酸化膜を製造する方法
【課題】高価な機体設備を組み合わせる必要なしに、コストを抑えて、大面積の酸化膜を製造する方法を提供する。
【解決手段】第1前駆体、燃料および溶剤を含む塗料を調製し、前記塗料を基材に塗布し、前記基材の塗料に焼き戻しのステップを行い、前記塗料を酸化膜に転化させるステップを包括する。前記第1前駆体が第1金属を含み、前記第1金属がタングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀であり、前記燃料がチオウレア、ウレア、グリシン、クエン酸の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせを含み、前記溶剤が水、アルコール、過酸化水素水の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせを含む。
【解決手段】第1前駆体、燃料および溶剤を含む塗料を調製し、前記塗料を基材に塗布し、前記基材の塗料に焼き戻しのステップを行い、前記塗料を酸化膜に転化させるステップを包括する。前記第1前駆体が第1金属を含み、前記第1金属がタングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀であり、前記燃料がチオウレア、ウレア、グリシン、クエン酸の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせを含み、前記溶剤が水、アルコール、過酸化水素水の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜を製造する方法であり、特に酸化膜を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
酸化膜は、すでに伝統産業、半導体製造、光電産業等に広く応用されている。現在酸化膜の調整方法は、気相法と溶液法におおまかに分けることができる。
【0003】
よくある気相法は、蒸着法またはスパッタリング法であり、これらは真空空洞体内で実施する必要があり、また、前記真空空洞体は、非常に高価な機体設備と組み合わせる必要がある。前記真空空洞体を真空にするステップは、全体の製造工程の速度を制限し、且つ前記真空空洞体のサイズを限定して、酸化膜を大面積化させることを困難にしている。
【0004】
よくある溶液法は、ソル・ゲル法または水溶液法であり、これらは製造過程が煩瑣で、時間がかかり、且つ酸化膜の特性を簡単に制御できない等の問題がある。例を挙げると、水溶液法による酸化タングステン膜の製造は、まずタングステン粉末と過酸化水素水を約6時間攪拌して、均等に混合した後、前記過酸化水素水が余分な部分を取り除いて、第1溶液が得られ、それから酢酸を前記第1溶液に加えて約12時間還流させて第2溶液が得られ、さらに前記第2溶液に真空のステップを行った後、界面活性剤を前記第2溶液に加えて約1時間攪拌し、第3溶液が得られ、それから前記第3溶液を遠心分離することで、澄んだ液体が得られ、最後に前記澄んだ液体を基材に塗布して加熱のステップを行って、酸化タングステン膜が得られる。
【0005】
この他、溶液法には製造工程のパラメータを正確に制御しなければ、酸化膜に再現性を備えさせることができず、例えば、上記の溶液攪拌の時間が異なる、或いは上記の溶液に漬ける時間が異なり、製造過程のパラメータに少し変化があれば、同一の性質の酸化膜を得ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、酸化膜を製造する方法を提供することであり、真空空洞体内で実施する必要がないので、高価な機体設備を組み合わせる必要なしに、コストを抑え、且つ大面積の酸化膜を製造するのに用いることができる。
本発明のもう1つの目的は、簡単、快速且つ再現性を備える酸化膜が得られる酸化膜を製造する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、調整製造過程のパラメータにより、酸化膜の形および性質を変化させる酸化膜を製造する方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、エレクトロクロミック素子、太陽エネルギー電池および半導体産業に適用される酸化膜を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明の酸化膜を製造する方法は、以下のステップを包括する。
第1前駆体、燃料および溶剤を含む塗料を調製するステップと、
前記塗料を基材に塗布するステップと、
前記基材の塗料に焼き戻しを行い、前記塗料を酸化膜に転化させるステップ。
【発明の効果】
【0008】
本発明の酸化膜を製造する方法は、本発明の方法は、真空空洞体内で実施する必要がないので、高価な機械設備を組み合わせる必要なく、コストを抑えて尚且つ大面積の酸化膜を製造するのに用いることができる。
さらに本発明では、簡単、快速且つ再現性を備える酸化膜が得られる酸化膜を製造する方法を提供することができる。
さらに本発明は、調整製造過程のパラメータにより、酸化膜の形および性質を変化させる酸化膜を製造する方法を提供することができる。
さらに本発明は、エレクトロクロミック素子、太陽エネルギー電池および半導体産業に適用される酸化膜を製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】実施例1の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1B】実施例2の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1C】実施例3の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1D】実施例4の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1E】実施例5の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1F】実施例6の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1G】実施例7の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1H】実施例8の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1I】比較実施例の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図2】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜のX線回折である。
【図3】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜のラマンスペクトルである。
【図4】実施例1の酸化タングステン膜の三極式システムにおける光透過率曲線および光透過率変化曲線である。
【図5】実施例7の酸化タングステン膜の三極式システムにおける光透過率曲線および光透過率変化曲線である。
【図6】比較実施例の酸化タングステン膜の三極式システムにおける光透過率曲線および光透過率変化曲線である。
【図7】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置においてが10μA/cm2電流密度で前記電解液と反応する電荷密度と光学密度の関係曲線である。
【図8】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置においてであって、まず正バイアスを200秒持続して付加した後、さらに負バイアスを付加した後の光透過率曲線の変化曲線である。
【図9】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置において、正、負バイアスを50回反復付加した後の光透過率曲線の変化曲線である。
【図10】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜を三電極式システムにおいて、正、負バイアスを反復付加して、異なる電圧において測定した電流密度曲線である。
【図11】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜を三電極式システムにおいて、正、負バイアスを反復付加して、異なる電圧において測定した電流密度曲線である。
【図12】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜を三電極式システムにおいて、正、負バイアスを反復付加して、異なる電圧において測定した電流密度曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の酸化膜を製造する方法は、以下のステップを包括する。
第1前駆体、燃料および溶剤を含む塗料を調製するステップと、
前記塗料を基材に塗布するステップと、
前記基材の塗料に焼き戻しを行い、前記塗料を一酸化膜に転化させるステップ。
【0011】
このうち前記酸化膜は、金属酸化膜であり、前記金属酸化膜は、酸化タングステン膜、酸化ニッケル膜、酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化銅膜あるいは酸化銀膜であることが望ましい。
前記第1前駆体は、第1金属の材料を含み、前記第1金属は、タングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀であり、前記第1前駆体は、前記第1金属の粉末、前記第1金属の硝酸塩、前記第1金属の硫酸塩、前記第1金属の酢酸塩の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせであることが好ましい。
【0012】
いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化タングステン膜であるとき、前記第1前駆体は、タングステン粉末、硝酸タングステン、硫酸タングステン、酢酸タングステンの何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである。
【0013】
いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化ニッケル膜であるとき、前記第1前駆体は、ニッケル粉末、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケルの何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである。
【0014】
前記燃料は、チオウレア(Thiourea)、ウレア(Urea)、グリシン(Glycine)、クエン酸(Citric acid)の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである。
前記溶剤は、水、アルコール、過酸化水素水のいずれかひとつ、或いはこれらの組み合わせである。
前記基材は、ガラス或いは透明導電性酸化物であり、前記透明導電性酸化物は、酸化インジウムスズ(Indium tin oxcide;ITO)或いはフッ素酸化スズ(Fluorine tin oxide;FTO)であることが好ましい。
【0015】
挙げておくべきこととして、前記第1前駆体および前記燃料の重量比は1:0.02−22である。いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化タングステン膜であるとき、前記第1前駆体と前記燃料の重量比は1:0.1−1.64である。いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化ニッケル膜であるとき、前記第1前駆体と前記燃料の重量比は、1:0.3−2.24である。
【0016】
挙げておくべきこととして、前記燃料と前記溶剤の重量比は、1:0.01−100である。いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化タングステン膜であるとき、前記燃料と前記溶剤の重量比は、1:9−60である。いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化ニッケル膜であるとき、前記燃料と前記溶剤の重量比は1:0.03−40である。
【0017】
この他、前記塗料は選択的に第2前駆体を包括し、前記酸化膜に混ぜ合わせる。前記第2前駆体は、第2金属の材料を含み、前記第2金属は、タングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀であるが、前記第1金属とは異なる。前記第2前駆体は前記第2金属の粉末、前記第2金属の硝酸塩、前記第2金属の硫酸塩、前記第2金属の酢酸塩の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせであることが好ましい。いくつかの実施例において、前記第1前駆体と第2前駆体の重量比は、1:0.001−0.1である。
【0018】
前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を焼き戻し温度まで加熱する。重要なことは、前記塗料を調製し、前記基材の塗料を前記焼き戻し温度まで加熱するとき、前記燃料は、熱量或いはガスを放出して前記焼き戻し温度が過熱しないようにする。前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を300−550℃まで加熱することが好ましい。前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を300−550℃まで加熱して、10分−6時間温度を持続させることがより好ましい。前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を300−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させることが最も好ましい。
【0019】
いくつかの実施例においては、前記酸化膜が酸化タングステン膜であるとき、前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を350−450℃まで加熱する。いくつかの実施例においては、前記酸化膜が酸化ニッケル膜であるとき、前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を300−550℃まで加熱する。
【0020】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が裂け目を有する酸化タングステン膜であるとき、前記裂け目を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、チオウレアおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記チオウレアの重量比が1:0.4−2であり、前記チオウレアと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記裂け目を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0021】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が孔を有する酸化タングステン膜であるとき、前記孔を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、チオウレアおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記チオウレアの重量比が1:0.2−0.4であり、前記チオウレアと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記孔を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0022】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が平坦或いは非結晶相を有する酸化タングステン膜であるとき、前記平坦或いは非結晶相を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、チオウレアおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記チオウレアの重量比が1:0.2−0.4であり、前記チオウレアと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を300−425℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記平坦或いは非結晶相を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0023】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が平坦な酸化タングステン膜であるとき、前記平坦な酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、ウレアおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記ウレアの重量比が1:0.2−0.4であり、前記ウレアと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記平坦な酸化タングステン膜に転化させる。
【0024】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が孔を有する酸化タングステン膜であるとき、前記孔を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、グリシンおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記グリシンの重量比が1:0.2−0.4であり、前記グリシンと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記孔を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0025】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が孔を有する酸化タングステン膜であるとき、前記孔を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、クエン酸および過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記クエン酸の重量比が1:0.2−0.4であり、前記クエン酸と前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記孔を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0026】
下記の実施例は、本発明の実施可能性をさらに実証して、本発明が請求する技術内容をさらに具体的にして、技術者に本発明を明確かつ明瞭にさせて、これに基づき実施できるものであるが、本発明で得られるべき合理的保護範囲に限定されることは望まない。他の技術者が周知技術の教示に基づき達成できる本発明の様々な変化および改良は、いずれも本発明の範疇に帰属すべきである。
【0027】
<調製>
【0028】
実施例1
本実施例の製造方法について以降に詳細に説明する。
まず、1.5gのタングステン粉末および0.45gのチオウレアを9mlの過酸化水素水(濃度30%)および1mlの脱イオン水に加えて、均一に混合して溶液を形成し、続いて、前記溶液を攪拌して、前記溶液の重量が4.5gになるまで揮発させることによってタングステン塗料が得られる。
前記タングステン塗料をフッ素酸化スズに回転塗布してから、前記フッ素酸化スズのタングステン塗料に対して焼き戻しのステップを行い、前記タングステン塗料を酸化タングステン膜に変化させる。このうち、前記焼き戻しのステップは、10分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を350℃まで加熱し、また5分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を450℃まで加熱して、30分間温度を持続させる。
図1Aに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0029】
実施例2
本実施例の製造方法は、前記チオウレアをウレアに置き換えることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
【0030】
実施例3
本実施例の製造方法は、前記チオウレアをグリシンに置き換えることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Cに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0031】
実施例4
本実施例の製造方法は、前記チオウレアをクエン酸に置き換えることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Dに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0032】
実施例5
本実施例の製造方法は、前記チオウレアの重量が1.215gであることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Eに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、裂け目を有する酸化タングステン膜である。
【0033】
実施例6
本実施例の製造方法は、前記チオウレアの重量が0.6gであることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Fに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0034】
実施例7
本実施例の製造方法は、前記焼き戻しのステップが先に10分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を350℃まで加熱し、また5分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を400℃まで加熱して30分間温度を持続させることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Gに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、平坦な酸化タングステン膜である。
【0035】
実施例8
本実施例の製造方法は、前記焼き戻しのステップが先に10分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を350℃まで加熱し、また5分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を500℃まで加熱して30分間温度を持続させることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Hに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0036】
比較実施例
本実施例の製造方法は、前記チオウレアを加えないことを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Iに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、平坦な酸化タングステン膜である。
【0037】
<構造性質の分析>
図2に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜のX線回折(X−ray diffraction;XRD)を表示している。図から分かるように、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜は、多結晶構造を有し、且つ単斜晶相の酸化タングステン膜である。然しながら、実施例7の酸化タングステン膜は、酸化イニジウムスズに類似した波長が出現しているだけである。
【0038】
図3に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜のラマンスペクトル(Raman spectrum)を表示している。図から分かるように、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜は、805cm-1、714cm-1、327cm-1および272cm-1の位置に散乱波長があり、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜が単斜晶相の酸化タングステン膜であることをさらに実証している。しかしながら、実施例7の酸化タングステン膜は、805cm-1および714cm-1の位置に分散波長があるが、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜に比べて、これらの分散波長は、より弱く、より幅の広いものである。
【0039】
<光学性質の分析>
実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜の光学性質は、三電極式システムおよびエレクトロクロミック装置を使用して分析を行う。
三電極式システムは、電解液を1M過塩素酸リチウム(Lithium perchlorate;LiClO4)溶液として使用するものであり、そのうち前記過塩素酸リチウム溶液の溶剤は、プロピレンカーボネート(Propylene carbonate)とする。三電極式システムは、酸化タングステン膜、Pt線およびAg /AgClを作用電極、補助電極および参照電極としてそれぞれ使用する。
【0040】
エレクトロクロミック装置は、酸化イニジウムスズを電極と酸化タングステン膜の間に厚さ60μmの溶解性の樹脂スペーサーを設けることで隙間を形成して、毛細現象により電解液(1 M過塩素酸リチウム溶液、前記過塩素酸リチウム溶液の溶剤は、プロピレンカーボネートとする)を前記隙間に導入する。
三電極式システム或いはエレクトロクロミック装置において、酸化タングステン膜に負バイアスを付加したとき、前記電解液中のリチウムイオンは、前記酸化タングステン膜に挿入されて、前記酸化タングステン膜を変色させ、前記酸化タングステン膜に正バイアスを付加したとき、前記リチウムイオンは、前記酸化膜から脱離して、前記酸化膜を退色させる。
【0041】
図4−6は、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜の三極式システムにおける光透過率曲線および光透過率変化曲線をそれぞれ顕している。これらの図の「初期調製」は、前記酸化タングステン膜が変色する前の光透過率曲線を表しており、「カラー状態」は、前記酸化タングステン膜が変色した後の光透過率曲線を表しており、「退色状態」は、前記酸化タングステン膜が退色した後の光透過率曲線を表しており、「光透過率変化」は、「退色状態」曲線から「カラー状態」曲線を差し引いた後の結果を表している。これらの図から分かるように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜が変色する前、可視光に対する光透過率は、約80%である。実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜が変色した後、632nmの光線に対する光透過率は、それぞれ20%、10%、25%まで下がる。
【0042】
図4−6に示すように、実施例7の酸化タングステン膜が退色した後の光透過率曲線とそれが変色する前の光透過率曲線は類似している。実施例1の酸化タングステン膜が退色した後の光透過率曲線は、それが変色する前の光透過率曲線よりも少し下側である。比較実施例の酸化タングステン膜が退色した後の光透過率曲線はそれが変色する前の光透過率曲線よりもさらに下側である。従って、632nmの光線について言えば、実施例7の酸化タングステン膜は、最大の光透過率変化を有している。
【0043】
図7に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置において、10μA/cm2の電流密度で前記電解液と反応する電荷密度と光学密度の関係曲線を顕している。 これらの関係曲線の傾斜率により、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜の変色効率がそれぞれ6cm2/C、37cm2/C、7cm2/Cであることが得られる。明らかに実施例7の酸化タングステン膜は、最高の変色効率を有している。
【0044】
図8に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置おいて、まず正バイアスを200秒付加し続けた後、さらに負バイアスを付加した後の光透過率曲線の変化曲線を顕している。図から分かるように、50秒時に前記酸化タングステン膜に正バイアスを付加して、200秒持続し、250秒時にさらに前記酸化タングステン膜に負バイアスを付加している。明らかに、632nmの光線について言えば、実施例7の酸化タングステン膜が最大の光透過率変化を有している。
【0045】
図9に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置おいて、正、負バイアスを反復して50回付加した後の光透過率曲線の変化曲線を顕している。これについて、正、負バイアス付加1回は、 変色/退色の循環1回と定義する。図から分かるように、632nmの光線について言えば、実施例7の酸化タングステン膜が30回変色/退色循環した後、その光透過率変化は、なお40%あり、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜と比較して、実施例7の酸化タングステン膜はより耐用性を備えている。
【0046】
図10−12に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜は、三電極式システムにおいて、正、負バイアスを反復付加して、異なる電圧で測定された電流密度曲線をそれぞれ顕している。これについて、正、負バイアスの付加1回は、変色/退色の循環1回と定義する。
【0047】
図10に示すように、実施例1の酸化タングステン膜が数度変色/退色の循環をした後、その電流密度曲線に明らかな変化はない。また、図11に示すように、実施例7の酸化タングステン膜が数度変色/退色の循環した後、その電流密度曲線は少し変化するが、前記電流密度曲線内の面積の変化は大きくはなく、実施例7の酸化タングステン膜が確実性を備えていることを示している。
【0048】
さらに図12に示すように、比較実施例の酸化タングステン膜が数度変色/退色の循環をした後、その電流密度曲線内の面積の変化は、小さくなる傾向があり、比較実施例の酸化タングステン膜は確実性が優れていないことを示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜を製造する方法であり、特に酸化膜を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
酸化膜は、すでに伝統産業、半導体製造、光電産業等に広く応用されている。現在酸化膜の調整方法は、気相法と溶液法におおまかに分けることができる。
【0003】
よくある気相法は、蒸着法またはスパッタリング法であり、これらは真空空洞体内で実施する必要があり、また、前記真空空洞体は、非常に高価な機体設備と組み合わせる必要がある。前記真空空洞体を真空にするステップは、全体の製造工程の速度を制限し、且つ前記真空空洞体のサイズを限定して、酸化膜を大面積化させることを困難にしている。
【0004】
よくある溶液法は、ソル・ゲル法または水溶液法であり、これらは製造過程が煩瑣で、時間がかかり、且つ酸化膜の特性を簡単に制御できない等の問題がある。例を挙げると、水溶液法による酸化タングステン膜の製造は、まずタングステン粉末と過酸化水素水を約6時間攪拌して、均等に混合した後、前記過酸化水素水が余分な部分を取り除いて、第1溶液が得られ、それから酢酸を前記第1溶液に加えて約12時間還流させて第2溶液が得られ、さらに前記第2溶液に真空のステップを行った後、界面活性剤を前記第2溶液に加えて約1時間攪拌し、第3溶液が得られ、それから前記第3溶液を遠心分離することで、澄んだ液体が得られ、最後に前記澄んだ液体を基材に塗布して加熱のステップを行って、酸化タングステン膜が得られる。
【0005】
この他、溶液法には製造工程のパラメータを正確に制御しなければ、酸化膜に再現性を備えさせることができず、例えば、上記の溶液攪拌の時間が異なる、或いは上記の溶液に漬ける時間が異なり、製造過程のパラメータに少し変化があれば、同一の性質の酸化膜を得ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、酸化膜を製造する方法を提供することであり、真空空洞体内で実施する必要がないので、高価な機体設備を組み合わせる必要なしに、コストを抑え、且つ大面積の酸化膜を製造するのに用いることができる。
本発明のもう1つの目的は、簡単、快速且つ再現性を備える酸化膜が得られる酸化膜を製造する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、調整製造過程のパラメータにより、酸化膜の形および性質を変化させる酸化膜を製造する方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、エレクトロクロミック素子、太陽エネルギー電池および半導体産業に適用される酸化膜を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明の酸化膜を製造する方法は、以下のステップを包括する。
第1前駆体、燃料および溶剤を含む塗料を調製するステップと、
前記塗料を基材に塗布するステップと、
前記基材の塗料に焼き戻しを行い、前記塗料を酸化膜に転化させるステップ。
【発明の効果】
【0008】
本発明の酸化膜を製造する方法は、本発明の方法は、真空空洞体内で実施する必要がないので、高価な機械設備を組み合わせる必要なく、コストを抑えて尚且つ大面積の酸化膜を製造するのに用いることができる。
さらに本発明では、簡単、快速且つ再現性を備える酸化膜が得られる酸化膜を製造する方法を提供することができる。
さらに本発明は、調整製造過程のパラメータにより、酸化膜の形および性質を変化させる酸化膜を製造する方法を提供することができる。
さらに本発明は、エレクトロクロミック素子、太陽エネルギー電池および半導体産業に適用される酸化膜を製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】実施例1の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1B】実施例2の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1C】実施例3の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1D】実施例4の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1E】実施例5の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1F】実施例6の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1G】実施例7の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1H】実施例8の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図1I】比較実施例の酸化膜のスキャン式電子顕微鏡における写真である。
【図2】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜のX線回折である。
【図3】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜のラマンスペクトルである。
【図4】実施例1の酸化タングステン膜の三極式システムにおける光透過率曲線および光透過率変化曲線である。
【図5】実施例7の酸化タングステン膜の三極式システムにおける光透過率曲線および光透過率変化曲線である。
【図6】比較実施例の酸化タングステン膜の三極式システムにおける光透過率曲線および光透過率変化曲線である。
【図7】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置においてが10μA/cm2電流密度で前記電解液と反応する電荷密度と光学密度の関係曲線である。
【図8】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置においてであって、まず正バイアスを200秒持続して付加した後、さらに負バイアスを付加した後の光透過率曲線の変化曲線である。
【図9】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置において、正、負バイアスを50回反復付加した後の光透過率曲線の変化曲線である。
【図10】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜を三電極式システムにおいて、正、負バイアスを反復付加して、異なる電圧において測定した電流密度曲線である。
【図11】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜を三電極式システムにおいて、正、負バイアスを反復付加して、異なる電圧において測定した電流密度曲線である。
【図12】実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜を三電極式システムにおいて、正、負バイアスを反復付加して、異なる電圧において測定した電流密度曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の酸化膜を製造する方法は、以下のステップを包括する。
第1前駆体、燃料および溶剤を含む塗料を調製するステップと、
前記塗料を基材に塗布するステップと、
前記基材の塗料に焼き戻しを行い、前記塗料を一酸化膜に転化させるステップ。
【0011】
このうち前記酸化膜は、金属酸化膜であり、前記金属酸化膜は、酸化タングステン膜、酸化ニッケル膜、酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化銅膜あるいは酸化銀膜であることが望ましい。
前記第1前駆体は、第1金属の材料を含み、前記第1金属は、タングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀であり、前記第1前駆体は、前記第1金属の粉末、前記第1金属の硝酸塩、前記第1金属の硫酸塩、前記第1金属の酢酸塩の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせであることが好ましい。
【0012】
いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化タングステン膜であるとき、前記第1前駆体は、タングステン粉末、硝酸タングステン、硫酸タングステン、酢酸タングステンの何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである。
【0013】
いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化ニッケル膜であるとき、前記第1前駆体は、ニッケル粉末、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケルの何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである。
【0014】
前記燃料は、チオウレア(Thiourea)、ウレア(Urea)、グリシン(Glycine)、クエン酸(Citric acid)の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである。
前記溶剤は、水、アルコール、過酸化水素水のいずれかひとつ、或いはこれらの組み合わせである。
前記基材は、ガラス或いは透明導電性酸化物であり、前記透明導電性酸化物は、酸化インジウムスズ(Indium tin oxcide;ITO)或いはフッ素酸化スズ(Fluorine tin oxide;FTO)であることが好ましい。
【0015】
挙げておくべきこととして、前記第1前駆体および前記燃料の重量比は1:0.02−22である。いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化タングステン膜であるとき、前記第1前駆体と前記燃料の重量比は1:0.1−1.64である。いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化ニッケル膜であるとき、前記第1前駆体と前記燃料の重量比は、1:0.3−2.24である。
【0016】
挙げておくべきこととして、前記燃料と前記溶剤の重量比は、1:0.01−100である。いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化タングステン膜であるとき、前記燃料と前記溶剤の重量比は、1:9−60である。いくつかの実施例において、前記金属酸化膜が酸化ニッケル膜であるとき、前記燃料と前記溶剤の重量比は1:0.03−40である。
【0017】
この他、前記塗料は選択的に第2前駆体を包括し、前記酸化膜に混ぜ合わせる。前記第2前駆体は、第2金属の材料を含み、前記第2金属は、タングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀であるが、前記第1金属とは異なる。前記第2前駆体は前記第2金属の粉末、前記第2金属の硝酸塩、前記第2金属の硫酸塩、前記第2金属の酢酸塩の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせであることが好ましい。いくつかの実施例において、前記第1前駆体と第2前駆体の重量比は、1:0.001−0.1である。
【0018】
前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を焼き戻し温度まで加熱する。重要なことは、前記塗料を調製し、前記基材の塗料を前記焼き戻し温度まで加熱するとき、前記燃料は、熱量或いはガスを放出して前記焼き戻し温度が過熱しないようにする。前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を300−550℃まで加熱することが好ましい。前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を300−550℃まで加熱して、10分−6時間温度を持続させることがより好ましい。前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を300−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させることが最も好ましい。
【0019】
いくつかの実施例においては、前記酸化膜が酸化タングステン膜であるとき、前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を350−450℃まで加熱する。いくつかの実施例においては、前記酸化膜が酸化ニッケル膜であるとき、前記焼き戻しのステップは、前記基材の塗料を300−550℃まで加熱する。
【0020】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が裂け目を有する酸化タングステン膜であるとき、前記裂け目を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、チオウレアおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記チオウレアの重量比が1:0.4−2であり、前記チオウレアと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記裂け目を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0021】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が孔を有する酸化タングステン膜であるとき、前記孔を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、チオウレアおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記チオウレアの重量比が1:0.2−0.4であり、前記チオウレアと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記孔を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0022】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が平坦或いは非結晶相を有する酸化タングステン膜であるとき、前記平坦或いは非結晶相を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、チオウレアおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記チオウレアの重量比が1:0.2−0.4であり、前記チオウレアと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を300−425℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記平坦或いは非結晶相を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0023】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が平坦な酸化タングステン膜であるとき、前記平坦な酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、ウレアおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記ウレアの重量比が1:0.2−0.4であり、前記ウレアと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記平坦な酸化タングステン膜に転化させる。
【0024】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が孔を有する酸化タングステン膜であるとき、前記孔を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、グリシンおよび過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記グリシンの重量比が1:0.2−0.4であり、前記グリシンと前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記孔を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0025】
注目すべきことは、前記金属酸化膜が孔を有する酸化タングステン膜であるとき、前記孔を有する酸化タングステン膜を製造する方法は、下記のステップを包括する。タングステン粉末、クエン酸および過酸化水素水を包括し、前記タングステン粉末と前記クエン酸の重量比が1:0.2−0.4であり、前記クエン酸と前記過酸化水素水の重量比が1:15−25であるタングステン塗料を提供し、前記タングステン塗料を基材に塗布し、前記基材のタングステン塗料を425−550℃まで加熱して、10分−1時間温度を持続させて、前記タングステン塗料を前記孔を有する酸化タングステン膜に転化させる。
【0026】
下記の実施例は、本発明の実施可能性をさらに実証して、本発明が請求する技術内容をさらに具体的にして、技術者に本発明を明確かつ明瞭にさせて、これに基づき実施できるものであるが、本発明で得られるべき合理的保護範囲に限定されることは望まない。他の技術者が周知技術の教示に基づき達成できる本発明の様々な変化および改良は、いずれも本発明の範疇に帰属すべきである。
【0027】
<調製>
【0028】
実施例1
本実施例の製造方法について以降に詳細に説明する。
まず、1.5gのタングステン粉末および0.45gのチオウレアを9mlの過酸化水素水(濃度30%)および1mlの脱イオン水に加えて、均一に混合して溶液を形成し、続いて、前記溶液を攪拌して、前記溶液の重量が4.5gになるまで揮発させることによってタングステン塗料が得られる。
前記タングステン塗料をフッ素酸化スズに回転塗布してから、前記フッ素酸化スズのタングステン塗料に対して焼き戻しのステップを行い、前記タングステン塗料を酸化タングステン膜に変化させる。このうち、前記焼き戻しのステップは、10分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を350℃まで加熱し、また5分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を450℃まで加熱して、30分間温度を持続させる。
図1Aに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0029】
実施例2
本実施例の製造方法は、前記チオウレアをウレアに置き換えることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
【0030】
実施例3
本実施例の製造方法は、前記チオウレアをグリシンに置き換えることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Cに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0031】
実施例4
本実施例の製造方法は、前記チオウレアをクエン酸に置き換えることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Dに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0032】
実施例5
本実施例の製造方法は、前記チオウレアの重量が1.215gであることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Eに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、裂け目を有する酸化タングステン膜である。
【0033】
実施例6
本実施例の製造方法は、前記チオウレアの重量が0.6gであることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Fに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0034】
実施例7
本実施例の製造方法は、前記焼き戻しのステップが先に10分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を350℃まで加熱し、また5分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を400℃まで加熱して30分間温度を持続させることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Gに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、平坦な酸化タングステン膜である。
【0035】
実施例8
本実施例の製造方法は、前記焼き戻しのステップが先に10分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を350℃まで加熱し、また5分間前記フッ素酸化スズのタングステン塗料を500℃まで加熱して30分間温度を持続させることを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Hに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、孔を有する酸化タングステン膜である。
【0036】
比較実施例
本実施例の製造方法は、前記チオウレアを加えないことを除き、実施例1の製造方法の繰り返しである。
図1Iに示すように、本実施例の酸化タングステン膜は、平坦な酸化タングステン膜である。
【0037】
<構造性質の分析>
図2に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜のX線回折(X−ray diffraction;XRD)を表示している。図から分かるように、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜は、多結晶構造を有し、且つ単斜晶相の酸化タングステン膜である。然しながら、実施例7の酸化タングステン膜は、酸化イニジウムスズに類似した波長が出現しているだけである。
【0038】
図3に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜のラマンスペクトル(Raman spectrum)を表示している。図から分かるように、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜は、805cm-1、714cm-1、327cm-1および272cm-1の位置に散乱波長があり、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜が単斜晶相の酸化タングステン膜であることをさらに実証している。しかしながら、実施例7の酸化タングステン膜は、805cm-1および714cm-1の位置に分散波長があるが、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜に比べて、これらの分散波長は、より弱く、より幅の広いものである。
【0039】
<光学性質の分析>
実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜の光学性質は、三電極式システムおよびエレクトロクロミック装置を使用して分析を行う。
三電極式システムは、電解液を1M過塩素酸リチウム(Lithium perchlorate;LiClO4)溶液として使用するものであり、そのうち前記過塩素酸リチウム溶液の溶剤は、プロピレンカーボネート(Propylene carbonate)とする。三電極式システムは、酸化タングステン膜、Pt線およびAg /AgClを作用電極、補助電極および参照電極としてそれぞれ使用する。
【0040】
エレクトロクロミック装置は、酸化イニジウムスズを電極と酸化タングステン膜の間に厚さ60μmの溶解性の樹脂スペーサーを設けることで隙間を形成して、毛細現象により電解液(1 M過塩素酸リチウム溶液、前記過塩素酸リチウム溶液の溶剤は、プロピレンカーボネートとする)を前記隙間に導入する。
三電極式システム或いはエレクトロクロミック装置において、酸化タングステン膜に負バイアスを付加したとき、前記電解液中のリチウムイオンは、前記酸化タングステン膜に挿入されて、前記酸化タングステン膜を変色させ、前記酸化タングステン膜に正バイアスを付加したとき、前記リチウムイオンは、前記酸化膜から脱離して、前記酸化膜を退色させる。
【0041】
図4−6は、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜の三極式システムにおける光透過率曲線および光透過率変化曲線をそれぞれ顕している。これらの図の「初期調製」は、前記酸化タングステン膜が変色する前の光透過率曲線を表しており、「カラー状態」は、前記酸化タングステン膜が変色した後の光透過率曲線を表しており、「退色状態」は、前記酸化タングステン膜が退色した後の光透過率曲線を表しており、「光透過率変化」は、「退色状態」曲線から「カラー状態」曲線を差し引いた後の結果を表している。これらの図から分かるように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜が変色する前、可視光に対する光透過率は、約80%である。実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜が変色した後、632nmの光線に対する光透過率は、それぞれ20%、10%、25%まで下がる。
【0042】
図4−6に示すように、実施例7の酸化タングステン膜が退色した後の光透過率曲線とそれが変色する前の光透過率曲線は類似している。実施例1の酸化タングステン膜が退色した後の光透過率曲線は、それが変色する前の光透過率曲線よりも少し下側である。比較実施例の酸化タングステン膜が退色した後の光透過率曲線はそれが変色する前の光透過率曲線よりもさらに下側である。従って、632nmの光線について言えば、実施例7の酸化タングステン膜は、最大の光透過率変化を有している。
【0043】
図7に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置において、10μA/cm2の電流密度で前記電解液と反応する電荷密度と光学密度の関係曲線を顕している。 これらの関係曲線の傾斜率により、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜の変色効率がそれぞれ6cm2/C、37cm2/C、7cm2/Cであることが得られる。明らかに実施例7の酸化タングステン膜は、最高の変色効率を有している。
【0044】
図8に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置おいて、まず正バイアスを200秒付加し続けた後、さらに負バイアスを付加した後の光透過率曲線の変化曲線を顕している。図から分かるように、50秒時に前記酸化タングステン膜に正バイアスを付加して、200秒持続し、250秒時にさらに前記酸化タングステン膜に負バイアスを付加している。明らかに、632nmの光線について言えば、実施例7の酸化タングステン膜が最大の光透過率変化を有している。
【0045】
図9に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜をエレクトロクロミック装置おいて、正、負バイアスを反復して50回付加した後の光透過率曲線の変化曲線を顕している。これについて、正、負バイアス付加1回は、 変色/退色の循環1回と定義する。図から分かるように、632nmの光線について言えば、実施例7の酸化タングステン膜が30回変色/退色循環した後、その光透過率変化は、なお40%あり、実施例1および比較実施例の酸化タングステン膜と比較して、実施例7の酸化タングステン膜はより耐用性を備えている。
【0046】
図10−12に示すように、実施例1、実施例7および比較実施例の酸化タングステン膜は、三電極式システムにおいて、正、負バイアスを反復付加して、異なる電圧で測定された電流密度曲線をそれぞれ顕している。これについて、正、負バイアスの付加1回は、変色/退色の循環1回と定義する。
【0047】
図10に示すように、実施例1の酸化タングステン膜が数度変色/退色の循環をした後、その電流密度曲線に明らかな変化はない。また、図11に示すように、実施例7の酸化タングステン膜が数度変色/退色の循環した後、その電流密度曲線は少し変化するが、前記電流密度曲線内の面積の変化は大きくはなく、実施例7の酸化タングステン膜が確実性を備えていることを示している。
【0048】
さらに図12に示すように、比較実施例の酸化タングステン膜が数度変色/退色の循環をした後、その電流密度曲線内の面積の変化は、小さくなる傾向があり、比較実施例の酸化タングステン膜は確実性が優れていないことを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1前駆体、燃料および溶剤を含む塗料を調製し、
前記塗料を基材に塗布し、
前記基材の塗料に焼き戻しのステップを行い、前記塗料を酸化膜に転化させるステップを包括する酸化膜を製造する方法。
【請求項2】
前記第1前駆体が第1金属を含む材料であり、前記第1金属がタングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀である請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項3】
前記第1前駆体が前記第1金属の粉末、前記第1金属の硝酸塩、前記第1金属の硫酸塩、前記第1金属の酢酸塩の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項2記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項4】
前記燃料がチオウレア(Thiourea)、ウレア(Urea)、グリシン(Glycine)、クエン酸(Citric acid)の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項5】
前記溶剤が水、アルコール、過酸化水素水の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項6】
前記塗料がさらに第2前駆体を含み、前記酸化膜に混ぜ合わせる請求2または3記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項7】
前記第2前駆体が第2金属の材料であって、前記第2金属がタングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀であるが、第1金属とは異なる請求項6記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項8】
前記焼き戻しのステップが前記基材の塗料を300−550℃まで加熱する請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項9】
前記焼き戻しのステップが前記基材の塗料を350−450℃まで加熱する請求項8記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項10】
前記焼き戻しのステップが前記基材の塗料を300−550℃まで加熱し、10分−6時間温度を持続する請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項11】
前記焼き戻しのステップが前記基材の塗料を300−550℃まで加熱し、10分−1時間温度を持続する請求項10記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項12】
前記第1前駆体と前記燃料の重量比が1:0.002−22である請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項13】
前記燃料と前記溶剤の重量比が1:0.01−100である請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項14】
前記第2前駆体が第2金属の粉末、第2金属の硝酸塩、第2金属の硫酸塩、第2金属の酢酸塩の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項7記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項15】
前記第1前駆体がタングステン粉末、硝酸タングステン、硫酸タングステン、酢酸タングステンの何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項3記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項16】
前記第1前駆体がニッケル粉末、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケルの何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項3記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項1】
第1前駆体、燃料および溶剤を含む塗料を調製し、
前記塗料を基材に塗布し、
前記基材の塗料に焼き戻しのステップを行い、前記塗料を酸化膜に転化させるステップを包括する酸化膜を製造する方法。
【請求項2】
前記第1前駆体が第1金属を含む材料であり、前記第1金属がタングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀である請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項3】
前記第1前駆体が前記第1金属の粉末、前記第1金属の硝酸塩、前記第1金属の硫酸塩、前記第1金属の酢酸塩の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項2記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項4】
前記燃料がチオウレア(Thiourea)、ウレア(Urea)、グリシン(Glycine)、クエン酸(Citric acid)の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項5】
前記溶剤が水、アルコール、過酸化水素水の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項6】
前記塗料がさらに第2前駆体を含み、前記酸化膜に混ぜ合わせる請求2または3記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項7】
前記第2前駆体が第2金属の材料であって、前記第2金属がタングステン、ニッケル、チタン、亜鉛、銅或いは銀であるが、第1金属とは異なる請求項6記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項8】
前記焼き戻しのステップが前記基材の塗料を300−550℃まで加熱する請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項9】
前記焼き戻しのステップが前記基材の塗料を350−450℃まで加熱する請求項8記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項10】
前記焼き戻しのステップが前記基材の塗料を300−550℃まで加熱し、10分−6時間温度を持続する請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項11】
前記焼き戻しのステップが前記基材の塗料を300−550℃まで加熱し、10分−1時間温度を持続する請求項10記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項12】
前記第1前駆体と前記燃料の重量比が1:0.002−22である請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項13】
前記燃料と前記溶剤の重量比が1:0.01−100である請求項1記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項14】
前記第2前駆体が第2金属の粉末、第2金属の硝酸塩、第2金属の硫酸塩、第2金属の酢酸塩の何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項7記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項15】
前記第1前駆体がタングステン粉末、硝酸タングステン、硫酸タングステン、酢酸タングステンの何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項3記載の酸化膜を製造する方法。
【請求項16】
前記第1前駆体がニッケル粉末、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケルの何れかひとつ、或いはこれらの組み合わせである請求項3記載の酸化膜を製造する方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−80066(P2012−80066A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103033(P2011−103033)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(502250743)國立成功大學 (16)
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL CHENG KUNG UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.1,Ta−Hsueh Road,East District,Tainan City,Taiwan(R.O.C.)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(502250743)國立成功大學 (16)
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL CHENG KUNG UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.1,Ta−Hsueh Road,East District,Tainan City,Taiwan(R.O.C.)
【Fターム(参考)】
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