説明

部品位置決め構造

【課題】極めて簡単な構造であって、部品の固定に際して作業者の習熟度に関係なく、高い精度で容易に部品を位置決め可能な部品位置決め構造を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる部品位置決め構造100の代表的な構成は、部品120に設けられ平面110aと対向する所定の端部120aと、部品120に設けられ所定の端部120aに向かって下降するように傾斜した長孔122と、長孔122に挿入されて部品120を回転および摺動可能に支持する支持部材112であって、長孔122の一端から他端までの摺動の間に所定の端部120aが平面110aに接触する位置にある支持部材112と、を備え、重力の作用により部品120が平面110aに接近し、所定の端部120aが平面110aに接触することにより、部品120は平面110aに位置決めされることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品の固定に際して、部品を位置決めするための部品位置決め構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多様な技術が導入され、革新が進んでいる車両等において、個々の部品の組み付け精度の重要性は高まるばかりである。例えば特許文献1には、挿入したボルトが締め付けられることにより第1の部材と第2の部材の相対的な位置関係が傾斜面の滑り合いにより調整され、このボルトの締結により第1の部材(および第2の部材)と螺子合対象部材の相対的な位置関係が調整される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−284910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、部品間の位置決めを正確に行って部品組み付け精度を高める技術は、依然として望まれている。本発明はこのような課題に鑑み、極めて簡単な構造であって、部品の固定に際して作業者の習熟度に関係なく、高い精度で容易に部品を位置決め可能な部品位置決め構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、垂直または傾斜している平面に部品を当接させることによりこの平面にこの部品を位置決めする部品位置決め構造であって、部品に設けられ、平面と対向する所定の端部と、部品に設けられ、所定の端部に向かって下降するように傾斜した長孔と、長孔に挿入されて部品を回転および摺動可能に支持する平面との相対的な位置関係が変わらない支持部材であって、この長孔の一端から他端までの摺動の間に所定の端部が平面に接触する位置にある支持部材と、を備え、重力の作用により部品が平面に接近し、所定の端部がこの平面に接触することにより、この部品はこの平面に位置決めされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、重力の作用によって部品の所定の端部を上記平面に接触させ、部品を位置決めすることができる。作業者は部品の長孔に支持部材を挿入すれば、あとは重力が作用して部品を自動的に位置決めするため、自ら部品を操作したり動かしたりする必要がない。したがって、作業者の習熟度に関係なく容易に部品を位置決めすることができる。また、当該部品位置決め構造は、部品に長孔を設けるという極めて簡単な構造であって、複雑な加工を要せずに実現できる。
【0007】
上記所定の端部は、少なくとも2つの足部を有するとよい。これにより、部品のうち、位置決め先の平面と接触するのは、所定の端部に局所的に設けられた足部のみとなる。所定の端部は、位置決め先の平面に向けられているものの、直接その平面には接触しない。したがって、平面加工精度が要求されるのは、狭小な足部の接触面のみである。部品の所定の端部のように広い面を平面加工するのに比較して、かかる狭小な面の平面加工精度は、プレス加工等で難なく確保可能となる。
【0008】
上記少なくとも2つの足部は、部品を位置決めする際の姿勢において、上端近傍および下端近傍にそれぞれ設けられるとよい。これにより、長孔(支持部材)が足部の間に位置することとなり、位置決め先の平面から離れるように一方の足部に力が働いた際には、位置決め先の平面に接近するように他方の足部に対して力が働くため、より好適に位置決めを行うことができる。
【0009】
上記長孔は、部品の重心からみて、所定の端部の側の上方に設けられるとよい。これにより、足部が安定的に平面と接触するため、より好適に位置合決めすることができる。
【0010】
上記長孔は、部品の重心からみて、所定の端部と反対側の下方に設けられていてもよい。この場合も足部が安定的に平面と接触するため、より好適に位置決めすることができる。
【0011】
上記支持部材は、平面と交差する他の平面から突出していて、部品は、この支持部材を用いてこの他の平面に固定されるとよい。この構成によれば、部品の位置決めに利用した支持部材をそのまま利用して、他の平面に対する部品の固定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態にかかる部品位置決め構造を適用したフランジおよびブラケットを例示する図である。
【図2】長孔の位置について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
(部品位置決め構造)
図1は、本実施形態にかかる部品位置決め構造100を適用したフランジ110およびブラケット120を例示する図である。図1(a)はフランジ110およびブラケット120の斜視図である。図1(b)は、図1(a)において長孔122に支持部材112を挿入した図である。図1(c)は図1(b)の正面図である。以下、部品の例としてブラケット120を例に挙げて説明する。
【0015】
図1(a)〜(c)に例示するように、フランジ110には、ブラケット120と当接する垂直または傾斜した平面(以下、第1平面110aと称する)と、第1平面110aと交差する他の平面(以下、第2平面110bと称する)とが設けられている。そして、第2平面110bから、支持部材112が突出している。ここでの突出とは、フランジ110と一体形成されている場合に限らず、フランジ110を貫通してその先端が突出している場合も包含される。いずれにしても支持部材112はフランジ110に固定されていて、その突出位置から動くことなく、第1平面110aとの相対的な位置が不変である。
【0016】
ブラケット120は、第1平面110aに向けられた所定の端部(以下、端部120aと称する)に向かって下降する傾斜した長孔122を有する。この長孔122には、図1(b)に示すように、上記の支持部材112が挿入される。
【0017】
本実施形態では、ブラケット120の端部120aには2つの足部124a、124bが設けられる。これらの足部124a、124bは、ブラケット120を位置決めする際の姿勢において、端部120aの上端近傍および下端近傍にそれぞれ設けられる。
【0018】
足部124a、124bは、第1平面110aに接触して、ブラケット120の位置決めを行う。そのため、足部124a、124bの第1平面110aと接触する面は、平面加工精度が要求される。
【0019】
一般にプレス加工では、屈曲させた辺の中央部分の曲がりが甘くなる。すなわち、中央部分が浮いてしまう傾向がある。そのため、ブラケット120の端部120a全体を、プレス加工で平面に(平面加工精度を確保)することは困難である。そこで、本実施形態では、上記の足部124a、124bを設けることにより、平面加工精度が要求される部分を足部124a、124bの第1平面110aと接触する面にのみに限定している。これにより、平面加工精度が要求される面が狭小になり、プレス加工等で平面加工精度を難なく確保することができる。
【0020】
支持部材112の突出位置は、ブラケット120の長孔122の一端から他端までの摺動の間で足部124a、124b(端部120a)が第1平面110aに接触するように規定されている。そのため、ブラケット120の長孔122に支持部材112を挿入すると、ブラケット120は長孔122にて支持部材112に支持されながら、重力の作用で第1平面110aに接近するように摺動(回転)する。そして、足部124a、124bが第1平面110aに接触して、ブラケット120が位置決めされる。
【0021】
支持部材112は、螺子切りされていて、ナット130を取り付け可能になっている。すなわち、位置決めに利用した支持部材120をそのまま利用して、第2平面110bに対するブラケット120の固定が可能となる。支持部材112としては、ボルトや螺子などを用いることができる。
【0022】
(長孔の位置)
図2は、長孔122の位置について説明する図である。なお、重心Mの位置は、ブラケット120の形状、足部124a、124bの位置や重さによって当然ながら変動する。
【0023】
図2(a−1)〜(a−4)は、長孔122が、ブラケット120の重心Mからみて端部120aと反対側の上方に設けられる場合(以下、第1象限と称する)を例示している。第1象限に設けられた長孔122に軸となる支持部材112を挿入すると、重力の作用により、図2(a−4)に模式的に示すように、長孔122に沿って落下しようとする力(以下、落下力Fと称する)と、支持部材112を軸として回転しようとする力(以下、回転力Rと称する)とがブラケット120にかかる。図2(a−1)〜(a−4)では支持部材112の左下に重心Mが位置するので、回転力Rは反時計回りにかかる。
【0024】
長孔122に支持部材112を挿入し、図2(a−1)または(a−2)に示す状態から作業者が手を離すと、ブラケット120は落下力Fの作用で第1平面110aに接近するように摺動する。支持部材112は、長孔122の一端から他端までの摺動の間に足部124a、124bが第1平面110aに接触するよう規定されている。
【0025】
図2(a−1)、(a−2)いずれの場合から手を離しても、図2(a−3)に示す第1平面110aに位置決めされた状態となる。すなわち、手を離す際のブラケット120の姿勢を問わず、第1平面110aへの位置決めを遂行可能である。
【0026】
これは、落下力Fの反作用として第1平面110aがブラケット120の足部124aまたは足部124bに及ぼす抗力が、回転力Rより大きいからである。図2(a−1)の場合、第1平面110aが足部124aに及ぼす抗力はブラケット120を時計回りに回転させようとする。一方、回転力Rはブラケット120を反時計回りに回転させようとする。これらの力が対抗した場合、抗力が優勢となり、ブラケット120は時計回りに回転して図2(a−3)の状態となる。
【0027】
なお、図2(a−2)では図2(a−1)のような力の対抗は生じない。落下力Fの反作用として足部124bにかかる抗力も、回転力Rも、ブラケット120を同方向(反時計回り)に回転させようとするからである。したがってこの場合もブラケット120を図2(a−3)の状態にすることができる。
【0028】
図2(b−1)〜(b−4)は、長孔122が、ブラケット120の重心Mからみて端部120aの側の上方に設けられる場合(以下、第2象限と称する)を例示している。長孔122が第2象限に設けられた場合には、軸である支持部材112の右下に重心Mが位置するので、上記と同様の落下力Fおよび時計回りの回転力Rがブラケット120にかかる(図2(b−4))。
【0029】
長孔122に支持部材112を挿入し、図2(b−1)または(b−2)に示す状態から作業者が手を離すと、ブラケット120は落下力Fの作用で第1平面110aに接近するように摺動する。詳細には、図2(b−1)の場合、第1平面110aが足部124bに及ぼす抗力はブラケット120を反時計回りに回転させるようとし、回転力Rはブラケット120を時計回りに回転させようとする。これらの力が対抗した場合には、図2(a−1)と同様に抗力が優勢となるので、ブラケット120は反時計回りに回転して図2(b−3)の状態となる。一方、図2(b−2)の場合、落下力Fおよび回転力Rがブラケット120を同方向(時計回り)に回転させようとするため、図2(b−1)のような力の対抗生じず、ブラケット120を図2(b−3)の状態にすることができる。
【0030】
図2(c−1)〜(c−4)は、長孔122が、ブラケット120の重心Mからみて端部120aの側の下方に設けられる場合(以下、第3象限と称する)を例示している。長孔122が第3象限に設けられた場合には、軸である支持部材112の右上に重心Mが位置するので、上記と同様の落下力Fおよび時計回りの回転力Rがブラケット120にかかる(図2(c−4))。
【0031】
長孔122に支持部材112を挿入し、図2(c−1)または(c−2)に示す状態から作業者が手を離すと、ブラケット120は落下力Fの作用で第1平面110aに接近するように摺動する。詳細には、図2(c−1)の場合、第1平面110aが足部124bに及ぼす抗力はブラケット120を反時計回りに回転させるようとし、回転力Rはブラケット120を時計回りに回転させようとする。これらの力が対抗した場合には、上記と同様に抗力が優勢となるので、ブラケット120は反時計回りに回転して図2(c−3)の状態となる。一方、図2(c−2)の場合、落下力Fおよび回転力Rがブラケット120を同方向(時計回り)に回転させようとするため、図2(c−1)のような力の対抗生じず、ブラケット120を図2(c−3)の状態にすることができる。
【0032】
図2(d−1)〜(d−4)は、長孔122が、ブラケット120の重心Mからみて端部120aと反対側の下方に設けられる場合(以下、第4象限と称する)を例示している。長孔122が第4象限に設けられた場合には、軸である支持部材112の左上に重心Mが位置するので、上記と同様の落下力Fおよび反時計回りの回転力Rがブラケット120にかかる(図2(d−4))。
【0033】
長孔122に支持部材112を挿入し、図2(d−1)または(d−2)に示す状態から作業者が手を離すと、ブラケット120は落下力Fの作用で第1平面110aに接近するように摺動する。詳細には、図2(d−1)の場合、第1平面110aが足部124aに及ぼす抗力はブラケット120を反時計回りに回転させるようとし、回転力Rはブラケット120を反時計回りに回転させようとする。これらの力が対抗した場合には、上記と同様に抗力が優勢となるので、ブラケット120は時計回りに回転して図2(d−3)の状態となる。一方、図2(d−2)の場合、落下力Fおよび回転力Rがブラケット120を同方向(反時計回り)に回転させようとするため、図2(d−1)のような力の対抗生じず、ブラケット120を図2(d−3)の状態にすることができる。
【0034】
(足部の位置)
図2中のいずれの場合においても、足部124a、124bは、ブラケット120を位置決めする際の姿勢において、上端近傍および下端近傍にそれぞれ設けられているため、長孔122および軸となる支持部材112がその間に位置することとなる。これより、一方の足部に第1平面110aから離れるように力が働いた場合には、他方の足部に対して常に第1平面110aに接近するように力が働く。そのため、取り付け時に不規則な振動等を生じても第1平面110aにいずれかの足部124a、124bが接触していることとなり、より好適に位置決めを行うことができる。
【0035】
(位置決めの主体)
図2(a−1)〜(a−4)、(d−1)〜(d−4)の場合には、いずれも反時計回りに回転力Rが作用する。したがって、上側の足部124aが第1平面110aに接近し、下側の足部124bが第1平面110aから離れるように回転力Rが働く。本文では第1平面110aに接近しようとする足部を「位置決めの主体」と呼ぶ。図2(a−1)〜(a−4)、(d−1)〜(d−4)の場合、いずれも、上側の足部124aが位置決めの主体となる。
【0036】
ここで、図2(a−1)〜(a−4)では図2(d−1)〜(d−4)に比して、第1平面110aに接触する上側の足部124aの水平線上に、軸である支持部材112が近接している。そのため、回転力が働いた場合には、第1平面110aから足部124aが抜け落ち易い。よって、図2(a−1)〜(a−4)、図2(d−1)〜(d−4)は、いずれも足部124aが位置決めの主体となる類似した挙動で位置決めが行われるが、図2(d)の方が、上側の足部124aが安定的に第1平面110aと接触し、より好適に位置決めすることができる。
【0037】
図2(b−1)〜(b−4)、図2(c−1)〜(c−4)の場合には、下側の足部124bが第1平面110aに接近し、上側の足部124aが第1平面110aから離れるように時計回りの回転力Rが作用する。すなわち、下側の足部124bが位置決めの主体となる。
【0038】
ここで、図2(c−1)〜(c−4)では図2(b−1)〜(b−4)に比して、第1平面110aに接触する下側の足部124bの水平線上に、軸である支持部材112が近接している。そのため、回転力の作用により第1平面110aから足部124bが抜け落ち易い。よって、図2(b−1)〜(b−4)、図2(c−1)〜(c−4)は、いずれも足部124bが位置決めの主体となる類似した挙動で位置決めが行われるが、図2(b)の方が、下側の足部124bが安定的に第1平面110aと接触し、より好適に位置決めすることができる。
【0039】
換言すると、位置決めの主体となる足部124a(または124b)の水平線上から軸である支持部材112が離れているほど、足部124a(または124b)が安定的に第1平面110aと接触し、より好適に位置決めを行うことができる。上記のように足部124a、124bは、ブラケット120を位置決めする際の姿勢において上端近傍および下端近傍にそれぞれ設けられるため、支持部材112からなるべく離れるようになっている。
【0040】
(足部の接触面)
足部124a、124bのうち、位置決めの主体となる側の第1平面110aとの接触面を広く形成するとよい。これにより、さらに安定的に位置決めを行うことができる。
【0041】
なお、足部124a、124bのうち、位置決めの主体となる側のみを端部120aに設けることも可能である。しかし、足部124a(または124b)を1つとした場合には、不規則な振動等に対して安定性が損なわれやすくなる。そして、足部124a(または124b)の空回りや、足部124a(または124b)の接触面が第1平面110aに接触せずに止まる(途中止まり)可能性が増す。そのため、足部124a、124bは2つ、またはそれ以上とすることが望ましい。
【0042】
以上、本実施形態にかかる部品位置決め構造100について説明した。上述した構成によれば、作業者はブラケット120の長孔122に支持部材112を挿入すれば、あとは重力が作用してブラケット120を自動的に位置決めするため、自らブラケット120を操作したり動かしたりする必要がない。したがって、作業者の習熟度に関係なく容易にブラケット120を位置決めすることができる。
【0043】
なお、本実施形態は、ブラケット120を固定する面である第2平面110bが傾斜していても適用することができる。詳細には、重力の作用を得られるように、第2平面110bは水平以外であればよい。また、図示のように第1平面110aと第2平面110bが直角(90°)に交差する必要はない。第1平面110aと第2平面110bは、45°〜135°(好適には60°〜120°)の範囲内で交差していれば、本実施形態を適用することができる。
【0044】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、部品の固定に際して、部品を位置決めするための部品位置決め構造に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
100…部品位置決め構造、110…フランジ、110a…第1平面(平面)、110b…第2平面(他の平面)、112…支持部材、120…ブラケット(部品)、120a…端部(所定の端部)、122…長孔、124a、124b…足部、130…ナット、M…重心、F…落下力、R…回転力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直または傾斜している平面に部品を当接させることにより該平面に該部品を位置決めする部品位置決め構造であって、
前記部品に設けられ、前記平面と対向する所定の端部と、
前記部品に設けられ、前記所定の端部に向かって下降するように傾斜した長孔と、
前記長孔に挿入されて前記部品を回転および摺動可能に支持する前記平面との相対的な位置関係が変わらない支持部材であって、該長孔の一端から他端までの摺動の間に前記所定の端部が前記平面に接触する位置にある支持部材と、を備え、
重力の作用により前記部品が前記平面に接近し、前記所定の端部が該平面に接触することにより、該部品は該平面に位置決めされることを特徴とする部品位置決め構造。
【請求項2】
前記所定の端部は、少なくとも2つの足部を有することを特徴とする請求項1に記載の部品位置決め構造。
【請求項3】
前記少なくとも2つの足部は、前記部品を位置決めする際の姿勢において、上端近傍および下端近傍にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項2に記載の部品位置決め構造。
【請求項4】
前記長孔は、前記部品の重心からみて、前記所定の端部の側の上方に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の部品位置決め構造。
【請求項5】
前記長孔は、前記部品の重心からみて、前記所定の端部と反対側の下方に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の部品位置決め構造。
【請求項6】
前記支持部材は、前記平面と交差する他の平面から突出していて、前記部品は、該支持部材を用いて該他の平面に固定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の部品位置決め構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−110639(P2011−110639A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268016(P2009−268016)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】