説明

酸化剤組成物

【課題】多量の過酸化水素を配合したもとで優れた毛髪明度向上効果が得られ、過酸化水素やアルカリ剤の過剰配合に基づく不具合を伴わない酸化剤組成物を提供する。
【解決手段】使用時に混合調製される複数剤式に製剤され、(A)成分:使用時3.5〜6質量%の過酸化水素、(B1)成分:強アルカリ、(B2)成分:アンモニア、アンモニウム塩又はアルカノールアミンの各成分を含有し、使用時のpH値αが(B2)成分の解離定数(pKa)値βに対してα≧βである酸化剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪明度向上効果の特に優れた酸化剤組成物に関する。酸化剤組成物としては、酸化染毛剤と毛髪脱色剤が代表的に例示される。
【背景技術】
【0002】
酸化染毛剤や毛髪脱色剤のような酸化剤組成物において、酸化剤として過酸化水素を配合し、アルカリ剤としてアンモニア、アンモニウム塩あるいはアルカノールアミンから選ばれる少なくとも1種を配合することは一般的である。又、酸化染毛剤や毛髪脱色剤で処理された毛髪の明度(毛髪の明るさ)を向上させることは重要な課題である。
【0003】
【特許文献1】特開2002−104943号公報 上記の特許文献1では、実施例1等において、過硫酸塩を配合した毛髪脱色剤を開示している。従来の毛髪脱色剤においては過硫酸塩を配合することが一般的であり、この場合には、過硫酸塩が過酸化水素の酸化力を最大限に引き出すため、毛髪明度の顕著な向上を期待できる。しかし、反面で毛髪へのダメージが著しいという問題がある。なお、一般的な酸化染毛剤から酸化染料を除いた組成のものも毛髪脱色剤として使用できるが、毛髪の明度はある程度向上するものの、それ以上の明度の向上が望まれる。
【0004】
更に、毛髪の脱色と染毛とを同時に行う酸化染毛剤に関しては、過硫酸塩は酸化染料を破壊してしまうため、過硫酸塩を酸化染毛剤に配合することはできない。
【0005】
一方、酸化染毛剤や毛髪脱色剤における過酸化水素の配合量を増やすことにより毛髪明度が向上することは知られている。但し、過酸化水素の増量によって使用時pHが低下すると毛髪明度が低下する傾向がある。この傾向に対して、アルカリ剤であるアンモニア、アンモニウム塩あるいはアルカノールアミンの配合量を増やして使用時pHを調整することも考えられる。しかし、周知のように、アンモニアやアンモニウム塩を多量に配合すると皮膚刺激が強くなる等の不具合を生じるし、不揮発性のアルカノールアミンを多量に配合すると毛髪への残留のために毛髪のダメージや感触の悪化を招来するという不具合がある。
【0006】
上記の弱アルカリ成分に代えてケイ酸塩等の強アルカリ成分を配合し、過酸化水素の増量による使用時pHの低下を調整する、という対策も考え得る。しかし、アルカリとして強アルカリ成分のみを配合すると、酸化染毛剤や毛髪脱色剤のクリームの安定性が悪く、これらが液剤である場合には包装容器が腐食を受ける恐れもあり、更に、理由は明確ではないが毛髪の好ましい明度は得られないことが判明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、過酸化水素とアルカリ剤を配合したもとで優れた毛髪明度向上効果が得られ、しかも過硫酸塩を配合した場合のような毛髪のダメージ、アンモニアやアンモニウム塩を多量に配合した場合の強い皮膚刺激、アルカノールアミンを多量に配合した場合の毛髪のダメージや感触の悪化等の不具合を伴わない酸化剤組成物を提供することを、解決すべき技術的課題とする。
【0008】
本願発明者は、上記課題の解決手段を追求する過程で、過酸化水素に対して弱アルカリ成分と強アルカリ成分とを併せ配合して、酸化剤組成物のpHを弱アルカリ成分の解離定数(pKa)以上のpH域、更に好ましくはその解離定数よりpH値で0.5以上高いpH域に調整した場合に、顕著な毛髪明度向上効果が得られることを見出した。
【0009】
即ち、配合されているアンモニア、アンモニウム塩、アルカノールアミン等の弱アルカリ成分は、イオンの状態であるよりも分子の状態である方が効率的に毛髪明度の上昇を引き起こす。つまり弱アルカリ成分のイオンと分子が1:1の状態で存在するpKa値(例えばアンモニアでは9.25、モノエタノールアミンでは9.5)以上のpHの状態を保つことが、効率的な毛髪明度の上昇をもたらす。そしてこれにより、過硫酸塩を配合することなく、毛髪明度の上昇を図ることができる。
【0010】
一方、pHを上昇させるために弱アルカリ成分を更に配合すると、アンモニアの場合には刺激臭や皮膚刺激等の問題があり、アルカノールアミンの場合には毛髪への残留に基づく毛髪感触の悪化の問題がある。本発明においては、弱アルカリ成分と共に水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等の強アルカリをバランス良く配合することにより、これらの問題も解消した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、使用時に混合調製される複数剤式に製剤され、少なくとも下記の(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有すると共に、(A)成分と他の前記各成分とが異なる製剤に配合される酸化剤組成物であって、使用時のpH値αが、(B2)成分の解離定数(pKa)値をβとしたときα≧βで表されるpH域にある、酸化剤組成物である。
(A)成分:使用時3.5〜6質量%の過酸化水素
(B1)成分:強アルカリ
(B2)成分:アンモニア、アンモニウム塩又はアルカノールアミンから選ばれる少なくとも1種
本発明において「使用時」とは複数剤式に製剤された酸化剤組成物(例えば、酸化染毛剤又は毛髪脱色剤)が混合調製されたときをいう。(B1)成分たる「強アルカリ」とは、主として無機系アルカリのことをいい、電離度が90%以上であるアルカリ性物質をいう。
【0012】
第1発明の酸化剤組成物は過酸化水素を多量に配合すると共に、これに対して(B1)成分と(B2)成分とを併せ配合しpHの低下を防止する。従って、過酸化水素の増量による毛髪明度の向上効果が得られ、かつ、pHの低下により毛髪明度の向上効果が低下する傾向は発現しない。しかも、(B1)成分と(B2)成分とを併せ配合するため、前記したような(B2)成分の過剰配合による強い皮膚刺激、感触の悪化等の不具合を回避できるし、(B1)成分のみの多量の配合による前記の種々の不具合も起こらない。過硫酸塩を配合しないので、これに起因する強い毛髪ダメージを伴わないことは言うまでもない。
【0013】
なお、(A)成分の配合量が使用時3.5〜6質量%である点に関し、その配合量が使用時3.5質量%未満であると、本発明の前提条件としての過酸化水素の増量が不十分であるため、発明の効果が不十分となる。(A)成分の配合量が使用時6質量%を超える場合、過酸化水素量が余りにも過剰であるため、皮膚刺激が生じるという不具合がある。
【0014】
第1発明において特に重要な点は、(A)成分を上記のように多量に配合したもとで、(B1)成分と(B2)成分の併用により、酸化剤組成物の使用時pH値αをα≧βで表されるpH域に調整している点である。これにより顕著な毛髪明度向上効果が得られることが分かった。このような顕著な効果が得られる理由を、本願発明者は次のように推定している。
【0015】
即ち、例えば(B2)成分としてアンモニア又はアンモニウム塩を用いる場合、アンモニアは以下の式(1)のように解離し、その解離定数(pKa)値βは9.25である。
【0016】
NH+HO⇔NH+OH・・・式(1)
従って、酸化剤組成物の使用時のpH値αがアンモニアのpKa値βよりも大きくなる程、式(1)の平衡状態は左辺側に傾き、アンモニウムイオンよりもアンモニア分子が多く存在する状態となる。この「アンモニア分子が相対的に多く存在する状態」が毛髪明度向上効果に貢献していると考えられ、より具体的には酸化剤組成物の使用時pH値αがα≧βで表されるpH域にあるとき、即ちpH9.25以上であるとき、顕著な毛髪明度向上効果が得られる。
【0017】
(B2)成分としてアルカノールアミンの1種であるモノエタノールアミンを用いる場合、モノエタノールアミンは以下の式(2)のように解離し(式中、水酸化エチル基を「R−」で表す)、その解離定数(pKa)値βは9.5である。従って酸化剤組成物の使用時pH値がpH9.5以上であるとき、顕著な毛髪明度向上効果が得られる。
【0018】
R−NH+HO⇔R−NH+OH・・・式(2)
酸化剤組成物の使用時pH値αは上記のように規定されるが、実際にはこのpH値αはpH12以下であることが好ましい。その理由は、本発明の効果発現の問題というより、皮膚刺激の抑制という実用上の問題からである。
【0019】
第1発明に関連して、下記の特許文献2の表1においては、過酸化水素に加えてメタケイ酸ナトリウム及びアンモニアを配合した酸化染毛剤が開示されている。次に、下記の特許文献3の表1においては、過酸化水素に加えてメタケイ酸ナトリウム及びモノエタノールアミンを配合した酸化染毛剤が開示されている。更に、下記の特許文献4の実施例3等においては、過酸化水素付加物に加えてメタケイ酸ナトリウム及び硫酸アンモニウムを配合した粉末状の酸化染毛剤が開示されている。
【0020】
【特許文献2】特表2005−523307号公報
【特許文献3】特開2004−26834号公報
【特許文献4】特開平8−239313号公報 このように、第1発明の(A)成分、(B1)成分、(B2)成分を含有する酸化剤組成物を開示した公知文献は幾つか存在する。しかしそれらの文献のいずれもが、第1発明のような(A)成分の増量やこれを前提とした(B1)/(B2)成分による酸化剤組成物の使用時pHの特定領域への調節等の事実を開示しない。更に、上記の事実と毛髪明度の向上効果との関係を開示又は示唆しない。
【0021】
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る酸化剤組成物の使用時のpH値αが、α≧β+0.5で表されるpH域にある、酸化剤組成物である。
【0022】
酸化剤組成物の使用時のpH値αが(B2)成分の解離定数値βよりも0.5以上大きい(アルカリ側の)値であるとき、即ち前記の式(1)や式(2)の平衡状態が左辺側に傾く状態を確保したとき、特に顕著な毛髪明度向上効果が得られる。
【0023】
「酸化剤組成物の使用時のpH値αがα≧β+0.5で表されるpH域にある」とは、(B2)成分が例えばアンモニア又はアンモニウム塩である場合には、酸化剤組成物の使用時のpH値αが9.75以上であることを意味する。(B2)成分が例えばモノエタノールアミンである場合には、pH値αが10.0以上であることを意味する。
【0024】
理論的には、pH値αがα=βであるとアンモニアやアルカノールアミンのイオンと分子が50%ずつ存在する状態であるが、α≧β+0.5であるとイオン:分子=10:90の比率となり、より効率的に明度上昇をさせることができる。
【0025】
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る(B1)成分の配合量が下記の通りである、酸化剤組成物である。
(B1)成分:使用時1.5〜9.0質量%。
【0026】
前記した第1発明における(B1)成分の配合量は、酸化剤組成物の使用時のpH値αを前記所定のpH域に調整できる限りにおいて適宜に設計することができるが、強アルカリの配合量が多すぎるとpHが上昇しすぎる。(B1)成分の配合量を第3発明で規定する範囲内とすることにより、pHは11までに設定され、皮膚刺激の低減を図ることができる。
【0027】
(第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る(B1)成分がケイ酸塩である、酸化剤組成物である。
【0028】
第1発明に関して前記したように、(B1)成分は本質的に(B2)成分よりも強いアルカリであれば足りるが、とりわけケイ酸塩が好ましい。即ち、強アルカリを配合する剤はpHが高くなるため、例えばクリーム剤もしくは乳液とした場合に乳化状態が安定せず、さらに包装容器に穴が空く等の不具合がある。そこで、強アルカリを配合する剤を粉末状にすることにより、保存安定性が向上する。このような観点からは、強アルカリとしてケイ酸塩を選択することが好ましい。
【0029】
(第5発明)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記第1発明〜第4発明のいずれかに係る(B2)成分たるアンモニウム塩が硫酸アンモニウムであり、又は前記(B2)成分たるアルカノールアミンがモノエタノールアミンである、酸化剤組成物である。
【0030】
(B2)成分たるアンモニウム塩としては、限定はされないが、硫酸アンモニウムを好ましく例示することができる。(B2)成分たるアルカノールアミンとしては、限定はされないが、モノエタノールアミンを好ましく例示することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の酸化剤組成物は、過硫酸塩配合時のような毛髪ダメージを伴うことなく、多量の過酸化水素を配合したもとで、アルカリ剤による特定のpH領域への調整により優れた毛髪明度向上効果が得られ、しかも過酸化水素やアルカリ剤の過剰配合に基づく種々の不具合を伴わない。なお、酸化剤組成物が酸化染毛剤である場合において、その染毛力その他の酸化染毛剤特有の各種性能は良好に維持される
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、本発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
【0033】
〔酸化剤組成物〕
本発明に係る酸化剤組成物は使用時に混合調製される複数剤式(例えば、2剤式又は3剤式)に製剤されたものであり、少なくとも下記(A)成分、(B1)成分、(B2)成分を含有し、(A)成分と他の上記各成分とは異なる製剤に配合されている。本発明において「酸化剤組成物」とは、本質的に酸化剤を配合する組成物を言い、少なくとも酸化染毛剤及び毛髪脱色剤を包含する概念である。酸化染毛剤においては、更に(C)成分:酸化染料中間体を含有する。
(A)成分:使用時3.5〜6質量%の過酸化水素
(B1)成分:強アルカリ
(B2)成分:アンモニア、アンモニウム塩又はアルカノールアミン
なお、強アルカリである(B1)成分は液剤の状態では保存時に包装容器を腐食させる恐れがあり、又、液剤の状態で他成分(例えば、酸化染毛剤における酸化染料中間体や、酸化剤組成物におけるその他の任意の付加成分)と同一製剤に配合しておくと保存時に他成分と不測の反応を起こす恐れがある。従って、限定はされないが(B1)成分はケイ酸塩等の粉末であることが好ましい。(B1)成分は保存時において他成分と分離された製剤とすることが好ましいが、これが粉末である場合には、同様に粉末とした(B2)成分や酸化染毛剤における(C)成分あるいは他の任意の付加成分と同一製剤に配合することも可能である。
【0034】
酸化剤組成物が(A)成分たる過酸化水素を使用時3.5〜6質量%となるように含有するという前提のもとに、混合調製前の(A)成分配合製剤においては(A)成分が相対的に低濃度に含有されることが、より好ましい。より具体的には、例えば(B2)成分と(A)成分とが異なる製剤に配合される複数剤式の酸化染毛剤において、(B2)成分を配合した剤と(A)成分を配合した剤との混合比率が1:1.4〜1:5の範囲内であることが、より好ましい。このことにより、混合調製時において(A)成分による酸化剤組成物のpHの低下が一層顕著になり、ひいては毛髪明度の向上効果が一層明瞭になる。更に、製剤の取り扱い上の安全性も高まる。
【0035】
更に、本発明に係る酸化剤組成物は、その使用時のpH値αが、(B2)成分の解離定数(pKa)値をβとしたとき、α≧βで表されるpH域に調整されている。更に好ましくは、α≧β+0.5で表されるpH域に調整されている。但し、このpH値αは、pH12以下であることが好ましい。
【0036】
本発明に係る酸化剤組成物、例えば酸化染毛剤や毛髪脱色剤の剤型は、上記したように(B1)成分が粉末であることが好ましい点の他に、複数剤式の各製剤及び混合後の製剤について、公知の各種の剤型の内から、用途や使用目的等に応じて任意に選択することができる。例えば液体状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、霧状(噴霧式)、エアゾールフォーム等を例示することができる。クリーム状の酸化剤組成物を特に好ましく例示することができる。
【0037】
〔酸化剤組成物の主な成分〕
(過酸化水素)
酸化剤組成物における(A)成分たる過酸化水素の配合量は、前記した理由から使用時3.5〜6質量%である。より好ましくは、使用時4〜5質量%とすることができる。
【0038】
(強アルカリ)
(B1)成分たる強アルカリは主として無機系アルカリのことをいい、あるいは電離度が90%以上のアルカリ性物質をいう。例えば水酸化ナトリウム等の苛性アルカリも包含されるが、特に好ましい(B1)成分としてケイ酸塩を挙げることができる。ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等の1種以上を任意に選択して使用することができる。
【0039】
酸化剤組成物における(B1)成分の配合量は限定されないが、前記した理由から使用時1.5〜9.0質量%であることが好ましく、使用時3〜6質量%であることが、より好ましい。
【0040】
(アンモニア、アンモニウム塩、アルカノールアミン)
(B2)成分たるアンモニア又はアンモニウム塩としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の1種以上を選択して用いることができる。特にアンモニア又は硫酸アンモニウムが好ましい。酸化剤組成物におけるアンモニア又はアンモニウム塩の配合量は限定されないが、前記した理由から、使用時アンモニアとして、0.01〜1.0mol/Lであることが好ましい。さらに好ましくは使用時0.1〜0.30mol/Lである。
【0041】
(B2)成分たるアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の1種以上を、選択して用いることができる。特にモノエタノールアミンが好ましい。酸化剤組成物におけるアルカノールアミンの配合量は限定されないが、前記した理由から、使用時0.1〜2.5質量%であることが好ましい。さらに好ましくは使用時0.1〜2.0質量%である。
【0042】
(B2)成分としてはアンモニア、アンモニウム塩、アルカノールアミンから選ばれる少なくとも1種を配合する。例えばアンモニアとモノエタノールアミンを併用した場合、使用時のpHが9.25以上でもアンモニア分子が増加するため良好な結果が得られるが、使用時pHが9.5以上のときはモノエタノールアミン分子も増加するため、さらに好ましい結果が得られる。
【0043】
(酸化染料中間体)
本発明の酸化剤組成物が酸化染毛剤である場合は酸化染料中間体を配合する必要がある。この酸化染料中間体は主要中間体からなり、あるいは主要中間体とカプラーからなる。主要中間体及びカプラーの種類は限定されない。
【0044】
主要中間体としては、例えばオルト−又はパラ−のフェニレンジアミン類やアミノフェノール類等が例示され、より具体的にはp−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、o−クロル−p−フェニレンジアミンおよび2,4−ジアミノフェノール等が例示される。
【0045】
カプラーとしては、例えばメタ−のジアミン類、アミノフェノール類又はジフェノール類等が例示され、より具体的にはレゾルシン、カテコール、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、ハイドロキノン、5−アミノ−o−クレゾール、m−アミノフェノール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、トルエン−3,4−ジアミン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、3,3’−イミノジフェニール、1,5−ジヒドロキシナフタレンおよびタンニン酸等が例示される。
【0046】
酸化染毛剤における酸化染料中間体の配合量は適宜に設定すれば良いが、例えば使用時0.01〜3質量%程度とすることができる。
【0047】
〔酸化剤組成物のその他の成分〕
酸化剤組成物には、必要に応じて、油性成分、界面活性剤、高分子物質、ビタミン類、亜硫酸ナトリウム等の酸化防止剤、EDTA等のキレート剤、ステアリン酸マグネシウムやスズ酸ナトリウム等の分散剤、バレイショデンプン等の賦形剤、香料、殺菌・防腐剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、噴射剤、増粘剤等を任意に配合することができる。これらの成分の幾つかについて、以下に詳しく述べる。
【0048】
(油性成分)
油性成分としては、炭化水素、多価アルコール、油脂、シリコーン類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類等が挙げられる。
【0049】
炭化水素としては、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0050】
多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等、グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0051】
油脂としては、各種の植物油、動物油等が挙げられる。
【0052】
シリコーン類としては、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が650〜10000の高重合シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が例示される。
【0053】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
【0054】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【0055】
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0056】
エステル類としては、大豆油、オリーブ油、硬化ヒマシ油等のグリセリン系の各種の植物油やペンタエリスリトール系の脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、等が挙げられる。
【0057】
(界面活性剤)
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0058】
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、クオタニウム−91(INCI名称)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミドプロピルエチルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等が例示される。
【0059】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)(20E.O.)オレイルエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド類等が挙げられる。
【0060】
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキル硫酸塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。
【0061】
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
【0062】
(高分子物質)
高分子物質としては、カチオン性ポリマー、カルボキシビニルポリマーやカルボキシメチルセルロース等のアニオン性ポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体等の両性ポリマー、あるいは各種の水溶性ポリマーが例示される。
【0063】
カチオン性ポリマーとしては、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のカチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等が例示される。
【0064】
水溶性ポリマーとしては、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン等の植物性ポリマー、デキストラン、プルラン等の微生物系ポリマー、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物性ポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系ポリマーが例示される。
【実施例】
【0065】
以下に、本発明の実施例を比較例と共に説明する。本発明の技術的範囲は、以下の実施例及び比較例によって限定されない。
[第1実施例群:酸化染毛剤]
第1実施例群に係る各実施例、比較例を説明する前に、これらの各例を示す末尾の表1〜表6の読み方を説明する。各表では、酸化染毛剤を構成する第1剤と第2剤あるいは第1剤〜第3剤の組成を表記するが、それらの各剤の欄にはその剤型を「クリーム」、「粉末」のように付記している。
【0066】
酸化染毛剤を構成する各剤において、各成分の配合量を示す数値の単位は原則として「質量%」である。但し、表4〜表6に示す第3剤は単一の粉末成分(メタケイ酸ナトリウム)で構成されており、これらの第3剤におけるメタケイ酸ナトリウムの配合量を示す数値は「質量部」を意味し、その質量部表記の具体的な意味は、次の「混合比」に関連して説明する。
【0067】
表1〜表6における「1剤:2剤の混合比」の欄の表記は、例えば「1:5」とある場合、「1剤と2剤を使用時に1:5の質量比で混合する」ことを意味する。酸化染毛剤が更に上記の「質量部」で表記された第3剤を伴う場合は、使用時に次のような質量比率で混合する。即ち、実施例17では「1剤20gと2剤100g(混合比1:5)に対して3剤3.9g」という比率で混合する。表5及び表6において該当する各実施例、比較例においては、「1剤20g、2剤100g(混合比1:5)に対して、3剤を表に示すグラム数」の比率で混合する。
[第1実施例群の1:(B2)成分がアンモニウム塩]
末尾の表1に示す実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例2、表2に示す実施例6〜実施例10及び比較例3、表3に示す実施例11〜実施例15及び比較例4、表4に示す実施例16〜実施例17及び比較例5に係る組成の、酸化染毛剤の第1剤と第2剤、あるいは第1剤〜第3剤をそれぞれ常法に従って調製した。
【0068】
更にこれらの各剤の前記した混合比を前提として、各例の酸化染毛剤における「使用時pH」、「強アルカリの使用時質量%」、「アンモニアの使用時換算量(mol/l)」、「過酸化水素の使用時質量%」も表中に示した。
【0069】
以上の実施例1〜実施例17及び比較例1〜比較例5に係る酸化染毛剤の第1剤及び第2剤、又は第1剤〜第3剤をそれぞれ前記した混合比にて使用時混合調製して、各例に係る酸化染毛剤組成物を得た。これらの各例に係る酸化染毛剤組成物を、黒色の毛束(サンプル毛束)に対して櫛を用いて塗布し、室温にて20分間放置した後、毛束に付着した酸化染毛剤組成物を水で洗い流し、乾燥させた。
【0070】
このような酸化染毛処理において、以下のように「明度」、「刺激臭」、「皮膚刺激」を評価した。これらの評価結果を表中に示す。
<明度の評価方法>
各実施例及び比較例の酸化染毛剤組成物で処理した毛束について、目視にて観察することにより明度を評価した。明度の評価基準は、明度が非常に悪い場合を「1」点、明度が悪い場合を「2」点、明度が良好である場合を「3」点、明度がより良好である場合を「4」点、明度が非常に良好である場合を「5」点とした。
<刺激臭の評価方法>
上記の処理において各実施例及び比較例の酸化染毛剤組成物を毛束に塗布しているときに、臭いを嗅いで刺激臭の程度を評価した。刺激臭の評価基準は、刺激臭が非常に強い場合を「1」点、刺激臭が強い場合を「2」点、刺激臭が少ない場合を「3」点、刺激臭がより少ない場合を「4」点、刺激臭が非常に少ない場合を「5」点とした。
<皮膚刺激の評価方法>
上記の処理において各実施例及び比較例の酸化染毛剤組成物を毛束に塗布しているときに、頭皮への刺激の程度を評価した。皮膚刺激の評価基準は、皮膚刺激が非常に強い場合を「1」点、皮膚刺激が強い場合を「2」点、皮膚刺激が少ない場合を「3」点、皮膚刺激がより少ない場合を「4」点、皮膚刺激が非常に少ない場合を「5」点とした。
[第1実施例群の2:(B2)成分がアルカノールアミン]
末尾の表5に示す実施例18〜実施例20及び比較例6〜比較例7、表6に示す実施例21〜実施例26及び比較例8に係る組成の酸化染毛剤の、第1剤と第2剤あるいは第1剤〜第3剤を、それぞれ常法に従って調製した。
【0071】
更にこれらの各剤の前記した混合比を前提として、各例の酸化染毛剤における「使用時pH」、「強アルカリの使用時質量%」、「アルカノールアミンの使用時質量%」、「過酸化水素の使用時質量%」も表中に示した。
【0072】
以上の実施例18〜実施例26及び比較例6〜比較例8に係る酸化染毛剤の第1剤と第2剤、あるいは第1剤〜第3剤をそれぞれ前記した混合比にて使用時混合調製して、各例に係る酸化染毛剤組成物を得た。これらの各例に係る酸化染毛剤組成物を、黒色の毛束(サンプル毛束)に対して櫛を用いて塗布し、室温にて20分間放置した後、毛束に付着した酸化染毛剤組成物を水で洗い流し、乾燥させた。
【0073】
このような酸化染毛処理において、「第1実施例群の1」の場合と同じ要領で「明度」を評価し、かつ、以下のように「感触」を評価した。これらの評価結果を表中に示す。
<感触の評価方法>
各実施例及び比較例の酸化染毛剤組成物で処理した毛束について、直接触れて感触を評価した。感触の評価基準は、感触が非常に悪い場合を「1」点、感触が悪い場合を「2」点、感触が良好な場合を「3」点、感触がより良好な場合を「4」点、感触が非常に良好な場合を「5」点とした。なお、感触の評価が「1」点又は「2」点であった場合については、その毛束サンプルの毛髪を電子顕微鏡による観察に供したところ、キューティクルの浮き上がりは少なかった。
[第2実施例群:毛髪脱色剤]
前記「第1実施例群の1」及び「第1実施例群の2」に係る実施例1〜実施例26及び比較例1〜比較例8に係る酸化染毛剤に比較して酸化染料中間体を除去した点のみが異なる毛髪脱色剤を調製し、第1実施例群の場合と全く同様の方法によりサンプル毛束に施用して、第1実施例群の場合と全く同様に、「明度」、「刺激臭」、「皮膚刺激」、「感触」を評価した。
【0074】
それらの評価結果は、煩雑を避けるために具体的な提示を省略するが、いずれの実施例、比較例においても、「第1実施例群の1」及び「第1実施例群の2」における対応する実施例、比較例と同等であった。
[参考比較例:過硫酸塩を用いた酸化剤組成物]
下記に「参考比較例の1剤(粉末)」として示す組成の第1剤と、前記した実施例1の第2剤を質量混合比1:5で混合した、参考比較例に係る毛髪脱色剤を調製した。
(参考比較例の1剤(粉末))
過硫酸カリウム 45質量%
過硫酸アンモニウム 20質量%
メタケイ酸ナトリウム 9.0質量%
EDTA 6.0質量%
ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド 1.0質量%
ステアリン酸マグネシウム 0.5質量%
バレイショデンプン 残部
計 100質量%
この参考比較例について、第1実施例群の場合と全く同様の方法によりサンプル毛束に施用して、第1実施例群の場合と全く同様に「明度」及び「感触」を評価したところ、明度の評価が「5」点若しくはこれを超えるような評価である一方、感触の評価が「1」点であった。そして、この参考比較例に係る毛束サンプルの毛髪を電子顕微鏡による観察に供したところ、顕著なキューティクルの浮き上がりが認められた。
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
【表5】

【0080】
【表6】

【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明によって、多量の過酸化水素を配合したもとで、アルカリ剤による特定のpH領域への調整により優れた毛髪明度向上効果が得られ、しかも過酸化水素やアルカリ剤の過剰配合に基づく種々の不具合を伴わない酸化剤組成物が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時に混合調製される複数剤式に製剤され、少なくとも下記の(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有すると共に、(A)成分と他の前記各成分とが異なる製剤に配合される酸化剤組成物であって、使用時のpH値αが、(B2)成分の解離定数(pKa)値をβとしたとき、α≧βで表されるpH域にあることを特徴とする酸化剤組成物。
(A)成分:使用時3.5〜6質量%の過酸化水素
(B1)成分:強アルカリ
(B2)成分:アンモニア、アンモニウム塩又はアルカノールアミンから選ばれる少なくとも1種
【請求項2】
前記酸化剤組成物の使用時のpH値αが、α≧β+0.5で表されるpH域にあることを特徴とする請求項1に記載の酸化剤組成物。
【請求項3】
前記(B1)成分の配合量が下記の通りであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸化剤組成物。
(B1)成分:使用時1.5〜9.0質量%。
【請求項4】
前記(B1)成分がケイ酸塩であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の酸化剤組成物。
【請求項5】
前記(B2)成分たるアンモニウム塩が硫酸アンモニウムであり、又は前記(B2)成分たるアルカノールアミンがモノエタノールアミンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の酸化剤組成物。

【公開番号】特開2009−209119(P2009−209119A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56337(P2008−56337)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000113274)ホーユー株式会社 (278)
【Fターム(参考)】