配線部材
【課題】接着不良や短絡などの不具合なく接続相手の配線部材と良好に接続させることが可能な配線部材を提供する。
【解決手段】絶縁材からなる補強基材14と、補強基材14の一方の面に並列に配置された複数の接続電極部12と、接続電極部12に塗布された導電性ペースト15と、接続電極部12の側方における補強基材14上に塗布された接着剤16とを備え、導電性ペースト15は、接続電極部12の配列方向の幅寸法W2が接続電極部12の幅寸法W1よりも小さく、かつ前記導電性ペースト15の表面が接着剤16の表面よりも補強基材14と反対方向へ突出し、接着剤16は、その一部が、接続電極部12の補強基材14と反対側の面上の肩部12aにも塗布されている。
【解決手段】絶縁材からなる補強基材14と、補強基材14の一方の面に並列に配置された複数の接続電極部12と、接続電極部12に塗布された導電性ペースト15と、接続電極部12の側方における補強基材14上に塗布された接着剤16とを備え、導電性ペースト15は、接続電極部12の配列方向の幅寸法W2が接続電極部12の幅寸法W1よりも小さく、かつ前記導電性ペースト15の表面が接着剤16の表面よりも補強基材14と反対方向へ突出し、接着剤16は、その一部が、接続電極部12の補強基材14と反対側の面上の肩部12aにも塗布されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の接続電極部を備えた配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
限られたスペースで高密度の配線が可能な配線部材として、例えば、複数本の導体を一平面上に配列し、その配列面の両側からそれぞれ絶縁フィルムをラミネートしたフラットケーブルが用いられている。このフラットケーブルからなる配線部材は、端部が接続部とされ、この接続部において、所定間隔に配列された複数の導体からなる接続電極部が露出され、複数の接続電極部を備えた接続相手の配線部材に接続されて配線される。
【0003】
このような配線部材として、基材に貼り付けられた複数の接続電極部に積層形成された導電性ペースト層と、接続電極部を除く部位に積層形成されているとともに、熱可塑性樹脂材料を主剤とする絶縁性樹脂接着剤層とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。このような配線部材では、複数の接続電極部を備えた接続相手の配線部材に貼り合わせることにより、接続電極部同士が導電性ペースト層によって導通接続され、また、基材同士が絶縁性接着剤層によって接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−77125号公報
【特許文献2】特開2011−77126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の配線部材は、導電性ペースト層及び絶縁性樹脂接着剤層の上面位置が同一平面内に配置されている。このような配線部材に対して接続相手の配線部材を接続すると、接続相手の配線部材の基材から突出した接続電極部は導電性ペーストに密着するが、接続電極部の側方へ絶縁性樹脂接着剤層の接着剤が円滑に入り込まないことがある。その場合、基材の表面への接着剤の付着が不十分となり、配線部材同士の接着不良が生じるおそれがある。また、互いの配線部材の接続電極部によって導電性ペースト層の導電性ペーストが押し潰されて側方へ広がるため、隣接する接続電極部の導電性ペースト同士が接触して、接続電極部が短絡するおそれもあった。
【0006】
本発明の目的は、接着不良や短絡などの不具合なく接続相手の配線部材と良好に接続させることが可能な配線部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することのできる本発明の配線部材は、絶縁材からなる基材と、前記基材の一方の面に並列に配置された複数の接続電極部と、前記接続電極部に塗布された導電性ペーストと、前記接続電極部の側方における前記基材上に塗布された接着剤とを備え、
前記導電性ペーストは、前記接続電極部の配列方向の幅寸法が前記接続電極部の幅寸法よりも小さく、かつ前記導電性ペーストの表面が前記接着剤表面よりも前記基材と反対方向へ突出し、
前記接着剤は、その一部が、前記接続電極部の前記基材と反対側の面上にも塗布されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の配線部材において、前記基材が透明であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接続相手の配線部材を貼り合わせて接続する際に、まず、接着剤よりも突出された導電性ペーストに接続相手の配線部材の接続電極部が当接して確実な導通が確保される。さらに、導電性ペーストが互いの接続電極部によって挟まれて押し潰され、それぞれの接続電極部に対して良好に接触した状態となる。このとき、導電性ペーストの幅寸法が接続電極部の幅寸法よりも小さく、かつ接続電極部には接着剤も塗布されているので、押し潰されても隣接する接続電極部の導電性ペースト同士が接触して短絡するような不具合も防止される。
また、接着剤が接続相手の配線部材の接続電極部同士の間へ入り込んで基材に良好に接触する。さらに、接着剤の一部が接続電極部の導電性ペーストがない部分同士に入り込むので本発明の配線部材の接続電極部と接続相手の配線部材の接続電極部とが接着剤によって接着される。
したがって、接着不良や短絡などの不具合なく接続相手の配線部材と良好に接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】配線部材の一実施形態を示す平面図である。
【図2】配線部材の側断面図である。
【図3】配線部材の接続部における側断面図である。
【図4】配線部材の接続部における横断面図である。
【図5】配線部材の接続部への接続相手の配線部材の接続について示す横断面図である。
【図6】配線部材の接続部への接続相手の配線部材の接続について示す側断面図である。
【図7】配線部材に接続相手の配線部材が接続された接続部の横断面図である。
【図8】接続電極部同士の接続箇所における導体ペースト及び接着剤を示す図であって、(a)及び(b)は、それぞれ拡大断面図である。
【図9】参考例に係る配線部材を示す図であって、(a)及び(b)は、それぞれ配線部材の横断面図である。
【図10】配線部材を製造する方法を示す斜視図である。
【図11】配線部材の製造途中を示す長尺フラットケーブルの平面図である。
【図12】製造途中の配線部材の平面図である。
【図13】製造途中の配線部材の側断面図である。
【図14】異なる製造方法での製造途中の配線部材の側断面図である。
【図15】異なる製造方法での製造途中の配線部材の側断面図である。
【図16】配線部材の接続部への導電性ペースト及び接着剤の転写工程を説明する横断面図である。
【図17】配線部材の接続部への導電性ペースト及び接着剤の転写工程を説明する横断面図である。
【図18】変形例に係る配線部材の側断面図である。
【図19】変形例に係る配線部材の接続部の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る配線部材の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、配線部材1は、例えば、銅(メッキされた銅を含む)または銅合金の圧延銅箔からなる複数本の平角導体2を備えている。これらの平角導体2は、所定の並列ピッチで平面上に配列されており、平角導体2の配列面の両面にそれぞれ絶縁フィルム3a,3bが貼着(ラミネート)されている。配線部材1は、複数本の平角導体2を一平面上に配列し、その配列面の両側からそれぞれ絶縁フィルム3a,3bをラミネートしたフラットケーブルである。なお、図1では平角導体2を4本有する例を示しているが、平角導体2の本数は適宜変更される。例えば、平角導体2を20本とすることもできる。
【0012】
絶縁フィルム3a,3bは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリイミドあるいはポリフェニレンサルファイド等の樹脂から形成された基材部分とポリエステル系接着剤または難燃ポリ塩化ビニル系の絶縁性接着剤や、難燃ポリオレフィンなどからなる接着層を有している。平角導体2に対して、接着層の面を対向させて2枚の絶縁フィルム3a,3bが貼り合わされている。これにより、平角導体2同士の電気的絶縁を図っている。この絶縁フィルム3a,3bの厚さは、それぞれ0.02mm以上0.15mm以下とすることが好ましい。
【0013】
図3に示すように、配線部材1の長手方向の両端部は接続部11とされており、この接続部11に、後述する接続相手の配線部材21が接続される。
【0014】
配線部材1の接続部11では、絶縁フィルム3a,3bから平角導体2の一部が露出されており、これらの露出された平角導体2が接続電極部12とされている。接続部11では、一方側の面に、補強基材(基材)14が貼り付けられており、これにより、平角導体2の接続電極部12は、補強基材14の一方の面に並列に配置されている。補強基材14には、接続部11への貼り付け側に接着剤が塗布されており、これにより、この補強基材14は、一方の絶縁フィルム3aの端部及び接続電極部12に接着されている。補強基材14は、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁樹脂から形成されたもので、厚さは、0.15mm以上0.20mm以下とすることが好ましい。補強基材14に塗布された接着剤としては、ポリエステル系接着剤が用いられる。
【0015】
図3及び図4に示すように、配線部材1の接続部11では、接続電極部12に、導電性ペースト15が塗布されている。また、接続電極部12の両側方における補強基材14上には、接着剤16が塗布されている。
【0016】
図4に示すように、導電性ペースト15は、接続電極部12の配列方向の幅寸法W2が平角導体2からなる接続電極部12の幅寸法W1よりも小さくなるように塗布されている。これにより、接続電極部12には、補強基材14と反対側の面に、導電性ペースト15が塗布されていない肩部12aがある。接着剤16は、その一部が肩部12aにも塗布されている。導電性ペースト15は、接着剤16よりも補強基材14と反対方向へ突出している。
【0017】
導電性ペースト15は、導電粒子と接着剤とから構成されている。導電粒子としては、例えば、銀粉末、カーボン粉末、銅粉末、ニッケル粉末、あるいはこれらの混合粉末などが使用可能である。この導電性ペースト15を構成する接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等のいずれかが使用可能である。特に、導電性ペースト15としては、平均粒径0.5〜5μmの鱗片状銀粉末と、表面に有機物がコーティングされた、平均粒径20nm以下の球状銀粉末とを含む銀ペーストを採用するのが好ましい。銀ペースト中にナノ銀粒子を含有させることにより、接続抵抗が下がり、また、表面の凹凸も小さくなって接続面積が大きくなる。このため、電気的接続の信頼性が向上する。
【0018】
また、接着剤16としては、例えば、約100〜170℃の溶融温度を有するポリエステル系やポリアミド系のホットメルト接着剤が用いられている。この接着剤16としては、十条ケミカル株式会社製JELCONAD−HM6、東亜合成株式会社製PES310S30、同社製PES375S40等を採用することができる。
【0019】
図5及び図6に示すように、上記構成の配線部材1には、その接続部11に接続相手の配線部材21が接続される。この接続相手の配線部材21は、例えば、フラットケーブル、フレキシブルプリント基板あるいは硬質基板等からなる基材22と、この基材22に接着固定された複数の接続電極部23とを備えている。接続電極部23の幅寸法とピッチは、配線部材1の接続電極部12とほぼ同一である。
【0020】
図7に示すように、接続相手の配線部材21を配線部材1の接続部11に重ね合わせることにより、互いの接続電極部12,23同士が導電性ペースト15によって導通され、また、補強基材14と基材22とが接着剤16によって接着される。また、接着剤16は、その一部が接続電極部12,23の間に入り込む。これにより、これらの接続電極部12,23同士が接着剤16によって接着される。
【0021】
なお、配線部材1の補強基材14が透明である場合は、接続相手の配線部材21と接続する際には、この接続相手の配線部材21に対して上方から配線部材1を被せるように重ね合わせるのが好ましい。このようにすると、透明な補強基材14を通して互いの接続電極部12,23の位置を目視であるいは画像データとして電子機器で自動的に判断して位置合わせすることができる。
【0022】
本実施形態に係る配線部材1では、配線部材1の接続部11に接続相手の配線部材21を貼り合わせる際に、図8(a)に示すように、まず、接着剤16よりも突出した導電性ペースト15に接続相手の配線部材21の接続電極部23が接触して接続電極部12,23の導通が確保される。さらに、配線部材1の接続部11へ接続相手の配線部材21を押し付けると、図8(b)に示すように、導電性ペースト15が接続電極部12,23によって挟持されて押し潰される。これにより、導電性ペースト15は、接続電極部23に対して良好に接触した状態となる。導電性ペースト15が押し潰されて側方へ広がったとしても、接続電極部12の肩部12aに塗布されている接着剤16が広がろうとする導電性ペースト15を抑えるので、隣接する接続電極部12の導電性ペースト15同士が接触して短絡するような不具合も防止される。
【0023】
また、接着剤16が接続相手の配線部材21の接続電極部23の間へ入り込み、配線部材21の基材22に接触する。さらに、接着剤16は、その一部が接続電極部12,23の間にも入り込むので、これらの接続電極部12,23の導電性ペースト15がない部分同士が接着剤16によって接着される。
したがって、本実施形態に係る配線部材1によれば、接着不良や短絡などの不具合なく接続相手の配線部材21と良好に接続させることができる。
【0024】
また、補強基材14が透明であると、接続相手の配線部材21との接続時に、透明な補強基材14を通して接続箇所を目視することができる。これにより、配線部材1,21の接続電極部12,23同士を容易にかつ高精度に位置合わせして互いに接続することができ、接続信頼性を高めることができる。
【0025】
ここで、参考例を図9に示す。図9(a)に示す配線部材41は、接続電極部12と略同一の幅寸法の導電性ペースト15を備え、この導電性ペースト15よりも接着剤16が上方へ突出するように盛り上げられたものである。この配線部材41に対して、図9(b)に示すように、接続相手の配線部材21を重ね合わせると、盛り上がった接着剤16が接続相手の配線部材21の基材22によって押し潰されて側方へ流れる。すると、この接着剤16が導電性ペースト15の上面側に乗り上げるように配置されてしまう。これにより、配線部材21の接続電極部23への導電性ペースト15の接触が接着剤16によって阻害され、配線部材21,41の接続電極部12,23同士の導通不良が生じるおそれがある。
【0026】
本発明に係る配線部材1では、上記のように導電性ペースト15が接続電極部12より狭くかつ接着剤16より高く設けられている(導電性ペースト15の表面が接着剤16の表面よりも補強基材14と反対方向へ突出している)ので、図9の例のような不具合が生じるおそれがない。
【0027】
次に、上記構造の配線部材1を製造する方法について説明する。
図10に示すように、それぞれ長尺の平角導体2が巻き取られている複数のリール30から平角導体2を送り出して所定の並列ピッチで同一平面上に配列する。そして、これらの平角導体2の表裏に、リール31から長尺の絶縁フィルム3a,3bを送り出してヒータローラ32間に通して絶縁フィルム3a,3bを加熱すると同時に圧着して貼り合わせて長尺フラットケーブルとする。この長尺フラットケーブルを巻き取りローラ33に巻き取る。絶縁フィルム3a,3bの長手方向の一部に窓部35を形成されている。絶縁フィルム3a,3bは、それぞれの窓部が一致するように貼り合わされる。こうしてできたフラットケーブルの窓部が接続部11になる。
【0028】
次に、図11に示すように、絶縁フィルム3a,3bの幅方向の余剰部分(耳と呼ばれる部分)を除去するために、長尺フラットケーブルの鎖線C1で示す位置で切断する。これにより、窓部35の幅方向両端部で絶縁フィルム3a,3bが長手方向に繋がった箇所を除去する。
【0029】
さらに、長尺フラットケーブルを、窓部35の中央を通る鎖線C2で示す位置で切断し、図12及び図13に示すように、所定の長さのフラットケーブルからなり、両端で平角導体2が露出されて接続電極部12が設けられた配線部材1とする。
【0030】
なお、予め窓部35を形成せずに長尺フラットケーブルを作製し、この長尺フラットケーブルの絶縁フィルム3a,3bの幅方向の余剰部分を除去し、さらに、切断して所定長さのフラットケーブルからなる配線部材1とした後に、この配線部材1の両端において、絶縁フィルム3a,3bの両端近傍部分を除去しても良い。
【0031】
この場合、図14に示すように、配線部材1の両端近傍部分における絶縁フィルム3a,3bを、その表裏からカッタ37で切断し、図15に示すように、切断箇所よりも端部側の絶縁フィルム3a,3bを引き抜いて除去する。
【0032】
配線部材1の両端で露出している平角導体2の一方側の面に補強基材14を貼り付ける。その後、平角導体2からなる接続電極部12に導電性ペースト15を塗布し、接続電極部12の両側方における補強基材14上に接着剤16を塗布する。これらの導電性ペースト15及び接着剤16は、転写によって接続部11に塗布することができる。
【0033】
次に、導電性ペースト15及び接着剤16を配線部材1の接続部11へ転写する転写工程を説明する。
図16に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂から形成された転写用の離型フィルム51に、所定のピッチで導電性ペースト15を塗布するとともに、導電性ペースト15の間に接着剤16を充填した転写フィルム52を用意する。導電性ペースト15の幅は接続電極の幅より狭く、接続電極部12の幅の1/4以上塗布するのが好ましい。接続電極部12の肩部12aに接着剤を塗布するには、導電性ペースト15の幅を接続電極部12の幅の1/2までとするのが好ましい。
【0034】
配線部材1の接続部11に、転写フィルム52を重ね合わせ、クッション材53を介して定盤54上に載置させ、上方からヒートツール55を軽く押し付けて加熱する。このようにすると、導電性ペースト15の頂部が接続電極部12へ押し付けられて潰されて偏平化し、また、熱によって転写フィルム52側の接着剤16が軟化して離型フィルム51から剥がれて配線部材1の補強基材14上または接続電極部12上に降下する。
【0035】
このように転写プレスを行った後に、配線部材1を取り出し、図17に示すように、転写フィルム52の離型フィルム51を剥がす。
【0036】
すると、導電性ペースト15の表面が接着剤16の表面よりも補強基材14と反対方向へ突出された状態で接続電極部12の上に塗布され、その導電性ペースト15の幅寸法W2は接続電極部12の配列方向の幅寸法W1よりも小さくなる。そして、接続電極部12の肩部12a上にも接着剤16の一部が塗布された配線部材1が得られる。
【0037】
なお、上記実施形態では、端部で絶縁フィルム3a,3bを除去することにより表裏が露出した平角導体2の一方の面側に補強基材14を貼り付けることにより、接続部11を構成したが、図18及び図19に示すように、他方の絶縁フィルム3bだけを除去して平角導体2を露出させて接続電極部12としても良い。この場合、端部を除去しない一方の絶縁フィルム3aが基材となる。この場合、基材となる絶縁フィルム3aとして透明なフィルムを用いるのが好ましい。これにより、接続相手の配線部材21との接続時に、この絶縁フィルム3aを通して接続電極部12,23が見えるのでそれらの位置合わせを容易にかつ高精度に行うことができる。
【0038】
絶縁フィルム3aにおける、接続電極部12とは反対側の面に、図3に示したような補強基材(基材)14が貼り付けてもよい。その場合、絶縁フィルム3aと補強基材14の両方が基材であり、それらを透明なものにするとよい。
【0039】
また、上記実施形態では、配線部材1として、複数本の平角導体2を一平面上に配列し、その配列面の両側からそれぞれ絶縁フィルム3a,3bをラミネートしたフラットケーブルを例示して説明したが、配線部材1としては、接続電極部12が設けられたフレキシブルプリント基板または硬質基板等であっても良い。
【符号の説明】
【0040】
1:配線部材、3a:絶縁フィルム(基材)、12:接続電極部、14:補強基材(基材)、15:導電性ペースト、16:接着剤、W1:接続電極部の幅、W2:導電性ペーストの幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の接続電極部を備えた配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
限られたスペースで高密度の配線が可能な配線部材として、例えば、複数本の導体を一平面上に配列し、その配列面の両側からそれぞれ絶縁フィルムをラミネートしたフラットケーブルが用いられている。このフラットケーブルからなる配線部材は、端部が接続部とされ、この接続部において、所定間隔に配列された複数の導体からなる接続電極部が露出され、複数の接続電極部を備えた接続相手の配線部材に接続されて配線される。
【0003】
このような配線部材として、基材に貼り付けられた複数の接続電極部に積層形成された導電性ペースト層と、接続電極部を除く部位に積層形成されているとともに、熱可塑性樹脂材料を主剤とする絶縁性樹脂接着剤層とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。このような配線部材では、複数の接続電極部を備えた接続相手の配線部材に貼り合わせることにより、接続電極部同士が導電性ペースト層によって導通接続され、また、基材同士が絶縁性接着剤層によって接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−77125号公報
【特許文献2】特開2011−77126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の配線部材は、導電性ペースト層及び絶縁性樹脂接着剤層の上面位置が同一平面内に配置されている。このような配線部材に対して接続相手の配線部材を接続すると、接続相手の配線部材の基材から突出した接続電極部は導電性ペーストに密着するが、接続電極部の側方へ絶縁性樹脂接着剤層の接着剤が円滑に入り込まないことがある。その場合、基材の表面への接着剤の付着が不十分となり、配線部材同士の接着不良が生じるおそれがある。また、互いの配線部材の接続電極部によって導電性ペースト層の導電性ペーストが押し潰されて側方へ広がるため、隣接する接続電極部の導電性ペースト同士が接触して、接続電極部が短絡するおそれもあった。
【0006】
本発明の目的は、接着不良や短絡などの不具合なく接続相手の配線部材と良好に接続させることが可能な配線部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することのできる本発明の配線部材は、絶縁材からなる基材と、前記基材の一方の面に並列に配置された複数の接続電極部と、前記接続電極部に塗布された導電性ペーストと、前記接続電極部の側方における前記基材上に塗布された接着剤とを備え、
前記導電性ペーストは、前記接続電極部の配列方向の幅寸法が前記接続電極部の幅寸法よりも小さく、かつ前記導電性ペーストの表面が前記接着剤表面よりも前記基材と反対方向へ突出し、
前記接着剤は、その一部が、前記接続電極部の前記基材と反対側の面上にも塗布されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の配線部材において、前記基材が透明であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接続相手の配線部材を貼り合わせて接続する際に、まず、接着剤よりも突出された導電性ペーストに接続相手の配線部材の接続電極部が当接して確実な導通が確保される。さらに、導電性ペーストが互いの接続電極部によって挟まれて押し潰され、それぞれの接続電極部に対して良好に接触した状態となる。このとき、導電性ペーストの幅寸法が接続電極部の幅寸法よりも小さく、かつ接続電極部には接着剤も塗布されているので、押し潰されても隣接する接続電極部の導電性ペースト同士が接触して短絡するような不具合も防止される。
また、接着剤が接続相手の配線部材の接続電極部同士の間へ入り込んで基材に良好に接触する。さらに、接着剤の一部が接続電極部の導電性ペーストがない部分同士に入り込むので本発明の配線部材の接続電極部と接続相手の配線部材の接続電極部とが接着剤によって接着される。
したがって、接着不良や短絡などの不具合なく接続相手の配線部材と良好に接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】配線部材の一実施形態を示す平面図である。
【図2】配線部材の側断面図である。
【図3】配線部材の接続部における側断面図である。
【図4】配線部材の接続部における横断面図である。
【図5】配線部材の接続部への接続相手の配線部材の接続について示す横断面図である。
【図6】配線部材の接続部への接続相手の配線部材の接続について示す側断面図である。
【図7】配線部材に接続相手の配線部材が接続された接続部の横断面図である。
【図8】接続電極部同士の接続箇所における導体ペースト及び接着剤を示す図であって、(a)及び(b)は、それぞれ拡大断面図である。
【図9】参考例に係る配線部材を示す図であって、(a)及び(b)は、それぞれ配線部材の横断面図である。
【図10】配線部材を製造する方法を示す斜視図である。
【図11】配線部材の製造途中を示す長尺フラットケーブルの平面図である。
【図12】製造途中の配線部材の平面図である。
【図13】製造途中の配線部材の側断面図である。
【図14】異なる製造方法での製造途中の配線部材の側断面図である。
【図15】異なる製造方法での製造途中の配線部材の側断面図である。
【図16】配線部材の接続部への導電性ペースト及び接着剤の転写工程を説明する横断面図である。
【図17】配線部材の接続部への導電性ペースト及び接着剤の転写工程を説明する横断面図である。
【図18】変形例に係る配線部材の側断面図である。
【図19】変形例に係る配線部材の接続部の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る配線部材の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、配線部材1は、例えば、銅(メッキされた銅を含む)または銅合金の圧延銅箔からなる複数本の平角導体2を備えている。これらの平角導体2は、所定の並列ピッチで平面上に配列されており、平角導体2の配列面の両面にそれぞれ絶縁フィルム3a,3bが貼着(ラミネート)されている。配線部材1は、複数本の平角導体2を一平面上に配列し、その配列面の両側からそれぞれ絶縁フィルム3a,3bをラミネートしたフラットケーブルである。なお、図1では平角導体2を4本有する例を示しているが、平角導体2の本数は適宜変更される。例えば、平角導体2を20本とすることもできる。
【0012】
絶縁フィルム3a,3bは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリイミドあるいはポリフェニレンサルファイド等の樹脂から形成された基材部分とポリエステル系接着剤または難燃ポリ塩化ビニル系の絶縁性接着剤や、難燃ポリオレフィンなどからなる接着層を有している。平角導体2に対して、接着層の面を対向させて2枚の絶縁フィルム3a,3bが貼り合わされている。これにより、平角導体2同士の電気的絶縁を図っている。この絶縁フィルム3a,3bの厚さは、それぞれ0.02mm以上0.15mm以下とすることが好ましい。
【0013】
図3に示すように、配線部材1の長手方向の両端部は接続部11とされており、この接続部11に、後述する接続相手の配線部材21が接続される。
【0014】
配線部材1の接続部11では、絶縁フィルム3a,3bから平角導体2の一部が露出されており、これらの露出された平角導体2が接続電極部12とされている。接続部11では、一方側の面に、補強基材(基材)14が貼り付けられており、これにより、平角導体2の接続電極部12は、補強基材14の一方の面に並列に配置されている。補強基材14には、接続部11への貼り付け側に接着剤が塗布されており、これにより、この補強基材14は、一方の絶縁フィルム3aの端部及び接続電極部12に接着されている。補強基材14は、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁樹脂から形成されたもので、厚さは、0.15mm以上0.20mm以下とすることが好ましい。補強基材14に塗布された接着剤としては、ポリエステル系接着剤が用いられる。
【0015】
図3及び図4に示すように、配線部材1の接続部11では、接続電極部12に、導電性ペースト15が塗布されている。また、接続電極部12の両側方における補強基材14上には、接着剤16が塗布されている。
【0016】
図4に示すように、導電性ペースト15は、接続電極部12の配列方向の幅寸法W2が平角導体2からなる接続電極部12の幅寸法W1よりも小さくなるように塗布されている。これにより、接続電極部12には、補強基材14と反対側の面に、導電性ペースト15が塗布されていない肩部12aがある。接着剤16は、その一部が肩部12aにも塗布されている。導電性ペースト15は、接着剤16よりも補強基材14と反対方向へ突出している。
【0017】
導電性ペースト15は、導電粒子と接着剤とから構成されている。導電粒子としては、例えば、銀粉末、カーボン粉末、銅粉末、ニッケル粉末、あるいはこれらの混合粉末などが使用可能である。この導電性ペースト15を構成する接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等のいずれかが使用可能である。特に、導電性ペースト15としては、平均粒径0.5〜5μmの鱗片状銀粉末と、表面に有機物がコーティングされた、平均粒径20nm以下の球状銀粉末とを含む銀ペーストを採用するのが好ましい。銀ペースト中にナノ銀粒子を含有させることにより、接続抵抗が下がり、また、表面の凹凸も小さくなって接続面積が大きくなる。このため、電気的接続の信頼性が向上する。
【0018】
また、接着剤16としては、例えば、約100〜170℃の溶融温度を有するポリエステル系やポリアミド系のホットメルト接着剤が用いられている。この接着剤16としては、十条ケミカル株式会社製JELCONAD−HM6、東亜合成株式会社製PES310S30、同社製PES375S40等を採用することができる。
【0019】
図5及び図6に示すように、上記構成の配線部材1には、その接続部11に接続相手の配線部材21が接続される。この接続相手の配線部材21は、例えば、フラットケーブル、フレキシブルプリント基板あるいは硬質基板等からなる基材22と、この基材22に接着固定された複数の接続電極部23とを備えている。接続電極部23の幅寸法とピッチは、配線部材1の接続電極部12とほぼ同一である。
【0020】
図7に示すように、接続相手の配線部材21を配線部材1の接続部11に重ね合わせることにより、互いの接続電極部12,23同士が導電性ペースト15によって導通され、また、補強基材14と基材22とが接着剤16によって接着される。また、接着剤16は、その一部が接続電極部12,23の間に入り込む。これにより、これらの接続電極部12,23同士が接着剤16によって接着される。
【0021】
なお、配線部材1の補強基材14が透明である場合は、接続相手の配線部材21と接続する際には、この接続相手の配線部材21に対して上方から配線部材1を被せるように重ね合わせるのが好ましい。このようにすると、透明な補強基材14を通して互いの接続電極部12,23の位置を目視であるいは画像データとして電子機器で自動的に判断して位置合わせすることができる。
【0022】
本実施形態に係る配線部材1では、配線部材1の接続部11に接続相手の配線部材21を貼り合わせる際に、図8(a)に示すように、まず、接着剤16よりも突出した導電性ペースト15に接続相手の配線部材21の接続電極部23が接触して接続電極部12,23の導通が確保される。さらに、配線部材1の接続部11へ接続相手の配線部材21を押し付けると、図8(b)に示すように、導電性ペースト15が接続電極部12,23によって挟持されて押し潰される。これにより、導電性ペースト15は、接続電極部23に対して良好に接触した状態となる。導電性ペースト15が押し潰されて側方へ広がったとしても、接続電極部12の肩部12aに塗布されている接着剤16が広がろうとする導電性ペースト15を抑えるので、隣接する接続電極部12の導電性ペースト15同士が接触して短絡するような不具合も防止される。
【0023】
また、接着剤16が接続相手の配線部材21の接続電極部23の間へ入り込み、配線部材21の基材22に接触する。さらに、接着剤16は、その一部が接続電極部12,23の間にも入り込むので、これらの接続電極部12,23の導電性ペースト15がない部分同士が接着剤16によって接着される。
したがって、本実施形態に係る配線部材1によれば、接着不良や短絡などの不具合なく接続相手の配線部材21と良好に接続させることができる。
【0024】
また、補強基材14が透明であると、接続相手の配線部材21との接続時に、透明な補強基材14を通して接続箇所を目視することができる。これにより、配線部材1,21の接続電極部12,23同士を容易にかつ高精度に位置合わせして互いに接続することができ、接続信頼性を高めることができる。
【0025】
ここで、参考例を図9に示す。図9(a)に示す配線部材41は、接続電極部12と略同一の幅寸法の導電性ペースト15を備え、この導電性ペースト15よりも接着剤16が上方へ突出するように盛り上げられたものである。この配線部材41に対して、図9(b)に示すように、接続相手の配線部材21を重ね合わせると、盛り上がった接着剤16が接続相手の配線部材21の基材22によって押し潰されて側方へ流れる。すると、この接着剤16が導電性ペースト15の上面側に乗り上げるように配置されてしまう。これにより、配線部材21の接続電極部23への導電性ペースト15の接触が接着剤16によって阻害され、配線部材21,41の接続電極部12,23同士の導通不良が生じるおそれがある。
【0026】
本発明に係る配線部材1では、上記のように導電性ペースト15が接続電極部12より狭くかつ接着剤16より高く設けられている(導電性ペースト15の表面が接着剤16の表面よりも補強基材14と反対方向へ突出している)ので、図9の例のような不具合が生じるおそれがない。
【0027】
次に、上記構造の配線部材1を製造する方法について説明する。
図10に示すように、それぞれ長尺の平角導体2が巻き取られている複数のリール30から平角導体2を送り出して所定の並列ピッチで同一平面上に配列する。そして、これらの平角導体2の表裏に、リール31から長尺の絶縁フィルム3a,3bを送り出してヒータローラ32間に通して絶縁フィルム3a,3bを加熱すると同時に圧着して貼り合わせて長尺フラットケーブルとする。この長尺フラットケーブルを巻き取りローラ33に巻き取る。絶縁フィルム3a,3bの長手方向の一部に窓部35を形成されている。絶縁フィルム3a,3bは、それぞれの窓部が一致するように貼り合わされる。こうしてできたフラットケーブルの窓部が接続部11になる。
【0028】
次に、図11に示すように、絶縁フィルム3a,3bの幅方向の余剰部分(耳と呼ばれる部分)を除去するために、長尺フラットケーブルの鎖線C1で示す位置で切断する。これにより、窓部35の幅方向両端部で絶縁フィルム3a,3bが長手方向に繋がった箇所を除去する。
【0029】
さらに、長尺フラットケーブルを、窓部35の中央を通る鎖線C2で示す位置で切断し、図12及び図13に示すように、所定の長さのフラットケーブルからなり、両端で平角導体2が露出されて接続電極部12が設けられた配線部材1とする。
【0030】
なお、予め窓部35を形成せずに長尺フラットケーブルを作製し、この長尺フラットケーブルの絶縁フィルム3a,3bの幅方向の余剰部分を除去し、さらに、切断して所定長さのフラットケーブルからなる配線部材1とした後に、この配線部材1の両端において、絶縁フィルム3a,3bの両端近傍部分を除去しても良い。
【0031】
この場合、図14に示すように、配線部材1の両端近傍部分における絶縁フィルム3a,3bを、その表裏からカッタ37で切断し、図15に示すように、切断箇所よりも端部側の絶縁フィルム3a,3bを引き抜いて除去する。
【0032】
配線部材1の両端で露出している平角導体2の一方側の面に補強基材14を貼り付ける。その後、平角導体2からなる接続電極部12に導電性ペースト15を塗布し、接続電極部12の両側方における補強基材14上に接着剤16を塗布する。これらの導電性ペースト15及び接着剤16は、転写によって接続部11に塗布することができる。
【0033】
次に、導電性ペースト15及び接着剤16を配線部材1の接続部11へ転写する転写工程を説明する。
図16に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂から形成された転写用の離型フィルム51に、所定のピッチで導電性ペースト15を塗布するとともに、導電性ペースト15の間に接着剤16を充填した転写フィルム52を用意する。導電性ペースト15の幅は接続電極の幅より狭く、接続電極部12の幅の1/4以上塗布するのが好ましい。接続電極部12の肩部12aに接着剤を塗布するには、導電性ペースト15の幅を接続電極部12の幅の1/2までとするのが好ましい。
【0034】
配線部材1の接続部11に、転写フィルム52を重ね合わせ、クッション材53を介して定盤54上に載置させ、上方からヒートツール55を軽く押し付けて加熱する。このようにすると、導電性ペースト15の頂部が接続電極部12へ押し付けられて潰されて偏平化し、また、熱によって転写フィルム52側の接着剤16が軟化して離型フィルム51から剥がれて配線部材1の補強基材14上または接続電極部12上に降下する。
【0035】
このように転写プレスを行った後に、配線部材1を取り出し、図17に示すように、転写フィルム52の離型フィルム51を剥がす。
【0036】
すると、導電性ペースト15の表面が接着剤16の表面よりも補強基材14と反対方向へ突出された状態で接続電極部12の上に塗布され、その導電性ペースト15の幅寸法W2は接続電極部12の配列方向の幅寸法W1よりも小さくなる。そして、接続電極部12の肩部12a上にも接着剤16の一部が塗布された配線部材1が得られる。
【0037】
なお、上記実施形態では、端部で絶縁フィルム3a,3bを除去することにより表裏が露出した平角導体2の一方の面側に補強基材14を貼り付けることにより、接続部11を構成したが、図18及び図19に示すように、他方の絶縁フィルム3bだけを除去して平角導体2を露出させて接続電極部12としても良い。この場合、端部を除去しない一方の絶縁フィルム3aが基材となる。この場合、基材となる絶縁フィルム3aとして透明なフィルムを用いるのが好ましい。これにより、接続相手の配線部材21との接続時に、この絶縁フィルム3aを通して接続電極部12,23が見えるのでそれらの位置合わせを容易にかつ高精度に行うことができる。
【0038】
絶縁フィルム3aにおける、接続電極部12とは反対側の面に、図3に示したような補強基材(基材)14が貼り付けてもよい。その場合、絶縁フィルム3aと補強基材14の両方が基材であり、それらを透明なものにするとよい。
【0039】
また、上記実施形態では、配線部材1として、複数本の平角導体2を一平面上に配列し、その配列面の両側からそれぞれ絶縁フィルム3a,3bをラミネートしたフラットケーブルを例示して説明したが、配線部材1としては、接続電極部12が設けられたフレキシブルプリント基板または硬質基板等であっても良い。
【符号の説明】
【0040】
1:配線部材、3a:絶縁フィルム(基材)、12:接続電極部、14:補強基材(基材)、15:導電性ペースト、16:接着剤、W1:接続電極部の幅、W2:導電性ペーストの幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁材からなる基材と、前記基材の一方の面に並列に配置された複数の接続電極部と、前記接続電極部に塗布された導電性ペーストと、前記接続電極部の側方における前記基材上に塗布された接着剤とを備え、
前記導電性ペーストは、前記接続電極部の配列方向の幅寸法が前記接続電極部の幅寸法よりも小さく、かつ前記導電性ペーストの表面が前記接着剤の表面よりも前記基材と反対方向へ突出し、
前記接着剤は、その一部が、前記接続電極部の前記基材と反対側の面上にも塗布されていることを特徴とする配線部材。
【請求項2】
請求項1に記載の配線部材であって、
前記基材が透明であることを特徴とする配線部材。
【請求項1】
絶縁材からなる基材と、前記基材の一方の面に並列に配置された複数の接続電極部と、前記接続電極部に塗布された導電性ペーストと、前記接続電極部の側方における前記基材上に塗布された接着剤とを備え、
前記導電性ペーストは、前記接続電極部の配列方向の幅寸法が前記接続電極部の幅寸法よりも小さく、かつ前記導電性ペーストの表面が前記接着剤の表面よりも前記基材と反対方向へ突出し、
前記接着剤は、その一部が、前記接続電極部の前記基材と反対側の面上にも塗布されていることを特徴とする配線部材。
【請求項2】
請求項1に記載の配線部材であって、
前記基材が透明であることを特徴とする配線部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−4706(P2013−4706A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133865(P2011−133865)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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