配管継手
【課題】広いスペースを要さずに設置することができるストレーナを具備する配管継手を提供することを課題とする。
【解決手段】水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる配管継手1であって、止水栓機能を有し水道管またはボイラに接続される配管に接続される上流側継手10と、逆支弁機能を有し上流側継手10の下流側に配置され水栓器具に接続される配管に接続される下流側継手30と、配管継手1の流路に流入した水または湯をろ過するストレーナ50とを具備し、下流側継手30が上流側継手10に取付けられることにより、上流側継手10と下流側継手30とに挟まれるようにして配管継手1内における配管継手1の流路上にストレーナ50が支持され、上流側継手10と下流側継手30とストレーナ50とが一体的にして構成される。
【解決手段】水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる配管継手1であって、止水栓機能を有し水道管またはボイラに接続される配管に接続される上流側継手10と、逆支弁機能を有し上流側継手10の下流側に配置され水栓器具に接続される配管に接続される下流側継手30と、配管継手1の流路に流入した水または湯をろ過するストレーナ50とを具備し、下流側継手30が上流側継手10に取付けられることにより、上流側継手10と下流側継手30とに挟まれるようにして配管継手1内における配管継手1の流路上にストレーナ50が支持され、上流側継手10と下流側継手30とストレーナ50とが一体的にして構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレーナを具備し、水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる、配管継手の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ストレーナを具備し、水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる配管継手に関する技術は公知になっている。
このような配管継手は、水道管またはボイラから供給される水または湯が配管継手の水または湯の流路に流入し、前記水または湯が水栓器具に供給されるように構成される。そして、このような配管継手は、そのストレーナによって、配管継手の水または湯の流路に流入した水または湯をろ過してこれからゴミを取除くように構成される。
また、このような配管継手には、ストレーナを具備するとともに止水栓機能を有するもの、または、ストレーナを具備するとともに逆止弁機能を有するもの等がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−36250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなストレーナを具備する配管継手では、これの設置作業時またはストレーナの清掃若しくは取替え等のメンテナンス作業時に、水または湯の流路を閉鎖して前記作業をおこなう。このため、このようなストレーナを具備する配管継手の周辺には、止水栓機能を有する配管継手、および、逆止弁機能を有する配管継手等が設置される。
また、前記ストレーナを具備するとともに止水栓機能を有する配管継手の下流側には、逆支弁機能を有する配管継手が設置される。前記ストレーナを具備するとともに逆止弁機能を有する配管継手の上流側には、止水栓機能を有する配管継手が設置される。
【0005】
このように、従来におけるストレーナを具備する配管継手では、周辺にさらに別の配管継手(止水栓機能を有する配管継手、および/または、逆止弁機能を有する配管継手)が設置されるため、ストレーナを具備する配管継手を配置するためには広いスペースを要する。
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、広いスペースを要さずに設置することができるストレーナを具備する配管継手を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる、配管継手であって、止水栓機能を有し、水道管またはボイラに接続される配管に接続される、上流側継手と、逆支弁機能を有し、前記上流側継手の下流側に配置され、水栓器具に接続される配管に接続される、下流側継手と、前記配管継手における水または湯の流路に流入した水または湯をろ過する、ストレーナと、を具備し、前記下流側継手が前記上流側継手に取付けられることにより、前記上流側継手と前記下流側継手とに挟まれるようにして前記配管継手内における前記配管継手の水または湯の流路上に前記ストレーナが支持され、前記上流側継手と前記下流側継手と前記ストレーナとが一体的にして構成されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記下流側継手は、前記上流側継手に取付けまたは取外し可能に構成されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記下流側継手が前記上流側継手に取付けられることによって配管継手内に形成されるものであり、前記ストレーナの縁部が配置されることによって前記ストレーナを支持する、ストレーナ支持室を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
即ち、本発明によれば、ストレーナを具備する配管継手を広いスペースを要さずに設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る配管継手の全体的な構成を示した斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係る配管継手を上流側継手と下流側継手とストレーナとに分解した状態を示した正面図。
【図3】本発明の実施形態に係る配管継手の全体的な構成を示した正面図。
【図4】同じく平面図。
【図5】同じく底面図。
【図6】同じく左側面図。
【図7】同じく右側面図。
【図8】本発明の実施形態に係る配管継手の平面視縦断面図。
【図9】本発明の実施形態に係る配管継手における下流側部材の逆止弁が移動する状態を示した拡大断面図。
【図10】クイックファスナを示した正面図。
【図11】クイックファスナを示した側面図。
【図12】本発明の実施形態に係る配管継手にクイックファスナを装着した状態を示した正面図。
【図13】本発明の実施形態に係る配管継手の全体的な構成を示した斜視図。
【図14】同じく正面図。
【図15】同じく背面図。
【図16】同じく平面図。
【図17】同じく底面図。
【図18】同じく左側面図。
【図19】同じく右側面図。
【図20】同じく平面視縦断面図。
【図21】本発明の実施形態に係る配管継手を上流側継手と下流側継手とストレーナとに分解した状態を示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態に係る配管継手1について、図1から図21を用いて説明する。
【0015】
配管継手1は、図1乃至図8に示すように、ストレーナ50を具備し、水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせるものである。前記配管が接続される水栓器具には、例えば、サーモスタッドがある。
配管継手1は、全体として略筒状に構成される。前記略筒状に構成される配管継手1内は、配管継手1の水または湯の流路(以下、「配管継手1の流路」と称する)として構成される。配管継手1は、配管継手1の流路をその内部に有する。
配管継手1は、水道管またはボイラから供給される水または湯が水道管またはボイラに接続される配管を介して上流側の開口1aから配管継手1の流路に流入するように構成される。
配管継手1は、前記配管継手1の流路に流入した水または湯が下流側の開口1bから流出して、水栓器具に接続される配管を介して水栓器具に供給されるように構成される。
【0016】
配管継手1におけるストレーナ50は、配管継手1の流路に流入した水または湯をろ過して、当該水または湯からゴミを取除くものである。ストレーナ50は、配管継手1内における配管継手1の流路(配管継手1の流路上)に配置される。
【0017】
また、配管継手1は、上流側継手10と、下流側継手30と、を具備する。
配管継手1は、上流側継手10と下流側継手30とストレーナ50とが一体的にして構成される。
【0018】
配管継手1における上流側継手10は、下流側継手30の上流側に配置される。
上流側継手10は、止水栓機能を有して構成される。上流側継手10の止水栓機能とは、配管継手1の流路を開放することによって上流側の開口1aから配管継手1の流路に流入した水または湯を下流側の開口1bから流出させ、または、配管継手1の流路を閉鎖することによって当該水または湯を下流側に流出しないようにするものである。
上流側継手10は、配管継手1の流路の開閉を弁体によっておこなうように構成される。
【0019】
配管継手1における下流側継手30は、上流側継手10の下流側に配置される。
下流側継手30は、上流側継手10に、取付けまたは取外し可能に構成される。
下流側継手30は、逆止弁機能を有して構成される。下流側継手30の逆止弁機能とは、配管継手1の流路を開放することによって配管継手1の流路に流入した水または湯を下流側の開口1bから流出させ、または、配管継手1の流路を閉鎖することによって下流側から上流側に水または湯を逆流させないようにするものである。
下流側継手30は、配管継手1の流路の開閉を弁体32によっておこなうように構成される。
【0020】
配管継手1における上流側継手10は、上流側筒部材20と、ボールバルブ13と、弁軸15と、ハンドル16と、を備える。
【0021】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、略筒状に構成される。前記略筒状に構成される上流側継手10の上流側筒部材20内は、配管継手1の流路の一部として構成される。上流側継手10の上流側筒部材20は、配管継手1の流路の一部を上流側筒部材20の内部に有する。
【0022】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、その上流側部20aに水道管またはボイラに接続される配管に接続可能に構成される。
上流側継手10における上流側筒部材20の上流側部20aは、その外径が他の部分(中途部20bおよび下流側部20c)の外径よりも小さく構成される。上流側継手10における上流側筒部材20の上流側部20aの外周面には、雄ネジが形成される。
上流側継手10における上流側筒部材20の上流側部20aの雄ネジと、水道管またはボイラに接続される配管に設けられる雌ネジ(不図示)とを螺合させることにより、上流側筒部材20の上流側部20aに水道管またはボイラに接続される配管が接続される。
このように水道管またはボイラに接続される配管が接続されることにより、上流側継手10における上流側筒部材20は、水道管またはボイラから供給される水または湯が水道管またはボイラに接続される配管を介して上流側の開口1aから配管継手1の流路(上流側筒部材20内)に流入するように構成される。
【0023】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、その下流側部20cに、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを接続可能に構成される。
上流側継手10の上流側筒部材20の下流側部20cは、その外周にクイックファスナ60が装着される装着溝21が形成されて構成される。
【0024】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、その中途部20b内にボールバルブ13(弁体)を配置可能に構成される。
上流側継手10の上流側筒部材20は、その中途部20bの上面から上方に突出する突出部22を有して構成される。
上流側継手10の上流側筒部材20の突出部22には、弁軸15の一部が配置される弁軸孔23が形成される。
上流側継手10の上流側筒部材20の弁軸孔23は、突出部22の軸心に沿って(上下方向に)、突出部22の上端から上流側筒部材20内に貫通するように形成される。
【0025】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、上流側筒部材20内における中途部20bと下流側部20cとの境界部分に段部24を有して構成される。
上流側継手10の上流側筒部材20の段部24は、上流側筒部材20の下流側部20cの内径が中途部20bの内径よりも大きく形成されることによって上流側筒部材20内に形成される段差で構成される。
【0026】
配管継手1における上流側継手10のボールバルブ13は、上流側継手10の弁体として構成される。上流側継手10のボールバルブ13は、上流側筒部材20の中途部20b内に配置される。
上流側継手10は、ボールバルブ13を回転させることによって、配管継手1の流路を開閉可能に構成される。
【0027】
配管継手1における上流側継手10のボールバルブ13は、略球状の部材に貫通孔14が形成されて構成される。
上流側継手10におけるボールバルブ13の貫通孔14の内径は、上流側筒部材20の上流側部20aの内径と略同一に構成される。上流側継手10におけるボールバルブ13の貫通孔14は、継手1の流路の一部として構成される。
そして、上流側継手10は、ボールバルブ13の貫通孔14を上流側筒部材20の上流側部20a内と下流側部20c内とに連通させることにより、配管継手1の流路を開放するように構成される。
また、上流側継手10は、このような状態からボールバルブ13を90度回転させて、ボールバルブ13の貫通孔14を除く外面部分で上流側部20a内と下流側部20c内とを遮断することにより、配管継手1の流路を閉鎖するように構成される。
【0028】
配管継手1における上流側継手10の弁軸15は、その下部が上流側筒部材20の弁軸孔23に配置されるとともに、その上端が上流側筒部材20における弁軸孔23の上方の開口から上方に突出するように配置される。
上流側継手10の弁軸15は、下端部がボールバルブ13の上端に接続されてボールバルブ13に固定される。上流側継手10の弁軸15の上端部には、ハンドル16が設けられる。上流側継手10のボールバルブ13、弁軸15、および、ハンドル16は、弁軸15の軸心を中心として一体的に回転可能に構成される。
このようにして上流側継手10は、ハンドル16を回転させることによって弁軸15およびボールバルブ13を回転させて、配管継手1の流路の開閉をおこなうように構成される。
このようにして、上流側継手10は、止水栓機能を有するように構成される。
【0029】
配管継手1における下流側継手30は、下流側筒部材40と、弁体32と、支持部材33と、を備える。
【0030】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、略筒状に構成される。前記略筒状に構成される下流側継手30の下流側筒部材40内は、配管継手1の流路の一部として構成される。下流側継手30の下流側筒部材40は、配管継手1の流路の一部を下流側筒部材40の内部に有する。
【0031】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、その上流側部40aに、上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに接続可能に構成される。
下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの外径は、その中途部40bの外径よりも小さく構成される。下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aは、その外径が上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cの内径と略同一に構成されて、上流側継手10の上流側筒部材20における下流側部20c内に嵌挿可能に構成される。
【0032】
配管継手1では、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿することによって、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aに上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cが接続される。
そして、下流側継手30は、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿することによって、上流側継手10に取付けられるように構成される。下流側継手30が上流側継手10に取付けられた状態では、下流側継手30の下流側筒部材40内と上流側継手10の上流側筒部材20内とが連通した状態となる。このように下流側継手30が上流側継手10に取付けられることにより、下流側継手30における配管継手1の流路と上流側継手10における配管継手1の流路とが連続することとなり、上流側継手10内に流入した水または湯が下流側継手30内(下流側継手30の下流側筒部材40内)に流入することとなる。
また、下流側継手30は、斯かる状態の下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cから引抜くことによって、上流側継手10から取外されるように構成される(図2参照)。
【0033】
下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの外周面には、環状のオーリング配置溝42が形成される。下流側継手30における下流側筒部材40のオーリング配置溝42には、オーリング31が配置される。
【0034】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、その下流側に水栓器具に接続される配管に接続可能に構成される。
下流側継手30の下流側筒部材40の下流側部40cは、その外径が中途部40bの外径よりも小さく構成される。上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cの外周面には、雄ネジが形成される。
下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの雄ネジと、水栓器具に接続される配管に設けられる雌ネジ(不図示)とを螺合させることにより、下流側筒部材40の下流側部40cに水栓器具に接続される配管が接続される。
このように水栓器具に接続される配管が接続されることにより、下流側継手30における下流側筒部材40は、配管継手1の流路(下流側筒部材40内)に流入した水または湯を、水栓器具に接続される配管を介して水栓器具に供給するように構成される。
【0035】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、その中途部40b内に弁体32と支持部材33とを配置可能に構成される。
下流側継手30の下流側筒部材40の下流側部40cは、その外周にクイックファスナ60が装着される装着溝31が形成されて構成される。
【0036】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、下流側筒部材40内における中途部40bと上流側部40aとの境界部分に弁座43を有して構成される。
下流側継手30の下流側筒部材40の弁座43は、下流側筒部材40の中途部40bの内径が上流側部40aの内径よりも大きく形成されることによって下流側筒部材40内に形成される段差で構成される。
【0037】
配管継手1における下流側継手30の支持部材33は、弁体32を支持するものである。下流側継手30の支持部材33は、弁体32の一部が嵌挿されて当該弁体32を支持する支持孔34を有する。
下流側継手30の支持部材33は、下流側筒部材40の中途部40b内に固定される。
【0038】
配管継手1における下流側継手30の弁体32は、支持部材33によって支持されて、下流側筒部材40の中途部40b内に配置される。下流側継手30の弁体32は、支持部材33に支持された状態で、上流側と下流側とに移動可能に構成される。
下流側継手30の弁体32は、バネ35によって上流側に付勢される。
下流側継手30の弁体32は、配管継手1の流路(下流側継手30の下流側筒部材40内)において上流側から下流側への水流が生じないときには、バネ35によって上流側に付勢されて弁座43に着座し、配管継手1の流路を閉鎖するように構成される。
下流側継手30の弁体32は、配管継手1の流路(下流側継手30の下流側筒部材40内)において上流側から下流側への水流が生じたときには、バネ35の付勢力に抗って下流側に移動して弁座43から離座し、配管継手1の流路を開放するように構成される(図9参照)。
このようにして、下流側継手30は、配管継手1における下流側から上流側へ水または湯が逆流することを防止する逆止弁機能を有するように構成される。
【0039】
配管継手1は、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aが上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿された状態(下流側継手30が上流側継手10に取付けられた状態)で、下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端が、上流側筒部材20の段部24に当接しないように構成される。
配管継手1は、下流側継手30が上流側継手10に取付けられた状態で、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端と上流側継手10における上流側筒部材20の段部24との間に所定の隙間が形成されるように構成される。
下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aは、前記下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端と上流側継手10における上流側筒部材20の段部24との間に所定の隙間が生じるように、その軸心方向の長さが、上流側筒部材20の下流側部20cの軸心方向の長さよりも短く形成されて構成される。
【0040】
配管継手1は、配管継手1の流路上に、ストレーナ50を支持するストレーナ支持室1cを備えて構成される。
前記下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端と上流側継手10における上流側筒部材20の段部24との間の所定の隙間(空間)は、ストレーナ支持室1cとして構成される。つまり、ストレーナ支持室1cは、下流側継手30が上流側継手10に取付けられることによって配管継手1内に形成される。
ストレーナ支持室1cは、配管継手1の流路において、上流側継手10の弁体32(ボールバルブ13)と下流側継手30の弁体32との間に配置される。
【0041】
配管継手1におけるストレーナ50は、網状部材52の周縁に環状の枠部材51が設けられて構成される。
ストレーナ50の網状部材52は、配管継手1の流路に流入した水または湯をろ過して、当該水または湯からゴミを取除くものであり、網状に構成される。ストレーナ50の枠部材51は、ストレーナ50の縁部を構成する。
ストレーナ50は、その枠部材51がストレーナ支持室1cに配置されることによって、ストレーナ支持室1cに支持されるように構成される。
ストレーナ50の枠部材51の外径は、上流側継手10における上流側筒部材20の中途部20bの内径よりも大きく構成される。ストレーナ50の枠部材51は、その厚みが前記下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端と上流側継手10における上流側筒部材20の段部24との間に所定の隙間よりも小さく形成される。
【0042】
以上のように構成される配管継手1では、上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cの開口から、上流側筒部材20の下流側部20c内(配管継手1の流路)にストレーナ50を配置する。そして、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿して、下流側継手30を上流側継手10に取付ける。
このように下流側継手30を上流側継手10に取付けることにより、ストレーナ支持室1cにストレーナ50の枠部材51(ストレーナ50の縁部)が配置されて、ストレーナ支持室1c(配管継手1の流路上において)にストレーナ50が支持される。またこのように下流側継手30を上流側継手10に取付けることにより、上流側継手10と下流側継手30とに挟まれるようにして配管継手1内(配管継手1の流路上)にストレーナ50が支持される。
【0043】
以上のようにして、配管継手1は、下流側継手30が上流側継手10に取付けられることにより、上流側継手と下流側継手とに挟まれるようにして配管継手1内における配管継手1の流路上にストレーナ50が支持され、上流側継手10と下流側継手30とストレーナ50とが一体的にして構成される。
このように、配管継手1は、ストレーナ50を具備するとともに止水栓機能および逆止弁機能を有するため、配管継手1では、周辺にさらに別の配管継手(止水栓機能を有する配管継手、および/または、逆止弁機能を有する配管継手)を設置することを要さない。
したがって、配管継手1によれば、広いスペースを要さずにこれを設置することができる。
【0044】
配管継手1における下流側継手30は、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿して、上流側継手10に取付けられる。また、配管継手1における下流側継手30は、斯かる状態の下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cから引抜くことによって、上流側継手10に取付から取外される。
このようにして、配管継手1における下流側継手30は、上流側継手10に取付けまたは取外し可能に構成される。
このため、配管継手1によれば、上流側継手10と上流側継手10とストレーナ50とが一体的にして構成しても、配管への配管継手1の接続作業(配管継手1の設置作業)、または、ストレーナ50の清掃若しくは取替え等の配管継手1内のメンテナンス作業を容易におこなうことができる。
【0045】
また、配管継手1は、下流側継手30が上流側継手10に取付けられることによって配管継手1内に形成されるものであり、ストレーナ50の縁部が配置されることによってストレーナ50を支持するストレーナ支持室1cを備える。
このように配管継手1では、下流側継手30を上流側継手10に取付けるとともに、ストレーナ支持室1cにストレーナ50の枠部材51(ストレーナ50の縁部)を配置してストレーナ支持室1cにストレーナ50を支持させる。
このように、配管継手1では、配管継手1の流路にストレーナ50を容易に配置することができる。
したがって、配管継手1によれば、上流側継手10と上流側継手10とストレーナ50とが一体的にして構成されるものを簡易な構造で実現することができる。
【0046】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、上流側筒部材本体25と、継手接続部材26と、弁体支持部材27と、で構成される。
【0047】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20の上流側筒部材本体25は、上流側筒部材20における上流側部20aと中途部20bとを構成する。つまり、上流側筒部材20の上流側筒部材本体25は、水道管またはボイラに接続される配管に接続可能に構成され、内部にボールバルブ13(弁体)を配置可能に構成され、突出部22を有して構成される。
【0048】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20の弁体支持部材27は、ボールバルブ13を支持するものであり、上流側筒部材本体25内に配置される。
【0049】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20の継手接続部材26は、上流側筒部材20における下流側部20cを構成する。つまり、上流側筒部材20の継手接続部材26は、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部20aを接続可能に構成され、クイックファスナ60が装着される装着溝21が形成されて構成される。
上流側筒部材20の継手接続部材26は、その内部に段部24を有して構成される。上流側筒部材20の継手接続部材26は、その上流側が上流側筒部材本体25の下流側に嵌挿されて上流側筒部材本体25に固定される。
【0050】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、下流側筒部材本体44と、配管接続部材45と、で構成される。
【0051】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40の下流側筒部材本体44は、下流側筒部材40における上流側部40aと中途部40bとを構成する。つまり、下流側筒部材40の下流側筒部材本体44は、上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに接続可能に構成され、その内部に弁体32と支持部材33を配置可能に構成され、その内部に弁座43を有し、クイックファスナ60が装着される装着溝31が形成されて構成される。
【0052】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40の配管接続部材45は、下流側筒部材40における下流側部40cを構成する。つまり、下流側筒部材40の配管接続部材45は、水栓器具に接続される配管に接続可能に構成される。下流側筒部材40の配管接続部材45は、その上流側が下流側筒部材本体44の下流側に嵌挿されて下流側筒部材本体44に固定される。
【0053】
なお、配管継手1は、上流側継手10における上流側筒部材20の装着溝21と下流側継手30における下流側筒部材40装着溝31とにクイックファスナ60を装着してもよい(図10から図12参照)。このように、クイックファスナ60を配管継手1に装着することで、クイックファスナ60が上流側筒部材20の装着溝21および下流側筒部材40装着溝31に係止して、上流側筒部材20の下流側部20cから下流側筒部材40の上流側部40aが抜け出ることが防止される。
また、配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20の上流側部20aは、雌ネジが形成される袋ナット28で構成してもよい(図13から図21参照)。このとき、上流側継手10における上流側筒部材20の上流側部20aの袋ナット28の雌ネジと、水道管またはボイラに接続される配管に設けられる雄ネジ(不図示)とを螺合させることにより、上流側筒部材20の上流側部20aに水道管またはボイラに接続される配管が接続される。
【符号の説明】
【0054】
1 継手
10 上流側継手
30 下流側継手
50 ストレーナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレーナを具備し、水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる、配管継手の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ストレーナを具備し、水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる配管継手に関する技術は公知になっている。
このような配管継手は、水道管またはボイラから供給される水または湯が配管継手の水または湯の流路に流入し、前記水または湯が水栓器具に供給されるように構成される。そして、このような配管継手は、そのストレーナによって、配管継手の水または湯の流路に流入した水または湯をろ過してこれからゴミを取除くように構成される。
また、このような配管継手には、ストレーナを具備するとともに止水栓機能を有するもの、または、ストレーナを具備するとともに逆止弁機能を有するもの等がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−36250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなストレーナを具備する配管継手では、これの設置作業時またはストレーナの清掃若しくは取替え等のメンテナンス作業時に、水または湯の流路を閉鎖して前記作業をおこなう。このため、このようなストレーナを具備する配管継手の周辺には、止水栓機能を有する配管継手、および、逆止弁機能を有する配管継手等が設置される。
また、前記ストレーナを具備するとともに止水栓機能を有する配管継手の下流側には、逆支弁機能を有する配管継手が設置される。前記ストレーナを具備するとともに逆止弁機能を有する配管継手の上流側には、止水栓機能を有する配管継手が設置される。
【0005】
このように、従来におけるストレーナを具備する配管継手では、周辺にさらに別の配管継手(止水栓機能を有する配管継手、および/または、逆止弁機能を有する配管継手)が設置されるため、ストレーナを具備する配管継手を配置するためには広いスペースを要する。
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、広いスペースを要さずに設置することができるストレーナを具備する配管継手を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる、配管継手であって、止水栓機能を有し、水道管またはボイラに接続される配管に接続される、上流側継手と、逆支弁機能を有し、前記上流側継手の下流側に配置され、水栓器具に接続される配管に接続される、下流側継手と、前記配管継手における水または湯の流路に流入した水または湯をろ過する、ストレーナと、を具備し、前記下流側継手が前記上流側継手に取付けられることにより、前記上流側継手と前記下流側継手とに挟まれるようにして前記配管継手内における前記配管継手の水または湯の流路上に前記ストレーナが支持され、前記上流側継手と前記下流側継手と前記ストレーナとが一体的にして構成されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記下流側継手は、前記上流側継手に取付けまたは取外し可能に構成されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記下流側継手が前記上流側継手に取付けられることによって配管継手内に形成されるものであり、前記ストレーナの縁部が配置されることによって前記ストレーナを支持する、ストレーナ支持室を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
即ち、本発明によれば、ストレーナを具備する配管継手を広いスペースを要さずに設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る配管継手の全体的な構成を示した斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係る配管継手を上流側継手と下流側継手とストレーナとに分解した状態を示した正面図。
【図3】本発明の実施形態に係る配管継手の全体的な構成を示した正面図。
【図4】同じく平面図。
【図5】同じく底面図。
【図6】同じく左側面図。
【図7】同じく右側面図。
【図8】本発明の実施形態に係る配管継手の平面視縦断面図。
【図9】本発明の実施形態に係る配管継手における下流側部材の逆止弁が移動する状態を示した拡大断面図。
【図10】クイックファスナを示した正面図。
【図11】クイックファスナを示した側面図。
【図12】本発明の実施形態に係る配管継手にクイックファスナを装着した状態を示した正面図。
【図13】本発明の実施形態に係る配管継手の全体的な構成を示した斜視図。
【図14】同じく正面図。
【図15】同じく背面図。
【図16】同じく平面図。
【図17】同じく底面図。
【図18】同じく左側面図。
【図19】同じく右側面図。
【図20】同じく平面視縦断面図。
【図21】本発明の実施形態に係る配管継手を上流側継手と下流側継手とストレーナとに分解した状態を示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態に係る配管継手1について、図1から図21を用いて説明する。
【0015】
配管継手1は、図1乃至図8に示すように、ストレーナ50を具備し、水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせるものである。前記配管が接続される水栓器具には、例えば、サーモスタッドがある。
配管継手1は、全体として略筒状に構成される。前記略筒状に構成される配管継手1内は、配管継手1の水または湯の流路(以下、「配管継手1の流路」と称する)として構成される。配管継手1は、配管継手1の流路をその内部に有する。
配管継手1は、水道管またはボイラから供給される水または湯が水道管またはボイラに接続される配管を介して上流側の開口1aから配管継手1の流路に流入するように構成される。
配管継手1は、前記配管継手1の流路に流入した水または湯が下流側の開口1bから流出して、水栓器具に接続される配管を介して水栓器具に供給されるように構成される。
【0016】
配管継手1におけるストレーナ50は、配管継手1の流路に流入した水または湯をろ過して、当該水または湯からゴミを取除くものである。ストレーナ50は、配管継手1内における配管継手1の流路(配管継手1の流路上)に配置される。
【0017】
また、配管継手1は、上流側継手10と、下流側継手30と、を具備する。
配管継手1は、上流側継手10と下流側継手30とストレーナ50とが一体的にして構成される。
【0018】
配管継手1における上流側継手10は、下流側継手30の上流側に配置される。
上流側継手10は、止水栓機能を有して構成される。上流側継手10の止水栓機能とは、配管継手1の流路を開放することによって上流側の開口1aから配管継手1の流路に流入した水または湯を下流側の開口1bから流出させ、または、配管継手1の流路を閉鎖することによって当該水または湯を下流側に流出しないようにするものである。
上流側継手10は、配管継手1の流路の開閉を弁体によっておこなうように構成される。
【0019】
配管継手1における下流側継手30は、上流側継手10の下流側に配置される。
下流側継手30は、上流側継手10に、取付けまたは取外し可能に構成される。
下流側継手30は、逆止弁機能を有して構成される。下流側継手30の逆止弁機能とは、配管継手1の流路を開放することによって配管継手1の流路に流入した水または湯を下流側の開口1bから流出させ、または、配管継手1の流路を閉鎖することによって下流側から上流側に水または湯を逆流させないようにするものである。
下流側継手30は、配管継手1の流路の開閉を弁体32によっておこなうように構成される。
【0020】
配管継手1における上流側継手10は、上流側筒部材20と、ボールバルブ13と、弁軸15と、ハンドル16と、を備える。
【0021】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、略筒状に構成される。前記略筒状に構成される上流側継手10の上流側筒部材20内は、配管継手1の流路の一部として構成される。上流側継手10の上流側筒部材20は、配管継手1の流路の一部を上流側筒部材20の内部に有する。
【0022】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、その上流側部20aに水道管またはボイラに接続される配管に接続可能に構成される。
上流側継手10における上流側筒部材20の上流側部20aは、その外径が他の部分(中途部20bおよび下流側部20c)の外径よりも小さく構成される。上流側継手10における上流側筒部材20の上流側部20aの外周面には、雄ネジが形成される。
上流側継手10における上流側筒部材20の上流側部20aの雄ネジと、水道管またはボイラに接続される配管に設けられる雌ネジ(不図示)とを螺合させることにより、上流側筒部材20の上流側部20aに水道管またはボイラに接続される配管が接続される。
このように水道管またはボイラに接続される配管が接続されることにより、上流側継手10における上流側筒部材20は、水道管またはボイラから供給される水または湯が水道管またはボイラに接続される配管を介して上流側の開口1aから配管継手1の流路(上流側筒部材20内)に流入するように構成される。
【0023】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、その下流側部20cに、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを接続可能に構成される。
上流側継手10の上流側筒部材20の下流側部20cは、その外周にクイックファスナ60が装着される装着溝21が形成されて構成される。
【0024】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、その中途部20b内にボールバルブ13(弁体)を配置可能に構成される。
上流側継手10の上流側筒部材20は、その中途部20bの上面から上方に突出する突出部22を有して構成される。
上流側継手10の上流側筒部材20の突出部22には、弁軸15の一部が配置される弁軸孔23が形成される。
上流側継手10の上流側筒部材20の弁軸孔23は、突出部22の軸心に沿って(上下方向に)、突出部22の上端から上流側筒部材20内に貫通するように形成される。
【0025】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、上流側筒部材20内における中途部20bと下流側部20cとの境界部分に段部24を有して構成される。
上流側継手10の上流側筒部材20の段部24は、上流側筒部材20の下流側部20cの内径が中途部20bの内径よりも大きく形成されることによって上流側筒部材20内に形成される段差で構成される。
【0026】
配管継手1における上流側継手10のボールバルブ13は、上流側継手10の弁体として構成される。上流側継手10のボールバルブ13は、上流側筒部材20の中途部20b内に配置される。
上流側継手10は、ボールバルブ13を回転させることによって、配管継手1の流路を開閉可能に構成される。
【0027】
配管継手1における上流側継手10のボールバルブ13は、略球状の部材に貫通孔14が形成されて構成される。
上流側継手10におけるボールバルブ13の貫通孔14の内径は、上流側筒部材20の上流側部20aの内径と略同一に構成される。上流側継手10におけるボールバルブ13の貫通孔14は、継手1の流路の一部として構成される。
そして、上流側継手10は、ボールバルブ13の貫通孔14を上流側筒部材20の上流側部20a内と下流側部20c内とに連通させることにより、配管継手1の流路を開放するように構成される。
また、上流側継手10は、このような状態からボールバルブ13を90度回転させて、ボールバルブ13の貫通孔14を除く外面部分で上流側部20a内と下流側部20c内とを遮断することにより、配管継手1の流路を閉鎖するように構成される。
【0028】
配管継手1における上流側継手10の弁軸15は、その下部が上流側筒部材20の弁軸孔23に配置されるとともに、その上端が上流側筒部材20における弁軸孔23の上方の開口から上方に突出するように配置される。
上流側継手10の弁軸15は、下端部がボールバルブ13の上端に接続されてボールバルブ13に固定される。上流側継手10の弁軸15の上端部には、ハンドル16が設けられる。上流側継手10のボールバルブ13、弁軸15、および、ハンドル16は、弁軸15の軸心を中心として一体的に回転可能に構成される。
このようにして上流側継手10は、ハンドル16を回転させることによって弁軸15およびボールバルブ13を回転させて、配管継手1の流路の開閉をおこなうように構成される。
このようにして、上流側継手10は、止水栓機能を有するように構成される。
【0029】
配管継手1における下流側継手30は、下流側筒部材40と、弁体32と、支持部材33と、を備える。
【0030】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、略筒状に構成される。前記略筒状に構成される下流側継手30の下流側筒部材40内は、配管継手1の流路の一部として構成される。下流側継手30の下流側筒部材40は、配管継手1の流路の一部を下流側筒部材40の内部に有する。
【0031】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、その上流側部40aに、上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに接続可能に構成される。
下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの外径は、その中途部40bの外径よりも小さく構成される。下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aは、その外径が上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cの内径と略同一に構成されて、上流側継手10の上流側筒部材20における下流側部20c内に嵌挿可能に構成される。
【0032】
配管継手1では、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿することによって、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aに上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cが接続される。
そして、下流側継手30は、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿することによって、上流側継手10に取付けられるように構成される。下流側継手30が上流側継手10に取付けられた状態では、下流側継手30の下流側筒部材40内と上流側継手10の上流側筒部材20内とが連通した状態となる。このように下流側継手30が上流側継手10に取付けられることにより、下流側継手30における配管継手1の流路と上流側継手10における配管継手1の流路とが連続することとなり、上流側継手10内に流入した水または湯が下流側継手30内(下流側継手30の下流側筒部材40内)に流入することとなる。
また、下流側継手30は、斯かる状態の下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cから引抜くことによって、上流側継手10から取外されるように構成される(図2参照)。
【0033】
下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの外周面には、環状のオーリング配置溝42が形成される。下流側継手30における下流側筒部材40のオーリング配置溝42には、オーリング31が配置される。
【0034】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、その下流側に水栓器具に接続される配管に接続可能に構成される。
下流側継手30の下流側筒部材40の下流側部40cは、その外径が中途部40bの外径よりも小さく構成される。上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cの外周面には、雄ネジが形成される。
下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの雄ネジと、水栓器具に接続される配管に設けられる雌ネジ(不図示)とを螺合させることにより、下流側筒部材40の下流側部40cに水栓器具に接続される配管が接続される。
このように水栓器具に接続される配管が接続されることにより、下流側継手30における下流側筒部材40は、配管継手1の流路(下流側筒部材40内)に流入した水または湯を、水栓器具に接続される配管を介して水栓器具に供給するように構成される。
【0035】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、その中途部40b内に弁体32と支持部材33とを配置可能に構成される。
下流側継手30の下流側筒部材40の下流側部40cは、その外周にクイックファスナ60が装着される装着溝31が形成されて構成される。
【0036】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、下流側筒部材40内における中途部40bと上流側部40aとの境界部分に弁座43を有して構成される。
下流側継手30の下流側筒部材40の弁座43は、下流側筒部材40の中途部40bの内径が上流側部40aの内径よりも大きく形成されることによって下流側筒部材40内に形成される段差で構成される。
【0037】
配管継手1における下流側継手30の支持部材33は、弁体32を支持するものである。下流側継手30の支持部材33は、弁体32の一部が嵌挿されて当該弁体32を支持する支持孔34を有する。
下流側継手30の支持部材33は、下流側筒部材40の中途部40b内に固定される。
【0038】
配管継手1における下流側継手30の弁体32は、支持部材33によって支持されて、下流側筒部材40の中途部40b内に配置される。下流側継手30の弁体32は、支持部材33に支持された状態で、上流側と下流側とに移動可能に構成される。
下流側継手30の弁体32は、バネ35によって上流側に付勢される。
下流側継手30の弁体32は、配管継手1の流路(下流側継手30の下流側筒部材40内)において上流側から下流側への水流が生じないときには、バネ35によって上流側に付勢されて弁座43に着座し、配管継手1の流路を閉鎖するように構成される。
下流側継手30の弁体32は、配管継手1の流路(下流側継手30の下流側筒部材40内)において上流側から下流側への水流が生じたときには、バネ35の付勢力に抗って下流側に移動して弁座43から離座し、配管継手1の流路を開放するように構成される(図9参照)。
このようにして、下流側継手30は、配管継手1における下流側から上流側へ水または湯が逆流することを防止する逆止弁機能を有するように構成される。
【0039】
配管継手1は、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aが上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿された状態(下流側継手30が上流側継手10に取付けられた状態)で、下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端が、上流側筒部材20の段部24に当接しないように構成される。
配管継手1は、下流側継手30が上流側継手10に取付けられた状態で、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端と上流側継手10における上流側筒部材20の段部24との間に所定の隙間が形成されるように構成される。
下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aは、前記下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端と上流側継手10における上流側筒部材20の段部24との間に所定の隙間が生じるように、その軸心方向の長さが、上流側筒部材20の下流側部20cの軸心方向の長さよりも短く形成されて構成される。
【0040】
配管継手1は、配管継手1の流路上に、ストレーナ50を支持するストレーナ支持室1cを備えて構成される。
前記下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端と上流側継手10における上流側筒部材20の段部24との間の所定の隙間(空間)は、ストレーナ支持室1cとして構成される。つまり、ストレーナ支持室1cは、下流側継手30が上流側継手10に取付けられることによって配管継手1内に形成される。
ストレーナ支持室1cは、配管継手1の流路において、上流側継手10の弁体32(ボールバルブ13)と下流側継手30の弁体32との間に配置される。
【0041】
配管継手1におけるストレーナ50は、網状部材52の周縁に環状の枠部材51が設けられて構成される。
ストレーナ50の網状部材52は、配管継手1の流路に流入した水または湯をろ過して、当該水または湯からゴミを取除くものであり、網状に構成される。ストレーナ50の枠部材51は、ストレーナ50の縁部を構成する。
ストレーナ50は、その枠部材51がストレーナ支持室1cに配置されることによって、ストレーナ支持室1cに支持されるように構成される。
ストレーナ50の枠部材51の外径は、上流側継手10における上流側筒部材20の中途部20bの内径よりも大きく構成される。ストレーナ50の枠部材51は、その厚みが前記下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aの上流側端と上流側継手10における上流側筒部材20の段部24との間に所定の隙間よりも小さく形成される。
【0042】
以上のように構成される配管継手1では、上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cの開口から、上流側筒部材20の下流側部20c内(配管継手1の流路)にストレーナ50を配置する。そして、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿して、下流側継手30を上流側継手10に取付ける。
このように下流側継手30を上流側継手10に取付けることにより、ストレーナ支持室1cにストレーナ50の枠部材51(ストレーナ50の縁部)が配置されて、ストレーナ支持室1c(配管継手1の流路上において)にストレーナ50が支持される。またこのように下流側継手30を上流側継手10に取付けることにより、上流側継手10と下流側継手30とに挟まれるようにして配管継手1内(配管継手1の流路上)にストレーナ50が支持される。
【0043】
以上のようにして、配管継手1は、下流側継手30が上流側継手10に取付けられることにより、上流側継手と下流側継手とに挟まれるようにして配管継手1内における配管継手1の流路上にストレーナ50が支持され、上流側継手10と下流側継手30とストレーナ50とが一体的にして構成される。
このように、配管継手1は、ストレーナ50を具備するとともに止水栓機能および逆止弁機能を有するため、配管継手1では、周辺にさらに別の配管継手(止水栓機能を有する配管継手、および/または、逆止弁機能を有する配管継手)を設置することを要さない。
したがって、配管継手1によれば、広いスペースを要さずにこれを設置することができる。
【0044】
配管継手1における下流側継手30は、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに嵌挿して、上流側継手10に取付けられる。また、配管継手1における下流側継手30は、斯かる状態の下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部40aを上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cから引抜くことによって、上流側継手10に取付から取外される。
このようにして、配管継手1における下流側継手30は、上流側継手10に取付けまたは取外し可能に構成される。
このため、配管継手1によれば、上流側継手10と上流側継手10とストレーナ50とが一体的にして構成しても、配管への配管継手1の接続作業(配管継手1の設置作業)、または、ストレーナ50の清掃若しくは取替え等の配管継手1内のメンテナンス作業を容易におこなうことができる。
【0045】
また、配管継手1は、下流側継手30が上流側継手10に取付けられることによって配管継手1内に形成されるものであり、ストレーナ50の縁部が配置されることによってストレーナ50を支持するストレーナ支持室1cを備える。
このように配管継手1では、下流側継手30を上流側継手10に取付けるとともに、ストレーナ支持室1cにストレーナ50の枠部材51(ストレーナ50の縁部)を配置してストレーナ支持室1cにストレーナ50を支持させる。
このように、配管継手1では、配管継手1の流路にストレーナ50を容易に配置することができる。
したがって、配管継手1によれば、上流側継手10と上流側継手10とストレーナ50とが一体的にして構成されるものを簡易な構造で実現することができる。
【0046】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20は、上流側筒部材本体25と、継手接続部材26と、弁体支持部材27と、で構成される。
【0047】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20の上流側筒部材本体25は、上流側筒部材20における上流側部20aと中途部20bとを構成する。つまり、上流側筒部材20の上流側筒部材本体25は、水道管またはボイラに接続される配管に接続可能に構成され、内部にボールバルブ13(弁体)を配置可能に構成され、突出部22を有して構成される。
【0048】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20の弁体支持部材27は、ボールバルブ13を支持するものであり、上流側筒部材本体25内に配置される。
【0049】
配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20の継手接続部材26は、上流側筒部材20における下流側部20cを構成する。つまり、上流側筒部材20の継手接続部材26は、下流側継手30における下流側筒部材40の上流側部20aを接続可能に構成され、クイックファスナ60が装着される装着溝21が形成されて構成される。
上流側筒部材20の継手接続部材26は、その内部に段部24を有して構成される。上流側筒部材20の継手接続部材26は、その上流側が上流側筒部材本体25の下流側に嵌挿されて上流側筒部材本体25に固定される。
【0050】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40は、下流側筒部材本体44と、配管接続部材45と、で構成される。
【0051】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40の下流側筒部材本体44は、下流側筒部材40における上流側部40aと中途部40bとを構成する。つまり、下流側筒部材40の下流側筒部材本体44は、上流側継手10における上流側筒部材20の下流側部20cに接続可能に構成され、その内部に弁体32と支持部材33を配置可能に構成され、その内部に弁座43を有し、クイックファスナ60が装着される装着溝31が形成されて構成される。
【0052】
配管継手1における下流側継手30の下流側筒部材40の配管接続部材45は、下流側筒部材40における下流側部40cを構成する。つまり、下流側筒部材40の配管接続部材45は、水栓器具に接続される配管に接続可能に構成される。下流側筒部材40の配管接続部材45は、その上流側が下流側筒部材本体44の下流側に嵌挿されて下流側筒部材本体44に固定される。
【0053】
なお、配管継手1は、上流側継手10における上流側筒部材20の装着溝21と下流側継手30における下流側筒部材40装着溝31とにクイックファスナ60を装着してもよい(図10から図12参照)。このように、クイックファスナ60を配管継手1に装着することで、クイックファスナ60が上流側筒部材20の装着溝21および下流側筒部材40装着溝31に係止して、上流側筒部材20の下流側部20cから下流側筒部材40の上流側部40aが抜け出ることが防止される。
また、配管継手1における上流側継手10の上流側筒部材20の上流側部20aは、雌ネジが形成される袋ナット28で構成してもよい(図13から図21参照)。このとき、上流側継手10における上流側筒部材20の上流側部20aの袋ナット28の雌ネジと、水道管またはボイラに接続される配管に設けられる雄ネジ(不図示)とを螺合させることにより、上流側筒部材20の上流側部20aに水道管またはボイラに接続される配管が接続される。
【符号の説明】
【0054】
1 継手
10 上流側継手
30 下流側継手
50 ストレーナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる、配管継手であって、
止水栓機能を有し、水道管またはボイラに接続される配管に接続される、上流側継手と、
逆支弁機能を有し、前記上流側継手の下流側に配置され、水栓器具に接続される配管に接続される、下流側継手と、
前記配管継手における水または湯の流路に流入した水または湯をろ過する、ストレーナと、を具備し、
前記下流側継手が前記上流側継手に取付けられることにより、前記上流側継手と前記下流側継手とに挟まれるようにして前記配管継手内における前記配管継手の水または湯の流路上に前記ストレーナが支持され、前記上流側継手と前記下流側継手と前記ストレーナとが一体的にして構成される、
配管継手。
【請求項2】
前記下流側継手は、前記上流側継手に取付けまたは取外し可能に構成される、
請求項1に記載の配管継手。
【請求項3】
前記下流側継手が前記上流側継手に取付けられることによって前記配管継手内に形成されるものであり、前記ストレーナの縁部が配置されることによって前記ストレーナを支持する、ストレーナ支持室を備える、
請求項1または請求項2に記載の配管継手。
【請求項1】
水道管またはボイラに接続される配管と水栓器具に接続される配管とをつなぎ合わせる、配管継手であって、
止水栓機能を有し、水道管またはボイラに接続される配管に接続される、上流側継手と、
逆支弁機能を有し、前記上流側継手の下流側に配置され、水栓器具に接続される配管に接続される、下流側継手と、
前記配管継手における水または湯の流路に流入した水または湯をろ過する、ストレーナと、を具備し、
前記下流側継手が前記上流側継手に取付けられることにより、前記上流側継手と前記下流側継手とに挟まれるようにして前記配管継手内における前記配管継手の水または湯の流路上に前記ストレーナが支持され、前記上流側継手と前記下流側継手と前記ストレーナとが一体的にして構成される、
配管継手。
【請求項2】
前記下流側継手は、前記上流側継手に取付けまたは取外し可能に構成される、
請求項1に記載の配管継手。
【請求項3】
前記下流側継手が前記上流側継手に取付けられることによって前記配管継手内に形成されるものであり、前記ストレーナの縁部が配置されることによって前記ストレーナを支持する、ストレーナ支持室を備える、
請求項1または請求項2に記載の配管継手。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−44393(P2013−44393A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182685(P2011−182685)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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