説明

酸性キノリン誘導体ならびに高血糖に関連する病状の予防および/または治療のためのその使用

本発明は、一般式(I)の化合物(式中、R1、R2、X、(II)、およびAは、請求項1に記載の通りである)に関する。こうした化合物は、高血糖に関連する病状の治療に使用することができる。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高血糖および/またはインスリン抵抗性症候群、特に非インスリン依存性糖尿病、すなわちII型糖尿病に関連する病状の治療におけるキノリン誘導体の使用に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
キヌレニンは、トリプトファン代謝の主経路である。T.W.Stoneらは、糖尿病におけるキヌレニンの可能な役割についての仮説(T.W.Stoneら、Nature Reviews、1巻、2002年8月、609〜620頁)を提示したが、糖尿病治療薬としてのキノリン誘導体の使用は示唆しなかった。
【0003】
さらに、D.Edmontらは、キノリンの2−カルボキシグアニジン誘導体の抗糖尿病効果について記載している(D.Edmontら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、10巻、16、2000年、1831〜1834頁)。しかし、カルボキシグアニジン基を含まないキノリン誘導体の抗糖尿病効果は示唆されていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、高血糖に関連する病状の予防および/または治療用の医薬品を製造するための以下の一般式(I)の誘導体、
【0005】
【化1】

【0006】
{式中、
Xは、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を表し、Xが炭素原子を表す場合、Xは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、−CN、ハロゲン、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)から選択される基で場合によっては置換されてもよく、あるいは
隣接する2個の炭素原子が、アリール核に縮合した芳香環を形成してもよく、
R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、
−水素、
−それぞれに独立に以下の基、すなわち−CN、ハロゲン、アリール、ビアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)
[式中、アリールはそれぞれ独立に、−CN、ハロゲン、アリール、アルキル、−O−アルキル、−アルキル−C(=O)O−アルキル、−アルキル−C(=O)OH、−O−アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、−NRR’、−OH、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)、−O−アリール、パーハロアルキル、−COOH、COORから選択される1個または複数の基で場合によっては置換され、
ヘテロアリールはそれぞれ独立に、ハロゲン、−COOH、COOR、およびヘテロシクロアルキルから選択される1個または複数の基で場合によっては置換され、
ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立に、1個または複数のアルキルまたは=Oで場合によっては置換される]の1個または複数で場合によっては置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、
−それぞれ独立にアルキルまたはアルコキシで場合によっては置換されたシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル、
−それぞれ独立に−CN、ハロゲン、アリール、アルキル、−O−アルキル、−アルキル−C(=O)O−アルキル、−O−アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、−NRR’、−OH、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)、−O−アリール、パーハロアルキル、−COOH、COORから選択される1個または複数の基で場合によっては置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択される基を表し、
RおよびR’は、Hおよびアルキルから選択され、
【0007】
【化2】

【0008】
は、単結合または二重結合を表す}
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0009】
好ましくは、各Xが、炭素原子を表し、好ましくは、各Xが、ハロゲン原子で場合によっては置換された炭素原子を表し、好ましくは、キノリン環の6位の炭素が、ハロゲン原子、好ましくはフッ素で置換され、
R1および/またはR2が、アルキル、アルケニル、またはアルキニルを表す場合、R1および/またはR2は、好ましくは、−CN、ハロゲン、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−COOH、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、ビアリール、またはアリール
(アリールは、−CN、ハロゲン、アリール、アルキル、−O−アルキル、−アルキル−C(=O)O−アルキル、アルキルCOOH、−O−アルキルアリール、またはヘテロシクロアルキルで場合によっては置換される)で場合によっては置換される。
【0010】
好ましくは、R1は、上記または下記で定義するように、場合によっては置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アリール、またはヘテロアリールを表す。
【0011】
好ましくは、R1は、上記または下記で定義するように、場合によっては置換されたアルキルまたはアルケニルを表す。
【0012】
好ましくは、R1はそれぞれ独立に、アルキルまたはアルケニル、好ましくは、−CN、アリール、ヘテロシクロアルキル、ビアリール、ハロゲン、−C(=O)−アリール、−O−アリール、−C(=O)−アルキル、シクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−COOH、−O−ヘテロアリール、−C(=O)NRR’、−C(=O)−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル
(アリールはそれぞれ独立に、1個または複数のハロゲン、−CN、−O−アルキルアリール、アリール、アルキル、−O−アルキル、ヘテロシクロアルキル、−アルキル−C(=O)−OH、−アルキル−C(=O)O−アルキルで場合によっては置換され、
ヘテロアリールは、ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、または−COOHで場合によっては置換され、
ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立に、=Oおよびアルキルから選択される1個または複数の基で場合によっては置換される)から選択される1個または複数の基で場合によっては置換されたアルキルを表す。
【0013】
好ましくは、R1は、酸素原子に対してα位にある炭素が、−COOH、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、または−C(=O)NRR’
(アルキルおよびアリールは、上記または下記で定義するように場合によっては置換され、RR’は、上記または下記で定義する通りである)で置換されたアルキルまたはアルケニルを表す。
【0014】
好ましくは、R1はそれぞれ、ハロゲン、−O−ヘテロアリール、または−C(=O)−アリール(アリールは、1個または複数の−O−アルキルで場合によっては置換され、ヘテロアリールは、1個または複数の−COOHまたはハロゲンで場合によっては置換される)で場合によっては置換されたアルキルまたはアルケニルを表す。
【0015】
好ましくは、R2は、水素原子またはアルキル基、好ましくはメチルを表す。
【0016】
好ましくは、RおよびR’は、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。
【0017】
好ましくは、式(I)の化合物は、次の一般式(II)、
【0018】
【化3】

【0019】
[式中、
R1およびR2は、上記で定義した通りであり、
R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、−CN、ハロゲン、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、および−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)から選択される基を表し、あるいは
R3およびR4はまた、一緒になってフェニル環に隣接する複素環を形成してもよい]
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩によって表される。
【0020】
好ましくは、R3およびR4は、H、−O−アルキル、および/またはハロゲン原子、好ましくは6位にあるハロゲンを表し、好ましくは、R3および/またはR4は、フッ素またはHを表す。
【0021】
R3およびR4が一緒になってフェニル環に隣接する複素環を形成する場合、R3およびR4は、特に環−O−(CH2n−O−(nは1〜4の整数)で表すことができる。
【0022】
XおよびR2が、上記で定義した通りであり、
R1が、酸素原子に対してα位にある炭素が、−COOH、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、または−C(=O)NRR’(アルキルおよびアリールは、上記または下記で定義するように場合によっては置換され、RR’は、上記または下記で定義する通りである)で置換されたアルキルを表す式(I)の化合物が最も重要であり、したがって本発明の一部をなす。
【0023】
式(I)の化合物は、次の一般式(III)、
【0024】
【化4】

【0025】
{式中、
X、R2、R、R’、および
【0026】
【化5】

【0027】
は、上記で定義した通りであり、
ALKは、以下の基、すなわち、−CN、ハロゲン、アリール、ビアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)の1個または複数で場合によっては置換されたアルキルまたはアルケニル基を表し、
R”は、−OH、アルキル、アリール、シクロアルキル、−O−アルキル、および−NRR’
[アルキルは、以下の基、すなわち、−CN、ハロゲン、アリール、ビアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、 −O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)の1個または複数で場合によっては置換され、
アリールは、−CN、ハロゲン、アリール、アルキル、−O−アルキル、−アルキル−C(=O)O−アルキル、−アルキル−C(=O)OH、−O−アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、−NRR’、−OH、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)、−O−アリール、パーハロアルキル、−COOH、COORから選択される1個または複数の基で場合によっては置換され、
ヘテロアリールはそれぞれ独立に、ハロゲン、−COOH、およびヘテロシクロアルキルから選択される1個または複数の基で場合によっては置換され、
ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立に、1個または複数のアルキルまたは=Oで場合によっては置換される]から選択され、
R’’’は、H、以下の基、すなわち、−CN、ハロゲン、アリール、ビアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)の1個または複数で場合によっては置換されたアルキルまたはアルケニルである}
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩で表される。
【0028】
一般式(III)では、好ましくは、XおよびR2は、上記で定義した通りであり、
R”は、−OH、アルキル、アリール、シクロアルキル、−O−アルキル、または−NRR’
(アリールは、−O−アルキルアリール、−O−アルキル、アルキル、アリール、またはハロゲンで場合によっては置換される)を表し、
ALKは、アリールで場合によっては置換されたアルキルを表し、
R’’’は、Hを表し、
Xはそれぞれ、ハロゲン原子、好ましくはフッ素で、さらに好ましくはキノリン環系の6位が場合によっては置換された炭素原子を表し、
R2は、Hまたはアルキル基、好ましくはメチルを表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
式(I)の化合物は、特に、
メチル4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)オキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)オキシ]−6−メトキシキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(シアノメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(2−クロロエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(アリルオキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(4−クロロフェニル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(2−フェニルエトキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(2−フェノキシエトキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(3−フェニルプロポキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(2−ビフェニル−4−イル−2−オキソエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(4−メチルフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(4−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(1−アダマンチル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[4−(4−クロロフェノキシ)ブトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(3−フルオロフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(4−ブロモフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−{[5−(4−フルオロフェノキシ)ペンチル]オキシ}キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(4−シアノフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−{2−[(4−モルホリン−4−イル−1,2,5−チアジアゾール−3−イル)オキシ]エトキシ}キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−{2−[4−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)フェノキシ]エトキシ}キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(1−ナフチルオキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(2−メトキシフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−{2−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−2−オキソエトキシ}−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(2−ナフチルオキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[1−(エトキシカルボニル)−3−フェニルプロポキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(2,3−ジメチルフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−{2−[4−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)フェニル]エトキシ}キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−{2−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−2−オキソエトキシ}−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]−6フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(3−クロロプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(1−エチルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[(1−メチルヘキシル)オキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(2,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(3,3−ジメチル−2−オキソブトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(3−フェノキシプロポキシ)キノリン−2−カルボキシレート
4−[(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)オキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4,4’−[(2E)−ブタ−2−エン−1,4−ジイルビス(オキシ)]ビス(6−フルオロキノリン−2−カルボン酸)
6−フルオロ−4−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]キノリン−2−カルボン酸
4−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
ナトリウム4−[(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)オキシ]−6−メトキシキノリン−2−カルボキシレート
4−(シアノメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(2−クロロエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(アリルオキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(3−クロロプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)キノリン−2−カルボン酸
4−(シクロヘキシルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−(2−フェニルエトキシ)キノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−(3−フェニルプロポキシ)キノリン−2−カルボン酸
4−[2−(1−アダマンチル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボン酸
4−[4−(4−クロロフェノキシ)ブトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(3−フルオロフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボン酸
4−[2−(4−ブロモフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−{[5−(4−フルオロフェノキシ)ペンチル]オキシ}キノリン−2−カルボン酸
4−[2−(4−シアノフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−{2−[(4−モルホリン−4−イル−1,2,5−チアジアゾール−3−イル)オキシ]エトキシ}キノリン−2−カルボン酸
4−{2−[4−(2−カルボキシエチル)フェノキシ]エトキシ}−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(2−メトキシフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボン酸
4−(1−カルボキシ−3−フェニルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−[2−(2,3−ジメチルフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロまたその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩から選択することができる。
【0030】
より好ましくは、式(I)の化合物は、
4−(4−ブロモ−2−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(ベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(4−ブロモ−2−フルオロベンジルオキシ)−6−メトキシキノリン−2−カルボン酸(ナトリウム塩)
4−({(E)−4−[(2−カルボキシ−6−フルオロ−4−キノリニル)オキシ]−2−ブテニル}オキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−(3−メチルブタ−2−エニルオキシ)キノリン−2−カルボン酸
4−(2’−シアノビフェニル−4−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
メチル4−(3−クロロ−プロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩から選択することができる。
【0031】
本発明によれば、アルキル基は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜5個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素系基を表す。
【0032】
これらの飽和炭化水素系基が直鎖である場合、特に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、およびオクタデシル基を挙げることができる。
【0033】
これらの飽和炭化水素系基が分枝鎖であり、または1個または複数のアルキル基で置換されている場合、特に、イソプロピル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、および3−メチルヘプチル基を挙げることができる。
【0034】
本発明によるアルコキシ基は、式−O−アルキルの基であり、このアルキルは、上記で定義した通りである。
【0035】
ハロゲン原子としては、より具体的には、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素原子、好ましくはフッ素を挙げることができる。
【0036】
アルケニル基は、直鎖または直線状鎖の炭化水素系基を表し、1個または複数のエチレン性不飽和結合を含む。特に名前を挙げることができるアルケニル基には、アリルまたはビニール基がある。
【0037】
アルキニル基は、直鎖または直線状鎖の炭化水素系基を表し、1個または複数のアセチレン性不飽和結合を含む。アルキニル基としては、特にアセチレンを挙げることができる。
【0038】
シクロアルキル基は、特にシクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、アダマンチル、また1個または複数の不飽和結合を含む対応する環など、3〜10個の炭素原子からなる単環、二環、または三環系の飽和または部分的に不飽和の非芳香族炭化水素系基である。
【0039】
アリールは、6〜10個の炭素原子からなる単環または二環の炭化水素系の芳香族系を表す。
【0040】
特に名前を挙げることができるアルキル基には、フェニルまたはナフチル基、より具体的には少なくとも1個のハロゲン原子で置換されたものがある。
【0041】
特に名前を挙げることができるアルキルアリール基には、ベンジルまたはフェネチル基がある。
【0042】
ヘテロアリール基は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個または複数のヘテロ原子を含む、5〜10個の炭素原子からなる単環または二環の芳香族系を表す。
【0043】
名前を挙げることができるヘテロアリール基には、ピラジニル、チエニル、オキサゾリル、フラザニル、ピロリル、1,2,4−チアジアゾリル、ナフチリジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミドアゾ[1,2−a]ピリジル、イミドアゾ[2,1−b]チアゾリル、シンノリニル、トリアジニル、ベンゾフラザニル、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、チエノピリジル、チエノピリミジニル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、ベンザザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリル、フラニル、イミダゾリル、インドリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、イソキノリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、プリニル、キナゾリニル、キノリル、イソキノリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、イソチアゾリルおよびカルバゾリル、またこれらの縮合またはフェニル核との縮合から誘導される対応する基がある。
【0044】
好ましいヘテロアリール基は、チエニル、ピロリル、キノキサリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、キナゾリニル、キノリル、チアゾリル、カルバゾリル、およびチアジアゾリル、またフェニル核との縮合から誘導される基、より詳細には、キノリル、カルバゾリル、およびチアジアゾリルを含む。
【0045】
ヘテロシクロアルキル基は、N、O、およびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含む、5〜10個の炭素原子からなる単環または二環の飽和または部分的に不飽和の非芳香族系を表す。
【0046】
特に名前を挙げることができるヘテロシクロアルキルには、エポキシエチル、オキシラニル、アジリジニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、ジチオラニル、チアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、モルホリニル、ピペリジル、ピベラジニル、テトラヒドロチオピラニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ジヒドロフラニル、2−イミダゾリニル、2,3−ピロリニル、ピラゾリニル、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピラニル、ピラニル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリミジニル、およびジヒドロチオピラニル、またフェニル核との縮合から誘導される対応する基、より具体的には、モルホリニル、ジオキソラニル、ベンゾチアゾリジニル、ピロリジニル、およびベンゾピロリジニル環がある。
【0047】
「薬剤として許容される塩」という表現は、本発明の化合物の比較的無毒な鉱酸塩、有機酸付加塩、および塩基付加塩を示す。これらの塩は、化合物を最終的に単離し精製する間、その場で調製することができる。具体的には、酸付加塩は、精製された形の精製済み化合物を有機酸または鉱酸と別々に反応させ、こうして形成された塩を単離して調製することができる。
【0048】
酸付加塩の例には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシレート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシレート、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、スルファミン酸塩、マロン酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、メチレンビス−b−ヒドロキシナフトエ酸塩、ゲンチシン酸、イセチオン酸塩、ジ−p−トルオイル酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シクロへキシルスルファミン酸塩、およびキナ塩酸−ラウリルスルホン酸塩、ならびに類似物がある(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci、66、1〜19頁(1977年)を参照されたい)。
【0049】
酸付加塩はまた、酸の形の精製化合物を有機塩基または無機塩基と別々に反応させ、こうして形成された塩を単離して調製することもできる。酸付加塩には、アミン塩および金属塩が含まれる。
【0050】
適切な金属塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム、およびアルミニウムの塩類が挙げられる。ナトリウム塩およびカリウム塩が、好ましい。適切な無機塩基付加塩は、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、および水酸化亜鉛を含めた金属塩基から調製される。
【0051】
適切なアミン塩基付加塩は、安定した塩を形成するのに適した塩基性度を有するアミンから調製され、好ましくは、低毒性および医学用における許容性により医薬品化学でしばしば使用されるアミン、すなわち、アンモニア、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジル−フェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、エフェナミン、デヒドロアビエチルアミン、N−エチルピペリジン、ベンジルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、塩基性アミノ酸、例えば、リジン、アルギニン、ジシクロヘキシルアミン、および類似物を含む。
【0052】
本発明はまた、一般式(I)の化合物の互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、エピマー、および有機塩または無機塩に関する。
【0053】
十分に酸性の官能基もしくは十分に塩基性の官能基またはその両方を有する上記で定義した式(I)の本発明の化合物には、有機酸もしくは鉱酸、または有機塩基もしくは無機塩基の対応する薬剤として許容される塩が含まれ得る。
【0054】
一般式(I)の化合物は、それ自体が周知でかつ/または当業者の能力内にある任意の方法、特に、Larock著のComprehensive Organic Transformations、VCH Pub.、1989年に記載の方法の応用または手直しによって、あるいは以下の実施例に記載のプロセス、あるいはより詳細には、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、10(16)、2000年、1831〜34頁に記載の以下のプロセスによる応用または手直しによって調製することができる。
【0055】
【化6】

【0056】
化合物(1)を、アルコール媒体、好ましくはメタノール中で加熱することによってアセチレンジカルボキシラートと縮合させる。得られた化合物(2)を、ジフェニルエーテルやダウサムAなどの溶媒中還流下で環化させる。得られた化合物(3)を、アルカリ性の媒体、好ましくはDMF中、炭酸カリウムの存在下50℃でO−アルキル化し、次いで、得られたエステル(4)を、好ましくはアルコール媒体中苛性ソーダで鹸化する。
【0057】
次いで、(4)を対応するアルコールR2−OHでエステル化することによって、R2がH以外の式(I)の化合物を得る。
【0058】
したがって、別の主題によれば、本発明はまた、式(3)の化合物
【0059】
【化7】

【0060】
(式中、Xおよび
【0061】
【化8】

【0062】
は、上記で定義した通りである)を式R1−Hal(式中、Halはハロゲン原子を表し、R1は上記で定義した通りである)の化合物と、適切な有機溶媒中、アルカリ性媒体中で、室温から溶媒の沸点までの温度で反応させることにあるステップと、場合によっては、R2がメチル以外である場合、塩基の存在下アルコール溶媒中で得られた生成物を鹸化することにあるステップと、場合によってはそれに続いて、R2がH以外である場合、得られた生成物を、アルコール溶媒中、酸性媒体中で、式R2−OH(R2は上記で定義した通り)の対応するアルコールでエステル化することにあるステップとを含む、上記の式(III)の化合物を調製するプロセスに関する。
【0063】
場合によっては、前記プロセスはまた、得られた生成物を単離することにあるステップも含む。
【0064】
以下に記載の反応では、反応性官能基、例えば、ヒドロキシル、アミノ、イミノ、チオ、またはカルボキシル基が、最終生成物中で所望される場合、こうした反応性官能基の反応への望ましくない関与を回避するために、反応性官能基を保護する必要があるかもしれない。
【0065】
通常の保護基を、標準的な技法に従って使用することができる。例えば、T.W.GreenおよびP.G.M.Wuts著のProtective Groups in Organic Chemistry、John Wiley and Sons、1991年;J.F.W.McOmie著のProtective Groups in Organic Chemistry、Plenum Press、1973年を参照されたい。
【0066】
こうして調製された化合物は、従来の手段によって反応混合物から回収することができる。例えば、反応混合物から溶媒を留去し、または必要に応じて、溶液の混合物から溶媒を留去した後、残りを水に注ぎ、続いて水と混和しない有機溶媒で抽出し、抽出物から溶媒を蒸留することによってこれらの化合物を回収することができる。
【0067】
さらに、所望により、この生成物は、再結晶、再沈、種々のクロマトグラフィー技術、特に、カラムクロマトグラフィーや分離薄層クロマトグラフィーなど様々な技術によって精製することができる。
【0068】
本発明による有用な化合物は、不斉中心を含んでいてもよいことが理解されよう。こうした不斉中心はそれぞれ独立に、R配置にもあるいはS配置にもなり得る。本発明による有用なある種の化合物はまた、幾何異性を示してもよいことは当業者には明らかである。
【0069】
本発明は、ラセミ混合物を含めた、上記の式(I)の化合物の個々の幾何異性体および立体異性体、ならびにその混合物を含むことを理解されたい。この種の異性体は、周知のプロセス、例えば、クロマトグラフィー技術または再結晶技術の応用または手直しによってその混合物から分離することができ、あるいは、その中間体の適切な異性体から別々に調製される。
【0070】
このテキストにおいては、、所与の基、例えばチオ/メルカプトまたはオキソ/ヒドロキシルの引用に互変異性体が含まれることを理解されたい。
【0071】
酸付加塩は、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ基などの塩基性官能基を有する本発明による有用な化合物との間で形成される。薬剤として許容される、すなわち無毒な酸付加塩が好ましい。選択される塩は、通常の製剤用ビヒクルに適合し、経口または非経口投与に適するように最適に選択される。
【0072】
本発明による有用な化合物の酸付加塩は、周知のプロセスの応用または手直しにより、遊離塩基を適切な酸と反応させて調製することができる。例えば、本発明による有用な化合物の酸付加塩は、遊離塩基を水、または塩基性にした水溶液、または適切な酸を含む適切な溶媒に溶解し、この溶液を蒸発させて溶媒を単離することにより、あるいは有機溶媒中で遊離塩基を酸と反応させることによって調製することができる。後者の場合、塩が直接分離し、あるいは溶液を濃縮することによって塩を得ることができる。
【0073】
こうした塩の調製に使用するのに適した酸には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸や、様々な有機カルボン酸およびスルホン酸、例えば、酢酸、クエン酸、プロピオン酸、コハク酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、脂肪酸、アジパート、アルギナート、アスコルバート、アスパルタート、ベンゼンスルホナート、ベンゾアート、シクロペンタンプロピオナート、ジグルコナート、ドデシルスルファート、ビスルファート、ブチラート、ラクタート、ラウラート、ラウリルスルファート、マラート、ヒドロヨーディド、2−ヒドロキシエタンスルホナート、グリセロホスファート、ピクラート、ピバラート、パモアート、ペクチナート、ペルスルファート、3−フェニルプロピオナート、チオシアナート、2−ナフタレンスルホナート、ウンデカノアート、ニコチナート、ヘミスルファート、ヘプトナート、ヘキサノアート、カンホラート、カンファースルホナートなどがある。
【0074】
本発明による有用な化合物の酸付加塩は、周知のプロセスの応用または手直しによって塩から再生することができる。例えば、本発明による有用な親化合物は、アルカリ、例えば、炭酸水素ナトリウム水溶液またはアンモニア水溶液で処理することによって酸付加塩から再生することができる。
【0075】
本発明による有用な化合物は、周知のプロセスの応用または手直しによってその塩基付加塩から再生することができる。例えば、本発明による有用な親化合物は、酸、例えば塩酸で処理することによってその塩基付加塩から再生することができる。
【0076】
本発明による有用な化合物が、カルボキシル基、または十分に酸性な生物学的等価体を含む場合、塩基付加塩を形成することができる。塩基付加塩を調製するのに使用できる塩基には、好ましくは、薬剤として許容される塩、すなわち、遊離酸と一緒にした場合に、遊離塩基に固有の有益な阻害効果が陽イオンに起因する副作用によって打ち消されないように、その陽イオンが患者に対して塩の薬剤用量で無毒である塩を生成する塩基が含まれる。
【0077】
アルカリ土類金属塩から誘導される塩を含めた、本発明の範囲に含まれる薬剤として許容される塩としては、以下の塩基、すなわち水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、アンモニア、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウムなどから誘導される塩が挙げられる。
【0078】
本発明による有用な化合物は、本発明のプロセス中、溶媒和物(例えば水和物)の形で容易に調製または形成することができる。発明による有用な化合物の水和物は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールなどの有機溶媒を使用して、水/有機溶媒混合物から再結晶することによって容易に調製できる。
【0079】
塩基性の生成物または中間体は、周知のプロセス、例えば、参照例に記載のプロセスまたはその自明な化学的に等価な方法の応用または手直しによって調製することができる。
【0080】
本発明によれば、式(I)の化合物は、血糖降下活性を有する。それらは、高血糖症、特に非インスリン依存性糖尿病の高血糖症を軽減させることができる。
【0081】
インスリン抵抗性は、インスリン作用の低減によって特徴づけられ(Presse Medicale、1997年、26(14号)、671〜677頁を参照)、糖尿病、特に非インスリン依存性糖尿病(II型糖尿病、すなわちNIDDM)、異脂肪血症、肥満、ある種の微小血管および大血管の合併症、例えばアテローム性動脈硬化症、動脈高血圧症、炎症プロセス、大血管障害、微小血管障害、網膜症、ニューロパシーなど多くの病態に関係している。
【0082】
この点に関連して、例えば、Diabetes、37巻、1988年、1595〜1607頁;Journal of Diabetes and Its Complications、1998年、12、110〜119頁、またはHorm.Res.、1992年、38、28〜32頁が参照される。
【0083】
特に、本発明の化合物は、強い高血糖治療活性を示す。
【0084】
したがって、式(I)の化合物は、高血糖に関連する病状の治療に役立つ。
【0085】
本発明はまた、高血糖に関連する病状、特に糖尿病の予防および/または治療用の薬剤組成物を調製するための一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0086】
本発明による薬剤組成物は、非経口、経口、直腸、粘膜(permucous)、または経皮投与のための剤形で提供することができる。
【0087】
したがって、本発明による薬剤組成物は、注射液もしくは懸濁液または複数回投与用ボトルの形で、コーティングしていないもしくはコーティングしてある錠剤、糖衣錠、ウェーハカプセル、ゲルカプセル、ピル、カシェ剤、散剤、坐薬、または直腸カプセル、極性溶媒中での経皮的使用もしくは経粘膜使用のための溶液もしくは懸濁液の形で提供される。
【0088】
こうした投与に適している賦形剤は、固形剤形用では、セルロースもしくは微結晶性セルロースの誘導体、アルカリ土類金属炭酸塩、リン酸マグネシウム、澱粉、変性澱粉、およびラクトースである。
【0089】
直腸用では、好ましい賦形剤は、カカオバターまたはステアリン酸ポリエチレングリコールである。
【0090】
腸管外使用の場合は、水、水溶液、生理食塩水、および等張液が、最も適切に使用されるビヒクルである。
【0091】
用量は、治療上の適用および投与経路、また患者の年齢および体重によって幅広い範囲内(0.5mg〜1000mg)で変わり得る。
【0092】
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、それを限定するものではない。使用される出発原料は、周知の生成物であり、あるいは周知の手順によって調製される。
【0093】
別段の指示がない限り、百分比は、重量ベースで表される。
【実施例1】
【0094】
[4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸]
2−(4−フルオロフェニルアミノ)ブタ−2−エン二酸ジメチルエステル
4−フルオロアニリン(98%)50ml(0.51M)を無水メタノール500mlに導入し、続いてアセチレンジカルボン酸メチル(98%)70.5ml(0.56M)を滴下する。反応混合物を撹拌しながら55℃で3時間加熱し、次いで減圧下で蒸発させる。残渣をシリカによって展開して精製する。
【0095】
黄色オイル113.2gを得る。
収率:87%
1H NMR(CDCl3):
9.74(1H,s);7.06(4H,m);5.55(1H,s);3.88(3H,s);3.84(3H,s);
6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチル
ダウサムA250mlを窒素雰囲気中で還流(約235℃)する。次いで、2−(4−フルオロフェニルアミノ)ブタ−2−エン二酸ジメチルエステル41g(0.16M)を滴下で導入する。生成したメタノールを分離する。導入終了後、10分間還流を続ける。次いで、反応混合物を約50℃に冷却し、続いて石油エーテル250mlを加える。固体が沈殿する。この固体を吸引ろ過し、石油エーテルで3回洗浄し、次いで減圧下で乾燥させる。
【0096】
ベージュ色の固体27.4gを得る。減圧下で反応媒体から石油エーテルおよび残留メタノールを留去して第2の回収分(crop)を得、これを再び30分間240℃に加熱する。冷却し、石油エーテル(2容積)で希釈した後、得られた沈殿を以前と同様に処理して固体2.6gを得る。2つの回収分を合わせ、熱ブタノール400mlで洗浄する。減圧下での吸引ろ過および乾燥後、固体26.3gを得る。
収率:73%
融点:>250℃
1H NMR(DMSO−d6):
12.2(1H,s);7.9(1H,m);7.7(1H,m);7.5(1H,m);3.85(3H,s)
メチル4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸メチル
メチル6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチル8.0g(0.036M)および炭酸カリウム15.0g(0.108M)をDMF80mlに導入する。反応混合物を50℃で1時間撹拌する。ヨードエタン3.0ml(0.037M)を加え50℃で12時間加熱した後、反応媒体を脱塩水400ml中に注ぐ。褐色の固体が沈殿する。この固体をろ過し、水、次いでジイソプロピルエーテルで十分に洗浄し、最後に減圧下40℃で乾燥させる。
【0097】
褐色の固体5.54gを得る。
収率:61%
融点:=149℃
1H NMR(DMSO−d6):
8.35(1H,m);7.9(2H,m);7.7(1H,m);4.6(2H,q);4.2(3H,s);1.75(3H,t)。
【0098】
4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸(1)
メタノール100mlおよび脱塩水100ml中に水酸化ナトリウム(97%)2.32g(0.056M)を含む溶液100ml中に、4−エトキシ−6−フルオロ−2−キノリンカルボン酸メチル14.0g(0.056M)を含む懸濁液を5時間還流する。透明になった溶液を冷却し、次いで6N塩酸溶液によってpH=1に酸性化する。
【0099】
次いで、この反応媒体を氷水混合物700mlに注ぐ。形成された沈殿物をさらに1時間撹拌し、ろ過し、ろ液が中性になるまで脱塩水、次いでジイソプロピルエーテルで洗浄し、最後に減圧下で乾燥させる。
【0100】
白色固体11.66gを得る。
収率:88%
融点:=207℃
1H NMR(DMSO−d6):
8(1H,m);7.65(2H,m);7.42(1H,s);4.27(2H,q);1.39(3H,t)。
【0101】
例として、以下の化合物を実施例1の手順に従って調製する。
【0102】
(2):4−(4−ブロモ−2−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
融点:≧250℃
1H NMR(DMSO−d6):
8.5〜7.7(7H,m);5.75(2H,s);
(3):4−(ベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
融点:>250℃
1H NMR(DMSO−d6):
8.15〜7.3(8H,m);5.85(2H,s);
(4):4−(4−ブロモ−2−フルオロベンジルオキシ)−6−メトキシキノリン−2−カルボン酸ナトリウム塩
融点:≧250℃
1H NMR(DMSO−d6):
28.3(1H,m);7.85〜7.45(6H,m);5.55(2H,s);4(3H,s)。
【0103】
(5):4−({(E)−4−[(2−カルボキシ−6−フルオロ−4−キノリニル)オキシ]−2−ブテニル}オキシ)−6−フルオロ−2−キノリンカルボン酸
融点:≧250℃
1H NMR(TFA):
9.07〜8.57(8H,m)、7.06(2H,s);6.11(4H,s);
(6):6−フルオロ−4−(3−メチルブタ−2−エニルオキシ)キノリン−2−カルボン酸
融点:≧250℃
1H NMR(DMSO−d6):
8.5(1H,m)7.86(3H,m);5.8(1H,m);5.08(1H,s);5.05(1H,s);2.02(6H,s)。
【0104】
(7):4−(2’−シアノビフェニル−4−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
融点:≧250℃
1H NMR(DMSO−d6):
8.35(1H,m);7.99〜7.34(12H,m);5.57(2H,s)
4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
融点:=205℃
1H NMR(DMSO−d6):
8.01(1H,m);7.69〜7.42(3H,m);4.27(2H,q);1.40(3H,t)。
【実施例2】
【0105】
[4−アリルオキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸]
4−アリルオキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル:
炭酸カリウム374mg(2.7mM)、次いで熱ジメチルホルムアミド4mlに溶解させた6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチル199.95mg(0.904mM)をそれぞれ容器に添加する。撹拌しながら50℃で1時間加熱した後、臭化アリル109.36(0.904mM)を反応媒体に添加する。50℃で4時間、次いで室温で8時間撹拌し続ける。この媒体を脱塩水20mlで希釈する。撹拌しながら固体を沈殿させる。この固体をろ過し、脱塩水で洗浄し、次いで乾燥させる。
【0106】
4−アリルオキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
上記のエステルを、等体積のメタノールを含む1規定苛性ソーダ1当量で60℃で1時間加水分解する。次いで、反応媒体を脱塩水15mlに取り、酢酸エチルで2回洗浄し、1規定の塩酸溶液で酸性化し、次いで酢酸エチルで2回抽出する。有機層を一緒にし、次いで減圧下で濃縮する。
【0107】
得られた固体を分析する。
【0108】
例として、以下の化合物を実施例2の手順に従って調製する。
【0109】
【表1−01】

【0110】
【表1−02】

【0111】
【表1−03】

【0112】
【表1−04】

【0113】
【表1−05】

【0114】
【表1−06】

【0115】
【表1−07】

【0116】
【表1−08】

【0117】
【表1−09】

【0118】
【表1−10】

【0119】
【表1−11】

【0120】
【表1−12】

【0121】
【表1−13】

【0122】
【表1−14】

【0123】
【表1−15】

【0124】
インスリン分泌試験
Endocrinology、1992年、130巻(1)、167〜178頁に記載の方法による
【0125】
【表2−1】

【0126】
【表2−2】

【0127】
Cは、本発明による試験化合物の濃度に相当する。
【0128】
INS.SEC.は、インスリン分泌のパーセンテージに相当する。
【0129】
[NOSTZラットにおける抗糖尿病活性に関する研究]
ステプトゾトシン(steptozotocin)によってラットに誘発させた非インスリン依存性糖尿病の実験モデルに対する経口経路による式(I)の化合物の抗糖尿病活性は、以下のようにして求めた。
【0130】
非インスリン依存性糖尿病のモデルは、ラットにおいてステプトゾトシンの新生児期注入(neonatal injection)(出生日)によって得られる。
【0131】
使用される糖尿病ラットは、8週齢である。この動物を、出生日から実験日まで21〜22℃に温度調節された動物飼育室に収容し、固定した周期で光(午前7時〜午後7時)および暗(午後7時〜午前7時)にさらす。その食餌は維持食からなり、水および食餌は、自由に摂餌させた。ただし、試験2時間前は絶食させ、その期間食餌は与えない(吸収後の状態)。
【0132】
1日(D1)または4日間(D4)、ラットを試験生成物で経口的に処置する。生成物を最後に投与してから2時間後で、ペントバルビタールナトリウム(ネンブタール(登録商標))で動物を麻酔してから30分後に、血液サンプル300μlを尾の端から採取する。
【0133】
例として、得られた結果を以下の表に整理する。
【0134】
これらの結果は、糖尿病の動物の場合で血糖症の軽減における表に挙げた化合物の効果を示す。これらの結果は、D0(治療前)に対するD4(治療の日数)の血糖症の変化のパーセンテージとして表してある。
【0135】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高血糖に関連する病状の予防および/または治療用の医薬品を調製するための一般式(I)の誘導体、
【化1】

{式中、
Xはそれぞれ独立に、
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、−CN、ハロゲン、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)から選択される基で場合によっては置換された炭素原子を表し、あるいは隣接する2個の炭素原子がアリール核に縮合した芳香環を形成してもよく、あるいは
窒素、酸素、または硫黄原子を表し、
R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、
水素、
それぞれに独立に以下の基、すなわち−CN、ハロゲン、アリール、ビアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)
[アリールはそれぞれ独立に、−CN、ハロゲン、アリール、アルキル、−O−アルキル、−アルキル−C(=O)O−アルキル、−アルキル−C(=O)OH、−O−アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、−NRR’、−OH、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)、−O−アリール、パーハロアルキル、−COOH、COORから選択される1個または複数の基で場合によっては置換され、
ヘテロアリールはそれぞれ独立に、ハロゲン、−COOH、−COOR、およびヘテロシクロアルキルから選択される1個または複数の基で場合によっては置換され、
ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立に、1個または複数のアルキルまたは=Oで場合によっては置換される]の1個または複数で場合によっては置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、
それぞれ独立にアルキルまたはアルコキシで場合によっては置換されたシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル、
それぞれ独立に−CN、ハロゲン、アリール、アルキル、−O−アルキル、−アルキル−C(=O)O−アルキル、−O−アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、−NRR’、−OH、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)、−O−アリール、パーハロアルキル、−COOH、COORから選択される1個または複数の基で場合によっては置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択される基を表し、
RおよびR’は、Hおよびアルキルから選択され、
【化2】

は、単結合または二重結合を表す}
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、並びに薬剤として許容される塩の使用。
【請求項2】
式(I)において、各Xが、ハロゲン原子で場合によっては置換された炭素原子を表す、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
キノリン環の6位の炭素が、ハロゲン原子で置換される、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
Xのハロゲン置換基が、フッ素原子である、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
R1および/またはR2がそれぞれ独立に、水素原子;−CN、ハロゲン、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−COOH、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、ビアリール、またはアリール、
(アリールは、−CN、ハロゲン、アリール、アルキル、−O−アルキル、−アルキル−C(=O)O−アルキル、−アルキルCOOH、−O−アルキルアリール、またはヘテロシクロアルキルで場合によっては置換される)で場合によっては置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルを表す、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
R1が、前記請求項のいずれか一項に記載するように場合によっては置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アリール、またはヘテロアリールを表す、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
R1が、前記請求項のいずれか一項に記載するように場合によっては置換されたアルキルまたはアルケニルを表す、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
R1がそれぞれ独立に、−CN、アリール、ヘテロシクロアルキル、ビアリール、ハロゲン、−C(=O)−アリール、−O−アリール、−C(=O)−アルキル、シクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−COOH、−O−ヘテロアリール、−C(=O)NRR’、−C(=O)−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル
(アリールはそれぞれ独立に、1個または複数のハロゲン、−CN、−O−アルキルアリール、アリール、アルキル、−O−アルキル、ヘテロシクロアルキル、−アルキル−C(=O)−OH、または−アルキル−C(=O)O−アルキルで場合によっては置換され、
ヘテロアリールは、ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、または−COOHで場合によっては置換され、
ヘテロシクロアルキルは、=Oおよびアルキルから選択される1個または複数の基で場合によっては置換される)から選択される1個または複数の基で場合によっては置換されたアルキルを表す、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
R1が、酸素原子に対してα位にある炭素が、−COOH、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、または−C(=O)NRR’
(アルキルおよびアリールは、前記請求項のいずれか一項に記載のように場合によっては置換され、RR’は、前記請求項のいずれか一項に記載の通りである)で置換された、アルキルまたはアルケニルを表す、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
R1がそれぞれ、ハロゲン、−O−ヘテロアリール、または−C(=O)−アリール(アリールは、1個または複数の−O−アルキルで場合によっては置換され、ヘテロアリールは、1個または複数の−COOHまたはハロゲンで場合によっては置換される)から選択される1個または複数の置換基で場合によっては置換されたアルキルまたはアルケニルを表す、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
R2が、水素原子またはアルキル基を表す、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
R2が、メチル基を表す、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
RおよびR’が、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
式(I)の化合物が、以下の一般式(II)、
【化3】

[式中、R1およびR2は、前記請求項のいずれか一項に記載の通りであり、
R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、−CN、ハロゲン、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、および−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)から選択される基を表し、あるいは
R3およびR4はまた、一緒になってフェニル環に隣接する複素環を形成してもよい]
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩で表される、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
R3およびR4が、H、−O−アルキル、および/またはハロゲン原子を表し、あるいはR3およびR4が一緒になってフェニル環に隣接する複素環を形成する、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
R3およびR4が、環−O−(CH2n−O−(nは1〜4の整数)を表す、請求項14または15に記載の使用。
【請求項17】
R3およびR4が、それぞれ6位のフッ素原子および水素原子を表す、請求項15から17のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
一般式(I)の化合物が、
メチル4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)オキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)オキシ]−6−メトキシキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(シアノメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(2−クロロエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(アリルオキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(4−クロロフェニル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(2−フェニルエトキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(2−フェノキシエトキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(3−フェニルプロポキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(2−ビフェニル−4−イル−2−オキソエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(4−メチルフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(4−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(1−アダマンチル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[4−(4−クロロフェノキシ)ブトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(3−フルオロフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(4−ブロモフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−{[5−(4−フルオロフェノキシ)ペンチル]オキシ}キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(4−シアノフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−{2−[(4−モルホリン−4−イル−1,2,5−チアジアゾール−3−イル)オキシ]エトキシ}キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−{2−[4−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)フェノキシ]エトキシ}キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(1−ナフチルオキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(2−メトキシフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−{2−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−2−オキソエトキシ}−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[2−(2−ナフチルオキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[1−(エトキシカルボニル)−3−フェニルプロポキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(2,3−ジメチルフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−{2−[4−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)フェニル]エトキシ}キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−{2−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−2−オキソエトキシ}−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]−6フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(3−クロロプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(1−エチルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−[(1−メチルヘキシル)オキシ]キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[2−(2,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(3,3−ジメチル−2−オキソブトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル6−フルオロ−4−(3−フェノキシプロポキシ)キノリン−2−カルボキシレート
メチル4−[(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)オキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
メチル4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4,4’−[(2E)−ブタ−2−エン−1,4−ジイルビス(オキシ)]ビス(6−フルオロキノリン−2−カルボン酸)
6−フルオロ−4−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]キノリン−2−カルボン酸
4−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
ナトリウム4−[(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)オキシ]−6−メトキシキノリン−2−カルボキシレート
4−(シアノメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(2−クロロエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(アリルオキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(3−クロロプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)キノリン−2−カルボン酸
4−(シクロヘキシルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−(2−フェニルエトキシ)キノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−(3−フェニルプロポキシ)キノリン−2−カルボン酸
4−[2−(1−アダマンチル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]キノリン−2−カルボン酸
4−[4−(4−クロロフェノキシ)ブトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(3−フルオロフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボン酸
4−[2−(4−ブロモフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−{[5−(4−フルオロフェノキシ)ペンチル]オキシ}キノリン−2−カルボン酸
4−[2−(4−シアノフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−{2−[(4−モルホリン−4−イル−1,2,5−チアジアゾール−3−イル)オキシ]エトキシ}キノリン−2−カルボン酸
4−{2−[4−(2−カルボキシエチル)フェノキシ]エトキシ}−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−[2−(2−メトキシフェノキシ)エトキシ]キノリン−2−カルボン酸
4−(1−カルボキシ−3−フェニルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−[2−(2,3−ジメチルフェノキシ)エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩から選択される、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項19】
一般式(I)の化合物が、
4−(4−ブロモ−2−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(ベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−エトキシ−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−(4−ブロモ−2−フルオロベンジルオキシ)−6−メトキシキノリン−2−カルボン酸(ナトリウム塩)
4−({(E)−4−[(2−カルボキシ−6−フルオロ−4−キノリニル)オキシ]−2−ブテニル}オキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
6−フルオロ−4−(3−メチルブタ−2−エニルオキシ)キノリン−2−カルボン酸
4−(2’−シアノビフェニル−4−イルメトキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
4−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−エトキシ]−6−フルオロキノリン−2−カルボン酸
メチル4−(3−クロロ−プロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
メチル4−(3−クロロ−2−メチルプロポキシ)−6−フルオロキノリン−2−カルボキシレート
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩から選択される、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
前記薬剤組成物が、糖尿病の治療に適する、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項21】
前記薬剤組成物が、II型糖尿病の治療に適する、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項22】
前記薬剤組成物が、異脂肪血症および肥満症から選択される疾患の治療に適する、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項23】
前記薬剤組成物が、糖尿病に関連する微小血管および大血管の合併症から選択される疾患の治療に適する、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
前記合併症に、動脈高血圧、アテローム性動脈硬化症、炎症プロセス、微小血管障害、大血管障害、網膜症、およびニューロパシーが含まれる、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
前記薬剤組成物が、高血糖症を軽減するのに適する、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項26】
R1が、酸素原子に対してα位にある炭素は、−COOH、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、または−C(=O)NRR’(アルキルおよび/またはアリールは、前記請求項のいずれか一項に記載のように場合によっては置換される)で置換されたアルキルを表す前記請求項のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩。
【請求項27】
一般式(III)で表される、請求項26に記載の化合物、
【化4】

{式中、
X、R2、R、R’、および
【化5】

は、前記請求項のいずれか一項に記載の通りであり、
ALKは、以下の基、すなわち−CN、ハロゲン、アリール、ビアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)の1個または複数で場合によっては置換されたアルキルまたはアルケニル基を表し、
R”は、−OH、アルキル、アリール、シクロアルキル、−O−アルキル、および−NRR’
[アルキルは、以下の基、すなわち−CN、ハロゲン、アリール、ビアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)の1個または複数で場合によっては置換され、
アリールは、−CN、ハロゲン、アリール、アルキル、−O−アルキル、−アルキル−C(=O)O−アルキル、−アルキル−C(=O)OH、−O−アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、−NRR’、−OH、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)、−O−アリール、パーハロアルキル、−COOH、COORから選択される1個または複数の基で場合によっては置換され、
ヘテロアリールはそれぞれ独立に、ハロゲン、−COOH、およびヘテロシクロアルキルから選択される1個または複数の基で場合によっては置換され、
ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立に、1個または複数のアルキルまたは=Oで場合によっては置換される]から選択され、
R’’’は、H、以下の基、すなわち−CN、ハロゲン、アリール、ビアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−CO2H、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−シクロアルキル、−C(=O)O−アルキル、−C(=O)NRR’、−OH、−O−アルキル、−O−アルキルアリール、−C(=O)O−アリール、−NRR’、−S(O)pR(pは、0、1、または2を表す)の1個または複数で場合によっては置換されたアルキルまたはアルケニルである}
またその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびエピマー、ならびに薬剤として許容される塩。
【請求項28】
R”が、−OH、アルキル、アリール、シクロアルキル、−O−アルキル、または−NRR’(アリールは、−O−アルキルアリール、−O−アルキル、アルキル、アリール、またはハロゲンで場合によっては置換される)を表し、
ALKが、アリールで場合によっては置換されたアルキルを表し、
R’’’が、Hを表し、
各Xが、ハロゲン原子で場合によっては置換された炭素原子を表し、
R2が、Hまたはアルキル基を表し、
RおよびR’が、水素原子またはアルキル基を表す、請求項26または27に記載の化合物。
【請求項29】
Xが、キノリン環系の6位がフッ素原子で場合によっては置換された炭素原子を表す、請求項26から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
次式の化合物(3)を、
【化6】

(式中、Xおよび
【化7】

は、前記請求項のいずれかの一項に記載の通りである)
式R1−Hal(式中、Halは、ハロゲン原子を表し、R1は、請求項26から29のいずれか一項に記載の通りである)の化合物と、適切な有機溶媒中、アルカリ性媒体中で、室温から溶媒の沸点までの温度で反応させることにあるステップと、場合によっては、得られた生成物を塩基の存在下アルコール溶媒中で鹸化することにあるステップと、場合によってはそれに続いて、得られた生成物を、アルコール溶媒中、酸性媒体中で、式R2−OH(R2は、前記請求項のいずれか一項に記載の通りである)の対応するアルコールでエステル化することにあるステップとを含む、請求項26から29のいずれか一項に記載の式(I)または(III)の化合物の調製方法。
【請求項31】
得られた生成物を単離するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
請求項26から29のいずれか一項に記載の一般式IまたはIIIの少なくとも1個の誘導体を有効成分として含む薬剤組成物。

【公表番号】特表2007−516986(P2007−516986A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545961(P2006−545961)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013662
【国際公開番号】WO2005/063244
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】