説明

配光システム及び立体画像表示装置

【課題】1つの特定位置に対する立体画像の裸眼視聴システムに妨げられずに、他の態様での視聴を拡張して行うことのできる配光システム及び立体画像表示装置を提供する。
【解決手段】配光システムは、第1の方向に延伸し、第1の方向を前後方向から見たときの左右方向としたとき、前方から見て、入射面に右後方から入射した光を出射面から右前方に出射するように配光するとともに、入射面に左後方から入射した光を出射面から左前方に出射するように配光する、第1の光学素子と、第1の方向に延伸し、入射面に入射した光を拡散して出射面から出射する第2の光学素子と、を、前後方向から見て互いに上下方向に並置されるように備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像表示装置、特に複数の異なる視聴位置において、立体画像視聴を補助する眼鏡を必要とせず視聴者に立体的な画像を表示可能な立体画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立体画像表示装置は、視聴者の左右の眼に視差を有するそれぞれの画像を提示する方法が一般的である。視差画像を提示する方法として、左右それぞれの目へ入射する画像の光を制限するための眼鏡を用いる手法と、このような眼鏡を用いずに視聴者の左右それぞれの眼へ入射する画像の光を制御する裸眼視聴の方法と、がある。
【0003】
眼鏡を用いる方法では、視聴者は画像視聴時に眼鏡を装着する必要がある。そのため、眼鏡を着用することに、視聴者は煩わしさを感じてしまう場合がある。一方眼鏡を使用しない裸眼視聴の方法では、立体画像表示装置がレンチキュラーやパララックスバリア等の光学的な工夫を用いた方法を使用することが一般的である。
【0004】
レンチキュラー方式は、水平方向に指向性をもつスクリーン(レンチキュラーレンズアレイ)を用いて左右の眼に視差画像が同時に入射するように画像を表示する方式である。レンチキュラー方式は垂直画素ライン毎に右眼用画像、左眼用画像を表示するために垂直方向の画素数が半分になってしまう課題がある。
【0005】
パララックスバリア方式は、視差表示画像と視聴者の眼の間に配置されたスリットが異なった視差画像に対してバリアとして働くことにより、左右の視差画像を作り出す方式で、左右の眼に視差画像が同時に入るように画像を表示する。パララックスバリア方式も垂直画素ライン毎に右眼用画像、左眼用画像を表示するために垂直方向の画素数が半分になってしまう課題がある。またスリットを用いるため、光利用率も低下するという課題がある。
【0006】
上記のような画素数や光利用率の低下を解決する手法が特許文献1に提案されている。特許文献1では、導光板の2つの向かい合った入射端面に光源を配置し、導光板の出射端面側に導光板と向き合う側には、導光板の入射端面と平行な方向へ伸びる三角形状プリズム列、導光板の出力端面と対向する側には、三角形状プリズム列と平行に伸びる円筒状レンズ列を有するプリズムシートと、プリズムシートの出射端面に透過型液晶パネルを配置している。そして駆動手段によって上記透過型パネルに交互に表示される左右視差画像と同期して、上記光源からの光が左右の視差に対応する角度で上記透過型表示パネルから出射するように構成しており、このような構成により、画素数や光利用率の低下なく高品位な立体画像が得られるとしている。
【0007】
当該特許文献1にも記載されているように、レンチキュラーレンズ方式では2次元画像表示時にも立体画像表示時にもレンチキュラーレンズを通して画像を表示する。また、パララックスバリア方式では、2次元画像表示時にも立体画像表示時にも固定されたパララックスバリアが存在する状態で表示を行ったり、立体画像表示時には液晶素子等の表示素子をパララックスバリアとして機能させて表示を行い、2次元画像表示時にはパララックスバリアを除去した状態で表示素子を透過させて表示を行ったりする。また、特許文献1の発明の構成では、2次元画像の表示時には左右の光源を同時に点灯させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2004/027492号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の立体画像表示装置には、特定位置で立体画像を裸眼視聴するための光学系によって、それ以外の全ての態様での画像の視域が制限されてしまうという課題がある。
【0010】
例えば、特許文献1、レンチキュラー方式やパララックスバリア方式では、2次元画像を視聴するときも立体画像を視聴するときも、立体画像用に設けられた光学系を通して届く画像光を視ることになる。従って、2次元画像の視域が狭くなってしまう。また、例えば、特許文献1、レンチキュラー方式やパララックスバリア方式では、視聴者は1つの所定の視聴位置においてのみ立体画像が得られる。しかし、立体画像の視聴には、複数の視聴位置において実現できることが望まれる。
【0011】
そこで、本発明は、1つの特定位置で立体画像を裸眼視聴するための光学系を備えながら、当該特定位置に対する視聴システムに妨げられない他の態様での視聴をも拡張して行うことのできる配光システム及び立体画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の配光システムは、光の入射面と出射面とを有し、前記出射面に対して光が放出される側を前方としたとき、前方から見て前記出射面の後方に前記入射面が配置された配光システムであって、第1の方向に延伸し、前記第1の方向を前後方向から見たときの左右方向としたとき、前方から見て、前記入射面に右後方から入射した光を前記出射面から右前方に出射するように配光するとともに、前記入射面に左後方から入射した光を前記出射面から左前方に出射するように配光する、第1の光学素子と、前記第1の方向に延伸し、前記入射面に入射した光を拡散して前記出射面から出射する第2の光学素子と、を、前後方向から見て互いに上下方向に並置されるように備えている。
【0013】
本発明の立体画像表示装置は、立体画像を表示する立体画像表示装置であって、立体画像の右眼用画像を表示する際の表示光を供給する右側光源部と、前記立体画像の左眼用画像を表示する際の表示光を供給する左側光源部と、該立体画像表示装置の正面側を前側としたとき、光の入射面と、光が放出される側を前方とする光の出射面とを有し、前記出射面の後方に前記入射面が配置された配光システムであって、左右方向に延伸し、第1の視聴位置で前記右眼用画像及び前記左眼用画像の画像光が結像するように、前方から見て前記右側光源部から放出され前記入射面に右後方から入射した光を前記出射面から右前方に出射するように配光するとともに、前方から見て前記左側光源部から放出され前記入射面に左後方から入射した光を前記出射面から左前方に出射するように配光する第1の光学素子と、左右方向に延伸し、前記右眼用画像及び前記左眼用画像の画像光を配光するように、前記右側光源部及び前記左側光源部から放出されて前記入射面に入射した光を拡散して前記出射面から出射する第2の光学素子とを、互いに上下方向に並置されるように備えた、配光システムと、前記立体画像の前記右眼用画像と前記左眼用画像とに基づいて、前記配光システムからの光を透過制御する表示パネルと、を備える。
【0014】
このような構成により、1つの特定位置における立体画像が視聴可能である他に、眼鏡を用いて視聴する立体画像や2次元画像が広い視聴範囲で視聴可能となる。
【0015】
本発明の配光システムは、光の入射面と出射面とを有し、前記出射面に対して光が放出される側を前方としたとき、前方から見て前記出射面の後方に前記入射面が配置された配光システムであって、第1の方向に延伸し、前記第1の方向を前後方向から見たときの左右方向としたとき、前方から見て、前記入射面に右後方から入射した光を前記出射面から右前方に出射するように配光するとともに、前記入射面に左後方から入射した光を前記出射面から左前方に出射するように配光する、互いに結像位置が異なる複数種類の光学素子を、前後方向から見て互いに上下方向に並置されるように備えている。
【0016】
また、本発明の立体画像表示装置は、立体画像を表示する立体画像表示装置であって、立体画像の右眼用画像を表示する際の表示光を供給する右側光源部と、前記立体画像の左眼用画像を表示する際の表示光を供給する左側光源部と、該立体画像表示装置の正面側を前側としたとき、光の入射面と、光が放出される側を前方とする光の出射面とを有し、前記出射面の後方に前記入射面が配置された配光システムであって、互いに結像位置の異なる複数種類の光学素子を互いに上下方向に並置されるように備え、各前記光学素子は、左右方向に延伸し、複数の視聴位置で前記右眼用画像及び前記左眼用画像の画像光が結像するように、前方から見て前記右側光源部から放出され前記入射面に右後方から入射した光を前記出射面から右前方へ出射するように配光するとともに、前方から見て前記左側光源部から放出され前記入射面に左後方から入射した光を前記出射面から左前方へ出射するように配光する、配光システムと、前記立体画像の前記右眼用画像と前記左眼用画像とに基づいて、前記配光システムからの光を透過制御する表示パネルと、を備える。
【0017】
このような構成により、1つの特定位置以外でもその位置に適した立体画像の視聴を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、1つの特定位置に対する立体画像の裸眼視聴システムに妨げられずに、他の態様での視聴を拡張して行うことのできる配光システム及び立体画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1に係る立体画像表示装置の構成を示すX−Z断面図
【図2】実施の形態1に係る導光板とLEDとの位置関係を示すX−Y断面図
【図3】実施の形態1に係る導光板とLEDとの位置関係を示すY−Z断面図
【図4】実施の形態1に係る空間機能分割シートの構成を示すX−Y断面図
【図5】実施の形態1に係るプリズムアレイの断面形状を部分的に示すX−Z断面図
【図6】(a)及び(b)は、実施の形態1に係るプリズムアレイの機能を説明するX−Z断面図
【図7】実施の形態1に係る立体画像表示装置と第1視聴位置、視聴位置A、及び視聴位置Bとの関係を示す図
【図8】実施の形態2に係る立体画像表示装置の構成を示すX−Z断面図
【図9】実施の形態2に係る導光板とLEDとの位置関係を示すX−Y断面図
【図10】実施の形態2に係る両面プリズムシートの構成を示すX−Y断面図
【図11】実施の形態2に係る第1プリズムアレイ及び第2プリズムアレイのX−Z断面図
【図12】実施の形態2に係る立体画像表示装置と第1の視聴位置及び第2の視聴位置との関係を示す図
【図13】実施の形態2に係る縦方向拡散シートのY−Z断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態における立体画像表示装置1000の構成を模式的に示したX−Z断面図である。なお、図中に、X軸、Y軸、Z軸を図示している。立体画像表示装置1000の正面側を前側としたとき、Z軸に沿う方向は立体画像表示装置1000に対する前後方向であってZ軸の正の向きは立体画像表示装置1000から前方を向く方向を指す。また、X軸に沿う方向は立体画像表示装置1000に対する左右方向、Y軸に沿う方向は立体画像表示装置1000に対する上下方向である。図1において立体画像表示装置1000は、光源部1a、1b、102a、102bを備えている。光源部1aは第1視聴位置での視聴に用いられる右眼用LED(第1の右眼用光源部)であり、光源部1bは第1視聴位置での視聴に用いられる左眼用LED(第1の左眼用光源部)であり、光源部102aは2次元画像の視聴に用いられる右眼用LED(第2の右眼用光源部)であり、光源部102bは2次元画像の視聴に用いられる左眼用LED(第2の左眼用光源部)である。また、立体画像表示装置1000は、導光板3と、空間機能分割シート104と、縦方向拡散シート5と、表示パネル6と、制御部7とを備えている。上記2次元画像とは、立体画像でない従来の画像(非立体画像)である。
【0021】
次に立体画像表示装置1000の動作と各部詳細について説明する。図2は本実施の形態における光源部である光源部1a、光源部1b、光源部102a、及び光源部102bと、導光板3とのX−Y断面図である。光源部1a及び光源部1bは導光板の対向する入射面に配置される。光源部102a及び光源部102bも同様に配置される。光源部1aと光源部102aとは、導光板3の同じ入射端面側に交互に並べて配置されている。光源部1bと光源部102bとは、光源部1a、光源部102aと対向する導光板3の入射端面側に交互に並べて配置されている。
【0022】
光源部1a、1b、102a、102bとして、本実施の形態ではそれぞれLEDが各4個ずつ配列されている。光源部1a、1b、102a、102bは個々に点灯制御が可能で、制御部7により制御される。
【0023】
なお、説明の都合上、LEDを光源部と、光源部1a及び光源部102aを右側光源部と、光源部1b及び光源部102bを左側光源部と、それぞれ表現する場合がある。また、空間機能分割シート104を配光システムとして説明する場合がある。
【0024】
制御部7は、立体画像を表示する場合に、光源部1aを表示される立体画像の右眼用画像に、光源部1bを表示される立体画像の左眼用画像に、それぞれ同期させながら、光源部1aと光源部1bとを交互に点灯するように制御する。2次元画像を表示する場合は、制御部7は、光源部102aと、光源部102bと、を同時に点灯させる制御を行う。あるいは、制御部7は、光源部102aと、光源部102bと、を表示する立体画像の右眼用画像、左眼用画像にそれぞれ同期して交互に点灯させるように制御する。図2では、光源部1a及び光源部1bから出射する光を実線で、光源部102a及び光源部102bから出射する光線を点線で示している。
【0025】
図3は、導光板3と、光源部1a、光源部1b、光源部102a、及び光源部102bとの位置関係をY−Z断面で図示したものである。導光板3には、V字型の溝を切っておく。つまり、導光板3の少なくとも一つの面には、凹凸形状を有し、その凹部は、奥になるほど狭くなる形とする。溝と溝の間に光源部1a、光源部1b、光源部102a、及び光源部102bが配置されている。このような構成にすることで、光源部1a、光源部1b、光源部102a、及び光源部102bから出射した光は、V溝(凹部)の壁で全反射を繰り返しながらY方向に広がらずにX方向に伝搬する。
【0026】
図4は、空間機能分割シート104のX−Y断面図を示す。空間機能分割シート104は、第1視聴位置での視聴に用いられるプリズムアレイ41(実線で図示)と、従来から用いられている光拡散板(光拡散素子)1042(点線で図示)とを備えている。プリズムアレイ41と光拡散板1042とはそれぞれX方向にライン状に延伸している。但し、両者は必ずしもライン状に延伸している必要はなく、第1の方向を延伸方向の一つとして有していればよい。ここでは、プリズムアレイ41と光拡散板1042とがY方向に交互に並ぶように複数個ずつ配置されている。プリズムアレイ41のライン幅であるY方向の寸法と光拡散板1042のライン幅であるY方向の寸法とは任意に設定可能である。光拡散板1042のY方向の寸法をプリズムアレイ41のY方向の寸法よりも大きく設定すると、従来、立体画像視聴時よりも視聴者あたりの光量が少なくなっていた2次元画像視聴時の画像の明るさを向上させることができる。すなわち、立体画像視聴時には特定位置に画像光が集まる一方、2次元画像光は視聴空間に分散してしまうが、光拡散板1042を通過する光量を増大させることにより2次元画像を明るくすることができる。
【0027】
図5は、プリズムアレイ41のZ−X断面拡大を示したものである。プリズムアレイ41は、入射面側に頂角を有する三角形状の凸部を、複数並んだ状態に有し、出射面側に凸形状をなす円筒状レンズを、複数並んだ状態に有している。プリズムアレイ41の光の出射側の面に配置される円筒レンズ面は、X軸方向にパワーを有しており、円筒レンズ面の曲率は、そのレンズ面が持つ焦点距離と両面プリズムシートの厚さLとが等しくなるように設定されている。プリズムアレイ41のピッチをP、光の入射側の面に設置されるプリズムの頂角をφとして、以下にプリズムアレイ41の機能の詳細について説明する。
【0028】
図6の(a)は、導光板3から出射し、プリズムアレイ41へ入射する光(光線)の振る舞いを説明する図である。光源部1aから導光板3を通過した光は、空間機能分割シート104のプリズムアレイ41に入射する。導光板3を出射した直後、光(光線)は図の右方向に向かっている。換言すると、前方から見たとき、導光板3を出射した光は、プリズムアレイ41に右後方から入射する。
光線は、プリズムアレイ41に入射後、プリズムアレイ41の斜面5a1で全反射され、図の左方向(逆方向)に向かい、円筒レンズ面から出射される。換言すると、前方から見たとき、斜面5a1で全反射された光は、右前方に出射される。
軸線5a2は、プリズムアレイ41の光の入射側の面に設置される複数のプリズム頂角をつなぐ線である。プリズムアレイ41の斜面5a1で全反射された光線を光の進行方向とは逆方向に軸線5a2まで延長すると、プリズムの斜面5a1で全反射されて、円筒レンズ面へ向かう光線は、軸線5a2上の領域5a3から出射する光線と等価であると解することができる。そのため、斜面5a1で全反射され、円筒レンズ面へ向かう光は、軸線5a2上において軸線5a2と直交しプリズム頂角を通過する光軸5a4より図の左側に向かう。
【0029】
また図6の(b)に示すように光線の振る舞いは軸線5a2上の領域5a3内にある一点から出射する光(光線)が円筒レンズ部に入射すると考えることが出来る。軸線5a2は、円筒レンズ部の焦点面の位置に一致しているので、領域5a3内の任意の一点から出た光が円筒レンズを出射したのちの光の出射角をΘとおくとΘは以下で示す計算式により算出される。
【0030】
【数1】

【0031】
ここでnはプリズムアレイ41を構成する材料の屈折率である。Lはプリズムアレイ41の厚さであり、これは上述の説明の通り、円筒レンズの焦点距離に一致している。dは領域5a3内の一点の光軸からの距離である。したがって斜面5a1で全反射され、円筒レンズ面を透過した光は図の左方向に狭い配光を保った状態で出射され、視聴者の右眼へと到達する。図6の(a)では、光源部1aからの光について説明したが、光源部1bからの光については光源部1aと左右対称の経路をたどり視聴者の左眼へと到達する。
【0032】
このように、空間機能分割シート104は、光の入射面と出射面とを有し、出射面に対して光が放出される正のZ方向側を前方としたとき、前方から見て出射面の後方に入射面が配置されており、入射面から入射した光を配光して出射面から放出する配光システムである。そして、プリズムアレイ41は、X方向(第1の方向)に延伸し、X方向を左右方向(横方向)としたとき、前方から見て、入射面に右後方から入射した光を出射面から右前方に出射するように配光するとともに、入射面に左後方から入射した光を出射面から左前方に出射するように配光する、第1の光学素子である。また、光拡散板1042は、X方向に延伸し、入射面に入射した光を拡散して出射面から出射する第2の光学素子である。プリズムアレイ41と光拡散板1042とは、前後方向から見て互いに上下方向(縦方向)に並置されている。ここで、前後方向はZ方向であり、上下方向はY方向である。
【0033】
上記のような制御部7の制御内容と、空間機能分割シート104と、を組み合わせることにより立体画像表示装置1000は、以下の3種類の画像表示が可能となる。
【0034】
(1)制御部7が、光源部1aと、光源部1bと、を表示する立体画像の左眼用画像と右眼用画像とに同期させて交互に点灯制御する。光源部1a、光源部1b、が発光した光は、空間機能分割シート104のプリズムアレイ41により、第1視聴位置で視聴する視聴者の右眼、左眼それぞれへ右眼用画像、左眼用画像の光を入射させる。これにより、第1視聴位置で画像を視聴する視聴者は裸眼で立体画像を知覚することができる。
【0035】
(2)制御部7が、光源部102aと、光源部102bと、を表示する立体画像の左眼用画像と右眼用画像とに同期させて交互に点灯制御する。光源部102a及び光源部102bが発光した光は空間機能分割シート104の光拡散板1042へ入射する。入射した光は、光拡散板1042の拡散特性により、立体画像表示装置1000の前面へ拡散して出射される。この場合は、表示画像の光が拡散して出射されるため、上記(1)のように視聴者の左右の眼に対して選択的に左眼用画像、右眼用画像の光を入射させることができない。そこで、この場合は、視聴者は立体画像を視聴補助する立体画像視聴用眼鏡をもちいる。立体画像視聴用眼鏡は、左右それぞれの眼へ入射する光を調整するシャッター機能を備えている。立体画像表示装置1000の左右画像の表示と同期して、シャッターを開閉制御することで視聴者は立体画像を知覚することができる。
【0036】
(3)制御部7が、立体画像表示装置が2次元の画像を表示する場合に、2次元画像視聴用LED102aと、2次元画像視聴用LED102bと、を同時に点灯させる制御を行う。光源部102a及び光源部102bが発光した光は空間機能分割シート104の光拡散板1042へ入射する。光拡散板1042は、入射した光を立体画像表示装置1000の前面へ拡散して出射する。これにより、2次元画像は立体画像表示装置1000の前面に拡散して表示される。
【0037】
以上により、本実施の形態によれば、(1)裸眼による立体画像の視聴、(2)眼鏡を用いた立体画像の視聴、(3)2次元画像の視聴、の3種類の画像視聴が可能となる。さらに、(2)眼鏡を用いた立体画像の視聴、(3)2次元画像の視聴時には、光拡散板1042により、立体画像表示装置1000の前面に画像の光が拡散されるため、視聴者が広い範囲で所望の画像を視聴することが可能となる。
【0038】
図7は、本実施の形態における立体画像表示装置1000と視聴者の視聴位置との関係を示したものである。視聴位置91は第1視聴位置を表す。この場合には、視聴者は裸眼で立体画像を視聴することが可能となる。ただし、立体画像を視聴できるのは、この視聴位置91に特定される。視聴位置A及び視聴位置Bは、2次元画像を視聴する場合、又は、眼鏡を用いた立体画像を視聴することができる第2視聴位置を示したものである。この場合、視聴位置A又はBのいずれにおいても、視聴者は2次元画像又は眼鏡を用いた立体画像を視聴することが可能となる。
【0039】
(実施の形態2)
図8は本発明の一実施の形態における立体画像表示装置100の構成を模式的に示したX−Z断面図である。なお、図中に、X軸、Y軸、Z軸を図示している。各軸の方向は図1の場合と同じである。図8において立体画像表示装置100は、光源部1a、1b、2a、2bを備えている。光源部1aは第1視聴位置での視聴に用いられる右眼用LED(第1の右眼用光源部)であり、光源部1bは第1視聴位置での視聴に用いられる左眼用LED(第1の左眼用光源部)であり、光源部2aは第2視聴位置での視聴に用いられる右眼用LED(第2の右眼用光源部)であり、光源部2bは第2視聴位置での視聴に用いられる左眼用LED(第2の左眼用光源部)である。また、立体画像表示装置100は、導光板3と、両面プリズムアレイシート4と、縦方向拡散シート5と、表示パネル6と、制御部7とを備えている。両面プリズムアレイシート4は、第1視聴位置での視聴に用いられるプリズムアレイ(第1のプリズムアレイ)41と第2視聴位置での視聴に用いられるプリズムアレイ(第2のプリズムアレイ)42とを備えている。
【0040】
次に立体画像表示装置100の動作と各部詳細について説明する。図9は本実施の形態における光源部である光源部1a、1b、2a、2bと導光板3のX−Y断面図である。光源部1aと光源部1bとは導光板の対向する入射面に配置される。光源部2a及び光源部2bも同様に配置される。光源部1aと光源部2aとは、導光板3の同じ入射端面側に交互に並べて配置される。光源部1bと光源部2bとは光源部1a、2aと対向する導光板3の入射端面側に交互に並べて配置される。光源部1a、1b、2a、2bとして、本実施の形態ではLEDが各4個ずつ配列されている。
【0041】
なお、説明の都合上、LEDを光源部と、光源部1a及び2aを右側光源部と、光源部1b及び2bを左側光源部と、それぞれ表現する場合がある。また、両面プリズムアレイシート4を配光システムとして説明する場合がある。
【0042】
制御部7は、光源部1a、1b、2a、2bの点灯制御をそれぞれ個々に行い、光源部1aを表示される立体画像の右眼用画像に、光源部1bを表示される立体画像の左眼用画像に、それぞれ同期させながら、光源部1aと光源部1bとを交互に点灯する。制御部7は、光源部2aと光源部2bと、についても同様に、右眼画像、左眼画像に同期させながら交互に点灯する。さらに制御部7は、立体画像視聴者の視聴位置に応じて、光源部1a、1bの使用と光源部2a、2bの使用とを切り替える。図9では、光源部1a、光源部1bから出射する光を実線で、光源部2a、光源部2bから出射する光線を点線で示している。
【0043】
導光板3と、光源部1a、1b、2a、及び2bとの位置関係については、図3において、光源部102aを光源部2aに、光源部102bを光源部2bに、それぞれ置き換えたものに等しい。
【0044】
両面プリズムアレイシート4のプリズムアレイ41及びプリズムアレイ42のZ−X断面については、図5と同じである。
【0045】
導光板3から出射し、両面プリズムアレイシート4へ入射する光(光線)の振る舞いについては図6の(a)及び(b)と同じである。
【0046】
図10は、両面プリズムアレイシート4のX−Y断面図を示す図である。図10には、LED1a、1b、2a、2bも図示している。本実施の形態では、図10のように両面プリズムアレイシート4は、プリズムアレイ41(実線で図示)とプリズムアレイ42(点線で図示)とを、Y軸に沿って交互に配置されるように複数個ずつ備える構成になっている。各プリズムアレイ41と各プリズムアレイ42とはそれぞれX方向にライン状をなすように延伸している。但し、両者は必ずしもライン状に延伸している必要はなく、第1の方向を延伸方向の一つとして有していればよい。光源部1a及び光源部1bから出射された光の大半は、導光板3を介してプリズムアレイ41に入射する。同様に光源部2a及び光源部2bから出射された光の大半は、導光板3を介してプリズムアレイ42に入射する。
【0047】
図11にプリズムアレイ41及びプリズムアレイ42のX−Z断面図を示す。プリズムアレイ41とプリズムアレイ42との両者で、アレイを構成するプリズム間のピッチPが等しい。またプリズムアレイ42は、プリズムアレイ41と同様に、その焦点距離とそのプリズムシートの厚さLと、が等しくなるように設定される。そして本実施の形態では、プリズムアレイ42の焦点距離は、プリズムアレイ41の焦点距離よりも短く設定される。従ってプリズムアレイ42の焦点距離L2はプリズムアレイ41の焦点距離L1より小さい。
【0048】
上述のΘ算出の計算式から明らかなように、焦点距離Lが小さいほど、両面プリズムアレイシート4から出射する光の出射角が大きくなる。この出射角が大きいほど、短い視聴距離で右眼用画像の光と左眼用画像の光を右眼、左眼に入射させることが可能となる。本実施の形態では、プリズムアレイ42の焦点距離L2をプリズムアレイ41の焦点距離L1より小さな値に設定しているので図12に示すように第2の視聴位置は、第1の視聴位置より、立体画像表示装置100に近い位置となる。
【0049】
このように、両面プリズムアレイシート4は、光の入射面と出射面とを有し、出射面に対して光が放出される正のZ方向側を前方としたとき、前方から見て出射面の後方に入射面が配置されており、入射面から入射した光を配光して出射面から放出する配光システムである。そして、プリズムアレイ41とプリズムアレイ42とは、X方向(第1の方向)に延伸し、X方向を左右方向(横方向)としたとき、前方から見て、入射面に右後方から入射した光を出射面から右前方に出射するように配光するとともに、入射面に左後方から入射した光を出射面から左前方に出射するように配光する、互いに結像位置が異なる複数の光学素子である。プリズムアレイ41とプリズムアレイ42とは、前後方向から見て互いに上下方向(縦方向)に並置されている。ここで、前後方向はZ方向であり、上下方向はY方向である。
【0050】
次に図13を用いて縦方向拡散シート5について説明する。図13は縦方向拡散シート5のY−Z断面図である。縦方向拡散シート5の出射側のY−Z断面は粗面になっている。一方図8に示したようにX−Z断面は平坦である。従って縦方向拡散シートを透過した光は、Y方向(縦方向とする)にのみ拡散される。したがって視聴者が縦方向に視点を移動させても画像を視聴可能である。
【0051】
以上のように本実施の形態によれば、裸眼方式での立体画像の視聴において、立体画像を視聴することができる視聴領域を複数設けることが可能である。なお本実施の形態では、第1の視聴位置91及び第2の視聴位置92の2つの視聴位置をもつ形態にしたが、視聴位置は2つ以上にすることも可能である。その場合は、両面プリズムアレイシート4を構成するプリズムアレイの形状を各々の複数の視聴位置に対し、最適化し配列すればよい。
【0052】
立体画像表示装置100には、例えば視聴者の顔を認識するカメラや眼の位置を追尾するカメラを備えた検出装置が備えられている。当該検出装置が視聴者の視聴位置を検出し、制御部7が検出された視聴位置に対応する光源を駆動することにより、当該視聴位置にいる視聴者は立体画像を視ることができる。検出された1つの視聴位置に対応する光源のみを駆動して当該1つの視聴位置にのみ立体画像を提供するという構成でもよいが、複数の視聴位置が検出された場合に、各視聴位置に対応する光源を時分割で駆動することにより、各視聴位置の視聴者に同時に画像を提供する構成でも構わない。従って、視聴位置を区別するために光源を時分割駆動するとともに、視聴位置毎に左右眼それぞれに対して光源を時分割駆動する、といった構成が可能である。また、立体画像表示装置100に与えられたコンテンツが2次元画像である場合に、この2次元画像のデータを立体画像データに変換して擬似立体画像を提供するように立体画像表示装置100を構成してもよい。
【0053】
また、複数の視聴位置どうしが図12のように画面に対して前後方向の関係に配置される場合に、各視聴位置が互いに鉛直方向にもずれるように設定されると、検出装置により各視聴位置の視聴者を同時に検出することと、各視聴位置で立体画像を同時に視聴することとが可能となる。また、図6における光軸5a4の水平位置を複数の視聴位置に対応するプリズムアレイの間でずらすことにより、立体画像を視聴可能な複数の視聴位置を画面に対して水平方向に設定することができる。前後方向、水平方向、あるいは、前後方向及び水平方向に異なる複数の視聴位置が設定される場合に、視聴位置毎に立体画像に与える両眼視差を変えるようにすることもでき、これによって例えば各視聴位置に適した立体感を得ることが可能となる。視聴位置毎に立体画像の両眼視差を変えるのに、コンテンツ側で予め用意されたデータを用いる方法の他に、立体画像表示装置100でデータを作成する方法が挙げられる。
【0054】
また、本実施の形態によれば、両面プリズムアレイシート4を構成する視聴位置毎のプリズムアレイの焦点距離を調整することで、立体画像表示装置100から視聴位置までの視聴距離を変化させることも可能である。
【0055】
なお、本実施の形態では、光源部1a、1bと光源部2a、2bとを独立のものとして説明した。しかし、本実施の形態の説明はこれに限定するものではない。光源部1aと光源部2aとを共通の光源とし、光源部1bと光源部2bとを共通の光源とするものであっても良い。この場合は、光源として用いるLEDの数を低減することが可能となる。反対にこれらを個々独立のLEDとする場合には、第1視聴位置での画像視聴と第2視聴位置での画像視聴とを個々に制御することができる。
【0056】
(その他の実施形態)
上記実施の形態1、及び2において、光源としてLEDを用いた場合を例に説明したが、本実施の形態はこれに限定するものではない。他の光源を用いたものであっても良い。
【0057】
また、実施の形態1、及び2において、立体画像表示装置100、又は1000の表示面としての表示パネルを説明したが、表示パネルは特定の方式に限定されるものではない。表示パネル6の後方からの光を透過制御できる透過制御型の表示パネルであれば、いずれの方式を用いても良い。
【0058】
さらに、実施の形態1、及び2において、機能ユニットとしての制御部7を用いた場合を例に説明したが、本実施の形態はこれに限定するものではない。制御部7は、CPU、DSP等の演算装置上で実行されるソフトウェアプログラムで実現されてもよい。また、制御部7は、集積回路等のICやFPGA等のハードウェアデバイスによって実現されるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、立体画像を視聴出来る範囲が調整可能な立体画像表示装置を得ることが出来る。また広い範囲で眼鏡有りの立体画像及び2次元画像が視聴可能な立体画像表示装置を得ることが出来る。
【符号の説明】
【0060】
100 立体画像表示装置
1a、1b、2a、2b、102a、102b 光源
3 導光板
4 両面プリズムアレイシート
41、42 プリズムアレイ
5 縦方向拡散シート
6 液晶パネル
7 制御部
91 第1の視聴位置
92 第2の視聴位置
1000 立体画像表示装置
104 空間機能分割シート
1042 光拡散板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の入射面と出射面とを有し、前記出射面に対して光が放出される側を前方としたとき、前方から見て前記出射面の後方に前記入射面が配置された配光システムであって、
第1の方向に延伸し、前記第1の方向を前後方向から見たときの左右方向としたとき、前方から見て、前記入射面に右後方から入射した光を前記出射面から右前方に出射するように配光するとともに、前記入射面に左後方から入射した光を前記出射面から左前方に出射するように配光する、第1の光学素子と、
前記第1の方向に延伸し、前記入射面に入射した光を拡散して前記出射面から出射する第2の光学素子と、
を、前後方向から見て互いに上下方向に並置されるように備えている配光システム。
【請求項2】
前記第1の光学素子は、前記入射面側に頂角を有する三角形状の凸部を、複数並んだ状態に有し、前記出射面側に凸形状をなす円筒状レンズを、複数並んだ状態に有する、プリズムアレイであり、
前記第2の光学素子は光拡散素子である、請求項1に記載の配光システム。
【請求項3】
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを、上下方向に交互に並ぶように複数個ずつ備えており、
前記第2の光学素子の上下方向の寸法は前記第1の光学素子の上下方向の寸法よりも大きい、請求項1に記載の配光システム。
【請求項4】
立体画像を表示する立体画像表示装置であって、
立体画像の右眼用画像を表示する際の表示光を供給する右側光源部と、
前記立体画像の左眼用画像を表示する際の表示光を供給する左側光源部と、
該立体画像表示装置の正面側を前側としたとき、光の入射面と、光が放出される側を前方とする光の出射面とを有し、前記出射面の後方に前記入射面が配置された配光システムであって、左右方向に延伸し、第1の視聴位置で前記右眼用画像及び前記左眼用画像の画像光が結像するように、前方から見て前記右側光源部から放出され前記入射面に右後方から入射した光を前記出射面から右前方に出射するように配光するとともに、前方から見て前記左側光源部から放出され前記入射面に左後方から入射した光を前記出射面から左前方に出射するように配光する第1の光学素子と、左右方向に延伸し、前記右眼用画像及び前記左眼用画像の画像光を配光するように、前記右側光源部及び前記左側光源部から放出されて前記入射面に入射した光を拡散して前記出射面から出射する第2の光学素子とを、互いに上下方向に並置されるように備えた、配光システムと、
前記立体画像の前記右眼用画像と前記左眼用画像とに基づいて、前記配光システムからの光を透過制御する表示パネルと、
を備える立体画像表示装置。
【請求項5】
前記配光システムは、
前記第1の光学素子として、光の入射面側に頂角を有する三角形状の凸部を、複数並んだ状態に有し、光の出射面側に凸形状をなす円筒状レンズを、複数並んだ状態に有し、前記円筒状レンズは、前記第1の視聴位置で結像する第1の焦点距離を持つプリズムアレイを備えており、
前記第2の光学素子として、前記入射面から入射した光を拡散して前記出射面から出射する光拡散素子を備えている、
請求項4に記載の立体画像表示装置。
【請求項6】
前記右側光源部は、第1視聴位置での視聴に用いられる第1の右眼用光源部と、前記第1の視聴位置以外の第2視聴位置での視聴に用いられる第2の右眼用光源部と、を備え、
前記左側光源部は、第1視聴位置での視聴に用いられる第1の左眼用光源部と、前記第1の視聴位置以外の第2視聴位置での視聴に用いられる第2の左眼用光源部と、を備え
前記第1の右眼用光源部と第1の左眼用光源部とが供給する光は、前記プリズムアレイに入射し、
前記第2の右眼用光源部と第2の左眼用光源部とが供給する光は、前記光拡散素子に入射する、請求項5に記載の立体画像表示装置。
【請求項7】
視聴者が前記第1の視聴位置で立体画像を視聴する際は、前記第1の右眼用光源部と前記第1の左眼用光源部とを時間的に交互に点灯させ、
視聴者が前記第2の視聴位置で立体画像を視聴する際は、前記第2の右眼用光源部と前記第2の左眼用光源部とを同時に点灯する、制御部をさらに備える、請求項6に記載の立体画像表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、2次元画像を表示する際は、前記第2の右眼用光源部と前記第2の左眼用光源部とを同時に点灯させる、請求項7に記載の立体画像表示装置。
【請求項9】
前記プリズムアレイと前記光拡散素子とを、上下方向に交互に並ぶように複数個ずつ備えており、
前記光拡散素子の上下方向の寸法は前記プリズムアレイの上下方向の寸法よりも大きい、請求項4に記載の立体画像表示装置。
【請求項10】
光の入射面と出射面とを有し、前記出射面に対して光が放出される側を前方としたとき、前方から見て前記出射面の後方に前記入射面が配置された配光システムであって、
第1の方向に延伸し、前記第1の方向を前後方向から見たときの左右方向としたとき、前方から見て、前記入射面に右後方から入射した光を前記出射面から右前方に出射するように配光するとともに、前記入射面に左後方から入射した光を前記出射面から左前方に出射するように配光する、互いに結像位置が異なる複数種類の光学素子を、
前後方向から見て互いに上下方向に並置されるように備えている配光システム。
【請求項11】
前記光学素子は、前記入射面側に頂角を有する三角形状の凸部を複数並んだ状態に有し、前記出射面側に凸形状をなす円筒状レンズを複数並んだ状態に有する、プリズムアレイである、請求項10に記載の配光システム。
【請求項12】
互いに結像位置が異なる2種類の前記光学素子を、上下方向に交互に並ぶように複数個ずつ備えている、請求項10に記載の配光システム。
【請求項13】
立体画像を表示する立体画像表示装置であって、
立体画像の右眼用画像を表示する際の表示光を供給する右側光源部と、
前記立体画像の左眼用画像を表示する際の表示光を供給する左側光源部と、
該立体画像表示装置の正面側を前側としたとき、光の入射面と、光が放出される側を前方とする光の出射面とを有し、前記出射面の後方に前記入射面が配置された配光システムであって、互いに結像位置の異なる複数種類の光学素子を互いに上下方向に並置されるように備え、各前記光学素子は、左右方向に延伸し、複数の視聴位置で前記右眼用画像及び前記左眼用画像の画像光が結像するように、前方から見て前記右側光源部から放出され前記入射面に右後方から入射した光を前記出射面から右前方へ出射するように配光するとともに、前方から見て前記左側光源部から放出され前記入射面に左後方から入射した光を前記出射面から左前方へ出射するように配光する、配光システムと、
前記立体画像の前記右眼用画像と前記左眼用画像とに基づいて、前記配光システムからの光を透過制御する表示パネルと、
を備える立体画像表示装置。
【請求項14】
前記配光システムは、
前記光学素子として、
光の入射面側に頂角を有する三角形状の凸部を、複数並んだ状態に有し、光の出射面側に凸形状をなす第1の円筒状レンズを、複数並んだ状態に有し、前記第1の円筒状レンズは、前記第1の視聴位置で結像する第1の焦点距離を持つ、第1のプリズムアレイと、
光の入射面側に頂角を有する三角形状の凸部を、複数並んだ状態に有し、光の出射面側に凸形状をなす第2の円筒状レンズを、複数並んだ状態に有し、前記第2の円筒状レンズは、前記第2の視聴位置で結像する第2の焦点距離を持ち、該第2の焦点距離は前記第1の焦点距離よりも短い、第2のプリズムアレイと、
を備える請求項13に記載の立体画像表示装置。
【請求項15】
前記第1の焦点距離は前記第1の円筒状レンズから対面する前記三角形状の凸部の頂点までの距離であり、前記第2の焦点距離は前記第2の円筒状レンズから対面する前記三角形状の凸部の頂点までの距離である、請求項14に記載の立体画像表示装置。
【請求項16】
前記右側光源部は、第1視聴位置での視聴に用いられる第1の右眼用光源部と、第2視聴位置での視聴に用いられる第2の右眼用光源部と、を備え、
前記左側光源部は、第1視聴位置での視聴に用いられる第1の左眼用光源部と、第2視聴位置での視聴に用いられる第2の左眼用光源部と、を備え
前記第1の右眼用光源部と前記第1の左眼用光源部とが供給する光は、前記第1のプリズムアレイに入射し、
前記第2の右眼用光源部と前記第2の左眼用光源部とが供給する光は、前記第2のプリズムアレイに入射する、請求項13に記載の立体画像表示装置。
【請求項17】
視聴者が前記第1視聴位置で立体画像を視聴する際は、前記第1の右眼用光源部と前記第1の左眼用光源部とを点灯させ、視聴者が前記第2視聴位置で立体画像を視聴する際は、前記第2の右眼用光源部と前記第2の左眼用光源部とを点灯させる、制御部を備える、請求項16に記載の立体画像表示装置。
【請求項18】
前記第1のプリズムアレイと前記第2のプリズムアレイとを、上下方向に交互に並ぶように複数個ずつ備えている、請求項14に記載の立体画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−8010(P2013−8010A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−95054(P2012−95054)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】