説明

酸性染料

一般式(1)の化合物、それらの調製法および有機基質の染色および/または捺染のためのそれらの使用。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規酸性染料、それらの調製法および有機基質の染色のためのそれらの使用に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、一般式(1)の化合物を提供する。
【0003】
【化10】

(式中、
およびRは、独立して置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルであり、
およびRは、独立して、置換されているもしくは置換されていないアリールまたは置換されているもしくは置換されていない−(CH2)−アリールl(式中、n=1,2,3または4である。)であり、
およびRは、独立して、水素、置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルまたは置換されていない非分枝C1−6アルコキシもしくは置換されていない分枝C3−6アルコキシまたは置換されている非分枝C1−6アルコキシもしくは置換されている分枝C3−6アルコキシまたはハロゲンまたは−NHCO−(C1−6アルキル)(これは、非分枝C1−6アルキル基(これは、置換されているかまたは置換されていない。)を有する。)もしくは−NHCO−(C3−6アルキル)(これは、分枝C3−6アルキル基(これは、置換されているかまたは置換されていない。)を有する。)または−NHCONHであり、
およびRは、独立して水素、置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルまたはハロゲンであり、
一般式(1)の化合物は少なくとも1つのアニオン置換基を有する。)
【0004】
一般式(1)の好適な化合物において、
およびRは、独立して置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルであり、
およびRは、独立して、アリールまたは−(CH2)−アリール(式中、n=1,2,3または4である。)であり、
およびRは、独立して、水素、置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルまたは置換されていない非分枝C1−6アルコキシもしくは置換されていない分枝C3−6アルコキシまたは置換されている非分枝C1−6アルコキシもしくは置換されている分枝C3−6アルコキシであり、
およびRは、独立して水素、置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルまたはハロゲンである。
【0005】
一般式(1)の好適な化合物は、少なくとも1つのアニオン置換基、好適には1つまたは2つまたは3つのアニオン置換基、特に非常に好適には2つのアニオン性置換基を有する。
【0006】
一般式(1)の化合物中の少なくとも1つのアニオン置換基は、置換基R、R、Rおよび/またはRの1つに位置していることが好適であり、該少なくとも1つのアニオン置換基は、置換基Rおよび/またはRの1つに位置していることがより好適である。
【0007】
好適なアニオン置換基は、カルボキシルおよび/またはスルホ基であり、スルホ基が特に好適である。
【0008】
一般式(1)の好適な化合物は、好適には1つ2つまたは3つ、より好適には2つのスルホ基を有する。該好適な1つ、2つまたは3つのスルホ基は、好適には更なる置換基であるまたはR、R、Rおよび/またはR基上の置換基であり、該好適な1つ、2つまたは3つのスルホ基は、置換基Rおよび/またはRの1つに位置していることがより好適である。
【0009】
アリールは、好適には置換されているフェニルもしくは置換されているナフチルまたは置換されていないフェニルもしくは置換されていないナフチルまたは置換されているまたは置換されていない−(CH−フェニルまたは置換されているもしくは置換されていない−(CH−ナフチル(式中、n=1,2,3または4である。)である。好適には、nは1または2である。
【0010】
更に、RおよびRが、置換されていない−CH−フェニル基または置換されている−CH−フェニル基である、式(I)の化合物が特に好適である。好適な−CH−フェニル基は、置換されている−CH−フェニル基であり、好適にはニトロ基および/またはスルホ基(このスルホ基は置換されている−CH−フェニルの置換基として特に好適である。)で置換されている。
【0011】
−CH−フェニル基中のこれらの置換基は、フェニル部分に位置していることが好適である。より好適には、−CH−フェニル基中のこれらの置換基は、メタ位またはパラ位のフェニル部分に位置していることが好適であり、パラ位よりもメタ位がより好適である。
【0012】
分枝C3−6アルキル基または非分枝C1−6アルキル基および非分枝C1−6アルコキシル基または分枝C3−6アルコキシ基は、ヒドロキシ基またはシアノ基で更に置換され得る。好適には、該アルキル基および/または該アルコキシル基は更に置換されていないことが好適である。
【0013】
式(1)の好適な化合物において、好適なアルキル基および好適なアルコキシル基は、メチル、エチル、プロピル、メトキシおよびエトキシ基である。メチル、エチルおよびメトキシ基が特に非常に好適である。
【0014】
置換されているアリール基は、好適にはニトロ基またはスルホ基で置換されている。アリール基上の置換基としてスルホ基が特に好適である。
【0015】
式(1)の好適な化合物において、ラジカル
【0016】
【化11】

は、m位またはp位においてラジカル
【0017】
【化12】

に結合しており、p位がより好適である。
【0018】
本発明はまた、式(1)の化合物を調製するための方法を提供する。式(1)の本発明の化合物は、通常の方法で通常の条件下で調製され得る。
【0019】
これらの方法において、式(II)の化合物
【0020】
【化13】

(この化合物は、文献から知られており、SGはアセチルなどの保護基であり、他の置換基はそれぞれ上記の通り。)は、常法によりジアゾ化されて、式(III)の化合物
【0021】
【化14】

(式中、置換基はそれぞれ上記の通り。)の1当量と結合され、保護基SGが(加水分解により)除去された後、式(IV)のアミン
【0022】
【化15】

が常法によりジアゾ化され、式(V)の化合物
【0023】
【化16】

の1当量と結合される。
【0024】
同様に、式(II’)の化合物
【0025】
【化17】

がまず常法によりジアゾ化され、式(V)の化合物
【0026】
【化18】

の1当量と結合され、保護基SGが除去(加水分解により)された後、式(IV’)のアミン
【0027】
【化19】

が常法によりジアゾ化され、式(III)の化合物
【0028】
【化20】

(式中、置換基はそれぞれ上記の通り。)の1当量と結合されるプロセスにより進めることも可能である。
【0029】
原則として、式(II”)の化合物
【0030】
【化21】

の両方のアミン機能がビスジアゾ化され、ついで化合物(III)または(V)の2当量と結合されるまたは式(III)および(V)の化合物の混合物に結合されることもまた可能である。その結果、異なった可能な化合物の統計的混合物が、ジアミン(II’)がビスジアゾ化され、ついで式(III)および(V)の化合物の混合物と反応されるような反応手順となり得ることは当業者に明らかなはずある。
【0031】
この手順において、特定のアミンが0−10Cに冷却されまたは好適には0−5Cに冷却され、ニトロシル硫酸を加えてジアゾ化される。その後、ジアゾ化されたアミンは、必要に応じ、好適には水溶液中で化合物(III)または(V)と反応させられる。
【0032】
式(I)の染料は、例えば、アルカリ金属塩を用いる塩析、濾過および乾燥などの通常のプロセスにより、適切であれば減圧下および高温で反応媒体から単離され得る。
【0033】
反応および/または単離の条件によって、式(I)の染料は、遊離の酸として、塩としてまたは混合塩(これは、例えば、ナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、またはアンモニウムイオンまたは例えば、モノ、ジもしくはトリメチルまたはエチルアンモニウムカチオンなどのアルキルアンモニウムカチオンから選ばれる1つ以上のカチオンを含む。)として得られ得る。該染料は、通常の技術により、遊離の酸から塩または混合塩に(またはその逆)または1つの塩からもう一つの塩に転化され得る。望むならば、該染料は、膜分離精製法によって更に精製され得る(この場合、望まない塩および合成副産物は粗アニオン染料から分離される。)。
【0034】
粗染料溶液からの望まない塩、合成副産物および水の部分的除去は、圧力を加えて半透膜によって行われ、それにより該染料が、通常の方法で、望まない塩および合成副産物を含まないで溶液として、必要ならば固体として通常の方法で得られる。
【0035】
式(I)の染料およびそれらの塩は、天然または合成ポリアミドからなる繊維材料を赤または紫のシェードに染色もしくは捺染するために特に適している。式(I)の染料およびそれらの塩は、インクジェットインクの製造のためにならびにこれらのインクジェットプリンティングインクを天然または合成ポリアミドまたはセルローズ(例えば、紙)からなる繊維材料をプリントするために、使用するのに適している。
【0036】
従って本発明は、もう1つの態様から、天然または合成ポリアミドからなる繊維材料を染色および/または捺染するための式(1)の染料、それらの塩および混合物の使用を提供する。更なる態様は、インクジェットインクの製造および天然または合成ポリアミドからなる繊維材料の捺染のためのそれらの使用である。
【0037】
染色は、既知の方法で行われる(例えばUllmanns Encyklopadie der technischen Chemie,4th Edition,1982,22巻,658−673ページまたはM.Peter and H.K.Rouetteの著書、Grundlagen der Textilveredlung,13版,1989,535−556ページおよび566−574ページに記述されている染色方法参照。)。30から140C、より好適には80から120C、最も好適には80から100Cの温度の排気工程および3:1から40:1の範囲の液体比率における染色が好適である。
【0038】
染色される基質は、例えば、糸、織布、ループを形成するように編まれた織布またはカーペットの形であり得る。仔羊のウール、カシミア、アルパカおよびモヘアなどの繊細な基質上にフルファッション染色を恒久的にさえ行うことが可能である。本発明の染料は、特に細デニール繊維(マイクロファイバー)の染色に特に有用である。
【0039】
本発明による染料およびそれらの塩は、既知の酸性染料と高い相溶性がある。従って、式(I)の染料、それらの塩または混合物は、染色または捺染のプロセスに単独でまたはあるいは混合シェード染色)または捺染組成物中の成分として、同じ種類の他の酸性染料(即ち、例えば堅牢度および染料浴から基質上への吸尽速度(exhaustion rates)などの同程度の染色特性を有する。)と共に使用され得る。本発明の染料は、特に適した発色団を有する特定の他の染料とともに使用され得る。混合シェード染色または捺染組成物中に存在する染料の比率は、得られるべき色相によって指示される。
【0040】
上述のように、式(I)の新規染料は、天然および合成ポリアミドの染色に非常に有用である。即ち、羊毛、絹およびすべてのナイロンのそれぞれの上で、高い堅牢度レベル、特に良好な光堅牢度および良好な湿潤堅牢度(洗濯、アルカリ性汗)の染色が得られる。式(I)の染料およびそれらの塩は、高い吸尽速度を有する。式(I)の染料およびそれらの塩の付着能は、同様に非常に良好である。特定された基質上の単一色相染色物は、突出した品質である。さらにすべての染色物は人工の光の下で一定した色相を有する。更に、デケーティング(decating)および沸騰に対する堅牢度は良好である。
【0041】
該新規染料の決定的な利点は、それらが金属を含まず、非常に滑らかな染色を提供することである。
【0042】
本発明による化合物は、単独の染料としてまたはその良好な相容性のために同じ程度の染色性(例えば、一般堅牢度、吸尽値などに関し。)を有する同じ種類の他の染料との混合要素として用いられ得る。得られた混合シェード染色物は、個々の染料による染色と同様の堅牢度を有する。
【0043】
式(I)の本発明の染料はまた、三色染色または捺染の赤色成分としても用いられ得る。三色染色または捺染は、例えば連続プロセス、吸尽プロセス、泡沫染色プロセスおよびインクジェットプロセスなどのすべての通常のおよび既知の染色および捺染プロセスを利用できる。
【0044】
本発明のプロセスに使用される三色染料混合物中の個々の染料成分の組成物は、所望の色相に依存する。例えば、茶色の色相は、好適には黄色成分55−65重量%、本発明の赤色成分20−30重量%および青色成分10−20重量%を用いる。
【0045】
上述の黄色成分は、式(1)に適合する単一成分または異なった赤色の個々の成分の混合物からなり得る。2つおよび3つの組み合わせが好適である。
【0046】
特に好適な青色および/または黄色成分がWO2002/46318に記述されている。
【0047】
次の実施例において、部および百分率は重量に基づき、温度は摂氏で報告されている。
【実施例】
【0048】
(調製実施例 1)
4−アミノアセトアニリド15.0部を氷50部と約30%の塩酸25容量部の混合物に導入し、約30分間攪拌した。0−5Cにおいて、40%の硝酸ナトリウム17.3容量部を30分以内に滴下して加えた。添加中、氷を加えて温度を0−5Cに維持した。ジアゾ化が終了した後、過剰の硝酸ナトリウムをアミノスルホン酸で分解した。
【0049】
3−[(エチルフェニルアミノ)メチル]ベンゼンスルホン酸29.1部を水200部に懸濁した。該懸濁液を炭酸ナトリウムでpH7−7.5に調整した。ついで該ジアゾ懸濁液を30分のコース中に激しく攪拌して加えた。添加中、炭酸ナトリウム溶液の計量添加によりpHを約7に維持した。
【0050】
カプリング反応の終了後、約30%の水酸化ナトリウム水溶液50容量部を加え、反応混合物を90−100Cに加熱した。該反応を薄層クロマトグラフィーでモニターした。約24時間後、脱アセチル化が終了した。式
【0051】
【化22】

の得られた化合物を濾取した。
【0052】
水200部中の3−[(エチルフェニルアミノ)メチル]ベンゼンスルホン酸29.1部の懸濁液を、炭酸ナトリウムを用いて7−7.5のpHに調整した。この懸濁液をアミノアゾ化合物(I)41.0部および40%硝酸ナトリウム溶液17.3容量部から常法で調製したジアゾニウム溶液と0−5Cにおいて混合した。カップリングが終了した後、式
【0053】
【化23】

の得られた染料を塩化ナトリウムで塩析し、濾取し、減圧下で50Cで乾燥した。それは、羊毛、特にポリアミド繊維上で、非常に良好な光堅牢度および湿潤堅牢度特性(ラムダ(max)(λmax)=529nm)を有する赤色染色を生じた。
【0054】
(実施例 2−26)
次表は、対応する出発物質を使用して実施例1に記載した方法に類似して調製され得る染料を含む。これらの染料は、ポリアミド繊維および羊毛上で非常に良好な光堅牢度および湿潤堅牢度を有する赤色染色を提供する。(Meはメチル、Etはエチル、OMeはメトキシおよびPrはプロピル基である。次表の最右欄に関連物質のラムダ(max)(λmax)を示す。)。
【0055】
【化24】

【0056】
【表1】



【0057】
(使用例 A)
水2000部、弱カチオン活性平坦化剤(この平坦化剤は、エトキシ化アミノプロピル脂肪酸アミドに基づき、染料に親和性を有する。)1部、調製例1の染料0.25部からなり、40%酢酸1−2部でpH5に調整された染色浴にナイロン−6織物100部を入れる。40Cで10分後、該染色浴を1分間1°Cの速度で98°Cに加熱し、ついで45−60分間沸騰させて放置する。その後、それを15分かけて70Cに冷却した。染色浴から染色物を取り除き、熱水ついで冷水で洗浄し乾燥する。良好な光堅牢度および湿潤堅牢度を有する赤色ポリアミド染色物が得られる。
【0058】
(使用例 B)
水2000部、弱カチオン活性平坦化剤(この平坦化剤は、エトキシ化アミノプロピル脂肪酸アミドに基づき、染料に親和性を有する。)1部、調製例1の染料0.3部からなり、40%酢酸1−2部で、pH5.5に調整された40Cの染色浴にナイロン−6,6織物100部を入れる。40Cで10分後、該染色浴を1分間1.5°Cの速度で120°Cに加熱し、ついでこの温度で15−25分間放置する。その後、それを25分かけて70Cに冷却する。染色浴から染色物を取り除き、熱水ついで冷水で洗浄し乾燥する。良好な光堅牢度および湿潤堅牢度を有する赤色ポリアミド染色物が得られる。
【0059】
(使用例 C)
水4000部、弱両性平坦化剤(この平坦化剤は、硫酸化、エトキシ化脂肪酸アミドに基づき、染料に親和性を有する。)1部、調製例1の染料0.4部からなり、40%酢酸1−2部でpH5に調整された40Cの染色浴に羊毛織物100部を入れる。40Cで10分後、該染色浴を1分間1°Cの速度で沸騰するまで加熱し、ついで40−60分間沸騰して放置する。その後、それを20分かけて70Cに冷却する。染色浴から染色物を取り除き、熱水ついで冷水で洗浄し乾燥する。得られた結果は、良好な光堅牢度および湿潤堅牢度を有する赤色羊毛染色物である。
【0060】
(使用例 D)
編まれたナイロン―6材料100部を、
調製例1の染料40部、
尿素100部、
ブチルジグリコールに基づく非イオン性可溶化剤20部、
酢酸(pH4に調整)15−20部、
エトキシ化アミノプロピル脂肪酸アミドに基づき、染料に親和性を有する弱カチオン活性平坦化剤10部および
水810−815部(パッド液の1000部を標線に仕上げるため)からなる50Cの液体でパッドする。
【0061】
このように含浸させた材料を巻き上げ、固定のために85−98°Cで3−6時間、飽和蒸気条件下で水蒸気チャンバー中に放置する。ついで、染色物を熱水および冷水で洗浄し、乾燥する。得られた結果は、反物中の良好な平坦性および良好な光堅牢度および湿潤堅牢度を有する赤色のナイロンである。
【0062】
(使用例 E)
ナイロンー6から構成され、合成の基布を有する布を切断して積み重ねたシート材料を、1000部あたり、
調製例1の染料1部、
イナゴマメ粉エーテル(carob flour ether)に基づく市販の増粘剤4部、
高級アルキルフェノールの非イオンエチレンオキシド付加物2部、
60%の酢酸1部を含む液体でパッドする。
【0063】
ついで、1000部あたり次の成分を含むぺーストを用いて捺染する。
市販のアルコキシ化脂肪族アルキルアミン20部(代替製品)
イナゴマメ粉エーテルに基づく市販の増粘剤20部、
【0064】
該プリントを100Cで飽和蒸気中で6分間固定し、洗浄し、乾燥する。得られた結果は、赤色と白色の模様を有する平坦な着色したカバー材料である。
【0065】
(使用例 F)
水2000部、弱カチオン活性平坦化剤(この平坦化剤は、エトキシ化アミノプロピル脂肪酸アミドに基づいており、染料に親和性を有する。)1部、調製例1の染料0.2部、市販のC.I.Acid Yellow 236(Nylosan Yellow F−L)の製剤1.5部および特許出願WO99/51681またはEP1066340Blの調製例46の青色染料0.5部からなり、40%酢酸1−2部でpH5に調整された40Cの染色浴にナイロン6、6の織物100部を入れた。40Cで10分後、該染色浴を1分間1°Cの速度で98°Cに加熱し、ついで45−60分間沸騰して放置する。ついで、これを15分かけて70Cに冷却する。染色浴から染色物を取り除き、熱水ついで冷水で洗浄し乾燥する。得られた結果は、良好な光堅牢度および湿潤堅牢度を有する平坦な灰色のポリアミド染色物である。
【0066】
【化25】

【0067】
(使用例 G)
クロム鞣しおよび合成的に再鞣しされた髭剃湿性銀面皮革100部を55°Cで水300部および調製例1の染料2部の浴中で30分間染色する。亜硫酸化魚油の60%の乳濁液4部を加えた後、該皮革を45分間加脂する。ついで、これを8.5%のギ酸で酸性化し、10分間粉砕する(浴中の最終pH3.5−4.0)。ついで、該皮革を洗浄し、ドリプドライさせ、通常通り仕上げる。得られた結果は、良好な堅牢度を有する平坦な明るい赤い色相に染色した皮革である。
【0068】
使用例AからGは、染料2から26を用いて実施され得、同様な結果が得られる。
【0069】
(使用例 H)
調製例3の染料3部を脱塩水82部およびジエチレングリコール15部に60Cで溶解する。室温に冷却すると、紙またはポリアミドおよび羊毛繊維上のインクジェット捺染に非常に適した赤色プリンティングインクが得られる。
【0070】
使用例Hはまた、染料1または2および4から26を用いて実施され得、同様な結果が得られる。
【0071】
(使用例 I)
水1000部、焼成グラウバー塩80部、ニトロベンゼン−3−スルホン酸ナトリウム1部および実施例79の染料1部からなる染料浴を10分間のコース中、80Cに加熱する。ついで、シルケット綿100部を加える。ついで、80Cで5分間染色し、ついで15分のコース中、95°Cに加熱する。95°Cで10分後、炭酸ナトリウム3部を加え、ついで20分後に更に炭酸ナトリウム7部を加え、30分後に95°Cで更に炭酸ナトリウム10部を加える。その後、染色を95°Cで60分間続ける。ついで、染色された材料を染料浴から取り除き、3分間脱塩した流水中で洗浄する。ついで、一時に、脱塩沸騰水5000部中で10分間2回洗浄し、その後、60Cで3分間脱塩した流水中で洗浄し、水道水で1分間洗浄する。乾燥すると良好な堅牢度を有する輝いた赤色の綿の染色物が得られる。
【0072】
(使用例 J)
調製例1の染料0.2部を熱水100部に溶解し、溶液を室温に冷却する。この溶液をホランダー(Hollander)中で水2000部の中で砕かれ、化学漂泊された亜硫酸パルプ100部に加える。共混合15分後、通常の方法で樹脂サイズ剤および硫酸アルミニウムで材料をサイズする。この材料から製造された紙は良好な湿潤堅牢度のある赤色シェードを有する。
【0073】
使用例IおよびJもまた、染料2から26を用いて実施され得、同様な結果が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)の化合物。
【化1】

(式中、
およびRは、独立して、置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルであり、
およびRは、独立して、置換されているもしくは置換されていないアリールまたは置換されているもしくは置換されていない−(CH2)−アリール(式中、n=1,2,3または4)であり、
およびRは、独立して、水素、置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルまたは置換されていない非分枝C1−6アルコキシもしくは置換されていない分枝C3−6アルコキシまたは置換されている非分枝C1−6アルコキシもしくは置換されている分枝C3−6アルコキシまたはハロゲンまたは−NHCO−(C1−6アルキル)(これは、非分枝C1−6アルキル基(これは、置換されているかまたは置換されていない。)を有する。)もしくは−NHCO−(C3−6アルキル)(これは、分枝C3−6アルキル基(これは、置換されているかまたは置換されていない。)を有する。)または−NHCONHであり、
およびRは、独立して水素、置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルまたはハロゲンであり、および
一般式(1)の化合物は少なくとも1つのアニオン置換基を有する。)
【請求項2】
およびRが、独立して置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルであり、
およびRが、独立して、置換されているもしくは置換されていないアリールまたは置換されているもしくは置換されていない−(CH2)−アリール(式中、n=1,2,3または4である。)であり、
およびRが、独立して、水素、置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルキルまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルまたは置換されていない非分枝C1−6アルコキシもしくは置換されていない分枝C3−6アルコキシまたは置換されている非分枝C1−6アルコキシもしくは置換されている分枝C3−6アルコキシであり、
およびRが、独立して水素、置換されていない非分枝C1−6アルキルもしくは置換されていない分枝C3−6アルコキシまたは置換されている非分枝C1−6アルキルもしくは置換されている分枝C3−6アルキルまたはハロゲンであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(1)の化合物が、1つまたは2つまたは3つのスルホ基を有することを特徴とする請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式(II)の化合物(式中、SGは、保護基である。)
【化2】

が、ジアゾ化され、式(III)の化合物
【化3】

の1当量に連結され、保護基SGが除去された後、得られる式(IV)のアミン
【化4】

が、ジアゾ化され、式(V)の化合物
【化5】

の1当量に連結されることを特徴とする、または
式(II’)の化合物
【化6】

が、ジアゾ化され、式(V)の化合物
【化7】

の1当量に連結され、保護基SGが除去された後、式(IV’)のアミン
【化8】

が、ジアゾ化され、式(III)の化合物
【化9】

の1当量に連結されることを特徴とする(式中、置換基はそれぞれ上記の通り。)、
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製のための方法。
【請求項5】
有機基質の染色および/または捺染のための、請求項1または2または3に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項6】
羊毛、絹および合成ポリアミドの染色および/または捺染のための、請求項1または2または3に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項7】
インクジェットプロセス用の印刷インクの調製のための、請求項1または2または3に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−532545(P2009−532545A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503557(P2009−503557)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053142
【国際公開番号】WO2007/115960
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(596081005)クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド (27)
【Fターム(参考)】