歯状の辺のパターンがデジタルイメージ内で検出されうる。このような方法には、画素テンプレートを巻き込むことが含まれる。すなわち、予期される鋸歯上の辺のパターンのサイズ及び形状に似た画素値の二値的配列が、鋸歯状の辺のパターンが配置可能な画素の領域(ここでは“サブエリア”とも称される)内のイメージ画素データとともに含まれる。畳込み動作には、テンプレートの画素値をデジタルイメージの画素値で乗じることが含まれる。そして、このような乗算値が合計されて、検出される鋸歯状の辺のパターンの可能性を示すのに使用可能なテンプレート配置メトリックが得られる。この畳込み動作は、デジタルイメージを基準とした別々の位置にてテンプレートとともに実行される。このように、テンプレート配置メトリックは、テンプレートにおける複数の位置について算出される。テンプレート配置メトリックの値が高いということは、イメージ画素データ内に鋸歯状の辺のパターンがある可能性が高いことを示すものである。複数のテンプレート配置メトリック値が、ソートされて、鋸歯状の辺のパターンが最もありそうな位置を判別してもよい。そして、テンプレート配置メトリックの最高値が、テンプレート配置メトリックの閾値と比較されて、鋸歯状の辺のパターンが存在するか存在しないかが決定されてもよい。
【0102】
符号フィルタにより処理されるべきデジタルイメージに付与された他の空間パターンが、上記のテンプレート適合方法を用いて検出可能である。例えば、図28に示されているとともに以下でより詳細に説明する符号の実施形態によると、イメージ領域における角の部分のシェーディングされた部分が生成される。このシェーディングされた部分は、符号機構の配置に基づいた特有の角度を有する。この場合、直線の辺のテンプレートが、上述のテンプレート適合方法に使用可能である。直線の辺のパターンが存在することを決定するために、直線の辺のテンプレートのパターンにおけるそれぞれの配置だけでなく、別々の部分について畳込み動作が繰り返される。上述のように、直線の辺のテンプレートのパターンがシャドーイングされた領域の向き及び配置と一致した場合には、明確な決定が可能となる。
【0103】
また、上述のカラーキャスト検出手順は、イメージにおける所定の領域内のカラーキャストを検出するためにも、使用可能である。種々のカラーキャスト検出手順が、イメージにおける別々の領域に対して繰り返されてもよく、別々の手順が、組み合わされて用いられてもよい。傾斜したシェーディングでは、符号フィルタ処理に関連して上述されたのと同様に、識別子が用いられる。
【0104】
図10を参照すると、不均質のシェーディングスクリーン154が、シェーディングをイメージの小部分のみに制限することができる。シェーディングされる部分のサイズは、容易に検出可能なように充分大きくなっている。シェーディングの効果は、最終イメージを容認不能なほどに劣化させることがないように、制限されている。フィルタ処理では、このことは、フィルタ効果又はフィルタ効果のデジタルリバーサルによるイメージの劣化のどちらが、最終イメージにてより目立たないか、といいう結果をもたらしうる。図10では、イメージの大部分である広い部分164が、フィルタ処理されていない。その残りとして、赤及びオレンジでそれぞれフィルタ処理される2つの小領域166,168がある。
【0105】
傾斜シェーディングを提供するカメラ12は、ほとんど、上述のカメラ12と類似している。特に、フィルムホルダ70は、対向する辺の2つの対156,158がある矩形の露出フレーム132を有する。辺156,158は、露出開口170を取り囲んでいる。撮影レンズ系100は、露出開口170の中心を通って伸びる光軸140を有する。レンズ系100は、場面の光像を、露出開口170を通じて、露出フレーム132内に保持されたフィルムフレームへと、光路に沿って伝達する。露出開口170では、光像は、露出フレーム132の対向する辺の2対により縁取られている。
【0106】
図11乃至図33、及び図38乃至図39を参照すると、ある種の傾斜シェーディングカメラ12は、本体74に取り付けられたガイド202を有する。ガイド202は、1つ以上のシェーディングスクリーン154を有するスクリーナ(screener)153を支持している。ガイド202は、複数のステーション204を規定している。スクリーナ153は、ガイド202を基準としてステーション間で段階的に移動するように動作可能である。各ステーションでは、別々のシェーディングパターンが、シェーディングスクリーン154による露出開口にて提供されており、露出開口170上に配置されている。スクリーナ153は、各ステーション204にて、光軸140に対して異なって配置されている。配置の差異は、回転方向、並進方向又はその両者であってもよい。スクリーナ153は、ステーション間の移動の際にも、カメラ12に対して取り付けられたままになっている。
【0107】
上述のフィルタ16のときのように、シェーディングスクリーン154は、光路に沿った任意の場所に使用のために配置可能である。例えば、図8のカメラ12では、フィルタ16は、単一のシェーディングスクリーン154を有するスクリーナ153で置換可能である。その場合、図8のカメラ12のブラケット148は、ガイド202である。スクリーナ153及びガイド202の全体構成は、ステーション204の数、スクリーナ153の動作様式、及び与えられたシェーディングの構成によって決定される。
【0108】
図11乃至図14を参照すると、硬質のスクリーナ153が、支持構造155と一体のシェーディングスクリーン154を複数有するカメラ12が示されている。あるシェーディングスクリーン154aは、矩形状であり、露出開口の上部に渡って配置されている。第2のシェーディングスクリーン154bは、L字型であり、露出開口の上部及び一側に延びている。第2のシェーディングスクリーンに連続しているのが、符号フィルタ16である。スクリーナ153は、露出フレーム132上の長手方向の移動により、ステーション204間で移動する。フィルムストリップ40は、これらの図では示されていないが、露出フレーム132まで又はそこを越えて、ガイド202に沿って移動することになる。この手法は、理解しやすいように、ここで説明されている。実際のカメラは、図11乃至図14に明らかなように、扱いにくい要素であるが、使用可能なものである。
【0109】
ガイド202は、その内でスクリーナ153がスライドする一対の溝の形状(図11乃至図14では箱で示される)になっている。タブ208aの形状になったスクリーンドライバ208は、スクリーナ153からカメラ12の外部へと上方へ延びており、ユーザが移動させることにより、スクリーナ153をステーションからステーションへと移動させる。ライトロックが、タブ208aに設けられている。例えば、タブ208aは、クランク形状であってもよく、スロット(図示せず)内で移動してもよい。
【0110】
図11に示されたスクリーナの第1の位置では、シェーディングが存在していない。図12に示された第2の位置では、シェーディングスクリーンが、露出フレーム132の長手側の上辺をシェーディングしている。シェーディングされた領域の形状は、長方形状である。シェーディングは傾斜しており、下辺はシェーディングされていない。図13に示された第3の位置では、L字領域内に、不均一なシェーディングがなされている。
【0111】
いくつかの場合では、シェーディングされた領域のサイズ及び形状は、シェーディングが最終イメージと矛盾するように、特定のフォトフィニッシング補正に適合されてもよい。例えば、図12の場合、擬似パノラマの最終イメージ用の補正は、シェーディングされた領域を用いない。同様に、図13では、シェーディングされた領域の内部にある特定の擬似ズーム(中央の領域が拡大されている)が提供されている。
【0112】
図14に示された第4の位置では、フィルタ処理が提供されている。このフィルタ処理は、フィルタ効果が存在することがフォトフィニッシングユニット38によりどのように解釈されるかに基づいて、フィルタ符号として又は芸術的効果のために使用可能である。一般に傾斜シェーディング及びフィルタ符号化のときのように、特定の符号の効果は、特定のフォトフィニッシングチャネルのために予め定められている。
【0113】
ビューファインダマスクユニット209は、スクリーナ153に接合しており、スクリーナ153とともに移動する。マスクユニット209は、3つのビューファインダマスク211a,211b,211cを有する。マスク211a,211b,211cは、支持構造213により相互に接合されている。マスク211a,211b,211cは、シェーディングスクリーン154a,154b及び符号フィルタ16に対して、それぞれ位置合わせされている。シェーディングスクリーン154a,154bは、ファインダ内に表示可能なデジタル補正に対応している。各マスク211cは、それぞれのシェーディングスクリーン154又は符号フィルタ16に対応したデジタル効果をユーザに示す。
【0114】
シェーディングスクリーン154aは、擬似パノラマ補正に対応している。シェーディングスクリーン154bは、擬似望遠補正に対応している。それぞれのビューファインダマスク211a,211bは、生成されるそれぞれの最終イメージに現れない場面のイメージの部分をフィルタ処理する。マスク211cは、符号フィルタ処理(又は芸術的フィルタ処理)が存在することを、色を通じて伝達する。マスク211a,211bは、フィルタ処理部分ではなく不透明体を有していてもよい。ビューファインダマスクは、デジタル補正の性質を、印やテキストのメッセージ(図示せず)のような他の方法で担うことができる。
【0115】
図11乃至14に示されたカメラにおけるより実用的な変形例が、図15乃至図18に示されている。この場合、スクリーナ153は、可撓ベルトであり、ガイド202は、互いに離隔配置された一対のローラ210を有する。スクリーナ153には、図11乃至図14のカメラと同一の構成で、透明支持構造155により相互に接続されたシェーディングスクリーン154a,154b及びフィルタ16が含まれている。ガイド202は、カメラ12内において露出フレーム132の直前に、配置されている。スクリーナ153は、露出フレーム132に渡って延びており、その各端部が、それぞれのローラ210に取り付けられている。スクリーナ153は、両ローラ210の一方又は双方の周りに巻き付けられており、両ローラ210間で移動し、要求に応じて、スクリーナ153をステーション204からステーション204へと移動させて、シェーディングスクリーン154及びフィルタを露出開口上に配置する。
【0116】
図15乃至図18を参照すると、ビューファインダマスクユニット209も、互いに離隔配置された第2の対のローラ215間で巻き付けられるとともに展開される可撓ベルトになっている。(これらの特徴は、図15における破線で示されている。)ビューファインダマスクユニット209は、支持構造213により相互に接合された3つのマスク211a,211b,211cを有する。マスク211は、上述のように、対応するシェーディングスクリーン154のデジタル補正を示す。各マスク211は、ビューファインダに対して位置決めされている(ビューファインダトンネル131は、図15における破線で示されている)。
【0117】
ビューファインダマスクユニット209及びスクリーナ153は、ノブ208bがカメラ12の本体74の外側に露出した形態で、スクリーンドライバ208により同時に動かされる。ノブ208bは、ギア列216(図15に示される。ノブからギア列へ延びたシャフトは、図16にて破線の円218で示されている。)によりローラ210,215に対して連結されている。ステーション204からステーション204へのスクリーナ154の動作は、ノブ208bを1/4回転を回転させることが必要となるように連動している。移動止め220は、スクリーナ154を、各ステーション204にて保持する。第1のスクリーナ位置では、露出開口は、透明支持構造155のみにより覆われている。他の3つのスクリーナ位置では、シェーディングスクリーン154a,154b、及びフィルタ16が、それぞれ露出開口上に位置する。第1のスクリーナ位置では、ファインダは覆われていない。他の3つのスクリーナ位置では、マスク211a,211b,211cが、それぞれファインダ上に位置する。
【0118】
図16における移動止め220は、カメラ本体74に対して一端が固定された板バネである。移動止めの突起が、ノブ208b上の一連の係合部222の一つと係合する。各係合部222は、スクリーナ153をそれぞれのステーション204に位置させるように、配置されている。対応するデジタル補正を特定する印224は、それぞれの係合部222に隣接している。
【0119】
特定の移動止め220は、スクリーナ153を特定のステーション204に保持しようとするバイアス部材の形態である図16に示された形状をとっていてもよく、その代わりに、初期インパルスに応じてスクリーナ153をステーション204からステーション204へと駆動するオーバーセンタ機構(over−center mechanism)であってもよい。このような機構及びあらゆる形態における種々の移動止め220は、当業者に周知のものである。移動止め220の効果は、スクリーナの小さな動きを抑止又は阻止することにより、スクリーナの動作を、ステーション204からステーション204へと段階的にすることである。移動止めは、スクリーナ153、又はマスクユニット209、又はドライブ208上というように、便利なところならどこにでも配置可能である。
【0120】
図示されたカメラ12は、マニュアルのスクリーンドライバ208に対応している。その代わりに、自動化されたスクリーンドライバ208が、設けられてもよい。例えば、スクリーナ153は、コントロールユニットにより制御されるステッパモータ等(図示せず)により駆動されてもよい。その場合、適切なプログラミングにより、移動止めが提供されてもよい。
【0121】
図19乃至図24に、他のシェーディングスクリーンのいくつかの代替例(ハッチング領域により示される)、及び走査されたイメージに対するそれぞれのデジタル補正(破線により示される)を示す。図19では、シェーディングスクリーン154が、潜像の左上隅をクリッピングしている。それに対応する補正は、擬似パノラマ最終イメージである。図20では、シェーディングスクリーン154が、潜像の右上隅をクリッピングしており、それに対応する補正は、擬似望遠イメージである。図21では、左上隅のより広い部分が、シェーディングスクリーン154によりクリッピングされており、イメージは、補正において、デジタルで第1の範囲まで拡大される。図22では、左上隅のさらに大きな部分がクリッピングされており、補正によりなされる拡大の倍率が図21の場合よりも大きくなっている。図23では、潜像の4隅全てがシェーディングされている。補正が図21の場合と同じ拡大倍率を与えるため、このようなイメージのクリッピングが、最終イメージに干渉することはない。図24では、潜像の4隅が、さらにクリッピングされている。その拡大倍率は、図22の場合と同じである。
【0122】
図5、図6及び図25乃至図33を参照すると、図6のカメラ12の変形例は、上述のカメラ12と同様の一般的な特徴を有する。カメラ12は、シェル76及び該シェル76内に取り付けられたカメラフレーム78がある本体74を有する。本体74は、他の構成要素に対して構造的な支持を提供する。シェル76には、フロント及びリアカバー80,81が含まれている。図示された実施形態では、シェル76は、対向する一対のカバー80,81を有する。
【0123】
カメラ12は、フィルムホルダ70、該フィルムホルダ70に対して位置決めされた露出システム72、及び該露出システム72により規定された光路内に挿入されたシェーディングスクリーン154を有する。フィルムホルダ70は、図示された実施形態ではフレーム78の一部であり、露出開口170を取り囲んだ露出フレーム132を有する。フィルムユニット14は、フィルムホルダ70内に保持される。
【0124】
露出システム72は、本体74内に取り付けられている。露出システム72は、光軸140のある撮影レンズ100を有する。写真撮影時に、撮影レンズ100は、場面のイメージを、撮影レンズ100及びバッフル86を通じて、露出開口170へと伝達する。露出システム72は、フレーム78に対して取り付けられているか、あるいは、フレームとカバー80,81との間に保持されている。露出システム72には、撮影レンズ及びシャッタアセンブリ88、フィルム給送ユニット90、ビューファインダユニット94、並びにフラッシュユニット96を有する。
【0125】
スクリーナ226は、本体74内に取り付けられている。スクリーナ226は、露出フレーム132に対して、回転軸254を中心として回転可能である(図26にて“+”で示される)。スクリーナ226は、第1の位置と1つ以上の第2の位置との間で回転する。露出フレーム132に対するスクリーナ226の別々の回転角度に、別々の位置及びステーションが配置されている。スクリーナ226の動作を、相隣接するステーション間の離散的なステップへと制限するのに役立てるために、移動止めが、上述の場合と同様に設けられてもよい。
【0126】
スクリーナ226は、通過する光を遮断又はフィルタ処理するシェーディングスクリーン154を有する。シェーディングは、シェーディングスクリーン154に渡って均質又は不均質であってもよい。シェーディングスクリーン154は、不透明であってもよい。この場合、シェーディングにより、全ての光が実質的に遮断される。また、シェーディングは、シャドーイングとも称される。また、シェーディングスクリーン154はフィルタであってもよく、その場合には、シェーディングはフィルタ処理とも称される。フィルタは、均質であってもよく、所定のパターンにより不均質であってもよい。シェーディングスクリーン154は、フィルタ処理の領域とシャドーイングの領域との組み合わせを有していてもよい。第2の位置の各々において、シェーディングスクリーン154は、露出開口170を部分的に被覆し、伝達されてきた光像の一部をシェーディングする。
【0127】
図25乃至図34のカメラ12では、スクリーナ226は、露出フレーム132に隣接している。スクリーナ226は、図7に示されたフィルタ16の位置のような、光路内の他の場所に配置されてもよい。スクリーナ226は、特定の位置について、必要に応じてサイズ変更されてもよい。
【0128】
図26を参照すると、これらの実施形態では、シェーディングスクリーンは、円の一部のような形状であり、参照番号154dで示される。スクリーナ153には、シェーディングスクリーン154d、及び1つ以上のリング部の形状をとる支持構造が含まれている。
【0129】
各シェーディングスクリーン154dは、弓形部232及び接続部234のある境界230を有する。弓形部232は、一対の互いに対向する端部236を有する。接続部234は、弓形部232の端部236間に延びている。図28では、接続部234は、直線状であり、円の弦を規定している。接続部234は、他の形状(図示せず)、例えば鋸歯状又は階段状であってもよい。このような形状の接続部23は、カメラの種類、あるいは、近接した回転位置をよりよく識別するため等、追加の符号情報を提供するために使用可能である。
【0130】
シェーディングスクリーン154dは、1つ以上のリング部に接合している。この応用例では、“近リング部228a”なる用語は、シェーディングスクリーンの境界における弓形部232に対して径方向に固定されたリング部を指すのに用いられている。“遠リング部228b”なる用語は、シェーディングスクリーン154の弓形部232における端部236にて、死角の末端へと、あるいは、弓形部232における反対側の端部に回帰する弓形へと、外方へ延びたリング部を指すのに用いられている。リング部228は、完全な円又は弧を形成していてもよい。露出開口170は、シェーディングスクリーンの後方にあり、リング部228が、露出開口170をシェーディングすることがないように、リング部228内に適合するようなサイズになっている。
【0131】
スクリーナ226のリング部228の径方向における全範囲は、当該スクリーナ226のための利用可能な第1又は第2の位置により決定されている。図28乃至図31に示された実施形態では、スクリーナ226は、利用可能な位置の全てに到達するように、少なくとも180°回転する必要がある。この場合、双方向に360°回転動作可能にすると便利である。この実施形態では、近リング部228aは、シェーディングスクリーン154dの境界230の弓形部232に沿って延びており、遠リング部228bは、近リング部228aの端部に接合している。近リング部及び遠リング部228は、ともに、連続したリングを定義している。
【0132】
スクリーナ226は、近リング部228a又は遠リング部228bまでに制限されてもよい。また、近リング部及び遠リング部228の角度範囲は、180°未満であってもよい。これらの場合、スクリーナ226の回転は同様に制限される。
【0133】
スクリーナドライバ238は、リング部228に作用して、スクリーナを回転軸の周りに回転させる。図示された実施形態では、リング部228はリングギアの一部であり、その歯(図示せず)は、リング部228の外周面240上に位置している。スクリーナドライバ238は、リング部228の歯とかみ合う駆動ギア242を有する。駆動ギア242に連結したシャフトは、スクリーナ226をそれぞれの位置に移動させるためにユーザが操作する外部装着ノブ246へと、シェル76を通じて延びている。ギア列(図示せず)が、シェーディングスクリーン駆動ギア242の位置に用いられてもよい。
【0134】
その代わりに、スクリーナ226は、カメラ本体74から外部に露出したリング部228の1つの長さを有していてもよい(例えば30°の長さ)。その場合、ユーザは、スクリーナ226を直接回転させることができる。この手法では、部品が少数しかないが、必要なライトロック機構は、比較的複雑になりやすい。
【0135】
カメラには、スクリーナと同時に駆動されるビューファインダマスクユニット209が、含まれている。一例が、図25乃至図26に示されている。この場合、マスクユニットは、中心に対して径方向の別々の位置に配置されたマスク211の組を有する薄いディスクである(図示せず)。マスク211は、支持構造213により接続されている。図25乃至図26に示された実施形態では、支持構造213は透明である。マスク211は、予期されるデジタル処理後の最終イメージには現れないビューファインダの部分をフィルタ処理又はシャドーイングする。マスクユニット209は、リアカバー81と外側パネル227との間のくぼみ225内に保持されており、駆動ギア242とかみ合うギア列216により動作する。
【0136】
スクリーナドライバ238は、上述のスクリーンドライバ208と同様、当業者に既知の様式で変更されうる。例えば、ギアを摩擦車で置き換えることができる。同様に、スクリーナドライバ238は、電気モータにより動力供給されてもよい。例えば、スクリーナドライバ238は、制御ユニット56により制御されるステッパモータで駆動されてもよい。ユーザは、スクリーナドライバ238を、カメラ12内のプログラム可能なコンピュータを通じてモータに接続したスイッチ又はユーザ操作部により操作可能である。電気的に駆動されるスクリーナ226の正確な位置決めは、ズームレンズの位置決めと同様になされうる。例えば、ステッパモータが使用されてもよく、あるいはその代わりに、特定の位置に達したことを示すのに、フィードバックが用いられてもよい。ロータリエンコーダに連結した摩擦ディスク又はギアは、フィードバックを提供するためにコードプレート(図示せず)等を有していてもよい。
【0137】
図28乃至図31及び図34乃至図35を参照すると、スクリーナ226は、ガイド202により所定の位置に保持される。ガイド202は、スクリーナ226を、スクリーナドライバ238が当該スクリーナ226を回転させるのに充分なくらいに緩く保持している。ガイドは、リング部又は部分228にのみ当接することが好ましい。当接する領域は、小さな弓形であるか、あるいは、スクリーナ226の全曲線の範囲に渡っていてもよい。
【0138】
図25乃至26に示される実施形態では、ガイド202は、バッフル86内のスロットであり、スクリーナ226は、そのスロット内で回転する。図28乃至図31の実施形態では、ガイド202は、カメラ12のフレーム内の連続した円形状の溝である。図34乃至図35に示された実施形態では、横に延びて対向する一対のフランジ248が、バッフル86に接合している。一対のスロット250が、フランジ248、露出フレーム132の左右の端部252、及びフィルムチャンバ128,130の介在部分により定義されている。左右の端部及びフランジ248は、スロットに隣接する平行隣接面を有する。それらの面及びチャンバ128,130の部分の面は、ガイド202になっている。スクリーナ226は、スロット250内に収容される。スクリーナ226は、露出フレーム132の上方及び下方でガイド202から自由になっている。
【0139】
特定の実施形態では、シェーディングスクリーン154dは、その第1の位置にある場合に、露出開口170から径方向にオフセットしている。このことは、図28に示されている。ユーザがノブ246を操作することにより、シェーディングスクリーン154dが回転すると、露出フレーム132及び結果としてフィルム上に取り込まれる潜像における別の部分がクリッピングされる。図27に示されたフィルムにおける左から右への4つの現像済フレームは、それぞれ、図28乃至図31に示されたシェーディングスクリーン154dの部分に対応している。シェーディングは、ハッチング領域256により示されている。それぞれのデジタル補正は、変更なし、第1の擬似ズーム、擬似パノラマ、及び第2の別の擬似ズームである。これら特定の補正及びそれぞれのシェーディングスクリーン位置では、シェーディングスクリーン154dは、最終イメージに影響することなく、不透明であってもよく、フィルタ処理がなされるものであってもよい。
【0140】
図28に示された第1の位置は、スクリーナ226が第1の位置と第2の位置との間を移動する場合に、スクリーナ226の回転軸を、光軸140に対して位置決めされた位置からオフセット位置へと移動させることにより得られる。例えば、図28乃至図31のスクリーナ226及びガイド202は、露出フレーム132と平行な平面内で平行移動するように、取り付けられてもよい。その場合、シェーディングが必要であれば、シェーディングスクリーン154は露出フレーム132上で中心が位置決めされてもよく、シェーディングが必要でなければ離反されてもよい。
【0141】
但し、スクリーナ226の回転軸は、カメラ内の所定の位置に決められていることが望ましい。その場合、スクリーナ226の回転軸は、光軸140と平行にオフセットしている。シェーディング部分のサイズは、第1の位置においてシェーディング部分が露出開口170から離隔するようになっていてもよく、また露出開口170及び露出フレーム132の両者から離隔するようになっていてもよい。
【0142】
図32乃至図33を参照すると、カメラ12は、独立して動作可能であるか、あるいは、光軸140を基準として連携して動作可能な2つのスクリーナ226を有していてもよい。図32に、共通のスクリーナドライバ238により連動する2つのスクリーナ226を示す。図33に、各々が独立したスクリーナドライバ238により動作する2つのスクリーナ226を示す。前側スクリーナ226a及び後側スクリーナ226bは、いずれも、共通の回転軸に対して位置決めされている。スクリーナ226は、重複しないように構成されてもよい。図32に、前側スクリーナ226aよりも径方向に大きい後側スクリーナ226bを示す。後側スクリーナ226bのシェーディングスクリーン154dは、この結果がもたらされるように、径方向に範囲制限されていてもよい。また、シェーディングスクリーン154dは、2つのシェーディングスクリーン154dが重複しないように、角度の大きさ及び/又は回転についても制限されていてもよい。その代わりに、図33に示されるように、2つのシェーディングスクリーン154dのシェーディング部分は、両者の効果が各シェーディングスクリーン154dの異なった部分の全て又は少なくとも一部で識別可能であるように整合するように選択されてもよい。例えば、あるシェーディング部分が赤のフィルタであって、他の部分が青のフィルタであってもよい。
【0143】
図39乃至図41に、他のカメラを示す。この場合、スクリーナ153は、支持構造155により保持された1つのシェーディングスクリーン154を有する。シェーディングスクリーン153は、フィルタと同様に、撮影レンズ100の外側に配置されている。シェーディングスクリーン154は、透明又は孔の開いた中央領域と、不透明又はフィルタ処理をする外側領域258とを有する。支持構造155には、ノーズ262又はカメラのレンズ鏡胴(図示せず)と重複したカウル260が含まれている。カウル(cowl)260は、該カウル260及びシェーディングスクリーン154を光軸140に沿って内側及び外側へ動作させる駆動部264に対して接合されている。その動作は、回転することなく軸方向にのみであってもよく、あるいは、シェーディングスクリーン153が、軸方向及び光軸を中心とした回転方向の双方に動作可能であってもよい。図示された実施形態では、カウル260の非回転部分265及びノーズ262、又はキー及びキー溝(図示せず)が、動作中にスクリーナ153が回転しないようにしている。
【0144】
第1の位置では、図39に示されるように、シェーディングスクリーンは、撮影レンズ100の光路から離隔している。図40に、シェーディングが存在するスクリーナの他の部分を示す。別のシェーディング位置が、移動止めにより、あるいは単にカメラ本体74のシェル76に対してカウル260にマークされた位置(図示せず)により、与えられてもよい。支持構造155の駆動部264は、カウル260及びシェーディングスクリーン153を動作させるようになっている。図示された実施形態では、ノーズ262及びカウル260は、円筒状である。また、駆動部264も円筒状であり、カウル260及び駆動部264は、ノーズ262の外周面に密接している。駆動部264は、本体74の内部にある。カウル260は、シェーディングスクリーン153の位置に応じて、それぞれの長さに外方へ突出している。駆動部264は、駆動シリンダ270のカム268を受容する溝266を有する。駆動シリンダ270は、駆動部264を取り巻いており、カメラフレーム78とフロントカバー80との間に閉じ込められている。駆動シリンダ270は、フロントカバー80における三日月型の開口274を貫いて突出したノブ272を有する。ユーザが開口274内でノブ272を回動させると、カム268は、駆動部264に力を加えて、駆動部264を直線的にカメラ外へと移動させる。
【0145】
スクリーナ153は、他の方法で動作するように変更されてもよい。例えば、シェーディングスクリーン154が本体74に対して回転及び軸方向動作可能となるように、逆ネジの山(図示せず)が用いられてもよい。同様に、スクリーナ153は、ノーズ262又は本体74他の部分に接してスライドする単純なチューブ状の支持構造155を有していてもよい。
【0146】
特定の実施形態では、フォトフィニッシングユニットは、キオスク、又はユーザディスプレイを有する他の現像ユニットである。この場合、フォトフィニッシングユニットは、フィルムユニットがデジタル化された後に、手動又は自動で、フィルタ効果又は符号パターン又は両者を検出可能である。手動の検出は、選択されたデジタルイメージに限定されうる。フィルタ効果又は符号パターンが検出されると、フォトフィニッシングユニットは、予め割り当てられたデジタル補正、又は予め割り当てられたデジタル補正を含む全てのデジタル補正を表示可能である。後者の場合、予め割り当てられたデジタル補正が、ハイライトされるか、あるいは、別の方法でユーザに対して明らかにされる。そして、フォトフィニッシングユニットは、ユーザの入力を、予め設定されたボタン等により受付可能であり、予め割り当てられたデジタル補正を受け入れるか、あるいは拒絶するか、そして、オプションとしては、他の補正の一つを指定することになる。
〔本発明の実施形態〕
1.写真方法であって、取込済のイメージの組が部分シェーディング符号を有する符号化された取込済のイメージを含むことを決定し、前記部分シェーディング符号は所定のエッジパターンを有し、前記部分シェーディング符号は前記イメージにおける所定のサブエリア内に配置される、
複数の画素を有するデジタルイメージを提供するために前記の符号化された取込済のイメージをデジタル化し、
複数のテンプレート配置メトリックを提供するために前記エッジパターンの複数の画素テンプレート及び前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、前記各画素テンプレートは同一の形状を有し、前記各画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置される、
前記テンプレート配置メトリックの最高値と前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較する、
ステップを有することを特徴とする写真方法。
【0147】
2.前記テンプレート配置メトリックの最高値が前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、前記デジタルイメージを予め選択されたデジタル補正でデジタル補正することを、さらに有する項1に記載の方法。
【0148】
3.前記デジタル補正に引き続き、前記デジタルイメージから最終イメージをプリントすることを、さらに有する項2に記載の方法。
【0149】
4.前記テンプレート配置メトリックの最高値が前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致しない場合、前記デジタルイメージを再現イメージとして保持することを、さらに有する項2に記載の方法。
【0150】
5.前記デジタル補正は、前記デジタルイメージをカラーからモノクロへと変換するものである項2に記載の方法。
【0151】
6.前記画素テンプレートは、相互に回転される項1に記載の方法。
【0152】
7.前記テンプレート配置メトリックの最高値が前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、前記サブエリア内のフィルタ効果を検出し、
前記エッジパターンに応じて、前記フィルタ効果に対して予め割り当てられたデジタル補正で、前記デジタルイメージをデジタル補正する、
ステップをさらに有する項1に記載の方法。
【0153】
8.前記検出ステップは、前記サブエリアにおける前記画素の少なくともいくつかのカラー値を自動的に解析することを、さらに有する項7に記載の方法。
【0154】
9.前記解析ステップは、前記デジタルイメージを、各画素について少なくとも1つの輝度画素値及び少なくとも2つのクロミナンス画素値を有する輝度−クロミナンス再現へと変換し、前記クロミナンス画素値から予測クロミナンスパラメータを算出し、前記予測クロミナンスパラメータと所定のフィルタ効果の基準クロミナンスパラメータとを比較する、ステップをさらに有する項8に記載の方法。
【0155】
10.前記基準クロミナンスパラメータは、前記クロミナンス画素値の相加平均である項9に記載の方法。
【0156】
11.前記基準クロミナンスパラメータは、最高輝度の輝度画素値を有する前記イメージの画素の1つのクロミナンス画素値の相加平均である項9に記載の方法。
【0157】
12.前記比較は前記予測クロミナンスパラメータと第1及び第2の前記予測クロミナンスパラメータとを比較するものであり、前記第1の予測クロミナンスパラメータは前記クロミナンス画素値の相加平均として算出されるものであり、前記第2の予測クロミナンスパラメータは最高輝度の輝度画素値を有する前記イメージの画素の個々のものに対応した前記クロミナンス画素値の相加平均として算出されるものである項9に記載の方法。
【0158】
13.前記解析ステップは、前記画素のサンプリングのカラー配置を前記カラーキャストの基準カラー配置と比較し、前記サンプリングの前記画素が前記基準カラー配置と一致した場合、前記デジタルイメージを前記フィルタ効果を有するものとして示す、ステップをさらに有する項7に記載の方法。
【0159】
14.各前記画素の前記カラー値は独立したRGB画素値であり、前記比較は、前記各RGB画素値を所定のRGB基準値と関連づけることをさらに有する項13に記載の方法。
【0160】
15.前記検出ステップは、前記電子イメージをオペレータに表示し、前記フィルタ効果を指定するオペレータの入力を受け付けることとを、さらに有する項7に記載の方法。
【0161】
16.前記決定ステップは、識別子を読み取ることをさらに有する項1に記載の方法。
【0162】
17.前記識別子は、カートリッジIDである項1に記載の方法。
【0163】
18.写真方法であって、取込済のイメージの組が所定の部分シェーディング符号の組の任意の1つを有する1つ以上のイメージを含むことを決定し、各前記部分シェーディング符号は所定のエッジパターンを有し、前記部分シェーディング符号は前記イメージにおける所定のサブエリア内に配置され、
複数の画素を有するデジタルイメージを提供するために前記の取込済のイメージをデジタル化し、
複数のテンプレート配置メトリックを提供するために第1の前記部分シェーディング符号の前記エッジパターンの複数の画素テンプレート及び第1の前記デジタルイメージ前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、前記各画素テンプレートは同一の形状を有し、各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、
前記テンプレート配置メトリックの最高値と前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較する、
ステップを有することを特徴とする写真方法。
【0164】
19.第1の前記部分シェーディング符号のところで、前記部分シェーディング符号の他のものについて、前記畳込むステップ及び前記比較ステップを繰り返すことを、さらに有する項18に記載の方法。
【0165】
20.前記比較ステップの1つの前記最高のテンプレート配置メトリックがそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致するまで、前記の繰り返しを継続することを、さらに有する項19に記載の方法。
【0166】
21.前記最高のテンプレート配置メトリックがそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、前記デジタルイメージをぞれぞれの前記部分シェーディング符号に対して予め割り当てられたデジタル補正で前記デジタルイメージをデジタル補正することを、さらに有する項20に記載の方法。
【0167】
22.前記デジタル補正に引き続き、前記デジタルイメージから最終イメージをプリントすることを、さらに有する項21に記載の方法。
【0168】
23.前記テンプレート配置メトリックの最高値全てがそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致しない場合、前記デジタルイメージを再現イメージとして保持することを、さらに有する項21に記載の方法。
【0169】
24.前記取込済のイメージの残りについて、前記の畳込むステップ、比較ステップ、繰り返すステップ、継続ステップ、デジタル補正ステップ及び保持ステップを繰り返すことを、さらに有する項23に記載の方法。
【0170】
25.前記デジタル化に引き続き前記デジタルイメージの1つ以上を表示し、前記デジタル補正の1つ以上を特定する印を表示し、前記第1の前記部分シェーディング符号及び前記第1の前記デジタルイメージを指定するユーザの入力を受け付ける、ステップをさらに有する項18に記載の方法。
【0171】
26.前記畳込むステップ及び比較するステップに引き続き、前記エッジパターンに対して予め割り当てられた前記デジタル補正の前記1つを特定することを、さらに有する項25に記載の方法。
【0172】
27.フォトフィニッシングユニットであって、一連のデジタルイメージを提供するためにフィルムユニット群のフィルムストリップ上の一連の取込済のイメージをデジタル化するデジタイザと、
前記電子イメージを受けデジタル実行エンジンであって、前記デジタル実行エンジンは、前記シェーディングパターンが付けられた光像に対応した前記デジタルイメージを、前記シェーディングスクリーンの第2の位置に対して予め割り当てられた補正に応じて、自動的にデジタル処理することを含むデジタル実行エンジンと、
を有することを特徴とするフォトフィニッシングユニット。
【0173】
28.各前記デジタルイメージは複数の画素を有し、前記デジタル処理は、テンプレート配置メトリックの1つ以上の組を提供するために画素テンプレートの組の1つ以上の画素テンプレート及び前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、前記の画素テンプレートの各組はそれぞれのエッジパターンと関連づけられ、それぞれの前記組における各前記画素テンプレートは同一の形状を有し、それぞれの前記組における各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、前記各組の前記テンプレート配置メトリックの最高値とそれぞれの前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較し、前記テンプレート配置メトリックの最高値がそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、それぞれの前記デジタルイメージをそれぞれのエッジパターンに対して予め割り当てられたデジタル補正でデジタル補正する、ステップをさらに有する項27に記載のフォトフィニッシングユニット。
【0174】
29.写真システムであって、
複数のカメラと、その各々が、
本体と、
露出開口を取り巻く露出フレームを有するフィルムホルダと、
前記本体に装着され、光軸を有し、場面のイメージを前記露出開口を通じて伝達する撮影レンズ系と、
使用位置にて、前記露出フレームを部分的にシェーディングするシェーディングスクリーンと、
前記フィルムホルダ内に着脱可能に配置され、複数の潜像を有し、前記潜像の少なくとも1つが前記シェーディングに応じた符号パターンを有するフィルムユニットとを含み
フォトフィニッシングユニットと、それが、
前記保存用のイメージから一連のデジタルイメージを提供し且つ前記電子イメージを送出するために前記フィルムストリップをディジタル化するデジタイザと、
前記電子イメージを受け、前記符号パターンの存在を決定し且つ前記符号パターンに対して予め割り当てられた補正に応じて前記符号パターンを有する前記光像を変更するために前記デジタルイメージを自動的にデジタル処理するデジタル実行エンジンとを含み
を有することを特徴とする写真システム。
【0175】
30.各前記デジタルイメージは複数の画素を有し、前記デジタル処理は、テンプレート配置メトリックの1つ以上の組を提供するために画素テンプレートの組の1つ以上の画素テンプレート及び前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、前記画素テンプレートの各組はそれぞれのエッジパターンと関連づけられ、それぞれの前記組における各前記画素テンプレートは同一の形状を有し、それぞれの前記組における各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、前記各組の前記テンプレート配置メトリックの最高値とそれぞれの前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較し、前記テンプレート配置メトリックの最高値がそれぞれの前記閾値テンプレート配置メトリック値と一致した場合、それぞれの前記デジタルイメージをそれぞれのエッジパターンに対して予め割り当てられたデジタル補正でデジタル補正する、ステップをさらに有する項29に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】フィルタ符号化されたイメージについての処理が示されている、本方法に係わる一実施形態の概略図である。
【図2】図1の方法による非フィルタ処理イメージの処理の概略図である。
【図3】図1の方法の変形例を用いたフィルタ符号化されたイメージの処理の概略図である。
【図4】写真撮影システムの一実施形態の概略図である。
【図5】カメラのそれ以外の部分から取り外されたフィルタが示されている、図4のシステムで使用可能なカメラの正面斜視図である。
【図6】図5のカメラの分解組立斜視図である。
【図7】フィルタが実線で示され、フィルタの代替位置が破線で示されている、撮影レンズの光路に沿った図5のカメラの変形例の部分断面図である。
【図8】切換可能な符号フィルタを有するカメラの斜視図である。
【図9】カメラの他の実施形態における符号フィルタ処理された露出開口の概略図である。
【図10】カメラのさらに別の実施形態における符号フィルタ処理された露出開口の概略図である。
【図11】第1及び第2のスクリーナが所定の位置に示されている、シェーディングされたアウトライン符号を有するカメラの一実施形態の概略図である。
【図12】第1及び第2のスクリーナが所定の位置に示されている、シェーディングされたアウトライン符号を有するカメラの一実施形態の概略図である。
【図13】第1及び第2のスクリーナが所定の位置に示されている、シェーディングされたアウトライン符号を有するカメラの一実施形態の概略図である。
【図14】第1及び第2のスクリーナが所定の位置に示されている、シェーディングされたアウトライン符号を有するカメラの一実施形態の概略図である。
【図15】図11乃至図14のカメラの変形例の概略図である。
【図16】図15のカメラの部分平面図であり、制御ノブを示す図である。
【図17】図15のカメラのスクリーナの側面図である。
【図18】図15のカメラのファインダマスクの側面図である。
【図19】カメラの他の実施形態のシェーディングされたアウトライン符号の露出開口の概略図である。
【図20】図19とは別々のシェーディングスクリーン配置になっている、カメラの他の実施形態のシェーディングされたアウトライン符号の露出開口の概略図である。
【図21】カメラの他の実施形態の同様の図である。
【図22】カメラの他の実施形態の同様の図である。
【図23】カメラのさらに別の実施形態の同様の図である。
【図24】カメラのさらに別の実施形態の同様の図である。
【図25】図6と同様の図における図6のカメラの変形例のいくつかの部品の斜視図である。
【図26】実線はファインダ及びファインダスクリーナの位置を示し、破線は露出フレーム、スクリーナ及びスクリーンドライバの一部を示している、図25のカメラの後面の概略図である。
【図27】4つのフィルムフレームが示され、後の3つにはそれぞれ異なるようにシェーディングされたアウトライン符号がある、図24のカメラからの現像済のフィルムストリップの概略図である。
【図28】図25及び26のカメラの後面概略図であり、図27に示された4つのフィルムフレーム(左から右へ)に対応した4つの異なる配置での第2のスクリーナを示している図である(理解しやすいように、カメラの特徴のほとんどは、ファインダスクリーナも含めて、図示されていない)。
【図29】図25及び26のカメラの後面概略図であり、図27に示された4つのフィルムフレーム(左から右へ)に対応した4つの異なる配置での第2のスクリーナを示している図である(理解しやすいように、カメラの特徴のほとんどは、ファインダスクリーナも含めて、図示されていない)。
【図30】図25及び26のカメラの後面概略図であり、図27に示された4つのフィルムフレーム(左から右へ)に対応した4つの異なる配置での第2のスクリーナを示している図である(理解しやすいように、カメラの特徴のほとんどは、ファインダスクリーナも含めて、図示されていない)。
【図31】図25及び26のカメラの後面概略図であり、図27に示された4つのフィルムフレーム(左から右へ)に対応した4つの異なる配置での第2のスクリーナを示している図である(理解しやすいように、カメラの特徴のほとんどは、ファインダスクリーナも含めて、図示されていない)。
【図32】両スクリーナが図示されている、図28乃至図31のカメラの概略断面図である。
【図33】第1のスクリーナは図示されていない、変形例のカメラにおける図32と同様の図である。
【図34】図28乃至図31のカメラの変形例の後面概略図である。
【図35】図34のカメラの概略断面図である。
【図36】符号フィルタを用いずに撮影されたクロミナンス画素データについてのクロミナンス空間を示すグラフである。画素データは、任意の自然の景色である。
【図37】図36と同じ場面について、選択されたカラー符号フィルタを伴って撮影されたクロミナンス画素データについてのクロミナンス空間を示すグラフである。
【図38】図37のカラー符号フィルタについて算出されたカラー配置を表したクロミナンス空間を示すグラフである。
【図39】撮影レンズの光路から離隔した第1の位置にあるシェーディングスクリーンが示されている、カメラの他の実施形態の概略断面図である。
【図40】シェーディングスクリーンは、撮影レンズを通じて伝播する光像を部分的にシェーディングする第2の位置にある、図39と同様の図である。
【図41】図39のカメラの斜視図である。
【符号の説明】
【0177】
12…カメラ
14…フィルムユニット
16…符号フィルタ
23…デジタル実行エンジン
70…フィルムホルダ
74…本体
100…撮影レンズ系
154…シューディングスクリーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
写真方法であって、
取込済のイメージの組が部分シェーディング符号を有する符号化された取込済のイメージを含むことを決定し、前記部分シェーディング符号は所定のエッジパターンを有し、前記部分シェーディング符号は前記イメージにおける所定のサブエリア内に配置され、
前記の符号化された取込済のイメージをデジタル化して、複数の画素を有するデジタルイメージを提供し、
複数のテンプレート配置メトリックを提供するために前記エッジパターンの複数の画素テンプレート及び前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込み、各前記画素テンプレートは同一の形状を有し、各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、
前記テンプレート配置メトリックの最高値と前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較する、
ステップ有することを特徴とする写真方法。
【請求項2】
写真方法であって、
取込済のイメージの組が所定の部分シェーディング符号の組の任意の1つを有する1つ以上のイメージを含むことを決定し、各前記部分シェーディング符号は所定のエッジパターンを有し、前記部分シェーディング符号は前記イメージにおける所定のサブエリア内に配置され、
前記の取込済のイメージをデジタル化して、複数の画素を有するデジタルイメージを提供し、
複数のテンプレート配置メトリックを提供するために第1の前記部分シェーディング符号の前記エッジパターンの複数の画素テンプレート及び第1の前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、各前記画素テンプレートは同一の形状を有し、各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、
前記テンプレート配置メトリックの最高値と前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較する、
ステップ有することを特徴とする写真方法。
【請求項3】
フォトフィニッシングユニットであって、
一連のデジタルイメージを提供するためにフィルムユニット群のフィルムストリップ上の一連の取込済のイメージをデジタル化するデジタイザと、
その電子イメージを取得するデジタル実行エンジンであって、前記デジタル実行エンジンは、シェーディングパターンが付けられた光像に対応した前記デジタルイメージを、シェーディングスクリーンの第2の位置に対して予め割り当てられた補正に応じて、自動的にデジタル処理することを含むデジタル実行エンジンと、
を有することを特徴とするフォトフィニッシングユニット。
【請求項4】
写真システムであって、
複数のカメラと、その各々が、
本体と、
露出開口を取り巻く露出フレームを有するフィルムホルダと、
前記本体に装着され、光軸を有し、場面のイメージを前記露出開口を通じて伝達する撮影レンズ系と、
使用位置にて、前記露出フレームを部分的にシェーディングするシェーディングスクリーンと、
前記フィルムホルダ内に着脱可能に配置され、複数の潜像を有し、前記潜像の少なくとも1つが前記シェーディングに応じた符号パターンを有するフィルムユニットとを含み、
フォトフィニッシングユニットと、それが、
保存用のイメージから一連のデジタルイメージを提供し且つその電子イメージを送出するために前記フィルムストリップをデジタル化するデジタイザと、
前記電子イメージを受け、前記符号パターンの存在を決定し且つ前記符号パターンに対して予め割り当てられた補正に応じて前記符号パターンを有する前記光像を変更するために前記デジタルイメージを自動的にデジタル処理するデジタル実行エンジンとを含み、
を有することを特徴とする写真システム。
【請求項1】
写真方法であって、
取込済のイメージの組が部分シェーディング符号を有する符号化された取込済のイメージを含むことを決定し、前記部分シェーディング符号は所定のエッジパターンを有し、前記部分シェーディング符号は前記イメージにおける所定のサブエリア内に配置され、
前記の符号化された取込済のイメージをデジタル化して、複数の画素を有するデジタルイメージを提供し、
複数のテンプレート配置メトリックを提供するために前記エッジパターンの複数の画素テンプレート及び前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込み、各前記画素テンプレートは同一の形状を有し、各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、
前記テンプレート配置メトリックの最高値と前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較する、
ステップ有することを特徴とする写真方法。
【請求項2】
写真方法であって、
取込済のイメージの組が所定の部分シェーディング符号の組の任意の1つを有する1つ以上のイメージを含むことを決定し、各前記部分シェーディング符号は所定のエッジパターンを有し、前記部分シェーディング符号は前記イメージにおける所定のサブエリア内に配置され、
前記の取込済のイメージをデジタル化して、複数の画素を有するデジタルイメージを提供し、
複数のテンプレート配置メトリックを提供するために第1の前記部分シェーディング符号の前記エッジパターンの複数の画素テンプレート及び第1の前記デジタルイメージの前記サブエリア内の前記画素を畳込んで、各前記画素テンプレートは同一の形状を有し、各前記画素テンプレートは前記サブエリア内にそれぞれ異なるように配置され、
前記テンプレート配置メトリックの最高値と前記エッジパターンにおける所定の閾値テンプレート配置メトリック値とを比較する、
ステップ有することを特徴とする写真方法。
【請求項3】
フォトフィニッシングユニットであって、
一連のデジタルイメージを提供するためにフィルムユニット群のフィルムストリップ上の一連の取込済のイメージをデジタル化するデジタイザと、
その電子イメージを取得するデジタル実行エンジンであって、前記デジタル実行エンジンは、シェーディングパターンが付けられた光像に対応した前記デジタルイメージを、シェーディングスクリーンの第2の位置に対して予め割り当てられた補正に応じて、自動的にデジタル処理することを含むデジタル実行エンジンと、
を有することを特徴とするフォトフィニッシングユニット。
【請求項4】
写真システムであって、
複数のカメラと、その各々が、
本体と、
露出開口を取り巻く露出フレームを有するフィルムホルダと、
前記本体に装着され、光軸を有し、場面のイメージを前記露出開口を通じて伝達する撮影レンズ系と、
使用位置にて、前記露出フレームを部分的にシェーディングするシェーディングスクリーンと、
前記フィルムホルダ内に着脱可能に配置され、複数の潜像を有し、前記潜像の少なくとも1つが前記シェーディングに応じた符号パターンを有するフィルムユニットとを含み、
フォトフィニッシングユニットと、それが、
保存用のイメージから一連のデジタルイメージを提供し且つその電子イメージを送出するために前記フィルムストリップをデジタル化するデジタイザと、
前記電子イメージを受け、前記符号パターンの存在を決定し且つ前記符号パターンに対して予め割り当てられた補正に応じて前記符号パターンを有する前記光像を変更するために前記デジタルイメージを自動的にデジタル処理するデジタル実行エンジンとを含み、
を有することを特徴とする写真システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図40】
【図41】
【公開番号】特開2004−135349(P2004−135349A)
【公開日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−352380(P2003−352380)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
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